第 12 回 社会福祉会計簿記認定試験問題 上級(簿記会計) ◇下欄と解答用紙に受験番号と氏名を記入してください。 ◇受験票を机の通路側に見えるように置いてください。 ◇机の上には筆記用具、電卓、時計、受験票以外は置かないでください。 ◇会場内では携帯電話の電源をお切りください。 ◇解答は楷書で明瞭にご記入ください。文字の判別ができない場合には不正解となる場合があり ます。 ◇解答欄には解答以外の記入はしないでください。解答以外の記入がある場合には不正解となる 場合があります。 ◇試験時間は 10:00 から 12:00 までの2時間です。 ◇途中退室は 11:00 から 11:45 の間にできます。途中退室された場合は再入室することはでき ません。なお、体調のすぐれない方は試験監督係員にお申し出ください。 ◇問題用紙・解答用紙・計算用紙はすべて回収し、返却はいたしません。 ◇問題と模範解答を本日午後5時に、当法人ホームページにて発表します。 ◇合否結果は1月下旬にお送りする予定です。なお、個別の採点内容や得点等についてはお答え いたしかねますのでご了承ください。 受 験 氏 番 名 号 一般財団法人総合福祉研究会 注意事項 ◇この問題用紙及び解答用紙の中では、 「社会福祉法人会計基準」 (平成 28 年3月 31 日/厚生労働省令 第 79 号)と、 「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」 (平 成 28 年3月 31 日/雇児発 0331 第 15 号・社援発 0331 第 39 号・老発 0331 第 45 号)及び「社会福祉 法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」 (平成 28 年3月 31 日/ 雇児総発 0331 第7号・社援基発 0331 第2号・障障発 0331 第2号・老総発 0331 第4号)を総称して、 「会計基準」と表記している。解答に当たっては、平成 28 年9月1日現在の「会計基準」に基づい て答えなさい。 ◇問題は大問1から大問4まであるので注意すること。 ◇数字については算用数字で解答し、マイナスの場合は数字の前に「△」をつけて「△1,000」のよう に記載すること。 ◇次の勘定科目は「社会福祉法人会計基準」に定められた貸借対照表科目及び事業活動計算書科目の一 部である。特に指示のない場合には、解答に使用する勘定科目はこの中から選択すること。 貸借対照表科目 (資産の部) 現金預金 有価証券 事業未収金 未収金 未収補助金 未収収益 貯蔵品 給食用材料 立替金 前払金 前払費用 1年以内回収予定長期貸付金 1年以内回収予定事業区分間長期貸付金 1年以内回収予定拠点区分間長期貸付金 短期貸付金 事業区分間貸付金 拠点区分間貸付金 仮払金 徴収不能引当金 土地 建物 構築物 機械及び装置 車輌運搬具 器具及び備品 建設仮勘定 有形リース資産 権利 ソフトウェア 無形リース資産 投資有価証券 長期貸付金 事業区分間長期貸付金 拠点区分間長期貸付金 退職給付引当資産 長期預り金積立資産 差入保証金 (負債の部) 短期運営資金借入金 事業未払金 その他の未払金 役員等短期借入金 1年以内返済予定設備資金借入金 1年以内返済予定長期運営資金借入金 1年以内返済予定リース債務 1年以内返済予定役員等長期借入金 1年以内返済予定事業区分間長期借入金 1年以内返済予定拠点区分間長期借入金 1年以内支払予定長期未払金 未払費用 預り金 職員預り金 前受金 前受収益 事業区分間借入金 拠点区分間借入金 仮受金 賞与引当金 設備資金借入金 長期運営資金借入金 リース債務 役員等長期借入金 事業区分間長期借入金 拠点区分間長期借入金 退職給付引当金 長期未払金 長期預り金 (純資産の部) 基本金 国庫補助金等特別積立金 その他の積立金 次期繰越活動増減差額 事業活動計算書科目 (収益の部) 介護保険事業収益 老人福祉事業収益 児童福祉事業収益 保育事業収益 就労支援事業収益 障害福祉サービス等事業収益 生活保護事業収益 医療事業収益 経常経費寄附金収益 借入金利息補助金収益 受取利息配当金収益 有価証券評価益 有価証券売却益 投資有価証券評価益 投資有価証券売却益 受入研修費収益 利用者等外給食収益 為替差益 雑収益 施設整備等補助金収益 設備資金借入金元金償還補助金収益 施設整備等寄附金収益 設備資金借入金元金償還寄附金収益 長期運営資金借入金元金償還寄附金収益 固定資産受贈額 車輌運搬具売却益 器具及び備品売却益 事業区分間繰入金収益 拠点区分間繰入金収益 事業区分間固定資産移管収益 拠点区分間固定資産移管収益 徴収不能引当金戻入益 (費用の部) 役員報酬 職員給料 職員賞与 