平成20年度 インターンシップ成果報告書

平成20年度
インターンシップ成果報告書
JIPC
平成20年12月
特定非営利活動法人 日本インターンシップ推進協会
Japan Internship Promotion Consortium
目
次
1.平成20年度インターンシップ成果報告書 P5~P120
2.平成20年度インターンシップ成果発表会ポスター発表要旨 P121~P142
3.平成20年度インターンシップ実施学生アンケート集計結果 P143~P150
1
【成果報告書】
大学名
報告書
学生氏名
学年
大学の取り組み状況
1
2
麻布大学
神奈川工科大学
5
成果報告書
金子 拓矢
3
7
成果報告書
西
3
9
美佳里
大学の取り組み状況
成果報告書
11
宍倉
歩
3
大学の取り組み状況
3
共立女子大学
工学院大学
5
静岡大学
6
首都大学東京
7
湘南工科大学
成果報告書
田中 美起
2
17
成果報告書
前嶋 愛美
3
19
21
成果報告書
宇佐美
健一
成果報告書
佐藤 彰紘
3
23
4
25
大学の取り組み状況
成果報告書
27
森
大剛
3
聖徳大学
31
大学の取り組み状況
33
成果報告書
大川 修平
3
35
成果報告書
前田 雄希
3
37
39
成果報告書
大出 真央
3
41
成果報告書
佐々木
3
43
彩乃
大学の取り組み状況
9
専修大学
45
成果報告書
星野
健太郎
3
47
成果報告書
渡辺
幸広
3
49
大学の取り組み状況
10
創価大学
11
拓殖大学
12
電気通信大学
29
大学の取り組み状況
大学の取り組み状況
8
13
15
大学の取り組み状況
4
頁
51
成果報告書
飯星 響菜
3
53
成果報告書
酒井
2
55
亮
大学の取り組み状況
57
大学の取り組み状況
59
成果報告書
世和 麗華
2
3
61
大学名
報告書
学生氏名
学年
大学の取り組み状況
13
東京家政学院大学
63
成果報告書
豊
真理子
成果報告書
森田
しおり
3
65
3
67
大学の取り組み状況
14
東京経済大学
69
成果報告書
進藤 玲央
3
71
成果報告書
近原 弘芳
3
73
大学の取り組み状況
15
東邦大学
75
成果報告書
西村 拓海
3
77
成果報告書
喜井 祥子
3
79
大学の取り組み状況
16
17
長野大学
日本大学
81
成果報告書
三井 将之
4
83
成果報告書
劉
3
85
成果報告書
持田 真行
3
87
紅艶
大学の取り組み状況
18
明治大学
89
成果報告書
加瀬 彩絵
3
91
成果報告書
長嶋 利乃
3
93
大学の取り組み状況
19
明星大学
95
成果報告書
中村
裕美子
成果報告書
野川 育美
3
97
3
99
大学の取り組み状況
20
山梨大学
101
成果報告書
佐藤
千紗都
3
103
成果報告書
矢崎
穣
3
105
大学の取り組み状況
21
横浜国立大学
頁
107
成果報告書
新城
美奈子
3
109
成果報告書
永田
智洋
3
111
成果報告書
細川
幹子
大学院
113
成果報告書
李
3
115
22
立正大学
大学の取り組み状況
23
京都産業大学
成果報告書
117
武中
3
承妍
康浩
3
119
【インターンシップ成果発表会
大学名
ポスター発表】
報告書
学生氏名
学年
頁
1
神奈川工科大学
成果報告書
佐藤
麻衣
3
121
2
工学院大学
成果報告書
上村
剛
3
123
3
工学院大学
成果報告書
仲川
裕一朗
3
125
4
工学院大学
成果報告書
西尾
綾祐
3
127
5
長野大学
成果報告書
相馬
暁
4
129
6
長野大学
成果報告書
牧野
明子
3
131
7
長野大学
成果報告書
馬場
泰仁
3
133
8
日本大学
成果報告書
植松
希予
3
135
9
日本大学
成果報告書
元
3
137
10 横浜国立大学
成果報告書
長尾
正明
2
139
11 岩手県立大学
成果報告書
濱田
憲明
3
141
4
燦豪
麻布大学
取り組み状況
① 基本的な考え方
④ 履修学生数(平成20年10月現在)
本学では、授業科目の一環として位置付けてお
り、環境保健学部においては、平成14年度から
獣医学部動物応用科学科
85人
環境保健学部環境政策学科
51人
試行的に実施し、平成15年度からは共通科目の
演習・ゼミ・特別講義として実施している。平成
⑤ 選択、必修の区別
17年度からは獣医学部動物応用科学科におい
選択科目となっている。
ても、それまで行われていた学外での牧場実習に
加えて、開講した。講義概要については,次のと
⑥ 事前・事後教育及び成果報告会の実施状況
おりである。
1.事前(オリエンテーション)
手引書を配付して、インターンシップガイダン
1.自主性・独創性のある人材の育成
ス、インターンシップ先企業等の探し方、業界研
学生が教育機関以外の場での活動を通じて自
究、採用試験対策、ビジネスマナー等を以下(表
己を再認識するとともに、働く現場で直接業務を
1)のスケジュールにより実施した。
体験することにより、仕事に取り組む態度につい
て考える機会を与え、自律性や主体性を育成する。
動物応用科学科においては、学んだ理論と技術が
【実施スケジュール】
時
民間企業、官庁の関係領域等において、いかに活
講 座 名
期
内
容
用されているかを体験することにより、技術者と
4月
しての意識や創造性を養う。
上
ガイダンス
インターンシップの意義
実習先の探し
ハイパーキャンパスの
方
使用方法
業界研究
業界の絞り方、広げ方
旬
2.高い職業意識の育成
4月
社会体験をすることにより得られる多くの経
験を、学生生活の中に生かしながら、自己の職業
中
選択の意識を向上させる。このことにより就職後
旬
4月
の職場への適応性の向上を図ることができる。
下
旬
3.学習意欲の喚起
5月
社会体験を以後の学生生活を生かすことによ
上
り、学習意欲を喚起する契機となる。
採用試験対策
旬
② 研修内容
インターシップ協力機関との取り決めに従い、
研修先企業等で適宜行う。
5月
インターンシッ
中
プ・ビジネスマ
旬
ナー
5月
下
③ 研修期間
旬
2週間程度を目安とするが、協力機関との取り
決めにより異なる。
アテンション
エントリーシートの作
成・面接対策
言葉遣い・立振舞
学内申請書類の作成
方法
(表1)
5
2.ビジネスマナー講座
総合的に判断し評価を行う。ただし、インターン
ソーシャルデザイン研究所によるインターン
シップ・ビジネスマナー等セミナー及び成果報告
シップ・ビジネスマナー講座を履修者全員に受講
会欠席者については、単位修得を認めない。
させる。
本学では、各学部の1学科が選択科目として実
施しているところであるが、他の学科においても
3.インターンシップ希望先決定者
インターンシップを希望する学生が多いため、そ
ハイパーキャンパスによるエントリー、企業の
れらの学生に対してもインターンシップへの参
インターンシップ説明会への参加、マッチング会
加を推奨している。また、単位にかかわらず事前
への参加、インターネットによる学生自らの検索
学習等を受けた学生であれば、学長名によりイン
結果等で、希望企業・団体が決定した学生に対し
ターンシップ先に対して、依頼状を提出し、覚書
て、担当教職員が面接し、その後内容計画書を提
を締結している。
出させる。
なお、平成16年度よりインターンシップ推進
委員を置き、現在単位化されていない学科でのカ
4.事後(成果発表会)
リキュラム化の検討を行っている。本学でインタ
インターシップ報告レポート、日誌、インター
ーンシップを選択科目としている学科である動
ンシップ評価表(受入れ機関における評価を依
物応用科学科の学生の場合は、動物に関わる職業
頼)を担当教員に提出させる。インターンシップ
を希望し、環境政策学科学生の場合は、環境アセ
参加学生数が昨年度より増えたため、参加学生全
ス等の職業を希望する学生が多いため、学生の希
員からの報告ができない状況となった。このため、
望を汲んで教職員による受入機関の開拓を行っ
学科ごとに成果報告会を開催し、インターンシッ
ている。
プに参加した全学生に Power
Point 等による資
また、受入機関との事前の面談時や研修中に、
料を作成準備させ、報告会当日に学生をランダム
原則として担当教職員が受入機関に出向き、学生
に指名し、プレゼンテーションを行わせる。今年
の研修時の様子及び宿泊を伴う学生の場合は、宿
度より一部の学科においては、口頭報告形式から
泊施設の確認をしている。さらに受入機関側の要
ポスターセッション形式による報告会への変更
望等がある場合は、持ち帰って、次年度以降の実
を行った。
施計画に反映させている。なお、単位の有無にか
かわらずインターンシップに参加する学生には、
⑦ 受入協力機関数(平成20年10月現在)
学生教育研究災害傷害保険・学研災付帯賠償責任
46機関
保険に加入させている。
平成17年度より、大学自体もインターンシッ
⑧ 実務担当部署
学生部
プ受入機関としての活用を試み、大学事務局内の
就職課
各部署において、夏季限定ではあるが受け入れて
いる。
⑨ 総合評価と今後の取り組み
以上
就業体験10日以上を前提(複数企業等に参加
し、インターンシップ体験日数の合計が10以上
でも可。ただし、ワンデー・インターンシップの
み10回以上の参加は不可)とし、インターンシ
ップ先より提出していただいた評価表、レポート
と各学科主催の成果報告会において、学科教員が
6
麻布大学獣医学部
氏名:金子
成果報告
拓矢
乳製品の品質および規格に関すること・関連した
所属:麻布大学獣医学部動物応用科学科 3 年
社団法人に関することの事務である。
受入先機関名:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製
実習初日は、台湾の行政業務を行っている方々
品課
との牛乳関連行政意見交換会に出席し、日本の生
研修期間:平成 20 年 8 月 11 日~8月 22 日
乳流通・生産・取引等の技術における意見の交換
を行った。翌日からは乳業班での作業であり、各
1.目
的
乳業メーカーにおけるLL(ロングライフ)牛乳の
現在、日本の糧自給率は約 40%である。このよ
生産動向に関する資料を作成した。
うな中、原油価格の高騰に付随して飼料価格も高
騰している。そのため、畜産業は困難に直面し、
酪農業では廃業しなければならないような現状
になりつつある。そう考えた時、1・2 年次に牧場
実習を経験した、牧場経営者(主に乳牛)の現状が
思い出され、温暖化も進む中、今後の畜産業がど
のようになっていくかを自身の目で確かめるた
め、日本の農業を取りまとめる省である農林水産
省を訪れた。
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_gyunyu/080829.html
大臣官房
…………………
総合食糧局
…………………
消費・安全局
…………………
実習中、1日だけ生乳班にて、生乳生産費用等
の価格変動に関する資料を作成した。2週間目は、
畜産企画
経営局
畜産部
乳業再編関係資料作成の補助として、各乳業メー
牛乳乳製品課
カーの1日における生乳処理量についての補助資
食肉鶏卵
…………………
競馬監督課
農村振興局
林野庁
農 林 水 産 省
生産局
畜産振興課
料や各乳業メーカーの所在地図作成を行った。ま
…………………
た実習期間中、他の課において、私が以前から興
…………………
水産庁
味のあった地球温暖化に関するレクリエーショ
ンの機会を取って頂き、今後、温暖化が進行する
…………………
につれて農業全体がどのようになっていくかを
農林水産省配属部局組織位置関係図
ということ、そして現在注目され始めているバイ
オ・エタノールや飼料米についての講義もしてい
2.研修内容
ただき、牛乳乳製品だけでなくそれ以外の多くの
研修内容
ことを学ぶ機会となった。その他、省外に連れ出
作業としては、牛乳・乳製品の流通、品質・規
して頂き、日本酪農乳業協会(j-milk)や農畜産業振
格等に関する事務の補助であり、それらに関する
興機構(ALIC)の業務概要説明、そして乳業メーカ
データの整理であった。私は乳業班という班に所
ーが連携して一つのブランドを開発・普及してい
属させて頂いた。乳業班の仕事は、乳業の合理
くための検討会に出席し、行政だけではわからな
化・牛乳乳製品の処理および製造技術の改善・牛
い、実際に国民の現状を知っているメーカーの
乳乳製品の生産、流通、消費の調整と改善、牛乳
方々の意見を直接聞くことができた。
7
3.研修の結果得たもの
がわかった。その影響もあり、インターンシップ
現在、日本では年々酪農家の廃業が後を絶たず、
後には自分の発言や行動に責任を持つことがで
これには多くの原因が存在している。今一番深刻
きるようになり、今後の社会活動において役に立
なのは、家畜(乳牛)を買うための穀物価格が上昇
つ本当に貴重な時間を持てたと思いました。
していることであるが、その他に原油価格が上昇
農林水産省が掲げている、私たちの生命を支え
したり、生乳の取引価格が100円程度/kgと安価で
ている食の安全・安心を守るために、食料の安定
あり、それに対する見返りが少ないということも
供給やルールづくり、地域活性化等を行うことと、
関係しているのではないかと思った。さらに、国
安心して暮らせる環境を未来の子どもたちに継
内では牛乳離れが生じ、牛乳を飲むよりは他の飲
承していくことを使命として、時代の変化を見通
料で一日に必要なカルシウム等を補えば良いの
して政策を提案しているということが、研修を通
ではないかと考える人々が増加しているそうだ。
して実感することができました。
インターンシップでの資料作成を通して、このよ
また、2週間という短い期間でしたが、全く知
うな問題を再確認することができ、大学では習う
識のない私に熱心に指導していただいた方々に
ことのない自分の知識をより深めることができ
感謝している。大学のOB・OGの方にも合わせて
ました。
頂き、就職のノウハウも聞くことができ、とても
良い実習となった。
今回このような機会を与えて頂いた大学の先
国内の増加傾向
生方、お世話になった農林水産省の方々に深く感
謝いたします。どうもありがとうございました。
牛乳離れ
以上
他で必要なカルシウム等を補えば良い
4.研修の感想
実際に作業をしていく中で、まだ未公開である
生のデータを扱うことやそれをまとめたものを
公表することの難しさがわかった。やはり、国の
仕事である以上、信頼性の高いデータを公表する
ことが重要であり、それをみて「国民が納得でき
る文書作成をしなければならない!」と思った。
そのために、まず係長から班長、課長といったよ
うに、多くの人の許可(クリア)を取って、やっと
公表できる文書になっていくことを目の当たり
にし、1つの文書を作成することの難しさを感じ
た。また、班分けされ、さらに個人毎で内容の異
なった仕事を受け持っているので、各自責任を持
って仕事をこなさなければならないということ
8
麻布大学獣医学部
氏名:西
成果報告
美佳里
を体験する。私は入社四年目の社員さんに同行さ
所属:麻布大学獣医学部動物応用科学科3年
せていただいた。担当の地区には病院はなくクリ
受入先機関名:大日本住友製薬株式会社
ニックのみの訪問であり、その日は2社の卸業者
研修期間:平成 20 年8月 19 日~8月 22 日
とクリニックをまわった。前日のグループワーク
で話し合った質問をさせていただいたり、自分で
1.目
的
疑問に思ったことをその場で気兼ねなく聞くこ
大学の講義がきっかけで医薬品業界に関わり
とができた。実際の医者との会話の様子を間近に
たいという気持ちが強くあり、なかでも製薬企業
みることができたし、最も実のある研修であった。
と医者の重要な橋渡しとなるMRに興味をもっ
2.3.同行研修報告、内定者インタビュー
ていた。大日本住友製薬でのインターンシップで
同行研修の内容をそれぞれがパワーポイント
はMR同行研修があり、実際の仕事を拝見するこ
を使って発表する。決められた時間内で簡潔にわ
とが出来るプログラムであった。このさき就職活
かりやすく発表するのはとても難しかった。その
動をしていくうえでのMRという職業のイメー
後内定者の方々と話をする機会を頂いた。社員の
ジを明確にし、また自身のMRへの適正を計るこ
方が席を外すなどの考慮もあり、就職活動に関し
とを目的とした。
て色々なことを聞くことができた。
2.4.社員インタビュー、インタビュー内容発
2.研修内容
表
2.1.会社説明、ビジネスマナー、グループワ
2人ずつのチームに分かれ、営業(MR)以外
ークほか
の部署の方々に話を聞く。私はマーケティング統
研修初日は東京支社で簡単な自己紹介の後、会
括部メディア戦略グループの社員の方にインタ
社説明、ビジネスマナー、グループワークを行っ
ビューをした。MR以外の仕事に関しては全く知
た。翌日のMR同行研修の準備でもあり、ビジネ
識がなかったのでとても新鮮であった。各チーム
スマナーでは名詞交換の方法や一般常識を実際
一時間でパワーポイントを作成し、内容を発表し
に体を使ったクイズ形式で学んだ。グループワー
た。
クでは2チームに分かれ、MRの印象やMRに聞
いてみたいことを出し合いそれぞれの担当MR
に質問し報告会で発表することにした。
(同行させていただいたMRの方への質問)
2.2.MR同行研修
3.研修の結果得たもの
本インターンシップのメインといえるプログ
今回のインターンシップを通して、元々持って
ラム。参加者一人ひとりがそれぞれの営業所に配
いたMRという職業へのイメージと一致すると
属され、その日一日同社のMRに同行しその仕事
ころもあればそうでないところもあり、色々思う
9
ところはあったが結果として研修前と比べより
生物資源科学部など多方面であったが同じ思い
一層MRへの憧れが強まった。社員の方々との会
で集まったということもありすぐに友好が深ま
話の中から、これから自分がどのようなことを考
った。お互いに意見を言い合ったり、刺激し合え
え、意識して生活していくべきかがおのずと見え
る仲間たちとの出会えたことも今回得たものの
てきたので、常にそれを心に留めながら残りの学
一つである。
生生活を送るよう心がけたい。たった四日間のイ
ンターンシップではその職業のことも企業のこ
とも、業界のこともすべて理解はできないだろう。
しかし0ではなくなった。積極的に行動し、経験
し、知ることの大切さを学んだことが今回私が得
た最も大きなことであったと思う。
(私が感じた大日本住友製薬)
最後にこのような機会を与えていただいた大
学の先生方、お忙しいなか貴重な時間を割いてく
ださった大日本住友株式会社の方々に深く感謝
いたします。どうもありがとうございました。
(まとめ:インターンシップで得たもの)
以上
4.研修の感想
プログラム内容がとても濃く、企業側の配慮が
とても感じられたインターンシップであった。特
にMR同行研修はなかなか体験できないことだ
と思うので貴重な機会であったと思う。就職活動
をするにあたって、業界、企業研究というのは重
要であり、見聞きするのと実際に体験するのでは
大いに差が出るだろう。またインターンシップを
終えてさらに職業に対する憧れが強まったとい
うのは、私にとってとてもプラスに働くはずであ
る。また今回はMR以外の製薬会社でのお仕事に
ついてもお話を伺うことができ、これは製薬業界
のみならず他業界にも通じる経験であった。グル
ープワークやパワーポイントを用いての発表は
これから本格化する就職活動や、社会人になって
からも役にたつ知識なので生かしていきたいと
思う。
参加者は私を含め10名おり、薬学部や農学部、
10
神奈川工科大学の取組み状況
①
基本的な考え方
教員を配置している。学生の受入を快諾していた
工学部、創造工学部、応用バイオ科学部の6学
だいた場合,特に初回は担当教員が事前にお伺い
科と情報学部3学科が実施している。基本的な考
して実習内容等を確認させていただいている。ま
え方及びねらいは次のとおりである。
た、インターン学生に対する企業の要望等を伺っ
て対処することを予定している。
1) 自主性,創造性のある人材育成
企業等における一定期間の就業体験をとおし
5) インターンの事例としては,次のようなもの
て,工学・情報・技術のさまざまな側面に触れ,
を想定している。
技術者としての意識,自主性,創造性を養う。
研究実験,設計製図,システム開発,プログラ
ム開発,オペレーション,各種調査の補助。イン
2) 高い職業意識の育成
ストラクター,管理資料等の作成,集計業務等。
学生の専攻分野が産業界でどのように活用さ
れているかを体験的に学習することにより,卒業
③
研修期間
までの学習目標が定まり,高い職業意識を育成す
学生の夏期休暇期間(8月上旬~9月中旬)内
ることが可能となり,責任感・自立心が形成され
で,会社側の都合の良い2~3週間を設定してい
て、社会人として巣立つための準備に役立てる。
ただく。また、学生との合意の下に 1 ヶ月間とい
う場合も認めている。
②
研修内容
1) インターンシップは学部3年次生及び大学院
④
履修学生数
生を対象としており,専門的な知識・能力等必ず
年間の履修者数は全学で40名程度である。た
しも十分とはいえませんが,可能な限り会社の実
だし,マッチングなどを経て実際にインターンシ
務を経験させていただくよう会社側にお願いを
ップを実施する学生数は学部、大学院生合わせて
している。
年間30名程度である。1 社あたりでは1~5名
程度の範囲で受入可能な人数を決めていただい
2)
インターン学生には,受け入れ当初に
ている。
半日程度の説明をお願いしている。内容としては,
会社全体の組織や業務についての概要説明,社内
⑤
選択,必修の区分
工学部、創造工学部、応用バイオ科学部では1
や工場など職場の見学等です。
999年度入学生カリキュラムから専門科目と
3)
して,3年次の選択2単位科目として位置づけた
見たり,体験したりする機会を多く与
正規の科目である。実施は2001年度からであ
えていただくようお願いをしている。
り,卒業所要単位として認定している。また、情
4)
報学部では2004年度入学生カリキュラムか
大学では個々のインターン学生に担当
ら同様に全学科カリキュラムに専門科目として
配当した。カリキュラムとしては今年度から応用
バイオ科学科が加わり9学科の実施体制となっ
た。
11
⑥
事前・事後教育および成果報告会の実施状
成果等について発表する)
況
12月上旬:日本インターンシップ推進協会の
大学入学時のオリエンテーションから科
インターンシップ成果発表会等に
目の説明をし,3年次のオリエンテーショ
て発表することがある。
ン,履修登録を経て,以下のとおり事前・
事後の指導を行っている。
⑦
受入れ企業数
今までお世話になった会社等 132 社、キャリ
ア就職センターが意向調査を行い受入可
4月中旬:オリエンテーション時に説明会を開催、
能性のある会社数 446 社。
インターンシップ準備講座
5月上旬:第1回レポート提出(テーマ;インタ
ーンシップで何をしたいか,A41-2枚,
⑧
ワープロ原稿)
1)学務部教務課
実務担当部署
TEL:046-241-1213
FAX:046-242-3529
5月中旬:グループディスカッション(第1
回レポートをもとに 10 名程度の
e-mail
2)キャリア就職課
グループ)インターンシップ準備講座
[email protected]
TEL:046-291-3036
FAX:046-241-1215
講座終了(全 4 回)
e-mail
6月中旬:第2回レポート提出(関連出版物を読
[email protected]
んでの小論文,A4,1-2枚,ワープ
ロ原稿) 社会人キャリア力育成検定、
⑨
総合評価と今後の取り組み
2001年度からインターンシップを開
インターンシップマッチング会(本
始し、毎年増減はあるが本年度は31名の
学)
6月下旬:インターネット等による企業検索,ま
学生が実施した。終了後は一皮向けて社会
た,学内キャリア就職センターのイン
人としての自覚や新たな学習意欲を感じさ
ターンシップ受入企業を公開する。
せる。成果発表会では,緊張しながらも堂々
とプレゼンテーションを行うことにより、
7月下旬:履修学生は応募企業を決定。担当教員
新たな達成感を得ている。
は各応募先企業に出向き詳細を確認
(実施内容,現場責任者,評価方法,
全学的な実施となり参加者が増えた。学生は,
報告書)し,契約書を取り交わす。
履修の段階では大勢が登録するが,マッチング
また、参加全学生を対象とした
が成立しない為、途中であきらめる学生も多い。
マナー講座を実施(出席を義務
学生の強い意思と同時に指導教員の熱意が大
づける)
。
きく作用するように感じられる。
以上
8・9月:実施。担当教員が可能な限り実施企業
先を訪問する。
9月下旬:履修学生は第3回レポート(インター
ンシップ実施の成果報告書)を提出す
る。担当教員は企業からの報告書の受
理し,挨拶状を送付する。
11月初旬:成果発表会(工学部、創造工学部、
応用バイオ科学部)の開催 (参加学
生全員がインターンシップ実施内容,
12
神奈川工科大学工学部 成果報告
氏名:宍倉
歩
マヨネーズ瓶に分け、そのうち1つを数日間低
所属:神奈川工科大学工学部応用化学科
温保存した後、溶解状態を確認した。
応用化学科3年
受入先機関名:日本化工塗料株式会社
2-2.アルキド樹脂との相溶性確認試験
研修期間:平成 20 年8月1日~8月 29 日
アルキド樹脂
塗料
UV樹脂、溶剤
添加剤
溶解性確認
塗膜の硝子板への
1.目的
相溶性を確認
これから社会人になるにあたって現在の自分
に足りない点を見出そうと思った。
研究・開発職は自分に合っているのかを検討し、
また大変な点、やり甲斐を知ろうと思ったのでイ
Ⅰ.溶解性試験
アルキド樹脂、UV 樹脂、添加剤が溶剤に溶解
ンターンシップを希望した。
しているかを確認した。
Ⅱ.相溶性試験
2.研修内容
塗膜の硝子板への相溶性を観察した。
2-1.樹脂溶解性確認試験
溶剤
塗料
樹脂
蒸着適性の判
常温
にて
保存
UV照射
低温
アルミニウ
ム蒸着
にて
保存
Ⅲ.UV 照射
UV 照射機で塗膜に 3000mJ/cm の UV を照射
し、樹脂化した。
樹脂が溶剤へ溶解しているか確認する試験で
ある。全て溶解したら、出来上がった塗料を空の
13
Ⅳ.蒸着適正判断
4.研修の感想
アルミニウムを蒸着し、太陽光源下にて蒸着適
16日間という研修期間は思っていたよりも、
正を判断した。
ずっと短く感じた。時間がないと思う事や、やり
直したいと思う事、もっとやりたいと思う事が
2-3.引火点測定実習
多々あった。
また各々の部署や工場では仕事内容が全く異
なっているのに、強い連帯感を感じた。
サンプル
密閉式
研究や開発の仕事に就いてみたいと考えてい
塗料
引火点
たので、本研修で実際に仕事に携われた事は、良
測定機
い経験になった。
以上
引火点を確認
引火点を測定する。尚、引火点は消防法に関連
している。引火点は高いもの程、安全であるとい
うことになる。
本実習では、引火点 21℃未満の第 4 類第1石油
類の塗料を測定をした。
3.研修の結果得たもの
現在の自分に足りない点が見えてきた事であ
る。私は効率良く作業していくのが苦手である事
に気付いた。思っていたより自ら行動を起こす事
が出来ず、改善の意識を常に持って行動する必要
性を感じた。
企業での製品開発のごく一部に触れてみて、一
つ一つの製品を開発していく過程で多くの時間
と労力が必要である。更に一人一人の顧客のニー
ズに合わせながら製品を生産する事の大変さを
感じながらも、やり甲斐がある仕事だと感じた。
ま た 実 際に 働 い て いる 様 々 な 部署 の 社 員 の
方々を間近に見る事が出来、仕事に対する責任感、
熱意を実感する事が出来た。また、様々な社員の
方々から、大学の先生方や先輩方とは異なったア
ドバイスを頂く事も多々あり、普段の生活からで
は出来ない経験が出来た。
14
共立女子大学
取り組状況
①
国際学部・国際文化学部
基本的な考え方
⑥ 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
インターンシップ実施において最も重視す
事前:3 月下旬、単位認定対象となる2、3
るのは、学生が社会経験を通して責任感を身に
年生に対してガイダンス。4月末、インターン
つける点である。学生生活と異なり、企業や団
シップ希望調査票提出者への説明会。80 名余り
体等で組織の一員として働くことは、身勝手が
が調査票を受け取り、関心は高かったが、実際
許されない。一人でも責任を果たさないと、他
に調査票を提出した学生数は 18 名ほど。その
の人々そして組織全体に迷惑がかかることを
後各担当教員が個別面談を行い、希望企業の確
実感すれば、学生生活に戻っても自らに厳しく
認や注意事項の伝達に努め、マッチングに必要
なり、勉学に臨む姿勢も変わってくると期待さ
な履歴書・その他の文書の書き方を指導。7月
れるし、事実その成果が確認されている。また、
に JIPC から派遣された JAL アカデミーの専門
この責任感によって、疑問点を放置せず、進ん
講師によるビジネス・マナー講習会を実施(イ
で質問したり、調べたり、さらに新たな提案を
ンターンシップを行わない学生にも開放、多数
したりする積極性や自主性も涵養される。その
出席)。
中で将来を展望し、職業に関しても真剣に取り
事後:9月末締切で、インターンシップ報告
組む態度が育成されるものと考える。
書及び日誌の提出を義務付け、10 月 9 日それに
基づいて口頭発表・質疑応答からなる成果報告
②
研修内容
会を行った。インターンシップ実施の学生、お
受け入れ企業・団体それぞれのプログラムで
よび担当教員、就職進路課担当職員は出席。そ
実施。
③
の他、関心ある学生たちが参加した。
研修期間
⑦
8月1日から9月 21 日までの夏季休暇中に
受入企業数
株式会社 OCL(1名受け入れ)、株式会社学習
実施。続けて2週間、実働 10 日(または 11 日)
研究社(1名※JIPC 未加入)、スカイビルサービ
の場合があった。また、夏季休暇中から 11 月
ス株式会社(3名)、リアルウェーブ(1名)の
末までで実働 10 日(60 時間以上)の場合もあ
4企業。
った(1社のみ)。
⑧
④
履修学生数
実施担当部署
国際学部・国際文化学部インターンシップ委
単位認定対象の学生は6名(3年2名、
員会(専任教員4名)と就職進路課。
2年4名)。
連絡先:真正節子(インターンシップ委員会
委員長)研究室 03-3237-1927、あるいは国際学
⑤
選択、必修の区別
部助手室(担当助手 瀬戸絵里奈・船山美穂)
選択科目であり、必要な条件を満たした学生
03-3237-1289(Tel)、2881(Fax)。
に2単位が認定される。
15
⑨
総合評価と今後の取り組み
昨年度に引続き、企業・団体のマッチングに
関しては、就職進路課のサポートに拠るところ
が大きく、減少した教員数を補った。一方、教
員は履歴書の書き方や作文の指導に力を入れ
ることが出来た。従って、実施できた学生は、
本命とする企業に受け入れられ、満足度も高か
った。しかし、当初希望調査票を提出した学生
が 18 名、しかし実施した学生は6名となって
しまった。
ガイダンスに出席の学生数約 80 名、希望調
査票提出の学生数 18 名。この落差は、JIPC の
ホームページを知り、個人的に応募する学生、
それを受け入れる企業が少なくないことも一
因と思われる。また、応募した学生が実習の日
数や日程、時間数と合わないなども諦めた原因
であった。学生の意識の問題については、2年
次では、全体的にはまだ自覚が乏しく、3年次
に入ると実際の就職活動に浮き足立つ学生が
多いため、興味はありながらも、インターンシ
ップに取り組む精神的・時間的余裕がない。さ
らに、夏季休暇中は、アルバイトで纏まった収
入獲得を目指す学生も少なくない。
昨年も記したが、JIPC の登録企業・団体・官
公庁が多様性に欠けるという声も未だに聞か
れる。他方、JIPC 以外の企画に参加した企業で
単位認定がされるべきかどうかが今後の課題
の1つである。
最後に、いろいろな面で幼さを残す学生たち
を受け入れ、丁寧に指導し、評価を出してくだ
さった企業には、心から感謝の意を表したい。
この体験による学生たちの成長は、学内の成果
報告会にも如実にあらわれていたと思う。
以上
16
共立女子大学
氏名:田中
成果報告
美起
所属:共立女子大学
容だった。4日目にあたる8月30日は、個人起
国際学部2年
業を支援する第一段階として開催される、ビジネ
受入先機関名:株式会社 OCL
スプランや企画書作りに対するセミナーであっ
研修期間:平成20年8月22日(金)~9月1
た為、会場での受付や昼食、懇親会の会場手配な
6日(火)
ど事務的なことを行った。また、実際にセミナー
10日間
に参加した皆さんのビジネスプランに対する考
1、目的
えを述べさせてもらう機会に恵まれた。6日目の
インターンシップに参加しようと思った理由
9月5日は、様々なセミナーの開催を会員のみな
は3点ある。まず初めに、一般的には人々に知ら
らず一般の方へも知らせる為に、いろいろなサイ
れていなくても、実はとても高度な技術を駆使し
トに企業登録する仕事をした。8日目の9月11
た企業や、奇抜なアイデアを用いてビジネスをし
日では午後から大東文化大学を訪問し、元学生で
ている中小企業の存在があったからだ。実際にイ
あった方が大学を通し地域と連携した、新しいビ
ンターンシップを通して経験しながら、そういっ
ジネスについて勉強させていただいた。学生と高
た企業に対する知識を高めたいという思いがあ
島平に住む団地の住民が共に行っているという、
った。第二に、そういった企業でも、現在最も目
子供への絵本の読み聞かせ会を見学した。また実
覚しく進歩しているIT企業を志望することに
際にこのビジネスを興した方から直接話を伺う
より、IT企業の現状や将来の姿を把握したいと
ことができた。最終日の9月16日では15時よ
思っていた。そして最後に、実際に働くというこ
り私が考案するブジネスプランのプレゼンが行
とを経験することで、自己管理能力を高め、責任
われた。私は携帯電話を利用した、地図に関する
感を養うことを自分自身の課題としていた。特に、
情報検索サービスを提案させていただいた。前日
自分自身ではあまりなじみのないPCを用いた
から構想を練り、新しいビジネスを興すにあたり、
ビジネスを展開している企業にインターンシッ
同じようなビジネスを展開している他の企業を
プ活動を行うことで、今まで持っていたPCに対
PCで調査したり、サービスの提供方法を考えた
する嫌悪感の払拭とともに、様々なことに対する
りした。
見識を高め、自分の得意分野につなげることが大
きな狙いであった。
2、研修内容
3、研修の成果
研修期間は短く10日間であったが、私自身の
私の最大の成果は自分自身の欠点を把握する
希望を最大限考慮した研修内容であった為、大い
ことができたところである。時間に対する考え方
に満足することができた。就労時間は10時から
が大きく変わり、遅刻は信用を失ってしまう大き
18時までだった。
な問題だということが分かった。また職場の雰囲
初日は8月30日に行われる企業が主催
気づくりの重要性も理解することができた。この
する個人起業家向けのセミナーに関する理解を
会社では毎朝10時から30分間、朝会があり、
深めることと、企業が作成しているファッション
そこであった最近の良い出来事や個人で考えた
ブログの運営に関する問題点を書き出した。
ビジネスアイデアを発表する。全く仕事内容に関
2日目からは、ファッションブログや企業のスタ
係しない事柄であっても、互いを知り合うことが
ッフブログに記事を掲載することが主な仕事内
仕事のモチベーションにもつながると感じた。ま
17
た、様々な職種、年代のかたと触れ合うことでコ
めていらしたので、たくさんの事を考えるきっか
ミュニケーションの重要性を感じた。
けができた。私が学生としてのビジネスにおける
メリットとは何か、私の学校で行うことのできる
ビジネスは何かなど普段考えようともしなかっ
4、研修の感想
たことを深く考える習慣ができた。何より四ツ柳
私にとって大きく印象に残っていることが2
さん自身が、私のビジネスプランや構想について
つある。9月11日の大東文化大学の学生が興し
否定することが一切なかった為、とても気持ちよ
たビジネスを知ったことと、こちらは研修ではな
く且つ刺激的にインターン生として過ごすこと
いが、9月2日の午後に行われたセミナーへの参
ができたと思っている。10日間という短い間で
加である。
はあったが、そこから学んだことはとても貴重で
まず大東文化大学でこのビジネスを考えた方
あり、大切なことばかりであった。色々ご迷惑を
は、私が予想していた以上に若い方だった。また
おかけしましたが、有難うございました。
現在は同大学の職員となっているが1年前まで
は私と同じ大学生であり、そのときから既に学生
以上
と地域の住民を結ぶ新しいビジネスのあり方を
模索していたという。ただ安穏と大学生活を迎え
ていた私にとっては、2つの点で大きな衝撃であ
った。1つはもちろん、同じ年代であっても、彼
女は自分を取り巻く状況を考え、変えていこうと
努力する姿に感動したこと、そして、ビジネスと
はいっても私の考えていたそれとは違い、彼女は
地域を活性化するといった、より多角的な目線で
考えていたことだ。このビジネスで彼女は、大学
教授や住民の方々、そしてビジネスの展開の仕方
を学ぶ為に、起業して成功している方など様々な
方々とお話しされてきたという。そのため、とて
も幅広い視野を持ち、新たな視点で次のビジネス
を考えていた。彼女に会ったことは、私のライフ
プランや信念といったものを大きく揺り動かす
ような衝撃的なことだった。
2つ目は、たまたまその日にちが空いていたこ
とで、起業に対するセミナーを見学することがで
きた。代表取締役の四ツ柳さんのお話を聴講し、
そのあとで私自身も実際に色々な職種の方とお
話を伺ったり、意見を交換する場が持てた。その
時に私が学生であるということを告げても、皆さ
んが決して態度を変えずむしろ学生の目線を知
りたいと興味を持って下さり、とても感動した。
四ツ柳さんもいつも私の仕事に対して、またビジ
ネスプランを考える上で学生としての意見を求
18
共立女子大学
成果報告
氏名:前嶋愛美
所属:共立女子大学
科
運ぶことも大切な業務内容です。直接お客様と接
国際文化学部
国際文化学
することの多い業務なので、私自身の行動にも、
3年
お客様の行動にも注意を払って取り組みました。
受入先機関名:スカイビルサービス株式会社
パントリー業務では、食器類の洗浄を行い、洗
研修期間:平成 20 年 8 月 4 日~9 月 2 日
い終わったらホールスタッフが運びやすいよう
にラックに入れます。ラックにグラスを入れる時
1.目的
に、破損している食器はないか、汚れが残ってい
私は航空関係の職に憧れを持っています。その
る物はないかなどに注意します。他に、ピッチャ
ため空港でインターンシップが行えるという点
ーを使用し提供しているジュース類を作ること
にひかれました。空港で接客を体験することで、
や、ホールで補充しやすいよう、ナッツを箱に詰
接客業の大変さや難しさ、どのような心遣いが求
めたりすることもパントリーの仕事のひとつで
められるのかを学びたいと思い希望しました。ま
す。ホール業務と違い、人目につかない作業では
た、インターンシップを通じて、状況にあった接
ありますが、パントリーが機能していないとホー
客を知り、さらに自分で考え行動できるようにな
ルも完璧に保たれないので、効率的に動けるよう
りたいと思いました。そして、インターンシップ
テキパキと取り組みました。
を経験することで自分をよく理解し、自分のこと
この他に、乗り継ぎ実習と受付実習を経験させ
をよく知るということが目的のひとつでした。
て頂き、キャビンアテンダント懇談会という時間
も用意して頂きました。
乗り継ぎ実習では飛行機から降りてこられた
2.研修内容
お客様をお迎えし、お声掛けをし、乗り継ぎをさ
受入式
れる方に案内をすることが主な業務内容でした。
業務前に受入式があり、そこで接遇マナー講習
他にも質問をされるお客様にお答えすることも
を受け、ANA の経営理念や顧客満足についてと、
重要な業務でした。
受付実習では ANA ラウンジの受付を経験させ
主な業務内容を教えて頂き、施設見学をさせて頂
きました。
て頂きました。業務内容はお客様へのあいさつを
通常業務
し、ANA ラウンジは限られたお客様しかご利用
私の場合は週5日、遅番の午後4時~8時の勤
いただけないラウンジなので、お客様が利用対象
務でした。業務内容は主に ANA ラウンジ内での
顧客であるか入室確認を行いました。
ホールサービス業務とパントリー業務です。
ホール業務は、お客様にラウンジを快適にご利
用頂くためにラウンジ内の環境を良好に保つ業
3.研修の成果
務です。お客様へサービスの案内をし、ストック
インターンシップに参加したことで、たくさん
の補充をし、サービスカウンター周辺を常に完璧
のことを学び、自分自身いろいろな点で成長する
な状態にしておくことを主に行います。また、空
ことができたと思います。接客という仕事をする
いている席をきれいな状態にし、お客様の忘れ物
上で必要なこと、社会人として大切なことを知る
などがないか確認しま
ことができました。
す。使用済み食器をワゴンに乗せ、パントリーに
接遇を通して人のことを思い、行動することの
19
重要性を知りました。どんなに些細なことでも相
いたことを「良くなったね」と言って頂いた時は
手の立場に立ち、どうしたらより快適に過ごせる
とてもうれしかったです。また、お客様から「あ
のか考え業務を行いました。お客様だけではなく、
りがとう」と一言頂けるだけでとてもうれしく感
一緒に働くスタッフ同士のこともお互いに思い
じました。
やることがとても大切でした。また、優先順位を
接遇という仕事の難しさや工夫、楽しさややり
考え、効率的に仕事をこなせるよう常に考えて行
がいを知ることができ、とても充実した一ヶ月間
動を取ることが大切だと感じました。
を過ごすことができたと思います。また、普段の
いろいろな状況があり、その状況に応じてどん
生活から欠点を克服するポイントが多くあり、今
なサービスが適切なのかを考えて行うことはと
から直していけるので、積極的に行っていきたい
ても難しかったですが、「相手のことを思えばで
と思います。インターンシップを通して経験した
きる」と教えて頂き、改めて人のことを思いやる
こと、感じたこと、学んだことをこれからの大学
ことの大切さを知りました。
生活や就職活動に活かしていこうと思います。ま
人と接する時にも言葉遣いや、話し方、表情な
た、人として成長できた部分も多くあると思うの
ど大切なことがたくさんあることを知りました。
で、この1ヶ月の貴重な経験ができたことをうれ
同じことを伝えるにも言葉を選び、クッション言
しく思います。
葉を用いるなどここでも思いやりの心が重要で
した。また、社会人として、感情をコントロール
し、常に 100%の状態で業務に取り組まなくては
ならないということを学びました。また、常に勉
強し、お客様の質問に答えられるようにしなくて
はならないということを痛感しました。
毎日業務を行う中で、最初はなんとか行ってい
た仕事を「明日はこうしよう」とか「こうした方
がもっといいかな」などと考えられるようになり、
視野を広げることができたと思います。
4.研修の感想
最初は接客の仕事の経験がなかったために不
安がありました。でも自分に自信を持って業務に
取り組むことが大切で、自信を持つためには努力
して、知識を増やすことが大切なのだと実感しま
した。自分に自信を持つと、自然と笑顔を出すこ
とができ、自信を持ってお客様にお答えすること
ができると知りました。
また、インターンシップを行ったことで、自分
の欠点や良点を知り、より良くするためにどうす
べきなのかがよくわかりました。期間中に、注意
して頂いたこと、褒めて頂いたことはどちらも自
分のためにプラスになりました。注意していただ
20
工学院大学
取り組み状況
① 基本的な考え方
⑤ 選択、必修の区別
本学はインターンシップをカリキュラムの
専門教育科目に位置づけられており、選択科
一環として位置づけており、工学部第 1 部お
目および選択必修科目となっている。
よび第 2 部全学科の専門科目「学外研修(2 単
位)」として開講している。
⑥ 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
基本的な考え方及びねらいは、次のとおり
である。
事前(オリエンテーション)
○インターシップの手引を配布して、インタ
本学の学外研修は、工業技術の現場におけ
ーシップの目的とねらい、全体のスケジュー
るさまざまな現象・実態を認識し経験する過
ル、受講上の注意、研修中に作成すべきもの、
程を通じて、
「指導的技術者として必要な人間
研修中の注意事項等について説明する。
性の陶冶」と「実践的技術感覚を体得させる」
○指導教員が面談を行い、参加の心構え、文
ことを目的とし、また,協力企業の現場で活
章の添削指導等を行う。
動する人々と交わり、現場監督者の監督のも
○ビジネスマナー研修(90 分)を、参加学生
とに実務に従事し、何らかの実績を受入側に
全員に受講させる。なお、希望者には実践編
も留め、その中から得られた成果を研究活動
の研修も実施(人数制限あり)。
に活かし、自己の経験を将来の職業選択への
基礎的認識とするとともに、技術の創造的展
事後(成果発表会)
開に大きく役立たせるものである。
○インターシップ報告書および日誌の提出
を義務付け、成果発表会では参加した全学生
が Power Point 等のプレゼンテーションツ
詳しくは、下記のホームページを参照。
http://www.kogakuin.ac.jp/internship/index
ールを使用して発表する。
.html
なお、発表については教員が指導を行う。
○お礼状の書き方を指導する。
② 研修内容
研修先企業等との取り決めに従い、インター
⑦ 受入協力機関数
シップを研修先機関で行う。
113機関
③ 研修期間
⑧ 実務担当部署
2週間~4週間程度
教務部新宿教務課
④ 履修学生数
⑨ 総合評価と今後の取り組み
188人
本学では、各学科系列にインターンシップ
委員および指導教員(複数)を置き、インタ
ーンシップの参加を申し出た学生に対する個
別の面談を通じて、学生の希望を汲み取り、
受入先機関とのマッチング作業を行っている。
21
また、受入機関との事前の面談時や研修中
に、原則として指導教員が受入機関に出向き、
大学業務の流れ
学生の研修の様子を確認し、受入機関側の要
1/上
望等を持ち帰り、次年度以降の実施計画に反
●受入れ機関等の募集・選定
受入れ協力機関等へ学長名の挨拶状と共に、
映させている。
「学外研修受入れ協力機関等調査票」送付
これらのきめ細かい指導により、参加した
学生の得るものは多く、その後の学習や就職
活動にも大きく貢献している。
今後、理工系の大学にとっては、インター
3/上
●受入れ協力機関等の情報収集・データ入力
3/下
●受入れ協力機関等の情報登録・変更
4/中
●学外研修履修学生の募集
4/下
●学校情報の登録
●学生情報の一括登録
ンシップの実施は JABEE(日本技術者教育認
5/上
定機構)の認定にも必須項目となっており、
1.希望条件の変更 2.配属先の調整 3.配属先の決定
本学でも参加を希望する学生が増えつつあり、
6/下
現在のように、きめ細かな学生への対応を維
●応募学生の調整・決定(インターンシップ委員会)
●受入れ協力機関等へ
学外研修希望学生の履歴書送付
持していくことが困難になると予想される。
7/上
このような状況の中で、きめ細かな実施体
●事前研修会開催(3回)
●学外研修期間中の連絡網等作成
制をいかに維持・発展させていくかが今後の
1.協力機関等訪問教員の連絡先
課題である。
2.受入れ協力機関等名簿の作成
3.学外研修履修学生名簿の作成
7/下
●実施期間中の受入れ協力機関等訪問
学外研修調査書
9/上
●実施期間中の受入れ協力機関等訪問
9/下
●受入れ協力機関等から評価書受取り
●受入れ協力機関等へ礼状発行
11/
上
●受入れ協力機関等へ成果発表会へ案内書送付
●成果発表会開催
●成績評価
12/
●次年度学外研修に向けての準備
上
1.受入れ協力機関等への挨拶
2.データ追加・修正
●私大経常費補助金「特別補助」
インターンシップに係る所要経費
(日本私立学校振興・共済事業団)
22
工学院大学
情報学部
は、とてもいい経験になるという体験談だった。自分自身、
成果報告
参加することはきっと有意義なものになるだろうという
思いがあった。
氏名:宇佐美
健一
自分はまだ、言語や開発工程に関する知識が少なく、ま
所属:工学院大学情報学部コンピュータ科学科3
た授業で学んだことに関しても、具体的なイメージを持て
年
ないでいると感じていたからである。多種の言語を普段か
受入先機関名:オー・エイ・エス株式会社
ら駆使している技術者の方から、全く触れたことのない言
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
語を直接に学ぶことができるのは良い機会であると考え
た。また、ソフトウェア開発の流れも授業では色々な手法
1.目的
があると学んだが、具体的はどんな手法を用い、どんな作
学外の機関の研修を体験することにより、就職後に必要
業工程を経て納品するのかなどが、直接見聞き出来ると考
になる技術や、その具体的な研修内容を知る。また、研修
えた。こういった理由から、インターンシップに参加する
で他言語に触れ、プログラミングの基礎を学ぶことでさら
ことは今の自分にとって必要なのではないかと感じ、積極
なるスキルアップを目指す。
的に参加してみようと考えた。
ソフトウェア開発企業の勤務形態や職場の雰囲気を肌
初日にはインターンシップ参加者が会議室に集められ、
で感じ、会社のイメージを掴む。
顔合わせをした。工学院大学以外にも色々な大学から来て
2.研修内容
いた。彼らは自分とは違い、既に情報系の資格をいくつか
実際の製品開発の補助などではなく、三人のグループで、
持っているようだった。そんな彼らの技術を見てみたいと
企業側で用意して頂いた仮プロジェクトを進め、パッケー
いう思いもあったが、自分たちは工学院大学からの参加者
ジソフトウェア開発の流れの一部を体験する。作成物は、
で一つのグループとして部署に配属されることになった。
ブラウザで操作する「貸出返却管理システム」である。具
始まってからは、会社に勤める上で新しく経験したこと
体的には、クライアントがブラウザを通して、サーバのデ
があった。また、驚いたことや新しく学ぶべきことが多く
ータベースにアクセスし、貸出情報の読み書きをするシス
苦労した。まず、大学に通う時とは違う時間帯に電車に乗
テムである。これを以下の手順を通して二週間で仕上げる。
るので、通勤ラッシュを経験することになった。中央線は
i)詳細設計書の作成
非常に混む上によく遅れるので、遅刻しそうになることが
