はじめに センター長 鍋島達弥 筑波大学学際物質科学研究センター(TIMS)は平成 15 年の設立以来、工学と 理学の融合による学際的物質科学の発展に寄与することを目的にその活動を行っ てきましたが、特に平成 21 年度はこれまで三年間行ってきた大阪大学と東京理科 大学との三大学連携による「アトミックテクノロジー創出事業の最終年度」であり、 大きな活動の区切りとなる年度となりました。例えばこのプロジェクトにおいては 継続中の共同研究をさらに推進するとともに、総括と今後の学際物質科学の展望を 提案する場として、第4回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-4) を開催しました。また第4回長万部学生研究会も開催して教員および学生を含めた 大学間交流をさらに深め、研究・教育両面で本プロジェクトを大いに推進すること ができました。 前年度に引き続き二年目となる戦略イニシアティブ(A)では、学際的な国際シ ンポジウムや講演会を数多く開催しただけでなく、物質材料研究機構国際ナノアー キテクトニス研究拠点(MANA)の筑波大学サテライトとしての役割をさらに発 展させることで、つくば地域の特色を活かした学際的な研究拠点としての基盤作り を継続的に行いました。戦略イニシアティブ(A)は、昨年度と同様に TIMS の5 教授と数理物質科学研究科の計 13 名の教員が中核教員からなり、隔週に開催され る戦略会議ではプロジェクト推進のための活発な意見交換が行われました。これを 通して、若手・女性研究者・若手研究者の研究支援プロジェクトや RA 制度による 学生支援、第 2 回筑波-新竹合同シンポジウム 2009、Symposium on Creation of Functional Materials 2009、The International Workshop on Phase Transitional and Dynamical Properties of Spin Transition Materials [PDSTM2010]をはじめ とする幅広い領域を包含するシンポジウムなどを数多く開催して、研究交流の場を 提供しました。これにより、筑波大学数理物質科学研究科の各専攻間の交流や AIST, NIMS, KEK などを含めた広範なつくば地域の研究所との交流を格段に押し進め ることができたと自負しております。 これらの成果を基盤として、TIMS がつくば地域の中核研究拠点となるよう今後 も積極的な研究交流の場を提供するとともに、共同研究を含めた実質的な研究推進 を通じて、学際的物質科学の発展に寄与していく所存でございます。 目 次 はじめに 1.理念と沿革 1 1.1 理念 1.2 沿革 1.3 歴代センター長 1.4 TIMS ロゴ 3 2.組織 2.1 構成員 2.2 委員会 2.3 学内委員等 2.4 組織図 2.5 WEB 2.6 所在地 3.センター活動報告 6 3.1 運営委員会等 3.2 TIMS セミナー、シンポジウム 3.3 三大学連携アトミックテクノロジー事業 3.4 筑波大学戦略イニシアティブ「学際物質科学研究拠点」 3.5 決算 4.研究活動報告 25 4.1 研究コア報告 機能性高分子コア 26 分子物質変換コア 34 融合物質生命コア 41 ハイブリッド機能コア 63 量子制御コア 70 4.2 競争的資金獲得状況 78 4.3 共同研究 80 4.4 研究生等の受け入れ 81 4.5 受 81 賞 4.6 学会活動・各種委員など 82 4.7 新聞報道など 85 1. 理念と沿革 1.1 理念 筑波大学学際物質科学研究センターは、白川英樹筑波大学名誉教授の 2000 年ノーベ ル化学賞受賞を契機として、工学と理学の枠を越えた連携と融合により、未来型機能性物 質群の創成と学際物質科学研究の新機軸の構築を目指し、さらには研究成果の社会還元 を図ることを目的として平成 15 年 4 月に設置された。 これからの我が国の発展には、物質創成に端を発するデファクトスタンダードの獲得が 求められている。白川教授のポリアセチレン研究にも見られるように、新たなブレークスル ーの多くは学際的研究から生まれてきている。学際物質科学研究センターでは、高度な研 究環境と研究支援体制のもと、異なる領域の研究者が日常的に互いに連携しつつ中長期 的展望に立った基盤研究を推進し、物質科学の未踏領域に一段と高い研究ピークを実現 することを目指す。 1.2 沿 革 2000 年 10 月 白川英樹博士のノーベル化学賞受賞 11 月 「白川記念学際物質科学研究センター」(仮称)WG の発足 2001 年 9月 2002 年 11 月 2003 年 2月 「学際物質科学研究センター」WG の発足 概算要求事項の申請 学際物質科学研究センター設置準備委員会の発足 4月 1日 学際物質科学研究センターのスタート 5月 19 日 センター看板上掲式(共同研究棟 A) 6月 17 日 スタートアップシンポジウム(つくば研究交流センター) 11 月 10・11 日 2006 年 4月 2007 年 3月 16・17 日 10 月 1・2 日 三大学連携融合事業「アトミックテクノロジー」の開始 3月 13・14 日 3月 25 日 第 2 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-2)の開催 第 1 回学際物質科学国際シンポジウム(ISIMS-1)の開催 ネブラスカ大学バイオメディカルセンターとの部局間協定締結 学際物質科学研究拠点が戦略イニシアティブ(A)に昇格 7月 2009 年 アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-2007)の開催 筑波大プレ戦略イニシアティブ学際物質科学研究拠点に採択 11月 2008 年 開所式、記念講演会(筑波大学大学会館) 1月 20 日 3月 5・6 日 3月 9・10 日 台湾国立清華大学との合同ワークショップ開催 第 3 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-3)の開催 第 2 回学際物質科学国際シンポジウム(ISIMS-2)の開催 2009 年 10 月 10-12 日 第 2 回筑波-新竹国際シンポジウムの開催 11 月 18・19 日 第 4 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-4)の開催 12 月 3・4 日 Symposium on Creation of Functional Materials 2009 の開催 1.3 歴代センター長 2003.4~2006.1 赤木和夫 2006.2~2010.3 大塚洋一 1.4 TIMS ロゴマーク 中心の小円と外の楕円は物質の根源要素である原子を表し Science の S を抽象化し た形3つは、物質科学の各分野の協力による新物質の創成を意味します。また、こ れら3つの形は通称、白川センターの川の字も表しています。(2003 年 11 月 10 日 制定)考案者:筑波大学電子・情報工学系教授 根本承次郎氏 2. 組織 2.1 構成員 専任教員 客員研究員 神原貴樹 教授 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 鍋島達弥 教授 (物質創成先端科学専攻、化学系) 長崎幸夫 教授 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 山部紀久夫 教授 (電子・物理工学専攻、物理工学系) 大塚洋一 教授 (物理学専攻、物理学系) 大石 基 講師 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 金山直樹 講師 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 池田 豊 講師 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 蓮沼 隆 講師 (電子・物理工学専攻、物理工学系) 桑原純平 助教 (物性・分子工学専攻、物質工学系) 山村正樹 助教 (物質創成先端科学専攻、化学系) 上岡隼人 助教 (物理学専攻、物理学系) 斎藤政通 助教 (物理学専攻、物理学系) 京谷陸征 島村道夫 非常勤研究員 Robert Trokowski (研究機関研究員) 竹歳絢子 (連携融合事業推進博士研究員) 久保結丸 (連携融合事業推進博士研究員) Jeremy Brandel (連携融合事業推進博士研究員) 藤 加珠子 (連携融合事業推進博士研究員) Pennapa Chonpathompikunlert (連携融合事業推進博士研究員) 技術補佐員 大森恵美子 (研究支援推進員) 事務職員 秋葉 清 (専門職員) 事務補佐員 山内由美子 (MANA) [2008.10~2009.4] 中根鈴代 (MANA) [2009.5~] 2.2 委員会 運営委員会 大塚洋一 (センター長、TIMS) 山部紀久夫 (TIMS) 鍋島達弥 (TIMS) 宮本雅彦 (数学系) 神原貴樹 (TIMS) 木越英夫 (化学系) 長崎幸夫 (TIMS) 鈴木博章 (物質工学系) 村上浩一 (数理物質科学研究科長) 金 信弘 (物理学系) 秋本克洋 (物理工学系) 運営協議会 大塚洋一 (センター長、TIMS) 神原貴樹 (TIMS) 鍋島達弥 (TIMS) 長崎幸夫 (TIMS) 山部紀久夫 (TIMS) 小林俊一 (秋田県立大学長) 徳丸克己 (筑波大学名誉教授) 菅野卓雄 (東京大学名誉教授) 筒井哲夫 (九州大学名誉教授) 村上浩一 (数理物質科学研究科長) 大塚洋一 (センター長、TIMS) 神原貴樹 (TIMS) 鍋島達弥 (TIMS) 長崎幸夫 (TIMS) 推進室 山部紀久夫 (TIMS) 2.3 学内委員等 サブネットワーク管理委員会 委員長 鍋島達弥 環境安全管理室 廃棄物管理責任者 鍋島達弥 〃 補助責任者 長崎幸夫 2.4 組織図 運営委員会 センター長 運営協議会 2.5 WEB http://www.tims.tsukuba.ac.jp/ 研究コア z 機能性高分子コア z 分子・物質変換コア z 融合物質生命コア z ハイブリッド機能コア z 量子制御コア 2.6 研究室等の所在地 センター固有の建物は未整備のため、以下の共同利用スペースを借用して活動している。 共同研究棟A 111、204、211、214、406、413、414、415、416(電子顕微鏡室)、 共同研究棟C 107 総合研究棟B 223、 224、 225、 226、 1225、 1226、 1227、 022-1(クリーンルーム) (左・中)総合研究棟 B、 学内地図 (右上)共同研究棟 A、 (右下)TIMS 看板 3. センター活動報告 3.1 運営委員会等 平成 21 年度第 1 回運営委員会 (平成 21 年 6 月 1 日(月) 開催) 1.平成 20 年度第 3 回運営委員会議事録の承認 2.平成 20 年度決算について 3.平成 21 年度予算について 4.量子制御コア講師交代および戦略イニシアティブ(A)特別教員配置助教の 人事について 5.平成 21 年度センター活動予定について 1)アトミックテクノロジー創出事業 2)共同利用・共同研究拠点申請 3)戦略イニシアティブ 4)国際交流 5)補正予算 平成 21 年度第 2 回運営委員会 (平成 22 年 3 月 10 日(水) 開催) 1.平成 21 年度第 1 回運営委員会議事録の承認 2.人事について(戦略イニシアティブ学際物質研究センター特別教員配置助教) 3.平成 21 年度予算執行状況について 4.平成 21 年度センター活動について 1)2008 年度 TIMS 年報発行 2)アトミックテクノロジー創出事業 3)戦略イニシアティブ 4)国際連携 5)概算要求 6)全国共同利用・共同研究拠点申請結果について 5.客員研究員の委嘱(更新)について 6.センター長交代について 推進室会議 毎週火曜日正午から 13 時までを定例として推進室会議を開催し、TIMS の研究推進全 般に関して緊密な意見交換を行い、センター活動の活性化を図っている。 3.2 TIMS セミナー、シンポジウム TIMS セミナー 2009.06.13 TIMS セミナー: 小川智教授(岩手大工学部) 「高性能有機簿膜トランジスタの開発」 2009.07.06 TIMS/MANA 合 同 セ ミ ナ ー : Prof. Weiyuan John Kao ( University of Wisconsin-Madison, USA )“Utilizing ECM-mimics to study monocyte-centered wound healing and host response to biomaterials.” 2009.07.31 TIMS セミナー: 島村道夫博士(三菱化学生命科学研究所) 「新しく発見されたリンパ球 NKT 細胞が発現する invariant な T 細胞レセプタ ーによる糖脂質抗原の認識」 2009.09.14 TIMS セミナー: 山口佳隆准教授(横浜国立大学大学院工学研究院) 「β-アミノケトナト鉄錯体の合成とこれを用いた炭素-炭素結合生成反応」 2009.10.02 TIMS/MANA 合同セミナー: Dr. Glen S. Kwon (University of Wisconsin, USA) “Polymeric Micelles for Nano-Combination Drug Delivery” 2009.10.05 TIMS セミナー: 名取幸和博士(東京工業大学大学院理工学研究科) 「ゲノム情報の使い方が創薬研究の進め方と成果を規定する‐核酸創薬を事 例に」 2009.10.14 TIMS セミナー: 竹谷純一准教授(大阪大学理学研究科化学専攻) 「有機半導体の電界効果トランジスタと物性研究」 2009.10.19 TIMS/MANA 合同セミナー: 櫻井和朗教授(北九州市立大学) 「放射光X線小角散乱を用いた溶液中の分子集合体の構造解析:構造と機能の 相関をめざして」 2009.11.10 TIMS/MANA 合同セミナー: Dr. Phillip B. Messersmith (Northwestern University) “ Bioinspired Strategies for Polymer Hydrogels” 2009.11.20 TIMS セミナー: Prof. Ernesto Brunet Romero (Universidad Autónoma de Madrid) “What happens when one confines organic molecules within laminar zirconium phosphate?” 2010.01.20 TIMS/MANA セミナー: 千場隆志博士(物質・材料研究機構) 「バイオマテリアル界面が細胞機能に与える影響とその応用究」 2010.02.05 TIMS/MANA セミナー: 堀口諭吉氏(九州大学工学研究院) 「金ナノロッドのプラズモン共鳴を利用した光機能性複合体の開発と光反応 特性に関する研究」 2010.03.16 TIMS セミナー: Prof. Dariush Ajami (The Scripps Research Institute, USA) “ Adjustable Molecular Capsules” 2009.03.24 SI-IMS/MANA 合同セミナー:Dr. Minghwei Hong (National Tsing Hua University) “Nano-electronics of high K dielectrics on exotic semiconductors for science and technology beyond Si CMOS” シンポジウム・ワークショップ 2009.04.24 3rd International Symposium on Interdisciplinary Materials Science for Biomaterials Science (3rd ISIMSBMS-2009) を開催 (筑波大学総合研究棟B 0110 公開講義室) Keitaro Yoshimoto (Univ.Tsukuba) “Function of Poly (ethylene glycol) Modified Layers Prepared by “Grafiting to” Method on Gold Surface” Jun Nakanishi (NIMS) “Photoresponsive biointerfaces for cell analysis” Yoshihiko Murakami (Tokyo U. Agri. Tech.) “Single-and double-layered polymeric micelles for constructing novel biomaterials” Ji-Heung Kim (Sungkyunkwan Univ.) “Synthesis and characterization of dual-responsive polymer and hydrogel based on new amphiphilic polyaspartamides” Chiaki Yoshikawa (NIMS) “Novel Biointerface with Well-Defined Concentrated Polymer Brush” Masaki Ihara (Univ.Tokyo) “Open sandwich-based immuno-transistor for label-free and highly sensitive detection of low molecular weight antigen” Motoi Oishi (Univ.Tsukuba) “Smart Nanomedicine Based on Stilmuli-Responsive PEGylated Nanogels for Cancer Diagnosis and Therapy” Daniel Horak (Inst.Macromolecular Chemistry , Czech) “Stimuli-responsive nano- and microparticles for diagnostics and separation of nucleic acids and proteins” Masahiro Fujita (RIKEN) “Structural Analysis of Non-crosslinking Aggregation of Au Nanoparticles with DNA” 2009.05.08 第 4 回学際物質戦略イニシアティブバイオグループシンポジウム- 新しい創薬・治 療 -を開催 (筑波大学 東京キャンパス) 月本光俊(東理大)「プリン受容体をターゲットとした創薬の可能性」 玉井郁巳(金沢大)「ビジュアルキネティクスによる体内物流解析と個別化医療」 青木 伸(東理大)「生体内金属イオンと光を利用する新しい薬剤の設計・合成と創 薬支援」 早川洋一(東理大)「天然物薬剤の微生物合成」 三輪佳宏(筑波大)「蛍光を用いたマウス in vivo イメージング」 稲見圭子、望月正隆(東理大)「抗酸化ストレス剤の開発について」 川井恵一(金沢大)「ビジュアルキネティクスによるターゲティングコンファーマティヴ 個別化医療」 増保安彦(東理大)「抗体を用いたがんのイメージングと治療」 長崎幸夫(筑波大)「ラジカル封入ナノ粒子による脳梗塞抑制効果と抗酸化作用メカ ニズムの検討」 2009.06.20 第 6 回機能性分子シンポジウムを開催 (筑波大学総合研究棟B0110 公開講義室) 新井達郎(筑波大)「デンドリマー型分子の蛍光と光異性化ダイナミクス」 林雄二郎(東理大)「低分子有機化合物を用いた実用的不斉触媒反応の開発」 山子 茂(京大化研)「ラジカルを手なづける。リビングラジカル重合法の開発」 安倍 学(広島大)「開殻系分子の安定化に基づく未開拓領域の研究:一重項ビラジ カルの場合」 芳賀正明(中央大)「金属錯体を基本ユニットとする表面での分子ナノ接合制御と機 能」 2009.07.21 第 5 回学際物質戦略イニシアティブバイオグループシンポジウム-バイオイメージン グの展開- (筑波大学 第 3 エリア 3B213 教室) 松井裕史(筑波大)「がんの蛍光検出」 山口雅之(国立がんセンター)「MRI・SPECT イメージングによる高度診断技術」 平山 暁(筑波技術大)「ESR イメージング」 巨瀬勝美(筑波大)「小型 MRI の開発」 長崎幸夫(筑波大)「ニトロキシラジカル封入ナノ粒子によるpH 応答性イメージング」 内海英雄(九州大)「オーバーハウザー型 MRI の(OMRI)開発と機能」 2009.08.21 第 3 回学際物質科学研究会-プルシャンブルー類似体の電子構造と構造物性-を 開催 (筑波大学自然系学系棟B203 教室) 守友 浩(筑波大)「プルシャンブルー類似体簿膜の光学スペクトル」 浜田典昭(東理大)「NaxCo[Fe(CN)_6]バンド構造と光吸収スペクトル」 松田智行(筑波大)「プルシャンブルー類似体の格子物性と光学ギャップの遷移金 属依存性」 金延恩(JASRI)「結晶水を制御したシアノ錯体の電子密度レベルの構造変化」 2009.08.27-28 第 1 回連携研究会-筑波大学数理物質科学研究科と KEK 物質構造科学研究所の 連携を目指して- を開催 (筑波大学 第 1 エリア 1D201 大教室) 松石清人(筑波大)「有機無機複合型半導体の光誘起現象と超高圧物性」 中尾裕則(KEK)「強相関電子系における軌道混成秩序とその外場応答」 守友 浩(筑波大)「配列ナノ空間物質シアノ錯体の機能性探索と構造物性」 足立伸一(KEK)「物質・生命科学における実時間構造ダイナミックス研究」 門野良典(KEK)「幾何学的電子相関がもたらす異常金属相の解明」 雨宮健太(KEK)「磁性簿膜・多層膜における表面・界面の原子構造、磁気状態、電 子状態」 柳原英人(筑波大)「スピネル型フェライト/遷移金属強磁性ヘテロ界面での磁気的 結合」 小野寛太(KEK)「光電子顕微鏡による磁性超簿膜の研究」 佐々木正洋(筑波大)「局所仕事関数と表面物性」 神山崇(KEK)「超高分解能粉末中性子回折による構造解析」 谷本久典(筑波大)「金属系ナノ構造材料に見られる特異物性とその発現機構につ いて」 大友季哉(KEK)「中性子全散乱装置による水素貯蔵材料の研究」 寺西利治(筑波大)「無機ナノ粒子の精密構造制御と構造特異機能の創出」 伊藤晋一(KEK)「中性子非弾性による量子スピン系の研究」 2009.09.07-08 第 1 回連携ミニ研究会-量子ビームを用いた高圧物性研究-を開催 (筑波大学大 学会館特別会議室) 大石泰生(JASRI)「SPring-8 における高圧X線回折・複合測定システムの開発」 上床美也(ISSP)「低温高圧下物性測定の現状」 長壁豊隆(原研)「10GPa 級単結晶中性子磁気回折を目指した技術開発とその応 用」 中尾裕則(KEK)「ペロブスカイト型バナジウム酸化物の軌道・磁気秩序に対する圧 力効果」 植田浩明(ISSP)「β バナジウムブロンズの逐次相転移」 東 正樹(京都)「ペロブスカイト BiNiO3 における圧力誘起サイト間電荷移動」 熊井玲児(AIST)「有機強誘電体の低温高圧における構造転移」 石松直樹(広島)「X線磁気円二色性(XMCD)による圧力下の磁性研究」 守友 浩(筑波大)「プルシャンブルー格子の特異な構造応答」 町田晃彦(JAEA)「高圧力下における希土類金属水素化物の構造物性研究」 中野智志(NIMS)「ヘリウム準静水圧中での Ba24Ge100 の高圧構造変化」 桑原慶太郎(茨城)充填スクッテルダイト化合物の高圧下中性子回折」 髭本 亘(原研)「希土類化合物によるおける高圧下μSR」 佐藤一彦(埼玉)「圧力下ミュオンスピン回転緩和法による有機物質の磁性研究」 2009.10.11-12 第 2 回筑波-新竹国際シンポジウム 2009 (TSAMS2009)を開催 (つくば国際会 議場「エポカル」) Youiti Ootuka “Electrical Transport through Superconducting Nano-Bridge” Chih-Kuang Yeh “High-Frequency Ultrasound And Molecular Imaging” Hidemi Shigekawa “Studies on laser-combined STM” Tomonobu Nakayama “ Multiple-scanning-probe microscope for electrical and physiological measurements at the nanoscale” Chien-Neng Liao “In-situ TEM Observation of Electromigration in Nanotwinned Copper” Yutaka Moritomo “Advanced functionality of Prussian Blue heterojunction” Katsuhiko Ariga “Supramolecular Tricks for Nanotechnology:Hand-Operating Nanotechnology” Wen-Kuang Hsu “Engineering applications of carbon nanotubes” Tatsuya Nabeshima “Novel Molecular Recognition Modes via Unique 3D Arrangement of Non- classical Hydrogen Bonds” Takaki Kanbara “Molecular Design of Polyaniline Analogues Based on Organometallic Carbon-nitrogen Bond Formation” Kuo Chu Hwang “Metal-Filled Carbon Nanoparticles: Production and Growth Mechanism” Yuji Miyahara “Detection of biomolecular recognition using bio-transistors” Ryu Hasunuma “Nano Structure Control of Silicon Crystal Surface” Toshiharu Teranishi “Synthesis and Structure-specific Functions of Inorganic Nanoparticles” Shangjr Gwo “Tunable Plasmonic Properties of Near-Field-Coupled Gold Nanoparticles: Dimers, Chains, and Arrays” Keiichi Tomishige “ Conversion of Biomass and CO2 to Value-Added Chemicals Using Heterogeneous Catalysis” Michael Hsuan-Yi Huang “Aqueous Solution Synthesis of Novel Gold and Palladium Nanostructures” Jun Nakanishi “Colloidal gold nanoparticles bearing a photocleavable group as new template for caged compounds synthesis” Chien-Chong Hong “Disposable Lab-on-Chip Systems for Point-of-Care Diagnostics” Yukio Nagasaki “Gold Nanoparticle-Containing Nanogel as a Tool for New Therapy” 2009.10.30 第 1 回「物質・エネルギーフロー」研究会を開催 (筑波大学総合研究棟B 108 室) 中村潤児「燃料電池における脱白金触媒の開発」 神原貴樹「低環境負荷・省エネルギーを指向した有機材料設計」 丸本一弘「有機簿膜太陽電池のミクロ特性評価と耐久性向上」 末益 崇「Si 系簿膜結晶太陽電池用の新材料探索」 近藤剛弘「グラファイトを用いた希少金属代替材料の研究開発」 門脇和男「THz 波が開く新しい学物質科学:Quantum Materials Nanoscience and Engineering QM-NES」 小林正美「多様な光合成生物の『光→エネルギー変換』メカニズムの解明」 服部利明「伝導材料のテラヘルツ分光による評価」 谷本久典「資源有効利用を目指したナノスケール金属材料の創製」 牧村哲也「微細加工技術の開発による物質・エネルギーフローの切り替え」 佐々木正洋「有機半導体膜形成初期における電子状態の原子スケール計測」 柳原英人「複合界面制御による白金族元素フリー機能性磁性材料の開発」 2009.10.31 第 7 回機能性分子シンポジウムを開催 (筑波大学総合研究棟B0110 公開講義室) 神原貴樹(筑波大)「チオアミドの特性を活かした機能分子設計」 山田眞二(お茶大)「カチオン-π相互作用を利用する立体選択的[2+2]光付加環化 反応」 石橋正己(千葉大)「シグナル伝達分子を標的とする天然物の探索」 増田秀樹(名古屋工大)「生物無機化学の挑戦-分子認識・機能発現・デバイス化」 秋葉欣哉(広島大)「超原子価結合の化学-炭素の超原子価化合物-」 2009.11.02-03 第 2 回連携研究会-筑波大学と KEK との研究連携を目指して- を開催 (いばらき 量子ビーム研究センター会議室) 山田悟史(KEK)「中性子反射率計 ARISA-Ⅱの現状と将来の展望」 有川晃弘・初貝安弘(筑波大)「フラストレーションを持つ 1 次元スピン系の動力学の 理論」 横尾哲也(KEK)「高分解能チョッパー分光器と目指すサイエンス」 角谷省吾・大石基・長崎幸夫(筑波大)「中性子線を用いたホウ素含有ナノ粒子の in vivo イメージングと治療」 Zhang(KEK)“The study of exchange interactions and anisotropy of single-molecule magnet of Mn12” 山村泰久(筑波大)「高次構造を有する液晶の分子ダイナミクス」 岡本 淳(KEK)「共鳴軟X線散乱による強相関系の秩序構造の研究」 川崎卓郎・大嶋建一(筑波大)「層間化合物 MxTiS2(M=3d金属)の結晶構造と電 子密度分布に関する研究」 岩野 薫(KEK)「放射光を利用した光誘起相転移研究と理論的取り組み」 松田智行・守友 浩(筑波大)「負の熱膨張現象を示すシアノ架橋型金属錯体の 構造」 2009.11.14 第 6 回学際物質戦略イニシアティブバイオGPワークショップ-酸化ストレスと口腔疾 患- を開催 (筑波大学総合研究棟B0112 教室) 富田 勉(Time Lapse Vision)「歯周病菌が歯肉細胞にアポトーシスをもたらす-動 画からのアプローチ-」 馬嶋秀行(鹿児島大)「歯周病と活性酸素」 犬童寛子(鹿児島大)「歯周病動物モデルとメタボリックシンドローム」 長崎幸夫(筑波大)「活性酸素消去ナノ粒子の設計」 松井裕史(筑波大)「活性酸素と小腸疾患」 2009.11.18-19 第 4 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-4)を共同開催 (シーサイドホ テル舞子ビラ神戸) Cesar Pay Gomez (NIMS) “Atomic Structures and Properties of Quasicrystals and Complex Metallic Alloys” Miguel Monteverde (Universite' Paris-Sud) “Quantum Transport in Single and Bilayer Graphene” Ryuta Yagi (Hiroshima Univ.) “Magnetotransport of Graphene FET” Seizo Morita (Osaka Univ.) “Atom-by-Atom Nanostructuring of Composite Nanomaterials Based on AFM” Akinobu Kanda (Univ. Tsukuba) “Electron Transport in Multilayer Graphene” Rik R. Tykwinski (Friedrich-Alexander Univ. of Erlangen) “Toward Carbyne: Synthesis and Characterization of Polyyne Chains with Extraordinary Lengths” Atsunori Mori (Kobe Univ.) “ CH Functionalization of Heteroaromatic Compounds by Transition Metal Catalysis” Takashi Hayashi (Osaka Univ.) “ Construction and Characterization of Supramolecular Hemoprotein Polymer” Ernesto Brunet Romero (Universidad Autonoma de Madrid) “The Use of Laminar Inorganic Salts to Make Organic Molecules Display New Properties at the Supramolecular Level in the Solid State” Kenji Matsuda (Kyoto Univ.) “Photochromic Molecules for Switching Units” Shigehisa Akine (Univ. Tsukuba) “Helical Oligooxime Metal Complexes for Ion Recognition” Jean-Michel Pouvesle (CNRS/Universite' d'Orle'ans) “Medical Applications of Atmospheric Pressure Plasmas: Preliminary Results of Antitumor Effect in a Mouse Model” Weiyuan John Kao (Univ. of Wisconsin) “Cellular and Developmental Toxicity of Biofunctionalized Nanomaterials” Takuro Niidome (Kyushu Univ./PRESTO) “Development of Functional Gold Nanorods for Bioimaging and Photothermal Therapy” Katsuhisa Kitano (Osaka Univ.) “Overview of Atmospheric Plasma for Biomaterials Science” Kohei Soga (Tokyo Univ. of Science) “Overview of Materials Development in Bioimaging” 2009.11.27 第 2 回連携ミニ研究会(筑波大・KEK連携) -グラフェン・グラファイトとその周囲の 物理 –を共催 (筑波大学第 1 エリア自然系学系棟B棟 B119 室) 大西宏昌(物構研)“Generation and growth of the diaphite domain by visible photon irradiation onto graphite” 西岡圭太(物構研)「光誘起グラファイト-ダイヤモンド相転移の初期過程ダイナミク ス」 谷村克己(阪大産研)「フェムト秒光励起によるグラファイトの構造相転移」 岡田晋(筑波大)「グラファイト複合構造体の電子物性」 青木秀夫(東大)「グラフェンにおける光誘起ホール効果-光学ホール効果と光電ホ ール効果」 小野寛太(物構研)「数層グラフェンのX線分光」 河原林透(東邦大)「グラフェン量子ホール効果におけるランダムネスのレンジと対 称性」 神田晶申(筑波大)「グラフェンにおける超伝導近接効果」 新井正夫(物材機構)「グラフェン・有機伝導体の「ディラック電子」に対する量子ホ ール効果の数値的研究」 山本真幸(物材機構 MANA)「ナノリボンジャンクションにおける電気伝導」 佐々木健一(物材機構 MANA)「グラフェン端における擬スピン反射の理論とラマン 分光」 初貝安弘(筑波大)「グラフェンにおけるバルクエッジ対応」 2009.12.03-04 Symposium on Creation of Functional Materials 2009 を開催 (つくば国際会議場 「エポカル」) Takeshi Akasaka (University of Tsukuba)“In-depth Understanding of pi-Electron Systems: New Vistas in Fullerene Endohedrals” Teruo Shinmyozu (Kyushu Univ.)“ A Study on Charge Transfer Interaction Using Cyclophanes as Model Compounds” Vladimir Lee (Univ. Tsukuba)“Cyclopentadienyl Anions of the Heavy Group 14 Elements: New Generation Ligands for Coordination Chemistry” Xiao-Ming Chen (Sun Yat-Sen Univ, China)“ Porous Coordination Polymers: Flexibility and Sorption” James M. Mayer (Univ. of Washington, USA)“Moving Protons and Electrons Together: From Organic Hydrogen Atom Transfer Reactions to Marcus Theory of Proton-Coupled Electron Transfer” Takayuki Kawashima (Univ. of Tokyo)“Creation of Functional Molecules Utilizing Characteristics of Boron” Atsuhiro Osuka (Kyoto Univ.)“Möbius Aromatic Expanded Porphyrins” Yousuke Yamamoto (Hiroshima Univ.)“Synthesis and Structure of Hypervalent Carbon and Boron Compounds” Norio Teramae (Tohoku Univ.)“Molecule Recognition by Fluorophores in Combination with Abasic Site-containing Oligonucleotides” Hideo Nagashima (Kyushu Univ.)“Living Polymerization by Reusable Iron-amine Catalysts: From Fundamental Chemistry to Industrial Potentials” Tsuyoshi Michinobu (Tokyo Inst. of Tech.)