Title:赤ひげ表紙.ec6 Page:3 Date: 2008/09/18 Thu 13:18:28 Title:001.ec6 Page:1 Date: 2008/09/17 Wed 20:20:40 は じ め に 平成17年度から開始された「中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成」プログラムの活動の一環として、 18年度は「学部学科を越えた学生によるワークショップ・フィールドワーク」を3回開催しました。 第1回:平成1 8年8月1日∼3日・参加者13名、第2回:平成1 8年9月19日∼21日・参加者11名、第3回: 平成19年3月12日∼14日・参加者17名でした。 新潟大学医学部医学科・保健学科、歯学部口腔生命福祉学科から、学部・学科を越えて学生の参加が得ら れ、1日目のワークショップでは、地域医療に対して、それぞれ違った角度から活発な意見交換が行われま した。 2日目のフィールドワークでは、ご協力いただいた地域医療病院・診療所での訪問診療・訪問看護に同行 させていただき、講義では体験できない、生き生きと患者さんに接する医療スタッフの姿や、地域に生きる 患者さんの様子を体験することができました。 3日目のワークショップでは、各自の経験を報告し、3日間での変化を話し合いました。 本冊子は、3回にわたり開催したワークショップとフィールドワークをまとめたものです。学生たちの感 想には、地域医療を体験してのそのたのしさ、大変さがつづられています。 この経験を活かし、これからの地域医療に携わる医療人が誕生することを願います。 新潟大学医歯学総合病院 医科総合診療部長 (地域医療教育支援コアステーションサブリーダー) 鈴 木 栄 一 −1− Title:003-004目次.ec6 Page:3 Date: 2008/09/17 Wed 20:21:18 目 次 はじめに 第1回 ワークショップとフィールドワーク報告………………………………………… 5 参加者名簿……………………………………………………………………………………… 8 協力者・スタッフ名簿………………………………………………………………………… 8 ワークショップとフィールドワークの日程表……………………………………………… 10 ワークショップとフィールドワークの概要 第1日目 平成 18 年 8 月 1 日 (火)………………………………………………………… 11 1.セッション1 「心に残る学習」…………………………………………………………… 11 2.セッション2 「地域医療を取り巻くもの」(KJ 法) …………………………………… 1 4 3.セッション3 「地域医療の問題点」(二次元展開法)………………………………… 16 4.セッション4 「フィールドワークの目標」……………………………………………… 17 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項………………………………………………………… 18 第2日目 平成 18 年 8 月 2 日 (水)………………………………………………………… 19 地域医療病院でのフィールドワーク −地域医療体験実習−……………………………… 19 Aチーム報告書 「上越市国民健康保険清里診療所」 …………………………………… 19 Bチーム報告書 「十日町市国民健康保険松之山診療所」 ……………………………… 19 Cチーム報告書 「魚沼市立堀之内病院」………………………………………………… 20 Dチーム報告書 「阿賀町鹿瀬診療所」…………………………………………………… 21 第3日目 平成 18 年 8 月 3 日 (木)………………………………………………………… 23 1.セッション5 「WS / FW で学んだこと・感じたこと」………………………………23 2.セッション6 「個人レポート作成」……………………………………………………… 23 3.セッション7 「WS のまとめ」…………………………………………………………… 29 第2回 ワークショップとフィールドワーク報告…………………………………………33 参加者名簿……………………………………………………………………………………… 36 協力者・スタッフ名簿………………………………………………………………………… 37 ワークショップとフィールドワークの日程表……………………………………………… 38 第1日目 平成 18 年 9 月 19 日 (火)……………………………………………………… 39 1.セッション1 「心に残る学習」…………………………………………………………… 39 2.セッション2 「地域医療の問題点」(KJ 法) …………………………………………… 41 3.セッション3 「地域医療の義務化」(ディべート)…………………………………… 42 4.セッション4 「フィールドワークの目標」……………………………………………… 43 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項………………………………………………………… 44 −3− Title:003-004目次.ec6 Page:4 Date: 2008/09/17 Wed 20:21:19 第2日目 平成 18 年 9 月 20 日 (水)……………………………………………………… 45 1.長岡市山古志支所・山古志竹沢診療所見学……………………………………………… 45 2.地域医療病院でのフィールドワーク −地域医療体験実習−………………………… 45 Aチーム報告書 「上越市国民健康保険清里診療所」…………………………………… 45 Bチーム報告書 「十日町市国民健康保険松之山診療所」……………………………… 46 Cチーム報告書 「魚沼市立堀之内病院」………………………………………………… 47 Dチーム報告書 「柏崎市国民健康保険北条診療所」…………………………………… 47 第3日目 平成 18 年 9 月 21 日 (木)……………………………………………………… 49 1.セッション5 「地域医療の優先課題」(二次元展開法)……………………………… 49 2.セッション6 「個人レポート作成」……………………………………………………… 50 3.セッション7 「WS のまとめ」…………………………………………………………… 56 第3回 ワークショップとフィールドワーク報告…………………………………………59 参加者名簿……………………………………………………………………………………… 62 協力者・スタッフ名簿………………………………………………………………………… 62 ワークショップとフィールドワークの日程表……………………………………………… 64 第1日目 平成 19 年 3 月 12 日 (月)……………………………………………………… 65 1.セッション1 「じゃんけん自己紹介」「全員の名前」………………………………… 65 2.セッション2 「地域医療の問題点」(KJ 法) …………………………………………… 66 3.セッション3 「地域医療の義務化」(ディべート)…………………………………… 68 4.セッション4 「地域支援テレビシステム実習」………………………………………… 69 5.セッション5 「カリキュラムと目標」…………………………………………………… 70 6.WS 第一日目のまとめ・連絡事項………………………………………………………… 71 第2日目 平成 19 年 3 月 13 日 (火)……………………………………………………… 72 1.長岡市山古志支所・山古志竹沢診療所見学……………………………………………… 72 2.地域医療病院でのフィールドワーク −地域医療体験実習−………………………… 72 Aチーム報告書 「県立松代病院」………………………………………………………… 72 Bチーム報告書 「厚生連魚沼病院」……………………………………………………… 73 Cチーム報告書 「南魚沼市立ゆきぐに大和病院」 ……………………………………… 74 Dチーム報告書 「湯沢町保健医療センター」…………………………………………… 74 第3日目 平成 19 年 3 月 14 日 (水)……………………………………………………… 76 1.セッション6 「地域医療の優先課題」(二次元展開法) ……………………………… 76 2.セッション7 「個人レポート作成」……………………………………………………… 79 3.セッション8 「WS のまとめ」…………………………………………………………… 85 アンケート結果………………………………………………………………………………………… 88 編集後記………………………………………………………………………………………………… 90 −4− Title:005.仕切.ec6 Page:5 Date: 2008/09/17 Wed 20:21:54 …………………………………………………………………………………………………………………………… −5− Title:007-010.ec6 Page:7 Date: 2008/09/17 Wed 20:22:36 学部教育プログラム 平成1 8年度 第1回「学部学科を越えた学生によるワークショップとフィールドワーク」 平成1 8年8月1∼3日 21 22 23 25 24 26 28 27 20 19 11 10 13 12 15 14 16 17 18 9 4 1 2 3 5 6 7 8 文部科学省「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 『中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成』新潟大学医歯学総合病院 1 2 3 4 5 6 7 8 9 金 丸 佐 藤 石 澤 鈴 木 柴 原 山 本 若 杉 尚 子 栄 一 和 子 浅 見 香 菜 子 正 彦 正 嗣 長 谷 川 隆 志 明 子 舞 10 11 12 13 14 藤 澤 櫻 井 純 一 伸 晴 北 澤 勝 岡 部 康 之 小 岩 光 太 郎 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 横 田 吉 井 直 樹 雅 美 鈴 木 昭 山 口 克 博 井 口 清 太 郎 荒 井 理 香 小 原 山 崎 明 舞 −7− 鈴 木 大 内 太 田 遠 山 佐 藤 竹 内 誠 之 章 嗣 求 磨 和 姫 美 樹 淳 子 Title:007-010.ec6 Page:8 Date: 2008/09/17 Wed 20:22:36 ●参加者名簿● 名 前 あさ み か な こ 浅見香菜子 いしざわ なお こ 石澤 尚子 おか べ やすゆき 岡部 康之 かねまる めい こ 金丸 明子 きたざわ まさる 北澤 勝 こ いわこう た ろう 小岩光太郎 さくらい のぶはる 櫻井 伸晴 さ とう まい 佐藤 舞 しばはら かず こ 柴原 和子 やまもと まさひこ 山本 正彦 よこ た なお き 横田 直樹 よし い まさ み 吉井 雅美 わかすぎ まさ し 若杉 正嗣 学 科 学 年 口腔生命福祉学科 3 口腔生命福祉学科 3 医学科 3 医学科 2 医学科 5 医学科 2 医学科 5 口腔生命福祉学科 2 口腔生命福祉学科 3 医学科 3 医学科 3 医学科 4 医学科 4 (アイウエオ順) ●協力者・スタッフ名簿● 名 前 所 属 役 職 丸山 宗雄 上越市清里区総合事務所 所長 宮澤 誠一 上越市清里区総合事務所 次長 武田 公夫 上越市清里区総合事務所 班長 南雲夕起子 上越市清里区総合事務所 主任 丸山 奈々 上越市清里区総合事務所 保健師 阿部 房江 上越市社会福祉協議会清里支所 介護員 篠原 幸子 上越市社会福祉協議会清里支所 介護員 若月 誠 特別養護老人ホームみねの園 デイサービスセンターふれあいの家 介護員 嶋田加奈子 ビックネス上越 インストラクター 畠山 牧男 上越市国民健康保険清里診療所 所長 赤羽 香子 上越市国民健康保険清里診療所 看護師 勝俣ハツエ 上越市国民健康保険清里診療所 看護師 土屋 順子 上越市国民健康保険清里診療所 准看護師 −8− Title:007-010.ec6 Page:9 Date: 2008/09/17 Wed 20:22:36 名 前 所 属 役 職 川上 貴子 上越市国民健康保険清里診療所 事務 藤巻 祐子 上越市国民健康保険清里診療所 事務 池田 則夫 十日町市役所 健康支援課長 太田 玲子 十日町市役所 福祉課長補佐 越村 範子 十日町市役所 母子保健係長 登坂 尚志 十日町市国民健康保険松之山診療所 所長 高橋登志子 十日町市国民健康保険松之山診療所 准看護師 小野塚勝男 十日町市国民健康保険松之山診療所 庶務係長 村山 克子 特別養護老人ホーム不老閣 看護師 江花 至 阿賀町役場 福祉保健課長 石川 久作 阿賀町役場 福祉保健課長補佐 佐藤美和子 阿賀町役場 保健指導係長 藤安まゆみ 阿賀町役場 保健師 渡部 悦子 阿賀町 民生委員 猪俣 睦 阿賀町 地域ボランティア 小川 龍 阿賀町鹿瀬診療所 所長 安宅 信博 阿賀町鹿瀬歯科診療所 歯科医師 斎藤むつ子 阿賀町養護老人ホームきりん荘 看護師 永瀬 敏明 国民健康保険魚沼市立堀之内病院 病院長 磯部 靖子 国民健康保険魚沼市立堀之内病院 看護師長 関 理恵子 国民健康保険魚沼市立堀之内病院 看護師 滝澤 直行 国民健康保険魚沼市立堀之内病院 事務長 星野 福光 魚沼市役所 福祉保健課長 櫻井 和子 魚沼市役所 保健係長 下条 文武 新潟大学医歯学総合病院 病院長 鈴木 栄一 医科総合診療部 部長 長谷川隆志 医科総合診療部 副部長 大内 章嗣 歯学部口腔生命福祉学科 教授 鈴木 昭 歯学部口腔生命福祉学科 教授 小原 明 総合臨床研修センター 事務 荒井 理香 総合臨床研修センター 事務 鈴木 誠之 総合臨床研修センター 事務 山崎 舞 総合臨床研修センター 事務 山口 克博 管理課 事務 平賀 智之 管理課 事務 井口清太郎 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(講師) 藤澤 純一 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(講師) 太田 求磨 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(助手) 遠山 和姫 地域医療教育支援コアステーション 事務 佐藤 美樹 地域医療教育支援コアステーション 事務 竹内 淳子 地域医療教育支援コアステーション 事務 −9− ●ワークショップとフィールドワークの日程表● Title:007-010.ec6 Page:10 Date: 2008/09/17 Wed 20:22:37 − 10 − Title:011-018.ec6 Page:11 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:18 ◎受付∼はじめに∼オリエンテーション 1.セッション1 まず、スタッフの紹介、集合写真を撮影した後、 「 心に残る学習 」 9:20 ∼ 10:20 参加した学生全員にワークショップ・フィールド グループ内では初対面の人たちも多いので、お ワークについてのプレアンケートを行った。 互いをよく知るためにアイスブレーキングとして その後、ワークショップとは・3 役(司会進行 絵を描くこととした。 係・記録係・発表係)について・グループ討議、 絵の題材は、これまで生きてきた中でもっとも 発表会についてなど、ワークショプについてのオ 「心に残る学習」とした。それぞれグループに分か リエンテーションを行った。 れてから、各自が模造紙に絵を描き、グループ内 で一人ひとりがグループのメンバーに自分の絵を ワークショップとは… ワークショップ(Workshop)とは、本来作 業場や工房を意味する語である。現在のワーク ショップは、1 9 20年ごろにアメリカのJ . L . モ レノが臨床心理学の一手法として考案したもの 説明した。このことが、グループ内での自己紹介 になるものと思われた。その後再び集合し、グ ループ毎に前に出て、各々の絵について各グルー プの発表者が説明を行った。 各グループの絵の説明のとき、各自が自分の絵 を持って前に出ることで他己紹介的になり、個性 であり、今日では「体験型の講座」を指すことが 的な様々な絵の紹介で笑いもおこり、十分にアイ 多い。体験型講座の意味でのワークショップは、 スブレーキングになったものと思われた。また、 問題解決やトレーニングの手法としている。近 これまで全く知ることのなかった人の作品を理解 年は企業研修や住民参加型まちづくりにおける し説明することで、少しでもその人となりを知り、 合意形成の手法としてよく用いられている。 これから先のワークショップとフィールドワーク ワークショップは、ファシリテーターと呼ば でのチームワークの形成に大いに役立つものと思 れる司会進行役の人により、参加者が自発的に われた。 作業をする環境を整え、参加者全員が体験する ものとして運営されることがポピュラーな方法 ■1班(A・Bチーム) 発表者:石澤 尚子 である。 : ワークショップの効果として期待されている ものに、参加者同士の体験共有、意見表出、創造 表現、意見集約、その他コミュニケーションを深 めることなどがある。 − 11 − Title:011-018.ec6 Page:12 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:29 : : : : : : − 12 − Title:011-018.ec6 Page:13 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:37 ■2班 (C・Dチーム) 発表者:横田 直樹 : : : :一 : : − 13 − Title:011-018.ec6 Page:14 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:39 2.セッション2 中から関連の記事をグループでまとめていって、 「地域医療を取り巻くもの」(KJ 法) 創造的なアイディアの展開や問題の解決の糸口を 10:30 ∼ 11:50 探り出す手法である。 今回のワークショップとフィールドワークの 今回、この KJ 法によりまとめてもらったもの キーワードとも言える「地域医療」について、集 が、下記のものである。 まった学生がお互いにどのような知識、認識があ それぞれのチームが様々な意見を出してくれた るのかを知り、また今後の議論を進めるために、 が、 「地域医療」と言う単語一つをとっても、そこ グループ毎に「地域医療を取り巻くもの」につい から想起される事態は個々の学生によって異なっ て KJ 法にて抽出、まとめた。 ていた。その思いつきの中には、大きな幅がある KJ 法は東京工業大学名誉教授の、川喜田二郎が ように思われた。一方、共通してみられる項目も 活動の中で考案した「創造性開発」 (または創造的 あり、それらはより重要なものと考えられた。 問題解決)の技法である。多くの情報、気づきの ■1班 発表者:浅見香菜子 − 14 − Title:011-018.ec6 Page:15 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:39 ■2班「地域医療をとりまくもの」 発表者:若杉 正嗣 − 15 − Title:011-018.ec6 Page:16 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:39 3.セッション3 また、その問題点のうち一つに焦点を当て、そ 「地域医療の問題点」(二次元展開法) の解決策についてグループ内でディスカッション した。 13:00 ∼ 14:20 昼食を挟んで午後からは、午前中に挙げられた 多くのチームで共通して見られたのが地域医療 「地域医療を取り巻くもの」を踏まえて、今、問題 にかかる人材の不足であった。その人材を育成す となっている「地域医療の問題点」と「赤ひげチー るためにこれまで欠けていたもの、と言う視点で ム医療に必要なもの」について、重要度、緊急度 これから活動していくことも重要と思われた。 の尺度によって二次元展開を行った。 ■1班 二次元展開法 発表者:吉井 雅美 対応策「赤ひげチーム医療に必要なもの(二次元展開法) 」 優先課題: 「人材不足」 ∼地域医療において∼ 1.地域医療への理解の場を増やす。 2.交通網の充実。 3.先端技術を身につけるため、都市病院とのローテーション。 4.外の病院との連携。 5.大学の定員を増やす。 − 16 − Title:011-018.ec6 Page:17 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:40 ■2班 二次元展開法 発表者:北澤 勝 《改善点》 ① 奨学金制度の利用。 ② 大学での地域医療教育の実施。 ③ 地域出身者が地元に戻る。 ④ 地元枠を増やす。 ⑤ 給与面の改善。 4.セッション4 「フィールドワークの目標」 14:30 ∼ 15:50 翌2日(第二日目)に予定されているフィール SBOs ドワークで、学びたいこと、聞きたいこと、経験し ・往診のシステムを説明する。 たいことなどの目標について、グループ内で討論 ・医療スタッフ不足の現状を説明する。 し、最終的に、一般目標(GIO) 、行動目標(SBOs) ・医療スタッフ間の連携の現状を説明する。 などとしてまとめた。 ・医療スタッフと患者の信頼関係の構築の様子を まず各チーム毎にこれらの目標を設定し、翌日 説明する。 のフィールドワークに臨むこととした。 ・医療スタッフの待遇を説明する。 それぞれのチームが提出した一般目標、行動目 ・基幹病院との連携を説明する。 標は下記の通り。 ・高度な医療技術を習得するための基幹病院との ローテーションの現状を説明する。 ■1班 発表者:山本 正彦 ・歯科衛生の現状を説明する。 GIO ・潜在的なニーズを誰が把握しているかを説明す ・地域医療の理解を深め、地域医療への意欲を高 めるために、地域医療における 「 チーム医療 」 を 学習し、理解する。 − 17 − る。 Title:011-018.ec6 Page:18 Date: 2008/09/17 Wed 20:23:42 ■2班 発表者:横田 直樹 平成18年度 第1回 ワークショップ ・実際の人手不足を確認。 「心に残る学習」における優秀作品 ・地域医療の良いところ。 1.横田君 ・病院に来ることのできない人はどうしている シンプルな線で描かれたシンプルな図形により数 か。 学の定理を表していることに非凡な才能を感じた。 ・全人的な医療を提供の確認。 ・普段、体験できないことを学ぶ。 ・患者数と医療従事者数の不足状況を確認。 GIO 大学では習得できない地域医療の考え方を学 び、今後に生かすために地域へ出向いて体験する ことで実状を把握してくる。 2.石澤さん SBOs 母を思わせる柔らかな線とタッチに生命誕生の ・病院での医療者の人手不足について説明する。 喜び、躍動感を感じた。 ・地域医療に携わることで得られるメリットを説 明する。 ・地域医療の現場の信頼関係を説明できる。 ・病院に来ることのできない患者様の診療につい て説明する。 ・地域でのチーム医療を説明する。 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項 3.金丸さん 16:00 ∼ 16:10 初日を終えた学生は生き生きしていた。朝はお ダイナミックな色遣いとピカソのゲルニカを彷 互いに面識のない者が多いため会話も少なかった 彿とさせるタッチがすばらしかった。 が、一つのテーマでディスカッションを経たあと は、より多くの話題がでるようになり、後半は活 発な議論を展開することができた。 思ったよりも時間が短く感じられた、と言う参 加者もいたが、これはスタッフ側も同様に感じて いた。 午前中の最初のセッションでアイスブレーキン グとして描いてもらった作品の中から、スタッフ その後、翌日のフィールドワークについて必要 の厳選な審査により優秀な作品を選び表彰した。 事項を説明し、第一日目のワークショップを終了 その作品はつぎの3作品であった。 した。 − 18 − Title:019-022.ec6 Page:19 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:18 ◎地域医療病院でのフィールドワーク 種々の活動に際して、協力していただいていて、 −地域医療体験実習− いままで描いていた医師の仕事とはまったく違う 全員が時間に遅れることもなく午前8時30分に 医師の関わりを知った。 大講義室前の広場に集合した。それぞれのチーム 近くの手打ちそばやで昼食。手打ちのそばも非 にわかれてジャンボタクシーに乗車し、各医療施 常においしくてんぷらの大きな大葉はなんという 設へ向けて出発した。 ものか話題になった。 診療所の待合室でしばし休憩。 Aチーム報告書 午後からは清里診療所で、まずは畠山先生から 場所:上越市清里総合事務所・上越市清里診療所お 先生が診療所に赴任するまでの経過をお話いただ いた。現在訪問を行っているかたの概要を説明し よび上越市清里地区周辺 午前8時45分 予定通り大学病院を出発。道中 ていただき、診療所内を案内していただいた。 では第1日目の感想などを談笑。いままで地域医 脳梗塞のために車の運転が不自由になった山間 療について、このように考える機会もなかったし、 部のお宅へ訪問。意外に経過が良好であって、今 今日一日の活動が楽しみであることなどの話がで 後自宅で気をつけることなどをアドバイスされて ていた。 いた。基幹病院から紹介されて、在宅医療を行わ 午前10時15分 清里総合事務所に到着。宮澤次 れている方を訪問。在宅での点滴療法の見学を通 長から現在の清里の診療所の設立にいたるまでの し、医師をかこむ看護師の適格な役割を見てきた。 経過などの話を聞いた。その後総合開発センター その後1件の訪問に同行し、時間の関係から帰路 へ移り、まずは2階で行われている健康教室の活 へついた。診療所の医療スタッフ全員のヒューマ 動に参加した。人口の概要や介護保険利用者の状 ニティがあふれ出ていることを皆が感じ、医師の 況の説明を受けた。その中での保健師のかかわる 姿勢がそれを支えていく最も重要なことなのかと 予防活動の状況について質疑応答がなされた。介 の意見もでていた。イメージしていた地域医療と 護の実際の活動は介護保険が浸透してきてケアマ は違っていて非常にいい経験になったと感想が多 ネジャーを主体に動いていること、その中で医療・ かった。帰路では、もっとこのような体験の機会 介護への予防事業が主体になってきていることな は非常に貴重だとの指摘があった。 どの状況を説明していただいた。診療所の医師は Bチーム報告書 場所:十日町市役所・十日町市松之山診療所および 十日町市松之山地区周辺 午前8時45分、大学を出発しBチームは十日町 へと向かった。途中、山谷パーキングでトイレ休 憩を30分とった。その後、越後川口インターで高 速道路を降り、国道117号線へと入った。午前10時 半、予定通りに十日町市役所に到着、早速会議室 に移動し、保健師長の越村さんより十日町市の地 Aチーム:清里 勢、人口動態、保健上の問題点、合併の影響等につ − 19 − Title:019-022.ec6 Page:20 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:18 いて予定の1時間を大幅に超えて1時間半にわた た。時間をかけ、登坂先生が診察をされていたの り講義して頂いた。学生からも時折質問があり、 が印象的だった。最後は松之山町の特別養護老人 彼らの地域医療に対する関心の深さを感じた。正 ホームに行き、そこに入所されていた患者さんを 午頃、市役所を後にして昼食会場に向かう。そこ 診療した。旧松之山町という大きなフィールドを で昼食を流し込むように食べ午後0時40分には、 実感できた実習であった。 十日町市松之山診療所に向かった。約30分を要し 午後4時過ぎBチームは予定がすべて終了し、 て、午後1時15分頃には松之山診療所に到着し 帰路についた。折から十日町市、旧松代町、旧松 た。そこで所長の登坂先生にご挨拶し、今日訪問 之山町で始まった「第3回大地の芸術祭」を横目 診療を行う予定の患者さんに関する資料を頂い に見つつ新潟に向かった。 た。患者さんが一人おられると言うことでその診 察が終わるのを待った後、診療所内の設備等につ Cチーム報告書 いて説明していただいた。無床の診療所とはい 場所:魚沼市立堀之内病院および魚沼市堀之内地 え、大腸内視鏡なども行うと聞き驚いた。次に午 区周辺 後2時より訪問診療に出発した。登坂先生は我々 フィールドワークを実施した8月2日は、梅雨 の乗るタクシーに同乗してくださり、訪問診療の 明け後1番の夏らしい天候となった。 お宅に伺う道すがら松之山の地勢について解説を 8時30分に大講義室前に集合。鈴木栄一教授の していただいた。夏場ではわからないものの冬場 訓示の後、各チーム別にジャンボタクシーに乗り は3∼4mにも及ぶ積雪があることなどを説明し 込み、出発した。北陸・関越自動車道も特に混雑 ていただき、皆驚いていた。本日の訪問診療は全 はなく、越後川口SAで休息の後、10時20分に魚 部で4カ所、3カ所が長期に訪問診療を行ってい 沼市立堀之内病院に到着した。 るお宅で、もう一カ所は特別養護老人ホーム内に 2階の会議室に案内され、院長の永瀬先生に御 入所されている方だった。2軒目のお宅は名湯松 挨拶した後、事務長の滝澤さん、魚沼市福祉保健 之山温泉の近くから、さらに山の上に登った場所 課保健係長の櫻井さんから魚沼市・堀之内病院の にあり、風光明媚な場所であった。夏場であれ 沿革、堀之内病院の概要、魚沼市の福祉保健の現 ば、風光明媚で済むだろうが、これが冬季間の場 況などについて、お話しを頂いた。 合どれほどの雪が降るのか考えると少し怖くなっ 魚沼市立堀之内病院は、医師は内科4名、外科 た。大きな幹線道路から相当離れ、生活するのは 1名の計5名。一般病床が34床、療養型病床が50 大変なことだと感じた。次いで3軒目のお宅は山 床の計84床あり、それぞれ稼働率は75%、90% で、 を二つほど超え、山間地の谷間にあるお宅だっ 1日あたりの平均外来患者数は933 . 人とのことで あった。 訪問診療は内科医師4名と内科看護師3名が交 代で実施しており、対象地域は旧堀之内町、旧小 出町。対象患者数は65名で、平均年齢は8 3歳との ことであった。一日に5∼6人の診察になるとの ことであった。訪問看護は専任看護師3名で実施 しており、対象患者は旧堀之内町区域の50人。週 1から3回の訪問で、実施回数は202回にのぼる とのことであった。一日の訪問は、夕方までかか るのが常で、その後報告書のまとめ等を行い、ほ Bチーム:松之山 − 20 − Title:019-022.ec6 Page:21 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:18 ことであった。各患者さん宅での、院長先生の患 者さんへのフランクな接し方が印象的であった。 ご家族の対応からも、訪問診療が来たことでの安 心感、信頼感が感じられた。また、当日は梅雨明 け後で日差しの厳しい日であったが、患者さんの お部屋もなかなか室温のコントロールが難しいと ころもあり、この時期の体調管理の難しさが感じ られた。学生も、血圧測定等、バイタルチェック を体験させて頂いた。また、午後からは NT21の取 Cチーム:堀之内 材があり、各ご家庭への訪問の様子や、各学生へ とんど毎日残業があるとのことであった。訪問リ のインタビューなど、取材されていた。 ハビリは、専任理学療法士1名が対応しており、 午後3時30分に病院に戻り、永瀬院長や、看護 対象患者数は29名。訪問看護、訪問リハビリにつ 師の関さんにお礼を述べ、新潟への帰途についた。 いては今後も対象患者数は増加していくだろうと のことであった。 Dチーム報告書 今後の病院の動向として、計画されている魚沼 場所:阿賀町役場・阿賀町鹿瀬診療所および阿賀町 基幹病院との兼ね合いで、病院の担う役割が大き 鹿瀬地区周辺 く変わってくるであろうとのことであった。魚沼 梅雨明けの磐越道を東進し、9時45分、阿賀町 基幹病院は急性期を扱い、ある程度落ち着けば、 役場に到着した。予定より15分も早い到着にもか (県立)小出病院へ、という流れができると思われ、 かわらず、阿賀町福祉保健課課長、江花至氏、同福 堀之内病院としては、療養型病院としての性格が 祉保健課課長補佐石川久作氏の歓迎を受け、お互 強くなるのではないか。一方で、厚生労働省の方 いに自己紹介の後、江花課長による同町の概要、 針として、療養型病床は減らそうという施策があ 特に福祉・医療における行政面についての説明が り、その影響も受けるのではないか、とのことで 行われた。佐渡より広大な行政区に約1万5千人 あった。 が生活する阿賀町の地理的特性についての概説 その後、磯部看護師長に御案内いただき、療養 後、福祉・医療を巡る問題点の解説が行われた。少 型病棟を見学させていただいた。療養型病棟は5 子高齢化および都市部への人口流出といった原因 年前に増築された部分でまだ新しく、療養型の基 に由来する人口減少が同町の問題の根本をなすと 準に合わせて各部屋や廊下も広く作られていると のことである。昭和45年、約2万4千人の人口を いうことであった。リフトつき浴槽なども付属し たお風呂や、各部屋の様子なども見学させていた だいた。 昼食を「堀之内やな場」でとった後、午後1時 からは、永瀬院長から、午後訪問診療で訪ねる各 患者さんについて一通りご紹介をいただいた。 午後1時3 0分からの訪問診療では、9人の患者 さんのお宅を訪問した。いずれも御高齢で、歩行 困難や認知症、またご家族の都合等があり、病院 に通うことが困難な方が主な患者さんであるとの − 21 − Dチーム:鹿瀬 Title:019-022.ec6 Page:22 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:18 有していたにもかかわらず、358 . %の人口減少を あり、興味深いことと思われた。また、同診療所 きたし、それに加え昭和41年に98 . %であった高齢 は、昭和電工鹿瀬工場診療所が母体であり、この 化率が374 . %に急増し、900軒ほどの老人一人暮ら 工場の存在が同地区の約38%もの老齢化率に関係 し世帯が存在するなど、福祉・医療の問題の深刻 しているとの説明があった。昭和30年代には、鹿 さが理解できた。それを行政面から対処する同町 瀬地区は同工場従業員とその関係者で鹿瀬地区は と、同町唯一の病院である県立津川病院と3つの 1万人以上の人口を示していた。公害発生後、同 公的4つの私的診療所の役割分担、すなわち保 工場の移転・縮小に伴った従業員の県外転出が起 健、福祉、医療をどのように組み合わせて、この こったが、従業員の親の世代は鹿瀬地区に留まる 困難な状況に対処すべきか、問題は山積している ことが多かったことが、同地区高老年化につな と思われた。説明後の参加学生や引率の大内教授 がっているとのことである。 の質問への回答でもある、自動車のみという町内 その後、同診療所内での診察見学を行った。参 交通手段や大幅増員が難しい保健福祉担当役場職 加学生の質問に答えた形で、CT や MRI などの高 員数という問題も、その深刻さの一端を示してい 次医療機器導入について、 「そのような機器を使 ると感じられた。 用しないで行うことが診療所の地域医療である。 役場を後にし、阿賀野川本流、切り立った北岸 導入には経費返済などの負の面も考える必要があ を走る対面交通がやっとの細いトンネルが連続す る」と述べた小川先生の言葉が非常に印象的で る道路を縫うようにして、徳瀬地区開発センター あった。僅かの時間であるが、併設された歯科を へと向かった。保健師、藤安まゆみ氏の指導のも 担当する安宅信博先生の話も聞くことができた と、住民健康教室がすでに始まっていた。途中の が、先生は非常に若く(20代?) 、同地区の歯科地 全員で行うゲームから一緒に参加したが、このよ 域医療の特徴と思われた。小川先生が毎週行って うな活動を行うべき地区が同町には数多く存在す いる老人保健施設きりん荘での診察に同行した。 るため、13人の保健師では一月に1回のみの開催 高齢者痴呆の初期症状は、 「生魚は食べられな となっている現状であった。参加者は80歳に迫る い」 、 「うなぎは苦手だ」などと言っていた入所者 平均年齢で、全員が女性であり、疾病予防・地域 が、食品嗜好がなくなり平気で刺身や鰻丼を食す 保健の視点からは、より若年層と男性の参加が問 るようになるといわゆるボケが始まる、との同荘 題であるとの説明を受けたが、地域の問題は高齢 職員の話が興味深かった。また、小川先生による 化の問題であるという側面を如実に物語っている と、食欲が保たれる高齢者は、疾病罹患も少なく と思われた。 健康的な場合が多いとのことである。鹿瀬診療所 鹿瀬、赤湯温泉の食堂で五目釜飯に舌鼓を打 に戻り、小川先生も交えて午後全体のまとめと小 ち、午後の予定として、13時に鹿瀬診療所の小川 川先生の仕事以外の時間、趣味などについて(現 龍医師のもとを訪れた。参加者全員自己紹介の 在、直木賞に向けて小説を投稿中とのこと)のお 後、小川先生の自己紹介や同診療所の概説を受け 話を聞いて今回のフィールドワークの全予定を終 た。小川先生は、日本医科大学麻酔科の教授を退 了した。 官した後、念願であった地域医療に従事するため 地域医療を考える前に地域の共同体としての存 に、鹿瀬診療所所長の職を引き受けたとのことで 在が危うくなっている現状を認識し、それに対す あった。麻酔科は、幅広い疾病を持つ症例の麻酔 る根本的対策を考えながら地域医療を考え直す必 を担当する必要性から、それらの疾病各々を熟知 要があると指摘した小川先生の言葉で、報告のエ することにより、診療所の医療業務を行うには、 ンディングとする。 適している診療科であると診療見学の際に説明が − 22 − Title:023-029.ec6 Page:23 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:57 ◎受付 8:45 ∼ 9:00 ■2班 発表者:北澤 勝 前日の疲れも見せずに参加者は全員、定刻に集 〈人材〉 現状では 全体的に不足 合し、第3日目のワークショップを開始した。 診療所では、最低限で対応 1.セッション5 ○鹿瀬診療所 「WS/FW で学んだこと・感じたこと」 ゆったりと診療。 9:00 ∼ 10:30 予防に従事する栄養士や歯科衛生士不足。 第一日目に作成した「フィールドワークの目標 ○堀之内病院 (一般目標、行動目標) 」を踏まえて、第二日目の 忙しそう。 フィールドワークに参加しての感想を各チームで 理学療法士の人材不足。 まとめた。 (専任1人、兼任1人) それぞれのチームで自分たちの行った地域医療 病院についての感想や、最初考えていたこととの 〈地域医療のメリット〉 ○一人一人にかけられる時間が多いので信頼 対比を行った。一言で地域医療病院といっても、 関係が築ける。 その地域やバックグラウンドとしての経済力など ○趣味の時間が取れる。 〈信頼関係〉 の差からかなり違う面も見えてきたようだった。 一方、共通点もあり、それらを学生同士でディ スカッションしていく中で共通の認識を高めるこ ○かなり築けていた。 〈訪問〉 ○鹿瀬では、週2回の巡回診療、堀之内では とができた。 月1回の訪問診療、週1回の訪問看護を ■1班 発表者:岡部 康之 行っている。 〈WS/FW で学んだこと・感じたこと〉 ○要望が多く、件数が増えていくものと思わ れる。 ・病院・診療所の連携の重要性を強調されてい 〈チーム医療〉 た。(行政) ・民生員の役割の重要性。 ○福祉などとの連携が重要。 ・医師が一人であることへの危惧。 ○地域の他の病院・診療所と補い合っている。 ・交通網の不便さ ・診療後のアフターケア・病気ではなく患者を 2.セッション6 「個人レポート作成」 診ることの重要性 ・周囲の看護疲れという印象はなかった。 10:40 ∼ 11:10 ・医師の評判が良く、地域からの要求も高かっ た。( 高い信頼関係 ) ・行政の方と話をしていて知識不足を感じた。 今回のワークショップとフィールドワークに参 加してどのようなことを感じたのかレポートとし て作成した。 − 23 − Title:023-029.ec6 Page:24 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:57 Aチーム Aチーム なかったのは残念でしたが、福祉の学生の方々の 浅 見 香菜子 話を聞いて私達医学科の議論では出てこない視点 〈ワークショップ〉 からの問題提起、そのアプローチの仕方など、自 普段全く関わることのない医学部生と一緒にグ 分の中に新しい視点を持つようになった気がしま ループセッションなどを行うことができたこと す。 は、非常に良い経験となりました。様々な年齢・ 私が FW で訪問したのは、清里診療所でした 学生の人とグループセッションをすることはあま が、そこで仕事をしていらっしゃる畠山先生に会 りないので、色々な意見を聞くことができ、学ぶ えたことは自分にとってとても大きなイベント ことが多かったです。 だった様に思います。先生の仕事ぶりや患者さん 〈フィールドワーク〉 達との関係を見ていると、自分が医師を目指そう ・地域医療 と思っていた頃の理想の医師像にとても近かった 私は初め〝地域医療=チーム医療〟というイ ためです。自分もこのように多くの人から信頼さ メージをあいまいな考えで持っていました。しか れる医師になろう!と改めて強く思うことができ し今回のフィールドワークを通して、なぜチーム ました。 医療が必要なのかを実感することができ、非常に 今回の WS / FW に参加してみて、大学に入学 良い勉強になりました。また、行政・地域・総合 してから忘れかけていたことと、これから取り組 病院が患者と診療所と想像していた以上に密接に んでいかなければいけないことの一つが見えた様 関わっていたことに驚きました。 に思います。 ・往診 とても有意義な3日間でした。 私は往診に興味があったので、現場を見ること 櫻 井 伸 晴 ができ、良い経験になりました。ターミナルの患 者さんと先生の関わり方は非常に印象に残ってい 地域医療というとやはりへき地で過疎地で高齢 ます。 化が進んでいる地域であり、また医療従事者も不 ぜひまた参加したいと思っています。 足して施設・設備も不十分であるようなイメージ ありがとうございました。 があります。しかし一方では地域住民と密着して おり、一人一人と深い信頼関係でつながって医療 岡 部 康 之 をおこなっているといったようなイメージもあり 普段、大学で生活していてしばしば思っている ます。今回私はこの地域医療実習に2回目の参加 ことは、医学科の学生、特にポリクリ前は他職種 であり、以前にも数回(数箇所)地域医療を見学 との関わりが少なく、閉鎖的な空間で生活してい する機会があったのですが、実際に自分の目で見 るなぁということです。