簡単・低コストで実現する 高強度の本人特定ソリューション CA認証強化ソリューション 導入事例 ユーザ操作性とセキュリティ強度を両立 SCSK株式会社 CA 認証強化ソリューションベースの クラウド型認証サービス構築で SaaS ビジネスチャンスが 大きく伸展 ユーザの操作性を重視 危険性に応じてセキュリティ強度を上げる CA CloudMinder の認証強化機能を選択 IT に関わるフルラインナップサービスを提供、ビジネス SCSK 株式会社 理事 プラットフォームソリューション 事業部門 IT エンジニアリング事業本部長補佐 新規事業開発室長 藤森 覚 氏 の価値創造とグローバル展開をサポートする SCSK 株式会社 では、SaaS ビジネスを展開するにあたって、顧客が懸念 するセキュリティ機能の実装に注力することになった。当 初は自社開発路線で進めたが、サービス原価抑制の観点か ら製品調査を開始。ユーザビリティを重視するにはリスク ベース認証機能も不可欠という要件を掲げ、唯一その機能 SCSK 株式会社 を搭載していた CA CloudMinder を採用。 プラットフォームソリューション 事業部門 IT エンジニアリング事業本部 エンジニアリングサービス部 IT コンストラクト課長代理 同社は CA CloudMinder をベースに CLIP IAS という名称 神園 武宏 氏 の認証基盤として採用されるなど SI を伴うビジネスにも のクラウド型認証サービスを迅速に立ち上げ、SaaS アプ リケーション導入の呼び水としている。さらには、企業内 発展し、CA CloudMinder を中核とする CLIP IAS が同社の 商談規模を拡大する糸口となっている。 SaaS ビジネスで高強度の セキュリティ実装を模索 で満たすべきセキュリティ要件として掲げていたものを全部備えて いた製品でした。グローバルな金融機関での実績も高く“まさに、 SCSK 株式会社は 2011 年、住商情報システム株式会社と株式会 これだ”と思いました。途中まで自社で開発プロジェクトを進めま 社 CSK の企業統合により誕生したシステムインテグレータだ。日 したが、Arcot が見つかった時点で、それ以上、時間や工数をかけ 常生活やビジネス環境が瞬く間に変化する激動の世の中にあって、 る必要はないと判断しました」 「夢ある未来を、共に創る」を経営理念に掲げる。IT に関わるフル 同社は、リスクベース認証以外にも、Arcot が初回のユーザ登録 ラインナップサービスを全社を挙げて推進するとともに、ビジネス からパスワード再発行までユーザ側で手続きが行え、運用プロセ の価値創造とグローバル展開をサポートしている。 スにおいて管理者を煩わせないという点も高く評価。総合的に同 SCSK がクラウド事業を展開するにあたり、見込み顧客から必ず 社の SaaS ビジネスの付加価値を高めるセキュリティ技術になると 質問されるのがセキュリティ対策だった。従来も、提供アプリケー いう判断が下せたという。 ション自体に ID・パスワード管理のようなセキュリティ機能は組み また、同社の SaaS 基盤で OEM として活用するため、システム 込まれているのだが、企業の求めるセキュリティレベルは常にそれ インテグレーションやライセンス価格を詳細に調整する必要があっ 以上だった。 たが、当時、開発・運用を担っていた Arcot 社は柔軟な対応を示 そのため、システムインテグレータである同社は、見込み顧客 した。パートナーとして信頼を置けたことも採用を決定した大きな からの要望に応えるべく高レベルのセキュリティ機能を自社開発し 要因だったようだ。 始めた。しかし、実際に着手してみると、プロジェクトは工数、コ 競争力を発揮するため、月額定額制のリーズナブルな価格で提供 Arcot ベースの CLIP IAS 展開で SaaS ビジネスが軌道に するのが身上である。そのまま突き進めば、セキュリティ機能の開 2010 年 2 月に正式に契約を締結、ただちに導入プロセスに入り、 発コストがサービス原価を押し上げてしまい、提供価格に反映さ 4 月には早くも報道発表を行い、6 月より予定どおり本稼働に入っ せざるを得なくなる危険性があった。そこで、あらためて市場に存 た。意思決定から市場投入までが非常に短期間だったが、Arcot 在するセキュリティ製品を調査することになった。 社と良好な関係を構築でき、SCSK 側のキャッチアップが早かった ストとともに予想以上に大がかりなものになっていった。SaaS は、 ユーザビリティを尊重、 リスクベース認証機能搭載の Arcot を選択 こともあり、システムインテグレーションは順調に進み、最初に立 てた計画どおり本稼働を果たすことができた。 SCSK の SaaS ビジネスにおいて、Arcot は CLIP IAS という名称 製品の選定は自社開発プロジェクトで掲げた要件定義を参考に で提供されている。高強度の多要素認証を実現するクラウド型認 進めた。最も重視したのは、市場の製品がリスクベース認証機能 証サービスとして、同社がクラウド基盤で提供する Google Apps を有しているかということだった。 や Salesforce などのアプリケーションに標準対応させた。 リスクベース認証とは、一般的な ID/ パスワード認証を強化する 特徴としては、PKI(Public Key Infrastructure)と同等レベル以 ために付加される認証技術である。