“Click Synthesis of Donor-Acceptor Type Conjugated Polymers” Yong-Joo Kim (Kangnung-Wonju National Univ., Korea)“ Chemistry of Group 10 Metal Azides: Reactivity toward Organic Unsaturated Compounds” Kazuo Takimiya (Hiroshima Univ.)“ Design and Synthesis of New Heteroarene-Based Organic Semiconductors for Thin-Film Transistors” Hiroshi Nishihara (Univ. of Tokyo)“Coordination Programming of Electron-Conducting Molecular Wires on the Surface” Koji Kimoto (National Inst. for Materials Science)“Material Characterization with High Spatial Resolution Using Transmission Electron Microscopy and Electron Energy-loss Spectroscopy” Junpei Kuwabara (Univ. of Tsukuba)“Synthesis of Functional Polymer by Pd-Catalyzed C-N Coupling Reaction” Zhenfeng Xi (Peking Univ., China)“ Synthesis of Pyridines, Pyrroles, and 5-Azaindoles” 2009.12.19 第 8 回機能性分子シンポジウムを開催 (筑波大学総合研究棟B0110 講義室) 鍋島達弥(筑波大)「超分子システムにおける協同的機能の発現」 横山 泰(横浜国大)「高立体選択的フォトクロミック6π電子環状反応」 飛田成史(群馬大)「イリジウム錯体のりん光を用いた癌などの低酸素組織イメージ ング」 青山安宏(同志社大)「生体イメージングにむけた新手法の開発」 瀬恒潤一郎(神戸大)「8 の字型ポルフィリノイドの合成とヘリカルキラリティーの制 御」 2009.12.21-22 第 3 回連携ミニ研究会-XAFS と機能性物質- の共催 (筑波大学大学会館) 野村昌治(KEK)「XAFS 概説-その威力と弱点-」 雨宮健太(KEK)「軟X線 XAFS ビームラインと研究例の紹介」 仁谷浩明(KEK)「PF における硬X線 XAFS ビームラインの現状と最近の研究紹介」 宇留賀朋哉(JASRI)「SPring-8 XAFS ビームラインの現状と研究事例」 大沢仁志(JASRI)「SPring-8 における放射光パルスを利用した時間分解 XAFS 測 定とそのアプリケーション」 鍋島達弥(筑波大)「原子・分子の特異的空間配列を利用した機能性超分子の構 築」 神原貴樹(筑波大)「有機金属化学を基礎とするn型導電性高分子の設計と機能開 発」 守友 浩(筑波大)「シアノ錯体の接合と機能性」 大塩寛紀(筑波大)「多重双安定性金属錯体」 喜多英治(筑波大)「複合界面制御による機能性ナノ磁性材料の開発」 上岡隼人、守友 浩(筑波大)「Co-Fe 錯体における光誘起新規相の探索」 冨重圭一(筑波大)「固体触媒のヘテロ界面構造解析」 阿部 仁(慶應大)「CO,NO 吸着 Fe/Cu(001)磁性簿膜の不思議な磁気構造とその 簿膜結晶構造変化」 大渕博宣(JASRI)「蛍光 XAFS 法による強磁性半導体(Zn,Cr)Te の局所構造評価」 高草木達(北大)「偏光全反射蛍光 XAFS 法による固体表面上に形成した金属ナノ 構造の精密解析」 阪東恭子(産総研)「担持 Ni 触媒の脱硫反応条件下 in situ QXAFS および FT-IR 同時測定による構造解析」 大柳宏之(産総研)「XAS でみる複雑系の局所構造と機能-機能発現に絡む Jahn Teller Physics」 2010.01.08 第 9 回機能性分子シンポジウムを開催 (筑波大学総合研究棟B0110 講義室) 一戸雅聡(筑波大)「ケイ素-ケイ素三重結合化合物の化学」 唐津 孝(千葉大)「リン光発光材料イリジウムトリスシクロメタレート錯体の光化学」 伊東 忍(阪大)「芳香族および脂肪族化合物の触媒的酸化反応」 灰野岳晴(広島大)「特異的包接により駆動される超分子配列構造の構築」 海野雅史(群馬大)「光、電気、熱、触媒~シラノールから広がる高機能分子群」 2010.01.20 第 3 回連携研究会-筑波大-KEK 連携の在り方とその広がり -の共催 (筑波大学 大学会館特別会議室) 村上浩一(筑波大)「筑波連携の観点から」 下村 理(KEK)「KEK が推進する大学連携について」 守友 浩(筑波大)「物質科学分野における連携に向けた取り組み」 村上洋一(KEK)「放射光を利用した筑波大-KEK 連携について」 瀬戸秀紀(KEK)「大学連携による中性子科学研究」 金 信弘(筑波大)「筑波大・KEK 連携による測定器・加速器開発」 幅 淳二(KEK)「測定器開発での取り組み」 大嶋健一(筑波大)「筑波大学の中性子ビームに関する取り組み」 門野良典(KEK)「ミュオン利用研究への招待-CMRC プロジェクト下での共同研究 の可能性」 石垣 徹(茨城大)「茨城大の中性子ビームに関する取り組み」 河田 洋(KEK)「PF の将来計画に関して」 2010.01.26 第4回光・プラズマプロセスのバイオ応用ワークショップを共催 [主催:大阪大学原 子分子イオン制御理工学センター(CAMT)] (大阪大学レーザーエネルギー学研 究センター:研究棟4階大ホールにて) 2010.02.06-08 Phase transition and Dynamical properties of Spin Transition Materials (PDSTM2010) を共催 (筑波大学大学会館) Jean-François Létard (France) “What happens when t(liesst) reaches, or over passes t½ ? An interplay between kinetically slow thermal transition and metastable high-spin state relaxation” Shinya Koshihara (Tokyo Inst. of Tech.)“Dynamics of cooperative lattice-charge (spin) coupled phenomena induced by fs laser light irradiation studied by 100 ps time-resolved X-ray diffraction” Sébastien Pillet (France) “Dynamics of photo-induced crystallographic phase transition in spin crossover materials” Kamel Boukheddaden (France) “New paradigm in the electronic and structural multistability of the photo-magnetic Prussian blue analog K0.3Co[Fe(CN)6]0.77 ·3.6H2O” Yutaka Moritomo (Univ. of Tsukuba)“ Hole-doping and functionality of Prussian blue junction” Shunsuke Nozawa (KEK)” Investigation of dynamic behavior in Prussian Blue analogs by Picosecond Time-Resolved XAFS” Seiji Miyashita (Univ. of Tokyo)“Cooperative dynamics and threshold phenomena with long-range interactions” Masamichi Nishino (NIMS)“Nontrivial effects of the boundary condition for ordering in spin-crossover phenomena” Kosmas Prassides (UK)“Atypical responses of metal polycyanide networks to external stimuli” Kenichi Kato (Sping8)“Molecular Interaction in Photo-Induced Phase Transition Materials visualized by electrostatic potential analysis” Marylise Buron (France)“Probing consecutive steps of photoinduced switching dynamics by time-resolved X-ray diffraction in a Fe(III) spin-crossover material” Lionel Salmon ( France) “ Recent results on spin crossover nanoparticles” Shin-ichi Ohkoshi (Univ. of Tokyo)“Novel magnetic functionalities on cyano-bridged metal assemblies and ε-iron oxide” Corine Mathonière (France) “Photomagnetic mixed-valence compounds : Molecules and Nanoparticules” Barbara Sieklucka (Poland)“ Magnetic properties vs. network dimensionality of cerium(III)-octacyanotungstate(V) compounds” Azzedine Bousseksou (France) “Spin crossover molecular materials: from molecules to thin films to nanostructuration to devices” Koichiro Tanaka (Kyoto Univ.)“Dynamical separation of two coupled orders in the relaxation process from the photo-induced state in spin-crossover complex” Franz Renz (Germany)“Nitroprussiat combined with spin-crossover and other molecular switching effects” Hiroko Tokoro (Univ. of Tokyo)“Novel transition phenomena in cyano-bridged metal assemblies” Norimichi Kojima (Univ. of Tokyo)“Concert phenomenon coupled with rapid spin equilibrium and charge transfer in iron mixed-valence system, (CnH2n+1)4N[Fe(II)Fe(III)(mto)3](n = 3, 4; mto = C2O3S)” Hiroki Oshio (Univ. of Tsukuba)“ Multiple bistability of metal complex systems” 2010.03.05 第4回ポリスケールテクノロジーワークショップを共催 [主催:東京理科大学ポリスケ ールテクノロジー研究センター(PTRC)] (東京理科大学野田キャンパス カナル会 館大会議室) 2010.03.12 第10回機能性分子シンポジウムを開催 (筑波大学総合研究棟B 0110 講義室) 西村賢宣(筑波大)「時間分解蛍光分光法による光励起状態緩和機構の解明」 池田 浩(大阪府立大)「ラジカルの熱ルミネッセンスの発見から「有機ラジカル EL」 の創製へ-逆転の発想による長波長発光・量子効率増大への新提言-」 金里雅敏(産総研)「機能性金属錯体の開発と波長変換材料への応用」 中 建介(京都工繊大)「有機無機ハイブリッド高分子の新展開」 上村明男(山口大)「ニトロアルケンの特性を活かした立体選択的ドミノ反応」 2010.03.13 第 7 回学際物質戦略イニシアティブバイオGPワークショップ-酸化ストレスと疾患-を 開催 (筑波大学総合研究棟B 0110 公開講義室) 松井裕史(筑波大)「酸化ストレスと消化器疾患」 宇都義浩(徳島大)「抗酸化剤と酸化ストレスの新しい評価法」 平山 暁(筑波技術大)「酸化ストレスと腎疾患」 丸島愛樹(筑波大)「酸化ストレスと脳疾患」 島野 仁(筑波大)「酸化ストレスと生活習慣病」 石井哲郎(筑波大)「酸化ストレス防御系の研究」 富田 勉(Time Lapse Vision)「目で見る酸化ストレス」 学際研修コース 2009.07.29-30 第 8 回学際物質科学研修コース:「微細加工」 を開催 講義: リソグラフィー技術、エッチング技術、簿膜形成の基礎 実習: フォトリソグラフィー実習 及び 電子線リソグラフィー実習 会場: 筑波大学第 3 エリア 3F800、3L104、TIMS クリーンルーム 2010.01.18 参加者 6 名 第 9 回学際物質科学研修コース:「X 線構造解析」 を開催 低分子単結晶コース 及び 粉末コース 1. X線回析の基礎 2. X線発生装置及び回析データ測定装置の概要 3-1. 単結晶X線結晶構造解析実習 3-2. 粉末X線構造解析実習 会場:筑波大学第 1 エリア自然系学系棟 1C402、1C406 参加者 6 名 3.3 三大学連携アトミックテクノロジー事業 2006 年 4 月から 4 カ年計画の文部科学省特別教育 研究経費大学間連携事業として行っているアトミックテ クノロジー推進事業で、本年度が最終年度となり総括 及び今後の展開につながる活動を行った。本事業で TIMS は大阪大学科原子分子イオン制御理工学セン ター、東京理科大学ポリスケールテクノロジー研究セ ンターと有機的に連携し、三者がそれぞれ得意とする 研究分野と技術(最先端の原子操作・評価技術とそれ を可能にする装置開発技術、世界的な新機能物質創製技術、量子物性評価技術、卓越した超微細 加工・デバイス展開技術)を効率よく融合させることにより、キーアトムの操作・制御による究極のもの づくり技術の構築を目指している。また、本プロジェクトを通して、博士課程院生の相互指導、若手研 究者の活用と育成を積極的に推進することを目的としている。 2009 年度の主な活動 ・第 4 回三大学連携学生研究会 (2009 年 8 月 26-28 日、東京理科大学長万部キャンパス) ・第 4 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム(ISAT-4) (2009 年 11 月 18-19 日、シーサイドホ テル舞子ビラ神戸) ・第 4 回光・プラズマプロセスのバイオ応用ワークショップ (2010 年 1 月 26 日、大阪大学) ・第 4 回ポリスケールテクノロジーワークショップ (2010 年 3 月 5 日、東京理科大学) ・共同利用・共同研究拠点(アトミックテクノロジー物質科学研究拠点)申請ヒアリング (2009 年 5 月 12 日、文部科学省) ・アトミックテクノロジー創出事業計画ミーティング (2009 年 10 月 18 日、大阪大学原子分子イオン 制御理工学センター) 第 4 回アトミックテクノロジー国際シンポジウム 開 催 日: 2009 年 11 月 18 日(水)、19 日(木) 会 場: シーサイドホテル舞子ビラ神戸 参加者数: 106 名 招待講演: 10 件 一般講演: 6件 ポスター講演: 69 件 第 4 回 三大学連携学生研究会 2009 年 8 月 26-28 日 東京理科大学長万部キャンパス 参加者: 94 名 3.4 筑波大学戦略イニシアティブ(A)「学際物質科学研究拠点」 平成 19 年度に採択されたプレ戦略イニシアティブ学際物質科学研究拠点は中間評価を経 て、平成 20 年度に組織を見直し戦略イニシアティブ(A)となった。本年度はプロジェクト の 2 年目として継続してその活動を行った。本プロジェクトでは、TIMS の将来計画の検討や 各種大型予算獲得に向けた学系や専攻を超えた組織作り、さらには新しい取り組みの先行実 施という当初のプレ戦略イニシアティブでの目標を継承するとともに、新たに WPI-MANA の筑 波大サテライトとして物質材料研究機構との緊密な研究協力の実現を海外連携の推進を目指 す。 本年度は以下に示すシンポジウムや研究会で培われた学内・国内及び海外と連携をさらに 発展させた。例えば、KEK 連携支援事業の開始や台湾精華大学との連携などを着実に進展さ せることができた。 参加教員 新井達郎(化学)、一戸雅聡(化学) 、大塚洋一(物理・TIMS、代表) 門脇和男(物性分子、MANA-PI)、神原貴樹(物性分子・TIMS)、重川秀実(物質創成) 寺西利治(化学)、冨重圭一(物性分子、MANA-PI)、長崎幸夫(物性分子・TIMS、MANA-PI) 鍋島達弥(物質創成・TIMS)、服部利明(物理工学)、 守友 浩(物理)、山部紀久夫(物理工学・TIMS) (1)シンポジウム・研究会の開催 ・第 2 回筑波-新竹国際シンポジウム 2009 The 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology [TSAMS-2009] (10/10-12、つくば国際会議場「エポカル」) 外国人招待講演:7 件、一般講演:13 件 ポスター講演:63 件 参加者 95 名 ・Symposium on Creation of Functional Materials 2009 (12/3-4、 つくば国際会議場「エポカル」) 招待講演:17 件、ポスター講演:71 件、参加者 147 名 ・3rd International Symposium on Interdisciplinary Materials Science for Biomaterials Science [3rd ISIMSBMS-2009] (4/24) ・戦略イニシアティブバイオグループワークショップ (5/8,7/21,11/14, 2010.3/13) ・機能性分子シンポジウム (6/20,10/31,12/19,2010.1/8,3/12) ・第 3 回学際物質科学研究会「プルシャンブルー類似体の電子構造と構造物性」 (8/21) ・「物質・エネルギーフロー」研究会 (10/30) ・KEK 連携研究会(8/27-28,9/7-8,11/2-3,11/27,12/21-22,2010.1/20) ・The International Workshop on Phase transitiona and Dynamical properties of Spin Transition Materials [PDSTM2010] (2010.2/6-8) (2)学際研修コースの実施 ・微細加工・リソグラフィーコース (7/29-30) ・X 線構造解析研修コース (2010.1/18) (3)NIMS-MANA との連携強化 MANA 主任研究員でもある 3 人の教員を中心にプラズマ表面構築、DNA トランジスタ表面 構築(ナノバイオマテリアル分野)などの共同研究及び NINN サマー学生の受け入れなど の交流が進展している。また、つくば-新竹国際ワークショップについても連携してそ の開催にあたった。 (4)若手・女性研究者への支援 異分野間共同研究の推進のため、公募に基づき若手研究者・女性研究者の共同研究提案 への研究支援を行った。 (若手:3 名、女性:2 名)また、特別配置教員(斎藤政通 助教) による研究も支援した。 (5)博士後期課程学生に対する支援 博士後期学生に研究計画を提出させ、これを審査して RA 経費によって研究支援を行った。 (6 名) (6)概算要求申請・プロジェクトの立ち上げ 研究学園都市に位置する本学の優位性を発揮するには、NIMS のみならず他の研究機関と の一層のつながりが必要である。本戦略イニシアティブの前身であるプレ戦略では学内 の光科学研究者を糾合し分野横断的な光科学研究拠点の形成を目指す計画がその一部と して含んでいたという経緯があり、放射光施設を持つ KEK 連携支援事業への応募を行い、 採択された。この事業の筑波大側実体組織として本イニシアティブは連携研究会、シン ポジウムを共催した。 本イニシアティブの議論をもとに 3 件の概算要求を立案し要求した。 また、学内医学部臨床系、動物資源センターとの連携をはかり、金沢大学との医工薬連 携事業の立案を行った。 (7)国際連携の推進 ウィスコンシン大学、モントリオール大学と部局間協定を提携した。前年度 TIMS がスタ ートした台湾清華大学との研究交流を拡大し、本戦略イニシアティブの活動として第 2 回つくば・新竹シンポジウムをつくばで開催した。部局間連携に基づき、モントリオー ル大学から短期留学生を受け入れ共同研究をスタートした。 3.5 決算 (2009 年度) 予 算 科 目 決算額 (円) 管理運営費 特別教育研究経費:学際的連携融合による物質科学研究創出事業 7,665,591 693,000 特別教育研究経費:アトミックテクノロジー創出事業 45,000,000 戦略イニシアティブ経費 12,220,000 RA 経費 707,124 4. 研究活動報告 4.1 研究コア報告 機能性高分子コア 分子物質変換コア 融合物質生命コア ハイブリッド機能コア 量子制御コア 26 34 41 70 78 1.機能性高分子コア 専任教員: 神原貴樹(数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・教授) 桑原純平(数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・助教) 研究員 竹歳 絢子(アトミックテクノロジー技 術職員) 大学院生 (数理物質科学研究科 物性・分子工 学専攻) 崔 星集 (D1)、辻本 亞紀都 (D1)、内 田 奈津子 (M1)、小川 泰幸 (M1)、久 木野 稔 (M1)、齊藤 圭介 (M1) 、滑川 友美 (M1)、山縣 拓也 (M1) 学類生 (工学基礎学類 物質・分子工学主専攻) 相木 彰太 (B4)、掛札 隆太 (B4)、星 野 純一 (B4)、村上 隆俊 (B4) 研究生 盧葦、薇樂絲 ≈ 3 < 4)。 Cl H N O O N + N Pd catalyst C6H13 (HO)2B O (HO)2B 1 OC4H9 Cl R O N 2:R= N O N 3:R= O C6H13 4:R= OC4H9 R 機能性高分子コアでは、有機金属化学を機軸とす る機能性分子材料の創製を中心に研究を行ってい る。本年度は、昨年度得た知見をもとに、機能性 分子材料の設計並びに新しい機能性高分子の合成 に関する研究を行った。 【 1 】 新しい機能性色素の開発 機能性色素の一つであるジケトピロロピロ ール(DPP)は、従来、自動車の塗料などの使用 に限られていたが、近年ではその高い蛍光量子 収率や吸光係数が注目され、色素レーザーや太 陽電池などに応用されている。このような観点 から、新しい DPP 誘導体の合成方法の開発が望 まれている。そこで本研究では、有機金属触媒 による反応を鍵段階として、安価な原料から 様々な DPP 誘導体を合成する手法の開発を行 った。条件検討の結果、Pd 触媒を用いることに よって各種誘導体を高収率かつ短い反応ステ ップで合成することを可能にした(式 1)。 この手 法は、これまでは困難であったアミノ基の導入 が容易に行える点に特異性を有する。得られた DPP 誘導体は、高い発光効率(Φ = 0.86-0.91)を有 することが明らかになった (図 1)。また、極大 発光波長は導入した置換基に依存し、置換基の 電子供与能が強いほど長波長に存在する(1 < 2 式1 また、電気化学測定においても置換基と DPP コア部の酸化還元に相関があることが観測さ れた。このように、DPP コアの電子状態が芳香 環上の置換基によって変化したことを明らか にし、DFT 計算からも構造と物性の相関を確か めた。 1 2 3 4 Φ = 0.88 Φ = 0.86 Φ = 0.90 Φ = 0.91 図1 化合物 1-4 の溶液状態での発光 溶液状態の化合物 4 にトリフルオロ酢酸 (TFA)を加えると燈色の発光が消え、さらに過 剰の TFA 加えると黄色の発光が再び観察され た。これは化合物 4 の窒素原子への二段階のプ ロトン付加に由来することを、滴定実験などか ら確かめた。さらに、この現象を利用した気体 状態の酸の強さを検知するセンサーの構築を (a) (b) (c) アノードの電流が観察された。これらの結果は、 それぞれの高分子膜が光触媒として働き、異なる 電極反応が進行したことを示している。 on 5 (b) on on 0 Current/μA 行った。最適化の結果、化合物 4 をシリカゲル 上に担持すると、弱酸であるギ酸の蒸気にさら すと発光が減少し、強酸である TFA の蒸気にさ らすと発光色が黄色に変わることを見出した (図 2)。 さらにアンモニア蒸気にさらすと元の燈 色に戻ることから、繰り返しの使用が可能であ る。 (c) -5 -10 -15 -25 off off off (a) -20 0 20 40 60 80 100 Time/s 図3 光照射 ON/OFF の切り替えにおけるカソー 図2 (a)薄層シリカゲルプレート上に誘導体 4 を担 ド電流変化 (a) p 型 (b) n 型 (c) 高分子なし 持し、UV ライトを当てた際の様子 (b)ギ酸蒸気と 接触時の様子 (c)TFA 蒸気と接触時の様子. 【 2 】高分子半導体を用いた光触媒の評価 光エネルギーを有効利用する手段の一つとして 光触媒が挙げられる。光触媒は環境浄化や水素発 生などにおいて注目されているが、現在の主流で ある酸化チタン等を用いたものは成型や後処理に おいて課題が残されている。一方、高分子半導体 は可視光吸収帯を持ち加工性にも優れる上に、目 的に合わせた分子設計により種々の性質を調節で きることから、近年ではエレクトロニクスへの応 用が盛んである。これら高分子を光触媒に用いる ことで、室内光の利用や優れた成型性、基質特異 性等を有する新しい光触媒システムの実現が期待 できる。そこで、表面に高分子半導体を製膜した 修飾電極を作製して光電気化学測定を行い、π共 役高分子の光触媒性能を検証した。 高分子半導体はその構造によって、p 型もしく は n 型の半導体特性を持つものに分類することが できる。この特性がそれぞれ異なる高分子を用い て調査した結果、p 型高分子では光カソード電流 が観測された(図3)。一方で、n 型高分子では光 また、光電流の発生は高分子の光吸収波長に依存 しており、酸化還元反応の進行が確かに高分子の 光励起によって生じるものであることを明らかに した。今後は異種高分子を組み合わせて pn 接合 を形成することで、電荷分離を促進させて光触媒 活性の向上を目指す。 【 3 】導電性を持つ超分子体の合成 水素結合や静電相互作用などの弱い相互作用を 利用して構造体を形成させる超分子化学に注目が 集まっている。その中において、複数の弱い相互 作用を利用して小分子を連結し、高分子状態の化 合物を形成させる超分子ポリマーは、既存の高分 子にはない特性が発現することが期待されている。 本研究では、 DNA の構成要素の一つであるグア ニンに着目し、その分子間の水素結合を用いて超 分子ポリマーの構築を行った。さらに、積層構造 をとることで導電性が発現することが知られてい るテトラチアフルバレン(TTF)を導入し、導電 性を有する超分子ポリマーの開発を行った。合成 はクロロシラン部位を有するTTF誘導体と2-デオ キシグアノシンを、シリル化反応によって連結す ることで行った(式2) 。 O N O N HO N NH N NH2 O S S HO + S S S S imidazole 5:R= R O Cl O S S S S S S R O O N NH N 結合とπ-πスタッキングを同時に利用すること で、フィルムの柔軟性と導電性を変化させること が可能となった。 NH2 O R O Si(i-Pr)2 6:R= Si(i-Pr)2OC6H12 7:R= Si(i-Pr)2OC6H12OC6H12 式2 得られた化合物を 1H NMR にて評価したところ、 グアノシンのアミンやアミド部位における水素結 合によって分子間ネットワークを形成しているこ とを示唆する結果を得た。さらに、合成した化合 物の中で長いアルキル鎖を有する 6 と 7 において は、柔軟なフィルムの形成が可能であった(図 4a)。 これは、一般的には高分子化合物に見られる性質 であり、水素結合によって小分子が連結されるこ とで高分子のような特徴が付与されたものと考え られる。また、ここで得られたフィルムを I2 の蒸 気と接触させると、速やかに黒色へと変化し柔軟 性が失われることが観測された(図 4b)。これは、 I2 によって TTF 部位が酸化され、π-πスタッキン グ等の分子間力が新たに加わったためだと考えら れる。 図4 (a) 7 のフィルム (b) I2 蒸気によって酸化し たフィルム TTF の酸化をテトラシアノキノジメタン (TCNQ)で行った場合には、約 3.7×10-2 Scm-1 の導 電性が発現することを確認した。このように水素 【 4 】ポリチオアミドの水銀捕集機能 近年、地球環境問題や生活環境の保護に対する 意識がますます高まり、環境を汚染させる可能性 のある有害物質の排出規制が厳しくなってきてい る。水銀は重金属類の中でも最も規制が厳しい元 素の一つであり、水質汚濁防止法・工場排水等排 水基準では基準値は0.005 mg/L以下と定められて いる。一方で、水銀を含む工場排水等には多くの 重金属が共存しており、排水中の水銀を効率よく 分離回収するためには ①水銀を選択的に認識し相互作用する材料の開発 ②水銀を選択的に分離回収する処理技術の開発 が重要である。 我々はこれまでに Willgerodt-Kindler 重縮合 によって合成したポリチオアミドのソフトな金属 に対する配位機能に注目し、有価金属である 10 族遷移金属の選択的捕集について検討を行ってき た。一方、水銀を含む排水処理・浄化にはこれま でにも含硫黄キレート剤が多く用いられている。 そこで本研究では、上記ポリチオアミドについて 排水中の水銀の選択的捕集機能の評価を行った。 水銀を含む水溶液を用いて捕集実験を行った結 果、ポリチオアミドは水銀に対する吸着能力が高 く、 広い pH 範囲で水銀をほぼ定量的に捕集できる ことがわかった。そこで、各種重金属との混合溶 液からモデル排水を調製し、水銀に対する選択的 捕集機能の評価を行った。その結果、モデル排水 の酸性度を調整することで、多量の重金属が共存 している排水からも水銀のみを選択的且つ定量的 に分離回収できることを実証した(表 1) 。さらに、 ポリマーに吸着された水銀は還元気化法によって ほぼ定量的に分離でき、回収されたポリマーも再 利用可能であることを確認した。 水銀を含む排水は前処理段階で水銀を完全に分 離除去する必要がある。そのため、水銀に対する 表1 重金属の共存するモデル排水中の水銀の選択的分離吸着特性 C0/mM Metal A Hg Hg Hg Hg Hg Hg B Fe Cu Zn Mn Pb Cd A 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 Adsorption(%) A B 100 0 100 0 100 0.2 100 0 100 0 100 0.06 B 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 Solution volume,5 mL ; pH, 2; Stirring,1 h ; PTA,5 mg 高い選択性と捕集能力を有する捕集剤は、工場排 水処理に非常に有用である。さらに、排水中の水 銀の浄化処理はその後の有価金属の回収にも役立 つことから、資源の有効活用にも貢献できる。ま た、水銀の選択的捕集材料の開発は水環境分析に おける微量水銀の分離濃縮・モニタリング技術に もつながる。今後はカラムの充填剤としての機能 等を精査することで水質環境保全と再資源化に役 立つ分離回収技術の開発を目指す。 尚、本研究は富山大学工学部環境応用化学科の 加賀谷重浩准教授との共同研究の成果である。 各種錯体触媒を精査した結果、適切なシクロメ タル化配位子を導入し、Ru 錯体触媒の酸化還元電 位を制御することにより、大気中の酸素を利用し た 2-フェニルイミダゾリンの酸化反応が、温和な 反応条件下でも効率よく進行し、対応する 2-フェ ニルイミダゾールがほぼ定量的に生成することが 明らかになった。 H N Ph N Ru catalyst, K2CO3 MeOH, 55 °C, O2 H N Ph N quant. N 【 5 】環境負荷・製造リスクの小さなイミダゾー ル系化成品製造技術の開発 イミダゾール系化成品は樹脂の硬化剤や医農薬 および染料の中間体、銅の防錆剤、電解質(イオ ン性液体)など広範な分野で利用されている。イ ミダゾール誘導体は、工業的には主に相当するイ ミダゾリン類の脱水素化反応で合成されている。 しかし、従来の製造法では、高温(~200℃)の反 応条件や爆発性や有害性の高い重金属酸化剤を化 学量論量使用することが必要とされており、環境 負荷の低減化と安全性の高い製造法の開発が望ま れている。そこで本研究では、大気中の酸素を活 用して穏和な条件下で効率的且つ安全にイミダゾ ール系化成品を合成する手法の確立を目指し、新 しい遷移金属錯体触媒の開発を行った。 Ru catalyst = N Ru N PF6 Cl N 酸素雰囲気での触媒反応では、8 時間程度でほ ぼ定量的に反応が進行することが確認され、酸素 分圧の上昇によって反応が加速されることが分か った。さらに、酸素分圧の上昇は反応温度の低下 にも効果的であり、室温常圧でも触媒反応が進行 することを確認した。また、重水素化した基質を 用いた触媒反応の解析の結果、本触媒反応の最終 副生物は水のみであることを明らかにした。これ らの結果から、本触媒反応は大気中の酸素を酸化 剤として利用し、穏和な条件下で効率よく反応を 進行させ、目的のイミダゾール系化成品を生成す ると共に、無害な水を副生する「自然共生型ケミ カルプロセス」 として有用であることが分かった。 各種 Ru 錯体触媒を用いた対照実験との比較を 行い、本触媒の優位性を検証した。また、触媒反 応の中間生成物を確認するため、素反応の解明を 行った。その結果、 ①基質が錯体中心金属に配位することで酸性度が 高まり、脱プロトン化が促進される ②配位した基質の脱プロトン化に伴う中心金属へ の分子内電荷移動により酸化が進行する ③シクロメタル化配位子の導入により中心金属の 酸素酸化が促進される。 の反応過程が本触媒反応には必須であり、錯体触 媒の設計指針が明らかとなった。さらに、上記の 知見から、本触媒反応は従来とは異なる新しい機 構で進行する触媒的酸化反応であることが明らか になりつつある。 上記錯体触媒を用いて、各種 2-置換イミダゾリ ン誘導体の酸素酸化反応を行った。その結果、い ずれの場合も効率よく反応は進行し、本触媒反応 の適用性が確認された。一方、N-置換体やオキサ ゾリンの酸化反応は進行せず、本触媒反応機構の 妥当性を支持する結果となった。 上記の知見から、本触媒反応は配位性の有る 様々な基質の酸素酸化反応に対しても適用性が期 待される。今後は、各種アミン類やアルコール類 を基質として用いた触媒的酸化反応を検討し、本 反応の汎用性・有用性を拡張することによって、 社会のニーズにあった様々な化成品の製造技術に 貢献できる反応プロセスの開発を目指す。 尚、本研究は本学研究事業部産学連携課より産 学連携推進プロジェクト研究としてご支援頂いた 研究成果である。 ・掛札 隆太:水素結合性部位を有する発光性ジケトピロ ロピロール誘導体の合成とその性質(工学基礎学類、卒業 論文、2010.3) ・星野 純一:チミン部位を有する新規 Pd 錯体の合成と 構造評価(工学基礎学類、卒業論文、2010.3) ・村上 隆俊:高分子半導体薄膜によるイプロベンホスの 光触媒分解反応(工学基礎学類、卒業論文、2010.3) <論文> 1. Ken Okamoto, Takakazu Yamamoto, Munetaka Akita, Akihide Wada, and Takaki Kanbara, Chemical Stimuli Induced Phosphorescence Modulation of Secondary Thioamide-Based Pincer Platinum Complexes, Organometallics, 28, 3307-3310 (2009). 2. Junpei Kuwabara, Hironori Mori, Takuya Teratani, Munetaka Akita, and Takaki Kanbara, Regioregulated Syntheses of Poly(aminopyridine)s by Pd-catalyzed Amination Reaction, Macromol. Rapid Comun., 30, 997-1001 (2009). 3. Junpei Kuwabara, Hironori Mori, and Takaki Kanbara, Crystal Structure and Intramolecular Hydrogen Bonding of a Substituted Diaminoquinoxaline, Heterocycles, 78, 2601-2607 (2009). 4. Chen Wen, Yu-Jie Zhu, Takaki Kanbara, Hua-Zhang Zhu, Chang-Fa Xiao, Effects of I and F Codoped TiO2 on the Photocatalytic Degradation of Methylene Blue, Desalination, 249, 621-625 (2009). 5. Shigehiro Kagaya, Daisuke Takata, Torajiro Yoshimori, Takaki Kanbara, and Koji Tohda, A Sensitive and Selective Method for Determination of Gold(III) Based on Electrothermal Atomic Absorption Spectrometry in Combination with Dispersive Liquid-liquid Microextration Using Dicyclohexylamine, Talanta, 80, 1364-1370 (2010). 6. Shigehiro Kagaya, Hiroyuki Miyazaki, Masahiro Ito, Koji Tohda, and Takaki Kanbara, Selective removal of mercury(II) from wastewater using polythioamides, J. Hazard. Mater., 175, 1113-1115 (2010). 