パワーノマド思考

パワーノ マ ド 思 考
はじめに 私に3分だけ時間をください!
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。
私からのお願いがあります。3分でいいので、時間をください。まずは、この「は
じめに」
だけでも読んでください。人生を劇的に変えるヒントが書いてあるからです。
あなたは今、こんなことを考えていませんか?
しば
「会社なんか辞めて、自由に働きたい」
「誰にも、何にも縛られず自由に生きたい」
そう考える人は、たくさんいることでしょう。
そして、そんな人たちが今、目指そうとしているのが、「ノマドワーカー」という、
流行のビジネススタイルです。
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はじめに
「ノマド」の定義はさまざまですが、ここで私が言っているノマドワーカーとは、次
のようなスタイルのことです。
・会社組織に所属せず、独立したフリーランスとして仕事をする
・オフィスは持たない。モバイル環境を駆使して、どんな場所でも、仕事ができる。
就業時間が定められているわけではないから、自分で時間をやりくりして、好きな
ときに仕事をする。
そんな、一見「自由そう」に見える人たちです。
「 会 社 を 辞 め て 独 立 し ま し た。 今、 一 人 で 気 楽 に 仕 事 を し て い ま す 」 と い う 人 た ち
……。
街中のカフェでノートPCを広げて作業をしている人たち……。
どこにも〝出勤〟することのない人たち……。
あなたも、そんな人たちのことを「ノマド」だと思っているかもしれません。
しかし、彼らが本当に〝自由〟なのかと言えば、必ずしもそうとは言い切れないで
しょう。
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会社を辞めて一人で仕事をすることが、すなわち「人 間関係から自由になっ てい
る」ということではありません。
組織に頼らず、自分の力だけで仕事を得ることは、決 して簡単なことではな いで
しょう。
時にはウマが合わない相手とも仕事をしなければならない、嫌な取引先、クライア
ントとも笑ってつき合わなければならないでしょう。
カフェで仕事をすることが、仕事場から解放されている、というわけでもありません。
違う見方をすれば「わざわざカフェで仕事をしなければならないのか」「他に仕事
場はないの?」とも思えてしまいます。
結局「カフェ」という〝決まった場所〟でしか仕事をしないというのは、逆に不自
由にさえ感じます。
一人で仕事をしているからといって、時間が自由に使えるわけではありません。
日中バタバタとしながらも、常に誰かの連絡待ち……、なんてこともあるでしょう。
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はじめに
仕事によっては、自分自身の都合ではなく、相手の都合に自分の時間を合わせる、
ということも必要です。
「会社にいたときのほうが、時間に余裕があった」
ノマドワーカーとなって、そんなことを言う人も実際にいます。
さらに、会社員と違って「安定した収入」、すなわち毎月の給料が保証されないノ
マドワーカーは、常にお金のことについて細かく気をつかわなければなりません。
「お金を稼ぐためなんだから、好きなことばかりやっていられない」
と、やりたくもない仕事を嫌々やっている、という人ももちろんいるはずです。
これでは、本当に「自由」とは言えないでしょう。
私がこの本でこれからご紹介する〝ノマド〟は、そういった〝カフェノマド〟とは
全く違った、真の自由を追求する人のことです。
そのノマドは次のような自由を手にしています。
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・人間関係の自由
・場所(環境)の自由
・時間の自由
・経済(お金)の自由
そして、真の自由を手に入れ、あちこち移動することによってクリエイティビティ
を高め、それを仕事に反映させて、さらに大きなチャレンジをたくらむ自由人です。
私は彼らを「パワーノマド」と呼びます。
『 世紀の歴史』(作品社)の中で、これからの時代
経済学者ジャック・アタリは、
は、すべての人がノマド化し、
「ハイパーノマド」が支配階級となる、といったこと
を述べています。
私の言う「パワーノマド」は、それらをさらに進化させた、いわば「縛られない、
ターだと言います。
「ハイパーノマド」とは、世界規模で事業を展開する、場所にとらわれないクリエイ
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はじめに
解放された思考を持つ自由人たち」です。
パワーノマドの思考は、人生を一変させます。
