2015 - JAIA 日本自動車輸入組合

(第 51 回通常総会議案 第 1 号議案-1)
2015 年度事業報告
日本自動車輸入組合
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2015 年度事業報告
-目次-
Ⅰ. 法人の概況 ................................................................................................................................. 1
Ⅱ. 事業の状況 ................................................................................................................................. 6
2015 年度の事業活動概況 ................................................................................................................ 6
2015 年度における各事業の推進状況 .............................................................................................. 8
1.市場関連事業への取り組み(統計、広報、流通等).................................................................. 8
(1)市場関連諸活動 ...................................................................................................................... 8
(2)基盤的活動 ............................................................................................................................. 9
(3)広報活動 ................................................................................................................................. 9
2. 会員関連事業への取り組み(会員に対する基本的サービス等) ................................................. 12
(1)理事会・委員会組織 ............................................................................................................ 12
(2)事務局運営 ........................................................................................................................... 12
(3)法制度への対応と関係規程類の改定 ................................................................................... 13
3.環境・安全・認証関連事業への取り組み ................................................................................. 13
(1)認証および登録 ...................................................................................................................... 13
(2)新車環境関連規制 ................................................................................................................ 14
(3)新車安全規制 ....................................................................................................................... 16
(5)アフターセールスおよびリコール ...................................................................................... 19
4. 二輪車事業への取り組み ......................................................................................................... 22
(1)事業の概要 ........................................................................................................................... 22
(2)技術・環境関連活動 ............................................................................................................ 23
(3)市場関連活動 ....................................................................................................................... 24
5.JAIA 設立 50 周年事業の実施 .................................................................................................. 25
6. 重要な契約に関する事項 ........................................................................................................... 27
7. 役員会等に関する事項(理事会・総会) .................................................................................. 27
8. 損益及び正味財産の状況の推移 ................................................................................................ 28
Ⅲ. 法人の課題 ............................................................................................................................... 28
Ⅳ. 株式を保有している場合の概要 .............................................................................................. 28
Ⅴ. 決算期後に生じた法人の状況に関する重要な事項 ................................................................ 28
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2015 年度事業報告
Ⅰ. 法人の概況
1. 設立年月日
1965 年 11 月 1 日
2. 定款に定める目的
本組合は、輸入取引の秩序を確立し、かつ組合員の共通の利益を増進するための事業
を行い、もって自動車の輸入貿易の健全な発展を図ることを目的とする。
3. 定款に定める事業
定款 第 8 条
組合員の共通の利益を増進するための事業
イ. 自動車の輸入に関する内外事情の調査
ロ. 自動車の輸入に関する諸統計の作成
ハ. 自動車の輸入に関する情報及び資料の蒐集並びにこれらの組合員への提供
ニ. 輸入する自動車に関する共同の展示その他の宣伝
ホ. 輸入する自動車に関する諸官庁との連絡及び協調
ヘ. 自動車の輸入に関する苦情及び紛争の解決の斡旋
ト. その他組合及び組合員の健全な発展を図るための事業
4. 所管官庁
経済産業省
5. 組合員の状況
種
期末の状況
前期末
正会員(四輪)
28
28
正会員(二輪)
9
8
○加入
類
株式会社プロト
(2016.2.1)
1
組合員名簿
(2016 年 3 月 31 日現在)
四輪自動車
組 合 員 名
輸入契約取扱車
1.
Aston Martin Japan 合同会社
アストンマーチン
2.
アウディジャパン株式会社
アウディ、ランボルギーニ
3.
ビー・エム・ダブリュー株式会社
BMW、ミニ
4.
株式会社キャロッセ
プロトン
5.
FCA ジャパン株式会社
6.
Ferrari Japan 株式会社
フェラーリ
7.
フォード・ジャパン・リミテッド
フォード
8.
ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社
キャデラック、シボレー
9.
本田技研工業株式会社
ホンダ海外生産車
10.
現代自動車ジャパン株式会社
ヒュンダイ
11.
ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社
ジャガー、ランドローバー
12.
エルシーアイ株式会社
ロータス
13.
マセラティ ジャパン株式会社
マセラティ
14.
マクラーレンオートモーティブアジア Pte Ltd
マクラーレン
15.
メルセデス・ベンツ日本株式会社
メルセデス・ベンツ、スマート
16.
ニコル・レーシング・ジャパン合同会社
BMW アルピナ
17.
ピーシーアイ株式会社
サーブ
18.
プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社
プジョー、シトロエン、DS
19.
ポルシェジャパン株式会社
ポルシェ
20.
ルノー・ジャポン株式会社
ルノー
21.
ロールス‐ロイス モーターカーズ リミテッド
ロールス・ロイス
22.
株式会社 RTC
ルーフ
23.
スカニアジャパン株式会社
スカニア
24.
テスラモーターズジャパン合同会社
テスラ
25.
トヨタ自動車株式会社
トヨタ海外生産車
26.
UD トラックス株式会社
ボルボトラック
27.
フォルクスワーゲングループジャパン株式会社
フォルクスワーゲン、 ベントレー
28.
ボルボ・カー・ジャパン株式会社
ボルボ
クライスラー、ジープ
フィアット、アルファロメオ、アバルト
2
二輪自動車
組 合 員 名
輸入契約取扱車
1.
ビー・エム・ダブリュー株式会社
BMW
2.
BRP ジャパン株式会社
BRP Can-Am Spyder
3.
ドゥカティ ジャパン株式会社
ドゥカティ
4.
ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社
ハーレーダビッドソン
5.
カ・テ・エム・ジャパン株式会社
KTM
6.
Piaggio Group Japan 株式会社
7.
株式会社プロト
アプリリア、モト・グッツィ、ピアジッオ、
ベスパ
ロードホッパー
トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン
8.
9.