卒業すれば見ず知らずの て、地域医療は高齢化が進んでいたり過疎化が進 患者さんやご家族、多くの医療スタッフ、赤ひげ んでいる点は確かにそのとおりなのですが、しか に参加して分かったことですが、行政の方々とも し自分が思ったよりもへき地ではなく、また医療 関わっていくにもかかわらず、それらの方々の存 レベルが低いなんてことも全然なく、基幹病院と 在や仕事、生活などを知る機会がないことは不思 連携して充実した医療を提供できていることを実 議で『これで良いのだろうか ?』といつも思いま 感しました。またそれと同時にやはり、地域と密 す。 着して深い信頼関係を築きながら医療を行ってい その意味で今回のWS/FWからはとても多く ることを実感できました。そしてまた大きい意味 のことを学び感じとれました。看護科の学生がい での「地域医療」の実情は似ていたとしてもやは − 24 − Title:023-029.ec6 Page:25 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:57 Bチーム Bチーム りその地域ごとに地域性や住民、風土、そこで働 石 澤 尚 子 く医療従事者、抱える問題といったものはそれぞ れ異なっており、どこも個性的で一言ではくくれ 地域医療の現状を知るために、まず地域の特性 ないある意味で面白さといったものを感じまし を知ることが大切と感じました。そこから地域に た。やはり、地域医療は実際にその土地に行って とって必要な医療を見い出し、広げていくという 自分の目で見てみると自分の考えている以上のも 印象です。医師不足(後継者不足)の現状は表面 のが見えてくることに驚きました。 化されているようですが、歯科医療は専門分野の 今回私の実習に参加した目的の一つに「自分が せいか予防分野の不足が潜在化しているように感 医師になった後、地域医療に携れるとしたらいっ じました。 たい何ができるのか。そしてそのために何が必要 寝たきりの高齢者の死亡原因の上位に誤嚥性肺 になってくるのか」について具体的にイメージし 炎が上げられている現状もあり、地域医療の中に ながら考えてみようと思っていました。地域医療 今後積極的に取り組んでいく必要性を感じまし ではチーム医療がとても大切ですが、それに対し た。個人的に歯科衛生士であり卒業後はソーシャ てはまず自分は医師や看護師だけではなくケース ルワーカーという資格を得ていくことから、地域 ワーカーやケアマネージャー、保健師などたくさ 医療において福祉、保健、医療、 (医科・歯科)を んの方が活動しているということを知ること、そ 総合的に特に不足に感じた歯科疾患の予防、口腔 して患者の疾病や治療だけでなくその後の生活も ケアと生涯おいしく 「 食べる 」 ための口腔機能の 見すえて患者が考えていけるようそれらの方々へ 維持、向上させることをマネジメントできる人材 の紹介や相談にのっていくことが重要であると知 になりたいと感じました。 りました。医師は病気だけではなく、その患者さ 地域医療現場を直接体験し、想像していたより ん全体さらにその家族もふくめた治療以上のつき もずっと地域医療の皆さんが熱心で積極的だった 合いが地域医療では重要であり、本当の意味でみ こと、患者さん達の笑顔が多く見られたことがな んなと協力していくことが重要であると思いまし によりも嬉しく感じました。そして皆さんが生き た。また地域医療では医師一人がたくさんの患者 生きとされていることに感銘しました。 を抱えており負担や責任も大きいと思います。そ 金 丸 明 子 のため地域医療に携わる医師は知識や技術だけで なく豊富な経験も必要であるように感じ、将来地 域医療に携わろうと考えたら、今からよりいっそ 〈市役所での話から学んだこと〉 ・地域にも栄養士、保健師といった人がいて、今 うの努力が必要であると思いました。 まで医療=病院というイメージが強かったので 最後に地域医療は責任等も含めとても大変な仕 驚いた。 事でありますが、今回見学させていただいた方は ・病院に行くのは地域の中のわずかな部分であっ その大変さを表に出さずむしろ楽しそうにこなし て、その他のプライマリケアなどをもっと充実 ていることが印象的でした。もちろんそれは仕事 させることも大切なのだと分かった。 が楽なのではなくその先生の意欲や思いがそう感 ・高齢化が深刻であると思った。 じさせたのでしょう。今回の実習ではそこから地 ・今は、一応医師の数としては総計上そんなに不 域医療の魅力を十分に感じることができました。 足しているように見えないが、医師自身が高齢 であるので将来のことを考えるとそんなに甘く ないのだと思った。 ・経営状況がよくなると、やはり病気の人も減る − 25 − Title:023-029.ec6 Page:26 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:57 ということで、ついつい病院、医師を増やすと 師の絶対数が不足する中でも、精力的に往診を行 いう限られた点で考えがちだったが、もっと他 う医師の姿に私は強い感銘を覚えた。ただ、多く の点からの解決案もあるのだと思った。 の高齢者に対して、医師数がわずかであり、今後 のことを考えるととても不安である。行政の方の ・病気を見ないで患者さんをみてほしという言葉 話 で は、 「民 生 員、社 会 福 祉 士、ケ ア マ ネ ー が印象的だった。 〈診療所でまなんだこと〉 ジャー、さらには新聞配達員等、地域生活に関与 ・思っていたよりも設備がしっかりしていた。 する人々の連携と協力」が行われてきており、現 ・冬の交通が大変だと思った。 存の様々なシステムを駆使しようという前向きな ・“大変”“大変”というよりは、楽しんで信頼 姿勢が感じられた。 また、診療所治療と往診に共通して、人と人と し合って仕事をしているようだった。 ・往診の数が多くて驚いた。 のコミュニケーションがとても大切であると思っ ・老人福祉施設がたくさんあって改善がはかられ た。往診での家族と医師・看護師の様子から、信 頼関係の強さを実感した。 ているのだなぁと感じた。 ワークショップでは、他学部他学科の学生、先 ・先生も高齢でいらしてすごいなぁと思った。 生方と一つのテーマについて一緒に考えたことが etc. 歯学部や上の学年の人たちの様々な意見が聞け とても楽しかった。普段は同じ学部の学生ばかり てとても良かったです。自分の知識のなさを改め と話していて、他の立場からの視点に気が付かな て実感し、もっと勉強しなければならないと感じ いことが多い。実際に歯科衛生や社会福祉につい ました。 ては知らないことだらけであった。チーム医療を 高齢化社会となってきた今、地域医療は無視で 心掛けていく上で、自分の専門分野以外であって きない問題であり、今後も色々と学んでいきたい も、積極的に学んでいきたいと思う。 と思いました。 そしてより多くの人々と問題を共有し、考えて 全体的に良かったのですが、診療所における滞 いきたいと思う。 在時間がもう少し長くて、先生と話す機会がもう 吉 井 雅 美 少しあると、もっと良いなぁと思いました。 参加させていただきありがとうございました。 〈フィールドワークで学んだこと・感じたこと〉 ・最も印象的であったのは、地域医療に対する行 山 本 正 彦 政サイドの熱意であった。保健師の充足数の多 今回の実習は、私にとって大変有意義な経験で さもさることながら、病診関係の円滑化を強く あった。 訴えられており、その姿勢に感銘を受けた。 今まで地域医療というと、新聞やテレビなどの また、訪問診療においては患者と医師との強い 報道を通して、人手不足や過疎化など、直面する 信頼関係が感じられたのが印象的であった。こ 課題ばかりが想像された。実際の現場ではどうな れは松之山地区において、地域に根ざした医療 のだろうと思ったことが参加するきっかけになっ が実践されていることの顕れであるように思 た。 う。 フィールドワークでは、実際に松之山診療所へ ・地域医療においては、医師とコメディカル、さ 行き往診の様子を見学した。山間部に位置する松 らに医療従事者と患者、その家族とが強い信頼 之山地区では、医療スタッフの不足や住民の高齢 関係で結びつかない限り、良い診療・治療を行 化、老老介護などが深刻な問題だそうである。医 うのは困難であると考えられる。今回のフィー − 26 − Title:023-029.ec6 Page:27 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:57 ルドワークでは、その良い例を学ぶことができ です。実習先でも、医科に偏りが強いと感じま たと考えている。 す。 〈良かった点と改善点〉 全体の流れとしては、良いと思います。広報を ・まず、このワークショップ・フィールドワーク もっと大きくして、もっと大々的にしましょう。 で御指導くださったすべての先生方に御礼申し 佐 藤 舞 上げたい。 ・特に松之山診療所にご同行いただいた井口先 今回このワークショップに参加したきっかけ 生、佐藤さんには往復のバスの中でも、ご自身 は、今盛んに話されている 「 地域医療 」 の現状を見 の経験をふまえた医療のお話を伺うことができ て、私の学科で何が出きるかを学びたかったから ました。また、ワークショップ中、疑問に感じ だ。大学病院での診療とは違う何かがあると思っ た事や不明な点などの質問にも的確に気さくに たのだ。 答えていただき感謝しております。 私は、このワークショップの2日目が特に印象 ・改善点としてあえて申し上げるとするならば他 に残っている。魚沼市の現状は人手不足とまでは の診療所についてももう少し深く知りたかった いかないが、できれば専門医は増やしたい、また、 点があります。4つの診療所のうち1つしか参 特に歯科外来がなくなったということを聞き、歯 加できないのは、時間や受け入れ先の都合上致 科医が辞めてしまったため困る人も多いのではな し方ありませんが、もし最終日に多少時間がと いかと感じた。従来、口腔の清掃はセルフケアや れるならば写真等を入れたパワーポイントプレ プロフェッショナルケアを含めて、本人を対象に ゼンなどで各々の経験した診療所の現状を報告 支援されてきた。寝たきり者への支援手段は、在 し合えれば理解も記憶の定着もより深まるもの 宅寝たきり者への往診など、医療保険、また介護 と考えます。 保険などで徐々に拡大されてはきたが、まだ不十 分であるのが現状だ。そのため、寝たきりで筋力 が低下している老人にとっては、誤嚥性肺炎にか Cチーム Cチーム かる可能性も高い。また、「 食べる 」 ことは生きる 北 澤 勝 ための欠くことのできない行動であり、高齢者に 今回、2回目の参加だったのですが、非常に楽 とっては栄養面だけでなく、満足感や生きがい感 しかったです。病院、診療所などの役割分担につ などの心理面からも QOL を保つために大切なこと いて、良く考えることにします。 だ。よって、要介護高齢者の口腔内を清潔に保つ 改善すべき点 ことで、QOL を高め、誤嚥性肺炎を少なくするこ ・WS は、同じ内容で 2 回やるものでは無いと、 とが重要なのだ。このような、地域医療の現状と 感じました。やるならば、また違ったやり方で それを行っている人の話を直に聞くことで、その やらないと、2、3回目の参加者は難しいで 大切さが身にしみて理解できたことはこのワーク す。 ショップに参加して良かったと思う。 ・日程についてですが、保健学科の試験と東医体 しかし、行く場所によってグループ毎の内容の とを考えながらなので、非常に難しいのです 違いがあるので、それを十分に討議する時間が少 が、改善の余地があるのではないでしょうか。 なすぎたように思う。他のグループの内容やその ・FWの前に、実習に行く病院について予習をし 地域での現状を把握するには時間が足りなかった のが残念だった。 たらよいのではないでしょうか。 ・歯科衛生についても、もっと詳しくしたら良い 今回、このような現状を実際に見て体験するこ − 27 − Title:023-029.ec6 Page:28 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:58 とで、地域医療においての医療人の卵としての意 に現地の様子を見た感想を率直に言えば、「 イ 識が強まり、良い経験になったと思う。 メージが膨らみすぎている 」 というのが感じられ お世話になった先生方や事務の方々、ありがと た。確かに行政上の問題で病院が少なかったり、 うございました。 医師が足りなかったり(スタッフは何とか補充で きている印象を受けた) 、経営が赤字だったのは 横 田 直 樹 事実であるし、それに対して地域全体が不安に感 とりあえず、取材に来ていた人たちは邪魔でし じているのも事実だ。しかし、それ以上に自分が た。落ち着いて見学ができないので、次からは呼 驚いたのは、地域における活力の凄さについてで ばないで、別の日にやってほしいです。あと、テ ある。そういった事実があるにしても、住民の方 レビに出るかもという話も、事前に聞いていませ は集会所で精力的に活動しているし、診療所での んでした。 応対は自分の言いたい事、思った事を自由に医師 院長が、訪問先の患者さんを 「 おばあちゃん 」 に告げていた。医師の方でも、経営が赤字なのは と呼んでいるのが気になった。今の主流は名前で どこでも同じであるし、薬や設備の不足も周知の 呼ぶのではないだろうか。それとも地域ならでは ことであるため、その辺を割り切って考えている のやり方ということだろうか。院長が怖くて聞け ようである。少なくとも今回、現地に行った限り なかった。 では、どうにもならない状況に悲壮感を覚えてい 以前、下越病院の訪問診療を見学できる機会が るような人はいなかった。 あり、その時の診療は、人数も少なかったせいか、 そして、地方での医師不足を解消するための一 ゆっくり時間をかけて診ていたが、今回の堀之内 助となりそうな考察ができたので、以下に述べて 病院の場合は、9人と人数が多かったせいか、か みる。まず、設備や医師の補充で一番大切なのは なり手早く済ませている印象を受け、こういう訪 行政の活動である。町村全体が振興事業に力を尽 問診療もあるのかと思った。実際の現場を見る機 くして町を活性化させる必要がある。また、この 会が、授業ではまだほとんどないため、貴重な経 大学でのワークショップのメンバーが感じていた 験となった。 ように、地方へのマイナスイメージを払うのが重 普段の授業でのグループ学習だと、味気なくて 要であると思った。 おもしろくないが、自主性と目的を持って集まっ 柴 原 和 子 た人達同士でのディスカッションは、刺激的だっ た。 「 赤ひげ 」 に参加する前まで、地域医療につい てマイナスのイメージ(刺激が無くて退屈で張り 合いがなくつまらないなど)があり、自分自身、 Dチーム Dチーム 将来働くうえで、地域で働くということは、全く 小 岩 光太郎 考えていませんでした。しかし、実際に見て、体 2日半のワークショップを終え、グループでの 験したことにより、地域医療に携わるうえでのメ 討論や発表、現地での見学や体験など様々な経験 リットも知ることのきっかけにもなったので、参 をした。その中で特に自分にとって印象深かった 加してよかったと思います。 のは、地域における医療の実態について色々な意 体験しなければ、分からなかったことがたくさ 見を聞き、深い考察ができたことである。 んあって、出来ることなら、多くの人にもぜひ、 グループでの話し合いにおいて、地方での人の 体験してほしいと思いました。先生方の話や、参 不足や職場の環境など疑問視されていたが、実際 加して改めて感じたのですが、やはりこの体験を − 28 − Title:023-029.ec6 Page:29 Date: 2008/09/17 Wed 20:24:58 授業の中に組み込むのは難しいので、まずは自主 診療という形で出向けられればなお一層その気持 的に参加する人が増加する対策を考えることが大 ちが強くなるのではないか。 切だと思いました。私は、「 赤ひげ 」 に参加する前 私自身が目にした医療現場がそのような空気が は地域医療に対する興味が全くといっていい程あ 流れていたからかもしれないが、逆に考えると医 りませんでした。なので、「 赤ひげ 」 に参加したの 師として体が動く若いときに、昼夜関係なく医療 は自ら興味がわいたのではなく、友人に誘われて に身を投じてみたいと考えてしまうのも自然な発 参加してしまいました。なので、なにかのきっか 想なのかもしれない。その結果として、地域医療 けがないと、この体験に興味を持って参加して次 で活躍されている方が高齢であることは否めない につなげていくことは難しいと思います。どうい と実感した。 うきっかけが必要なのかは、今は良く分かりませ 〈感想〉 ん。すみません。 日程的に3日間はいいと思う。この中でフィー 今回体験したことをきっかけに次につなげてい ルドワークの時間や見学施設の数をより多くみれ けるよう、もう少し地域に目を向けた勉強もして ればと感じた。また、見学先でもある程度要望を いきたいと思います。 きいてもらえればよかった。 (今までの中で少し ゆかりのある土地を訪問できればまた違った印象 若 杉 正 嗣 を受けたのかもしれない。 ) 医療施設見学という 地域の実情を体験することが第一であると実感 ことで医歯系の学部限定であったが、他の学部の した。大学教育の中で地域医療を学ぶ機会は多く 学生でも興味・関心や、その方面に進みたいと感じ はないと思う。その中でこのワークショップに参 ている人もいるかもしれないので開放してみては 加して、現場の様子を見ることができたのは、今 …(学部間の様々な問題があって難しいのかと思 後の自らの考え方に影響してくると思う。 うけど) 地域では高齢者が非常に多い。また働いている 人たちも若い人が少ない印象を感じた。どのよう 3.セッション7 にしたら若い人材がこのような山間地などの地域 「WS のまとめ」 11:10 ∼ 11:40 に目を向けることができるのかと自問自答したり 最後に、再び参加者・スタッフ全員が集合して、 するが、なかなか解決法が見出せない。これを自 第一日目に行ったプレアンケートとほぼ同じ内容 分の課題としていきたいと思う。 のポストアンケートを行った。 時間の流れがゆったりした中での医療も魅力が その後、あらためて一人ずつ感想を述べ合った。 ある。1人1人の患者さんと世間話をしながら、 最後に参加者全員に今回のワークショップ・ 地域に密着していき、信頼感を持ってもらえたり フィールドワークに参加した参加証を授与し、終 すればやりがいが生まれてくると思う。病院や診 了した。 療所内だけにとどまらず、外へも訪問診療や巡回 − 29 − Title:030-031.ec6 Page:30 Date: 2008/09/17 Wed 20:25:40 心に残る学習 ワークショップ ワークショップ Aチーム:清里 Aチーム:清里 Bチーム:松之山 − 30 − Title:030-031.ec6 Page:31 Date: 2008/09/17 Wed 20:25:49 Bチーム:松之山 Cチーム:堀之内 Cチーム:堀之内 Dチーム:鹿瀬 Dチーム:鹿瀬 流しそうめん − 31 − Title:033.仕切.ec6 Page:33 Date: 2008/09/17 Wed 20:26:26 …………………………………………………………………………………………………………………………… − 33 − Title:035-038.ec6 Page:35 Date: 2008/09/17 Wed 20:27:02 学部教育プログラム 平成1 8年度 第2回「学部学科を越えた学生によるワークショップとフィールドワーク」 平成1 8年9月1 9∼21日 20 18 22 23 21 19 14 8 10 9 11 2 3 16 13 12 1 15 4 5 6 17 7 文部科学省「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 『中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成』新潟大学医歯学総合病院 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 河 本 成 田 浅 川 鈴 木 柏 佐 藤 荒 井 愛 歩 栄 一 麻 美 長 谷 川 佳 美 藤 澤 友 美 古 賀 純 一 美 樹 理 香 望 酒 井 菜 津 子 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 斉 藤 明 美 高 橋 佑 一 朗 石 川 遠 山 竹 内 平 賀 大 輔 和 姫 淳 子 智 之 − 35 − 小 原 明 鈴 木 誠 之 長 谷 川 隆 志 井 口 清 太 郎 太 田 求 磨 桑 原 沙 千 Title:035-038.ec6 Page:36 Date: 2008/09/17 Wed 20:27:02 ●参加者名簿● 名 前 あさかわ とも み 浅川 友美 いしかわ だいすけ 石川 大輔 かしわ あさ み 柏 麻美 かわもと あい 河本 愛 くわばら さ ち 桑原 沙千 こ が のぞみ 古賀 望 さいとう あけ み 斉藤 明美 さか い な つ こ 酒井菜津子 たかはしゆういちろう 高橋佑一朗 なり た あゆみ 成田 歩 は せ がわよし み 長谷川佳美 う の り つ こ 宇野利津子 学 科 学 年 医学科 2 医学科 5 医学科 2 医学科 5 保健学科 3 保健学科 2 保健学科 3 保健学科 3 医学科 3 保健学科 2 保健学科 2 臨床研修医 − (アイウエオ順) − 36 − Title:035-038.ec6 Page:37 Date: 2008/09/17 Wed 20:27:02 ●協力者・スタッフ名簿● 名 前 所 属 役 職 中村 清 長岡市役所山古志支所 保健福祉課長 佐藤 良司 長岡市山古志診療所 所長 田中八重子 長岡市山古志診療所 看護師 星野 順子 長岡市山古志診療所 看護師 樺沢ミヨシ 長岡市山古志診療所 主査 田村 真弓 長岡市山古志診療所 主事 畠山 牧男 上越市国民健康保険清里診療所 所長 赤羽 香子 上越市国民健康保険清里診療所 看護師 勝俣ハツエ 上越市国民健康保険清里診療所 看護師 土屋 順子 上越市国民健康保険清里診療所 准看護師 川上 貴子 上越市国民健康保険清里診療所 事務 藤巻 祐子 上越市国民健康保険清里診療所 事務 登坂 尚志 十日町市国民健康保険松之山診療所 所長 高橋登志子 十日町市国民健康保険松之山診療所 准看護師 小野塚勝男 十日町市国民健康保険松之山診療所 庶務係長 永瀬 敏明 魚沼市立堀之内病院 病院長 関 理恵子 魚沼市立堀之内病院 看護師 中野 研一 柏崎市国民健康保険北条診療所 所長 木村 敏子 柏崎市国民健康保険北条診療所 主任(看護師) 小池 幸子 柏崎市国民健康保険北条診療所 看護師 小山 勲 柏崎市国民健康保険北条診療所 主査 下条 文武 新潟大学医歯学総合病院 病院長 鈴木 栄一 医科総合診療部 部長 長谷川隆志 医科総合診療部 副部長 青木 萩子 医学部保健学科 教授 村松 芳幸 医学部保健学科 教授 小原 明 総合臨床研修センター 事務 荒井 理香 総合臨床研修センター 事務 鈴木 誠之 総合臨床研修センター 事務 山口 克博 管理課 事務 平賀 智之 管理課 事務 井口清太郎 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(講師) 藤澤 純一 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(講師) 太田 求磨 地域医療教育支援コアステーション 専任教員(助手) 遠山 和姫 地域医療教育支援コアステーション 事務 佐藤 美樹 地域医療教育支援コアステーション 事務 竹内 淳子 地域医療教育支援コアステーション 事務 − 37 − ●ワークショップとフィールドワークの日程表● Title:035-038.ec6 Page:38 Date: 2008/09/17 Wed 20:27:03 − 38 − Title:039-044.ec6 Page:39 Date: 2008/09/17 Wed 20:27:58 ◎受付∼はじめに∼オリエンテーション : 1.