7. Ayako Taketoshi, Akitsu Tsujimoto, Shusaku Maeda, Take-aki Koizumi, and Takaki Kanbara, Aerobic Oxidative Dehydrogenation of 2-Substituted Imidazolines Promoted by Cyclometalated Ruthenium Catalyst, ChemCatChem, 2, 58-60 (2010). 8. Takuya Yamagata, Junpei Kuwabara, and Takaki Kanbara, Synthesis of Highly Fluorescent Diketopyrrolopyrrole Derivativeand Two-step Response of Fluorescence to Acid, Tetrahedron Lett., 51, 1596-1599 (2010). <学位論文> ・相木 彰太:ルテニウム錯体触媒を用いるイミダゾリン の酸素酸化反応の解析と新規触媒の開発(工学基礎学類、 卒業論文、2010.3) 9. Yasuyuki Ogawa, Ayako Taketoshi, Junpei Kuwabara, Ken Okamoto, Takashi Fukuda, and Takaki Kanbara, Luminescence Study of Thioamide-based Pincer Palladium Complexes in Poly (vinylpyrrolidone) Matrix, Chem. Lett., 39, 385-387 (2010). <国際会議> 1. T. Kanbara and A. Takatoshi “Azacalix[3](2,6)pyridine: design of macrocyclic proton chelator”, 13th International Symposium on Novel Aromatic Compounds (ISNA13), Luxembourg, July 2009. 2. 3. 4. 5. T. Kanbara “Molecular Design of Polyaniline Analogues Based on Organometallic Carbon-nitrogen Bond Formation”, 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, October 2009. J. Kuwabara, and T. Kanbara “Syntheses of Regioregulated Poly(aminopyridine)s and Investigation by DFT Calculation”, 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, October 2009. A. Taketoshi, A. Tsujimoto, S. Maeda, T. Koizumi, and T. Kanbara “Aerobic oxidation of imidazolines promoted by cyclometalated Ru catalyst”, 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, October 2009. M. Kukino, J. Kuwabara, and T. Kanbara “Development of novel conjugated polymers containing aminoazobenzene units”, 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, October 2009. 6. J. Kuwabara, and T. Kanbara “Regioregulated Syntheses of Poly(aminopyridine)s by Pd-catalyzed Amination Reaction”, The 1st FAPS Polymer Congress, Nagoya, October 2009. 7. A. Taketoshi and T. Kanbara “Preparation and Properties of Methine Bridged Polypyrroles Containing Squaraine Dye Unit”, The 1st FAPS Polymer Congress, Nagoya, October 2009. 8. S. J. Choi, J. Kuwabara, and T. Kanbara “Introduction of TTF moiety in 2-deoxyguanosine derivatives”, The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, November 2009. 9. T. Yamagata, J. Kuwabara, and Takaki Kanbara “Synthesis of novel Diketopyrrolopyrrole derivative and its two step response of fluorescence to acid”, The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, November 2009. 10. J. Kuwabara, K. Minoru, and T. Kanbara ”Synthesis of functional polymer by Pd-catalyzed C-N coupling reaction”, Symposium on Creation of Functional Materials 2009, Tsukuba, December 2009. 11. A. Taketoshi, A. Tsujimoto, S. Maeda, T. Koizumi, and T. Kanbara, “Aerobic Oxidation of 2-Substituted Imidazolines Promoted by Cyclometalated Ruthenium Catalyst”, Symposium on Creation of Functional Materials 2009, Tsukuba, December 2009. 12. T. Namekawa, J. Kuwabara, and T. Kanbara “Synthesis of New Pincer Iridium Complexes having Benzothiazole group”, Symposium on Creation of Functional Materials 2009, Tsukuba, December 2009. 13. Takuya Teratani, Ken Okamoto, Take-aki Koizumi, Takaki Kanbara, Takakazu Yamamoto, “Electrochemical Properties of Nickel (S,C,S)- and (S,N,S)-pincer Complexes Containing Thioamide Groups” The 4th Internal GCOE-Chem6 Symposium for Emergence of New molecular Chemistry, Tokyo, March, 2010. <国内会議> 1. ○高田大亮、加賀谷重浩、神原貴樹、遠田 浩司「ジ シクロヘキシルアミンを用いる分散液-液抽出法によ る金(III)の選択的分離濃縮」第 70 回分析化学討論会、 和歌山、2009 年 5 月. 2. ○桑原純平、神原貴樹「デオキシチミジン部位を主鎖 に含む配位高分子の合成と性質」第 58 回高分子学会 年次大会、神戸、2009 年 5 月. 3. ○竹歳絢子、神原貴樹「Squaraine 色素を導入したピロ ール−メチン型ポリマーの合成と物性」第 58 回高分子 学会年次大会、神戸、2009 年 5 月. 4. ○小川泰幸、竹歳絢子、神原貴樹「ピンサー型パラジ ウム錯体/PVP ハイブリッドフィルムの調製とその発 光特性」第 58 回高分子学会年次大会、神戸、2009 年 5 月. 5. ○竹歳絢子、神原貴樹「Squaraine 色素を導入したピロ ール−メチン型ポリマーの合成と特性」第 4 回 三大 学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究会「ア トミック/ポリスケールテクノロジー連携研究会」 、長 万部、2009 年 8 月. 6. ○崔星集、桑原純平、神原貴樹「2−デオキシグアノシ ンの水素結合を利用した超分子ポリマーの合成」第 4 回 三大学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学生 研究会「アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研 究会」 、長万部、2009 年 8 月. 7. 8. 9. ○内田奈津子、竹歳絢子、神原貴樹「新奇プロトンス ポンジの設計と触媒機能の開拓」第 4 回 三大学(東 京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究会「アトミ ック/ポリスケールテクノロジー連携研究会」 、長万部、 2009 年 8 月. ○小川泰幸、竹歳絢子、神原貴樹「ピンサー型パラジ ウム錯体のポリマーマトリクス中における発光特性」 第 4 回三大学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学 生研究会「アトミック/ポリスケールテクノロジー連 携研究会」 、長万部、2009 年 8 月. ○久木野稔、桑原純平、神原貴樹「アミノアゾベンゼ ンを主鎖に有する新規共役系高分子の開発」第 4 回 三大学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究 会「アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研究 会」 、長万部、2009 年 8 月. 10. ○齊藤圭介、桑原純平、神原貴樹「π共役高分子修飾 電極による水相中での光電極反応」第 4 回三大学(東 京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究会「アトミ ック/ポリスケールテクノロジー連携研究会」 、長万 部、2009 年 8 月. 11. ○滑川友美、桑原純平、神原貴樹「ベンゾチアゾール 基を有する新奇なピンサー型金属錯体の合成」第 4 回 三大学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究 会 「アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研究 会」 、長万部、2009 年 8 月. 12. ○山縣拓也、桑原純平、神原貴樹 「可溶性ジケトピ ロロピロール誘導体の合成とその光学特性」第 4 回 三大学(東京理科大・筑波大・大阪大)連携学生研究 会 「アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研究 会」 、長万部、2009 年 8 月. 学討論会、長崎、2009 年 9 月. 17. ○ 寺谷拓也、小泉武昭、神原貴樹、山本隆一「配位 子に第二級チオアミド基を有するピンサー型 Ni 錯体 の合成と電気化学的性質」第 59 回錯体化学討論会、 長崎、2009 年 9 月. 18. ○崔星集、桑原純平、神原貴樹「テトラチアフルバレ ン部位を有する水素結合性超分子ポリマーの合成」第 20 回基礎有機化学討論会、群馬、2009 年 9 月. 19. ○小川泰幸、竹歳絢子、桑原純平、神原貴樹「第二級 チオアミド基を持つピンサー型 Pd 錯体の結晶状態に おける発光特性」第 20 回基礎有機化学討論会、群馬、 2009 年 9 月. 20. ○山縣拓也、桑原純平、神原貴樹 「ジケトピロロピ ロール誘導体の酸による発光特性制御」 第20 回 基 礎有機化学討論会、群馬、2009 年 9 月. 21. ○桑原純平「光と関連した機能性分子の開発」第 24 回高分子学会関東支部 茨城地区若手の会、つくば、 2009 年 10 月. 22. ○崔星集、桑原純平、神原貴樹「導電性が発現可能な 水素結合係超分子ポリマーの合成」第 24 回 高分子学 会関東支部茨城地区若手の会交流会、つくば、2009 年 10 月. 23. ○神原貴樹「チオアミドの特性を活かしたピンサー錯 体の機能制御」戦略イニシアチブ(A)機能性分子シン ポジウム、つくば、2009 年 10 月. 24. ○竹歳絢子、神原貴樹「Squaraine 色素を導入したπ共 役高分子の合成と物性」第 18 回ポリマー材料フォー ラム(PMF) 、東京、2009 年 11 月. 13. ○ 寺谷拓也、小泉武昭、神原貴樹、山本隆一「Synthesis and Electrochemical Properties of Ni (S,C,S)- and (S,N,S)pincer Complexes Bearing Secondary Thioamide Groups」 第 56 回 有機金属討論会、大阪、2009 年 9 月. 25. ○小川泰幸、竹歳絢子、神原貴樹「Pd 錯体/PVP ハイ ブリッドフィルムの発光特性とベイポクロミック挙 動」第 18 回ポリマー材料フォーラム(PMF) 、東京、 2009 年 11 月. 14. ○神原貴樹「環境負荷・製造リスクの小さな化成品製 造技術の開発」 イノベーション・ジャパン 2009、 東京、 2009 年 9 月. 26. ○久木野稔、桑原純平、神原貴樹「アミノアゾベンゼ ンを主鎖に有する新規共役系高分子の開発」第 18 回 ポリマー材料フォーラム(PMF) 、東京、2009 年 11 15. ○岡崎哲弘、竹内毅、伊藤将大、遠田浩司、加賀谷重 浩、神原貴樹「水銀イオン選択性電極の検出下限向上 のための試み」日本分析化学会第 58 年会、北海道、 2009 年 9 月. 16. ○桑原純平、神原貴樹「核酸塩基部位を有する Pd 錯 体の合成とオリゴ DNA との相互作用」第 59 回錯体化 月. 27. ○齊藤圭介、桑原純平、神原貴樹「水相中における p および n 型π共役高分子の光電極特性」第 18 回ポリ マー材料フォーラム(PMF) 、東京、2009 年 11 月. 28. ○神原貴樹「有機金属化学を基礎とする n 型導電性高 分子の設計と機能開発」第三回連携ミニ研究会 プロ グラム-XAFS と機能性物質-、つくば、2009 年 12 月. 29. ○神原貴樹「有機金属化学を基礎とする低環境負荷を 指向した機能性分子設計 ―社会と共生する化学技 術を目指して―」平成 21 年度筑波大学産学連携会・ 講演会、秋葉原、2010 年 1 月. 30. ○桑原純平、星野純一、神原貴樹「DNAの水素結合 を利用した配位高分子の配列制御と超構造体形成」新 学術領域研究「配位プログラム」第一回公開シンポジ ウム、つくば、2010 年 1 月. 31. ○ 寺谷拓也、小泉武昭、神原貴樹、山本隆一「第二 級チオアミド基を含む遷移金属錯体における電解酸 化反応」新学術領域研究「配位プログラム」第一回公 開シンポジウム、つくば、2010 年 1 月. 32. ○小川泰幸、竹歳絢子、神原貴樹「水素結合によりポ リマー中に固定化された錯体の発光挙動」新学術領域 研究「配位プログラム」第一回公開シンポジウム、つく ば、2010 年 1 月. 33. ○神原貴樹「チオアミドの特性を活かした機能分子設 計」産業技術総合研究所 環境科学技術研究部門 講 演会、つくば、2010 年 2 月. 34. ○齊藤圭介、桑原純平、神原貴樹「p 型および n 型高 分子半導体修飾電極の光応答性評価」第 4 回ポリスケ ールテクノロジーワークショップ、野田、2010 年 3 月. 35. ○相木彰太、竹歳絢子、小泉武昭、神原貴樹「Ru 錯 体触媒を用いるイミダゾリンの酸素酸化反応の解析」 第 4 回ポリスケールテクノロジーワークショップ、野 田、2010 年 3 月. 36. ○ 寺谷拓也、小泉武昭、神原貴樹、山本隆一「電解 酸化反応を目指した第二級チオアミド基を含む遷移 金属錯体」日本化学会第 90 春季年会、大阪、2010 年 3 月. 37. ○竹歳絢子、辻本亞紀都、前田周作、小泉武昭、神原 貴樹「シクロメタル化した Ru 錯体を触媒とするアミ ン類の酸素酸化反応」日本化学会第 90 春季年会、大 阪、2010 年 3 月. 38. ○内田奈津子、竹歳絢子、山本敏秀、井上善彰、渡邉 木綿、神原貴樹「アザカリックスピリジン構造を有す る新奇有機強塩基の合成とその性質」日本化学会第 90 春季年会、大阪、2010 年 3 月. 39. ○滑川友美、桑原純平、神原貴樹「ベンゾチアゾール 基を有する NCN ピンサーIr(III)錯体の合成と光学的特 性」日本化学会第 90 春季年会、大阪、2010 年 3 月. 40. ○山縣拓也、桑原純平、神原貴樹「ジケトピロロピロ ールの電子・光学特性における置換基効果」日本化学 会第 90 春季年会、大阪、2010 年 3 月. 41. ○星野純一、桑原純平、神原貴樹「チミン部位を有す るオリゴマー状 Pd 錯体の合成」日本化学会第 90 春季 年会、大阪、2010 年 3 月. 2.分子・物質変換コア 専任教員: 鍋島達弥(数理物質科学研究科物質創成先端科学専攻・教授) 山村正樹(数理物質科学研究科物質創成先端科学専攻・助教) 教員 研究員 秋根茂久(数理物質科学研究科) 池田忠作(博士研究員) Robert Trokowski(TIMS研究員) Jeremy Brandel(TIMS研究員) 大学院生 木嶋志穂(数理物質科学研究科 D1) 坂本直也(数理物質科学研究科 D1) 佐々木正男(数理物質科学研究科M2) 古川裕理(数理物質科学研究科M2) 保立さやか(数理物質科学研究科M2) 丸山徹治(数理物質科学研究科M2) 三宅惇哉(数理物質科学研究科M2) 佐藤大(数理物質科学研究科M1) 大長真奈美(数理物質科学研究科M1) 外川優衣(数理物質科学研究科M1) 長谷川裕希(数理物質科学研究科M1) 南雲広樹(数理物質科学研究科M1) 朴順今(数理物質科学研究科M1) 分子・物質変換コアでは分子レベルの情報の授 受を利用して、分子の機能が伝達、変換、増幅さ れる分子システムの構築について研究を行ってい る。その目的を達成するため、新規な概念や手法 を提案し、それに基づいて分子設計された分子の 合成を行ってきた。特に注目しているのが、有機 — 無機ハイブリッド型の分子システムであり、こ れによる機能発現について研究を行ってきた。そ の理由は、配位結合が元素および配位子の性質に 起因した結合の方向性、結合数、結合の分極の程 度、および電子の授受による構造変換や光化学的 な性質の発現制御など、このシステムが構造と機 能における多様性を有しているからである。本年 度は白金錯体部を持つ集積型超分子ホストの構築、 ビス(N2O2)型環状配位子を用いたメタロホストお よびゲスト認識、N2O2 配位部位を有するジピリン 配位子を利用した発光性超分子の創製を中心に検 討を行った。 【 1 】Pt(II)-テルピリジン錯体とピリジンとの錯 形成による矩形メタロホストの合成と機能 テルピリジンの 4'位にリンカーを導入してピリ ジンと連結した配位子 1 を合成した。これと Pt(II) とを錯形成させることで矩形メタロホスト 2 が定 量的に得られた。このホストは電子豊富な芳香族 化合物であるベンゼンジオール類を取り込むが、 これはπ-π相互作用や、ホスト空孔の CH とゲス トとの間の CH---O 水素結合が協同的に作用し、 さらに大環状効果と誘導適合も働くことで達成さ れていることを、各種 NMR 測定や X-線結晶構造 解析により明らかにした。興味深いことにその選 択性は para > meta > ortho であることを見いだし、 この選択性は、2 と para、meta、ortho 体それぞれ との 1:1 コンプレックスの単結晶構造解析、およ び NMR による検討から、CH---O 水素結合が重要 な働きをしていることがわかった。また DFT 計算 により、このメタロホストの空孔の内側は外側よ りも正に帯電していることも明らかとし、これも 内部でのゲスト取り込みを有利にしている要因で あることがわかった。さらに電子吸収スペクトル による検討から、電荷移動相互作用もこのゲスト 認識には関与していることも明らかにした。この ように多くの分子間相互作用が協同的に作用する 2 のゲスト認識の詳細を明らかにした。 N N 1 4+ 4BF4- N N Pt N N N N N N Pt N N 2 4+ 4BF4- N N Pt N N N N Pt N N 3 1 のテルピリジン部位の芳香環をさらに拡張し た配位子も、1 と同様な手法で定量的に相当する 矩形メタロホスト 3 に変換できることを見いだし た。3 は 2 よりもπ系が少し広がっただけの構造 ではあるが、2 とは大きく異なるゲスト認識能を 示した。例えば、3 は 2-ヨードフェノールを 2 よ りも約 100 倍強く取り込むこと見いだした。2-ヨ ードフェノールは活性な甲状腺ホルモン T3 の部 分構造であるため、今回の知見はこれらの芳香族 生理活性物質のレセプターを開発する上で非常に 重要なものである。 【 2 】 ビス(N2O2)型環状配位子の錯形成による イオン認識能の向上および自己集合 キレート配位部位を複数もつ環状配位子は、遷 移金属の導入によりイオン認識能が増大する協同 的イオン認識ホストの骨格としてこれまで多く用 いられてきた。特に、salen やその類縁体がもつ N2O2 型四座キレート配位部位は様々な遷移金属 と錯形成できる汎用性があるだけでなく、錯形成 したときに生じるフェノキソ酸素の負電荷がイオ ン認識能の向上に大きく寄与するため、高い協同 性を実現するのに有効な骨格だと考えられる。し かしながら、フェノキソ酸素のみからなる環状配 位子の場合、イオン認識場での錯形成が強すぎて N2O2 のみに遷移金属を導入するのが困難になる ことがある。そこで、環状配位子の骨格に配位能 が比較的低いジフェニルエーテルを組み込んだ環 状配位子 7 を設計した(Scheme 1)。ニッケル(II)と の錯形成によってメタロホスト 8 に変換したとこ ろ、アルカリ金属イオンに対する認識能の大幅な 向上とともに、興味深い自己集合体の生成を見い だすことができた。 N N N N Ni δĞ O O δĞ OH HO O O NiII (2 equiv) OH HO N O O O δĞ N enhancement of recognition ability 1 bis(N2O2) macrocycle N Ni OĞ δ strong binding N 2 dinuclear metallohost Scheme 1. 配位子 7 は、ジフェニルエーテルから二段階の 反応により合成した 3,3"-オキシビス (2-ヒドロキ シベンズアルデヒド)と o-フェニレンジアミンの 反応により合成した。この配位子 7 とニッケルと の錯形成により二核ニッケル(II)メタロホスト 8 を合成した。 X 線結晶構造解析の結果から、ホスト 7 は平面 から大きくひずんだ構造であるのに対し、メタロ ホスト 8 は平面性の高い構造をとっていることが わかった。また、メタロホスト 8 の中央部には、 18-クラウン-6 の形に類似した空孔が形成されて いることが明らかとなった(Figure 1)。 (a) (b ) N1 N1 N2 N2 Ni1 O2 O1 O1 O2 O3 O3* O3* O3 O1* O2* O1* O2* N2* Ni1* N1* N2* N1* Figure 1. X-ray structures of 7 and 8. 1 H NMR による検討からホスト 7 とナトリウム イオンとの相互作用は非常に弱いことがわかった が、メタロホスト 8 は非常に強くナトリウムイオ ンを認識し、 1:1 錯体を形成することがわかった。 このときの会合定数(logKa = 5.8; Ka in M–1)は、ホス ト 7 と比べて約 50000 倍大きく、ホスト 7 をニッ ケル錯体 8 に変換することでほぼ完全な認識制御 を達成できたといえる。メタロホスト 8 は同様に カリウム、ルビジウム、セシウムイオンも強く錯 形成することがわかった。このとき、生成した錯 体は 1:1 ではなく、スタッキング型の高次会合体 を形成していることが各種スペクトルからわかっ た(Scheme 2)。このような環状 salen 金属錯体の一 次元集積はこれまでに例を見ないものであり、新 たな物性や化学反応性が期待される。 . .. N O N Ni O N Ni N O N Ni O O Na O O O O O O N O Ni N O M O N O N Ni O Ni N O N O Ni N M N O O N O O N O Ni N O M N O N Ni O O O N O Ni N O . .. M = K, Rb, Cs Scheme 2. 【 3 】 N2O2 配位部位を有するジピリン配位子の アルミニウム錯体が示すキレート配位能と発光特 性 Me2HL1, Me2HL2 を三臭化ホウ素で脱メチル化し て合成した。配位子 H3L1, H3L2 にアルミニウムイ ソプロポキシドを反応させるとアルミニウム錯体 L1Al, L2Al が得られた。また, H3L2 とホウ酸トリメ チルとの反応からホウ素錯体 L2B が生成した。得 られたホウ素、アルミニウム錯体はいずれも強い 蛍光を発し、L1Al, L2Al, L2B の量子収率はクロロ ホルム中でそれぞれ 0.23, 0.72, 0.72 であった。興 味深いことに、アルミニウム錯体 L1Al, L2Al では 塩化亜鉛(II)や酢酸亜鉛(II)を添加すると錯体自体 がキレート配位子として亜鉛に配位子、それぞれ 1:1、1:2 型の錯体を形成した。 H Ar 2 つのピロール環が共役し、可視領域に強い吸 収を有するジピリン配位子は、特徴ある分光特性 を有する 2 座配位子として発光性錯体の合成など に用いられている。 我々は配位部位を追加した “修 飾ジピリン”では多核錯体形成を含めた相乗的な 錯形成が可能で、従来の 2 座のジピリンにはない 新しい物性が発現すると考えた。このようなコン セプトに基づき我々はジピリンのピロールα位に 2-ヒドロキシフェニル基を 2 つ導入し、N2O2 型の 配位部位を有するジピリンを合成し、 そのホウ素、 アルミニウム錯体の合成とキレート配位能につい て検討した。 Ar Ar B(OMe)3 or Al(OiPr)3 NH N CHCl3 / MeOH OR RO Me2HL1, Me2HL1 : R = Me H3L1, H3L2 : R = H N O BBr3 N M O L1Al : Ar = Ph, M = Al L2Al : Ar = mesityl, M = Al L2B : Ar = mesityl, M = B Me2HL1, H3L1 : Ar = ph Me2HL2, H3L2 : Ar = mesityl ジピリン H3L1, H3L2 は 2-(2-メトキシフェニル) ピロールとアリールアルデヒドを酸触媒存在下で 縮合し、DDQ で酸化することにより合成した O H H N Al O N O O Cl Zn Cl ZnCl2 LnAl Zn(OAc)2 (n = 1 or 2) H O H LnAl•ZnCl2 L1Al: Ar = phenyl L2Al: Ar = mesityl O O Ar N O Al N O H O CH 3 Zn CH3 N Al N O O O Ar O (LnAl)2•Zn(OAc)2 Scheme 3. この過程は紫外・可視吸収スペクトルを用いた 滴定実験により確かめられた。また、これら錯体 の単結晶が得られ、その構造を X 線結晶構造解析 に よ り 決 定 し た 。 塩 化 亜 鉛 と の 1:1 錯 体 L1Al•ZnCl2 ではアルミニウムイオンは N2O2 部位 で錯形成し、水分子がアキシアル位に配位した 6 配位構造をとっており、フェノール環とジピリン 部位は高い平面性を保っていた。亜鉛には二つの フェノキソ酸素と二つの塩素が配位し、正四面体 型構造をとっていた(Figure 2)。一方、酢酸亜鉛と の 1:2 錯体(L1Al)2•Zn(OAc)2 では、二つのアルミニ ウム錯体部位が一つの亜鉛により連結されており、 酢酸イオンは亜鉛とアルミニウムを架橋していた (Figure 3)。 専攻、修士論文、2010.3) Figure 2. Crystal structure of L1Al•ZnCl2. ・ 古川裕理:協同的多重認識のためのオリゴアミド型擬 このような亜鉛との錯形成はアルミニウム錯体 の分光特性に大きく影響した。L1Al では塩化亜鉛 (II)との錯形成で量子収率は 0.23 から 0.55 へ大き く増大し、吸収、発光ピークは短波長側にシフト した。また、置換基の影響について検討したとこ ろ、L1Al のフェニル基をメシチル基にした L2Al では蛍光強度がさらに増大し、L2Al•ZnCl2 の量子 収率は 0.83 に達した。一方、正四面体型の配位構 造を有するホウ素錯体L1B はこのようなキレート 配位能は観察されなかった。このように、N2O2 型配位部位を導入したジピリンのアルミニウム錯 体は、相乗的な錯形成により発光特性がコントロ ール可能な発光素子や超分子集積ユニットとして 利用可能であることがわかった。 クリプタンドの構築 (数理物質科学研究科、物質創成 先端科学専攻、修士論文、2010.3) ・ 保立さやか:らせん型オリゴオキシム錯体のヘリシテ ィー制御と機能 (数理物質科学研究科、物質創成先端 科学専攻、修士論文、2010.3) ・ 丸山徹治:多座配位型新規ジピリン配位子の合成、錯 形成および機能 (数理物質科学研究科、物質創成先端 科学専攻、修士論文、2010.3) ・ 三宅惇哉:水素結合部位をもつヘアピン型 Pybox ポダ ンドによる協同的イオン対認識 (数理物質科学研究 科、物質創成先端科学専攻、修士論文、2010.3) <論文> 1. 2. 3. 4. 5. Figure 3. Crystal structure of (L1Al)2•Zn(OAc)2. 6. <学位論文> ・ 佐々木正男:新規化学修飾 Trisaloph ヘテロ四核錯体の 合成と機能 (数理物質科学研究科、物質創成先端科学 7. Ikeda, C.; Maruyama, T.; Nabeshima, T. “Convenient and Highly Efficient Synthesis of Boron-Dipyrrins Bearing an Arylboronate Center” Tetrahedron Lett. 2009, 50, 3349-3351 査読あり. Ikeda, C.; Ueda, S.; Nabeshima, T. “Aluminum Complex of N2O2-type Dipyrrin: the First Hetero-Multinuclear Complexes of Metallo-Dipyrrin with High Fluorescence Quantum Yields” Chem. Commun. 2009, 2544-2546 査 読あり. Akine, S.; Morita, Y.; Utsuno, F.; Nabeshima, T. “Multiple Folding Structures Mediated by Metal Coordination of Acyclic Multidentate Ligand” Inorg. Chem. 2009, 48, 10670-10678 査読あり. Trokowski, R.; Akine, S.; Nabeshima, T. “Selective binding of benzenediol derivatives by simultaneous non-covalent interactions in bis-Pt(II) aza-aromatic host–guest system” Dalton Trans. 2009, 10359-10366 査読あり. Akine, S.; Nabeshima, T. “Cyclic and acyclic oligo(N2O2) ligands for cooperative multi-metal complexation” Dalton Trans. 2009, 10395-10408 (Dalton Perspectives) 査読あり. Akine, S.; Utsuno, F.; Nabeshima, T. “Highly efficient regulation of cation recognition and promotion of self-assembly by metalation of macrocyclic bis(N2O2) ligand with nickel(II)” Chem. Commun. 2010, 46 1029-1031 査読あり. Nabeshima, T.; Akine, S.; Ikeda, C.; Yamamura, M. “Metallo-supramolecular Systems for Synergistic Functions Based on Unique Arrangement of Ligation Sites” Chem. Lett. 2010, 39, 10-16 (Highlight Review) 8. 9. 10. 11. 12. 査読あり. Akine, S.; Kagiyama, S.; Nabeshima, T. “Modulation of multi-metal complexation behavior of tetraoxime ligand by covalent transformation of olefinic functionalities” Inorg. Chem. 2010, 49, 2141-2152 査読あり. Akine, S.; Akimoto, A.; Nabeshima, T. “Synthesis of Ag+-selective dipalladium(II) metallohost based on O-alkyloxime bis(N2SO) ligands” Phosphorus Sulfur Silicon Relat. Elem. in press 査読あり. Akine, S; Utsuno, F.; Taniguchi, T.; Nabeshima, T. “Dinuclear complexes of N2O2 oxime chelate ligand with zinc(II)-lanthanide(III) as a selective sensitization system for Sm3+” Eur. J. Inorg. Chem. in press 査読あり. Brandel, J.; Sairenji, M.; Ichikawa, K.; Nabeshima, T. “Remarkable Mg2+-selective Emission of an Azacrown Receptor Based on Ir(III) Complex” Chem. Commun. in press 査読あり. Nabeshima, T. “Construction of Cooperative and Responsive Supramolecular Systems for Molecular Functional Modulation” Bull. Chem. Soc. Jpn. in press 査読あり. <講演> 6. 7. 8. 9. 10. 国際会議 1. 2. 3. 4. 5. T. Nabeshima “Metallo-supramolecular Systems Bearing Synergistic Functions”, The 3rd International Symposium on Synergy of Elements, Sappro, 2009.8.29. (Invited) T. Nabeshima “Novel Molecular Recognition Modes via Unique 3D Arrangement of Non-classical Hydrogen Bonds”, The 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, 2009.10.11. (Invited) Y. Togawa, M. Yamamura, T. Nabeshima, “Synthesis and Functions of Dipyridylbipyrimidine Ligand Bearing Thiourea Moieties” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). M. Sasaki, M. Yamamura, T. Nabeshima “Synthesis of Heteronuclear Trisaloph Complexes Having Adamantane Moieties” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). F. Sato, M. Yamamura, T. Nabeshima “Metal Ion Recognition of Novel Binaphthyl Podands Bearing Phosphoryl Groups” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). 11. 12. 13. 14. 