災害 支援者ガイド - いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター

ガイドブック
災 害 支援 者 ガ イ ド
災害 支援 者ガイ ド
~体と 心のケア~
Disaster
被 災 者 向 け リ ー フ レ ッ ト 「 体と 心 を 大 切 に
2012.07.16.
R3.0
~ 災 害 にあ う と 心 だ っ て ケ ガ を しま す よ ~ 」 と セ ッ ト でご 利
用くださ い。
災 害と心 理的影響
ア 災害の 心理的影響
心理 的ダメージ の構造
○ 「被害」 や「心 の傷」 と一口 に言っ ても、 実際には いろい ろな要 素を含 んでお り、症状
や 対処法が 少し違 ってき ます。 心の健 康にお よぼす影 響は、 複数の 視点で 検討す る必要が
あり ます。
※二次被害(②+③)
①喪失(大 切な人や家 を失う)と 関係性
②トラウマ (恐怖体験 )
③現実のス トレス(環 境の変化)
④元々の課 題(発生前 からの課題 など)
図 心理的ダメージの構造
<copy 2010.11.15.>
①喪 失(大切な 人や家を失 う)と関係 性
○災 害は突然大 切な人や物 を一瞬で奪 ってゆき、その人から 生きる力を 奪ってしま います。
うつ 状態になる こともあり ます。
○家 族以外でも 死亡者と関 係の深い人 が影響を受 けることが あります。
②ト ラウマ(恐 怖体験)
○ トラウマ とは、 その時 の「恐 怖と戦 慄」の 記憶が焼 き付い てしま い、本 人の意 志ではコ
ン トロール できな い形で 勝手に 蘇って きたり すること などを 言いま す。直 接被害 を受けた
り、 現場に居合 わせた場合 にしばしば 見られます 。
○ その後の 不適切 な対応 によっ て心の 傷を深 めてしま うこと 「二次 被害」 とを言 います。
周囲 が「済 んだことは 忘れなさい」と言 うのはその 典型ですし、「セカ ンドレイプ 」や「メ
デ ィ ア ス ク ラ ム 」( 集 団 的 過 熱 取 材 ) は よ く 知 ら れ て い ま す 。( 二 次被 害 は 本 来 ② に 含 ま れま す
が、実際 には③とオーバーラップし ます )
- 災害-1頁 公開資料
(行政、支援者用)
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災 害 支援 者 ガ イ ド
③現 実のストレ ス(環境の 変化)
○ 避難生活 など不 自由な 生活や 先行き の不安 など様々 な現実 の困難 に直面 するこ とで、強
いス トレスに曝 されます。また 、加 熱取材によ って強いス トレスを受 けることが あります。
対応 する職員も しばしば強 いストレス に曝されま す。
○困 難な状況に 置かれる期 間が長いほ ど影響が大 きくなりま す。
④元 々の課題( 発生前から の課題など )
○ 発生前か らある メンタ ルヘル ス上の 課題の ことです 。これ には、 最近の 死別体 験や過去
のト ラウマも含 まれます。
○ 元々の課 題があ る人は 心の余 力が少 ないた め、影響 を受け やすく なった り、回 復に時間
がか かったりし ます。
援助 資源と(今 後の)リス ク評価
○家 族や友人、 教師、同僚 、親族、ご 近所、援助 職などの援 助資源はど うでしょう か。
○現 在の状況だ けではなく 、今後可能 性のあるダ メージやケ アの困難性 を想定しま す。
個人 差に注意
○ 同じよう な経験 をした ように 見えて も、個 人差が大 きいこ とに注 意しま しょう 。また、
回復 のスピード にも差が出 てきます。 回復には周 囲の対応の 仕方も影響 します。
イ 喪失(大切な人や 家を失う)と 関係性
喪失 体験
○ 喪失には 主に次 の3つ があり ます。 中でも 、一番つ らいの は愛す る人を 失うこ とでしょ
う。 失われた命 は二度と戻 りません。
○災 害はこれら を一瞬で奪 っていきま す。
「 安否が不明」という 状況も耐え 難い苦痛で す。
ま た、苦労 して手 に入れ たマイ ホーム を失う ことは、 その人 から生 きる力 を奪っ てしまう
でし ょう。
ヒト
モノ
コト
…( 例)大切な 人を失う
…( 例)家を失 う、健康を 失う
…( 例)仕事を 失う
○他 にも、他者との 信頼関係や 絆の喪失、社会 への安心感 ・安全感の 喪失も考え られます。
遺族 の心理プロ セス
○ 大切な人 を失っ た遺族 の心理 プロセ スとし ては、直 後のシ ョック や茫然 自失に 始まり、
深 い悲しみ 、後悔 、怒り などの 感情の 嵐がわ き起こり 、次第 に消耗 して元 気がな くなり、
そ の後、長 い時間 をかけ て少し ずつ回 復して いくとい うプロ セスが 想定さ れます が、個人
差 が大きく 、必ず しもこ のとお りには ならな いので、 あくま で理解 のため の一助 にとどめ