株式会社
株式会社ホワイトハウスオートモービル
トライアンフモーターサイクル
インディアン モーターサイクル、ベクトリックス
6. 主たる事務所
東京都港区芝 3 丁目 1 番地 15 号
芝ボートビル 5 階
7. 役員等に関する事項
退
理事長
庄 司
副理事長
理
事
任
茂
新
2015.7
理
ペーター・クロンシュナーブル
2015.9
大喜多
2015.12
寛
3
事
任
クリストフ・プレヴォ
2015.5
副理事長
石 井 澄 人
2015.7
理事長
ペーター・クロンシュナーブル
2015.9
副理事長
上野 金太郎
2015.9
理
事
スヴェン・シュタイン
2015.9
理
事
斎 藤
2016.1
徹
(2016 年 3 月 31 日現在)
役
職
理事長
氏
常勤/
名
所 属 社 名
非常勤
ペーター・クロンシュ
ナーブル
非常勤 ビー・エム・ダブリュー株式会社
社 内 役 職
代表取締役社長
副理事長
石 井 澄 人
非常勤 ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
副理事長
上 野 金太郎
非常勤 メルセデス・ベンツ日本株式会社
フリーデマン・ブリュール
常
勤 日本自動車輸入組合
常務理事 小 林 健 二
常
勤 日本自動車輸入組合
理
事
斎藤
非常勤 アウディジャパン株式会社
理
事
ポンタス・ヘグストロム 非常勤 FCA 株式会社
理
事
森 田 俊 生
理
事
スチュアート・ファレル 非常勤 ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社 代表取締役社長
理
事
マグナス・ハンソン
非常勤
理
事
クリストフ・プレヴォ
非常勤 プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長
理
事
黒 坂 登志明
非常勤 ポルシェジャパン株式会社
会長
理
事
早 川
非常勤 トヨタ自動車株式会社
専務役員
理
事
スヴェン・シュタイン
非常勤
理
事
木 村 隆 之
非常勤 ボルボ・カー・ジャパン株式会社
監
事
C.H.ニコ・ローレケ
非常勤 ニコル・レーシング・ジャパン合同会社 代表取締役社長
監
事
大 極
非常勤 ルノー・ジャポン株式会社
副理事長
兼専務理事
役
職
顧
問
徹
非常勤 フォード・ジャパン・リミテッド
茂
司
氏
ジャガー・ランドローバー・ジャパン
株式会社
フォルクスワーゲングループジャパン株
式会社
名
アンソニー・ミリントン
所 属 社 名
欧州自動車工業会 東京事務所
4
代表取締役社長 兼
最高経営役員(CEO)
代表取締役社長
代表取締役社長
兼 CEO
代表取締役社長
代表取締役社長
代表取締役副社長
代表取締役社長
兼 CEO
代表取締役社長
社 内 役 職
理事長
8. 職員に関する事項
(2016 年 3 月 31 日現在)
職
員
男
子
女
合
人
数(前期末)
平均年齢
平均勤続年数
16(15)
51.4
11.8
子
3( 3)
39.7
3.5
計
19(18)
49.5
11.3
※上記は非常勤職員も含む
9. 許認可に関する事項
記述すべき事項なし。
10. 表彰に関する事項
記述すべき事項なし。
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Ⅱ. 事業の状況
2015 年度の事業活動概況
経済情勢と輸入車市場
2015 年度の日本経済は、前半は円安・株高が進行し企業業績も順調に推移したが、個
人消費については消費増税の影響が尾を引き回復軌道には乗れない状態が続いた。2015
年の後半に入ると、安倍内閣は 9 月に「安保関連法案」を成立させ、10 月に第 3 次内閣
改造を行い「1 億総活躍社会」の実現を掲げ、経済運営に力点を置く政策を立案実施し
た。国際的に懸案の一つとなっていた「TPP」も大筋合意に至った。デフレの完全脱却
への歩みは足踏み状態が続いた。
年が明け 2 月に、日銀が初めてのマイナス金利を導入して追加の金融緩和を行った。
しかし、個人消費は依然として低迷から抜け出せないまま、先行き不透明の難しい状況
が続いた。
2015 年度の国内自動車販売(軽自動車を含む)は全体で 493 万 7,638 台、前年比 6.8%
減となり、2 年連続で前年を下回り、東日本大震災の影響があった 2011 年度以来、4 年
振りに 500 万台を割り込んだ。特に軽自動車販売は 2015 年 4 月の軽自動車税増税によ
り前年度比 16.6%減の 181 万 3,328 台と 2 年連続で落ち込み、軽自動車のシェアは過去
最高だった前年度の 41.0%から 36.7%に低下した。
輸入車販売は、総計で 32 万 6,588 台、前年度比 0.8%増となり、微増ながら 2 年振り
にプラスに転じ、登録車全体に占める輸入車シェアは過去 2 番目の 10.5%だった。
このうち外国メーカー車は、前年度比 0.1%増の 28 万 2,079 台だった。排ガス問題で
販売が急減したブランドや日本市場からの撤退を表明したブランドもあったが、安全・
環境性能と経済性を合わせ持った新型車の投入効果、各社の懸命な販売努力等により、
全体として、ほぼ前年並みの水準(微増ながら 2 年振りのプラス)を維持し、登録車全
体に占めるシェアは 9.0%と過去最高水準だった。但し、登録車及び軽自動車総計に占
めるシェアは 5.7%にとどまった。日本メーカー海外生産車は 4 万 4,509 台で 2 年振り
のプラスとなった。
組織運営と事業活動
2015 年 9 月に開催された第 3 回理事会(書面)で、7 月末に理事長を退任した庄司茂
氏(VGJ)に代わって、ペーター・クロンシュナーブル副理事長(BMW)が理事長に
選任され、後任の副理事長には上野金太郎理事(MBJ)が就任した。
事業活動については、会員共通の利益を増進すべく、①自動車関連の税制、補助金制
6
度の改正、②規制緩和、③基準及び排気・燃費の試験法の国際調和等、輸入車業界の抱
える課題について、関係省庁、関連団体等への渉外活動を展開すると共に懇談会、ヒア
リングへの参加、理事長定例記者会見の実施、ホームページへの関連情報の掲載、設立
50 周年記念事業及びメディア向け輸入車試乗会の実施、東京モーターショー関連イベン
トへの参加・協賛等を実行した。
理事会、企画委員会においては、JAIA 全体の組織運営、基本方針、事業の執行につ
いて、所要の審議・議決を行った。特に、JAIA 設立 50 周年記念事業については、2014
年度に、理事会及びその下に組織した「JAIA50 周年事業タスクフォース」において、
具体的な実施計画を策定し、2014 年度内に一部を実施開始し、2015 年度には「祝賀会」
を中心に7つの事業を実施した。また、欧州自動車工業会(ACEA)本部と規制・基準・
認証関係等を中心とした「連携協定」を結び、2016 年 1 月から ACEA と JAIA の本部・
事務局間の直接の情報交換等をスタートさせた。
このほか、安全・環境関連の課題については、四輪車関連の課題に関しては次世代自
動車委員会(NGVC)を中心とした 4 委員会において、また、二輪車関連の課題に関して
は二輪車委員会において、さらに関係各部会、タスクフォースにおいても、それぞれの
事業計画に基づいて、必要に応じて海外メーカーへの情報提供と会員・海外メーカーか
らの意見集約を行いつつ、会員ニーズを反映させるための関係省庁との折衝、審議会対
応、パブリックコメントの提出等を行った。
事務局運営については、職員の退職に伴う欠員に対する的確な補充、複雑化・多様化
している業務部門への増員の検討等の効率的運営により、経費節減に努めつつ、業務を
遂行し、成果を上げた。
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2015 年度における各事業の推進状況
1.市場関連事業への取り組み(統計、広報、流通等)
(1)市場関連諸活動
1)自動車税制改正関連活動
1)-1 2016 年度税制改正要望
下記の事項をとりまとめた税制改正要望書を関係当局へ提出し、様々な場面を通じて要
望活動を行った。政府・与党によるヒアリングにも参加し、輸入車業界の抱える問題点
と税制要望についての理解を求めた。
1.実質増税となり PHP 車に不公平となる自動車税の環境性能割導入に反対
2.自動車重量税の廃止を含む抜本的見直し
3.自動車税の税率引き下げおよび月割課税の廃止
4.現行の自動車税のグリーン化特例の延長
5.PHP クリーンディーゼル車へのグリーン化特例等減免税制の適用
1)-2 自動車税制改革フォーラム関連活動への参画
引き続き、
「自動車税制改革フォーラム(自動車関係団体で構成)」の業界統一要望の取
りまとめに参画した。
1)-3 2015 年度税制改正の円滑な実施への対応
