アニュアルレポート(全文) - 企業・IR・採用・資材調達

CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY JR東海 アニュアルレポート 2016
CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY
アニュアルレポート 2016
平成 28(2016)年 3 月期
CENTRAL JAPAN RAILWAY
プ ロ フィー ル
東 海 旅 客 鉄 道 株 式 会 社( J R 東 海 )は 、国 鉄 改 革により昭 和 6 2
(1987)年4月に誕生して以来、一貫して東京~名古屋~大阪という
日本の大動脈の新幹線輸送、そして名古屋、静岡を中心とした東海地
域の在来線輸送を担うとともに、鉄道事業との相乗効果が期待でき
る分野を中心に関連事業を展開しています。
また、将来にわたりその使命を果たすため、超電導リニアによる中
収益構造
▶
その他
経営理念
運輸業
%
Ⅲ. 明るくさわやかで活力のある社風の樹立
単 体
によって築きあげられる。
3.
確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である。
4.
安全の確保のためには職責をこえて一致協力しなければならない。
5.
疑わしいときは手落ちなく考えて最も安全と認められるみちを
87.8
会社概要
*E n v i r o n m e n t a(
l 環 境 )、S o c i a(
l 社 会 )、
Governance(企業統治:ガバナンス)。企業が
営業エリア・
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・ 46
そのことを評価して投資する株主の存在が、地
沿革・
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・ 4 7
に、資本市場の健全な育成・発展につながり、持
重点施策と関連設備投資・
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・ 10
業績概要・
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・ 48
います。
安全・安定輸送の確保・
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・ 14
財務ハイライト(連結・単体)
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・ 50
輸送サービスの充実・
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・ 18
その他関係資料・
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・ 51
重点施策・経営戦略
▶
参考資料
ESGの課題に適切に配慮・対応すること、また、
球環境問題や社会的な課題の解決・改善、さら
続可能な社会の形成に寄与すると考えられて
出典:東京証券取引所
「ESGで企業を視る」
【見通し等に関する注意事項】
本誌に記載されている将来の計画や見込み数値
等は、当社が現在入手可能な情報に基づく見通
財務・輸送の状況・
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・ 52
しであり、
リスクや不確実性を含んでいます。潜
事業環境・
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・54
や事業環境、消費動向、当社及び子会社におけ
在的なリスクや不確実性の例としては、経済動向
鉄道事業者の国際比較・
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・5 4
る他社との競合状況、法律や規制等の変更など
技術開発・技術力強化への取組み・
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・ 28
JR3社の財務データ比較・
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・ 56
(2016)年5月末までの情報に基づき作成され
高速鉄道システムの海外展開・
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・ 29
株式情報・
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・57
●金額は単位未満を切り捨て、その他の数値は
関連事業の着実な推進・
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・ 30
東海道新幹線
▶
社長インタビュー・・
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・ 8
営業施策の強化・
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・ 26
0.6%
運輸雑収等 4.0%
在来線 7.6%
1.
安全は輸送業務の最大の使命である。
2.
安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練
2016
プロフィール・組織図・
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・ 45
超電導リニア技術のブラッシュアップ
及びコストダウン・
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・ 24
関連事業
安全綱領
マネジメント・レター
超電導リニアによる
中央新幹線計画の推進・
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・ 22
Ⅰ. 健全な経営による世の中への貢献
Ⅱ. 近代的で愛され親しまれ信頼されるサービスの提供
アニュアルレポート
ご挨拶・
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・ 6
▶
77.4
央新幹線の早期実現に向けた諸準備を着実に推進しています。
東海旅客鉄道株式会社
目次
連 結
7.1%
不動産業 2.2%
流通業 13.3%
COMPANY
▶
が挙げられます。なお、本誌は、原則として平成28
ています。
単位未満を四捨五入して表示しています。
ESG*情報
地球環境保全・
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・ 32
%
採らなければならない。
人材育成・
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・ 36
地域社会とのつながり・
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・ 37
コーポレート・ガバナンス・
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・ 38
注1:連結の比率は外部売上高に基づく
注2:端数処理により、内訳の合計が100%にならない場合があります。
取締役、監査役及び執行役員・
・
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・
・ 44
東海旅客鉄道株式会社 2016
1
CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY
マーケットエリアの特徴・輸送力
東海旅客鉄道株式会社
アニュアルレポート
2016
世界に比類のない都市間輸送マーケットにおいて、圧倒的なプレゼンスを示す
「東海道新幹線」
当社の営業エリアにおいて圧倒的なシェア
マーケットシェア※1
(対航空)
鉄道
JR東海
100%
東京
※2
※2
東京圏∼名古屋圏
(73千人/日)
営業エリア
JR西日本
名古屋
85%
※2
航空
大阪
岡山
広島
博多
15%
東京圏∼大阪圏
(136千人/日)
東京圏∼岡山
(9千人/日)
広島
福岡
岡山
名古屋
大阪
東京圏∼広島
東京
(15千人/日)
東京圏∼福岡
69%
67%
31%
33%
10%
90%
(29千人/日)
(参考例)
東海道新幹線の
営業キロ
(参考 ※3 )
東京〜名古屋
ニューヨーク〜
ワシントンD.C.
(LGA-IAD)
366.0km
369 km
東京〜新大阪
ロサンゼルス〜
サンフランシスコ
(LAX-SFO)
552.6 km
542 km
東京〜博多
ニューヨーク〜
シカゴ
(LGA-ORD)
1,174.9 km
1,180 km
※1 マーケットシェア:平成27
(2015)
年3月期旅客地域流動調査
(国土交通省)
をベースに当社が算出
※2 東京圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、名古屋圏:愛知県、岐阜県、三重県、大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
※3 U.S. Department of Transportation ウェブサイトより
日本の人口及び経済活動は
東京圏〜名古屋圏〜大阪圏間に集中
世界の都市間輸送を凌駕する輸送量
※1
当社マーケットエリアが日本全体に占める割合
世界の輸送機関との比較
1日あたりの輸送力の推移(東京圏〜大阪圏における東海道新幹線と航空の比較)
当社マーケットエリア
23.7
76.3%
%
面 積
(千人/日)
その他
[東京─新大阪]
60.1
39.9%
%
人 口
64.5
ユーロスター
アセラエクスプレス
35.5%
%
[ボストン─ワシントンD.C.]
東海道新幹線
(万席)
40
35万席
0
50
100
(%)
【出典】
当社マーケットエリアは以下の都府県を対象として計算
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、静岡県、山梨県、長野県、愛知県、三重県、岐阜県、滋賀県、大阪府、
京都府、兵庫県、奈良県
人口:総務省
「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
県別総生産:内閣府
「県民経済計算」
2
東海旅客鉄道株式会社 2016
(参考)航空
[ニューヨーク─シカゴ]
※1
約
28
9
※1
12倍
20
約
※2
10
(名目GDP)
[平成26
(2014)
年3月期]
航空
30
[ロンドン─パリ/ブリュッセル]
[平成27
(2015)
年1月1日]
県別総生産
445
東海道新幹線
[平成27
(2015)
年10月]
主要区間である東京圏〜大阪圏で圧倒的なキャパシティを確立
11
※3
※3
【出典】
※1 Eurotunnelウェブサイトより当社が算出(2015.
1-2015.12)
※2 National Fact Sheet: FY 2015
(Amtrak)
より当社が算出
※3 U.S. Department of Transportation ウェブサイトより当社が算出
(2014.12-2015.11)
※2
約3万席
0
’07.3
’08.3
’09.3
’10.3
’11.3
’12.3
’13.3
’14.3
‘15.3
’16.3
※1 東海道新幹線:各年度において東京駅、新大阪駅間を直通運転した
「のぞみ」
「ひかり」
の提供座席数
(臨時列車を含む)
※2 航空:平成18
(2006)
〜平成27
(2015)
年度特定本邦航空運送事業者に係る情報
(国土交通省)
をベースに当社が算出
東海旅客鉄道株式会社 2016
3
CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY
競争力強化の取組み
東海旅客鉄道株式会社
アニュアルレポート
東海道新幹線の将来の経年劣化や大規模災害に対する
抜本的な備え
輸送サービス
220km/hから270km/h、そして285km/hへと最高速度を向上。
車両・地上設備への投資により、最速列車
「のぞみ」
の運転本数を順次
平成 29
(2017)
年度
増加。1時間当たり
「のぞみ」
を上り下りとも最大10本まで運転できる
●
体制を確立。最新技術を取り入れた新型車両を継続的に投入。
N700S確認試験車の完成
(予定)
平成 31
(2019)
年度
●
日本の大動脈輸送の二重系化が必要
全ての車両が最高速度285km/hで
走行可能なN700Aタイプに統一
超電導リニアによる圧倒的な時間短縮効果で、
3大都市圏が一つの巨大都市圏となる
(予定)
旅客サービス
活動範囲の広域化によりビジネスの進め方、余暇の過ごし方など
ライフスタイルが大きく変化し、様々な可能性が広がる
東海道新幹線の基幹サービスとして、ネット予約サービス
「エクスプレ
ス予約」の対象区間・ラインナップを拡大。チケットレス乗車サービス
EX-ICにより、利便性をさらに向上。平成29(2017)年夏に導入予定
○営業速度
平成 26
(2014)
年度
の新しいネット予約・チケットレス乗車サービスでは、ライトユーザー
や訪日外国人もターゲットに利便性を向上。
●
○所要時間(最速)
東京都〜名古屋市
500km/h
最高速度285km/hへの速度向上
平成 25
(2013)
年度
●
東京都〜大阪市
40分
67分
○第一段階(品川駅〜名古屋駅)
ほぼ全ての時間帯で1時間当たり
1時間26分※
東海道新幹線
最大で
「のぞみ」
10本のダイヤ改正
40分
中央新幹線
(超電導リニア)
平成 24
( 2012)
年度
1.利用登録
N700Aの営業運転を開始
●
●
平成 19
(2007)
年度
新大阪駅ホーム増設
平成 29
(2017)
年度
●
N700系の営業運転を開始
●
平成 26
(2014)
年度
東海道新幹線品川駅開業
●
東海道新幹線 の 全列車 の
●
平成 24
(2012)
年度
最高速度を270km/h化
「プラスEX-IC」
サービス開始
●
平成 19
( 2007)
年度
「EX-IC」
サービス開始
●
2.予約
「エクスプレス予約」
●
サービスの区間を東海道・
中央新幹線計画概要
タッチ!
クレジット
カード
当社が開発してきた超電導リニアにより、当社の自己負担で実現。健全経
営と安定配当の堅持を前提とし、まずは東京都から名古屋市まで、さらに
大阪市まで実現。開業後は当社が東海道新幹線と一元的に経営。
交通系ICカード
乗車サービス開始
(予定)
東海道新幹線開業50周年記念
旅行商品発売
安定配当の堅持
当社の配当に対する考え方は、
従前より一貫して、安定配当を
継続することを基本に、各期の
経 営 環 境 、業 績を踏まえて具
平成 18
(2006)
年度
※平成28(2016)年3月ダイヤ改正時点(最速列車による到達時間)
3.乗車
東海道新幹線の新しい
ネット予約・チケットレス
平成 15
( 2003)
年度
●
2016
体的な配当額を決定するとい
う方針です。
年間配当
(円/年)
140
120
100
80
60
50 50
50
50
50
50
55
65
75
85
90
90
90
95
105
当期純利益(単体)
125
115 120
130
(億円)
40
20
0
’99.3
’02.3
’05.3
’08.3
’11.3
’14.3
’16.3
’17.3
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
計画
山陽新幹線全線に拡大
4
東海旅客鉄道株式会社 2016
東海旅客鉄道株式会社 2016
5
President
ご 挨Intervew
拶
マネジメント
・レター
マネージメントレター
マネ ジメント・レター
JR東海アニュアルレポート2016を
お読みいただく皆様へ
当社は、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務
効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在
来線網を一体的に維持・発展させるという使命を、長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けていくことを
基本方針としています。
当社グループの中核をなす鉄道事業においては、長期間にわたる多額の設備投資や技術開発が不可欠
社は、日々の鉄道運営においてより質の高いサービスを提供していくと同時に、経営基盤の強化を図りなが
代表取締役会長 山田
ら、中長期的なプロジェクトを計画的に推進しています。
安全対策
一方、山梨リニア実験線では、営業線仕様の車両及び設備に
ご利用いただける新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サー
より、
2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施
ビスについて、平成29
(2017)
年夏のサービス開始に向けた準備を
することなどにより、営 業 運 転に対 応した保 守 体 系 の 確 立に向
康英
鉄道以外の事業について
鉄道以外の事業については、
JRゲートタワー計画について、本格
着実に進めます。さらに、京都、奈良、東京、飛騨に加え、サミット開催
けた検 証を行うとともに、さらなる超 電 導リニア技 術 のブラッ
化する内装・設備工事等を着実に推進し、平成28
(2016)
年11月の
で注目の集まる伊勢志摩等を対象とした魅力ある商品設定や観光
シュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り
オフィス入居開始、平成29
(2017)
年4月の商業施設
「タカシマヤ
鉄道事業においては、東海道新幹線における土木構造物の健全
キャンペーンの展開、海外からのお客様を対象とした商品販売の促
組 みます。また、
「 超 電 導リニア体 験 乗 車 」を引き続き計 画 的に
ゲートタワーモール」
「
、名古屋JRゲートタワーホテル」
等の全面開
性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模
進やご案内の強化など、積極的に営業施策に取り組みます。
実施します。
業に向けて、営業・宣伝活動に積極的に取り組むなど、万全の準備
改修工事を着実に進めます。また、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対
旅客関連設備については、品川駅・新横浜駅における可動柵の
なお、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、建
を行います。また、駅ビル事業や流通事業の活性化に取り組むな
策、在来線の高架橋柱等の耐震化や浜松工場、名古屋工場、駅舎等
追加設置工事を進めます。また、駅におけるエレベーター・多機能
設・運営・保守など全ての場面におけるコストについて、社内に設
ど、当社グループとしての一層の収益力強化に取り組みます。
の建替・耐震補強工事等の地震対策を着実に推進します。また、関係
トイレの設置や内方線付き点状ブロックへの取替等のバリアフ
置した
「中央新幹線工事費削減委員会」
で検証し、安全を確保した
機関とも連携しつつ実践的な訓練を実施することにより、自然災害
リー設備の整備を引き続き推進します。
上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配
3
分の最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
地球環境問題について
超電導リニアによる中央新幹線については、当社の使命であり
4
東海道新幹線については、
「のぞみ10本ダイヤ」
を活用して、お客
経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ高速鉄道の
技術力の強化については、新幹線の次期車両等について、最新
様のご利用の多い時期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な
運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり
の技術を取り入れた開発を推進するとともに、状態監視技術等を
列車設定に引き続き取り組みます。また、
N700A
(2次車)
の投入を
確保していくため計画しているものです。
活用した保守の高度化、省力化や、大規模改修工事、地震対策、設
引き続き進めるとともに、
技術開発成果を反映させた新たなN700A
同計画については、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性を発
備の維持更新等におけるコストダウンにつながる技術開発をさら
(3次車)
の投入を開始します。さらに、
より一層のセキュリティ向上
揮しながらプロジェクトの完遂に向けて着実に取り組みます。中央
に進めます。また、昨今の異常気象を踏まえ、土砂災害等の発生を
以上のように、鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優
新幹線品川・名古屋間の工事実施計画
(その1)
については、地域と
より的確にとらえる技術開発を進めます。
先に、各種施策を着実に推進し、長期にわたる安定的な経営基盤
2
輸送サービスの強化
技術力の強化・海外事業展開
地球環境問題については、鉄道本来の地球環境への優位性をア
ピールするとともに、引き続き大幅な省エネルギーの実現を可能と
するN700Aの投入等の地球環境保全に資する諸施策を進め、
日常
の業務遂行にあたっても省資源・省エネルギーに取り組みます。
在来線については、ご利用が好調な「しなの」、
「 ひだ」等の特急
の連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行す
海外におけるプロジェクトについては、高速鉄道の米国テキサス
の確保・強化に取り組み、配当については安定配当を継続できるよ
列車について、需要にあわせ弾力的に増発や増結を行います。ま
るとともに、工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネ
プロジェクトに対する技術支援等を進めるとともに、超電導リニア
う、努力していきます。
た、自由通路及び橋上駅舎化の計画を引き続き進め、草薙駅、新
ル、品川駅、名古屋駅をはじめ、必要な準備が整ったところについ
システムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動、台
所原駅、高山駅、春日井駅で順次供用を開始します。
て、工事の安全と環境の保全を重視し、工事を着実に進めます。さ
湾高速鉄道における技術コンサルティングを引き続き進めます。ま
営業施策については、エクスプレス予約、プラスEXについて観光
らに、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に向
た、
「 Crash Avoidance
(衝突回避)
」
の原則に基づく日本型高速
型商品の販売等の取組みを強化するとともに、
「50+」
とあわせて観
けて取り組みます。
鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。
東海旅客鉄道株式会社 2016
参考資料
を図るため、客室内等への防犯カメラ増設工事に着手します。
超電導リニアによる中央新幹線の推進
会社概要
等の異常時への対応力強化や、駅や車内等の安全確保に努めます。
6
光需要の喚起を図ります。また、
エクスプレス会員以外のお客様にも
代表取締役社長 柘植
ESG情報
1
鉄道事業について
佳臣
重 点 施 策・経 営 戦 略
です。このため、短期的な収益性よりも、長期的展望に基づいて事業運営を行うことが極めて重要です。当
代表取締役会長 山 田
佳臣
代表取締役社長 柘 植 康 英
東海旅客鉄道株式会社 2016
7
マネジメント
・レター
マネージメントレター
President
Intervew
社
長 インタビュー
日本の大 動 脈 輸送を担う
経営
JR東 海とはどんな会社ですか。
経営で最も大切にしていることは何ですか。
当社グループは鉄道事業を中核とした事業運営を行っていま
会社を維持し、成長させていくために、
「 安全」
「 技術」
「 人」の3つ
す。鉄道事業においては、安全・安定輸送の確保を最優先に、日
本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を
一体的に維持・発展させていくことを使命としています。この使
命を長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けていくことが最
マネ ジメント・レター
経営
使 命を果たし続ける
の力を高めていくことです。
最も重要なものが「安全の力」
です。大事故を起こせば、これま
で積み上げた会社への信頼が一気に失われ、中央新幹線計画の
推進どころか会社の存立すら危うくなります。
鉄道事業は、長期間にわたる多額の設備投資や技術開発が
東海道新幹線の安全性は、開業以来50年以上にわたり乗車中
不可欠です。このため、短期的な収益性よりも、長期的展望に
のお客様死亡事故ゼロという高いレベルにあります。これを如何
基づいて事業運営を行うことが極めて重要です。
に維持し、さらにレベルを上げるか、それこそがJR東海の経営の
重 点 施 策・経 営 戦 略
も重要です。
代表取締役社長
根幹です。そのためにも
「技術の力」
をさらに磨き上げ、そして鉄道
を動かす
「人の力」
を磨き満足感を高めることによって、規律ある
日々の鉄道運営を実現していこうと考えています。
Q.
A.
1
ここまで 日 本 経 済 が 概 ね 底 堅く推 移して き たという
■
こともありますが 、中 長 期 的な視 点で取り組 んできた
Q.
A.
3
3
様 々な 競 争 力 強 化 施 策 が 実を結 んできていると考え
N700系以来のフルモデルチェンジとなる次期車両の
■
Q.
A.
名称を、
「N700S」
と命名します。
5
5
■
たが、そうした取組みを前提としても、現在の輸送力を可
また、徹底した機器の小型・軽量化により、床下機器配置
「標準車両」
を実現します。
新大阪駅のホーム増設や折り返し設備増強等に5年以上
■
の時間がかかりました。また、継続的な新型車両の投入や、
「EXサービス※」
をはじめとした営業施策の充実も現在の
新幹線の高いサービスレベルを支えています。
A.
名古屋~大阪)を結ぶ高速鉄道の運営という当社設立
7
7
A.
2
2
では、東海道新幹線の今後の中長期的な
サービス向上策はどのようなものですか。
■
東海道新幹線
引き続き当社の使命を全うするため、東海道新幹線の
「安全」
「正確」
「快適」
「高速」
「 高 頻 度・大 量 」といった
A.
4
4
関連事業
関連事業ではJRゲートタワー計画を着実に進めるとと
もに、既存事業のさらなる収益拡大につなげていきた
いと考えています。
平成12(2000)年に開業したJRセントラルタワーズは
すでに名古屋のランドマークとして定着し、中部圏の経
現在この役割を果たしている東海道新幹線は開業から
済発展に大きく貢献してきました。
50年以上が経過し、将来の経年劣化や大規模災害に対
する抜本的な備えを考えなければならない時期にきてい
■
そのタワーズに隣接して建設しているJRゲートタワーは平
最初の編成を平成30(2018)年3月頃までに製作し、
ます。また、東日本大震災を踏まえ、大動脈輸送の二重系
成27
(2015)
年12月に上棟し、平成28
(2016)
年11月の
次期営業車両(量産車)
に反映する新技術の最終確認を
化により災害リスクに備える重要性がさらに高まってい
オフィス開業や、平成29
(2017)
年4月の
「タカシマヤ ゲー
行うために確認試験車として使用します。その後は、新
ます。そこで、その役割を代替する中央新幹線について、
トタワーモール」
及び
「名古屋JRゲートタワーホテル」
開業
幹線のさらなるブラッシュアップを目指し、技術開発を
自己負担を前提に、当社が開発してきた超電導リニアに
推進する試験専用車として活用します。なお、次期営業
より可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経
車両(量産車)は、平成32(2020)年度を目途に投入す
営していくこととしています。
に向け、
工事が順調に進んでいます。
オフィスのリーシングは順調に進んでいます。また、商業施
■
設・ホテルは営業・宣伝活動を本格化するなど、万全の準備
を行っていきます。
在来線の利用拡大に向けた
取組みについて教えてください。
■
在来線
在来線については、新型車両の投入、フリークエンシー
の向上等のサービス向上を着実に進めてきました。ご利
Q.
A.
6
6
中央新幹線
中央新幹線計画のリスク要因と
その対処方法はどのように考えていますか。
■
中央新幹線の建設期間は長期に及ぶことから、景気、金
利、物価、労務費、地価の変動など経済情勢の変動は当
Q.
A.
8
8
配当の考え方を教えてください。
■
配 当
当社の配当に対する考え方は、長期的な視点に立って
経営を行う鉄道事業の性格から、従前より一貫して、安
優位性をさらに磨き上げ、お客様の利便性を高めてい
用が好調な
「しなの」、
「ひだ」等の特急列車について多客
然あり得るものと考えていますが、収益力の強化、業務
定配当を継続することを基本に、各期の経営環境、業績
きます。
期や沿線イベントなどの需要にあわせ弾力的に増発や増
運営の効率化、低コスト化による経営基盤の強化、さらに
を踏まえて具体的な配当額を決定するという方針です。
輸送面では需要にあわせたより弾力的な列車設定を続
結を行うほか、地域との連携を強化し、鉄道のご利用拡
中央新幹線の工事費自体のコストダウンの深度化にも取
けるとともに、最新型のN700Aの追加投入や285km/h
大に努めます。
り組んでいきます。引き続き、当社は民間企業として、経
■
営の自由と投資の自主性の確保を前提に、健全経営と安
利用促進を目的に、当社沿線の数ある観光資源をご紹介
定配当を堅持して、柔軟性を発揮しながらプロジェクトの
入に取り組んでいきます。
する
「Shupo[シュポ]」
キャンペーンや、当社の駅を起点
完遂に向け着実に取り組んでいきます。
また、平成28(2016)年6月には、次期車両の製作等に
に沿線の観光スポットを歩いて巡る参加費無料の「さわ
ついて発表しました。
やかウォーキング」
を展開しています。
■
東海旅客鉄道株式会社 2016
■
■
中 央 新 幹 線 の 建 設 期 間 中も開 業 後もこのスタンスは
参考資料
地域との連携強化という観点では、在来線特急列車のご
とした新しいネット予約・チケットレス乗車サービスの導
運転の拡大などに、営業面ではより広範なお客様を対象
8
Q.
■
■
る方向で検討を進めています。
Q.
関連事業での取組みはどうですか。
JRゲートタワーも開業間近ですね。
会社概要
※「EXサービス」は、
JR東海とJR西日本が提供する
「エクスプレス予約」、及びJR東海が
提供する
「プラスEX」
を指します。
中央新幹線計画は、首都圏~中京圏~近畿圏(東京~
■
■
の最適化を図ることで、様々な編成長の車両に適応可能な
能としている
「のぞみ10本ダイヤ」
を実現するためには、
Q.