てく ださい。
- 災害-2頁 公開資料
(行政、支援者用)
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災 害 支援 者 ガ イ ド
葬 儀 まで 直 後は 、 亡くなったという事実を信 じ られ なか っ たり 、 呆然自 失 や「 感 情が 湧か な
い 」状態に なった り、逆に 気丈に振る舞うこ とがあり ます。 これらは自分の 心を守るた めの防衛
反 応 と 考え ら れ ます 。 ま た、 葬 儀 まで は 慌 ただ し く て 、泣 く こ とす ら でき な かっ た かも しれ ま
せん。
感 情 の嵐 多 忙な 葬 儀 が終 わ っ て我 に 返 ると 、 今 ま で抑 え て いた 感 情が 一 気に 出 てく るこ と
があ ります。悲し み、自責、怒 り、恐怖など の激しい感情が入れ替わり、「発狂するのではない
か 」 と 自分 で 感 じる ほ ど です 。 心 は相 反 す るよ う な 激 しい 感 情 を同 時 に処 理 する こ とが でき な
い の で 、あ る 時 は悲 し み 、あ る 時 は怒 っ た りし な が ら 、少 し ず つ心 が 処理 し てい る と考 えら れ
ます。
ひ き こも り 感情 の 嵐 は心 と 体 を消 耗 さ せ、 次 第 に 元気 の 無 い状 態 にな り ます 。 ひき こも る
こ と で、 消耗した心と 体を回復させる時間 とい う 意味 も ある と 考え られ ます 。あ る 種の 「う つ」
状態と言えます。
回 復 故 人 の 思い 出 を 忘れ て し まう と い うこ と で は あり ま せ んが 、 日常 生 活は 少 しず つ過 去
に振り回されなくなり、故人のいない新しい日常生活が安定してきます。
(注意)あくまでモデルなので、無理にあてはめないでください。
正常 とは異なる 喪のプロセ ス
○ 死別は生 きてい く上で 避ける ことが できず 、死別に よる悲 嘆も正 常な反 応です 。上記の
モデ ルは正常悲 嘆の例です 。
○し かし、人によっ ては長引い たり、重症化する ことがあり 、
「 病的悲嘆」、
「 複雑性悲嘆」
など と呼ばれま す。医 療が必要な 状況になる ことも少な くありませ ん。災 害や事故、事件 、
自殺 など、受け 入れがたい 突然の死の 場合は、遺 族の悲嘆は 重くなりが ちです。
○ 受け入れ がたい 死の場 合、月 日がた っても 死の事実 を信じ られず 、故人 を探そ うとする
行 動がいつ までも 続くこ とがあ ります し、悲 惨な死で あれば トラウ マが合 併する ことがあ
りま す。
○ また、し ばしば 自責や 怒りの 感情が 強く現 れ、感情 のコン トロー ルが効 かない 状態が長
期 化するこ とがあ ります 。その ため周 囲との 人間関係 がうま くいか ずに孤 立して しまった
り、 自責感が強 いため様々 な支援を断 ってしまう ことがあり ます。
喪失 (死別)と トラウマと の違い
○ トラウマ とは記 憶の問 題です から、 悲惨な 記憶を消 すこと ができ れば、 ある意 味解決で
き ま す 。 し か し、「愛 す る 人 が い な い 」と い う 喪 失 の 現 実 は 消 しよ う が あ り ま せ ん し、 思
い 出までは 消した くない もので す。こ の点が トラウマ と喪失 の根本 的な違 いです 。もっと
も、 多くの場合 に喪失とト ラウマは同 居していま す。
死別 体験とトラウマの区別
長期入院していた同級生が亡くなった場合は死別反応(嘆き悲しみ)ですが、ト
ラウマ(心的 外傷)にはならないでしょ う。
逆に、全く知らない他人が殺されるのを目撃するのはトラウマとなりえますが、
自分と無関係 の人が亡くなっても死別体 験にはならないでしょう。
○ トラウマ の場合 には「 恐怖と 戦慄」 体験に より、侵 入、回 避、過 覚醒が 症状の 中心とな
りま すが、死別 の場合には 、悲哀、自 責、怒り、 抑うつなど が主となり ます。
○ なお、ト ラウマ とのも う1つ の違い は、親 しい人と の死別 などの 喪失は 、生き ていく上
では 避けては通 れないとい う現実です 。
- 災害-3頁 公開資料
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子ど もの「死」 のとらえ方
○ 多くの子 どもた ちは「 死んだ ら二度 と戻ら ない」と いうこ とを十 分理解 してい ません。
特 に低学年 のこど もはそ の傾向 が顕著 です。 中高生で も「死 んでも いつか 会える 」と漠然
と思 っている子 どもも少な くありませ ん。 注)宗教的確信を 除きます。
信頼 の喪失
○ 他人や社 会を信 じられ なくな ること です。 人は他人 をそこ そこに は信頼 できる から他人