セッション1 「 心に残る学習 」 9:20 ∼ 10:30 ■1班 発表者:古賀 望 : : : : − 39 − Title:039-044.ec6 Page:40 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:19 ■2班 発表者:河本 愛 : : : : : : − 40 − Title:039-044.ec6 Page:41 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:20 2.セッション2 「地域医療の問題点」(KJ 法) 10:40 ∼ 11:50 ■1班 発表者:石川 大輔 ■2班 発表者:桑原 沙千 あたり − 41 − Title:039-044.ec6 Page:42 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:21 3.セッション3 否定チームは、①義務化により、開業の希望が 「地域医療の義務化」(ディベート) 減り、結局病院・医院数としては減ってしまう。 13:00 ∼ 14:30 ②義務化により診療科に偏りが生ずる。③義務化 第 1 日のワークショップの昼食後は、初めての での診療では、医師のやる気が低くなり、医療の 試みとしてディベートを行った。これは、ある 質が低くなる。④地域医療に目を向けさせるので テーマに対して肯定と否定に半強制的に分かれ、 あれば、開業しようとする段階ではなく、もっと より多くの論点を考えて議論を展開し、相手方を 前の段階で啓蒙すべきである。との立論がなされ 論破する、一種のゲーム的な体験学習技法であ た。 る。 5 分間の作戦タイムの後、それぞれの班の立論 今回のテーマは、「 地域医療の崩壊を防ぐため に対する反対尋問が行われた。 に、診療所を開設しようとする医師には、地域医 否定チームから肯定チームへの反対尋問とそれ 療を一定期間義務化すべきである 」。このテーマ への返答では、①若い医師はあまり開業の希望は に対して 1 班は肯定、2 版は否定の立場から論ずる ないのではないか→開業するのは先の話として こととなった。 も、地域医療を経験するためには考えの柔軟性、 各班から 1 名ずつ審判を選出した。審判は、そ 体力からしても若いうちの方が、地域医療につい れぞれの班の話の筋道、明確さ、態度、攻勢など て目を向けやすくなる。②研修の一環として、地 について評価し、判定を行うこととした。 域医療を取り入れるとのことであったが、年齢が まず、各班で、テーマについての立論の準備を 進んで開業する医師も、研修するということにな 話し合った後、立論を行った。 るのか→あくまでも、比較的若い医師が開業しよ 肯定チームは、①地域を知ることの重要性。病 うというときには研修をお願いするということ。 診連携を行う上でも、若い医師に地域に目を向け ②都市部に開業しようとするときは、あまりへき させるためにも、地域を知ることが重要である。 地医療のことはわからないと思うが、義務化され ②開業医の抑制。現在は、勤務医と開業医の待遇 ると医療の質が落ちてしまうのではないか→時間 に差がありすぎ、安易に開業に流れる傾向があ となった。 り、それを抑制する効果が期待できる。③患者さ 肯定チームから否定チームへの反対尋問とそれ んの立場として、より地域医療の経験のある医師 への返答では、①義務化により、開業の希望が に診てもらいたいというニーズがある。との立論 減ってしまうとのことだが、もともと開業医が多 がなされた。 いのは都市部なので、歯止めになってよいのでは ないか→開業医の抑制は都市部でのことで、地域 医療とは別。都市部での問題を地域医療の場に押 し付けてしまっているのでは。②診療科の偏りと は→麻酔科・放射線科など地域医療に結びつかな い科はなりにくい。早い段階での啓蒙とは具体的 に→教育の段階で、地域医療に興味を持つように 働きかける。③早い段階で啓蒙しても、継続して 地域医療にかかわる医師が出てくるのとは別の話 ではないか→医師として地域に赴任すると医師と してカウントされて、本当に定着している医師と の区別がつかなくなる。こういった議論が交わさ − 42 − Title:039-044.ec6 Page:43 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:21 れた。 地域医療の問題点について、今まではあまり意識 再び 5 分間の作戦タイムの後、最終弁論を行った。 する事が無かったが、深く考えるきっかけになっ 否定チームからは、無理やり地域に配属されて た。などの意見が出された。 も、良質な医療は提供できない。開業時に地域医 療を義務化するよりも、教育の段階で地域医療に 4.セッション4 「フィールドワークの目標」 目を向けさせるような働きかけをするべきであ る。そうすればその中から永続して地域医療を 14:40 ∼ 16:00 担っていく人材が現れるのでは。そのほうが地域 ■1班 発表者:浅川 友美 住民との信頼を得られやすい。との最終弁論がな GIO された。 地域医療の現状を理解する。 肯定チームからは、①地域を知ることの重要性。 将来開業する可能性のある医師には、少しでも地 SBOs 域のことを知ってほしい。②開業医の抑制。一部 ・その地域の特性を説明できる。 地域に開業医が集中し、その地域では医療の質の ・その地域の医療の特性を説明できる。 低下の可能性がある。それを抑制する効果があ ・その地域特有の問題点を説明できる。 る。③患者さんの立場として、より地域医療の経 ・その問題に対する解決策を挙げられる。 験・その地域の実情を知っている医師に診てもら ・医療者がその地域の医療に従事するに至った過 いたいというニーズがある。との最終弁論がなさ れた。 程を把握する。 ・その地域のニーズを把握する。 審判団からの講評は、立論においては、肯定 チームは、最初に肯定する理由を 3 つ並べて順序 ■2班 発表者:高橋佑一朗 だてて述べていたところがわかりやすかった。否 GIO 定チームはいくつかのポイントを順序だてて説明 フィールドワークに参加する学生は、地域医療 していればもう少しわかりやすかった。両チーム の知識を修得するために、現状の問題点がどのよ とも、ニュースの事例など、客観的な事実も組み うになっていて、この問題についてどうしたら良 入れていればより説得力があったのでは。との意 いのか、私達は何をすべきか考え理解する。 見がなされた。反対尋問では、否定チームは、肯 定チームへの反論ではなく、自らの意見をもう一 SBOs 度述べているように見えた。肯定チームは、否定 ・医療スタッフの人員について現状を説明でき チームの立論に対して順序だてて反論していた。 る。 最終弁論では、肯定チームは、立論と同様、筋道を ・往診の頻度や規模を示すことができる。 立てて話をしていてわかりやすかった。否定チー ・設備は整っているのか、何が不足しているのか ムは最初の立論と論点が変わってきたように思わ 説明できる。 れた。 ・医療スタッフへの教育について説明できる。 判定結果発表は、話のわかりやすさという点か ・医療の地域格差はどうなっているのか説明でき ら肯定チームの勝利となった。 る。 全体での自由討論では、実際の意見としては、 ・地域の具体的な保健活動を列挙することができ はじめは義務化に賛成であったが、討論していく 中で、義務化には問題が多いと思うようになった。 − 43 − る。 Title:039-044.ec6 Page:44 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:21 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項 1班 柏 麻美さん メルヘンチックで賞 16:00 ∼ 16:20 色使いも良く、わずかな時間によく描けまし 午前中の最初のセッションでアイスブレーキン た。 グとして描いてもらった作品の中から、スタッフ の厳選な審査により優秀な作品を選び表彰した。 その作品はつぎの3作品であった。 平成18年度 第2回 ワークショップ 「心に残る学習」における優秀作品 1班 石川 大輔さん 動物好きで賞 字がきたないわりには絵が上手で驚きまし た。単色ながらも猫の柔らかさが良く出ていま 2班 長谷川 佳美さん す。 サボりましたで賞 単純な線が線画にも関わらず、精彩な筆致で 描かれて秀逸でした。 − 44 − Title:045-048.ec6 Page:45 Date: 2008/09/17 Wed 20:28:59 1.長岡市山古志支所・山古志竹沢診療所見学 療所を見学させていただいた。所長の佐藤良司先 午前8時15分少し前にはほぼ全員が集合場所で 生から施設の概要の説明をしていただいた。まだ ある大講義室前の広場に集合した。その後、鈴木 帰村している方が半分程度であることなど印象的 教授のご挨拶を頂き、タクシーに分乗、出発した。 であった。 その後、診療所の二階で全員で食事を摂った。 山古志支所の前で記念撮影を行って、それぞれ のフィールドワークの現場へと移動開始した。 2.地域医療病院でのフィールドワーク −地域医療体験実習− Aチーム報告書 場所:上越市国民健康保険清里診療所 我々Aチームは北陸道へ入り、午後1時半過ぎ、 目的の上越市清里診療所に到着した。清里診療所 佐藤良司先生 では所長の畠山先生を始め看護師さんも待ってい 予定より10分ほど早く出発できたおかげで予定 てくださった。その後約1時間かけて、清里診療 を繰り上げることができた。 所のカバーする範囲・地勢・患者さんの状況・院 午前9時20分頃には最初の目的地である長岡市 内の諸設備の説明などをしていただいた。その 陽光台の仮設住宅群、仮設診療所に到着した。そ 後、皆で訪問診療に同行した。最初のお宅は、7 0 こで現在の仮設診療所と山古志本村の診療所とで 歳代男性。末期癌のターミナルの方で、在宅で の業務の割り振りの状況などの説明を聞いた。具 ずっと診ておられる方だった。このお宅は奥さん 体的には週二日のみ仮設診療所を開き、その他は が一生懸命介護をされていて、それが印象的で 種苧原、虫亀、山古志竹沢診療所を一日ずつ開い あった。 ている、ということだった。全員で記念撮影をし 次いで山間部の集落へと入り、そこで夫婦二人 た後にまたタクシーに分乗して山古志本村へと向 で生活する患者さんのお宅へお邪魔した。夫婦二 かった。途中、山道に入ったところで研修医の宇 野先生が車に酔って少し苦しそうな顔をしてい た。 山古志ではまず行政担当の方から帰村状況など を伺うために長岡市山古志支所に向かった。そこ で保健福祉課の中村課長より、現在の山古志の状 況などについてレクチャーをしていただいた。震 災後、そろそろ2年を迎えようというにもかかわ らず、まだ復興半ばであるとの印象を強く持っ た。 次いで全員で同じ施設内にある長岡市山古志診 − 45 − Aチーム:清里 Title:045-048.ec6 Page:46 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:00 人とはいいながら、そこには近所の方もたくさん 続いて診療所内を御案内いただいた。診療所内 出入りしているようで、私たちが訪問診療を見学 で、胃、大腸内視鏡も積極的に行われており、実 している間にも、二人の方が出入りして、話に加 際の画像を見せていただいた。2階には、以前入 わったりしていた。地域医療において地域コミュ 院病棟があったとのことだが、現在は入院の受け ニティというものが有効に機能している様子を伺 入れは行っていないとのことであった。 い知ることができた。次のお宅は80歳代の女性が その後、十日町市の公用車とジャンボタクシー 独り住まいしているお宅であった。私たちが行く に分乗し、訪問診療に向かった。当日の訪問診療 のを楽しみにされていた様子だった。しばし歓談 先の患者さんもやはり高齢で、90代の方も2人い してきた。お子さんは皆遠方に在住しているとの らっしゃった。いずれの方も、何度か入院を経験 こと。少し寂しさを感じてしまった。 されて ADL の低下があり、現病としてパーキン 畠山先生達と記念撮影をし、お世話になった御 ソン病や肺気腫、脳梗塞後遺症、脊髄損傷などが 礼を述べてきた。 あり、診療所に通所するのが困難となっている 方々ばかりであった。先生はいずれのお宅でも患 Bチーム報告書 者さんの目線になって声をお掛けになり、丁寧に 場所:十日町市国民健康保険松之山診療所 診察されており、また時には冗談を言って場を和 午前中の旧山古志村での日程を終え、一路B班 ませたりして、しっかりとコミュニケーションを の午後のフィールドワークの目的地である松之山 とられていた。患者さんの様子なども丁寧に学生 診療所へと向かった。天候が良かったため道のり に説明していただき、学生にとっても非常に参考 は順調で、約80分で到着することができた。 となる訪問診療であったと思う。 到着後、早速、所長の登坂先生に会議室に御案 松之山はもともと山間地にあるが、いずれの患 内いただき、松之山診療所での訪問診療の概要を 者さんのご自宅も、ガードレールもないような険 伺った。訪問診療している患者数は約40名で、平 しい道を通ってさらに山間にあり、冬場は、訪問 均年齢は80歳以上、月1回から2回の訪問を行っ 診療も困難になるとのことであった。今まで、訪 ているとのことであった。そのうち、当日は5名 問診療中に大きな事故にあったということはない の患者の訪問診療と、特別養護老人ホーム不老閣 とのことであったが、昨年の冬には乗っていた公 での診察を見学させて頂けるとのことであった。 用車が山道の凍結路面上で1回転してしまった、 訪問予定の個々の患者さんについて、現病歴等に というようなエピソードも聞かせていただいた。 ついて詳しく説明していただいた。 また、診療患者で入院が必要な方は、県立松代病 院に紹介しているとのことであったが、今般、魚 沼基幹病院の計画とともに、県立松代病院の十日 町市、あるいは民間への移管の計画があがってい ることについては、経営面で赤字となる可能性が 高く、存続が困難となることが予想されるため、 非常に危機感を持っておられるとのことであっ た。 15時40分に診療所に帰着し、登坂先生からまと めのお話を頂いた後、新潟市への帰途についた。 Bチーム:松之山 − 46 − Title:045-048.ec6 Page:47 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:00 Cチーム報告書 レゼンテーションがあったが、難病や脳性麻痺の 場所:魚沼市立堀之内病院 為に通院が困難な2例を除き、7例が全て80歳を 中越地震の惨状を山古志支所の中村課長から、 超えており、またほぼ半数が介護度4以上といわ そして長岡地区と山古志各診療所という従来の2 ゆる「寝たきり」の症例であることが印象的であっ 倍の仕事量をこなす必要がある診療所の状態を佐 た。 藤所長から、午前中に説明を受け、昼食後に山古 レクチャーは30分程で修了し、訪問診療・訪問看 志支所を出発、南進、中越地震で最も被害が大き 護が開始された。本日、褥瘡処置等の訪問看護が かった山古志東竹沢地区を通過し、12時45分、魚 4症例予定されていたが、訪問医療の方を見学す 沼市立堀之内病院に到着した。 ることとなった。病院を後にし、堀之内地区市街、 予定より15分も早い到着にもかかわらず、堀之 魚野川の両岸の集落の順に訪問医療が行われた。 内病院スタッフの出迎えを受け、今回の訪問診察 今回の参加者3名は、血圧や体温の測定などのバ 見学を指導する、院長の永瀬敏明先生に挨拶を イタルチェックを行ったが、このような機会は参 行った。早速、先生から病院や訪問予定患者プロ 加者全て初体験であり、当初はかなり緊張した面 フィール等についてのレクチャーが開始された。 持ちであった。永瀬院長と看護師の関さんの指導 最初に堀之内病院の規模(一般34床、養療50床、 のもと、最後は僅かながら余裕が出て来たような 医師定員5:充足率100%)の説明を受け、次に訪 印象であった。 問診療状況等の概説を受けた。訪問診察は一ヶ月 午後3時過ぎに訪問診察を終え、全日程を終了 平均60∼70名で1回/月の割合で行われており、 した。医療者を目指す学生にとって、地域医療の 訪問看護は、約50名、1∼3/週で行われている 現場に実際に参加する体験は、何よりも貴重な体 とのことであった。その他に訪問リハビリテー 験であることを、参加各人が実感しているようで ションが29名に行われ、近接の小出病院が訪問リ あったが、個人個人の感想は、各体験談にお任せ ハビリテーションを行っていないために、遠く小 したい。忙しい中を我々のために時間を割いてい 出地区まで出かけているとのことであった。これ ただいた永瀬先生をはじめとした病院関係者の らの対象患者の平均年齢は83歳ときわめて高齢で 方々、訪問診療見学を了承していただいた患者さ あり、今後も、在宅医療の需要が増大すると予測 んおよびその家族の方々に御礼を申し上げ、堀之 されていることから、その役割はますます重要に 内チームの報告を終了する。 なってくると院長は説明されたが、全く同感であ る。次に、本日の訪問患者さん9名の病状等のプ Dチーム報告書 場所:柏崎市国民健康保険北条診療所 午後13時15分 診療所到着。診療所中野研一先 生、スタッフの皆さんとご挨拶。まず、診療所の 中を案内していただいた。日常診療を行う上での 必要なスペースと医療器材・薬剤がそろえられて いた。次に中野先生から柏崎市北条地域の成り立 ち、生活背景などの概要を説明していただいた。 また、中野先生自身が学校医のみでなく医療とは 直接関係のないことにも関与していくことを求め られ、その意味で地域医療を行う上では、それに Cチーム:堀之内 携わる医師の柔軟性が必要であることも触れられ − 47 − Title:045-048.ec6 Page:48 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:00 かでの考えを講義していただいた。 その後2件のお宅に中野先生・木村看護師との 訪問診察に同行させていただいた。地域医療が介 護保険下サービス、訪問サービスと深く連携する ことの必要性を感じた。また、初めて訪問診療に 同行する学生が多く、学生自身も貴重な体験と なった。診療所へ戻り、前日のワークショップで 作成した一般目標・行動目標を踏まえての質疑応 答の時間を設けていただいた。今まで描いていた 病院勤務医、看護師のイメージと地域医療の実際 Dチーム:北条 を照らし合わせてみて、医療には様々な領域の知 ていた。その後、プライマリケアの考え方、家庭 識が必要なことが多く、より今後の学習へのモチ 医療の考え方を様々な資料を参考にしつつ話して ベーションにつながっていくように感じていた。 いただき、中野先生が地域医療を実践していくな − 48 − Title:049-056.ec6 Page:49 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 1.