何を隠そう、私自身が人生を変えた一人です。
海外留学中に見たパワーノマドたち、彼らは、世界各国を飛び回り(ビジネスのた
めだけではありません)
、さまざまな価値観を吸収し、それによって自分だけの価値
観をつくり上げ、「本当に自分がやりたいこと」「本当に自分が伝えられること」を見
つけ出し、深い〝情熱〟を、そのまま自分の仕事としています。
そして大きな収入を得て、さらに自分の情熱を追求しようと、さまざまな新しい試
みにチャレンジし続けているのです。
正直、私も彼らがうらやましく、彼らのようになりたかった。
情熱を持てる仕事を、何事にも縛られずに、やりたい。
なぜなら、私は2007年に起業してからというもの、何とか自分のメッセージを
世の中に届けたいと一心不乱に働いていました。毎日朝 時から夜中の 時頃まで、
週末はセミナー開催と全く休みがないというのもざらでした。
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社長だからと見栄を張り、東京の青山という一等地にオフィスを借り、
を雇って必死に働いていました。
人の社員
私は、どうせ今のままうまくいかないのなら、彼らのようになってみようと、彼ら
海外のビジネスセミナーで出会った友人たちは、私のような日本的ビジネスマンと
は全く違う価値観を持っていました。
メンターのセミナーに行くというフリをして、現実逃避のために海外逃亡しまし
た。とにかく、何もかも投げ出して逃げたかったというのが本音です。
だから私は、ある時期、何もかもが嫌になり、日本での仕事をいったんストップさ
せました。
ているのかな……」
るのに、何でうまくいかないんだろう?
「何で誰も自分のことをわかってくれないんだろう? こんなにも自分は頑張ってい
自分のやっていることは、やっぱり間違っ
やめ、ひとりぼっちになりました。
売り上げを増やして、会社を大きくすること、それが経営者の役目、そう信じてが
むしゃらに頑張っていたのですが、社員にもそれを求めたあげく、結局 人の社員は
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はじめに
のスタイルを「マネ」してみたのです。
その結果、信じられないことに働く時間は減ったにもかかわらず、いつの間にか会
社の売り上げはアップし、さらに自由な時間が増し、経済的自由を手にすることがで
きました。
自分自身で仕事相手を自由に選び、最高のパフォーマンスをあげることができるよ
うになりました。
自分自身で最高の仕事環境を用意し、自分自身で時間をコントロールする自由を手
に入れました。
そして何より、今、私は、本当に情熱を持った仕事をしている! と強く自覚して
います。
パワーノマド・スタイルをマネて実際に行動したことが、私自身に「パワーノマド
思考」を植えつけたのです。
私は現在、ビジネス、プライベートにかかわらず、海外を飛び回る生活で「パワー
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ノマド・ライフ」を満喫しています。
・東京で500人の前で情熱を持って、セミナーをする
・サンフランシスコでアメリカのトップマーケッターたちから、世界最先端のマー
ケティングを学ぶ
・カリブ海のネッカーアイランドでリチャード・ブランソンとミーティングを行なう
ばんさんかい
・モナコでヨーロッパの富裕層と晩餐会で情報交換や社交をする
・ラスベガスやセドナでビジネスパートナーたちと思いっきり遊んで、人生を楽しむ
・アフリカで野生の動物達を見るサファリを、友人たちと楽しむ
・スイスのアルプスで両親とハイキングをする
・シンガポールで自分のプライベートバンカーと資産運用の相談をする
・バリ島でヨガやジュース断食をし、リラックスする
・モロッコのサハラ砂漠で世界でもっとも過酷なサハラマラソンを完走する
これは私の人生のほんの一部です。
別にあなたに自慢したくてこれを話しているわけではありません。あなたも本書で
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はじめに
話すことを実行すれば、このような「パワーノマド・ライフ」を送ることが可能にな
るということを伝えたいのです。
移動するたびに、私には新たなインスピレーションが生まれ、それを仕事に反映さ
せ、さらに「今よりももっとエキサイティングな生活」を送り続けられるのです。
この本では、
そんなパワーノマドになるために必要な思考法と行動をご紹介します。
「パワーノマド」の定義についてお話しします。この本で紹介するパ
第 章では、
ワーノマド……。その存在を知ることこそ、あなたのパワーノマド・ライフの第一歩
です。
第 章では、パワーノマドになるための〝パワーノマド・マインドセット〟、つま