現行のエコカー減税対応モデルの一覧を取りまとめ、自動車取得税額一覧表および一般
社団法人日本自動車工業会 HP 等に掲載した。
1)-4 2016 年度税制改正の円滑な実施に向けた準備、情報提供
自民党・公明党が 2015 年 12 月 16 日に決定した与党税制改正大綱ならびに政府が 2015
年 12 月 24 日に閣議決定した税制改正大綱の内容を咀嚼し、会員に提供した。
2)輸入車のマーケティング活動における支援活動
会員各社のコンプライアンスへの取り組み等を支援するため、独占禁止法、消費者関連
法、個人情報保護法等、市場・流通関連の法制度に関する情報を収集し、会員に提供し
た。
3)自動車流通関連諸制度への対応
一般社団法人日本自動車会議所の保険委員会、税制委員会および法制委員会、一般財団
法人日本自動車査定協会の中央査定基準価格委員会および査定士技能検定部会、一般社
団法人自動車公正取引協議会の中小型軽部会および中古車部会、一般財団法人自動車検
査登録情報協会の登録情報処理機関運営協議会および幹事会に参画し、会員に必要な情
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報を提供すると共に、必要に応じて輸入車業界としての意見を表明した。
4)地方ディーラー組織との意見交換
JAIA の後援する地方輸入車ショウ開催の機会を捉えて現地を訪問し、主催者との意見交
換、地域の輸入車市場、販売状況の把握を行った。
5)消費者・ユーザー保護関連活動
輸入車に関する質問、苦情、相談に対して、会員および公益財団法人自動車製造物責任
相談センター(ADR)、一般社団法人自動車公正取引協議会(AFTC)と連携して、適切
な回答と解決に努めた。併せて、担当者会議、ADR との意見交換会を行った。また、地
方都市の消費生活センター担当者との懇談会にも参加し、輸入車に対する理解の浸透に
努めた。
(2)基盤的活動
1)輸入車統計
会員の輸入車販売・アフターサービス・リサイクル事業に資するべく、輸入自動車の新
車新規登録、中古車の移転・変更・抹消登録に関する販売統計を日報・月報で作成・提
供した。またそれらの一部をホームページに掲載し、広く一般に公表した。
年次集計に当たっては、価格帯・排気量などによる分析を加えた「輸入車統計情報年報」
を作成し、会員限定情報として CD-ROM により提供した。対前年比数値の捉え方に関
しては、会員各社からの要望に応じ、月初からの稼働日および月末までの残稼働日の何
れでも対比できる体制を整え、各社の利便性向上に寄与した。
昨今の環境対応車への関心の高まりに応じ、次世代車やエコカー減税対象車等の台数を
集計できる体制を構築した。
2)自動車検査登録情報
四輪車の統計作成用基礎情報については、自動車関連三団体(JAMA/JADA/JAIA)によ
るコンソーシアムが組織され、2008 年 4 月から共同利用がスタートしている。引き続
き当組合が会員各社の窓口となり、安価に統計情報が提供される仕組みを維持した。
また、2008 年度からの登録情報の電子的提供制度の創設に伴い、会員各社のニーズに応
じた登録情報の提供が可能になった。並行登録された正規輸入車のリコール用情報や競
合他ブランドの統計情報等を希望する会員会社に対し、サポート業務を行った。
(3)広報活動
1)メディア向け輸入車共同試乗会
「魅力ある輸入車のアピール」事業の具体的な取組みとして、メディアを対象とした第
36 回輸入車試乗会を 2016 年 2 月 2 日(火)~4 日(木)、神奈川県の大磯プリンスホ
テルで開催した。出展は会員 16 社・試乗車 28 ブランド 92 台、参加メデイアは延べ 546
名であった。
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前回に引き続き、媒体とジャーナリストの招待日を分け、媒体招待日(初日と 2 日目)
は 1 回の試乗時間を 80 分間とし、写真撮影等に充分な時間を確保した。一方、ジャー
ナリスト招待日(3 日目)は 1 回の試乗時間を 45 分間とし、より多くの試乗車両に試乗
できる機会を提供した。来場者からは、「取材しやすくなった」などの好意的な評価を
受けるとともに、来年以降の継続開催を求める声も多く寄せられた。
2)JAIA ホームページ
2)-1 一般公衆向け
当ホームページの主要目的である、
「輸入車の魅力」を広く一般公衆に告知するために、
会員各社主催イベントの紹介、ニューモデル発表会の紹介、輸入車試乗会等の特集記事、
および JAIA 設立 50 周年記念事業として、会員各社トップへのインタビュー連載記事を
掲載した。アクセス件数は、年間約 108 万件に達した。
2)-2 facebook 公式ページ
2013 年 1 月から facebook の公式ページを開設した。ホームページの更新情報等を積極
的に掲載し、閲覧する方への利便性を向上すると共に、輸入車試乗会等の写真を紹介し、
より親しみが持てるよう工夫した。
2)-3 一般公衆向け英語版
国内外からの日本の輸入車市場に関する情報を求めるアクセスに応えるため、JAIA の概
要、輸入車統計、日本の輸入車市場、FAQ を中心とした構成の英語版ホームページを作
成し、情報を掲載した。
2)-4 会員専用
これまでの「最新情報をホームページで提供する」という機能から、過去からの配信情
報、所蔵資料等がいつでも閲覧できるデータベース型へと変更して、2007 年 9 月より
運営してきているところ、2015 年度においても、①統計資料、②会議資料・議事録、③
諸規程類、④業界情報等のダウンロードが可能なコンテンツとして継続提供した。
3)東京モーターショー告知イベント(東京モーターフェス)への参加
2015 年 10 月 10 日~11 日の 2 日間(Part 1)、および 2015 年 10 月 28 日~11 月 8 日
の 12 日間(Part 2)、東京臨海副都心地域(お台場エリア)で東京モーターフェス 2015
が開催された。
JAIA 会員は、5 社が車両展示や試乗会に参加した。JAIA は、当イベントの実行委員会
に参加し、情報収集と会員への情報提供に努めた。
4)第 44 回東京モーターショー2015 への共催参加
第 43 回東京モーターショー2013 に引き続き、第 44 回東京モーターショー2015 へも共
催者として参加した。各種委員会および会議体への出席等を通じて、開催準備段階から、
会場構成等に対する輸入車の意見を反映するよう努めた。
第 44 回東京モーターショー2015 は、2015 年 10 月 29 日から 11 月 8 日までの 11 日間、
10
東京ビッグサイトで開催され、812,500 人の来場数を記録した。
JAIA 会員が取り扱う輸入車の出展は、乗用車が 20 ブランド 118 台、商用車が 1 ブラン
ド 1 台、二輪車が 5 ブランド、17 台であった。
5)地方モーターショー、地方輸入車ショウ等
第 9 回大阪モーターショーについて、主催者である大阪モーターショー実行委員会の一
員として参加した。
各都市における輸入車ショウ等(18 回)に JAIA 後援名義を付与し、各地における輸入
車関連イベントを側面的にサポートした。
6)広報資料の作成、公表および JAIA 会員向けニュースの電子配信
6)-1 JAIA ON-LINE
JAIA の活動や輸入車業界に関連する重要なトピックをタイムリーに組合員各社の経営
トップ層にレポートするために、和英文・隔週で E-mail により配信した。なお、2015
年度は 23 回(No. 252~No. 274)の定期配信以外に、税制改正の情報等、重要性の高
いトピックに関しては、随時号外を発行し、よりタイムリーな情報提供に努めた。
6)-2 Imported Car Market of Japan 日本の輸入車市場 2015 年版
日本の輸入車市場や諸制度、各種データ等を和英併記で紹介する資料として 2,000 部を
作成した。会員各社、関係省庁、諸団体並びにマスコミ等に配布すると共に、ホームペー
ジに掲載した。なお、JAIA 設立 50 周年の特別コンテンツとして、
「輸入車 50 年の歩み」
を 2 ページにわたり掲載した。
6)-3 JAIA Market Report
JAIA が収集した自動車市場の動向や流通制度に関する情報を、会員各社に月次(毎月第
3 稼働日と第 6 稼働日の 2 回)で和英同時配信した。
7)報道関係との情報交換 - 定例記者会見
輸入車に対する理解を得るため、2015 年 7 月 22 日と 2016 年 1 月 21 日の 2 回にわた
り理事長定例記者会見を実施し、輸入車業界としての広報、JAIA 活動のアピールを行っ
た。会見は、いずれも理事長による基調スピーチ(市場動向、JAIA の運営、活動等)の