ものです。
一層の安全性・安定性を向上させる新技術を採用します。
会社発足以降、一貫して輸送力の増強に取り組んできまし
中央新幹線
中央新幹線の本格的な建設工事が
始まりましたが、改めて計画の意義を教えてください。
以来の使命を将来にわたって果たし続けていくための
■
「N
700S」
には、さらなる省エネルギー化を図りつつ、
より
ています。
■
東海道新幹線
東海道新幹線の次期車両はどんな車両になる
のですか。また、投入までのスケジュールを教えてください。
ESG情報
1
東海道新幹線
東海道新幹線の輸送量が順調に
推移していますが、その背景をどうお考えですか。
変わりません。
東海旅客鉄道株式会社 2016
9
重 点 施 策と関 連 設 備 投 資
連 結:
▶ P.14
安 全・安 定 輸 送 の 確 保
設備投資
鉄 道 事 業 の 原 点 で あ る 安 全・安 定 輸 送 の 確 保 を
最 優 先 に 取り組 み ま す 。
平成 26 年度
2014
平成 28 年度
平成 27 年度
平成 29 年度
2016
2015
2017
1,550億円
平成 30 年度
2018
2
平成 31 年度
東海道新幹線 大規模改修工事
大規模改修工事
●
浜松工場の建替・耐震補強等のリニューアル工事
方法を改善するなど、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を
ンによる車両の全般検査(オーバーホール)を開始する。
着実に進める。
脱線・逸脱防止対策
脱線・逸脱防止対策について、敷設工法を開発した無道床橋りょう部や伸
縮継目部を対象に加え、引き続き進める。
リニューアル工事中の浜松工場[平成27(2015)年11月撮影]
地震等災害対策
き続き進める。
6編成
7編成
N700A
(三次車)の投入開始★
N700系改造(計80編成)
37編成
新型気動車の投入
7編成
5編成
既存車両の改造(計111編成)
全ての車両が「N700Aタイプ」
となり、最高速度285km/hに統一★
★H28.3 在来線気動車の全てが会社発足以降に新製した車両に統一
11編成
【在来線】
弾力的な列車設定
「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時
期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に引き
続き取り組む。
● 継続的な車両投入
N700A
N700A(2次車)の投入を引き続き進めるとともに、地震ブレー
キの停止距離の短縮等の技術開発成果を反映させた新たな
N700A(3次車)の投入を開始する。
● 防犯カメラ増設
更なるセキュリティ向上を図るため、客室内等への防犯カメラ増
設工事に着手する。
● 可動柵の追加設置
品川駅、新横浜駅において、可動柵の追加設置工事を進める。 防犯カメラ(デッキ部設置イメージ)
● 特急列車の弾力的な増発・増結
「しなの」
「ひだ」
等の特急列車について、需要にあわせ弾力的
に増発や増結を行う。
● 自由通路新設及び橋上駅舎化
自由通路新設及び橋上駅舎化の計画を引き続き進め、草
薙駅、新所原駅、高山駅、春日井駅で順次供用を開始する。
● バリアフリー設備の整備
駅におけるエレベーター、
多 機 能トイレの 設 置 や 内
方 線 付 き 点 状 ブ ロックへ
の 取 替 等 の バリアフリー
設備の整備を引き続き推
進する。
高山駅完成予想図
●
3
平成 26 年度
2014
超 電 導リニ ア による 中 央 新 幹 線 計 画 の 推 進
本 格 的 な 工 事 に 着 手した 超 電 導リニ ア による
中 央 新 幹 線 計 画 に つ い て 、安 全と環 境 、
地 域との 連 携 を 重 視して 着 実 に 取り組 み ま す 。
平成 27 年度
2015
平成 28 年度
平成 29 年度
2016
設備投資
平成 30 年度
2017
2018
1,130億円
平成 31 年度
2019
★H26.8 最終的な環境影響評価書の送付
★H26.10 工事実施計画(その1)認可
★H26.12 品川・名古屋駅準備工事着手
事前の計画運休や早期の抑止、速やかな運転再開
台風等により列車運行への影響が予想される場合、お客様への周知を図
って事前の計画運休や早期の抑止を行うとともに、速やかに運転再開する
在来線高架橋柱耐震化(鋼板巻工法)
【訓練等】
●
伊勢志摩サミットへの対応
自 然 災 害 等 の 異 常 時に想 定され
伊勢志摩サミット開催にあたり、関
る様々な状況に対応すべく、実践
係機関と連携し、駅や車内等の安
的な訓練を実施する。
全確保に努める。
運営・保守体制の構築
中央新幹線の高度かつ効率的な運営・
保守体制の構築に向けて取り組む。 南アルプストンネル新設 (山梨工区)
●
異常時対応訓練
安全祈願での鍬入れ
■中央新幹線(東京都・名古屋市間)の路線
岐阜県
山梨県
長野県
東京都
参考資料
● 健全経営と安定配当の堅持
中央新幹線計画については、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性
を発揮しながらプロジェクトの完遂に向けて着実に取り組む。
● 測量、
設計、用地取得等の計画的な遂行
中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)について、地域と
の連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行する。
● 工事の着実な推進
工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネル、品川駅、
名 古 屋 駅 をはじめ 、必 要 な 準 備 が
整ったところについて、工事の安全
と環境の保全を重視し、工事を着実
に進める。
ための取組みを深度化する。
津波避難誘導訓練
▶ P.2 2
超電導リニアによる中央新幹線計画の推進
設備改良等を引き続き進める。
東海旅客鉄道株式会社 2016
7編成
2019
【東海道新幹線】
運行管理システム取替工事等
異常時への対応
6編成
★N700A
(二次車)の投入開始
静岡地区東海道本線の運行管理システム取替工事や落石対策、踏切保安
10
平成 31 年度
2018
会社概要
高架橋柱等の耐震化や名古屋工場、駅舎等の建替・耐震補強工事等を引
●
平成 30 年度
2017
ESG情報
脱線防止ガード(無道床橋りょう用)
【在来線】
●
平成 29 年度
重 点 施 策・経 営 戦 略
H31.3 浜松工場の建替工事完了★
H32.3 東海道新幹線の脱線時に被害拡大の
おそれが大きい区間について脱線・逸脱防止対策が完了★
H30.3 在来線の高密度線区および強く長い地震が
想定される区間について 高架橋柱の耐震補強完了★
浜松工場の建替・耐震補強等のリニューアル工事を進め、新しい検修ライ
●
2016
2015
N700A新製(計51編成)
H29.1 浜松工場の新しい検修ラインによる 全般検査開始★
土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、技術開発成果を導入し施工
●
平成 28 年度
平成 27 年度
400億円
★東海道新幹線 最高速度285km/h化
【東海道新幹線】
大規模改修工事
設備投資
「のぞみ10本ダイヤ」(H26.3∼)
H28.3 東海道新幹線の各車両所の 耐震化工事完了★
●
▶ P.1 8
東 海 道 新 幹 線 、在 来 線とも に 、
引 き 続 き 輸 送 サ ー ビ ス の 充 実 に 取り組 み ま す 。
2014
地震等災害対策
●
(うち 安 全 関 連 投 資 1 , 9 1 0 億 円 )
輸 送 サ ービスの 充 実
平成 26 年度
2019
4,230億 円 単 体:3,620億 円
マネ ジメント・レター
1
平 成 2 8( 2 0 1 6 )年 度
神奈川県
凡 例
愛知県
:計画路線
静岡県
:山梨リニア実験線
:駅
0
N
25
50km
注:この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の100万分の1日本を複製したものである。
(承認番号 平25情複、第310号)
東海旅客鉄道株式会社 2016
11
重 点 施 策と関 連 設 備 投 資
超 電 導リニア技 術 のブラッシュアップ及びコストダウン
▶ P.24
設備投資
超 電 導リニ ア 技 術 の ブ ラッシュアップ 及 び
コ ストダ ウンに 引 き 続 き 取り組 み ま す 。
平成 26 年度
平成 28 年度
平成 27 年度
2014
2016
2015
平成 29 年度
平成 30 年度
2017
2018
30億円
平成 31 年度
2019
超電導リニア技術のブラッシュアップ及びコストダウン
「超電導リニア体験乗車」
▶ P.26
設備投資
60億円
2016
平成 29 年度
2017
平成 30 年度
2018
平成 31 年度
2019
2019
★サミットを機とした伊勢志摩への観光誘客を展開
平成 26 年度
2014
★H29.夏 新しいネット予約・チケットレス
乗車サービス開始
新型制震
デバイス
新型制震デバイスによる高架橋変位抑制対策(地震対策)
フォックス米国連邦運輸長官、石井国土交通大臣による
山梨リニア実験線の視察[平成27(2015)年11月]
▶ P.3 0
設備投資
770億円
秋 の 一部先行開業、平成29(2017)年春 の 全面開業に うち連結子会社の設備投資610億円
向 け て 、J R ゲ ートタワ ー 計 画 を 着 実 に 進 め るととも に 、
既 存 事 業 の 競 争 力 強 化と収 益 拡 大 を 図りま す 。
平成 27 年度
2015
平成 28 年度
平成 29 年度
2016
2017
平成 30 年度
2018
平成 31 年度
2019
H27.12 上棟★
★H28.11 一部先行開業(オフィス入居開始)
★H29.4 全面開業(「タカシマヤ ゲートタワーモール」、
「名古屋JRゲートタワーホテル」等開業)
「そうだ 京都、
行こう。」
キャンペーン
● JRゲートタワー計画の推進
JRゲートタワー計画について、建設を着実に推
進し、平成28(2016)11月のオフィス入居開
始、平成29
(2017)
年4月の
「タカシマヤゲート
タワーモール」
「
、名古屋JRゲートタワーホテル」
等の全面開業に向けて、営業・宣伝活動を本格
化するなど、万全の準備を行う。
● 駅ビル事業や流通事業の活性化
駅ビル事業や流通事業の活性化に取り組み、さ
らなる収益拡大を図る。
●
「セントラルガーデン・レジデンス岡崎」の引
渡しに向けた準備
平成29
(2017)
年春の
「セントラルガーデン・レ
ジデンス岡崎」
の引渡しに向けて準備を進める。
●「いいもの探訪」
を通じた地域活性化
沿線の魅力的な商品等を紹介するサイト
「いいもの探訪」
を通じて地域活性化
に取り組むとともに、平成28
(2016)
年中にネット販売事業を開始する。
● 農業事業の充実
より安全かつ安心な食の提供に向けて、引き続き農業事業の充実を図る。
参考資料
新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービスイメージ
新型制震デバイス
JRゲートタワー計画の推進
● 観光型商品販売等の強化と観光需要の喚起
● 海外からのお客様を対象とした商品販売の促進等
「エクスプレス予約」及び「プラスEX」について、観光 海外からのお客様を対象に商品販売の促進やご案内の強化を図る。
型 商 品 の 販 売 等 の 取 組 みを強 化するとともに、
「 5 0 ● 地域との連携
+」
とあわせて観光需要の喚起を図る。
「さわやかウォーキング」
「
、Japan Highlights Travel」
等を通じて地域との連携を強化し、鉄道のご利用
● 新しいネット予約・チケットレス乗車サービスの開始
拡大に努めるとともに、
「Shupo」
等を通じて
「しなの」
「
、ひだ」
等の特急列車のご利用促進を図る。
に向けた準備
エクスプレス会員以外のお客様にもご利用いただけ
1.利用登録
2.予 約
3.乗 車
る新しいネット予約・チケットレス乗車サービスについ
クレジット
て、平成29(2017)年夏のサービス開始に向けた準
タッチ!
カード
備を着実に進める。
● 魅力ある商品設定や観光キャンペーンの展開
京都、奈良、東京、飛騨に加え、サミット開催で注目の
集まる伊勢志摩等を対象とした魅力ある商品設定や
交通系ICカード
観光キャンペーンの展開に取り組む。
東海旅客鉄道株式会社 2016
平成 31 年度
2018
会社概要
平成 28 年度
7
関連事業の着実な推進
★EX、50+会員向け観光型商品の強化
12
平成 30 年度
2017
● 新幹線車両等の技術開発
● 高速鉄道システムの海外展開
新幹線の次期車両等について、最新の技術 米国テキサスプロジェクトに対する技術支援等を
を取り入れた開発を推進する。
進めるとともに、超電導リニアシステムの米国北東
● 保守の高度化、
省力化等につながる
回廊プロジェクトへのプロモーション活動を推進
技術開発
する。また、台 湾 高 速 鉄 道における技 術コンサ ル
状態監視技術等を活用した保守の高度化、 ティングを引き続き進める。
省力化や、大規模改修工事、地震対策、設備 ● 日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組み
の維持更新等におけるコストダウンにつな 「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく
がる技術開発をさらに進める。
日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取
● 土砂災害等の発生をより的確にとらえる
組みを進める。
● 地球環境保全に資する諸施策の推進
技術開発
昨今の異常気象を踏まえ、土砂災害等の発 N700Aなどの省エネ型車両への取替等、地球環
生をより的確にとらえる技術開発を進める。 境保全に資する諸施策を推進する。
増収に向けた営業施策の展開(京都、奈良等の恒久的な観光資源を活かした各種キャンペーン等)
★東海道新幹線開業50周年
記念旅行商品の発売
平成 29 年度
2016
2015
ESG情報
2015
平成 28 年度
平成 27 年度
2014
重 点 施 策・経 営 戦 略
平成 27 年度
平成 26 年度
★H26.4 国際高速鉄道協会(IHRA)設立
★H28.5 米国テキサス州において子会社設立
★H26.4 台灣高速鐵路股份有限公司技術コンサルティング受託
地球環境保全
増 収 に 向 け た 営 業 施 策 を 積 極 的 に 展 開 す るととも に 、
平 成2 9(2 0 1 7 )年夏 の 新幹線 の 新しいネット予約・チケットレス乗車サ ービス
開始に向 けた 準 備を進 めます 。
2014
技 術 力 の 不 断 の 向 上 に 取り組 むととも に 、海 外 に お け る
高 速 鉄 道 及 び 超 電 導リニ ア プ ロ ジェクトへ の 取 組 み を 推 進しま す 。
ま た 、地 球 環 境 保 全 に 向 け た 取 組 み を 引 き 続 き 進 め ま す 。
対象路線における事業化に向けたマーケティング活動等 L0系
営業施策の強化
平成 26 年度
10億円
設備投資
鋼板巻補強
5
▶ P.2 8
技術力の不断の向上
★H26.11∼「超電導リニア体験乗車」
を計画的に実施
● 長距離走行試験の実施
山梨リニア実験線において、営業線仕様の車両及び
設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離
走行試験を実施する。
● 超電導リニア技術のブラッシュアップ及びコストダウン
営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検証を
行うとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュ
アップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウン
に取り組む。
●「超電導リニア体験乗車」
の実施
「超電導リニア体験乗車」
を引き続き計画的に実施する。
6
技術力の強化、海外プロジェクトへの取組み、地球環境保全
マネ ジメント・レター
4
平 成 2 8( 2 0 1 6 )年 度
「セントラルガーデン・レジデンス岡崎」
JRゲートタワーエントランスイメージ
JRゲートタワー外観
[平成28
(2016)
年3月撮影]
東海旅客鉄道株式会社 2016
13
■ 大規模改修工事の進捗
安全・安定輸送の確保
マネ ジメント・レター
最初の3年間(平成25(2013)~平成27(2015)年度)は変状発生抑止対策を進め、累計 大規模改修工事
で総工事費は約750億円でした。
今年度からの4年間(平成28(2016)
~平成31(2019)年度)
も、総額1,450億円を計画し、
安全・安定輸送の確保は鉄道の原点で
す。大事故を起こせば、会社への信頼は
引き続き変状発生抑止対策を進めます。
4年間の計画としたのは、一部の工事について平成31
一気に失われ、会社の存立すら危うくなり
東海道新幹線開業以来、乗車中の
お客様が死傷される列車事故
初から安全確保に向け、ハード・ソフトの
両面から取り組んできました。
この間の安全関連投資は総額3兆円を
超え、直近では中央新幹線を除いた年間
の設備投資のうち安全関連投資は約7割
から8割近くで推移しています。また、実
践的な教育訓練や大規模な復旧訓練等
全意識の一層の向上に向け、弛みない取
組みを続けています。
▶ 関連情報(コラム1「事故から学ぶ安全」)はP51へ
地震等災害対策(東海道新幹線)
件
■ 脱線・逸脱防止対策
会社発足以来、
累計の安全関連投資額
3.2
兆円
平成16(2004)年に発生した、新潟県中越地震での上越新幹線
りょう等についても、技術開発の成果により平成27(2015)年9月
の脱線状況等を踏まえ、平成21(2009)年より
「脱線防止ガード」
より脱線防止ガードの敷設が可能となりました。
を敷設しています。平成28(2016)年度末までに、計画された軌
一 方 、万 一 脱 線した 脱線防止ガード(無道床橋りょう用)
道延長596kmのうち約7割が完了予定で、計画全体では平成31
場合に、車両が線路か
安全綱領
あわせて、平成21(2009)年から計画区間のうち必要な土木構
を防止するため、
平成24
造物を対象に、脱線防止ガードを有効に機能させるため、地震時の
(2012)年度までに当
高架橋上での揺れの増幅を抑制するダンパーブレース工法等の対
社保有の全新幹線車両
策を進めています。
に「 逸 脱 防 止ストッパ 」
また、構造が特殊なため、敷設方法を別途検討してきた無道床橋
を設置しました。
図1
輸送の安全の確保に関わる社員の基本精神として「安全綱領」
を定めています。輸送業務は尊い人命と財産を預かる責任ある重要な
業務です。安全綱領は、すべての社員がその職責の如何を問わず全力をあげて安全を確保し、特に人命については他の何よりも優先し
て守るべきという、心構えと道義的な自覚と態度が必要であることを具体的に示しています。
日本型高速鉄道システムの特色
東海道新幹線はCrash Avoidance(衝突回避)
の原則に基づいています。この原則は、平面交差の
Control、自動列車制御装置)の2つの仕組みによ
③先方列車と自列車の位置情報から
ATC信号(速度照査パターン)作成
④速度と信号
の比較
⑤速度が信号を超過すると
ブレーキが動作
自列車の速度
②自列車の位置情報
り、衝突の可能性を排除する考え方です。
地上設備
(位置補正用)
東 海 道 新 幹 線 の 高 架 橋 柱につ い ては 、阪 神・淡 路 大 震 災 後に
さらに、より一層の構造物の強化を図るため、橋脚・盛土の耐震補
実施した耐震診断により補強が必要と判断したもの及び平成15
強も進めてきました。橋脚は平成26(2014)年に施工を完了し、盛
(2003)年に政府が公表した東海地震の「想定地震波形」
による強
土は一部の協議案件を除き平成24(2012)年度末までに補強を完
了しました。
受信
先行列車
①先行列車の位置情報(レール)
除き、耐震補強を完了しました。
■ 地震防災システムの強化
他社に先駆けて平成4(1992)年に
「地震動早期
テラス
を続け、平成17(2005)年には
「東海道新幹線早期
停止情報を放送
在来線地震情報
早期伝達システム
緊急地震速報
接続装置
に、平成25
(2013)
年に直下型地震や連動型地震に
■ 大規模改修工事の概要
新幹線総合指令所
中継所
列車無線
報の早期化及び精度の向上等を実現しました。さら
大規模改修工事(東海道新幹線)
東海道新幹線早期地震警報システム(テラス)
東海総合指令所
検知警報システム
(ユレダス)」
を導入した後も強化
地震警報システム
(TERRA-S:テラス)」
を導入し、警
対応する機能強化等を完了しました。
変電所
沿線地震計
き電停止
検知点
地震波
気象庁観測点
気象庁本庁
(気象業務支援センター)
震源地
土木構造物は、日々の入念な点検・補修により健全性が十分に
発生自体を抑止することで構造物の延命化を実現する
「変状発生抑
保たれています。しかし、将 来は経 年 劣 化による大 幅な設 備 の 更
止対策」
をまず実施し、その効果を確認しつつ、必要に応じ部材取替
新が必要となることから、当社では、全国新幹線鉄道整備法に基
等の
「全般的改修」
を実施する二段階の対応を採ります。この工法に
づく新 幹 線 鉄 道 大 規 模 改 修 引 当 金 積 立 計 画を策 定し、国 土 交 通
より、工事実施時の列車運行支障を大幅に低減でき、また工事費の
日常的に車両の検査修繕を行う各車両所の建物は、
平成24
(2012)
維持することで、長期にわたり運行できないリスクを低減するととも
大 臣 の 承 認を受け、平 成 1 4( 2 0 0 2 )年から引 当 金を積 立ててき
大幅な縮減も可能となりました。
年度から耐震化工事を進め、
平成27
(2015)
年度末に完了しました。
に、検査修繕ラインの改良及び最新機器の導入による作業効率向上
ました。
この工法の開発を受け、当社は当初計画を5年前倒しで平成25
また 、新 幹 線 車 両 の 全 般 検 査 ※ を行う浜 松 工 場 では 、平 成 2 2
や作業環境改善を図ります。新しい検修ラインによる全般検査は平
(2013)年度から工事に着手しました。全体としては概ね10年間
(2010)年からリニューアル工事を行っています。工事では建物の
法を開発しました。この工法では、経年によるひび割れ等の変状の
東海旅客鉄道株式会社 2016
かけて工事を着実に進めていく予定です。
■ 各車両所の耐震化及び浜松工場のリニューアル
建替・補強により耐震性を高め、大地震の際にも車両の検査修繕を
参考資料
これと並行し、小牧研究施設を中心に研究開発を続け、新しい工
会社概要
対に衝突を防ぐATCシステム(Automatic Train
■ 構造物等の耐震化
く長い地震動が想定される区間のものについて、一部の協議案件を
ATCの仕組み
ない高速旅客鉄道専用の軌道と、速度を制御し絶
14
ら大きく逸 脱すること
(2019)年度末に完了予定です。
図1
ESG情報
安全綱領
でコストダウンにつながるためです。
重 点 施 策・経 営 戦 略
0
ます。こうした認識のもと、当社は発足当
で異常時に備えるなど、社員の技量と安
(2019)年度までに実施する脱線・逸脱防止対策(次項参照)
と同時に施工することが効率的
成29
(2017)
年から開始予定です。
※全般検査(新幹線):36ヶ月以内または走行120万km以内で実施する新幹線車両のオーバーホール。
東海旅客鉄道株式会社 2016
15
地震等災害対策(在来線)
運行管理と安全対策(東海道新幹線)
■ 運転管理システム
高架橋柱の耐震補強は、既に高密度線区(ピーク1時間当たりの
される区間として、東海道本線の静岡地区及び身延線の富士地区を
片道の列車本数が10本以上の区間)
について、平成26
(2014)
年ま
対象に進めています。
でに完了しており、現在は東海地震において強く長い地震動が想定
東海道新幹線の安全で正確な運行は、新幹線運転管理システム
当社は、現在、在来線のほぼ全線に運行管理システムを導入してい
(COMTRAC ※ )を中枢とする様々なシステムにより、列車の運転
※1
ます。運行管理システムは、CTC
(列車集中制御装置)
、PRC
(自動
状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸送全体の
※2
進路制御装置)
等で構成されており、
これらを活用し列車の運行計
統制と万全の安全管理を行うことにより支えられています。
※COMTRAC…COMTRACとは、列車の進路制御、列車の運転管理、乗務員(運転士、車掌)
と車両の運
用管理等を行うシステムです。コンピュータに入力された各列車の運転条件(各駅の発着時刻、発着番
線、列車順序等)
に基づき、運行中の全ての列車状況を常時監視することができます。
■ 名古屋工場・駅舎の耐震化
在来線車両の全般検査・重要部検査 を行う名古屋工場では、平
り、平成27(2015)年度までに68駅の耐震化が完了しました。平成
成26
(2014)
年より耐震化工事を行っており、平成33
(2021)
年度
28
(2016)
年度は、草薙駅など4駅の耐震化を完了予定です。
※
末に完了予定です。
※全般検査(在来線):8年以内に実施する在来線車両全般のオーバーホール。
また、お客様のご利用が1日5千人以上の駅の耐震化も進めてお
重要部検査:4年以内または走行60万km以内(電車)、50万km以内(気動車)
に実施する、在来線車両
の重要な装置のオーバーホール。