賞与引当金繰入 非常勤職員給与 退職給付費用 法定福利費 給食費 介護用品費 保健衛生費 医療費 被服費 教養娯楽費 日用品費 保育材料費 本人支給金 水道光熱費 燃料費 消耗器具備品費 保険料 賃借料 教育指導費 就職支度費 葬祭費 車輌費 福利厚生費 職員被服費 旅費交通費 研修研究費 事務消耗品費 印刷製本費 修繕費 通信運搬費 会議費 広報費 業務委託費 手数料 土地・建物賃借料 租税公課 保守料 渉外費 諸会費 雑費 利用者負担軽減額 減価償却費 国庫補助金等特別積立金取崩額 徴収不能額 徴収不能引当金繰入 支払利息 有価証券評価損 有価証券売却損 投資有価証券評価損 投資有価証券売却損 利用者等外給食費 為替差損 雑損失 基本金組入額 資産評価損 建物売却損・処分損 車輌運搬具売却損・処分損 器具及び備品売却損・処分損 国庫補助金等特別積立金取崩額(除却等) 国庫補助金等特別積立金積立額 災害損失 事業区分間繰入金費用 拠点区分間繰入金費用 事業区分間固定資産移管費用 拠点区分間固定資産移管費用 その他の特別損失 基本金取崩額 その他の積立金取崩額 その他の積立金積立額 1 (20 点) 以下の文章のうち、会計基準の規定に照らして正しいものには○、間違っているものには×をつけな さい。 (1)支払資金としての流動資産及び流動負債は、1年基準により固定資産又は固定負債から振り替え られたもの、引当金並びに棚卸資産を除く。 (2)資金収支計算書の流動資産評価損等による資金減少額には、有価証券売却損、有価証券評価損を 含む資産評価損、為替差損、徴収不能額が含まれる。 (3)固定資産の寄附を受領した際には、取得時の時価(当該資産の取得のために通常要する価額)に より、資金収支計算書の施設整備等寄附金収入として計上し、併せて事業活動計算書の施設整備等 寄附金収益として計上する。 (4)当期活動増減差額にその他の積立金取崩額を加算した額に余剰が生じた場合には、その範囲内で 将来の特定の目的のために積立金を積み立てることができるが、積立金の積立ては、事業活動計算 書の繰越活動増減差額の部に計上する。 (5)関連当事者との取引の内容について計算書類に注記を付す場合の関連当事者の範囲は、社会福祉 法人の役員とその近親者、役員とその近親者が議決権の過半数を有している法人であり、開示対象 となる役員は、有給の役員に限定されている。 (6)受取手形、未収金、貸付金等の債権については、徴収不能のおそれがあるときは、会計年度の末 日においてその時に徴収することができないと見込まれる額を控除しなければならないが、徴収す ることができないと見込まれる額を債権から直接控除する方法と、徴収不能引当金として貸借対照 表の資産の部に控除項目として記載する方法が認められている。 (7)拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書については、事業の内容に応じて、いずれ か一方の明細書の作成は省略することができる。 (8)基本金の組入れ及び国庫補助金等特別積立金の積立て対象となった基本財産の建物を取り壊して 建て替えた場合には、その事業を廃止していなくとも、取り壊した建物に関して組み入れられた基 本金及び積み立てられた国庫補助金等特別積立金の残高は取り崩すこととなっている。 (9)拠点区分ごとの「計算書類に対する注記」に記載が不要な項目は、継続事業の前提に関する事項、 関連当事者との取引の内容に関する事項、重要な偶発債務である。 (10)財産目録は、会計年度末現在における全ての資産及び負債について、その名称、数量、金額等を 詳細に表示する。 2 (20 点) 次の問いに答えなさい。なお、当該社会福祉法人の過年度及び当年度の会計処理は、適正に行われ ている。 (1)期末(平成 29 年3月)の固定負債の部に表示される借入金の合計額を求めなさい。なお、固定 負債の部には長期運営資金借入金と設備資金借入金以外の借入金は計上されていない。 内 容 金 ① 借入時(平成 26 年9月)の長期運営資金借入金 (期間 10 年、平成 26 年 10 月から毎月元金均等返済) ② 平成 26 年3月末の設備資金借入金 (残期間 84 ヶ月、毎月元金均等返済) 額 14,400,000 円 6,720,000 円 (2)建物取得時の国庫補助金等特別積立金の額を求めなさい。なお、設備資金借入金元金償還補助金 は受けていない。また、当該建物は平成 19 年3月 31 日以前に取得している(残存価額は取得価額 の 10%)ことに留意すること。 内 容 金額等 ① 建物の取得価額 50,000,000 円 ② 取得年月(使用開始は平成 18 年4月) 平成 18 年3月 ③ 償却方法 旧定額法 ④ 耐用年数 40 年 ⑤ 平成 28 年度末日現在の決算修正後の国庫補助金等特別積立金帳簿価額 28,218,750 円 (3)期末の徴収不能引当金の額を求めなさい。