後、出席記者からの質問に答える形で行われ、それぞれ一般紙、自動車産業記者会、業
界紙など 20 媒体前後が参加した。また、会見の主旨をホームページに掲載した。
8)海外ブランド輸入車普及促進スキーム
2012 年 8 月からスタートした本スキームについては 2013 年度第 5 回理事会(2014 年
3 月 31 日開催)において、新たな参加社を募って、更に 2 年間延長することが合意され
たのを受けて、2014 年 8 月から再スタートし、4 年目となる 2015 年度においては下記
3 台の広報車両の貸出を受けた。
海外ブランド車の普及と広報を目的として、このスキームに参加表明した会員会社が
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輪番で 2 年間にわたり、広報車両を 1 台、JAIA に貸し出し、車両を借り受けた事務局は
副理事長兼専務理事の管理のもとに、所期の目的のために使用した。
期
間
2015 年 3 月 31 日~
2015 年 8 月 4 日
2015 年 8 月 4 日~
2016 年 1 月 8 日
2016 年 1 月 8 日~
2016 年 6 月末
会員
会社名
車
名
FCA ジャパン
ジープ・チェロキー
ゼネラルモーターズ・ジャパン
キャデラック SRX
フ ォ ル ク ス ワ ー ゲ ン グ ル ー プ フォルクスワーゲン ティグアン
ジャパン
なお、貸借に当っては費用負担、管理義務等について覚書を交わし、スキームの運用
に万全を期した。また、本スキームについては 2015 年度第 6 回理事会(2016 年 3 月 31
日開催)において 2016 年 8 月から、さらに 2 年間延長することが承認された。
2. 会員関連事業への取り組み(会員に対する基本的サービス等)
(1)理事会・委員会組織
理事会は書面会議を含め 6 回開催され、JAIA の組織運営と事業の実施、定款に定め
られた議決事項について審議・決定した。9 月に開催された第 3 回理事会(書面)で、7
月末に理事長を退任した庄司茂氏(VGJ)に代わって、ペーター・クロンシュナーブル
副理事長(BMW)が理事長に選任された。後任の副理事長には上野金太郎氏(MBJ)
が就任した。
委員会活動については、企画委員会は 2 回開催され、重要課題に関する対応方針を審
議し理事会に提案した。四輪事業に関しては次世代自動車委員会(NGVC)を核に、NGVC
に基準・認証委員会、リサイクル委員会、アフターセールス委員会を加えた 4 委員会で、
二輪車事業については二輪車委員会で、各事業計画に沿って、関係団体とのコミュニ
ケーションのもと、情報収集/提供、意見集約を行うと共に、関係省庁に対する渉外活動
等を通じて成果を上げた。
(2)事務局運営
事務局の活性化、人材の育成、業務の効率化を進めるため、中堅クラスの人事異動を
行った。2015 年度において発生した退職、契約終了等に対しては欠員の補充を行い、業
務が複雑かつ多様化している部門には増員を検討し、他方、専門業務の委託、高齢雇用
者の賃金逓減措置等により人件費の圧縮に努めた。また、会員ニーズを反映し、業務内
容、事務局関連諸規程等について合理化、効率化を進め、人件費の抑制、管理費等の経
費節減を行った。
業務の遂行に当たっては、事務局業務の国際化、情報化の進展に合わせて、スピー
ディーな英文資料の作成、取扱いデータの守秘義務の徹底などへの取り組みを強化した。
また、迅速かつ効率的に業務を行うため、事務機器、施設、設備等の補強、拡充を行っ
12
た。なお、2015 年度についても企業会計基準に準拠した会計処理を行い、「有限責任監
査法人トーマツ」による外部監査を実施した。
(3)法制度への対応と関係規程類の改定
法制度の改正、社会的な要請に対応するために以下の措置を講じた。
1)健康管理、労務管理の観点と世間相場等も踏まえて、休日出張に係る日数の目安、宿
泊費・日当の見直しを中心に出張旅費規程を改定をした。また、炎天下や酷寒での屋外
業務、往復の長時間ドライブなど厳しい条件で勤務する「騒音試験業務」について、国
内出張業務から「特殊勤務」として位置付け、給与規定を改定した。
2) 自動車振興会厚生年金基金解散に伴い、福利厚生の水準を維持すべく後継制度の導入
について検討を開始した。また将来に向けて、定年延長や雇用形態、給与体系等を含め
た全体的な人事制度について引き続き検討を行った。
3) コンプライアンスへの取り組み強化の観点から、定款、規約等に定める手続きの遵守
等の徹底を図った。
3.環境・安全・認証関連事業への取り組み
次世代自動車委員会(NGVC)にて、基準認証委員会、リサイクル委員会、アフターセール
ス委員会、燃費・排気 WG、税制 TF、JNCAP 対応 WG、
IWVTA-WG、PHP-WG,HFCV-WG、
76GHz 帯レーダーTF、排気 OBD 情報開示 TF、リチウムイオンとニッケル水素電池リ
サイクル TF および EV Ad-Hoc グループの活動をコーディネートし、渉外活動を実施し
た。また渉外活動の実施に当たっては、海外自動車メーカーおよび ACEA、ACCJ、JAMA
等の業界団体との連携を強化して効率良く遂行した。税制や補助金に係わる環境基準改
定および東京オリンピックを念頭に置いた自動運転実現等の技術革新計画について、動
向をモニターするとともに渉外活動を推進し、会員へ的確かつ最新の情報を提供した。
遂行するに当たっては、以下のことを徹底して行った。
・
「JAIA 環境・安全・認証方針書(JAIA Policy Paper)」による重要項目の最新化(アップ
デート)見直しとメーカーを含めた対応方針の共通化
・「JAIA Lobbying Strategy」による重要項目の進捗状況管理
・「JAIA 技術渉外活動に係る委員会活動および情報取扱ガイドライン」を遵守した EU
競争法等に抵触しない委員会活動
・各種「マニュアル/ハンドブック」による規則のメーカーを含めたストック情報共有
化
(1)認証および登録
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1) IWVTA への対応
JAIA は認証制度の国際調和を図り、UNRO の車両型式の定義の導入を要望した。
2015 年度の道路運送車両法の一部改正に伴い、2016 年 4 月から日本の認証制度への
IWVTA の成立を前提とした共通構造部の型式指定制度の導入を行っている。JAIA は、
IWVTA-WG を開催し、新制度が認証業務の合理化に最大限活用できるよう日本政府
との協議等渉外活動を実施した。また、国際調和の観点等から日本独自基準の改善要
望を行った。
2) 予備審査の効率化とインポーターの追加費用回避
予備審査の効率化のため、審査スケジュールの最適化を引き続き実施するとともに、
審査部との審査業務連絡会の継続により、海外出張予備審査業務効率化を図った。
その結果、インポーターの追加費用負担も回避出来た。
3) PHP 制度の改善、効率化への対応と騒音試験の実施
・ 排出ガスの抜き取り試験がインポーターの負担になっていることから、その抜取
率の緩和に向けた活動を 2012 年度から行い、2013 年度には抜取率の緩和要望を
国土交通省(MLIT)に提出している。MLIT は、本件の取り扱いは TPP 交渉に係わる
ことから、政府の TPP 交渉の決着までは回答は出せないとされていた。2015 年度
は TPP 交渉の大枠が決着したので、2016 年度に TPP 関連法案成立後に、MLIT が
準備している回答の詳細の取り扱いの明確化を求めていく計画を立てた。
・ PHP 制度の円滑な運用に不可欠な JAIA による騒音試験の実施については、騒音
測定マニュアルの改善を行い、騒音試験の品質改善へのサポート(不具合事象再発
防止への貢献)等の試験実施体制を整備し、インポーターの緊急の実施要望にも極
力対応した。
・また、排気試験抜き取り頻度見直し要望を継続した。
4) 基準認証業務の効率化
・保安基準適用時期一覧(和英)の発行
・諸元表・保安基準適合検討書等のフォーム/チェックリストの簡略化
・認証申請に係る事務手続きの簡素化要望
・自動車型式認証実施要領等のマニュアル更新
(2)新車環境関連規制
1) WLTP – Worldwide Harmonized Light-duty Test Procedure
・日本の排気・燃費測定方法は国際的にユニークなモードであり、海外自動車メーカー
は輸入車の日本市場導入において負担を強いられている
・2014 年 3 月に WLTP のフェーズ 1 は完成し、日本は排出ガス試験への WLTP の早
期採用に向けた審議と基準改正の準備を着々と行っている。JAIA は、日本の排出ガ
14
スおよび燃費試験への WLTP 導入計画に対して、海外メーカーの要望を受けて輸入車
