児童の犯罪被害等の防止に向けた携帯電話事業者

青 警 本 少 第 2 6 0 号
平 成 2 7 年 3 月 3 日
各
警
察 署
長
殿
青 森 県 警 察 本 部 長
児童の犯罪被害等の防止に向けた携帯電話事業者に対する再要請の実施について
インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等の防止については、
「スマートフォン
等の普及を踏まえた児童の犯罪被害等を防止するための取組の推進について」
(平成26年
1月6日付け青警本少第334号ほか)等に基づき、保護者や児童に対する啓発活動、携帯
電話事業者等に対する要請活動等を推進しているところである。
この度、警察庁において、携帯電話販売店に対するフィルタリング推奨状況等実態調
査の結果を踏まえ、携帯電話事業者に対し、別添のとおり保護者への説明の強化に関す
る再要請を行ったところであり、各警察署においても、別添の要請文書を参照の上、引
き続き、管内に所在する携帯電話販売契約代理店等に対する要請活動を徹底されたい。
担当:少年課企画指導係
別添
警察庁丙少発第3号、警察庁丙情対発第25号
平 成 2 7 年 2 月 1 2 日
株式会社NTTドコモ
KDDI株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社
ワイモバイル株式会社
代表取締役社長
代表取締役社長
代表取締役社長
殿
代表取締役社長
警 察 庁 生 活 安 全 局 長
児童の犯罪被害等を防止するための保護者への説明の強化について(要請)
平素は、警察行政各般にわたり、御理解と御協力を賜り、御礼申し上げます。
先般、貴社の御協力により警察庁が実施した「携帯電話販売店に対するフィルタリング推
奨状況等実態調査」では、フィルタリングの必要性に関する調査項目においてはおおむね良
好な評価となる一方、スマートフォン用のフィルタリングの知識が要求される調査項目にお
いては総じて低い評価となり、総合評価においては半数以上の店舗が説明・推奨状況に改善
を要するという結果となりました。
本調査は、無料通話アプリのIDを交換して連絡を取り合ういわゆるID交換掲示板の利
用に係る犯罪被害の急増等、スマートフォンの急速な普及を背景とした児童の犯罪被害が深
刻化していることに鑑み、インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等防止のための取
組の一環として実施したものであります。
貴社におかれましては、こうした現状を御認識いただくとともに、販売店における適切な
フィルタリングの説明・推奨の重要性を改めて御理解いただき、平成26年1月20日付け文書
(別添参照)で要請した「使用者の確認」、「フィルタリングサービス等の説明」及び「従業
員研修等の実施」について一層御尽力いただきますようお願い申し上げます。
また、以上の内容につき、再度、販売代理店等への周知・要請方御協力いただきたく、よろ
しくお願い申し上げます。
別添
警察庁丁少発第15号、警察庁丁情対発第23号
平 成 2 6 年 1 月 2 0 日
株式会社NTTドコモ
代表取締役社長
KDDI株式会社
代表取締役社長
ソフトバンクモバイル株式会社
株式会社ウィルコム
イー・アクセス株式会社
代表取締役社長
殿
代表取締役社長
代表取締役社長
警察庁生活安全局少年課長
警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課長
児童の犯罪被害等を防止するための保護者への説明の強化について(要請)
平素は、警察行政各般にわたり、御理解・御協力を賜り、御礼申し上げます。
携帯電話へのフィルタリングの普及につきましては、これまでも関係省庁や関係事業者等が連携
し、保護者や児童(18歳未満の者をいいます。以下同じ。)等に対して様々な啓発活動に取り組ん
でいるところであります。
しかしながら、平成24年11月に内閣府が行った調査では、児童の携帯電話へのフィルタリングの
利用率は63.5%にとどまり、うちスマートフォンに関しては、49.5%と利用率がさらに低くなってお
ります。
また、コミュニティサイトに起因する犯罪被害児童数は、依然として毎年1,000人を超える高水
準で推移し、中でもスマートフォンを利用して犯罪の被害に遭った児童が急増するとともに、被害
児童の9割以上がフィルタリングに加入していないという実態にあるほか、最近では、スマートフ
ォンのアプリケーション(以下「アプリ」といいます。)を利用した威力業務妨害等の少年事件が
発生するなど、深刻な問題となっております。
このような現状の背景には、インターネット利用に潜む危険性やフィルタリングの重要性につい
て保護者が十分に理解していないこと、保護者がスマートフォンの利用を管理する手順が従来型の
携帯電話と比較して複雑になっていること等も考えられます。
このため、警察庁では、携帯電話の契約等に携わっている皆様に、児童の犯罪被害や非行の現状
を改めて認識していただくとともに、個々の販売店において、スマートフォンを始めとする携帯電
話へのフィルタリングの説明・推奨等を十分に行っていただくことが、これまで以上に重要である
と考え、各都道府県警察に対し、関係事業者や個々の販売店への要請活動を徹底するよう指示した
ところであります。
つきましては、販売代理店その他の販売委託契約先事業者にも周知方御協力いただき、貴社の携
帯電話契約の場等において、下記の取組を行っていただくよう御高配を賜りますとともに、各都道
府県警察の活動に御協力いただきますようお願い申し上げます。
記
1
使用者の確認
青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年
法律第79号。以下「法」といいます。)第17条第1項に基づき、新規契約者に対する児童使用の
有無を確認するとともに、既契約者に対しても、機種変更等の機会を捉え、児童使用の有無を
確認する。
2
フィルタリングサービス等の説明
(1)
保護者の責務
法により、保護者には、児童のインターネット利用状況を把握・管理する努力義務が課され
ていることを説明する。
(2)
インターネット利用のリスク等に関する説明
インターネットを利用することにより、違法・有害情報の閲覧、トラブルや犯罪被害に遭
う危険性が生じ、これらを防止するため、フィルタリングサービスの利用が有効な手段であ
ることを説明する。
(3)
機種に応じた適切なフィルタリングの説明・推奨
児童が利用する機種に応じた適切なフィルタリングサービスを推奨する。特に、スマート
フォンについては、無線LAN回線に対応するフィルタリングや、アプリの起動を制限する
いわゆるアプリフィルタリングの必要性についての説明とこれらのサービスの推奨を確実に
行う。
(4)
対応するフィルタリングサービスがない場合の措置
無線LAN回線に対応するフィルタリングや、アプリフィルタリングのサービスがない機
種については、端末の制限機能(ペアレンタルコントロール)等を用いて、保護者が児童の
利用を管理する必要があることや、制限機能の利用方法について分かりやすく説明する。
(5)
非加入や解除の申出等に対する適切な措置
一部のサイトやアプリが利用できないなどの理由により、保護者の理解が十分でないまま
フィルタリングサービスの非加入や解除の申出がなされた場合には、カスタマイズ機能等の
サービスがあることや、フィルタリングサービスを利用しなければ、違法・有害情報の閲覧
や犯罪被害に遭う危険が飛躍的に高まること等について説明する。
3
従業員への研修等の実施
個々の販売店において、携帯電話の契約等に携わる従業員に対し、上記1、2の事項が徹底さ
れるよう研修等を実施する。