15. N. Sakamoto, C. Ikeda, T. Nabeshima “Cation Recognition of Oligo-Dipyrrin Boron Complexes by the BF2 Moieties” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). M. Daicho, N. Sakamoto, C. Ikeda, T. Nabeshima “Synthesis and Optical Properties of Aluminum Complex of N2O4-type Dipyrrin” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). Y. hasegawa, M. Yamamura, R. Trocowski and T. Nabeshima, “Aromatic Guest Recognition of Molecular Clefts Bearing Inert Terpyridine Platinum(II) Complexes” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). H. Nagumo, S. Akine, T. Nabeshima “Synthesis and Complexation of Oligo(bipyridine-phenol) Ligand” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). S. Hotate, S. Akine, T. Nabeshima “Spontaneous Enrichment of One-handed Helix by Dissolution of Pseudoracemic Crystals of a Tetranuclear Helical Complex” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). P. Shunjin, S. Akine, T. Nabeshima, “Synthesis and Cation Recognition of Macrocyclic Metallohost Bearing Two Nickel(II) Complex Moieties” Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukuba, Japan, 2009.10.10-12 (Poster). M. Sasaki, M. Yamamura, T. Nabeshima, “Synthesis of Heteronuclear Trisaloph Complexes Bearing Many Hydrophobic Chains” The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, Japan, 2009.11.18-19, (Poster). F. Sato, M. Yamamura, T. Nabeshima, “Synthesis and Functions of Novel Binaphthyl Podands Bearing Diphenylphosphoryl Groups” The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, Japan, 2009.11.18-19, (Poster). N. Sakamoto, C. Ikeda, T. Nabeshima, “Synthesis and Cation Recognition Ability of Oligo-Dipyrrin Boron Complexes” The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, Japan, 2009.11.18-19, (Poster). S. Piao, F. Utsuno, S. Akine, T. Nabeshima, “Synthesis and 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. Cation Recognition of Macrocyclic Salen-type Complex” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). Y. Hasegawa, M. Yamamura, R. Trokowski, T. Nabeshima, “Functions of Molecular Clefts Bearing Inert Terpyridine Platinum Complexes” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). F. Sato, M. Yamamura, T. Nabeshima, “Synthesis and Cation Recognition of Chiral Pseudomacrocyclic Terpyridine Metallohost” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). N. Sakamoto, C. Ikeda, and T. Nabeshima, “Synthesis and Cation Recognition Ability of Oligodipyrrin BF2 Complexes by the B–F•••Cation Interaction” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). S. Hotate, S. Akine, T. Nabeshima, “Spontaneous Enrichment of One-handed Helix by Dissolution of Pseudoracemic Crystal of a Helical Metal Complex” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). M. Sasaki, M. Yamamura, and T. Nabeshima, “Synthesis and Properties of Heteronuclear Trisaloph Complexes”, Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). H. Nagumo, S. Akine, T. Nabeshima, “Synthesis of Helical Metal Complex Using Oligo(bipyridine-phenol) Ligands” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). M. Daicho, N. Sakamoto, C. Ikeda, T. Nabeshima, “Synthesis and Cation Recogniton of Aluminum Complex of N2O4-type Dipyrrin” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster). Y. Togawa, M. Yamamura, and T. Nabeshima, “Synthesis and Ion Recognition of Dipyridylbipyrimidine Ligand Bearing Anion Recognition Moieties” Symposium on Creation of Functional Materials, Tsukuba, Japan, 2009.12.3-4 (Poster) 国内会議 1. 2. 秋根茂久・宇津野文彦・鍋島達弥「大環状ビス salen 型配位子を用いた二核メタロホストの合成とイオン 認識」第 5 回ホスト・ゲスト化学シンポジウム,宇 都宮,2009 年 5 月 30-31 日(口頭) . 三宅惇哉・山村正樹・鍋島達弥「尿素部位を有する Pybox ホストの協同的イオン対認識」第 5 回ホスト・ 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. ゲスト化学シンポジウム, 宇都宮,2009 年 5 月 30-31 日(ポスター) . 大長真奈美・池田忠作・坂本直也・鍋島達弥「カテ コール部位を二つ有するジピリンの相乗的錯形成に よる環状集積体の構築」第 5 回ホスト・ゲスト化学 シンポジウム,宇都宮,2009 年 5 月 30-31 日(ポス ター) . 長谷川裕希・トロコウスキー ロバート・山村正樹・ 鍋島達弥「テルピリジル白金(II)アセチリド部位を 有するクレフト型ホストの合成とゲスト認識能」第 5 回ホスト・ゲスト化学シンポジウム,宇都宮,2009 年 5 月 30-31 日(ポスター) . 木嶋志穂・山村正樹・鍋島達弥「集積型メタロホス トの合成とその協同的アルカリ金属イオン認識能」 第 5 回ホスト・ゲスト化学シンポジウム,宇都宮, 2009 年 5 月 30-31 日(ポスター) . 鍋島達弥「協同的分子機能のための精密分子設計と 展開」 談話会 (大阪市立大学分子制御化学特定講義) , 大阪,2009 年 6 月 17(招待講演) . 鍋島達弥「自己組織化クレフト分子」第 44 回ヘテロ 原子化学セミナー,那智勝浦,2009 年 9 月 3-5 日(口 頭) . 坂本直也・池田忠作・鍋島達弥「大環状トリスジピ リンホウ素錯体の合成と ゲスト認識能」日本化学会 第 3 回関東支部大会,東京,2009 年 9 月 4-5 日(口 頭) . 南雲広樹・秋根茂久・鍋島達弥「オリゴ(ビピリジン -フェノール)配位子を用いたらせん型錯体の合成」 日本化学会 第 3 回関東支部大会,東京,2009 年 9 月 4-5 日(ポスター) . 外川優衣・山村正樹・鍋島達弥「チオウレア部位を 有するジピリジル ビピリミジン配位子の合成とイ オン認識」日本化学会 第 3 回関東支部大会,東京, 2009 年 9 月 4-5 日(ポスター) . 佐藤大・山村正樹・鍋島達弥「ジフェニルホスホリ ル基をもつ新規ビナフチルポダンドの合成と機能」 日本化学会 第 3 回関東支部大会,東京,2009 年 9 月 4-5 日(ポスター) . 大長真奈美・坂本直也・池田忠作・鍋島達弥「N2O4 型ジピリンのアルミニウム錯体の合成と金属イオン による発光特性変化」日本化学会 第 3 回関東支部大 会,東京,2009 年 9 月 4-5 日(ポスター) . 長谷川裕希・山村正樹・トロコウスキィ ロバート・ 鍋島達弥「置換不活性なテルピリジル白金(II)錯体 を有する分子クレフトの合成と機能」日本化学会 第 3 回関東支部大会,東京,2009 年 9 月 4-5 日(ポス ター) . 古川裕理・鍋島達弥「鎖にアミド基をもつ鉄(II)擬 クリプタンドによるアミノ酸誘導体認識」第 24 回生 体機能関連化学シンポジウム,第 12 回バイオテクノ 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. ロジー部会シンポジウム,福岡,2009 年 9 月 13-15 日(ポスター) . 大長真奈美・坂本直也・池田忠作・鍋島達弥「N2O4 型ジピリンのアルミニウム錯体の金属配位と発光特 性」第 24 回生体機能関連化学シンポジウム,第 12 回バイオテクノロジー部会シンポジウム, 福岡, 2009 年 9 月 13-15 日(ポスター) 秋根茂久・宇津野文彦・朴 順今・鍋島達弥「大環 状ニッケル二核メタロホストの合成とイオン認識 能」 第 59 回錯体化学討論会, 長崎, 2009 年 9 月 25-27 日(口頭) . 南雲広樹・嶋田敏彦・秋根茂久・鍋島達弥「ビピリ ジン・フェノールから成る多座配位子の合成とその 協同的錯形成挙動」第 59 回錯体化学討論会,長崎, 2009 年 9 月 25-27 日(口頭) . 坂本直也・池田忠作・鍋島達弥「パラフェニレンス ペーサーを有するジピリンオリゴマーの合成と錯形 成を利用した超分子ホストの構築」第 59 回錯体化学 討論会,長崎,2009 年 9 月 25-27 日(口頭) . 古川裕理・木暮翠・秋根茂久・鍋島達弥「複数のア ミド基を有する鉄(II)擬クリプタンドの協同的イオ ン対認識」第 20 回基礎有機化学討論会,桐生,2009 年 9 月 28-30 日(口頭) . 丸山徹治・池田忠作・鍋島達弥「アリールボロナー ト中心を有する N2O2 型ジピリン-ホウ素錯体の合成 と 光学特性」第 20 回基礎有機化学討論会,桐生, 2009 年 9 月 28-30 日(ポスター) . 外川優衣・山村正樹・鍋島達弥「硫黄官能基をアニ オン認識部位として有する ジピリジルビピリミジ ン配位子の合成と機能」第 39 回複素環化学討論会, 柏,2009 年 10 月 14-16 日(ポスター) . 丸山徹治・池田忠作・鍋島達弥「キラルなアリール ボロナート中心を有するジピリンホウ素錯体の 合 成と光学特性」第 39 回複素環化学討論会,柏,2009 年 10 月 14-16 日(ポスター) . 長谷川裕希・山村正樹・TROKOWSKI Robert・鍋島達 弥「2 つのテルピリジル白金(II)アセチリド部位を 有する 分子クレフトの合成と機能」第 39 回複素環 化学討論会,柏,2009 年 10 月 14-16 日(ポスター) . 佐藤大・山村正樹・鍋島達弥「ジフェニルホスホリ ル基を有するキラルな擬大環状メタロホストの合成 と機能」 第 36 回有機典型元素化学討論会, 鳥取, 2009 年 12 月 10-12 日(ポスター) . 外川優衣・山村正樹・鍋島達弥「硫黄官能基を有す るジピリジルビピリミジン配位子の合成とアニオン 認識」第 36 回有機典型元素化学討論会,鳥取,2009 年 12 月 10-12 日(ポスター) . 鍋島達弥「原子・分子の特異的空間配列を利用した 機能性超分子の構築」第 3 回連携ミニ研究会 -XAFS と機能性物質,つくば,2009 年 12 月 21 日(招待講 27. 28. 29. 30. 31. 32. 33. 34. 演) . 南雲広樹・秋根茂久・鍋島達弥「新規なオリゴ(ビ ピリジン-フェノール)配位子の協同的な二核錯体の 生成」日本化学会第 90 春季年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . 坂本直也・鍋島達弥「パラフェニレンスペーサーを 有する鎖状 ジピリンオリゴマーの合成」日本化学会 第 90 春季年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口 頭) . 山下愛花・渡辺明子・梶原孝志・秋根茂久・鍋島達 弥・中野元裕・山村朝雄「ErZn3 ホイール状四核錯体 の合成、構造と遅い磁気緩和」日本化学会第 90 春季 年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . 外川優衣・山村正樹・鍋島達弥「チオウレア部位を 導入したジピリジルビ ピリミジン配位子の合成と アニオン認識」日本化学会第 90 春季年会,東大阪, 2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . 佐藤大・山村正樹・鍋島達弥「ビナフチル骨格にホ スホリル基を有するキラルな擬大環状テルピリジン メタロホストの合成と機能」日本化学会第 90 春季年 会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . 大長真奈美・坂本直也・鍋島達弥「N2O4 型ジピリン 配位子のアルミニウムおよびホウ素錯体の合成と光 学特性」日本化学会第 90 春季年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . J. Brandel, T. Nabeshima, “ Remarkable Mg2+-selective Emissionof an Azacrown Receptor Based on Ir(III) Complex” 日本化学会第 90 春季 年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) . 長谷川裕希・Robert Trokowski・山村正樹・鍋島達 弥「ジピリドアクリジン白金(II)錯体からなるクレ フト型ホストの合成と分子認識能」日本化学会第 90 春季年会,東大阪,2010 年 3 月 26-29 日(口頭) 3. 融合物質生命コア 専任教員: 長崎 池田 大石 金山 吉本 辰巳 幸夫(数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・教授) 豊 (数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・講師) 基 (数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・講師) 直樹(数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・講師) 敬太郎(先端学際領域研究センター・講師) 泰我(数理物質科学研究科物性・分子工学専攻・助教) 研究員 原 暁 非 ( 産 学 官 連 携 研 究 員 )、 Swapan Kumar Saha(産学官連携研究員)、 Pennapa Chonpathompikunlert(産学官連携研究 院) 、籐 加珠子(産学官連携研究員) 、前田 智 広(産学官連携研究員) 大学院生(数理物質科学研究科 物性・分子 工学専攻) 近藤 章一(D3) 、古性 均(D3) 、佐藤 嘉秀(D3) 、田村 篤志(D3) 、星野 裕 樹(D3)、松本 慎哉(D3)、吉冨 徹 (D3) 、Sumon Ganguli(D2) 、 上村 真生(D1) 、角谷 省吾(D1) 、Md Amran Hossain ( D1 )、 高 橋 絵 美 子 (M2) 、小島 綾太(M2) 、鈴木 莉英(M2) 、 藤野 能富(M2) 、山崎 毅(M2) 、一戸 智 史 (M1) 、 氏家広大 (M1) 、 Yun QI Ng (M1) 、 工藤心平(M1)、窪田 大輔(M1)、久保 田 昌樹(M1) 、室谷 憲紀(M1) 、山口 雄 大(M1) 、山口 雄(M1) 大学院生(人間総合科学研究科 フロンティア医 科学専攻) 釘宮 慎太郎(M2) 、田村 磨聖(M2) 学類生(工学基礎学類 物質・分子工学主専攻) 尾崎 佑樹(B4)、中山 尚紀(B4)、宮 地 正悟(B4) 、矢口 達也(B4) 学部生(東京理科大学基礎工学部材料工学科) 久野 光(B4) 受託研究員 Dolca Fabregat(Biokit, Spain) 技術補佐員 佐伯 純子、鈴木 静子、堀口 梅子 【 1 】 緒 言 バイオ分野におけるナノテクノロジーの技 術の導入は、新たな新領域“ナノバイオテクノ ロジー”を生み出し、従来の性能をはるかに凌 駕する様々な新規材料やデバイスシステムが 提案されている。われわれは、生体分子・組織 と接触する基材界面の分子設計の重要性にい ち早く着目し、我々が創製してきた材料によっ て基材界面を精密に構築し、かつ様々な機能を インテグレートすることで新しいセンシン グ・治療用デバイスを開発することを目的とし ている。実際にマイクロチップやナノ粒子等を バイオ関連技術に適用する場合、集積化が進め ば進むほど、界面の影響が大きくなり、バイオ インターフェースの精密制御が必要不可欠と なってくる。 このような作業仮説のもと、ポリエチレング リコール(PEG)化表面を基本としてバイオセン シング界面設計、バイオイメージング材料設計、 ナノ治療用材料設計及び組織工学用スキャッ フォールド材料設計を今年度の基本目標とし て研究を行った。また、これまで構築してきた 表面構築技術を基盤にナノ粒子設計に展開し、 高性能免疫診断ラテックス、遺伝子デリバリー、 活性酸素消去材料、光 NO 発生材料など、診断 と治療を行う材料設計を進めてきた。さらに平 成 21 年度の新たな展開として機能性オリゴ核 酸と細胞選択的取り込み物質の開拓に関して 検討を行った。 本年次報告では、最表面に PEG ブラシ表面 のナノエンジニアリングの展開、ナノ粒子診断 及び治療と新規合成法の展開に関して以下に まとめる。 【 2 】機材表面での PEG 密生層の構築と抗 体固定法 基材表面に抗体や抗原等のタンパク質を固 定し、生体分子の特異的反応を利用するシステ ムは、古くから免疫診断、酵素免疫測定法によ る生体分子の検出など、様々な研究開発が行わ れてきた。これは固定する生体分子の本来有す る特異性が利用され、選択的かつ高感度な検出 を可能にする極めて理想的なセンシングシス テムとして認知されている。最近では DNA チ ップ、プロテインチップや表面プラズモン共鳴 (SPR)センサーなど様々なバイオセンシングが 広がりつつあり、特にこれらは網羅的解析を目 指した新しい解析法として大きな期待を集め ている。 しかしながらこのような特異的バイオ認識 能を利用した微弱信号を検出する上では、生体 組織あるいは生体液とセンシング界面が直接 接触するため、これら大量に存在するタンパク 質、脂質などの夾雑物が非特異的に作用し、バ イオ計測を高感度化するための信号変換部や 増幅部の高性能化をはかっても、バックグラウ ンドも同時に増加し、結果として S/N が期待す るほど向上しないことが極めて重大な問題と なってくる。このような観点を鑑みて高性能な バイオインターフェースに要求されるポイン トとしては、①基材に固定した生体分子が活性 を低下させることなく機能し高い選択性と感 度を示すことのみならず、②夾雑するタンパク 質や脂質の非特異吸着を抑制し、バックグラウ ンドを極限まで低下させることが要求されて いる。 基材表面に固定するバイオ分子の機能を失 活させる事無く適正に配向させることは広く 検討されており、たとえばオリゴヒスチジンを 導入したタンパク質をニッケル錯体と複合化 することによる His-Tag 法や抗体をフラグメン ト化することによってむき出しになる SH 基を 利用した金表面固定化法など様々な角度から 提案されている。しかしながら His-Tag 法を利 用した固定化法ではタンパク質の固定量や配 向は確かに上がるものの、同時にバックグラウ ンドとしての非特異吸着が増加するため、必ず しも特異的な認識能を検出するには向いてい ない。ビオチン-アビジン系を利用した固定化 法に関しても複数のタンパク質で固定するた め、それらによる非特異吸着が増加することが 避けられないのが現状である。 バックグラウンドを低下させるためには固 定した抗体や DNA 等の生体分子の周りの表面 を、通常ブロッキング剤と言われる物質で覆う ことによって夾雑物の非特異吸着を抑えるこ とが行われる。このブロッキング剤には牛血清 アルブミン(BSA)や牛乳タンパクとして知ら れるカゼインなどの動物性タンパク質が広く 利用されている。しかしながらこのような動物 由来物質を大量にブロッキング剤として利用 する現状は、①非特異吸着抑制効果が十分でな く、かつ生体分子の特異的認識能も低下させ、 期待する機能が十分に達成されないばかりで なく、②動物由来物質を材料にするため BSE などの供給源からの感染という危険性をはら み、さらには③倫理的な問題も避けられないと いう点で大きな問題を含んでいる。また、ロッ ト間による材料の性能のばらつきや保存安定 性など、問題点をあげればきりがないのが現状 である。 このような中で人工物質を利用したバイオ 表面設計が急務であり、さらには高感度化のた めにタンパク質、DNA や細胞といった特異的 認識物質を、その機能を損なうことなく人工材 料と融合させる方法論を構築し、生体由来物質 の高度集積化と効率的な分子増幅を通じて、 「必要な時に、必要な場所で、必要な検出」を 高感度かつ高特異的に行うことが重要である。 長崎はこのような観点で、表面に最適な高分子 を設計し、生体分子との共固定法を開発してき た。特に前年度までに鎖長の異なる PEG によ る高密度 PEG ブラシ密生層の構築による非特 異吸着の極限までの抑制を可能とし、高性能バ イオインターフェースの構築を可能としてき た。この表面設計技術を用い、高感度免疫ラテ ックスの設計を行うとともに、表層に固定した 抗体の経時的振る舞いに関しても検討した。こ れらの内容を以下に述べる。 スキーム 1 (1) 6 個のアミノ基を有する N6-PEG の表面処 理剤としての評価 基材表面に PEG ブラシを構築する材料とし て様々な末端を有する PEG 誘導体の合成を行 ってきた。最適なバイオインターフェースを構 築するためには多様な機材に最適な材料を設 計する必要がある。たとえば SPR 共鳴型セン サーや水晶発振子マイクロバランスセンサー (QCM)表面処理のためには金表面処理材料が 必要不可欠である。金表面処理用としてはこれ まで、R-PEG-SH が広く利用されている。これ はメルカプト基と金との結合が 25mN/cm2 と極 めて強いためである。しかしながらこの結合は 酸化や交換反応に弱く、バイオ環境下での生体 物質による交換や電気化学センサーによる電 気的酸化、酸素酸化等によって構築した表面が 崩壊することが問題である。そこで本研究では オリゴアミンを末端に有する PEG 誘導体を基 本骨格として設計を行った(図 1)。これは N-Au 結合が 5mN/cm2 とメルカプト基の結合に比べ て弱いものの、多配座結合により極めて強い結 合を作ることを可能とする。実際、金表面に固 定した N6-PEG は高イオン強度やメルカプト エタノール存在下でも全く剥離することが無 く、高密度化が可能であった。さらに活性エス テルを有するラテックス等の表面に固定する 際、モノアミンに比べて N6-PEG では低濃度で 高効率なコーティングが可能であることが示 された(図 2.)これはスキーム 2 に示すように静 電相互作用による機材表面への高度集積と脱 プロトン化状態のアミノ基の反応が協奏的に 起こる結果と考えられる。 カチオン電荷による静 電相互作用 H+ 非共有電子対 による配位 N-Hによる による 供給結合 H+ 図 1.N6-PEG の設計概念 図 2.アミン末端 PEG による活性エステルラテックスの表面 処理(末端に一つのアミノ基 PEG では 1w/v%の処理でも十 分ではないのに対し、N6-PEG では 0.2w/v%程度で十分カバ ーされている。縦軸は表面電位) 0.5 30 Bound antibody a 0.4 20 Abs 570 nm Antibody conc. (ug/mL) Antigen conc. b 25 15 10 0.3 0.2 0.1 5 Unbound antibody 0 7 7.5 8 8.5 9 9.5 10 0 7 7.5 8 8.5 pH 9 9.5 10 pH 図 3.(a)pH の上昇に伴う固定化抗体()及びフリー抗体()量の変化。(b)pH に対する免疫ラテックスの抗原認識能。用い た抗原濃度はそれぞれ 11(), 22(), 56(), 111(), and 222 ng/mL() (2) ラテックス凝集免疫診断法 免疫学的検査における医療診断技術のひとつ に,ラテックス凝集免疫測定法がある.同手法 で用いられる粒子を免疫ラテックス粒子と呼 び,ラテックス表面に抗体を担持させ,抗原抗 体反応による粒子凝集を光学的に測定するこ とで標的の抗原を検出するという測定原理で あ る . 免 疫 ラ テ ッ ク ス 粒 子 は 1956 年 に Singer らによってはじめて開発され,以降同 粒子を用いた医療用検出システムは自動化な どを経て 1980 年代末にかけて実用化されて きた.しかしながら現状のラテックス診断薬, すなわち抗体固定化ラテックス粒子は,粒子自 身の散乱(バックグラウンドノイズの上昇)の ほかに,固体表面への抗体担持に伴う変性によ る感度低下や非特異的反応による誤診(凝集) などの問題点も指摘されている。このような非 特異反応を抑制するためにブロッキング剤と して通常牛血清アルブミン(BSA)が利用され ているが,ブロッキング剤として BSA を使用 する系ではラテックス/抗体複合体の分散安定 性や免疫診断能力(信号/ノイズ比)は必ずし も十分ではない.また,ロット差による性能の ばらつきや,BSE 等に代表されるような生体 試料に基づく倫理的な問題も否定できない. (3) ソフトランディング現象 最近、我々は、独自に開発した手法により ラテックス粒子表面に抗体/PEG 混合表面を構 築することで、従来よりも高感度な免疫ラッテ クス粒子の作製が可能であることを見出して いる。すなわち、鎖長が異なる二種類の PEGポリアミンを固定化抗体の周りに共固定した 粒子が、BSA をブロッキング剤として用いて 作製した粒子よりも高い抗原認識能(高い S/N 比)を有し、さらに長時間高い分散安定性を示 すことを明らかとした。 このような高感度免疫ラテックス粒子を深 く理解し実用化に進むため、抗体/PEG 混合表 面の構築条件を合理化した。抗体/PEG 混合表 面の構築時にラテックス粒子上における抗体 固定化量は pH の増大に伴い減少したものの (図 3a)、抗体の抗原認識能は逆に上昇する という非常に興味深い現象を観測した(図 3b) 。これは高 pH 条件下において、抗体(等 電点 6 ~ 7)とラテックスの間に静電反発力 pH 7.4 Neutral Ab Random orientation Hydrophobic attraction Rapid adsorption Anionic Ab Maximum Ab load pH 9.5 Orientation adjustment Antigen accessible orientation Electrostatic repulsion Slow adsorption (Soft landing) Ab load decreased 図 4.pH7.4(上)と pH 9.5(下)における抗体固定化のスキ ーム が発生し、この反発力がクッションの役割を果 たすことで粒子表面上への吸着に伴う抗体の 構造変化や不適切な配向での固定化を抑制し、 抗体の活性を損ないにくい理想的な固定化(ソ フトランディング現象、図 4)が起きたものと 考察した。 図 5.表面プラズモンセンサー表面(金)上で抗体および抗体/PEG 密生層へのバッファーフロー時間と検出感度の関係(左: 抗体だけの場合には時間とともに感度が減少するものの、高密度 PEG の固定により抗体の感度低下が抑制される)、蛍光 ラベル化抗体のガラス上および金上での蛍光強度の時間依存性(右:ガラス上では蛍光強度がほとんど変化しないもの の、金上では蛍光強度が低下する。これは抗体のコンフォメーション変化によりエネルギー移動が起こっていることを 意味する。) 図 6.原子間顕微鏡による Fab'および Fab’/PEG 表面の経時変化 (Fab'のみの固定では 60 分後に高さが減少しているのに対し、Fab’/PEG 表面では高さ方向の変化がほとんど観測されて いない) (4) 表面での固定化抗体の振る舞い 表面での抗体の理想的固定化が可能となり、 さらにその周りを混合 PEG ブラシにより高密 度化し、高い分子認識能を有する表面の構築法 が可能となった。次にこのような表面の経時的 変化を観察した。 機材表面のたんぱく質の動きを調べるため、 モデル系を構築し、評価を行った。金表面に 抗体フラグメントであるFab’を固定し、その 周りにPEG密生層を構築した。この時Fab'固定 直後にPEG密生層を形成させる場合とFab’固 定化後しばらく時間をおいてPEG密生層を構 築する場合に分けて実験を行った。図5.左に は抗体固定化後にPEG処理あり(●)なし(○)の 二条件でバッファーフローしたのちの抗原認 識能を示した。抗体/PEG密生層では60分のバ ッファーフローで30%程度感度が低下したの に対し、抗体表面では90%近い抗体が失活し ていることが認められた。おそらく抗体の周 りに密生層がない場合、容易に変性して活性 が失われることが考えられる。 表面での失活を確認するために、二つの実 験を行った。図 5.右では蛍光ラベル化した抗体 を表面に固定し、時間経過における蛍光を観測 した。ガラスに固定した場合には何の変化も起 こらないが、金表面に固定した場合、周りに PEG 層がない(■)と著しい蛍光消光が観測され た。これは抗体分子の変性により、蛍光分子が 金表面に近接し、エネルギー移動が起こった結 果と説明できる。一方で抗体/PEG 表面では消 光が大幅に抑制されている。図 6.はこれら表面 の原子間力顕微鏡観察結果を示す。Asylum 社 の AFM は経時的に同一視野の撮像が可能であ るため、Fab’単独および Fab’/PEG 表面の作成 直後および 60 分後の観察を行った。Fab’単独 では明らかに高さ方向のヒストグラムが低下 しているのに対し、Fab'/PEG では 60 分後にも ほとんど高さ方向の変化がないことが確認さ れた。これら図 5 右,図 6 の結果は活性の結果 (図 5 左)とよく一致し、すなわち表層に固定し た抗体あるいはそのフラグメントの周りに高 密度 PEG 層を構築することにより、抗体の変 性失活が抑制され、高い感度を維持することが 結論付けられる 【 3 】反応性ポリマーの大気圧プラズマ処理 による汎用プラスチック基板表面へのバイオ 界面の創製 (1) バイオ界面について 人工材料と生体環境が接触する領域を、バイ オ界面と呼ぶ。治療や診断に使用されるバイオ デバイスにおいて、タンパク質や細胞などの生 体成分は、ほぼ例外なくデバイスを構成する人 工材料とバイオ界面を介して接触する。そのた めバイオデバイスの性能には、そのバイオ界面 の性質が強く反映される。 従来、バイオ界面における人工材料と生体成 分の相互作用を適切に制御するために、人工材 料表面の表面処理が広く行われてきた。特に、 ポリエチレングリコール(PEG)鎖による表面 修飾は、材料表面への生体成分の非特異的な吸 着の抑制に有効であることが知られて、バイオ 界面制御の有力なアプローチの一つに挙げら れる。これまでに、金属やガラス基板などの無 機材料表面に PEG 鎖を効果的に修飾する方法 論が確立されているが、反応性に乏しい汎用プ ラスチック材料表面に PEG 鎖を安定に固定化 する方法論は確立されていない。現在、多くの バイオデバイスが、製造コストや安全性の観点 からポリスチレンやポリプロピレンなどの汎 用プラスチックを主体とした材料から構成さ れていることを考えると、その表面に効率的に PEG 鎖を固定化する手法の確立はバイオ界面 制御の観点から重要である。 本研究では、汎用性プラスチックの一つであ O O PP O PEG-A m PP substrate PEG-A/PCMS-coated PP O O O O m PEG-DA PCMS-coated PP n Cl PEG-DA/PCMS-coated PP PCMS LF plasma irradiation & toluene washing surface treated PP substrate 図 7 本研究で行った PP 基板の表面処理 contact angle (degree) (3) LF プラズマ処理した各種 PP 基板上におけ るタンパク質吸着挙動 前 項 で 調 製 し た PEG-A/PCMS, PEG-DA/ PCMS, PCMS コート後、30 秒間の LF プラズマ 照射を行った PP 基板表面における、タンパク 質吸着挙動を評価した。タンパク質として蛍光 標識した牛血清アルブミン(FITC-BSA)を用 い、各種基板を FITC-BSA 溶液に浸せきさせた 前後における基板表面の蛍光強度変化を測定 した。 (図 9) 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0 140 PCMS + LF plasma 120 PEG-A/PCMS + LF plasma PEG-DA/PCMS + LF plasma 図 9 各種表面処理 PP 基板の FITC-BSA 溶液浸せき前後 における蛍光強度変化(I0: 浸せき前、Is: 浸せき後)励起 波長 490 nm、蛍光波長 517 nm 100 80 たもののほうが、より親水的な表面特性を示す 傾向があり、LF プラズマ照射に伴い PEG 鎖が PP 基板表面に固定化され、PEG 層が形成され ていることが示唆された。 Is /I0 るポリプロピレン(PP)基板上に、ポリ(4クロロメチルスチレン)(PCMS)と末端アクリ ロイル化 PEG をコートし、これを大気圧プラ ズマ(LF プラズマ)処理することによって簡 便に PEG 鎖を PP 板表面に化学的に固定化する ことを試みた。また PP 板表面に形成された PEG 層のバイオ界面としての特性評価を行っ た。 (2) PP 基板上にコートした反応性ポリマーの LF プラズマ処理による PEG 層の形成 本研究で検討を行った PP 基板の表面処理の スキームを図 7 に示す。 PCMS は LF プラズマ感受性を有し、LF プラ ズマ照射によって PP 基板と末端アクロロイル 化 PEG 間を化学結合を介して強固に架橋する ことが期待される。末端アクリロイル化 PEG は、片末端のみアクリロイル基が導入されたも の(PEG-A, Mn= 480)両末端がアクリロイル化 されたもの(PEG-DA, Mn= 575)の2種類を用 意した。PP 板に反応性ポリマーをスピンコー トし、LF プラズマ(10 kV, 10 kHz)を所定時 間照射した後の、基板表面に対する n-ヘキサ ンの接触角変化を water in hexane 法によって 評価した。 (図 8) ● PEG-A / PCMS ○ PEG-DA / PCMS ▲ PCMS その結果、PCMS 単独あるいは PEG-DA/PCMS コート後 LF プラズマ照射を行った PP 基板表 60 0 0 30 60 90 120 面は、FITC-BSA の非特異的な吸着が見られた irradiation time (s) 、PEG-A/PCMS をコートし LF プ が(I s/I0 > 1) 図 8 各種コート基板の LF プラズマ照射による接触角変化 ラ ズ マ 照 射 を 行 っ た PP 基 板 表 面 で は FITC-BSA の非特異的吸着はほぼ完全に抑制さ れることが分かった。 (Is/I0 ≈ 1)PEG-A/PCMS 本評価法では、接触角の上昇は表面の親水性 コートした PP 基板を LF プラズマ処理した場 が上昇したことを意味する。図 8 に示すように、 合、PEG 鎖の片末端のみが PP 基板上に固定化 LF プラズマ照射によって、いずれのポリマー され、もう一方の末端は自由末端となるのに対 コート表面においても親水化が進行し、30 秒 し、PEG-DA/PCMS コートした PP 基板は、LF の LF プラズマ照射で表面特性の変化はほぼ完 プラズマ照射によって PEG-DA の両末端が PP 結した。末端アクリロイル化 PEG をコートし 基板上に固定されるものと予想される。片末端 のみが PP 基板に固定化された PEG-A 鎖は、そ の高い運動性に起因するエントロピー反発に よって FITC-BSA の吸着を抑制したのに対し、 両末端を PP 基板上に固定化され自由度が低く なった PEG-DA 鎖は FITC-BSA の吸着を抑制 出来なかったものと考えられる。 定した PEG 鎖の自由度の差が、細胞接着特性 の差に反映されたものと考えられる。 以上の結果から、反応性ポリマーコートと LF プラズマ処理の組み合わせは、汎用プラスチッ ク表面へ様々な特性を有するバイオ界面を簡 便に創製する手法として有用であることが示 された。 (4) LF プラズマ処理した各種 PP 基板上におけ る細胞接着挙動 次に、LF プラズマ処理を施した各種 PP 基板 上における細胞接着挙動の評価を行った。 無血清培地中に浸した各種 PP 基板上に HeLa 細胞を播種し1時間接触させた後、10% 血清を含む培地中に移し 24 h 培養した。図 10 に示すように、未修飾 PP あるいは PCMS 単独 をコートした PP 基板に LF プラズマ処理した 表面には、 顕著な HeLa 細胞の接着が見られた。 (図 10(a), (b))一方、PEG-A/PCMS をコート した PP 基板を LF プラズマ処理した表面では、 HeLa 細胞の接着数が大幅に低減した。(図 10(c))PEG-DA/PCMS をコートした PP 基板を LF プラズマ処理した表面には、未修飾 PP や PCMS 単独コートの場合と比べて密度は低い ものの、HeLa 細胞の顕著な接着が確認された。 (図 10(d)) PEG-A/PCMS および PEG-DA/PCMS コート表面において見られた細胞接着挙動の 【 4 】光刺激によって一酸化窒素(O)を生 】光刺激によって一酸化窒素( )を生 成する PEG 化ミセルの開発とその抗腫瘍効果 (1) 一酸化窒素デリバリーについて 一酸化窒素(NO)は、不対電子をもつフリー ラジカルであり、生体内では血管拡張や神経伝 達など多くの生理現象に深く関与している。 