項目名 英文名 別名ほか イチョウ葉(イチョウ葉エキス)とは 効き目は

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項目名
イチョウ葉(イチョウ葉エキス) 銀杏(葉) 英文名
GINKGO leaf (GINKGO leaf extract) 別名ほか
ギンキョウ:銀杏(Ginkyo),ギンコ(Gingko),ギンコ・ビローバ(Gingko biloba),Adiantifolia,Bai Guo Ye,Fossil Tree,Ginkgo biloba,Ginkgo folium,Ginko biloba,Japanese Silver Apricot,Kew Tree,Maidenhair Tree,Salisb uria,Salisburia adiantifolia,Yinhsing イチョウ葉(イチョウ葉エキス)とは
ハーブです。一般的に,葉を用いてくすりを作ることもあります。ただし,種を用いてくすりを作ることもありますが, これについては十分に研究されていません。この情報は,葉のみで作られたくすりについてです。 効き目は
アルツハイマー病の患者の記憶や社会的判断力が失われるのを遅らせるといういくつかの科学的実証データが あります。また,高齢者にみられる通常な記憶の喪失にも有効であり,若齢者の思考能力を高める可能性があ ります。血流不良のため歩行時に脚の疼痛がある患者にも有効である可能性があります。この状態の患者が疼 痛の緩和により長く歩くことができるようになると考えられます。平衡感覚に障害のある患者にも有効であり,月 経前症候群(PMS)の症状(とくに胸部圧痛)も一部軽減するほか,黄斑変性の患者の遠方の視力の改善,糖尿 病の患者の色覚の改善,一部の抗うつ薬(Prozac,パキシル,Zoloftなど)で生じる性的な副作用の改善に有効 です。十分な情報は得られていないので,注意欠陥過活動障害(ADHD),血液凝固,心臓疾患,高コレステロー ル,動脈の「硬化」,うつ病,高山病など,その他の症状に,葉が有効かどうか明らかになっていません。 有効性レベル③ 効くと断言できませんが,効能の可能性が科学的に示唆されています
・アルツハイマー病およびその他の形態の痴呆症。 ・高齢による思考障害の改善。 ・若齢者の思考能力の改善。 ・レイノー症候群(とくに手足の指が寒冷に反応して疼痛を起こす)。 ・血流不良のため,歩行時に生じる脚の疼痛(跛行)。 ・めまい,めまい感。 ・月経前症候群(PMS)。 ・糖尿病の患者の色覚を改善します。 イチョウ葉(イチョウ葉エキス) [銀杏(葉)]
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・いくつかの眼疾患を治療します(緑内障および糖尿病による目の損傷)。 有効性レベル④ 効かないかもしれません
・耳の中で音が響くこと(耳鳴)。 ・季節性感情障害(SAD)の患者の冬季うつ病。 ・抗うつ薬に関連する性的障害。 ・登山者の高山病予防。 科学的データが不十分です
・加齢性黄斑変性(AMD),注意欠損多動性障害(ADHD),血餅,心疾患,高コレステロール,動脈の硬化(アテ ローム性動脈硬化症),結腸がんおよび直腸がんの進行,聴力損失,およびそのほかの症状。 体内での働き
血流を改善するようです。そのため,脳,眼,脚の機能の改善に有効と考えられます。思考を妨げる脳の変化を 抑制することによってアルツハイマー病の進行を遅らせる可能性があります。 安全性
ほとんどの人に安全のようです。腹痛,頭痛,めまい感,便秘,強制収縮(期外収縮),アレルギー性皮膚反応な どの何らかの軽度の副作用が起こるこことがあります。イチョウが血液の粘度を下げ,血液凝固を形成する能力 が低下し,あざや出血のリスクが高まるという懸念があります。イチョウを使用し,眼内出血や脳内出血,手術時 の過剰出血が生じた人も数人います。妊娠しているときや,赤ちゃんに母乳を飲ませている女性は使用してはい けません。 2週間以内に手術を行う予定の人は使用してはいけません。出血のリスクが高くなります。 出血の問題がある人は使用してはいけません。 てんかんのある人,またはこれまで発作が起きたことのある人は使用してはいけません。 妊娠する予定がある人,父親になる予定のある人は使用してはいけません。 糖尿病の人は使用してはいけません。 医薬品との相互作用