ii) HTML、ASP、JAVAScript などを組み合わせての開発
多かった。それに対して、社員は勤務時間がフレックスタ
iii)単体テスト仕様書の作成
イム制なので、自分たちが始業する時刻にはまだオフィス
iv)単体テスト
が暗いままで誰も来ていないことが多かった。これが学生
また、一日の最後にエクセルでの日報作成を行う。
とは違うところで、とても不思議な気分を覚えた。昼食の
3.研修の結果得たもの
時間は、近くの飲食店で食べるか、コンビニで御弁当を買
第一に、新しい言語や、データベース管理ソフト、サー
ってくる人が多いようだった。普段から学食を利用してい
バシステムなどの基礎的知識を作業の中で得ることがで
る自分たちにとっては、その日その日でお昼に悩むなど、
きたこと。第二に、グループで開発したので、互いの進捗
慣れるまで少し時間がかかった。
状況の把握が重要であると感じたこと。第三に、会議を通
勤務に関しては、日報の作成は勤務の最後なので、何時
して、ドキュメントの詳細さの重要性を理解できたことで
からどんな作業をしたかなどを、細かにメモを取らなけれ
ある。
ばならなかったことが、はじめに気づいたことだ。わから
4.研修の感想
ないことや、質問したこととその回答は逐一メモするよう
インターンシップを受けようと考えたきっかけは、はじ
に癖をつけたほうがいいとはじめに教わったが、それだけ
めは他大学の友人からの勧めであった。短期間とはいえ、
では足りなかった。少々忘れっぽい自分には、それこそ気
会社に通い社会人として人と付き合い仕事をこなすこと
づいたことはすべてメモを取るくらいで丁度いいのだと
23
思った。
仕様書などドキュメントの作成のみだと思い込んでいた
第一段階である詳細設計書作成では、見本を参考にして
から、考えを改めることになった。それだけ顧客とコミュ
HTML による画面と、その解説からなるドキュメントの作
ニケーションを取る機会は多いのだそうだ。ソフトウェア
成作業を行った。この段階ではコードは HTML のみで、む
開発にはコミュニケーション能力が必要と言われる理由
しろ設計書を書く段階で学んだことが多かった。各々の設
は、こういった内部にとどまらない会議の量にあるのだと
計書を見ていく中でドキュメントの仕様の細かさや重要
思った。
性について、深く解説していただいた。説明文の語尾は全
研修の最終段階である単体テストでは、まずどの部分を
員で揃えなければならないことや、それに関連したドキュ
テストするかを項目ごとにまとめ、文書化するところから
メント作成のルール、そもそもソフトウェア開発の工程は、
始まった。ここでもドキュメント作成の難しさに直面した。
半分がドキュメント作成であることなどを直に学んだ。実
また、テストである以上全く穴のないようにテスト項目を
際にドキュメントを詳細に書くことで、ドキュメントの作
定義しなければならず、画面のレイアウト、ページの遷移、
成がとても大きく大切な仕事なのだと理解できた。
情報の受け渡しの正誤、誤字脱字など、全て網羅するのは
開発工程では、初めての言語ではあったが、ASP を主に
大変だった。テスト自体はドキュメント通りに進められ、
使った。サーバとの相互のやりとりに関わる言語ではあっ
問題はなかった。こういった部分で詳細なドキュメントは
たが、使う関数は殆ど決まっていた。この言語で書くこと
役に立つのだと感じた。
は、サーバ側からクライアント側のパソコンに送った情報
作業の合間や、インターンシップの終わりには、担当の
をどう表示させるか、つまり HTML のソースコードを出力
方や部署の部長が、勤務形態や便利な資格のお話をしてく
するだけなので、むしろ HTML に関して参考書を開いてい
ださった。今回作成したシステムに関連して、サーバソフ
た時間が多かったように思う。ASP は、VB と HTML の組み
トの資格にはどんなものがあるか、資格を取るために会社
合わせであるように感じられ、VB に関しては少し学んだ
が援助を行い、取得できれば報奨があるなど、技術面だけ
ことがあったこともあり、意外に覚えが早かったと思う。
でなく会社に関しても学ぶことができたと思う。
それでもコーディングは難航した。HTML で作成された
最終日には再びインターンシップの参加者が集まり、皆
画面が、実際にサーバから受け取った情報をもとに動くよ
で昼食をとりながら感想を発表するという機会を設けて
うにすることはとても複雑で、やはり HTML の参考書を見
いただいた。他のグループが開発していたシステムの話や、
て、タグの機能を拡張する作業に時間がかかった。グルー
何故オー・エイ・エスという会社を選んでインターンシッ
プの仲間も同じ段階で苦労していたようだったが、お互い
プを受けたのかなどの話は、多様な見方があって興味深か
に相談しながらなんとか進めることができた。そしてソー
ったと思う。
スコードが書き終わると、コードレビューという会議で、
最後に、2週間という期間で自分が感じたことは、社会
コードの良いところや直すべきところを話し合う作業に
に対する意識を改めるきっかけになったが、これに恐れず
移る。ここでコードをどう改良したら良いかアドバイスを
に就職活動に努めるようにしたいと思う。
もらい、またバグを報告し合い、バージョンアップを重ね
ていく。この作業を経ることで、コードはよりシンプルに、
機能はより良くなり、バグは減り、コードのドラフトはバ
ージョン1へと近づいていく。
こういったレビューという作業は、プロジェクト内部で
のみ行うものだと考えていたが、段階によってはコードレ
ビューに顧客を交えて行うこともあるということに驚い
た。プログラミングの知識のある担当の人に、コードレビ
ューに参加してもらい積極的に意見交換をすることが目
的であるという。顧客と直接関係があるのは、要求定義や
24
工学院大学工学部電気工学科 成果報告
氏名:佐藤彰紘
所属:工学院大学工学部電気工学科 4 年
受入先機関名:株式会社
エスイー
研修期間:平成 20 年 7 月 30 日~8 月 12 日
1.目
的
インターンシップに参加することにより、職場
で働くことを体験し、社会に出るということがど
ういうことなのかを実際に肌で感じ学び、学生と
社会人の違いを理解する。
また、この経験をこの先の就職活動や生活に役立
てるため。
(図
2.研修内容
1)
また、後の二日間ではこの配線に端子を圧着して
2.1.第二生産部において外注品の製作
研修の最初の一週間は、第二生産部において外
取り付ける作業のほか出来上がったマッチング
注品の製作に携わらせていただいた。株式会社エ
ボックスの製造診断を見学させていただいた。端
スイーの第二生産部では液晶、プラズマディスプ
子を圧着させるための圧着工具は一本5万円か
レイのガラス板への膜を生成させるための RF ジ
ら10万円もする高価なもので、こちらでも数本
ェネレータというものの整合を行うためのマッ
はレンタルされているそうですが、せっかくイン
チングボックスを生産しており、私は、最初の3
ターンシップに来たのだからということで様々
日間このマッチングボックス内の配線づくりを
な圧着工具を使用させていいただき、とても貴重
主にやらせていただいた。配線ルートと呼ばれる
な経験となりました。
配線図面に沿って配線を組み立ててゆき、配線に
指導いただいたこちらの会社では毎日お昼休み
ゆるみが出ないように一本一本きっちりのばし
の後に40分ほど時間を割いて改善タイムとい
て作っていくことがなりよりも大事だと教えて
う時間を設けていました。改善タイムでは、自分
いただいた。この、自分が作った配線が実際、大
たちの働く職場の清掃や問題点の解決を主に行
手企業に納品され使用されると聞いた時は正直
っていて、私も参加させていただいたのですが、
不安になりましたが、実際組み込まれているのを
そのなかでも、ヒューマンエラーを認識しながら
見た時は感動しました。
仕事をするという話がとても印象的でした。
その時の配線ルートと私が作った配線が図1で
2.2.第一生産において自社製品の製作
す。
残りの1週間では第一生産において自社製品
の製作の手伝いを主にやらせていただいた。
最初の日にちょうど自社製品であるスペーサー
散布装置が出荷されるということで、その梱包作
25
業をさせていただいた。
3.研修の結果得たもの
図2はその写真です。梱包をする際製品を運んで
私は、このインターンシップに参加するまで社
いる最中に水やゴミが入らないように何重にも
会に出て働くということをよく想像することが
梱包し指紋一つ付けるわけにいかないので手袋
できなく、ただ漠然と今の学生生活よりも仕事を
をはめて行う作業はとても大変でした。
している時間が長いだけというぐらいにしか思
っていませんでした。しかし、会社の皆さんが、
納期の迫っている大変な時期に私に懇切丁寧に
説明して下さる姿や、とても神経を使う作業にも
かかわらず集中力を切らさずに作業している姿
を見て、お金を貰って仕事をするということ、つ
まり、社会人=プロと学生=アマチュアの差は自
分の仕事に責任を持つということなんだと思い、
学生気分で社会に出て受けるギャップを学生の
内に少しでも体験できたことは本当に貴重な経
験になりました。
4.研修の感想
お世話になった株式会社エスイーでは、日頃見
(図
2)
ることのできない生産、開発の現場を見て実際に
また、他にも超音波洗浄装置の装置内の基盤の抵
作業させていただいたことにより、貴重な体験を
抗はんだ付け、電装版の配線検査、超音波洗浄装
することができました。最終日には、会社のミー
置の最終試験、梱包といろいろやらせていただき
ティングにも参加させていただいて明確な目標
ました。図3が超音波洗浄機の基盤になります。
設定をするということがとても大事であるとい
う言葉がとても印象的でした。このインターンシ
ップでの経験はこれから就職活動を始めるにあ
たりとても参考になりました。また残りの学生生
活にもいい刺激となりました。最後に 2 週間とい
う短い間でしたが、大学では知りえない多くのこ
とを学ぶことができ、この機会を与えて下さった
大学の先生方、お世話になった株式会社エスイー
の方々に深く感謝いたします。どうもありがとう
ございました。
以上
(図
3)
今まで、本格的にははんだ付けをしたことがなか
ったので、抵抗は小さいものから付けていく事や、
基盤を温めてからはんだを付けることなど一か
ら教えていただきました。
26
静岡大学
取組み状況
本学では、①人文学部②教育学部(総合科学教
育課程(総合科学専攻、消費生活科学専攻)(以
下「教育学部」という。)、③情報学部(情報科学
科)(以下「情報学部」という。)、④工学部、⑤農
学部、農学研究科で実施しており、それぞれの状
況等は下記のとおりです。
1.基本的考え方
(人文学部)官公庁・企業等で就業経験を積む
ことにより、企業・団体等で必要とされる職
業的資質や意識を経験的に学びながら、自ら
の進路選択を主体的・能動的に行うきっかけ
を作る。
(教育学部)官公庁・企業・研究所等での現場
において就業体験を積むことを通 じ て 、学
生の高い職業意識を育成し、近年の科学技術
の進展に対応できる人材を育成する。また、
大学で学ぶべきことは何かの自覚を促し勉
学の方向を自ら見いだす力や、将来の進路選
択を堅実におこなえる能力を養う。
(情報学部)学生が自らの専攻や将来のキャリ
アに関連した就業体験を在学中に行い、①大
学での勉強とは違う視点から実践的な知識
や経験を身に付けさせる。②社会に出るまで
に何が必要かを自覚させる。③就職時に企業
を選択する眼を養わせるなどを目標として
実施している。
(工学部)①産業界における技術及び経済動向
を調査させ、学生に勉学の目的意識を持たせ
ると同時に、卒業後の進路について早期から
考えさせる。②企業において、就業体験する
ことにより、技術者としての勤労観、就職観、
倫理観等を身につける。③学生の職業意識を
高め、学業への動機付けを与えることを目的
にしている。
(農学部、農学研究科)農学部では企業、研究
所、官公庁等において生産・管理、研究、行
政などの実務体験を通し、社会における関連
分野の役割を学習することにより、①自主性
のある人材の育成②高い職業意識の育成③
教育内容・方法の改善・充実を図ることを目
標としている。農学研究科では、学部の内容
に加え、さらに研究者及び高度専門技術者と
しての社会的使命も学ぶことも目的として
いる。
27
2.研修内容
(人文学部)さまざまな研修先の業種によって
違うが、人文学部では、出来るだけ多くの受
入先企業の開拓に力を注いでおり、研修内容
を多様化したいと考えている。
(教育学部)研修先の業種や部署により、研究
室での分析・評価・標本の調整や、報道関係
での取材・番組制作、役所内での事務・情報
処理等各種書類の整理補助、出張講座の補助
など、多岐にわたった。
(情報学部)主に計算機に関する業務(ソフト
ウェア開発、システム開発、ハードウェア設
計など)を通して、企業内の現場を体験させ
た。
(工学部)①CAD 実習、NC 機械加工、各種分析
試験、実験、装置組立、製品の評価及び改善
等。②会社側には、製造関連の全体の流れを
把握と個別の作業の位置づけを理解させる
よう要請している。③受け入れ企業によって
その研修内容は異なる。
(農学部、農学研究科)社会における農学系分
野の役割を学ぶ。
3.研修期間
(人文学部)1~2週間。夏休みを中心に設定。
(教育学部)最短5日間、最長3週間(夏季休
業中)、春季休業中にも予定あり。
(情報学部)2週間程度(夏季休業中)
(工学部)1~2週間(8月から9月の期間)
(農学部、農学研究科)1~2週間程度(夏季
休業中)
4.履修学生数
(人文学部)51名(教育学部)21名、(情
報学部)21名、
(工学部)52名、
(農学部、
農学研究科)76名
5.選択・必修の区分
(人文学部)(情報学部)(工学部)(農学部)
の4学部はすべて選択
(教育学部)消費生活科学専攻のみ必修、その
他は選択
6.事前・事後教育および成果報告会の実施状況
(人文学部)5月:インターンシップ説明会を
開催。業種職種、行政、中小企業、NPO につ
いて、その特徴やそこで働く意義などについ
て学習、またインターンシップへ参加するこ
とについての注意事項、受け入れ企業の紹介、
およその受け入れ期間、留意事項などの説明
をする。6月:実習先の決定。7月上旬:事
前指導の実施。ビジネスマナー等、基本的な
ことについて学習する。
8月~9月:インターンシップの実施。学生
は所定の実習日誌とレポートを作成する。1
0月下旬:インターンシップ交流会と報告会
の実施。最終的に学生の提出したレポートを
インターンシップ参加者レポート集として
冊子を作成する。
(教育学部)①5月以降に学生からの履修希
望を受け付け、事前の綿密な打ち合わせによ
り、学生にとって無理のない就業条件である
ように心がけるとともに、研修の目的や心構
えについての指導をおこなった。②学生たち
には実習中は日誌を書かせ、最終的にレポー
トを提出させた。また実習先からも実習状況
についてのアンケートを提出していただい
た。③1年生対象授業の中で、既に実施した
3 年生による報告会を行い、事後指導を行っ
た。
(情報学部)事前:学生に対して実習時のモラ
ルなどに関し講演会を開くなどの教育を行
い、また学生各自に実習予定企業の調査を行
わせ、これらをまとめてレポートとして提出
させ、発表会を行っている。事後:企業で学
んだこと、将来への展望などをレポートとし
て提出させ、発表会を行っている。
(工学部)実習の目的と要領、受け入れ先・実
習希望企業の説明・調整・決定、実習依頼状
の作成、実習承諾書の確認と依頼企業の変更、
実習心得、実習報告書の作成および実習報告
会の説明、実習報告会、実習報告書の提出(学
科により、若干異なる。
)。
(農学部、農学研究科)事前(オリエンテーシ
ョン:手引の配付、目的、スケジュール、研
修中の注意・義務等)・事後(成果報告会:
報告書の提出に基づく、プレゼンテーション
の実施)の教育指導を行っている。
7.受け入れ企業数
(人文学部)47、
(教育学部)13、
(情報学
部)21、
(工学部)40、
(農学部、農学研
究科)46
以上の数字は官公庁を含む。
8.実務担当部署
(人文学部)学務係、就職委員会、インターン
シップ運営委員会
(教育学部)教務委員会、就職委員会、当該専
28
攻・専修教員、学務係、総務係
(情報学部)情報科学科教員、学務係
(工学部)学科毎、輪番の担当教員
(農学部、農学研究科)全学科の3年クラス担
任教員、専攻長及びインターンシップ担当教
員
9.総合評価と今後の取り組み
(人文学部)学生の体験レポートをもとに毎年
度『インターンシップ参加者レポート集』を
刊行している。報告会での声を聞いても学生
からの評判は上々であり、かなり内容が充実
してきたことを実感している。今後はより一
層の参加を見込むためにも、学生のニーズに
対応した新規企業の開拓を積極的に行って
いきたい。
(教育学部)例年と同様に学生の職業意識、勉
強の意欲と目的意識、社会的な視野の広まり
等、大学内の授業だけでは得難い多大な効果
があり、また、報告会は多くの学生への啓蒙
効果を発揮した。受け入れ先の評価も、概ね
好評であった。研修内容の徹底や、充実度を
考慮すれば、2週間以上の研修期間が望まし
い。研修後は、大学側と受け入れ先の研修指
導担当者や、研修先間の交流・情報交換の場
も、制度と内容の充実を図りたい。
(情報学部)学生に対し、マナー講習と事前指
導を行ってから企業に送り込んでいるため、
企業側からは、学生に対して高い評価をいた
だき、来年度も継続する意向のある企業が多
かった。学生側からも、実習後の報告会にお
いて、学内では体験できない経験ができ、今
後の勉学に役立つとの声が多かった。今後は、
この取り組みを学部の広報活動に結びつけ
ることも検討してく予定である。また、受け
入れ先企業をさらに開拓し、学生に満足の行
く体験ができるように努力していきたい。
(工学部)学生にとって、在学中に企業などに
おける実務体験を積むことは非常に有益な
ことであるので、今後さらに多くの学生がイ
ンターンシップに参加できるように学部内
の体制を整えていく必要がある。
(農学部)インターンシップ参加学生は意欲的
であり、全般としておおむね良好であった。
夏休みの集中講義や実習との日程重複、具体
的な実施計画や相手先との対応が学科ごと
の窓口となっている体制を今後学部レベル
で行いたいが調整が難しい。
静岡大学農学部
氏名:森
成果報告書
大剛
所属:静岡大学農学部応用生物化学科
インターンシップ研修先機関名:
岐阜県庁健康福祉部保健医療課
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~8 月 29 日
(5 日間)
1. 目的
8 月 28 日:
将来、公務員として働くことを希望しているの
特定疾患、県からの妊娠出産手当て、臓器移植、
で、自分の所属している農学部と関連のある食品
不妊治療などの説明、特定疾患受給者証の申請書
や保健などに携わる所を研修してみたいと思っ
類のチェックと整理、各病院に送付する書類の最
たので、インターンシップに参加した。
終段階の手伝い、各関係機関に臓器移植に関する
目的は、最近中国産の食品に基準値以上の農薬
書類を送付するための最終準備、新生児に関する
が発見されたり、食品表示の偽装などでマスコミ
健康についての説明
を騒がせているので、行政の立場からどのような
8 月 29 日:
指導をしているのか知りたいと思ったから。
さらにインターンシップに参加できるという
「特定健診・保健指導実践者育成研修会プログラ
特権は十分利用したかったし、仕事の厳しさも知
ム」の会議に出席し手伝うこと
った上で就職活動を行いたいので、ひとつの契機
としたかった。
3. 研修の結果得たもの
8 月 25 日について
2. 研修内容
会議に参加してみて、かなり専門的で実際に体験
8 月 25 日:
した人や関係する人でないと分かりにくいもの
研修の心構えについて、自殺死亡者のデータ処理、
だったが、自分の身近なものではなかった自殺や
自殺予防対策行動計画など有識者と話し合い、会
自殺の遺族というものをちょっとだけ一般の人
議の準備、片付け
より知ることができた。自殺願望のある人は普段
の生活の行動が上手くできなくなったり、ほのめ
8 月 26 日:
かすことを言ったりなどわずかな変化に、周りの
午前中は保健環境研究所(各務原)、午後は県庁で
人が気づいてあげることが重要だと理解したし、
研修。保健環境研究所では施設の説明、施設の方
もしそうなった人にはどういった公共の機関に
と感染症対策について話す、午後は新型インフル
相談すればいいかも分かった。そのような公共機
エンザに対する訓練の会議、会議の準備、片付け
関は意外と一般の人は知らないし、自分もそうだ
ったので、この会議では会議の準備方法や、公共
8 月 27 日:
機関の存在も知れて良かったと思う。この日の研
食品表示についての行政指導法の説明と演習、食
修は農学部にはあまり関係が無かったけれど、社
育推進会議、会議の準備、片付け
会人として生きていく上では意味のあるものだ
29
ったと思う。
8 月 28 日について
8 月 26 日について
特定疾患患者の申請書およそ 8000 枚をたった 3
食品の成分検査や水道水の水質など幅広い分野
人で処理するという質、量ともに重い仕事を迅速
で成分の検査を行っている施設を見学させても
に処理する姿には感心させられた。
らった。ここでは実際に抜き打ちで店で売られて
8 月 29 について
いる商品の成分が偽装されていないか調べてい
会議に参加された方々のグループワークの活発
る最中の装置を見せてもらったり、データを少し
さには、大学生のものとは全く比べようがないも
見せてもらった。このデータは 1 つ 1 つが何月何
のだった。
日何時何分のものか、誰がその操作をしたかを細
かく記載して、緊急時の対応に備えているとのこ
とだった。この施設は人員や予算の削減で技術員
4. 研修の感想
の方がかなり少ない中、苦労をされているという
研修生の立場にあるから定時の 17 時には必ず終
話を聞かせてもらった。現場の生の意見を聞かせ
了するが、その日の疲労度は想像をはるかに超え
てもらい、本で得た情報よりもずっと肌で感じる
るもので、家に帰ったら体験のまとめを書いて、
ことができて良い見学だった。午後の会議では、
夜の 10 時すぎには寝てしまうという生活になっ
専門家ならではの意見が飛び交い、その質問に答
ていた。しかし、職員の方は残業を夜 9、10 時ま
える保健医療課の職員の方々には驚きを感じ、本
で行って、朝は自分より早く出勤するという生活
物の会議を見学させてもらった。
を毎日、毎日しているのが言葉に出来ないぐらい
8 月 28 日について
スゴイ!と思った。おそらく、この働くという現
食品表示について詳しく教えてもらった。表示を
実を知らずに就職したとしたら、働く毎日に耐え
するためには JAS 法、食品衛生法、健康増進法、
られるか分からなかった。この現実を知っている
薬事法、景品表示法、計量法の 6 つが大きく関わ
というだけでインターンシップを体験した意味
ってくるということを聞いた。食品表示が法律に
はあると思う。働くということは覚悟を持つこと
違反している場合に県から民間へどのように指
が必要だと思った。このことを是非多くの人に知
導するのか教えてもらった。まず監視委員の人が
ってほしいので、後輩の人にはインターンシップ
抜き打ちで店の食品表示を調べ、違反している所
に参加してほしいと思う。
を写真に撮って県庁に連絡が入る。県庁が製造し
最後にこのような機会を与えてくださった大学
ている会社の住所を管轄する保健所に連絡し、ど
の大学職員・先生方、岐阜県庁健康福祉部医療課
の法律の何条に違反しているかを示して指導さ
の方々には深く感謝します。ありがとうございま
せる。そして保健所から民間に連絡が入って、民
した。
間の会社が訂正する。その結果が保健所を通じて
県庁に連絡される、このとき会社の住所が他県の
場合には、その県庁に連絡を入れて指導してもら
い、結果は発見した県まで連絡される、という流
れだそうだ。他にも民間の企業の中には法律に詳
しくない所もあるので、マスメディアに掲載する
広告が法に触れないかチェックの依頼にも対応
するそうだ。県庁の指摘を元に言葉や絵、図を変
えたり、削除して掲載するそうで、実物も見せて
もらった。
30
首都大学東京
①
取組状況
基本的な考え方
民間企業の研修内容については、学生と企業
本学では、3年次以上で履修することができ
側との間で研修内容の詳細を決め、指導教員の
る専門教育科目としての就業体験型のインタ
確認を得て実施している。
ーンシップと、主に1・2年次を対象として基
礎教育科目の一つとして履修する「現場体験型
③
研修期間
インターンシップ」を実施している。
研修期間は夏期休業中が中心であり、大部分
前者は、インターンシップを学生が在学中に
は2週間程度であった。
自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体
験を行う制度と位置付け、主として就職活動を
④
履修学生数
間近に控えた学部3年及び修士1年生を対象
学生サポートセンターで把握している平成
20 年度の 10 月末現在の実績は、都市教養学部
に実施している。
後者は、首都大学東京発足とともに 17 年度
法学系 7 名、経営学系 4 名、人文・社会系 3 名、
から実施しているもので、様々な課題を抱える
理工学系 1 名、都市環境学部 22 名、システム
大都市東京での現場体験を通じて、大学生活の
デザイン学部 9 名の計 46 名の学部生と、シス
早い時期に自分自身及び社会の課題について
テムデザインを中心として約 70 名の大学院生
の認識を深め、課題に主体的に取り組む意識、
が履修し、就業体験を行った。
社会人として必要な基礎的コミュニケーショ
ン能力を向上させることにより、大学生活の充
⑤
実及び将来のキャリア形成に資することを目
選択・必修の区別
基本的には選択科目であるが、大学院の一部
的としている。
では選択必修としている。
本稿では、前者について紹介する。
⑥
以下は、大学が専門教育科目の授業として行って
事前・事後教育及び成果報告会の実施状況
・事前(オリエンテーション5月実施)
いるインターンシップである。
学部3年及び修士1年生を主な対象に、イン
ターンシップの目的、内容、参加方法、実施に
②
研修内容
伴うリスク、ビジネスマナーのポイントなどに
文系の専門教育科目授業としての研修先は、
関するインターンシップ・ガイダンスを実施し
現在のところ官公庁のみとなっているが、理工
た。
系については指導教員の判断により、官公庁だ
事前教育については、各学科のインターンシ
けでなく民間企業における研修も認められて
ップ担当教員が担当しているが、都庁インター
いる。
ンシップ等学生サポートセンターが大学全体
具体的な研修内容は、受入先の実習計画に基
の応募者をとりまとめて推薦しているものに
づいて行っているため、さまざまであるが、職
ついては、7月に学生サポートセンターで実習
場の仕事の一部を1人で任せられる場合や受
予定者を集め、守秘義務やビジネスマナーにつ
入先の職員と一緒になって共同で仕事を仕上
いての指導を行うとともに、傷害保険、賠償責
げる場合がある。
任保険加入確認などを行った。
31
・事後(実習報告書及び報告会)
実習後には、実習中の日誌とともに実習の概
要と成果を記載した実習体験報告書を学生に
提出させ、また、実習先から提出された実習評
価を基にしてインターンシップ担当教員が評
価を行っている。
都市環境学部の一部のコースでは、インター
ンシップ担当教員が事後に報告会を開催して
いる。
⑦
受入協力機関数
約80機関(官公庁を含む)
⑧
実務担当部署
首都大学東京 学生サポートセンター
就職
課 及び 各学部インターンシップ担当教員
⑨
総合評価と今後の取り組み
首都大学東京となって 4 年目を迎える現在、
授業科目として「インターンシップ」科目を設
定し、全学部で単位認定を行うなど、学生のイ
ンターンシップへの参加を促進している。
今後も、学生へのインターンシップに関する
情報の提供や受入先の拡大に努めるとともに、
教員と連携し、内容や指導の一層の充実を図る
必要があると考える。
32
湘南工科大学
取り組み状況
大学名::湘南工科大学
工学部
1. 基本的な考え方
4. 履修学生数
本学は工学部全学科において「インターンシッ
前学期:29名(後学期も予定している)
プ」をインターンシップS1、S2各2単位およ
びインターンシップL(長期)16単位を配置し、
5. 選択、必修の区別
共通教養科目として実施している。
共通教養科目に位置づけられており、選択科
1)教育内容の実践的経験
目となっている。
大学におけるアカデミックな教育環境と実社
会での就業体験を結びつけることにより、大学で
6. 事前・事後教育及び成果報告会の実施状況
学んだ事柄をより深く理解することが可能とな
【事前教育】
る。また、企業等の現場において、専門分野にお
1) ガイダンス
ける高度な知識・技術に触れながら実務能力を高
インターシップの履修案内を配布して、インタ
めることにより、専門的知識を向上させ、技術者
ーシップの目的とねらい、全体のスケジュール、
としてのあり方を経験させる。
受講上の注意、研修中に作成すべきもの、研修中
の注意事項等について説明する。)
(表1) スケジュール概要
2)高い職業意識の育成
就業体験を通して、職業に対する適性や将来設
計について考える機会を与える。これにより、就
職後の職場への適応力の向上を図ることができ
ので、職業選択の意識を高めことにつながる。
3)社会人としての責任とマナーの育成
4月
受け入れ先企業リストの作成
5月
ガイダンス
6月
研修先とのマッチング
7月
ビジネスマナー講習会・事前指導
履修登録
大学・企業必要書類の取り交わし
(キャリア教育支援室対応)
8月
~
9月
インターンシップ実施期間
10 月
研修報告書・研修日報の提出
研修報告会
11 月
成績評価
インターンシップを通して実習先で経験する
人間関係、働くことの意義を学び、学生生活とは
異なる社会人としての責任やマナーを身につけ
る機会を与え、生き方を学ばせる。
2. 研修内容
研修先企業等との取り決めにより、研修先の「プ
ログラム」に沿って、インターシップを実施して
いる。
3. 研修期間
2)マッチング会の開催
インターンシップS1、インターンシップS
キャリア支援室による企業説明ならびに「イン
2については2週間または80時間以上の実務
ターンシップ」プログラムの説明および個別対応
研修を行う。また、インターンシップLは長期の
を行った。(各教員の面談後)
実務研修としている。
33
3)外部講師による「ビジネスマナー研修会」を
を持ち帰り、次年度以降の実施計画に反映させて
実施した。参加学生全員に受講させた。
いる。
【事後教育・成果発表会】
これらのきめ細かい指導により、研修を行った
1)インターシップ報告書および日誌の提出
学生の得るものは多く、今後、大学での授業の取
研修内容を含め、研修で得たこと、学んだこと等
り組み方や就職活動にも大きな影響を与えるこ
をまとめた「インターンシップ報告書」と「研修
とと思う。
日報」を提出させた。
インターンシップの実施は今年で6年目とな
なお、研修先からは「インターンシップ評価表」
ったが、毎年増加傾向にあったものの、前年度は
と「勤務状況表」等研修期間中の成果について報
落ち込んだが、徐々にではあるが「インターンシ
告いただいた。
ップ」に対する学生の意識が広がってきているよ
2)インターンシップ報告会
うに感じている。今年は前述いたしましたが履修
学科単位で全学生が Power
Point 等を利用して、
者29名と、昨年の18名よりは10名の増加が
報告書の内容を中心に、一人15分程度のプレゼ
あった。次年度はさらにキャリア支援室を充実さ
ンテーションを行った。
せ、インターンシップに取り組んでいきたい。
以上
7. 受入協力機関数(実施企業数)
22社(29名受入)
文責
キャリア教育連絡協議会
8. 担当部署
機械デザイン工学科
調整:キャリア教育連絡協議会【各学科委員・
教務課・キャリア支援室】
企画・受け入れ企業開拓等の調整およ
び検討。
実務:キャリア教育連絡協議会
研修プログラム、企業訪問、企業との
マッチング、事前指導、報告会の実施、
成績評価
9. 総合評価と今後の取り組み
本学では、「インターンシップ」は2年次から
4年次配当科目であるが3年次での履修が多い。
今年で6年目の実施となった。JIPC からの情報
提供、受け入れ企業の増加、学生の自主開拓によ
り実施状況はかなり向上してきている。各学科委
員による、インターンシップ希望学生に対する個
別の面談を通じて、学生の希望を配慮し、キャリ
ア支援室が受入先機関とのマッチング作業を行
っている。
また、研修中に、各学科委員が研修先に出向き、
学生の研修の様子を確認し、受入機関側の要望等
34
平綿
主査
勝彦
湘南工科大学工学部
成果報告
氏名:大川修平
所属:湘南工科大学工学部
機械システム工学科3年
受入先機関名:マルイ工業株式会社
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
1.目的
私には漠然とした就職希望業界があり、その製
品について知ったり触れたりする機会はあった。
しかし実際にその製品を作るためにどのような
その後会社の設計室にあるパソコンと三次元設
仕事があり、どのような技術が使われているのか
計ソフトである3DCAD を用いて、基本図形の表
大学の講義だけではいまひとつ理解できず、それ
現方法などを学んだ。大学でも CAD の実習は履
を具体的に確かめるとともに業界内における自
修していたが、CAD ソフトのメーカーが会社と
身の目標となるポジションを定めるためインタ
大学で異なっており操作にも戸惑ってしまった。
ーンシップに参加した。
会社内におけるCADの実用例としては、樹脂材
の 射 出 整 形で 使 用 す る金 型 の 設 計が あ り 、 3
2.研修内容
DCAD を物理演算ソフトと組み合わせて溶融材
2.1.研修先の会社について
料の流れ解析や材料凝固時の熱変形解析を行っ
主な業務
自動車装飾部品等の製造
ている。
主要技術
樹脂材の射出成型・メッキ処理
所 在 地
鎌倉市大船,新潟中条
備
ISO9001,14001 認証取得
考
2.3.品質保証実習,生産技術指導
8/19(火)
エンブレム完成品の寸法検査を行っ
た(専用ゲージ使用)。これは出荷用の箱からの
抜取り検査ではなく全数検査が行われ、かなりの
2.2.座学研修,工場見学,CAD 実習
8/18(月)
まず会社にどのような事業があり、
数の不良品が発見され驚いた。メッキ品は下地の
またそのためにどのような技術が使われている
寸法が正確でも、表面の金属皮膜が厚くなり過ぎ
かを学んだ。具体的な事業例を以下に示す。
ると寸法の狂いを生じるとのこと。また生産技術
①IP事業
自動車インテリアパーツ製造
指導は大学の講義「生産管理システム」に相当す
製品例
コンソールパネル透光ボタン
る内容で生産ラインの効率化をいかに図ってゆ
塗装,レーザー技術
くか、また ISO 認証や顧客からの信頼の維持につ
自動車エクステリアパーツ製造
いて学んだ。とくにメッキ事業では、電解液の排
製品例
エンブレム,ホイールキャップ
出による環境負荷を抑制し ISO14001「環境マネ
必要技術
非電導体への電気メッキ技術
ジメントシステム」を維持するために大きな努力
必要技術
②EP事業
また工場見学では、EP樹脂材の射出成形ライン,
メッキ槽,製品検査室などを回った。
35
がなされていることを知った。
2.4.生産ライン「M170」実習
身の責任と周囲の信頼につながること。また会社
8/20(水)~8/22(金) 作業内容は「センターキャッ
組織や生産ラインの一員としての自覚が生まれ
プリング ASSY」で、自動車ホイールに取り付け
ることなどが挙げられる。しかしそのスピーチの
られる径50ミリ程のロゴ入り部品にリング型
場は終始和やかな雰囲気で、職場での考えを仲間
バネの組み付けを行った。材料の状態によって、
と共有することの大切さを改めて感じた。
専用機械による組み付けと手作業が並行して行
われている。
3.研修の結果得たもの
何よりも「現場」を見てその環境を体験できた
ことが良かったと思う。ひとつの会社でも部署や
ラインによって労働環境が大きく異なることが
分かった。これは求人票に掲載される「労働条件」
には現れない要素で、就職活動の際には十分心に
留めておかなければならないと痛感した。
2.5.生産ライン「M124」実習
4.研修の感想
8/25(月)~8/27(水) 作業内容は「メッキ槽材料
まず会社という環境に身を置いて思ったこと
投入準備」で、自動車のエンブレムなど小型部品
が、大学に比べて時間や場所などが厳密に管理さ
をメッキ槽に投入するため100個単位でハン
れているということです。普段大学で過ごし社会
ガーに並べて固定する並べ作業を行った。また作
貢献活動などで学科や部活といった組織の境界
業報告書の記入の仕方も学び、これを見たとき時
線をあまり気にしなかった私にとって、会社の部
間帯や製品の種類によって作業能率が大きく変
署間の垣根はとても高く感じられました。会社と
化していることが一目瞭然で驚いた。
いうのは全体でひとつの機能を果たすために各
部署の役割や相関関係が定まっており、統制がと
2.6.生産ライン「M115」実習
8/28(木)
れている。逆に大学は、個人的にだけでなく組織
作業内容は「メッキ済製品の検査・
的にも自由な場所であることを再認識できまし
梱包作業」で、前日までの工程の下流側にあたる。
た。年上の知人が「大学は人脈をつくるところ」
メッキ槽ハンガーから製品を取り外し、その手で
と言っていた意味が、今回の研修に出てやっと分
検査や梱包まで行う。検査には一定のスキルが必
かった気がします。残りの在学期間で、この自由
要なため、今回は主に検査を外注する製品の梱包
度を最大限に活かした活動をしていければと思
作業を行った。梱包用の箱など資材がうまく回ら
いました。
ず、調達が困難であった。
以上
写真引用元
2.7.総括,新入社員研修への参加
マルイ工業株式会社ホームページ
8/29(金) 生産ライン「M124」メッキ槽にて実
http://www.marui-ind.co.jp/
習のあと、夕方より会社の新入社員研修に参加し
た。この日は「働くこと・社会人とは」というテ
ーマで8人の新入社員によるスピーチが行われ、
私達学生と近い世代から社会人と学生の違いを
聞くことができ大変有意義だった。主な内容とし
ては、社会人になると自分の意思や行動が常に自
36
湘南工科大学工学部
成果報告
氏名:前田雄希
うか、そして、どのような使い方をするかなど
所属:湘南工科大学工学部コンピュータ応用学科
様々な決まりごとがあり驚いた。名刺はインター
3年
ンシップ生用に用意して頂き、名刺の渡し方、貰
受入先機関名:株式会社アビスト横浜支店
い方、置き方などを社会に出る前に実際に体験で
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
きたのは貴重な経験になった。
1.目
2.2.営業同行
的
インターンシップを通して学生と社会人の違
営業同行では、大手自動車メーカーの開発現場
いについてどのような違いがあるのか、そして、
に赴き、現場で3D-CADを使って働いている
来年就職活動を控える今の自分には何が不足し
人の生の声を聞かせて頂いた。アビストさんから
ているのかを知る。また、3D-CADを使い機
派遣されているお二人から、色々な話を聞かせて
械設計を行っている職場ではどのようなことを
もらい、一番重要なのは、コミュニケーション能
行っているのか体験する。
力だと言われた。なにごとも会話なしにはなにも
できず、効率も悪くなると言われ、その通りだと
思った。開発室には入れなかったが、現場に行っ
た事や、生の声を聞けたことはとても貴重な体験
でした。
2.研修内容
2.1.社会人マナー
社会人マナーでは、社会人の一般的なマナー。
ほうれんそう(報告、連絡、相談)や5W2H(W
2.3.3D-CADの基本操作習得、演習
最初の1週間をCADの基本操作に費やした。
hy、Whatなど)などの話や、電話応対のし
使ったCADはハイエンドCADという高価な
かた、名刺の受け渡し時のマナーなど、実際に体
CADでCATIAv5を使用した。大学で使用
験しながら行った。電話応対では敬語をうまく使
しているCADとは機能的にかなり違い、慣れる
用できず、どういった時に謙譲語、丁寧語等を使
37
まではとても時間がかかった。アイコンが非常に
研修先の支店長さんを見ていて感じたことで、い
多く、驚かされたが、使用しているうちに慣れ、
つも笑顔で元気な支店長さんの姿を見ていると
逆に使いやすくなった。
こちらも頑張ろうという気になりました。これか
演習では様々なものを作り、ハンガーなど角度が
ら、自分もこれまで以上に笑顔で元気に様々なこ
一定ではないものはとても難しく、時間がかかっ
とに向かって行こうと決心しました。
たが、そのおかげで色々と覚えることができた。
2つ目は意識の違い。商品企画演習では色々と
悔いは残りましたが、「なんとか期間中に完成で
2.4.商品企画実習、まとめプレゼンテーショ
きたのでよかった」とその時は思いました。しか
ン
し、発表の後に研修先の課長さんに言われたこと
3D-CADを使い、商品企画実習として自由
が、
「結果が全て」。社会に出たら、完璧に作れる
課題作成をした。商品企画実習は商品を自分達で
ように時間配分をしないといけない。発表の時に、
考え、それを3D-CADで3Dにするというも
「もう少しこうしたかったと言っても社会に出
のだった。商品企画実習の期間は4日間で、最終
たら最終的には見るのは結果」といわれました。
日にデュアルコア受講生の方たちと一緒にまと
本当にその通りだと思いました。「学生の甘さ」
めのプレゼンテーションを行った。商品企画では
というのは頭では分かっていました。しかし、実
二人一組になり、私のグループはソフトテニスの
践することはできませんでした。意識の違いを自
ラケットに新しい機能を追加したものを企画し
ら体験できたのは大きな収穫でした。
た。ガットの波や、ラケットの楕円などがとても
難しく、助言を頂き試行錯誤しながらなんとか完
4.研修の感想
成した。まとめのプレゼンテーションでは、下準
アビスト横浜支店での研修では、普段使うこと
備が甘かったのと、社会人の方の前での発表とい
のできない3D-CADを使わせて頂けたり、営
うこともあり、緊張してしまい名前を言い忘れる
業同行では普段入ることができない大手自動車
などの失敗があったが、社会人の方の前での発表
メーカーに入ることができたことなど、本当に貴
という貴重な体験ができ、その後のアドバイスな
重な体験をすることができました。今の自分には
どとても勉強になった。
何が足りないのかを知ることができ、また、意識
の甘さに気づかせて頂きました。アビストの方々
にはとても気を使って頂き、何不自由なく快適に
研修を行うことができました。最後に 2 週間とい
う短い間でしたが、大学そして日常では知りえな
い多くのことを学び、今の自分に何が足りないの
かを知る機会を与えて下さった大学の先生方、大
学のキャリア支援の方、そして、株式会社アビス
トの方々には深く感謝いたします。どうもありが
とうございました。
以上
3.研修の結果得たもの
研修の結果得たものは、1つ目は笑顔で元気に。
38
聖徳大学
④
取り組み状況
履修学生数
H20 年度
① 基本的な考え方
31 名(前年度
30 名)
⑤ 選択、必修の区別
本学は大学、短大の授業科目の一環として位置
専門教育科目として女性キャリア学科は
づけ、半年間の長期インターンシップと 2 週間の
必修科目、他学科は自由科目になっている。
短期インターンシップをインターンシップ室が
直接運営・指導している。
⑥ 事前・事後教育および成果報告会の実施状
本学の代表的な例である人文学部・現代ビジネ
況
ス学科の長期インターンシップの基本的な考え
○事前教育、オリエンテーション
方及びねらいは、つぎのとおりである。
1) 1、2 年次にインターンシップ担当の指導
教員がパソコンの基本操作、マナーの実技、文章
1)自主性・独創性のある人材の育成
作成、簿記の基礎等の指導を行う。
企業、機関の現場で半年間の就業体験を積み、将
来進みたい業種の知識・技術・人間関係等に触れ
2) インターンシップ室にてオリエンテーシ
ながら実務能力や経営感覚を身に付け、自主的に
ョン・電話の実技講習を 3 回行う。
考えて行動出来る人材を育成する。
インターシップの目的とねらい、全体のス
ケジュール、インターンシップ期間中の注意事項、
2)高い職業意識の育成
作成すべきレポート、企業の実態等、インターシ
自己の職業の適性や将来の設計について考え
ップの手引を配布してインターンシップに関し
る機会を与え、グローバル化に対応出来る能力を
ての講習を実施する。(表1)
養い、職場への適応力の向上を図り就職後即戦力
となるように教育する。
【実施スケジュール】
長期インターンシップの場合
(表 1)
年次
内
容
月
1 年次
事前教育
2 年次
PC,マナー、文章作成、簿記等
又、女性起業家を目指す人材を育成する。
3)教育内容・方法の改善・充実
大学での座学と社会での実地の経験を結びつ
2 年次
8月
けることにより、教育内容や教育方法の改善充実
につなげる。又、インターンシップ後の新たな学
習意欲を喚起する契機を与える。
11 月
12 月
②
研修内容
受入先企業・機関と相談してプログラムを決め、
受入先の複数の部署にてインターシップを実施
1月
2月
する。
3月
3 年次
4月
③ 研修期間
6ヶ月間(現代ビジネス学科)
9月
但し、その他の学科は2~3週間
10 月
39
オリエンテーションⅠ
ビジネスマナ―実技講習Ⅰ
オリエンテーションⅡ
(受入先発表、マッチング作業)
派遣先決定(受入先に報告)
ビジネスマナー実技講習Ⅱ
学生と受入先の事前打合せ
オリエンテーションⅢ
インターンシップ開始
インターンシップ終了
インターンシップ報告会
受入先との反省会
3). インターンシップ室が学生と面談をして受
終了後、受入先にてインターンシップの評価を
入先とのマッチングを行う。
して貰い、その評価表とインターンシップ期間中
希望受入先の条件を満たしているか、志望理
のレポートをもとに担当教員が学生の最終評価
由を聞き、学生の希望と特性を取り入れてマッ
をする。
チングする。その後受入先毎の心構え、注意事
学生にアンケート調査を実施し、アンケート結
項等の指導を行う。
果を参考に次年度の受入先との指導方法の参考
4). インターンシップ室が電話応対(受信の時、
発信の時を各 1 回)の実技指導を長期インター
にする。
同時に受入先とインターンシップ室とでアン
ンシップ対象者全員に行う。
ケート調査と反省会を設け、お互いの反省事項を
5). 外部企業によるビジネスマナー実技講習を
次年度の実施計画に反映させている。
インターンシップ参加希望学生全員に受講さ
これらのきめ細かい指導により、参加した学生
せる。
の得るものは多く、その後の学習や就職活動にも
大きく貢献している。
○事後教育(成果発表会)
半年間のインターンシップ期間中の仕事振り
インターシップ報告書の提出を義務付け、学
が認められ、インターンシップ先の大手企業に就
内の 1、2 年生対象に成果を発表する。
職が内定する学生も多く見られる。
又、学外での成果報告会にも積極的に参加して
又、近い将来企業を立ち上げたいと希望する女
発表する。
性起業家を目指す学生も出ている。
以上
⑦
受入協力企業、機関数
65ヶ所
⑧
実務担当部署
インターンシップ室・インターンシップグル
ープが担当している。
⑨
総合評価と今後の取り組み
インターンシップ室が各学科の学生対象に効
果の上がるインターンシップの実施を目指して
いる。
長期インターンシップ対象学生に対する個別
の面談を通じて、学生の希望を汲み取り、受入先
の条件を満たしているかを見ながらマッチング
作業を行っている。
また、受入先との事前の打合せの時やインター
ンシップ中に、担当教員やインターンシップ室担
当者が受入先に出向き、学生の研修状況を確認し、
受入先と常にコミュニケーションを取っている。
40
聖徳大学人文学部
成果報告
氏名:大出 真央
った。
所属:聖徳大学人文学部 心理学科 3 年
このようなことは学校で行うディスカッショ
受入先:株式会社ライフバランスマネジメント
ンとは違い、マーケティングとしての視点で行わ
研修期間:平成 20 年 8 月 4 日~8 月 15 日
なければならないため、自由な発想と柔軟な対応、
責任感を持ちきちんと発言をすることの必要性
1.目的
を感じた。パワーポイントを使った資料作りでは、
今年度 3 年生となり秋から就職活動をはじめる
聞き手に伝えたい情報を一言にまとめることが
にあたり、会社の仕組み、興味のある部署の仕事
難しかったが、お客様にその一言で興味を持って
内容、働く意味、必要とされるスキル、学生と社
もらい、正確に情報を伝えてゆくことがプレゼン
会人の能力差などに関して自分で思っているこ
では必要なのだ、と学ぶことができた。
とと実際の社会ではどのくらいギャップがある
2.2.営業
のだろうと考えていたため長期休暇中に自分で
体験し、社会人になるにあたり自分には何が足り
7 日目にこちらが営業を受ける立場での体験を
ないのかを知る。それだけでなく、専攻している
した。お互いの会社の駆け引きが丁寧な言葉で行
心理学は社会でどのような活かし方ができるか
われていて、話を追っていくのが大変だった。名
を体験することを目的とした。
刺の渡し方、営業時の接客方法などはインターン
シップに参加する前に講習会で習ったが、会社で
2.研修内容
の実際に営業を体験してみると、あくまで基本は
2.1.アンケート集計・分析作業
持ちつつ、しかし臨機応変に対応していたのを見
インターンシップ期間の 1 番の課題として、メ
て社会人は決められた型に当てはまっているだ
ンタルヘルスに関するセミナーの満足度アンケ
けではなく、柔軟な対応も必要になるのだと気付
ートの集計・分析、最終日に結果報告として営
かされた。
業・マーケティングの方の前でプレゼンを行うこ
とが初日に決定した。アンケートの集計は1日目
2.3.パンフレット修正業務・サンプル作製・満
~6日目まで行い、セミナーの日時、参加者の名
足度アンケートの発送業務
前、連絡先、感想、意見などを word にて電子化
研修初日、最初にお客様の目に触れる会社の情
した。この作業で気づき、自分に足りなかったも
報資料であるパンフレットの誤字を修正する作
のはお客様の個人情報を扱う責任、パソコン技術
業を行った。たった一文字で、直接会社の業務と
だった。アンケートの分析作業は 7 日目~10 日目
は関係ない部分を修正する一見したら雑用のよ
まで行った。アンケート結果を Excel を使用して