なお、事業未収金以外に徴収不能引当金の対象となる ものはなく、徴収不能の可能性が極めて高い債権(以下「個別評価債権」という。)300,000 円のう ち徴収することが不可能な債権額 150,000 円は前年度に徴収不能引当金に計上しており、当年度は 同じく個別評価債権 250,000 円のうち 125,000 円の引き当てを見込んでいる。 内 容 ① 前年度末の徴収不能引当金の額(うち一般債権の引当額 30,000 円) ② 前年度末の事業未収金の額(うち一般債権の額 1,500,000 円) ③ 前年度末の事業未収金の当年度徴収不能額(うち個別評価債権 180,000 円) ④ 当年度末の事業未収金の額(うち一般債権の額 1,750,000 円) ⑤ 過去の一般債権の徴収不能額の発生割合(前期及び当期ともに同割合) 金額等 180,000 円 1,800,000 円 230,000 円 2,000,000 円 各自算定 (4)期末の賞与引当金の額を求めなさい。賞与引当金計上額は、社会保険料事業主負担分を含む方法 で設定している。 内 容 金 額 ① 期首の賞与引当金の額(支給対象期間:前年 12 月~当年5月) 4,600,000 円 ② 当年6月の賞与支給額(別途社会保険料事業主負担額 900,000 円) 6,000,000 円 ③ 当年 12 月の賞与支給額(別途社会保険料事業主負担額 900,000 円) 6,000,000 円 ④ 翌年6月の賞与支給予定額(別途社会保険料事業主負担額 990,000 円) 6,600,000 円 (5)平成 28 年4月1日に、4年6ヶ月使用した乗用車を下取りに出し、下取り額との差額を支払っ て新たな乗用車を購入した。新たに購入した乗用車の初年度の減価償却費を求めなさい。 内 容 ① 下取り車両(新車)の購入価額 (別にリサイクル預託金 20,440 円が計上されている) ② 下取り車両の耐用年数と償却率 ③ 下取り車両の下取り時の売却損(上記リサイクル預託金を含む) ④ 購入車両(中古車:経過年数2年)の購入時の支払額 (うちリサイクル預託金 21,400 円、購入手数料 86,000 円) ⑤ 購入車両の耐用年数と償却率 金額等 5,000,000 円 6年(0.167) 262,940 円 2,107,400 円 4年(0.250) 3 (20 点) 次の各々の取引について仕訳を解答用紙に記しなさい。 (1)所有権移転外ファイナンス・リース取引について、以下の【前提条件】にもとづいて、①簡便法 (利息相当額を定額法により控除する方法) 、②賃貸借取引に係る方法、各々について契約締結時、 第1回目の支払い時、第2回目の支払い時、および1年目の決算時の仕訳をしなさい。ただし、仕 訳が不要な場合には「仕訳不要」と記入すること。 【前提条件】 ☓1年4月1日にリース契約を締結した。 ア.リース期間は5年間とする。 イ.リース料は、毎月 25 日払いで 50,000 円/月の均等額である。 ウ.見積購入価額は 2,700,000 円で、リース料総額の現在価値よりも低い。 エ.所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当するため、減価償却方法は、リース期間を耐 用年数とし、残存価額をゼロとする定額法による。 (2)a社株式、b社株式、c国債につき、 【資料1】 【資料2】にもとづいて、有価証券・投資有価証 券の決算時の仕訳をしなさい。 【資料1】 決算整理前残高試算表の一部 ☓2年3月 31 日 有価証券 5,400,000 円 投資有価証券 5,880,000 円 【資料2】決算整理事項 ア.有価証券は平成☓1年4月に時価の変動により利益を得ることを目的に取得したa社株式であ る。平成☓2年3月 10 日にそのa社株式を 5,000,000 円で売却した。代金は預金口座に振り込 まれていたが、仕訳については一切未処理であった。 イ.投資有価証券のうち 4,000,000 円は、☓1年5月1日に長期保有を目的として購入した、市場 性のあるb社株式であり、期末時の市場価額は 3,800,000 円である。 ウ.投資有価証券のうち 1,880,000 円は、平成☓1年4月1日に満期保有を目的に取得したc国債 (額面 2,000,000 円)である。c国債の償還期限は平成☓4年3月 31 日であり、取得価額と額 面金額の差額が金利の調整と考えられるため、償却原価法(定額法)を適用するものとする。 (3)次の建物に係る【前提条件】にもとづいて、あとの問いに答えなさい。 