2015年4月16日 「電池の進化」

電池の進化
2015年4月
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はじめに
近年、スマートフォン、音楽プレイヤー、タブレットなど多種多様な電子機
器を常に持ち歩くことが当たり前になってきました。
お仕事でも紙を使用せず、ノートPCやタブレットでプレゼンテーションなど
されている方が増えているのではないでしょうか。
今回はそんな現代社会を支えているもののひとつ。
電池の進化についてご紹介します。
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電池の大別
■一次電池
充電ができない使いきりの電池。
一般的に乾電池と呼ばれ、単1形~単4形やボタン電池など様々な形状があり
広く使用されています。
みなさんもリモコンや壁掛け時計にお使いのことと思います。
■二次電池
充電して繰り返し使用が可能な電池。
引き続き、二次電池の種類についてご紹介いたします。
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主な二次電池の種類
①鉛蓄電池
19世紀に登場し、20世紀には自動車の発達などに伴い技術や普及が進み
現在でも自動車のバッテリーとして広く使用されている大容量蓄電池。
<特徴>
大電流の使用が可能で、継ぎ足し充電による電力低下(メモリー効果)がない。
放電により電極に硫酸鉛の結晶が生成され性能が劣化する。(※)
(※)私も先日、車のバッテリー電圧が低下し、エンジンがかからなくなってしまいました。
②ニッケルカドミウム電池
1960年代から普及した電池。
コードレス電話・電動工具などに使用されている。
<特徴>
性能低下が少ない、大電流の使用が可能、低温環境での電圧降下が少ない。
メモリー効果が顕著、カドミウムの有害性。
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主な二次電池の種類
③ニッケル水素電池
1990年代に登場し、携帯電話、ノートPC、デジタルカメラなどの普及に貢献した他
ハイブリッドカー、電気自動車にも使用されている。
<特徴>
長寿命、大電流の用途に向いている、環境負荷が小さい。
自然放電が大きい、メモリー効果が発生する。
④リチウムイオン電池
1990年代以降の小型電子機器の普及により大容量・小型化する
性能需要とともに登場し、様々な電子機器に使用されている。
<特徴>
自然放電・メモリー効果が小さい、エネルギー密度が高い、氷点下でも使用が可能。
満充電保存による劣化、過充電や短絡時の発熱の危険性。
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数値による比較
(表1) 二次電池の性能評価
鉛蓄電池
ニッケルカドミウム
ニッケル水素
リチウムイオン
重量エネルギー密度
(Wh/kg)
40
60
60~120
100~250
体積エネルギー密度
(Wh/l)
75
150
150~300
250~350
出力荷重比
(W/kg)
180
150
250~1000
250~350
70~90
70~90
66
90
自己放電率
(%/月)
3~4
20
30
8
サイクル耐久性
(充電・放電回数)
800
1500
1000
1200
充電/放電効率
(%)
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小型二次電池の進化
(表2) 小型二次電池の販売数量の推移 (千個)
1400000
1200000
1000000
800000
600000
400000
ニッケルカドミウム
200000
ニッケル水素
リチウムイオン
2010
2005
2000
1995
1990
0
リチウムイオン電池は登場以来、爆発的に普及しています。
携帯電話、ノートPCなどのモバイル機器が広く普及した背景の中で、
それら製品に求められる性能とリチウムイオン電池の特性がマッチしたといえます。
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小型二次電池の進化
(表3) 小型二次電池のエネルギー密度の推移 (Wh/l)
700
600
500
400
300
200
ニッケルカドミウム
ニッケル水素
リチウムイオン
100
2010
2005
2000
1995
1990
1985
1980
1975
0
リチウムイオン電池の性能向上は、モバイル機器の小型化に大きく貢献し
今現在も進化を続けています。
エネルギー密度という特性において優位に立つリチウムイオン電池ですが、
更に上を行く技術が開発・研究されてきています。
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今後の技術
★金属空気電池
正極に空気、負極にリチウムなどの金属を配し、酸素とリチウムの化学反応により電
力を生む方式の電池。
大気中の空気を利用するため、電池構造の大部分を負極活物質に使用が可能となり、
エネルギー密度の向上、小型化が期待されています。
★全固体電池
従来の電解液の代わりに固体の電解質を用いた電池。
電解液の入れ物となる構造が不要となるため、エネルギー密度の向上、小型化に加え、
液漏れの心配もなくなり安全性、耐久性の向上が期待されています。
両者ともリチウムイオン電池の数倍のエネルギー密度が見込まれており
これからの未来が楽しみですね。
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結び
今回ご紹介した二次電池。
充電することで繰り返し使うことが出来ますが、形あるものの宿命、
寿命や故障は避けられません。
廃棄の際は正しくリサイクルを行なうことが重要です。
また、技術の進歩によりモバイル機器が溢れる世の中ですが
歩きスマホといった行為は、周りの迷惑にとどまらず
自身に事故を招く危険性もあります。
電子機器だけでなくマナーも携帯する心がけをお願いいたします。
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