うな作業であるが、パンフレットとはマーケティ
集計、結果の比較、グラフ化し、プレゼンに向け
ングの武器である「言葉」を媒介として、最初に
パワーポイントにまとめた。やはりこれらの作業
お客様に会社を知ってもらう大事な資料である。
でも、自分のパソコン技術の低さを思い知らされ
少しのミスでも会社の信用を失ってしまう可能
た。7 日目には、同じインターンシップの学生と
性はある。小さな仕事でも手を抜くことはできな
話し合いを重ね、アンケート結果の成果報告、何
いということに気付かされた。4 日目に会社で作
に焦点を当るか、グラフ化してゆくか、担当や、
成している検査のサンプル作製し、5 日目に満足
形式などを決め最終プレゼンの準備に取り掛か
度アンケートの発送を行った。こちらも誤字修正
41
と同様に封筒に汚れはないか、間違って資料を入
い」とよく注意されることが多く、休憩時間、勉
れてしまっていないか、宛先の書き方に失礼は無
強時間が管理されている学生とは違い、すべての
いかなど、お客様の視覚的部分から信用を失わな
責任は自分にかかってくる社会人は健康管理、時
いように気をつけた。
間の管理、仕事の管理など自己管理が必要不可欠
であり、時間を有効に使うことができてこそ本当
2.4.プレゼン
の社会人と言えるのではないだろうかと考えさ
10 日間通してやってきたセミナー満足度アン
せられた。また、1 つの業務だけでなくたくさん
ケートから会社のメンタルヘルスの現状、会社が
の業務を体験させていただいたことで、会社には
今どんなサービスを求めているかをグラフ化し
無駄な仕事など一切あらず、仕事の大小に関わら
パワーポイントにて発表するということをやっ
ず、1 つ 1 つこなしてゆくことがお客様の信頼に
た。発表を営業の方々にチェックしてもらい、お
つながり会社の利益にもつながるということを
客様に自分の言葉をちゃんと伝えたいなら、お客
学んだ。
様の顔をきちんと見て、ゆっくりとした速度で、
この期間中に会社とは、働くとはということに
はっきり発音しプレゼンをすることが効果的で
ついて自分的に模索してきた。会社という場所は
あり重要であると注意された。このプレゼンで受
単純に言ってしまえば、生きてゆくために働き、
けた注意は社会人としてだけでなく、日常生活に
お金をもらうという場所ともいえる。しかし、私
おいてのコミュニケーションの取り方としても
が感じた会社というものは、さまざまな人と出会
大変勉強になった。
い、多くの仕事をこなしていくことで一生自分を
成長させるための場所ではないだろうかと感じ
3.研修の結果得たもの
た。
訪問先である株式会社ライフバランスマネジ
4.研修の感想
メントは会社のメンタルヘルス、社会人のストレ
スに関する問題を手助け、早期発見、対策するこ
社会人の方々に囲まれ 10 日間過ごしたことは
とを目的としている会社です。今回のインターン
学生の私にとって大きな刺激であった。就職活動
シップでは自分の就職に役立つことだけでなく、
をするにあたり、少しの期間でも社会を体験でき
現代社会の働く人々の抱えるストレスの問題、新
たことは良い経験になった。
入社員独特の問題などを知ることができ大変有
インターンシップに参加するまで、会社は人間
意義だった。また、以前は世間で言われているま
関係や仕事など息の詰まる空間だと偏見を持っ
まを受け止め、自分の中で大きな偏見を持ってい
ていた。しかし、仕事を体験し会社、社会に抱い
た営業、マーケティングという職業の面白さに気
ていた偏見はなくなった。この経験は私の就職活
付かされた。言葉を有効に使い、視覚的、聴覚的
動の支えになると思う。また、就職活動だけでは
部分に訴えかけ、お客様の視点でこの会社に興味
なくコミュニケーションの重要性、勉強に対する
を持ってもらうにはどのような工夫をすればい
姿勢など日常生活の考え方も変わった。10 日間の
いかと消費者心理を考えて、広告、宣伝をしてゆ
短い期間でしたがこの機会を与えてくださった
く技術がマーケティングには必要になってくる
大学の先生方、お世話になった株式会社ライフバ
ことを学んだ。
ランスマネジメントの方々に深く感謝いたしま
今回のインターンシップの目標としていた社
す。どうもありがとうございました。
会人と学生の一番大きな違いは時間の使い方で
以上
あると感じた。インターンシップ期間中に、「自
分のペースできちんと無理せず休憩を入れなさ
42
聖徳大学人文学部
成果報告
いるということを知り、とても驚きました。これ
らの講義に参加させて頂ける機会を作ってくだ
氏名:佐々木
彩乃
さったことで、ホテルという会社の仕組みや工夫
所属:聖徳大学人文学部
を知ることができ、とても貴重な体験をさせて頂
現代ビジネス学科3年
きました。
受入先機関名:京王プラザホテル
研修期間:平成 20 年 4 月 18 日~9 月 19 日
2.2.ベルガール業務
宿泊部ロビーサービスという部署を体験させ
1.目
的
て頂きました。ホテルへ来るお客様は宿泊やレス
社会とはどのような世界なのか理解を深める
トランのご利用、宴会や打ち合わせと、利用目的
ために、今回インターンシップを経験する。その
はさまざまです。このような目的でホテルに来て
中で、社会での「責任」という意味や学校で勉強
くださったお客様をご案内するということが主
をしている知識を社会へ出て、どのくらい活かせ
な業務でした。その中でも特に、宿泊をされるお
るのかということをインターンシップを通して
客様をフロントからお部屋へご案内しました。ま
体験し、今の自分に不足している部分は何かを知
た、荷物のお預かりや団体で宿泊するお客様の誘
ることを目的とします。また、ホテルで行ってい
導、ホテルの玄関に立ち、宿泊のお客様のお出迎
る接客のサービスとは、どのような工夫がされて
え・道案内、お部屋へ荷物を届ける業務などがあ
いるのかを実際に体験し学びたいと思いました。
ります。
お客様から場所を尋ねられることが多いため、
ホテル周辺のことやホテル内のことを把握しな
2.研修内容
ければいけません。ホテルの中を把握するにあた
2.1.講義
って、勤務時間内にさまざまな施設やレストラン
インターンシップ先では営業概要やホテルの
の場所を確認しホテル全体を知ることができま
歴史について講義を行ってくださいました。ホテ
した。また、目的地までの行き方を説明できるよ
ルがどのような雰囲気を作り出しているのかと
うにしなくてはいけないため、勤務時間内でわか
いうことや、すべてのお客様が快適に過ごして頂
らない場所は実際に自分でホテル周辺を歩き、確
けるようにバリアフリーや環境問題にもきちん
認をしました。
と取り組んでいるということを知ることができ
お客様の質問にすぐに答えられるようになる
ました。講義の中で実際に盲導犬と生活している
ためには、業務外に自分の目で確かめに行くこと
方のお話を伺い、ご案内する際の良い対応方法を
も大事なことであるとわかりました。
教えて頂きました。ホテルだけではなく日常で使
ホテルには海外のお客様のご利用が多く、学校
える知識も増やすことができ、社会へ出てから身
で過ごしている中では授業以外で英語を使う機
に付く知識がたくさんあるということがわかり
会はないので、英語を毎日使う環境の中で過ごす
ました。
という貴重な体験をさせて頂きました。
また、従業員が働きやすい環境をつくるための
講義などが行われていました。ホテル全体で問題
意識を高め、さまざまな工夫をして
3.研修の結果得たもの
勉強面では、英語を中学校から 9 年間勉強して
43
きましたが実際に英語を話す環境でなかったた
お客様と接するときは常に、一期一会という言
め、会話などはできませんでした。しかし、接客
葉を考えました。そして、一期一会を形にするた
をする時に英語を使わなければいけないという
めには、挨拶や笑顔が大切であると思いました。
環境に入ると、徐々に聞き取れるようにもなり、
良いサービスをすることができるということは
英語で会話をするということが自然と身に付い
職場が良い環境であるからだと感じました。
てきました。インターンシップで英語力を鍛える
ことができ、英語を話せる喜びを感じることがで
4.研修の感想
きました。それと同時に、いろいろな国の方とコ
約半年間のインターンシップを経験して、学校
ミュニケーションをとることができ、世界が広が
では決して、経験のできないことを学ぶことがで
るという貴重な体験をさせて頂きました。
精神面では、自分の気持ちがどのような状況で
きました。働くという意味も見つけることができ
あっても、お客様に明るく振る舞いおもてなしを
ました。接客業の場合は、お客様に直接サービス
する心を忘れてはいけないと実感しました。そし
を提供し、それに対して「ありがとう」という言
て更に、お客様をご案内するという業務は、ただ
葉やお褒めの言葉を頂けることで、また頑張ろう
ご案内するのではなく、どのようにしたら短い時
という気持ちになり、成長していくのだと思いま
間の中でお客様とコミュニケーションをとるこ
した。
とができ、お客様に良い気持ちを与えることがで
また、学生の時にはわからなかった時間の大切さ
きるのかを考えながら機敏に判断し、行動しなけ
を強く感じました。社会へ出る前にすべきことや、
ればいけないということを実感しました。マニュ
やりたいことが見えてきたため、これからの大学
アルは基礎としてとても重要ですが、お客様は一
生活を有意義に過ごし、この経験を就職活動にも
人一人違うためマニュアル以外の応用力も必要
活かしたいと思います。そして、インターンシッ
だとわかりました。お客様の気持ちを考えながら
プを支えてくださった大学の先生方、お世話にな
接客するということがお金では買えないサービ
った京王プラザホテルの方々に深く感謝致しま
スに繋がるのだと知ることができました。そして、
す。ありがとうございました。
以上
サービスとはお客様に何かをしてあげたいとい
う気持ちが大切であるとわかりました。実際にホ
テルに宿泊し、接客される立場を経験するという
機会を作ってくださいました。お客様の目線でホ
テルをみると、他の従業員の方の良い接客方法や
レストランの料理を知ることができました。この
体験では、自分の接客の仕方の違いの発見や、よ
り詳しくレストランなどのおすすめをすること
ができ、とても良い経験をすることができました。
また、ホテルは連携プレイであるということを
知りました。お客様のホテルに対する印象が 100
だった時、何か 1 つ悪い印象を与えてしまったら、
100 が 0 になってしまうこともあると教えて頂き
ました。このことによって、社会では常に誰かに
評価されているということを知ると同時に、責任
の大きさを知ることができました。
44
専修大学
取り組み状況
① 基本的な考え方
験をすることにより、その後の勉学や就職に対す
(経済学部)仕事を実体験することで、社会を見
る明確な意識を養うことも目的の一つである。
る目を身につけ、かつ勉学の対象としている経済
(課外)ベンチャー企業から上場企業まで、「多様な
社会の仕組みに関心を持たせることを狙いとし
ビジネス・多様な企業でのインターンシップ」に積極的に
ている。とりわけ、受講者の主体的・積極的・能
取組み、学生へキャリアを考える判断材料を提供する
動的な取り組みを推奨しており、「何事かを発見
ことを目的としている。また、川崎市や多摩区、
し、表現し、発言する」心構えを強調している。
川崎商工会議所との連携による地元企業や区役
(法学部)社会において現実に活動する組織には、
所への派遣、留学生に特化したプログラムも展開
いずれも重要な社会的機能がある。各受講者が当
している。
該組織の社会的機能とその実現過程について生
② 研修内容
きた知識を習得すること、そしてその習得したも
(経済・法・経営・商・課外)研修先企業等との
のから法学部で学んでいる「法律」と「政治」に
取り決めに従い、研修先企業で行う。(ネットワーク情
はどのような意義があるかを再発見することが
報)ソフトウェア開発、システム開発、音楽配信システムの模擬
期待される。(経営学部)最大の目的は、経営学
サイト構築、マーケティング。
部教育の充実にある。具体的には、企業で行われ
③ 研修期間
ている様々な業務と企業経営のダイナミズムを体験
(各学部共通)夏期休暇中の2週間程度
させることによって、学生の経営学およびその他
(課外)長期休暇中の 10 日~1 ヶ月半程度
関連科目に対する学習意欲を高めることにある。
④ 履修学生数(課外は、参加学生数)
また、自己の職業適性や将来設計について考える
(経済)15 名(法)30 名(経営)32 名(商)7
機会を与え、学生の職業選択の意識を高めること
名(ネットワーク情報)23 名(課外)33 名
も重要な目的の 1 つである。(商学部)企業の仕
⑤ 選択、必修の区別
組みや仕事の流れ、情報システムや情報の活用、仕事
(各学部)専門選択科目(課外)単位認定外
の場における人間関係などの理解を深めること
⑥ 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
を通じて、これまで学んだ知識を確かめ、これか
(経済)事前:各業界・業種の方々に講演してい
ら学ぶべき課題や方向を見出すこと。体験による
ただき、仕事・職業について具体的にイメージして
学習で見聞を広め、時間を守ること、組織の一員
もらう。事後:成果報告会に向けて、研修期間に
としての行動や人間関係など社会人としての自
体験したことや入手した情報に加えて、追加的な
覚を促す機会とする。(ネットワーク情報学部)通常の
資料を組み合わせてプロジェクターを用いたプレゼンテー
大学の講義では学ぶことができない企業実務に
ションを行い、個人レポートにまとめさせる(年度末に、
かかわる研修を行う。具体的には企業環境のなか
冊子『わたしたちのインターンシップ』を作成)。(法)
で、組織における協同作業、物や情報の流れの実
事前:研修先に提出する「志望理由書」の作成を
態を知り、働くことの意味や厳しさ、職場のマナー
通して、インターンシップの「志望理由」、
「目的・目標」、
や人間関係のありかた、時間や健康の管理を含む
「自己 PR」などを明確にし、
「社会に出て研修を
自己管理、社会人として将来なにが要求されるか
行う」強い意識を持つように担当教員が個別に指
を学ぶ。大学で学習した情報に関する専門知識と
導・助言を行うことに力を入れた。また、前年度
技術的な能力を企業において試す。企業での実体
受講者の研修体験をはじめ、各業界・職種の実務
45
担当者による講演を行い、学生が各自で企業およ
事前教育の講演等についても好評を得ている。ま
び業界研究を行いながら、自分が希望する職種・
た、研修先によってそれぞれ担当教員がつくため、
職業・仕事内容等について具体的なイメージを作り
志望理由の作成などを通してきめ細かい指導が
上げていくことを中心とした。また、ビジネスマナー
できている。そのため、今年度は研修先からの報
講習やプレゼンテーションをとおして学生のコミュニケーション
告書でも非常によい評価を得ることができた。事
能力の向上を図った。事後:「社会活動」報告書
後教育については、今後は履修説明の際に報告会
を提出させた。また「報告会」を設け、体験内容・
を兼ねるなどして、事後教育の充実と履修を希望
反省・今後の目標などを全員が発表したのち、そ
する学生へ一層の周知を図っていきたい。
(経営)
れぞれが情報交換を行った。(経営)事前:企業
受講者からは、自分の学生生活や将来設計を考え
研修の手引きを配布し、企業研修の目的やねらい、
る良い機会が得られたと答えている。成果発表会
受講上の注意、研修中に作成すべきもの、研修中
ではすばらしいプレゼンテーションを行っており、企業
の注意事項などについて説明する。また、事前教
の方々からも高く評価されている。また、多くの
育の一環としてビジネスマナー教育を行っている。事
学生は大学の授業で学んできたビジネスに関する
後:成果発表会は研修先企業の方々を招いて行わ
知識が、実践の場でどのように役立つか、どのよ
れる。学生は自分たちが体験したことやインターンシッ
うな意義があるかを発見している。このように、
プを通じて学んだことなどについてパワーポイントを
学生の学習意欲向上と将来設計という当初の目
利用して発表する。なお、成果発表会は全学部の
的は達成されていると考えられる。(商)受講者
教員と学生に公開されている。(商)事前:研修
は、社会や将来に対する考えの具体的なイメージを
先企業研究、ビジネスマナー研修、指導教員による事
持つことができ、心構えに変化が出てきた。積極
前指導。事後:指導教員による事後指導、体験発
的・能動的に取り組む意欲や自己表現能力、多彩
表会の実施、最終レポート提出。
(ネットワーク情報)事前:
な能力を育成するという商学部の目的は達成し
産学連携、知的所有権、ビジネスマナーなどを学習。
ている。学生の希望する専門課程にあった企業・
事後:神奈川県情報サービス産業協会の研修生成果
団体への派遣、本学部の条件にあった研修先の開
報告会、授業内発表会及び各研修先企業において
拓が課題である。
実施。
(課外)事前:ビジネスマナー研修の実施。事後:
(ネットワーク情報)各企業からは有益な研修プログラム
報告書の提出ならびに成果発表会を行い、全学的
を提供していただいた。研修先で組織内の社員及
な意識醸成を図った。
び客先とのコミュニケーションの方法、実務的観点からプロ
⑦ 受入企業数
グラミングの手法、仕事に関連した広い知識などを
(経済)14 社(法)19 社(経営)23 社(商)7
得ることができた。実際の職場環境を体験し、将
社(ネットワーク情報)19 社、(課外)27 社
来の職業に対する具体的イメージを持つことができ、
⑧ 実務担当部署
心構えが変わった。
(各学部共通)科目担当教員および教務課各学部
(課外)課外プログラムのため、学年の制限無く多
担当(課外)キャリアデザインセンター事務課
くの学生が参加している。成果発表会で学内の意
⑨ 総合評価と今後の取り組み
識醸成を図っているが、参加者の更なる増加、受
(経済)履修済みの学生には好評で、満足度も高
入先の開拓が今後の課題である。
く、充実感のある科目と認識されている。ただ、
研修先の開拓や学生との日程調整などを、担当教
員がほとんど担っている状況は限界に近く、大学
全体での組織的なサポート体制の確立が喫緊の課題
である。(法)受講者からは、実習だけではなく
46
専修大学
氏名:星野
経済学部
成果報告
健太郎
所属:専修大学
経済学部
た。このような現状の中で「つな川」があるのは、
受入先機関名:株式会社
経済学科3年
最近、特に海外の日本食レストラン向けのお茶の
つな川
輸出が貢献しているからであると聞きました。こ
研修期間:平成20年8月4日~8月9日
れからの商いは国内だけでなく海外にも目を向
けなければ生き残るのは難しいといわれたのが
思い出されました。
1.目的
第4、5日目は輸出部門を見学させていただき
私は、卒業後の進路がはっきりしなかったた
ました。第4日は「つな川」の営業担当の方に同
め、インターンシップへの参加を通じて就職活動
行し、実際の営業活動、築地市場や近藤貿易株式
の前に社会に対する視野を広げようと考えまし
会社への挨拶、第5日は近藤貿易での研修となり
た。
ました。営業の同行では、実際の交渉から物が動
くまでを学ばせていただきました。最近の世間話
2.研修内容
から始まった話が次第に価格、数量、中国に送る
株式会社つな川は、日本茶・海苔の卸・小売・
場合のパッケージの種類はどれにするかの本題
輸出業を手掛ける企業で、今回のインターンシッ
に展開した後、さらに売りこめないかと交渉が始
プでは、川崎市中央卸売市場北部市場店を中心に
まっていきました。お互いの立場やその国の事情
実習させていただきました。
などが絡み合ってテーブルの上では見えない駆
初日から3日目までと最終日は市場にて研修
け引きがありました。このような物の動くまでを
となりました。市場は昔から日本人の食を支えて
見ることは今までなかったので、とても新鮮に感
いましたが、バブル経済が崩壊してから取扱高は
じました。ただ、このように和やかに交渉が展開
減少し始め、最近は活気が無くなったということ
するのは、長年の関係があるからであると教えて
を実習中に多く聞きました。流通コスト削減のた
いただきました。また、近藤貿易では実際の業務
めの産地直送など「市場外取引」が多くなってき
の見学のほか、雑務のお手伝いをさせていただ
たことがその理由とのことです。このような欧米
き、さらには時間をとってお話を伺うこともでき
型の効率重視を疑問視していたのは水産関係の
ました。貿易業というと華やいだイメージをもっ
方でした。「市場は需要と供給の調整だけでなく
ていましたが、かなり地味な作業があり自分の認
目利きとしての役割がある。食文化を日本とアメ
識が足りないと感じました。世界の情勢から食の
リカで比べると、日本は物に優劣をつけ、それを
輸出の将来性まで、現場を知っている方のお話は
適正な価格で取引する。そこがアメリカとの違い
気持ちを高ぶらせるものでありました。「世界は
であり、日本の食文化である」との事でした。他
広いようで狭い、狭いようで広い」と強調されて
にも、水産関係者の方からは身近な話題を例に中
言われたのが今でも記憶に残っています。
国の台頭による影響などのお話を聞けました。ま
た、テナントに入っていた企業が撤退している市
3.研修で得たもの
場全体の現状も見学させていただきました。市場
今回の研修では、体験を通じて仕事に対する見
の状況を見ることは日本経済の現状を学ぶ授業
識を広めることができました。一社にとどまるこ
の裏づけが取れたように感じ、実感がわきまし
となく、幅広い業種の方たちのお話は刺激的なも
47
のでありました。今回の市場研修、営業体験、近
藤貿易での研修では、仕事に対する熱意を感じ、
仕事が楽しそうに見えました。しかし、現在の経
済環境の中では小売、卸売業界だけでなく多くの
業種で苦しい状況が確かに存在し、その中でさま
ざまな業種が悪戦苦闘していることが、現場の方
とのお話で実感として残りました。卒業までの1
年余りの学生生活をどう過ごすべきかを考えさ
せられるものでした。
4.研修の感想
今回は、幅広くさまざまなことを見て、体験で
きたと思います。市場では仕入れを見せていただ
き、実際の販売の手伝い、営業同行、近藤貿易へ
の研修、そこで出会った方々からの数々の仕事の
話や人生談を聞かせていただきました。当初予定
していた研修よりも内容の濃いものになったと
思います。今回の研修目的であった社会的視野を
広げることに大いに参考となりました。また、実
際の経済を学ぶという点において、今回のインタ
ーンシップは非常に有意義なものであり、これか
らの就職活動への参考にもなりました。6日間と
いう短い間でしたが普段の学生生活では見れな
いこと、体験できないことなど、内容の濃い経験
ができました。この機会を与えて下さった株式会
社つな川の皆様をはじめ、訪問の際に金融業界の
ことをお話いただいた川崎卸センター常務理事
事務局長の中村様、川崎中央卸売市場、近藤貿易
の皆様に深く感謝いたします。ありがとうござい
ました。
以上
48
専修大学経済学部
氏名:渡辺
成果報告
ためその対応業務をさせていただきました。
幸広
所属:専修大学経済学部経済学科3年
受入先機関名:国立大学法人
2-2、財務部
宇都宮大学
財務部では、主に経理課での業務を1日経験し
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~9 月 5 日
ました。
はじめに財務課から宇都宮大学の財務状況の
説明を受けた後、経理課の契約室で役務・物品に
1、目的
関する契約統括表・購入依頼票の作成業務を経験
私は元来教員志望で、大学入学と同時に教職課
程を履修しました。しかし、「大学職員」にお世
し、午後からは出納係での伝票作成、不動産(施
話になった経験から、学生をサポートできる仕事
設の貸出)・教職員の旅費管理の業務をさせてい
の存在を知り、学校事務職員の仕事に憧れを抱く
ただきました。
ようになりました。
2-3、学務部
大学職員の業務を経験し、学生に対して自分は
どのようなサポートができるのか考えること。そ
学務部では、修学支援課、学生支援課、キャリ
して、学生・教員・職員の間に堅い信頼関係を築
ア教育・就職支援センターでの業務を3日間経験
くにはどうすればよいか、より効率的な学校運営
しました。
修学支援課では、窓口対応、データ入力、原義
を行っていくにはどうすればよいか、という大学
書の作成等の業務をさせていただきました。
職員が直面している課題・問題点への取り組みを
学生支援課では、同じく窓口対応、ポスター作
学びたいと思いました。
成、留学生に関する資料整理、奨学金に関する電
以上の理由から、宇都宮大学での研修を志望し
話対応等の業務を経験しました。
ました。
キャリア教育・就職支援センターでは、他大学
のホームページのリサーチ、ポスター作成、求人
2、研修内容
資料の整理等の業務をさせていただきました。
宇都宮大学の事務組織は、大きく分けて4つの
部署に大別されます。今回の実習は各部署をロー
テーションで回り、大学職員の業務全般を 10 日
2-4、学術研究部
間にわたり経験させていただきました。
学術研究部では、産学地域連携課と研究国際課
での業務を3日間経験しました。
産学地域連携課では、宇都宮市から依頼されて
2-1、総務部
いる「宇都宮駅東口開発事業」について、宇都宮
総務部では、人事課と企画広報室での業務を3
大 学 お よ び栃 木 県 内 の他 大 学 が どの よ う な 事
日間経験しました。
業・サービスを提供できるのか、他大学の実例を
人事課では、教職員の給与の計算業務と、国立
リサーチし、自分の提案をまとめたパワーポイン
大学法人等職員採用試験の説明を受けました。
トの作成、及びプレゼンテーション等、実践的な
企画広報室では、秘書、目標・計画、点検・認
業務が経験できました。
証評価、ホームページ作成と多岐に渡る業務だけ
研究国際課では、宇都宮大学が提携している海
でなく、研修当日は高校生の学校見学が行われた
49
外の交流協定校の最新情報のリサーチと、寄付
感謝申し上げます。
金・研究費助成団体に関する外部資金獲得チーム
また、宇都宮大学の各研修部署の担当の方々は、
の業務をさせていただきました。
私のために多くの研修資料を作成してくださり、
熱心にご指導くださいました。
3、研修の結果得たもの
私が将来の進路を考える上で、今回の研修はと
今回の研修により、大学職員の仕事内容は私の
ても有意義なものとなり、自分を大きく成長させ
想像以上に多岐に及んでいること、そして職員に
ることができました。関係者の皆様に重ねて御礼
は企画力・行動力・柔軟性が求められていること
申し上げます。
を実感しました。
以上
特に今回は、国立大学法人での実習だったため、
法人化後に国立大学にはどのような変化が生じ
たのか、現状を肌で体験できる数少ない機会でも
ありました。
具体例を挙げると、運営費交付金の漸次削減、
それに応じた外部資金獲得チームの新設等の財
政面での変化、地域貢献が強く求められる地方国
立大学の使命、決して不正が許されない複雑な役
務・物品の購入経路、文部科学省からの認証評価
業務等、普段の学生の立場からでは決して知り得
ない学校運営の現場での発見が数多くありまし
た。
教職課程で教育を学ぶ私にとって、どの業務も
たいへん興味深いものばかりでした。
4、研修の感想
元来教員志望だった私ですが、今回の実習を経
て、事務職員という形で教育に携わる仕事の魅力
を感じとることができ、将来は、「教員としてで
はなく、事務職員として働きたい」という確信を
得ることができました。
最も大切なことは、「大学の主体である学生を
全力でサポートし、より良いサービスを提供する
にはどうすればよいか」を常に念頭に置くことで
す。
今後は「国立大学法人等職員採用試験事務室」
主催のセミナーにも積極的に参加していきたい
と思います。
最後になりましたが、このような研修の機会を
提供してくださった、宇都宮大学の皆様には深く
50
創価大学 取り組み状況
(2)研修期間、選択必修の区別、事前事後教育
(1)基本的な考え方
本学「EDIIインターンシップ・プログラム」は、大学
○研修期間…基本的に夏季・春季休業期間に開催
内の各科目と有機的に連動し、キャリア教育の一環と
するインターンシップが中心であるが、3ヶ月以上の
して学生の職業意識の醸成を目指し、全学的な取り
インターンシップや留学中の海外インターンシップな
組みとして推進を行っている。
どの長期インターンシップも対象となる。
①EDIIの総称
○選択・必修の区別…共通・選択科目にインターン
・E(エナジー)…自己を拡大する力
シップの科目が設定されている。工学部では専門必
・D(ディスカバリー)…新しい自己発見
修科目もあり。
・I(アイデンティティー)…変化した自己の感得
○事前・事後教育について
・I(インテリジェンス)…生きた知性の開花
事前教育…インターンシップの情報収集の仕方・エ
インターンシップの経験を通し、上記4つの力を陶冶
ントリーシートの書き方等を、行事や個別相談にて行
することを目的としている。
っている。実習が決まった学生には事前研修をPCや
ビジネスマナー、実習の心構えや就業規則の徹底等
の事前研修を開催している。
②「キャリアプラン型」のインターンシップ
事後教育…実習日誌や実習報告書等の各種書類の
本学のインターンシップは「キャリアプラン型」で、
提出や、終了後の実習報告会を開催している。
職業意識の醸成を目指し、企業等での就業体験を
通じ、社会・企業活動の実態に触れ、学生が卒業後
(3)本年度の特色
の進路選択の指標にすることを目指している。
本学のインターンシップへの取り組みは、平成12
年度より開始され10年目を迎えた。学生の希望者も
③「産学・地域連携」の重視
年々増えており、インターンシップの希望者は増加の
インターンシップの質的向上・量的拡大を期し、産
学・地域連携に重点を置き、インターンシップを通じ
傾向にあると言える。本年度の主な特徴として、
て地域に貢献する人材の育成・教育の充実を目指し
①海外インターンシップの増加
ている。
②1年生の健闘
③自己開拓でインターンシップ先の開拓
が挙げられる。
④各学年別の目的
・「チャレンジ・インターンシップ」…1年次生対象。社
会性の自覚、職業意識の植付け、自立心の育成を
(4)本年度の特色・概要
計る
①海外インターンシップの増加
・「リード・インターンシップ」…2年次生対象。学生の
自己開拓も含めて、海外でのインターンシップに取り
職業適性、業界・企業・職種等の把握を目指す
組む学生が増加した。米国・英国・東南アジア・中国
・「ジャスト・インターンシップ」…3年次生対象。理論と
などの諸外国でインターンを目指す学生や、また航
実践の統合、知識から智慧への体験を目指し、将来
空業界海外インターンシップコースなど、例年になく
の志望にマッチした業界・職種の就業体験を行う
多くの学生が海外でのインターンシップに挑戦した。
・「ジョブ・インターンシップ」…4年次生対象。社会に
②1年生の健闘
出るための準備を念頭に、内定取得後、入社前の実
今年も積極的にインターンシップに取り組む1年生
習体験を経験することを狙いとする
51
が多かった。中学・高校でインターンシップを経験し
3年生
90名 4年生以上
5名
ている学生が多い世代ではあるが、2年生以上に意
識・意欲の高い学生が多く見受けられた。
《業種別》 公務員
1年生の個別指導は、昨年同様インターンシップ
製造業
26名 IT関係
15名 法律事務
41名
3名
経験者の3年生による学生メンター制度のEIM(エイ
議員事務所 7名 農業
2名
ム)22名が、1年生にマンツーマンのアドバイスを行う
ホテル
11名 建設
11名
体制を敷き、春夏併せて50名の1年生が実習に参加
運輸
9名 マスコミ
することができた。
サービス
ある1年生は、今夏のインターンで気付いた課題を、
19名 小売・卸売
6名
20名
NPO・公益法人 20名
大学生活で克服すべく具体的な目標を再設定する
コンサルティング
など、インターンシップと大学とのオン・オフ教育の効
金融
果が出ているとも言える。
旅行業
6名
その他
5名
9名
13名 印刷業
海外
2名
3名
③自己開拓での実習先開拓
特に今年は、自己開拓で実習先を獲得する学生
(6) 実務担当部署まとめ
が増えたことが挙げられる。
本学として、下記項目を特に重点課題として取り組
一部上場企業の営業インターンシップに取り組む
んできた。
学生や、国家・地方公務員等のインターンシップも増
① メンター制度(EIM)の活動強化
加した。
② 大学紹介企業・実習先の拡大
特に本年度より授業日数の確保のため、夏季休暇
③ 自己開拓の推進・サポート
が10日近く短縮され、学生も学祭の準備や語学研
④ 海外インターンシップの拡充
修など、日程の調整に苦慮する中、多くの学生がイ
更に実習先の拡大・学生数の増加とともに、インタ
ンターンシップに挑戦し、大きな成果を得ることがで
ーンシップと学業との連携をはかり、より充実したイン
きた。
ターンシップにしてまいりたい。
今後も学生の育成と実習先の拡大を課題に全力
250
で取り組んでいきたい。
200
(5)20年度の実績
150
総計 146社 228名
(大学紹介
87社 160名)
(自己開拓
59社
100
50
68名)
0
《男女別》 男子59名 女子169名
《学部別》 経済学部 61名
法学部
〈インターンシップの実績〉
経営学部 34名
47名
文学部
53名
教育学部 9名
工学部
24名
《学年別》 1年生
48名 2年生
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
85名
52
企業数
実習生数
創価大学文学部
成果報告
氏名:飯星響菜
並んだお客様の搭乗券とパスポートのチェック
所属:創価大学文学部英文学科 3 年
を行う。近年、セキュリティー強化のため、搭乗
受入先機関名:(株)日本航空インターナショナル
口でも搭乗券とパスポートの確認を行っている。
ホンコン支店ホンコン空港所旅客セクション
現在、香港では定時運行を目標にしており、チェ
研修期間:平成 20 年 8 月 4 日~9 月 3 日
ックインされたお客様全員が搭乗されなくても、
離陸 10 分前には飛行機の扉を閉めるようにして
1. 目的
いる。チェックインされたお客様が搭乗口に来ら
大学を出て社会で働くことに対して、漠然と大
れない場合、時間ぎりぎりまでお客様を探しに、
きな不安があったので、このインターンシップを
店の中や、エスカレーター前などを捜しまわるこ
通して、働く喜び・楽しさを見出せるようになる
とも多かった。また、ベビーカーご利用のお客様
こと。
がおられる場合は、事前にベビーカー用のタグ(荷
また、人間力、語学力、社会人マナーなどの総
札)を作成し、機内に持ち込む際のお手伝いもする。
合的な自分の実力を知り、今後の自己啓発につな
2.3 チェックインカウンター
げる。
チェックインカウンターでは、香港人または日
2. 研修内容
本人の社員の方のカウンターに一緒に入らせて
2.1 サクララウンジ
いただき、チェックイン荷物の札付け、荷物の重
主に、受付でラウンジご利用のお客様にご挨拶、
量チェックのお手伝いをさせていただいた。その
搭乗券確認を行う。その他、ラウンジ内の新聞整
他、日本語しか話せないお客様が困っている際に、
理、搭乗時間ご案内のアナウンスを 3 カ国語(日
簡単な日英の通訳を頼まれることが多々あった。
本語、英語、広東語)で行う(日本人研修生は日
2.4 その他
英のアナウンスをさせて頂いていた)。
空港でお客様の対応をする実習以外にも、機内
2.2 到着口、搭乗口
食製造・運搬過程の視察、JAL PAK 香港支店で
現在、香港国際空港の日本航空運航便は、成田
の研修、ペニンシュラホテル視察、フライトオペ
からの到着便が 3 便、羽田から深夜便が 1 便であ
レーション視察、飛行機整備視察、貨物倉庫視察
る。出発便も到着便と同じ便数で運行している。
( 香 港 の 貨 物 倉 庫 HACTL(Hong Kong Air
到着口では、香港から別の空港へ乗り継ぐお客
Cargo Terminal) は世界一の規模・設備を誇る)
、
様のために、乗継便の案内板を毎回作成する。ま
日本航空チケット予約センター香港支店視察な
た、香港空港からフェリーに乗り、そのまま中国
ど、実際にはグランドスタッフの仕事ではない研
本土に入国される方もおられるので、その場合は
修も多数おりこまれた実習であった。航空業界と
香港で出国手続きをしないように呼びかけ、フェ
いっても、空港で働く業務だけでなく、他にも数
リー乗り場への行き方をご案内する。それ以外は
多くの業種があり、これらたくさんの人たちが協
基本的に、乗継案内板の傍の立ち、お客様にごあ
力し合って初めて、一つの飛行機を飛ばすことが
いさつをする。
できる。幅広く業務を体験・見学できたため、航
空業界の奥深さを垣間見ることができた。
搭乗口では、運行や搭乗時間に関するアナウン
スを 3 カ国語で行う。搭乗が始まると、搭乗口に
53
3. 研修の結果得たもの
しかし、お客様と接することを楽しむ自分や、笑
まず、今回の研修を通して、働く喜び・楽しさ
顔で人とコミュニケーションを楽しむ自分を発
を見出すことができるようになった。社会人にな
見できたことは、少し驚きと同時に大きな成果で
ることに対して大きな不安感を抱いていた私に
あった。
とって、これは大きな成果であった。オフィスの
最後に、今回の実習で、自身の日本語・英語両
明るい雰囲気、社員一人一人の皆さんが生き生き
言語能力のなさを痛感できた。一か月の研修で、
と、輝きながら仕事をされている姿に、初日から
日本語の敬語も、英語の敬意表現も以前よりは使
感動し、自然と不安な気持は消えていった。同じ
い慣れはしたが、まだまだ学習の余地が大いにあ
職場の人間は家族同様に気遣いあう、という香港
る。海外で働くにしろ日本で働くにしろ、日本人
人の気質もあり、社員の方々と公私ともに仲良く
たるもの一番大事なのは正しい日本語能力であ
していただき、社員の方々の誠実な態度から、学
る、と今回海外で研修をさせていただいて学んだ
ぶことは本当にたくさんあった。接客という現場
ことの一つである。第二、第三言語習得も大事で
での仕事の楽しみだけでなく、このような社内環
あるが、まずは母国語である日本語を見直すこと
境を築くことも、仕事を楽しむための大事な要素
が大事だ。より高い次元の日英語習得をめざして、
だと感じた。
これからも勉学に励みたい。
次に、人に尽くす精神を学ぶことができた。こ
4. 研修の感想
の、いわゆるサービス精神は、仕事の楽しみの延
長線でもある。サービス業といっても、サービス
まず、お世話になった日本航空本社の方々、ま
をするのもされるのも人間であり、人間同士の触
た香港支店の社員の方々に感謝を述べたい。初め
れ合いだからこそコミュニケーションが生まれ
てのインターンシップで、不安だらけだった私を
る。徐々に、上手にお客さまとコミュニケーショ
温かく見守って下さった日本航空の方々のおか
ンが取れるようになってくると、一つ一つの出会
げで、大成功の研修にすることができた。
いをもっと大事にしたいと思うようになった。あ
また、今回勇気を出して行動し、このインター
る日、日本に帰国する年配のご夫婦のチェックイ
ンシップに挑戦して本当によかったと思う。行動
ンを手伝った際、「やっと日本人にあえてほっと
しないと何も変えられないし、勇気を出して行動
したわ」と出会いがしらに言われたことがあった。
すれば、必ず何かを学ぶことができると実感した。
同じアジアの国といえど、文化も言葉も全く違う
自分の殻にこもらず、これからも様々なことに挑
香港に、お二人だけで来られたご夫婦のことを考
戦し、自己開拓を深めてまいりたい。
えると、お疲れではないか、香港を楽しんでいた
だけただろうか、という気持ちが溢れてきた。香
港人の先輩がチェックインをしている間、短い間
だったが、お二人の苦労話や思い出話を聞かせて
いただき、楽しそうにお話しする二人を見て、こ
ちらもとても幸せな気持ちになった。人生に一度
っきりの出会いかもしれない。それでも、お客様
の一瞬の反応からその人のことを少しでも理解
し、その人に合わせた対応ができることが、接客
の心ではないか、とその時感じた。
また、自己分析を深めることができた。正直、
今まで自分は接客に向いていない、と思っていた。
54
<日本航空機
香港国際空港にて>
以上
創価大学経済学部
氏名:酒井
成果報告
亮
な数々の緊張を経験できたのは、私が企画広報と
所属:創価大学経済学部経済学科 2 年
いう部署に配属されたからである。これらの電話
受入先機関名:株式会社京王プラザホテル
対応により、私は一つの仕事に対する、社会人と
研修期間:平成 20 年 8 月 5 日~9 月 3 日
しての責任の重さを自覚することができた。
1. 目的
2.3.ホテル企画の補佐
私は、今回の研修に際し、二つの目的を立てた。
夏休み中の研修ということで、様々な企画があ
まず一つ目に、学生生活では経験できない、社会
り、それらの補佐をさせていただくことができた。
人の生活リズムやビジネスマナーなどの、いわゆ
具体的には、会場作成の手伝い、また出演者誘導
る「社会人基礎力」を学ぶというものである。二
などを行った。特に、
「Mr.マリックディナーショ
つ目に、ホテルでの研修であるので、ホテル業界
ー」は、実際の企画運営を学ぶ機会として、最高
でしか学ぶことのできない、接客マナー、また今
のものであった。多くのホテルスタッフが、一つ
後のホテル業界の経営戦略を学ぶというもので
の企画を作るために動き、また、出演者側も最高
ある。
のものに仕上げようと努力する。双方の努力、プ
ロ意識がない限り企画は成立しないということ
2. 研修内容
を感じることができた。
2.1. 研修先概要
2.4.館内展示物設置
私は、営業戦略室企画広報で約一か月間研修を
ホテルには、多くの展示品がある。特に、京王
行うことになった。企画広報は、フロントサービ
プラザホテルには、ロビー展示という、ロビーで
スやベルのような、直接お客様への接客を主に行
芸術作品などを展示する場所がある。私の研修中
う部署ではない。主な業務としては、広報として
には、
「東北フェア」という、
「ねぷた祭り」をは
の役割である、マスコミの取材対応や社内報の作
じめとする、東北のお祭りを特集する企画、さら
成、また、企画としてのディナーショーなどの各
に「大有田ぷらざ展」という佐賀の有田焼を特集
種ホテル企画の立案、運営を行っている。
する二つの企画が開催されていた。
これらの企画は、企画単体だけで開催されるの
2.2.電話対応
ではなく、ホテル内にあるレストランなどとコラ
私が最も多く研修中に、経験させていただいた
ボレーションを行い、ホテル全体で企画を盛り上
のは、電話対応である。一言に電話対応といって
げていた。
も、企画広報での電話対応には様々ある。先ほど、
私は、実際に展示物の点検や設置などを行い、
述べたように、マスコミ各社からの問い合わせや
普段では中々見ることのできないような多くの
取材申し込み、また企画が行っているディナーシ
作品の見学を行うことができた。また、どのよう
ョーなどへの問い合わせなどが含まれる。
にすればお客様にいい印象を与えられる設置に
特に私が緊張したのは、マスコミ各社からの問
なるかなども学ぶことができた。
い合わせに対応した時である。なぜなら、私の言
2.5.館内広告物整理
動一つが、ホテルの公式な見解ととらえられてし
まう可能性があるからである。しかし、そのよう
ホテルの中には、実はかなりの数の広告物があ
55
る。私は、自分で実際に広告物の整理を行うまで、
年間のうちにサービス、ビジネスで使える英語を
ホテルにこれほど多くの広告物があるとは、気付
獲得しなければならないと感じた。
かなかった。広告物は、ホテルの宿泊案内、レス
またこの語学力の重要性は、英語に限られたも
トラン情報やホテルイベントなどの紹介と多種
のではない。京王プラザホテルのお客様の多くに、
多様にわたって展開されていた。
韓国、中国などのアジア各国の方々もいる。彼ら
さらに、広告物の設置をする際にでも、お
は、英語で私たちに話しかけてくるが、もし私た
客様が取りやすい量に設定するなど、常にお
ちが彼らの母国語を喋れれば、彼らに、さらに良
客様のことを考えるホテルのサービス精神を
いサービスを提供できるに違いないだろう。つま
学ぶことができた。
り、英語以外の言語は、サービスの向上にもつな
がり、さらには、自らのアドバンテージにもなる
3. 研修の結果得たもの
だろう。このように、私は日ごろの業務を通じて、
今回の研修を通し私は、多くのことを学ぶこと
言語の重要性を改めて、再認識させられた。
ができた。ここでは最も心に残った二つのことを
4. 研修の感想
述べたいと思う。
まず一つ目に、社会人としての責任である。先
一ヶ月間の社会人の生活を経験してみて、私は、
ほども述べたように、自分の行動がホテルの行動
日頃の学生生活とかなりのギャップがあると感
となる可能性があるので、注意を怠らず、しっか
じた。たとえば、社会人は時間に厳格であり、一
り責任を待つ必要があると私は考えていた。しか
分の遅刻も許されない。しかし、多くの学生は、
し、実際、研修当初の私は、学生である私に、こ
大学生活という特殊な環境の中で、遅刻やぎりぎ
の責任を全うする事は厳しいのではないかと考
りの時間帯に慣れてしまっている。また、業務の
えていた。研修を進めるうちに、「自分の行動=
中でも、何度も述べているように、学生生活でな
ホテルの行動」ならば、「自分のいい行動=ホテ
かなか経験また、味わうことのできない責任感が
ルのいい行動」にもなるのではないかと考えるこ
あった。これらのギャップをいち早く、実際に経
とができるようになった。それから、自分ひとり
験できたことは、今後の就職に向けてだけでなく、
の小さな力でも、ホテルのイメージを向上させる
将来、社会に出た時にも役立つであろうと感じら
事ができるという心で、私は研修に臨んだ。最終
れた。これらの経験を糧として、今後、私は自ら
的に、私は本当の責任の重要性を学ぶことができ
のキャリア設計を具体的に行っていきたいと思
た。それは、責任という重圧があるからこそ、自
う。今回のインターンシップでは、ホテルについ
らのサービスの質を向上させることができると
てだけでなく、多くの社会人としてのルールを学
いうことである。
ばせていただいた。本当に有意義な一ヶ月間であ
二つ目に、語学の重要性である。私は、大学で、
った。
英語のみですべてを行う授業を履修している。よ
最後になったが、研修期間中にお世話になった、
って、語学力にはそれなりの自信があった。しか
営業戦略室の皆様方、また京王プラザホテルに感
し、実際にお客様を相手にして、英語を使う機会
謝の意を述べたいと思う。本当にありがとうござ
に臨んだ時、自分の語学力の脆弱さに気付かされ
いました。
た。大学での会話は、友人同士の会話、さらに日
また、これから今回のインターンシップで、学ぶ
本人同士である。一方、ホテルではネイティブ、
ことのできた様々な経験、スキルを駆使し、自ら
またネイティブに近いお客様に話かけられる。つ
の進路を勝ち取っていくことで、感謝を示したい
まり、話のレベル、質、共に普段とは違っていた
と思う。
のである。私は、この経験で、残りの大学生活二
56
拓殖大学
取組み状況
1.基本的な考え方
2.研修内容
機械システム工学科・情報エレクトロニクス
実習先企業等との取り決め等に従い、学外実
学科・情報工学科の学科別専門科目として設置
習(インターンシップ)を実習先企業で行う。
し、各学科独自の目標と内容で実施している。
全体的には学生の新たな学習意欲を喚起す
3.研修期間
る契機となり、また、企業との連携を諮ること
2週間から4週間程度
により、新たな産業分野の動向や産業界のニー
ズを知ることができ、大学の教育内容や方法へ
4.履修学生数
の反映が期待できる。
①機械システム工学科
【授業の目標と内容】
①機械システム工学科
「学外実習Ⅰ・Ⅱ」
学外実習Ⅰ
3年
56名
4年
1名
学外実習Ⅱ
3年
55名
4年
4名
4年
1名
②情報エレクトロニクス学科
(選択科目)
学外実習
3年
学生の職業意識を養い、自分の将来のキャ
③情報工学科
リアを考えるための有効な機会となる
学外実習
との認識から開講している。
合計 132名
②情報エレクトロニクス学科
7名
3年
8名
4年
0名
「学外実習」
(選択科目)
5.選択・必修の区分
専門知識をある程度習得した段階で、企業
(ア) 機械システム工学科 「学外実習Ⅰ(3
活動や生産現場はどのようなものかを知
年前期)」「学外実習Ⅱ(3年後期)
」
る目的で、夏季休暇期間を利用して、関連
学科別専門科目として配置している選
のある企業の工場等で実習を行う。
択科目
③情報工学科
(イ) 情報エレクトロニクス学科 「学外実習
「学外実習」(選択科目)
工業教育の充実を図るために、会社・事業
(3年前期)
」
所等の協力を得て、つぎの趣旨で行う。
学科別専門科目として配置している選
・ 将来、技術者として活躍する時の心
択科目(応用科目)
(ウ) 情報工学科
構え・抱負を養うとともに、勤労の
「学外実習(3年後期)」
学科別専門科目として配置している選
尊さを体験する。
択科目(応用技術科目)
・ 技術上の実際問題に直面して、その
解決を図る技術や感覚を養う。
6.事前・事後教育および成果報告会の実施状況
・ 組織の中で働くことにより、人的協
【事前:オリエンテーション】
力の必要性と知識人としての在り方
(ア)情報エレクトロニクス学科:3年担当教
を模索する。
員の承認を必要とする。
・ 生産に関する実践的技術を体験する
(イ)情報工学科:履修希望者は事前に担当教
ことにより、大学における工業教育
員の面接を受ける。
の意義を認識し、自己の能力を研磨
する。
57
【事後:成果発表会】
① 機械システム工学科:実習報告書提出お
よび実習成果発表会開催
② 情報エレクトロニクス学科:学外実習報
告書提出
③ 情報工学科:報告書提出
7.受入企業数
(ア) 機械システム工学科
:14機関
(イ) 情報エレクトロニクス学科:
2機関
(ウ) 情報工学科
1機関
:
8.実務担当部署
(ア) 機械システム工学科
:教員2名
(イ) 情報エレクトロニクス学科:教員2名
(ウ) 情報工学科
:教員2名
(エ) 事務統括
:総務課およ
び八王子学務課(工学部)
9.総合評価と今後の取り組み
① 機械システム工学科
実習先企業からの報告書、学生自身の実
習報告書および実習成果発表会の内容
を考慮して評価する。
② 情報エレクトロニクス学科
実習先企業からの学外実習証明書、学生自
身の学外実習報告書により評価する。
③ 情報工学科
実習先企業からの実習評価表により評
価する。
58
電気通信大学
⑥勤労の尊さを体験させる。
取り組み状況
⑦実習の体験によって大学における工学教育の
意義を一層よく理解させ、卒業後適材適所に進む
1.基本的な考え方
指針とする。
本学は平成 10 年度より教育の一環としてイ
2.