NO の生理活性は濃度依存的であり、高濃度の NO は細胞増殖を抑制あるいは細胞死(アポト ーシス)を誘発することが知られている。生体 内の特定の部位で、NO を特異的かつ高濃度で 作用させることができれば、ガン組織や腫瘍を ターゲットとしたピンポイント薬剤としての 応用が期待される。しかしながら、常温・常圧 下で気体状態の NO を生体内に直接投与する ことは特別な場合を除いて困難であり、一般に 生体内の pH や酵素の作用によって NO を生成 するプロドラック(NO ドナー)を用いた投与 が行われている。これら NO ドナーの多くは、 体内の pH や酵素の作用によって比較的低濃度 の NO を投与直後から持続的に供給すること を目的としたものであり、生体内の特定の部位 に高濃度の NO をピンポイントで供給すると いう用途には対応することが出来ない。NO の 特性を利用したピンポイント薬剤の実現のた めに、新しい概念に基づいた NO ドナーが求め られている。 近年、生体内の特定の位置に選択的に NO を 供給する目的で、光刺激に応答して NO を生成 する化合物 NO ドナーが考案されてきている。 NO ドナーの生体環境下における安定性や毒性 の問題など解決すべき課題が多いものの、NO の位置選択的デリバリー法として、有力なアプ ローチの一つと考えられる。本研究では、生体 適合性に優れるポリエチレングリコール(PEG) からなるシェル層と、光刺激により NO を生成 する構造を有するニトロベンゼン誘導体を有 (a) Bare PP + LF plasma (b) PCMS + LF plasma (c) PEG-A/PCMS + LF plasma (d) PEG-DA/PCMS + LF plasma 図 10 LF プラズマ処理した各種 PP 基板上への HeLa 細胞 の吸着挙動 差は、前項で見られたタンパク質の非特異的吸 着挙動とよく相関しており、PP 基板表面に固 するコアからなる、高分子ミセル型の NO ドナ ー(図 11)を開発とした。 粒径が数十 nm 程度の PEG 化ナノ粒子は、ガ ン組織など血管新生が亢進している腫瘍部位 PEG-b-PCNTP (図 12(a))を得た。NTP 部位は、 光励起状態においてニトロ基のニトロ-亜硝 酸エステル光再配列を経て、NO を生成するこ とが知られている。 (図 12(b)) PEG(親水性シェル部) 20 高い生体適合性 光刺激応答性 NO生成部位 15 Intensity (%) 疎水性コア部 10 5 100nm以下のサイズ (EPR効果による腫瘍への集積) 図 11 光刺激によって NO を生成する PEG 化ミセルの 概略図 特 異 的 に Enhanced Permeation and Retention (EPR)効果によって集積することが報告されて いる。高分子ミセル型の NO ドナーは、EPR 効 果による腫瘍部位への集積に加え、光刺激応答 性を利用することで、高濃度の NO を部位とタ イミングを制御して作用させることが期待さ れる。 (2) 光刺激によって NO を生成する PEG 化ミセ ルの調製 既報に従い合成した PEG-ポリクロロメチル スチレンブロック共重合体のクロロメチル基 0 1 10 100 図 13 得られた PEG 化ミセルの粒度分布 得られた PEG-b-PCNTP を透析法によってミ セル化を行った。動的光散乱(DLS)法により、 粒径 42.3nm、多分散度 0.15 の単峰性の粒度分 布を有するミセルの生成を確認した。 (図 13) 得られた PEG 化ミセル溶液に NO スピント ラップ剤を添加し光照射を行った後、ESR ス ペクトルを測定した。 (図 14)NO スピントラ ップ剤を添加したミセル溶液に光照射を行っ (a) (a) O O S CF3 O 3370 NO2 (b) NO2 F3C ONO hν F3C (b) 光刺激応答性 部位(NTP) n m 1000 d (nm) 3395 3420 Magnetic field / G 3445 3370 3395 3420 3445 Magnetic field / G 図 14 PEG 化ミセル/スピントラップ剤混合溶液の ESR スペクトル(a) 光照射前、(b)光照射後 O F3C + NO 図 12 本研究で合成した PEG ブロックポリマーの構造(a) とその光誘起 NO 生成機構(b) と、4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェノー ル(NTP)を DMF 中、90℃で一晩反応させ たところ、 トラップ剤のニトロソ化固有の ESR シグナルが出現し、光照射による PEG ミセル からの NO 生成が確認された。 さらに、 光照射に伴う PEG 化ミセルからの NO 生成量を Griess 試験法により定量した。 (図 15) NO生成量(nmol)/mgミセル 40 30 20 10 0 0 10 20 光照射時間(分) 30 図 15 光照射に伴う PEG 化ミセルからの NO 生成量の変化 120 Cell viability (%) 100 80 60 40 20 0 0 2 4 6 8 10 irradiation time (min) 図 16 所定時間光照射を行った HeLa 細胞の 24 hr 後の生 存率(○:ミセルなし、▲:0.2 mg/ml、 ●:0.4 mg/ml PEG 化ミセルとインキュベートしたもの) 図 15 に示すように、光照射時間と共に PEG 化 ミセルから生成する NO 生成量は、ほぼ直線滝 に増加し約 10 分間の光照射によって 1 mg のミ セルあたり 10.6 nmol 相当の NO が生成するこ とがわかった。 (3) PEG 化ミセルの NO デリバリー能を利用し たガン細胞の細胞死誘導 本研究で調製した PEG 化ミセルは、10%の 血清成分が共存する細胞培養の培地中におい ても安定に分散し、凝集体の形成などは確認さ れなかった。PEG 化ミセル自身は、今回検討 を行った濃度範囲(<0.5mg/ml)において顕著 な細胞毒性を示さないことを確認した。 ヒト子宮頸癌細胞(HeLa 細胞)の培養時に PEG 化ミセルを 6 h 共存させ、その後 PBS で 洗浄した後、HeLa 細胞に対し光照射を行った。 光照射後さらに 24 hr 培養を行った後、ウエ ル内の細胞生存率を評価した。 (図 16)その結 果、培養時に PEG 化ミセルを共存させた HeLa 細胞においてのみ、光照射時間に依存して細胞 生存率が低下することが確認された。また、こ の細胞生存率の低下は、HeLa 細胞培養時に共 存させた PEG 化ミセルの濃度に依存すること がわかった。比較として、光照射によって NO を生成しない PEG 化ミセルを用いて同様の条 件で評価を行ったところ、細胞生存率の低下は 見られなかった。以上のことから、図 16 に示 す光照射に伴う細胞生存率の低下は、HeLa 細 胞内に取り込まれた PEG 化ミセルから生成し た NO に起因するものであることが明らかと なった。細胞内に取り込まれた PEG 化ミセル が、光照射に伴い局所的に高濃度の NO を細胞 内で生成した結果、細胞死が誘発されたものと 考えられる。 【 5 】新規 MRI 造影剤の開発を目指し たラジカル含有ナノ粒子の創製 これまで我々は、活性酸素種(ROS)を効率的 に消去し、また電子常磁性共鳴イメージング (EPRI) や磁気共鳴イメージング(MRI)の造影 剤として用いられる 2,2,6,6-テトラメチルピペ リジノオキシラジカル(TEMPO)を疎水性セグ メント側鎖に有する親疎水ブロックポリマー を合成し、TEMPO ラジカルをコア部分に封入 したナノ粒子(ラジカル含有ナノ粒子、RNP) の設計と評価を行った(図 17)。この粒子(RNP) は、生体環境下では TEMPO ラジカルを粒子内 部に封入しているものの、炎症や癌の組織など のように pH が低下している領域に於いて粒子 が崩壊し、TEMPO ラジカルの放出が期待され る性質を有している。そこで、RNP の各 pH で の緩和能と担がんマウスに RNP を投与した後 の画像化を試みた。これまでの研究から、RNP は、中性・塩基性条件下において、ブロードな 1 本ピークを示すものの、酸性条件下において は、3 本線のスペクトルに変化し、シグナル高 さが向上していることが明らかとなっている (図 18)。この原因は、ブロックポリマーの疎水 セグメント側鎖に存在するアミノ基のプロト ン化によって粒子が崩壊し、さらに側鎖間での 静電反発が生じることにより、TEMPO 間の距 離が増加したものと考えていた。今回、pH を 変化させたファントムを用いて MRI 測定を行 ったところ、酸性条件下では、中性から塩基性 いてはシグナルが増強していく画像化が得ら れた。血管透過性の亢進した腫瘍組織近傍にお いては数十ナノメートルサイズの粒子が集積 することが知られており(Enhanced Permeation and Retention Effect、EPR 効果)、この結果から RNP の EPR 効果による腫瘍集積性が確認され た(図 19)。 図 17 ラジカル含有ナノ粒子(RNP) 条件下よりも 2 倍程度大きい緩和度を有して いることが明らかとなった。この結果は、酸性 条件下で粒子が崩壊し、TEMPO ラジカルと周 りの水分子の相互作用の増加することを示唆 し、RNP の崩壊をこれまでとは違った方法に より証明することが可能となった (図 18)。 さらに担がんマウスに RNP を尾静脈注射し、 T1 強 調 画 像 を 測 定 し た と こ ろ 、 正 常 組 織 (normal)では、時間とともにシグナルが減少し ていくものの、一部の癌組織周辺(tumor1)にお 図 18 答性 RNP の MRI 評価 RNP の MRI 緩和能の pH 応 図 19 RNP を尾静脈注射後の担がんマウスの T1 強調 画像 【 6 】安定ニトロキシラジカルを有する新規 生体適合性ポリマーの合成と血液適合性評価 生体適合性ポリマーの合成と血液適合性評価 近年の医療工学の発展に伴い医療現場では、人 工血管や人工心肺などの人工臓器が使用され るようになってきた。現在使用されている軟組 織人工臓器の多くは高分子材料からできてお り、血液や生体組織と直接接触するものでは、 血液適合性・組織適合性が要求される。材料に 血液が接触し、異物と認識されると血液は活性 化され、酸化ストレスの上昇、血液の凝固反応 や炎症反応を引き起こす。このとき活性化され た白血球などの食細胞は、活性酸素種(ROS)を 産生するとともに炎症性サイトカインを放出 する。現在までに血液の活性化を小さくするた めに親水性ポリマー、生体膜類似ポリマー、ミ クロドメイン構造を持つポリマー、生理活性物 80 90 60 80 40 70 20 0 0 0 25 50 75 100 TEMPO content in [%] 図 20 PCMS-TEMPO コートガラスビーズと血液の接 触時における血小板と白血球の減少量 3000 PCMS beads PCMS-TEMPO beads CL counts of ROS 100 remainig leukocyte count [%] remainig platelet count [%] 100 2000 1000 0 0 100 200 300 400 500 600 Time [sec] 図 22 血液と材料の接触時の活性酸素産生量 100µ 100µ 400000 CL intensity 350000 (B)PCMS-TEMP (A)PCMS 図 23 安定ラジカル含有ポリマーの表面修飾後のガラ スビーズの SEM 写真 300000 250000 200000 0 T0 T25 T48 T67 T73 T90 non-bead 図 21 活性酸素消去能の TEMPO 濃度依存性 質を固定化した表面などさまざまな研究が行 われてきた。これらの材料は比較的性能が良く、 その一部はすでに実用化され始めている。しか し、これらの材料によって完全に問題が解決さ れたわけではない。例えば親水性ポリマーは、 血小板の吸着は抑制するが血液の活性化反応 を抑制することができない。また生理活性物質 の多くは、動物由来の物質であり安全面に問題 があることや、生理活性の自然低下といった問 題などが挙げられる。そこで本研究では、血液 と材料が接触した際に生じる活性酸素を抑制 することに注目し、新規血液適合性材料の作製 を目指した。この目的を達成するため抗酸化能 を有することが知られている 2,2,6,6-テトラメ チルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)をポリ(ク ロロメチルスチレン) (PCMS)に結合させた活 性酸素消去能を有するポリマーPCMS-TEMPO の設計を行い、血液に対する適合性の評価を行 った。ポリマーコートビーズに 5IU/mL ヘパリ ン化全血を接触させ、血小板数・白血球数を測 定した結果を図 20 に示す。 血小板減少は PCMS への TEMPO 導入率が増すにつれ抑制される 傾向があることが観察された。同様に白血球に ついても TEMPO 導入率が増すことで減少が 抑制された。これはビーズ表面に存在する TEMPO が、材料表面への血球吸着を抑制した ことを示唆する結果である。 図 21 に各 TEMPO 導入率のポリマーコートビーズと血液を接触 させた際に生じる活性酸素産生量を示した。こ の結果より、活性酸素産生はポリマーへの TEMPO 導入率が増すにつれて抑制されること が明らかとなった。図 22 にポリマーコートビ ーズと血液を接触させた際に生じる活性酸素 量の経時変化を示す。PCMS コートビーズでは、 血液と接触すると徐々に発光量が増加し、活性 酸素の産生が増大した。一方、PCMS-TEMPO コートビーズでは、血液と接触後も CL 強度は 変化せず、ほとんど活性酸素を放出しないこと がわかった。この結果から TEMPO をポリマー 導入したポリマーで活性酸素を優位に抑制す ることが明らかとなった。また SEM 画像から も PCMS-TEMPO コートビーズでは、PCMS コ ートビーズよりも明らかにビーズ表面への血 球細胞の吸着が少なく、TEMPO 導入の効果が 確 認 さ れ た ( 図 23) 。 以 上 の 結 果 か ら PCMS-TEMPO は、血液から放出される活性酸 素を抑制し、血液適合性を向上させる新規表面 コーティング剤として期待される。 【 7 】4 級アンモニウム塩を有する PEG 化ナ ノゲル粒子の創製と siRA siRA デリバリー への展開 (1) siRNA デリバリーについて 配列特異的な遺伝子発現抑制効果を示す siRNA は難治性疾患に対する新規治療薬とし 図 24 異なる 4 級化率を有する PEG 化ナノゲル粒子と siRNA のコンプレックスの概念図。 て注目を集めているものの、全身投与による治 療効果の向上には標的組織へのデリバリーシ ステムの確立が必要不可欠である。この問題に 対し、カチオン性ポリマー、リポソームとの静 電相互作用から成るイオンコンプレックスが キャリアーとして利用されているが、塩基対の 短い siRNA との静電相互作用を介した自己組 織化コンプレックスの血中安定性は必ずしも 高くなく、血中投与後のコンプレックスの解離 が懸念される。我々はより安定な siRNA キャ リアーの構築を目的として、架橋構造を有する ポリメタクリル酸ジエチルアミノエチル (PEAMA)ゲルと PEG 層から成る PEG 化ナ 図 25 異なる 4 級化率を有する PEG 化ナノゲル粒子/siRNA コンプレックスによる survivin 遺伝子の抑制(RNAi)効果 ([siRNA]=200 nM)。縦軸:survivin の mRNA の量を GAPDH の mRNA の量で企画化。 ノゲル粒子を用いた siRNA デリバリーの検討 をしてきた。ナノゲル/siRNA 複合体は架橋ポ リアミン構造によりキャリアーの解離が抑制 されるため PEG-b-PEAMA ブロック共重合体 を用いた場合より高い安定性、遺伝子発現抑制 効果を示す。しかし、ナノゲル中の三級アミノ 基(PEAMA)は比較的低い pKa を示すため (pKa=7.0) 、siRNA との静電相互作用が十分強 くないと推測されるため、siRNA との静電相互 作用をより強固なものとするため、コアの三級 アミノ基を四級化アミノ基へと変換したナノ ゲルを新たに調製した(図 24) 。しかしナノゲ ル中の三級アミノ基はエンドソーム内におけ るバッファー効果に寄与しており、その四級化 は siRNA のエンドソーム脱出の阻害につなが ることが懸念される。そこで今年度は、四級化 率の異なるナノゲルを調製し、四級化アミの基 の導入効果ならびに四級化率に応じた細胞内 動態、遺伝子発現抑制効果を検討した。 (2) 異なる 4 級化率を有する PEG 化ナノゲル 粒子を用いた siRNA の細胞内デリバリー 評価 ナノゲルコア(PEAMA)の四級化率を元素分 析により求めた結果、四級化率 0, 3, 10, 28, 100%の 5 種類のナノゲルが得られた(四級化 率 X%の場合 QX-nanogel と表記) 。また、四級 アミン導入により、pH=7.4 におけるゼータ電 位は四級化率に依存して上昇することを確認 し た ( Q0-nanogel:+1.5 mV, Q100-nanogel:+23 mV) 。さらに siRNA とのコンプレックス形成 挙動をゲル電気泳動にて評価した結果、三級ア ミンナノゲル(四級化率 0%)では N/P=1.5 で コンプレックス形成に関与しなかった遊離の siRNA のバンドが消失するのに対し、四級化率 10% 以 上 の ナ ノ ゲ ル で は す べ て N/P=1 で siRNA 由来のバンドが消失し、四級化によるナ ノゲルコアへのプラス電荷の導入により低 N/P 比で siRNA とのコンプレックス形成が完 了することがわかった。各ナノゲル/siRNA 複 合体の遺伝子発現抑制効果の評価として、 HuH-7 細胞に発現する抗アポトーシスタンパ ク質 survivin に対してサイレンシング実験を行 った(図 25) 。その結果、siRNA 単独、三級ア ミノ基のみを有するナノゲル/siRNA 複合体で は僅かなサイレンシング効果しか示さなかっ たが、四級化アミノ基を有するナノゲルは N/P 比、siRNA 濃度、siRNA 配列に依存したサイレ ンシング効果を示した。このとき、四級化率 10%以上のナノゲルは N/P=10 において同 N/P 比の分岐型ポリエチレンイミン(B-PEI)と比 較して有意に優れたサイレンシング効果を示 し、さらに N/P=20 においては四級化率 10%の ナノゲルが最も優れたサイレンシング効果を 示すことが明らかとなった。フローサイトメー タにより細胞内への siRNA 導入量を比較した 結果、四級化アミンナノゲルは四級化率依存的 に導入量が向上することが明らかとなった。こ れは四級化アミン導入により、複合体表面のプ ラス電荷が増大し細胞との相互作用が増した ためであると推測される。しかしながら、四級 化率 100%のナノゲルは siRNA の取り込み量で は最も優れているにも関わらず、 四級化率 10% のナノゲルの方が優れたサイレンシング効果 を示したことは、細胞内へ侵入後の細胞内動態 が異なることが推測される。共焦点顕微鏡を用 いてエンドソーム/リソソーム(赤)と siRNA (緑)の局在を観察した結果、四級化率 100% のナノゲルを用いた場合、多くの siRNA はエ ンドソーム/リソソーム内に局在するのに対し (図 26b) 、四級化率 10%のナノゲルでは効率 的な siRNA のエンドソーム脱出が認められた (図 26a)。これは、三級アミンに由来したバ ッファー効果が部分的四級化でも有効である ことを示しており、四級化率 10%のナノゲル では四級アミンに由来する siRNA の取り込み (a) Q10-nanogel (b) Q100-nanogel 図 26 a) Q10PEG 化ナノゲル粒子/siRNA コンプレックスお よび b) Q100PEG 化ナノゲル粒子/siRNA コンプレックスの 蛍光共焦点顕微鏡の写真。緑:siRNA, 赤:エンドソーム/ リソソーム, 青:核。 の向上効果との相乗効果により最も優れたサ イレンシング効果を示したためであると考え られる(図 24) 。 【 8 】腫瘍指向性リガンドとしての 5 アミノ レブリン酸の機能評価 近年、新規の医薬品開発が非常に困難となっ ている。これは審査基準において高い安全性が 求められている事が一因である。この様な状況 において製薬企業は副作用の少ない医薬品開 発を求められており、この問題解決に対する技 術開発の要求は非常に高い。副作用は薬剤が標 的となる例えば癌細胞にだけでなく、正常細胞 にも作用する事により生じる。この問題を解決 する為には、標的細胞に高効率で取り込まれ、 なおかつその他の細胞と比較した場合、高い選 択性を有して標的細胞を認識し、効果を発揮す る分子が必要となる。 この様な分子として有名な分子は抗体であ る。抗体は標的となる抗原を発現している細胞 を高い選択性をもって認識する。しかしながら 抗体は製造コストが高いことや加工をしてド ラッグデリバリーシステム(DDS)へと応用さ せる際のエンジニアリングが非常に困難であ るといった欠点がある。そのため安価で加工し やすい小分子による標的指向性を有した医薬 図 27 5ALA の癌細胞への取り込み評価(青:正常 細胞、赤:がんか細胞) 品開発は依然として需要が高い。 今回我々は腫瘍を優先的に認識する分子と してヘモグロビンの前駆体である 5‐アミノ レブリン酸(5ALA)に着目した。5ALA から合成 されたプロトポルフィリン(PpIX)は種々の腫 瘍細胞内で蓄積することが分かっており、 PpIX の蛍光発光を利用した癌の切除手術に用 いられている。この PpIX の集積は癌特有の代 謝障害により起こっていると報告されている が、我々は高度な蓄積が代謝障害だけでなく 5ALA の癌細胞への優先的な取り込みも要因 となっているのではないかと考えた。この仮説 に基づき腫瘍指向性リガンドとしての 5ALA の機能評価を行うこととした。すなわち 5ALA が癌細胞に対して高効率で取り込まれ、なおか つ正常細胞と比較して高選択的に癌細胞を認 識している可能性について検討を行った。 まず 5ALA の癌細胞に対する取り込み効率 を観測するため、5ALA のカルボキシル基に蛍 光化合物を縮合反応により付加し、蛍光標識 図 28 蛍光物質および蛍光標識 ALA の細胞への取 り込みにおける温度依存性(青:37°C; 赤:4°C) 5ALA を作製した。癌化細胞に蛍光標識 5ALA を投与し、フローサイトメーターにて蛍光標識 5ALA の蛍光強度を測定することにより細胞 内取り込みを経時的に評価した。蛍光標識した 5ALA、及び蛍光物質を正常細胞と癌化細胞に 添加し、フローサイトメーターにより蛍光強度 を測定し、取り込み量を比較した結果を図 27 に示す。 コントロールとして用いた蛍光物質において は正常細胞と癌化細胞の取り込み量の差は 2.5 倍であったのに対し、ALA を結合させた蛍光 物質は正常細胞と比較して癌化細胞において 14 倍の取り込み量を示した。以上の結果から 5ALA は癌細胞に対して高い選択性をもって 取り込まれている事がわかり、小分子リガンド として有用な化合物である事がわかった。 さらに ALA-FL の細胞への取り込みの温度依 存性を評価したところ、4℃においては癌細胞 への取り込みが大きく阻害されていることが 確認された(図 28) 。このことから、ALA-FL の癌細胞への取り込みは受動輸送ではなく能 動輸送であることが示唆された。以上の結果よ り、5ALA は新たな癌指向性リガンドとしての 可能性を有する化合物である事が示唆された。 5ALA を癌選択的なリガンドとして用いるこ とにより、従来では正常細胞にまで作用するこ とにより毒性が強かった薬剤も、5ALA を結合 させる事により薬剤を癌細胞に効率良く選択 的に導入する事が可能となり、副作用の少ない 医薬品の開発に応用することが期待される。 【 9 】核酸核酸-糖コンジュゲートの固相合成法 の開発と遺伝子発現制御への展開 次世代の医薬品としてアンチセンス、アプタ マー、siRNA 等の核酸医薬品が期待されてお り、既に眼科領域では幾つかの商品が製品化 されている。今後、これら核酸医薬を様々な 部位への疾患に適用させるにはそれぞれの 疾患に適した有効なデリバリー方法の開発 が必要である。近年では核酸の安定性及び安 全性の向上を目的として、核酸に様々な化学 修飾が施され、臨床の場で用いられている。 さらにミセルやリポソーム等に内包させる ことで、全身投与系での臨床試験も行われ始 めた。 この様に近年様々な核酸医薬品のデリバ リー方法が開発され、今後もその流れは続く と考えられるが、臨床試験や製品化を見据え た際に、大量生産可能な方法で核酸を機能化 し、安定化や標的指向性を付加する技術は極 めて重要である。siRNA の場合、核酸の 3’ 末端への修飾はその活性を損なわない事が 既に知られている。そこで我々は、固相での 核酸合成の起点となる 3’末端に簡便な手法 で核酸を修飾し機能化する手法の開発を試 みた。 我々は核酸を機能化する分子として糖を選 択した。糖鎖は細胞表面上のタンパク質や糖 鎖と相互作用することにより細胞の認識や接 着に関与していることが知られている。また、 一部の糖は細胞表面上のレセプターを介して 細胞内に取り込まれる性質を持っている。加 えて糖鎖の多くは正電荷を持たないので、負 電化を持つ核酸と分子内で相互作用する事無 く、糖の機能が損なわれないと考えられる。 以上の事から糖鎖を核酸の末端に結合させる ことにより、標的とする細胞に効率よく導入 できるのではないかと考えた。 糖-核酸コンジュゲートの固相合成法の概 要を図 29 に示す。修飾する糖を核酸合成の固 相となる制御多孔性ガラス(CPG)にあらか じめ担持させることで核酸の 3’末端に高い修 飾効率で導入させることが可能となる。 動により安定性を評価した。結果を図 30 に示 す。3’末端に糖を修飾させた核酸は修飾のない もの(Fluorescein-(dT)20)と比較して血清中にお ける安定性が向上した。 糖による遺伝子発現制御への影響を調べる ために糖-核酸コンジュゲートの siRNA 活性を 評価した。抗アポトーシスタンパク である Survivin に対する siRNA を合成し、評 価を行った。結果を図 31 に示す。siRNA の活 性評価は RT-PCR を用いて Survivin の mRNA 量を測定した。siRNA のセンス鎖に修飾した際 は修飾していないものと同等の遺伝子発現抑 制能を示した。アンチセンス鎖に修飾したもの は効果が若干弱くなったが、10nM においても 十分な遺伝子発現抑制能を示した。 Fluorescein-(dT)20-Gal Fluorescein-(dT)20 図 30 血清中での核酸安定性評価 carbohydrate O O O OH CPG O OH Oligonucleotide synthesis O Carbohydrate-Oligonucleotide conjugate 図 29 糖-核酸コンジュゲートの固相合成 通常の核酸伸長合成方法、切り出し及び脱保 護方法で目的とする糖-核酸コンジュゲート体 を合成した。 合成した糖-核酸コンジュゲートの血清中に おける安定性を評価した。核酸の 3’末端にガ ラクトースを修飾させ、さらに 5’末端を蛍光 ラベルし(Fluorescein-(dT)20-Gal) 、ゲル電気泳 siRNA ー Sense strand Antisense strand Galactose 図 31 糖-核酸コンジュゲートの siRNA 活性評価 学部材料工学科、卒業論文、2010.3) ) <学位論文> <論文> ・ 古性 均:アルキルアミン末端ポリエチレン誘導 体との相互作用を応用した金ナノ粒子の合成及び 金属表面の高機能化(数理物質科学研究科、物性・ 分子工学専攻、博士論文、2009.10) ・ 田村 篤 志 : Design of PEGylated Polyamine Nanogel Particles as Nucleic Acid Drug Carriers for Cancer Gene Therapy(数理物質科学研究科、物性・ 分子工学専攻、博士論文、2010.3) ・ 吉 冨 徹 : Design and characterization of core-shell-type radical-containing-nanoparticles for in vivo imaging(数理物質科学研究科、物性・分子工 学専攻、博士論文、2010.3) ・ 山崎 毅:胆汁酸吸着剤を目指したポリアミンナ ノゲルの設計と評価(数理物質科学研究科、物性・ 分子工学専攻、修士論文、2010.3) ・ 小島 綾太:スフェロイドパターン培養法による 胎生肝細胞の長期培養と分化誘導(数理物質科学 研究科、物性・分子工学専攻、修士論文、2010.3) ・ 鈴木 莉英:ニトロキシラジカル含有グラフト共 重合体の合成と機能評価(数理物質科学研究科、 物性・分子工学専攻、修士論文、2010.3) ・ 藤野 能冨:オリゴペプチドをリガンドとするグ ラフト共重合体の分子設計と機能評価 (数理物質科学研究科、物性・分子工学専攻、修 士論文、2010.3) ・ 釘宮 慎太郎:機能性リガンドを目指した 5-アミ ノレブリン酸取り込み機能評価(人間総合科学研 究科、フロンティア医科学専攻、修士論文、2010.3) ・ 田村 磨聖:DDS 製剤に向けた高分子ナノキャリ アの体内動態及び安全性評価(人間総合科学研究 科、フロンティア医科学専攻、修士論文、2010.3) ・ 尾崎 佑樹:酸化ストレス障害に対するナノ粒子 の合成と評価(工学基礎学類、物性・分子工学主 専攻、卒業論文、2010.3) ・ 宮地 正悟:ナフチリジン結合型テルビウム/β-ジ ケトン三元錯体のDNA結合特性の評価(工学基 礎学類、物性・分子工学主専攻、卒業論文、2010.3) ・ 矢口 達也:ガンの X 線 CT 造影剤を目指した金 コロイド内包ナノゲルの調製と評価(工学基礎学 類、物性・分子工学主専攻、卒業論文、2010.3) ・ 中山 尚紀:コア部に反応性基を有するPEG化 ナノゲル粒子の合成(工学基礎学類、物性・分子 工学主専攻、卒業論文、2010.3) ・ 久野 光:ハイポキシア応答性粒子を目指した化 合物の作製および機能評価(東京理科大学基礎工 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. Hatakeyama Hiroto, Ito Erika, Akita Hidetaka, Oishi Motoi, Nagasaki Yukio, Futaki Shiroh ,Harashima Hideyoshi:A pH-sensitive fusogenic peptide facilitates endosomal escape and greatly enhances the gene silencing of siRNA-containing nanoparticles in vitro and in vivo, JOURNAL OF CONTROLLED RELEASE 139 127-132 (2009). Yuan Xiaofei, Fabregat Dolca, Yoshimoto Keitaro ,Nagasaki Yukio:Efficient Inhibition of Interfacial Nonspecific Interaction to Create Practically Utilizable High Ferritin-Response Immunolatex, Analytical Chemistry, 81 10097-10105 (2009). Yoshimoto Keitaro , Hirase Takumi, Madsen Jeppe, Armes Steven P. , and Nagasaki Yukio: Non-Fouling Character of Poly[2-(methacryloyloxy)ethyl Phosphorylcholine] Modified Gold Surfaces Fabricated by the “Grafting to” Method: Comparison of its Protein Resistance with Poly(ethylene glycol) Modified Gold Surfaces. Macromolecular Rapid Communication, 30(24),2136-2140.(2009) Yoshitomi Toru, Suzuki Rie, Mamiya Takashi, Hirofumi Matsui, Hirayama Aki Nagasaki Yukio pH-Sensitive Radical-Containing-Nanoparticle (RNP) for the L-Band-EPR Imaging of Low pH Circumstances. Bioconjugate Chemistry 20 1792-1798(2009). Oishi Motoi, Nakamura Takahito, Jinji Yuta, Matsuishi Kiyoto, Nagasaki Yukio: Multi-Stimuli-Triggered Release of Charged Dye from Smart PEGylated Nanogels Containing Gold Nanoparticles to Regulate Fluorescence Signals. Journal of Materials Chemistry. 19, 5909-5912 (2009). Yoshimoto Keitaro, Nozawa Makiko, Matsumoto Shinya, Echigo Takuya, Nemoto Seiko, Hatta Tamao, Nagasaki Yukio: Studies on the Adsorption Property and Structure of Polyamine-Ended Poly(ethylene glycol) Derivatives on a Gold Surface by Surface Plasmon Resonance and Angle-resolved X-ray Photoelectron Spectroscopy. Langmuir. 25(20)12243-12249 (2009). Tamura Atsushi, Oishi Motoi, Nagasaki Yukio: Enhanced Cytoplasmic Delivery of siRNA Using a Stabilized Polyion Complex Based on the PEGylated Nanogels with a Cross-Linked Polyamine Structure. Biomacromolecules. 10(7).1818-1827. (2009). Furusho Hitoshi, Kitano Katsuhisa, Hamaguchi Satoshi, Nagasaki Yukio: Preparation of Stable Water-Dispersible PEGylated Gold Nanoparticles Assisted by Nonequilibrium Atmospheric-Pressure 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. Plasma Jets. Chemistry of Materials:21(15).3526-3535 (2009). Sakurai Yu , Hatakeyama Hiroto , Akita Hidetaka, Oishi Motoi, Nagasaki Yukio, Futaki Shiro, Harashima Hideyoshi: Efficient Short Interference RNA Delivery to Tumor Cells Using a Combination of Octaarginine, GALA and Tumor-Specific, Cleavable Polyethylene Glycol System.Biol. Pharm. Bull:32: 928-932(2009). Kojima Ryota, Yoshimoto Keitaro, Miyoshi Hirotoshi, Nagasaki Yukio: Spheroid Array of Fetal Mouse Liver Cells Constructed on a PEG-gel Micropatterned Surface: Upregulation of Hepatic Functions by Co-Culture with Nonparenchymal Liver Cells. Lab on a Chip:9.1991-1993.(2009). Yoshimoto Keitaro, Ichino Masahiro, Nagasaki Yukio: Inverted Pattern Formation of Cell Microarrays on Poly(ethylene glycol) (PEG) Gel Patterned Surface and Construction of Hepatocyte Spheroids on Unmodified PEG Gel Microdomains. Lab on a Chip:9: 1286-1289 (2009). Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro, Nagasaki Yukio: Regulation of Lysozyme Activity Based on Thermotolerant Protein/Smart Polymer Complex Formation.Journal of the American Chemical Society :131(18) 6549-6553 (2009). Yoshitomi Toru, Miyamoto Daisuke, Nagasaki Yukio: Design of Core-shell-type Nanoparticles Carrying Stable Radicals in the Core. Biomacromolecules :10(3) 596-601 (2009). Atsumi Hiroshi, Yoshimoto Keitaro, Saito Shingo, Ohkuma Moriya, Maeda Misuzo, Nagasaki Yukio: Luminescence-based Colorimetric Discrimination of Single-nucleotide Transversions by the Combined Use of the Derivatives of DOTA-conjugated Naphthyridine and Its Terbium Complex. Tetrahedron Letters: 50 2177-2180(2009). Yuan Xiaofei, Yoshimoto Keitaro, Nagasaki Yukio: High-performance Immunolatex Possessing A Mixed-PEG/Antibody Co-immobilized Surface: High Sensitive Ferritin Immunodiagnostics. Analytical Chemistry: 81(4),1549-1556(2009). <プロシーディング> 1. 