【前提条件】 ・取 得 日 平成 15 年4月1日 ・取 得 価 額 250,000,000 円 (内訳)寄付金 25,000,000 円 補助金 175,000,000 円 借入金 50,000,000 円 ・減価償却の方法 定額法、残存価額は取得価額の 10%、耐用年数 40 年(償却率 0.025) ・借 償還 20 年 2,500,000 円/年 全額償還補助あり 入 金 ① 平成 28 年度の決算における、国庫補助金等特別積立金の積立て及び取崩しの仕訳をしなさい。 ② 平成 28 年度償還分から償還補助が打ち切られた場合の、平成 28 年度の決算における次の仕訳を しなさい。 ⅰ.国庫補助金等特別積立金の経過期間分の修正 (借方科目は「その他の特別損失」を使用する。 ) ⅱ.ⅰ.に伴う国庫補助金等特別積立金の取崩し (4)公益事業区分で使用していた車両(帳簿価額 3,000,000 円)を、社会福祉事業区分で使用するた め、当該車両を両事業区分間で移管処理をした。移管に伴う仕訳を示しなさい。 4 (40 点) ある社会福祉法人は、本部拠点区分と特別養護老人ホーム拠点区分(以下「特養拠点区分」という。) の2拠点区分からなる法人である。この法人について、次の平成 29 年3月 31 日の本部拠点区分の修 正前精算表、特養拠点区分の修正前精算表及び、<資料1><資料2>を参考にしてこの法人の平成 28 年度社会福祉事業区分資金収支内訳表、社会福祉事業区分事業活動内訳表、社会福祉事業区分貸借 対照表内訳表を完成させなさい。 なお、網掛けしてある「合計欄」 、 「事業区分合計欄」は採点対象としないので記入する必要はなく、 内部取引消去欄にはマイナスを付す必要はない。また、社会福祉事業区分資金収支内訳表に表示され る取引については、<資料1><資料2>に掲載されている取引以外にはない。 修正前本部拠点区分精算表(精算表のうち期末残高のみ記載) (自)平成 28 年4月1日(至)平成 29 年3月 31 日(単位:円) 貸借対照表 科目 現 職 金 員 借方 預 預 り 金 貸方 10,000,000 金 110,000 拠点区分間借入金 1,500,000 前期繰越活動増減差額 7,790,000 当期活動増減差額 600,000 貸 借 対 照 表 合 計 10,000,000 10,000,000 事業活動計算書 経常経費寄附金収益 2,100,000 人 件 費 1,000,000 事 務 費 500,000 当期活動増減差額 600,000 収 益 費 用 合 計 2,100,000 2,100,000 特養拠点区分(精算表のうち期末残高のみを記載) (自)平成 28 年4月1日(至)平成 29 年3月 31 日(単位:円) 科目 現 金 預 金 有 価 証 券 事 業 未 収 金 未 収 補 助 金 貯 蔵 品 立 替 金 徴 収 不 能 引 当 金 土地(基本財産) 建物(基本財産) 構 築 物 車 輌 運 搬 具 器 具 及 び 備 品 ソ フ ト ウ ェ ア 投 資 有 価 証 券 退職給付引当資産 施設設備等積立資産 事 業 未 払 金 1年以内返済予定設備資金借入金 預 り 金 職 員 預 り 金 賞 与 引 当 金 設 備 資 金 借 入 金 退 職 給 付 引 当 金 基 本 金 国庫補助金等特別積立金 施設設備等積立金 前期繰越活動増減差額 当期活動増減差額 貸 借 対 照 表 合 計 介護保険事業収益 経常経費寄附金収益 人 件 費 事 業 費 事 務 費 減 価 償 却 費 受取利息配当金収益 支 払 利 息 施設整備等補助金収益 拠点区分間繰入金費用 当期活動増減差額 収 益 費 用 合 計 貸借対照表 借方 35,890,000 1,000,000 23,500,000 200,000 120,000 100,000 △200,000 50,000,000 720,000,000 5,000,000 3,500,000 15,000,000 600,000 1,000,000 10,500,000 40,000,000 貸方 9,000,000 5,500,000 100,000 500,000 3,000,000 60,500,000 11,000,000 300,000,000 266,750,000 40,000,000 202,290,000 7,570,000 906,210,000 906,210,000 事業活動計算書 130,000,000 200,000 72,000,000 10,000,000 14,000,000 30,000,000 30,000 660,000 5,500,000 1,500,000 7,570,000 135,730,000 135,730,000 <資料1> 本部拠点区分の整理前精算表につき、検討したところ次の事実が判明した。