に 23 か月のリードタイムを設ける要望を精力的に行った。しかし、MLIT は JAIA の
要望は納得できる理由ではないとして、受け入れなかった。JAIA は 2016 年度に向け
て、焦点を WLTP 導入後の低排出ガス認定基準の緩和に変更し、要望する活動を行う
方針を立てた。
2) 排気関連施策
・WLTP 導入後の次期乗用車排出ガス規制に対して、PHP 車両等にかかる上限規制値
について、輸入車の実情調査および環境省への折衝活動を行い、JAI 要望がほぼ認め
られた。
・中環審自動車排出ガス専門委員会は、将来規制として、燃料蒸発ガスの強化および
直噴ガソリンエンジン車への粒子状物質(PM)の規制の導入を検討することとなり、
JAIA は海外メーカーの実情を反映させるために、ACEA の専門家を招聘し、ヒヤリ
ング対応を行った。
・海外で排出ガス不正問題が発覚し、環境省および国土交通省は、その対応検討会を
立ち上げ、実際に販売しているディーゼル車の排出ガス調査および将来規制を検討
開始した。JAIA は検討会をモニターし、会員へ情報展開を行った。
・大型車の次期乗用車排出ガス規制 (WHDC モードの採用と規制値の強化)において、
PHP 車両等にかかる上限規制値について)、JAIA 要望の上限規制値が法令に反映さ
れるまで注意深くモニターした。
3) 2020 年度燃費基準
• METI/MLIT は、燃費基準小委員会にて燃費試験に WLTP 試験方法を導入するための
検討を行った。JAIA は当委員会に出席するとともに、会員および ACEA からの意
見・要望を反映させるための提案を行った。その結果、
「Post 2020 Fuel Efficiency
までは JC08 による基準達成判断」、「排出ガス試験と同期した時期の WLTP 採用」
および「燃費表示の目的のみの試験は不要とする」という JAIA 提案は、受け入れら
れた。なお、当初予定していた、WLTP の試験結果から JC08 ベースの燃費値への
換算を可能とする要望については、同小委員会で要望をしたものの、その実現に必
要なデータが不足していうことから、将来課題となった。
• METI/MLIT は、ポスト 2020 年燃費基準策定のための調査検討会を立ち上げ、当該
燃費基準策定に資する情報収集を行った。JAIA 事務局は、委員として参画し、会員
および ACEA からの情報・意見を集約し、当該委員会に提供した。
4) 騒音関係(UNECE R51Rev3、UNECE R117 との基準調和)
環境省(MOE)中央環境審議会の自騒専は、2015 年に UNECE R51Rev3 の導入、
UNECE R117 導入等を答申したことから、政府はその導入の時期に等について検討
した。
JAIA は、騒音測定法及び規制強化に関し、UNECE 基準との調和を基本とした移行を
求め、JAMA などの関係団体等と協調し審議状況をフォローすると共に、以下の意見
を提出した。
・加速騒音規制に UNECE-R51Rev3 の導入
15
・定常走行騒音の廃止および UNECE R117 との基準調和
・近接排気騒音の新車測定値を基準とする相対値規制への移行
・排気ガスマフラーの認証制度導入
その結果、2015 年 10 月 UNR117(タイヤ騒音)を日本が導入した。 また、UNR51Rev3
についても、2016 年 4 月に日本に導入されることとなった。
5)フロン回収・破壊法関連(HFO-1234yf)
2015 年 4 月にフロン排出抑制法が制定され、自動車用エアコンは、2023 年度以降は
現行のフロンから低 GWP 冷媒への切り替えが義務付けとなった。また、2015 年 10
月 1 日から冷媒に関する表示義務が開始された。JAIA は、METI 法令解釈を行い、会
員各社が改正フロン排出抑制法に基づいた車両、カタログ等の対応を図るために、マ
ニュアルを整備し、会員へ情報伝達を行った。
6) 化学物質規制
・日本の自動車が関係する化学物質規制(化審法、労働安全法、オゾン層保護法等)
の法令並びに対象物質および管理すべき化学物質リスト(GADSL)の対象物質に
ついて、モニターし、会員へ情報を提供した。
・METI の審議会で議論される臭素系化学物質等の輸入禁止の動向についてモニター
し、ACEA との情報交換を行いつつ、会員へ情報を提供した。
7) 2016 年度税制改正に係わる環境基準改定および環境インセンティブ
JAIA は以下の環境基準改定等に伴い、会員会社への報告並びにハンドブックへの織
り込みを行った。
・2016 年度税制改正で、自動車税のグリーン化特例制度の適用基準で達成すべき燃
費性能の厳格化がなされた。
また、消費税率が 10%に引き上げられると同時に導入される環境性能課税の環境要
件と税率が決まった。大型車については、ASV 搭載車のエコカー減税の見直しが
行われ、2016 年ディーゼル重量車排ガス規制に適合し、2015 年燃費基準を達成
する車両総重量 7.5t 超のバス・トラックがエコカー減税対象として、追加された。
・クリーンエネルギー自動車(燃料電池車、電気自動車、プラグイン・ハイブリッド
およびクリーンディーゼル車)への補助金制度は 2015 年度末で制度の期限を迎え
たが、2016 年度から補助金の算定基準、上限額を改定して継続されるようになっ
た。
・ 他の環境インセンティブの最新状況をチェックして、明確化した。
(3)新車安全規制
1) 自動運転に係る車両法・道交法に係る検討
日本の道交法、ウイーン条約等の法律ではブレーキ、アクセル、ステアリングの操作はドライ
バーの責任とされており自動運転は認められていない。自動運転の公道試験、市場投入に向
けて、道路交通に関する基本的な法律の解釈と変更をモニターした。
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2)ASV(Advanced Safety Vehicle)推進検討会による安全対策推進への対応
ASV 関連の活動については、2015 年度は第 5 期の最終年度として ASV 推進検討会に
おいて、新たに歩車間通信による歩行者事故の低減が検討されたほか、これまでの実
用化技術の普及促進、安全運転支援システム高度化への対応、車車間通信システム高
度化対応がおこなわれた。・ドライバー過信問題への対応や、ドライバー異常時対応
のガイドラインが設定された
3)燃料電池自動車(FCV)の燃料タンクと安全弁に係る基準・認証プロセス改正
日本のタンク及び安全弁に係る法令が欧米の基準と異なり、更にその基準が相当に厳
しいことから、実質的に日本へ FCV を導入出来ないのが現状である。
MLIT 及び METI は基準の国際化の観点で UN 規則を日本の法令(保安基準および高
圧ガス保安法)に取り込む予定ではあるが、その最終ステップである UN 規則フェー
ズ 2 の完成までに最低で 5 年は必要とされている。
5 年後までは実質的に FCV を導入出来ない現状況が続くことを回避するため、JAIA
は暫定措置として欧米の基準に適合する製品を日本が受け入れるよう渉外活動を
行った。
4) CNG/LNG 燃料タンクと安全弁に係る法令改正
2014 年から MLIT および METI は、CNG/LNG に係わる日本の法令を UN 規則 R110 と
国際調和を図ることを目的として検討し、現行の R110 が日本の要求を入れて改正され
るならば、日本でも R110 の採用が可能として、2015 年に日本政府から WP29 に改正
要望を行った。
WP29 における R110 の改正作業は予定通り進み、2016 年 10 月には発効される見込み
である。既に欧州では販売されている CNG/LNGLNG タンク搭載車両を 2017 年初めか
ら日本に導入可能とするためには、日本の法令・基準が、UN R110 と整合し、2016 年
末までに改正が行われる必要がある。JAIA は、法令・基準改正が 2016 年末目途に行
われるよう、JAISC の議論に参加すると共に、METI に要望を行った。
5)デイタイム・ランニング・ライト(Daytime Running Light)
日本では二輪車のヘッドライト常時点灯義務があり、その被視認性を落とさないために
DRL は禁止されている。
欧米は DRL が義務又はオプションであり、日本でも DRL が認められるよう要望し、M
LITは 2016 年 10 月頃の受け入れを表明した。
6)今後の安全基準策定の動向
MLIT は 2015 年 11 月から交通政策審議会技術安全 WG において、事故および被害者低
減のため、これまでの安全対策の効果評価と今後 5 か年の新たな車両安全対策の検討を
開始した。JAIA はこのWGにおいてこの安全基準作成の際には国際調和基準を採用し
て日本独自の基準を導入しないよう意見を提出するとともに動向をモニターした。
