営農技術情報 - 平成25年 畑 作 7月号 - 7月 1日発行 上川農業改良普及センター名寄支所 ℡01654-2-4524 JA道北なよろ ℡01655-3-2521 1 秋まき小麦 (1)アブラムシ防除(臨機防除) ほ場を観察して1穂当たり 7~11 頭のアブラムシが寄生すると減収するので防除 を実施しましょう。 【アブラムシの防除薬剤例】 薬剤名 スミチオン乳剤 エルサン乳剤 系統名 使用倍率 使用時期 使用回数 有機リン 有機リン 1000 倍 1000 倍 7 日前 7 日前 1回 4回 (2)収穫(適期収穫、適性乾燥) 収穫作業に向けて 登熟が不揃いの場合は、登熟の進んだ部分から収穫する。 ほ場の観察と子実水分の状況を調べ、適期収穫に努める。 コンバイン収穫時の子実水分は 30%未満が望ましい。 倒伏・穂発芽・赤かび病などの異常麦は別刈りとし、正常な小麦に混入しないよう にする。 高水分小麦は、異臭麦発生の原因となるので 3 時間以上放置(長期堆積)しない。 ほ場内にレキなど収穫作業時に障害となるものがないか予め確認する。 2 豆類(大豆・小豆) (1)中 耕 遅い時期の中耕は、断根による養分吸収阻害と落花を招くので、開花始め(平年 値 大豆:7/15、小豆:7/25)10 日前には終えましょう。 (2)追 肥 ・根粒菌の活性は開花期頃が最大となり、その後低下します。 ・根粒菌の着生が悪く、葉色の薄いほ場や地力の低いほ場では、追肥を実施し、子 実肥大・収量確保に努めてください。 種 類 大 豆 追肥時期 追肥量 開花始め頃(7 月中~下) 窒素 5kg/10a 程度 小 豆 第 3 本葉展開前後 窒素 5kg/10a 程度 (3)病害虫防除 ①べと病(大豆) ・多雨や密植・過繁茂など風通しの悪い多湿条件下で多発します。 ・生育初期に感染した場合や多発生した場合は収量が低下するので、1 枚の葉の病 斑数が 30 個に達した時点で薬剤散布を実施しましょう。 ②茎疫病(大豆・小豆) ・早い段階からほ場の排水対策を講じ、初発の確認と適期防除に努めましょう。 ③ツメクサガ(大豆・小豆) ・7 月上旬~下旬、8 月中旬~9 月上旬の年 2 回発生します。開花期から莢伸長期に 葉を食害されると収量に影響しますので発生状況を確認の上、防除を実施しまし ょう。 -1- 【豆類の病害虫防除薬剤例】 病害虫名 薬剤名 系統名 使用倍率 使用時期 使用回数 べと病 プロポーズ顆粒水和剤 グリーンペンコゼブ水和剤 酸アミド・他合成 有機硫黄 1000 倍 400 倍 21 日前 45 日前 2回 3回 茎疫病 リドミルゴールド MZ 水和剤 硫黄・酸アミド 500 倍 大豆:45 日前 小豆:30 日前 3回 有機リン 1000 倍 大豆:30 日前 小豆:21 日前 3回 ツメクサガ トクチオン乳剤 注:リドミルゴールド MZ はべと病にも登録あり 3 ばれいしょ (1)病害虫防除 ①疫病を中心とした防除 疫病は低温多湿で急速にまん延するため、発生を確認してからの防除では手遅れ になります。本年は萌芽が遅く、少雨傾向が続いているため、疫病の初発は早くな 初発前に必ず防除:感染が疑われる場合は、治療効果のある薬剤を使用 作物の生育に応じた薬剤選択:茎葉の生長段階では浸透移行性のある薬剤を使用 降雨状況に応じた薬剤選択:ほ場に入れない状況が予想される場合は、Wインター バル(14 日間の防除間隔)効果のある薬剤および倍率で使用 他の病害を同時防除する薬剤の選択:開花期以降は菌核病の同時防除(フロンサイ ド水和剤) いと予想されますが、以下の点に注意して効率の良い防除体系を組みましょう。 ②軟腐病 軟腐病は高温多湿条件が続くと多発します。特に窒素過多や倒伏により発生しや すくなります。下葉(地際)の発病状況に注意し、初期防除の徹底に心がけ、生育 量に応じて散布水量を調節しましょう。 ③アブラムシ類 7 月上~中旬には、3 種類のアブラムシ全てに効果がある薬剤で防除を行いましょ う。薬剤は浸透移行性があるものが望ましい。 