2. Saha Swapan Kumar, Nakanishi Jun, Kitano Katsuhisa, Hamaguchi Satoshi Nagasaki Yukio Creation of Biointerface by Atmospheric Plasma Treatment of Plasma Sensitive Polymeric Materials. Journal of Photopolymer Science and Technology 22, 481~484 (2009). Sumitani Shogo, Murotani Hiroki, Oishi Motoi, Katsuhisa Kitano, Hamaguchi Satoshi , Nagasakii Yukio : "Nonequilibrium Atmospheric Plasma Jets Assisted Stabilizationof Drug Delivery Carriers: Preparation and Characterization ofBiodegradable Polymeric Nano-Micelles with Enhanced Stability" Journal of Photopolymer Science and Technology.22(4) 467-471(2009) <著書> 1. 長崎 幸夫:高分子ミセル、ソフトマター分子設 計・キャラクタリゼーションから機能性材料まで, (高原 淳、栗原和江、前田瑞夫共編)、丸善、 pp.105-113(2009) <総説> 1. 吉本 敬太郎 ,長崎 幸夫:Grafting to 法によるポリ エチレングリコール密生層の構築と新しいバイオ センシング用インターフェースとしての利用, バ イオマテリアル-生体材料 27 180-188 (2009). <招待講演> 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 2010.02.18. Nagasaki Yukio ,Yoshitomi Toru :Novel Nanosphere Theranostic for Anti-Oxidative Stress, THE 1st INTERNATIONAL CONFERENCE FOR GREEN TECHNOLOGIES, Ajou University, Suwon, Korea (2010). 2010.02.06. 長崎 幸夫:酸化ストレスを制御する ナノ粒子セラノティクス, 第 10 回 RGM1 研究会, 大手町トップオブザスクウェア (2010). 2010.01.09. 長崎 幸夫:酸化ストレスをターゲッ トとした新しいナノ粒子セラノスティックス第 24 回酸化ストレス学会関東支部会, つくば国際会 議場 (2010). 2009.11.20. 長崎 幸夫:生体適合性金ナノ粒子を利 用した診断技術, 第六回コロイド・界面新領域創 造講座, 日本化学会館 5 階会議室 (2009). 2009.11.25 Nagasak Yukio: Hybridization of synthetic polymers and biopolymers for creation of high-performance biointerface, NanoEurope2009 Rapperswil, Switzerland (2009). 2009.09.19 長崎 幸夫:バイオ環境を制御するナノ ゲルの設計, ゲルワークショップ イン 熊本,ホ テル法華クラブ熊本 (2009). 2009.07.16 長崎 幸夫: 環境変化に応答するナノ 粒子の設計とナノメディシンへの展開, 徳島大学 (2009). 2009.07.08 長崎 幸夫: バイオナノ粒子の魅力 ナ ノ科学・材料研究センター(N2RC), 大阪府立大 (2009). 9. 2009.06.20 長崎 幸夫: 環境に応答してシグナル を発信するバイオナノ粒子 高分子学会東海支部 東海高分子研究会, 中部大学春日井キャンパス (2009). 10. 2009.05.20 Yukio Nagasaki: Stable Radical-containing Nanoparticles for Anti-oxydative Stress Disease, FBPS2009 ,International, Mishima Japan (2009) 11. 2009.05.18 Yukio Nagasaki: プラズマプロセスによ るナノ生体機能材料の創成, 日本学術振興会プラ ズ マ 材 料 科 学 第 153 委 員 会 , 弘 済 会 館 東 京 (2009) 12. 2009.04.27 Yukio Nagasaki: Novel Nanoparticle Therapy, ISAP2009, International, Keio University Japan (2009). 8. 7. 8. 9. 10. <国際会議> 1. 2. 3. 4. 5. 6. 2010.03.05 Nagasaki Yukio: Nanoparticles possessing Anti-oxidative Stress Activity for Ischemia Reperfusion Injury MANA International Symposium 2010 つくば国際会議場 (2010). 2009.10.27 Hirayama Aki, Yoshitomi Toru, Ueda Atsushi, Matsui Hirofumi, Owada Shigeru, Aoyagi Kazumasa, Nagasaki Yukio: Development of TEMPOL-containing nano-particle for continuous superoxide scavenging and antihypertension ASN Renal Week 2009, United state of America (2009). 2009.10.22 Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro ,Nagasaki Yukio: Noncovalent Modification of Enzyme Based on Thermotolerant Enzyme/Smart Polymer Complex Formation: Implications in Modulating Protein Function The 1st FAPS Polymer Congress, Nagoya (2009). 2009.04.24 Oishi Motoi: Smart NanomedicineBased on Stimuli-Responsive PEGylatedNanogelsfor Cancer Diagnosis and Therapy, 3rdISIMSBMS-2009, 筑波大 学 (2009). 2009.04.24 KeitaroYoshimoto: 20Function of Poly(ethylene glycol) Modified Layers Prepared by "Grafting to" Method on Gold Surface ,3rdISIMSBMS-2009, 筑波大学 (2009). 2010.03.26-27. Yoshitomi Toru, Mamiya Takashi, Matsui Hirofumi, Hirayama Aki ,Nagasaki Yukio:DESIGN OF pH-SENSITIVE RADICAL-CONTAINING-NANOPARTICLE (RNP) FOR THE EPR IMAGING OF LOW pH ENVIRONMENTS, Symposium on Biomedical Polymers for Drug Delivery, University of Utah, SALT LAKE CITY, Utah, (2010). 11. 12. 13. 14. 2010.03.17-20. Shogo Sumitani, Oishi Motoi ,Nagasaki Yukio:Novel boron carrier based on core cross-linked micelles composed of PEG-b-PLA copolymer with polymerizable boron cluster, OCC 2010 World Congress, SANTA BARBARA, CALIFORNIA (2010). 2010.03.17-20. Nagasaki Yukio:Design of pH-sensitive polumeric micelle possessing reduced forms of TEMPO for imaging of ROS. Anti-oxidative stress nanoparticle for novel theranostics, OCC 2010 World Congress, SANTA BARBARA, CALIFORNIA (2010). 2010.03.17-20. Yoshitomi Toru, Mamiya Takashi, Matsui Hirofumi, Hirayama Aki ,Nagasaki Yukio:Design of pH-sensitive polymeric micelle possessing reduced forms of TEMPO for imaging of ROS, the 2010 World Congress of the Oxygen Club of California,, Fess Parker’s DoubleTree Resort, Santa Barbara, California (2010). 2009.08.17 Yuan Xiaofei, Yoshimoto Keitaro ,Nagasaki Yukio:Formulation a highly ferritin-responding immunolatex by construction of antiferritin/mixed-PEG coimmobilized soft surface onto polystyrene nanospheres, 238th ACS National Meeting & Exposition, Washington, DC (2009). 2009.09.17.Kojima Ryota, Yoshimoto Keitaro, Takahashi Emiko, Ichino Masahiro, Miyoshi Hirotoshi ,Nagasaki Yukio:Spheroid array chip of fetal liver cells for regenerative medicine constructed on micropatterned PEG-gel surface: control of liver cell spheroids functionsby hetero co-culture system, The 6th International Forum on Post-Genome Technologies, Beijing, China (2009). 2009.07.17.Yoshitomi Toru, Toh Kazuko, Marushima Aiki, Suzuki Kensuke, Tsurushima Hideo, Aki Hirayama, Matsumura Akira , Nagasaki Yukio :Healingof Oxidative Stress in Brain on the Occasion of Cerebral Ischemia-Reperfusion,Gordon Research Conference, Biomaterials: Biocompatibility / Tissue Engineering. Holderness School Holderness, NH United states of America (2009). 2009.11.04.Kubuta Daisuke, Ikeda Yutaka ,Nagasaki Yukio:ENHANCEMENT OF CELLULAR UPTAKE OF OLIGONUCLEOTIDE BY GLUCOSE CONJUGATION, Joint Symposium of 5th Annual Meeting of Oligonucleotide Therapeutics Society and the 19th Antisense Symposium 九州大学医学部百年 講堂 (2009). 2009.11.18. Kubuta Daisuke, Ikeda Yutaka ,Nagasaki Yukio: Carbohydrate-oligonucleotides conjugates: synthesis and application for the oligonucleotide delivery, The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, Japan (2009) 15. 2009.11.16.Sumitani Shogo, Oishi Motoi ,Nagasaki Yukio:Enhanced Stability of Biodegradable Polymeric Micelles EncapsulatingBoron Cluster for Boron 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. Neutron Capture Therapy, The 4th International Symposium of Atomic Technology,(ISAT-4), Kobe, Japan (2009). 2009.11.19. Kojima Ryota, Yoshimoto Keitaro, Takahashi Emiko, Ichino Masahiro, Miyoshi Hirotoshi ,Nagasaki Yukio: Spheroid array chip of fetal liver cells on micropatterned PEG-gel surface for culture technique to regenerative medicine in liver: upregulation of liver function by co-culture's cell-cell contact, The 4th International Symposium on Atomic Technology, Kobe, Japan (2009). 2009.11.19.Yamaguchi Yu, Yoshitomi Toru, Kikuchi Akihiko ,Nagasaki Yukio:Novel Biocompatible Polymer Possessing Anti-Oxidative Stress AbilityNitroxy Radicals Containing Polymer (NRP) Suppresses Blood Activation, 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe, Japan (2009). 2009.11.08.Ichinohe Satoshi, Sumitani Shogo, Ikeda Yutaka ,Nagasaki Yukio:Synthesis and Characterization of Highly PEGylated Nanogel, The 4th International Symposium on Atomic Technology, (2009). 2009.11.18.Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro ,Nagasaki Yukio:Prevention of Heat-induced Inactivation of Enzymes ThroughComplexation with PEAMA-g-PEG, The 4th International Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Kobe,Japan (2009). 2009.12.09.Yamaguchi Yu, Yoshitomi Toru, Kikuchi Akihiko ,Nagasak Yukio:Nitroxy Radicals Possessing Polymer Suppresses Blood Activation by Their Antioxidant Ability, 19th Symposium of MRS-Japan, Yokohama, Japan (2009). 2009.12.07.Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, ShunsukeTomita, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro ,Nagasaki Yukio:Reformulations of Enzyme Surface by PEAMA-g-PEG with the Improvementof Heat-resistant Property, , 19 Symposium of MRS-Japan (MRSJ), Yokohama, Japan (2009). 2009.10.10.Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro ,Nagasaki Yukio:Effect of PEAMA-g-PEG on the Heat-induced Inactivation of EnzymesBased on Enzyme/Polymer Complex Formation, TSAMS, Epochal Tsukuba, Japan (2009). Epochal Tsukuba, Japan (2009). 2009.04.24.Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro ,Nagasaki Yukio:Prevention of Heat-induced Inactivation of Lysozyme Using PEAMA-g-PEG, SIMSBMS, University of Tsukuba (2009). 2009.11.14.Ikeda Yutaka ,Nagasaki Yukio:Carbohydrate-siRNA Conjugates: Synthesis and Application for the Gene Silencing, Joint Symposium of 5th Annual Meeting of Oligonucleotide Therapeutics Society and the 19th Antisense Symposium, University of Kyusyu, (2009). <国内会議> 2010.02.06 池田 豊, 釘宮 慎太郎, 松井 裕史, 長 崎幸夫:腫瘍指向性リガンドとしての 5-アミノレ ブリン酸機能評価, 第 10 回 RGM1 研究会, 大手町 トップオブザスクエア (2010). 2. 2010.01.09 吉冨 徹、間宮 孝、松井 裕史、平 山 暁、長崎 幸夫:酸化ストレスの検出を目指し た hydroxylamine 内包 pH 応答性ナノ粒子の設計と 評価,第 24 回酸化ストレス学会関東支部会, つく ば国際会議場 (2010). 3. 2009.09.28. Ganguli Sumon, Yoshimoto Keitaro, Tomita Shunsuke, Sakuma Hiroshi, Matsuoka Tsuneyoshi, Shiraki Kentaro, Nagasaki Yukio:Modulation of Lysozyme Activity Based on Protein/Polymer Complex Formation, ソフトインタ ーフェースの分子科学 第二回公開シンポジウム, 理化学研究所 和光キャンパス (2009). 4. 2009.09.17. 原 暁非, Dolca Fabregat Monfort, 吉本 敬太郎 ,長崎 幸夫:高感度免疫診断粒子の設計- 実用化を目指したPEG/抗体密生層の表面構築, 第 58 回 高分子討論会, 熊本大学 (2009). 5. 2009.09.17.長崎 幸夫:ナノリアクターとして機能 する PEG 化ナノゲル粒子によるナノ治療・診断, 第 58 回高分子討論会, 熊本大学 工学部 黒髪キ ャンパス (2009). 6. 2009.09.01.Nagasaki Yukio , Kodaka Ryosuke: Design of Fullerene /PEG-b-Polyamine Complex for Nanomedicine, 第 37 回フラーレン・ナノチューブ 総合シンポジウム, つくば国際会議場 (2009). 7. 2009.09.18.吉冨 徹, 間宮 孝, 松井 裕史, 平山 暁, 長崎 幸夫: pH 応答性 EPR プローブとして機能す る安定ラジカル含有ナノ粒子(RNP)の調製と評価, 第 58 回高分子討論会, 熊本大学 工学部 黒髪キ ャンパス (2009). 8. 2009.09.26.吉本 敬太郎, 長崎 幸夫: 固定化核酸 の分子認識能を向上させる PEG-ポリアミンブロ ック共重合体修飾表面, 日本分析化学会第 58 年会, 北海道大学 高等教育機能開発総合センター (2009). 9. 2009.09.19.角谷省吾, 大石 基, 長崎 幸夫: 体内 安定化を目指した架橋型ボロン含有ナノ粒子の設 計, 第 6 回日本中性子捕捉療法学会学術大会, キ ャンパスプラザ京都 (2009). 10. 2009.09.18.吉本 敬太郎, 西尾 元彦, 菅澤 裕昭,長 崎 幸夫: 金表面上に固定化した抗体フラグメン 1. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. トの抗原認識能に対する PEG 密生層の役割, 第 58 回高分子討論会, 熊本大学 工学部 黒髪キャ ンパス (2009). 2009.09.18. 山崎毅、大石基、田村磨聖、斯波真理 子、菊池明彦、長崎幸夫 「経口投与型胆汁酸吸 着剤としての PEG 化 4 級ポリアミンナノゲルの 設計と評価」 第 58 回高分子討論会、熊本大学、 熊本(2009). 2009.07.29.吉本 敬太郎, Ganguli Sumon, 冨田 峻 介, 佐久間 浩史, 松岡 常吉, 白木 賢太郎,長崎 幸夫: PEG ポリアミングラフト共重合体との耐熱 性ポリイオンコンプレックス形成に基づくリゾチ ームの酵素活性制御, 第 19 回バイオ・高分子シン ポジウム, 東京大学先端科学技術研究センター (2009). 2009.07.27.小島 綾太, 吉本 敬太郎, 高橋 絵美子, 市野 正洋, 三好 浩稔,長崎 幸夫:マイクロパター ン化PEGゲルチップを用いた胎生肝細胞スフェ ロイドアレイの構築と機能評価, 第 38 回医用高分 子シンポジウム, 東京大学先端科学技術研究セン ター (2009). 2009.07.09.池田 豊, 長崎 幸夫: 核酸-糖コンジュ ゲートの固相合成法の開発と遺伝子発現制御への 展開, 遺伝子・デリバリー研究会 第9回 シンポ ジウム , 大阪大学コンベンションセンター (2009). 2009.07.02.角谷 省吾, 室谷 憲紀, 大石 基, 北野 勝久, 浜口 智志, 長崎 幸夫: 大気圧プラズマジ ェットを用いた生分解性高分子ミセルの安定化, 第 26 回国際フォトポリマーコンファレンス, 千葉 大学 (2009). 2009.09.16.田村 篤志, 大石 基, 長崎 幸夫: カチ オン性 PEG 化ナノゲルによる siRNA 送達システ ムの検討:内核荷電密度制御による内在性遺伝子 発現抑制の増強効果, 第 58 回 高分子討論会, 熊 本大学 (2009). 2009.09.16.吉冨 徹, 間宮 孝, 松井 裕史, 平山 暁, 長崎 幸夫: 酸化ストレスの検出を目指した還元 型 TEMPO 内包 pH 応答性ナノ粒子(RNP-H)の設計 と評価, 第 58 回高分子学会年次大会,神戸国際展 示場 (2009). 2009.05.08.長崎幸夫:ラジカル封入ナノ粒子によ る脳梗塞抑制効果と抗酸化作用メカニズムの検討, 第四回学際物質戦略イニシアチブバイオグループ シンポジウム, ,筑波大学東京キャンパス (2009). 2009.05.15.長崎 幸夫: 高度分子認識を目指した 生体分子と合成分子のなす超構造界面生層の構築 -PEG ゲルマイクロパタン上における肝細胞スフ ェロイドの構築と評価- ソフトインターフェース の分子科学第,二回領域会議, 九州大学 (2009). 20. 2009.06.11.吉冨 徹, 間宮 孝, 松井 裕史, 平山 暁, 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31. 32. 長崎 幸夫: 生体内 ROS の可視化を目指した EPR ナノプローブの創製, 第 62 回日本酸化ストレス学 会学術集会, 九州大学 福岡 (2009). 2010.01.13. 一戸智史. 池田豊. 長崎幸夫. 高密度 PEG 化ナノゲルの合成と評価. 第 21 回 高分子 ゲル研究討論会.東京大学(2009) 2010.01.13.山崎 毅, 大石 基, 田村 磨聖, 斯波 真 理子, 菊池 明彦 ,長崎 幸夫:経口投与型胆汁酸吸 着剤としての 4 級アミンナノゲルの創製 -悪玉 コレステロール抑制および善玉コレステロール上 昇効果を示す複合型胆汁酸吸着剤の設計, 第 21 回 高分子ゲル研究討論会, 東京大学 (2010). 2010.01.13. 角谷 省吾, 大石 基 ,長崎 幸夫 ホウ 素中性子捕捉療法を目指したコア架橋型高分子ミ セルの調製 第 21 回高分子ゲル研究討論会, 東京 大学 (2010). 2009.12.5-6. 吉冨 徹、間宮 孝、松井 裕史、 平 山 暁、長崎 幸夫「ハイポキシアに基づく pH 低下のイメージングを目指した pH 応答性ナノ粒 子の設計と機能」第 7 回がんとハイポキシア研究 会、京都大学、京都. 2009.11.16. 窪田大輔、池田 豊、長崎幸夫:グルコ ーストランスポーターを介した核酸の細胞内取り 込み評価, 第 31 回日本バイオマテリアル学会大会、 京都府民総合交流プラザ 京都 テルサ(2009) 2009.11.16.角谷省吾, 大石 基, 長崎 幸夫: 高い 安定性を有するホウ素含有ナノ粒子の調製とホウ 素中性子捕捉療法への展開. 第 31 回日本バイオマ テリアル学会学術大会 京都テルサ (2009). 2009.09.18. 山崎毅、大石基、田村磨聖、斯波真理 子、菊池明彦、長崎幸夫:「経口投与型胆汁酸吸着 剤としての4級アンモニウムナノゲルの設計と機 能評価」,ゲルワークショップ イン 熊本、ホテ ル法華クラブ熊本、熊本 2009.09.18. 一戸智史、池田豊、長崎幸夫:「生体 内安定性を目指した高密度 PEG ナノゲルの構築」 , ゲルワークショップイン熊本、ホテル法華クラブ 熊本、熊本. 2009.07.10.田村 篤志, 大石 基, 長崎 幸夫: カチ オン性 PEG 化ナノゲル粒子の精密設計に基づく siRNA の細胞内導入-細胞質移行過程の最適化, 遺伝子デリバリー研究会 第 9 回シンポジウム, 大阪大学 大阪 (2009). 2009.07.03.田村 篤志, 大石 基, 長崎 幸夫: 部分 的に四級化アミノ基を有する PEG ナノゲル粒子 の設計と siRNA キャリアーとしての機能評価,第 25 回 日本 DDS 学会, 東京ドームホテル 東京 (2009). 33. 2009.06.11. 山崎毅、大石基、田村磨聖、斯波真理 34. 35. 36. 37. 子、菊池明彦、長崎幸夫:「高い HDL/LDL 比を 示す高機能型胆汁酸吸着剤としての4級化ナノゲ ルの創製」,平成21年度繊維学会年次大会,タワー ホール船堀,東京 (2009). 2009.05.27. 山崎毅、大石基、田村磨聖、斯波真理 子、菊池明彦、長崎幸夫:「経口投与型胆汁酸吸着 剤の設計-高い HDL/LDL 比を示す4級化ナノゲ ルの設計と評価-」,第 58 回高分子学会年次大会, 神戸国際会議場・神戸国際展示場,兵庫 (2009). 2009.05.15.吉本 敬太郎: ポリエチレングリコー ル誘導体を修飾した界面を利用する生体高分子の 分子認識能および酵素活性制御 ソフトインター フェースの分子科学 第二回領域会議, 九州大学 (2009). 2009.05.15.久保田 昌樹: PEG 密生層形成による固 定化ストレプトアビジンの熱変性抑制効果 ソフ トインターフェースの分子科学 第二回領域会 議, 九州大学 (2009). 2009.06.11. 藤 加珠子, 吉冨 徹, 丸島 愛樹, 鈴木 謙介, 鶴嶋 英夫, 平山 暁, 松村 明, 長崎 幸夫: ラジカル含有ナノ粒子を用いた脳虚血-再潅流モ デルラットにおける脳梗塞の抑制 第 62 回日本酸 化ストレス学会学術集会, 九州大学 福岡. 4.ハイブリッド機能コア 専任教員: 山部紀久夫(数理物質科学研究科物理工学専攻・教授) 蓮沼 隆 (数理物質科学研究科物理工学専攻・講師) 大学院生 染谷 満(数理物質科学研究科 D2) 田村知大 (数理物質科学研究科 D2) 鎌田勝也 (数理物質科学研究科 M2) 野村 豪 (数理物質科学研究科 M2) 佐藤慎九郎(数理物質科学研究科M2) 杉井俊介 (数理物質科学研究科 M1) 林 優介(数理物質科学研究科 M1) 菊地祐樹(数理物質科学研究科 M1) 村上雄一(数理物質科学研究科 M1) Y.K. Gemael(数理物質科学研究科 M1) 【1】 ナノインデンテーションによるシリコン 原子ステップの発生 1-1)背景 シリコン原子ステップは、テラス表面より反応 性が高く、選択的に Cu などの金属を吸着させ、ナ ノワイヤを形成することができる。このような原 子ステップを利用したナノテクノロジーと、集積 回路の電気信号処理能力を融合させた高機能電子 素子を形成するには、原子ステップの位置を制御 することが必須である。 われわれは、原子ステップの挙動を制御する技 術 の 基 本 と し て 、 LOW( 極 低 濃 度 溶 存 酸 素 水:Ultra-Low dissolved Oxygen Water)処理にお けるステップフローエッチングがステップ長に依 存することを報告した。つぎに、任意の位置に原 子ステップを形成する技術として、ナノインデン テーションを検討した。 1-2)ナノインデンテーション 微傾斜 Si(111)の表面に、原子的なレベルでの 観察を容易にするため、 一旦原子ステップ/テラス 図 1 二回目の LOW 処理により出現したイン デンテーションによる三角ピットの典型例。 構造を形成したのち、AFM カンチレバーにより、 シリコン表面にたかだか 2μN のわずかな荷重に よるインデンテーションを行い、その後再び LOW 処理を施し、AFM により、インデンテーション位 置に、特徴的な三角ピットを見出し、形状を観察 した。 1-3)実験結果と考察 図 1 は、インデンテーション位置に観察された Number of the steps for 90 min 本コアでは、ナノエレクトロニクスの基盤技術 として、ナノテクノロジー固有技術とそれに融合 するシリコン集積回路のナノ構造制御技術を構築 している。ここでは、シリコン単結晶表面の原子 ステップの位置制御と、原子的に平坦なシリコン 単結晶表面に熱酸化によって形成された極薄シリ コン酸化膜の原子論的な均一性について述べる。 10 8 6 4 2 0 0 0.5 1 1.5 Load (μN) 2 図 2 出現した三角ピットの原子層数とインデ ンテーション荷重の関係。 典型的な三角ピットのAFM 像を示す。 2回目のLOW 処理前には、ほとんどインデンテーションの痕跡 を見出すことはできない。しかし、三 LOW 処理を 施すと、インデンテーションの位置に三角ピット が現れる。三角ピットの中は、複数の原子層が階 段状で、下層ほど一辺の長さが短い三角ピットが 中心を同じ位置にして現れている。現れる原子層 数を、インデンテーション荷重の関数として示す と、図 2 のようになる。つまり、微小荷重領域で は、原子層数は、荷重に対して一次の関数で増大 し、1μN 程度でほぼ飽和値に達する。報告を参考 にすると、 図 2 のインデンテーション荷重領域は、 弾性変形の領域に対応し、本実験においても、LOW 処理前には、ほとんど痕跡を AFM 観察では見出す ことができない。しかし、LOW 処理により現出す る。つまり、厳密には、シリコン表面近傍に何ら かの原子レベルの痕跡、つまり、非弾性変形が残 存し、それが荷重に対して一次関数的に増大して いることを意味している。現段階では、この挙動 を説明することはできない。LOW 処理は、原子テ ラス面を覆う vertical monohydride に対しては、 ほとんどアタックしないが、原子ステップに並ぶ horizontal monohyderide や dihydride や trihydride は、アタックする。それを参考にする と、インデンテーションによって、水素終端の形 態が変化したり、カンチレバー先端原子が結晶表 面に吸着したり、アタックしやすくなったのかも しれない。今後の検討が必要である。 一方、 原子ステップ制御の観点で図 2 を見ると、 100nN 程度の微小荷重により、 2 原子層に及ぶ原子 ステップを発生されることができることが分かる。 【2】 シリコン酸化膜表面・界面のラフネス 2-1)背景 シリコン酸化膜は、優れた絶縁膜であり、シリ コン集積回路では、数 MV/cm から 10MV/cm 程度ま で、極めて高い電界が印加されている。しかし、 高集積化の進展とともに、ゲート絶縁膜として用 いられているシリコン酸化膜の膜厚は、1-3nm 程 度まで極薄膜化が進んでいる。シリコン酸化膜の 研究開発は、高信頼化の歴史であり、それぞれの 世代に対応して、仕様を達成してきた。その過程 では、成膜時のクリーンネス向上やシリコン単結 晶中の COP(Crystal Originated Particles)など の結晶品質の改善がなされてきた。 しかし、上記レベルに薄膜化が及ぶと、ふたた び偶発的な事象による影響が強くなり、絶縁破壊 寿命の分布が広がることが報告されている。もち ろん、偶発的事象とは言え、金属汚染などは抑え られており、多くの場合除外される。偶発的な事 象については、膜中の電荷捕獲中心が膜厚方向に つながり、電極間に並ぶことで説明される percolation モデルが提案されている。しかし、 偶発的な事象は、その他にも、いろいろ挙げるこ とはでき、例えば、膜密度の揺らぎなども、その 一つである。しかし、それらに言及した報告はな い。 2007 年度に、原子的に平坦なシリコン表面を熱 酸化すると、酸化の進行とともに、シリコン酸化 膜表面・界面のラフネスが増大することを報告し た。表面のラフネス増大には、熱酸化の際に、 Si/SiO2 界面から放出される未酸化シリコン(SiO) が大きく関与していることを実証した。また、こ れまでに、シリコンの熱酸化が概略原子層毎酸化 であるが、詳細には多原子層酸化であることを明 らかにしてきた。シリコン酸化膜の絶縁膜特性、 特に絶縁破壊は、同じゲート電極下で最弱1か所 が全体を代表することになり、高信頼化には高い 膜厚均一性が要求され、 数%におよび多原子層酸化 による凹凸は無視することはできない。 19 年度の報告では、表面・界面のラフネス増加 は、統計的には、膜厚とともに、膜厚不均一性が 増大することを示した。しかしながら、表面・界 面の凹凸の直接的な対応関係は不明確のままであ った。凹凸の対応関係を明らかにすることは、局 所的に膜厚が減少したり、増大したりし、不均一 さを明確にするだけでなく、凹凸発生の機構解明 にもつながる。 (a) (b) (c) (d) 図 3 膜厚(a) 3.9, (b) 6.6, (c) 7.9, (d) 10.0 nm のシリ コン酸化膜表面の典型的な AFM 像。 (a) SiO2 Surface 100nm 今年度は、特に、詳細に、表面・界面の凹凸の 位置に注目した。 (b) Si/SiO2 Interface 2-2)実験 【1】と同様にオフ角の小さい(111)面方位 Si を、溶存酸素を抑えた純水中に浸漬することによ って得られた原子的平坦なテラス表面を熱酸化し、 形成された極薄シリコン酸化膜の表面および界面 のラフネスを AFM で評価した。 酸化温度は、 1000℃、 雰囲気は、Ar 希釈の 3.8%O2 雰囲気である。 2-1)実験結果と考察 図3は、初期酸化領域の、同一箇所のシリコン酸 化膜表面の凹凸を経時的に変化する様子を示した 一例である。 代表的に○で囲った領域を見ると、突起がそれ ぞれの形状に変化があるものの、互いの配置にほ とんど変化がなく、同一箇所が観察されているこ とが分かる。また、その面内の最大高低差(peak to valley)は、 平均酸化膜厚の増加とともに大きくな っていることが分かった。つまり、同一突起の高 さだけが平均膜厚に比例して増加することが明ら かとなった。これは、突起の核は、酸化の極初期 に形成され、その後は、単調に成長することを意 100nm 図 4 原子的平坦なシリコン表面の熱酸化によ って発生した(a)SiO2 表面の突起と(b)Si/SiO2 界面に発生した凹みの位置の対応。 味している。 初期表面が原子的に平坦であること、 また、突起密度が大きいことから、核発生は必然 的なものであると推測される。 シリコン酸化膜を剥離し、表面と界面の突起配 置を比較したところ、図 4 に示すように、界面で 凹に対して表面で凸、 界面で凸に対して表面で凹、 あるいはそのような対応関係がない領域の 3 つが 観察される。統計的には、表面・界面の rms が線 形関係にあることが明らかとなった。 これらの結果を考え合わせると、原子的平坦な テラス表面では、なんら突起の核となるような特 異性はない。しかし、酸化が始まると、体積増加 に伴う酸化応力が増大し、面内で、ある程度の距 離をおいて、エネルギー的な特異点が生じ、突起 の核を発生する。その後は、発生した核から島状 酸化で面内方向に広がり、やがて島同士が融合 (coalescence)し、1 つの原子層の酸化が終了する。 しかし、多原子層酸化では、完全に 1 つの原子層 の酸化が終了する前に、次の原子層への酸化が局 所的に始まる。その際に、前原子層での核の特異 性が継承され、ほぼ同じ箇所から次の原子層の酸 化が始まる。酸化の際には、同時に SiO の放出が 強く起こり、表面での放出 SiO の再酸化により突 起成長を促す。この繰り返しで、突起が同一箇所 で成長する。しかし、SiO は膜中でも酸化剤と衝 突し酸化されるため、膜厚の増大とともに、SiO の再酸化が表面に届かなくなり、シリコン酸化膜 表面での突起の成長は止まる。界面の酸化は、進 行するため、界面形状が経時的に変化するため、 表面の rms も、ある程度界面の形状変化に追従し ながら変化を続ける。