7)J-NCAP 新評価項目試験評価方法の国際整合
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日本の自動車アセスメントは、欧米と評価項目等が異なっており、輸入車は対応に苦
慮してきた。JAIA は,アセスメントの評価方法の外国との調和を要望した結果、
J-NCAP は、歩行者頭部の打点及び衝突時の胸たわみの評価方法については国際調和
を進めることとなった。
8) 車両法以外の安全課題
 火薬取締法への対応
・ISO 規格に適合する自動車の火工品は、火薬取締法の適用除外とする要望を経済産
業省に提出し、また、JAIA 事務局は、その審議会への出席し、説明を行った。
●電気用品安全法の対応
・電動車両電力供給システム協議会(EVPOSSA)事務局と定期的なコンタクトを行
い、安全基準の JIS 化(2016~2018 年)を推進している電安法に関する継続的な情
報提供を依頼した。
・EV 導入予定の会員対応として「EV・PHEV 日本導入時の車両法以外での課題 第 3
版」の記載内容に関する追加調査を行い、回答をした。
・その他、EV への規制に関係する「電気設備の技術基準の改正」に関する情報を
JAMA/JASIC より収集し、該当会員へ展開した。
・(4)ITS の法令・基準関連課題への対応
1)電波法への対応
電波は ITS の促進に必要不可欠な要素であるが、日本の電波法の要件が国際的な調和が
図られていないことや、電波天文台との周波数干渉の課題等がある。これらを解決する
ため以下に取り組んだ。
・76GHz 帯レーダー;使用可能な周波数の幅が、欧米が 1GHz であるのに対し、日本
は 500MHz と狭いことから、2013 年から関係サプライヤーと合同で、日本の周波数
の幅を欧米に合わせるよう総務省へ要望し、2015 年 6 月末までの要望実現を目指し
て、同一/隣接周波数を使用する関係者の理解を得る為の折衝を行った結果、2015
年 6 月に JAIA 要望通りの法令改正が行われた。2015 年度の活動は以下のとおり。
- 審議会における審議状況のモニターおよび会員との情報シェア
- パブリック・コメントのモニターおよび会員との情報シェア
- 法令改正の状況確認および改正法令の会員への展開
- 法令改正に基づく試験方法の入手および会員への展開
・日本では、タイヤ・プレッシャー・モニターおよびキーレス・エントリーで使用さ
れる特定小電力無線には 315MHz の周波数帯しか認められていないが、国際的には
433MHz が使用されていることから、総務省に、433MHz の周波数帯の使用を検討
する要望を出した。
・24/26GHz 帯 UWB レーダー;2015 年度も国産自動車メーカーを含む自主管理グルー
プを運営し、4 半期毎の報告を総務省に提出した。(電波天文台との周波数干渉課題
対応)
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2) 通信利用による歩行者保護検討
・技術基準もしくは技術指針の策定をモニターを継続した。
3) 政府による次世代車の安全と ITS(Intelligent Transport Systems)の実証プログラ
ム
①2014 年 4 月に内閣府による「戦略的イノベーション創造プログラム」
(SIP)が公
表され、その一環として、自動走行システムの開発がテーマとされている。その中
で、2020 年代後半には完全自動走行の実用化および東京オリンピックが開催される
2020 年には準完自動走行システムの実用化を目標としている。JAIA は以下の項目
のモニターを行い、会員への情報提供を行っている。
 安全運転支援システム: ITS-Japan 活動を通じたデモンストレーションプログ
ラム等
 普及促進の動向、規格・プロトコルの動向、新技術の動向
 IT 新改革戦略に基づくインフラ協調安全運転支援システム(2011 年より本格化
した ITS スポットサービス、DSSS サービス)
②自動運転システム:
2015 年 2 月に METI および MLIT を事務局とする自動走行ビジネス検討会が設置
され、自動走行の将来像の共有、競争と協調領域の切り分け、産学および IT 業界
との連携・促進等、日本の戦略に係わる事柄が取りまとめている。JAIA は戦略作
成および以下の点に留意しつつ、会員との情報シェアに努めた。
- ASV 推進検討会での法的検討等、基礎的な研究はモニターを継続。
- ITS-Japan の委員会、分科会に参画し、情報入手
(5)アフターセールスおよびリコール
1) 国土交通省のリコールの対応
・道路運送車両法の改正によるリコール法制強化方針の理解、リコール業務の効率
化のため、リコールWGを開催するとともに、エアバッグリコールのためのタス
クフォースを設置した。JAIA メンバーと MLIT リコール監理室との意見交換をす
ることとなった
2) OBD(車載自己診断装置)普及に伴う対応
・2015 年 4 月から輸入自動車に対する適用が開始された排気 OBD 専用外部故障診
断装置の提供に対応するため、会員の排気 OBD 情報開示業務の支援活動を継続し
た。
・汎用スキャンツールの高度化に関する MLIT の施策のモニター行った
(6)使用済自動車等のリサイクル
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1)審議会における自動車リサイクル法見直しへの課題
自動車リサイクルシステムについては、2005 年 1 月の法施行以来 10 年の節目を
迎えていることから、METI と環境省は合同の審議会(産業構造審議会 産業技術
環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会/ 中央環境審議会 循環型社会部会 自動車
リサイクル専門委員会)を開催し、自動車リサイクル制度の見直しを行った。JAIA
は、2014 年 8 月~2015 年 9 月間に計 13 回開催された合同審議会へ参画し、イン
ポーターの見解を説明した。2015 年 9 月、合同審議会は、自動車リサイクル法。
法令を更に効果的に、かつ、関連技術の開発に直結するために、以下の事項等につ
いての提言を盛り込んだ報告書を公表した。
・自動車ユーザーが環境配慮設計と再資源化材料を活用している車両への選択を促
す適切な情報発信
・炭素繊維強化プラスチック(CFRP)について、CFRP 製の自動車車体をシュレッ
ディングをスムースに行うことは、当面は困難と見做されていることから、官
民で処分/リサイクル技術の研究開発をさらに促進しなければならない、また、
当面のリサイクル処理は、メーカー/インポーターの責任の下になされなければ
ならい。
・リサイクル収支黒字解消および収支の透明化の施策についての検討、取りまとめ
・環境を配慮した設計に係わる情報のとりまとめ(ELV 協会との協議等)
・メーカー/インポーターにとって、どのようなスキームがコスト効果が高くリサ
イクル困難物(例:CFRP)の処理が可能か等の検討
2015 年 9 月以降、JAIA は審議会提言の実現を検討する各検討会(現在進行中)に
参画し、輸入車の実態および JAIA 意見を説明した。2016 年度以降も各検討会で検
討が続くので、JAIA は引き続き所要の意見表明を継続する方針も確認した。
2) 自動車リサイクル法に関わる通例業務
JAIA はメンバーがリサイクル法を順守可能とするために、以下の活動を行った。
・2015 年度のリサイクル関連予算計画および賦課金の予算執行管理
・業界リサイクル関係委員会等の動向のモニター、新規加入インポーターへのサポー
ト、メンバーの運用上の課題や法令の解釈等に関するサポートを実施した。
・エアバッグ類のリコールが発生した車両において、対策が実施されなかった使用
済自動車について、エアバッグ類の取り外し回収を確実に行うための業界の自主
取り組みとして、リサイクル IT システム上にその車台番号を表示することが 2015
年から開始されている。JAIA は JAMA と共に段階的なシステム構築の企画活動に
参画し、会員との情報共有を行った。
・新冷媒(HFO-1234yf)について、自動車リサイクル運用面での留意事項をマニュア
ルに反映した。
・ JARP 主催のフロン類・エアバッグ類の引き取り・処理事業者への監査に JAIA 事
務局が同行し、JAIA としてのサポートに貢献した。
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3)審議会における定例報告
産構審・中環審の自動車リサイクルシステム合同会議において、JAIA は毎年、環境
負荷物質(鉛・水銀・カドミウム・六価クロム)の使用状況を報告しており、海外メー