■ 運行管理システム
■ 新幹線総合指令所
画や信号の制御、列車の追跡、運行実績データの管理等を行っていま
す。指令所において、列車・駅の情報を一元管理することで、通常時は
もとより、異常時における正確・迅速な指示・指令を実現しています。
※1 CTC:列車運行を効率的に管理するため、駅等の信号設備を一括して遠隔制御すると同時に、列車
の運行状況をリアルタイムで監視する機能を持った装置。
※2 PRC:日々の運転計画情報と、個々の列車の位置を判断し、
CTC装置を介して、列車ごとの進路を自
動制御する装置。
■ 東海総合指令所(名古屋)
・静岡総合指令所
運用、施設、電力、信号通信の各指令が連携しながら、新幹線の安
また、東京の総合指令所と同じ機能を持ち、同指令所が被災した
教育・訓練等の取組み
場合には代替の指令所として機能する新幹線第2総合指令所をJR
▶ 技量向上訓練
▶ 不測の事態に備えた社員教育
当社は、安全・安定輸送を確保するため、運転業務や設備保
通 勤や出 張 の 際に不 測 の
守に従事する社員等に対し安全に関する教育訓練を実施して
事 態に居 合わせた場 合も、社
います。特に運転業務に携わる社員(運転士、車掌、指令員、及
員がお客様の安全確保のた
び信号の取扱いや転てつ器の操作を行う者等)
には、担当業務
めに職責をこえて乗務員等と
ごとに定められた内容・時間に基づいて教育や訓練を実施して
一致協力し適切に対応できる
います。
よう、平 成 2 8( 2 0 1 6 )年 度か
ら全社員を対象に教育を開始
しました 。社 員として の 心 構
いて迅速かつ正確に対応できるように、実際の車両や線路・架
えを含め、緊 急 時 の 具 体 的な
線・信号設備等の地上設備を使用した様々な訓練を実施して
対 応 方 法に関 する教 育を毎
います。
年行っていきます。
当社の在来線12線区は東海総合指令所(名古屋)及び静岡総合
指令所で運行管理を行っています。両指令所では、24時間体制で、
列車の運転状況や設備の稼働状況等を監視しています。
しています。第2総合指令所の各装置類は常時電源が入った状態で
待機しており、平常時は指令員・保守要員の教育訓練等に活用され
■ ATS-PT(自動列車停止装置)
ています。東海道新幹線では安全・安定輸送のために様々な設備を
二重系にしていますが、指令所も二重系化し、危機管理体制を強化
しています。
東海道・山陽新幹線第2総合指令所
在来線ではATS-PTにより、列車から信号機や曲線、分岐器までの
距離に応じて連続的に速度を照査し、列車が停止信号を超える恐れ
のある場合には自動的に非常ブレーキをかけることで、安全を確保
しています。ATS-PTは、平成24
(2012)
年に当社の在来線全線区※
への導入を完了しました。
※平成21(2009)年10月より災害で不通となっていた名松線(家城・伊勢奥津間)については、平成28
(2016)年3月の運行再開に併せて導入
ATS-PTの機能
速度
ブレーキパターン
▶ 異常時対応訓練
▶ 各種研修
総 合 事 故 復 旧 訓 練 は 、事 故 復 旧 即 応 体 制 の 充 実 及 び 他
総合研修センターでは、各職能に応じた専門的な知識・技能教
系統の業務を学ぶ機会として、毎年実施しています。平成27
育、各種資格の取得講習、車掌・運転士養成等を行っています。
( 2 0 1 5 )年 度も、地 震をはじめとする自然 災 害や 、列 車 火 災
ま た 、例 え ば 新 幹
線・在 来 線 合 同 の 講
脱線復旧訓練、沿線設備復旧訓練等の実践的な訓練を実施し
義 や 、系 統 間 の 境 界
ました。
部分に関わる講義の
総合事故復旧訓練
地上子
(パターン発生)
列車の走行曲線
ATS-PTの概要
連続的に速度を照査。 ・地上からの情報をもとに、車上で
どのような速度でも、 信 号 機 ま で の 距 離 に 応じ た ブ
レーキパターンを発生させる
速度超過時点で
・列車速度がこのパターンを超過し
非常ブレーキ
た場合は、自動的に非常ブレーキ
が動作し、信号機の手前までに停
場内信号機
止する
・ブレーキパターンによる連続制御
を行う
駅輸送・車掌訓練装置
充 実 等 、職 種 をま た
ぐ効果的な研修も実
施しています。
■ 新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)
電気設備や線路等の地上設備を点検する車両として、当社では
「新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)」
を導入し
(通称:ドクター東海)
■「軌道・電気総合試験車」及び「軌道試験車」
在来線の軌道・電気設備の保守管理については、
「 軌道・電気総
合試験車」及び「軌道試験車」ドクター東海
ています。700系をベースにしたこの車両は270km/hで走行しな
( 通 称:ドク タ ー 東 海 )に よ
がら高精度に効率良く点検を行い、安全・安定輸送を支えています。
り、効率的に設備状況を把握
ドクターイエロー
会社概要
等が発生したとの想定で、旅客避難誘導訓練、情報伝達訓練、
ESG情報
また、運転士や車掌が異常時の取扱い等を模擬訓練できる
シミュレータ装置を現業機関に導入しているほか、異常時にお
不測の事態に備えた社員教育
西日本と共同で大阪に設置し、異常時に対する危機管理体制を強化
重 点 施 策・経 営 戦 略
東京の新幹線総合指令所では、上記のシステムを活用し、輸送、
全・安定輸送を支えています。
マネ ジメント・レター
■ 構造物の強化
運行管理と安全対策(在来線)
しています。平成28(2016)
年から平 成 2 9( 2 0 1 7 )年に
かけて、最新のセンサや高性
安全監査
能カメラ等を搭載し、検測機
能の向上を図ります。
参考資料
当社の業務機関及び関係会社を対象に、法令・規程等の遵
守状況の確認、運転事故・労働災害事故防止体制の確認、事故
防止対策の実施状況の確認という3つの視点で内部監査を実
施しています。日々の業務実態を第三者の目で検証し、結果を
津波避難誘導訓練
共有することで、法令違反、過去事象対策の風化、ルールの形
骸化などを未然に防止するよう努めています。
■ 運転士用タブレットの導入
在来線運転士用にタブレット端末を導入し、画面上の文字と音声で
徐行区間を知らせる運転操縦支援などを行うことで、
さらなる安全性
の向上を図ります。導入は平成29
(2017)
年度末を予定しています。
16
東海旅客鉄道株式会社 2016
東海旅客鉄道株式会社 2016
17
■「のぞみ10本ダイヤ」
と弾力的な列車設定
輸送サービスの充実
幹線と東海地域の在来線網を一体的
努めてきました。東海道新幹線が安全
で正確な点はもとより、高速、高頻度・
大量といった点も、長年にわたる継続
的な設備投資により、285km/hへの
速度向上や
「のぞみ10本ダイヤ」
とい
転本数としては、お盆のピークとなった平成27
(2015)
年8月16日に
スを向上させてきました。平成26(2014)年には、ほぼすべての時
過去最高となる431本を記録しました。
間帯で1時間当たり片道最大10本の「のぞみ」の運転が可能な「の
に維持・発展させるという使命を果た
すため、当社は輸送サービスの改善に
本数は358本となり、対前年で2%増加しました。 図 2
最速列車である
「のぞみ」の運転本数を順次増加させ、輸送サービ
東海道新幹線
1線とホーム1面の増設と折返し整備が可能な引上げ線を2線から
東海道新幹線は、日本の3大都市圏である東京~名古屋~大阪を結ぶ大動脈として、
4線に増設する改良工事が完了したこと、N700Aタイプが一定編
ためには中長期的なスパンでの設備投資が必要となります。現在、
200
こうした列車設定により、平成27
(2015)
年度の1日当たりの運転
り組んでいきます。
図1
○平均遅延時分 0.2分 / 運行1列車
○人材教育・訓練による安全意識・技能の向上
注:平成27(2015)年度実績。自然災害等による遅延も含む
本
○1日当たりの列車本数 358本
○東京~新大阪間 2時間22分
注:平成27(2015)年度実績(臨時列車を含む)
注:平成28(2016)年3月ダイヤ改正時点(最速列車による到達時間)
○1日当たりの輸送人員 445千人
注:平成27(2015)年度実績
○座席数 1,323席 / 列車
発車時刻
約
○東京~大阪間を移動する際の1座席当たりのエネルギー
消費量は航空機の約8分の1
○同様にCO2排出量は約12分の1
注:東海道新幹線:N700系「のぞみ」、航空機:B777-200との比較
18
東海旅客鉄道株式会社 2016
65
’94.3
83
’05.3
’14.3
83
83
’15.3
’16.3
時
発車時刻
40
50
15
00
10
20
30
40
50
16
00
10
20
30
40
50
17
00
10
13
10
20
30
40
50
18
00
10
00
10
20
30
50
19
00
00
10
20
30
50
20
00
00
10
21
00
10
00
10
16
00
10
17
00
10
18
00
19
20
21
23
23
30
40
47
50
53
20
23
30
40
47
50
53
20
23
30
40
47
50
53
13
20
23
30
40
47
50
53
10
13
20
23
30
40
47
50
53
10
13
20
23
30
40
50
53
20
23
お客様のご利用の多い
金曜の夕方等
1時間に
最大10本の
「のぞみ」
運転
千人
平成27年(2015)のダイヤ改正で、23年ぶりに速度向上が実現
現在は、概ね毎時1本の「のぞみ」が285km/h運転をしていま
し、東海道新幹線の最高速度が285km/hとなりました。これによ
す。平成28(2016)年3月のダイヤ改正でも、最高速度285km/h
り東京~新大阪間の所要時間は3分短縮され、最短2時間22分と
で運転する
「のぞみ」
「こだま」
を増やしました。今後も車両更新を進
なりました。利便性の向上とともに、異常時等におけるダイヤの回
め、285km/h運転の列車を拡大していく予定です。
復力が向上しています。
東海道新幹線のサービス
快適
○広く、静かな車内空間
GDPと東海道新幹線輸送人キロの推移
東京〜新大阪
所要時間
のぞみ
ひかり
2 時間 22 分
約
約
※1
東京〜新大阪
運賃・料金 ※2
14,450 円
自由席
車両数
3
GDP
500
14,140 円
5
400
4 時間
14,140 円
10 ※3
350
途中停車駅 のぞみ:品川、新横浜、名古屋、京都
ひかり:
「のぞみ」停車駅とそれ以外の一部の駅 こだま:各駅
489
450
3 時間
注:東海道新幹線は全て16両編成
※1.最速列車での所要時間
※2.通常期の普通車指定席利用の場合(自由席利用の場合は、全て13,620円)
※3.一部の列車は変更することがあります
東海道新幹線輸送人キロ
(億人キロ)
438 445
406
396
475 480
403
491
498
507
516 525 506
521(兆円)
600
469
465 460
416
501
427
496
550
437 443
520
513 515
530 525
529
500
450
300
400
250
350
200
300
0
’02.3 ’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3
参考資料
1/8 1/12
65
注1.臨時列車を含む運転本数の実数
2.’
87.4当社発足、’
92.3
「のぞみ」
デビュー、’
03.10抜本的なダイヤ改正
(1時間当たり最大で
「のぞみ」
7本)
30
15
こだま
約
65
■ 東海道新幹線の速度向上
358 445
○最高速度 285km/h
環境適合性
65
会社概要
km/h
209
※
「のぞみ」
のみ抜粋
○安全関連設備への継続的投資
285
201
80
81
89
’88.3
194
分
○開業以来、乗車中のお客様が死傷される列車事故ゼロ
高頻度・大量
0
145
ESG情報
0.2
正確
件
50
358
350
■金曜日の例
時
東海道新幹線の特徴
158
143
100
こだま
「のぞみ10本ダイヤ」
の例 東海道・山陽新幹線時刻表
[東京駅下り
(2016年6月)
]
■月曜日の例
▶ 関連情報(コラム2「品川駅開業によるアクセス時間の改善」)はP51へ
ひかり
重 点 施 策・経 営 戦 略
しています。 図 1
290
273
34
231
150
特にお客様のご利用の多い時間帯を中心に1時間に10本の「のぞ
み」
を運転しており、需要に合わせたより弾力的な列車設定を実施
競争力の維持・強化に向け継続的に取
高速
300
日本経済の成長を支えてきました。
新幹線の収益は中央新幹線計画を進
342
350
250
今後も安全・安定輸送の確保を最優先に、日本の大動脈輸送を担い続けていきます。
のぞみ
400
成数揃ったことによるものです。このように運転本数を増加させる
める上で重要であることから、今後も
0
(本/日)
昭和39
(1964)
年の開業以来、約59億人のお客様にご利用いただき、
う形へ磨き上げられています。東海道
安全
東海道新幹線の実運転本数の推移
図2
ぞみ10本ダイヤ」が実現しました。これは、新大阪駅において線路
なお、
1日の運
マネ ジメント・レター
日本の大動脈輸送を担う東海道新
当社は平成4
(1992)年の「のぞみ」登場以降、東海道新幹線の
0
出典:GDP/
「国民経済計算」
(内閣府)
東海旅客鉄道株式会社 2016
19
在来線
■ 最新車両N700Aの投入とN700系車両の改造
「 中 央 締 結ブレーキディスク」や「 台 車 振 動 検 知システム」、
「定速
走行装置」等、N700系以降の当社独自の技術開発成果を採用し
たN700Aの投入を進めてきました。平成28(2016)年度からは、
さらに最新の技術開発成果を反映させた新たなN700A
(3次車)
の投入を開始します。
3次車では、新たなブレーキライニングの開
発により地震ブレーキの停止距離をさらに短縮したほか、パンタグ
こうした取組みにより平成31(2019)年度末には700系の置き換
えが完了し、当社保有の新幹線車両の全てが最高速度285km/hで
走行可能なN700Aタイプに統一されます。
東海道新幹線の車種別編成数の推移
300系
(編成)
6
120
16
を図っています。
3次車まで含めてN700Aは平成31(2019)年度
32
48
64
90
80
13
19
80
30
61
80
80
52
41
25
0
51
47
40
32
28
9
’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3
’20.3
(計画)
注:数値は各年度末時点の編成数(保留車等を除く)
2次車
3次車
51
(編成)
50
46
20
39
40
32
8
1
18
18
3次車
15
25
18
18
2次車
12
6
13
387
395
401
391
136
139
139
132
132
130
133
135
134
138
245
250
252
252
254
254
253
260
257
262
’07.3
’08.3
’09.3
’10.3
’11.3
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
定期
定期外
’16.3
在来線については、速達化、新型車両の投入、
フリークエンシーの
ワイドビューしなの
「ワイドビュー」特急網を整備してきました。ご利用が好調の「ワイド
ビューしなの」
「ワイドビューひだ」
等について多客期や沿線イベント
開催時などの需要にあわせ弾力的に増発や増結を実施しております。
普通列車については、朝夕の通勤時間帯を中心とした列車の増
発・増結や、快速列車体系の整備、発車時刻の等間隔化等、
ご利用い
ただきやすいダイヤの設定に努めています。
2次車の仕様に加え
● 新 型ブレーキライニング の 導 入により地 震ブレーキ距 離 短 縮
(2次車比約5%短縮)
● ATC状態監視機能の強化
● 台車振動検知システムの改良による故障検知機能の強化
● パンタグラフ状態監視システムの導入
● 主変換装置の更なる小型化
1次車の仕様に加え
● 温水洗浄便座の採用
● ベビーキープの搭載
中央締結ブレーキディスク搭載
(後にN700系へ改造により展開)
地震ブレーキ機能追加(後にN700系へ改造により展開)
● 台車振動検知システムの搭載
● 定速走行装置の搭載
(後にN700系へ改造により展開)
● 緊急通報装置の搭載
● 車体傾斜区間拡大
(後にN700系へ改造により展開)
在来線車両については、会社発足当初より計画的に、省エネルギー
ESG情報
1次車
19
0
384
■ 車両の新製
N700A各次車の投入計画・追加仕様
20
100
386
続の確保等を行うことにより、新幹線と一体のネットワークを形成する
60
特長を反映する追加の改造工事を行います。
30
ます。
384
は、
「ワイドビュー」
と称する車両を投入するとともに、新幹線との接
60
は、N700系とN700A(1次車及び2次車)
について、地震ブレーキ
の停止距離のさらなる短縮など上述のN700A(3次車)
に採用した
200
391
■ 在来線におけるサービス向上
25
60
加えて、平成29(2017)年度から平成31(2019)年度にかけて
東海地域の地域社会・経済に貢献してい
381
389
向上等のサービス向上を着実に進めてきました。特急列車について
80
60
60
り込むことで、安全性・信頼性を向上させる改造工事を進め、平成
27(2015)年8月に完了しました。
クを形成し、名古屋・静岡を中心とする
300
N700A
51
80
60
一方、既存のN700系全80編成については、
「 中央締結ブレーキ
ディスク」や「定速走行装置」等、N700Aに採用した主な機能を取
東海道新幹線と一体になったネットワー
400
重 点 施 策・経 営 戦 略
までに計51編成を投入する計画です。
N700系
(百万人)
150
ラフ、台車、ATCについて走行中の車両データの監視機能を強化
するなど、さらなる安全性、安定性の向上、検査修繕コストの低減
700系
当社の運営する12線区の在来線は、
マネ ジメント・レター
当社は、取替時期を迎えている700系の置き換え車両として、
在来線輸送人員の推移
キハ25形
(2次車)
やバリアフリー、乗り心地等に配慮した最新の車両を新製・投入してき
ました。
新型気動車キハ25形
(2次車)
は平成26
(2014)
年度に高山本線・
太多線に16両、平成27
(2015)
年度に紀勢本線・参宮線に36両を投
入し、平成28
(2016)
年3月には、当社の在来線気動車がすべて会社
発足以降に新製した車両となりました。
6
13
13
13
13
13
13
13
6
0
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
’17.3
(計画)
’18.3
(計画)
’19.3
(計画)
’20.3
(計画)
会社概要
●
10
●
1次車
■ 自由通路新設、橋上駅舎化及び新駅の設置
当社は、沿線自治体との協議に基づき、
自由通路新設や橋上駅舎化
高山駅完成予想図
を実施しています。平成27
(2015)
年度には安倍川駅の供用を開始
しました。平成28
(2016)
年度は草薙駅、新所原駅、高山駅、春日井駅
■ 客室内等への車内防犯カメラ増設
現在、N700A及びN700系のデッキ部に防犯カメラを設置して
の供用を開始予定です。
防犯カメラ客室内設置イメージ
また、かねてより磐田市から要望のあった東海道本線袋井駅・磐田
駅間における新駅の設置について、平成26
(2014)
年に磐田市等と
路部にも防犯カメラを増設します。あわせて、防犯カメラと非常ブ
協定を締結しました。現在工事を進めており、平成31
(2019)
年度末
ザーを連動させ、運転台や車掌室で乗務員が即座に状況を把握で
の開業を予定しています。
参考資料
いますが、更なるセキュリティ向上を図るため、客室内及びデッキ通
きるように改良を施します。
■ 名松線全線での運行再開
平成21(2009)年の台風による被災でバス代行輸送を行ってい
た名松線(家城駅~伊勢奥津駅間)
について、三重県、津市による治
20
東海旅客鉄道株式会社 2016
山・治水事業の進捗にあわせて行っていた復旧工事を完了し、平成28
(2016)
年3月26日に全線での運行を再開しました。
東海旅客鉄道株式会社 2016
21
■ 計画の進捗状況
超電導リニアによる中央新幹線計画の推進
山梨県
マネ ジメント・レター
中央新幹線
(東京都・名古屋市間)
の路線
東京都
長野県
岐阜県
営業速度
500
神奈川県
km/h
凡 例
:計画路線
40 67
東京都~名古屋市
当社は、自らの使命であり経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿
圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を
将来にわたり確保していくため、超電導リニアによる中央新幹線計画を全
分
図1
全国新幹線鉄道整備法の手続きの流れ
過し、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、
将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなけれ
ばなりません。また、東日本大震災を踏まえ、大動脈輸送の二重系化
第4条
基本計画
昭和48(1973)年11月決定
第5条
調査指示
地形地質調査 平成2(1990)年2月指示
→平成20(2008)年10月報告
4項目調査 ※ 平成20(2008)年12月指示
→平成21(2009)年12月報告
により災害リスクに備える重要性がさらに高まっています。このため、
その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提に、当社
幹線と一元的に経営していくこととしています。
せた上で、速やかに大阪市まで実現することとしています。
環境
アセスメント
なお、当社は、全幹法の適用により経営の自由や投資の自主性等
20
(2008)
年1月にその旨の回答を得ています。
建設線
区間
超電導磁気浮上方式
最高設計速度
505キロメートル/時
その他必要な事項
東海旅客鉄道株式会社 2016
主要な経過地
の工事では工事概要や安全対策等について地域にお住まいの方へ
トの手続きを進め、平成26
(2014)
年8月に最終的な環境影響評価
ご説明するための工事説明会を開催しました。さらに、南アルプスト
書を国土交通大臣及び関係自治体の長へ送付するとともに、公告し
ンネル新設
(山梨工区)
工事については平成27
(2015)
年12月に、品
ました。また、環境アセスメントの手続きと並行して工事実施計画の
川駅新設
(北工区・南工区)
工事については平成28
(2016)
1月に安
認可申請に必要な準備を進め、最終的な環境影響評価書の送付と
全祈願・起工式を執り行い、本格的な土木工事に着手しました。
同日に、国土交通大臣に対し、品川・名古屋間の工事実施計画(その
1)
の認可申請を行い、10月に認可を受けました。
計画的に遂行するとともに、工期が長期間に亘り難易度が高い、南
アルプストンネル、品川駅、名古屋駅をはじめ、必要な準備が整った
ところについて、工事の安全と環境の保全を重視し、工事を着実に
進めています。
平成23(2011)年5月23日同意
→平成23(2011)年5月26日決定
かにするための中心線測量について、予定していた沿線6都県で作
第8条
建設の指示
第9条
工事実施計画
※4項目調査 ●輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項
●施設及び車両の技術の開発に関する事項 ●建設に要する費用に関する事項 ●その他必要な事項
品川・名古屋間工事実施計画
(その1)
の概要
完成予定時期
これまでに、沿線各地において地区ごとの事業計画等、地域に密着
等の単位で事業説明会を開催しました。また、路線の中心位置を明ら
業を進めるとともに、補償の考え方等をご説明するための用地説明
平成26(2014)年8月26日認可申請
→平成26(2014)年10月17日認可
工事着手
工事費
南アルプストンネル新設
(山梨工区)
安全祈願での鍬入れ
現在は、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を
整備計画
線路延長
甲府市附近、
赤石山脈
(南アルプス)
中南部、
名古屋市附近、奈良市附近
南アルプストンネルや品川駅等で工事契約を締結し、
このうち一部
第一局面として進める東京都・名古屋市間において、環境アセスメン
第7条
駅
90,300億円
に進み、当社は、平成23
(2011)
年5月に建設の指示を受けて以降、
営業主体・建設主体指名
区間
東京都・大阪市
走行方式
建設に要する費用の概算額
(車両費を含む)
22
(注)建設に要する費用の概算額には、利子を含みません。
中央新幹線
会を開催するなど、今後の工事に向けた準備を進めました。さらに、
■ 安全を確保した上でコストを徹底的に圧縮
中央新幹線は、当社が自己負担により進めるプロジェクトであ
徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の
り、全ての場面における工事費やコストについて、社内に設置した
最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
「 中 央 新 幹 線 工 事 費 削 減 委 員 会 」で検 証し、安 全を確 保した上で
参考資料
整備計画の内容
の通り
した内容をきめ細やかにご説明するため、市区町村単位及び自治会