セッション5 「地域医療の優先課題」 (二次元展開法) 9:00 ∼ 10:30 ■1班 発表者:酒井菜津子 最優先の課題:後継者の確保 解 決 策:学生時代に地域医療に触れる機会を増やす 実習・研修等の内容充実 継続教育における地域医療の充実 ■2班 発表者:斉藤 明美 最優先の課題:地域医療を担うスタッフの不足 解 決 策:継続する体勢を整える。 教育による人材供給。 連携。 − 49 − Title:049-056.ec6 Page:50 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 2.セッション6 ワークで地域を知ることが出来たのと同時に、将 「個人レポート作成」 来の働くフィールドの選択肢が増えたと思いま す。 10:40 ∼ 11:15 また地域を訪れて住民のお宅にお邪魔して、特 Aチーム Aチーム 有の温かさに触れられました。老夫婦二人暮らし 浅 川 友 美 の家に毎日のように出入りして、食事を作ってく 「地域医療」について自分の中では漠然としたイ れている近所の人。ご夫婦の家はとてもにぎやか メージしか無かったのですが、実際に現地を訪ね で全然さびしさが感じられなかったです。近所の る機会を頂けて本当に良かったです。診療所に医 人も開け放しの縁側から出入りしていました。自 師が一人だけしかいない状況なんて、非常に多忙 ら病気で苦しいのに、気遣いをしてくれるおばあ で過酷な勤務なんだろうと想像していました。そ さん。「 先生、体に気を付けてください。」「いつ れなのに山古志の佐藤先生、清里の畠山先生は大 もありがとうございます。 」往診の先生や私たちの 変朗らかで気さくな方で、自らも楽しんで仕事を ことまで心配してくれて本当に優しかったです。 している印象を受けました。一人だけという心細 私のように地域や地域医療の実際を知らない学 さなんて全く感じられなかったです。地元の人た 生は多いと思います。一回の訪問でもたくさんの ちとのコミュニケーションも思った以上に豊か ことを吸収でき、刺激を受けることが出来まし で、スムーズに行われているようでした。設備も た。これからもこういった機会がたくさんあると しっかりとしていて、スタッフとの連携もとれて すごく嬉しいです。1日目のワークショップもた いる働きやすい環境がまず基本となっているんだ くさん工夫がされていて、フィールドワークへの と強く感じました。 モチベーションも高まったと思います。3日間あ 3日目の討議でも最重要課題として挙がりまし りがとうございました。 たが、「 後継者不足 」 に一番の不安があります。 古 賀 望 山古志支所の職員さんが 「 佐藤先生が倒れられた らどうなるかといった状況 」 と話されていました 今回のワークショップでは歯学部の方が参加で が、いくら働きやすい環境と言えども代わりがい きないという形になってしまって、そちら側から ないという状況は回避すべきことだと思います。 の意見が聞けなかったことが少し残念ではありま 佐藤先生も若い人材に地域に目を向けてもらうこ したが、学科・学年を越えての貴重な考え方やお とを強く願っている様子でした。その勤務してい 話が聞けてとても充実した3日間になりました。 る唯一の医師も高齢の方が多く、日々の勤務は決 又、フィールドワークでは研修医の先生、医学科 して楽ではないと思います。 の2年生と一緒で、それぞれ知識や経験の量、立 今回、この研修に参加して、私の一番の収穫は 場の差などから独特の意見が出ていてすごく新鮮 いろいろな現場で働く医師の姿を見られたことで であると同時に自分の見識を広げるとてもいい機 す。大学を卒業して、研修をして、大学病院や町 会となりました。今回参加者は両学科合わせて11 の病院で一生同じ環境で働くんだと漠然と考えて 人と少人数でしたが、逆に全員と深く関わった いたのですが、地域の診療所の先生には市街であ り、自分の意見を発言しやすかったりと一つ一つ る程度の勤務を経験し、ごく最近診療所に入った の作業が密にできたのではないかと思います。参 という方もいらっしゃいました。 「医師」といって 加前はもっと堅苦しい感じなのかなぁと思ってい も働く形態は様々です。一度も往診に行かない医 たので、退屈して途中で寝ないようにしなきゃと 師もいらっしゃると思います。今回のフィールド かいう心配もちょっとしたりしたんですけ − 50 − Title:049-056.ec6 Page:51 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 ど…(笑) 在地域医療に携わる人は減少かつ高齢化している 全然そんな心配不要でした。ワークショップの 傾向にあります。後継者を育てるためにもこのよ 一秒一秒が本当に濃くって充実していたし、他学 うな企画を行って、若いうちから地域に目を向け 年・他学科の人ともすぐ打ち溶けて色々な話をし ることのできる医療者を多く育てることはとても たり聞いたりできて楽しい時間を過ごせました。 重要であると感じました。 こういう機会がないと知り合うことができなかっ 最後になりましたが、今回の企画を運営してく た人と知り合えたことも良かったです。 ださった先生方、協力してくださった山古志と清 2日目のフィールドワークでは、土砂崩れや崖 里のみなさん、参加を強く勧めてくださった青木 の崩落現場、仮設住宅生活などを生で見たり、山 先生、こんな貴重な体験を本当にありがとうござ 古志の役所の方の話を実際に聞いたりすること いました。 ● ● で、震災の被害の大きさを再認識すると同時に、 報道があまりされなくなったからといって、決し Bチーム Bチーム て復興が終わったわけではないということを思い 石 川 大 輔 知らされました。一番ショックだったのは仮設住 宅の目の前に立派な一軒屋が何軒も建っている光 松之山診療所は松代病院と関連が深いことがわ 景でした。こんな状況で3ヶ所の診療所を曜日毎 かった。できることなら、松代―松之山とセット に回っているという佐藤医師は、きっとものすご で見学させてもらいたかった。その方がより現場 く苦労していてやつれているか、体力自慢の人か の状況を理解しやすいと思う。 だろうなぁとか勝手に思っていたのですが、全然 3日目の発表については、やはり2日目に行っ そんなことはなくて、優しくて大らかな方で、本 てきた施設についての発表の方が良いように思わ 当にこの仕事が好きで誇りを持っているという印 れる(前回はそうだったが) 。他の施設ではどのよ 象を受けました。大変じゃないはずないのに、そ うなことをしてきたのかについて、もっと良く知 れを表に出さないで仕事をしている姿にすごく憧 りたかった。1日目を半日に短縮して、3日目の れました。 プレゼンにもっと時間をかける方が良いのかもし 上越市の清里診療所でも共通していたのです れ な い。※ 1 日 目 に TV 電 話 を 用 い た イ ン タ が、地域医療を行う上で、設備の不足や医師の孤 ビューをするというのも良いのではないかと思 独感などは殆んど見られないことにとても驚きま う。行く先とは別の地域で働く先生の話を聞けば した。イメージではもっと過酷かつ劣悪な環境の 2日目の実習もより充実するのではないかと思 中1人で頑張っているという感じで、自分にはと う。インタビューを生徒が作成するのも面白いと ても無理だと思っていました。けれど実際は地域 思う(フィールドワークではあまりインタビュー にすごく溶け込んでいて、スタッフ同士の結束も の時間が取れなかったから) 。 固く、又、地域住民の方々とも強い信頼関係が築 長岡の仮設住宅の見学はあまり得るものがない かれていて、まるで家族の一員のようでした。 ように思えた。住んでいる方々から直接に話を聞 私が実際に目で見てはじめ持っていた考えが大 くなどしたかった。 きく変わったように、こういう機会をもっと増や 山古志の復旧についてのボランティア活動を学 せば地域医療というものに目を向ける人は増えて 生にさせるのも良いのではないかと思った(現地 いくと思います。私自身も知らないでイメージだ に行くのが大変だが) 。 けからくる不安が、実際に触れることで自分にも 今回行った松之山周辺は景色が良く空気もきれ 何かできるかもという自信に変わりました。今現 いで本当に良い場所だと思った。単に行ってみる − 51 − Title:049-056.ec6 Page:52 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 だけでも、地元住民や先生方の雰囲気が良いの 活があること、実際目で見ると衝撃は大きかった で、「 へき地 」 のイメージを改善するという点で です。でも、そこでの美しい緑や川、トマト、ナ このフィールドワークは有効であると思う。今後 ス、昔ながらの家、人々の笑顔を見て、ここでの も参加者をもっと増やしていって欲しい。 生活は、いつまでも守られていってほしいと思い ました。 柏 麻 美 単に都市との格差を良くないものとして、埋め 昨日、フィールドワークを終えて家へ帰りテレ るばっかりを考えることが大事なのではないこと ビをつけると、ニュースで山古志の映像が写りま を知りました。医療施設とは遠いところに住んで した。さっき行ったばかりということもあり、嬉 いる人たちにも安心できる医療が届くように、動 し さ と 驚 き で 見 入 っ て し ま い ま し た。今 回 の き回って、自分自身も輝く先生たちのお仕事に フィールドワークを通じて、実際に見てみること は、ものすごく魅力がありました。また行ってみ が、自分の日常生活の中のちょっとした興味に大 たいと思いました。貴重な体験ができて、よかっ きく影響するんだと感じました。新潟に来てか たです。 ら、地域医療への関心を少し持ち始めて、さらに、 酒 井 菜津子 フィールドワークに行く前の自分とあとの自分 は、すごく変わったと思います。たかが 「 知る 」、 中越地震が起こった時、被災者の方々は山古志 されど 「 知る 」、このような機会の大切さを感じ、 へ強く帰村されることを願っておられました。そ それが最後のグループワークのまとめにもなりま の様子をテレビや新聞等で拝見しながら、一日も した。 早く山古志に戻ることができたらよいだろうな、 山古志診療所の先生と、松之山診療所の先生、 と思うその一方で、なぜ自然の恐怖が隣り合わせ お二方どちらも、全身から生き生きとしたオーラ で、生活も不便な地で暮らすことを望むのか、正 が出ていて、嬉しそうな、こっちまでほっとする 直、理解できていない部分もあったと思います。 ような、絶えない笑顔が印象的でした。肌もツル しかし今回、山古志と松之山に実際に行って、 ツルで本当にお若いなあ、とびっくりしてしまい 自分の目でその土地の景色や雄大な自然を見て、 ました。地域医療に従事することに対して少なか 音を聴き、その地の空気を吸うことで、その地に らず持っていたマイナスのイメージは(コミュニ 行かなければ分からない、すばらしさ、温かさを ケーションの難しさ、孤独ではないか…など)先 体感することができたのではないかと思います。 生方を見ていたらすっかり忘れていました。訪問 また、そこに住む方々の様子をほんのわずかでは 診療のとき、道を歩く小学生たちを見て、どこど ありましたが、見させて頂き、困難や不便さも含 こに学校があるとか、この植物は何であるか、な め、その土地と共存し、生活していることが、住 ど教えてくださって、土地にすっかりなじんでい 民の方々、またその方々に関わる医療スタッフの るんだと実感しました。私には患者さんのおばあ 方々の生き生きとした姿から、理解することがで ちゃんの話していることが方言でよくわからない きました。 ところもありました。看護師さん、お医者さんと 医療は、疾患だけでなく、対象となるその人全 患者さんたちの親しげに話す様子はとてもあたた 体をみることが重要とされます。しかし、地域医 かく、医師と患者という枠にはまらない、自然な、 療には、さらに「その土地を知ること」 、そして 「 人と人とのコミュニケーションが見られました。 その土地と共存する人々を理解すること 」 が必要 ガードレールも十分でない、でこぼこな坂道を になるのではないかと思いました。この意味にお のぼっていかないと行かれないような山奥での生 いて、やはりまず知ること、行ってみることを医 − 52 − Title:049-056.ec6 Page:53 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 療者自身が体験することが大切であり、今回参加 ワークショップなどで学部を越えて勉強できる させて頂き学べたことを、地域医療のより深い理 機会が持てたこともとても良かったです。同じ医 解につなげていきたいと思います。 療を勉強する学生同士なのに、他の学部の学生が 普段どんな勉強しているのか、私はあまり知りま せん。こういう機会がもっとあれば嬉しいです。 Cチーム Cチーム ワークショップもできれば泊まりでやってみたい 河 本 愛 ですね。 私は今回、山古志地区は初めて訪れましたが、 斉 藤 明 美 震災後の状況を見聞きして、とても驚いてしまい ました。恥ずかしい話ですが、中越地震はもうす 私が今回のワークショップ・フィールドワーク でに過去の出来事のように思っていたからです。 で強く感じたのは実際に話し合ってみたり、現地 実際山古志地区の状況を見たり、帰村の現状、医 に訪れたりして気づくことが多くあるということ 療の問題のお話を聞いていると、決して地震が過 だ。今回赤ひげチーム医療に参加するにあたって 去の出来事ではないということ、また震災時の時 地域医療について新聞やニュースなどのマスメ には行政、教育、住宅、医療のあらゆる面で問題が ディア、講義などで得た漠然とした情報が頭の中 生じ、その後年単位の長い時間をかけて対応して にあったが、その情報はあくまで誰かによって選 いかなければならないということを強く感じまし 択された後の情報だと気づいた。フィールドワー た。 クに行く前には、医師の人数そのものが足りない 地域での訪問診療、看護の状況は思っていたよ と思っていたが、堀之内病院では十分な人数が確 りも設備も充実し、しっかりとした診療体制がで 保されていた。山古志の佐藤先生も現在の人数よ きているような印象を受けました。しかし、地域 りも後継者のことを心配されていた様子であり、 の高齢化の問題、医療スタッフの後継者不足の問 私の中での「人数が足りない」という概念とは差 題など、まだまだ解決すべき問題は沢山あること があることを実感した。 がわかりました。 また、新潟市は政令指定都市を目指し大合併が 訪問診療では医師が患者さんのご家庭で一体ど 進められたが、それによって診療所は大きく影響 んなことをするのか、目にすることができて良 を受けていると感じた。市になったために往診す かったです。それは私が想像していたものよりも る地域が拡大したり、診療所を大きくして1ヵ所 とてもシンプルなものでした。もちろん患者さん にまとめるといった現状が起きている。果たして の病状を把握し、医療行為をすることも大切なこ これが、医療スタッフ・住民のニーズに見合ったも とですが、それと共に患者さんの顔を見て医療者 のであるだろうか。山古志の佐藤先生が「3ヵ所 が患者さんのことを気にかけ、患者さんの不安を くらいに分かれていた方が…」とおっしゃってい くみとり、安心感を持ってもらうように努めるこ たが、この意向は誰に伝えられ、誰が実行するの とも、とても大事なことであるのだと感じました。 だろうと考えた時、国−地方都市−地域のつなが 今回このフィールドワークに参加して、震災後 りを思った。普段まったく意識しないが、やはり の地域の状況、訪問診療の様子を少しでも見るこ 私達1人1人が社会を作っており、地域医療の問 とができて良かったです。 題は他人事ではなく自分自身の問題であると身近 普段の学生生活の中では地域の医療に目を向け に感じることができた。そして往診に同行する中 る機会はほとんどないので、こういう機会をもっ で、往診を希望する一番の理由が「通院が大変」 と多くの学生に持って欲しいと思います。 というものであったが、これは交通事情や自然の − 53 − Title:049-056.ec6 Page:54 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 問題が大きいのではなく、多くの人が高齢で寝た お婆さんの様子を強い口調で話し続けていまし きり、又は移動に介助が必要という状態であると た。まるで溜めていたものを吐き出す勢いで、介 いう現況があった。これは何も地域医療に限った 護のストレスの大きさが伝わってきましたが、往 ことではなく、少子高齢が進む日本の姿であると 診は車の乗降も走りながらというくらいのスピー 思う。地域医療には魅力がないと言う人もいる ドで行われていたので、スタッフには看護者のケ が、魅力以前にいつかは私達が支えなければいけ アまで手が回りづらいと感じました。 ない現実なのだと思う。これを先延ばしにしては 皮下が赤くなっていたお婆さんの場合は、皮膚 いけない。 科に診せてあげたいが、通院が困難だから訪問看 最後に、山古志や堀之内病院の住民の方や医療 護を受けているので、往診した医師が診断しなけ スタッフ、赤ひげチームのスタッフのみなさん、 ればならない状況でした。 一緒に参加してくれたメンバーに、様々な意見や このように、スタッフ一人一人の業務の負担が 考え、現状を教えてくださったことに感謝した 重く、幅広い専門性が必要とされていました。こ い。どうしてその地域から離れないのか便利な所 ういった状況は、絶対に自分の目で現場を見ない に引っ越せば良いではないかと、心のどこかで と分からないので、今回体験できたことは今後の 思っていたが、離れられない理由、人がそこに住 医療に対する考えに大きく影響を与えてくれたと んでいる限り医療を提供する必要性を痛感した。 思うので、参加して良かったです。 この気持ちを忘れずに、いつか社会に還元できる 医療人になりたいと思う。 Dチーム Dチーム 成 田 歩 桑 原 沙 千 1日目と3日目のワークショップを通して討論 フィールドワークに参加して学校の授業だけで やプレゼンのようなことも行い、徐々に話しがま は分からない部分を知ることができたと思いま とまっていったり、団結していき、同じ達成感を す。特に地域医療に携わるスタッフの専門性とい 共有できたことで、チームというものの大切さや うことを感じました。私はこれまでは大学病院な 楽しさを感じることができました。 どの大きな病院での医療には専門性ということは また、2日目のフィールドワークでは、1日目 感じていましたが、地域医療は最先端の医療をす に考えていった地域医療の問題点とのギャップに るわけではないしあまり専門性ということを感じ 驚きました。スタッフが不足していて、大病院よ ませんでした。しかしフィールドワークに参加し りも医療の質も劣っていると思っていたが、実際 て実際の現場を見て少ない人数で住民のニーズに は、人不足ということはなく、継続的に地域医療 応えるには1人ひとりが幅広く対応することが必 が行われにくい状態にあるということでした。質 要だと分かりました。また、その地域を知り、地 も劣っているということはなく、むしろスタッフ 域に合うような医療を提供することが求められて と 患 者 さ ん は 顔 見 知 り と い っ た 場 合 が 多 く、 いることを実感し、これらが地域医療の専門性で ちょっとした変化にも気づきやすい環境だし、近 あると考えるようになりました。診療所のナース 隣の大病院にも近いため、充足していると思いま は診療所のそうじもするということをお聞きして した。しかし、訪問診療に同行させていただいた 大学病院のナースにそうじを頼んだら「それは 時、いくつかの問題を目にしました。まず、アル ナースの仕事じゃない」と言われてしまうような ツハイマーで、徘徊をするお婆さんの家を訪問し こともこなす柔軟さには驚きました。病院での医 たとき、介護しているお嫁さんが看護師にずっと 療だけでなくそんな地域医療もある、そして地域 − 54 − Title:049-056.ec6 Page:55 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 医療が住民から求められている、もし自分が地域 しかも毎日勤務で午後には往診に出掛けます。仕 医療のスタッフになったら私の専門は地域医療だ 事内容は病院が主に診療が目的なのに対し、診療 と言えるのではと思いました。私がそう思えるよ 所は様々です。 「総合医」として健康・生活相談・ うになったのは患者とスタッフの近さという良い 予防接種・学校医などを行っていました。私たち 部分を見れたからだろうと思います。後継者がな が帰った後も検診があるとおっしゃっていまし かなか見つからないという厳しい現実も知ること た。最後に連携面ですが、病院では、病院内のス ができ将来進路を考える時の選択肢のひとつに地 タッフ、例えば医師−看護師−放射技師−薬剤師 域医療もありかもと思えるようになりました。 などですが、診療所では医師と看護師しかおらず、 それに介護士や行政が加わります。高齢者が多い 高 橋 祐一朗 ため特に福祉に関する仕事が多く、1/2∼1/ 僕はこの赤ひげプロジェクトに二つの目的で参 3にもなると聞きました。往診ではケアマネー 加しました。一つは純粋に地域医療を知りたいか ジャとの連携しながら診療を行うので、福祉の知 ら。もう一つはもちろん医師について、それ以外 識やケアマネの視点が重要です。連携がうまくい にも他の職務の事についても知りたいと思ったか かないと両者が同じ事をしてしまい二度手間に らです。 「地域医療」という言葉は何度も聞いたこ なったり、情報が入らないため、診療に困ります。 とはありましたが、実際どのようなものであるか 診療所の医師は非常に大変な仕事だということ は知りませんでした。地域医療は大きな病院と何 を実感しました。