カーの環境負荷物質の使用状況についての取りまとめを行い、審議会で報告した。
4)エアバッグ ISO 車上作動ツール
・エアバッグ車上作動 ISO 規格(2008 年完成)に基づき、国産車・輸入車のどちらに
も対応するエアバッグ車上作動ツールは 2014 年度に開発が終了し、解体業者等へ
の展開が始まった。JAIA は各社の ISO 車上作動ツールの実車検証へ参加、ツールと
実車の不整合および改善すべき事項に対して、ツール開発の主管となる JARP およ
び関連団体との調整を行った。
5)リチウムイオン並びにニッケル水素電池のボランタリーリサイクリング
・リチウムイオン電池のリユース・リサイクル・廃棄処理については、JAIA は JAMA
の WG (2011 年 4 月より分科会) に参加し一部の JAIA メンバーとともに検討に加
わってきた。その後、一部の国産自動車メーカーと一部の JAIA メンバーによるアラ
イアンス活動へと検討主体が変わった。将来の共同スキームについては使用済み電
池が大量に発生するまでには検討することとなっている。
JAIA は、電池リサイクリング・アライアンス関連情報入手に努め、情報展開を行っ
た。
6)その他の物品材料リサイクル
レアメタルのリサイクルならびに適正処理困難物の課題対応のためいくつかのリサイ
クル制度が稼働している。それらの動きについてモニターを継続した。
・鉛酸バッテリーリサイクルスキーム運用に関するモニター
・発炎筒適正処理/リサイクルスキームに関する検討
(7)情報提供
JAIA メンバーの適切なコンプライアンスのため、ハンドブックやガイドブックを作
成・更新し、情報/ノウハウの蓄積・共有・継承のサポートを行った。
1) JAIA 技術環境サイトの汎用システムの充実、改善、整備
2) 下記の JAIA 作成のハンドブック・マニュアル・フォーマット類の適時の更新
(☆ は 2015 年度に更新したハンドブック類)
●環境関連
・省エネ法燃費要件ハンドブック(第7版)
・環境インセンティブハンドブック(第13版)☆
・燃費スタディーレポート(2015年版)☆
●安全関連
・電波法ハンドブック(第7版)☆
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・高圧ガス保安法ハンドブック(第8版)
・火薬類取締法ハンドブック(第6版)
・EV・PHVに関する車両法以外の課題(第3-1版)☆
●認証関連
・保安基準適用時期一覧(第26版改訂)☆
・騒音試験実施マニュアル(第8版)☆
・基準認証要望☆
・技術基準適合証明書(3回更新)
●アフターセールス関連
・排気OBD情報公開制度の解説/解釈集
・リコールハンドブック(第10版)
・リコール車情報の作成要領☆
●リサイクル関連
・ 新規加入インポーター向けリサイクル法対応ハンドブック(第8-1版)☆
・ 1号インポーター向けリサイクル料金設定の手引き
・ 輸入車ディーラー用新車販売時におけるリサイクル料金徴収実務の手引
・ 自動車リサイクル法令ハンドブック英文版
・ エアバッグ処理事例集(第6版)☆
●全般
・車両法以外の法令ハンドブック
・自治体環境情報説明義務ハンドブック(第3版)
・化学物質ハンドブック
・技術指針ハンドブック
4. 二輪車事業への取り組み
(1)事業の概要
2015 年度の二輪車事業では、基準の国際調和活動や PHP 認証への取り組みに加え、
市場活性化に向けた活動で、顕著な成果を得ることが出来た。また JAIA の二輪車会員
社数は、2016 年 2 月より株式会社プロトが入会し、9 社となった。
基準の国際調和活動については、灯火器の UN 基準の国内採用が前進したほか、排ガ
スの UN 基準制定や念願の近接排気騒音規制の相対値化も実現する事が出来た。
PHP 認証では、既に会員 4 社が認可を取得しており、4 半期毎の登録台数で PHP 認可
車両は期によっては 6 割を超えており、認証費用の軽減を実現。
市場活性化関連活動については、官民(METI、地方自治体、民間二輪車業界団体)連
携で 2013 年度に始まった、2020 年度国内二輪市場 100 万台を目指すことなどを目標と
するバイク・ラブ・フォーラム(BLF、Bike Love Forum)活動(第 3 回 BLF 熊本等)
に 2015 年度においても積極的に継続参加した。JAIA 合同事業としては、2014 年度実
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施の『インポートバイクショーin 浜松』に続き、2015 年 4 月に JAIA 二輪としてマスコ
ミに向けた史上初のメディア向け JAIA 二輪合同試乗会を大磯にて開催し、2 日間延べ
58 媒体 195 名の参加があり、参加メディアの報道を通じて、輸入二輪車の魅力をアピー
ルすることが出来た。
(2)技術・環境関連活動
1) UNECE 法規の国内採用に向けた活動(MLIT/MOE へのコメント・意見表明等)
① 騒音規制
2013 年に 2 年間の活動の結果、国内基準が UNECE41-04 で基準調和されていいたが、
残る日本独自の近接排気騒音規制については、環境省の JAIA ヒアリングの際や MLIT へ
の説明の際に JAIA の意見表明を経て、四輪の R51-03 と共に議論が深まり、2016 年 4
月に待望の近接排気騒音の相対値化が実現した。
②排ガス規制
二輪車の第三期排出ガス規制については、2015 年告示改正の中で JAIA 要望が全面的に
採用された。また、エバポ(燃料蒸発ガス対策)、OBD1(機能不良監視システム)の試
験については、アメリカの試験法及び欧州の試験法を同等の試験とみなすことが了承さ
れた。
③灯火器規制
2015 年 6 月告示改正で、JAIA 要望の UNECE 灯火器規制 R50(各ランプ単品)、R112
(非対称前照灯)、R113(対称前照灯)の基準調和が実現した。DRL(デイタイムラン
ニングランプ)は、四輪においては採用されることとなったが、二輪においては、R53
に自動切り替え要件がないことから、先ず R53 の改正提案を日本政府が提出することと
なっている。
R53 の改正が承認され次第即時国内取り込みが行われる様に要望して行く。
④電動二輪車の安全基準(R136)
JASIC の電動 WG での一年の及ぶ議論の結果、2015 年 12 月に電動二輪車の安全基準
R136 を作成、国連に提案し法制化された。
また、2016 年 1 月に国内取り込みも完了した。今後 JAIA 会委員各社で予想される電動
二輪の導入に向けて、準備が整った。
2)認証業務の効率化に向けた活動
①PHP 認証制度の活用
PHP 認証制度の活用に向け、大きな障害であった PDI(納車前点検)の仕組み、申請書
類の簡素化、国内独自の騒音規制、を過去 3 年間の取り組みで解決してきた。2015 年
度はこれをさらに拡大させるよう以下の運用面の改善に取り組み実現した。
・技術基準適合証明の項目拡大
・灯火器 UNECE 認可証の受け入れ
23
(3)市場関連活動
1) 市場活性化策
① 第 1 回輸入二輪車試乗会・展示会を開催
2015 年 4 月に、神奈川県・大磯プリンスホテルで JAIA 二輪車事業史上初のメディア向
け JAIA 合同試乗会を開催した。二輪専門誌・一般紙合わせて 58 社・195 名が来場して頂
き、誌面、テレビ報道を通じて、輸入二輪車の魅力を幅広いユーザーにアピールするこ
とができた。実施後、2016 年度も同時期(4 月)に、より効果の高い第 2 回 JAIA 二輪
合同試乗会を実施する方針を立て、開催準備を進めたく、今後、国産二輪車と比較しサ
ムシングディファレントで個性溢れる各社の商品のアピールを目指して、全国の適地で
合同展示会を実施することを検討し行く。
② BLF への参画
2013 年度に始まった、2020 年度国内 100 万台を目指すことなどを目標と BLF について
は、2015 年度において、2015 年 9 月に、熊本パレアホールで「第三回BLF in 熊本」
が開催された。
JAIA からは、二輪車委員会・委員長が登壇し、BLF 二輪車産業政策ロードマップの中で
「安全運転啓発・教育」「若者新規層への情報発信」に関する JAIA の取組み等の発表を
行った。
JAIA 等 BLF 主催団体は、2020 年をゴールとする「二輪車産業政策ロードマップ」の国
内市場 100 万台の達成に向け、種々の課題を解決するべく議論を行い、ゴールに向けた
行動計画の道筋等を確認した。
③二輪車向け ETC 購入助成への対応
MLIT が、2014 年から 2015 年にかけての 6 カ月間、二輪 ETC 購入者に対し 15,000 円
分の高速道路料金 5 万台分に、ETC カードにマイレージポイントとして付与する助成を
実施した際に伴い、会員にとって営業上の不利とならぬように、各種関連情報収集を行