・ブスピロン イチョウは脳に影響を及ぼすと考えられていますが,ブスピロンも脳に影響を及ぼします。イチョウとブスピロンな どの医薬品を使用すると,異常にテンションがあがったり,極度に興奮することがあります。この相互作用がイチ イチョウ葉(イチョウ葉エキス) [銀杏(葉)]
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ョウによるものか他の薬によるものかは不明です。 ・フルオキセチン(Prozac) イチョウ葉とフルオキセチンを併用すると,苛立ったり,神経質になったり,神経過敏になったり,興奮したりする ことがあります。科学者はこれを軽躁病と呼んでいます。これが,フルオキセチンと併用したときの問題なのかど うかについては不明です。 ・インスリン イチョウの葉はインスリン分泌に影響する可能性があります。イチョウによってインスリン分泌量が変われば,注 射しなければならないインスリン量を変える必要があります。糖尿病の方で,本品の摂取を望むなら,使用する 前に医師,薬剤師に相談し,定期的に血糖値を測定する必要があります。 ・血液凝固抑制薬(抗凝固薬/抗血小板薬/抗血栓薬) イチョウは血液凝固を抑制する作用があります。血液凝固抑制薬と併用すると,あざや出血する機会が増加す る可能性があります。血液凝固抑制薬には,アスピリン,clopidogrel,ジクロフェナク,イブプロフェン,ナプロキセ ン,dalteparin,enoxaparin,ヘパリン,ワルファリンなどがあります。 ・肝臓で代謝(分解)されやすい医薬品(シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の基質となる医薬品) 医薬品のなかには,肝臓で代謝(分解)されるものがあります。イチョウの葉は肝臓における医薬品の代謝を抑 制する可能性があります。肝臓で代謝されやすい医薬品と併用すると,医薬品の効果や副作用の強さを増大さ せることがあります。肝臓で代謝されやすい医薬品を服用しているときは,イチョウの葉を使用する前に担当医 師・薬剤師に相談してください。肝臓で代謝されやすい医薬品としては,クロザピン,シクロベンザプリン,フルボ キサミン,ハロペリドール,イミプラミン,メキシレチン,オランザピン,ペンタゾシンン,プロプラノロール,タクリン, テオフィリン,zileuton,ゾルミトリプタンなどがあります。 ・肝臓で代謝(分解)されやすい医薬品(シトクロムP450 2C9(CYP2C9)の基質となる医薬品) 医薬品のなかには,肝臓で代謝(分解)されやすいものがあります。イチョウの葉は肝臓における医薬品の代謝 を抑制する可能性があります。肝臓で代謝されやすい医薬品と併用すると,医薬品の効果や副作用の強さを増 大させることがあります。肝臓で代謝されやすい医薬品をのんでいるときは,イチョウの葉を使用する前に担当 医師・薬剤師に相談してください。肝臓で代謝されやすい医薬品としては,アミトリプチリン,ジアゼパム,zileuto n,celecoxib,ジクロフェナク,フルバスタチン,グリピジド,イブプロフェン,irbesartan,ロサルタン,フェニトイン, ピロキシカム,タモキシフェン,トルブタミド,トルセミド,ワルファリンなどがあります。 ・肝臓で代謝されやすい医薬品(シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の基質となる医薬品) 医薬品のなかには,肝臓で代謝(分解)されやすいものがあります。イチョウの葉は肝臓における薬物代謝を抑 制する可能性があります。肝臓で代謝されやすい医薬品と併用すると,その医薬品の作用を強くし,副作用のリ スクを高めることがあります。肝臓で代謝されやすい医薬品をのんでいるときは,イチョウの葉を使用する前に担 当医師・薬剤師に相談してください。肝臓で代謝されやすい医薬品としては,アミトリプチリン,クロザピン,コデイ ン,デシプラミン,ドネペジル,フェンタニール,フレカイニド,フルオキセチン,メペリジン,メタドン,メトプロロール, オランザピン,オンダンセトロン,トラマドール,トラゾドンなどがあります。 ・肝臓で代謝されやすい医薬品(シトクロムP450 3A4(CYP3A4)の基質となる医薬品) イチョウ葉(イチョウ葉エキス) [銀杏(葉)]