【疫病・軟腐病の防除薬剤例】 病害名 疫病 軟腐病 薬剤名 系統名 グリーンペンコゼブ水和剤 硫黄 フロンサイド水和剤 その他 プロポーズ顆粒水和剤 酸アミド・他合成 ホライズンドライフロアブル 使用倍率(倍) Wインター バル 500~600 - 使用 時期 使用 浸透 効果 回数 性 発現 7日前 10回 × 予 × 予 1000~2000 1500 14日前 4回 750~1000 750 7日前 3回 メトキシ・その他 1000~2500 - 14日前 4回 ○ 予治 ランマンフロアブル シアノイミダゾール 1000~2000 1000 7日前 4回 × 予 リライアブルフアブル その他 800~1000 800 7日前 3回 ○ 予治 スターナ水和剤 その他 1000 7日前 5回 △ 予治 カスミンボルドー 抗生・無機銅 500~800 7日前 3回 ○× 予治 ○× 予治 注:フロンサイド水和剤、プロポーズ顆粒水和剤、ランマンフロアブル、リライアブルフアブルは塊茎腐敗に効果がある。 -2- 【アブラムシ類の防除薬剤例】 薬剤名 系統名 ゲットアウトWDG 合ピレ ウララDF 使用倍率 (倍) 使用 時期 使用 浸透 効果 回数 性 発現 残 効 性 アブラムシ種類 ヒ モ ワ ゲ モ タ 3000 7日前 4回 × 速 長 ◎ ○ ○ その他 2000~4000 7日前 2回 ○ ※ 長 ○ ◎ ◎ エンセダン乳剤 有機リン 1500 7日前 6回 ○ 速 中 ◎ ○ ○ コルト顆粒水和剤 その他 4000 前日 3回 ○ 速 長 ◎ ◎ ◎ アドマイヤー顆粒水和剤 ネオニコチノイド 5000~15000 14日前 2回 ○ 速 長 ○ ◎ ◎ 注 1:ヒゲ:ジャガイモヒゲナガ、モモ:モモアカ、◎:優れる、○:有効、 (ホクレン資料参照) 注 2:同系統の薬剤の連用は避け、他系統薬剤とのローテーション防除を心がける。 ※ウララ DF は、アブラムシ類の吸汁を阻害し、衰弱死に至らせるまでに見かけ上は数日かかるが、吸汁阻害は速効 的である。 4 てんさい (1)病害虫防除 ①根腐病 防除を実施していないほ場は、7 月上旬に防除を実施しましょう。 【根腐病の防除薬剤例】 薬剤名 系統名 使用倍率 使用時期 使用回数 リンバー顆粒水和剤 酸アミド 4000 倍 7 日前 3回 ②褐斑病 高温多雨条件で多発するので、7 月上旬頃からほ場を観察し、早期防除を実施。 【褐斑病の防除薬剤例】 薬剤名 グリーンペンコゼブ水和剤 ホクガード乳剤 プランダム乳剤 25 カスミンボルドー フリントフロアブル 25 系統名 硫黄 DMI DMI 無機銅・抗生 メトキシアクリレート 使用倍率(倍) 400~500 1000~1500 3000 800 1500~2000 使用時期 使用回数 30 日前 21 日前 7 日前 7 日前 21 日前 5回 2回 3回 5回 3回 注:ホクガード乳剤とプランダム乳剤 25 は同系統なので、連用は避ける。 ③ヨトウガ 例年 6 月下旬頃から第 1 世代の発生が始まります。ほ場をよく観察して、食害を 受けた株が 30%を超えた時点で防除を開始しましょう。 【ヨトウガの防除薬剤例】 薬剤名 ジェイエース水溶剤 マッチ乳剤 ゲットアウト WDG 農薬安全使用 系統名 有機リン IGR 合ピレ 使用倍率(倍) 1000~1500 3000 2000~3000 使用時期 使用回数 45 日前 14 日前 14 日前 3回 2回 4回 ~農薬を使うときの留意ポイント!~ ①農薬使用基準を守りましょう ・必ずラベルを読み、使用量・時期・回数を確認し、適正に使用しましょう。 ②飛散防止に努めましょう ・風の強さや風向きに気をつけましょう。 ・適切なノズル、圧力で散布しましょう。 ・散布の方向や対象作物との距離に注意しましょう。 ・散布量を守りましょう -3③散布後は器具をよく洗いましょう。
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