ンターンシップを積極的に導入し、主として大
インターンシップ推進機構と担務
学院1年次と学部3年次の学生を対象にイン
大学院と学部の教育委員会の下に、大学院
ターンシップを実施している。
の各専攻、学部の各学科のインターンシップ担
原則として、夏季休業中に連続 4 週間、就業
当教員、共同研究センター長と専任教員で構成
時間 90 時間以上を目途にインターンシップを
される「インターンシップ実行委員会」を設け、
実施し、学生の報告書および企業からの修了書
全学の連携と調整を行う。共同研究センターは、
をもとに成績評価のうえ合格者には 2 単位を付
全学の総括窓口として企業・団体に対応してい
与している。
る。
「大学院インターンシップ」は科学技術教育
大学院 11 専攻、学部7学科のインターン
の一環として大学が産業界の協力を得て行う
シップ担当教員は、学生の事前面接、企業訪問、
実習、研修の就業体験であり、次のような主旨
履修学生の成績評価などを担当する。共同研究
で推進している。
センターの推進担当教員は、受入企業の開拓と
①研究・技術開発及び生産の実際に関心を深
受け入れ企業の学内周知を図り、学生の希望、
め創造性や自主性の育成を図る。
受入れ企業のインターンシップ条件などにつ
②研究・技術開発と経済性、作業と安全とは
いて各専攻、学科のインターンシップ担当教員、
一体体不可分であることを体得する。
受け入れ企業との調整などを行なう。またイン
③研究・技術開発の実際問題に当面させ、そ
ターンシップ実行委員会の事務処理、実施計画
の解決を図る技能を養う。
書・報告書草稿などを担当する。
④将来、研究者や技術者として活動するとき
の心構えと抱負を養う。
3.
⑤企業等の現場での就業体験を積むことで
実施スケジュール
毎年4月、学生に対してインターンシップの
科学技術教育の重要性を理解する。
希望を募り、希望学生は「インターンシップ希
⑥自己の職業適性や将来設計について考える機
望票」を提出する。各専攻、学科のインターン
会を与え、職業選択や高い職業意識を身につけ
シップ担当教員は「希望票」に基づいて学生と
る。
随時面接を行って学生の希望と企業の受入れ
「学部インターンシップ」は工業教育の充実
条件とのマッチングを図る。
を図るために大学が会社・事業所等の協力を得
推薦先が決定した学生は「履歴書」を作成し、
て、次のような趣旨で行っている。
大学は学生の履歴書とともに大学の推薦状を
①生産と技術の実際に関し、関心と興味を深める。
添えて受入れ企業に送り、受諾を得て、インタ
②技術と経済性、作業と安全とは一体不可分のも
ーンシップの開始となる。公募に挑戦する学生
のであることを体得せしめる。
は別途応募、選考、合格通知を得て開始となる。
③技術上の実際問題に当面させ、その解決を図る
次表にインターンシップの年間スケジュール
技能を養う。
を示す。
⑤人的協力の必要性と知識人としての在り方を
自ら検討させる。
59
時 期
3月
スケジュール内容
担当
配布資料・手続き書類等
企業へ受入を打診、依頼状送付
共研セ
インターンシップ案内冊子
入学式のガイダンス等を利用してインターンシップ
学科
の説明会を学科、専攻別に開催
専攻
希望学生は「希望票」を担当教員へ提出
学生
インターンシップ希望票
5~6 月
希望学生を担当教員が面接・マッチング
学科/専攻
受入企業リスト
6~7 月
企業へ学生推薦状、履歴書送付
共研セ
推薦状、履歴書
企業から受入決定、日程等の通知
共研セ
「インターンシップ願い」提出
学生
インターンシップ願い書
契約締結・ビジネスマナー事前面談、教育
共研セ等
履修学生のしおりなど
インターンシップ実施。企業へ誓約書提出
学生
インターンシップ開始届を大学へ提出
学生
開始届
教員の企業訪問
学科/専攻
企業訪問アンケート
報告書・学生アンケート提出
学生
修了書、報告書、アンケート用紙
事後報告会と面談指導
学科/専攻
報告書
研修記録の評価、単位認定
学科/専攻
修了書、報告書を基に評価
実施報告書を教育委員会へ報告
共研セ
学科・専攻毎の説明資料
4~5 月
6~7 月
8~9 月
9~10 月
10~11 月
12~1 月
4.
履修学生数と受入企業数
5.総合評価と今後の取り組み
平成 20 年度もインターンシップへの関心が
本学のインターンシップは授業科目として
高く、学部生 87 名、大学院生 113 名の合計 200
工場実習と呼んだ時期を含めると 40 年以上の
名が履修をした。また、企業・団体からインタ
歴史がある。
インターンシップとなってから 11 年が経過し
ーンシップ受入れに多大のご支援を受け、受け
入れ表明企業・団体は 133 社に達した。内、大
たが、当初に比べ製造業の企業の受入れ数が年々
学推薦で学生を受入れて戴いた企業様・団体様
減少しており、ものつくり体験の機会が減ってい
は 101 社にのぼり、大学推薦で履修した学生は
る。一方学生のインターンシップ先希望業種が広
155 名。またインタネットでのインターンシッ
がっている。さらに学部生よりも大学院生のイン
プ公募企業様で履修した学生は 45 名、35 社で
ターンシップ希望が増加しているなどの状況変
あった。今年度の特徴は公募でインターンシッ
化に対して、学生の希望と企業とのマッチングを
プ先を決めた学生数がやや増加している傾向
どのようにとり、また受入れ先企業の業種などの
が見られたこと。また推薦受入れをご承諾戴い
幅をどう広げるかが今後の課題である。
たにも関わらず学生を派遣できなかった企業
が増えご迷惑をおかけしてしまった。
60
電気通信大学電気通信学部
氏名:世和
麗華
(ときわ
成果報告
れいか)
●梗概
所属:電気通信大学電気通信学部人間コミュニケ
差生的音乐大学学生 Nodame 和,有名钢琴家的儿
ーション学科3年
子,想当指挥的英才学生千秋真一。还有他们学校
受入先機関名:北京秀満天下科技有限公司(MY
的好多怪人。跟他么一起演奏漂亮的音乐和哄堂大
SHOW)
笑的逸事。
研修場所:中国・北京市
獴是 Nodame 做的哇哇。手上总拿着口琴。它是这
研修期間:平成 20 年 8 月 28 日~9 月 25 日
个漫画的角色。
(優秀な音大生“のだめ”と、有名なピアニスト
1.目的
の息子で指揮者を目指している千秋真一。個性豊
今までの社会経験といえば、アルバイトぐらい
かな他のメンバーと一緒に演奏する綺麗な音楽
しかなく、これから就職活動を始める前に会社と
と爆笑の物語。アニメのキャラクターである熊は
はどういうものなのかを大学生のうちに知りた
“のだめ”が作ったぬいぐるみで、手にはいつも
いと思った。中国の現在の環境も知りたく、また
ハーモニカを持っている。)
中国の方の考え方、旅行などでは分からない、会
●人气的原因
社でお仕事をしている方の考え方を理解したか
作者画的大部分都是柔软和温暖的。
った。今回のインターンシップを通して、アルバ
主人公有特别印象深的性格。不光她,其他的角色
イトとは違う会社で経験し、少しでも状況を理解
的性格也特别有意思。
する。また、1 ケ月中国での生活を体験し、現在
还有,对音乐的表现特别好。
の中国の状況や人々の考え方も理解する。さらに
(絵のほとんどがほのぼのとしていて温かいこ
将来国際人となるために、自分の考えや視野を広
と。主人公の特別に印象深い性格。彼女だけでな
げる。
くその他のキャラクターもとても面白い。また、
音楽に対する表現がとても良い。)
2.会社紹介
●涉及商品
北京秀満天下科技有限公司(通称 MY SHOW)は
•
(在漫画里的主演用的)键盘包
全世界の個人ユーザーのために娯楽のアニメ、マ
•
项链坠子
ンガを提供する。世界中に約 5000 万のユーザー
•
三明治
等…
を上回る。会社の製品は 56 の国家と地区で使用
(関連商品:アニメの中で使われている鍵盤の鞄、
されており、13 種類の言語に対応する。
ロケット、サンドイッチ)
さらに日本のアニメーション会社の状況につ
3.研修内容
いて、どのような会社があるのか、どれぐらいの
3.1.日本でのアニメの市場調査
売上なのか等を調べた。
日本で人気のあるアニメーションやキャラク
ターの調査を任された。日本では今どんなものが
基本的にすべてインターネットで探すので、一
人気があるのか、またなぜ人気があるのか、その
日中パソコンの前にいてネットサーフィンを行
関連商品とはどんなものがあるのかを調べた。自
った。インターネット以外の調査方法がなかった
分が調べ、会社に報告した一例として『のだめカ
ので、信憑性が日本国内で調べるより弱まるが、
ンタービレ』を挙げる。
なるべくたくさんのホームページから情報を得
た。
61
3.2.翻訳
5.研修の感想
研修先会社の同僚の方々が日本のアニメやキ
今回の中国でのインターンシップは本当に貴
ャラクターのホームページを見る際に、日本語が
重な体験となった。まず会社、職場という場所が
分かる方が一人もいないので私が翻訳した。翻訳
どれだけ大変なのかを痛感した。まだまだ自分の
をするときにわからない単語などが多く、辞書を
考えが甘いと思い、これからの残りの学生生活も
使った。かなり時間がかかり迷惑をかけてしまっ
さらに頑張らなければいけないと思った。今回の
たが、自分にとってとても良い経験になった。
インターンシップで、よく何を勉強しているのか
を聞かれ、はっきりと答えられない自分がとても
4.研修の結果得たもの
恥ずかしかった。自分の芯をしっかりと持ち、考
中国の北京という生活環境も違う場所でのイ
えをはっきり持つことはこれから国際人として
ンターンシップで、不安や心配もたくさんあった
は必要不可欠だと思った。
が、その分得られたものはとても多かった。
そして、中国の方々と交流をし、考え方の違い、
今回の目的の一つである会社、職場を体験する
文化の違いによるずれを埋めるには、やはりコミ
ということに関しては、中国の会社の状況は分か
ュニケーションが重要であることをさらに強く
ったと思う。しかし、日本の会社に関しては違う
思った。会話をすることによって互いに理解し合
と思われる。まず会社の雰囲気に関しても、中国
い、誤解を防ぐこともできる。自分の考え方を広
では個人個人のデスクがあり隔離されている。日
げ、視野を広げることは、これから世界で活躍し
本ではこのような会社は少ないと思う。さらに中
ていくためには最低限必要なことだと思う。
国の会社では残業がない。プライベートに仕事を
最後に、1 ヶ月間大学では決して学べない多く
持ち込まず、仕事をするときは集中して、アフタ
のことを学ぶという、この貴重な機会を与えてく
ーファイブは自分の時間という風にしっかりと
ださり、お世話いただいた北京秀満天下科技有限
分けてある。
公司、株式会社 J-WINKS、大学の先生方に深く感
日中の文化や考え方の違いを知ることにより、
謝したい。
今まで以上にコミュニケーションの重要さを学
んだ。曖昧にわかったふりは絶対にいけないと思
以上
った。少しでも分からないことがあれば聞きに行
くことが何よりも大切だということを知った。
中国では自分から質問しなければ、理解してい
ると思われ、最初の2,3日は質問をしづらかっ
たりして戸惑ったりもした。
考え方が基本的に違うので習慣なども異なり、
慣れないこともあったが、広い心を持ち、許す心
を持つことを覚えた。例えばマナーが悪いと思う
のではなく、文化の違いと思うことによって双方
とも嫌な思いをしなくてすむ。自分の考えだけが
正しいと思わず、いろいろな方がいることを知り
許し分かり合おうとする心がとても大切である
ことを知った。
62
東京家政学院大学
①
取り組み状況
基本的な考え方
④
履修学生数(平成 20 年度)
本学では、インターンシップを基礎科目に位
家政学部家政学科家政学専攻
13 人
置づけ、1 年次の「基礎ゼミ」で専門性の方向
家政学部家政学科管理栄養士専攻
4人
を意識させ、2年次の「キャリアデザイン」で
家政学部児童学科
0人
社会人基礎力、就業のイメージをつけさせ、そ
家政学部住居学科
36 人
して、3 年次の「インターンシップ」へつなが
人文学部日本文化学科
0人
るよう体系的なカリキュラムを組んでいる。
人文学部工芸文化学科
0人
人文学部人間福祉学科社会福祉専攻 0 人
しかし、実習期間が他の実習等と重なるため、
福祉系の学科ではインターンシップの履修が
人文学部人間福祉学科介護福祉専攻 0 人
不可能な状況である。
人文学部文化情報学科
3人
合計
56 人
この授業は企業・行政機関等の現場における
実践的な体験を通して、組織で働くことの責任、
⑤
組織で要請される人物と能力を理解し、将来の
選択、必修の区別
職業選択の意識を高めるとともに、大学での学
基礎科目に位置づけられており、選択科目と
習目標をより確かなものとする。
なっている。
企業等で実習を行うにあたり、学内での事前
教育を行うとともに、実習後には成果を報告書
⑥
事前・事後教育および成果報告会の実施状況
としてまとめ、成果報告会を行なっている。
【実施スケジュール】
受入企業・機関とは、協定を締結し、実習が
4月
終了した学生に単位を与えている。
②
事前教育(JIPC による)
5 月~6 月 学生と教員による受入企業の選出
希望学生の学科内専攻
実習内容
実習先企業等との協定書に従い、インターシ
ップを行なう。
7月
③
第 1 回ガイダンス
受入企業一覧の配付
研修期間
学生の企業研究
受入先との協定手続き
マナー講習(JIPC による)
2週間程度
8 月~9 月
インターンシップ実習
上旬
63
9月
成果報告書の提出
10 月下旬
成果報告会の実施
11 月
成績評価
事前(オリエンテーション)
⑦
受入協力機関数
31 社(平成 20 年度)
1.インターシップの手引を配付して、インタ
ーシップの目的とねらい、全体のスケジュー
ル、受講上の注意、研修中に作成すべきもの、
⑧
研修中の注意事項等について説明する。
担当部署
実務:各学科(専攻)委員
企業訪問、事前指導、報告会の実施、成績
2.指導教員が面談を行ない、参加の心構え、
評価等
提出書類の文章を添削指導等を行なう。
調整:教務課
事後
受入企業との連絡、調整、事務処理等
1.インターシップ完了報告書および日誌の提
出を義務付け、成果報告書を必ず提出させる。
⑨
総合評価と今後の取り組み
本学では、インターンシップ部会、及び各学科
2.実習先担当者の方には、「評価シート」を
に指導教員を置き、各教員が開拓した企業・機関
記入していただき、成績評価の資料となる。
を担当し、そこへ希望してきた学生の個別対応
(面談・書類のチェック・事後教育等)を学部・
3.成果報告会は、担当教員ごとに行い、受入
学科を越えて指導を行っている。
企業の方にも参加していただき、学生が順に
そのため、担当企業等を持っている教員とそう
発表する。
でない教員とでは、負担の差が著しい。
以上
64
東京家政学院大学
成果報告
④相模原駅周辺地区まちづくり計画が進められ
ている、相模総合補給廠(米軍基地)を敷地外か
氏名:豊
真理子
ら視察
所属:東京家政学院大学
家政学部 住居学科
3年
受入先機関名:相模原市役所
まちづくり事業部
都市整備課
実習期間:平成 20 年 8 月 7 日~8 月 15 日
1.目
的
建物単体ではなく「まち」単位の大きさで全体
的に物事を見る目を養う。
都市整備課で都市計画が事業化され完了する
【写真】相模原総合補給廠(米軍基地)
までのプロセスを知り、「まちづくり」における
⑤橋本駅周辺にて、土地区画整理後の地区、優良
行政の役割について学ぶ。
建築物等整備事業の開発後の地区、市街地再開発
事業の開発後の地区、都市再生緊急整備地域の視
また近年改正された建築確認手続きについて
察
のヒアリングをする。
2.実習内容
2-1 講義事項
①相模原市の変遷、取り組み、政令指定都市への
移行について
②公文書の取り扱いについて
③相模原市内部、行政機構について
④現在行われている相模原市内の区画整理事業
について
【写真】開発事業区域
⑤都市計画法第 53 条申請業務について
⑥市街地再開発事業などのまちづくりの手法に
⑥現在事業中である、さがみ縦貫道路の相模原イ
ついて
ンターチェンジ(仮称)周辺地区を市役所職員、
⑦市役所内にいる建築職の役割について
民間コンサルタントとともに視察
⑧建築物の申請・確認・建築審査会について
⑨確認申請手続きのプロセス、変更点などについ
て
⑩市議会について
⑪ISOへの取り組みについて
2-2 現地視察
①土地区画整理後の上鶴間地区の視察
②開発後の小田急相模原駅前の視察
③事業前の麻溝台・新磯野地域の視察
【写真】さがみ縦貫道路
65
2-3 会議等への参加
4.実習の感想
①コンサルタントとの打ち合わせ参加
この実習を始めるにあたり、事前に希望調査と
②企業との打ち合わせ参加
事前訪問のヒアリングをもとに実習カリキュラ
③相模原市役所ISOへの取り組み報告会に参
ムを組んでいただき、建築確認申請手続きに関し
加
ては建築審査課の方に掛け合っていただいたお
かげで希望通りの実習をすることができました。
2-4実習作業
当初、市役所については窓口での住民サービス
①説明会関係事務補助
のイメージしかなく、お世話になった都市整備課
②まちづくり研究会会場設営補助
のようにハードを担う課や、様々な専門的な課、
③換地図・確定図・受付簿の補修、整理
専門職の職員について始めて具体的に知りまし
④庶務事務補助
た。まちづくり事業部・計画部に関しては、許認
可を出すなど、受身的な業務内容かと思っていた
3.実習の結果得たもの
のですが、役所の側から提案を出すといった業務
現地視察や作業の手伝いをさせていただく中
があることに驚きました。
で、都市計画から事業化していく一連のプロセス
実習の中では大学で学んでいる内容が現実社
やエピソードを教えていただき、都市の基盤たる
会にどう繋がって行くのかが分かり、より深い知
インフラの重要性、道路の幅員一つ取っても、そ
識を得られました。知識不足や至らないところ、
こには深い意味があることに気づかされました。
現場で使われる専門用語については、そのつど職
まちづくりにおける行政の役割は、良い計画さえ
員の方が丁寧に、時に気さくに教えていただきま
つくればうまく進んでいくわけではなく、事業化
した。しかし私自身は受身の姿勢を変え切れず、
するためには地権者との合意形成を地道に根気
積極性に欠けている部分があったように思いま
強く、将来を見通す目を持って行なわなければな
す。
らない難しいものだと感じました。そして「まち」
また、実習とは別に相模原市役所インターンシ
というものは建物一つ一つが良い物だったとし
ップにきていた実習生及び担当指導者との意見
ても、インフラの整備の仕方や、まちなみの作り
交換会で、他部署での実習内容や他大学・高校の
方によって大きく変わるものであり、計画により
方の意見や価値観を聞けたことも大きなプラス
美しい「まちなみ」へと誘導されて行くことを知
になりました。
りました。今まで建築物単体のことしか考えてこ
最初のガイダンスでの自己紹介時の所属説明
なかったのですが、「まち」を「つくる」事業の
では大学名だったのが、最後の意見交換会では、
一片に触れたことで、視野が広がりました。
お世話になった部署名を言えた時、インターンシ
また市役所では部署ごとに完結するのではな
ップ実習を都市整備課でやり終えた実感がわき
く、他部署との協力の下、対内的にも対外的にも
ました。ガイダンスから始まり意見交換会まで、
うまく連携して行かなければならない職場でし
普通に大学生活を送っていただけでは得られな
た。そこで働く人の姿をみて、コミュニケーショ
い経験や多くの知識を知ることができました。こ
ンの大切さや、仕事に対する姿勢、責任を身近に
こでの経験は、これからの大学生活を始め、ずっ
感じることができました。土木や建築といった専
と生かしていきたいと思います。
門職の職員の方から仕事経験や資格についての
担当指導員方をはじめとして都市整備課・建築
お話、就職活動のアドバイスを伺う中で将来の職
審査課・研修室の皆様、お忙しい中インターン実
業選択の幅を広げることができました。
習に協力していただきありがとうございました。
以上
66
東京家政学院大学
成果報告
ました。
(2)市場調査
氏名:森田
しおり
武蔵村山のイオンモール・JUSCO・三越の食
所属:東京家政学院大学
家政学部 家政学科 家政学専攻
品売り場でヨーグルト及び嗜好食品の市場調査
3年
をしました。市販のヨーグルトの成分を見てみる
受入先機関名:株式会社ケフィア倶楽部
と、寒天・ゼラチン・増粘剤(ペクチン等)が入
実習期間:平成 20 年 9 月 1 日~9 月 12 日
っていることが多かったです。
(3)工場見学
1.目的
ケフィアのたね菌を袋詰めにする機械と、たね
実習はケフィア倶楽部の業務展開とそのメイ
菌の搬入・搬出経路、保存場所を見学させてもら
ン商品であるたね菌について知る目的で行い、基
いました。
質によるヨーグルトの出来上がりの違いを実験、
(4)たね菌の観察
顕微鏡に繋げた PC の画面で桿菌と球菌の観察
若年層への拡販方法の提案・カタログ等への提言
をレポートし、最終日に新商品の企画をプレゼン
をしました。
テーションしました。
2.実習内容
2.1 本社受注センターにて(9月1日)
(1)注文葉書きの仕分けとナンバリング
葉書きは添付されていた媒体によって異なる
ので種類別に分け、化粧品の注文のあるものを選
び抜き、日付スタンプを押しました。中には注文
<顕微鏡でたね菌の観察>
以外も書かれている場合があるのでチェックを
しました。
(5)基質によるヨーグルトの出来上がりの違い
(2)受注・問い合わせの接客の学習
を知る実験
電話で接客をしているところを近くで見学さ
基質が異なる場合、出来上がったヨーグルトは
せてもらいました。よくある問い合わせ内容やお
客様の年齢層などを聞きました。
どう変化するのかを実験しました。A~H までの
(3)顧客情報の整理
試料を用意し、25℃で 24 時間発酵させ、硬さ・
顧客管理ソフトを使って新規顧客情報の入力
pH を測定、滴定をして酸度を算出し、官能検査
と既存顧客の登録情報(郵便番号、住所、電話番
をして、レポートを書きました。予め研究室で行
号)変更をしました。
われた実験のレポートを拝見したり、ベストセラ
(4)督促状の作成と封詰め
ーをお借りしたりもしました。
入金が滞っているお客様に向けて、お手紙と振
込書をセットにして封筒に入れました。中には何
度も入金がされていない方がいて、振込書が複数
枚ある場合があるので探しながらの作業でした。
2.2 研究室にて(9月2~3日)
(1)ケフィアについて学習
ケフィアの語源や歴史、たね菌(微生物)の種
<実験に使用した牛乳・豆乳>
類や使用方法(ヨーグルトの作り方)などを学び
67
2.3 本社営業部にて(9月4~12日)
(1)カタログ内容についての会議とチェック
10 月号の内容確認会議に参加し、修正チェック
をしました。11 月号の企画・考案・ページ配分の
会議に参加しました。
(2)企画書の作成
新商品の企画やたね菌の拡販方法の提案、『け
<100ml の基質に 0.2g のたね菌を入れる>
ふぃあふぁん』への提言などを Microsoft Word
と Excel を使用し、企画書としてまとめました。
(3)プレゼンテーション
新商品の提案を、豆乳・コラーゲン・食物繊維
の3つの題材に分けて、Power Point を使用しプ
レゼンテーションしました。
3. 実習の結果得たもの
<恒温庫で 25℃24 時間発酵>
様々な物事の側面をありのままに示してもら
いました。それは社員の方々の「働くということ
は楽しいことばかりではないけれど、それはどこ
へ行っても同じことだから、社会に出てからがっ
かりして欲しくない」という思いからのもので、
とても勉強になりました。
世の中には様々な会社があると思うのですが、
ケフィア倶楽部では個人での仕事がある程度の
<硬さ(gf)の測定>
域まで進むと全体のチェックが入り、またそれぞ
れで煮詰めなおしてまとまるという流れが出来
上がっていて、個人の頑張りも協力することも両
方大事で、片方でも欠けたら成り立たないのだと
いうことを教えてもらいました。会社勤めの大事
なことを学べた気がします。
4.実習の感想
<pH の測定>
やりがいと充実感に溢れた二週間でした。社員
の方々のお仕事を間近で拝見することが出来た
ことと、裏側ともいえる部分を隠さず積極的に見
せてくれたことがとても嬉しかったです。
大学でも実験には身を入れて取り組んでいま
すが、仕事としての実験では手際の良さ、結果の
見方や解釈方法などで、経験不足を感じました。
身につけられるスキルはしっかりと会得してい
<滴定ののち酸度算出>
きたいと思いました。
68
以上
東京経済大学
報告会でインターンシップの効果を実感した
取り組み状況
経済学部が翌2003年度より授業での導入
を英断したのが始まりである。
1.6つのインターンシッププログラム
本学では、授業の一環としてのインターイ
2)目的
ンシップを4学部で実施、また授業外でキャ
就職活動に向けて実践的な力を養う。
リアセンター「オープンプログラム」を導
入している。
①
②
3)学生の進路や興味に合わせた実習先
経済学部「インターンシップ」
就職活動のプレ体験として、学生が自由に受
経済学科・国際経済学科の3年生
入先を探すため、実習先の業種は多岐に亘る。
経営学部「オフ・キャンパス・プログ
特に金融、メーカー、商社を中心に広告、情報、
ラム」
旅行、ホテル、人材サービス等、毎年学生の希
経営学科・流通マーケティン
グ学科の3・4年生
③
望する業種は多様である。職種では、営業、事
コミュニケーション学部「インターン
シップ」
務、経理の希望が多い。
コミュニケーション学科の
2~4年生
④
現代法学部「オフキャンパス・ワーク
ショップ」
⑤
4)実習期間と単位
8~9月の夏季休暇中の10日間以上。授業
現代法学科の3・4年生
は通年4単位。
全学部「地域インターンシップ」
4学部の2~4年生
⑥
5)選考方法
キャリアセンター「オープンプログラ
ム」
3月下旬に履修説明会を開催。この説明会に
全学部・全学科・全学年
必ず出席し、そこで配布されるエントリーシー
以上の他に大学院のコミュニケーション学研究
トを期日までに提出する。後日、経済の基礎的
科及び現代法学研究科においてインターンシッ
な筆記試験と集団面接を行う。通過者約30名
プを実施している。
を履修許可者とする。
中でも、学部独自の開拓先に限定せずJI
PCやマッチング会、各種インターンシップ
【実施スケジュール】
サイト等を駆使し、学生が自由に受入先を探
3
月
し、就職活動のプレ体験として職業醸成を計
ることを目的としている経済学部のインター
履修説明会
前年度実績「成果報告集」の配布、意
義・目的等を紹介。学生の体験談。
エントリーシート配布。
ンシップについて紹介する。
エントリーシート提出
2.「経済学部インターンシップ」
4
月
1)既存学部導入への経緯
2002年、既に本学には3つの学部、学科
あった。そこで、就職指導室(現キャリアセン
ター)が中心となり、導入されていない学部、
学科生を対象にインターンシップを実施。成果
69
経済に関する基礎的な試験
面接選考
3:1の集団面接
インターンシップの意
義・目的、スケジュール等
を詳細に説明。体験談。実
習生同士の自己紹介。
「ハイパーキャンパスシステム」講習
「社会人基礎力」セルフチェック
(実習前診断)・事前研修
nEQアセスメント・フォロー
オリエン
テーション
でインターンシップが導入されていた。しかし、
そのどの学部、学科も設置に合わせての導入で
筆記試験
4
|
6
月
7
月
8
|
9
月
10
月
|
11
月
自己分析講座
業種研究
履歴書・エントリーシートの書き方
本学会場
マッチング会
外部会場
クラス別に行う。
ビジネスマナー講習
接会)をJIPCとの共催で開催。キャリアセン
7)受入先探し
学内に受入機関を招いてマッチング会(合同面
ターのオープンプログラム利用の学生と経済学
エントリーシート、手続き書類提出
実習日誌配付
部インターンシップ履修生のみが参加できる。ま
た外部のマッチング会にも積極的に参加、インタ
ーンシップ運営サイトや企業HP等を駆使し、受
実習(夏季休暇中の10日間以上)
入先を決定していく。
最初の授業時に実習報告書を提出。
「社会人基礎力」セルフチェック
(実習後診断)・フォロー研修
nEQアセスメント
授業内にて実習の成果報告(全員)
学部内成果報告会(全員)
「報告集」発行
実習生が編集委員となり発行。
「東京経済大学成果報告会」
受入機関のご担当者をお招きし、各プ
ログラムの代表6組が成果を披露。
8)開かれた成果発表
授業を超えて、成果発表の機会は学内では教職
員向けの学部内成果報告会、受入機関を招いての
全学の成果報告会がある。また、コーディネイト
機関が開催する成果報告会や成果報告集への発
表の機会が与えられ、学生は他大学の学生や多く
の受入機関の前で発表することで大きな自信を
更に身につけることができる。このことは他の学
部生にはない経済学部の履修生の大きな特権で
あり、就職活動に向けての実践的な力を養うこと
に多大な効果を生んでいると言える。
3.総合評価と今後の取り組み
2003 年度より、導入が開始され早6年。履修
生11名から始まり、毎年30名程度の実習生を
社会人基礎力に関する事前研修
送り出し、また就職活動の牽引役となって卒業後
6)授業の進め方
も活躍する体験者が多い。履修生は経済学部を代
授業は担当教員2名で進め、合同授業を基本に
表し、また東京経済大学を代表しているといって
して、業界研究と実習の成果報告についてはクラ
もいい。また授業内容については自己分析から業
ス別に行う。授業の流れは、前年度体験者の報告
界研究、プレゼン等のワークを取り入れた他の学
を織り込んだ履修説明会・オリエンテーション、
部にない魅力あるものとなっている。
更に自己分析に役立つnEQテストの実施、「社
今後は、履修希望者の増加、授業と実習を通し
会人基礎力セルフチェック」の実施および研修、
てEQ力や社会人基礎力を伸ばすこと、そして、
グループによる業界研究、エントリーシートの書
この授業を受ければ、間違いなくミスマッチのな
き方、ビジネスマナー講習を前期に行う。実習を
い定着率の高い就職先に就けることが課題であ
経て夏休み明けの後期はnEQテスト、社会人基
る。
礎力セルフチェックによる実習後の変化を見る
フォロー研修を行い、それぞれの実習先の報告を
70
東京経済大学経済学部
た。どれも無駄のないスピーディーな工程で、1
成果報告
台につき16時間で月に4万台の生産が可能で
あるという。
氏名:進藤
玲央
この的確かつ厳正な生産工程を終えた自動車
所属:東京経済大学経済学部経済学科3年
は、お客さまの納車日に合わせて国内外の販売店
受入先機関名:東京日産自動車販売株式会社
へ運ばれるのだ。そして、この自動車をお客様に
研修期間:平成20年9月1日~9月10日
届けるのは販売会社(営業マン)の仕事である。
今回の見学を通じて、販売会社の役割は重要であ
1.目
的
って、自動車営業職は責任の問われる仕事である
これから就職活動をするにあたって、企業とは
と思った。
どのようなものなのかを一度内側から見てみた
かった。そしてこれから社会人になるにあたり今
(2)社会人としてのビジネスマナー
の自分の適性や不足しているものを、インターン
今回の実習のなかで、自動車営業職について理
シップを通じて知りたかった。また、私は自動車
解するのと同じくらい重点をおいて行われたの
業界に興味があるので、この業界について深く学
が、社会人としてのビジネスマナーについての実
べる良い機会であると思った。今回の実習で多く
習である。
のものを吸収し、今後の就職活動へつなげていき
まずPDCAを意識して行動することを学んだ。
たいと思う。
仕事などの前日の出来事は意外と忘れてしまう
ものだ。その日の振り返りができないと、自分を
2.研修内容
高めることが出来ないということを思い知った。
研修のプログラムは以下の通り。
さらにコミュニケーション能力の重要性を学
オリエンテーション
んだ。企業が学生にもとめるのは「コミュニケー
日産自動車追浜工場見学
ション力」とはよく聞くが、その根本的な意味に
2日目
自己紹介、企業研究、発表
ついて私は理解できていなかったように思える。
3日目
休日
わかっていても、実際に行動に起こすことは想像
4日目
会社概要の説明、接遇研修など
以上に難しく、日々意識づけて行動できていない
5日目
ロールプレイング、拠店実習の備え
とできないものであると思った。
6日目
休日
7日目
東京日産拠店実習
ことのできる人間になりたいと思った。コミュニ
8日目
東京日産拠店実習
ケーションというものは聞く姿勢があってこそ
9日目
東京日産の取り組みについて、目黒
成り立ち、活発化することも学んだ。
1日目
実習を通じて、常に自分の状況を相手に伝える
店にて実践型ロールプレイング
10日目
(3) 自動車営業職の仕事
新入社員との懇談会
2日間、実際に拠店に配属され実習を行った。
そこで受けた一番の印象は「車を売るだけではな
(1)日産自動車追浜工場見学
い」ということだ。1人のお客様との結びつきが
初日に日産自動車追浜工場を見学に行き、実際
強いこの職種は車の点検をはじめとしたアフタ
に自動車が生産されている現場を間近で見るこ
ーフォロー、サービスが大事であることを学んだ。
とができた。日産生産方式と呼ばれる、サプライ
車庫証明を取得するために警察署に行くなど、自
ヤーと一体になった同期生産の迫力に圧倒され
動車営業職は1人のお客様と車につなぐ全ての
71
事を任されているのだ。それゆえ「車」以上に「人」
でき、ベストなサービスを提供する術を見ること
で評価される仕事といっても過言ではない。
ができた。原油高の影響があるのにもかかわらず、
車の営業は一人ひとりに自分の担当地区が与
日々の努力によりお客さまから信頼を得られる
えられ、その地域で活動を行うということも知っ
ことで、営業成績は伸びているという。
た。平日に訪問活動の同行をさせていただいたが、
また、実践的なロールプレイングを通じて、相
法人のお客さまには会うことができるが、個人宅
手の気持ちになって商品を提案することの難し
のお客さまにはなかなか会うことができない。
さを知った。
しかし会えなかったからといって、その日の行
2つ目は社会人としてのビジネスマナーを学
動が無駄に終わるのではなく、名刺や手書きの手
べたことである。身だしなみをはじめ、今の自分
紙を残すことで、お客さまに信頼を与え、それが
に足りない部分を知ることができた。そしてPD
次の成果につながるということを学んだ。
CAや、状況報告の重要性、さらにはコミュニケ
ーション能力の実践などを通じ、社会人になるた
(4)東京日産について
めに自分を高めていくという意識が芽生えた。担
東京だけでも日産の販売会社は4社あって、そ
当していただいた人事の方から面接などの就職
れぞれ経営方針も違えば、販売地域、資本形態も
活動における「人事の視点」の話を聞けたので、
異なる。
今後就職活動を行うにあたり非常に良い勉強と
販売会社の資本形態には、メーカー資本と地場
なった。
資本がある。地場資本の東京日産は、幅広い事業
展開を行っており、13 社ある事業会社との「横の
4.研修の感想
連携」を生かせ、ともに助け合っていける会社で
今回のインターンシップを通じて自動車営業
ある。
職を、身をもって理解することができた。拠店実
日本全国には、およそ 2000 社もの自動車販売
習の際に、朝苦労して磨いた試乗車を、家族連れ
会社があるが、そのなかで東証一部上場している
のお客様が楽しそうに利用しているのを見たと
のは東京日産の持株会社の東日カーライフグル
き、改めて自動車営業職を目指したいと思った。
ープ1社のみである。それだけ世間からシビアな
仕事のやりがい、厳しさも知ることができた。そ
目で見られているので、社員一人ひとりが高い意
の全てに想像と現実のギャップがあり、企業を内
識をもって働ける企業だと思った。
側から見ることの重要性を学んだ。企業を知るに
は、説明会やインターネットの情報だけでは限界
3.研修の結果得たもの
があるのだ。
1つは自動車営業職を深く知れたということ
今回の実習で、今の自分に足りない部分が何か
である。車を売るだけでなく、人と人との”つな
理解できたので、企業に求められる人財になれる
がり”が、自分の成果へとつながるということを
ように日々努力していきたいと思う。
知った。アルバイトはお客さまにサービスを提供
以上
してしまえばそれで終わりだが、自動車営業は永
くお客様と付き合っていく仕事なのである。
今回の拠店実習でお世話になった営業マンは
東京経済大学のOBの方で、この方は日産自動車
からも表彰されるくらいの優秀社員であった。実
際に業務を見させていただき大変良い経験にな
った。お客さまの急な要望にも臨機応変な対応が
72
東京経済大学経済学部
氏名:近原
成果報告
弘芳
2. 2.マグロの出荷作業
所属:東京経済大学経済学部国際経済学科3年
マグロの出荷手順は①生簀から捕獲②血抜き、
受入先機関名:株式会社マルハニチロ水産
内臓等の除去③冷却④梱包である。
勤務地:鹿児島県奄美大島
これらは生簀に連結させた筏の上で行われる。
研修期間:平成20年8月18日~8月29日
マグロは体温が高いため、①・②・③を速やかに
行わなければ身がヤケてしまう。
(「ヤケる」とは
1.目
的
体熱で身が白くなること)つまりマグロの質、価
大好きなマグロを扱う仕事をしたい。そんな単
値がこの作業で決定されるため、出荷作業はスピ
純な気持ちで就職活動に臨んでいたが、実際に水
ード・正確性・連携・体力が求められる。
産商社で働いている自分をイメージ出来なかっ
④では氷水に何度も手を浸すため、夏場とはい
た。商社・食品メーカーの内面を知ること。業界・
え大変な作業である。ここではどのマグロが誰の
仕事のイメージと現実のギャップを知ること。生
元へ届くのかが分けられるため、体力と正確性が
きたマグロに直接触れること。自分にしかない体
求められている。
験を持つこと。就職を控えた私にとって、それら
以上の作業を終えると大型トラックに積まれ、
が必要だった。
フェリーで鹿児島、そして東京などの大量消費地
に運ばれる。
2.研修内容
2.1.給餌
2.3.薬浴
養殖業の柱とも言える作業。奄美大島ではマグ
カンパチを専用の薬品で洗浄し、体表に付着し
ロとカンパチの養殖が行われており、それぞれの
た寄生虫を除去する作業。
給餌は異なっていた。
カンパチは寄生虫が付くと生簀の網に尾びれ
マグロには小型のサバやイワシ、カンパチには
を擦りつけ落とそうとする。しかし擦りすぎて死
EPと呼ばれる錠剤を与えている。この他に共通
んでしまうことがあるため、これを防ぐために行
の餌として、モイストペレットが与えられている。
う。
給餌作業は船上から機械で撒くので、体力をあ
質問事項
まり消費しない。しかしその日の食い付きなどを
薬品の人体及び海洋環境への影響は?