民間企業としての原則が阻害されることがないことを確認するた
め、法律の適用にかかる基本的な事項を国土交通省に照会し、平成
図1
平成23(2011)年5月18日同意
→平成23(2011)年5月20日指名
平成23(2011)年5月27日指示
50km
会社概要
で、まずは東京都・名古屋市間を実現し、さらに、経営体力を回復さ
中央新幹線
(東京都・大阪市間)
の全幹法の手続きは
第6条
定配当を堅持し、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。その上
25
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の100万分の1日本を複製したものである。
( 承認番号 平25情複、第310号)
交通政策審議会
このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸
送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安
0
平成22(2010)年2月24日諮問
→平成23(2011)年5月12日答申
第14条の2
が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新
N
ESG情報
■ 超電導リニアによる中央新幹線計画の意義 ~健全経営と安定配当を堅持して計画を推進
日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線は、開業から50年以上が経
:駅
東京都~大阪市
分
国新幹線鉄道整備法
(以下、
「全幹法」
という。)
に基づき、進めています。
:山梨リニア実験線
静岡県
愛知県
重 点 施 策・経 営 戦 略
所要時間(最速)
品川・名古屋間
品川駅、神奈川県
(仮称)
駅、山梨県
(仮称)
駅、長野県
(仮称)
駅、
岐阜県
(仮称)
駅、名古屋駅
285.6km
40,158億円
[総工事費は55,235億円
(車両費を含む。山梨リニア実験線既
設分は除く)
]
平成39
(2027)
年
■ 超電導リニアと地球環境保全
超電導リニアによる中央新幹線の実現により、東京都~大阪市間
る際の1座席当たり二酸化炭素の排出量は、航空機の3分の1程度
は最速67分で結ばれ、都心部間の実質的な所要時間は航空機の約
に過ぎません。このように、超電導リニアは、地球環境保全の重要性
半分に短縮されます。また、超電導リニアの場合、
この区間を移動す
が増す21世紀に相応しい輸送システムです。
東海旅客鉄道株式会社 2016
23
超電導リニア技術の進捗
超電導リニア技術のブラッシュアップ及びコストダウン
平成2年6月
(1990)
(1997)
当社は、従来から、中央新
平成12年3月
先進性や高速性から超電導リ
平成15年12月
(2000)
幹線を実現する際には、その
(2003)
ニアの採用が最もふさわしい
平成16年11月
と考え、技術開発を進めてき
ました。
超電導リニア技術は既に実
用技術として完成しており、
保守体系の確立に向けた検
証を行うとともに、超電導リ
ニア技術のブラッシュアップ
及び営業線の建設・運営・保
守のコストダウンに取り組ん
でいます。
累積走行距離(山梨リニア実験線)
159
6,536
約
体ヘリウムでマイナス269℃に冷却することにより超電導状態を作り出しています。
運輸省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会(以下
「評価委員会」)において「実用化に向けた技術上のめどは
立ったものと考えられる」との評価
高い
液体ヘリウム温度
有人走行で鉄道の世界最高速度となる581km/hを記録
電気抵抗
相対1,026km/hのすれ違い走行を実施
0
-273℃
国土交通省の評価委員会において「実用化の基盤技術が確立
したと判断できる」との評価
平成18年9月
山梨リニア実験線の延伸及び設備更新に係る設備投資計画を
決定
平成19年1月
山梨リニア実験線の建設計画の変更を国土交通大臣に申請、
承認
(2006)
(2007)
累積投資金額(一部に消費税含む)
平成21年7月
(2009)
億円
的に流れ続けます。超電導リニアには、超電導材料としてニオブチタン合金を使用し、液
山梨リニア実験線における走行試験開始
平成17年3月
(2005)
万km
電導現象といい、超電導状態となったコイル
(超電導コイル)
に一度電流を流すと半永久
平成23年5月
(2011)
12月
国土交通省の評価委員会において「営業線に必要となる技
術が網羅的、体系的に整備され、今後詳細な営業線仕様及
び技術基準等の策定を具体的に進めることが可能となった」
との評価
N S N S N S N S N
1日の走行距離4,064kmを記録
有人走行で鉄道の世界最高速度となる603km/hを記録
S N S N
すことにより磁界(N極・S極)が発生
し、車両の超電導磁石(N極・S極を交
N S N S
互に配置)
との間で、引き合う力と反
発する力が発生します。これを利用し
平成27年4月
(2015)
超電導リニアの原理
ガイドウェイの推進コイルに電流を流
国土交通大臣が超電導リニアに関する技術基準を制定
山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸及び設備更新の工事を
完了し、L0
(エル・ゼロ)
系による走行試験を開始
(2013)
-269℃
推進の原理
超電導磁気浮上方式
(超電導リニア)
を走行方式とする中央新
幹線
(東京都・大阪市間)
の整備計画を国土交通大臣が決定
平成25年8月
高い
温度
重 点 施 策・経 営 戦 略
現在は、営業運転に対応した
(2004)
ある種の金属・合金・酸化物を一定温度以下としたとき、電気抵抗がゼロになる現象を超
山梨リニア実験線の建設計画を運輸大臣に申請、承認
マネ ジメント・レター
平成9年4月
超電導とは
て車両
(超電導磁石)
が前進します。
S N S N S N S N S
浮上の原理
ESG情報
■ 山梨リニア実験線における取組み
ガイドウェイの側壁両側に浮上・案内
コイル が 設 置されており、車 両 の 超
平成9
(1997)年4月、山梨リニア実験線の先行区間18.4kmに
伸及び設備の全面的な更新工事を完了し、営業線仕様の車両L0
(エ
おいて走行試験を開始しました。超電導リニアの技術レベルについ
ル・ゼロ)系による走行試験を開始しました。平成27(2015)年4月
ては、各段階で評価されており、平成21(2009)年7月の国土交通
には、
1日の走行距離が過去最高の4,064kmを記録したほか、速度
省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会において、既に営
603km/hを記録し鉄道の世界最高速度を更新しました。
業運転に支障のないレベルに到達していることが確認され、平成23
今後も、営業線仕様の車両及び設備により、営業運転に対応した
(2011)年12月には、国土交通大臣により超電導リニアに関する技
図1
電導磁石が高速で通過すると両側の
「超電導リニア体験乗車」
浮上・案内コイルに電流が流れて電
磁石となり、車両(超電導磁石)を押
ブラッシュアップと営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組
平成25(2013)年8月、山梨リニア実験線では、42.8kmへの延
んでいきます。
S
N
S
N
S
N
し上げる力(反発力)
と引き上げる力
(吸引力)が発生します。
保守体系の確立に向けた検証を行うとともに、超電導リニア技術の
術基準が制定されました。
N
S
案内の原理
ガイドウェイの側壁両側に設置され
た浮上・案内コイルは、車両が中心か
らどちらか 一 方にず れると、車 両 の
導リニア技術の完成度の高さを実感していただいています。 図 1
計3万人を超える多くの方々に速度500km/h走行を体験していた
引き続き、
「 超電導リニア体験乗車」
を計画的に実施します。
だいており、
「 乗り心地が良い」
といったご感想をいただくなど、超電
山梨実験線起点
みを進めますが、これらの建設・運営・保守に必要
な技術は、全て当社の技術です。
東海旅客鉄道株式会社 2016
山梨実験線終点
35km010m00
42km800m00
山梨リニア実験線投資及び超電導リニア技術開発費
累積投資金額
山梨リニア実験線の特別負担投資 ※1
山梨リニア実験線の延伸と設備更新 ※2
当社独自の超電導リニア技術開発費 ※3
合計
1 , 705
3 , 377
1 , 453
6 , 536
標高
億円
800m
億円
600m
億円
400m
億円
※1 先行区間の土木構造物をはじめとする実験基盤施設(汎用性のある地上施設)等として、消費税等を含めて1,965億円(税込)の特別負担投資を予定。上記金額は平成3年3月期(FY1990)から平成28年3月期
(FY2015)
までに支出した金額。
※2 山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備更新の新たな資金フレームとして3,550億円(税込)の工事費を予定。上記金額は平成19年3月期(FY2006)
から平成28年3月期(FY2015)
までに支出した金額。
※3 上記金額は会社発足時(昭和63年3月期(FY1987))
から平成28年3月期(FY2015)
までに、※1、※2とは別に支出した金額。
24
先行区間終点
16km610m00
参考資料
る超電導リニアプロジェクトの実現に向けた取組
先行区間始点
0km000m00
開発については、当社が費用を負担して進めてき
幹線を自ら建設するとともに、米国北東回廊におけ
戻します。
山梨リニア実験線の概要
■ 山梨リニア実験線投資及び超電導リニア技術開発
ました。当社は、今後、超電導リニアによる中央新
N
に反発力が働き、車両を常に中央に
平成26(2014)年度から、
「 超電導リニア体験乗車」
を実施し、累
超電導リニアの営業線実現に必要な実用技術の
N
会社概要
遠ざかった側に吸引力、近づいた側
■「超電導リニア体験乗車」
200m
勾配(‰) 18
キロ程(km)0
[延伸]
40
17
5
10
40
6
15
40
20
先行区間[設備更新]
28
3
25
40
30
9
35
[延伸]
3
40
40
東海旅客鉄道株式会社 2016
25
観光需要喚起のための取組み
営業施策の強化
マネ ジメント・レター
■ 各種観光キャンペーンの展開
当社エリアの恒久的な観光資源である京都・奈良等については
「そうだ 京都、行こう。」キャン 「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン
ペーン等を継続的に実施し、主に首都圏から関西圏への新幹線のご利用を促進しています。なかで
次々発車する東海道新幹線を最大限活用
した「エクスプレス予約」
「プラスEX」
は、ネッ
トで簡単に指定席の予約・変更ができ、きっ
ぷの受取りも不要な会員制サービスで、東海
道新幹線の指定席利用の約3割を占める、営
業の基幹サービスです。平成29
(2017)
年夏
には、会員以外の方や訪日外国人の方など、
より広範なお客様を対象に新たなネット予
観光面では、沿線観光地の地元の方々や
旅行会社との連携を深めつつ、京都キャン
ペーンなどの需要喚起策を展開します。ま
た、魅力ある旅行商品の提供と会員基盤に向
けた取組み強化により、新幹線の一層の利用
拡大に努めます。
289
155
コンセプトに宣伝展開を実施します。
平成28(2016)年度は、
5月のサミット開催で注目の集まる伊勢志摩等を対象とした観光キャ
ンペーンも展開します。加えて周年を迎えるテーマパークなど、沿線のイベントと連動した旅行
万人
商品の拡充などを通じ、首都圏、名古屋圏、関西圏の間で相互にご利用促進を図っていきます。
「EXサービス ※1 」利用実績(平日1日)※2
重 点 施 策・経 営 戦 略
約・チケットレス乗車サービスを導入します。
も、京都キャンペーンについては、京都の持つ日本の美と、その奥深さを再認識していただくことを
「EXサービス ※1 」会員数 ※2
■「エクスプレス予約」
「 プラスEX」会員向け観光型商品の強化 両サ ービスの会員のお客様にビジネス目的でのご利用だけで
千件
※1 「EXサービス」
はJR東海とJR西日本が提供する
「エ
クスプレス予 約 」及び J R 東 海 が 提 供する「プラス
EX」
を指します
※2 平成28(2016)年3月時点
る昼 間 時 間 帯 等 の「 の ぞ み 」を2 1日前までの 予 約でご 利 用 いた
なく、土 休日等には観 光目的で新 幹 線をご 利 用 いただけるよう、
だく
「IC早 特タイプ21」、
3日前までのご 予 約で「こだま」をお 得
観光型商品を拡充しています。
にご 利 用 いただける「こだま☆ 楽 旅IC早 特 」
「 一 緒に☆こだま早
具 体 的には 、乗 車 日3日 前まで の 複 数 名 の 予 約 でご 利 用 い た
特 」などの 商 品 を 発 売し、ビジ ネス以 外 の 場 面 で の 需 要 喚 起 を
だく土 休日限 定 の「EXファミリー 早 特 」、比 較 的 お 席に余 裕 の あ
図っています。
■ 50+
(フィフティ・プラス)
■「エクスプレス予約」
「 プラスEX」
両サービスの会員は、スマートフォンなどでご希望の指定席を
予 約すれば 、専 用 の I Cカードを自動 改 札 機にタッチするだけで、
新 幹線にスピ ーディーにご乗 車 いただけます。駅 のきっぷうりば
に立ち寄る必要もなく、
トータルの移動時間を大幅に短縮できま
す。また、手数料なしで何度でも予約変更が可能なため、
1時間当
「エクスプレス予約」
実績の推移
会員数
会員数
(万人)
300
266
250
217
198
200
119
110
平成28(2016)年度は、これまでの取組みに加えて、新たに50
べ 約 2 2 万 人となっています。会 員 の 方には会 員 誌や W E Bを通
歳代を迎え、よりアクティブで多様なニーズをお持ちのお客様を
(千件)
じて 旬 な 観 光 情 報をお 伝 えするとともに、神 社 仏 閣 の 特 別 拝 観
見据えた企画をご用意いたします。
289
180
155
138
150
120
100
60
50
30
0
0
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
※1 会員数は各月末の実績で、JR東海及びJR西日本の合計 ※2 ’
13.3より
「プラスEX」
会員を含む
■ 東海道・山陽新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス
このほか、沿線の自治体や地元の交通事業者等と連携し、
「 高山・
海道新幹線の観光需要喚起を図る目的で、
「 FLEX JAPAN」
とい
北陸」、
「 伊勢・熊野・和歌山」、
「 立山黒部アルペンルート」、
「 富士山・
うブランドにより、インターネット等を通じて海外向けに旅行商品
静 岡 」等 のエリアを対 象に訪日外 国 人 旅 行 者 向けの 周 遊 商 品を
等を販売しています。
販売しています。
■ 地域との連携の強化
ご利用開始前に、指定のクレジットカードや専用ICカードを作成
より多くのお客様に思い立った際にすぐに新幹線をご予約いた
在 来 線 特 急 列 車 のご 利 用 促 進を目的に、当 社 沿 線 の 数 ある観
していただく
「エクスプレス予約」、
「 プラスEX」は、主にビジネス等
だけ、また、直前まで自由に予約変更できるネット予約・チケットレ
光資源をご紹介する
「Shupo[シュポ]」キャンペーン等を地元の
で頻繁に新幹線をご利用いただくお客様を中心にサービスを展開
ス乗車サービスをご利用いただけることで、新幹線の利便性が一
方々と連携して展開しています。
してきました。
層向上いたします。
また、当社の駅を起点に沿線の観光スポットを歩いて巡る参加
一方で、そうした事前の手間を省くことで、会員以外の方にも一
新しいネット予約・チケットレス乗車サービス
[平成29
(2017)
年夏サービス開始]
開始を目標に、東海道・山陽新幹線に新しいネット予約・チケットレ
ス乗車サービスを導入します。このサービスは、
クレジットカードと
1.利用登録
クレジット
カード
2.予約
3.乗車
タッチ!
費無料の「さわやかウォーキング」は、地域と密着したイベントとし
後も地元と連携を強化し、魅力的なコースを設定していきます。
また、東海道新幹線沿線の観光情報を集約したポータルサイト
「Japan Highlights Travel」
( 日本語に加え、英語等にも対応)
けます。また、訪日外国人の方には、外国語でご利用いただけるよ
は、引き続き沿線の自治体や観光協会と連携して旅行需要の喚起
東海旅客鉄道株式会社 2016
交通系ICカード
Japan Highlights Travel
て定着しており、平成28(2016)年10月に25周年を迎えます。今
既に広く普及した交通系ICカードさえあれば、すぐにご利用いただ
う準備を進めています。
Shupo
(シュポ)
参考資料
層便利にご利用いただけるよう、平成29(2017)年夏のサービス
26
旅 行 会 社と連 携し、訪日観 光 客 の 拡 大に寄 与するとともに、東
会社概要
合に合わせて最も便利な列車をご利用いただけます。
’12.3
■ 海外のお客様向けの商品展開
90
たり片道最大で10本の「のぞみ」が運行するなか、お客様のご都
人、平日一日当たりの利用件数は約16万件となっています。
います。
員 数 は 約 8 3 万 人 、同 年 度 の「 5 0 + 」ブ ランド商 品 のご 利 用 は の
150
平 成 2 8( 2 0 1 6 )年 3月時 点で、両サ ービスの 会 員 数は2 8 9 万
等 が 楽しめるツアーをはじめとした 専 用 旅 行 商 品をご 案 内して
利用件数
(平日1日平均)
236
134
当 社 では 5 0 歳 以 上 の お 客 様 ならどなたでもご 入 会 頂 ける旅
クラブ「 5 0 + 」を運 営しており、平 成 2 7( 2 0 1 5 )年 度 末 時 点 の 会
ESG情報
東海道新幹線の利便性を向上する取組み
を図っていきます。
東海旅客鉄道株式会社 2016
27
技術開発・技術力強化への取組み
業務を執行するとともに、車両、土木構造物、軌道、電力、
信号通信等の様々な設備が有機的に機能することで成
鉄道の研究開発の基本的なサイクル
当社は、世界最高水準の高速鉄道に関する総合的な技術力を活用
フィールドの大量データ取得
海外展開の対象路線
し、海外における高速鉄道プロジェクトへのコンサルティング事業を
フィールドによる実証
(営業車・地上設備・試験車両等)
推進しています。高速鉄道システムの海外展開は、高速鉄道市場の
(本線試験等)
SCMAGLEVの対象路線:
拡大に伴う国内各メーカーの技術・技能の維持強化、資機材の安定供
り立っています。鉄道事業にとって、より一層の安全確保
術力を不断に高めることが重要です。
今後も、さらなる安全性向上、輸送サービスの充実に
理論解析と
シミュレーション
向けて、車両および設備などにおいて最新の技術を取り
ニューヨーク
組みと考えています。
当社の高速鉄道システムの優位性が発揮されるよう、新線による
試験装置
による検証
テキサス州ダラス∼ヒューストン間
を対象としています。また、知的財産権が確立し、契約の尊厳が社会
通念として定着し、法制度が完備されていること、政情が安定してい
ヒューストン
であると考えており、現在は米国を主なターゲットとして、マーケティ
実物大の大型試験装置
による実証
コンピュータの活用
による理論解析
ワシントンD.C.
ダラス
ること、巨大なインフラ投資をする経済力を保有していることも必要
営体制構築につなげていきます。
ボルチモア
N700-I Bulletの対象路線:
高速旅客専用線で、
トータルシステムの導入が期待できる国や地域
重 点 施 策・経 営 戦 略
入れた開発を推進し、鉄道事業の低コストで効率的な運
北東回廊(ワシントンD.C.∼ニューヨーク間)
給、鉄道関係機器の技術革新やコストダウンにつながる有意義な取
フィールドにおける
現象の把握
や将来の経営基盤強化のためには、そのベースとなる技
マネ ジメント・レター
鉄道事業は、様々な技術を持つ社員が協力して着実に
高速鉄道システムの海外展開
ング活動に取り組んでいます。
小牧研究施設での技術開発の推進
トータルシステムの海外展開とコンサルティング
当社の将来を支える技術開発の取組みをさらに強化するとともに、技術力の向上と人材の育成を図るため、平成14
(2002)
年7月、愛知県小牧市に
当社は高速鉄道システムの海外展開において、プロジェクトの事業主体とはならず、コンサルティング事業を推進することとしています。土木構
造物・軌道・電力設備・信号設備・車両・運行管理システム・修繕保守等を含めたトータルシステムを海外市場に提案し、プロジェクトが具体化した際
発足からの14年間で試験装置を充実させながら、N700系・N700A車両の開発や東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策、新幹線土木構造物の大規模改
には日本の関連企業を取り纏めるとともに、運転・保守に関する各種マニュアルの提供、要員の教育訓練等、高速鉄道が安全・安定的に運行される
修工法や新幹線用次世代架線など、当社独自の技術開発成果を挙げてきました。
ための支援とコンサルティングを行うこととしています。
ESG情報
当社独自の研究施設を開設し、研究開発を推進しています。小牧研究施設の大きな特長は、実物大の試験装置を使って技術開発を行っている点です。
今後も、安全・安定輸送の確保を最優先に、東海道新幹線の次期車両等について、最新の技術を取り入れた開発を推進します。加えて、大規模改修等
の設備の維持更新におけるコストダウンをさらに進めるとともに、検査・保守等における省力化及び輸送サービス等の充実につながる実用技術の研究
開発を推進するとともに、異常気象や大規模自然災害に対するより的確な予測、検知等に係る取組みを推進していきます。
■ N700-I BulletとSCMAGLEV
■ SiC素子の採用による新幹線車両用駆動システムの小型軽量化
ステムと比べて、約20%
(1編成当た SiC素子を採用したCI
半導体素子に次世代半導体である炭化ケイ素
(S
iC)
を採用した新幹
り10トン程度)
の軽量化と、更なる小
線車両用駆動システムを開発し、実用化の目途が立ったため、東海道
型化が可能となるため、車両の機器
新幹線の次期車両への導入を検討しています。
配置の制約が緩和されるなど、設計
この開発は、駆動システムの大幅な軽量化と更なる小型化が実現
の自由度が向上するとともに、
より省
できる、高速鉄道では世界初の画期的なものです。
N700系の駆動シ
エネルギーな駆動が実現できます。
SiC素子
約1,000mm
冷却フィン
となく施工できる変位抑制工法で、摩擦熱により地震エネルギーを
めることに加え、①脱線そのものを防止する
「脱線防止ガードの設
吸収する構造となります。今後は、さらなる低コスト化を図りながら、
置」
、②万が一の脱線後の車両の逸脱を防ぐ
「逸脱防止ストッパ」
、③
従来のダンパーブ
構造物の大きな変位を抑制する対策、を実施しています。
レース工法では施
小牧研究施設では、③の対策の一つとして、新型制振デバイスに
工困難な箇所など
よる新たな高架橋変位抑制対策を開発しました。高架下を事務所・
での展開を進めて
店舗などで利用していても、それらを大掛かりに支障移転させるこ
いきます。
新型制震デバイス
鋼板巻補強
新型制震
デバイス
これまでに、ロボット技術を活用した脱線防止ガード転換ロボッ
たに構築したことにより、検査精度を一層向上させると同時に省力
トや、進歩著しいセンサ技術等を活用した新幹線台車温度検知装
化も図りました。引き続き状態監視技術等を活用し、車両や設備の
置を開発し実用化してきました。この技術開発した装置の導入と
検査・保守における高度化・省力化につながる技術開発に力を入れ
合わせて、車両データを継続的に監視するメンテナンス体制を新
ていきます。
東海旅客鉄道株式会社 2016
北東回廊SCMAGLEVプロジェクト
成した東海道新幹線型のトータルシステムです。SCMAGLEVは、当
▶
社が500km/hという高速で営業運転ができる技術にまで引き上げ
SCMAGLEVについてはワシントンD.C.とニューヨークを結ぶ北
てきた超電導リニアシステムです。
東回廊を対象路線としており、
まずはワシントンD.C.~ボルチモア間
が日米両政府の協力のもと進められるよう、プロモーション活動を実
テキサスプロジェクト
N700-I Bulletの対象路線であるテキサスプロジェクトは、民
施しています。平成27
(2015)
年 フォックス米国連邦運輸長官による
には米国連邦運輸長官やメリー 山梨リニア実験線の視察
間事業としてダラスとヒューストンの2大都市間を高速鉄道で結ぼ
ランド州知事に山梨リニア実験線
うというものです。その開発主体であるテキサス・セントラル・パー
を視察いただいたほか、米国連邦
▶
トナーズ(TCP)社 が 、事 業 化に向け建 設 資 金 の 調 達や概 略 設 計
政府からメリーランド州政府に対
などの開発活動を本格化させつつあります。当社はプロモーショ
する連邦補助金2,780万ドルの
ン活動を継続するとともに、
TCP社に対する技術支援を進めます。
交付が決定されるなど、米国側の
なお、
TCP社に対する技術支援の実施に向けた準備の一環とし
認知度も向上してきています。
■ 台湾高鉄への技術コンサルティング
日本型高速鉄道システムを採用している台湾高速鉄道を運営
平成26年(2014)4月より技術コンサルティングを実施してきまし
する台灣高速鐵路股份有限公司から技術的な支援の要請を受け、