り、
〝ものの考え方〟
〝とらえ方〟をご紹介します。
〝パワーノマド・ライフスタイル〟、パワーノマドがどんな生き方をし
第 章では、
ているのか? そのライフスタイルについてお話しします。
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〝パワーノマド・ワークスタイル〟、パワーノマド特有の効率的な仕事
第 章では、
術をご紹介します。さまざまなチャレンジを可能とする、パワーノマドのとっておき
章では、あなたにもすぐに実行できる「パワーノマドの習慣」をご紹介
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今までとはまるで違う生活が、あなたを待っています。
るべきか」を知ってください。
でも、あなたがもし〝本当の自由〟を求めているのなら、〝情熱を持った仕事〟を
して生きていきたいと思うなら、ぜひこの本で、そのための「思考法」と、「何をす
お気に入りの近所のカフェで仕事をする……。
そんなスタイルを全面的に否定するつもりはありません。
今すぐ海外に行かなくても、今すぐ会 社 を 辞 め な く て も、 あ な た は 今 日 か ら、 パ
ワーノマドとしての日常を生き始めることができます。
そして第
します。
のビジネススキルです。
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はじめに
ここでひとつ、あなたに特別な話をしたいと思います。
ブレイブハートという映画の中に出てくるウィリアム・ウォレスという人物が〝真
の自由〟の定義をわかりやすく説明してくれています。
彼は、敵であるイングランド軍を目の前に逃げようとするスコットランドの兵士達
を奮い立たせるために次のような言葉をかけます。
「スコットランドの息子たちよ、俺がウィリアム・ウォレスだ。俺は面構えのいいみ
んなの顔が見える。
あなたは自由を求めて立ち上がった。本来の自分自身が持っていた真の自由を取り
戻すために。
それなのに、なぜ敵を目の前にして、逃げようとするんだ? あなたは、自由なし
にどうやって生きると言うんだ?
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自由のために戦うのか? 確かに、戦えば死ぬかもしれない。そして、戦わなけれ
ば、少しの間だけは生きられるかもしれ な い。 そ し て、 ベ ッ ド の 上 で 安 ら か に 死 ね
るかもしれない。結局、人はみな、最後は死ぬ。しかし、本当に生きた者は少ない。
今、勝つことが重要なのではない、戦うことが重要なのだ。
だ か ら、 こ れ か ら の 先 の 人 生 の す べ て を 今、 こ の 瞬 間 に 賭 け て み な い か? そ う
だ、たった一度のチャンスに! たった一度だけのチャンスに。敵たちに言ってやろ
うじゃないか、我々の命は奪えても、我々の自由は奪うことが決してできないと!
我々は、自由なんだ! 我々は自由なんだ! 我々は自由だ!」
現代の社会では、我々は真の自由を様々な敵に奪われてしまっています。
「○○しなければならない」というのが多すぎて、多くの人が窮屈
今の日本には、
な思いをしています。
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はじめに
学校教育、会社、親からの期待、社会などから、さまざまなことを縛られてしまう
のです。
ひょっとしたらあなたもその一人かもしれません。
今こそ、それらの敵に立ち向かい、あなたが本来持って生まれてきたはずの〝真の
自由〟を取り戻す必要があるのです。
私は、この「パワーノマド」は、新しい時代の生き方の主流になると確信していま
す。
世界ではすでに多くの「パワーノマド」が世界各地で活躍していますし、その大き
な時代の波が日本にも訪れようとしています。
私は、今こそ本来の人間が持つ自由を求めて立ち上がります。
あなたが私のメッセージに共感していただけるなら、共に同志として立ち上がり、
本来の我々が持つ〝真の自由〟を一緒に取り戻す旅を始めましょう。
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あなたは、もっともっと自由になっていいのです。あなたが本来そう生まれてきた
ように。
では、さっそく次のページをめくり、あなたが〝真の自由〟を取り戻し、「パワー
ノマド」へと歩む旅の一歩を始めましょう。
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もくじ
パワーノマド思考◎もくじ
私に3分だけ時間をください! ─────
「パワーノマド」の時代到来
章
あなたも「真の自由=解放された人生」を
手に入れることができる!