みて与える量を調整するので、非常に神経を磨り
→この薬品はオキシドールと同じ成分で、人体に
減らす。
無害で、海洋環境にも優しい。
一般的に養殖業は安く大量に安定的に育てるこ
とが求められるため、依然として餌の種類、質・
2.4.網修理
量、撒き方などに改善の余地がある。
付着したカキの殻を除去し、解れた生簀の網を
質問事項
修繕する作業。
成長が遅く、出荷不可能な個体はどうするか?
殻が付着していると生簀の浮きに穴を開け、魚
→地元で販売。
体を傷つけることがあるため行われる。網の長さ
餌の食べ残しは水質汚染に影響しないのか?
が数十メートルもあるため、機械で除去したいが
→小魚やその他の生物によって分解されるため
コストと正確性に欠けるため、金槌を使った手作
現在は影響なし。
業で行っている。もちろん網の修繕も手作業であ
73
る。実習の中で最も地味な作業で根気と正確性が
高騰に対応しようとしていることを知った。その
求められる。しかしこの地味な作業がなければ安
一方で、マグロの養殖という仕事には将来性があ
定的に魚を生産できない。
るとも感じた。魚(特にマグロ)の需要が世界中
で高まる中、効率的かつ安定的に、さらに環境に
3.研修の結果得たもの
配慮して生産できれば水産業界を好転させるか
実習中特に印象に残ったことは2つある。
もしれないからである。
1、仕事は人と人とのつながりであり、自らそ
そして学生が自分1人、実習地が離島というこ
のつながりを構築していかなければならないと
ともあって社会経験以上に人間的に成長できた
いうことである。積極的に仕事を求めても、学生
と思う。社員の方をはじめ、バスの運転手、宿の
である私には限界があり、どうしても社員方の力
女将さん、魚屋の主人・・・多くの人々の支えがあ
を借りなくてはならない。仕事の合間における社
っての自分であることを感じた。将来、地方勤務
員方たちとの何気ないコミュニケーションが、こ
の可能性が十分にあることを考えれば非常に有
のような時に生きてくるものだと実感した。実習
難い10日間だった。私は海外ボランティアに参
先は都会のオフィスではなく、離島の養殖場なの
加したことがあり、不慣れな環境でも生活した体
で、ビジネスマナーのような技術的なことよりも、
験があった。しかしそれはあくまで体験だった。
性格、ユーモア、行動力といった人間力を試すこ
奄美大島でのインターンシップでそれを活かす
とが出来た。今現在の自分のありのままがどれだ
ことによって、体験を経験に変えることが出来た
け通用するのかを体験出来たことは、今後の就職
と思う。だからこのインターンシップでの体験も、
活動に向けて良い材料となった。
就職活動や就職後に活かして、経験と呼べるよう
2、私は実習前のイメージでは、給餌、出荷と
にしていきたい。
いった華やかな場面しか思い描いていなかった。
短い間でしたが、大学生という貴重な時間を有
しかし始まってみれば、炎天下、強風、豪雨の中
効活用する機会を与えて下さった大学の先生方、
での体力を使う地味な作業がほとんどだった。さ
キャリアセンターの方々、お世話になった株式会
らにこの仕事で扱う食品とは、そもそも生き物で
社マルハニチロ水産の方々に深く感謝いたしま
あることから、自然を相手にする仕事の辛さを痛
す。どうもありがとうございました。
感した。
以上
地味な作業の積み重ねによって大きな仕事(生
き物を育てる)が成り立っているのだと感じた。
普段、東京で生活している私はそれらを消費する
ばかりでその苦労を知ることは出来なかった。
4.研修の感想
学生は私1人だったので、他大学の人と自分を
比較することは出来なかった。しかし、他に同じ
体験をした大学生が少ないということが、私に大
きな自信をもたらしてくれた。
また時事問題と関連した面では、水産業の現実
を知りつつ、その将来性を見ることができた。ニ
ュースだと他人事のように見てしまうが、社員の
方たちの多くが生活を切り詰めるなど、原油価格
74
東邦大学理学部 取り組み状況
①
基本的な考え方
それ以前は、生物分子科学科、物理学科が個別に
東邦大学理学部には専門6学科(化学科、物理
専門科目のなかにインターンシップに関する科目を
学科、情報科学科、生物学科、生物分子科学科、
設けて試行していた。2000年度、生物分子科学科
生命圏環境科学科)と教養科が設置されている(理
では ILCC 社作成のキャンパスウェブを利用してマッ
学部ホームページアドレス
チングを試み、登録者総数は38名に達したがマッチ
(http://www.sci.toho-u.ac.jp/)。
ング数は0であった。
1学年は専門6学科あわせて、例年約550名で、2
2001年度5月、待望の関東地域インターンシップ
007年度卒業生の進路はほぼ以下のようになって
推進協議会発足し、理学部として加盟した。7月、同
いる。
協議会主催のマッチング会(工学院大学)が開催さ
大学院 123名(29%)、教員 18名( 4%)、
れ、本学参加者19名、官公庁を含む11企業とマッ
医療・保健 16名( 4%)、一般企業 259名(6
チングが成立したのは14名で、すべて生物分子科
2%)(公務員を含む)。
学科の学生であった。1学科に片寄ったのは、この年、
1)インターンシップの必要性
インターンシップを単位と認定したのは生物分子科
過去10数年、就職室及び就職委員会の努力で4
学科と物理学科のみであったことによると思われる。
年生の就職率は100%に近く、何も問題が無いよう
インターンシップ推進委員会では、インターンシッ
に見える。しかしながら、就職後1〜3年の間に転職
プを全学科の学生が取り組めるようにするために、ま
するものがかなりの数に達し、その実数は掌握しき
た委員会活動を容易にするためにも、全学科共通科
れていない。一般に大学出身者の離職の主な原因
目として設けるべきとの認識に達した。同時に、インタ
は、企業と学生のミスマッチングにあると言える。そ
ーンシップ推進委員会を就職委員会から独立させ、
の根底には、学生の就業意識に問題があるのでは
学部教育の一部であるとの認識のもとに、事務も学
ないかと本学では分析している。
事部就職室から学事課理学部教務担当へと移行さ
本学部には教員養成課程(全学科選択)と臨床
せることとし、教授会の承認を得た。
検査技師課程(化学科、生物学科、生物分子科学
②
研修内容
科選択)が設置されており、それぞれ教育実習と病
研修先企業等との取り決めに従い、インターン
院実習が義務付けられている。これらは、まさに就
シップを研修先企業で行う。
業体験であり、教員や臨床検査技師になったもので
③
転職者はほとんどいない。
研修期間
2 週間
就職委員会では、一般企業に就職する学生の職
④
業意識を高めるため、学生時代に就業体験(より広
履修学生数
37名
い意味でのインターンシップ)を経験させるのが最も
⑤
選択、必修の区別
効果的ではないかとの認識に達した。
2002年度より、教養教育科目の中に、総合
2)インターンシップへの取り組みの経過
科目Ⅲ(インターンシップ)(選択)を全学科全
本学部全体としてのインターンシップへの取組み
学年対象として設置した。
は、2000年度就職委員会内にインターンシップ推
⑥
進委員会を設立し、インターンシップの単位化など
事前・事後教育および成果報告会の実施状況
・事前(説明会、事前研修)
具体的な実施方策の検討をはじめた時からである。
インターンシップの手引きを配布して、目的、
75
全体のスケジュール、受講上の注意、研修中の
ことである。そして8月下旬、理学部教育ワークシ
注意事項等について説明する。事前研修にお
ョップを開催し、その中の検討課題の一つとして、
いては、㈱毎日コミュニケーションズ 講師 小
「理学部のキャリア教育とキャリア支援―キャリア
林美香子様に「インターンシップマナー講座」を、
センターの役割―」が検討された。ここではキャリ
㈱テラ・コーポレーション代表取締役 高重和
ア教育の「成果の評価」、「プログラムの改善」、
枝様に「社会人基礎力―いま、社会で求められ
「支援組織の強化」が議論され、その中でインタ
る力―」の講演を依頼した。その他、本学教員
ーンシップ制度の充実および活用において、キャ
による講義を6時間行った。
リアセンターの積極的な深い関与が提言された。
・事後(成果報告会)
インターンシップ終了後に、日誌と報告書を提
出させ、グループ発表会を開催した。
⑦
受け入れ企業数
文責 インターンシップ委員会委員長
32社および市の官公庁、研究機関
⑧
金田 博彰
実務担当部署
インターンシップ委員会(専門6学科及び教養
科から各教員1名、就職室、理学部教務担当の
職員)
⑨ 総合評価と今後の取り組み
・昨年度(2007年度)実施状況
単位認定を行ったインターンシップ生は理学部
全学科で14名で、その内訳は、化学科3名、生
物学科
1名、生物分子科学科1名、物理学科1名、情報
科学科0名、生命圏環境科学科8名であった。
・2008年度実施状況
今年度は37名が実施した。現在、まだ単位
認定を行っていないが、ほぼ全員の評価が与え
られる見込みである。37名の内訳は、化学科9
名、生物学科4名、生物分子科学科4名、物理
学科1名、情報科学科10名、生命圏環境科学
科9名であった。
今年度の特筆すべき点は、以下の 2 点であ
る。
一つは、本学名誉教授にマッチングに相当す
る業務を委託し、学生および企業への対応を個
別にお願いした。その結果、学生との個別対応に
より、インターンシップ研修先の選定などに、学生
が余裕を持って対処できるようになった。
もう一つの点は、8月1日に東邦大学就職室を
改称し、東邦大学キャリアセンターが設立された
76
東邦大学理学部
氏名:西村
成果報告
拓海
2.2.農家での農作業
所属:東邦大学理学部生物学科 3 年
受入先機関名:株式会社
残りの7日間は農作業に従事した。お世話にな
生産者連合デコポン
った農家は、農薬を使わずに作物を育てる有機栽
研修期間:平成20年8月15日~8月26日
培法を採用していた。そのため、作業は畑の雑草
(内実働は 9 日間)
取りが中心となった。その他の作業は、サツマイ
モの収穫やニンジンの種まき、ハウスの組み立て
1.目
的
などであった。
インターンシップへ参加した第一の目的は、来
畑の雑草取りは、広大な農地の中で1日中腰を
る就職活動に向けて就職への意識を高めること
落として行う作業であったため、肉体的にとても
にあった。また、大学で生物学を学んでいること
つらかった。除草効果のある農薬を使用する方が
から、生物と関係がある職業をと思い、農業イン
はるかに効率的であるが、あえて農薬を使用せず
ターンシップに参加することを決めた。これに参
に有機農法を行う生産者のこだわりと、食の安全
加することにより、農作業を実際に体験すること
を思う気持をこの作業を通じて知ることができ
で農業の実態を知り、また食への意識を高めるこ
た。
とを目標として取り組んだ。
また、その他の作業においても日常生活では味
わえない貴重な体験をすることができた。
2.研修内容
内容を受入先機関での出荷のための作業と、受入
先機関から紹介された農家での農作業の 2 つに分
けて報告する。
2.1.有機農作物の出荷のための作業
2日間、出荷のための作業に従事した。農家で
収穫したサツマイモ
収穫された作物の袋詰作業は、形の悪いものや傷
がついているものなどの不良作物をはじき、手作
畑で収穫したサツマイモを出荷のために水で洗
業で丁寧に袋詰した。この作業では、農家の方々
浄した様子。このあと、重さ別に階級を分ける。
が丹精こめて栽培した作物を扱うため、そのこと
を自覚し、責任をもって取り組んだ。荷分け作業
3.研修の結果得たもの
では、業者からの注文表に従って、袋詰した農作
物を必要な数だけ出荷用コンテナに振り分けた。
産地偽装や毒物の混入など食の安全が問われ
この作業では、業者からの発注数を取り違えない
るようになった今日、農薬を使用しない有機農法
ように細心の注意を払いつつ、かつスピーディー
にかける生産者や、有機農産物の流通に携わる
に処理するように心がけた。
方々と直接触れ合えたことは、自分の食への意識
を高める上うえでとても良い刺激となった。
また、経験のないことに取り組む際は、まず何
77
事にも一生懸命にあたり、不明なことは質問し、
積極的に行動する姿勢が大切であることが分か
った。このことを社会人になり将来、困難に直面
する都度思い出していこうと思う。
4.研修の感想
研修では、農業関係者の方と数多く触れ合えた
ことで、野菜を作る喜びや日本の農業の現状、有
ニンジン畑の風景
機農法への取り組みなどについて活発なコミュ
ニケーションをとることができた。このことは、
ニンジンは8月に播種し12月から3月にかけ
自分の食への意識を高めることに大きな役割を
て収穫する。除草剤を撒けないため、ひと棟ずつ
果たした。また、実際に生産者の方と一緒に農作
手作業で雑草を抜いていく。まさに、有機農法は
業をして、作物の中には生産者の様々な思いが詰
雑草との闘いである。
まっていることを知ることができた。その他にも、
農家の方々には農業面の指導だけではなく、人生
の先達としての様々なアドバイスをいただくこ
とができ、自分の人間形成に非常に参考となった。
研修が8月後半だったため、大規模な播種や収
穫を体験することはできなかったが、畑の雑草取
りを通して有機農法にかける農家の方の熱い思
いを感じ取ることができた。私のように、生産者
の思いに触れ、その思いを汲み取れる人々がこれ
から増えていけば幸いと思う。また、このような
生産者と触れ合うことができたことは、食の安全
が問われる今日、一消費者として幸せであった。
最後に、私のような農業の素人が、充実した研
修期間を送ることができたのは、ひとえに受入先
機関の方々や、農家の方々の暖かい対応やご指導
のおかげである。心から御礼を申し上げる。また、
このような機会を提供してくださった全国農業
会議所の方々、いろいろと相談にのってくださっ
た東邦大学教職員の方々にも重ねて御礼を申し
上げる。
以上
78
東邦大学理学部
氏名:喜井
成果報告
祥子
8月21日
外断熱とは?
所属:東邦大学理学部生命圏環境科学科3年
8月22日
ストップおんだん館見学
受入先機関名:NPO 法人 外断熱推進会議
8月25日
温度と結露
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
8月27日
外断熱建物見学
(康和地所
1.目
的
断熱材の種類
リリーベル港北
センターキューブ)
私は、まだ自分が社会に出てビジネスの現場で
8月28日
ガラスについて
働くということが想像できません。インターンシ
ップを通して学校生活やアルバイトでは学ぶこ
〔外断熱〕
との出来ない、厳しさや雰囲気それにマナーを習
外断熱とはコンクリートの建築物を「断熱材で
得し、社会人なるということはどういったことな
すっぽりと覆う工法」であり、蓄熱性のあるコン
のかを就職活動する前にしっかりと自覚するこ
クリートの躯体が室内側の温度に同調するため、
とを目的としました。また、今まで学んできた環
冬は暖かく夏は涼しい環境になるということを
境や社会業務の仕事に対する知識は、ただ単に机
教えて頂いた。さらに断熱材だけでなく、高性能
上で学んだものです。実際に環境保全や社会業務
な窓ガラスやサッシなどと組み合わせると「健
の仕事を行っている現場を見て、触れることによ
康・快適・省エネ・長寿」というメリットがある
り知識をより深めることができるのはインター
ことについても教えて頂いた。しかし、メリット
ンシップであると思い参加した。
が多い外断熱が日本ではまだ主流ではないこと
に驚いた。
2.研修内容
〔ストップおんだん館〕
研修は、主に午前中は事務的な仕事であり、名
子供から大人まで地球温暖化について楽しく
刺内容をパソコンに打ちこむこと、建築・環境関
学ぶことができるところでした。絵や写真で分か
係の新聞を切り抜き、それをファイルに入れ一覧
りやすく説明されていたり、スタッフの方が決ま
表をつくること、カタログの一覧表をつくること
った時間になるとクイズ形式で様々なことを教
で、その他指示された仕事などを行うことにより
えてくれたりします。私も子供たちに混じって参
進められた。午後は、2時間ほど時間をつくって
加し、このままでは100年後の夏の午後6時で気
いただき下に示すような講義をして頂いた。
温が43℃になると教えて頂き、私も含め子供た
事務的な仕事以外の主な研修内容は以下の日程
ち全員驚いた。私が一番興味をもったのは、アメ
で行った。
リカ・日本・中国ごとに1人が1日に使うエネル
8月18日
8月19日
外断熱に関する用語について
ギーの量の重さの比較でした。アメリカと日本の
CO2の削減量の計算の仕方
消費量は重く、その重さに相当する模型を持ち上
建物と種類の構造
げることが容易ではなかった。
外断熱・内断熱の内壁の温度計
算
〔リリーベル港北センターキューブ〕
ここでは、まず実際に使われている窓ガラスや
79
サッシそして外断熱構造を見せて頂き、次に外断
れており、社会でも実際に多く使われていること
熱工法で建設されたマンションを見学させて頂
を知った。ある用語はどこかで聞いたことがある
いた。これにより講義で教えて頂いたことを理解
ものの、正しく理解していないことが何度かあっ
できる良い機会になった。理解した知識は以下の
た。私は、大学で学ぶことの大切さをインターン
5つです。
シップを通して教えられた。さらに、私が強く印
・外断熱工法と内断熱工法の違い…断熱材の取り
象に残っていることは、自己紹介の際に、すべて
付けられている場所や厚み[写真1,2]
の方が初めに笑いを取っていたことです。これは、
・アルミサッシと樹脂サッシの熱の伝わり方の違
自分を知ってもらうため最初に人を引き付けよ
い…アルミサッシには結露が発生しカビの要因
うとしている言動でした。これにより話すテクニ
となる[写真3]
ックも重要だということを学んだ。
・Low-E 複層ガラス、複層ガラス、一枚ガラ
スの熱の伝わり方の違い…Low-E 複層ガラス
は断熱性が良く熱が伝わらない
4.研修の感想
・Low-E 複層ガラスと樹脂サッシの遮音性の良さ
外断熱を学びストップおんだん館とリリーベ
…樹脂サッシには隙間がない[写真4 ]
ル港北センターキューブを訪れたことにより、一
・外断熱工法での屋外と屋内の温度の違い…冷房
人一人の環境問題の意識を向上させ、一人でも多
をつけなくても屋内は適温
くの人に温暖化を知ってもらい、可能な範囲で行
講義で教えて頂いた、省エネにも健康にも良い
動を起こしてほしいということを思いました。ま
という点がよくわかった。
た、私は内断熱では浴室などでヒートショックが
懸念されるが外断熱では防ぐことができるとい
う点から、是非ともお年寄りが集まる老人ホーム
では外断熱にしてほしいと思いました。そして、
私自身将来マンションに住むことになった際に
は外断熱工法のマンションを選びたいと思いま
した。10日間という短期間のインターンシップ
でありましたが、普段学ぶことのできない多くの
ことを学びました。さまざまな体験をすることに
内断熱(写真1)
外断熱(写真2)
よって、これからの就職活動にとって大きな一歩
になったことは間違いないと思います。最後に、
親切にご指導していただいた外断熱推進会議の
方々、訪問した際丁寧に教えてくださった方々に
感謝申し上げます。
以上
アルミサッシ(写真3)樹脂サッシ(写真4)
3.研修の結果得たもの
このインターンシップで初めて外断熱のこと
を知った私ですが、講義を通し、さらに建物見学
により多くの知識を身に付けることができた。講
義の中には、大学の授業で学んだ式や用語が使わ
80
長野大学
取り組み状況
⑮ 事前・事後教育および成果報告会
⑩ 基本的な考え方
長野大学においては、若者を職業人として育て
学期のはじめにオリエンテーション(説明会)
るべく「教養ある職業人」の育成を全学的な教育
などを開催し、学内の周知を図っている。
目標としており、特に産業社会学部においては学
生の就業意識を向上させる目的で職業観養成科
[事前学習・指導内容]
目群がカリキュラム設定されている。インターン
1. 自己分析
シップは、その中で、職業観養成のためのいわば
自己分析の必要性やキャリア計画について、授
仕上げに相当する科目であり、本学では、企業と
業以外の対策講座なども活用して行う。
自治体、及び海外の3種類のインターンシップ科
2. 実習準備指導
目を設置している。
指導教員との面談の中で、履修の心構え、エン
本学のインターンシップの目標としては、以下
トリシートや履歴書等、各種文章の添削指導など
の2点を挙げたい。
を行う。
1) 在学中に企業等での実習・体験によって、
3. 事前学習
働く意味を考え職業選択に役立てる。すなわち、
業界・企業・自治体等の事前研究などを行い、
自分自身のキャリアをどのように形成していく
事前学習レポートを仕上げる。このレポートはイ
かを、実体験を通じて考える機会をつくる。
ンターンシップ前に実習先に提出する。
2) 学内での通常の講義と企業での職場体験の
両方を行い、その中でキャリア開発の仕方を学ん
【実施スケジュール】(企業)
だ上で、インターンシップの体験から自分のキャ
回 学習内容
リア開発にとって何が必要かを探求する。
1
授業の進め方・キャリアデザインについて
2
自己分析・キャリア計画とインターンシップ
3
インターンシップ支援サービスへの登録
4
業界研究1
5
業界研究2
6
業界研究3
7
業界研究4
8
研修先企業の選択・事前レポート課題
9
企業研究1
⑪ 研修内容
企業・自治体・NPO等との取り決めに従い、
インターシップを研修先機関で行う。
学生は研修期間中に業務日誌をつけ、その日の
業務を記録し、報告書を作る際の資料とする。
⑫ 研修期間
2週間~4週間程度
10 企業研究2
11 事前レポート報告
⑬ 履修学生数
12 ビジネスマナー講習
30人(男子21人,女子 9 人)
⑭ 選択、必修の区別
職業観養成科目に位置づけられており、選択科
目となっている。
81
⑰ 実務担当部署
【実施スケジュール】(自治体)
キャリアサポート課
回
学習内容
1
授業の進め方・キャリアデザインについて
2
自己分析・キャリア計画とインターンシップ
3
インターンシップ支援サービスへの登録
4
地方自治の現状と課題 (複数回)
置き、学生に対する個別の指導を通じて、事前学
(上田市職員の講師による講話など)
習、受入先機関とのマッチング作業、事後学習と
5
自治体の地域計画 (複数回)
1 年間の指導体制を造り上げている。
6
各自の学習課題の整理
⑱ 総合評価と今後の取り組み
本学では、複数のインターンシップ指導教員を
実習期間中に、原則として指導教員が受入機関
に出向き、学生の研修の様子を確認し、状況の把
握に努めている。また、学生・受け入れ機関双方
[事後学習・インターンシップ報告]
にアンケートを実施し、インターンシップの改善
【実施スケジュール】(企業・自治体)
を図っている。参加学生の授業満足度は高く、そ
回
学習内容
1
実習完了報告1
2
実習完了報告2
3
実習報告書の作成 (個別指導)
4
インターンシップ実習報告1
5
インターンシップ実習報告2
6
インターンシップ実習成果発表会
7
総括
の後の学習や就職活動にも好影響を与えている。
成績は、受入機関の担当者による学生の評価と指
導教員の評価によって決められる。
今後に向けた課題は、インターンシップ受講率
の向上や、マッチング作業期間の短縮、受け入れ
先機関の開拓等である。特に受講率を上げること
は、就職支援との継続性を高めることになり、無
駄のないキャリア指導体制を造り上げることに
なるので、今後は特に力を入れたい。
インターシップ報告書および業務日誌の提出を
以上
義務付け、学内で行われる成果発表会では、他大
学の学生も含め参加した全学生が Power
Point
等のプレゼンテーションツールを使用して発表
する。(今年度予定)
また毎年、成果物としてインターンシップ報告
書を編集し、関係機関等に配布している。
⑯ 受入協力機関数
昨年度に引き続き、今年度も、長野県経営者協
会、地元商工会議所などをとおして受け入れ先企
業の開拓を行った。受け入れ先機関数とその内訳
は次のとおりである。
20機関
(企業
13,自治体
3,その他
4)
業種
情報、製造、観光サービス、流通、教育
82
長野大学産業社会学部 成果報告
氏名:三井将之
対応マニュアル」の重要部分をデータ化するとい
所属:長野大学産業社会学部産業情報学科 4 年
う作業があり、面接官が就職希望者をチェックす
受入先機関名:シナノケンシ株式会社
る場所、採用ポイント等の図を Excel で作成した。
研修期間:平成 18 年 8 月 16 日~8 月 29 日
そのほかにも採用担当者の方のお話を伺ったり
して、面接官も就職希望者に良い印象を与えるた
1.目
的
め沢山の努力をしているのだということを知っ
私は高校のときから簿記や会計の勉強をして
た。面接を受ける立場でなく面接をする人の視点
きて興味を持ち、経理の仕事に就きたいと思って
について勉強ができたことは今後の就職活動す
いた。実際に経理の仕事とはどのようなことをす
る時に役に立つと思った。
るのか、企業ではどのような会計ソフトを使って
いるのか等、学校・自主学習では学べないことを
2.2.経理部での実習
体験できる良い機会だと思い、受講した。また自
今回インターンシップで特に体験したかった
分に必要なもの、身に着ける必要のあるスキル、
経理部での実習。初日は減少償却資産の法改正に
これからの課題等をインターンシップで発見し
ついて教えていただき、上田市の償却資産課税台
今後の将来設計・就職活動に役立てられるように
帳と会社の固定資産台帳を相互にコードを記入
したい。
して固定資産台帳との整合性を確認した。償却資
産課税台帳はとても分厚く重く、ページを探すの
2.研修内容
にも慣れが必要だと思った。
2.1.人事部での実習
インターンシップでは午前は人事部門での実
習、午後は経理部門での実習という形で午前と午
後で部門を分けて実習させていただきました。人
事部門では資料の整理、文章のデータ化、名簿作
償却資産課税台帳
成、資料のまとめ等の作業を行わせていただいし
た。
実習 3 日目には支払い依頼表を見て支払い方法、
資料のまとめでは 2009 年問題についての本を
参考に Word を使用して完結にまとめるという作
支払先、日付を Excel に入力して行くという作業
業を行った。2009 年問題とは製造業の派遣が受
を行った。伝票は 5 月~7 月分だったのでかなり
け入れ期間制限を徒過する際にどう対応するか
の量があり、入力には時間がかかった。経理部で
という問題で、2004 年に物の製造の派遣が 1 年
の仕事はこういった入力作業が多くなるのでコ
間に限り解禁され、2007 年に 3 年に延長された。
ンピュータの入力は早さと正確さが求められる
この期間制限が来るのが 2009 年 3 月となる。こ
ということが良くわかった。
のときに企業はどう対応するのかを問われてく
実習の後半では、内部統制の一環である財務報
る。今まで 2009 年問題というのは聞いたことも
告サイクルの作成として「法人税申告手続」「財
なかったが今回のまとめの作業で詳しく知るこ
務報告手続」「連結決算資料作成手続」の業務フ
とができたので勉強になった。
ロー図の作成、リスクコントロールマトリックス
(RCM)の作成作業を行った。業務フロー図の作成
また文章をデータ化する作業の中で「面接官の
83
では Excel を使用して作業の流れをまとめ、図に
璧に使いこなせるようにしておいたほうが良い
した。
と思った。エクセルはある程度使えるつもりでい
たが実際にデータをまとめる際に、どのように、
どの関数を使って数字を抽出すれば良いのか等
がパッと出てこなかった。知識だけでなく関数を
実用的に使いこなせるようにしたいと思った。エ
クセルの検定は 2 級までしか取得していなかった
為、在学中に 1 級を取得したい。3 点目は、経理
の仕事はお金を扱う仕事で数字の不一致があっ
てはならない部署なので確認という作業が非常
に大事だということを教わった。大丈夫だと思っ
ていても間違えがあってはその後の作業にも支
障が出てしまうこともあるので確認する習慣を
つけるようにしようと思った。
4.研修の感想
その他にも財務管理システムについて、新会社
当初 2 週間は長いと思っていたが、実際に始ま
法について詳しく説明を受け勉強をさせていた
ってみればあっという間の 2 週間であった。アル
だいた。
バイトなどでは経験することのできない経理の
仕事を体験させていただき、職場の雰囲気を感じ
ることができ、インターンシップでの実習によっ
て、一層経理の仕事への興味・意欲が湧いた。そ
して製造業という物を作る企業で実習させてい
ただいたことや実際に働いている人の姿等を見
て、製造業というものの素晴らしさを肌で感じた。
3.研修の結果得たもの
最後に、実習の日程等のお世話をしていただい
経理部門で実習させていただいたことで経理
た大学の教職員の方々、シナノケンシの従業員の
の仕事とはどのようなことを行うかのというこ
皆様にはお世話になり感謝いたします。経理部門
とのイメージがある程度固まった。
での実習では、担当の方に作業内容の説明だけで
そして経理の仕事に就く上で特に必要だと思
なく、その作業を行う理由、意味等も教えていた
った点が3点ほど発見できた。1 点目は、仕事内
だき、関連する本や記事のコピー等までいただき
容の説明を受けても、取得税や法人税についての
ました。また、人事部門の皆さんには、実習以外
知識が乏しく、はっきりと理解できないというと
にも就職に関するいろいろな相談にものってい
ころが多々あった。経理の仕事では税法などに関
ただきました。皆様本当にありがとうございまし
わる仕事内容が多いため、仕事をスムーズに行う
た。
ためにも税法についての基本的なところはしっ
かり勉強しておかなければならないと思った。2
以上
点目は作業を効率よく行うためにエクセルを使
用して行う作業が多いので、エクセルの機能を完
84
長野大学産業社会学部
2.2
成果報告
研修内容
2 週間の間に、体験させていただいた仕事は多
岐に渡る。後方支援としてデータ入力などの事務
氏名:劉
紅艶
処理をしたり、店頭で旅行券を発行したり、POP
所属:長野大学産業社会学部産業社会学科 3 年
(写真1)や旅行チラシ(写真2)をコンピュー
受入先機関名:日本旅行上田支店
ターで作成したり、様々な関係団体(学校、企業)
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
との打ち合わせに同行させていただいたりした。
アルバイトでの単純作業とは違って頭を使う
1.目的
ことが多く、大学で学んでいる専門知識が、いか
私がインターンシップを希望したのは,就職
に重要かを理解できたと思う。
活動において得るものが多いと思ったからだ。
大学3年生になり,就職活動がだんだんと迫っ
てきているが,私にははっきりとした希望職種
があるわけでもなく,ぼんやりした中であせり
だけがつのる状態であった。
そのような中,このインターンシップ制度を
利用して実際に職場で働くことによって,働く
ことを身近にとらえ,将来を真剣に考える機会
にしたいと思い参加した。
また、大学のインターンシップ制度は、私の
ような留学生にとって、日本企業の職場を体験
でき、今後の職業選択に大きな役割を果たして
写真1
お客様の目を引くよう POP を作成
写真2
作成した旅行チラシの一部
くれると思う。
2.研修内容
2.1
会社概要
日本旅行の企業全称は「株式会社日本旅行
Nippon Travel Agency Co. Ltd. 」で、西日本
旅客鉄道(JR 西日本)の連結子会社である。本
社の所在地は東京都で、明治 38 年 11 月に創業
された。そして、会社として設立されたのは昭
和 24 年 1 月で、資本金は 40 億円である。それ
以外に授権資本が 24,000 万株と発行済株式総
数が 6,000 万株である。平成 20 年 1 月の統計
によると社員総数は 3,097 名で、社員の平均年
齢は 39 歳である。
インターンシップを行った上田支店では、従
業員が 12 名おり、そのうち店頭部門 3 名、セ
ールス部門 7 名、業務デスク・経理 1 名、支店
長 1 名である。
85
どう活かしていくのかを学ぶことができた。
3.研修の結果得たもの
仕事というのは、上から下への命令をこなすも
4.研修の感想
のだという先入観があったが、日本旅行上田支店
はそうではなかった。共通の目的に向かい、皆で
実習中は、店頭チームの方たちが私の意見をよ
協力し合うチームワークの精神に感動した。皆さ
く聞いてくださって、私なりの意見や、やり方で
んがイキイキしていて、仕事にやりがいを強く感
POP とチラシを作らせていただいた。自分のアイ
じているという話を聞き、旅行業界の魅力を感じ
デアが形にできたときは本当にうれしかった。
またお昼休みに、職場の皆さんと一緒に食事を
た。
特に、添乗員として海外に何十回も行かれた社
しながらの雑談の中でも、とても勉強になったこ
員の方から、たくさん思い出に残った出来事が今
とがある。例えば、就職するときの面接で聞かれ
の仕事に繋がりがあるということを聞き、体験こ
た質問や、旅行業界に就職するなら取るべき資格
そ財産だと実感した。研修の結果、得たものとし
などを教えてくださったので、今後の就職活動に
て、特に次の 3 点をあげたい。
役立つと思う。
まず、様々な業務体験をさせていただくうちに、
十日間の実習中、仕事の多くはコンピューター
何でも前向きに積極的にやろうという姿勢を見
を使うので、操作の速さと正確さが求められる。
せることの大切さが分かったことである。自分は
しかし私は 2 枚のチラシを作るのに 4 時間もかか
留学生でもあるし、アルバイトのようにお給料を
ってしまい、限られた時間の中で、いかに効率良
いただいているわけではないから、どうしても社
く作業するか、という点で未熟さを痛感した。
員の方が遠慮されるのか、仕事の指示をいただけ
大学に戻ったら、コンピューター操作をブラッ
ない場合もある。そのときに、自分から声をかけ
シュアップしよう、ゼミナール研究や残りの学生
て、相手に信頼していただけるような積極さを見
生活を有意義に過ごし、就職活動も積極的に行お
せるのが本当に大事であると感じた。
う、という目的意識が明確になった点で、非常に
インターンシップ制度は、私のような留学生
有意義な実習であった。
にとっても、日本企業の職場を体験でき、今後
今後も、社会的マナーを身につけ、企業の組織
の職業選択に大きな役割を果たしてくれると
システムや日本企業の経営管理についての知識
思って実習が始まるのを緊張しながらも楽し
を吸収し、一人前の社会人になれる準備をしたい
みにしていた。実際に働いてみたら、職場のみ
と思う
2 週間という長いようで短い期間ではあったが、
なさんがとても親切に教えてくださり、すぐに
職場にも慣れ、与えられた課題を完成すること
自分が望んでいた旅行会社で実習でき、とても充
ができた。そして指導してくださった方々に褒
実した日々を送れた。実習初日には、支店長に暖
められたとき、「私にもできるんだ」、「日本で
かく迎えていただき、自ら、会社概要や実習スケ
就職しても何とかなるかもしれない」と自分に
ジュールを親切に説明してくださった。また店頭
自信を持てるようになったのが 2 点目である。
チームをはじめ、セールス部門と経理部門の皆さ
最後に、インターンシップを通して、自分が
んからも業務内容を熱心に教えていただいた。
周りの人との協調性が良く、仕事の進め方が合
私のような留学生にもこのような機会を与え
理的であることを発見した一方、パソコンの操
てくださった大学の先生方、お世話になった日本
作が遅く、残りの大学生活での課題を発見でき
旅行株式会社上田支店の方々に深く感謝いたし
たことである。そして、ただ実習に参加しただ
ます。どうもありかとうございました。
けでこの体験を終わらせず、しっかりと自己検
以上
証し、今後の進路決定や就職活動に反映させ、
86
日本大学生産工学部
成果報告
氏名:持田真行
所属:日本大学生産工学部土木工学科3年
受入先機関名:国土交通省関東地方整備局
大宮国道事務所
研修期間:平成 20 年 8 月 4 日~8 月 27 日
1.目
的
土木の仕事は官公庁、建設業、コンサルの 3 つ
に大別される。この中で、官公庁を希望した理由
図-1:上部床版の配筋検査
としては、父が地元役所の職員であり、都市開発
やまちづくりの公共事業に関する話を聞いてい
たこと、またこれらの公共事業がどのように立
案・計画されているのか、企画する側の立場に立
って学びたいという思いが大きい。特に実家が国
道 17 号線沿いに位置していることから道路事業
にとても興味があった。また、地元駅前の都市開
発や交通整備などの仕事を実習して土木事業を
さらに、身近に感じたいと思い、大宮国道事務所
での実習を希望した。
2.研修内容
2.1.