酸化応力の緩和は、温度に 対して、大きく変化するため、酸化条件に依存す ることは明らかであり、定性的には、応力緩和の ためには、 高温低速酸化が有効ということになる。 をとり、核発生機構より明らかにしていく必要が ある。 <学位論文> ・ 鎌田勝也「単結晶シリコン表面の原子ステップ制御」 (数理物質科学研究科電子・物理工学専攻 修士論文、 2010 年 3 月). ・ 野村 豪「金属酸化物薄膜における電圧ストレスの影 響」(数理物質科学研究科電子・物理工学専攻 修士 論文、2010 年 3 月). ・ 佐藤慎九郎「表面・界面平坦化によるシリコン酸化膜 の高信頼化」(数理物質科学研究科電子・物理工学専 攻 修士論文、2010 年 3 月). <論文> 1. Y.Kabe, J.Kitagawa, Y.Hirota, S.Sato, M.Sometani, R.Hasunuma and K.Yamabe;"Long TDDB Lifetime of SiO2 film by Controlling Degradation Rate and SiO2/Si Micro-roughness", ECS Transactions, 25 (6) 371-378 (2009). 2. Z.Lu, S.Sato, R.Hasunuma and K.Yamabe; "Reliability control of silicon dioxide films by radical and thermal oxidation", Journal of Physics: Conference Series, Vol.191, 012032(2009). 3. K.Ohsawa, Y.Hayashi, R.Hasunuma and K.Yamabe; "Roughness increase on surface and interface of SiO2 grown on atomically flat Si (111) terrace", Journal of Physics: Conference Series, Vol.191, 012031(2009). 4. N.Unno, J.Taniguchi, S.Ide, S.Ishikawa, Y.Ootsuka, K.Yamabe and T.Kanbara; "Three-dimensional metal nanoimprint technique for electrode and electric probe", 今後の計画 上述のように、インデンテーションによる原子 ステップの発生データは、原子ステップ発生制御 に有効でる。しかし、その機構は、現段階は、不 明な点が多く、さらに機構解明を進める必要があ る。 また、シリコンの熱酸化においても、シリコン 酸化膜表面・界面の rms の対応などの温度依存性 Journal of Physics: Conference Series, Vol.191, 012014(2009). 5. K.Yamabe, K.Ohsawa, Y.Hayashi, and R.Hasunuma; "Degradation of Atomic Surface Flatness of SiO2 Thermally Grown on a Si Terrace", Journal of Electrochemical Society, 156 12 G201-G205 2009. 6. 鎌田勝也、尾崎亮太、矢田隆伸、蓮沼隆、山部紀久夫; 「シリコン酸化膜フェンス効果を利用した原子ステ ップの形状・速度制御」、表面科学、Vol.30、p422-426 (2009). 7. 15. Jun Chen, T.Sekiguchi, N.Fukata, M.Takase, R.Hasunuma, M.Sometani, R.Hasunuma,. M.Ogino, H.Kuribayashi, K.Yamabe, M.Sato, Y.Nara, K.Yamada, T.Chikyo; Y.Sugahara and K.Yamabe; "Suppression of Leakage "Trap-Related Carrier Transports in p-Channel Field-Effect Current of TEOS-SiO2 with Bandgap Increasing by High Transistor with Polycrystalline Si/HSiON Gate Stack", Temperature Annealing", 215th Electrochem.Soc., Spring Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, 04C005(2009). Meeting, Wash SanFrancisco, USA, 5/24-29, ECS Trans., 8. 16. N.Tokuda, H.Umezawa, H.Kato, M.Ogura, S.Gonda, Vol.19(2), pp.403-413, 2009. K.Yamabe, H.Okushi and S.Yamasaki; "Nanometer Scale C.Tamura, T.Hayashi, K.Ohmori, R.Hasunuma and Height Standard Using Atomically Controlled Diamond K.Yamabe; "Characterization of Threshold Voltage Shift by Surface", APPLIED PHYSICS EXPRESS, Vol.2, Issue5, Negative Bias Temperature Stress in HfSiOx Films", 215th Article Number 055001 ,(2009). Electrochem.Soc., Spring Meeting, Wash SanFrancisco, 9. Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, 05DB03(2009). 17. N.Tokuda, D.Takeuchi, SG.Ri, H.Umezawa, K.Yamabe, USA, 5/24-29, ECS Trans., Vol.19(2), pp.393-402, 2009. H.Okushi and S.Yamasaki; "Flattening of oxidized diamond F.Ootsuka, A.Katakami, K.Shirai, H.Nakata, T.Eimori, (111) surfaces with H2SO4/H2O2 solutions", DIAMOND Y.Nara, Y.Ohji, K.Shimura, S.Horii, N.Sano and AND RELATED MATERIALS, Vol.18, Issue: 2-3, Pages: K.Yamabe; "Hole Mobility Enhancement Caused by 213-215 (2009). Gate-Induced Vertical Strain in Gate-First Full-Metal High-k P-Channel Field Effect Transistors Using Ion-Beam <講演> W", Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, 056502(2009). 国際会議 10. R.Takeda, M.Narita, S.Tani-ike and K.Yamabe; "Changes 1. R.Hasunuma, C.Tamura, T.Nomura, Y.Kikuchi, K.Ohmori, in Concentrations of Copper and Nickel on Boron-Doped M.Sato, A.Uedono, T.Chikyow, K.Shiraishi, K.Yamada, and Czochralski-Grown Silicon Surface at Room Temperature", K.Yamabe; "Reversible and Irreversible Degradation Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, 051201(2009). Attributing to Oxygen Vacancy in HfSiON Gate Films 11. C.Tamura, T.Hayashi, Y.Kikuchi, K.Ohmori, R.Hasunuma during Electrical Stress Application", IEDM09, p.131-134 and K.Yamabe; "Analyses of Threshold Voltage Shift on Hole Injection in HfSiOx Films ", Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, (2009). 2. 05DD03(2009). K.Yamabe, H.Okushi and Satoshi Yamasaki; "Atomically 12. K.Ohsawa, Y.Hayashi, R.Hasunuma and K.Yamabe; "Roughness Increase on Surface and Interface of SiO2 Grown on Atomically Flat Si(111) Terrace Controlled Diamond Surfaces", ISIMS-2009. 3. ", C.Tamura, M.Sato, R.Hasunuma, C.Tamura, Y.Kikuchi, K.Ohmori, R.Hasunuma, K.Yamab, "Trap Generation by Stress Application in Gate Insulators of Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, 05DB02(2009). 13. T.Hayashi, N.Tokuda, T.Makino, M.Ogura, H.Kato, H.Umezawa, MOSFETs", The 4th International Symposium on Atomic and K.Yamabe; "Vestiges of multiple progressive dielectric Technology (ISAT-4), (Kobe, Nov.18-19, 2009). 4. M.Sometani, S.Sato, M.Ogino, H.Kuribayashi, Y.Sugahara, breakdown on HfSiON surfaces", Jpn.J.Appl.Phys., Vol.48, A.Uedono, R.Hasunuma, K.Yamabe; "Effects of Thermal 05DD02(2009). Annealing on CVD-SiO2 Films", The 4th International 14. Mitsuru Sometani, Ryu Hasunuma, Masaaki Ogino, Hitoshi Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), (Kobe, Kuribayashi, Yoshiyuki Sugahara, and Kikuo Yamabe; "Improvement of Dielectric Properties on Deposited SiO2 Caused by Stress Relaxation with Thermal Annealing", Nov.18-19, 2009). 5. Z.Lu, S.Sato, R.Hasunuma and K.Yamabe; "Reliability Control of Silicon Dioxide Films by Radical and Thermal 6. Oxidation", The Third International Symposium on Atomic 上殿明良, 蓮沼隆, 山部紀久夫;「熱処理による Technology(ISAT-3),(Tokyo, May 5-6,2009). CVD-SiO2 の緻密化と圧縮応力緩和」 、(2010 年 1 月 22 K.Ohsawa, Y.Hayashi, R.Hasunuma, and K.Yamabe; 日、23 日)、p-229 - 232、 薄膜・表面物理分科会・シ "Roughness Increase on Surface and Interface of SiO2 リコンテクノロジー分科会共催特別研究会. Grown on Atomically Flat Si (111) Terrace", The Third International Symposium on Atomic Technology (ISAT-3), (Tokyo, May 5-6,2009). 8. EBIC と TEM による絶縁膜破壊した High-k ゲートス タック構造の観察 19a-P11-4. 陳 君 1,関口隆史, 高瀬雅美,深田直樹,根本善弘,蓮沼 隆,山部紀久夫, 佐藤基之,山田啓作,知京豊裕、2010 年春季 第 57 回 国内会議 応用物理学関係連合講演会. 1. 佐藤慎九郎, 染谷満, 壁義郎, 北川淳一, 廣田良浩, 蓮 9. しきい値電圧経時劣化の緩和特性 19a-P11-19. 田村知 沼隆, 山部紀久夫; 「表面・界面ラフネス低減による高 大,菊地裕樹,大毛利健治,佐藤基之,蓮沼 隆,山部 信頼性極薄シリコン酸化膜」 、 (2010年1月22日、 23日)、 紀久夫、2010 年春季 第 57 回応用物理学関係連合講演 p15 - 18、 薄膜・表面物理分科会・シリコンテクノロ 会. ジー分科会共催特別研究会. 10. HfSiON 絶縁膜の不可逆的な絶縁劣化要因 19a-P11-20. 2. 田村知大, 菊地裕樹, 大毛利健治, 佐藤基之, 蓮沼隆, 菊地裕樹, 田村知大, 野村豪, 大毛利健治, 佐藤基之, 山部紀久夫; 「HfSiOx 膜への Hole 注入による電荷捕獲 蓮沼隆, 山部紀久夫、2010 年春季 第 57 回応用物理学関 サイトの生成」 、(2010 年 1 月 22 日、23 日)、p-129 - 132、 係連合講演会. 薄膜・表面物理分科会・シリコンテクノロジー分科会共 催特別研究会. 3. 菊地裕樹, 田村知大, 野村豪, 大毛利健治, 佐藤基之, 11. 染谷満, 蓮沼隆, 荻野正明, 栗林均, 須ヶ原紀之, 山部 紀久夫; 「高温熱処理による CVD-SiO2 膜における FN リーク電流の抑制」 、第 18 回 SiC 及び関連ワイドギャッ 蓮沼隆, 山部紀久夫; 「電界印加 HfSiON 膜の劣化回復 プ半導体研究会、2009 年 12 月 17~18 日、 神戸. における熱処理雰囲気依存性」 、(2010 年 1 月 22 日、23 12. (招待講演) High-k 膜の局所絶縁破壊について(30 分) 日)、p-133 - 136、 薄膜・表面物理分科会・シリコンテ 9p-TC-3. 山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用物理学 クノロジー分科会共催特別研究会. 会学術講演会. 4. 村上雄一, 野村豪, 田村知大, 菊地裕樹, 蓮沼隆, 山部 13. Cu/HfO2/Pt 構造のパルス電場スイッチング特性. 南風 紀久夫; 「ストレス印加による HfOx 膜の欠陥準位の変 盛将光,田村知大,長田貴弘,山部紀久夫,知京豊裕 、 化」 、(2010 年 1 月 22 日、23 日)、p-137 - 140、 薄膜・ 2009 年秋季 第 70 回応用物理学会学術講演会. 表面物理分科会・シリコンテクノロジー分科会共催特別 研究会. 5. 野村豪,村上雄一,菊地裕樹,田村知大,佐藤基之,大 毛利健治,蓮沼隆,山部紀久夫; 「HfSiON 膜への高電 14. 熱処理による CVD-SiO2 膜の応力と密度の緩和 8p-H-17. 染谷満, 佐藤慎九郎, 荻野正明, 栗林均, 須ヶ 原紀之, 蓮沼隆, 山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用 物理学会学術講演会. 界ストレス印加によるエッチングレート変化」 、(2010 15. 電界印加 HfSiON 膜の劣化回復における熱処理雰囲気 年 1 月 22 日、23 日)、p-141 - 144、 薄膜・表面物理分 依存性 10a-TE-6. 菊地裕樹,田村知大,野村 豪,大毛 科会・シリコンテクノロジー分科会共催特別研究会. 利健治,佐藤基之,蓮沼 隆,山部紀久夫、2009 年秋 6. 林優介、清水哲夫、蓮沼隆、山部紀久夫; 「Si(111)熱酸 季 第 70 回応用物理学会学術講演会. 化膜表面・界面のラフネス成長」 、(2010 年 1 月 22 日、 16. Hole 注入による電荷捕獲サイトの生成 10a-TE-5. 田村 23 日)、p-213 - 216、 薄膜・表面物理分科会・シリコ 知大, 菊地裕樹, 野村豪, 大毛利健治, 佐藤基之, 蓮沼 ンテクノロジー分科会共催特別研究会. 隆, 山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用物理学会学術 7. 染谷満, 佐藤慎九郎, 荻野正明, 栗林均, 須ヶ原紀之, 講演会. 17. ストレス印加によるHfOx膜のショットキー伝導の変化 10a-TE-4. 村上雄一, 野村豪, 田村知大, 菊地裕樹, 蓮沼 隆, 山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用物理学会学術 講演会. 18. HfSiON 膜への高電界ストレス印加による膜質変化 10a-TE-3. 野村豪, 村上雄一, 菊地裕樹, 田村知大, 佐藤 基之, 大毛利健治, 蓮沼隆, 山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用物理学会学術講演会. 19. 2 step 酸化法による極薄シリコン酸化膜の膜質制御 10a-TE-1. 佐藤慎九郎、呂釗、染谷満、壁義郎、北川淳 一、廣田良浩、蓮沼隆、山部紀久夫、2009 年秋季 第 70 回応用物理学会学術講演会. 20. ネットワークの緻密化による Al/CVD-SiO2 のバリアハ イト変化、染谷 満、蓮沼 隆、山部 紀久夫、アトミ ック/ポリスケールテクノロジー連携研究会(8/26-28、 2009). 21. 超低溶存酸素純水中における Si(111)表面の原子ステッ プフロー制御、鎌田勝也、原田紘幸、尾崎亮太、蓮沼隆、 向後保雄、山部紀久夫、アトミック/ポリスケールテク ノロジー連携研究会(8/26-28、2009). 22. 高電界ストレス下におけるシリコン酸化膜の劣化の二 次元分布観察、佐藤慎九郎、染谷満、蓮沼隆、山部紀久 夫、アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研究会 (8/26-28、2009). 23. 電圧印加による新絶縁材料 HfSiON 薄膜中への結晶形 成、野村豪、染谷満、田村知大、蓮沼隆、山部紀久夫、 アトミック/ポリスケールテクノロジー連携研究会 (8/26-28、2009). 24. Quartz 表面における原子ステップ/テラス構造形成、杉 井 俊介、蓮沼 隆、山部 紀久夫、アトミック/ポリスケ ールテクノロジー連携研究会(8/26-28、2009). 25. Si(111)熱酸化膜表面・界面のラフネス成長、林優介、大 沢敬一朗、清水哲夫、蓮沼隆、山部紀久夫、アトミック /ポリスケールテクノロジー連携研究会(8/26-28、2009). 〈解説〉 1. 山部紀久夫; 「ゲートシリコン酸化膜の絶縁破壊寿命 とその分布」 、応用物理、78 巻、850-855、2009. 5.量子制御コア 専任教員: 大塚洋一(数理物質科学研究科物理学専攻・教授) 上岡隼人(数理物質科学研究科物理学専攻・助教) 助 教 斎藤政通 研究員 久保結丸(アトミック研究員) 大学院生 乾由美子、田中翔、初見慎也(M2) 、 浦野敬太、海老名宏、黒田隆、庄司裕、 友利ひかり(M1) 柴田恭幸、大村彩子(守友研・D1) 五十嵐一泰、阿部雄太(守友研・M2) 量子制御コアでは、主に1K 以下の極低温領域 を舞台として、単分子架橋系やグラファイト超薄 膜などのナノ-あるいはメゾスコピックな導体系 の電気伝導、微小超伝導体の渦糸、微小ジョセフ ソン接合を利用した微小磁性計測などの研究を行 っている。 前年度まで TIMS 所属であった神田晶申講師 (現准教授)が 4 月に上岡隼人助教と交代した。 上岡助教は物理学専攻守友研究室所属であり、同 グループの守友浩教授、松田智行研究員らとシア ノ錯体の研究を行っている。また、学際物質科学 戦略イニシアティブ研究専従として本グループに 斎藤政通助教が加わった。さらに、アトミックテ クノロジー推進事業研究員として久保結丸が参加 した。 【1】トンネル接合型マイクロ SQUID の開発: 分子磁性体磁化の量子トンネル現象 局所的な磁束変化を高感度に測定でき、かつ測 定に伴うジュール発熱が極めて小さく、連続的な 測定を行うことが可能な微小トンネル接合型マイ クロ SQUID 磁力計の開発を進めた。前年度まで に素子の基本特性の調査と SQUID ループ平行 磁場印加による磁化測定法の有効性の確認を終え、 今年度は本デバイスを用いた量子トンネリングに よる磁気緩和現象研究をスタートした。試料は Fe8 核 ク ラ ス タ ー [Fe8O2(OH)12(tacn)6]Br8 ・ (H2O)9 (tacn=1, 4, 7-triazacyclononane) 単結晶 である。Fe8 核クラスターは代表的な分子磁性体 であり、S = 10 という高いスピン基底状態を持つ 物質である。測定は温度 100 mK、平行磁場掃引 速度 0.8 mT/s で行い、今回作製した SQUID は約 0.6 T まで磁場範囲で磁化測定可能であり、ジュ ール発熱はブリッジ型に比べ 7 桁以下であった。 磁気ヒステリシス曲線では、±0.22 T などで磁化 の量子トンネルに伴う単分子磁石に特徴的な階段 状の変化を確認することができた。なお、本研究 では数理物質科学研究科物質創成先端化学専攻大 塩寛紀教授の協力をいただいた。 【2】C60 分子架橋系の伝導 ランダウアー公式によればナノ導体の電気伝導 は少数の伝導チャネルを介して生じ、その特性は 一組のチャネルの透過率{τi }で理解できる。 超伝導ナノブリッジでは多重アンドレーエフ反射 を利用して各伝導チャネルへの分解が可能であり、 前年度までに水素分子架橋系の研究を行ってきた。 これを有機分子であるフラーレン C60 の単分子架 橋系に適用すべく研究を進めた。リン青銅板を基 板としてアルミニウムと C60 の真空共蒸着と電子 線リソグラフィーによって C60 を含むアルミニウ ムナノブリッジを作成した。これを希釈冷凍機に 組み込んだ機械破断接合(MBJ)用ステージに取 り付けて、30 mK で破断・接合を行った。破断特 性は純 Al ナノブリッジの場合とは明らかに異な り、 C60 分子架橋系が実現しているものと考えられ る。また、電流・電圧特性には多重アンドレーエ 図1:Al-C60-Al 接合の微分コンダクタンス特性。約 0.6mV の超 伝導ギャップ内に見られる構造は多重アンドレーエフ反射過程 によって生じる。 フ反射に伴う明瞭なステップ特性が見られる。詳 細な解析は今後行う。このほか、MBJ 法を用いて 高温超伝導体 BSCCO 単結晶ウィスカーの原子ポ イントコンタクト特性の観測を試みた。 【3】高温超伝導体固有接合における巨視的量子 トンネルの研究 微小ジョセフソン接合の位相自由度を利用した 位相量子ビットや磁束量子ビットは量子計算実現 の有力な方法として研究がすすめられている。高 温超伝導体の固有ジョセフソン接合は高いプラズ マ周波数をもち高温動作が可能である。本研究で は、 加工に有利な形状を有し合成も容易なBSCCO 単結晶ウィスカーを用いて、固有ジョセフソン接 合系のゼロ電圧状態から電圧状態への遷移を調べ た。集束イオンビーム加工によって面積 2.2μm× 2.0μm、有効厚さ 56 nm の接合を作製し、30 mK までの温度で測定した結果、熱励起による遷移か 図2:BSCCO 単結晶ウィスカー固有ジョセフソン接合の(a)スイ ッチング電流の分布と(b)電圧状態への遷移率。高温では温度に強 く依存するが約 300mK 以下では温度依存性が消失し、巨視的量 子トンネルによって遷移が起きることを示している。 ら巨視的量子トンネルによる遷移へのクロスオー バーを確認した。 クロスオーバー温度は約 260 mK、 プラズマ周波数は 86 GHz と評価され、単結晶ウ ィスカーが固有ジョセフソン接合系として良質で あることが確認された。本研究は独立行政法人物 質材料研究機構高野グループとの共同研究である。 【4】電界ドーピングによる電気伝導計測 イオン液体は室温でも液体として存在する塩で ある。イオン液体を誘電体とした電界効果トラン ジスタではゲート電圧は電極及び試料の両界面に 形成される電気 2 重層領域に集中する。電気 2 重 層は 1 nm ほどの厚さなので、発生する電場は非 常に強く、高い静電容量が得られる。この方法は 最近有機結晶、ポリマー、無機結晶などに適用さ れ、従来の絶縁体薄膜を用いた FET 構造と比べ て格段に低電圧かつ高濃度の電界ドーピングが実 現されている。前年からスタートした導電性高分 子および半導体の低温伝導研究にこの方法を適用 することを試みた。前者では化学ドーピングでは 避けられない格子の乱れを導入することなしにド ーピングが可能であることが重要であり、配向性 を持つ真空蒸着ポリチオフェン薄膜試料を、また 後者では電界効果の標準系としてシリコン FET を試みた。なお、本研究では TIMS 高分子コア神 原貴樹教授の協力をいただいた。 【5】グラフェンの電気伝導 (1)超伝導近接効果 単層・多層グラフェンに超伝導電極を接続した ジョセフソン接合の伝導特性を検討した。接合長 さ 200 nm 以上の単層グラフェン接合の超伝導臨 界電流はKulik-Omel’yanchuk 理論で説明できる ことを明らかにした。一方,多層グラフェンの超 伝導臨界電流は exp(-(T/T0)2)に比例して温度低 下とともに急激に増加することを見出し、ゲート 電界遮蔽によって,各グラフェン層の Tonset や IC が異なると仮定したモデルで定性的に再現するこ とができることを明らかにした。さらに、特有な ジョセフソン効果が期待されるバリスティック接 合の実現に向けて、 極短接合試料の作製を試みた。 (2)高ゲート電界における電気伝導 高電界を印加することにより多層グラフェンの バンド構造を変化させ,新しい物性を見いだすこ とを目的として電気伝導の測定をおこなった。電 解液による電気二重層ゲートを用いることにより, SiO2 ゲートに比べ,150 倍のキャパシタンス,5 倍の最大電界を達成した。また,電解液滴下後グ ラフェンの移動度が向上することを観測し,電解 液の存在が酸化シリコン中に存在する荷電不純物 の影響を低減する有効な手段であることをしめし た。これとは独立に、グラフェンデバイスの移動 度を向上させるために、水素ガス中アニールと大 電流印加による局所アニールを検討した。 なお、本研究は,塚越一仁,宮崎久生(産総研) , 小高隼介,青柳克信(東工大) ,林正彦(秋田大) , 吉岡英生 (奈良女子大) 各氏との共同研究である。 【6】メゾスコピック超伝導体における量子渦糸 の制御 (1)電流注入による渦糸状態の制御 正方形超伝導体において超伝導電流注入による 渦糸状態の制御を調べた。渦糸状態の検出には Multiple-small-tunnel- junction(MSTJ)法 を用いた。前年度見出した電流注入による多重渦 糸状態間転移で生じるヒステリシスは、温度や印 加磁場の上昇と共に減少し、最終的に多重渦糸状 態間転移は巨大渦糸-多重渦糸状態間転移に変化 する。また、注入した電流値に対する多重渦糸状 態間転移の振る舞いはジョセフソン接合のゼロ電 圧-有限電圧状態転移のものと類似点があり、渦糸 の巨視的量子トンネリング(MQT)の存在を示唆 するものであった。さらに、2×2の微細孔のあ る正方形超伝導体についても同様の測定を行った が、この場合にも、MQT と矛盾しない結果が得 られた。 (2)渦糸状態に対する欠陥の影響 正方形メゾスコピック超伝導体の形状を局所的 に変え、 欠陥を導入した時の渦糸状態を観察した。 測定の結果、欠陥が正方形の辺の中心に存在する 時には、欠陥が無い時や欠陥が正方形の頂点に存 在する時と比べて、渦糸の侵入磁場が減少するこ とがわかった。これは、渦糸が辺の中心から侵入 する傾向があることに関係していると考えられる。 また、高温では欠陥の影響が減少することも判明 した。これは、高温でコヒーレンス長が長くなっ た結果、相対的に欠陥が小さくなったことが原因 であると考えられる。このような欠陥を用いるこ とで、渦糸の侵入、排出を制御できることが実験 的に明らかになった。 なお、本研究は、高野義彦、山口尚秀(物材機 構) 、 M.V. Milošević, F.M. Peeters(アントワー プ大学(ベルギー) ) 、林正彦(秋田大)各氏との 共同研究である。 【6】価数差分分光法による Fe-Fe シアノ錯体の 電子構造の解明(上岡、守友) 価数差分分光法を Fe-Fe シアノ錯体に応用し、 その電子構造を明らかにした。これにより、本分 光法が、エレクトロクロミック材料の研究に有効 であることが実証された。 図3:電荷ダイナミクスと格子ダイナミクの同時測定 【7】電荷ダイナミクスと格子ダイナミクスの同 時測定時間(上岡、守友) SPring-8 の BL40XU ビームラインにピンポイン ト構造計測装置を立ち上げ、 ピコ秒時間分解能で、 電荷ダイナミクスと格子ダイナミクスの同時測定 に成功した。これにより、Co-Fe シアノ錯体にお いて、光励起後 100ps で格子が応答することを明 らかにした。 7. Kanda, T. Sato, H. Goto, H. Tomori, S. Takana, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi: Dependence of proximity-induced supercurrent on junction length in multilayer-graphene Josephson junctions, Physica C in press. 8. S. Hatsumi, Y. Kuroda, Y. Ootuka, A. Kanda, Experimental distinction between giant vortex and multivortex states in mesoscopic superconducting squares, Physica C in press. 9. S. Hatsumi, Y. Kuroda, Y. Ootuka, A. Kanda: Giant vortex and multivortex states under local supercurrent injection in a mesoscopic superconducting square, Journal of Physics, <学位論文> Conference Series, in press. ・初見慎也:メゾスコピック超伝導体における局所電流注 10. S. Tanaka, H. Goto, H. Tomori, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, 入による量子渦糸状態の制御(数理物質科学研究科、物理 A. Kanda: Effect of current annealing on electronic 学専攻、修士論文、2010 年 3 月) properties of multilayer graphene, Journal of Physics, Conference Series, in press. <論文> 1. 11. A. Kanda: Inverse spin valve effect in multilayer graphene S. Hatsumi, A. Kanda, R. Furugen, Y. Ootuka, M. Hayashi: device, Journal of Physics, Conference Series, in press. Experimental determination of vortex configuration in a mesoscopic superconducting square with artificial pinning 2. (2009). O8+δ Single Crystalline Whisker, to appear in Applied S. Hatsumi, Y. Ootuka, A. Kanda: Effect of supercurrent Physics Express Y. Kurihara, H. Kamioka, F. Nakada, and Y. Moritomo, "Oxidization/reduction process of Prussian blue film as - 1083 (2009). investigated by valence-differntial spectroscopy", Jpn. J. M.V. Milosevic, A. Kanda, S. Hatsumi, F.M. Peeters, Y. Appl. Phys., 48 , 092305 (4 pages) (2009). 14. T. Matsuda, X. J. Liu, T. Shibata, H. Kamioka, Y. Ohishi Superconductors for the Manipulation of Quantum States, and Y. Moritomo, "Pressure-induced phase transition in Phys. Rev. Lett. 103, 217003 (2009). Zn-Fe Prussain blue lattice", J. Phys. Soc. Jpn., 78, 105002 H. Ito, Y. Shibata, K. Furuya, S. Kashiwaya, Y. Ootuka, S. (2 pages) (2009) . 15. H. Kamioka, M. Hirano, H. Hosono,"Photo-induced charge two-dimensional electron gas by a nearfield optical state conversion of Eu2+ in Ca2ZnSi2O7", J. Appl. Phys. microscopy, Physics Procedia 3(2010) 1171-1175. 106, 053105/1-7 (2009). Y. Kuroda, S. Hatsumi, Y. Ootuka, A. Kanda: Effect of surface 6. 13. mesoscopic superconducting squares, Physica C 469, 1080 Nomura: Optical mapping of the boundary of a 5. Y. Kubo, Y. Takahide, S. Ueda, Y. Takano, and Y. Ootuka, Macroscopic Quantum Tunneling in a Bi2 Sr2 CaCu2 Ootuka: Local Current Injection into Mesoscopic 4. 12. centers, Journal of Physics, Conference Series, 150 022024 injection on vortex penetration and expulsion fields in 3. H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, defects on vortex penetration in 16. small H Kamioka, F Nakada, K Igarashi, Y Moritomo, "Transient photo-induced phenomena in superconducting squares, Physica C in press. vacancy-controlled Co-Fe cyanides", J. Phys. 148, H. Tomori, A. Kanda, H. Goto, S. Takana, Y. Ootuka, K. 012031(2009). Tsukagoshi: Fabrication of ultrashort graphene Josephson junctions, Physica C in press. 17. Y. Moritomo, T. Nakagawa, Y. Fukuyama, N. Yasuda, H. Oosawa, J. E. Kim, H. Kamioka, K. Kato, Y. Tanaka, S. 18. Kimura, F. Nakada, S. Ohkoshi, H. Tanaka, M. Takata, M. Hayashi: Anomalous temperature dependence of critical "Photoinduced dynamics of prussian blue type cyanide", J. supercurrent Phys. 148, 012028 (2009). superconductors, The 18th International Conference on M. Takata, Y. Tanaka, K. Kato, F. Yoshida, Y. Fukuyama, N. Electronic Properties of Two-Dimensional Systems Yasuda, S. Kohara, H. Osawa, T. Nakagawa, J. Kim, H. (EP2DS-18), Kobe International Conference Center (Kobe), Murayama, S. Kimura, H. Kamioka, Y. Moritomo, T. 2009. 7.24. Matsunaga, R. Kojima, N. Yamada, K. Toriumi, T. 19. 20. multilayer graphene coupled to S. Tanaka, H. Goto, H. Tomori, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi Ohshima, H. Tanaka, "Structure and the mechanism of and A. Kanda: Effect of current annealing on electronic rapid phase-change in amorphous Ge2Sb2Te5", Eur. J. properties of multilayer graphene, Graphene Tokyo 2009, Glass Sci. Technol. B, 2009, 50 (3), 205-211. Univ. Tokyo, 2009. 