しかし、先生や看護師さんの笑 が違うのか、また自分は地域医療の医師に向いて 顔をみると、とてもそのようには思えません。ス いるのか、もしなるのだったら何が足らず、必要 トレスはあるのかということでは患者さんと接す なのかに興味がありました。 ることでストレスはむしろ軽減される、とおっ 一日目ははっきり言って戸惑いました。グルー しゃられ、やりがいを感じているのだと思いまし プ学習・KJ 法・ディベートなどは私の苦手として た。 いるもので、しかも初めて会う人と行うというの 地域医療の医師は、広くまた時に深く知らなけ で非常に緊張しました。実習に参加したくて申し ればならず、奥深いものだとわかりました。自分 込んだのに、なぜグループ学習をしなければいけ に向いているかということでは、自分には少し人 ないのかというのが率直な意見でした。しかし、 間関係にドライなところがあって自己中心的に行 やってみればいかに自分が地域医療の事を知らな 動してしまうところがあるので、そこを改善した いかわかり、また、実習で見るべきポイントを見 いと思いました。また今回はわかりませんでした つけることができたので夏休みボケした頭を切り が、冬の往診の大変さを体験したいと思います。 替えることができました。また、他の学年・学科の 先生方ありがとうございました。 人の意見を知れたこと、知り合いになれたことは 長谷川 佳 美 大変貴重でした。 FW について学んだこと、感想を述べます。私 グループワークや討議を他の学科の人達と一緒 が参加したのは柏崎の北条診療所で医師が一人し にやれたことがいい刺激となりました。学年も学 かいない小規模のところでした。診療所の医療が 科も違うメンバー同士が「地域医療」という1つ 病院医療とは異なると感じたことは勤務体系、仕 のテーマに沿って考えや意見を出し合って話し合 事内容、連携面です。勤務体系では病院では複数 うことはなかなかできないことだと思います。 の医師やスタッフが交代で診療を行うに対し、診 色々な視点、側面からアプローチの仕方があるの 療所では医師一人、看護師三人で毎日勤務です。 だと思いました。グループの中でも発見はたくさ − 55 − Title:049-056.ec6 Page:56 Date: 2008/09/17 Wed 20:29:40 んありましたが、発表をし、もう1つのグループ 先生の話もよく聞けるし質問もできたから。 のプレゼンテーションを聞くことでさらに新しい この学部教育プログラムの宣伝をもっとやった 発見をすることができました。 方がいいと思いました。看護学科は先生が授業中 実際に北条診療所に行って話を聞いて「地域医 に呼びかけただけでした。 療」というイメージが以前より固まったと思いま 日程調整は難しいと思いますが、歯学部や他の す。授業や事前の学習をふまえて行ったのでグ 学科の人達の参加もしてほしかったです。 ループで決めた目標を頭におきながら見学ができ このプログラムを運営する先生方の話がおもし ました。 ろかったです。 そこで働く医師や看護師・スタッフがみんない この3日間は充実していたと思います。 きいきとしていて逆に私達が元気をもらいまし た。実際に見てみないと分からないことがたくさ 3.セッション7 んあると感じ、これからの勉強の一助になったと 「WS のまとめ」 11:15 ∼ 11:50 思います。 ポストアンケートを行い、参加者に感想を述べ よかったこと てもらい、今回のワークショップとフィールド 各グループに分かれて診療所見学に行ったこ ワークを終了した。 と。 − 56 − Title:057-058.ec6 Page:57 Date: 2008/09/17 Wed 20:30:23 ワークショップ ワークショップ ワークショップ ワークショップ フィールドワーク出発 長岡市陽光台・山古志診療所 − 57 − Title:057-058.ec6 Page:58 Date: 2008/09/17 Wed 20:30:33 山古志支所 山古志支所 Aチーム:清里 Bチーム:松之山 Cチーム:堀之内 Dチーム:北 条 − 58 − Title:059.仕切.ec6 Page:59 Date: 2008/09/17 Wed 20:31:05 …………………………………………………………………………………………………………………………… − 59 − Title:061-064.ec6 Page:61 Date: 2008/09/17 Wed 20:31:46 学部教育プログラム 平成1 8年度 第3回「学部学科を越えた学生によるワークショップとフィールドワーク」 平成1 9年3月1 2∼14日 19 21 20 24 22 23 25 26 18 27 17 12 9 8 1 10 13 11 3 2 4 14 5 28 15 6 16 7 文部科学省「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 『中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成』新潟大学医歯学総合病院 1 2 3 4 5 6 7 8 9 吉 田 清 水 高 橋 鈴 木 加 藤 大 池 栄 一 敦 史 直 樹 大 橋 夏 目 一 也 浜 浦 久 美 子 博 光 郁 薫 里 美 10 11 12 13 14 大 島 瞳 菅 家 ち あ き 横 田 石 澤 塚 本 直 樹 尚 子 和 代 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 富 山 石 川 美 菜 裕 子 井 口 清 太 郎 小 原 明 鈴 木 藤 澤 黒 澤 遠 山 佐 藤 太 田 黒 沢 吉 井 竹 内 荒 井 誠 之 純 一 和 大 和 姫 美 樹 求 磨 大 樹 雅 美 淳 子 理 香 − 61 − Title:061-064.ec6 Page:62 Date: 2008/09/17 Wed 20:31:47 ●参加者名簿● 名 前 いしざわ なお こ 石澤 尚子 おおいけ なお き 大池 直樹 おおしま ひとみ 大島 瞳 おおはし かおる 大橋 薫 か とう あつ し 加藤 敦史 かん け 菅家ちあき くろさわ かずひろ 黒澤 和大 くろさわ ひろ き 黒沢 大樹 し みず いく 清水 郁 たかはし かず や 高橋 一也 つかもと かず よ 塚本 和代 とみやま み な 富山 美菜 なつ め さと み 夏目 里美 はまうら く み こ 浜浦久美子 よし だ ひろみつ 吉田 博光 よし い まさ み 吉井 雅美 よこ た なお き 横田 直樹 学 科 学 年 口腔生命福祉学科 3 医学科 4 保健学科 3 口腔生命福祉学科 2 医学科 4 口腔生命福祉学科 2 医学科 4 医学科 4 保健学科 2 医学科 4 口腔生命福祉学科 3 口腔生命福祉学科 3 口腔生命福祉学科 2 口腔生命福祉学科 3 医学科 3 医学科 4 医学科 3 (アイウエオ順) ●協力者・スタッフ名簿● 名 前 佐藤 良司 星野 勝美 中村 清 井上 陽介 浅井 泰博 竹内 暢 笠原 浩介 高橋万里子 林 君江 角谷 典子 所 属 長岡市山古志診療所 長岡市山古志診療所 長岡市山古志支所 湯沢町保健医療センター 湯沢町保健医療センター 湯沢町保健医療センター 湯沢町保健医療センター 湯沢町保健医療センター 湯沢町役場 湯沢町役場 − 62 − 役 職 所長 歯科医師 山古志支所保健福祉課長 センター長 副センター長 医師 歯科医師 看護師長 介護支援専門員 介護支援専門員 Title:061-064.ec6 Page:63 Date: 2008/09/17 Wed 20:31:48 名 前 斉藤 六温 丸山 倫夫 大澤 慎吾 牧野知津子 五十嵐啓子 谷口八重子 久保田八千代 長島美奈子 田中 ミセ 仁田原康利 若杉 克彦 渡部 正巳 斎藤 芳雄 小野澤法子 上村 恒巳 林 由季子 佐藤 寿井 南雲 美幸 池田まき子 布施 克也 今籐 好子 市川佳代子 上村 亮太 下条 文武 大内 章嗣 鈴木 昭 石川 裕子 青木 萩子 村松 芳幸 鈴木 栄一 長谷川隆志 小原 明 荒井 理香 鈴木 誠之 山口 克博 平賀 智之 井口清太郎 藤沢 純一 太田 求磨 遠山 和姫 佐藤 美樹 竹内 淳子 所 属 役 職 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 訪問看護ステーションうおぬま 訪問看護ステーションうおぬま 訪問看護ステーションうおぬま 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 厚生連魚沼病院 南魚沼市立ゆきぐに大和病院 南魚沼市立ゆきぐに大和病院 南魚沼市立ゆきぐに大和病院 大和地域包括支援センター 南魚沼市訪問看護ステーション 南魚沼市訪問看護ステーション 大和ヘルパーステーション 県立松代病院 県立松代病院 県立松代病院 県立松代病院 病院長 副病院長 医長 看護部長 地域保健福祉部課長 看護師 看護師 看護師 看護師 研修医 事務長 総務課長 病院長 看護部長 庶務課長補佐 保健師 所長 看護師 訪問介護員 病院長 副看護師長 主任看護師 技術員 新潟大学医歯学総合病院 歯学部口腔生命福祉学科 歯学部口腔生命福祉学科 歯学部口腔生命福祉学科 医学部保健学科 医学部保健学科 医科総合診療部 医科総合診療部 総合臨床研修センター 総合臨床研修センター 総合臨床研修センター 管理課 管理課 地域医療教育支援コアステーション 地域医療教育支援コアステーション 地域医療教育支援コアステーション 地域医療教育支援コアステーション 地域医療教育支援コアステーション 地域医療教育支援コアステーション 病院長 教授 教授 助手 教授 教授 部長 副部長 事務 事務 事務 事務 事務 専任教員(講師) 専任教員(講師) 専任教員(助手) 事務 事務 事務 − 63 − ●ワークショップとフィールドワークの日程表● Title:061-064.ec6 Page:64 Date: 2008/09/17 Wed 20:31:49 − 64 − Title:065-071.ec6 Page:65 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:24 ◎受付∼はじめに∼オリエンテーション 1.セッション1 「じゃんけん自己紹介」 9:15 ∼ 9:40 「全員の名前」 9:50 ∼ 10:30 まず、グループ内部ではお互いに初対面の者も 続いて「全員の名前」を実施した。 多いことから、お互いを知るためにアイスブレー これは全員が円になってイスに座り、じゃんけ キングとして「じゃんけん自己紹介」を実施した。 んによって最初に自己紹介する人を決定する。最 「じゃんけん自己紹介」は、まず二人一組になり、 初に「私は○○です」と自己紹介をしてもらい、 「じゃんけんぽん」のかけ声と共に全員で一斉に その後反時計回りに進み、 「私は○○さんの隣の△ じゃんけんをする。この際、人数が奇数の場合に △です。 」更に次の人は「私は○○さんの隣の△△ はタスクフォースが適宜入り数を調整する。じゃ さんの隣の□□です。 」と紹介していく。これを円 んけんで勝った方が負けた方に対し「お前は誰だ をひとまわりするまで行った。 ?!?!」と言い、負けた方はできるだけ丁寧に「私は ○○でございます」と自己紹介する。これを相手 このアイスブレーキングにより全員の名前と顔 を変えて繰り返し、5 回勝つと席に座ることができ が一致するようになり、以後のワークショップの るという内容であった。 進行によい結果をもたらすことができた。 − 65 − Title:065-071.ec6 Page:66 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:25 2.セッション2 「地域医療の問題点」(KJ 法) 10:40 ∼ 12:00 ■Aチーム 発表者:黒沢 大樹 ■Bチーム 発表者:吉井 雅美 − 66 − Title:065-071.ec6 Page:67 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:26 ■Cチーム 発表者:清水 郁 ■Dチーム 発表者:浜浦久美子 − 67 − Title:065-071.ec6 Page:68 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:26 3.セッション3 を継続して診ることができない。③地域医療の質 地域医療の義務化 (ディベート) が低下する。との立論がなされた。 13:00 ∼ 14:20 その後、5 分間の作戦タイムの後、肯定派、否定 第 1 日目ワークショップの午後最初のセッショ 派それぞれに対する反対尋問が行われた。 ンではディベートを行った。これは、あるテーマ まず否定派から、①地域医療の現場を知ること に対して肯定派と否定派に半強制的に分かれ、よ で診療の幅が広がったり、他職種と連携をとりや り多くの論点を考えて議論を展開し、相手方を論 すくなるということはないのではないか、と質問 破する、一種のゲーム的な体験学習技法である。 があった。これに対して肯定派からは地域医療の 今回のテーマは、「 地域医療の崩壊を防ぐため 現場では限られた医療資源を用いるため、本来自 に、診療所を開設しようとする医師には、地域医 分の職業の範囲外の業務も行わなければならず、 療を一定期間義務化すべきである 」 とした。この これによって他職種との連携も必要になるし、さ テーマに対して A、B チームは肯定派、C、D チー らに幅が広がる、と回答された。②専門分野を ムは否定派としてディベートをおこなった。 しっかり勉強できることの方が重要で、それによ 審判団は各チームから一名ずつ選出し、A チー り医療崩壊の予防になるのではないか、との意見 ムの吉田君、B チームの富山さん、C チームの菅家 があった。③地域医療の義務化によって地域の人 さん、D チームの高橋君がそれぞれ審判団に選出 が研修医の実験台になるのではないか、という意 された。審判団は、それぞれ肯定派、否定派の話 見もあった。次いで肯定派からの反対尋問では① の筋道、明確さ、態度、攻勢、用意周到さなどに 臨床研修の2年間だけでは幅広い研修は身に付か ついて評価し、判定を行った。 ないため地域医療への義務化は有効であろう、と まず肯定派、否定派に分かれテーマについての の再確認がなされた。②短期間での人の入れ替わ 立論の準備を行った後、立論を行った。肯定派か りはよくないと言うが、医師にとっても様々な職 らは地域医療の崩壊を防ぐために、地域医療の義 種の人間とコミュニケーションをとることは重要 務化は必要であるとし、その根拠として①人材不 な研修の一環であり、有益ではないかとの反論が 足を補うために必要、②専門以外の疾患を学ぶた あった。これについては否定派から患者にとって めに必要。③診療訪問の幅が広がる。④他職種と はいいことではない、という主張がなされた。③ 連携することを学べる。との立論がなされた。一 モチベーションが低い人が地域医療を行うのがよ 方、否定派は地域医療の義務化は①専門医指向の くないということであれば内科、外科、小児科、 現代にそぐわない。②入れ替わりが多く患者さん 産婦人科などを必修としている今の臨床研修制度 も同じことではないか、との指摘がなされたが、 これについては否定派から、現状の追認に過ぎず 地域医療の義務化は無意味といっている(つまり 否定派と同じ意見)のと同義ではないか?との鋭 い突っ込みがなされていた。 その後、2分間の相談の後に最終弁論が行われ た。まず否定派より①地域医療の義務化は医療者 側にとってのスキルアップの視点しかなく、患者 にとってのメリットがない。②一時的なその場し のぎに過ぎず、根本的な解決とは成り得ない。と 主張があった。次に肯定派より①とにかく地域医 ディベート − 68 − Title:065-071.ec6 Page:69 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:26 療の人材不足を補うためには必要不可欠(いない について、普段はあまり考えないような話題では よりはいた方がよい) 。②臨床研修制度によって あったが、より深く考えることができたのだと思 専門のみの研修をする期間と、全人的に地域医療 う。彼らにとっても有益なディスカッションがで を行う期間とでは全く研修の質が異なる、よって きたと思われる。 地域医療研修医は有用である。③他職種との連携 は地域医療研修でこそ学べる。④地域医療におい 4.セッション4 地域支援テレビシステム実習 ては、全人的に患者さんを診ることができるため 14:35 ∼ 15:15 に、実験台になるなどということはない。との熱 い主張が行われた。 ディベート終了後、全員で病棟 3 階にある第 6 検 ここで審判団のみが退場し4分間の協議の後 討会室に移動した。そこで簡単な地域支援テレビ に、それぞれについて判定し、勝敗を付けた。ま システムの機器の操作説明を行った。次いで2 ず立論については肯定派の論は、筋道が通っては チームに分かれ、もう一方は第 2 検討会室に移動、 いたが、根拠に客観性が欠け主観が多く混じって そこから第 6 検討会室に接続して、それぞれの いたことから、否定派の勝ちとした。次いで反対 チーム毎に接続の体験をおこなった。 尋問では肯定派の質問が分かりやすく同意する部 その後全員に第 6 検討会室に集合してもらい、 分も多かったため肯定派の勝ちとした。最終弁論 まず厚生連魚沼病院に接続し、副院長の丸山先生、 については、肯定派の意見は分かりやすかったが 研修医の仁田原先生に出演していただき、魚沼病 一部極論に走っている部分もあった。しかし全体 院の簡単な現況、テレビシステムの効能等につい 的には肯定派に部があった。全体としては、地域 て説明していただいた。つぎに県立松代病院に接 医療における人材不足をどう解決するか、という 続し、院長の布施先生から松代病院の様子などに 観点から逸れることなく話を続けた肯定派の勝ち ついても説明していただいた。 とした。ただ、今回のディベートを介して、肯定 この実習を通じて、大学病院と地域医療病院と 派、否定派それぞれに主張があり審判団としては が地域支援テレビシステムによって密接につな 甲乙付けがたかったことを付記しておく、ただ「地 がっており、連携していることが参加学生によく 域医療の崩壊を防ぐために !!」という観点から一定 理解された。 の主張を行ってきた肯定派に分があった、と判定 された。 その後の自由討論においては、肯定派からディ ベートの際に反対尋問をするときには、相手に オープンクエスチョンをするよりもクローズドク エスチョンをする方が、相手に多くを説明させな いのでいいのではないか、という意見が出た。実 際の今回のディベートでは肯定派の質問はクロー ズドクエスチョンが多く、逆に否定派はオープン クエスチョンのために肯定派に多くの発言機会を 地域支援テレビシステム実習 与えてしまっていた可能性が指摘されていた。 今回のディベートを介して、地域医療の義務化 − 69 − Title:065-071.ec6 Page:70 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:26 5.セッション5 ・行政の取り組み(広報活動、対策)を説明でき 「カリキュラムと目標」 る 15:30 ∼ 16:50 ・報道と現実の相違点を説明できる ■ A チーム 発表者:吉田 博光 ■Cチーム 発表者: 菅家ちあき GIO GIO 豪雪地域の医療を肌で感じ「地域医療」を各学 地域住民が適切な医療を受けているかどうかを 科学生の視点から理解する。 理解するために、地域医療の現状を学習する。 SBOs SBOs 1.豪雪地域の訪問医療の特殊性を都市部の医療 ① 地域医療に従事している人とコミュニケー ションをはかる。 と比較する。 ② 地域で暮らす患者さんと話をする。 2.医師不足に対する現状及びその対処法を具体 ③ 地域医療の人手不足の現状を知る。 的に述べる。 3.行政との係わり合いの現状と課題を説明する。 ④ 地域医療の設備に関する現状を知る。 4.地域特性の包括連携の様子を列挙する。 (孤立 ⑤ 地域医療でどのような予防が行われている かを知る。 化対策 etc) ⑥ 地域医療の問題点を説明できる。 5.地域支援テレビシステムの導入前後での変化 ⑦ 周辺の病院とどのように連携をとっている を述べる。 のかを知る。 6.松代の「良いところ・悪いところ」を体感し 地域住民とコミュニケートする。 ■Dチーム 発表者:高橋 一也 7. 「高度医療」と「適切な医療」の違いを具体的 GIO に述べる。 将来の選択の幅を広げるために 地域医療に実際に触れて理解する ■Bチーム 発表者:富山 美菜 SBOs GIO(一般目標) ① 地域医療の抱える問題点を列挙できる 臨床実習開始前の医学部医学科医学生、歯学部 ② 訪問診療でどれだけ医師に負担が掛かって いるか質問する 口腔生命福祉学科学生が、 地域医療の実状を知 り、今後の学業および医療活動に生かすため、地 ③ 患者さんの平均年齢を調べる 域医療の問題点とその取り組みを理解する。 ④ 行われている医療の違いを説明できる (大学病院 ←→ 地域医療) SBOs(行動目標) ⑤ 患者さんのニーズが満たされているか尋ね る ・地域の特性(人口構成、交通網、生活習慣等) ⑥ 雪の深さを調べる を説明できる ⑦ 口腔ケアまで十分に手がまわっているか尋 ・患者さんと医療人の人間関係に対する取り組み ねる を説明できる ・設備・人材不足の現状を説明できる − 70 − Title:065-071.ec6 Page:71 Date: 2008/09/17 Wed 20:32:30 6.WS 第一日目のまとめ・連絡事項 16:50 ∼ 17:00 午前中に行った「じゃんけん自己紹介」で勝ち 残った人の表彰が行われた。 