阿禅海路大震災で被災者の足となり、活躍した客船。 その船との出会い

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阪神・淡路大震災で被災者の足となり'活躍した客船。
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その船との出会いが'一人の女性の人生を変えた。
震災復興のシンボルとして'レストランクルーズ事業の創業に関わり'
戸クルーザー・ (樵)コンチェルト
代表取締役社長
童土讃弊篭.角秋夕里 写真.塩崎聴
-ことは当然のものと思いながら
「女性に仕事は必要」と説かれ'働
生まれた。勤勉で読書家だった父に
3人姉妹の末っ子として鳥取市に
子さんは'海の魅力をそう語る。
ザー・コンチェルト代表の南部真知
ルト」を就航させている神戸クルー
神戸港を拠点とする客船「コンチェ
いつも見飽きることがあ-ません」。
る」ことにやりがいを感じていたと
い女性の自分でも頼りにしてくださ
スをすると'「農家の方たちが'若
え'法律の知識を活かしてアドバイ
どを担当した。農地を守ることに加
権利関係の許可や監査'農地相談な
方行政職に没頭することに。農地の
がう予想外に仕事が面白くなり'地
せるつも-で兵庫県庁に就職した
は'司法試験の勉強と仕事を両立さ
ドに商業施設を立ち上げたのだ。未
災復興事業として神戸ハーバーラン
グループ代表・南部靖之さんが'震
訪れる。義弟である人材派遣パソナ
転機は阪神・淡路大震災によって
ていた。
働きたい」という気持ちは抱き続け
のの「機会があれば、また第一線で
に参加'それなりに充実していたも
はpTAや地域の活動などに積極的
に専念することになった。子育て中
運命の船との出合い
白な船体が進む。クルージングに
育った。
いう。しかし'その他の職を含め10
ら海が見えるところまで降りると'
「出勤する際'高台にある自宅か
ているのだろう。
並み。涼風の吹-紺碧の海原を真っ
デッキから眺める青い空と緑の山
は'なぜこんなにもロマンがあふれ
鳥取東高を卒業後'法曹を目指そ
などに努力してきた。
いという思いで'人事・教育、営業
ただひたすら神戸の元気に貢献した
のシンボルとして船を走らせよう-
だと'愛おしく感じました」。復興
「神戸に帰るべくして帰った運命の船
出されていた。
後'集客不振のために廃業Lt売-に
として活躍したが'震災から丸2年
上交通網の代わ-に被災者を運ぶ足
トラン船だった。震災後、寸断された陸
神戸-大阪間を周遊する他社のレス
コンチェルトの前身であるその船は'
務にかかわることになる。
船を買い取ったことにより'クルーズ業
もな-'パソナグループが一隻の客
後押しされ'参画を決意。そして間
てはいけない」という義母の言葉に
なたのキャリアを社会に役立てなく
やすゆき
わくわ-します。季節や光の具合'周
ス」 、 97年にはミュージック・グルメ船「コンチェルト」の
経験の分野で不安もあったが'「あ
経営に参画0 2006年に同船を運営する神戸クルーザー・
コンチェルト代表取締役社長に就任o
年間勤めた後'家庭の事情から育児
1952年鳥取市生まれo大阪大学法学部卒業後、 10年間
うと大阪大学法学部へ進学。卒業後
兵庫県庁で勤務D阪神.淡路大震災後の96年、人材派遣
大手パソナグループが立ち上げた「神戸ハーバーサーカ
囲の景観によって表情を変える海は'
なんぶ・まちこ
HLLT.":.芸人 r幸膚か時PaF.磨///:I ・J
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音楽をモチーフとした装飾が船内にはどこされている
協奏曲を意味する「コンチェルト」。
生演奏でお客様をお出迎え
チャンスは逃rJない
コンチェルトの航路は'ハーバー
伝いをさせてもらっていることに誇
「喜びの声を聞くたび'幸せのお手
お金を使うもの。非日常的な空間で
りと責任を感じる」と話す。
「人はいろいろな思いを持って'
のひとときを120%満足していた
周遊。年間の乗船者数は25万人で'
ランドから明石海峡大橋付近までの
カップルを神戸に誘致するプロジェ
へと目標はシフトLt 挙式を行う
震災復興から魅力あるまちづくり
の風景に'鳥取を重ねて見ているよ
頑張れる。四季折々の神戸の海や山
「鳥取で育った土台があるからこそ
そんな南部さんの胸の奥には'ふ
リピーター率は4割と高い。その要
クトも推進。大学の講師やシンポジ
うな気がします。故郷あればこそで
だきたいから」。
因は'季節のイベントや記念日を祝
ウムのパネラー'行政関係の委員t
す」。
る臨時の観光船に姪と一緒に乗った
ろ
「震災を経験して'﹃人生'一寸
際'夕焼け空や海から観る砂丘の美
「鳥取には見所が山ほどあります
先は閣﹄ ということを実感しまし
そんな南部さんを'2人の娘さん
ね。ただ'住んでおられる方々こそ
しさ'旅館の海鮮料理の美味しさに
はどう見ているのだろう。「たまに
が'自分のまちの良さをもっと知
た。元気に生きていること自体が貴
お母さんは格好いいねと言ってくれ
り'磨き'その情報を発信したいと
大喜びしてくれたことが'何よりも
ます。娘たちも自立しているところ
思うことが大事。それが魅力と活力
重。だからチャンスは逃したくない
を見ると'私の生き方が少しは伝
ある地域づくりに一番大事なことで
嬉しかった。
わっているようですね」と'顔をほ
す」と故郷にエールを送る。
社長に就任して4年目の今も'乗
船客との触れ合いを求めて時折デッ
国内外から客が訪れるコンチェル
とともに'南部さんは人生の大海原
と'情熱は変わらない。優美な船体
キに立つ。復興のために奔走した頃
ト。乗船客の中で一番感動するの
を前進し続けている。
しさを再確認できるのだという。
海の上から自分の住むまちの素晴ら
は'実は地元神戸の人たちである。
自分のまちの魅力知る
ころばせる。
んです」。
か
この夏'鳥取の賀露港から出航す
るさと鳥取の原風景が生きている。
うプランなど'多彩な企画の実施に
TV出演など'さまざまな依頼を引
あ か し か い き ょ う
ある。また'船内で日傘や雨傘を提
き受けてきた。
ビスにも心を砕く。
再乗船券を渡すなど'細やかなサー
供した-'雨天時にあたった乗客へ
頭 T . 一 _
全長74メートル、 21 38トンの船内は、最上階にオープンデッキ
を備え、70-100席のヨつのレストランや140席のバンケット
ホールなどがあり、さまざまな用途に対応できる。