7. 25. K. Kajihara, T. Miura, H. Kamioka, M. Hirano, L. Skuja, H. 3. A Kanda, H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. Hosono, "Photoluminescence study of diffusion and Tsukagoshi, reactions of 18O-labeled interstitial oxygen molecules in Superconducting transition of multilayer graphene coupled amorphous SiO2", ECS Transactions, 25 (9) 277-285 to superconductors, Graphene Tokyo 2009, Univ. Tokyo, (2009). 2009. 7. 25. K. Kajihara, T. Miura, H. Kamioka, M. Hirano, Li. Skuja, 4. H. Yoshioka, and M. Hayashi: H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi H. Hosono,"Oxygen Exchange at the Internal Surface of and A. Kanda: Proximity‐induced supercurrent in single Amorphous SiO2 Studied by Photoluminescence of layer graphene, Graphene Tokyo 2009, Univ. Tokyo, 2009. Isotopically Labeled Oxygen Molecules", Phys. Rev. Lett. 7. 25. 102, 175502/1-4 (2009). 21. 2. in 5. A Kanda, H. Goto, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, M. Hayashi, Y. Fukuyama, N. Yasuda, H. Kamioka, J. Kim, T. H. Yoshioka: Observation of superconducting proximity Shibata,.H. Osawa, T. Nakagawa, H. Murayama, K. Kato, effect in single and multi-layer graphene, 9th International Y. Tanaka, S Kimura, T. Ohshima, H. Tanaka, M. Takata, Conference and Y. Moritomo, "Simultaneous Measurements of Superconductivity, Tokyo, 2009. 9. 7.12. Picosecond Lattice and Charge Dynamics in Co–Fe 6. on Materials and Mechanisms of H. Ito, Y. Shibata, S. Kashiwaya, Y. Ootuka and S. Cyanides", Appl. Phys. Express. 3, 016601 (2010) (3 Nomura:"Optical mapping of the edge of Hall-bar by a pages) near-field optical microscopy in magnetic field", NGSS-14, 2009.7.16 <著書> 1. 7. A Kanda, M.V. Milosevic, S. Hatsumi, Y. Kuroda, Y. A. Kanda, Y. Ootuka, K. Kadowaki, F. M. Peeters: 18. Ootuka, F.M. Peeters: Manipulation of vortex states in Novel mesoscopic superconductors by local supercurrent injection, Superconducting Superconductors, in "The States Oxford in Nanoscale Handbook The 12th International Workshop on Vortex Matter in of Superconductors, Lake Yamanaka, 2009. 9. 12-16. Nanoscience and Technology: Basic Aspects (Oxford Handbooks in Physics) ", Oxford University Press (New 8. Y. Ootuka, Electrical Transport through Superconducting Nono-Bridge, 2nd Tsukuba- Hsinchu BilateralSymposium York, Apr. 2010. pp.639-676). on Advanced Materials Science and Technology <講演> 国際会議 1. A Kanda, H. Goto, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, H. Yoshioka, (TSAMS2009), Tsukuba, 2009.10.11 9. S.Hatsumi, Y.Kuroda, Y.Ootuka, A.Kanda, Manipulation of vortex states in a mesoscopic superconducting square by 10. local current injection, The 2nd Tsukuba- Hsinchu Bilateral switching between vortex states by supercurrent injection Symposium on Advanced Materials Science and into mesoscopic superconductors, 22nd International Technology (TSAMS2009), Tsukuba, 2009.10.11 Symposium on Superconductivity (ISS2009), Tsukuba, Y.Kuroda, S.Hatsumi, Y.Ootuka, A.Kanda, Influence of 2009. 11. 2-4. Surface defects on transitions between mesoscopic vortex A. Kanda: Fabrication of a ballistic graphene junction, The Tsukuba-Hsinchu BilateralSymposium on Advanced 4th International Symposium on Atomic Technology Materials Science and Technology (TSAMS2009), (ISAT-4), Maiko, 2009. 11.18-19. 19. A. Kanda: Gate modulation of spin transport in multilayer A.Kanda, Fabrication of a ballistic graphene junction The graphene, The 4th International Symposium on Atomic Materials Science and Technology (TSAMS2009), Technology (ISAT-4), Maiko, 2009. 11.18-19. H.Goto, H.Tomori, S.Tanaka, Y.Ootuka, K.Tsukagoshi properties of multilayer graphene, The 4th International A.Kanda, Proximity-induced supercurrent in single-layer Symposium on Atomic Technology (ISAT-4), Maiko, 2009. graphene The 2nd Tsukuba-Hsinchu BilateralSymposium 11.18-19. Sho Tanaka、H.Goto, H.Tomori, Y.Ootuka, K.Tsukagoshi, graphene, A.Kanda, Effect of current annealing on electronic Nanostructures and Nano-Devices (ISANN), Kaanapali properties (USA), 2009. 12. 3. of multilayer grapheme, The 2nd 22. International Symposium on Advanced A Kanda, H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y Ootuka, K. Materials Science and Technology (TSAMS2009), Tsukagoshi, M. Hayashi, H. Yoshioka: Superconducting TSukuba, 2009.10.11 proximity effect in single and multilayer graphene, A Kanda, H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. International Symposium on Advanced Nanostructures and Tsukagoshi, H. Yoshioka, M. Hayashi: Unconventional Nano-Devices (ISANN), Kaanapali (USA), 2009. 12. 3. 22nd International Symposium 23. on M. Saitoh, H. Ebina, H. Oshio, and Y. Ootuka: Development of micro-SQUID Magnetometer for Superconductivity (ISS2009), Tsukuba, 2009. 11. 2-4. Investigation of Single-Molecule Magnets, Symposium on H. Tomori, H. Goto, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, Creation of Functional Materials (SCFM2009), 筑波国際 A. Kanda: Fabrication of ballistic graphene Josephson 会議場, 2009.12.3-4. junctions, 22nd International Symposium on 24. A Kanda, H. Goto, H. Tomori, S. Tanaka, Y Ootuka, K. Superconductivity (ISS2009), Tsukuba, 2009. 11. 2-4. Tsukagoshi, M. Hayashi, H. Yoshioka: Temperature Y. Kuroda, S. Hatsumi, Y. Ootuka, A. Kanda: Influence of dependence of proximity-induced supercurrent in single defects on vortex penetration and expulsion in mesoscopic and multi-layer graphene, 2010 APS March Meeting, superconductors, 22nd International Symposium on Portland, U.S.A., 2010. 3. 17. Superconductivity (ISS2009), Tsukuba, 2009. 11. 2-4. 17. A Kanda, H. Goto, S. Tanaka, H. Tomori, Y Ootuka, K. Tsukagoshi: Gate modulation of spin transport in multilayer graphene, 16. 21. (TSAMS2009), Tsukuba, 2009.10.11 proximity-induced superconducting transition in multilayer 15. S. Tanaka, H. Goto, H. Tomori, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, A. Kanda: Effect of current annealing on electronic Tsukuba-Hsinchu BilateralSymposium on Advanced 14. 20. Tsukuba, 2009.10.11 on Advanced Materials Science and Technology 13. H. Goto, S. Tanaka, H. Tomori, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, H.Tomori, H.Goto, S.Tanaka, Y.Ootuka, K.Tsukagoshi 2nd Tsukuba-Hsinchu BilateralSymposium on Advanced 12. H. Tomori, H. Goto, S. Tanaka, Y. Ootuka, K. Tsukagoshi, states in small superconducting squares, The 2nd Tsukuba, 2009.10.11 11. 18. S. Hatsumi, Y. Kuroda, Y. Ootuka, A. Kanda: Reversible 25. A Kanda, M.V. Milosevic, S. Hatsumi, Y. Ootuka, F.M. Peeters: Manipulation of quantum vortex states by local supercurrent injection into mesoscopic superconductors, 第 4 回アトミックテクノロジー三大学学生研究会, 2010 APS March Meeting, Portland, U.S.A., 2010. 3. 16. 26. M. Saitoh, H. Ebina, H. Oshio, and Y. Ootuka: 28. ファイトコンタクトの伝導測定,第 4 回アトミックテ Quantum Tunneling of Magnetization of Single-Molecule クノロジー三大学学生研究会, 東京理科大学(長万 Magnets, The 3rd Hsinchu~Tsukuba Joint Workshop on 部),2009.8.27 7. 仁,神田晶申: 単層グラフェンの超伝導近接効果,日 2010.4.2-3. 本物理学会 2009 年秋季大会, 熊本大学, 2009. 9. 25-28. H. Kamioka, T. Shibata, and Y. Moritomo, "Dynamics of 8. 神田晶申,林正彦,吉岡英生,後藤秀徳,友利ひか photo-induced phase transition in Co-Fe cyanide films", り,田中翔,大塚洋一,塚越一仁: 電場下における多 TSAMS2009, Tsukuba、2009/10/11-12 層グラフェンの特異な近接効果誘起超伝導転移,日 Y. Kurihara, H. Kamioka, and Y. Moritomo, 本物理学会 2009 年秋季大会, 熊本大学, 2009. 9. 25-28. 9. TSAMS2009, Tsukuba、2009/10/11-12 Y. Kurihara, H. Kamioka, and 友利ひかり,後藤秀徳,田中翔,大塚洋一,塚越一 仁,神田晶申: バリスティックグラフェン接合の作製 Y. Moritomo, と電気伝導測定,日本物理学会 2009 年秋季大会,熊 "Valence-differential spectroscopy of transition metal cyanides", PDSTM2010, 筑波、2010/2/6-8 30. 後藤秀徳,友利ひかり,田中翔,大塚洋一,塚越一 National Tsing Hua University, Hsinchu, Taiwan, "Valence-differential spectroscopy of Fe-Fe cyanide film", 29. 浦野 敬太 大塚洋一: Break Junction 法を用いたグラ Development of micro-SQUID and Observation of Nano and Bio ~ related Materials and Technologies, 27. 東京理科大学(長万部),2009.8.27 6. 本大学,2009. 9. 25-28. 10. 山岸徹,中嶋佑奈,海老名宏,大塚洋一: 微小トンネ H. Kamioka, T. Shibata, Y. Moritomo, "Dynamical process ル接合小型 SQUID 磁力計の開発, 日本物理学会 2009 of photo-induced phase transition in Co-Fe cyanide films", 年秋季大会, 熊本大, 2009.9.25 PDSTM2010, 筑波、2010/2/6-8 11. 浦野敬太,乾由美子,大塚洋一: MBJ 法を用いたグラ ファイトナノコンタクトの伝導測定,日本物理学会 国内会議 1. 2. 大塚洋一、神田晶申、塚越一仁:固定電極にリンク 仁,神田晶申: グラフェンにおける電気伝導の層数効 の電気伝導第5回研究会、松島(宮城) 、2009.5.24-26 果 II,日本物理学会 2009 年秋季大会,熊本大学,2009. 海老名宏、山岸徹、斎藤政通、大塚洋一: 微小トンネ 9. 25-28. 13. スコピック超伝導体における局所電流注入による渦 (長万部),2009.8.27 糸状態操作 II,日本物理学会 2009 年秋季大会,熊本 黒田 隆、初見 慎也、大塚 洋一、神田 晶申: メゾス 大学,2009. 9. 25-28. 14. 陥の影響, 第 4 回アトミックテクノロジー三大学学 庄司 裕、大塚洋一: 導電性高分子の低温電気伝導測 黒田隆,初見慎也,大塚洋一,神田晶申: メゾスコピ ック渦糸状態転移に対する欠陥の影響,日本物理学 会 2009 年秋季大会,熊本大学,2009. 9. 25-28. 生研究会,東京理科大学(長万部),2009.8.27 5. 初見慎也,黒田隆,大塚洋一,神田晶申: 正方形メゾ ックテクノロジー三大学学生研究会, 東京理科大学 コピック超伝導体における渦糸状態転移に対する欠 4. 田中翔,後藤秀徳,友利ひかり,大塚洋一,塚越一 したナノスケール導体の電気伝導、ナノリンク分子 ル接合型マイクロSQUID磁力計の開発,第4回アトミ 3. 2009 年秋季大会,熊本大,2009.9.25 12. 15. 後藤秀徳, 友利ひかり,田中翔,大塚洋一,塚越一仁, 定, 第 4 回アトミックテクノロジー三大学学生研究 神田晶申グラフェン多層膜におけるスピン伝導の電 会, 東京理科大学(長万部), 2009.8.27 界制御,東京大学物性研究所短期研究会“ディラッ 友利ひかり, 後藤秀徳, 田中翔, 大塚洋一, 塚越一仁, ク電子系の物性―グラフェンおよび関連物質の最近 神田晶申: バリスティックグラフェン接合の作製, の研究” ,東京大学物性研究所,2009. 10. 22-24. 16. 友利ひかり,後藤秀徳,田中翔,大塚洋一,塚越一 仁,神田晶申: バリスティックグラフェン接合の作製 規相の探索」、 第三回連携ミニ研究会、筑波、 2009/12/21-22 大塚洋一、塚越一仁、神田晶申, 固定電極にリンクし 本大学、2009/9/25-28 斎藤政通、海老名宏、大塩寛紀、大塚洋一:マイク 季大会, 東京農工大学 小金井キャンパス(小金井市) ロ SQUID 磁力計の開発と単分子磁石の磁化測定、第 9 月 10-11 日 2009 年 「RbNi[Fe(CN)6]シアノ錯体の圧力誘起相転移」 、日本 物理学会 2010 年年次大会、岡山大学、2010/3/20-23 上岡隼人,柴田恭幸,守友浩、 「Co-Fe シアノ錯体膜 の過渡吸収分光とその温度依存性」 、日本物理学会 渦糸状態間転移,日本物理学会 2010 年年次大会,岡 2009 年秋季大会、熊本大学、2009/9/25-28 31. 上岡隼人、守友浩、 「フェムト秒時間分解イメージ測 後藤秀徳,田中翔,友利ひかり,大塚洋一,塚越一 定用の小型顕微鏡筒の開発」 、第4回ポリスケールテ 仁,神田晶申: グラフェン多層膜の高電界下における クノロジーワークショップ、東京理科大学、2010/3/5 神田晶申,後藤秀徳,友利ひかり,田中翔,大塚洋 における超伝導近接効果,日本物理学会 2010 年年次 大会,岡山大学,2010. 3. 20 – 23. 伊藤宙陛,古谷景佑,柴田祐輔,大塚洋一,野村晋 太郎,柏谷聡,山口真澄,田村浩之,赤崎達志,近接 場局所光照射による量子ホール端状態の観測, 日本 物理学会第 65 回年次大会, 岡山大, 2010.3.20 庄司裕,大塚洋一, イオン液体を用いた高濃度電界ド ーピング, 日本物理学会第 65 回年次大会, 岡山大, 2010.3.20 浦野敬太,大塚洋一, MBJ 法による C60 架橋系のトン ネルスペクトロスコピー, 日本物理学会第 65 回年次 大会, 岡山大, 2010.3.21 25. 30. 伝導体における局所電流注入による巨大渦糸-多重 一,塚越一仁,林正彦,吉岡英生:数層グラフェン 24. 阿部雄太,上岡隼人,松田智行,守友浩、 黒田隆,初見慎也,大塚洋一,神田晶申,M.V. Milosevic, 2010. 3. 20– 23. 23. 29. 田市、2010.3.5 電気伝導,日本物理学会 2010 年年次大会,岡山大学, 22. 上岡隼人, 平野正浩, 細野秀雄, 「ゲーレナイト結晶 中の Eu2+の発光スペクトル」, 2009 年 電気化学秋 山大学,2010. 3. 20– 23. 21. 28. 電気伝導 領域会議, 東大(柏), 2010.3.1 F.M. Peeters,山口尚秀,高野義彦: メゾスコピック超 20. 栗原佑太朗,上岡隼人,守友浩、 「シアノ錯体薄膜の 価数差分分光」 、日本物理学会 2009 年秋季大会、熊 4回ポリスケールテクノロジーワークショップ、野 19. 27. の最近の研究” ,東京大学物性研究所,2009. 10. 22-24. たナノスケール導体の電気伝導, ナノリンク分子の 18. 上岡隼人、守友 浩 「Co-Fe 錯体における光誘起新 と電気伝導測定,東京大学物性研究所短期研究会“デ ィラック電子系の物性―グラフェンおよび関連物質 17. 26. 海老名宏、斎藤政通、大塩寛紀、大塚洋一:微小ト ンネル接合小型SQUID 磁力計による分子磁性体の磁 化測定、日本物理学会第 65 回年次大会、岡山大学、 2010.3.22 4.2 競争的資金獲得状況(平成 21 年度) 予算区分 種目 研 究 課 題 研究者 予算額 (千円) 基盤(C) 高分子半導体のヘテロ接合形成 に基づく高効率光電気化学反応 システムの構築 神原貴樹 910 科学研究費補 若手スタート 配位結合と水素結合の共同作用 桑原純平 1,508 助金 アップ による分子集合体の構造制御 共同研究費 東ソー イミダゾール類の合成研究 神原貴樹 500 共同研究費 東ソー 有機強塩基触媒の開発 神原貴樹 1,000 共同研究費 積水化学 有機半導体に関する材料技術及 神原貴樹 1,000 神原貴樹 2,000 桑原純平 1,500 桑原純平 1,200 鍋島達弥 7,300 鍋島達弥 5,300 秋根茂久 2,200 科学研究費補 助金 び評価技術 研究助成 研究助成 研究助成 筑波大学産学 環境負荷・製造リスクの小さなイ 連携推進プロ ミダゾール系化成品製造技術の ジェクト 開発 池谷科学技術 有機金属触媒を用いた新規色素 振興財団 分子の合成と機能開発 倉田記念日立 分子間相互作用を利用した固体 科学技術財団 状態での金属錯体の発光制御 科学研究費補 助金 特定領域 金属錯体超分子の創成と分子認 識・外部刺激応答機能 ラセン型擬大環状構造の生成に よる柔構造の制御を利用した集 積機能型超分子の構築 円筒型多座配位子の集合体の自 己集積による新規な金属錯体ナ ノチューブの構築 科学研究費補 助金 基盤研究(A) 科学研究費補 助金 若手(B) 科学研究費補 助金 若手(B) 金属への配位による構造制御で きる有機フォトクロミッック化 合物の合成 山村正樹 2,200 奨学寄付金 日油技研 クロミズム物質に関する研究 鍋島達弥 1,000 科学研究費補 助金 新学術領域研 究 長崎幸夫 6,500 科学研究費補 助金 新学術領域研 究 ソフトインターフェースの分子 科学 高度分子認識を目指した生体分 子と合成分子のなす超構造界面 密生層の構築 長崎幸夫 16,640 科学研究費補 助金 特別研究員奨 励費 科学研究費補 助金 基盤(A) 科学研究費補 助金 基盤(C) 受託研究費 JST 戦略的創造 研究推進事業 受託研究費 ナノ診断・治療を目指した抗体ハ イブリッド密生層表面を有する 金ナノ粒子の創成 酸化ストレスに応答し・機能する バイオマテリアルプラットフォ ームの設計の設計 レドックスセンサー機能と腎保 護効果を併せ持つナノ粒子抗酸 化剤の開発 長崎幸夫 1,000 長崎幸夫 15,080 長崎幸夫 (分担者) 260 マルチ機能性高分子の精密合成 と革新的製造技術の確立 長崎幸夫 (分担者) 10,000 物質・材料機構 革新的ナノバイオマテリアルの創成 長崎幸夫 20,000 共同研究費 Biokit ヘテロニ官能性ポリエチレングリコールの分子 設計に関する研究 長崎幸夫 260,000 (EUR) 共同研究費 JSR 長崎幸夫 2,000 科学研究費補 助金 特定領域 公募研究 山部紀久夫 蓮沼隆 2,500 共同研究費 東北大学電気 通信研究所 非特異吸着抑制剤及び基材表面 設計の研究 高精度に制御された極薄シリコ ン酸化膜を利用した特性バラツ キ抑制技術の研究開発 ナノ半導体材料とそのデバイス への応用に関する研究 山部紀久夫 蓮沼隆 240 共同研究費 半導体先端テ クノロジーズ 高誘電率ゲート絶縁膜の高信頼 化に関する研究 山部紀久夫 100 共同研究費 東京エレクト ロン㈱ HfSiO 膜の信頼性評価・解析 お よび SPA 酸化膜の不良解析 山部紀久夫 500 委託研究費 産業技術総合 研究所 シングルナノワイアトランジス タ構築に向けた統合的基礎研究 山部紀久夫 村上浩一 佐野伸行 重川秀実 16,000 奨学寄附金 富士電機 シリコン酸化膜に関する研究 山部紀久夫 500 半導体先端テ クノロジーズ 東芝セミコン ダクター 高誘電率ゲート絶縁膜の高信頼 化に関する研究 高誘電率絶縁膜の信頼性物理の 研究 固定電極にリンクしたナノスケ ール導体の電気伝導特性 山部紀久夫 350 山部紀久夫 500 奨学寄附金 奨学寄附金 科学研究費補 助金 特定領域 KEK 大学等連 携支援事業 高エネルギー 加速器研究機 構 大塚洋一 17,200 上岡隼人 200 光誘起相転移を示す Fe-Co シア ノ錯体膜の電荷・価数ダイナミク ス 科学研究費補 助金 若手研究(B) 強磁性体Mn酸化物のスピン分 極の実時間イメージング 上岡隼人 1,600 4.3 共同研究 相 手 先 東京工業大学 期 間 2007~現在 内 容 新奇有機金属錯体及び機能性高分子の開発に関する研 究 富山大学 2007~現在 高選択的分離機能性樹脂・配位子の開発に関する研究 分子科学研究所 2007~現在 新奇有機金属錯体触媒の開発に関する研究 東京大学 2001~ 非ウイルスベクターに関する研究 九州大学 2001~ 核酸医薬キャリアに関する研究 北海道大学 2001~ DDS 用 PEG 化リポソームに関する研究 東京理科大学 2001~ バイオイメージング材料の創成に関する研究 大阪大学 2006~ 誘電体分離型低温プラズマによるナノ粒子設計とバイ オインターフェースの構築に関する研究 2007~ タンパク質シャペロン活性を有する材料設計 2007~ 抗酸化ストレス薬の開発に関する研究 2007~ 脳虚血疾患薬の開発に関する研究 2007~ ホウ素中性子補足療法に関する研究 筑波技術大学 2007~ ESR イメージング材料の開発に関する研究 Biokit 2007~ ヘテロニ官能性ポリエチレングリコールの分子設計に関する研究 国立循環器病セン ター 2009~ 心筋梗塞再灌流治療薬に関する研究 NIH 2009~ MRI および EPRI イメージングに関する研究 日油㈱ 2009~ ポリエチレングリコールの新規合成に関する研究 日本無線 2009~ 新しいバイオセンサーに関する研究 大塚製薬 2009~ 薬物デリバリーシステムに関する研究 早稲田大学 2005~ カスタムナノ造形・デバイス評価支援事業にかかる共同 研究契約 筑波大学大学院数 理物質科学研究科 筑波大学大学院人 間総合科学研究科 筑波大学大学院人 間総合科学研究科 東京大学大学院工 学研究科 アントワープ大学 (ベルギー) 秋田大 2004~ 物質材料研究機構 2005~ 物質材料研究機構 高エネルギー加速 器研究機構 2005~ 2009~ メゾスコピック超伝導体における渦糸量子状態に関す る研究 固定電極にリンクしたナノスケール導体の電気伝導特 性に関する研究 グラフェンの電気伝導に関する研究 光誘起相転移を示す Fe-Co シアノ錯体膜の電荷・価数ダ イナミクスの研究 4.4 研究生等の受け入れ 外国人研究生(1 名) 中国 2009 年 10 月~(6 ヶ月間) 招聘教授(1 名) Titania Bronich 2008 年 5 月-6 月(2 か月間) 4.5 受 賞 受賞者 崔 星集 賞 受賞理由 高分子学会関東支部茨 導電性が発現可能な水素結合係超分子ポ 城地区若手研究会優秀 リマーの合成 受賞年月日 2009.10.29 ポスター賞 山縣拓也 第 4 回 アトミック/ポ ジケトピロロピロール誘導体を用いた pH リスケールテクノロジ 応答可能な近赤外バイオイメージングの ー連携研究会 最優秀 提案 2009.8.28 連携研究提案賞 第 4 回 アトミック/ポ 発光性イリジウム(III)錯体のタンパク リスケールテクノロジ 質マトリクス中への導入を基盤とする生 ー優秀連携研究提案賞 体触媒の提案 坂本直也 日本化学会第 3 回関東 支部大会学生講演賞 大環状トリスジピリンホウ素錯体の合成 とゲスト認識能 2009.9.25 長谷川裕希 日本化学会第 3 回関東 支部大会優秀ポスター 賞 置換不活性なテルピリジル白金(Ⅱ)錯 体を有する分子クレフトの合成と機能 2009.9.25 滑川友美 2009.8.28 長谷川裕希 2nd Tsukuba-Hsinchu Bilateral Symposium on Advanced Materials Science and Technology (TSAMS2009)ポスタ ー賞 Aromatic Guest Recognition of Molecular Clefts Bearing Inert Terpyridine Platinum(II) Complexes 2009.10.12 藤 第 62 回酸化ストレス 学会 優秀演題賞 ラジカル含有ナノ粒子を用いた脳虚血-再 潅流モデルラットにおける脳梗塞の抑制 2009.6.12 生体内酸性環境の可視化を目指した安定 ラジカル含有 pH 応答型キャリアの設計 と評価 2009.7.27 加珠子 吉冨 徹 久保田昌樹 角谷省吾 山崎 毅 吉冨 徹 田村知大 第 38 回医用高分子シ ンポジウム学生症例発 表ポスター発表最優秀 賞 6th The International Forum of Post-Genome Technologies, Excellent Poster Award The 4th International Symposium of Atomic Technology, The Best Poster Award 第 21 回高分子ゲル討 論会、優秀発表賞 The Oxygen Club of California,YOUNG INVESTIGATOR AWARD 第 15 回「ゲートスタッ ク研究会−材料・プロセ ス・評価の物理−」服部 賞 Completely stable streptavidin immobilized on magnetic beads in terms of thermal treatment cycles for advanced genome sequencing Enhanced Stability of Biodegradable Polymeric Micelles Encapsulating Boron Cluster for Boron Neutron Capture Therapy 経口投与型胆汁酸吸着剤としての 4 級ア ミンナノゲルの創製 -悪玉コレステロ ール抑制および善玉コレステロール上昇 効果を示す複合型胆汁酸吸着剤の設計 Design of pH-sensitive polymeric micelle possessing reduced forms of TEMPO for imaging of ROS 優秀口頭発表による 「HfSiOx 膜への Hole 注入による電荷捕獲 サイトの生成」 2009.9.18 2009.11.19 2010.1.13 2010.03.17 2010.1.23 五十嵐一泰 Young Student Award PDSTM2010 におけるポスター発表 2010.2.8 阿部雄太 ポスターセッション最 優秀賞 第 54 回物性若手夏の学校 2009.8 4.6 学会活動・各種委員など 氏名 役職など 組織 任期 神原貴樹 高分子学会関東支部理事 高分子学会 2007~ 神原貴樹 神原貴樹 神原貴樹 高分子学会年次大会運営 委員 高分子学会ポリマー材料 フォーラム運営委員 化学オリンピック日本委 員会委員 高分子学会 2009~2010 高分子学会 2008~2009 日本化学会 2007~ 神原貴樹 客員教授・兼任 東京理科大学 2009~ 神原貴樹 客員研究員・兼任 産業技術総合研究所 2009~ 神原貴樹 Chemistry Letters 編 集 委員 日本化学会 2010.1~ 鍋島達弥 部会委員(幹事) 日本化学会 生体機能関連化学部会 2005.3~ 鍋島達弥 評議員 化学・バイオつくば財団 2005.4~ 鍋島達弥 評議員 有機合成化学協会 2004.12~ 鍋島達弥 関東支部幹事 有機合成化学協会 2000.4~ 鍋島達弥 会長 鍋島達弥 非常勤講師 鍋島達弥 基礎有機化学討論会組織 員会 基礎有機化学討論会 2009.6〜 鍋島達弥 特別企画実行委員 日本化学会第 90 春季年会 (2010) 2009 鍋島達弥 平成 21 年度学術賞・進歩 賞選考委員会分野別選考 委員 日本化学会 2009 鍋島達弥 Guest Editor Supramolecular Chemistry prospective Special Issue on ISMSC 2010 2009.12〜 長崎幸夫 評議員 日本バイオマテリアル学会 2002~ 長崎幸夫 electric Journal of Materials 編集委員 日本ゴム協会 2005~ 長崎幸夫 プロジェクトリーダー・兼 任 長崎幸夫 客員教授・兼任 ホスト-ゲスト超分子研究 会 大阪市立大学理学研究科 分子制御化学特定講義 Soft 筑波大学先端学際領域研究 センター・ナノロジーアス ペクト・長崎プロジェクト 東京理科大学総合研究機構 客員教授(ポリスケールテ クノロジーセンター) 2006.1~ 2009.6.17-18 2006.4.1~ 2006.4.1~ 長崎幸夫 兼任 筑波大学大学院人間総合科 学研究科フロンティア医科 学専攻 2006.4.1~ 長崎幸夫 Reactive Polymer, Advisory Board Elsevier 2007~ 長崎幸夫 シーズ発掘試験評価委員 (独)科学技術振興機構 2007.3~ 長崎幸夫 代議員 日本化学会 2007~ 長崎幸夫 主任研究者兼任 物質材料機構 WPI 国際ナノ アーキテクトニクス研究拠 点(MANA) 2007.10.1~ 長崎幸夫 代議員 高分子学会 2009~ SEMI 国際スタンダード委 員会 シリコンウェーハ委員会 応用物理学会 薄膜表面物理分科会 応用物理学会 シリコンテクノロジー分科 会 2010 IWDTF (International Workshop on Dielectric Thin Films for Future ULSI Devices -Science and Technology-) 「ゲートスタック研究会− 材料・プロセス・評価の物 理−」 東京理科大学総合研究機構 客員教授(ポリスケールテ クノロジーセンター) 1996~ 山部紀久夫 GOI-WG コリーダー 山部紀久夫 幹事 山部紀久夫 諮問委員 山部紀久夫 プログラム委員 山部紀久夫 運営委員 山部紀久夫 客員教授・兼任 大塚洋一 代議員 日本物理学会 2007.9~2011.8 大塚洋一 客員教授・兼任 東京理科大学総合研究機構 客員教授(ポリスケールテ クノロジーセンター) 2006.4.1~ 大塚洋一 シーズ発掘試験査読評価 委員 (独)科学技術振興機構 2009 大塚洋一 領域事後評価委員 (独)科学技術振興機構 2009.10~2010.3 1996~ 1996~ 2009 2007~ 2006.4.1~ 4.7 新聞報道・特記事項他 日 付 2009.12.7 2010.1.15 新聞・雑誌名 文部科学記者会、筑波研究学園都市記者 会、科学記者会からテレビ・ラジオ・イン ターネットに。関連して、科学新聞に添付 記事の報道 報道内容 国際電子デバイス会議での発表「次 世代集積回路用高誘電率ゲート絶縁 膜材料に信頼性劣化の鍵となる新事 実」に関して、配信される。 科学新聞、他 原子と電子の超高速運動の同時計測 平成 21 年度年報 筑波大学学際物質科学研究センター Tsukuba Research Center for Interdisciplinary Materials Science (TIMS) 〒305-8573 茨城県つくば市天王台 1-1-1 University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8573, Japan URL: http://www.tims.tsukuba.ac.jp/ Phone: 029-853-4028 (担当事務) Fax: 029-853-6305
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