この結果、下記の 5 名がそれぞれ賞を受賞した。 「じゃんけん自己紹介」部門 「全員の名前」部門 − 71 − Title:072-075.ec6 Page:72 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:04 について講義していただいた。今年は例年になく 1.長岡市山古志支所・山古志竹沢診療所見学 少雪で楽だったものの、フィールドワークの数日 2日目は全員でフィールドワークを行った。今 前より雪が降り、冬らしくなっているとのこと 回のフィールドワークの概要は午前中に中越地震 だった。住民の帰村状況については、地震後2年 の被災地である長岡市山古志の現状を見学させて を過ぎた現在でもまだ避難指示が解除されていな いただき、午後からは湯沢町、南魚沼市、小千谷 い地域もあり、改めて地震被害の凄まじさを実感 市、十日町市にある訪問診療を実施している医療 させられた。 機関で訪問診療を体験させていただいた。 講義の後、山古志支所の一室をお借りして昼食 午前8時20分に医学部大講義室前に集合、4台 をとり、その後、支所の前で関係者全員で記念撮 のタクシーにチーム毎で分乗し、目的地に向かっ 影を行った。午後の目的地がもっとも遠方の松代 た。 病院チーム、越後湯沢チームが出発し、次いでゆ まず長岡市陽光台の山古志診療所に立ち寄り、 きぐに大和病院チーム、最後に魚沼病院チームが その日そこで診療をされていた診療所の佐藤良司 出発した。 先生に御挨拶し、診療所の風景を少しだけだが見 学させていただいた。この目的は、学生達に仮設 2.地域医療病院でのフィールドワーク 住宅というものが旧山古志村とどの程度の距離に −地域医療体験実習− 設置されたか、ということを肌で実感して欲し Aチーム報告書 かったからである。 場所:県立松代病院 その後、現在帰村を進めつつある長岡市山古志 中越地震からの帰村状態を山古志支所の中村課 支所に行政の取り組みについて伺いに行った。全 長から説明を午前中に受け、急いで昼食後に山古 員で車に分乗し長岡市山古志支所に向かった。山 志支所を出発、前日からの小雪模様の中、関越自 古志支所は仮設住宅群からは遠く、約40分もか 動車道・越後川口インターチェンジを横切り、十 かってようやく着くことができた。 日町市(旧松代町)松代病院に到着した。 山古志支所では中村保健福祉課長様より約30分 実働医2名の松代病院では、代わりの医師がい にわたり、3月現在の山古志地域の帰村状況など ないため、布施院長の午前診療が終了するまで、 松代病院のテレビ会議室にて、院長の布施先生を 待つこととなったが、学生たちは、あらためて僻 地医療の現実に触れるプロローグに相応しいもの となった。午前診療の終了を待って、布施院長か ら、院長の訪問診察を見学するチームと看護師が 行う訪問看護を見学するチームが本日の訪問予定 との説明を受け、学生達自身で2つのグループに 分かれた。医学部医学科3年の吉田君と4年の黒 沢君が訪問診察、歯学部口腔生命福祉学科2年の 大橋さんと3年の石澤さんが訪問看護を見学する 山古志 陽光台診療所 こととなった。 − 72 − Title:072-075.ec6 Page:73 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:05 Aチーム:松代 Bチーム:魚沼 個々の訪問診察、訪問看護の様子などは、実際 護ステーションうおぬま」の谷口さんより、 「訪問 に見学を行った学生の各体験談にお任せしたい 看護ステーションうおぬま」の概要について御説 が、真冬に逆戻りし、前日からの新雪が50cm 以上 明をいただいた。現在は専任の看護師3人体制で 降り積もった山間の家々を訪れ、訪問診察、訪問 260人あまりの患者さんを受け持っているという 看護を見学・体験することは、僻地医療のある意味 ことであった。訪問診療と比べて訪問看護は1件 での真髄を間近に体験することに他ならず、今後 当たりにかかる時間が長くなりがちで、どうして の学生達に得難い経験を与えてくれたものと考え もステーションに戻って記録をつけたりしている られる。 と午後7時、8時になってしまうとのことであっ 訪問診察、訪問看護の終了後、布施院長の講義 た。 が行われ、夕方5時頃、全日程を終了した。多忙 質疑応答では、スタッフ不足について、魚沼病 な中、我々のために時間を割いていただいた布施 院の現況につき学生から質問があり、やはり医師 先生を始めとした病院関係者の方々、訪問診療見 の不足は相変わらずであり、4月からは常勤医師 学を了承していただいた患者さんおよびその家族 が3人減員となり、訪問診療の維持が難しくなっ の方々に御礼を申し上げ、松代チームの報告を終 てきているとのことであった。 了する。 その後、それぞれ、訪問診療2班、訪問看護3班 に分れて、体験実習を行った。患者さんは、やは Bチーム報告書 り高齢者の方が多く、100歳を超えるような方もい 場所:厚生連魚沼病院 て、寝たきりか、準寝たきりの方々がほとんどで 午前中の山古志陽光台診療所・山古志支所での あった。診療は、バイタル等全身状態の把握と、 実習終了後、山古志支所にて昼食。その後、山古 顔色、食欲等、全身所見の把握などを中心に行っ 志歯科診療所の星野勝美先生にお会いすることが ていた。介護する側も御高齢というお宅が多く、 でき、中越地震後現在までの住民の口腔ケアに関 自身も魚沼病院にかかりつけである、というご家 する現状についてお話をお伺いすることができ 族の方もいらっしゃった。いわゆる「老老介護」 た。その後山古志支所を出発。30分ほどで魚沼病 も大きな問題となってきているとのことであっ 院に到着した。 た。見学の中では、患者さんに実際に聴診をさせ まず、若杉事務長より、小千谷市・厚生連魚沼 ていただいたり、血圧測定や、パルスオキシメー 病院の沿革、診療体制、地域医療への取り組みな ターによる酸素飽和度の測定などをさせていただ どについて御説明をいただいた。続いて「訪問看 いたりした。医療者も、患者・御家族と親しく接し − 73 − Title:072-075.ec6 Page:74 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:05 ており、患者さんも御家族も訪問診療を心待ちに ションと居宅介護支援センター(同じ部屋内)に されている方が多く、訪問診療・看護のスタッフ 協力していただいた。隣接の訪問看護ステーショ への信頼が厚いことがうかがえ、患者さん・御家 ンのスタッフに同行し、訪問看護、保健師による 族と医療者との親近感が感じられた。 訪問指導などを経験させていただいた。今回はほ 午後4時30分までに全員が魚沼病院に帰院した ぼマンツーマンでの実習であったので、移動中の のち、新潟への帰途についた。 会話などから学生の得るものが多かったようであ る。 「いままで経験した病院のケアよりも丁寧」 。 Cチーム報告書 「この方々がいるから在宅生活ができるんですね」 場所:南魚沼市立ゆきぐに大和病院 など、ケアスタッフが地域で活動していることが 雪の降り続くなか、13時過ぎに、ゆきぐに大和 実感できたようであった。 病院到着。 当日は季節はずれの雪で、降雪地域の移動中の 道中、まずは斉藤院長先生より、病院の成り立 問題なども体験することができた。 ちについて、概要を説明される。 (約30分) 上越新幹線浦佐駅のある当地域において、訪問 現在の組織図を示され、開設当初から、住民の 診療を中心とした訪問ケアサービスは非常に充実 生活を支えるための病院の姿勢が説明された。行 していてしかも地域に根付いていることを感じ、 政、福祉との連携がなされた地域の背景と福祉に しかも「イメージしているよりも田舎でなかった」 先進的に取り組んできたことが説明された。 「これからの活動にモチベーションがもててき 平成16年から17年にかけての3町の合併によ た」との意見がでていた。 り、現場では、少々の(?)問題が生じてきてい 最後に病院受付付近で写真撮影を終え、笑顔で る現状も触れられた。また、行政とのやり取りの の帰路をすごした。ほとんどの者は、ジャンボタ 歴史、近年の医療改革による問題にも触れられて クシーの暖かさのため、安らかな時間をすごして いた。一方で介護保険制度施行前からの活動や、 いた。 学校教育とのかかわりなど、この病院の活動が医 療、福祉などの限られたものでなく、地域の病院 Dチーム報告書 であることを認識できるものであった。全般にお 場所:湯沢町保健医療センター いて、様々な苦労話などをユーモアを交えながら 山古志支所での食事を早めに終了した後に、一 解説され、みんなで興味深く聴講した。 足先に一番遠方である我々 D チームは湯沢へと向 その後、3班に分かれて訪問へ。看護ステー かった。天候は悪くなく、雪も例年よりも少な かったが、それでもやはり湯沢は遠いと感じた。 約束の午後1時少し前に現地に到着、早速セン ター長の井上先生のお出迎えをいただいた。まず 副センター長の浅井先生から湯沢町保健医療セン ターの概要、湯沢町の地勢、患者さんの受診状況 などについての講義を受けた。次いでセンター長 の井上先生から湯沢保健医療センターの設備など について案内してもらった。各病棟の様子も見学 させていただいた。その後、浜浦さん、大島さん は訪問看護へと連れて行ってもらった。また医学 生の黒沢君、高橋君の二人は、訪問診療の見学へ Cチーム:ゆきぐに大和 − 74 − Title:072-075.ec6 Page:75 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:05 はまだ時間もあるということだったので、外来診 療を見学させていただいた。彼らも午後2時より 竹内先生が訪問診療に出かけられるということ で、それについていった。2か所訪問診療を見学 させていただき、少し診察も手伝わせていただい た。16時過ぎに彼らも病院に戻り、そこで今回の 病院見学についての感想を書き、病院訪問を終了 とした。帰り際に玄関先で記念撮影し、帰路につ いた。 帰り道では浜浦さんの歯周病に関する話を皆で 感心しながら聞き、盛会のうちに新潟に帰り着い た。 − 75 − Dチーム:湯沢 Title:076-085.ec6 Page:76 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:41 1.セッション6 「地域医療の優先課題」 (二次元展開法) 9:00 ∼ 10:30 ■Aチーム 発表者:吉田 博光 地域医療の問題点 ◎医療者の不足(医師、看護師、SW etc) <対策> 現状 ○地域コミュニティー活用(社会資源の活用) 例 ○地域支援テレビシステム活用 ○ ・週一回のミーティング ・近所のつながり ・スクールバスの通院支援 理想 ○人材を増やす(コストの問題) 予算・環境・リタイヤした医師への PR 活動 =地域の人と密着していることで情報を得て効果を上げていく= − 76 − Title:076-085.ec6 Page:77 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:41 ■Bチーム 発表者:加藤 敦史 (対応策) ○ディサービス、ショートスティの充実 ○介護者に対する知識・技術の啓発 ○介護者の精神的なサポート ■ C チーム 発表者:大池 直樹 <解決策> 1.医療者の教育 2.システムづくり 3.病院のバックアップ体制 4.現場との対話を増やす − 77 − Title:076-085.ec6 Page:78 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 ■Dチーム 発表者:大島 瞳 ○ 地域医療の充実に必要なもの テーマ“観光” ●問題点 ・スノボ等による若者の患者が多い ・観光シーズンに患者数が増加する ●解決策 ・危険な滑り方(ジャンプ etc.)をしないように呼びかける ・プロテクターをつけるように指導 − 78 − Title:076-085.ec6 Page:79 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 2.セッション7 また、地域医療が上手くいくには決まっている 「個人レポート作成」 型があり、それに当てはめていくというのではな 10:40 ∼ 11:15 く、地域の特性をよく考え、その地域にあった計 画を行っていかなくてはいけないと感じた。人口 Aチーム Aチーム の多いところで1人1人に多くの時間を費やす計 石 澤 尚 子 画や、人手が足りないのに人手を多く必要とする 夏休み中に参加させて頂いた松之山地区に引き 計画などがその例である。 続き今回も同じ地域「松代」に行けたことを幸運 ワークショップでは、普段自分が考えつかない に思いました。 ような意見が聞けて良かった。私は、地域医療で それは、季節の違いによる地域医療の問題に触 は1人の人に当てられる時間は多いと考えていた れることができたからです。冬の豪雪地区の特異 が、反対に人手が少ないから1人に当てられる時 的な雪の中での訪問診療、又雪の影響による高齢 間が少ないという意見もあり、新たな視点ができ 者の孤立など、夏季からは想像できなかった環境 たような気がした。 問題について触れることができました。 考えが1つになってしまう前にいろいろな人の 季節の違う二度の参加によって地域医療におい 意見を聞くことは、すごく重要なことだと感じた。 て生活環境と、マンパワー不足が相乗され、重要 黒 澤 大 樹 な課題になっていることを学びましたが、しかし 実際には、そこに住み生活する人々との連携に 今回の地域医療のワークショップとフィールド よって最大限の効果を得ようとする取り組みがな ワークでは、普段の学校での講義や病院での実習 されていました。都会では感じられない人と人と ではなかなか出来ない経験ができたり話を聴く事 のきずな、深い信頼関係から改めて治療=薬では ができ、本当に良かったと思います。また、学部・ なく「癒し」であるという言葉の意味を理解する 学科の違うコメディカルの人達と意見交換が出来 ことができました。地域医療における魅力はそこ た事も、本当に良かったと思います。 から放つエネルギーではないかと思います。二度 1日目と3日目のワークショップでは、普段の にわたり大変貴重な経験ができたことを幸いに思 学校でのグループ学習と違い、違う学科の人の違 います。ありがとうございました。 う目線・切り口からの意見に、驚きや感心や新たな 発見が多々ありました。地域医療においては、コ 大 橋 薫 メディカルワーカーとの連携、いわゆるチーム医 フィールドワークでは、地域医療に対する考え 療が大切になってくるので、今回学生のうちにそ 方が変わった。行く前までは、地域医療に対する の事が経験出来たり、感じられたことは、今後大 イメージが、 「医師不足」 「過密な仕事」というマ きく役立ってくると思います。 イナス面ばかりだった。しかし、実際行ったこと 2日目のフィールドワークでは、今まで自分が で大きく変化した。地域住民との密着があり、そ イメージしたり聞いていたことと、実際の地域医 の力により医療面も良くなっていることを知っ 療の現場の様子との相違点や同じだった点を学ぶ た。医師、看護師などの医療従事者が地域の人の ことが出来ました。報道などで言われているよう 中に入っていると感じた。 に、地域医療に従事する医療者の不足は本当に深 地域医療では、人と人が助け合っていかなけれ 刻なのだと、改めて感じました。実際に、訪問診 ばいけない、1つの職業だけではやっていけず、 察に同行させていただいて、2時間半くらいで 他職種の人との連携が必要だと改めて感じた。 やっと7件(これでも例年よりは早いそうですが − 79 − Title:076-085.ec6 Page:80 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 ……。 )まわることが出来ました。家と家が離れて になって、今回のワークショップは非常に有意義 いたり、家と病院が離れていたり、雪の影響や山 なものとなりました。 間部であったりと、地理的・環境的に本当に大変 なのだと思いました。時間的にも、体力的にも、 Bチーム Bチーム 予想していたよりはるかに重労働であることを痛 加 藤 敦 史 感しました。しかし、地域の住民の方とのつなが りや信頼関係というものが強く、やりがいがある このフィールドワーク、ワークショップに参加 仕事であると思いました。 してよかった点をまず最初に挙げるとするなら、 今後、ますます高齢化が進むにつれて、地域医 地域医療に関して興味を持っている学生が多くと 療の重要性は増してくると思いますが、このまま はいえないが存在し、時間を彼らと共有できたこ ではだめだという問題点も多く学ぶことができ、 とであろう。私も参加する動機として、地域医療 本当に良かったと思います。 に実際に触れてみることも大事であろう程度で コアステーションの先生方、スタッフのみなさ あったが、参加者の中には大変な意欲のある方も ん、松代病院の布施院長先生など、御協力いただ いらっしゃって、非常に刺激を受けた。 いた方々に感謝したいと思います。 医学科の中で、医学科の学生と普段生活してい る時には味わえない新鮮な刺激を肌で感じること 吉 田 博 光 ができた。 今回のフィールドワークを通して、僻地におけ また、実際に現場に行き、地域医療に尽力され る適切な医療のあり方というものを学ぶことがで ている先生の生の声を聞けたことも、大変勉強に きました。大学病院の様な高度最先端医療も大切 なった。人材不足の問題、設備の問題、行政の問 で素晴らしいものですが僻地では患者さんや地域 題等々先生方の苦悩や喜び、やりがいを話して下 と密着した医療が適しているのだと感じました。 さり、自分の中で今まで地域医療に対して抱いて 松代病院での往診ではすれ違う人すれ違う人が先 いた考えも変化した。 生に挨拶をしていましたし、患者さんもとても先 しかし今回、以上のような良かった点もあった 生に感謝していました。往診の見送りに寒い外ま が、さらにもっと勉強していけば得られるものも で出て見送ってくれる方もいました。先生もそう もっと多くあっただろうとも感じている。 いった環境での診療に充実している様子でした。 実際に、地域医療に携われている先生の本や、 そして、実習に行く前は患者さんと医療者の観 新聞を勉強していけば、もっと質問できたであろ 点を中心に考えていましたが、介護者と医療者の うし、気付けたことも増えたのではないのだろう 関係が思っていた以上に大事であることを実習を か。 通し感じました。やはり高齢者の方が精神的・肉 とはいえ、今回参加したことにより得たものは 体的に参ってしまうことも少なくないようでし 大変大きなものであると感じている。今後学習し た。そういった問題点をソーシャルワーカーさん ていく上で、大いに役立てたいと思う。 や看護師、医師が情報交換をすることで早く察知 最後になるが、今回のフィールドワーク、ワー し、介護者をケアするといった医療形態は素晴ら クショップを支えてくれた方々に対して感謝の念 しかったです。 で一杯である。 今までのマスコミやマンガといった情報でイ 夏 目 里 美 メージしていた辛く厳しい僻地医療は、もっとポ ジティブなものとしてとられることが出来るよう 私が今回のワークショップ、フィールドワーク − 80 − Title:076-085.ec6 Page:81 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 富 山 美 菜 に参加して1番よかった事は、訪問看護に同行さ せてもらった事です。まだ福祉の勉強はしていま 私は歯科衛生士として社会に出た時、患者さん せんが、世間一般の話題として介護の様子は聞い が病気に罹患して、はじめて診療所に訪れるのを た事がありましたが、実際にどんな様子なのかを 待つのでいいのか……という疑問で現在学生にい 見るのは初めてだったからです。時間の関係上、 たります。 2件しか目にする事はできませんでしたが、それ よって自ら往診で出向いたり、地域の健康の状 でもとても勉強になったと思います。ある人は寝 況を把握したり、予防に携わったりできる“地域医 たきりで右手しか動かせない状況のために、介護 療”に大変興味がありました。 は家族の方が行っているという事ですが、床ずれ しかし、実際の現場を見たことがない事や本当 等の傷の手当はもちろん、身体の世話をしなけれ の過酷さを知らないため、今後の進路としてこの ばならないのだから思っていた以上に大変だと感 道に自分は進んでいけるだろうかと自信なく少し じました。介護される人にとっては自分の面倒を 迷っていたのが現状でした。 見てくれるのは誰でもいいというわけではない事 確かに、地域医療というのは、ただ興味がある も、看護師さんに教えられました。また、学科の だけでは駄目であり、正しい医療への知識や技術 方針上、身体の介護だけではなく口腔ケアも行わ と共に、強い精神面、温かい人間性が必要だと感 なければという考えを持っていましたが、介護の じさせられましたが、さらに学業に励み、この分 実状を見ると、そんな事は言ってられないのかと 野でやっていける人材に一歩でも近づけたらいい 思いました。特に寝たきりになってしまうと身体 なと思えました。 の世話だけでも大変なのに、その上口腔ケアもし 訪問看護に付き添わせて頂いた際、訪れた家の なければならないとなるとやはり手が回らないの 方々の温かい笑顔で私の方が励まされ、心あたた かと考えました。 まる物を頂けたような気がしました。 