大地のめぐみ ふたたび 仙台東土地改良区理事長 佐藤稔さん;pdf

さん
郷の広範囲にわたる事業面積は、約20
今、仙台市東部に広がる農業地域では、
大規模ほ場整備が進む。高砂・七郷・六
恵を出してもらっている最中です」
た集積』にするため、委員の皆さんに知
場整備事業推進協議会〉の会長を務める
こう語るのは、行政や農業者およびそ
の関係機関で構成される〈仙台東地区ほ
寧に進めていくことが大切です」
者の方々と地権者の方々の意に添って丁
だからこそ、ほ場整備と農地集積は生産
抱えながら前に進まなければいけません。
復旧、営農再開など、さまざまな難題を
「被災した方々は、住宅の再建、農地の
えた高度農地として生まれ変わる予定だ。
Pのこともあり、次代の農業は農産物の
から行う農業は、大区画での営農。TP
がり始めています。そうした方々がこれ
「一時は農業を諦めた人たちが、農地の
かからない農業」に期待を寄せる。
藤会長もひとりの農業者として「労力の
「営農が楽になった」との声が届く。佐
水稲栽培を行った農業生産法人からも
ぜ)の草刈りなどの作業が効率的になり、
り、畦畔(けいはん・農地間を区切るあ
の集積を行っています。各集落の方々で
「現在、工事と並行して協議会では農地
する農業者の結束を高めるべく遁走した。
つつ、営農再開に向けて立ち上がろうと
施。工事の必要性を訴えながら同意を得
て地区単位での説明会やアンケートを実
くじけることなく進む覚悟です。そして、
下ろせる日まで、どんな苦労や困難にも
地域と組合員が復旧・復興という荷物を
「日本全国の方々からの応援を心に刻み、
格言に掲げて突き進む。
ら託された『不撓不屈』の言葉を自身の
こう語る佐藤会長は、仙台東土地改良
区の理事長を引き受ける際に前理事長か
事業の進捗をその目で確かめ、協議会での周知
と進んでいる。高砂南部(写真)、二郷堀など、
活動に幅広く生かしていく
チップ)の効果を確認しながら進める
『生産者や地権者の皆さんの要望に応え
00ヘクタール。津波被害からの復旧に
平成 年度には、六郷の一部の地区で
大区画化が完了。代かきや田植え、稲刈
佐藤稔さん。農地整備や水利施設の管理
低価格化も視野に入れなければならず、
構成される〈換地・評価・工事委員会〉
仙台市東部地域で新しい農業が始まった
いる。暗渠間隔や各種疎水材(モミガラや木材
に生かされていく
とどまらず、 年先の未来の農業を見据
を担う『仙台東土地改良区』の理事長も
それに見合った作物を作るためには省力
復旧や行政の施策によって続々と立ち上
兼務しており、自身も農業者である。
を設置し、以前よりも効率的な農業を可
暁には、震災で亡くなった組合員とその
化を可能にする農地が必要なんです」
能にする所有権の移転や農地の賃貸借を
ご家族に『みんなで頑張ったよ』と報告
震災後、ほ場の大区画化が検討され始
めた際には、同改良区の理事の力を借り
進めています。100点満点の農地集積
したいと思っています」
とう
は難しいかもしれませんが、できる限り
ており、土質との適性検証が今後の設置・更新
agro-industry creating region
大 地 の め ぐ み ふ た た び
仙台東地区では、大規模ほ場整備と並行して震
備や排水機場建設の現場確認を積極的に実施。
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仙台東土地改良区の理事会では、大規模ほ場整
ょ)排水の設置・更新は、試験施工が行われて
仙台市若林区荒井字丑ノ頭104
TEL022-288-5026
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4カ所に建設される
必要に応じて水田を乾田化させる暗渠(あんき
設置作業。施工能力の高い非開削工法で行われ
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仙台東地区ほ場整備事業推進協議会会長
仙台東土地改良区理事長
この思いと「不撓不屈」の精神で、ほ場整備を進めていく
災で大きな被害を受けた排水機場の新設が着々
大区画化を終えた六郷のほ場で進む暗渠排水の
(事務局:仙台東土地改良区)
仙台東地区
ほ場整備事業推進協議会
佐藤 稔
農業者の声に真摯に向き合い、
「慎重に、丁寧に」。
新設される排水機場は、震災による地盤沈下を考
慮し、ポンプ台数を増やしたほか、排水を高く汲
み上げるなどの増強が図られており、これまでの
2倍の能力を持つ