い、会員各社へ展開した。
2)公正な競争の推進
公取協は、JAIA メンバーの公取協加盟店に対して国産(4 社)系例の販売店と同様、二
輪自動車公正競争規約に基づき「適正表示の推進」を図るべく、チェック・アドバイス
活動を実施することとなった。
当活動は、会員各社の担当者が準規約指導員の資格を得て、自社の系列販売店を訪問し
店頭表示に関する確認を行うため、会員各社の十分な理解が前提となる。そのために公
取協担当者を招き、本活動の目的等に関する説明会を実施した。
(なお、具体的な活動の実施は、2016 年度となる。)
3)安全対策への対応
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JAIA をはじめ BLF に参加している二輪車関連団体と警察庁交通局交通企画課で『二輪
車安全対策推進会議』が開催され、同会議の席上、JAIA 二輪車委員会委員長より「JAIA
試乗会・展示会で来場者の安全確保を目的に胸部プロテクターの推奨を図った」旨の紹
介が行なわれた。
また、警視庁より、同庁主管の交通安全イベント「Enjoy Motor Life in Tokyo(2016 年 2
月 29 日・中野サンプラザ)にも参画要請を受け、二輪車委員会並びに傘下販売店が参
加した。なお、JAIA 輸入二輪車試乗会・展示会で、来場者に対し「JAIA は胸部プロテ
クターを推奨している」旨の告知と同製品の貸出を行なった。
4)東京モーターショーへの会員参加検討のサポート活動
2015 年の第 44 回東京モーターショー(TMS 2015)の開催に向け、会員各社の参加検
討をサポートするため、関係会議に参加した。TMS 2015 では、新規出展を決めた会員
もあることを踏まえ、面積配分や配置場所等に関するきめ細かい情報収集を行い、出展
会員各社へ展開しサポート活動を行った。
5)JAMA 二輪車市場動向調査・報告会
JAMA は、2 年に一度「二輪車市場動向調査」を実施しており、2015 年、JAIA 二輪会
員の協力(6 社参加・550 サンプルを提供)を得て実施した。
また、今回初めての対応として JAMA より、①本調査の結果報告の概要報告会 ②各社
毎に詳細データの提供 ③調査項目毎に輸入車と国産車を比較した優位と劣位の説
明も行われた。
6)東北輸入二輪車フェア 2015 in 仙台の開催
JAIA 二輪車委員会の傘下販売店が主体で 8 月 22 日(土)・23 日(日)の 2 日間、仙台
市で標記イベントを開催した。
本イベントは、先の二輪車委員会で「輸入二輪車の市場活性化」に合致していると判断
し、JAIA として初めて輸入二輪車のみの地方イベントに後援名義を付与した。
5.JAIA 設立 50 周年事業の実施
経緯:2013 年度に理事会、総会を経て 50 周年記念事業の実施が決定された。2014
年度は理事会に下に企画委員会メンバー会社の広報担当者で構成された JAIA 50 周年事
業 TF を組織して、下記の 7 事業について具体的な実施計画を策定した。2015 年 2 月
「輸入車特別展示及び試乗会」の実施を皮切りに 50 周年記念事業をスタートさせた。
1) 輸入車特別展示および試乗会の実施
2) メディアを通じたパブリシティ
3) フォト&エッセイの募集
4) 50 周年スペシャル Web サイトの構築
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5) 祝賀会の開催
6) 東京モーターショー関連イベントへの協賛・参加
7) JAIA 50 年史の刊行
2015 年度における事業の実施:上記 7 事業のうち、以下の事業を実施した。
2015 年 5 月 29 日、東京プリンスホテルで第 50 回通常総会終了後、
「祝賀会」を開催し、
内外から約 500 名の出席を得て設立 50 周年を祝った。
「フォト&エッセイ」については
539 点の応募作品を「50 周年スペシャル Web サイト」に掲載し、厳正な審査により 5
点の優秀作品を選定して、祝賀会会場で表彰式を執り行った。ビジネス誌、自動車雑誌、
業界紙、JAIA Web サイト等を通じて輸入車の魅力を訴求するパブリシティを展開した。
また、「第 44 回東京モーターショー(TMC)2015」関連イベントとして、10 月 4 日に
実施された「TMS60 周年記念パレード」へ JAIA 理事長が参加するとともに、東京モー
ターショー開催に合わせて日米欧メーカーのデザインリーダーが集い、日本で初開催と
なった「カー・デザイン・フォーラム東京」(10 月 29 日開催)に JAIA は協賛した。
「JAIA 50 年史-50 Years of JAIA」の 2016 年 4 月刊行に向けて、準備、編集作業を
行った。なお、上記 7 事業に関する費用はすべて剰余金から充当した。
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6. 重要な契約に関する事項
特になし
7. 役員会等に関する事項(理事会・総会)
会議名・開催日
議事事項等
第 1 回理事会(書面)
1. 新理事の推薦(プジョー・シトロエン・ジャポン)
2015 年 5 月 1 日
2. 2014 年度事業報告
3. 2014 年度決算報告
第 50 回通常総会
1. 2014 年度事業報告・収支等決算
2015 年 5 月 29 日
2. 2015 年度事業計画・収支予算
第 2 回理事会(書面)
1. 副理事長の選任
2015 年 7 月 1 日
第 3 回理事会
(書面) 1. 新理事の推薦(フォルクスワーゲングループジャパン)
2015 年 9 月 9 日
2. 理事長の選任
3. 副理事長の選任
第 4 回理事会
1. 新規加入(株式会社プロト)
2015 年 12 月 17 日
2. -(1)JAIA50 周年記念事業の進捗
-(2)JAIA50 周年史の表紙デザイン案
3. -(1)2015 年度財務見通し
-(2)2015 年度事業計画基本方針
-(3)2015 年度予算方針骨子
4. 理事長会見主要項目
5. ACEA/JAIA 間の協力に関する協定案
第 5 回理事会(書面)
1. 新理事の推薦(アウディジャパン)
2016 年 1 月 19 日
第 6 回理事会
2016 年 3 月 31 日
1. -(1)a 次期理事及び監事候補の推薦
-(1)b 次期の JAIA 事務局運営体制
-(2)a 次世代自動車委員会(NGVC)の委員長の交代
-(2)b 基準認証委員会メンバー再委嘱
-(3)海外ブランド輸入車普及促進スキームの継続
2. 2016 年度事業計画(案)
3. 2016 年度予算(案)
4. 第 51 回通常総会(議題案、日時、場所)
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8. 損益及び正味財産の状況の推移
(単位:百万円)
2012 年 3 月期
2013 年 3 月期
2014 年 3 月期
2015 年 3 月期
2016 年 3 月期
(2011 年度)
(2012 年度)
(2013 年度)
(2014 年度)
(2015 年度)
収益及び収入
405.9
415.5
399.9
394.4
400.4
事業費用
292.1
278.4
268.8
296.2
342.0
事業総利益
113.7
137.0
131.1
98.2
58.4
一般管理費
97.4
116.2
112.9
107.6
96.4
事業利益(損失)
16.3
20.8
18.2
(9.4)
(38.0)
経常利益(損失)
16.4
20.8
18.2
(9.4)
(37.9)
当期純利益(純損失)
16.3
20.7
18.2
(9.5)
(38.0)
資産総額
453.5
442.1
461.3
450.7
420.6
負債総額
97.3
65.1
66.2
65.1
73.0
正味財産
356.2
377.0
395.1
385.7
347.6
事業年度
(注)2015 年 3 月期および 2016 年 3 月期の事業費用には、それぞれ下記のとおり設立 50 周年記念
事業費を含む。
2015 年 3 月期:40 百万円、2016 年 3 月期:64 百万円
Ⅲ. 法人の課題
輸入車業界が置かれている状況に照らし合わせ、会員の経済的負担を可能な限り軽減
すると共に、会員ニーズに的確に応える事業活動を合理的かつ重点的に推進する。
Ⅳ. 株式を保有している場合の概要
株式は保有していない。
Ⅴ. 決算期後に生じた法人の状況に関する重要な事項
決算期後(貸借対照表日の翌日以降)に、当該法人の損益や正味財産の状態に重要な
影響を及ぼす事実(後発事象)は生じていない。
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