また介護者が介護に疲れてしまい、ノイローゼ 医療というのは、医療を受ける側がどれだけ満 や鬱になってしまうこともあるのを聞き、医療関 足して頂けるかが重要だと思いました。 係者が介護者のケアも必要なのかなと思いまし 吉 井 雅 美 た。とは言っても、介護者の話を聞いてあげたり、 励ましてあげたりといった事しかできないかもし 〈ワークショップ〉 れないけど、それだけでも介護者の精神的ストレ 事前に具体的な目標(GIO、SBOs)を整理して スは軽減されると言っていました。 からフィールドワークに参加することで、各々の 地域医療はどうしても老人の患者が多くなって 目標項目に対する現状との相違点を明確に理解す しまう事や、場合によっては老々介護を行うしか ることができた。 ない状況であるけれど、以前から持っていたイ また、フィールドワーク後に各項目から学んだ メージよりは人手不足ではないのかなと話を聞い ことを評価することによって(ex. 二次元展開)さ て思いました。山古志地区での全宅訪問は大変だ らに理解を深めることができたように思う。 ろうけれど、そうしなければ住民の健康状態を把 〈フィールドワークで学んだ具体的な項目〉 握できないのかなと思いました。 1.地域の特性 ただ1つ残念なのは、他の人達(特に医学部生) 人々が住む地域には、その地域を構成する との知識の差が大きくて、ついていけなかった事 様々な要素(ex. 人口構成、生活習慣、文化)が です。 存在し、それらによって各々その地域固有の生 活が営まれていることを実感した。 − 81 − Title:076-085.ec6 Page:82 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 また、その地域における医療を考える上で い楽しみもあるのではないかと思うようになりま は、そこに住む人々の生活観をふまえた上で柔 した。例えば、在宅死を看取るということです。 軟に対応し、患者さんの満足度(Customer's 先生が「それは素晴らしい」とおっしゃっていた Satisfaction)を満たしてゆくことの重要性を感 ので、私もいつかそんな場面に出会いたいと思い じた。 ました。 また、私が将来、地域医療に携わらないとして 2.患 者 さ ん と 医 療 人 の 人 間 関 係 に 対 す る 取 り 組 も、今回の FW は良い経験になったと思います。 み フィールドワークでは、その地域の往診に同 私は訪問看護実習を行いましたが、病院ではどう 行させていただいたが、特に強く感じたのは医 しても医療者中心の医療になってしまいがちです 師はもちろん看護師さんの柔軟な対応である。 が、訪問看護は患者さんのお宅におじゃまするせ 人手不足という点もあってのことかもしれな いもあってか、どちらかといえば、患者さんや家 いが看護師の方々の幅広い対応(ex. 訪問看護、 族の方を中心に医療を行っているなという印象を 医師へのコンサルタント、ケアマネージャーと 持ちました。さらに、予期せぬことが起こり得る の連携 etc)や、彼らと地域住民との厚い信頼関 ので(薬がない、など)あらかじめ何が起こるか 係に感銘を覚えた。 の想像力や、何か起きたときの対応力が必要であ 3.介護者が抱える問題点 ると感じました。このようなことを病院内でも考 慢性疾患で寝たきり状態にある高齢者にとっ えていればよりよい医療につながっていくのでは ては、親族による介護が最も身近で重要である ないだろうかと思いました。 反面、それら介護者の肉体的・精神的負担も大 ところで、私は太田先生に付き添っていただき きい。彼らの努力を評価し、デイケア、ショー 様々な話を聞くことができました。例えば、看護 トステイ etc のシステムの活用を充実させるこ 師さんへの話し方などです。すぐにはできそうも との重要性を実感した。 ないことばかりですが、先生は「そういう視点を 持っているだけで違う」とおっしゃっていたので、 これからに生かしたいと思います。 Cチーム Cチーム 最後に、WS・FW では様々な方のお世話になり 大 池 直 樹 ました。ありがとうございました。 今回、ワークショープといった形の勉強に初め 菅 家 ちあき て参加させていただきました。授業でちらっとテ レビを見て、 「地域医療っておもしろいんじゃな “地域医療”と聞いて想像される関連事といえ いか?」と思ったことや、四月から五年になると ば、住民や医療従事者などの人的資源や人力の医 いうこともあり、とりあえず、見てみようと思い 療サービスでした。しかし、この機会を通じて、 参加してみました。参加してみると良かったこと 一見医療とは関係のなさそうに思えた民間の交通 ばかりです。 「百聞は一見にしかず」といった言葉 機関や建築業を営む企業について考慮することも もあるように、特にフィールドワークでは、今ま 大事なことであると気付くことができました。交 で自分が思っていたイメージが変わりました。そ 通機関でも、バスやタクシーなど一般企業による の中でも地域医療は遅れた医療ではなく、違う医 ものや、スクールバスなど教育分野によるものが 療の形なのだなというのが、大きく変化した点で ありました。また、建築業というのは、患者さん す。 が 住 む お 宅 に 関 す る こ と を 支 援 し ま す。今 回 地域医療をやることで、他の医師では味わえな フィールドワークで訪問した地域は、雪の多い地 − 82 − Title:076-085.ec6 Page:83 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 清 水 郁 域で、そのことで日常受ける被害を防ぐために高 床式などの工夫がされますが、その工夫は車椅子 私はフィールドワークで、大和病院内にある南 利用の方や足腰の弱い高齢者の方にとってはまた 魚沼市包括支援センターで勤務している保健師さ 障害となるので、更に工夫を要します。このよう んにつき、自宅訪問に同行させてもらった。私は に、医療の質を向上するためには、患者さんの日 保健師を目指していて、現場の保健師さんが自宅 常を構成するあらゆる部分を援助する必要があり 訪問をしてどのようなお話をするのか、どんな対 ました。 応を行っているかに非常に興味を持っていたの しかし、そういった援助をするのに必要な人的 で、新鮮な経験をすることができた。その経験を 資源が、地域においては不足しています。これを 通して最も強く感じたことは、各個人の価値基準 解決するために、医療従事者の教育を改善する(地 に基づいた対応の重要性である。育ってきた環境 域医療はひどく大変だという偏見・先入観を持た が私達は違うのだから、価値基準が異なることは ずにいられるような教育に変える)ことと同時に、 当然なことである。たとえそれが世間一般的にお 医療従事者がただの人としても日常生活を送りや かしいでしょと思われることでも、当人にしてみ すい町づくりを進めることが必要だと私は考えま れば当たり前のことならば、それを完全否定する す。そこで、そういった町づくりを町づくりの専 ことはできない。自分の価値基準に当てはめて対 門にお願いしたらいいと初めは思いました。です 象の方を見るのではなく、こういう価値基準もあ が、よくよく考えてみると、医療従事者であって るのかぁ、という視点で対象を見る、このことの も、主体的に街づくりを進めなければいけないと 大切さを大いに実感することができた。また、話 思いました。 “住民(医療従事者)が町づくりを町 を聴くというだけでも、訪問した家の方が心の落 づくりの専門家に任せる”ということは、 “政治家 ち着きを取り戻したり、すっきりした表情を浮か が医療制度を現場を見ずに枠だけ作って、現場の べる姿を見て、こういうことも保健師の大切な役 医療従事者に押し付ける”ことと似ていると思う 割であるんだろうなぁと思った。 からです。ワークショップにおいて、 「行政は現場 3日間、新しい発見の連続で、視野を広げるこ の声をきかない」という批判的な意見を耳にする とができた。そして、将来の方向性、それに向け こともありましたが、自分たちで出来る努力をま ての自分への課題も見えてきた。この企画に参加 ずは見逃さずにするべきだと思います。医療の質 して良かったです。 が高い地域を作り上げるには、自分の専門を主張 昼食が両日ともにおいしかったです。 しつつ、忘れず、専門外の領域においても思考を 横 田 直 樹 こらし改善しようとすることは大切だと思いま す。 ワークショップではディベートが面白かった。 また、地域医療のキーポイントとは人間として 普段のディベートでは、教室の人間が挙手をする 当たり前のことを当たり前にすることなんだなあ だけで、多数決の判定しかしないが、今回は判定 ということも思いました。そうした心持が、往診 員を設定して評価なども加えており、その点が新 の充実や、口腔ケアを自然と取り入れるというよ 鮮だった。次の機会があるなら判定員もやってみ うな内容における変化や、人材育成、引継ぎなど たいと思った。 のシステム作りに良い成果を表しているのだと思 フィールドワークでは、まず、山古志村へ行っ います。私は、他人に必要なことに自分から気付 た。診療所の先生は方言をそのままに患者さんと くことができて、実際に力添えが出来る人を目指 話しており、距離の近さ、信頼関係を強さのよう したいです。 なものを感じた。途中、窓から水没した集落が見 − 83 − Title:076-085.ec6 Page:84 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 えたが、文字通り水没しており、この災害の爪あ ど、病院とは違った視点が必要と感じた。在宅療 とを自分の目で見ることができた。 養をされている方は、入浴もできる限り自宅でし 自分は南魚沼のゆきぐに大和病院を見学した たいと話されていた。自宅で今まで通りに過ごす が、ここでは院長の話を聞き、訪問看護を見学し ということが、その方にとって、大きな価値があ た。院長の話は歴史についてがメインとなってお るのだと改めて分かった。訪問看護の見学終了 り、その中で行政についての言及があった。やは 後、一般病棟や療養病棟、外来も見学させていた り、保健・医療・福祉のこととなると、行政の問 だき、入院中だけでなく、退院後も訪問看護など 題は当然のように発生するのだと知った。訪問看 の支援が受けられるよう、病棟の看護師から入院 護では、班のメンバーが別れ、個別についていく 中のことなどをケアマネージャーさんは伝えられ ことになったが、やはり密度の濃いものになり、 ていると知った。退院される方にとって、本当に とても良かった。夏にもこの企画に参加したが、 必要な支援を今後も受け続けていけるよう、援助 その時は、見学の班全員で往診についていってい が必要と分かった。見学させていただいた病院で た。おそらく、個別に見学させてもらったほう は、比較的スタッフの人数も確保されていたが、 が、より密度の濃い実習になると思う。自分のつ 山古志支所にて、医療スタッフが足りないという いていった看護師さんからは、苦労話、患者さん 現状を実感した。それぞれの病院でも、医療ス と喜び合った話など、色々な話を聞かせていただ タッフが継続して働いていけるよう、工夫がなさ き、現場へのモチベーションが上がったと感じ れていることを聞いたが、現状は厳しく、住民の た。 方が安心して暮らすためには、診療所や医療ス 今までの自分は、行政に対する認識が不足して タッフを増やすことを急がないといけないという いたように思う。他にも、報道からでは得ること ことを学んだ。 のできない、真実の、生の現状を実際に自分の目 ワークショップでは、他の学部、学科の方の発 で見ることができたし、新しい発見となったと思 表を聞き、自分は他人に対して、もっと適切に説 う。 明や発表ができなければいけないと感じた。 最後に、このような企画を提供してくださっ 黒 澤 和 大 た、各関係者の方々に深く感謝いたします。 今回の実習では、地域医療の現場を実際に見れ た こ と が 一 番 の 収 穫 で し た。最 近 CBT Dチーム Dチーム (Computer Based Testing)のために机上の勉強 大 島 瞳 が多かった私にとって、湯沢の医療を肌で感じる 地域医療フィールドワークに参加して、これま ことができたのは大変有意義なことでした。 で考えたことのなかった視点で見ることができ 地域医療というと寝たきりのおじいちゃんやお た。訪問看護に同行させていただいて、ケアマ ばあちゃんを訪問治療したり、医療者の数が足り ネージャーさんと在宅療養をされている方との会 ず現場にある限られた器材で悪戦苦闘するという 話を聞いた。在宅療養をされている方にとっての イメージが強かったのですが、実習後にはそのイ 不安、通院や入浴についての苦労についてを中心 メージがかなり変わりました。行ったところが湯 に話されていて、生活に密着しているということ 沢だったせいもあるのでしょうが、病院は立派、 を実感した。その方が毎日過ごしている自宅に 器材も新しく高価で、スノーボーダーによる若年 は、危険な場所(段差など)はないか確認したり、 者の怪我(脾破裂、腎破裂、骨折、SAH(クモ膜 同居している家族の負担はないか見たりするな 下出血)など)が多いことに驚きました。ボード − 84 − Title:076-085.ec6 Page:85 Date: 2008/09/17 Wed 20:33:42 による怪我は広報活動(例えば、プロテクターをつ 今までの地域医療のイメージとしては、医師不 けるとか、ジャンプを失敗するとどんなひどいこ 足、設備の不足、医師の負担が大きいといったも とになるのか)のしかたによって、地方財源を減ら のであったが、湯沢町保健医療センターを訪れて すことなく減少可能ではないかと感じました。ま みると、そこでの医療は自分の想像していたもの た、高齢者は冬に死にやすいこと、冬には療養入 とは全く異なっていた。充実した設備があり、ス 院する患者さんが増えるが、春には大部分が退院 タッフの数も予想以上に多く、それまで地域医療 し、それを繰り返すので医療者と患者さんの間の に対して持っていたネガティブなイメージは一変 コミュニケーションや治療がはかどることなどは した。この病院では医師の勤務体制もしっかりと 新たに知りました。 確立しており、勤務時間外に呼び出されることは 湯沢の病院で診察を見学したときには、たまた ないという。良い医者には患者が多く集まり、勤 ま観光に訪れていた中国人の若い女性たちがイン 務時間外の診察が多くなる。良い医者だからこそ フルエンザで来院していたのですが、話によると、 勤務時間外でも一生懸命働く、でもそれでは医者 湯沢では70歳以上の高齢者の方たちが患者さんの 自身が疲れてしまい、長い期間働くことができな 主流ということでした。ただし、同じ80歳のおば いんだ、というのがセンター長の考え方であると あちゃんでも湯沢のおばあちゃんは元気な方が多 聞いた。とても合理的な考えだと思い、多くの地 いらしく、安易に年齢だけでは身体年齢は計れな 域でこのようなことが取り入れられれば、地域医 いことに気付かされました。 療にもっと多くの医師が集まっていくのではない ワークショップ全体を通して大変楽しめたので かと思う。実際にはその地域の財政の問題などで すが、もう少し積極的に意見を発表したほうが良 実現は難しく、湯沢は稀なケースかもしれないけ かったなあと反省しています。講義形式で行うよ れど、地域医療の充実の方法の一つとして重要だ りも、今回のように参加型の形式にしたのは正解 と思った。 だと感じています。今回はありがとうございまし 三日間のワークショップを通して、現場の先生 た。 方や患者さんの声、あるいは同じ学生の様々な考 え方を知ることができた。将来自分の職場を選択 高 橋 一 也 する際に、きっと参考になると思う。参加して本 今回のワークショップに参加してみて、今まで 当に良かったと思う。 はよく耳にしてはいたものの全く実感のなかった 地域医療について、少しは理解できるようになっ 3.セッション8 たと思う。特に二日目のフィールドワークでは、 「WS のまとめ」 11:15 ∼ 11:45 新潟の山間部における医療の現状、また同じ山間 ポストアンケートを行い、参加者が感想を述べ 部でも地域によって大きな格差があることを感じ た。修了書を授与しワークショップ・フィールド た。 ワークを終了した。 − 85 − Title:086-087.ec6 Page:86 Date: 2008/09/17 Wed 20:34:24 じゃんけん自己紹介 全員の名前 ワークショップ 地域支援テレビシステム実習 フィールドワーク出発前の風景 山古志診療所 佐藤先生 − 86 − Title:086-087.ec6 Page:87 Date: 2008/09/17 Wed 20:34:31 山古志支所① 山古志支所② Bチーム:魚 沼 Dチーム:湯 沢 Dチーム:ゆきぐに大和 Aチーム:松 代 − 87 − Title:088-089.ec6 Page:88 Date: 2008/09/17 Wed 20:35:08 「学生によるワークショップ・フィールドワーク」 アンケートについて 各回のワークショップ・フィールドワーク前後で、学生の地域医療に対する意識に変化が見られ たかどうかを調査するために、アンケートを実施した。 ・対象および方法 対象は、平成18年度の各回のワークショップ・フィールドワークに参加した4 1名(男性1 8名、女 性2 3名)。医学部医学科2 2(男性18名、女性4名) 、保健学科8名(女性8名) 、歯学部口腔福祉生 命学科11名(女性11名)。 各回のワークショップ開始時(プレアンケート)とワークショップ終了時(ポストアンケート) に、同一の内容のアンケートを実施した。アンケートは、地域医療について特化したオリジナル で、地域医療、地域医療人に対するイメージ、コミュニケーション、将来の進路などについて、計 1 9の質問項目からなる。それぞれ、visual analogue scale(VAS)を用いて回答する形式とした。 各項目について、それぞれプレアンケートとポストアンケート間で Wilcoxon の符号付順位検定を 用いて比較検討した。統計ソフトとしてヒューリンクス社の「SYSTAT 1 1 Windows 日本語版」 を用いた。その他に、プレアンケートでは地域医療についての自由意見を記入式で設問した。また ポストアンケートでは、今回のワークショップ、フィールドワークを友達や後輩にすすめられるか について VAS 形式で設問した。また、自由意見を記入式で設問した。 ・結 果 各項目では、3.地域で働く医療人は楽しそうである、5.地域医療には夢がある、6.地域医療 にはやりがいがある、 7.地域医療を担うをしたら自信がある、 8.地域医療を担うには他職種と の連携が大切であると思う、 13.将来働きたい場所は:へき地、 1 5.将来働きたい医療機関は: 診療所、の7項目で、ポストアンケートの方が、VAS が有意に高値であった。また、1.地域で働 く医療人は大変である、4.地域で働く医療人は孤独である、1 2.へき地勤務によって、医療人の 能力は低下すると思う、 14.将来働きたい場所は:都市部、 1 8.将来働きたい医療機関は:大規 模病院、の5項目で、ポストアンケートの方が、VAS が有意に低値であった(表1)。今回のワー クショップ、フィールドワークの経験から、以前よりも、地域医療、チーム医療へのどちらかとい うとマイナスのイメージが払拭され、前向きな気持ち、意欲、やりがいが得られているのではと考 えられる。 ポストアンケートでは、今回のワークショップ・フィールドワークを友達や後輩に薦められます か、という質問項目を設け、VAS 形式で回答してもらった。結果は855 . ±1 39 . と高値であった。 − 88 − Title:088-089.ec6 Page:89 Date: 2008/09/17 Wed 20:35:09 表1 アンケート結果 − 89 − Title:090編集後記.ec6 Page:90 Date: 2008/09/17 Wed 20:35:44 編 集 後 記 平成18年度は、8月、9月、3月と3回のワークショップ・フィールドワークを実施することができまし た。 各回とも大きなトラブルや事故もなく、学生にとって非常に有意義な地域医療体験実習となりました。こ れもひとえに実習を受け入れていただき、貴重な時間を割いてご協力いただいた各地域医療病院・診療所、 また各地域の行政の皆様の御協力の賜物です。本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。 学生は、今回のワークショップ・フィールドワークを通して、地域医療へのともすれば否定的になりがち なイメージを払拭し、前向きな気持ちや親しみを感じ始めているようです。その様子は、この報告書の各所 に表れていると思います。 現在の新潟県・国全体の現状を考えると、学生が今回のワークショップ・フィールドワークで得られた志 はまだまだ小さいものかもしれませんが、これからこの志が大きく広がっていくことを切に願っています。 平成19年度も、このワークショップ・フィールドワークを続けていく予定です。そのときにはまた皆様に はお手間を取らせることにもなりますが、御協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。 新潟大学医歯学総合病院 地域医療教育支援コアステーション 井 口 清太郎 藤 澤 純 一 太 田 求 磨 − 90 − Title:赤ひげ表紙.ec6 Page:4 Date: 2008/09/18 Thu 13:18:30
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