た。今後も、同社の要請に応じ、可能な範囲で技術支援を行います。
参考資料
脱線・逸脱防止対策としては、地震発生時に新幹線車両を早く止
■ 状態監視技術等を活用した保守の高度化、省力化
28
Technology Consulting Corporation)
を設立しました。
Avoidance
(衝突回避)
」
の原則に基づく、N700系車両を中心に構
■ 新型制震デバイスによる高架橋変位抑制対策
新型制震デバイス
て、平成28(2016)年5月に現地子会社(High-Speed-Railway
会社概要
駆動システムの小型軽量化と省エネルギー性向上のため、パワー
当社では、
「 N700-I Bullet」、
「 SCMAGLEV」
と称する高速鉄道
システムを海外市場に提案しています。N700-I Bulletは、
「 Crash
日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組み
一般社団法人国際高速鉄道協会(IHRA)
を通じて、
「 Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく日本型高速鉄道システムを国際的な標準と
する取組みを継続しています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
29
期もほぼ満床を維持しました。
関連事業の着実な推進
5,696
平成27(2015)年度
526
(3社)
億円
↓
平成元(1989)年度
百貨店事業は、株式会社ジェイアール東海髙島屋(流通部門)が
出資子会社・その他の事業部門)
が名古屋マリオットアソシアホテル
ジェイアール名古屋タカシマヤを運営し、駅の直上という好立地を
を運営しています。駅直上の立地や高層階からの眺望、グレードの
活かして、高い集客力を発揮しています。売場のリニューアルや積極
高い設備等が好評であり、平成28
(2016)
年3月期の客室稼働率は
的な販売促進施策等により、平成28(2016)年2月期の売上高は、
89%超
(年平均)
と高い水準を維持しています。
平成12
(2000)
年の開業当時の約2倍、過去最高の1,301億円
(対
これら3社の平成28(2016)年3月期における営業収益合計は
前年103.2%)
となりました。
1,750億円
(単純合算)
でした。
マネ ジメント・レター
連結子会社営業収益(単純合算)
ホテル事業は、株式会社ジェイアール東海ホテルズ(当社100%
■ JRゲートタワー計画
(28社)
億円
JRゲートタワー計画は、タワーズの隣に、オフィス、商業施設、
ホテ
JRゲートタワー
(左)
とJRセントラルタワーズ
(中央・右)
ル、バスターミナル、駐車場等で構成される高層複合ビルを建設す
重 点 施 策・経 営 戦 略
る計画です。高さ約220m、延床面積は約260,000㎡と概ねタワー
ズの6割程度の規模で、タワーズと一体で利便性の高い魅力ある都
当社は名古屋駅のJRセントラルタワーズやJRゲートタワー計画
に代表されるように、駅立地を十分に活かすことができる事業をは
市空間を創造し、名古屋駅周辺地区にさらなる賑わいをもたらしま
の拡充に努めてきました。今後もグループ会社と一体となって事業
にビル全体の管理・運営はジェイアールセントラルビル株式会社が
じめ、鉄道事業との相乗効果が期待できる分野を中心に収益基盤
す。
JR東海グループでの効率的な運営の観点から、タワーズと同様
を展開することで、収益及び利益の拡大を図っていきます。
行い、
「タカシマヤ ゲートタワーモール」
等の商業施設に加え、
「 名古
▶ 関連情報(表1「連結子会社一覧表」)はP51へ
屋JRゲートタワーホテル」
が入居します。
「タカシマヤ ゲートタワーモール」
は、約150のファッション・雑貨
等のショップを集積し、現在のジェイアール名古屋タカシマヤでは捉
えきれていないカテゴリー・価格帯のショップを取り揃えることで、
二館一体となった効果的な展開を図っていきます。
当社グループは運輸、流通、不動産、その他の
図1
連結子会社営業収益の推移
(単純合算)
運輸部門
活かして、百貨店の運営や、駅・車内における物
品・飲食物等の販売サービスを行っています。
5,561 5,577 (28 社)
(29社)
5,259 (29社)
5,112
5,073 (31社)(5,181
(29社)
社)
(億円)
5,000
(31社)
29
129
(29社)
2,436
( 社)
3,820 3,850 30
3,693
(30社)
3,556 (30社)(29社)
4,000
3,350 (30社)
(30社)
639
3,000
2,101
2,490
1,000
また、タワーズとあわせた店舗数が日本最大級となるレストラン
フロアに加え、家電量販店、
フィットネスクラブ、保育施設、医療施設
等も入居します。
ビ ル 建 設 工 事 は 平 成 2 7( 2 0 1 5 )年 1 2 月に上 棟し、順 調に進
んでいます。オフィスリーシングも順 調に進 捗しており、平 成 2 8
( 2 0 1 6 )年 1 1 月のオフィス入 居 開 始 、平 成 2 9( 2 0 1 7 )年 4 月の
テル」開業に向け、最盛期を迎える内装・設備工事を着実に進めて
いくとともに、営業・宣伝活動を本格化するなど、万全の準備を行っ
ていきます。
0
■ その他の取組み
流通事業については、取扱商品の刷新や店舗のリニューアル等
■ JRセントラルタワーズ
「名古屋うまいもん通り」
「いいもの探訪」
ウェブサイト
を進めることにより集客力や商品力を高めていきます。また、不動
ズ
(以下、
「タワーズ」
という。)
は、高さ245m、延床面積約417,000
産事業においては、平成27(2015)年度に、名古屋駅構内のレス
関連事業の柱としてきました。また、首都圏・関西圏においては東海
㎡を誇る当社グループの関連事業の中核であり、当社の連結子会
トランゾーン「名古屋うまいもん通り」等のリニューアルを実施し
道新幹線の駅及び関連設備しか保有していないため、新幹線駅構内
社3社がオフィス、百貨店、ホテル等の事業を展開しています。平成
ました。平成28(2016)年度も引き続き既存の駅ビル等の商業施
や高架下などの限られたスペースを有効に活用し、開発に取り組ん
12
(2000)
年の全面開業により、当社の関連事業収益は大きく増加
設においてリニューアルを実施していきます。
できました。このように駅立地を十分に活かすことができる事業をは
しました。 図 1
そのほか、沿線の魅力的な商品を紹介するサイト
「いいもの探訪」
じめ、鉄道事業との相乗効果が期待できる分野を中心に収益基盤の
オフィス事業は、タワーズを所有するジェイアールセントラルビ
を通じて地域活性化に取り組むとともに、平成28(2016)年内の
確保に努めています。
ル株式会社(当社100%出資子会社・不動産部門)が運営していま
ネット通信販売事業の開始に向けた準備を進めていきます。
名古屋駅直上の複合型超高層駅ビルであるJRセントラルタワー
す。開業以来高い入居率で推移しており、平成28(2016)年3月
参考資料
JR東海は、当社の駅で最大の乗車人員を誇る名古屋駅の開発を
東海旅客鉄道株式会社 2016
「名古屋JRゲートタワー
ホテル」
完成イメージ
’00.3 ’01.3 ’02.3 ’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3
注:
( )内は各年度末時点の連結子会社数
30
主体型のホテルとします。
「タカシマヤ ゲートタワーモール」及び「名古屋JRゲートタワーホ
平成28
(2016)
年3月期の当社を除く連結子会
社の営業収益
(単純合算)
は、5,696億円でした。
性の高さと眠り心地の良さを追求し、上質感と機能性を備えた宿泊
会社概要
2,000
(19社)
鉄道車両等の製造、各種鉄道設備の保守・検査・
修繕等を行っています。
その他
4,624
4,362 (30社)
4,105 (30社)
の事業部門では、主要駅におけるホテル事業や
旅行業、広告代理店業等を展開しているほか、
不動産部門
5,286
不動産部門では、駅部及び高架下の開発や、駅
ビル等の不動産賃貸等を行っています。その他
流通部門
5,696
各事業を展開しています。運輸部門は、鉄道事
業とバス事業、流通部門では、鉄道の集客力を
「タカシマヤ ゲート
タワーモール」
完成イメージ
「名古屋JRゲートタワーホテル」
は全350室で、駅直結という利便
ESG情報
■ JR東海グループの事業展開
東海旅客鉄道株式会社 2016
31
新幹線における取組み
地球環境保全
当社では、新幹線の一層の省エネルギー化を図るため、省エネ型
のエネル ギー 消 費 量は、最 高 速 度 2 7 0 k m / hで走 行した場 合 の
車両の開発・投入を積極的に行っています。主力となっているN700
3 0 0 系に対して2 3%、7 0 0 系に対して1 6%の 削 減となり、速 度
系は、平成19
(2007)
年度からの5年間で80編成を集中投入しまし
向 上を実 現しつつ 、顕 著 なエネル ギ ー 消 費 の 改 善を示していま
た。最新型車両N700Aは平成27
(2015)
年度までに25編成を投入
す。そ の 結 果 、平 成 2 7( 2 0 1 5 )年 度 末 の 段 階でエネル ギー 消 費
球環境への負荷が少ないとい
しており、平成28
(2016)
年度から平成31
(2019)
年度にかけてさ
原単位を平成2(1990)年度比で約33%改善しています。今後、
らに26編成を追加投入する予定です。
N700Aの投入を進めることにより、さらなる省エネルギー化に努
車両の省エネルギー化等、鉄道
東京~新大阪を最高速度285km/hで走行した場合のN700A
めます。
鉄道には他の輸送機関に比
べてエネルギー効率が高く、地
う優位性があります。当社は、
7%
運行に係るエネルギー効率を
が抑制され、地球環境保全につ
ながると考えています。
33
エネルギー
消費量
東海道新幹線の省エネ型車両比率、エネルギー消費原単位の推移
270km/h
6%
5%
2%
6%
29%
輸送量
(人キロ)
270km/h
△16%
図1
(%)
100
285km/h
3%
5%
100%
CO 2排出量
92%
77%
出典:輸送量・エネルギー消費量/交通関連統計資料集(国土交通省)、
CO2 排出量/国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスのデータをもとに作成
※端数処理により、
内訳の合計が100%にならない場合があります。
% 改善
△23%
約 33%改善
80
80
0 系・100 系
60
60
300系
(1992)
700系
(1999)
N700A
(2013)
※東京∼新大阪下りを上記の最高速度で走行した場合のシミュレーション
0
90
省エネ型車両
300系・700系
40
40
さらなる省エネ型車両
N700系・N700A
20
旅客輸送における輸送量・エネルギー消費量・CO2排出量分担率
(%)
100
1990 年度比
重 点 施 策・経 営 戦 略
輸部門全体としての環境負荷
東海道新幹線の車種別電力消費量の比較
その他
6%
平成2(1990)年度比
航空機
自動車
省エネ型車両比率
択・利用していただくことで、運
平成27(2015)年度における
東海道新幹線のエネルギー消費原単位 ※
83%
77%
5%
地球環境への負荷が少ない鉄
鉄道
エネルギー消費原単位
︵ 年度を基準とした比率︶
境負荷を低減することに加え、
3%
バス
52%
一層高めることで、直接的な環
道を一人でも多くのお客様に選
9%
マネ ジメント・レター
■ 省エネ型車両の投入
’90 ’91 ’92 ’93 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99 ’00 ’01 ’02 ’03 ’04 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 ’12 ’13 ’14 ’15
20
0
(年度)
※当社では、事業活動と最も関連性の高い値として車両走行キロの総計を用い、エネルギー消費原単位を
「車両1両を1km運行する際に消費するエネルギー量」
と定義しています。
図2
旅 客 輸 送 に お け る 輸 送 量とC O 2 排
■エネルギー消費量(1座席当たり)
出 量にお いて、鉄 道は国 内 全 体 の 旅 客
輸送量のうち29%を担っているにもか
か わらず 、C O 2 排 出 量 で は 5%を 占 め
るにすぎませ ん 。
図1
東海道新幹線
( N 7 0 0 系「 の ぞ み 」)と航 空 機( B 7 7 7 200)を比較した場合、東京~大阪間を
移動する際の1座席当たりのエネルギー
消費量は約8分の1、CO2排出量では約
1 2 分 の 1であり、東 海 道 新 幹 線は圧 倒
新幹線
N700系「のぞみ」
90MJ
航空機の
約1/8
※1
新幹線
N700系「のぞみ」
4.2kg-CO2 ※1
航空機の
約1/12
1
走行抵抗の低減
空力特性に優れた先頭形状を導入し、さらに車体外板と窓ガラスの間の凹凸をなくした客室窓構造の採用と全車間への全周ホロの設置等によ
り車体表面を平滑化することで、走行抵抗を低減しています。
図3
2
車両の軽量化
軽量でシンプルな構造のボルスタレス台車を採用し、車体の材料には、軽量なアルミニウム合金材を採用しています。さらに、モーターは高
性能かつ小型の交流モーターを採用しています。これらにより、車両を軽量化しています。
3
車体傾斜システムの導入
速度を制限している曲線区間の速度向上を図るため、新幹線で初めて車体傾斜システムを実用化し、N700系・N700Aに導入しています。
これにより、快適な乗り心地を確保しながらの速度向上が可能となり、到達時分を短縮すると同時に、加減速頻度を減少させています。
航空機
航空機
B777-200
N700系・N700Aは、高速性、快適性とともに、以下の技術の導入等により環境性能が格段に向上しています。
■CO2 排出量
(1座席当たり)
746MJ
※2
B777-200
50kg-CO
2
※2
※1. 走行実績(当社分)
に基づく算出 N700 系
「のぞみ」
(東京∼新大阪)
※2.ANA「アニュアルレポート 2011」
を参考に当社算出 B777-200
(羽田∼伊丹・関空)
図2
指針・目標
■ 環境行動指針
■ 環境目標
当社は、地球環境保全に取り組むにあたり、以下の7項目からな
当社は、エネルギー消費原単位を平成42(2030)年時点で平
る環境行動指針を定めております。
成7
(1995)
年度比25%減という
「低炭素社会実行計画フェーズⅡ」
4
電力回生ブレーキの拡大
図4
ブレーキ時にモーターを発電機として働かせて、発電した電力を架線に戻して再利用する電力回生ブレーキを新幹線で初めて実用化してい
ます。700系では一編成16両のうち12両で回生していましたが、N700系・N700Aでは14両に拡大し、一編成で通常時に必要なブレーキ
力をすべて電力回生ブレーキで賄っています。
会社概要
的な環境優位性を有しています。
■ N700系・N700Aの優れた環境性能
東海道新幹線と航空機の比較
(東京〜大阪)
ESG情報
鉄道の環境優位性
加速時に架線からの電力を変換してモーターに送り、減速時にモーターで発電した電力を架線に戻す働きをする主変換装置(CI)
において、
走行風冷却方式を新幹線で初めて実用化し、N700系の一部車両に採用しています。N700Aではさらに17%小型軽量化し、全電動車に展
開しています。
5
小型軽量ブロアレスCIの
全電動車展開
6
客室照明の最適化及び
LED照明の導入
N700Aの普通車客室では、明るいシート色に合わせて客室照明を最適化するとともに、
トイレや洗面所には調光機能付きのLED照明を導入
し、車内の照明電力を、N700系に比べて約20%削減しています。平成28(2016)年度に投入する車両より、客室にもLED照明を採用し、さ
らなる照明電力の削減に取り組みます。
7
リサイクルに優れた
素材の採用
車両の廃車により発生する廃棄物の約90%(重量比)
をリサイクルしています。N700Aではシートクッションの材質を100%リサイクル可能
なポリエステルに変更し、空気抵抗の低減等のために台車部分を覆っている台車スカートにはFRP(繊維強化プラスチック)
に代えて、ステン
レスを採用し、高いリサイクル性を実現しています。
(詳細は、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)のホーム
1
地球環境保全の面で優れた鉄道を一層ご利用いただくための
快適な輸送サービスの提供
地球環境保全に資する技術開発の推進
3
燃料、エネルギーの効率的な利用
もに、それ以降も、省エネ型車両の開発・投入等、積極的に取り組
4
廃棄物の抑制とリサイクルの推進
んできました。今後も、
「 のぞみ10本ダイヤ」等による需要に合わ
5
化学物質の適切な管理
せた、より弾力的な列車設定に努めつつ、省エネ型車両を引き続
6
地球環境に配慮した物品・資材の調達
き投入するなど、積極的な取組みを行っていきます。
図3
走力抵抗の低減
(全周ホロ)
電力回生ブレーキのしくみ
成22(2010)年度末の段階で15%減という目標を達成するとと
ブレーキ
(発電)
ブレーキ時にモーターを発電機と
して働かせて発電し、架線に戻す
地球環境保全へ向けた意識向上と社会貢献
東海旅客鉄道株式会社 2016
図4
参考資料
2
7
32
ページをご覧ください。)
を策定し、その着実な達成に努めていま
す。これまで、
「 ボランタリープラン
(自主行動目標)」
を設定し、平
300系(全周ホロなし)
N700A(全周ホロあり)
力行(電力消費)
架線に戻した回生電力を他の
列車の加速時等に再利用
東海旅客鉄道株式会社 2016
33
■ 地上設備の取替による電力供給効率の向上
▶ 浜松工場
各施設・工場の設備状況
また、平成26(2014)年度から平成33(2021)年度にかけて、
電所から遠ざかるに従い電圧が降下することを抑制するなどの目的
50Hzの電気を新幹線走行に必要な60Hzの電気に変換する周波
で設置している電力補償装置の取替を進めています。新たな装置は
数変換装置の一部を、損失の少ない静止形に取り替える工事を進
従来設備より電力損失が少ないことなどから、取替により新幹線の
めています。これにより、新幹線の電力使用量を約2%削減できる
電力使用量を約3%削減できる見込みです。
見込みです。
新 幹 線 車 両 の 全 般 検 査 を 行う浜 松 工 場 で は 、平 成 2 2
リニア・鉄道館
(太陽光発電システム)
▶リニア・鉄道館
マネ ジメント・レター
平成23
(2011)
年度から平成30
(2018)
年度にかけて、車両が変
(2010)年7月よりリニューアル工事に着手しており、これに
合わせ、平成27
(2015)
年度には、工場の屋根を利用した発電
平成23(2011)年3月に開館したリニ
容量約300kW、年間発電量約30万kWhの太陽光発電シス
ア・鉄道館では、広大な屋根を利用した太
テムを導入しました。このほか、高効率変電設備・ボイラー等を
陽光発電システムを導入しています。発電
導入し、工場全体で約10%の省エネルギー化を図ります。
容量約500kW、年間発電量約61万kWh
となっており、
リニア・鉄道館で必要な電力
の約3割を賄っています。
■ Eco出張の提案
出張」の取組みが広まれば一層の地球温暖
コロジー(環境保護)への貢献につながる出張」すなわち、
「 中長距
化防止につながると考え、
「 Eco出張」の浸
離の移動
(出張)
において、
より温室効果ガス排出量の少ない交通機
透を目指し、広告宣伝展開をはじめ情報発
関・出張形態を選択する」
という考え方・行動を指します。この「Eco
信をしています。
LED照明の採用等、省エネルギー化を図っ
能を目指すほか、ビルからのCO2排出量を、CASBEE名古屋
能評価システム)
」
において、最高評価の
「S
量化等により、気動車では、車両の軽量化や低燃費なディーゼル
また、新製車両についてはLED照明を採用し、さらなる環境負荷
エンジンの導入など、よりエネルギー効率の高い車両の投入を進
低減を進めています。
69
(両)
1,600
1,200
800
100(基準)
71
400
0
※キハ40系に新・旧エンジンを搭載して走行した場合の実績による
(従来エンジン:DMF15HS型、新型エンジン:C-DMF14HZ型)
省エネ型車両
従来型車両
775
440 465 469 481 490 542 626
881 887
639
1,210 1,242
885 885 885 885 888 1,091 1,112
1,242 1,265 1,222
1,112 1,112 1,166
988 936
919 918 877 850
748 733 698
517 480
432 426 426 425 408
153 127 127 107 107
272
50
0
0
’90 ’91 ’92 ’93 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99 ’00 ’01 ’02 ’03 ’04 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 ’12 ’13 ’14 ’15
出されたため、関係機関へ報告するとともに適切な措置を講じて
「PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管
います。今後も、工事の進捗に伴い、順次数回にわたり調査を実施
理の改善の促進に関する法律)」
に基づき、対象の化学物質につ
する予定です。調査で基準値を超える物質が検出された場合は、
いて都道府県への排出量・移動量の届出を行い、適切に管理し
その都度報告を行い、法令及び行政機関の指導に基づき適切に措
ています。
置を実施します。
※平成27
(2015)年度の運行実績より推計
平成27(2015)年度の活動状況
環境会計
事業活動における環境負荷
平成27(2015)年度の環境保全活動に関する投資・費用やそれに伴う効果を試算
当社が平成27
(2015)
年度の1年間の事業活動
すると下記の通りです。
を行う上で使用した資源・エネルギー及び排出した
廃棄物等のうち、主なものは下記の通りです。
環境会計
分類
資源の有効利用/自然エネルギーの活用や省エネルギー設備の導入
当社では、Reduce(廃棄物の発生抑制)、Reuse(再利用)、Recycle(再生利用)の3Rの取組み等、資源の有効利用を推進しています。具体的に
は工事における廃棄物の排出削減、雨水の活用、乗車券・制服類のリサイクル、車両のリサイクル等に取り組んでいます。
■ グリーン調達ガイドライン
当社では、地球環境に配慮された資材を優先的に調達する、グリーン調達を行っています。そのため、取引先との連携を強化する目的で
「JR
地球環境保全
コスト
研究開発
コスト
資源循環
コスト
沿線環境保全
コスト
管理活動
コスト
社会活動
コスト
主な取組み内容
省エネ型車両の導入
駅やオフィスビルの省エネ化
● 脱フロン型機器の導入 等
環境保全コスト
(億円)※1
投資額
費用
418.7
4.6
0.2
92.8
●
●
省エネ型車両の開発
● 沿線環境保全に関する開発 等
●
駅、列車ゴミ等の適正処理とリサイクル
● 工場、
工事発生品の適正処理とリサイクル
●
騒音、振動対策
● 環境負荷物質の適正管理 等
●
環境広告
● 環境マネジメント教育 等
●
●
環境保全を行う団体等への支援、協賛
合 計
※2
主な環境保全効果
●
0.8
26.5
129.3
42.0
0.0
0.1
0.0
549.1
0.0
省エネ型車両比率:100%(新幹線電車)、
100%[在来線
(電車・気動車)
]
脱フロン型整流器:53 台稼働
●
N700Aの省エネ性能:▲23%(300系比)
※300系(270km/h走行)とN700A(285km/h走行)の比較
ごみ、
廃棄物のリサイクル率:57%
● 工事廃棄物リサイクル率:58%
●
●
●
●
防音壁の嵩上げや改良、
レール表面の削正
等による沿線環境保全
技術開発部におけるISO14001 の認証取得
環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)
への参画
166.2
※1.1千万円未満切り捨て ※2.端数処理により合計が合わない
[環境保全コストの集計の考え方]
● 集計範囲は当社単体です。
● 対象期間は、平成27(2015)年4月1日∼平成28(2016)年3月31日です。
● 形式は、
環境省の「環境会計ガイドライン2005年版」
を参考にしています。 ● 費用には、減価償却費を計上していません。
● 多目的の支出の場合、
環境保全効果の高いものの全額を計上しています。
INPUT/OUTPUT
INPUT
電力
28.5
億kWh
(20.8 億kWh)
燃料
水
(原油換算量)
3.1
万kL
(1.4 万kL)
328.7 万m
3
※括弧内は運転用(再掲)
参考資料
また、新規の建物やリニューアル工事において、自然エネルギーの活用や省エネルギー設備の導入等も進めています。
http://company.jr-central.co.jp/company/material_procurement/_pdf/green_guide_line.pdf
調査を実施したところ、一部の土壌より基準値を超える物質が検
会社概要
よるCO2削減量は、年間約2,600トン※となりました。
東海グリーン調達ガイドライン」
を制定し、取引先と協力して地球環境保全に貢献します。
平成27
(2015)
年度は、名古屋工場において、工事に伴い土壌
0
■ 武豊線の電化による環境負荷低減
ている武豊線
(大府~武豊間、
19.