圏央道荒川渡河橋上部工事
図-2:上部床版の外観検査
一般国道 468 号首都圏中央連絡自動車道(圏央
道)は都心から半径 40~60km に位置し、横浜・
の概観検査を示す。
厚木・八王子・川越・つくば・成田・木更津など
先ず、配筋検査では鉄筋径・本数・配筋間隔・
の主要都市を環状に結ぶ総延長約 300km の高規格
かぶり・スペーサー配置状況、さらに、製品検査
幹線道路である。大宮国道事務所では鶴ヶ島 JCT
では鉄筋長さ・幅・厚さ・地覆筋の位置の確認を
~桶川市菖蒲町境間まで延長 19.9km の区間の建
行った。ここでは、担当者と一緒に検査に立会い、
設を担当している。
検査に重要なポイント、また各資材について説明
今回、交通基盤における安全性の維持・管理の
を受けた。検査は全て手作業で行っており、繰り
ため、交通の基盤となる上部床版の配筋・製品の
返し確認を行っていた。
品質検査、さらにコンクリート打設後の外観の検
次に、コンクリート打設後の外観の検査では上
査を行った。そのために栃木県真岡市のオリエン
部床版の表面にできた気泡やクラックの有無や
タル白石(株)関東工場を訪れた。ここでは圏央
部品の欠損の有無を確認した。ここでは、床版を
道の川島 IC~桶川 JCT 間を流れる荒川に架ける渡
正面から見た時、鉄筋の配列が微小ではあるがず
河橋の上部床版の建設を行っている。
れていた。細かい誤差の発見にとても苦労したが、
図-1 に上部床版の配筋検査,図-2 に上部床版
重要な仕事であると感じた。
87
2.2.上尾道路工事予定地の踏査
上尾道路は、一般国道 17 号の交通渋滞を解消
国道 17 号
し、沿道環境の改善を図ることなどを目的に計画
され、一般道路と自動車専用道路からなる新大宮
バイパスと一般国道 17 号を結ぶ延長 20.1km のバ
イパスである。ここでは国土全体の長期的発展基
盤の形成を目的とし、上尾道路の道路工事予定地
国道 16 号
の踏査を行うため、さいたま新都心から延びる新
大宮バイパスと上尾道路が繋がる宮前 IC 建設現
場を訪れた。
現地では、主に道路工事進行状況の確認や航空
写真と工事予定位置の比較、さらにこれから道路
図-3:国道 16 号分岐部(宮前 IC 建設現場)
を造るにあたり、買収用地の確認などを行った。
また、地域住民に上尾道路の在り方や役割につい
て質疑応答する相談所では、詳しい説明などもし
国道 17 号
ていただいた。
図-3 に国道 16 号分岐部,図-4 に国道 17 号並
行部の建設現場を示す。
一般国道 16 号から図-3 の矢印の方向へ分岐し、
高架・橋梁部を通り、図-4 の矢印のように一般国
道 17 号に並行して形成される。現在は国道 16 号
の下を横断する歩道を建設している。その後、一
般国道 16 号から上尾道路へ接続するための分岐
部の建設を進める予定である。
図-4:国道 17 号並行部(宮前 IC 建設現場)
3.研修の結果得たもの
査のほとんどが徒歩であったためとても暑く、大
上部床版の品質検査では道路の基礎となるた
変であったがとても重要な仕事であると感じた。
め、検査官が床版の隅々まで調べて鉄筋の本数や
組み方など問題が無いか、綿密な検査が求められ
4.研修の感想
た。また、コンクリートと鉄筋とのかぶりを造る
初めて体験した社会の仕事場に緊張と感動の
ためのスペーサーが不足していることやコンク
連続だった。普段できない貴重な体験と、それに
リート打設後の床版表面にできた無数の気泡な
伴う新しい発見により、土木への興味がわき、さ
どを発見すると、現場監督官へ厳しく指摘してい
らに身近に感じることができた。また、社会人と
た。品質検査、打設後の概観検査などの手法とそ
して働くことの大変さと、責任の大きさを改めて
の重要性、さらには検査官としての責任感につい
知ることができた。今回の実習は、残りの大学生
て強く学んだ。
活、就職活動、さらには社会人になるにあたって、
上尾道路の現地踏査では、航空写真と工事予定
非常に有益なものであると感じた。 最後に、こ
位置を比較する際に、現地の地理に詳しくないた
のような機会を与えてくれた大学、また実習でお
め、地図の理解が困難であった。そのため現地の
世話になった方々に謝意を表す。
把握が非常に重要であることを学んだ。また、踏
88
明治大学
(地域研究インターンシップ)公務、建設、
取り組み状況
地方紙、NPO、議員事務所、生活協同組合
⑲ 基本的な考え方
○ 内容:業種により多岐にわたっている。
明治大学では、現在商学部、政治経済学部、理
【理工学部】 科目名称は「ジョブインターンシ
工学部、農学部、経営学部、情報コミュニケーシ
ップ実習」で2年次配当(2単位)。実習先は学
ョン学部で単位認定型インターンシップを実施
部と契約を結んだ企業および「日本インターンシ
している。また、2004 年度からは、学生が所属す
ップ推進協会」登録企業、学生が自己開拓した受
る学部・学年に関係なくインターンシップ生とし
入れ先等である。
て実習に参加することができる「全学版インター
○ 業種:情報サービス業、製造業、建築設計
ンシップ制度」を設置し、実践的な学びの場であ
業等
るインターンシップを全学的に推進する体制が
○ 内容:データ整理・解析、設計、工場実習
確立した。
等
各学部において、インターンシップの基本的な
【農学部】
科目名称は「専門実習」(農学科専
考え方は若干の差はあるものの、総じて以下のよ
攻科目群 専攻科目)で1~4年次配当。実習先
うなことが挙げられる。
は、国または個人の農場・牧場、国の試験機関・
(1) 就業体験を通じた学習目的の明確化と
農水省土木事務所等である。
学習意欲の喚起
○ 業種:農業・畜産・土木関連
(2) 高い職業意識を持った職業人や創造的
○ 内容:生産・販売、測量・設計積算・調査・
人材の育成
観測・データ解析等
(3) 産業界や地域社会との交流と相互理解
【経営学部】 科目名称は「NPO インターンシッ
⑳ 研修内容(2008 年度現在、単位認定し
ている学部のみ記載)
プ実習」と「ビジネス・インターンシップ実習」
【商学部】 科目名称は「ジョブ・インターンシ
約を結んだ企業・団体のみならず、学生が自己開
ップ」で3年次配当。実習先は学部と契約を結ん
拓した受入先についても単位認定を実施してい
だ企業・団体となる。
る。
○ 業種:金融業、証券業、情報サービス業、
○ 業種:金融業、総合物流、出版、教育、放送、
で両科目共に2・3年次配当。実習先は学部と契
飲食料品小売業、旅館・映画・娯楽業、総合
通信、地方公共団体、共済事業等
物流、公務等
○ 内容:業種により多岐にわたっている。
○ 内容:業種により多岐にわたっている。
【情報コミュニケーション学部】
【政治経済学部】 科目名称は「企業実習」と「地
「インターンシップ」で3年次配当。実習先は学
域研究インターンシップ」で両科目とも3年次配
部と契約を結んだ企業及び東京経営者協会「ハイ
当。「地域研究インターンシップ」については地
パーキャンパス」登録企業、全学版インターンシ
域行政学科の学生のみ履修することが可能であ
ップ、学生が自己開拓をした受入先について単位
る。実習先は学部が委託した企業・団体、また、
認定を実施している。
学生が自己開拓をした受入先について単位認定
○ 業種:出版、広告、IT産業、サービス業等
を実施している。
○ 内容:業種により多岐にわたっている。
○ 業種:
(企業実習)メーカー、建設、商社、小
21 研修期間
科目名称は
売、IT、サービス、シンクタンク、流通、
夏季休暇中(8月1日~9月19日)に原則
マスコミ、金融、運輸、ホテル、印刷・出版、
2週間・実働10日間。ただし、それよりも期間
教育、自動車、住宅、設備、マーケティング
が長くなる場合等は、授業に差し障りのないよう
89
に、大学と受入先との協議により決定する。※ 政
会を開催して実習の体験や成果の発表を義務付
治経済学部「企業実習(企業研究コース)」は3
けている。
日間。※農学部は春季期間中も実施。
【経営学部】 事前教育としては「インターンシ
22 履修学生数
ップ入門(配当1年次:2単位)」を開講し、イ
【商学部】20名、
【政治経済学部】265名、
ンターンシップについての知識を深めることは
【理工学部】1名、
【農学部】14名、
【経営学部】
勿論のこと、マナー講座、業界研究等を積極的に
30名、
【情報コミュニケーション学部】7名【全
行っている。事後教育としては、実習体験報告書
学版(単位認定なし)】110名
と実習日誌の作成を行った上で、体験報告会を開
23 選択、必修の区別
催 し 、 学 生の イ ン タ ーン シ ッ プ での 経 験 を 、
各学部とも選択科目
PowerPoint 等を用いてプレゼンテーションさせ
24 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
ている。
【商学部】 事前教育として、担当教員による徹
【情報コミュニケーション学部】 事前教育とし
底した少人数教育のもと、担当教員や外部講師に
て、「インターンシップ入門(配当2年次:2単
よる制度の概要説明、業界研究、マナー講座等を
位)」の修得を義務付け、マナー講座、プレゼン
実施する。事後教育としては、実習の体験・成果
テーション研修を実施し、インターンシップ実習
をプレゼンテーション形式で報告する成果報告
に備えている。事後教育として、実習日誌、実習
発表会、および受入機関担当者を招いての意見交
体験レポートを作成し、受入機関の方を招いて成
換会を開催し、その発表会での内容をふまえた成
果報告会・懇親会を開催している。
果報告書の提出を実施している。
25 受入協力機関数
【政治経済学部】
【商学部】16機関、【政治経済学部】104
事前教育として、「キャリア
デザイン講座(配当2年次:2単位)
」を開講し、
機関、【理工学部】1機関、【農学部】11機関、
インターンシップ受入企業及び外部研修機関か
【経営学部】43機関、【情報コミュニケーショ
ら講師を招聘し、キャリア教育の導入としている。
ン学部】7機関【全学版(単位認定なし)】61
また、3年次のインターンシップ参加学生向けに、
機関
事前研修・マナー講座を開講し、専門家によるき
26 実務担当部署
め細かい指導を行っている。事後教育としては、
教務サービス部(各学部グループ)、教育支援
実習報告書と実習日誌の作成、受入機関担当者を
部就職・キャリア形成支援事務室
招いての成果発表会と懇談会を開催している。
27 総合評価と今後の取り組み
【理工学部】 事前教育として、5月中旬~下旬
インターンシップ実習科目の履修希望者数が
にガイダンスを行っている。実習希望企業に応募
拡大の一途を辿っているので、受入先の開拓や情
する前に、各学科の担当教員が受入先企業の実習
報収集を積極的に行なっていく。また、今後より
内容がインターンシップとして相応しいか確認
良い実習を行なうために、今年度の実習内容の確
する。実習参加学生は、外部講師によるマナー講
認・見直しを徹底し、学生・実習先・大学の3者
座を受講する。事後教育として、「実習日誌」と
間の連携・協力のもと、実習の内容・成果の質の
「実習報告書」を提出させ、体験報告会を開催し、
向上を目指す。
また、インターンシップについてキャリア教育
PowerPoint を用いてプレゼンテーションさせて
いる。
の一環として位置付け、入学してから卒業するま
【農学部】 事前教育としては、年度初めにガイ
でのトータルなキャリア教育の中で、再評価を行
ダンスを行っている。事後教育としては、「実習
うことを検討中である。
以上
日誌」と「報告書」を提出させ、さらに実習報告
90
明治大学情報コミュニケーション学部
また大学に提案、提供するものが、全て富士通
成果報告
のものとは限らないということも教えて頂いた。
それは、「富士通にとって」ではなく「お客様に
氏名:加瀬彩絵
とって」1番いいものを考えて、提案、提供する
所属:明治大学 情報コミュニケーション学部
からだという。そういった「お客様目線」である
情報コミュニケーション学科 3 年
ことは、それまで持っていた営業のイメージとは
受入先機関名:富士通株式会社
大きく違っていた。
文教統括営業部
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~9 月 5 日
2.2.提案
2週間目には、ある富士通のサービスを勉強し、
1.目
的
実際に自分の大学、明治大学で提案をさせて頂く
①自分の知識や能力の向上
という体験をした。
②社会を知る
ここで感じたことは提案の難しさである。勉強
③自己を再確認する
会では理解したつもりであっても、いざ人に説明
私がインターンシップ実習に参加を希望した
しようとすると、非常に難しかった。資料通りに
目的は主にこの3つである。就職活動を本格的に
読んでも何も伝わらない、かといって自分の言葉
始める前に、社会に出るということを体験するこ
のみで説明しては資料が生かされない。相手にと
とで、様々なものを得て、1歩進んだ就職活動を
っていかにわかりやすく単刀直入に説明するか、
したいと思ったためインターンシップへの参加
予想以上に難しい体験であった。
を希望した。その中で、自分の学部が情報コミュ
また、明治大学の3箇所で提案をさせて頂いた
ニケーション学部であることもあり、現代社会を
のだが、同じ明治大学内でもその部署によって全
支えているIT会社にすごく興味を持っていた
く異なった意見を頂いた。相手がその組織の中で
ことからこの会社での参加を決めた。
どのような立ち位置なのかを考えた上で、提案を
しなくてはいけないということを痛感させられ
2.研修内容
た。また一緒に来てくださった社員の方は、その
2.1.大学訪問
部署や相手の考え方を瞬時に把握し対応をして
3週間の中で1番多くさせて頂いたことは、
いた。そういった臨機応変な行動や、柔軟性とい
様々な大学への訪問である。企業と大学が定期的
うものが、「営業」には必要であるということを
に行っている会議や、システムの導入、改修につ
改めて実感させられた。
いての会議に参加をしたり、サーバー室の見学を
いつ
させて頂いた。
そこで感じたことは「とにかく丁寧」というこ
とである。資料を渡すにもわざわざ大学に出向い
どこで
て手渡しをするところ、会議では常に細かな資料
どうやっ
て
提案
を持っていき、質問や要望にはSEさんやCEさ
んと連携をとりながら、事細かに答えているとこ
ろ、そんな場面を見て本当に丁寧だと感じた。な
誰に
ぜここまで丁寧なのか、それは富士通が安全性や
信頼性を非常に重視しているからではないかと
私は感じた。
91
何を
2.3.パイプラインセッション
しば遅くまで残ることがあった。そういった面を
3週間目で印象に残っているのが、「パイプラ
メンターの方は「頑張り屋」と評価をしてくださ
インセッション」という、今後の動きや活動につ
り、今まで自分では気がつかなかった自分を発見
いて文教統括営業部皆で話し合う会議に、参加し
できた。
たことである。1つの商売に対して非常に綿密な
戦略を立てることにすごく驚いた。また、そうい
4.研修の感想
った戦略について皆で情報共有することで、たく
「インターンシップ」は、何のためにやるのか。
さんの意見や方法が提出され、営業や商売の活性
おそらく多くの学生が「就職活動のため」と考
化はもちろんのこと、部署全体の雰囲気がより団
えるだろう。私もそう思う。しかし、100%就職
結していくように感じられた。
活動のためではないのではないか、と私は3週間
また他の面においてもこの部署では、欠かさず
を通して感じた。痛感した社会人の大変さや厳し
朝礼を行っていたり、社員全員の予定を張り出し
さ、感銘したたくさんの社員の方々の言葉、これ
ていたりと、非常に社員同士の団結の強さが感じ
らは就職活動に止まらず、今後の自分の生き方に
られた。そして目標を張り出し、皆で職場を活性
も大きくつながっていくのではないかと思う。
化させよう、モチベーションを上げよう、といっ
そして、今回のインターンシップで私は多くの
た雰囲気が非常に感じられ、魅力的な職場だと感
学生と出会い、様々な話をすることができた。自
じた。
分と全く異なった地域で、全く異なった分野を勉
強している学生と話せたこと、つながりが持てた
3.研修の結果得たもの
ことは、自分にとって視野や考え方が広がる非常
今回の研修で得たものは3つある。まず、「富
にいい体験となった。
士通の文教統括部」の活動を知ることができた。
体感が全てであるインターンシップ、何を得て、
安全性や信頼性、お客様目線の提案、職場そのも
これからどのように生かすのかは自分次第であ
のの雰囲気、これらは本やHPで見るのではなく、
る。
全て「体感」したからこそ、得られたものだと思
う。そして、今までイメージをしていた営業とは
最後に、お世話になった富士通株式会社文教統
全く違った営業を見ることができた。
括営業部の方々、この機会を与えて下さった大学
2つめは社会人と学生の差である。会議1つを
の職員の方々に、深く感謝いたします。どうもあ
とっても、迅速かつ丁寧な応答に常に驚かされた。
りがとうございました
また提出資料や発表資料に対して的確なアドバ
以
イスを頂き、学生との能力の差を非常に感じた。
なぜ、ここまで大きく違うのか、もちろん経験や
慣れもあるだろうが、私は「意識」の差が1番大
きいのではないかと思う。社会人としての責任感
の強さから、こういった差が出てくるのだと感じ
THE POSSIBILITIES
た。
ARE INFINITE
3つめは、自分の強い所と弱い所である。資料
の作成や日報の作成で、自分は非常に時間がかか
ってしまい、効率よく物事を進めることが苦手と
非常に痛感した。しかし、その分、終わらせるま
で帰らないといった負けず嫌いな所があり、しば
92
上
明治大学経営学部
成果報告
氏名:長嶋利乃
所属:明治大学
2.2.グループワーク・自己分析
経営学部
就職活動に役立つ自己分析や他己分析を通し、
経営学科 3 年
受入先機関名:ブラザー販売株式会社
自分と向き合う時間を持てました。また、キャリ
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~9 月 5 日
アプランについても真剣に考える機会になりま
した。
1.目
的
今回の目的は 2 点ありました。①実際の就業体
験を通して社会人とはどういうものなのか、また
営業はどのように行われているのか経験するこ
と、②現在興味のある業界で研修することで自分
に適性があるかを判断することです。そこで、こ
れらの希望を叶えることが期待できる実習内容
に魅力を感じ、ブラザー販売株式会社を志望しま
した。
2.3.フィールドワーク・営業同行
2.研修内容
座学でだけではなく、マーケティングのフィー
2.1.企業概要、事業説明、業界研究、製品講
ルドワークも行いました。2 チームにわかれて 3
習
研修初日に今年で 100 周年を迎えたブラザーグ
店舗の量販店に出向き、各店舗のマーケティング
ループの歩みや事業内容、今後のヴィジョンの説
戦略を調査してきました。ここでは、実際の営業
明を受け、ブラザー販売についての理解を深めま
回りを行うときに鍵となる、時間とルートの感覚
した。2日・3日目はブラザーが扱う製品の講習
を体験することができました。
を受け、製品についての基本知識を教えていただ
きました。また、情報機器業界についての説明も
受け、各量販店とメーカーとの関係や量販店の戦
略の違いなど、初めて知ることが多く大変勉強に
なりました。
また、3 日間毎回異なった担当の社員の方と営
業を同行させていただき、事業機器メーカーのル
ート営業がいかなるものなのかを体験しました。
3 日間を通して、これまで『ノルマ』というマイ
ナスイメージが強かった営業の概念が一気に変
わりました。ルート営業は各担当の店舗を自分の
93
ペースで回り、店舗の方とのコミュニケーション
されました。この経験を通して、「常に進行状況
を取りながら売上げや競合の確認をしていまし
を把握しながら、時間を意識して行動することの
た。この姿を見て、ノルマを急かされるといった
大切さ」を学びました。そうした資質を養うため
イメージが全くの誤解であったことがわかりま
に、今後時間管理を意識した生活を心がけていき
した。その営業方法は社員の方それぞれに異なっ
たいです。
ており、学ぶところが多かったです。また、店舗
で実際にお客様に接客をし、その結果商品を購入
4.研修の感想
していただくことができたときはとても嬉しか
この実習は就職活動を行うにあたりとても良
ったです。
い機会となりました。業界についての見識を深め
られたのと同時に、学生の甘さ、自分の未熟さに
2.4.新製品プライベートショー運営
気付くことができたからです。このインターンシ
東京国際フォーラムで行なわれた新製品のP
ップを通して「当たり前のことを当たり前にでき
Vショーを社員の方々と共に運営させていただ
る人間」になろうと思いました。そのためにはま
きました。このショーは招待券を持った取引先の
ずは規則正しい生活を徹底させようと思います。
法人の方など、限られた人のみが対象でした。な
これはとても基本的なことですが、持続させるの
かなか行けない現場に立ち会えたことはとても
は決して簡単なことではありません。よって規則
貴重な体験になりました。
正しい生活を習慣づけることから始めたいと思
います。その上で今回課題となった時間管理をは
じめ、自分の弱点を改善していき、社会人になる
前にまずは一人前の学生になろうと心に決めま
した。
最後に 2 週間という短い間でしたが、大学では
知りえない多くのことを学ぶことができ、この機
会を与えて下さった大学の先生方、お世話になっ
たブラザー販売株式会社の皆様に深く感謝いた
2.5.最終プレゼンテーション
します。どうもありがとうございました。
最終日にインターンシップ総まとめのプレゼ
以
ンテーションを行いました。自分のチームの 3 名
と協力しながらパワーポイント作成し、実際の発
表は社員の方々を前にして行いました。とても緊
張しましたが、プレゼンテーションに対するフィ
ードバックをいただくことができたことや社員
の方々の話も伺うことができたことがとても嬉
しかったです。
3.研修の結果得たもの
実習を通して「時間管理の大切さ」を痛感しま
した。フィールドワークやプレゼンテーション準
備など、限られた時間の中で業務をこなすことで、
自分がいかに時間管理が下手であるかに気付か
94
上
明星大学
取り組み状況
① 基本的な考え方
⑤ 選択、必修の区別
本学はインターンシップを導入してから 4 年
理工学部建築学科、理工学部環境システム学
目となる。昨今以下の 3 点の事例を抱えてい
科、経済学部経営学科の 3 学科で選択科目と
る学生が非常に増えておりインターンシッ
なっている。いずれも1ないしは 2 単位であ
プをその「処方箋」として使うことによる。
る。
1)働くことをどこか遠くに位置づけている学生
が多い。
⑥ 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
2)同年代かつ同じ仲間との付き合いばかりで狭
事前
い社会で生活している。
●事前・・・合計7回のガイダンスを実施。
3)大学生活で何も取り組んできておらず自分に
第1回目:インターンシップの概要や、心構
自信を持てない。
えの説明。エントリーシートの配布。220
インターンシップを通し少しでも働くことに
名を超える学生の出席。
興味をもってもらうこと、また学生の「向上
第2回目:エントリーシート提出者125名
心」を刺激することが目的である。労働を通
を対象に、東京経営者協会のハイパーキャン
し学生各々何かに「気づいて」もらい「考え
パスシスシステムの説明とグループワーク
て」もらうことが重要であると考えている。
第3回目:インターンシップ経験のある卒業
労働から得られる充実感、満足感、達成感を
生による講演
味わうことで必ず学生に変化が表れるはずで
第4回目:EQアセスメントの実施
ある。大学としてはその感覚に実は大きな効
第5回目:EQアセスメントの返却・振り返
果が隠れていると認識している。その感覚を
り
体感出来、就職することに対して希望を与え
第6回目:マッチング会(インターンシップ
られる存在がインターンシップであると位置
推進協会主催)。受入先決定の学生には「イン
づけている。
ターンシップ日誌」「フィードバックシート」
の配布を行う。
② 研修内容
第7回目:外部講師によるマナー講座(JA
「明星大学インターンシップ覚書」に記載さ
Lアカデミー)
れている内容と研修先企業との取り決
●事後・・・合計2回のフォローガイダンス
めに従い、インターンシップを研修先企
と成果報告会
業で行う。
第1回目:EQアセスメントの実施、成果報
告会の説明
③ 研修期間
第2回目:EQアセスメントの返却・振り返
研修先企業が設けた期間で研修を行う。(5
り、ゲストスピーカーによる講演
日間~17日間)
●成果報告会
46社65名の企業が参加
④ 履修学生数
学生発表とパネルディスカッションを実施。
153名(平成19年度実績163名)
また、学内の食堂にて教員を交えての懇親会
を執り行う。
95
⑦ 受け入れ企業数
126社(昨年度71社)
⑧ 実務担当部署
明星大学就職課
⑨ 総合評価と今後の取り組み
本学ではインターンシップを導入して 5 年目
になる。本学の教育理念でもある体験教育の
場として最適なインターンシップは、学生の
自主性を育み、就職に対する考え方を身につ
ける場として活用されている。大学 3 年生の
貴重な夏休みを利用し、就業体験を重ねた学
生は、変化が生じる。例えば、御礼を言えな
い学生や、自分の意見を言えない学生が、わ
ずか2週間あまりのインターンシップを体験
することで見違えるように変わるケースがあ
る。また昨今の景況不安による、就職に対す
る過剰な不安がある学生に対しても、インタ
ーンシップは貴重な場となっている。本年は
昨年と異なり学生の積極性がやや欠けるよう
に感じるケースがあった。また、マナーの面
で注意が必要となるケースが生じた。次年度
以降への課題として、実習前のきちんとした
マナー習得が挙げられる。他に、単位認定学
科の事務処理のシステム化が求められる。
96
明星大学人文学部
ンターンシップ生同士でペアを組み実際のシー
成果報告
ンを想像しながら練習を重ねる機会も多かった
氏名:中村裕美子
です。
所属:明星大学人文学部心理・教育学科心理学専
本社提出用の課題は「お客様ニーズ」を調査す
修
るという内容で、現在のお客様の車生活について
受入先機関名:神奈川トヨタ自動車株式会社
インタビューするものだったので、実際にインタ
研修期間:平成20年9月2日~9月16日(本
ビューするための練習も受けました。お客様がど
社研修、休日含む)
のような接し方をなさっても会話が続けられる
ように努力を重ねました。
1、実習参加への経緯と目的
始めは部活動のこともあり、忙しくなることが
<2>店舗研修
予想されたので参加することを考えていません
本社研修後、インターンシップ参加生は各店舗
でした。しかし友人からインターンシップについ
に配属されました。1人1店舗ずつの配属で、私
ての話を聞いている内に、実際に会社で働けると
が配属されたのは宮前平店でした。
いうことに大きな魅力を感じるようになり参加
店舗研修の前半は、店舗の案内、朝の掃除、お
することを決めました。参加するのであれば就職
客様への呈茶、朝礼への参加、各種作業の流れの
活動の手始め、というだけではなく、実際の現場
見学、整備車両の引き渡し同行、DM の制作手伝い、
でマナーなどを学ぶことによって今後の生活に
商談の見学、お客様やスタッフの方へのインタビ
役立てたいと感じていました。実習参加の目的は
ュー等が行われました。
「常に明確・誠実な態度で接すること」として、
後半は、朝の掃除、お客様への呈茶、朝礼への
どのような状況でも慌てることなく対応できる
参加、各種作業の流れの見学、整備車両の引き渡
ように事前学習や学んだことの復習を繰り返す
し同行、新車納車の見学、DM の制作手伝い、外商
ようにしました。
スタッフへの同行、商談の見学、お客様やスタッ
フの方へのインタビューと名刺の受け渡し等が
2、研修内容
行われました。
<1>本社研修
車の販売がメインである企業なので販売に関
まずインターンシップ参加生 24 名に本社研修
しては見ていることしか出来ませんでしたが、よ
が行われました。企業の経営体制についての講義、
りお客様に近い場所で働いている自覚を持って
接客応対の基本マナーの実践練習、本社提出用の
行動するように勤めるようにしました。
研究課題についての説明とお客様へのヒアリン
一番多かったのはお客様への呈茶でした。来店
グの練習等が 2 日間に渡って行われ各々が知識の
されたお客様には長時間待っていただくことも
習得や苦手な部分の克服に取り組みました。
あるので飲み物をお出ししています。呈茶の際は、
インターンシップ生にはそれぞれ事前課題が
礼儀作法を守り、店舗の印象を悪くすることのな
渡されていました。課題では神奈川トヨタに関す
いように注意を払うようにしました。特に土日は
る事柄とインターンシップへ向けての意欲と目
店舗に来店されるお客様が多いので呈茶だけで
標が問われていました。
も忙しい部分はありましたが、そういった時でも
接客応対の練習では声の出し方、姿勢、お辞儀
冷静に対処するように心がけました。
の仕方といった基本的な部分だけではなく、店頭
また、本社の方が店舗に様子を見に来てくださ
にいらしたお客様の誘導や呈茶といった店の印
った時、私が「まだお見送りが苦手」ということ
象にかかわる重要な部分の指導を受けました。イ
を伝えると、お見送りの実践練習をしてください
97
ました。その際「営業はいつ、どこでお客様に見
社員インタビューの際、お客様が「この人がい
られているかわからない。お見送りのときの姿勢
るからここのお店に来る」と言って下さるのが嬉
は、お客様だけではなく、周囲を車で走っている
しい、とスタッフの方々が答えてくださいました。
お客様も見ている」という話をしてくださいまし
その言葉を聞いて、いくら仕事だけをこなしてい
た。このとき私は、営業という仕事の奥深さ、自
てもお客様のことを軽視していては信頼関係が
分の仕事に責任と誠意を持つことの大切さを感
芽生えることはなく、お客様のことを全力でサポ
じました。他にもこの文書の中では書ききれない
ートする、という全員に共通の目標があるからこ
くらい色々なことを教えてもらったし、感じるこ
そ仕事に充実感が出るのだと考えました。
とがあり、本当に充実した実習となりました。
またグループディスカッションをやったこと
<3>修了式
で、仲間の大切さも知ることが出来ました。本当
すべての実習が終了後、本社にてグループディ
に短い時間でも、自分が体験したことや感じたこ
スカッションと修了式が行われました。
とを発表し、互いの意見を交換することが出来ま
グループディスカッションは本社提出用の課
した。ただ意見を交換しただけではなく、共通の
題として出されていた「お客様ニーズについて」
意識を持った仲間の存在が本当に心強かったし、
を基に、今後どのような改善をしていくべきかに
自分ももっと成長したい!!という意欲につな
ついて 6 人 1 グループの合計 4 班に分かれてディ
がりました。私の中でインターンシップに参加し
スカッションを行うという形式でした。他店舗の
た 24 名全員が本当に大切な存在です。
環境や、幅広いお客様の考えに触れることが出来、
また各班の発表の内容も個性的で非常に充実し
4、研修の感想
た時間をすごすことが出来ました。
きっかけは友達ではありましたが、この研修に
修了式では学生それぞれに修了証書が手渡さ
参加して様々なことを感じることが出来た。お客
れ、その後社内のレストランにて懇親会が行われ
様との信頼関係の大切さ、担当の方々の想い、仲
ました。お世話になった担当の方たちや仲間たち
間の存在の大きさ等考えさせられることが沢山
と楽しい時間を過ごして全実習が終了しました。
生まれ、本当に勉強することが多かったです。
「気
づき→考え→行動」を繰り返すことで、社会人と
3、研修の結果得たもの
して成長できるのだと思いました。本社研修で注
この短期間で営業、販売という仕事の様々な部
意されたこと、スタッフの方々の就活体験談、自
分に触れることが出来ました。実際の車を販売す
分が店舗にいて感じたこと、そして仲間の意見は、
る現場にいて、今まで気づかなかった工夫や仕事
社会人になっても忘れずに活かしていきたいと
の奥深さを様々な人から教えていただけて本当
考えています。
に貴重な体験が出来たと思っています。
インターンシップを経験して、社会に出て働き
本社の方々も、宮前平店の方々も働く場所は異
たい、という気持ちが強まりました。短期間で
なるけれども、神奈川トヨタの社員の皆さんはお
様々な価値観に触れることが出来、触れるたびに
客様の日常的な車生活全体を全力でサポートす
刺激を受けました。現場を見つめて真正面から仕
ることを一番の目標として働いているのだと感
事に向かっていくことが今後の社会人には求め
じました。実際の仕事は見ているだけになってし
られていると思います。私は今回の経験を生かし、
まう部分も多かったですが、スタッフの方々の仕
真正面から仕事に取り組むために自分で知識を
事への緊張感や充実感がひしと伝わってきて、お
取り入れる努力を忘れず、
「気づき→考え→行動」
客様を大切にすることの大切さをそばで実感す
を基に人生を歩んでいきたいと思います。
ることが出来ました。
以上
98
明星大学人文学部
なければと認識した。午後は、前日に作成した旅
成果発表
行プランを各自発表し、お互いの改善点を指摘し
あった。インターン生それぞれでプランは異なっ
氏名:野川 育美
ていたため、多様な着眼点を知ることができて面
所属:明星大学人文学部人間社会学科3年
白かった。
受入先機関名:アルプス・トラベル・サービス株
五日目は羽田空港の見学に行き、添乗員がお客
式会社
様に質問されることの多い、トイレや喫煙所の場
研修期間:平成 20 年 8 月 18 日~8 月 29 日
所をチェックするなど、旅行業者の視点から港内
を回った。添乗員は、たくさんのお客様の声に応
1.目的
えなければならないので、豊富な情報と的確な判
これから飛び込む「社会」のしくみを少しでも
断力が求められるそうだ。そのため常に新しい情
理解し、自分に足りない面は何であるかを知るた
報をキャッチするよう気を配らなければならず、
め、インターンシップへ参加した。また、インタ
大変だと思ったが、ダイレクトにお客様と向かい
ーンシップに行くことで就職活動に対する意識
合えることは魅力だと感じた。
も高まり、良い刺激になるのではないかとも思っ
2-2 二週目
た。
二週目からは、最終日の企画発表に向けてグル
2.研修内容
ープの皆と作業を進めた。始めたばかりの時は、
2-1 一週目
なかなか意見がまとまらず四苦八苦したが、たく
研修初日はアルプス・トラベル・サービス株式
さん意見を言い合い模索することで、徐々に全体
会社の概要と特徴についてお話を伺い、その後グ
が固まってきた。外枠ができたら、具体的なプラ
ループディスカッションをした。グループディス
ンの作成に移り、パワーポイントを使って発表に
カッションでは、なかなか意見が出なかったため
備えた。パワーポイント作成は、見やすいように
進行が難航してしまった。次からはもっと積極的
工夫して、統一性のあるシンプルなものにするよ
な姿勢で取り組まなければならないと反省した。
う努めた。
二日目は、各部署の役員の方にお越しいただき、
最終日前日は仮発表を行ったが、プラン内容に
それぞれの営業内容を説明してもらった。グルー
曖昧な点が残り、具体性に欠いていたため、担当
プ営業や添乗員、また事務の女性からもお話を聞
者の課長から厳しいご指摘を受けてしまった。
けたので、各仕事の特徴と傾向を掴むことができ
しかし、その指摘をバネに、残りの時間ででき
た。
得る限りのことをして改善に努めた。この改善作
三日目の午前中は、名刺交換の方法やマナーに
業は夜遅くまでかかり、研修期間で最も辛く大変
ついて勉強し、午後からは JTB の時刻表の見方
であったけれど、インターンシップ生同士の結束
を教わったのち、それを使って具体的な旅行プラ
が強まった日でもあり、心に残る一日となった。
ンを立てた。この作業が想像以上に難しく、多く
最終日の企画発表は、前日の弛まぬ努力が実を
の時間を費やしてしまった。
結んでか、非常に満足いく結果に収めることがで
四日目午前は、旅行業法や会社の福利厚生など
きた。発表は社長や常務の前で行われ緊張したが、
について講義形式で学んだ。アルプス・トラベ
一週間試行錯誤しながら、考え抜いた企画をメン
ル・サービス株式会社の福利厚生は非常にしっか
バー全員全力で伝えたため、最後には社長からお
りとしていたため、魅力だと感じた。就職活動で
褒めの言葉を頂くまでに到り、大きな達成感を覚
は福利厚生のような会社の制度的な面も重視し
えた。
99
3.研修の結果得たもの
していくこともあったので、あまり遠慮せずに、
今回の研修では、旅行業の現状から会社の仕組
自分の意見を言えるように、これからも努めてい
み、マナーなど様々なことを教えて頂いた。
きたいと思う。
しかし最も印象に残ったのは、時間感覚の厳し
今回、このように貴重な体験を与えてくださっ
さについてである。社内の人々は常に時間を意識
た関係者の皆様、受け入れてくださいましたアル
して、目前にある仕事に優先順位を付けながら確
プス・トラベル・サービス株式会社の皆様には心
実にこなすよう動いていた。私はこの様子を見て、
から感謝致します。
いつまでも学生気分ではいけないと感じ、社会へ
本当にありがとうございました。
向かうためにはまず、しっかりとした時間感覚を
持たなければならないと感じた。
また、責任感の重さについても感じさせられた
ところがある。色んな部署の人のお話を聞いてい
ると、その責任感の重さが伝わってきて、どんな
仕事にも一生懸命取り組まなければならないと
いうことを学んだ。
4.研修の感想
アルプス・トラベル・サービス株式会社では、
いろいろな経験を積むことができた。旅行業に関
する知識はもちろんのこと、名刺交換や礼儀作法
についても指導して頂けたのは、これからの就職
活動に活かせるので非常にプラスになったと思
う。
始めのころ、旅行業について何も知らない私は、
不安の気持ちでいっぱいだったが、指導してくだ
さった課長をはじめ、他の社員の方々も穏やかで
丁寧な対応をしてくださり、楽しく作業すること
ができた。
また、他大学のインターンシップ生と期間を共
に過ごしたことで、色んな意見を聞いたり言った
りし、多くを吸収できたのも今後に役立つ糧とな
ると思う。
インターンシップで私が一番成長できたと感
じるのは、グループワークである。以前の私は、
グループワークで他人が意見を言ってくれるの
を待つ受身の人間だったのだが、インターンシッ
プで何度もグループワークを行ううちに、それで
は駄目だと感じ、自発的に意見を言う積極性を意
識するようになったからだ。特に、企画立案に関
しては、自分の意見を言うことで話が膨らみ発展
100
山梨大学
取り組み状況
28 基本的な考え方
工学部
実人員82名
インターンシップは大学の教育体制の、また学
延べ人員84名
生のキャリア形成の一環に位置付けられている。
大学院(工学)
実人員3名
基本的な考え方は、教育人間科学部のガイダンス
延べ人員3名
資料を中心にすると以下の通りである。
32 選択、必修の区別
1)インターンシップとは
専門科目に位置付けられており、選択科目と
学生が在学中に教育の一環として、企業等で一
なっている。また、大学院(工学)でもインター
定の期間行う職業体験及びその機会を与える仕
ンシップが、単位化されている。教育人間科学部
組み
国際文化コース学生(1学年20名)には、原則
として全員履修させることしている。
2)目的・期待される効果
33 事前・事後教育および成果報告会の実施状況
○(大学として)今後の教育内容の充実を図る
ことができる。
○(学生自身にとって)将来のキャリア形成に
事前(オリエンテーション)
向けた学習計画の見直しの契機とすることがで
1)インターシップの手引を配布して、インター
きる。
シップの目的とねらい、全体のスケジュール、受
○ビジネスマナーなど正しい職業意識を身に
講上の注意、研修中に作成すべきもの、研修中の
付けることができる。
注意事項等について説明する。
○適材適職が進み、雇用のミスマッチの解消が
期待できる。
【実施スケジュール】
○(修士課程のインターンシップに関しは)実
4月24日学内ガイダンス(教育人間科学部)
習先で専門技術などに関する指導を受け,大学院
5月
で学んだ知識に対する理解を深めることができ
6月4、5日
る。
6月13日、17日
8日学内ガイダンス(工学部)
事前指導I
マナー講習会
大学・企業合同マッチング
会(山梨県内大学全体)
29 研修内容
事前指導 II 事前準備書を書かせる
6月下旬
6月26,27日
研修先企業、官公庁等との協定書に従い、イン
山梨県中小企業団体中央会に
よるマッチング会(学内)
ターシップを研修先機関で行う。1期間中に複数
7月
機関で研修可能。複数年度に履修可能。
学生の申請、大学の承認、受け入れ先との
協定書締結
30 研修期間
1~2週間
7月14日
直前指導
8月上旬~
インターンシップ実施
9月末
31 履修学生数
教育人間科学部
受け入れ機関責任者より評価書受領
10月~
報告会(所属学部・学科等)、事後指
導
実人員35名
〃
延べ人員38名
101
礼状送付
(後期)評価・単位認定
とも低い人数であり,原因について検討を行って
1月11日
いる。学生指導の強化としては、前年から実施し
報告会(大学全体)
2)指導教員が面談を行い、事前の準備、心構え、
ている事前準備書を,受け入れ先に事前に提出す
文章の添削、等について指導を行う。
ることを制度化した。
3)外部機関から講師を招きビジネスマナー講習
工学部独自の取り組みとして、参加学生増、県
会を開催。参加学生全員に受講させる。
内受け入れ先拡大のため、山梨県の音頭のもと,
事後(成果報告会)
山梨県産業界(山梨県機械電子工業会)および山
インターシップ日誌の提出を義務付けている。
梨県中小企業団体中央会のご協力を得て,山梨県
成果報告会は、学部・学科別の会の他、大学全体
インターンシップ検討会,同ものづくり分科会に
の会を1月に開催する。
おいて審議を重ね、新たな方策を策定した。即ち、
34 受け入れ協力機関数
1)対象の拡大に向けて:1,2年次向け企業見
教育人間科学部
26機関
学会、短期体験型インターンシップ、2)内容の
工学部
52機関
充実に向けて:課題応募型(学部3年向け),課
3機関
題挑戦型(修士向け)インターンシップを来年度
大学院(工学)
35 実務担当部署
から実施するものである。当面は工学部(特に機
教学支援部進路支援室、
械電子系)を対象としてスタートするが,ここで
並びに教育人間科学部教務グループ、工学部
の試験的運用を経て,山梨モデルとして他学部や
教務グループ
他大学への普及を図り,さらに初等中等教育への
36 総合評価と今後の取り組み
応用も視野に入れている。
実際の指導は、それぞれの学部のインターンシ
懸案の海外でのインターンシップについては、
ップ委員会によって行われているが、大学全体と
引き続き検討を進めている。教育人間科学部の一
して進路支援委員会インターンシップ部会が統
学生は、留学先のオーストラリアの企業で会社見
括している。各コース、各学科にインターンシッ
学を行った。ルート開拓に努めるとともに、様々
プ委員が置かれ、参加を申し出た学生に対する個
な方法を探って海外での研修を推進したいと考
別の面談を通じて、学生の希望を汲み取り、受け
えている。昨年10月、インターンシップ単位化
入れ先機関とのマッチング作業を行っている。ま
後これまで学生を受け入れて下さった企業、官公
た事前準備書という形で、受け入れ機関の業務内
庁、団体に対してアンケート調査を行い、報告書
容,目標と心構え,期待する成果をレポートにま
に纏めたが、その結果分析を今後に活かしていか
とめさせ、目的意識を高める指導を徹底させてい
なければならない。
る。
以上
研修中には、指導教員が受け入れ機関に出向き、
学生の研修の様子を確認し、受け入れ機関と大学
の相互理解を深めることに努めている。
教育人間科学部では、参加学生数はほぼ昨年並
み(微減)で、来年度増加を図りたい。事前指導
に関しては、研修時期の異なる学生に対応するた
め2回に増やした。また指導教員の学生受け入れ
先への訪問数も、昨年に比べ大きく増加した。
工学部の参加学生は、87名(受入先52企
業・団体)に留まった。これはここ数年ではもっ
102
山梨大学教育人間科学部
成果報告
いるところが、あなたらしいね。」と、研修の最
後、お世話になった専務にお言葉をいただきまし
氏名:佐藤千紗都
た。柔らかい印象のものを作りたかった私にとっ
所属:山梨大学教育人間科学部
て、とても嬉しい褒め言葉でした。
国際共生社会課程
2)紙面や WEB ページで使う写真の選別
国際文化コース3年
デジタルカメラで撮った写真を、紙面や WEB
受入先機関名:ニュースメディア甲府
研修期間:平成 20 年8月 18 日~8月 22 日
ページ用に選別する作業と、写真の加工方法を教
えていただきました。
1.目
私は、甲府市周辺の飲食店 MAP の写真の選別
的
高校生の頃から、マスコミの仕事に興味があり、
をしました。食べ物やお店の写真を選ぶ際に気を
とりわけ出版業界には強い関心がありました。し
つけることは、写っているものの明るさと、どの
かし、出版業界に対する知識がなく、これから就
角度から写されたものかということ、そして、そ
職活動をしていくにあたり大きな不安もありま
のページ全体のバランスなのだそうです。食べ物
した。そこで、インターンシップに参加し、実際
はアップで撮られたものの方がおいしく見える
に仕事を体験することで、これからの就職活動の
場合が多いし、お店は明るく写っている方が入り
方向性と、自分の欠点や弱点を見出したいと考え
やすいお店に見えるものと、暗い方が雰囲気があ
ました。
ってよいものもあることを教えていただきまし
た。写真の選び方ひとつで、お店のよさを損なわ
2.研修内容
せてしまうこともあるそうです。
1)名刺・地図の製作
焼肉屋の写真では、肉は赤身が強いほうがおい
ニュースメディア甲府では、広告・出版業務の
しそうに見える、ということで、写真を加工して
ほかに、名刺や地図のデザイン・作成を行ってい
赤の色を強めたり、うどんの写真では、照明の光
ることもあり、自分の名刺・大学周辺の地図製作
が強すぎたため、赤や緑の色味を変えて、もとの
が研修内容に含まれました。名刺の製作では、パ
色に近づけたりと、写真 1 枚でも、様々な工夫が
ッと見たときに、自分らしさの伝わる名刺を作る
なされることを知りました。
ことを念頭において作業したのですが、文字のバ
特に印象に残ったのが、MAP を作る前に専務
ランスや色の使い方など、自分が作ったものであ
に見せていただいた、地域情報誌の表紙の、子ど
っても時間がたつと納得がいかなくなり、何度も
もたちの写真です。「後ろに写っている子どもた
作り直しました。大学周辺の地図製作においても、
ちにも、見ている人の目がいけばいいな。」と、
何を目印にして目的地まで案内するのか、誰を対
全体のバランスを考えつつも、暗い部分を若干明
象に作る地図なのか、機能性・デザイン性のどち
るくして、後ろに写っている子どもたちにもスポ
らを優先するか、また、色の配色はどうするか、
ットライトを当てていました。読者は気付かない
といったように、1 枚の地図をつくるにもさまざ
かもしれないけれど、製作者の心遣いが雑誌をよ
まな条件があり、それを全て満たすことの難しさ
りよいものにしていくのだ、とそのとき強く感じ
を知りました。
ました。
何度も何度も作り直し、文字のバランスや色の
使い方についてさまざまなアドバイスをいただ
3.研修の結果得たもの
いて、名刺と地図を完成させたのですが、「やわ
研修ではたくさんのことを教えていただき、ま
らかいタッチで、パステルカラーを上手く使って
た自分でも感じ取ったものは多いのですが、いち
103
ばんに思ったことは、「情報を提供することのお
したのも確かです。パソコンを上手く使いこなせ
もしろさ」です。普段、情報の受け取り手として
ず、なかなか自分が表現したいところまで行き着
生活している私ですが、今回、情報を提供する側
かない。そうすると、自分の表現できるものに限
の仕事を体験させていただいたことで、私が手に
りが出てくる。そんな悪循環が生まれ、名刺や地
取っている雑誌、眺めている WEB ページの向こ
図を作っているときにはあせりが生まれました。
う側には、様々なデザインの工夫や文章の構成が
さらに言えば、自分の「表現する力」のなさも痛
なされているのだ、と感じることができました。
感しました。なかなか言葉にならなかったり、頭
デザイン性を重視するのか?見やすさを重視す
の中にあってもカタチにできなかったり。落ち込
るのか?与えられる条件はあるにせよ、情報をよ
んだりもしましたが、自分の弱点や欠点が明確に
り効果的に伝えること、それは私にとってとても
なったのも、このインターンシップがあったから
魅力あるものとして映りました。
こそだと思います。
また、出版業界の今後の課題と、現状を教えて
暖かく迎えてくださったニュースメディア甲
いただいくこともできました。雑誌が売れなくな
府のみなさん、大学の先生方、山梨県中小企業団
っている現状、そして紙を使うことから環境面で
体中央会のみなさんには、感謝の気持ちでいっぱ
の配慮も必要となってくる今後の出版業界では、
いです。お忙しい中、本当にありがとうございま
ネット参入が欠かせなくなるといいます。それは
した。この感謝の気持ちを、これからの就職活動
すでに始まっていることなのですが、紙を媒体に
への原動力にしていきたいです。そしていつか、
する、という概念を飛び越えて、これから出版業
情報を提供する仕事ができたら、と強く思ってお
界で働きたいと思うのなら、WEB ページを編集
ります。
する能力も必要になってくるそうです。
以上
さらに、都市圏と地方では、作業スタイルが異
なっている場合があることも教えていただきま
した。都市圏の出版社では分業が進んでいる一方、
地方ではデザインから取材まで、一連の流れを全
て請け負うことが多いそうです。自分の得意分野
を生かしたいのなら都市圏で勝負をするのもい
いし、いろんなことをしてみたいと考えるのなら
ば、地方で頑張るのもいいのでは、と専務はおっ
しゃっていました。
実際に現場で働いている方の言葉はとても重
みがあり、インターンシップに参加しなければ、
聞くことはできなかったと思います。
4.研修の感想
1 週間という短い期間ではありましたが、ニュ
ースメディア甲府では、教室の中にいては知りえ
ない、たくさんのことを教えていただきました。
これから始まる就職活動にもとても参考になり、
マスコミ業界に対する憧れはいっそう強くなり
ました。ただ、その一方で、自分の力不足を痛感
104
山梨大学工学部
氏名:矢崎
実験しました。この研修で一番記憶に残っている
成果報告
のがこの実験です。様々な環境下でガスを流した
穣
り、真空にしたり電圧をかけることで装置内のダ
所属:山梨大学工学部応用化学科3年
ストを取り除くことができました。実際に使用し
受入先機関名:東京エレクトロンAT株式会社
ている装置を使って実験を行ったのでとても面
研修期間:平成20年8月25日~9月2日
白くとても良い思い出になりました。その後にシ
リコンウェハに自分の好きな模様を描いてエッ
1.目
的
チングする実験を行いました。
社会で働くという事がインターンシップに行
く前まではいまいちイメージが出来なく、社会で
働くとはどういうことかを実体験として知るこ
とが目的です。
2.研修内容
2.1.商品の説明
インターンシップの初日に企業説明を行って
くださいました。私はインターネットである程度
東京エレクトロンATとい会社がどんな商品を
上の写真が、エッチングが完了したシリコンウ
どのような人に提供しているのかを知ったつも
ェハです。マスキングテープで覆われた部分はエ
りでしたが実際に訪問させていただくと新しく
ッチングされずそのまま色が残っています。この
知ることがとても多かったです。それは半導体そ
シリコンウェハは一枚一万円程度だとおっしゃ
のものを作る機械を企業に提供しているという
っていました。そんな高い商品を学生のために使
話でした。あらゆる電気商品には半導体が使われ
っていただき本当に嬉しかったです。
その半導体を作るために東京エレクトロンAT
2.3.電子工作
の装置が80%の世界シェアで使われていると
4 日目は電子工作を行いました。実際の国家試
のお話を聞いたとき、正直山梨にそんなすごい企
験に使用される電子キットを使用して実際に電
業はあるのかと思いました。
気キットを作成しました。今回作成したのは光セ
ンサーです。ひかりが遮られると音がなるシステ
ムを作成しました。集積回路も使用されておりこ
こにも東京エレクトロンの装置が使用された部
品が入っているんだ、とあらためて実感しました。
2.2.装置内のダスト除去実験
2 日目に、いかにして装置内のダストを取り除
くかという講義を受け、その後実際に装置を使っ
てどれだけのダストが装置内に残っているかを
105
雰囲気を体験することが出来ました。実際に空気
が張り詰めていると感じました。みなさん真剣に
仕事をなさっているというのが肌で感じました。
実際に装置に触れたりモノを作ったりしたこと
で、働く事に対しての考え方を改めるとても良い
機会になりました。また普段の学校生活では、体
験できないことを体験できたこと、めぐり合わな
い人にめぐり合えたこともまたとても貴重な経
験となりました。こういうことも学生のうちに経
2.4.施設見学
験して外に目を向けることはとても重要で大切
2 日目と 6 日目は工場内の施設を見学させてい
だと思いました。
ただきました。装置の作成ラインとクリーンルー
4.研修の感想
ムを見学しました。装置はひとつづづ手作りで行
東京エレクトロンAT株式会社で世界を相手
っていました。そしてその作業はとても細かい作
にしての装置を作る所を実際に見ることが出来
業だと思いました。
てとても貴重な体験をすることができました。社
内の雰囲気は社員の方もおっしゃっていました
が風通しがとても良いと感じました。具体的には
先輩後輩の間にあまり大きな壁がなく気さくに
会話ができる雰囲気でした。担当の方たちもとて
も親切に対応していただき、とても楽しく一週間
を過ごすことが出来ました。お忙しい中本当にこ
のような機会を作ってくださって本当にありが
とうございました。こういったインターンシップ
は今後とも是非続けてくださると私より若い人
クリーンルームはとてもホコリに対して気を使
たちもとても良い刺激となると思います。今回担
っていると感じました。そして私たちはクリーン
当してくださった皆さん、説明してくださった皆
ルームの中を掃除したのですが、部屋の中はとて
さん、本当にありがとうございました。
も涼しかったです。室温を一定に保つことで条件
を一定下にしているとの事でした。
3.研修の結果得たもの
インターンシップに行くことで実際の会社の
106
横浜国立大学
取り組み状況
本学の基本的な考え方
を聞くことが多いが、例年、受け入れを承諾
本学では、インターンシップを授業科目の一環として
してくれる企業に比べ応募者が少ないのが悩
位置づけており、各学部等が独自に実施している。
各学部(大学院)での取り組み例の一部をつぎに
みである。
⑧ 今後の留意事項
記載する。
現在、単位を付与するひとつの根拠として、
学内発表会並びに報告書の提出を参加者に義
工
学
部
(生産工学科)
務づけている。これに関して、近年、企業と
大学との間の守秘申し合わせの在り方が慎重
① 授業のねらい・目的
さを増している。インターンシップ生の受け入れは企
工学部生産工学科は、平成 11 年度から、夏季
業側のご厚意で成立しているため、そこでや
のインターンシップに対して単位の付与を制度化してい
りとりされた情報を信頼されるかたちで管理
る。ただし、自由選択科目であり、インターンシップへ
することは大学側の責務であると考える。ま
の参加は完全に学生個人の自発的意志による。学
た、大学側にも、今後、インターンシップを選択科目
生に企業での就業の実際の姿を見せる機会を提
の1つとして、引き続き取り扱ってよいか否
供すると共に、大学での学修が卒業後の社会生活
かに関して、検討を行う必要があると考える。
及び職業選択のなかで少なからず重要な役割を
工学府 (社会空間システム学専攻)
果たすことを現場で体感させることが大学での
学修におけるモチベーション(動機付け)になると考え、
インターンシップを奨励している。
PED プログラムの学生に用意される実務研修制
② 研修内容
度。国内外の著名建築家の設計事務所または研
研修先企業との個別の取り決めに従い、インターンシ
究教育機関で研修することにより、高度な水準
ップを研修先企業で行う。研修先は、民間企業(製
の建築設計現場を体験すること及び学生達が
造業)がほとんどである。
実務現場での先鋭的な都市や建築に対する新
インターンシップ終了後に学科内でプレゼンテーションを行
しい取り組み方、読み取り方に接することによ
い、報告書と共に採点し、単位認定している。
り実務現場における職業意識および倫理観を
③ 研修期間 1 週間~4 週間
④ 履修学生数
学ぶことをねらいとしている。
11 人
② 授業内容
⑤ 選択、必修の区別 「選択科目」
参加者には、スタジオ・コミッティによる面接試験に
⑥ 事前・事後教育及び成果報告会実施状況
4月
オリエンテーションの説明
5 月~6 月
参加者募集
よる資格考査に合格すること、スタジオの成績優
秀者であることが望まれる。特に海外の受け入
れ先を希望する者は TOEFL テスト IBT のスコアが 70
8 月~9 月 インターンシップの実施
10 月
成果報告会
11 月
成果報告書作成
2月
① 授業のねらい
点以上であることがさらに必要とされる。実習
先には、Y-GSA 校長からの推薦書が送られ、教
育的プログラムを用意するように要請がなされる。
成績報告
実習生はインターンシップ終了後に参加したプロジェクト
⑦ 総合評価と今後の取り組み
内容をブックレットにまとめ、実施先責任者に署名
参加した学生からは、極めてポジティブな見解
107
を受けなければならない。
て詳細な説明会を実施する。評価方法につい
③ 期間は 4 ヶ月以上 6 ヶ月
ては、目標をまず設定し、その達成度につい
④ 履修学生数
て、自己評価も含めて行うことを十分に説明
平成 19 年度のプログラムでは、海外での実施が 3
する。
名、国内での実施が 4 名であった。
事後(成果報告会)
⑤ 選択・必修の区別
成果を確認するために、1 ヶ月ごとにワーキン
「必修」であるスタジオに替えて受講することが
グ・グループ(W.G)を企業で開催し、その W.G
できる実務研修制度である。
には企業の指導担当者、当該学生並びに教員
⑥ 事前・事後教育及び成果報告会実施状況
が出席して進捗状況の確認を行う。また、2
インターンシップ期間中に参加したプロジェクト内容の
ヶ月に 1 回の割合で中間報告会を開催し、そ
ブックレットと、その内容を自己評価したレポートを提
れまでの成果に応じて指導技術者及び教員に
出し、スタジオ・コミッティによる面接試験を受けて評
よる評価を行う。さらにインターンシップ修了時に最
価・合否判定を行う。
終報告会を開催し、発表を行う。研修期間中
の成果について、指導技術者、教員および学
生自身による評価を行う。
環境情報学府
⑦ 受入協力機関数
① 基本的考え方
教員との共同研究を通じて協力をいただ
1)産学人材育成パートナーシップ
ける企業、および本学との教育連携を行って
2)主体性と実行力の向上
いる企業 2 社が対象。
3)課題発見・解決能力の向上
⑧ 実務担当部署 環境情報学府学務係
4)発信力・コミュニケーション能力の向上
⑨ 評価と今後の取り組み
現在の学生は状況把握能力が低く、自己中心
インターンシップ開始時に目標設定を学生自らに
的な学生が多いと言われている。企業の開発現
行い、その目標に関する達成度を含めて評価
場では、孤立して作業を行うことが困難であり、
を行う。評価項目としては社会人基礎力を重
その場に身をおくことで共同作業でのチームへ
用視しており、
の寄与を通じてコミュニケーション能力を高め、自らの意
○主体性・実行力、
見を発信する能力の向上を期待している。
○課題発見力・計画力・想像力、
② 研修内容
○状況把握力・発信力・コミュニケーション能力の
研修先企業等の担当者と派遣学生の指導教員
上記 3 点を中心に評価を設定している。
が綿密な打ち合わせを行い、場合によっては企
現段階で学生に対して大きな効果が認めら
業の若手技術者と一緒に、企業の熟練技術者の
れるが、長期研修期間を設定することで他の
下で研修を行う。
講義を受講することに無理があり、研修体制
③ 研修期間 3~4 ヶ月を予定している。
について検討する必要がある。
④ 履修学生数 10 名程度を予定している。
しかし、産学連携を通じた人材育成は、今
⑤ 選択、必修の区別 「選択科目」
後さらに重要になると思われる。
⑥ 事前・事後教育及び成果報告会実施状況
教員から当該学生への指導の他に、産学連携
人材育成パートナーシップ事業として、研修を行う
学生全員を集めて、インターンシップの目的・趣旨・
主な内容・報告会・各学生の評価方法につい
108
横浜国立大学経営学部
成果報告
氏名:新城美奈子
所属:横浜国立大学
指標を設けて、閲覧者数の変化状況等を週次で分
経営学部
経営学科
3年
析し、継続的に改善活動を行った。
受入先機関名:オイシックス株式会社
研修期間:平成20年2月12日~10月24日
また、会員向けサービスとしてメールマガジン
の作成と配信作業を行った。これらは web サイト
1.目
的
へのアクセス促進のために行うものであり、読者
今後、社会人として働くうえで、適性分野
が興味をもつ内容、最新情報を掲載することが重
及び、適職を知りたかった。学生の狭い世界
要であった。この業務を通じて、普段から的確な
観と少ない知識や経験のなかで悩むよりも行
情報収集を心がけるようになった。
動して実際に体験をした方が良いと考えた。
また、将来高いパフォーマンスで仕事をし、
一方、オペレーション部門でもインターンシッ
社会貢献をしたいと考えた。
プを行った。そこでは受注、発注に関する作業や、
そして、高い成長力が見込める環境に身を
新規オペレーションの構築を行った。
おくことで、自身が最大限の努力をし、多く
既存業務フローの改善にも携わったが、現状を
の経験を得ることを目的とした。
把握するため、各部門の担当者から情報を得、相
談と確認をしたうえで、業務フローを作成した。
2.研修内容
私は、おもにインターネットを用いて、食品を中
3.研修の結果得たもの
心とする商品・サービスの開発・提供をする事業
経験と知識の不足分は、情熱と仕事の量、
部にて、インターンシップを行った。
スピード、柔軟性で補うことが大切であると
感じた。
商品の動向調査や報告、新商品の開発調査の協
力、サービス内容充実計画の立案、実施、管理等
自分自身をマネジメントする能力を得た。ひと
を行った。
つのことを長期間、中断せずに継続できる持続力
が身についた。そこでは、高いモチベーションを
女性向け web サイトの運営では、コンテンツの
持続する工夫をした。
更新作業や閲覧者のニーズを把握するために、ア
また、困難な状況を恐れず、難易度の高いこと
クセス規模を測定するデータ解析をおこなった。
でも挑戦することのできる力が身についた。
サイトに掲載する内容、構成を見極め、取り扱う
テーマについては、仮説を立てては実証を繰り返
また、課題をマネジメントする能力を得た。目
しながら、閲覧者のニーズを探っていった。
標達成に向けた緻密な計画を立案することや目
的に向けて前に進めることのできる推進力が身
web サイトは、企業のブランドイメージを左右
についた。
するものであるため、画像や文言、表現等
に細心の注意を払った。
日頃の体調管理にも気をつかうようになり、社
員の方々と定期的にランニングやスポーツをし、
web サイトの運営、構成、管理に、目標や評価
マラソンに挑戦できた。社外でも交流を深めたこ
109
とで、よりコミュニケーションが円滑に行えるよ
うになった。
4.研修の感想
当初の予想をはるかに上回る素晴らしい経験
ができた。常に自分の役割を意識し、持てる能力
を振り絞り、懸命に仕事と向き合ったことで、精
神、能力の成長を大きく感じることができた。
また、多くの人との出会いによって思考が発展
し、自分の進むべき道が明確となった。
今後は、インターンシップを通して身につけた
能力にさらに磨きをかけていきたいと思う。
是非、多くの学生に自分の成長力を信じて、イ
ンターンシップに挑戦してほしい。
最後に、このような素晴らしい機会を与えてく
れた横浜国立大学、及び、貴重な経験をさせて頂
いたオイシックス株式会社の皆様に感謝の意を
表す。
以上
110
横浜国立大学工学部
成果報告
9日目
名前:永田智洋
AM
成果報告発表資料の修正,PM
レビュー
所属:横浜国立大学工学部電子情報工学科 3 年
10 日目
AM
発表練習,PM
本社にて成果報
告発表会
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~9 月 5 日
受入先機関名:日本電気(株)
(2) 内容の詳細
実習場所:本社・田町地区企業ソリューション BU
交通システム事業部第五交通グループ
A. モバイルSuicaシステム
実習テーマ:モバイルSuicaシステム開発
A-1
モバイルSuicaシステム概要説明
モバイルSuicaシステムの概要説明を受
1.目的
けた。また、基本設計書を熟読した。
本学科では、学外実習が学部 3 年生のカリキュ
モバイルSuicaとは、
「おサイフケータイ」
ラムに組み込まれている。企業で働くことがどの
ような状況かを体験することに興味をもち、日本
対応携帯電話でSuicaの機能を利用できる
電気(株)が提供しているインターンシップ制度
システムである。カード型Suica と同様の機
を利用し、研修を実施した。
能(交通機関への乗車、SFでの支払い)のほか、
携帯からオンラインでチャージ、定期券、グリー
ン券、新幹線チケットの購入が可能で、ネット決
2.研修内容
済やSuicaポケットなどの機能も有してい
る。
(1) スケジュール
1 日目
AM
ユーザはモバイルSuicaアプリケーショ
本社にて全体のオリエンテーショ
ン,実習先に移動し部会に出席,PM
ンを操作して簡単に上記の機能を利用すること
モ
ができるが、モバイルSuicaシステムは様々
バイルSuicaプロジェクト紹介、メン
な外部システムと繋がっているということがわ
バー紹介、スケジュール説明ほか
2日目
AM
かった。基本設計書には各種機能においてどのシ
レクチャー:
「SEとは?」,PM
ステムとどのような手順でデータのやり取りが
モバイルSuica基本設計書の熟読
3日目
AM
行われるかが記載されていた。
インフラグループによる業務説
明、座談,新端末評価,PM
A-2
新端末評価、
改善案検討
4日目
AM
新端末評価とは、各社の新しい携帯端末におい
試験項目の洗い出しと試験仕様
てモバイルSuicaが正常に動作するかを確
書の作成,PM同様
5日目
AM
認する試験のことであり、半年でおよそ 40 機種
試験仕様書のレビュー,PM
試
の評価を行っている。評価は試験仕様書に沿って
験仕様書の修正、試験の実施
6日目
AM
行われ、試験仕様書にはシナリオ(操作の流れ)
新システム概要説明,PM
デー
ごとに試験項目が記載されている。
タ作成
7日目
AM
今回はauの端末を利用して評価を行い、会員
情報検索機能内結試験,PM
成
登録、チャージ、定期券購入、払い戻し、再発行、
果報告発表資料の作成
8日目
AM
新端末評価
退会などのすべての機能を、一連のシナリオの中
成果報告発表資料の作成,PM
で確認していった。すべての項目を問題なく終了
進捗会議に出席,プロジェクト内で成果報
することができた。
告発表練習、レビュー
111
A-3
することができた。
機能改善案の検討
顧客からの要求を受けるだけでなく、顧客へ改
・社内の雰囲気や社員の方々がどのように働いて
善案を提案することもSEの業務であるという
いるのかを、ON/OFF 両面を含め感じることがで
ことで、体験としてモバイルSuicaの機能改
きて貴重な体験となった。
善案の検討を行った。
A-4
(3) 今後の就職活動への影響
試験仕様書の作成と試験
・実習を通じて、SE はとてもやりがいがある仕事
「会員情報変更」機能の試験仕様書を実際に作成
であると感じたため、選択肢の一つとして考え
し、試験を実施した。
るようになった。
B.