と かかわれ るわけ で、そ れが失 われる と、親 密な人間 関係を 築くこ とが困 難にな ります。
ト ラウマや 喪失と いった 激しい もので はない のですが 、ボデ ィブロ ーのよ うにそ の人から
幸せ になる力を 奪っていき ます。
○ 被災する ことで 「この 世は神 も仏も ない」 というよ うな経 験をし たかも しれま せん。そ
の 後の支援 が必ず しも十 分でな い中で 「他人 は誰も助 けては くれな い」と いうよ うな確信
を深 めてしまう ことがあり ます。
ウ トラウ マ(恐怖体 験)
1)トラウマとは
トラ ウマとは
○ 実 際 に 被 害 を 受 け た り ( 直 接 被 害 )、「 あ や う く 死 ぬ と こ ろ だ っ た 」 と い う 体 験 を し た
り ( 被 害 未 遂 )、 凄 惨 な 場 面 に 遭 遇 し た り ( 目 撃 )、 遺 体 に 対 応 す る な ど の 経 験 ( 直 接 対
応 )をする と、そ の時見 た映像 や恐怖 の体験 などがそ の後も 勝手に 蘇り、 あたか もその場
に い る よ う な 体 験が 繰 り 返 さ れ る こ と が あり ま す 。 こ れ を 「 ト ラウ マ ( 心 的 外 傷 )」と い
いま す。
○ ふ つ う の 「 い やな 記 憶 」 は 、「 時 々 思い 出 し て は 不 快 に な る 」を 繰 り 返 し な が ら 消化 し
て ゆくこと が可能 ですが 、トラ ウマ記 憶が甦 ると、ま るで今 もその 被害に あって いるかの
よ うな恐怖 感を味 わう「 再被害 」体験 になっ てしまい 、何度 繰り返 しても 恐怖感 がなかな
か 軽 減 さ れ な い のが 特 徴 で す 。「 過 ぎ たこ と は 忘 れ ま し ょ う 」 とい う わ け に は い か ない の
です 。
二次 被害 secondary victimization
○被 害者が、その後の 周囲の対応 により、さらに 心の傷を深 めてしまうこ とを「二次被害 」
と呼 んでいます 。
○ 本人が望 まない のに恐 怖体験 を無理 矢理聞 き出した り、無 理に現 地に連 れて行 くなどの
再 暴露は、 もう一 度被害 を受け ている ような 体験をさ せてし まい、 その後 のトラ ウマ症状
の 回復を妨 げる危 険性が ありま す。特 に、直 後や日が 浅いう ちの再 暴露は できる だけ避け
る必 要がありま す。
○被 害者の落ち 度を指摘す ることで被 害者を更に 苦しめてし まうことが あります。
○ 逆に周囲 が気を 遣いす ぎて話 題を避 けてし まうと、 話した いとき にも聴 いても らえなく
な り、被害 者であ る自分 の存在 や被害 の体験 が否定さ れたこ とにな ります 。本人 が話そう
とし ていたらし っかり聴い てあげる必 要がありま す。
○ 警察の事 情聴取 におい ても、 被害体 験の想 起が必要 になる ため、 二次被 害につ ながるこ
と がありま す。そ の人が 安心で きる人 に付き 添っても らうな どの配 慮が望 まれま す。子ど
も の 場 合 は 、 被 害を 受 け て い な く て も 、「 警察 官 か ら 聴 か れ る 」と い う こ と で 罪 悪 感を 持
って しまうこと があります ので、この 点でも配慮 が必要にな ります。
○ 取材や報 道によ る二次 被害に は以下 のよう な例があ ります 。これ らは被 害を受 けていな
- 災害-4頁 公開資料
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い人 にも強いス トレス (③現実の ストレス) になり ます。
・ 思い出した くないこと を語らせら れ、心の傷 を深めてし まった、
・ 横道から知 らない人た ちが現れ、突然 マイクを向 けられた。逃 げたら「追いか けられ」、
怖くて家か ら出られな くなった。
・ ストロボの 光で恐怖感 が呼び覚ま されるよう になった。
・ 電話や呼び 鈴が鳴り続 き、これら の音で汗が 噴き出すよ うになった 。
・ 自分の意図 とは異なる 報道がなさ れ、周囲の 非難を浴び た。
○専 門職による カウンセリ ングであっ ても、二次 被害をもた らす可能性 があります 。
※周 囲が配慮し た「つもり 」ではなく 、最終的に は被害者が どう感じた かが重要で す。
参考 )単発トラ ウマと継続 トラウマ
○ 災害や事 件のよ うな1 回限り の外傷 体験に よる単発 トラウ マと、 虐待や DVや いじめの
よ うに1回 限りで はなく 、長期 間繰り 返され る継続ト ラウマ とがあ ります 。本書 で扱うの
は単 発トラウマ です。
2)トラウマによる症状
トラ ウマによる 症状(狭義 )
ト ラウマ による症 状(狭義)には 次の3種類があ ります。PTSD症状とも言うことがあり