なお、拠点区分間貸付金 と拠点区分間借入金は拠点内では相殺して表示すること。 (1)拠点区分間借入金 1,500,000 円は、全て拠点区分間繰入金収益であることが判明した。 (2)特養拠点区分に計上すべき職員給料 800,000 円を誤って本部拠点区分で支出して職員給料に計上 し、源泉所得税等 80,000 円も本部拠点区分で預かっていた。 <資料2> 特養拠点区分の整理前精算表につき検討したところ、次の事実が判明した。なお、拠点区分間貸付金 と拠点区分間借入金は拠点内では相殺して表示すること。 (1)立替金は、すべて本部拠点区分の会議費であることが分かったが、本部拠点区分ではこの件につ き未処理であった。 (2)投資有価証券に計上されている 1,000,000 円の期末時点の時価は 700,000 円である。なお、この 投資有価証券は満期保有目的の債券ではない。 (3)都道府県退職共済掛金の法人負担額 2,500,000 円のうち 2,000,000 円は適正に処理されていた が、500,000 円については退職給付費用に計上されていた。 (4)徴収不能引当金は前期末残高のまま未処理である。今期になって事業未収金のうち前期末残高 100,000 円が徴収不能となったが、この処理がされていない。また、期末の事業未収金残高に対 する徴収不能引当金を 120,000 円とする処理が漏れていた。 (5)平成 28 年4月に導入した大型食洗器のリース取引につき検討したところ、リース総額が 3,600,000 円、リース期間5年間であるにもかかわらず、売買処理をしていなかったので、売買処理をする。 ただしリース総額に重要性が乏しいので、リース総額から利息相当額の合理的な見積り額を控除 しない方法により処理をする。なお、このリース契約については、平成 28 年4月支払い分から 毎月 60,000 円が事業費の賃借料として処理されていた。 (6)平成 28 年 10 月にパソコン(時価 150,000 円)の寄附を受けたが、この処理がこのパソコンの減 価償却費の計上とともに未処理であった。パソコンの耐用年数は4年で定額法の償却率は 0.250 である。 (7)減価償却費は(5)のリース資産及び(6)のパソコン以外は、適正に処理されている。なお、 (8)の車両については、現状において計上した取得価額(3,200,000 円)をもとに処理されて いる。 (8)平成 28 年 10 月に送迎用車両(耐用年数6年 定額法償却率 0.167)を購入したが、下取り代金 を差し引いて支払った金額である 3,200,000 円で資産計上をしており(社会福祉事業区分資金収 支内訳表に車輌運搬具取得支出 3,200,000 円計上) 下取りに出した車両 (取得価額 3,000,000 円、 下取り時帳簿価額 500,000 円)を 1,000,000 円で下取りしてもらった処理が漏れていた。なお、 今期において車両の購入・下取りはこの取引以外にはなかった。 (9)貯蔵品に計上されている紙おむつは期末に棚卸したところ、50,000 円分しかなかった。 (10)建物にかかる国庫補助金等特別積立金の積立て及び取崩しの仕訳が今期は未処理であるが、前期 まではこの処理は適正に処理されていた。その処理に必要な情報は以下の通りである。なお、特 養拠点区分の国庫補助金等特別積立金は、全額基本財産の建物にかかるものである。 取 取 得 得 価 日 平成 21 年4月1日 額 900,000,000 円 取得資金調達内訳 減 価 借 償 入 自己資金 490,000,000 円 借入金 110,000,000 円 補助金 却 定額法 耐用年数 40 年(償却率 0.025) 金 20 年償還 300,000,000 円 平成 21 年度から毎年 5,500,000 円の全額償還補助あり (11)当期の年間賞与支給額は 15,000,000 円であったが、支給時に賞与引当金の取崩処理をしていな いので、賞与引当金の今期末残高は前期末と同金額が計上されている。平成 29 年7月の賞与支 給予定額は 7,000,000 円であり、この賞与の支給対象期間は1月から6月であるが、賞与引当金 の計上処理が漏れている。 (12)特養拠点区分に計上されている期末帳簿価額 110,000 円の会議用テーブル(減価償却費は正しく 計上済み)は、本部拠点区分に期末に移動したがこの事実が未処理であった。 (13)設備資金借入金については、平成 21 年度より毎年 5,500,000 円ずつ返済されており、今期も同 様である。
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