・インターンシップに参加したことで、自分の持
Suicaの新システム (※社外秘、詳述
っているイメージと実際の仕事が違うというこ
不可)
とがわかったため、この先他の職種に興味を持
B-1 新システム概要説明
った場合も必ずインターンシップに参加するべ
開発中のSuica新システム概要説明を受
きであると考えた。
けた。
B-2
新システムの情報検索機能内結試験
4.研修の感想
・ プ ロ ジ ェク ト の 皆 さん は と て も気 さ く で 、
新システムの情報検索機能試験を行った。
ON/OFF の切り替えがうまく、社内の風通しもよ
さそうだった。
3.研修の結果得たもの
(1)
・充実した本当に楽しい2週間を過ごすことがで
SE という仕事に対する理解
き、「こんな人たちと仕事がしたい」と思った。
・実習を通じて SE という仕事に対するイメージ
が変化した。実習を行う前はプログラマーとほ
・「SE とはなんなのか、良い面だけでなく悪い面
ぼ同じような仕事であるというイメージを持っ
も見ていってほしい」というスタンスで受け入
ていたが、実際は顧客との交渉はもちろん、進
れをしていただき、SE のおもしろさ、やりがい
捗管理、各作業のレビューなど SE 同士で話し合
と共に厳しさや辛さも知ることができた非常に
う場も多く、デスクワークの中でもコミュニケ
貴重な体験となった。
ーションが非常に重要となる仕事であるという
ことがわかった。
・テスト作業は、ユーザーの観点、システム構成
の観点など様々な観点から試験項目を洗い出し、
またその試験項目の必要性も判断し、レビュー
を行い、修正し・・・と、もっとも大変な作業
であるが、製品の最終チェックの段階であり、
会社の信用がかかった大切な作業であるという
ことがわかった。
(2)
社会人体験としてのインターンシップ
・部会、進捗会議に一緒に出席する機会もあり、
SE 同士でコミュニケーションをとっている現
場を実際に見ることができてその重要性を実感
112
横浜国立大学大学院 工学府
成果報告
氏名:細川 幹子
所属:横浜国立大学大学院 工学府 修士 1 年
受入先機関名:横浜市 都市整備局 企画課
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~8 月 29 日
1. 目的
2. 研修内容
現在、私は横浜国立大学大学院の都市計画研究
室に所属し、横浜市における都心のまちづくりに
日程
ついて深く興味を持ち、日々都市計画についての
時間
午
勉学に励んでいる。そこで、今年度のインターン
シップに参加した目的として主に以下の 3 点が挙
8 月 25 日
げられる。
(月)
(1)横浜市における実践的な都市計画の現場に触
9:00 ・開講式[人材開発課実施]
前
午
後
13:00
・オリエンテーション[企
16:00
画課業務の概要説明]
・若手職員との意見交換会
れることにより、その実状を知ること。
午
(2)横浜市と自分との適合性や、将来的に自分を
8:45
前
活かせる場であるかを見定めること。
8 月 26 日
(3)まちづくりに携わることを目指す者として、
(火)
スキルをブラッシュアップさせること。
13:00
午
・羽沢駅周辺地域まちづく
りに向けた現地視察
14:30
後
特に(3)は今回一番に重視していた点といえ
内容
・都心部の駐車場について
の現状説明を受ける
・都心臨海部インナーハー
バーの現地視察
る。このように述べるのも、以下のような理由が
ある。
午
私は自身の強みを、①根気強く物事に取り組む
前
8:45
10:00
8 月 27 日
と考えている。これは、学部時代における設計製
(水)
13:00
午
図課題の数々を通して、モノを生み出すことの楽
後
明を受ける
・都市温暖化対策会議
ことが出来、②緻密な作業が得意であること、そ
して③モノを生み出す創造性が豊かであること、
・都心部の地価動向等の説
・新市庁舎整備を核とした
関内地区活性化事業概
16:00
要の説明を受ける[現地
視察と議論]
しさや苦しさ、喜びを繰り返し経験した中で、大
・知っ得ゼミ
いに培われたものである。
しかしながら、人としても、将来まちづくりに
午
携わることを目指す者としても、まだまだ自身を
8 月 28 日
成長させる余地があり、また成長していきたいと
(木)
強く望んでいる。
おける都市計画の現場を経験することは、上記の
午
午
目的を達成するに非常に有効な手段であると考
え、今回のインターンシップ参加を志望した。
113
・実習成果報告書の作成
前
後
したがって、インターンシップという実社会に
8:45
13:00
15:00
・都心部交通について説明
を受ける
・課内人権研修
8:45
・実習成果報告書の作成
8 月 29 日
前
(金)
午
13:00
・実習成果報告の発表準備
後
15:30
・課内実習成果発表
3. 研修の結果得たもの
また、新市庁舎整備を核とした関内地区活性化
初日の若手職員の方々とお話する機会がもて
事業のための現市庁舎から新市庁舎までの関内
たことで、皆さんが横浜市職員として高い意識を
まち並み視察をした後、現市庁舎に戻り議論を行
もって、日々懸命に学びながらも、よいまちづく
った。関内地区に対する知識が他の方に比べ、圧
りのため尽力されているのだと感じることが出
倒的に少ないであろう自分の発言に自信はなか
来た。また、横浜市で働くことを希望する私に対
ったが、精一杯考えられるだけの関内地区活性化
し、近い視点で様々なアドバイスをして頂けたこ
のための方策を述べることが出来たと思われる。
とは貴重で且つ光栄な機会であった。
現在、民間企業に対し提案を募集しているとの事
羽沢貨物駅の旅客化と関連した、羽沢周辺地域
で、私自身も自分なりによりこの地区について掘
に関するまちづくりのための現地視察に同行さ
り下げてみたいと感じた。
せて頂いた際には、現地視察の際の担当の方のま
さらに、企画部長によるゼミではご本人の経験
ちを見る視点の鋭さ及び視察範囲の広さは、まさ
に基づくお話を伺うことで、まちづくりに対する
に実社会での都市計画というものを直に感じさ
姿勢とその在るべき姿を学ぶことが出来た。
せるものであった。
都心部交通についての説明では、市民・企業・
都心部の駐車場の現状説明では、中華街周辺地
行政等、多様な主体の協働による交通政策推進体
域における観光バス路上停車による交通事故の
制が構築されていることや、環境モデル都市とし
実態、またその対策としての観光バス駐車場の位
ての CO2 低減を目指した公共交通機関の利用促進
置情報を提供するナビゲーションシステムの実
などを中心に、横浜市における今後の交通政策目
態を学んだ。観光バスの路上駐車は、私が考えて
標や基本方針、及び施策・事業についての概要を
いたよりも深刻な問題のようである。
学ばせて頂いた。
都心臨海部インナーハーバー整備構想のため
課内人権研修では、公務員としての望ましい在
船でインナーハーバーの視察に同行させて頂い
るべき姿について、ビデオ視聴を通して学ぶ貴重
た。これは非常に貴重であるとのことで、それに
な機会であった。社会構造が徐々に変化し、男女
同行させて頂けたことは、今後の港湾都市として
の差別化を無くしていくことは非常に重要なこ
の横浜市のまちづくりの在り方を考える上で非
とだと感じた。
常にためになる経験となったと考える。
都心部の地価に関する説明を伺った際には、公
4. 感想
的土地評価の種類[地価公示・都道府県地価調
1週間という短い期間の中で、企画課内の各担
査・相続税評価(路線価)・固定資産税評価等]に
当部署における様々なお話を伺えたことや、現地
ついて学ばせて頂いた。地価関連は今まで殆ど関
視察への同行をさせて頂けたことは非常に良い
わったことのない分野であったので、理解できる
経験となり、また充実した時間を過ごすことが出
ととても興味深い分野であることを知った。
来たと思います。今回のインターンシップにて、
その後、都市温暖化対策に関する会議に出席さ
横浜市におけるまちづくりに従事したいという
せて頂いたが、各グループが駐車場や郊外地区、
想いがより強く明確になりました。
屋外広告物(看板)などに関して温暖化防止の観
様々なご指導・アドバイスをして頂いた都市整備
点から意見を述べ、それについての議論をする場
局企画課の方々のおかげで、非常に充実したイン
面では、専門用語や話の内容に理解できないとこ
ターンシップ期間を過ごせました。心より感謝致
ろがいくつかあり、自分の勉強不足を感じる場面
します。どうも有難う御座いました。
であった。これを機にもっと勉強をしなくてはな
以上
らないと感じた。
114
横浜国立大学経営学部
氏名:李
承妍(リ
所属:横浜国立大学
国際経営学科
成果報告
ショウケン)
ビルに入っていまして、本社の営業の社員たちか
経営学部
ら開発部に技術による問い合わせを電話で行い
3年
ました。その電話対応をしましたが、ビジネス日
受入先機関名:(株)トランスウェア
本語を覚えるいい機会でした。
研修期間:平成20年6月6日~9月6日
私は少々早口の傾向がありますが、社員の方々は
1.目
的
電話で聞き取れない時は正しい日本語に訂正し
私は中国からの留学生で、今まで社会経験がな
てくれました。それから、電話を繋ぐときはミー
く、就職活動を始めるにあたり多くの不安を感じ
ティングルームにいるか喫煙室にいるかをすば
ていた。日本語が話せるからと言って、日本文化
やく判断する必要がありました。3ヶ月が経ちま
が分かるとは限りませんし、日本企業文化はまた
したら、社員たちの習慣とか分かるようになりま
特別なものだと考えました。日本にきて日本語の
して、この時間帯は喫煙室にいるのか、フロアに
勉強をしてから、横浜国立大学経営学部で勉強し
いるのか分かるようになり、適切な対応ができる
ていますが、経営に関する専門知識だけでは足り
ようになり、電話対応も楽しくなりました。
ないと感じました。卒業する前に日本の企業で実
際働いてみて、日本の企業文化を体験したかった
2.3.PC―VIEW調査
のが目的でした。
IT企業は、社員たちが使っているパソコンに
違法ソフトをインストールしていないかを把握
2.研修内容
することが法律的に求められました。どんなアプ
2.1.マニュアル翻訳(日中)
リケーションを使っているのかなどの調査を行
ソフトウェアのマニュアルを翻訳しました。A
いました。各社員に調査の協力のメールを作成し、
ctive!mailは日本語、英語、中国語、
担当の方にチェックしてもらいました。締め切り
韓国語という 4 ヶ国語バージョンがありまして、
まで情報の提供が遅れた方には催促メールを送
私は日本語を中国語に翻訳しました。最初は専門
るなどの対策をしました。
用語の翻訳に戸惑いましたが、社員の翻訳訂正や
フィードバックによって少しずつ仕事を覚える
収集した情報をまとめて担当の方に送り、個人情
ようになりました。
報を厳守しました。全社員の素早い協力
のおかげで、期間中にPC-VIEWの調査を完
マニュアル翻訳において、カタカナで表記された
成することができました。この作業で、社内用の
専門用語は韓国語では英語をそのまま使いまし
メールの作成方法を覚えました。敬語の使い方の
た。例えば、パネル⇒파넬 しかし、中国語では
いい勉強になりました。
英語はそのまま使いません。そういう専門用語は
他のサイトを参考したり、中国にいるIT業界の
2.4.ミーティングの参加
友達に聞いたりしました。
マニュアル向上委員会というミーティングに
参加させていただきました。学生ならでの意見発
2.2.電話対応(社内)
表ができ、社員からも褒められました。
インターン先会社は営業部と開発部が別々の
115
本社からの営業のヒトと開発部のヒトが集まっ
ない多くのことを学ぶことができ、この機会を与
て、開発したソフトについて意見を交換し、ソフ
えて下さった大学の先生方、お世話になった株式
トをより使いやすく使えるように工夫していま
会社トランスウェアの方々に深く感謝いたしま
した。それから、お客様からのクレームに対する
す。どうもありがとうございました。
対応にも、営業側と開発側が力を合わしていると
以上
ころに感銘しました。
3.研修の結果、得たもの
3ヶ月という短い期間でしたが、その中で感じ
たことは、時間に対しメリハリを持ち、時間の使
い方が学生とは比べ物にならないくらいとても
シビアだと感じました。学生気分で社会に出て受
けるギャップを学生の内に少しでも体験できた
ことは本当に貴重な経験になりました。またソフ
トウェアの開発という仕事についてや、社会に出
て来る学生に何が求められているか、などについ
ていろいろな方から意見を聞くことができとて
も勉強になりました。
翻訳においては、私は日中をしましたが、
韓国語の翻訳も可能でした。なぜなら、私は朝鮮
民族なので、韓国語が母国語となります。私から
韓国語の翻訳もできるのでしたいと、積極的に仕
事に望むと、もっとたくさんのことができ、より
多くのことを学ぶことができたと思います。少し
悔いは残りましたが、今度の就職活動は真剣に取
り込んで、就職先では悔いが残らないように頑張
りたいと決意しました。
4.研修の感想
(株)トランスウェアでは、日頃見ることのでき
ないソフトウェアの開発を見ることができ、貴重
な体験をすることができました。職場の雰囲気や
トラブルの解決をみて、開発という仕事がどれだ
け大変なことであるか実感できました。
このインターンシップでの経験はこれから就
職活動を始めるにあたり参考になると思います。
また残りの学生生活にもいい刺激となりました。
3 ヶ月間という短い間でしたが、大学では知りえ
116
立正大学
取り組み状況
①基本的な考え方
⑥事前・事後教育および成果報告会の実施状況
本学では低学年次からのキャリア開発支援、を
社会人基礎力の向上を目途とした指導要領を
目的に平成 14 年度に「就職部」から「キャリア
独自に作成し、事前・事後教育および成果報告会
サポートセンター」に改称し、その一環として平
を実施しています。
成 15 年度より実社会において就業体験を行うイ
ンターンシップを導入、今年度で6年目を迎えま
●事前教育(全 4 回)
した。
インターンシップへの積極的な意識付けと社
現在ブランドビジョンとして掲げる、「モラリ
会人としての基礎力養成を目指します。
スト×エキスパート」を育むことを目途とし、以
①インターンシップの意義
下の 3 点を実習の狙いとして設定しています。
②実習先の考え方・働く場所と働き方
③マナー①
1)学生が職業意識の醸成、働く動機付け
④マナー②
などを身につけること
2)企業・行政機関等において、将来の職業人とな
●事後教育(全 2 回)
る学生の意識動向を知り、若年労働者の早期離
実習を終えて個々が得た体験や知識、萌芽した
職対策への一助とすること
問題意識をグループワークなどを通して共有化
3)企業等と大学の密接な連携により学生の、大き
すること、社会人として必要な要素への気付き・
くは日本社会の活性化、活力の再生のために貢
目的意識の萌芽、今後の就職活動に向けた継続性
献すること
を持った取り組みを目指します。
①実習から得たものを共有しよう①
②研修内容
②実習から得たものを共有しよう②
研修先企業・団体との取り決め事項(覚書)に
則り、研修先にてインターンシップを実施してい
●実習報告会
ます。
大崎(11 月 4 日)熊谷(11 月 7 日)
両キャンパスにて実施。
③研修期間
「実習から学んだ、私のこれからの目標」をテ
原則として夏期休暇期間を利用しての
ーマにグループ発表と個人発表を実施。
2 週間
⑦受入協力機関数
④履修学生数
63 企業・団体(学外応募6団体含む)
97 名(平成 19 年度実績 149 名)
(平成 19 年度実績 94 企業・団体)
⑤選択・必修の区別
⑧実務担当部署
自由選択科目
キャリアサポートセンター
※ただし地球環境科学部・法学部については卒業
科目として認定しています
117
⑨総合評価と今後の取り組み
昨年度までは参加学生数が年々増加していま
したが、今年度は昨年の 7 割程度の参加数となり
大きく減少しました。参加前には、「この業界以
外ならインターンシップにはいかない」というこ
だわりがある者や、「学内応募ではなく、学外募
集で探して応募したい」という者が多く見受けら
れました。結果として学外募集でのインターンシ
ップに参加した者が少なかったため、総じて全体
の参加学生数が減少しました。
インターンシップが普及してきている中、学外
でのインターンシップイベントが多く開催され
て就職活動化していたり、
「1dayインターンシ
ップ」と名づけて、単なるワークを実施するケー
スも多いので、あくまでも「就業体験」であるこ
とを企業には理解していただきたい思います。
また、実習生への実習後のアンケートから実習
内容に対して「単純作業ばかりで嫌気がさした」
「社員が忙しかったようで相手にしてもらえな
かった」などの声が例年より多く見受けられまし
た。これは、学生自身の中にインターンシップ=
特別扱いでいろいろな仕事をさせてくれる、とい
う受身の意識があるのではないかと考えていま
す。
今後は、実習生に対し、①何のために実習に行
くのか参加動機をはっきりとさせること、②実際
の仕事内容を肌で感じることが就業体験である
こと理解してから実習に臨むこと、を指導してい
きたいと考えています。
以上
118
京都産業大学経営学部
成果報告
V・IS コーディネータ
氏名: 武中 康浩
V・IS 支援
所属: 京都産業大学経営学部経営学科三年
KM ツール
受入先機関名: 在大阪オーストラリア総領事館
参画企業(機関)
研修機関: 平成 20 年 3 月 18 日~9 月 12 日
参画学生
プロジェクトチーム
【1.目的】
Vインターンシップの構成
今回のインターンシップにおける目的は二つ
あります。
グラムとして取り組めるインターンシップとい
一つは,「社会経験をする」ことです。具体的
う意味も込められています。
《出典:井上一郎、
“V
には、社会人の方々と活動を共にしていくことで、
インターンシップ(IT 活用型進化型インターンシ
報告・連絡・相談などの社会的な常識を学ぶこと
ップ)-産学協同能力開発と知恵のマネジメント
です。私たちは今まで大学という社会と関わりの
に関する基本コンセプト-”経営情報学会 2006
少ない、比較的甘い環境の中で活動してきました。
年秋期全国研究発表大会予稿集、2006.11、348~
そういった現状からインターンシップを通して
351 頁》
社会における常識などを少しでも知るためにイ
今回のVインターンシップは、2プロジェクト
ンターンシップに取り組みました。
チーム(学生計 14 名)構成で、コーディネータを
もう一つは,「成長する」ことです。具体的に
務めてくださったのは、㈱廣済堂の伊藤氏、京都
は、プロジェクトを進めていく中で、論理的思考
産業大学大学院生の中澤氏のお 2 人です。
能力・専門的な技術・人間的能力などを伸ばして
いくことを目的としていました。また、このイン
【3.研修内容】
ターンシップを通して自分にはどんな能力があ
■3ー1.「オーストラリア政府が主催する
るのか,またはないのかを知り,自分の力をのば
イベントの留学フェア 2008 の運営の補助作業」
していくためにインターンシップに取り組みま
ここでは二日間のイベントで,受付業務やお客
した。
様の案内や誘導をする会場スタッフ,各セミナー
のお手伝いをするセミナーアシスタントなどの
【2.インターンシップについて】
役割に分かれて運営スタッフとしてイベントを
今回の私たちが参加したインターンシップは V
運営しました。受付業務では学生スタッフに任さ
インターンシップ(V・IS)という新しい形のイン
れました。そこで、いかに来場のお客様に満足し
ターンシップです。V インターンシップとは、参
てもらうかということ(顧客満足向上)を試行錯
加学生・参画企業・コーディネータ・諸活動を支
誤しながら実践しました。また、いずれの役割に
援する IT ベースの情報システムから構成される
つく学生もみな何か改善点はないかというよう
長期間のプロジェクト型のインターンシップで
に問題発見と問題解決を意識して行動していま
ある。ちなみに、この V には、IT 活用(Virtual)
した。
の意だけでなく、IT を活用することにより、イン
■3ー2.「上記イベントの広報活動」
ターンシップの実施時期・そして内容を多様化
ここでは学内の学生に対して説明会を開催し
(Versatile)、柔軟化し活き活きと活発に(Vivid)
たり,学内にリーフレットを設置したり,WEB での
職業(Vocational) 直結の価値ある(Value)プロ
メールの配信や掲示板に掲載するなどの広報活
119
動をしました。学内の説明においては 20 名の学
う人もいれば、「リーダーではない立場からリー
生に対して、イベントの宣伝だけでなく、オース
ダーシップを学んだ」という人もいます。また、
トラリアの教育制度や土地の風土、観光スポット
「曖昧な役割分担やルールの中で自分にできる
などを中心としたオーストラリアに関するプレ
ことを考え,プラスアルファのことまでできるよ
ゼンテーションもしました。この学内説明会には、
うになった」という人、「プロジェクトを進めて
総領事館からお二方にお越しいただき、コメント
いく中でメンバーのモチベーションの管理やチ
をいただくなどをしました。
ームワークができるようになった」という人もい
■3ー3.「オーストラリア総領事館に対しての
ます。このようにメンバー全員がインターンシッ
企画提案書の提出」
プを経験する事で確実に成長したことを感じて
これは,在大阪オーストラリア総領事館に対し
います。
て,企画書の提出とプレゼンテーションという形
で,上記イベントにおいての改善点を挙げ,自分
【5.活動の感想】
たちが考える改善策を提案しました。
私たちは今回の活動を通してたくさんの人た
9 月 12 日、在大阪オーストラリア総領事館にお
ちと出会い,たくさんの経験をしました。
伺いし、総領事を含め、総領事館の方々にプレゼ
これらの経験は、これから社会にでていく私た
ンテーションをさせていただきました。このとき
ちにとって非常に貴重な体験となりました。この
に、非常に喜んでいただくことができ、「来年の
インターンシップでは日本の社会人の方々だけ
イベントにおけるインターンシップもぜひお願
でなく外国の社会人の方々とも関わることがで
いします」というようなコメントをいただくこと
き,外国の文化にも触れることができました。こ
ができました。
のようなインターンシップに参加したおかげで
自分たちの視野がより広まりました。
【4.活動から得たもの】
活動の中では、たくさんの問題点がありました。
■4-1.社会経験について
そのなかで試行錯誤し、問題発見・解決能力を養
社会経験においては,在大阪オーストラリア総
うことができたと思います。そして、プロジェク
領事館の方々やイベントに来られた様々なオー
トでいろいろな立場のメンバーが一緒に活動し
ストラリアの大学関係者,またコーディネーター
ていく中で、いろいろな立場から物事を考える視
の方々などたくさんの社会人の方々と関わるこ
座転換の力も養うことができました。
とができました。また,企画書提出という実際の
その他、チームのリーダーとしてのリーダーシ
ビジネスに近い体験をさせていただきました。こ
ップやフォロワーシップ、メンバーとの信頼関係
のような体験をさせていただいたことによって
を築いていくためのコミュニケーション能力や
社会とはどんなものか,ビジネスとはどんなもの
チームワーク力を学ぶことができたと思います。
かがわかりました。この活動を通して、社会では
このインターンシップでは以上のような様々
常識である報告・連絡・相談ができるようになり
なことを学ぶことができて、本当に勉強になりま
ました。また、企画書の作成方法も学ぶことがで
した。今回,このような機会を与えてくださった
きました。
京都産業大学経営学部教授の井上先生、㈱廣済堂
■4-2.成長について
の伊藤氏、京都産業大学大学院生の中澤氏、お世
成長の面では,今回インターンシップに参加し
話 に な っ た在 大 阪 オ ース ト ラ リ ア総 領 事 館 の
たメンバー全員が新しい発見や気付きを通して
方々には心から感謝いたします。インターンシッ
成長することができました。「議論を進めていく
プ生一同心からお礼申し上げます。本当にありが
中で、論理的に考えていけるようになった」とい
とうございました。
120
神奈川工科大学工学部
成果報告
氏名:佐藤麻衣
所属:神奈川工科大学工学部応用化学科3年
受入先機関名:株式会社
オオスミ
研修期間:平成20年8月4日~8月15日
1.目
的
私は大学で分析の講義を受け、実験を行ううち
図2
に「分析」という分野について関心を持つように
なった。色々な分析機器を使って、見えない有害
物質を検出することは、 私にとってとても興味
深いものであった。以前まで学んできた「分析」
の技術を職場ではどのように行われているかを
知り、研修に参加することで社会のありかたやモ
ラルなどを身につけ、今後の生活に生かしていき
たいと思い研修に参加した。
2.研修内容
2.1.PCB の測定
図3
研修1週目は、分析技術油分析班において、主
に PCB 測定について研修を行わせていただいた。
PCB とはポリ塩化ビニルのことであり、水に溶け
始めはなかなか慣れず、試薬を間違えたり、操
ない、絶縁性が良い、沸点が高いなどの性質をも
作が遅かったりなど問題ばかりであった。有機溶
ち、これまでトランスやコンデンサの絶縁油、機
剤を水道に流してはいけないため、分析が終った
械の潤滑油などに使用されてきた。しかし、人体
あとも気が抜けず、廃液を処理するのにも苦戦し
の健康や環境に対する毒性が社会問題となり、製
た。またご覧の通り、1工程の分析が長いため1
造中止となった。これは、難分解性の性質により
ヶ所の失敗で多くの時間を無駄にしてしまうの
今でも環境中に残留している有害物質である。実
で、慎重な作業が必要とされた。しかし、日にち
験方法は以下のとおりである(図1~図3)
を追うごとに、作業の手順や廃液の処理法などが
身につき、1工程の分析にかかる時間が短縮され、
日々、技術向上の毎日であった。
2.2
リンの測定
研修2週目は分析技術、蒸留班でリンの測定を
行った。まず、リンとは農薬などに含まれる物質
で、環境汚染物質の1つとなっている。 リンは
ペルオキソ二硫酸カリウム分解法という方法に
図1
よって分析される。ペルオキソ二硫酸カリウム分
121
解法とは試料にペルオキソ二硫酸カリウムを加
職場の中も雰囲気もよくなり、 技術の検討を行
え、高圧蒸気滅菌機中で加熱して有機物などを分
うことで、互いに分析技術の向上につながると感
解し、この溶液についてリン酸でイオン定量して
じた。そして自分の分析結果には責任を持ち、ユ
全リンの濃度を求める方法である。分析手順は以
ーザーに提供しなくてはならないという個々の
下の通りである(図4、図5)。
分析技術に対する責任の重さを感じた。技術面で
は、まず器具の洗浄の大切さを学んだ。洗浄を怠
ると試薬などが残り、次の分析結果に影響するた
め、大切な作業であるということがわかった。ま
た精度が高いこと、それは絶対であり数値が商品
になる分析の世界では、分析データが正確でなけ
れば意味がない。分析結果は水1滴の違いで濃度
がまったく異なるように、慎重に行うべき操作で
あると感じた。また、廃液は液性が異なり金属な
どが含まれるため、うやむやに水道に廃液を流せ
図4
ず、廃液のタンクは何種類もあり、誤って廃棄す
ることが許されないため、廃液に含まれる物質や
液性を考え、実験の際には何のためにその試薬を
入れるのか、そこでどんな反応が起きるのかなど
を考えながら実験することの大切さを学んだ。
4.研修の感想
今回の研修では、精度の高さが重要であると感
じたので、今後の実験や分析の際に、精度を高く
することを意識して行っていきたいと思う。そし
図5
て行うべき分析を期限内に実施する計画性を身
に付けることと、 社会人としてのマナーの向上
リンの測定においても最初は吸光度の値がバ
に努めていきたいと思う。 2週間という短い期
ラツキ、精度が低かった。その原因として、試料
間でしたがこの研修の機会を与えてくださった
を希釈する際の純水の量が関係していることが
先生方、ならびにお世話になった株式会社オオス
分かった。分析は水1滴の違いで濃度がまったく
ミの方々に感謝いたします。本当にどうもありが
異なる。その1滴を調節するのはとても高度な技
とうございました。
術であった。しかし、最終日に近付くに連れて精
以上
度が高くなり、達成感を感じる事ができた。
3.研修の結果得たもの
研修成果について社会面では以上の3つであ
る。 あたり前のことであるが、時間厳守である
ことと早めの行動が大切だということが改めて
分かった。またコミュニケーションをとることで
122
工学院大学工学部
氏名:上村
成果報告
剛
所属:工学院大学工学部
建築都市デザイン学科 3 年
受入先機関名:中野区
研修期間:平成20年8月25日~9月5日
1.
目的
• 区役所がどのような形態で機能し、どういった
• 都市整備部全体の業務内容を知る
• まちづくりの現場を見て地区計画について学
仕事をしているかを把握する。
• 実際に働いている職員の方々の話を聞き、区役
ぶ
所や公務員という仕事がどのような雰囲気な
• 建築行政の職場を知る
のかを知る。
• 道路・公園・交通対策等を知る
• 地域の住民とどのように関わっている仕事な
のかを実際の業務を通して経験する。
2.
研修内容
• 中野区、区政の概要説明
• 公園の仕事を知る
写真は中野区で奨励している屋上緑化の見本園
の様子である。中野区役所庁舎の屋上にあり、自
由に見学ができる。他にも壁面緑化の見本も設置
されている。
• 建設委員会傍聴
• 実習のまとめ
写真は防災公園にもなっている江古田の森公園
• 報告会
の施設で、右は災害時にかまどとして利用できる
ベンチである。左は河川の増水時に調節池となり
3.
氾濫を防ぐ施設になっている。
研修の結果得たもの
• 区役所がどのような仕事を行っているのかわ
• 中野駅周辺のまちづくりについて学ぶ
かった。
• 区役所の形態、特に中野区では、縦のつながり
中野駅周辺の
だけでなく横のつながりを大切にするため、課
問題の一つ、放
ではなく分野で分けて他の分野のフォローが
置自転車の様
できるようにするなど様々な工夫がされてい
子
ることがわかった。
• 公務員がどのくらいの周期で職場を移動する
のか、技術職の人でも自分の専門ではないとこ
ろにも行かなくてはならないといったことが
123
わかった。
区民の方から陳情をもらったら問題の老朽家屋
• 窓口だけでなく実際にパトロールなどをしな
を実際に調査に行き近隣の住民から話をきいて、
がら区役所がどのように区民と関わっている
持ち主を探して対処してもらうというもので、今
の
回私が行った老朽家屋は、通園路に面していて屋
かがわかった。
根瓦が道路に落ちそうな、危険なものだった。そ
• まちづくりの調査の業務を通してまちづくり
ういった住民が頼り、その問題を解決していくと
が実際にどのようなことをするのかわかった。
• 今まで知らなかった区議会の役割と委員会の
いう仕事は区役所ならではだと思った。耐震診断
も、区役所が無料で行っているもので、住民から
様子がわかった。
要求があったら診断に行き、利益もないのに住民
のためにきちんと診断して、住民の不安を解消し
ている様子を見て、公務員とはこうあるべきだと
4.