ますが、 これらがあっただけではP TS Dとは言えません。
B 侵 入 と 再 体 験 : 今 も 被 害 を 再 体 験 し 続 け て い る 状 態で す 。 本 人 の 意 志 に 関 係な く 、 勝
手 に記 憶が 蘇 りパ ニッ クに なっ たり (フ ラッ シュ バック )、こ わい 夢が 続い たり 、子 ども では
被害 に関連した 遊び (ポスト・トラウ マティック・プレイ) を 繰り返した りします。
C 回 避とひきこ もり:再体 験を避ける ためにひき こもった状 態です。事件の 話題を避け、
事 件を思い 出させ るよう な場所 や人を 避けよ うとしま す。記 憶が曖 昧にな ったり 、元気が
な くなった り、ぼ ーっと してい たりし ます。 生き生き とした 感情が 無くな った状 態です。
子 ど も で は 退 行 (赤 ち ゃ ん 返 り ) が よ く 見 ら れ ま す ( C に 含め る べ き で は な い か も しれ ま せ ん が )。
D 過 覚 醒 と 強 い 不 安 : 危 険 が 去 っ た に も か か わ ら ず 、全 周 囲 警 戒 態 勢 が 続 い てい る 状 態
で す。何か に怯え 、物音 などに びくつ いたり 、ちょっ とした ことで 急に怒 ったり します。
当然 眠れません 。
○山中に 潜む(回避)兵士。常に周囲を警戒( 過覚醒)しているが、しばしば敵兵に発見されそ うになり、
恐怖を味 わう(侵入)。
○ あるいは 、さ そりの箱 に閉じ こめら れた囚 人。じっ と動かない で(回避)、いつ刺 されるかとび くびくし
ながら脂 汗を流している(過覚醒) が、刺されて苦痛を味わう (侵入)。
※ 子 ど も の 場 合 、B 、 D を 「 元 気 そ う に して い る 」、 C を 「 落 ち着 い て い る 」 と 見 間違 え
るこ とがあるた め、よく観 察する必要 があります 。
PT SD
○ B 、 C 、 D の 他 に 以 下 の A 、 E 、 F を 満 た し て い る 場 合 に PTSD ( 外 傷 後 ス ト レ ス 障 害 ;
posttraumatic stress disorder) と診 断します (D SM-Ⅳ診断基準)。
A ト ラ ウ マ 体 験 へ の 暴 露 :「 恐 怖 や 戦 慄 」 を 起 こ す 、 生 死 に 関 わ る よ う な 出 来 事 に 直 面
した こと。
E 1 ヶ 月 以 上 持 続 : B 、 C 、 D の 症 状 が 一 定 以 上 そ ろっ て お り 、 か つ 1 カ 月 以上 持 続 し
- 災害-5頁 公開資料
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てい ること。
F 生 活の障害: 著しい苦痛 を生じるた め、しばしば社 会生活に重 大な影響が 出てきます。
○B 、DとCは 一見逆の症 状ですが、 両極端の症 状を持つ不 安定さが PTSD の特 徴です。
我が 国で PTSD が広 く知られる ようになった のは、阪神 ・淡路大震 災以降です 。
○ ただし、 トラウ マによ る症状 はB、 C、D だけでは ありま せん。 うつ状 態とな ることも
し ばしばで す。大 人であ れば、 外傷記 憶を振 り払おう として 、薬物 やアル コール に溺れた
り、 過食、浪費 、危険な挑 戦などの嗜 癖行動にの めり込むこ とがありま す。
トラ ウマの治療
○ トラウマ 記憶は 、思い 出そう として もうま く思い出 せずに 物語と して語 れませ ん。ある
光 景が静止 画像で 焼き付 いたり 、その 時の音 、臭い、 ある言 葉、痛 み、動 悸、恐 怖感など
が バラバラ に記憶 されて いるか らです 。何か のきっか けで突 然記憶 の断片 が蘇り (フラッ
シ ュ バ ッ ク )、 生々 し い 恐 怖 を 再 体 験 して し ま う の で す 。 こ れ を自 分 で 思 い 出 し て 語れ る
よ うにする 、つま り、通 常の記 憶にし ていく ことが、 過去を 過去に するこ とにつ ながると
考え られていま す。決して 「過去を忘 れて」とい うことでは ないのです 。
○も ちろん、過去に 無理矢理直 面させるこ とを強いて はなりませ ん。強いられた 体験は「被
害 」でしか ありま せん。 安心で きる相 手に、 本人が話 そうと 思う時 に、本 人が大 丈夫を思
う範 囲内で話す ことが大切 です。
エ 現実の ストレス( 環境の変化 )
災害 時のストレ ス
○ 大きな災 害では 、被災 後の避 難生活 や後片 付け、先 行きの 不安な ど現実 のスト レスが大
きく のしかかっ てきます。 集中的な加 熱取材も強 いストレス になります 。
○ 症状は、 血圧が 上がっ たり、 頭痛、 肩こり 、不眠、 食欲不 振など 身体的 な内容 が多くな
