生物多様性に関する方針と実績 生物多様性に関する方針と実績 デンカグループの生物多様性に関する基本方針 近年、様々な社会問題が提起されています。例えば、河川海洋汚染、マイクロプラスチックの海洋浮遊、地球温暖化によるサンゴの 白化、野生生物の絶滅危惧種(レッドリスト)、生物・遺伝子資源の取扱い(ABS:Access&Benefit Sharing、遺伝資源の利用から生じ る利益の公正かつ衡平な配分)などです。 生物多様性条約(CBD:Convention on Biological Diversity※)、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)、自 然資本への意識の高まりなどを背景として、生物多様性を保全し、持続可能な資源利用に配慮する企業活動が求められています。 日本政府の生物多様性国家戦略 2012-2020(2012 年 9 月閣議決定)では、生物多様性の 4 つの危機が挙げられています。 ①開発など人間活動による危機,、②自然に対する働きかけの縮小による危機、 ③外来種など人間により持ちこまれたものによる危機、④地球温暖化や海洋酸性化など地球環境の変化による危機 また、長期目標(2050 年)として、「生物多様性の維持・回復と持続可能な利用を通じて、わが国の生物多様性の状態を現状以上に豊 かなものとするとともに、生態系サービスを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現する。」が、短期目標(2020 年)として、「生物 多様性の損失を止めるために、愛知目標の達成に向けたわが国の国別目標の達成を目指し、効果的かつ緊急な行動を実施する。」が 定められています。 当社もこれらの背景と国際規範、目標を尊重して、製品・サービスの開発・生産・提供を行うとともに、さらにサプライチェーンとも連携し た環境負荷の継続的な削減活動を進めることで、生物多様性に配慮した持続可能な社会を目指した企業活動を進めてまいります。 ※生物多様性条約:例えば生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10-愛知)では、2020 年までに生態系が強靭で基礎的なサービスを提供できるよ う、生物多様性の損失を止めるために、実効的かつ緊急の行動を起こすなど 20 の個別目標が締結されています。 2015年度の活動実績 当社は再生可能エネルギーである水力発電の増強を進めています。①新青海川発電所(2018 年運転開始予定)、②新姫川第六発電 所(事前調査中、2022 年完成目標)の建設に当り、動植物が生息・生育する河川環境や景観を維持するよう各種調査を行い、水力発電 所の仕様に反映させています。 また、猛禽類についても、生息・生育環境への影響を極力少なくするように、専門家の意見を参考にして調査を進めています。また、青 海工場において、海岸、河川の清掃活動を行い、海洋漂着物等の除去を進めています。渋川工場では工場周辺用水路において堰さら い清掃活動を行っています。 今後の活動予定 今後とも生物多様性に配慮した水力発電所の検討および建設を進めてまいります。 また、製品・サービスの開発・生産・提供を通じ、またサプライチェーンとも連携して、環境負荷の継続的な削減活動を進めます。さらに 生物多様性を含む環境教育を通じて、自然資本の重要性の周知と啓発を行い、持続可能な企業活動を進めてまいります。 12 デンカグループ CSR 報告書 2016 資料編
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