◆
〝パワーノマド思考〟を手に入れる ─────
◆どん底からでも一瞬で〝変われる〟─────
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2
◆新しい次元に行くための〝移動〟─────
◆パワーノマド思考のすすめ ─────
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はじめに
第
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第
◆パワーノマドの
つの定義 ─────
39
一瞬ではなく、長く続く
つの人生 ─────
「充実した人生」を送るための秘訣
◆
◆パワーノマドが目指すもの ─────
◆価値を与える人生 ─────
46
◆チャレンジのクセをつけろ ─────
◆パワーノマドの究極の資産は「人間関係」─────
◆その仕事に〝情熱〟はあるか? ─────
63
61
58
◆クレイジーなチャレンジがパワーノマドへの道 ─────
53
51
3
◆情熱を見つけるエクササイズ ─────
66
56
5
「パワーノマド」マインドセット
章
2
もくじ
第
◆パワーノマドはマネをする ─────
74
71
◆いい意味をつけられる人になる ─────
◆習慣がパワーノマドをつくる ─────
76
◆時間は誰もが等しく持っている ─────
◆生産性を高める秘密 ─────
◆ビジネスを所有している ─────
◆プロジェクトごとに天才チームをつくる ─────
92
◆インターネットを駆使する ─────
◆情報は、必要なものを明確に ─────
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87
85
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80
圧倒的な結果を出す人の「生産性」を高める考え方
「パワーノマド」ライフスタイル
章
3
第
◆
〝モノ〟にとらわれない ─────
◆不要なモノは、捨てる ─────
◆仕事をオフィスでしない本当の理由 ─────
週間 ─────
◆パワーノマドのカラダ ─────
◆パワーノマドの
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97
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エキスパートの仕事術
◆時間管理より〝エネルギー〟管理 ─────
◆
「他人の都合」を排除する ─────
112
◆パワーノマドはキッチンタイマーで仕事をする ─────
116
◆大切なことは一枚の紙の上に ─────
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1
「パワーノマド」ワークスタイル
章
4
もくじ
第
◆ 日に一度は「ブレイクタイム」を取る ─────
132
128
◆メッセージを伝える「エキスパート」になる ─────
◆他人に任せる技術 ─────
◆天才としか仕事をしない ─────
141
◆本当に価値ある情報は直接会ってゲットする ─────
135
◆パワーノマド・ガジェット ─────
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138
90
◆人間関係を変える ─────
◆日常の行動パターンを変える ─────
◆見た目を変える ─────
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154
150
いい環境が「人」
「お金」を引き寄せる!
今日から始める「パワーノマド」思考
章 5
◆本を読んだらセミナーに行け ─────
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装幀/
(斎藤啓一)
プロデュース/長倉顕太
編集協力/中西謡・森下裕士
本文デザイン/㈱システムタンク
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◆ソーシャルメディアで「価値」を伝える ─────
◆家族・友人と「マジックモーメント」を過ごす ─────
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◆チームメンバーとは夢のあるビジョンを共有する ─────
◆行ったことのない所に行く ─────
◆エネルギーに目覚める ─────
◆環境にお金をかける ─────
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168
163
160
182
179
◆
「一人で稼ぐ」ことを意識する ─────
おわりに ─────
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