りま す。
○ 心のケア を前面 に出し た支援 よりも 、保健 師や看護 師など による 健康相 談活動 のほうが
重要 になります 。
○ もちろん 、被災 者の心 配事が 少しで も解決 に向かう ことが 重要な のです が、現 実には期
待通 りには進ま ず、しばし ば不安や苛 立ちの元に なります。
○一 方で、対応す る職員は、多 くのニーズ に直面し、と ても強いスト レスに曝さ れ、また、
不全 感を感じま す。
オ 元々の 課題(発 生前からの課 題など)
発生 前からある 課題やハン ディなど
○何 らかの心の 健康上の課 題やハンデ ィを持って いる場合で す。例えば ;
・ 精神疾患や 発達の障害
・ 何らかの理 由で生きる ことがつら いと感じて いる
・ 最近肉親を 亡くした
・ 過去のトラ ウマ
○ こういっ た課題 を抱え ている と、元 々心に 余力がな いため 、事件 や災害 によっ て環境が
変 化すると 、限界 を超え てしま うかも しれま せんので 、目を とめて おく必 要があ ります。
○ 災害では 、広く 社会的 に弱い 立場の 人への 早めの目 配りが 必要で す。ま た、体 も含めて
持 病のある 人が治 療を中 断しな いよう に注意 が必要で す。大 地震で 多くの 医療機 関が被災
- 災害-6頁 公開資料
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した 場合には、 医療中断防 止が一つの 課題になり ます。
カ 心と体 に起こるこ と
症状 、反応のま とめ
○(1)で説明した 心理的影響 による症状 や反応を整 理すると、 つぎのよう になります 。
喪失による 反応
・ショッ ク、否認、 自責、怒り 、悲嘆、う つ
トラウマに よる症状( 狭義)
・侵入と 再体験
・回避と ひきこもり
・過覚醒 と強い不安
その他の症 状、反応
・赤ちゃ ん返り(子 ども)
・体の症 状
・うつ症 状
・薬物ア ルコール依 存(大人) など
心と 体に起こる こと
○ 実際には 、喪失 と関係 性、ト ラウマ 、現実 のストレ ス、元 々の課 題が複 合した 結果が症
状や 反応として 現れますの で、その人 の心と体に 起こってい ることを見 極めましょ う
心と体 に起こるこ と(災害)
活動 集中力 がなくなる。ひとりぼっち と感じる。
食事・睡 眠 食欲がない。なか なか眠れない。何度も目が 覚める。
体 頭痛、筋肉 痛。下痢、便秘、吐き気。身 体がだるい。風邪をひきや すい。
心臓がドキドキする 。手 がふるえる。汗をかく。
恐怖感・ 不安 急に恐怖感 が出る。不安でたまらない。 恐い夢をみる。
ぼーっ 話したくなくなる。他人事み たいに感じる。感情が湧か ない。
記憶が一部欠けてい る。
イライラ 物音にビクつく。イラ イラする。
ハイ 気持ち が高ぶる。
哀しみと 怒り 自分や他人 を責める。気持ちが落ち込む 。
- 災害-7頁 公開資料
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災 害 支援 者 ガ イ ド
被 災者へ の対応
ア 被災者 へ接すると きの注意点
心だ ってケガを する
○ 被 災 者 向 け の リ ー フ レ ッ ト を C R T ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.h7.dion.ne.jp/~crt/) で 公 開
して いますので 、まずはリ ーフレット に目を通し てください 。
「 体と心を大 切に
~災 害にあうと 心だってケ ガをします よ~」
karadatokokoro.pdf
被害 者を傷つけ る言葉
○ 例 え ば 、「 過 去の こ と は 忘 れ て 、 こ れら か の こ と を 考 え ま し ょう 」 と い う 言 葉 は 、た と
え 善意であ っても しばし ば被害 を受け た人を 傷つけて しまい ます。 もちろ ん、受 けとめ方
は 一人ひと り違う のです が、一 般論と してつ ぎのよう な言い 方は避 けたほ うがよ いと考え
られ ます。
×命が助か ったのだか ら良かった じゃないで すか。 1 )
×どうして 本気で逃げ なかったの 。 2 )
×あなたよ りもっと大 変な人がい るのですよ 。
×済んだこ とは忘れて 、これから のことを考 えましょう 。 3 )
×元気を出 さないと、 亡くなった 人が悲しみ ますよ。
×思ったよ り元気なの で、安心し ました。 4 )
1)
助かっても 恐怖を経験しています。被 害者に「良かった」は禁句 でしょう。
被害者が悪 いというメッセージになっ てしまいます。
3)
忘れようと しても恐怖が侵入してくる のがトラウマです。
4)
必死で頑張 っていたり、つらそうな表 情を隠しているのではない でしょうか。
2)
- 災害-8頁 公開資料