3km)
を電化しました。この電化に
■ 土壌汚染対策
■ 化学物質の管理
(年度)
※数値は各年度末時点の車両数(一部のイベント列車・保留車・試験車を含む)
平成27
(2015)
年3月、名古屋都市圏での通勤・通学輸送等を担っ
法令遵守
ESG情報
100(基準)
2010標準モデルビルと比較して約25%削減する予定です。
ランク」
を取得しています。
当社では、環境関連法令を遵守するための体制を整えています。
在来線
(電車・気動車)
の省エネ型車両の導入推移
※豊橋∼大垣(快速運用)
を走行した場合のシミュレーション
東海旅客鉄道株式会社 2016
に取り組み、
「 CASBEE」
の最高評価である
「Sランク」
の環境性
す。その結果「CASBEE(建築環境総合性
在来線
(電車・気動車)
の電力・軽油消費量の比較
34
上の緑化等、
ビル全体の省エネルギー化、環境への負荷低減
ネルギーも有効活用した建物としていま
型車両となっています。
URL
照明の採用、太陽光発電パネルの設置、15階中庭や低層棟屋
光や通風を最大限取り入れるなど、自然エ
めています。これらの取組みの結果、在来線車両はすべて省エネ
省エネ型(新型エンジン搭載車)
JRゲートタワー計画においては、地域冷暖房の導入、LED
物外側での断熱性能の向上を図り、自然採
力回生ブレーキや高効率の電力制御変換方式の導入、車両の軽
従来型(従来エンジン搭載車)
▶ JRゲートタワー
ています。さらに、屋上庭園の配置等で建
在来線の車両も省エネルギー化を図っています。電車では、電
■気動車
入することで、工場全体の電力使用量を約2割削減します。
蓄熱を熱源とした空調システムの導入や
■ 省エネ型車両の投入
省エネ型
(313系 120km/h)
ネ対策として、高天井用のLED照明や高効率の変電設備を導
修センターでは、夜間電力の利用による氷
在来線における取組み
従来型
(117系 110km/h)
(2014)
年2月より耐震化及び設備更新に着手しており、省エ
(屋上緑化)
平成23
(2011)
年9月に新設した総合研 総合研修センター
Eco出張ポスター
■電車
在来線車両の全般検査等を行う名古屋工場では、平成26
▶ 総合研修センター
重 点 施 策・経 営 戦 略
当社は、
「 Eco
(エコ)
出張」
を提案しています。
「 Eco出張」
とは、
「エ
▶ 名古屋工場
OUTPUT
排 出 CO2
151.4 万t
ごみ、廃棄物
(駅・列車・オフィスごみ 1.6万t)
(工事廃棄物 21.0万t)
(車両廃棄物 0.7万t)
※電力及び燃料のCO 2 排出係数
は、エネルギーの使用の合理化
に関する法律(省エネ法)の報告
に基づく。
うち
リサイクル
23.4 万t
※リサイクル量は再掲
13.6万t
(社内再利用含む)
東海旅客鉄道株式会社 2016
35
人材育成
地域社会とのつながり
マネ ジメント・レター
離職率
1
%
概ね
女性社員の業務風景
総合研修センター(静岡県三島市)
公共輸送機関である鉄道は、地域社会と非常に密接なつながりを持っています。
きません。そのため当社では、長期雇用を前提に、与えられた役割を確実に遂行する意識
における医療機関や博物館の運営に加え、沿線地域と連携した営業施策の展開や、
当社は、地域の玄関口となる駅の利便性を高める取組みや、本社のある名古屋地区
銘品や逸品を紹介するウェブサイトの立ち上げなど、地域への貢献を目指した取組
と高い技能を身に付けた社員を育成するため、長期的な視野に立った人材育成や能力開
発に力を入れており、様々な制度を通じて、その定着と活躍促進を図っています。
▶ 関連情報(コラム3「『 小1の壁 』の克服」)はP51へ
今後も教育機会の拡充を図るとともに、研修内容のブラッシュアップ
務知識や技術を学ぶ
「職場内教育訓練
(OJT)
」
を中心に、総合研修セ
に不断に取り組んでいきます。また、社員一人ひとりが心身ともに健
ンター 等で実施する
「集合研修」
と、社内・社外通信研修制度等の自
全な状態で業務に取り組めるよう、社内の健康管理センター と連携
分自身で知識・技能を習得する様々な
「自己啓発」
により補完する形
し、
メンタルヘルス面での
「セルフケア」
に関する手法やトレーニング
としています。平成27
(2015)
年度は約260件の集合研修が実施さ
法に関する教育をさらに充実させていきます。
れ、延べ約9,500名の社員が研修に参加したほか、社内通信研修だ
こうした結果、毎年多くの新規採用
[平成28
(2016)
年度初採用で
けでも延べ約6,000名の社員が自発的に受講しました。
約670名]
を行う中でも、離職率は概ね1%程度と、非常に高い定着
平成28
(2016)
年度は、プロフェッショナル職社員の視野拡大や見
状況となっています。
修」
を新設しました。
リーダーシップ等、各職場の中核的役割を担う社
*1.総合研修センターでは、鉄道に従事する関連会社の人材を含めて、グループ一体として安全やサー
ビスに主眼を置いた社員教育を行っています。
*2.東京、静岡、名古屋、大阪の各地区に設置され、産業医、保健師、看護師や臨床心理士が所属する部署。
社員の健康管理や職場巡視、健康教育・相談などを担当。
■ 女性社員の活躍促進
車いすをご利用のお客様をはじめとする
当社は、名古屋市による
「モノづくり文化
お身体の不自由なお客様に対しては、必要
交流拠点構想」
に参画し、平成23
(2011)
年
当社は、地方自治体からの要請に応じて、
に応じて当社の駅においてご案内や列車の
3月、名古屋市港区金城ふ頭に
「リニア・鉄道
新駅の設置、駅舎の改良、駅前広場の整備、
乗降のお手伝いをしています。
館」
を開館しました。
駅等の利便性の向上
地域に根差した医療機関の設置
に、在来線から超電導リニアまでの車両展示
(名古屋セントラル病院)
を通じて
「高速鉄道技術の進歩」
を紹介してお
のお客様を含め、お客様に当社の鉄道を安全
名古屋市中村区に設置している名古屋セ
り、平成28
(2016)
年5月には入館者が358
万人となりました。
貢献しています。
また、お身体の不自由なお客様やご高齢
に、
かつ安心してご利用いただくため、いわゆ
ントラル病院は、急性期病院として様々な
るバリアフリー法をはじめ関係諸法令等に基
先端医療機器を導入して、年間1,500件以
づき、国・関係自治体と三者共同で設備の整
上の手術を実施するなど、高度で先進的な
備や改良等を行っています。これまで、お客
医療サービスを提供しています。また、近隣
営 業 施 策 の 一 環として 、
「 S h u p o[シュ
様のご利用が1日5千人以上の駅については
の 救 急 隊と連 携して年 間 4 ,0 0 0 件 以 上 の
ポ ]」キャンペ ーン、
「 さわや かウォー キン
橋上駅舎化計画等のある駅を除いて基本的
救急車を受け入れるなど、救急医療にも注
グ」、
「 Japan Highlights Travel」等につ
力しています。今 後も当 院 の 特 色・専 門 性
いて、沿線地域との連携を深めながら取り
本方針に従い、お客様のご利用が1日3千人
を活かして、地域社会への貢献を果たして
組んでいます。
以上の駅に対し、順次エレベーターや多機能
いきます。
また、当社は勤務制度の整備や各種給付制度の充実等を通じて、
翌日5時にかかる時間帯の労働)
が必要不可欠ですが、当社発足当時
子育てをはじめとする仕事と家庭の両立を支援する環境を整えてき
の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は
ました。とりわけ育児支援に関しましては、育児休職期間をはじめ、時
トイレなどの整備に取り組んでおり、現時点
で約9割の駅が整備完了または計画が進行
原則として禁止されていました。そのため、平成8(1996)年度末に
間外労働の免除期間や分娩休暇期間等の面において、法を上回る制
度を整えてきたところです。平成28(2016)年4月の女性活躍推進
その後、平成9
(1997)
年の労働基準法改正を受け、当社では本格
法施行にあたっては、
こうした取組みも踏まえ、男女の別なく育児に
参加することを積極的に後押しすべく、育児休業取得率の維持・向上
女性社員数は約2,000名(全社員に占める割合は約10%)
となって
を行動計画として定めております
[平成27
(2015)
年度の育児休業
います。
の取得者は約490名]
。
いすをご利用のお客様に対応した設備を取
り入れています。
地域活性化策への参画
▶
「リニア・鉄道館」
~夢と想い出のミュージアム~
線地域の銘品や逸品など、その土地ならで
はの 商 品を通じて地 域 の 魅 力を紹 介 する
ウェブサイト
「いいもの探訪」
を立ち上げま
した。
国際交流
■ 健全な労使関係
当社は、海外事務所
(ワシントンD.C.・ロンドン・シドニー)
を通じた世界各国のタイムリーな鉄道情報の収集、国際会議参加による各国の
当社には現在4つの労働組合があり、その全ての労働組合との間
員数計19,334人]
。この労働協約に基づき、経営協議会、団体交渉等
で労働協約を締結しています
[平成28
(2016)
年3月31日現在、組合
を行っており、健全かつ安定的な労使関係の構築に努めています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
中です。また、当社のほぼすべての列車に車
また、地域活性化に向けた新たな取組み
として、平成27(2015)年12月に、当社沿
参考資料
的に女性社員の採用を開始しました。平成27
(2015)
年度末時点で、
▶ 沿線地域と連携した施策展開
に整備が完了しました。現在、新たな国の基
鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から
おける当社の女性社員の割合はわずか1.3%にとどまりました。
「リニア・鉄道館」
では、東海道新幹線を中心
鉄道高架化事業等を推進し、地域の発展に
会社概要
員として必要な基礎的素養を体得するプログラム等を実施します。
*2
ESG情報
基本的な教育体系は、各職場における日常的な仕事を通じて、業
識の向上、ならびに全体のレベルアップを目的に
「フォアランナー研
みを行っています。
地域コミュニティーへの貢献
■ 人材育成の基本方針
*1
名古屋セントラル病院
重 点 施 策・経 営 戦 略
当社は人材こそが最大の経営資源と考えています。鉄道の運行の安全を最終的に守る
のは、それを動かす人材です。鉄道は経験工学だとも言われ、人材の育成は一朝一夕にで
36
リニア・鉄道館
鉄道関係者との先端技術及び経営に関する情報交換、海外向けプレス発表等による広報活動等幅広い国際業務を積極的に行っています。
また、政府の要請に基づく鉄道分野での技術協力、海外の大学や国際機関等からのインターンの受入等の人材育成を行っています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
37
社外取締役及び社外監査役
社外取締役及び社外監査役の選任については、当社の業務を遂
の高い識見に基づき、独立した立場から、取締役会又は監査役会の
当社は、経営の健全性、効率性及び透明性を確保し、企業の長期的な発展と継続的な
行するにあたり、最もふさわしい体制を確保するという方針に基づ
場に限らず、当社の業務遂行上有益な意見を受けています。また、
き、社外取締役3名及び社外監査役3名を選任しています。社外取締
社外取締役及び社外監査役から受けた意見は、監査役監査、内部監
役及び社外監査役については、社外での様々なご経験や高いご見
査、安全監査及び会計監査、さらに内部統制基本方針に定める各項
識に基づき独立した立場からご意見をいただけるよう、株式会社東
目の実施に活かしています。
京証券取引所が定める独立性の基準に従い各人の独立性を判断し
なお、当社は、社外取締役及び社外監査役全員を、一般株主と利
ています。
益相反の生じるおそれがない独立役員として、上場証券取引所に対
社外取締役及び社外監査役からは、社外における様々な経験やそ
し届け出ています。
企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制
株主総会
選任
選任
監査
取締役会
選任
連携
監査役(会)
■ 社外取締役及び社外監査役の活動状況
■ 社外取締役及び社外監査役の選任
[ 平成27
(2015)
年度 ]
経営会議
本社・支社・現業機関
監査
監査
連携
内部監査部門(監査部・安全対策部)
管理・指導
監査
主な活動状況
氏名
当事業年度開催の取締役会13回のうち11回
張 富士夫
報告
張 富士夫
は、
これまでの会社経営の経験等に基づき発
までの検察官および弁護士としての活動にお
頃安 健司
卓
席しております。取締役会におきましては、こ
佐 伯
れまでの会社経営の経験等に基づき発言を
卓
機関、関係会社に赴き、その業務執行状況について検証するなど、厳
28
(2016)
年6月23日現在]
正に監査を行っています。なお、監査役の職務執行を補助する者とし
取締役会は、月1回以上開催し、法定事項はもとより、経営上重要
て、当社の社員から専任の監査役スタッフを置くなど、監査役の監査
な事項について、事柄の背景や進捗状況等を丁寧に説明し十分に審
が実効的に行われることを確保するための体制を整備しています。
内部監査は、監査部において、当社及び関係会社の業務を対象
行状況を監督しています。また、取締役会に先立ち、経営に関する重
に、その業務運営が法令、定款及び社内規程に基づき適法かつ適正
要な事項を審議する機関として経営会議を設置し審議の充実を図っ
に行われているかについて実施し、その結果を経営者に報告してい
ています。取締役会、経営会議をはじめとする重要な会議には監査
ます。加えて、運転事故及び労働災害を防止するため、安全対策部に
おいて安全監査を実施し、その結果を経営者に報告しています。
会計監査は、会計監査人として選任している有限責任監査法人
で、適正な業務運営の確保に努めています。
トーマツから、一般に公正妥当と認められる監査の基準に基づく適
なお、当社は平成15
(2003)
年5月に執行役員制度を導入していま
正な監査を受けています。
すが、当社を取り巻く経営環境の変化に適時・適切に対応するため、平
監査役、内部監査部門及び会計監査人は、定期的または必要の都
成24
(2012)
年6月から、
より一層の取締役会における意思決定の迅
度、情報交換を行うことにより相互に連携を図っているほか、内部統
速化及び審議の充実並びに取締役と業務執行を担う執行役員との役
制に関わる各部署から必要な情報提供を受け、内部統制基本方針に
割分担のさらなる明確化を目的とした役員体制としています。
定める各項目の実施状況について確認しています。
た監査役会14回すべてに出席しております。
取締役会および監査役会におきましては、こ
れまでの警察行政等における経験等に基づき
取締役会および監査役会におきましては、
これ
までの検察官および弁護士としての活動にお
当社の社外取締役に適任で
ける経験やその高い識見か
ら、当社の社外監査役に適任
愛知時計電機株式会社
社外監査役
株式会社石井鐵工所
社外監査役
森ビル株式会社
社外監査役
木藤 繁夫
ける経験やその高い識見か
ら、当社の社外監査役に適任
これまでの検察官及び弁護
木藤 繁夫
ける経験等に基づき発言を行っております。
士としての活動における経
験やその高い識見から、当社
(注)
取締役張富士夫は、平成27
(2015)
年6月11日付で株式会社
豊田自動織機の社外取締役、同年6月19日付で株式会社デンソー
の社外監査役を退任しております。
の社外監査役に適任である
と判断したためです。
役員報酬等の内容
取締役の報酬等は、定額の基本報酬と賞与から構成しています。
基本報酬は役位、経験年数等を総合的に勘案し、賞与は各事業年度
の業績、委嘱業務の成果等を総合的に勘案し、それぞれ適正な額を
平成24
(2012)
年6月22日開催の第25回定時株主総会で決議され
■ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる
役員の員数[ 平成27(2015)年度 ]
区分
監査役の報酬等は、定額の基本報酬のみとし、適正な額を平成19
(2007)
年6月22日開催の第20回定時株主総会で決議された報酬
等の限度額の範囲内において、監査役の協議により決定しています。
基本報酬
(百万円)
(名)
(百万円)
(名)
(百万円)
13
564
13
232
797
(社外監査役を除く)
2
94
-
-
94
社外役員
6
114
3
6
121
役員数
監査役
総額
報酬等の総額
対象員数
(社外取締役を除く)
対象員数
賞与
総額
た報酬等の限度額の範囲内において、取締役会の決議により決定し
定額の基本報酬のみとします。
東海旅客鉄道株式会社 2016
社外監査役
であると判断したためです。
ています。なお、社外取締役の報酬等は、平成28
(2016)
年7月より
38
株式会社大垣共立銀行
これまでの警察行政等にお
太田 裕之
当事業年度開催の取締役会13回すべてに、
ま
木藤 繁夫
卓
る経験やその高い識見から、
であると判断したためです。
発言を行っております。
た監査役会14回すべてに出席しております。
佐伯
東海旅客鉄道株式会社 2016
参考資料
役に出席を求め、審議過程から経営施策の適法性の確保に努めてい
ます。また、当社は、関係会社に対して必要な管理、指導を行うこと
れまでの運輸行政等における経験等に基づき
緒
発言を行っております。
太田 裕之
ユニーグループ・
社外取締役
ホールディングス株式会社
会社概要
議のうえ、適法かつ適正に意思決定を行うとともに、取締役の業務執
石 津
取締役会および監査役会におきましては、こ
当事業年度開催の取締役会13回すべてに、
ま
代表取締役会長
ESG情報
査役5名
(うち3名が社外監査役)
で構成されています。
[ 人数は平成
の社外取締役に適任である
監査役
査役会で策定した計画に基づき、本社部門、鉄道事業本部、支社、現業
緒
社外監査役
これまでの運輸行政等にお
た監査役会14回すべてに出席しております。
監査役
れています。また、当社は監査役制度を採用しており、監査役会は監
石 津
監査役
監査役は、取締役会、経営会議等の重要な会議に出席するほか、監
験やその高い識見から、当社
あると判断したためです。
当事業年度開催の取締役会13回すべてに、
ま
当社の取締役会は取締役16名
(うち3名が社外取締役)
で構成さ
士としての活動における経
これまでの会社経営におけ
行っております。
■ 企業統治体制の概要
東邦瓦斯株式会社
と判断したためです。
当事業年度開催の取締役会13回すべてに出
役職名
当社の社外取締役に適任で
これまでの検察官及び弁護
ける経験等に基づき発言を行っております。
佐 伯
頃安 健司 古河電気工業株式会社
る経験やその高い識見から、
取締役
席しております。取締役会におきましては、
これ
兼任先法人等の名称
あると判断したためです。
取締役
取締役
頃安 健司
氏名
これまでの会社経営におけ
に出席しております。取締役会におきまして
当事業年度開催の取締役会13回すべてに出
[ 平成28
(2016)
年3月31日現在 ]
選任理由
言を行っております。
監査
関係会社
氏名
■ 社外取締役及び社外監査役の主な兼任状況
[ 平成28
(2016)
年6月23日現在 ]
重 点 施 策・経 営 戦 略
調査
連携
会計監査人
代表取締役社長
マネ ジメント・レター
コーポレート・ガバナンス
39
■ コーポレートガバナンス・コードへの対応
とらないものの、当社は、長期的な視点に立って鉄道事業に取り組ん
ポレートガバナンス・コード
(以下
「コード」
という。)
に対する当社の考
でまいりました。具体的には、現在、建設に着手した中央新幹線の建
え方や取組みを開示しています。
設のほか、東海道新幹線の大規模改修計画や地震対策、車両更新計
コードで定められた各原則のうち実施しない原則は、中期経営計画
画などの長期間を要する設備投資については、いずれも長期的な視
の策定や数値目標の提示を前提とした原則
(補充原則4-1②及び原則
点に立って決定し、着実に推進していくこととしております。その他の
5-2)であり、その理由を報告書において以下の通り説明しています。
主要な施策についても、計画及び実績等を適宜公表して、着実に推進
「当社の経営の柱となる鉄道事業においては、安全・安定輸送の確
しております。また、安全・安定輸送の確保を大前提に、効率的な業務
運営により健全経営を堅持していくべく、毎年、足元の経営環境を踏
資の各面で、
この信頼性を高めることを最優先に事業を遂行してお
まえて、年度の収支計画、重点施策、設備投資計画について公表し、
り、経営全般にわたる中期経営計画を策定して区切りとなる断面の
引き続き着実に経営基盤の強化を実現してまいります。」
経営数値を目標として追求する方式は採用しておりません。
なお、
コードの各原則に基づく開示内容については、
以下の通りです。
このような中期経営計画を策定し、数値目標を掲げるという形式は
※
「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」
は株式会社東京証券取引所のホームページでご覧い
ただけます。
4-1
取締役会の役割・責務
原則
4-1 ①
4-9
開示内容
4-11 ①
【1】政策保有に関する方針
4-11
4-11 ②
取締役会・監査役会の実効性確保
のための前提条件
いわゆる政策保有株式
社の業務を遂行するにあたり最もふさわしい体制を確保する、
との方針で、その都度各プロジェクトの進捗状
況等を総合的に勘案して決定しております。
取締役・監査役の重要な兼職の状況は、事業報告及び株主総会参考書類に記載しているとおりであり、
これ
らは当社の取締役・監査役としての役割・責務を適切に果たすことに支障を及ぼさない範囲のものです。
状況等を丁寧に説明し十分に審議の上、適法かつ適正に意思決定を行っております。また、業務執行の状況に
企業価値向上につながるという視点に立ち、必要性を総合的に勘案して政策保有株式を保有します。
補充原則
【2】議決権行使に関する基準
4-11 ③
に監督しております。社外取締役からは、高い見地から経営に対する有効な助言をいただくとともに、経営に規
律をもたらしております。
また、取締役会に先立ち、社外取締役、社外監査役
(非常勤)
、経営陣の間で意見交換を行う懇談会を設けて
ESG情報
おり、取締役会の実効性向上を図っております。
的成長等を勘案し、議案ごとに内容を精査して、賛否を判断します。
関連当事者間の取引
取締役については、能力・識見・経歴等を総合的に勘案し、最も適任と認められる者を、取締役会の決議を経
て候補者として適正に選定した上で株主総会にお諮りしております。その人数及び業務分担等については、当
つきましても、各業務を担当する取締役から必要に応じて報告がなされており、取締役の業務執行状況を適切
当社は、政策保有株式の議決権行使にあたり、当社の中長期的な企業価値向上や、取引先企業の持続
原則 1-7
部門の分掌事項と職務権限を明確に定め、取締役及び執行役員に対する委任の範囲を明確にしております。
当社は、取締役会を月1回以上開催し、法定事項はもとより、経営上重要な事項について、事柄の背景や進捗
当社は、株式の保有を通じた長期的・安定的な取引関係の維持・強化が、事業の円滑な遂行と中長期的な
原則 1-4
また、取締役会において、取締役の業務分担及び執行役員の担当業務を定めるとともに、社内規程により、各
意見をいただけるよう、株式会社東京証券取引所が定める独立性の基準に従い各人の独立性を判断しており
補充原則
原則
項に係る意思決定を行うこととしており、具体的事項は取締役会規則に定めております。
ます。
補充原則
補充原則
取締役会は、法令又は定款に定める事項及び株主総会の委任を受けた事項並びに業務執行上の重要な事
社外取締役及び社外監査役については、社外での様々なご経験や高いご見識に基づき独立した立場からご
独立社外取締役の独立性判断基準
及び資質
コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示
原則
補充原則
重 点 施 策・経 営 戦 略
保が最も重要な課題であり、日々の事業運営から、社員教育、設備投
原則
マネ ジメント・レター
※
当社は、
「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」
の中で、
コー
以上の内容につきまして、取締役会において、取締役会全体の実効性は十分に確保されていると評価してお
ります。
取締役の競業取引及び取締役と会社間の取引は、法令及び取締役会規則の定めに基づき、取締役会での
承認・報告を要することとしております。役員及びその近親者と会社との関連当事者間の取引の有無につい
ては、毎年定期的に役員に確認を行っております。
【1】● 当社は、昭和62(1987)年の国鉄改革において、東京~名古屋~大阪という日本の大動脈輸送を担う
東海道新幹線と、名古屋、静岡を中心とした東海地域の在来線網を、将来にわたって一体的に維持・発
当社の取締役・監査役は、その役割や責務を果たすのに十分な能力・識見を有することはもとより、株主の皆
原則
4-14
取締役・監査役のトレーニング
展させていくことを使命として発足いたしました。
補充原則
4-14 ②
様のご負託に応えるべく、社外の研修にも積極的に参加するなど自ら研鑽を積みながら、責任をもって職務を
遂行しております。
当社としては、例えば関係法令が改正された時にはその内容を会議体等で周知するほか、会社として適切な
意思決定ができるように会社の抱える経営課題を共有する研修機会を設けるなど、各取締役・監査役が職責を
適切に全うするために必要な措置を講じております。
こうした使命を踏まえ、鉄道事業を中心とする当社においては、企業活動と人材育成の指針となる経
営理念を定めております。経営理念については、当社ホームページに記載しておりますので、以下URL
会社概要
http://company.jr-central.co.jp/company/about/outline.html
をご参照下さい。 URL
当社は、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、
●
業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、前述の社会的使命を、長期にわたり安定的か
当社では、以下のとおり
「株主との建設的な対話を促進するための方針」
を定めております。
つ十分に果たし続けていくことを基本方針としております。
この基本方針については、
「 アニュアルレポート」の「マネジメント・レター」
に記載しておりますので、
原則 3-1
情報開示の充実
「2.
1.
【 取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」
に記載しております。
【4】取締役・監査役の各候補者については、能力・識見・経歴等を総合的に勘案し、最も適任と認められる者
を、取締役会の決議を経て候補者として適正に選定した上で株主総会に選任をお諮りしております。
【5】取締役・監査役の各候補者については、
株主総会参考書類に記載の経歴等を踏まえて適切に選定しております。
原則
5-1
株主との建設的な対話に関する方針
ます。対話にはIR担当が対応することとし、機関投資家の希望や関心事項等を総合的に勘案し、合理的な
範囲で経営陣幹部又は取締役とともに対応しております。具体的には、個別面談を実施するほか、半期ご
とに決算説明会を開催するとともに、必要に応じて電話会議や施設見学会等を実施するなど、対話の手
段の充実に努めております。
●
決算説明会の情報は当社ホームページで公開するほか、株主宛に半期ごとに報告書を送付するなど、広く
参考資料
【3】取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続は、
「 コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の
そのうち、機関投資家との対話については、総合企画本部長がこれを統括し、総合企画本部経営管理部に
IR担当を配置しており、総務・財務・法務部門等と有機的に連携することにより対話の充実に努めており
http://company.jr-central.co.jp/company/achievement/capital-investment/key-measures.html
「1.
1.