ユーザのアクセス履歴や接続 上の暗号認証に加え、秘密の質問やワンタイムパスワードによる IP アドレス、PC や Web ブラウザの設定状態など、複数の要素か 多要素認証を実施しながら、ユーザ操作性はこれまでの使い慣れ ら不正アクセスの可能性を判断し、もし疑わしい場合は、追加で た ID・パスワード入力と変わらないという利点を持つ。しかし、ユー 別の認証手段を用いてあらためてユーザの認証を行うなどリスクレ ザの振る舞いをもとにリスクを評価し、疑わしいとなればより正確 ベルに応じた対応を可能とするというものである。 に本人確認を行う認証機構を提供する。 たとえば、アクセス元の地理的環境の急激な変化、アクセスに また、ユーザや認証用デバイスの管理を、導入企業で負担する 利用する端末の環境の変化などといった場合に、その危険性を定 必要がないのも大きな利点だ。ユーザ管理は SaaS 基盤上でユー 量的に計算、閾値を超えたら追加認証を実施するというものだ。 ザが自ら行える上、ワンタイムパスワードもハードウェアトークン このリスクベース認証機能の搭載を重視した背景を、SCSK 株式 は必要なく、100 %ソフトウェアベースで行える。 会社 プラットフォームソリューション事業部門 IT エンジニアリング さらに、認証サーバは SAS70 Type Ⅰ、Ⅱ、PCIDSS 準拠のデー 事業本部 エンジニアリングサービス部 IT コンストラクト課長代理 タセンタで運用されているため、高度なセキュリティが必要な企業 神園武宏氏は以下のように語る。 であっても安心して導入できる。SLA(Service Level Agreement)に 「セキュリティは厳密であるに越したことはありませんが、厳しす よるシステム稼働率の保障も行っており、数百万ユーザ単位の大規 ぎると利便性を大きく損います。SaaS サービスに付加するにあたっ 模運用も可能だ。そして、これが何より重要なのだが、料金プラン ては、ユーザの操作性を重視したいと考えていました。 がリーズナブルで、契約期間は 1 年からと、中堅中小企業のユーザ “これは怪しい”といえる不審なアクセスに対しては、その疑い 数の少ない顧客も気軽に利用できるよう配慮されている。 の程度に応じてセキュリティ強度を上げる。これが一番理にかなっ クラウドを活用する際に企業が最も懸念するセキュリティ、その ていると考え、そういう機能を実装できるか、検討しました」 不安を払拭するサービスとあって、引き合いは高かった。報道発 そうした前提から、候補になりうる製品を 2、3 抽出し、技術検 表の直後から多くの問い合わせが寄せられ、6 月の本稼働を待た 証を行った。しかし、同社が定義したリスクベース認証機能を要件 ずに導入に踏み切った企業もある。 どおり備えたセキュリティ製品は Arcot だけだった。SCSK 株式会社 近年、オフィスでインフラ的に利用するアプリケーションを社内 理事 プラットフォームソリューション事業部門 IT エンジニアリング リソースで運用する必要はないと考える企業は多くなっており、ま 事業本部長補佐 新規事業開発室長 藤森覚氏は、Arcot に着目した さにそうしたニーズを同社の SaaS サービスは受け止めている形だ。 理由を次のように語る。 グローバル展開を目指す企業からの引き合いも多くサービス開始 「まさに運命的な出会いだったと思います。自社開発を進める中 当初、なかには認証サーバの物理的拠点が海外であることを気に かける声があったものの、その中核である Arcot がグローバルな ウドサービスとして手軽に利用するというよりは、企業の情報シス 金融機関で利用されている実績を紹介すると先方の納得が得られ テム環境に合わせたシステムインテグレーションが重要になってく るケースが多いという。 る。SCSK にとってシステムインテグレーションは本業である。こう 企業情報システムの大きなエコシステムの中で CLIP IAS が貢献 した要望は望むところで、つまり、Arcot を中核とする CLIP IAS が 同社の商談規模を拡大する糸口になっているのだ。 「当初は、CLIP IAS を付加価値向上のための道具立てと考えて SaaS アプリケーションの 付 加価値を高める認証サービスとい いましたが、スマートフォン、タブレット PC の登場以来、こちらが う位置づけでスタートした CLIP IAS だったが、2011 年に入って 主役級の注目を集めるようになってきました。 CLIP IAS 単独での使用への問い合わせが増えてきた。理由はスマー また、IT 業界で展開する数々のクラウドサービスと企業情報シ トフォンやタブレット PC のビジネス活用気運の盛り上がりだ。ビ ステム、その相互が分かちがたく結ばれて構成される大きなエコ ジネスの最前線にいる企業は、こうした可搬性、利便性の高いモ システムの中で、CLIP IAS のようなセキュリティ機能を持つサービ バイルデバイスを積極的に使いこなしたいと考えている。情報収集、 スに対するニーズが高まり、果たせる役割もどんどん大きくなって 情報取得の機会が大きく広がり、それによってビジネスチャンス、 いるのかなと思います」 (藤森氏) ビジネススピードが上げられるからだ。 