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災 害 支援 者 ガ イ ド
つら い体験につ いてたずね る時
○ つらい体 験を無 理に聴 き出す と、も う一度 その場に いるよ うな恐 怖を経 験させ てしまう
危 険性があ るため 、支援 のため にたず ねる必 要がある 場合に は、つ ぎのよ うな配 慮をお願
いし ます。
・可能な限 りプライバ シーの保た れる場所で 聴く。
・子どもの 場合、安心 できる大人 の同席を考 える。
・ 途 中 で 、「 こ の ま ま お 話 を 続 け て も 大 丈 夫 で す か ? 」 と 確 認 す る 。
・同じ質問 を今後何度 も訊かれな くてすむよ うに工夫す る。
○ もちろん 、本人 が話そ うとし ている ときは しっかり 聴いて くださ い。本 人が「 なんとか
大丈 夫」と判断 して話すな ら回復に役 立つからで す。
心の ケアのポイ ント
○被 害の有無に かかわらず 、心のケア のポイント をまとめて みました。
1.安 心・安全の 保証
・生 命財産の安 全や当面の 生活基盤の 確保
・守 られている 、一人じゃ ない
・周 囲が徐々に 落ち着いて いく
・危 ない、恐い ところには 近づかなく てよい
・無 理の無い範 囲で日常性 を回復
2.正 しい知識と 対処法
・予 測される反 応と対処法
・異 常な事態へ の正常な反 応という理 解
3.主 体性とペー スが守られ ること
・話 したいこと を聞いても らえる
・話 したくない のに根掘り 葉掘り聞か れない
・自 分なりの方 法とペース が尊重され る
被災 者の健康な 力を信頼し よう
○ 被災者は 一方的 に助け てもら うだけ の弱い 存在では ありま せん。 確かに 今はシ ョックを
受け 、弱っ ているかも しれません が、他の被災者 を助けたり、支援 者を力づけ てくれます 。
イ 職員・ 支援者のメ ンタルヘル ス
○ 職員・支 援者の メンタ ルヘル スにつ いて、 次頁から リーフ レット にまと めてあ りますの
で、 ご活用くだ さい。
- 災害-9頁 公開資料
(行政、支援者用)
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災 害 支援 者 ガ イ ド
職員・支援者のメンタルヘルス
職員をは じめ支 援にあ たる方 々も心 理的影 響を受け ます。 自分の メンタ ルヘル スにも気
を配 ってくださ い。
1)職員・支援者の受けるストレス
現実 のストレス
○ 職員は少 しでも 役に立 ちたい と思っ てつい つい無理 を重ね てしま いがち です。 気持ちが
ハイ になること もあります が、体は確 実に疲れが たまってい ます。
○ しかし、 現実問 題とし て被災 者の様 々な要 求に応え ること は難し く、自 分の仕 事に不全
感を 感じがちで す。矢面に 立つ職員は 非難にもさ らされ、強 いストレス を感じます 。
喪失 と関係性
○被 災により大 切な家族を 失ったり、 家を失った 職員がおら れるかもし れません。
トラ ウマ
○ 職 員 自 身 が 被 災 し た り ( 直 接 被 害 )、 危 う く 難 を 逃 れ た り ( 被 害 未 遂 )、 蘇 生 な ど の 対
応 を し た り ( 直 接対 応 )、 惨 劇 を 目 撃 した ( 目 撃 ) 場 合 に は 、 その 時 の 瞬 間 映 像 や 物音 、
に おい、恐 怖感な どが、 その後 も勝手 によみ がえると いう「 トラウ マ」に 悩まさ れること
がし ばしばあり ます。
○ 特に、現 場で対 応した レスキ ュー関 係者に はよく見 られま す。プ ロだか ら平気 というこ
と では決し てあり ません 。その 体験を 想起さ せるよう な職務 を続け ると、 自分自 身のトラ
ウマ を深くして しまうこと があります 。
代理 受傷~二次 的受傷 secondary traumatization
○「代理受 傷」は「二 次(的 )受傷 secondary traumatization」とも呼ば れ(注:二次 被害 secondary
victimization と は異な る)、自分 自身 は被害 を受 けて いな くても 、被 害者の つらい 話に耳 を傾け
るこ とで、まる で自分が被 害に遭った ような経験 をしてしま うことを言 います。
○被 災しなかっ た職員や支 援者が罪悪 感を感じる ことがあり ます。
元々 の課題
○ 例えば、 肉親の 死から 日が経 ってい ない場 合は、悲 しみが 重なっ てしま うこと がありま
す 。持病を 持って いる職 員もい ること から、 お互いの 健康状 態をよ く理解 し、過 重な負担
とな らないよう に心がける 必要があり ます。
信頼 の喪失
○ 組織が信 頼を失 うと、 職員か らやる 気を奪 い、消耗 させま す。上 に立つ 人の責 任は大き