基本的な考え方」
に記載しております。
東海旅客鉄道株式会社 2016
らのご質問やご意見・ご要望には、合理的な範囲で個別面談や電話等にて対応しております。
●
▶重点施策と関連設備投資
URL
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するために、株主総会が株主との最も重要な対話
の機会と位置づけ、質疑の充実に努めております。株主との対話全般については総務部長が統括し、株主か
記載しておりますので、以下URLをご参照下さい。
【2】コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、
「 コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の
40
●
http://company.jr-central.co.jp/ir/annualreport/index.html
以下URLをご参照下さい。 URL
●この基本方針に基づき、
本年度に取り組む具体的な施策等については、
「 重点施策と関連設備投資」
に
株主への情報提供の充実に努めております。なお、
これ以外にも、重要施策や重要な設備投資の意思決定
等については、定例の社長会見や報道公開等を通してきめ細かく情報を開示するなど、マスメディアを通じ
てより多くのステークホルダーに十分な情報が広く行き届くよう努めております。
●
株主との対話の内容は経営陣幹部に報告し、必要に応じて取締役会にフィードバックします。
●
株主との対話において、インサイダー情報を伝達することはありません。なお、四半期ごとの決算発表日の
14日前からの期間は、決算情報に関する対話を控える
「沈黙期間」
とさせていただきます。
東海旅客鉄道株式会社 2016
41
■ 内部統制基本方針について
■ 第29回定時株主総会[平成28(2016)年6月23日開催]の概要
URL
※内部統制基本方針については、以下URLをご参照下さい。
http://company.jr-central.co.jp/company/about/governance.html
平成28
(2016)
年6月23日開催の当社第29回定時株主総会において、以下の決議事項が決議されました。
マネ ジメント・レター
当社は、内部統制基本方針 ※について、取締役会において決議しています。
(1)当該決議事項の内容
第1号議案 剰余金の処分の件
① 期末配当に関する事項
当社普通株式1株につき金65円
② その他の剰余金の処分に関する事項
■ コンプライアンス・内部通報制度
当社は、法令等に基づき社内規程を整備するとともに、様々な機
令等に違反する行為を発見した場合に通報することができる体制を
会を通じて社員教育を実施し、業務遂行における法令等の遵守を徹
整えています。また、内部通報制度の説明や通報窓口の連絡先を記
底しています。これに加え、内部通報制度を整備し、当社内だけでな
載した紙面を全職場に掲出し、制度の周知を図っています。
・増加する剰余金の項目及びその額
別途積立金 300,000,000,000円
・減少する剰余金の項目及びその額
繰越利益剰余金 300,000,000,000円
く社外の法律事務所にも通報窓口を設け、社員等が就業箇所で法
取締役として、葛西敬之、山田佳臣、柘植康英、金子慎、長田豊、宮澤勝己、巣山芳樹、小菅俊一、宇野護、
重 点 施 策・経 営 戦 略
第2号議案 取締役16名選任の件
田中君明、勝治秀行、森厚人、
トーケル・パターソン、張富士夫、頃安健司及び佐伯卓を選任する。
■ リスク管理体制
当社では、鉄道運転事故や労働災害を防止する観点から、本社、鉄
なる指令組織を各鉄道事業本部において24時間体制で運営すると
道事業本部、支社及び各地区に
「鉄道安全推進委員会」
等を設置し、
ともに、事故や災害の規模・影響に応じて非常参集できる復旧即応
本社から現業機関に至るまで一貫した体制により安全対策の確立・
体制を整えています。さらに、大規模災害等の異常時に備え、東海道
推進を行っています。
新幹線において、総合指令所の代替機能を有する第2総合指令所を
また、事故や災害の発生など異常時に対しては、情報伝達の要と
設置しています。
要件並びに当該決議の結果
議案
賛成(個)
反対(個)
1,684,066
19,428
79
98.01
可決
葛西 敬之
1,674,324
27,844
1,959
97.41
可決
山田 佳臣
1,656,091
46,076
1,959
96.35
可決
柘植 康英
1,682,059
20,113
1,959
97.86
可決
第1号議案
棄権(個)
賛成率(%)
決議結果
第2号議案 た、それらの調査状況を業務にフィードバックすることを通じて、
レベ
金子 慎
1,674,548
27,620
1,959
97.42
可決
本的枠組みに準拠し、定期的に当社及び当社グループの体制・執行
ルの維持に取り組んでいます。
長田 豊
1,674,564
27,604
1,959
97.43
可決
宮澤 勝己
1,675,380
26,788
1,959
97.47
可決
巣山 芳樹
1,676,536
25,631
1,959
97.54
可決
小菅 俊一
1,672,357
29,810
1,959
97.30
可決
宇野 護
1,676,549
25,618
1,959
97.54
可決
田中 君明
1,676,519
25,648
1,959
97.54
可決
勝治 秀行
1,676,515
25,652
1,959
97.54
可決
状況等の調査を行い、有効に機能していることを確認しています。ま
■ 資本政策、株主還元の考え方
当社の配当に対する考え方は、従前より一貫して、安定配当を継
い増す予定はありません。また、今後は中央新幹線の建設等のプロ
続することを基本に、各期の経営環境、業績を踏まえて具体的な配
ジェクトを進めていきますが、現時点で、そのための資金調達は、社
当額を決定するという方針です。自己株式については、当社では、基
債の発行や借入によることとし、自己株式の活用や増資の予定はあ
森 厚人
1,673,542
28,625
1,959
97.37
可決
本的に配当による株主還元が適切であると考えており、現時点で買
りません。
トーケル・パターソン
1,676,383
25,784
1,959
97.53
可決
張 富士夫
1,645,687
57,581
862
95.75
可決
頃安 健司
1,683,361
20,690
79
97.94
可決
佐伯 卓
1,688,565
15,487
79
98.24
可決
会社概要
財務報告に係る内部統制については、企業会計審議会が示す基
ESG情報
■ 財務報告に係る内部統制への対応
(2)当該決議事項に対する賛成、反対及び棄権の意思表示に係る議決権の数、当該決議事項が可決されるための
(注)
各議案の可決要件は次のとおりです。
1.
第1号議案は、出席した株主の議決権の過半数の賛成です。
2.
第2号議案は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席、及び出席した当該株主の議決権の過半数の賛成です。
参考資料
(3)議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由
本総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主から各議案の賛否に関して確認できたものを合計したことにより、可決要件を満
たし、会社法上適法に決議が成立したため、本総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない議決権数は加算してい
ません。
以上
42
東海旅客鉄道株式会社 2016
東海旅客鉄道株式会社 2016
43
■ 取締役、監査役及び執行役員 [ 平成28(2016)年6月23日現在 ]
会 社 概 要
マネ ジメント・レター
プ ロ フィー ル
名称
設立日
事業内容
代表取締役名誉会長
代表取締役会長
代表取締役社長
代表取締役副社長
代表取締役副社長
代表取締役副社長
葛西 敬之
山 田 佳臣
柘 植 康英
金子 慎
長田 豊
宮澤 勝己
執行役員
代表取締役名誉会長
専務執行役員
葛西 敬之
白國 紀行 中央新幹線推進本部リニア開発本部長、車両部門統括担当
坪内 良人 秘書部・監査部・広報部・総務部・法務部・人事部・管財部担当
代表取締役会長
巣山 芳樹 総合企画本部長、財務部担当
小菅 俊一 総合技術本部長、海外高速鉄道担当、施設部門統括担当
山田 佳臣
宇野 護 中央新幹線推進本部長、建設部門統括担当
代表取締役社長
柘植 康英
金子 慎 事務部門担当、中央新幹線推進本部担当
巣山 芳樹
小菅 俊一
宇野 護
勝治 秀行
森 厚人
トーケル・パターソン
張 富士夫
(社外)
頃安 健司
(社外)
佐伯 卓
(社外)
常勤監査役
藤井 秀則
本社(東京)
〒108-8204
営
業
収
金
1,120億円
東海鉄道事業本部
〒453-8520
東京都港区港南二丁目1番85号 JR東海品川ビルA棟
益
1兆3,579億円
発行済株式の総数
20,600万株
上場証券取引所
名古屋・東京
株
数
95,042名
主
従
業
員
数
18,164名
営
業
キ
ロ
1,970.8km
数
405駅
駅
車
両
複
線
電
化
化
愛知県名古屋市中村区名駅一丁目3番4号 JR東海太閤ビル
静岡支社
三重支店
飯田支店
数
4,836両
率
55.1%(1,086.8km)
新幹線鉄道事業本部
自 動 信 号 化 率
97.8%(1,927.3km)
化
〒100-0005
東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 丸の内中央ビル
関西支社
〒532-0003
大阪府大阪市淀川区宮原一丁目1番1号 新大阪阪急ビル10F
ワシントン事務所
900 17th Street, N.W., Suite 520, Washington,
DC 20006, U.S.A.
勝治 秀行 新幹線鉄道事業本部長
ロンドン事務所
常務執行役員
シドニー事務所
6th Floor, 4 Eastcheap, EC3M 1AE, London, U.K.
Suite 5.01A, Level5, 20 Hunter Street, Sydney,
NSW 2000, Australia
中央新幹線推進本部中央新幹線建設部名古屋建設部長
寺井 元昭 中央新幹線推進本部リニア開発本部副本部長
組 織 図
執行役員
山口 孝夫 総合企画本部副本部長・情報システム部長
大竹 敏雄 総合技術本部副本部長・技術開発部長
田中 守 総合技術本部副本部長・技術企画部長
取締役会
岩田 眞 中央新幹線推進本部副本部長・中央新幹線建設部長
会長
伊藤 彰彦 総務部長
社長
秘書部
総合企画本部
中央新幹線推進本部
法務部
生田 元 総合企画本部副本部長・投資計画部長
人事部
丹羽 俊介 広報部長
山田 龍彦 財務部長
監査役
監査役会
企画部
管理部
営業本部
建設工事部
太田 裕之
(社外)
古橋 智久 安全対策部長
監査役
上野 雅之 新幹線鉄道事業本部副本部長・車両部長
木藤 繁夫
(社外)
鈴木 広士 静岡支社長
大山 隆幸 関西支社長
飯田支店
管財部
海外事務所 ワシントンD.C.・ロンドン・シドニー
早川 信博 総合研修センター所長
三重支店
財務部
事業推進本部
総合研修センター
車両部
静岡支社
総務部
杉﨑 英司 総合企画本部副本部長・企画開発部長・東京企画開発部長
運輸営業部
工務部
広報部
森 厚人 東海鉄道事業本部長
波多野 穣 中央新幹線推進本部リニア開発本部副本部長・山梨実験センター所長
東海鉄道事業本部
監査部
江尻 良 管財部長
本田 敦 中央新幹線推進本部副本部長・企画推進部長
管理部
総合技術本部
安全対策部
東海旅客鉄道株式会社 2016
〒395-0000
長野県飯田市上飯田5356番地
田中 君明 事業推進本部長
C
〒514-0009
三重県津市羽所町700番地 アスト津12F
97.5%(1,922.3km)
T
〒420-0851
静岡県静岡市葵区黒金町4番地
竹内 寛人 建設工事部次長
石津 緒
(社外)
44
JRセントラルタワーズ
新幹線鉄道事業本部
運輸営業部
車両部
施設部
参考資料
江見 弘武
本
76.7%(1,511.0km)
愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号
会社概要
田中 君明
資
率
水野 孝則 中央新幹線推進本部副本部長
取締役
鉄道事業、関連事業
率
宮澤 勝己 技術部門担当、運輸部門統括担当
電気部門統括担当
〒450-6101
(平成28(2016)年3月末現在)
C
松野 篤二 建設工事部長、
本社
(平成28(2016)年6月現在)
昭和62(1987)年4月1日
厚地 純夫 営業本部長
長田 豊 鉄道事業本部担当、安全部門統括担当、
主な事業所
ESG情報
代表取締役副社長
本社、その他の
Central Japan Railway Company( JR Central)
重 点 施 策・経 営 戦 略
取締役及び監査役
主な諸元
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
電気部
関西支社
名古屋セントラル病院
健康管理センター
事務統括センター
リニア・鉄道館
東海旅客鉄道株式会社 2016
45
会 社 概 要
会 社 概 要
沿 革
当社は、東京、名古屋、大阪間を結ぶ日本の交通の大動脈で
ある東海道新幹線、及び名古屋・静岡地区の都市圏輸送を
中心とした12線区の在来線を運営しています。
4月
● 東海旅客鉄道株式会社設立
昭和 63年
3月
● 東海道新幹線に3駅
(新富士、掛川、三河安城)開業
1989
1990
平成 元年
3月
● 高山本線特急
「ひだ」
に新型気動車を投入
平成
2年
2月
● 運輸大臣より中央新幹線の地形、
地質等に関する調査の指示を受け調査開始
名古屋
京都
6月
● 山梨リニア実験線の建設計画を運輸大臣に申請、
承認
1991
平成
3年 10月
● 東海道新幹線鉄道施設を譲受け
1992
平成
4年
3月
● 東海道新幹線
「のぞみ」
を300系車両で営業運転開始
7月
● 株式会社ジェイアール東海ホテルズを設立
(現・連結子会社)
東京
静岡
新大阪
JR東海
猪谷
12月
1994
1997
塩尻
高山本線
太多線
米原
大垣
亀山
名松線
新大阪
飯田線
身延線
多治見
御殿場線
富士
名古屋
関西本線
京都
岐阜
品川
新横浜
美濃太田
紀勢本線
大府
松阪
多気
武豊線 豊橋
東海旅客鉄道株式会社 2016
9年
4月
● 山梨リニア実験線における走行試験開始
東海道本線
平成 11年
2000
平成 12年
平成 13年
静岡
東海道新幹線
2002
2003
2005
平成 14年
2006
平成 18年
● 東海道新幹線
「のぞみ」
に700系車両を投入
● JRセントラルタワーズ竣工
●ジェイアール名古屋タカシマヤが開業
(株式会社ジェイアール東海髙島屋が運営)
5月
● 名古屋マリオットアソシアホテルが開業
(株式会社ジェイアール東海ホテルズが運営)
3月
●ジェイアール東海不動産株式会社を設立
(現・連結子会社)
7月
●
「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」の
施行により、JR会社法の適用対象から除外
● 愛知県小牧市に研究施設を開設
平成 15年 10月
● 東海道新幹線品川駅開業、
全列車270km/h運転を柱とした抜本的なダイヤ改正実施
平成 17年
7月
● 独 立 行 政 法 人 鉄 道 建 設・運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 国 鉄 清 算 事 業 本 部 保 有 の 当 社 株 式
3月
● 東海道新幹線に新ATC
(自動列車制御装置)
システムを導入
4月
● 定款授権に基づく取締役会決議により、
自己株式268,686株を取得
鳥羽
'99.12.20 JRセントラルタワーズ竣工
市場第一部及び京都証券取引所(平成13(2001)年3月に大阪証券取引所に合併)
に
株式上場
3月
12月
国府津
熱海
3月
12月
● 名古屋、
東京、大阪(平成25(2013)年7月に東京証券取引所に統合)の各証券取引所
'03.10.1 東海道新幹線品川駅開業
600,000株の売却
● 独 立 行 政 法 人 鉄 道 建 設・運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 国 鉄 清 算 事 業 本 部 保 有 の 当 社 株 式
286,071株が売却され、同機構が保有する全ての当社株式の売却が終了
参宮線
2007
東海道新幹線
552.6km
在来線
東海道本線
360.1km
御殿場線
60.2km
身延線
88.4km
飯田線
195.7km
武豊線
19.3km
高山本線
189.2km
中央本線
174.8km
太多線
17.8km
関西本線
59.9km
紀勢本線
180.2km
名松線
43.5km
参宮線
29.1km
在来線計
1,418.2km
合 計
1,970.8km
2008
平成 19年
1月
● 山梨リニア実験線の建設計画の変更を国土交通大臣に申請、
承認
7月
● 東海道新幹線
「のぞみ」
にN700系新型車両を投入
平成 20年 10月
●日本車輌製造株式会社を連結子会社化
'13.8.29 山梨リニア実験線出発式
● 平成2
(1990)年に運輸大臣より指示を受けた中央新幹線の地形、地質等に関する
調査報告書を国土交通大臣に提出
12月
2009
平成 21年
5月
12月
● 国土交通大臣より中央新幹線に係る全国新幹線鉄道整備法
(以下「全幹法」
という)第5条
の残り4項目に関する調査の指示を受け調査開始
●自己株式90,000株の消却を実施
● 平成20
(2008)年に国土交通大臣より指示を受けた中央新幹線に係る全幹法第5条の
残り4項目に関する調査報告書を国土交通大臣に提出
2011
平成 23年
5月
● 国土交通大臣が当社を中央新幹線
(東京都・大阪市間)
の営業主体及び建設主体に指名
2012
2013
平成 24年
5月
●自己株式90,000株の消却を実施
2月
● 東海道新幹線
「のぞみ」
にN700A新型車両を投入
8月
● 山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備更新が完了し、
走行試験再開
2014
2015
平成 26年 10月
● 国土交通大臣が中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画
(その1)
を認可
平成 27年
● 武豊線
(大府駅〜武豊駅間)
を電化
平成 25年
3月
● 国土交通大臣が中央新幹線の建設に関する整備計画を決定し、
当社に建設を指示
'15.3 最高速度285km/hへの速度向上
参考資料
46
平成
1999
2001
線区別営業キロ
新宮
●ジェイアールセントラルビル株式会社を設立
(現・連結子会社)
会社概要
伊勢奥津
沼津
武豊
6月
ESG情報
美濃赤坂
東京
甲府
東海髙島屋に商号変更(現・連結子会社)
6年
10月
'97.10.8 株式上場
● 株式会社ジェイアール東海百貨店を設立、
平成9(1997)年9月株式会社ジェイアール
平成
辰野
中央本線
●ジェイアール東海バス株式会社を設立
(現・連結子会社)、同年4月自動車運送事業を同社
重 点 施 策・経 営 戦 略
在来線
'87.4.1 東海旅客鉄道株式会社発足
に営業譲渡
(平成27(2015)年1月1日現在)
新幹線
昭和 62年
500km
0
日本国土:約380,000km 2
人口:1.28億人
JR東海
1987
1988
マネ ジメント・レター
営 業 エリア
● 東海道新幹線最高速度285km/hへの速度向上実施
東海旅客鉄道株式会社 2016
47
会 社 概 要
会 社 概 要
マネ ジメント・レター
業績概要
平成28(2016)年3月期の業績(セグメント別) らに、平成21
(2009)
年10月の台風による被災でバス代行輸送を
の全面開業に向けて運営計画の策定や広報・宣伝活動を行いま
当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安
について、三重県、津市
行っていた名松線
(家城駅~伊勢奥津駅間)
した。また、駅の商業施設においては、名古屋駅のレストランゾー
定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実を図るととも
による治山・治水事業の進捗にあわせて行っていた復旧工事を完
ン
「名古屋うまいもん通り」
を拡大するとともに、
「アスティ静岡」、
に、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、設備投資を含めた
了し、平成28
(2016)
年3月26日に全線での運行を再開しました。
「アスティ京都」、浜松駅「メイワン」でリニューアルを行うなど、
業務執行全般にわたる効率化・低コスト化等の取組みを続け、収
加えて、地震をはじめとする自然災害等を想定した実践的な訓練を
競争力、収益力の強化に取り組みました。さらに、愛知県岡崎市
益力の強化に努めました。その結果、当期における全体の輸送実
実施するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実
内の社宅跡地を開発した分譲マンション
「セントラルガーデン・レ
績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が順調に推移し
に取り組みました。
ジデンス岡崎」の販売を開始しました。
たことから、前期比3.8%増の614億6千7百万人キロとなりまし
営業施策については、エクスプレス予約やプラスEXの会員の方
上記の結果、当期における営業収益は前期比0.7%減の660
9,000
た。また、営業収益は前期比4.0%増の1兆7,384億円、経常利益
を対象に、
「EXファミリー早特」
等に加え、平成27
(2015)
年度新た
億円、営業利益は前期比5.9%減の156億円となりました。
6,000
は前期比19.5%増の5,114億円、親会社株主に帰属する当期純
に
「IC早特タイプ21」
や「一緒に☆こだま早特」
を発売するなど観
① 運輸業
光型商品を拡充して、需要喚起を図りました。また、50歳以上の方
④その他
を対象とした旅クラブ
「50+」
では、従来の商品に加えWeb会員の
ホテル業においては、魅力ある商品の設定及び販売力強化に
9,450億円となりました。
方に限定したお得な商品を設定するなど、お客様のご利用拡大に
取り組むとともに、海外からのお客様の増加にも応じたより高品
期末配当金については、ビジネス、観光ともに輸送量が順調に
努めました。さらに、京都・奈良、東京等の観光資源を活用した各種
質なサービスの提供に努めました。また、平成29
(2017)
年4月の
推移したことなどを踏まえ、平成28(2016)年1月に公表した配
キャンペーンやこれと連動した旅行商品を強化したほか、
「Shupo」
「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて、積極的な営業
当予想1株当たり60円を5円増額し、65円の配当を実施しまし
や
「徳川家康公顕彰四百年記念事業」
を機としたイベント及び販売
活動を進めました。
た。この結果、年間配当金は1株当たり125円となりました。
促進等、地域と連携した取組みを通じお客様のご利用拡大に努め
旅行業においては、
「50+」のWeb会員限定商品や京都・奈良、
セグメント別の状況は以下の通りです。
ました。加えて、北陸新幹線の金沢開業を契機に、東海道新幹線と
東京等の各方面へ向けた観光キャンペーン等と連動した魅力あ
1,500
高山本線や北陸本線を利用した周遊型商品を設定するなど、積極
る旅行商品を積極的に販売しました。
1,000
①運輸業
的な営業施策を展開しました。そのほか、TOICAについて、電子マ
鉄 道 車 両 等 製 造 業においては、鉄 道 車 両や建 設 機 械 等 の 受
東海道新幹線については、土木構造物の健全性の維持・向上を
ネー加盟店舗の拡大等に取り組みました。
注・製造に努めました。
図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実
当期における輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともに
上 記 の 結 果 、当 期 に お け る 営 業 収 益 は 前 期 比 1 . 7 % 増 の
に進めました。地震対策については、脱線・逸脱防止対策に取り組
ご利用が順調に推移したことから、東海道新幹線は前期比4.1%
2,430億円、営業損失は17億円となりました。
んだほか、新幹線車両の全般検査
(オーバーホール)
を担う浜松工
増 の 5 2 1 億6千6百 万 人 キロ、在 来 線 は 前 期 比 2 . 6%増 の 9 3
場について耐震性向上等を目的とするリニューアル工事を推進す
億2百万人キロとなりました。
平成29(2017)年3月期の取組み
るとともに、車両基地の建物の耐震化については平成28
(2016)
バス事業においては、安全の確保を最優先として顧客ニーズ
次期については、引き続き鉄道事業における安全・安定輸送の
年3月の大井基地検修庫の耐震補強をもって完了しました。また、
を踏まえた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
確保を最優先に、地震対策、土木構造物の大規模改修工事等を
600
平成27
(2015)
年3月に開始した最高速度285km/h運転を定着
上記の結果、当期における営業収益は前期比4.0%増の1兆
着実に進めるとともに、最新技術を反映したN700A
(3次車)の
450
させるとともに、
「のぞみ10本ダイヤ」
を活用して、夏季や年末年始
3,581億円、営業利益は前期比18.0%増の5,568億円となりま
投入を開始します。また、本格的な工事に着手した超電導リニア
300
等の多客期間を中心に最大限の輸送を提供するなど、需要にあわ
した。
による中央新幹線計画について、安全と環境、地域との連携を重
150
視して着実に進めます。さらに、新幹線の新しいネット予約・チケッ
0
(億円)
2,000
のN700系改造工事を平成27
(2015)
年8月に完了しました。加え
たサービスの提供等により収益力の強化に努めました。また、東
開業に向けて万全の準備を進めます。こうした各種課題を着実に
て、新型自動改札機への取替を進めるとともに、お客様のご利用の
海道新幹線の車内及び主要駅で販売するお弁当のラインナップ
進めるため、引き続き、収益力の強化と技術レベルの不断の向上
多いのぞみ停車駅での新型可動柵の設置工事を進め、名古屋駅と
の見直しなどを行い、増収に努めました。
に取り組むとともに、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効
京都駅で全ホームへの設置を完了するなど、安全・安定輸送の確保
上 記 の 結 果 、当 期 に お け る 営 業 収 益 は 前 期 比 2 . 5 % 増 の
率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。
2,000
と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
2,396億円、営業利益は前期比2.1%減の87億円となりました。
■平成29(2017)年3月期の業績予想(連結)
1,000
キハ25形気動車の紀勢本線・参宮線への投入を完了しました。さ
シマヤ ゲートタワーモール」、
「 名古屋JRゲートタワーホテル」等
東海旅客鉄道株式会社 2016
’16.3
2,095
2,338
2,396
2,052
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
627
649
674
665
660
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
2,258
2,331
2,506
2,389
2,430
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
2,207
トレス乗車サービスの平成29(2017)年夏のサービス開始に向
(億円)
(前期比)
営業収益
17,360
99.9%
営業利益
5,770
99.7%
経常利益
5,200
101.7%
親会社株主に帰属する当期純利益
3,630
107.6%
④ その他
(億円)
2,500
1,500
参考資料
月のオフィス入居開始、平成29(2017)年4月の商業施設「タカ
’15.3
会社概要
けた準備や、海外における高速鉄道及び超電導リニアプロジェク
トへの取組みなどを着実に推進するとともに、
JRゲートタワーの
について、建設を着実に推進するとともに、平成28(2016)年11
’14.3
ESG情報
(億円)
売場のリニューアル、魅力ある品揃えや、お客様のニーズを捉え
化開業による利便性の高い輸送体系を定着させたほか、新製した
’13.3
③ 不動産業
流通業については、ジェイアール名古屋タカシマヤにおいて、
を計画的に推進しました。また、平成27
(2015)
年3月の武豊線電
’12.3
0
央締結ブレーキディスク、定速走行装置の搭載等)
を反映するため
不動産業においては、名古屋駅におけるJRゲートタワー計画
13,581
500
した。さらに、
N700Aの投入を進めるとともに、
N700Aの機能
(中
き続き進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等
13,056
② 流通業
②流通業
③不動産業
12,761
0
過去最多の約46万8千人(東京口)のお客様にご利用いただきま
の全般検査等を担う名古屋工場の耐震化工事等の地震対策を引
12,430
3,000
長期債務については、2,054億円縮減し、当期末の残高は1兆
在来線については、高架橋柱の耐震補強等に加え、在来線車両
11,826
重 点 施 策・経 営 戦 略
(億円)
12,000
利益は前期比27.8%増の3,374億円となりました。