研修の感想
感じた。
今回、私は公務員志望ということで中野区役所
でのインターンシップ研修を行ったが、今まで漠
然としたイメージだけで具体的に公務員がどう
いったものか知らなかったので、その仕事内容や
雰囲気を知ることができた。
今まで私は、公務員は 9 時から 5 時まで働けば
いいものだと思っていたが、現実はもちろんそん
なに甘くなく、8 時半には朝礼が始まり、残業も
当然あった。また、私の研修先の中野区では、今
この写真は実際に調査に行った老朽家屋の一
問題になっているゲリラ豪雨によって河川が氾
つである。玄関先に貼ってある張り紙は、頭上注
濫する危険があるので、雨が降り出してきたら常
に連絡を取れるようにしておかなくてはならず、
意を促すもので、近隣の住民が前の道路を通る園
児を心配して貼ったものである。
5 時からは自由といった甘いものではなかった。
また、仕事の合間などに、実際に働いている職
また、公務員は他の仕事とは違い、必ず数年ご
員の方々から公務員試験のことや技術職につい
とに職場の異動があり、自分のやりたい仕事を続
けることができるわけではないことを知ったが、
てなどの話を伺うことができ、様々な質問にもや
さしく答えていただき、とてもためになるアドバ
それはいくつかの職場を経験し知識を増やした
イスもしていただいて、とても参考になった。
り、一つのところに長年いると業者との癒着が起
今回の研修を通して、公務員という仕事に対す
きたりするかもしれないのでそういったことを
るイメージが、「楽な仕事」ではなく、「大変だ
防ぐために必要であることもわかった。確かに自
がとてもやりがいのある仕事」に変わった。公務
分のやりたい仕事は続けたいが、他の仕事も経験
員の仕事は、どの仕事も直接住民の方々に関わっ
し、いつかまた自分がやりたいことをできる時の
ていて、責任が重く、しかし、そのことがモチベ
ために様々なことを学び、それを活かしていくと
ーションとして頑張れるものだと思った。今回の
いうことも大切なことだと思った。
研修を通して、改めて公務員を目指し、そして今
実習では、まちづくりの調査や道路のパトロー
回学んだたくさんのことを活かしていけるよう
ルなど様々なことを経験させていただいたが、中
に頑張ろうと思った。
でも印象に残っているのは老朽家屋の追跡調査
と簡易耐震診断である。老朽家屋の追跡調査は、
124
工学院大学工学部
成果報告
z リソーススプリクトについて
会社の雰囲気を体感できたこと
氏名:仲川
裕一朗
4.研修の感想
所属:機械システム工学科
大学では機械系学科で、ほとんどがハードに関しての勉
研修機関:株式会社デザインネットワーク
強が多く、ハードを動かすソフトウェアについて今回の研
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日(月)~9 月 5 日(金)
修で知ることができた。また、ハード、回路、ソフトが混
在する部署での研修であったため、開発というものはどう
1.目的
いったものなのか、そういった雰囲気を感じ取ることがで
職場の雰囲気を体感し、会社というものはどういった所
き、就職の選択肢や目的がより一層明確となった。
なのか、そこに働く人間はどうあるべきか体感し、理解す
今回の研修では、タイムカードでの出欠、出金伝票の提
ると共に、自分自身に不足している部分の発見、補完をし、
出、終礼への参加など、業務には携われなかったものの社
今後の就職活動、社会に出たときの心構えを習得すること
員の方と同じような行動をし、会社というものを肌で感じ
が目的である。
ることができた。
2.研修内容
ウインドウズアプリケーション入門
z プログラム能力のチェック(コマンドラインで実行
するもの)
z オセロのウインドウズプログラム作成(ウインドウ
ズプログラムの基礎的な部分の習得)
z 画像をスライドショーで表示するウインドウズプロ
グラム作成(ファイル操作・ウインドウの操作の習
得)
z スクリーンセイバーの作成(スクリーンセイバーの
作成法の習得)
z ドキュメントの作成(作成したソフトウェアの仕
図 1.出金伝票
様・動作についてのドキュメント)
会社案内
技術士の方の講演会
ウインドウズアプリケーションの作成では、オセロを作
¾ 設計について
る、などという大まかな目的が決められており、その目的
¾ JABEE について
を達成しつつ、自分で他にどういったものを付加機能でつ
¾ これからの技術士の在り方について
けるかを考えながらプログラムを作成した。
全部門の交流会
3.研修の結果得たもの
ウインドウズプログラムの作成方法の理解と習得
z ウインドウプロシージャーについて
図 2.作成したプログラムのアイコン
z ウインドウズから送信されるメッセージについて
z 従来の C プログラムとウインドウズプログラムの
オセロのプログラム作成では、基本動作はもちろんのこ
と、石をひっくりかえすアニメーションを付けくわえたり、
違いについて
z さまざまな関数の使用法
マウスの位置によって、その場所に石が置けるかどうか分
125
かるよう色を変化させてみたりと、細かい付加機能から、
コンピューターとの対戦ができるようにコンピューター
が自動で判断して石を置くことができるようにしたりと、
どういったプログラムがいいか、また、それはどういった
仕組みにするべきかを考え、プログラムを作成した。
図 5.開発画面
図 3.作成したプログラムの実行画面
また、画像をスライドショーで表示るるプログラムでは、
図 6.配布されたマニュアル
ファイル操作、画像処理、スクリーンセイバーの作成では
スクリーンセイバーのプログラムの構造など、今回のイン
不明な部分やエラーなどは社員の方に教えてもらえ、全
ターシップで基本的なソフトウェアなら作成できるよう
く知識がなかった私はこの研修で多くの知識を吸収でき
になったと実感できるようになった。
た。また、一緒に研修をしていた他大学や高専の方とも意
見を交換することができ、視野が広がった。
研修終了後に作成したソフト、出金伝票などが CD 化さ
れ、名札とともに郵送されてきた。
図 4.作成したスクリーンセイバーの設定画面
図 7.作成したプログラムと名札
ソフトウェアの作成には Visual Studio という一般的
今回の研修を通して、技術的なことを学べたことはもち
なソフトでの作成を行った。また、ウインドウズプログラ
ろんのこと、それ以外の、大学では学ぶことのない、企業
ム作成のための基本的なことが書いてあるマニュアルを
の中身を体感でき、それによって今現在の自分と社会人と
頂き、初歩的な疑問などはそのマニュアルで解決できるよ
の間にある不足しているもの、これから何をしなければな
うになっていた。
らないのか、が浮き彫りになった。これは今後の就職活動
や大学生活に大いに役に立つものであり、それが今回の研
修によって得られたもっとも大きなものであると思う。
126
工学院大学情報学部
氏名:西尾
成果報告
綾祐
所属:工学院大学情報学部コンピュータ科学科3年
受入先機関名:㈱インキュベート・ジャパン
研修期間:平成20年8月18日~8月29日
1.目的
・学生と社会人との違いを経験する
・これまで自分が学んできた知識が社会でどれだ
け通用するか体験するとともに、今後の進路決定
の参考にする。
2.研修内容
•システム開発のための環境構築(MySQL,Tomcat 等)
•システム要件定義書の作成
(各種情報の一覧を表示した部分
•システムの実装(Java, Struts を使い作成)
このほかにもスケジュール一覧を見たり、情報を
•成果物をプレゼンで発表
新規に登録、試合に参加するメンバーを登録、参
研修では1つのシステム作成を通して、システ
加メンバー一覧の参照が行える。)
ム開発の一連の流れを体験する というものでし
た。今回は部活動の情報管理システムを作成しま
した。具体的には掲示板方式を用い、情報を登録、
更新、閲覧でき、部員間で情報共有できるように
まず、はじめにおこなったことはシステム要件
定義書の作成でした。そこで、どういうシステム
を作るのか(機能、画面設計)ということを明確
するというものです。以下の画像は研修で実際に
にし、それを期間中に仕上げるためにはどのよう
作ったものです。
なスケジュールで進めていけばよいのかという
ことを決めました。はじめて1つのシステムを作
るということであって、いったいどのくらい時間
がかかるのか見当がつかなかったが、システムの
画面構成、画面遷移などを簡易的に作り、機能数
やボタン数などから、必要な時間を検討し、スケ
ジューリングをおこなっていった。ここでは、今
現在の自分の実力とまわりの環境を的確に判断
し、先を見通す能力が必要だと感じました。
実装の段階に入ってからですが、このシステム
を作るにあたり、今回は Java 言語を用いて Web
( 画像は各種情報の詳細をみている部分
アプリケーションを開発する際に利用されるフ
このように各自が登録した情報を見ることがで
レームワーク”Struts”を用いて作成を行って
きる。)
いきました。はじめのほうは、使い方がよく分か
127
らず、スタートラインにたつまでにかなりの時間
も趣味の場合はそういったことよりも、とにかく
を要してしまいました。というのも、はじめから
動くプログラムを作るということを重視してい
細かい部分を作ろうとし、エラーが発生しそれを
たからです。今回のインターンシップでは会社で
追及しようとするあまり、なかなか先に進まなか
行われた Java の講習会にも参加させていただき
ったからです。そこで教わったことは、細かい部
ました。その中で、エラー処理の話がでてきまし
分は後に回し、まずはできる部分から先に作って
たが、その部分は特に強調され、対処法を細かく
いくということでした。こうしたことを行ってい
指導していただきました。その理由は、仕事では
くうちに徐々に慣れていき、その後はスケジュー
1つのエラーによりシステム全体がとまってし
ル通りに作業を進めることができシステムを完
まうことがあり、それが大損害につながってしま
成させることができました。
うからだと聞きました。今回私が作ったシステム
でもそうした部分もきっちりと行い、高品質なシ
3.研修の結果得たもの
ステムをつくるように意識して実装を行ってい
3.1
きました。仕事でやる場合、自分が使うのではな
時間感覚の違い
最終的に出来上がったシステムのコード数を
く、相手が使うということを考え、完璧なものを
計測したところ、約3000行のプログラムでし
作るという意識の差に趣味と仕事の差を感じま
た。今回は2週間という短い期間で、要件定義、
した。
設計、実装、テストを行わなければならず、当然
普段自分が作るゆっくりとしたペースで作って
4.研修の感想
いれば完成させることはできませんでした。毎日、
今回の研修では短い期間で1つのシステムを
会社では朝の会議を行い、そこで前日の作業の進
完璧に作り終えるということで、自分の立てたス
捗状況と作業の問題点、スケジュールから遅れて
ケジュールを毎日こなすのが大変でした。そのた
いるかどうか、および本日作業をどこまですすめ
め、毎日が時間との戦いでしたが、大学では学ば
るかということを話し合いました。そうした中で、
ないことを多く学べました。そして、毎日大変で
スケジュールから遅れないためにも、時間の使い
途中で何度も挫折しそうになりましたが、最後に
方ということが大変重要だということを学びま
はシステムを完成することができ、とても充実し
した。具体的には、毎日、自分の立てた目標をこ
た日々をおくることができました。この体験をい
なすように時間を常に意識しながら集中して作
かし、今後の大学生活、就職活動等に役立てたい
業を行う。技術的な点で詰まってしまった場合は、
と思います。最後に 2 週間という短い期間でした
まず自分で調べるのだが、1つの問題にこだわり
が、この機会を与えてくださった大学の先生方、
すぎてその日の作業が全く進まないということ
また、お世話になりました株式会社インキュベー
は避けるべきである。そのため、作業は今できる
ト・ジャパンの方々に深く感謝いたします。あり
部分から行う、問題点がどうしても解決しない場
がとうございました。
合は早めに社員の方に聞くなどし、時間を無駄に
するべきではないということを学びました。
3.2
趣味と仕事の違い
システム実装を行っていく中で趣味と仕事の
違いというものを感じました。たとえば、入力値
チェックやエラー処理などは、普段趣味で作る場
合はあまり重要視していませんでした。というの
128
長野大学産業社会学部
氏名:相馬
成果報告
暁
また研修6日目には誘致キャラバン隊派遣の
所属:長野大学産業社会学部産業社会学科3年
学校訪問の了承を得るために名古屋市、豊
受入先機関名:(社)信州長野県観光協会
田市、岡崎市の小中学校長会長への事前訪問に同
学習旅行誘致推進協議会
行させて頂いた。
研修期間:平成20年9月1日~9月19日
誘致キャラバン隊とは、各県の小中学校・高等
学校に直接訪問をし、長野県ではこのような体験
1.目
的
学習ができるという紹介を行う活動である。この
私は今まで社会経験が少なく、来年就職活動を
活動には、事前に校長会や各県
始めるにあたり多くの不安を感じていた。そこで
の教育委員会への挨拶が必要になるので、今回は
今回インターンシップを通して少しでも社会と
そのための訪問だった。
はどのようなものであるのか、社会に出るにあた
結果として、訪問を快く了承して頂いた市と難
り今の自分に何が不足しているのかを知りたい
航するところがあった。他県の教育委員会が考え
と考えた。また、長野県の観光事業の現状を理解
る長野県の印象と今後の学習旅行に何を望む傾
し、郷土の良さを他県へアピールする力を養う機
向にあるのかを理解することが出来た。
会としても意識した。
2.私が取り組んだ活動テーマ
2.研修内容
研究テーマとして「長野県に学習旅行生を沢山
(1)業務内容
呼ぶにはどうすれば良いか」について取り組んだ。
研修初日に(社)信州長野県観光協会で行って
これは近年長野県への学習旅行訪問学校数が減
いる業務全般の説明を受けた。その後、学習旅行
少傾向にあるためである。
誘致推進協議会の事業計画の説明を受けた。ここ
では、修学旅行や体験学習といった学習旅行を提
表1
長野県への学習旅行訪問校数
供する活動を行っている。期間中の主な活動内容
来訪学校数
区分
としては、誘致資料の作成や会員宛の文章作りを
18年度
した。
対前年度増減
小学校
362
345
17
中学校
1,143
1,207
△64
839
896
△57
2,344
2,448
△104
高等学校
合計
表2
17年度
長野県への来訪生徒数
延児童・生徒数
区分
18年度
17年度
対前年度増減
小学校
65,851
58,145
7,706
中学校
276,196
291,575
△15,379
高等学校
285,550
331,728
△46,178
合計
627,597
681,448
△53,851
(研修中の写真)
129
このような長野県の現状から私は、今後の体験
効果が挙げられ、また同時に、長野県の様々なも
学習には夏場・冬場に限らない体験学習の実施と、
のに触れて頂く機会が増えると考えた。
観光協会からだけではなく長野県を訪れて頂い
た学校からの情報の提供が必要になってくるの
3.研修の結果得たもの
ではないかと考えた。
今回私は、誘致キャラバン隊の事前活動として
名古屋方面への学校訪問に参加させて頂いた。そ
(3) 提案事項
の中で感じたことは、ただ一方的に話をするので
この現状の中で私が(社)信州長野県観光協会
はなく受ける側の話を踏まえた上で計画を練る
側に提案した事項は 2 つである。
ことの大切さである。加えて、学校側へ学習旅行
を提供する際には、教職員の方々への負担を軽減
学習旅行についての感想などを来訪学校から提
するような工夫をしなければならないことを理
出してもらう
解した。
また、学習指導要領から自然に目を向けた体験
が重視されており、それを取り入れた学習旅行が
長野県で学習旅行をして頂いた学校側から感想
必要とされていることを知った。
を提示してもらうアンケートに代わる提案事項
である。これを行うことで、学校側としては、他
4.研修の感想
者に見られるということでまとめの活動に真剣
に取り組み姿勢を生むと同時に、語学力や表現力
学習旅行誘致推進協議会では、職場の雰囲気や
などを養うことを狙いとして頂く。また、観光協
体験学習の立案を行っている現場を見させて頂
会側としてはフィードバックの資料として、さら
いた。その上で、体験学習を提供するという仕事
には誘致事業の参考資料として扱うことを目的
がどれだけ大変なことであるかを実感すること
としている。
ができた。このインターンシップでの経験はこれ
から就職活動を始めるにあたり一つの糧になる
職場体験を加えた学習旅行の実施(中学校・高等学
と思う。最後に3週間という短い間でしたが、こ
校対象)
のような機会を与えて下さった(社)信州長野県
観光協会の方々、大学の先生方に深く感謝いたし
中学校・高等学校では「生きる力」の育成とし
ます。どうもありがとうございました。
て早期から子供たちに職業観を養ってもらい社
以上
会人として自立していくことが出来るようにす
る教育の推進が求められている。
また、職場体験実施率でも中学校は 10,124 校
中 9,528 校が実施(94.1%)高等学校では 62.9%が
実施といずれも高い数値を示している。そこを踏
まえこの事項を提案した。
体験場所としては、長野県独特の食文化を提供
する場や自然を活かした活動をしている NPO 法人
などの施設を考えている。
このような場所での職場体験を行うことによ
り、「本物の体験を通した感動」や「人々とのふ
れあい」を提供すると共に、自然体験離れの防止
130
長野大学産業社会学部
成果報告
氏名:牧野明子
所属:長野大学産業社会学部産業情報学科3年
受入先機関名:株式会社富士通長野システムエン
図・1
フォーマット変換
ジニアリング
2.2.富士通ソリューションフォーラム 2008
研修期間:平成18年9月1日~9月12日
富士通グループがどのようなことを行ってい
1.目
るかを知ることができるということで参加させ
的
私は現役の技術者や技術者を目指す人たちと
ていただいた。セミナーが始まるまで時間があっ
過ごしてきた。私自身も技術者を目指して技術者
たので展示を見に行った。企業を対象としたフォ
を育成する学校に通っていたこともあり、大学入
ーラムだったので、なかなか説明が難しく理解し
学前から就職を意識していた。
切れなかった部分はあるが、自社製品を売り込も
うという熱意は怖いほど感じた。
インターンシップでは、生産の流れや仕組みに
ついて、今まで学んできたモノづくりについての
セミナーは基調講演を含めて 4 つ拝聴した。実
知識が仕事をするうえでどのように活きてくる
際に企業で働いている人に向けたものであった
のか、実際の仕事に関わって自分が社会人になる
ので難しいものであったが、その中でもとても印
ときに必要な社会人としてのルールやマナーな
象に残っている話がある。「歴史に学ぶ、製造業
どの知識を理解したいと考えた。また、これから
の IT 導入成功のカギ」というセミナーだ。シス
の学生生活でしっかりとした目的意識を持ち、就
テムを使わないことを提案することもあるとい
職時には即戦力となるような力が見に付けられ
う話にはとても驚いたが、その理由がシステムを
るように知識を吸収したいと思って臨んだ。
使う段階ではなく、システムを使ったから改善す
ると言うことでないことがあるという話を聞き
2.研修内容
なるほどと納得できた。この段階の考え方はシス
2.1.生産管理システム
テム導入だけではなく、いろいろなところで利用
できるものではないかと思った。
インターンシップの主な内容は生産管理シス
テムの開発であった。私が関わらせていただいた
2.3.工場見学
のは2008年12月に出荷予定の製品の開発
実際に富士通システムエンジニアリングで開
であった。
発を行ったシステムを利用している上田市の日
私が開発したのはフォーマット変換の共通部
置電機様の工場見学にも行かせていただいた。
品であった。フォーマット変換は DateTime 型を
学生向けの工場見学として 2 度訪れたことがあ
String 型に変換し、指定されたフォーマットで表
示されるようにするというものである。
(図.1)
ったが、今回はシステム開発部門の一員としての
Visual Studio を利用しての開発であったが、
見学であったので、学生では見ることのないサー
C#という始めて使う言語であり、多少のプログラ
バ室や、利用しているシステムを見せていただい
ム経験はあったもののデータ型について、フォー
た。また、システムを使っていての改善点などを
マットの書き方など基本的な部分から調べて、開
話し合う場にも同席させていただいた。現行のシ
発作業を行った。
ステムの問題点や要望などを実際に利用してい
る側から伺うことで新たな発見があることがよ
131
くわかった。
ないことをたくさん織り交ぜた有意義なインタ
ーンシップを経験させてくださった富士通エン
ジニアシステムリング PML ソリューション事業
3.研修の結果得たもの
私が実習をさせていただいた部署は製造業・流
部 SCM ソリューション部の方々、総務部採用担
通業の情報システム機構を支援するためのシス
当の方々に深く感謝いたします。ありがとうござ
テムを開発している部署であった。システムエン
いました。
ジニアと呼ばれる人々の仕事を実際の開発現場
以上
や工場などで拝見して、システムエンジニアはプ
ログラミングや設計といった社内の仕事だけで
はなく、実際にお客様とお話をして、お客様の抱
えている問題を一緒に考え、解決していくことが
一番大切な仕事なのだとわかった。思っていた以
上にコミュニケーション能力が求められる仕事
であり、いろいろな経験があれば、お客様ともた
くさんいろいろな話ができる、お客様からの要望
を適切に把握することができるということを感
じた。また、実際に仕事としてソフトウェア作り
に関わってみて、たくさんの人が1つのシステム
を作り上げていくので、講義ではわからない気遣
いのあるプログラムの作り方やこまめな進捗の
確認などというものが仕事では必要であること
がわかった。
4.研修の感想
富士通システムエンジニアリングでは日常な
かなか知ることのないシステムエンジニアの人
たちの仕事を間近で拝見し、自分自身も関わらせ
ていただくことによって仕事をするということ
に対して自信を持つことができた。初日に部長さ
んから製造業について、それに関わるシステムの
概要などを教えていただき、そのなかで今まで学
んできたことがどのように活かせるのかと言う
ことを知ることができ、これからの大学生活でい
ろいろなことを学んでいく意欲が沸いてきた。自
分自身が多少のモノづくりの経験があるのでそ
の経験とこれから経験する様々なことを生かし
て、お客様と会話のできる SE を目指したいと思
った。
最後に2週間という短い期間でしたが、フォー
ラム参加や工場見学など大学生活では経験でき
132
長野大学産業社会学部
成果報告
氏名:馬場泰仁
所属:長野大学産業社会学部産業情報学科4年
受入先機関名:株式会社万平ホテル
研修期間:平成20年8月5日~9月4日
1.
ホテルではベルボーイの業務を行いました。万
目的
大学 3 年生の時から専門ゼミで軽井沢の研究や
平ホテルはアルプス館、アタゴ館、ウスイ館の三
調査を始めました。大学 4 年の今でも同じゼミで
館あり、それぞれの部屋は設備が異なるため、す
軽井沢の変化を調べています。その延長で、軽井
べてを覚える必要があり、お客様を部屋に案内す
沢初の西洋式ホテルである万平ホテルで 1 ヶ月働
るときに説明します。
き、実際に軽井沢に訪れる観光客や宿泊客を自分
案内中にお客様から質問を受けることもある
で見てみたかった事と、いろいろな仕事の中で接
ので、事前にホテル周辺の地理(例えば旧軽井沢の
客業はやったことがないので、良い経験になると
場所)や、イベント(夏季の軽井沢はイベントが多
思い万平ホテルでのインターンシップを希望し
い)を覚えておく必要があると思いました。
このように、部屋の案内も難しく、毎年来てい
ました。
る常連のお客様にいちいち部屋の説明をすると、
2.
「毎年来ているから知っている」と怒られてしま
研修内容
うこともあり、お客様に不快な思いをさせないた
研修初日はホテル内の施設を見せて頂きまし
年に
めに、事前に失礼のないように「万平ホテルのご
建てられたもので、消防法の改正により、3階は
利用は始めてですか?」と聞いてもよいと言われ
客室として使えなくなってしまったそうです。そ
ました。
た。現在の本館であるアルプス館は、昭和
の他にも客室としては使っていない浅間館も見
また、お客様の年齢や健康状態を考えて、エレ
せて頂きました。浅間館は結婚式やコンサートの
ベーターを使うか、階段を使うかを判断する必要
待機部屋になっています。玄関を入ってすぐ右が
があり、お客様が100人いれば100通りの接
ギャラリーとなっており、季節ごとにいろいろな
客があるので、最初はどのように接客すればよい
店に場所を貸している。実習期間中には画廊が入
のかわかりませんでした。接客に慣れるまで社員
っていました。ホテルの形も複雑でそれぞれの施
の方に後ろについてもらい、自分の接客がお客様
設の場所を覚えるのが大変でした。(ホテル玄関
に対して失礼でないかをチェックしてもらいま
↓)
した。なんとか1人で接客出来るようになり、部
屋に案内した後、お客様から「ありがとう」と言
われたときには接客にやりがいを感じました。
お客様の荷物を宅配便で発送するのもベルボ
ーイの仕事で、多いときには 1 日 20 個ほど発送
手続きをしました。この時に社員の方から誤発送
が毎年必ずあるので気をつけるように、と言われ、
忙しいときほど冷静に仕事をしなければならな
いと思いました。
133
プをしている別の大学の人とも知り合いになれ
ました。インターンシップでは職場の体験だけで
なく、新しい人間関係も作ることができました。
そして、ホテルという場所はお客様がくつろげ
る空間の提供が一番の仕事だと感じました。特に
万平ホテルで感じたのは常連のお客様が支配人
や社員の方と仲が良いと思いました。新規のお客
様には丁寧に、常連のお客様には友人のように接
(アルプス館↑)
客するのも常連のお客様が増える理由の一つで
はないでしょうか。
4.
研修の感想
今回のインターンシップでは軽井沢の避暑地
としての歴史を見る事ができました。宿泊台帳を
見ると、ほとんどのお客様が関東近郊から来てい
ました。やはり軽井沢は関東から身近な避暑地で
あると思います。
また観光スポットでもある万平ホテルには、自
(ウスイ館)
転車で訪れる人も多く、近所の別荘から朝の散歩
ついでに万平ホテルの喫茶を利用する人もいま
した。
そして一番驚いたのが毎年夏の間、万平ホテル
の一室を借りて避暑をする人がいることです。夏
の間ずっとホテルで避暑をすることに驚きまし
た。軽井沢にはホテルが数多くありますが、クラ
シックホテルである万平ホテルにはファンが多
いようです。実際に古い洋館のような外観は夜に
見るととても趣がありました。
最後に一ヶ月間という短い間でしたが、長い歴史
(アタゴ館↑)
のある万平ホテルにインターンシップを受け入
れて頂き感謝しています。この機会を与えていた
3.研修の結果得たもの
だいた大学の先生方、お世話になった万平ホテル
1 ヶ月間の実習でしたが他の大学、専門学校か
宿泊部の方々に深く感謝いたします。本当にあり
らもインターンシップに来ており、万平ホテルに
がとうございました。
インターンシップに来るのが 2 回目の人もいまし
た。社員の方も皆優しく、何度か社員の方とイン
ターンシップの仲間で遊びに行ったり、飲みに行
ったりもしました。遊びに行くときは部門に関係
なく喫茶部門やベル部門で一緒に行動すること
が多く、そのおかげで違う部門でインターンシッ
134
日本大学生産工学部
ければいけない大変さを改めて痛感した。
成果報告
また、日常業務以外にも、焼却炉の停止作業、
立ち上げ作業の体験をした(図-1,2 参照)。本来
氏名:植松希予
は、動き続けることを前提に設計されている焼却
所属:日本大学生産工学部土木工学科3年
炉なので、それを停止・立ち上げるということは、
受入先機関名:東京都下水道サービス株式会社
とても大変なことだと実感した。
研修期間:平成 20 年 8 月 5 日~8 月 29 日
2.1.2.排水・高度処理実習
次に、有明事業所で、排水・高度処理実習を行
1.目
的
った。有明事業所では、施設の維持管理、水質試
現在、土木の勉強を始め3年が経過したが、授
験、電気設備管理の日常業務に加え、普通は入る
業等を通じて、衛生工学に興味を持っており、4
ことの出来ない中央防波堤の調査、高度処理や臨
年次からの卒業研究では、下水処理システムにお
海副都心のライフライン(共同溝、圧力下水道な
ける生物的排水処理について研究を行う予定で
ど)についても学んだ。
ある。また、実習先は、官公庁の仕事の一部を担
図-3 に水質試験の様子を示す。この結果によっ
っているため、民間企業と官公庁の両方の目線か
て、効率性、安全性の高い施設の運転内容を決定
ら現場を見ることが出来ると思った。そこで、こ
するため、重要不可欠な業務である。今回の実習
れからの卒業研究に活かせ、さらには卒業後の進
で最も興味を持った体験であり、大学での授業が
路を選択する上で、今まで以上に幅が広がると思
い、東京都下水道サービス株式会社(以下TGS
とする)での実習を志望した。
2.研修内容
2.1.
処理現場研修
下水処理は、①排水処理,②高度処理,③汚泥
処理の3つの処理工程に大別されており、実習期
間中、全ての処理過程を実習した。
2.1.1.汚泥処理実習
先ず、葛西事業所で汚泥処理の実習を行った。
葛西事業所の処理区域は、荒川と江戸川に囲まれ
図-1 焼却炉の停止作業
た江戸川区の大部分と葛飾区の一部の処理を担
っており、面積は 4,893ha と広大である。ここで
は、濃縮、脱水、焼却、施設の維持管理、電気設
備管理といった汚泥処理の重要な処理工程につ
いて学んだ。天気や気温、人口の季節変動(実習
期間は夏休みだったので、お盆による都心での人
口減少、イベント等による人口増加など)によっ
て、流入下水量の変動が著しかった。さらに、発
生した汚泥は、中川水再生センター、小菅水再生
センターから圧送された汚泥とともに、センター
内で焼却しているが、下水は次々と流れ込むため、
すぐに状況を分析、判断し、新しく予定をたてな
図-2 焼却炉の立ち上げ作業
135
より深く理解できた。また、有明地区は未来都市
をイメージして設計されている。しかし、現状と
して、当時の予測していた処理量と、現在の処理
量に大きなギャップが生じており、このことから、
新しく処理施設を設計する場合の難しさが分か
った。
2.2.都市の水環境調査
東京都の水循環がどのように行われているか
をテーマに、都市の水環境調査を行った。そこで、
図-3 水質試験の業務
多摩川とその流域を取り巻く下水道の役割につ
いて学ぶため、羽村取水堰や玉川上水などの施設
へ見学に行った。羽村取水堰では、多摩川の大半
が飲み水として分水され、浄水場へと導かれてい
くシステムについて学んだ(図-4 参照)。
また、蔵前事業所・蔵前水の館において、実際
に使われている管きょの見学、芝浦事業所で再生
水事業の説明等もして頂いた。
3.研修の結果得たもの
今回の実習を通して、本当にたくさんのことを
学んだ。先ず、現場での仕事は、体力勝負であり、
図-4 羽村取水堰の調査
日々の体調管理が必要である。どんなに機械や伝
達技術が進歩しても、日々の点検や運転調査は人
4.研修の感想
間が行わなければならないということを実感し
今回の実習を通して、仕事の幅広さに魅力を感
た。次に、仕事が予定通りに進まない大変さであ
じ、公務員職に興味を持つようになった。また、
る。天気や気温、人口の季節変動によって条件が
自分と向き合うことができ、大学で学んだ専門知
異なるため、知識と経験からすばやい状況判断と
識の応用はもちろん、コミュニケーションの大切
行動が必要である。最後に、実習を通して、最も
さや技術者・社会人としての心構えなど、本当に
強く感じたことは、職場の人と人とのコミュニケ
多くのことを学ぶことがきた。この実習を活かし、
ーションの大切さである。現場では、TGS直属
卒業研究や進路決定を充実したものにしていき
の社員の方々に加え、東京都のOBの方々、メー
たい。最後に、実習先の方々や一緒に実習をした
カーからの派遣の方々が働いており、年齢層も幅
仲間など、たくさんの人に出会え、本当に良い経
広かった。実習した全ての事業所において、職員
験になった。
の方々は仲がよく、職場の雰囲気がとても良かっ
《謝辞》
た。それぞれの異なった職種の人がお互いに現場
今回、このような機会を与えて下さった大学の
の様子を頻繁に報告しあっており、その結果、効
先生方、受け入れて下さったTGSの職員の皆様、
率が良く安全性が高い処理が可能になっている
実習で出会った全ての方々、さらに実習中に私の
のだと感じた。また、先輩が後輩に丁寧に技術を
支えとなり、温かく見守って下さった家族に深く
教えており、このような温かい職場で働きたいと
感謝の意を表し、本文の結びと致します。
思った。
136
日本大学生産工学部
氏名:元
は、予想振動推定式の決定、装薬量の算出の過程
成果報告
を言う。設計終了後には試験発破を行い振動の測
燦豪
定を行った。その結果を再び分析して現場に適当
所属:日本大学生産工学部土木工学科3年
な爆薬、装薬量、雷管の種類と配列方法そして発
受入先機関名:株式会社 SAMHO(韓国)
破の方法を詳しく決める作業を行った。発破の方
研修期間:平成 20 年 8 月 4 日~8 月 26 日
法は振動が大きい順番で大規模発破、一般発破、
1.目的
振動制御(大、中、小)発破、精密振動制御発破、
私は高校時代から公共施設の建設から解体工
岩破碎掘削工法などがある。これらの工程を経て
事に携わる現場での仕事に就きたいと考えてい
現場で発破を行った。
た。今回はインターンシップを通じて、土木工学
図-2 のように発破現場の近くに建築現場があ
の基礎知識の重要性を認識し、発破を用いた地盤
るような場合には、その距離に発破方法を選別し
の造成方法、環境問題への取組み、工程管理等を
ていた。例えば図-3 に示すように、TYPEⅡの場
現場体験し、自分の知識・経験を高めることを目
合、精密振動制御発破、TYPEⅢの場合、小規模
的とする。
振動制御発破など現場の状況に応じて発破方法
2.研修内容
の選定を行う。
2.1
2.3
現場の見学および現場の概要
爆薬の設置作業
実習現場は韓国ソウルの南東方向にあるソン
図-1 に示す工程の作成の後、現場に行き自ら爆
ナム市の大規模住宅団地建設(開発面積:
薬を設置した。この作業は非常に危険であるため
9,307,148m2,開発期間:2002 年~2011 年)であ
慎重に行わなければならない。まず、掘削機で直
る。
径5cm 程の穴を開け雷管を連結した爆薬を穴に
初期研修は現場の概要や状況の説明などを受
入れる。次に、爆薬の上に粘度と密度が高い土で
けながらの現場見学であった。
穴をふさぐ。この際、爆薬の上に間隙がないよう
現場では迅速な作業が求められ、地盤の造成と
に土でしっかりとふさぐ作業が一番大事だと説
同時進行で住宅を建設していると伺った。しかし、
明を受けた。その理由は爆薬が爆発する時、間隙
地盤のほとんどが岩盤のため発破を用いなけれ
があると、その部分に力が集中し発破能率が低下
ば作業効率が落ちてしまう。発破の使用に当たっ
するとともに、飛散しやすく危険だからであ。
ては、周りに大きな振動と飛散等で被害を与える
2.3
ため建築物に発破の現場が近い場合は様々な工
発破による被害の調査
周辺環境また対象構造物の状況調査
夫を凝らして発破を実施しなければならない状
発破影響圏の分析
況であった。
2.2
現場での発破研修
発破設計
NO
5日間の現場説明と発破の理論などを学びよ
試験発破実施
うやく発破を使用する現場に入った。現場では発
発破振動測定
試験発破の結果分析
破前に行わなければならない作業が多くあり、発
NO
NO
破予定地点と建築物の距離測定、岩の密度と状態
発破公害低減対策
無振動掘削工法
などの地質学的特徴、立地条件等を調査する業務
OK
を行った。
YES
次の日は、図-1 に示す発破の工程図の作成を行
発破工法
った。まず、周辺の環境と立地条件により発破の
掘削の設計
影響圏を分析し発破の設計をした。発破の設計と
137
発破設計の決定
工事実施
計測実施
図-1 発破の工程図
発破は一般的に岩の密閉されている空間で爆
発するので爆薬の種類、密度、爆発の速度などに
より異なるが数μsec 単位の短い時間内に数万か
ら 数 十 万 の気 圧 ま で 至る 。 ま た 、そ の 温 度 は
3000℃以上と推定されている。この衝撃波により
起こる振動を発破振動(Blast Vibration)という。こ
の発破振動は近場で建設中の建築物に多大な影
響を及ぼすため厳しい規定が設けられている。
発破を行う際は、発破地点から 20m~30m の間
隔で振動測定器を使って振動速度を測定しなけ
図-2
ればならない。私が測定を行った時はすべて振動
発破現場から近距離の建造物
速度が許容範囲内に入っていた。しかし、許容範
囲内に入っていない場合は、建築物のコンクリー
ト強度検査やクラックの検査をしなければなら
ないと説明を受けた。
また、発破振動だけではなく飛散も厳しく管理
されていた。飛散とは爆発するとき土や石などが
飛び出すことをいう。飛散は建築物にはいうまで
もなく現場の人々にも被害を与える。特に、雨で
地盤が濡れている場合は最も飛散が発生しやす
0.3 Kine 基準
33m~52m 52m~86m
TYPE Ⅱ
TYPE Ⅲ
86m~153m
TYPE Ⅳ
(岩破碎掘 (精密振動 (小規模振
削工法) 制御発破) 動制御)
(中規模振
動制御)
33m以下
TYPE Ⅰ
いためブラスチングマットというマットを地盤
の上に設置して発破を行った。これは非常に重た
いので人間の手作業ではなくクレーンを用いる
図-3
ため見学のみであった。
3.研修の結果得たもの
発破の現場と距離による発破の分類
構造物解体の分野で役立つ技術者になるために
私の実習先は、土木工事と並行して建築工事も
は、今何をすべきかを学ばせてもらうとともに自
行う総合的な現場であった。したがって、土木工
信を得た。
基礎工事から建物の建設に至るまでの一連の現
4.研修の感想
場工程を学ぶことが出来た。現場では、土木工事、
生産実習(インターンシップ)を海外企業で実
電気工事、水道工事、建築工事等多くの業種の技
施できたことは私にとってとても貴重なもので
術者が作業を行っており、そのすべてが一つにま
した。また、土木における専門工学の知識は海外
とまらなければ完璧な構造物を建設することが
での建設においても大いに役立つことを知るこ
できないのだと感じた。また、現場で円滑に作業
とができました。
を進めるためにはコミュニケーションや協調性
今回の現場実習経験は、全てが初めての経験で
がいかに大事かということを改めて感じた。さら
いつまでも忘れられない貴重な経験でした。短い
に、現場では安全管理はもとより工期の短縮・省
期間でしたが多くのことを学ばせて頂きました。
力化を目的とした工夫がいたるところで実践さ
今後はこの経験を生かして一日も早く土木の現
れていることに驚きを感じた。一日一日変わって
場で役に立つ技術者になりたいと思っています。
いく技術や分野の細分化そして専門化を感じ、今
自分が興味を持っている発破を用いた地盤造成、
138
横浜国立大学経営学部
成果報告
氏名:長尾正明
技術・学術審議会会長であるノーベル化学賞を受
所属:横浜国立大学経営学部経営学科二年
賞された野依先生のところに打ち合わせに行き、
受入先機関名:文部科学省
名刺も交換できた。そこでお話いただいた野依先
局
科学技術・学術政策
政策課
生には、志について語ってもらい今後の自分の行
研修期間:平成 20 年 8 月 25 日~9 月 12 日
動規範に大きな影響を与えることになった。日本
の将来のために献身的にご活躍される姿に感動
1.目
的
した。
通常私は国の役所についてはメディアを通し
9月9日の第26回科学技術・学術審議会総会
てしか情報を得ることができないが、その情報は
では、職員の指導をかなりいただきながら、私が
役所に対する否定的内容ばかりである。私は自分
作成した名立て、名簿、座席表が活用されていて、
の祖父や叔父がキャリア官僚であることから、そ
とてもやりがいを感じました。総会当日には、鈴
の否定的情報にやや違和感を覚えながら育って
木大臣の冒頭挨拶や総会の様子などを撮影する
きた。そして今回、文部科学省でのインターンシ
カメラマンをさせていただいた。
ップをすることで、その是非を自分の目で確かめ、
実習内容そのものについては、ある程度のエク
自分の将来や国の役所で働くとはどういうこと
セルスキルがあれば誰でも出来るものだったが、
かをしっかり考察したいと思い応募した。また学
それで学生にとっては十分だったと思う。三週間
生の特権を生かすという視点からも応募が適当
のインターンシップ中、試行錯誤しながらエクセ
だと判断した。
ルのスキルが向上し、議事録の書き方も教えてい
科学技術・学術政策局政策課に応募した理由は、
ただいた。議事録については、体裁を整えたり、
小学生の頃から科学館の科学教室に多く参加す
第三者が見ても分かるようにすることが、とても
るなど、理科に対して興味を持っており、政策は
難しいことだった。このようなことは通常体験で
国独自のもので他では経験できないからである。
きず、大変有意義であった。
毎週金曜日には、文部科学省の様々な部署でイ
2.研修内容
ンターンシップをしている学生達が、意見交流を
9月9日の第26回科学技術・学術審議会総会
する場を設けていただき、他部署の研修内容を垣
に向けた準備、社会見学が大きな二本柱であった。
間見ることができた。
総会とは、分科会など様々に存在する会議の中で
頂点に位置する会議であり、様々な会議での成果
3.研修の結果得たもの
が集約されている会議である。
まず職員の方々のホスピタリティに感謝した
具体的な準備としては、座席表作り、名簿作り、
い。インターンシップ研修生指導担当者をはじめ
名立て作り、コピー取り、資料の整理を行い、そ
とした職員の方々が本当に暖かく迎えてくれた
の他の研修として、名刺作り、議事録の修正、会
ので、充実した三週間を過ごすことができ、感謝
議の傍聴、大臣記者会見傍聴を行った。社会見学
の念でいっぱいである。研修内容は確かに上述の
としては、国会議事堂の見学、文部科学省や旧文
ように貴重であった。しかし、自分にとって、そ
部省内見学が挙げられる。また職員に随行して自
れに匹敵するほど貴重だったことは、職員の方々
由民主党、議員会館、厚生労働省、合同省庁、財
との交流だったと思う。職員の方の生い立ちや仕
務省を見学できた。また官用車に乗車して、科学
事に対する思い、そして生々しい情報、ジレンマ
139
や裏話をおそらく包みなく教えていただいた。そ
・自分の職業観がどう変化したか
れは次の時代を駆けていく若者に対して大きな
意味を持つものであった。職員との飲み会では、
インターンシップ前までは国家公務員に対し
インターンシップを受け入れ始めた頃は資料整
て輝かしいイメージを持っていたが、実際は地味
理だけを学生にやらせていたので、よい思い出を
な作業が多いことや、少なくとも自分の部署は残
持ってもらうことなく終わった失敗話や、国費留
業が常態化していることが分かり、当初のイメー
学の話、職場での面白い話、国家公務員第Ⅰ種試
ジは崩れた。ただワークライフバランスを掲げて
験対策の話をしてくださった。このような体験を
いる国の役所がこの状態では、民衆に広がらない
通じて、職員や文部科学省さらには国の役所をよ
と思った。多くの時間を仕事に費やすので、ただ
り知ることができた。私は当初目標としていたこ
単純に給料がいいとかではなく、自分の成長を感
とをすべて成し遂げることができた。またスケジ
じるような仕事、またルーティーンワークでない
ュール調整の難しさからか、会議については欠席
仕事にしないと飽きると思うようになった。これ
者が多いことなどが気になり、疑問を感じること
は職業選択に大きな判断基準となるだろう。こう
があった。良いところ悪いところをしっかり見ら
して職業選択における判断基準は、かなり重要だ
れてよかった。最後の週ではインターンシップの
と認識するようになった。
先輩として、新しく同じ部署にきたインターンシ
ップ生を指導できるようにまでなったので嬉し
・今後に向けて抱負
かった。
また、その他の部署でのインターンシップ研修
今回は国家公務員について知ることができた
生と交流を持ち、その意識の高さに刺激されたこ
ので、今後は大手民間企業、ベンチャー企業の風
とも、今回得たものの一つである。
にも触れて、自分が現存する社会システムの中の
どこに身を置くのか考え、それに向けて努力した
4.研修の感想
い。その際、公認会計士などの資格や法科大学院
このインターンシップを通じて、国の役所には
などの大学院も視野にいれて、大きく自分の可能
限界があると感じた。つまり国を本気で変えたい
性を伸ばしたいと思う。当面はTOEICのスコアを
なら役人ではなく政治家になるのが一番だとい
挙げること、簿記二級を取得すること、大学の授
うことが分かった。これは民衆から選ばれた政治
業やゼミでしっかりと専門性を高めることを目
家の力が非常に強いということで、とてもよいこ
標としてやっていきたい。
とだと思う。これが今後の自分の選択に大きく影
最後になりましたが、本当に貴重な体験をさせ
響すると思う。
ていただきありがとうございました。今後とも駆
また一種と二種の職員が試験区分の時のよう
け抜けていきたいと思います。職員の方々の更な
にはっきりと、職場では分からないことが意外だ
るご活躍をお祈りしております。
った。
反省点としては、会議に傍聴しても内容が良く
以上
理解できなかったことが挙げられる。科学技術・
学術に対する知識が不足していた。
今回の研修期間中は国会が閉会していたが、開
会している時はもっと忙しいと職員の方がおっ
しゃっていた。
140
岩手県立大学
氏名:濱田
成果報告
憲明
所属:岩手県立大学ソフトウェア情報学部
ソフトウェア情報学科
3年
図1.スケジュール表
受入先機関名:株式会社 SCC 本社
研修期間:平成 20 年 8 月 19 日~9 月 2 日
2.2
要件定義書作成
要件定義書とは、顧客の要望をまとめたものをい
1.目的
私は将来システム開発に関わる仕事に就きたいと
う。顧客とのヒアリングにより、顧客の「こうし
思っている。株式会社 SCC のインターンシップ内容
てほしい、こういうのが欲しい」などをまとめる
は、インターンシップ参加者でチームを構成し、顧
コミュニケーション能力が問われる分野である。
客とのヒアリングを交えるといった、実践的なシス
顧客からの要求は収集するだけではなく、ヒアリ
テム開発を行うことで、SE の業務を体感できるカリ
ングにより引き出し、要求のスコープを明確に定
キュラムであった。学部の授業でシステム開発の流
めることが必要ということを学んだ。ここでは顧
れを勉強したことはあるが、実際の業務システム開
客の抱えている問題点を洗い出し、認識のレベル
発はなかなか経験できないので、興味を抱いた。ま
を近づけることが必要である。要求定義書作成に
た、大学では学ぶことのできない社会人としてのビ
おいて、業務分析の段階で業務運用の見直しが重
ジネスマナーや現場の緊張感を肌で感じ取り、就職
要だと感じた。
後の職業への適応力を高めたいと思ったのが参加し
2.3
た理由である。
基本設計書作成
基本設計書とは、設計者と顧客のコミュニケーシ
2.
2.1
ョンツールでもある。又、顧客の要望を理解して
研修内容
システムの仕様にまとめたものであると同時に、
株式会社 SCC インターンシップ
平成 20 年度株式会社 SCC インターンシップでは、
「要望をシステムがどのように実現するのか」を
8 月 19 日から 9 月 2 日までの約 2 週間で行われた。
顧客に理解してもらうための資料である。図2は
株式会社 SCC は、システムの提案から運用設計・保
基本設計書を作成する際のプロセスである。
守設計に至るまで、顧客の目標達成と問題解決のト
基本設計書作成において、整合性を取るために、
ータルソリューションシステムを提供する SI 事業、
チーム内での共通認識や、共通目標を定めておき、
インターネットコンテンツ事業や情報メディア事業
同一の価値観を持つことが大事であるということ
も手掛ける IT 企業である。
を学んだ。そのためには、自分の意見と他人の意
インターンシップの内容は、SE の仕事を体験する
見とをすり合わせ、お互い議論しながら、共通認
模擬体験型であった。SCC でのシステム開発実例を課
識や理解度を深めていかなければいけないと感じ
題として、顧客が抱えている問題を解決するソリュ
た。
ーションシステムの提案・システム開発の上流工程
私たちのチームで作り上げた基本設計書は、SCC
(要求定義書、基本設計) を 5~6 名のプロジェクト
社員の審査のもと見事最優秀チーム賞を獲ること
チームを構成して体験するものだった。図1は、イ
が出来た。これは、チーム内でのコミュニケーシ
ンターンシップスケジュール表である。
ョンが絶えずあり整合性のとれた設計書だからだ
といえる。また、閲覧者に見やすく工夫し、相手
141
の立場で考えて作成したからである。この場にお
何かをするのかではなく、先生方から与えられた
いてもコミュニケーションスキルの重要性を再認
課題をこなすだけであった。しかし、社会では、
識することができた。図3は、優秀賞チーム賞で
何事も自ら考えて取り組まなくてはならないこと
頂いた賞状である。
を学んだ。このことは、今から実行していかなく
てはならないことだと気付かされた。
4.
研修の感想
今回はプロジェクトチームでの開発であったが、
私たちのチームは個性豊かなチームであった。そ
れぞれがいいところを持ち合わせており、結果的
にそれぞれの仕事分担が自分のいいところを引き
出せる担当に割り振られたといえる。チーム内で
もコミュニケーションスキルが重要であることが
わかった。チーム内で同時の作業を進めると基本
設計書における整合性の欠如が浮き彫りになって
くる。チーム内での意志の疎通ができていないと、
図2.基本設計書作成プロセス
基本設計書における整合性をとるのは難しいと感
じた。
最終日を迎えた時は、いままでお互いに試行錯
誤を繰り返し、難関に立ち向かった仲間と別れる
のは悲しかった。又、彼らとは社会に出てからも
連絡をとり長い付き合いの仲間になれば幸いであ
る。株式会社 SCC の社員の方々にも感謝の気持ち
でいっぱいであり、今回の経験はかけがえのない
宝になった。
図3.最優秀チーム賞の賞状
3.研修の結果得たもの
今回インターンシップに参加し、いろいろな大学
や学年の人たちと互いに考え合い、意見交換するこ
とで、私自身にとっても刺激的な2週間を過ごすこ
とができた。大学で学んできたデータベース設計や
UML などを活かせたことは今までにない経験となっ
た。このことは、これから勉強していく事の活力に
なるとともに、授業で学んできたことがいかに重要
であるかという事を再認識することへとつながった。
実習期間中には、社員の方々と話す機会があった。
そこで感じたことは、仕事に対する誇り、積極性
や常に利用者の立場を考えることである。私は、
今まで学生として過ごしてきたため、自ら進んで
142
平成20年度
インターンシップ実施アンケート
集計結果
JIPC
平成20年12月
特定非営利活動法人 日本インターンシップ推進協会
Japan Internship Promotion Consortium
143
インターンシップ実施学生のアンケート回収状況
会員大学において、本年度インターンシップに参加した学生を対象として、その実態把握を目
的とした「アンケート」調査をお願いした。協力していただいた各大学の回収状況は以下の通
りである。
大学名
数
1
神奈川工科大学
6
2
共立女子大学
4
3
工学院大学
21
4
静岡大学
80
5
首都大学東京
1
6
湘南工科大学
20
7
聖徳大学
8
8
専修大学
14
9
創価大学
32
10 拓殖大学
20
11 東京家政学院
39
12 東京経済大学
22
13 東京女学館大学
21
14 長野大学
24
15 日本大学
73
16 明治大学
39
17 山梨大学
66
18 横浜国立大学
14
計
504
注)本報告のデータは 11 月 25 日まで返送された調査表を使用している。
144
Q1-1
インターンシップの実施学年
大学院博士1年
0.0%
大学院2年生
0.0%
大学院1年生
0.8%
5.8%
4年生
82.7%
3年生
7.3%
2年生
2.8%
1年生
0%
Q1-2
20%
40%
60%
80%
100%
インターンシップの期間
31日以上
6.0%
20~30日
6.2%
16~19日
4.0%
13~15日
13.1%
12日以内
70.0%
0.0%
Q1-3
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
受入機関における報告等の形態(複数回答)
特になし
面談 16.5%
6.3%
座談会 11.3%
発表会 44.0%
レポート
0.0%
51.2%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
145
50.0%
60.0%
Q2
インターンシップに参加した目的[動機](複数回答)
⑩
2.4%
⑨
54.4%
⑧
18.3%
⑦
14.5%
⑥
18.7%
⑤
④
13.5%
6.0%
③
58.3%
②
74.0%
①
0.0%
30.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
①将来のキャリアを開発するため
②社会体験をしたかったため
③自分に合った就職先を考えるため
④学校で学んだ専門を生かすため
⑤面接や履歴書などで就職に有利であると考えて
⑥必修科目であるから
⑦必修ではないが、単位をもらえるため
⑧自分の力を試すため
⑨自分の意識・レベルを上げるため
⑩その他
146
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
Q3-1
受入先を選択した経緯(機会)
9.1%
⑦
3.0%
⑥
28.2%
⑤
14.7%
④
34.3%
③
2.8%
②
11.3%
①
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
①自分でホームページ(協議会等団体)
②自分でホームページ(個別企業)
③大学の掲示板で知って
④マッチング会に参加し面談して
⑤大学の先生の紹介で
⑥友人の紹介で
⑦その他
Q3-2
決定したのは何社目か?
それ以上
0.0%
5社目
0.2%
1.2%
4社目
3社目
2社目
3.0%
9.1%
77.6%
1社目
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
147
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
Q4-1
事前教育(ビジネスマナー教育)の受講
22.0%
受講しなかった
76.2%
受講した
0.0%
Q4-2
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
受講した事前教育(ビジネスマナー教育)の主催機関
外部の教育専門機関
5.2%
JIPC
12.5%
自分の大学
84.9%
0.0%
Q4-3
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
後輩に事前教育の受講を勧めるか。
15.6%
どうでもよい
勧めない 1.3%
勧める
0.0%
80.2%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
148
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
Q5 インターンシップの効果[自己評価]
(複数回答)
⑮
1.4%
33.7%
⑭
24.0%
⑬
45.0%
⑫
50.4%
⑪
23.0%
⑩
42.7%
⑨
⑧
6.7%
⑦
35.9%
⑥
36.1%
78.4%
⑤
37.1%
④
24.8%
③
27.2%
②
①
0.0%
20.0%
20.0%
40.0%
60.0%
①自分の将来のキャリアが見えてきた
②今後の勉強の方向がわかってきた
③大学での勉強の重要性を理解できた
④残りの学生生活でやるべきことが見えてきた
⑤実社会の一部に触れ、貴重な社会体験になった
⑥会社のイメージがはっきりしてきた
⑦実務のことがわかり、職業意識が湧いてきた
⑧働くことが苦でなくなった
⑨就職先についてのヒントが得られた
⑩自分の適性が何か、見えてきた
⑪自分を見直す良い機会になった
⑫自分の意識が変わった
⑬責任感・自立心がついたような気がする
⑭自分の甘えがわかった
⑮その他
149
80.0%
100.0%
Q6 インターンシップに対する満足度[自己評価]
全く意義がなかった
0.8%
あまり意義がなかった
1.4%
31.3%
概ね有意義だった
63.5%
非常に有意義だった
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
以上
150
平成20年12月発行
特定非営利活動法人
日本インターンシップ推進協会
〒113-0033
東京都文京区本郷 7-2-8 善美ビル 2F
TEL 03-5840-8522
FAX 03-5840-8523
E-mail [email protected]
URL
http://www.jipc.or.jp/
151