いの です。
- 災 害-10頁 公開資料
(行政、支援者用)
ガイドブック
災 害 支援 者 ガ イ ド
2)職員・支援者へのアドバイス
○ 職 員 や 支 援 者 が倒 れ て し ま っ て は 、 被 災者 へ の 支 援 が で き な くな っ て し ま い ま す 。「 と
こ とん頑張 って倒 れる」 のでは なく、 自分の 役目を続 けるこ とがで きるよ うに、 自分と仲
間の メンタルヘ ルスに目を 向けましょ う。
職員・支 援者へのアドバイス
①休憩と食 事・水分を意識してとろう
②睡眠時間 を確保し、不眠が続けば(お 酒に頼らずに)受診しよう
③少し体を 動かしてみよう
④誰かに自 分の話を聴いてもらおう
①休 憩と食事・ 水分を意識 してとろう
○ みんなが 大変な ときに は休憩 をとり にくい でしょう が、こ んな時 だから こそ、 互いに声
を かけて、 意識し て休憩 をとり ましょ う。短 時間一人 になれ るよう な空間 が必要 かもしれ
ませ ん。自宅で は仕事のこ とを一切考 えない時間 を作ってく ださい。
○ 食事をお ろそか にしな いでく ださい 。食べ たくない 時や時 間がな い時に は、少 量にわけ
て食 べましょう 。水分補給 にも気をつ けてくださ い。
②睡 眠時間を確 保し、不眠 が続けば( お酒に頼ら ず)受診し よう
○ 睡眠時間 の確保 が非常 に重要 である ことは 言うまで もあり ません 。しか し、気 持ちがハ
イ になって いると 、体が 疲れて いるの になか なか眠れ ないと きがあ ります 。眠れ ないから
と お酒に頼 るのは 考え物 です。 お酒は 睡眠の 質を落と し、す ぐに効 かなく なりま す。不眠
が続 く場合は、 早めに医療 機関を受診 しましょう 。
③少 し体を動か してみよう
○ 少し体を 動かす と、体 の緊張 がほぐ れ、血 行がよく なりま す。深 呼吸を したり 、体を伸
ば したり、 お手洗 いに歩 いたり 、意識 して少 し体を動 かしま しょう 。入浴 も効果 的です。
④誰 かに自分の 話を聴いて もらおう
○ 職場では 普段以 上に声 を出し 、意思 の疎通 を図って くださ い。ま た、自 分ひと りで抱え
込 まないた め、職 員同士 意識し て互い に話す ようにし ましょ う。も ちろん 、一人 になる時
間も 大切です。
○ 可能であ れば、 同僚が 集まっ て、そ の日経 験したこ とや感 じたこ とを話 す機会 を持ちま
しょ う。ルール は、他人へ の批判をし ないことで す。
○ 電話相談 を使う 方法も ありま す。健 康相談 やカウン セリン グなど の機会 があれ ば、活用
しま しょう。
- 災 害-11頁 公開資料
(行政、支援者用)
ガイドブック
災 害 支援 者 ガ イ ド
災 害時の 心のケア につい て
○(1)(2)では個人 に焦点をあ ててきまし たが、(3)では地域全 体を眺めて みましょう 。
○ 心のケア という と専門 職によ るカウ ンセリ ングをイ メージ します が、身 近な支 援者によ
る 適切な対 応が一 番大切 で、そ れを土 台に現 地で心の ケアを 行うこ とにな ります 。もちろ
ん、 治療が必要 な場合や重 症の場合に は医療を受 ける必要が あります。
○ ま た 、「 心 の ケア 」 や 「 カ ウ ン セ リ ング 」 を 前 面 に 出 し た 活 動よ り も 、 ま ず は 保 健師 や
看護 師による健 康相談の中 でかかわっ ていくのが より自然な スタイルと 考えられま す。
ア
イ
ウ
エ
身近な支 援者による 適切な対応
健康相談 と心のケア
医療機関 等での治療
一人ひと りができる こと
ア 身近な 支援者によ る適切な対 応
身近 な支援者に よる適切な 対応が土台
○ 少数の精 神保健 専門職 が、全 ての対 象者に 直接ケア を提供 するこ とは不 可能で すから、
身 近な支援 者によ る適切 な対応 がとて も大切 です。そ れを土 台に、 専門的 なケア が必要な
人に 専門的なケ アを提供す るという二 段構えで考 えてくださ い。
○ 被災者は これか ら生活 してい く上で 多くの 心配事を 抱えて おり、 これら が少し でも解決
に 向かうよ うに支 援する ことが 基本で すが、 すぐには 解決で きなく ことが 多々あ ります。
そ んな時、 誰かに 話すこ とで気 持ちが 少し楽 になるこ とが期 待でき ます。 被災者 の話に耳
を傾 けてくれる 人が身近に いるととて も助かりま す。
○注 意点につい ては(2)アで説 明したとお りです。
○ も ち ろ ん 、 第 一の 援 助 資 源 は 家 族 で す が、 援 助 で き る 家 族 が いな か っ た り 、( 家 族の 被
災を 含め)十分 な援助がで きないこと があります 。
生活 の「場」を 平穏にする