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医薬品のなかには,肝臓で代謝(分解)されやすいものがあります。イチョウの葉は肝臓における薬物代謝を抑 制し,結果として医薬品の作用や副作用を増強する可能性があります。肝臓で代謝されやすい医薬品をのんで いるときは,イチョウの葉を使用する前に担当医師・薬剤師に相談してください。肝臓で代謝をうけやすい医薬品 としては,ロバスタチン,ケトコナゾール,イトラコナゾール,フェキソフェナジン,トリアゾラムなどがあります。 ・痙攣発作が起きる可能性を高める医薬品(痙攣誘発薬・発作閾値低下薬) 痙攣発作が起きる可能性を高める医薬品があります。生のイチョウの葉の抽出物を多量に摂取すると,人によ っては発作を起こすことがあります。痙攣誘発薬と併用すると,発作を起こすリスクが大幅に増えるかもしれませ ん。生のイチョウの葉は,痙攣誘発薬と併用してはいけません。痙攣発作を誘発しやすい薬としては,麻酔薬, 抗不整脈薬,抗生剤,抗うつ薬,抗ヒスタミン薬,免疫抑制薬,麻酔薬,刺激薬(メチルフェニデート),テオフィリ ンなどがあります。 トラゾドン トラゾドンは脳内の化学物質に影響を及ぼします。イチョウも脳内化学物質に影響すると考えられています。した がってトラゾドンと併用すると,脳の重篤な副作用を起こす可能性があります。トラゾドンとイチョウを使用し,昏睡 に陥った例が一例あります。トラゾドンをのんでいる人はイチョウを使用してはいけません。 ・利尿薬(チアジド系利尿薬) イチョウの葉と利尿薬とを併用すると,高血圧を起こす可能性があります。しかし,その相互関係が重要な意味 をもつかどうかは不明です。これらの利尿薬には,クロロチアジド,ヒドロクロロチアジド,インダパミド,メトラゾン, クロルタリドンがあります。 ・ワルファリン ワルファリンは血液凝固を抑制するために使用されます。イチョウの葉の抽出物も血液凝固を抑制することがあ ります。ワルファリンと併用すると,あざや出血の機会が増加するかもしれません。治療のためにこの医薬品を 服用している方で,本品の摂取を望むなら,使用する前に医師,薬剤師に相談し,定期的に血液検査をする必 要があります。 服用量の目安
経口摂取: 認知症→1日120∼240mg,2∼3回に分けて摂取 (1514,1515)。 間欠性跛行→歩行時の痛みを緩和することを目的としてイチョウ葉エキスを使用する場合,1日120∼240mgを2 ∼3回に分けて摂取。しかし,これより摂取量を多くした方が高い効果が得られる可能性もあります(3461)。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)→性機能障害を改善することを目的としてイチョウ葉エキスを使用す る場合,通常1回60mg,1日2回の摂取から開始し,その後徐々に増量し,最大1回240mg,1日2回とすることがで きます(212)。 認知機能→健常な若年者が改善を目的として使用する場合,1日の摂取量は120∼600mg(6214,6215,8236)。 めまいや耳鳴り→1日120∼160mgを2∼3回に分けて摂取 (221)。 高山病の予防→1回80mgを1日2回 摂取(6230)。 月経前症候群(PMS)→1回80mgを1日2回で,月経開始日の16日後から次回の月経開始5日目まで続けて摂取 (6229)。 注意欠陥多動障害(ADHD)→1回50mgのイチョウ葉エキスを,1回200mgのアメリカ人参とともに,1日2回摂取 ( イチョウ葉(イチョウ葉エキス) [銀杏(葉)]
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8235)。 正常眼圧緑内障→1回40mgのイチョウ葉エキスを1日3回,最大4週間摂取(10378)。 レイノー病→1日360mgのイチョウ葉エキスを3回に分けて摂取 (11363)。 すべての使用に対する注意→胃腸に対する有害作用を回避するために、イチョウ葉エキスの摂取は1日120mg 以下の低い摂取量から開始します。その後,必要に応じて摂取量を徐々に増やします。イチョウ葉を原料とした サプリメントでは,製品によって摂取量が異なる可能性があります。臨床試験のほとんどが,イチョウ(Ginkgo bi loba)葉エキスの標準品を用いて実施されています。加工されていないイチョウ葉を原料とした1:5チンキ剤の標 準品が使用される場合もあり,その摂取量は1回0.5mLで1日3回とされています(5011)。患者には,このチンキ 剤に含まれる未加工のイチョウ葉をそのまま摂取しないよう注意を呼びかける必要があります。イチョウ葉の有 害成分であるギンコール酸の含有量が5ppmを超えている場合があり,重篤なアレルギー反応を引き起こすおそ れもあるからです(5714)。 イチョウ葉(イチョウ葉エキス) [銀杏(葉)]