せたより弾力的な列車設定に努め、平成28
(2016)
年1月3日には
48
■ 営業収益の推移
500
0
※セグメント別の営業収益は外部顧客への売上高のほか、他セグメントへの売上高を含む
注:平成28(2016)年3月期決算公表時点
東海旅客鉄道株式会社 2016
49
会 社 概 要
会 社 概 要
そ の 他 関 係 資 料
平成25(2013)年
3月期
平成26(2014)年
3月期
平成27(2015)年
3月期
平成28(2016)年
3月期
(億円)
(億円)
(億円)
(億円)
(億円)
営業収益
¥15,083
¥15,853
¥16,525
¥16,722
営業費用
11,358
11,591
11,579
11,656
営業利益
3,725
4,261
4,946
5,065
¥17,384
11,597
5,786
5,081
3,374
2,423
2,383
52,685
23,525
23,163
44.0%
11.0%
15.6%
2,638
3,261
4,027
4,281
親会社株主に帰属する当期純利益
1,327
1,999
2,556
2,641
減価償却費
2,570
2,401
2,762
2,715
2,906
2,811
2,001
2,145
総資産
52,140
52,311
51,781
52,179
純資産
13,632
15,579
18,022
20,639
自己資本
13,216
15,133
17,537
20,201
※1
※2
自己資本比率
総資産営業利益率
自己資本当期純利益率
1株当たり年間配当金額
※3
28.9%
33.9%
38.7%
7.1%
8.2%
9.5%
9.7%
10.5%
14.1%
15.7%
14.0%
(円)
(円)
(円)
(円)
¥67,470.45
¥1,016.12
¥1,299.23
¥1,342.15
9,500.00
105.00
115.00
120.00
(円)
¥1,714.64
125.00
※1:平成27(2015)年3月期以前の親会社株主に帰属する当期純利益は、期末決算における当期純利益を記載
2:有形固定資産及び無形固定資産の増加額
3:平成24(2012)年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を100株に分割し、
1単元の株式の数を100株とする単元株制度を採用。これに伴い、平成25(2013)年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し
て1株当たり当期純利益及び1株当たり年間配当金額を算定。
平成26(2014)年
3月期
平成27(2015)年
3月期
平成28(2016)年
3月期
(億円)
(億円)
(億円)
(億円)
(億円)
¥11,845
¥12,450
¥12,772
¥13,066
鉄道事業
11,756
12,359
12,685
12,978
関連事業
89
90
86
87
営業費用
8,390
8,459
8,163
8,311
鉄道事業
8,332
8,401
8,089
8,265
関連事業
57
57
74
46
営業利益
3,455
3,991
4,608
4,754
税引前当期純利益
2,397
3,018
3,704
3,978
当期純利益
1,208
1,878
2,403
2,602
減価償却費
2,414
2,237
2,603
2,558
¥13,579
13,497
82
8,003
7,941
61
5,576
4,917
3,286
2,270
2,591
50,594
22,199
22,199
43.9%
11.1%
15.8%
2,984
3,016
2,290
2,572
総資産
50,335
50,429
49,860
50,134
純資産
12,582
14,363
16,613
19,310
自己資本
12,582
14,363
16,613
19,310
25.0%
28.5%
33.3%
38.5%
6.8%
7.9%
9.2%
9.5%
自己資本比率
総資産営業利益率
自己資本当期純利益率
1株当たり当期純利益 ※
1株当たり年間配当金額 ※
10.0%
13.9%
15.5%
14.5%
(円)
(円)
(円)
(円)
¥61,328.43
¥953.32
¥1,220.16
¥1,321.21
9,500.00
105.00
115.00
120.00
(円)
¥1,668.31
125.00
※平成24(2012)年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を100株に分割し、
1単元の株式の数を100株とする単元株制度を採用。これに伴い、平成25(2013)年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して
1株当たり当期純利益及び1株当たり年間配当金額を算定。
50
東海旅客鉄道株式会社 2016
運 輸 ジェイアール東海物流(株)
(株)東海交通事業
(株)
ジェイアール東海髙島屋
(株)ジェイアール東海パッセンジャーズ
(株)
流 通 東海キヨスク
ジ
ェイアール東海フードサービス(株)
ジ
ェイアール東海商事(株)
ジェイアールセントラルビル(株)
ジェイアール東海不動産(株)
新横浜ステーション開発(株)
豊橋ステーションビル(株)
不 動産
東京ステーション開発(株)
静岡ターミナル開発(株)
浜松ターミナル開発(株)
名古屋ステーション開発(株)
ジェイアール東海静岡開発(株)
ジェイアール東海関西開発(株)
(株)
ジェイアール東海ホテルズ
(株)
ジェイアール東海ツアーズ
(株)ジェイアール東海エージェンシー
日本車輌製造(株)
ジェイアール東海建設(株)
(株)
その他 中央リネンサプライ
ジェイアール東海情報システム(株)
JR東海財務マネジメント
(株)
東海交通機械(株)
ジェイアール東海コンサルタンツ(株)
1,747
300
295
10,000
998
700
295
100
45,000
16,500
9,304
1,880
1,750
624
600
480
363
30
14.000
490
61
11,810
300
150
100
100
80
80
50
事業の内容
100.0 バス事業
90.0 貨物運送業
100.0 鉄道事業、受託事業
59.2 百貨店業
100.0 卸 売・小売業、飲食業
100.0 卸 売・小売業
51.6 飲 食業
70.0 卸売・小売業
100.0 不動産賃貸業
100.0 不動産賃貸・販売業
100.0 不動産賃貸業
52.5 不動産賃貸業
100.0 不動産賃貸業
67.0 不動産賃貸業
76.8 不動産賃貸業
100.0 不動産賃貸業
100.0 不動産賃貸業
100.0 不動産賃貸業
100.0 ホテル業
70.0 旅行業
90.0 広告業
51.2 鉄道車両等製造業
100.0 建設業
87.6 リネンサプライ業
100.0 システム開発、改修及び運営
92.1 軌道等の保守及び修繕
100.0 経理業務受託事業及び金融業
88.4 車両、機械設備等の検査及び修繕
100.0 建設コンサルタント業
昭和39(1964)年の東海道新幹線開業により、東京~大阪間の
移動はそれまでの6時間30分から3時間10分へと短縮されました
( 開 業 当 初は4 時 間 )。さらに平 成 4( 1 9 9 2 )年には「 の ぞ み 」の 登
場により、同区間の所要時間は最短2時間30分へとさらに短縮さ
れました。
そして平成15(2003)年10月、約15年にわたる継続的な車両
設備・地上設備への投資が結実し、全列車の最高速度270km/h化
と、
「 のぞみ」
を1時間当たり最大7本運転できる抜本的なダイヤ改
正を実施しました。
また、この抜本的ダイヤ改正と同時に新幹線品川駅を開業し、東
京南西部発着のお客様のトータルの旅行時間を20~30分短縮し
ました。
アクセス時間が改善する地域
新宿
渋谷
7km
東京
品川
新横浜
東海道新幹線
15km
羽田空港
注:上記の他、持分法適用関連会社2社 新生テクノス
(株)、鉄道情報システム
(株)
○ 事 故から学ぶ安 全(コラム1 )
○「 小1の 壁 」の 克 服~育児と仕 事 の 両 立 へ の
意 欲を持つ社 員 の 支 援(コラム3)
「事故から学ぶ安全」
は、過去に発生した事故や災害等について容易に
子供の小学校入学を機に一時的に育児と仕事の両立が困難にな
理解できるようにイラスト形式で紹介した冊子であり、平成19年(2007)
ることは、一般に
「小1の壁」
と呼ばれています。当社でも子供の小
度からこれまでに計7冊発行しました。総合研修センターや現業機関に配
学校入学前後に、保育施設の預かり時間が短くなる、会社の育児支
布して、研修や職場内教育訓練などで活用しています。
援制度が終了するなどの環境変化を理由に退職する社員が一定数
本冊子は、過去の事象から得られた教訓がどのように活かされているの
存在します。
かをテーマに作成しており、現在のルールや設備などがなぜそうなってい
このため当社では、子供が3歳に達
るのかを正しく理解できる一つの教材として活用しています。
する日まで 認 められる育 児 休 職に加
え、子供が小学校へ入学する4月1日か
ら新生活に順応するまでの期間として
参考資料
平成25(2013)年
3月期
資本金
資本比率
(百万円) (%)
会社概要
平成24(2012)年
3月期
設備投資額
ジェイアール東海バス
(株)
日本機械保線(株)
▶単体
営業収益
社名
ESG情報
1株当たり当期純利益 ※3
25.3%
部門
重 点 施 策・経 営 戦 略
平成24(2012)年
3月期
資本的支出
○ 品 川 駅 開 業によるアクセス時 間 の 改 善(コラム2)
○ 連 結 子 会 社 一 覧 表( 表 1 )
▶連結
税金等調整前当期純利益
マネ ジメント・レター
財 務 ハ イ ラ イト
最長6ヵ月取得できる
「育児休職(小学
校)」
を新設しました。こうした制度によ
り、育児と仕事の両立への意欲を持つ
社員がこの時期を乗り越え、引き続き
フルタイムで仕事を続けていけるよう
支援しています。
東海旅客鉄道株式会社 2016
51
参考資料
収益及び利益の推移(連結)
営業収益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
合計
12,000
16,722
16,525
新幹線
(億円)
11,000
10,000
15,853
16,000
15,000
営業利益
17,384 17,360
(億円)
17,000
客車走行キロ
旅客運輸収入
9,000
15,083
8,000
200
14,000
10,110
9,944
166
10,696
10,530
166
11,138
11,434
10,967
11,265
定期外
定期
11,920
11,752
合計
新幹線
在来線
1,200
1,123
1,129
1,146
1,168
1,201
1,000
906
913
930
954
981
(千人 / 日)
200
205
(億円)
9,000
171
169
7,000
150
800
168
78
0
在来線
’13.3
’14.3
’15.3
11,000
1,000
800
10,000
600
9,000
400
400
217
(億円)
1,200
’16.3
970
629
994
653
1,009
666
997
657
1,026
340
343
340
339
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
6,000
5,000
4,261
4,000
3,725
3,000
2,638
4,281
4,042
3,374
3,280
1,999
1,327
2,641
2,556
旅客輸送人員
3,630
(百万人)
新幹線
140
120
100
20
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
(計画)
注:平成27(2015)年3月期以前の親会社株主に帰属する当期純利益は、期末決算における当期純利益を記載
計画値は平成28(2016)年3月期決算公表時点のもの
143
149
155
129
135
140
14
14
15
収益及び利益の推移(単体)
営業利益
経常利益
12,450
12,772
13,066
13,579 13,580
11,000
15
387
395
391
401
1,000
300
254
253
260
257
262
500
130
133
135
134
138
35,000
2,000
5,576
4,905
0
5,000
3,991
3,024
2,398
1,878
4,608
3,977
3,718
2,403
3,286
2,602
0
在来線
(百万人キロ)
3,490
10,000
1,978
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
2,000
0
合計
44,303
42,915
46,930
45,540
48,873
50,134
47,429
48,744
定期外
’13.3
’14.3
注:計画値は平成28(2016)年3月期決算公表時点のもの
東海旅客鉄道株式会社 2016
’15.3
’16.3
’17.3
(計画)
2,098
1,669 1,648 1,713 1,726 1,592
1,568 1,515 1,576 1,615
1,698
1,555
1,285 1,283
501
’88.3 ’89.3 ’90.3 ’91.3 ’92.3 ’93.3 ’94.3 ’95.3 ’96.3 ’97.3 ’98.3 ’99.3 ’00.3 ’01.3 ’02.3 ’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3
長期債務の推移(単体)
定期
52,166
鉄道施設購入長期未払金
52,693 52,230 52,327 51,956
54,562 54,223 53,920
53,463 52,785
50,000
51,643
50,734
40,000
1,389
1,391
1,444
1,390
1,431
’12.3
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
6.53
6.35
30,000
8,952
9,038
9,229
9,069
9,302
5,490
5,463
5,588
5,481
6.01
6.08
6.39
’12.3
新幹線貸付制度下の実質的な債務
’17.3
(計画)
長期借入金
社債
承継債務
平均金利(右軸)
3,575
3,641
3,587
6.19
20,000
5,568
3,734
’13.3
’14.3
’15.3
’16.3
0
(%)
49,222
48,010
8.0
45,608
42,893
41,255
39,434
7.0
36,658
10,000
3,462
50,452
6.81
34,557 34,156
5.90 5.84
5.43
0
’12.3
1,743
2,290
(億円)
60,000
4,000
1,000
1,595
2,111
8,000
6,000
1,208
2,572 2,591
2,652
5.21 5.16
5.08 5.01
4.91
32,601 31,776
31,170 30,015
28,291
6.0
26,149
23,517 21,363
4.75
4.62
19,156 19,086 5.0
4.51
4.30
4.08
3.91
3.71
4.0
3.54
3.36
3.24 3.14
3.13 3.10 3.12
’88.3 ’89.3 ’90.3 ’91.3 ’92.3 ’93.3 ’94.3 ’95.3 ’96.3 ’97.3 ’98.3 ’99.3 ’00.3 ’01.3 ’02.3 ’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 ’17.3
注:計画値は平成28(2016)年3月期決算公表時点のもの
参考資料
3,455
4,754
2,984 3,016
2,448
1,203
1,000
5,530
4,960
2,888
注:計画値は平成28(2016)年3月に公表のもの
’12.3
40,000
6,000
中央新幹線
0
45,000
7,000
’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3
注:EBITDAは営業利益+減価償却費により算出
3,620
1,500
384
50,000
8,000
0
名古屋 東京 新大阪 金山 静岡 京都 浜松 品川 刈谷 新横浜
設備投資額(中央新幹線を除く)
2,000
(百万人)
新幹線
9,000
’16.3
2,500
’16.3
55,000
52
148
14
(百万人キロ)
10,000
’15.3
2,774
旅客輸送人キロ
11,845
’14.3
会社概要
13,000
’13.3
3,000
100
(億円)
14,000
2,000
163
’15.3
当期純利益
2,000
3,500
’14.3
200
営業収益
3,000
143
定期
’13.3
400
4,000
157
定期外
’12.3
在来線
37 36 34 33 32
(億円)
4,000
0
’17.3
6,663
1,000
10
0
12,000
合計
80
1,000
6,295
設備投資額の推移(単体)
5,770
5,200
160
6,079
ESG情報
2,000
5,786
5,114
5,065
4,946
5,616
3,000
59
注:東京・新大阪・京都・品川・新横浜については、新幹線のみの乗車人員
0
7,000
220
214
0
’12.3
200
8,000
216
6,406
4,000
66
50
0
687
340
217
200
6,629
重 点 施 策・経 営 戦 略
12,000
’12.3
6,177
5,000
97
100
600
7,781 8,210
7,708
8,000
6,000
100
13,000
EBITDAの推移(連結)
乗車人員ベスト10駅[平成27(2015)年度]
在来線
(百万キロ)
マネ ジメント・レター
財 務・輸 送 の 状 況
3.0
(計画)
東海旅客鉄道株式会社 2016
53
参考資料
鉄道事業者の国際比較
▶新幹線と航空の比較
営業キロ
輸送人キロ
(km)
40,000
■サービス比較
大阪
広島
福岡
(732.9km)
(894.2km)
(1,174.9km)
新幹線
2時間 22分 ※3
3時間 09分
3時間 44分
4時間 47分 ※4
航空 ※2
1時間 5分(約 2 時間 40 分)
1時間 10 分(約 3 時間)
1時間 20分(約 3 時間 10 分)
1時間 35 分(約 2 時間 50 分)
新幹線 ※5
250
128
99
67
航空
108
20
34
110
80,000
61,467
20,000
15,748 ※3
20,000
1,971
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
岡山
大阪
福岡
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
Amtrak
(米国)
平均輸送密度
(人)
300,000
広島
JR 東海
(日本)
Amtrak
(米国)
重 点 施 策・経 営 戦 略
JR 東海
(日本)
JR西日本
10,331
0
0
従業員数 ※4
名古屋
59,171
40,000
10,000
■マーケットシェア
(対航空)
東京
79,906
60,000
※1.移動時間は最速列車または最速便による ※2.( )内は市中・空港間のアクセス時間等を含む ※3.東京〜新大阪間の移動時間 ※4.東京〜博多間の移動時間 ※5.列車本数は臨時列車を含まない
JR東海
86,094
34,082
30,013 ※2
30,000
(552.6km)
東京〜
(営業キロ)
列車本数・発着便数╱日
岡山
(百万人キロ)
100,000
33,449
(平成28(2016)年4月現在)
移動時間 ※1
※1
マネ ジメント・レター
事業環境
(人キロ / 日 / 営業キロ)
80,000
293,765
85,215
250,000
60,000
東京圏∼名古屋圏
73千人/日
鉄道
100%
航空
200,000
151,808 ※5
150,000
40,000
100,000
東京圏∼大阪圏
136千人/日
85%
20,000
15%
50,000
35,261※3
18,164
JR 東海
(日本)
31%
67%
東京圏∼福岡
29千人/日
33%
10%
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
Amtrak
(米国)
運輸収入 ※6
90%
830
(万 USドル /km)
600
23,258
20,000
17,027
15,000
JR 東海
(日本)
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
Amtrak
(米国)
営業キロ当たり運輸収入 ※6
(百万 USドル)
25,000
注:マーケットシェア:平成27(2015)年3月期旅客地域流動調査(国土交通省)
をベースに当社が算出
東京圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県/名古屋圏:愛知県、岐阜県、三重県/大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
10,294
ESG情報
69%
6,545
0
0
東京圏∼岡山
9千人/日
東京圏∼広島
15千人/日
7,859
20,047
587
400
13,255
11,560
10,000
200
5,000
57
1,507
JR 東海
(日本)
35,162
38,378
人口密度[平成26(2014)年]
400
36,789
38,378
226
500,000
100
0
※日本及び米国は予測値
54
出典:OECD
東海旅客鉄道株式会社 2016
フランス
米国
日本
英国
※米国のみ平成24
(2012)年
ドイツ
出典:総務省統計局
フランス
550,930
20
29,141
0
33
米国
38
40
JR 東海
(日本)
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
Amtrak
(米国)
出典:国際鉄道連合(UIC)鉄道統計
※1.期間は以下のとおり
JR東海:平成27
(2015)
年4月∼平成28
(2016)
年3月 SNCF:平成23
(2011)
年1月∼12月 DB AG:
平成25(2013)年1月∼12月 ATOC:平成25年(2013)年4月∼平成26(2014)年3月 Amtrak:平
成21(2009)年10月∼平成22(2010)年9月
※2.フランス鉄道線路公社のデータ
※3.ネットワークレールのデータ
11
8
8
参考資料
116
15,000
ドイツ
64
1,090,462
265
Amtrak
(米国)
60
1,000,000
200
英国
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
(万 USドル / 人)
80
2,008,020
1,500,000
341
30,000
0
JR 東海
(日本)
1,562,060
300
日本
Amtrak
(米国)
従業員当たり運輸収入 ※6
(千人)
2,000,000
(人/km 2)
42,850
45,000
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
輸送人員
一人当たり国内総生産[平成27(2015)年]
(USドル)
4
0
鉄道事業者の国際比較
ファンダメンタルズの国際比較
84
会社概要
0
70
0
JR 東海
(日本)
SNCF
DB AG
ATOC
(フランス)(ドイツ) (英国)
Amtrak
(米国)
※4.貨物輸送や関連事業等の要員も含む全従業員数、
JR東海は平成28(2016)年3月31日時点、その他は
※1に記載の期間平均
※5.SNCFとフランス鉄道線路公社の合計
※6.JR東海は平成28(2016)年3月31日時点の為替レートによりUSドルに換算。その他欧州各社は以下
の時点の為替レートにより円換算後、USドルに換算。
SNCF:平成23(2011)年12月30日 DB AG:平成25(2013)年12月30日 ATOC:平成26(2014)
年3月31日
東海旅客鉄道株式会社 2016
55
参考資料
株式情報
マネ ジメント・レター
J R 3 社 の 財 務 デ ー タ 比 較( 連 結 )※1
▶当社株価の推移
自己資本当期純利益率
総資産営業利益率
(%)
20
(%)
12
11.0
流動比率
(円)
2,600,000
(円)
26,000
(%)
100
2,400,000
24,000
2,200,000
22,000
2,000,000
20,000
1,800,000
18,000
1,600,000
16,000
1,400,000
14,000
1,200,000
12,000
1,000,000
10,000
800,000
8,000
600,000
6,000
83.0
15.6
66.5
10.4
10
JR東海
JR東日本
6
0
JR西日本
売上高当期純利益率
(%)
20
6.3
JR東海
JR東日本
6.4
JR西日本
0
JR東海
JR東日本
JR西日本
1株当たり当期純利益
売上高営業利益率
(%)
40
19.4
50
(円)
1,800
重 点 施 策・経 営 戦 略
0
10.2
65.1
1,714
33.3
400,000
10
20
8.6
JR東日本
0
JR西日本
総資産回転率
JR東海
JR東日本
JR西日本
インタレスト・カバレッジ・レシオ※2
(回)
1.0
(倍)
10
443
0
JR東海
JR東日本
JR西日本
氏名又は名称
(円)
12,000
8.9
11,770
6.4
0.5
0.0
JR東海
6,232
6,000
5
0.4
JR東日本
4,534
0
JR西日本
JR東海
JR東日本
JR西日本
売上高債務比率
財務レバレッジ
(倍)
4
(倍)
1.2
3.2
1.1
0
JR東海
JR東日本
JR西日本
(%)
30
1.1
0.7
0.6
9,783,300
4.75%
8,898,900
4.32%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
8,164,700
3.96%
野村信託銀行株式会社(退職給付信託三菱東京UFJ銀行口)
7,125,000
3.46%
株式会社三菱東京UFJ銀行
6,678,100
3.24%
日本生命保険相互会社
5,000,000
2.43%
トヨタ自動車株式会社
4,000,000
1.94%
第一生命保険株式会社
3,423,900
1.66%
株式会社三井住友銀行
3,230,000
1.57%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職金給付信託口・三菱商事株式会社口)
3,000,000
1.46%
農林中央金庫
3,000,000
1.46%
62,303,900
30.24%
計
[平成28(2016)年3月31日現在]
当社は、社会責任投資(SRI)の代表的な指数であり、投資家の投資判断に活用されている
「FTSE4Good Index Series」及び「ECPI Indices」の組み入れ銘柄に選定されています。
20.8
2.3
株式会社みずほ銀行
30.4
3.2
15
参考資料
2
発行済株式総数に対する
所有株式数の割合
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
注:上記のほか、当社は自己株式8,999,156株を保有しています。
配当性向
所有株式数
会社概要
0.3
▶大株主の状況
1株当たり純資産
7.5
0.5
注:平成24(2012)年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を100株に分割し、1単元の株式の数を100株とする単元株制度を採用しています。
平成24(2012)年9月以前の株価については、左軸の指標、平成24(2012)年10月以降の株価については、右側の指標を参照。
ESG情報
JR東海
4,000
'08年 '08年 '08年 '08年 '08年 '08年 '09年 '09年 '09年 '09年 '09年 '09年 '10年 '10年 '10年 '10年 '10年 '10年 '11年 '11年 '11年 '11年 '11年 '11年 '12年 '12年 '12年 '12年 '12年 '12年 '13年 '13年 '13年 '13年 '13年 '13年 '14年 '14年 '14年 '14年 '14年 '14年 '15年 '15年 '15年 '15年 '15年 '15年 '16年 '16年 '16年
1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月
625
12.5
5.9
0.0
900
17.0
7.3
「FTSE4 Good Index Series」
は
0
JR東海
JR東日本
JR西日本
0.0
JR東海
JR東日本
JR西日本
0
JR東海
JR東日本
JR西日本
ロンドン証券取引所の子会社であるFTSE社
が作成する世界の優良企業を選定した社会的
責任投資指数です。
「ECPI Indices」は
イタリアとルクセンブルグに拠点を置き、企業のESG(環境、
社会、ガバナンス)
に関する調査、格付けを行うECPI社により
作成される社会的責任投資指数です。
ホームページアドレス: http://jr-central.co.jp
Tel:(052)564-2413/Fax:(052)587-1300
Eメールアドレス: [email protected]
※1.JR各社平成28(2016)年3月期決算短信 有価証券報告書より当社が算出
※2.(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息
56
東海旅客鉄道株式会社 2016
東海旅客鉄道株式会社 2016
57