○ 人間は周 囲の環 境の影 響を大 きく受 けます 。幼い子 どもや 高齢者 、元々 の課題 を持って
いる 人、社会的 に弱い立場 の方々が、 環境からの 影響を受け やすい傾向 にあります 。
○ 心 の ケ ア は 、 日常 生 活 の 安 定 を 土 台 と して い ま す 。 ま ず は 救 急救 命 、、 安 全 確 保 、衣 食
住 や衛生面 の対応 などが 優先さ れます 。少し ずつ災害 から復 興し、 本来の 市民生 活が取り
戻せ ることが大 切です。
- 災 害-12頁 公開資料
(行政、支援者用)
ガイドブック
災 害 支援 者 ガ イ ド
イ 健康相 談と心のケ ア
保健 師や看護師 による健康 相談
○ 災 害 で は 、「 心の 相 談 を し ま す よ 」 と看 板 を 出 し て も 、 受 け 入れ て も ら え な い こ とが し
ば しばあり ます。 保健師 や看護 師が血 圧を測 りながら 被災者 の話に 耳を傾 けるほ うが受け
入れ られやすい です。
○ 話を聴い て、不 安を和 らげる ととも に、体 と心の健 康状態 をチェ ックし 、リス クの高い
方を 早めに把握 し、継続フ ォローや受 診へつなげ ていきます 。
精神 保健専門職 によるカウ ンセリング
○避 難所などに 臨床心理士 などの精神 保健専門職 が出向いて、心 の相談(カウン セリング)
を行 うという方 法がありま す。
○ 最初のう ちはこ ういっ たカウ ンセリ ングの ニーズは (子ど ものこ とを除 き)多 くはあり
ま せんが、 相談の 場があ るとい うお知 らせが 多少の安 心感に つなが るかも しれま せんし、
心の 健康に目を 向けてもら う機会にな るかもしれ ません。
時期 による違い
○ 被 災者 の 心理 的 変化 は、「 茫 然自 失 期」、「ハ ネ ムー ン 期」、「幻 滅 期」 に 分け られ ま す。
もち ろん、一人 ひとり異な るのですが 、こういっ た視点も必 要です。
○ 同じよう に被災 した人 たちや 支援者 と一緒 に懸命に 立ち向 かう中 で、気 持ちが 少しハイ
に な る こ と が あ ると い う こ と を 知 っ て お くこ と は 大 切 で す 。 元 気そ う な の で 、「 大 丈夫 」
と勝 手に決めつ けないよう にしたいも のです。
○ もちろん 、ハネ ムーン 期は長 続きせ ず、次 第に疲弊 してい きます 。しか し、そ の頃には
支 援 の 手 も 少 な くな っ て い る の で す 。 被 災者 か ら す れ ば 、「 誰 も自 分 を 助 け て く れ ない 」
と、 孤立を深め てしまうか もしれませ ん(絆の喪 失)。
- 災 害-13頁 公開資料
(行政、支援者用)
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災 害 支援 者 ガ イ ド
ウ 医療機 関等での治 療
医療 は医療機関 で
○ 重症度に 関係な く、医 療が必 要な場 合は、 医療機関 を受診 しても らうこ とにな ります。
○ 災害では 、血圧 が上が ったり 、頭痛 、肩こ り、不眠 、食欲 不振な ど身体 症状が 出やすい
こと を知ってお いてくださ い。
医療 機関が被災 している場 合
○大 震災などで 医療を受け られない人 が多い場合 は、
「医 療チーム」や「心 のケアチー ム」
( 精神科医 療チー ム)が 必要に なり、 しばし ば県外か らも順 番に派 遣され ます。 この場合
でも 、保健師活 動(体と心 )の重要性 は変わりま せん。
◆ 専門職によるケアの枠組み
医
療
保
体
医療チーム
心
心のケアチーム
健
保健師活動
エ 一人ひ とりができ ることを
○ 人々の心 を守る 第一線 に立っ ている のは地 域の方々 自身で す。行 政や専 門職に 任せてお
けば 良いという ことでは決 してありま せん。
○ 誰 か に お 任 せ す れ ば 良 い と い う こ と で は な く 、 そ れ ぞ れ が 「 責 任 を 果 た す 」、「 で き る
こと を行う」こ とが大切で す。
ご注意
2011.07.14.
本ガイドは 、震災など の大規模災 害を想定し ておりません 。
ガイド ブック「災害
支援者ガイ ド」の著作権について
著 作権 は 全国 C R T標 準 化 委員 会 が 保有 し てお り ま す 。自 由 に ご利 用 いた だ け る公 開 資 料で す が 、い わ ゆ る個 人 利 用の 範 囲を 超 え る場 合 は 、
C R Tホ ー ムペ ー ジ の注 意 事 項お 読 み くだ さ い。
( http://www.h7.dion.ne.jp/~crt/)
- 災 害-14頁 公開資料
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