Arcot 社から CA Arcot になって広がった しかし、その一方で、企業情報システムの開発・運用に責任を持 ビジネスチャンス つ IT 部門にとって、スマートフォンやタブレット PC は悩ましい存 2011 年、Arcot の ポ テ ン シ ャ ル の 高 さ に 着 目 し た CA 在になっている。インターネットを閲覧するぐらいならまだしも、 Technologies が Arcot 社を取得、製品は CA CloudMinder Strong そうした外部で容易に利用できるデバイスから機密性の高い情報 Authentication として提供されることになった。当初、SCSK はテ を保持している企業システムへのアクセスを許すと、セキュリティ クノロジサポートや製品提供の体制が激変するのではないかと危 強度が落ちると懸念するためである。デバイスの有効性は明らか 惧したという。しかし、ふたを開けてみると、どちらも大きく変わ であるため、そこが IT 部門にとって大きな葛藤になっていたのだ ることはなかった。以前と同様、従来からいる米国の Arcot スタッ が、CLIP IAS を活用することによって直面していた壁を乗り越え フとコミュニケーションを取ることができ、CA Technologies もま られるというわけだ。 た、Arcot 導入の先輩である同社を尊重するとともに、単なる製 SaaS を提供する事業者は年々増加している。彼らは独自にサー 品のベンダーにとどまることなく、積極的に市場の創造、発展を ビス拠点を構築し、セキュリティも備えているのだが、顧客は数多 SCSK と取り組んでいくことを約束した。 くの選択肢の中から自社に合ったセキュリティ機能を選びたいと考 実際、提供元が CA Technologies に変わったことによって、ビジ えている。そのような際に顧客に提示できるメニューの 1 つとして ネスチャンスが広がったと SCSK は感じている。 CLIP IAS をラインナップしておきたいという声が高いのだ。 また、CA Technologies が 顧 客企 業 から寄せられる認 証 基 盤 さらに、企業内で運用している認証基盤を CLIP IAS と連携させ 関 連 の さ ま ざ ま な 相 談 を、SCSK を パートナーとして 協 議 する たい、認証基盤そのものを CLIP IAS で統一したい、といった相談 機 会 も 増 えて おり、 同 社 にとってチャネルが 拡 大した 格 好 だ。 も少なからず寄せられるようになってきた。このような場合、クラ Arcot 導入の先駆者で、技術的にも一日の長があることから、CA 図 1 システム構成図 クラウドサービス Google Apps salesforce.com など ④ 認証が済んだら、クラウド側に リダイレクト。ユーザがアクセ スできる CLIP IAS ② CLIP IASに リダイレクトする ① プライベートキーを保存した 端末で、クラウドサービスに アクセス ③ ユーザが CLIP IASの ID/PWを入力すると、 キーが送信される 企業 社内Web アプリケーション 簡単・低コストで実現する 高強度の本人特定ソリューション CA認証強化ソリューション Technologies とのパートナーシップが日増しに密接なものになって ド型認証サービスで実現可能なセキュリティサービスも増やして いる。 いく。実際、東日本大 震災発生以降、企業が BCP に注 力を入れ 始め、在宅勤務を視 野に入れた SSL-VPN 構築ニーズが 高まって 今後は SaaS メニュー、 セキュリティサービスの品揃え拡大に注力 いる。そこで確たる認証を行う手段として CLIP IAS が注目されて おり、同社も力を入れていく予定だ。その担い手の一員として CA 今後、同社は CLIP IAS を持つ強みを生かしながら、連携する CloudMinder ベースの CLIP IAS の活躍に期待が集まっている。 SaaS アプリケーションメニューを拡大するとともに、このクラウ 企業プ ロフィー ル SCSK 株式会社 産業システム事業、金融システム事業、グローバルシステム事業、ソリューション・機能事業、ビジネスサービス事業、IT マネジメント事業、プラット フォームソリューション事業の 7 事業、またこれらのセグメントの連携により包括的な IT サービスを提供するシステムインテグレータ。長年の経験やノ ウハウ、豊富な実績をもとに、IT インフラからアプリケーション開発、さらには BPO までワンストップで顧客に最適なサービスを提供する。 CA Technologies お問い合わせ 〒 102-0093 東京都千代田区平河町 2-7-9 JA 共済ビル 9F お問い合わせ窓口: CA ジャパン・ダイレクト 0120-702-600 W E B サイト: www.ca.com/jp ※記載事項は変更になる場合がございます。 すべての製品名、サービス名、会社名およびロゴは、各社の商標、または登録商標です。製品の仕様・性能は予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。 © 2012 CA and / or one of its subsidiaries. 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