地球人は科学的に創造された - ラエリアンムーブメント公式ホームページ

intelligent design
地球人は科学的に創造された
創 造 者 か ら の メ ッ セ ー ジ
ラエル 著
Copyright © The Raelian Foundation 2005
本書の著者ラエルは、「1 9 8 8 年の著作権、意匠及び特許法」に基づき、本書の
著者であると認められる権利を主張しています。
この出版物のどの部分も、発行元と著作権所有者に無断で複製、検索システム
内での保存、および、電子的、機械的、コピー、印刷、記録などいかなる形態で
も送ることは法律で禁じられています。
ラエルは異星人エロヒムとコンタクトした 19 7 0 年代に、彼らからのメッセー
ジとして本を出版しました。 ①『真実を告げる書』 ②『異星人が私を彼らの惑星
へ連れて行った』 ③『天才政治』 ④『異星人を迎えよう』 ⑤『官能瞑想』の五冊
です(丸数字は出版順)。
本書は、 ① ② ④ の三冊を合本にした英語版『 INTELLIGENT DESIGN 』
の日本語版です。
ISBN 978-4-900480-36-0
発行元:無限堂
連絡先:mugendo @ rael. org
◉オリジナル英語版
編集長・プロジェクトマネジャー:Cameron Hanly
プロジェクトアシスタント:Line Gareau
翻訳チェック:B.B
校正:Panteha Naghi
構成・デザイン:Cameron Hanly and Rob Chalfant
表紙デザイン:Rael and Cameron Hanly
◉日本語版
監修・制作:日本ラエリアン・ムーブメント
目 次
第一部 真 実 を 告 げ る 書
第1章 遭 遇 11
第2章 真 実 18
創世記 18
ノアの大洪水 25
バベルの塔 28
ソドムとゴモラ 29
い
にえ
アブラハムの生け贄 30
第3章 選民を見守る 31
モーセ 31
エリコのラッパ 36
テレパシー能力者サムソン 37
エロヒム歓待のための最初の住居 40
メッセンジャーだったエリヤ 42
パンを増やす 44
エゼキエルの「空飛ぶ円盤」 46
最後の審判 52
サタン 55
人類には理解できなかった 57
第4章 キリストの役割 62
受 胎 62
手ほどき 63
人類は地球人だけではない 66
3
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
科学による奇蹟 68
遺産を受け継ぐ資格 70
第5章 世界の終末 75
新しい時代の元年である1946年 75
教会の終末 76
イスラエル国の創設 78
あやま
教会の過ち 80
全宗教の起源 82
人間──宇宙の病気 83
進化、それは一つの神話 85
第6章 新しい指針 89
天才政治 89
人道的人類主義 91
世界政府 93
あなたがたの使命 94
第7章 エロヒム 98
原 爆 98
人口過剰 99
不死の秘密 101
化学的教育 106
ラエリアン・ムーブメント 107
第 二 部 異星人が私を彼らの惑星へ連れて行った
第1章 幼少より最初の遭遇まで 113
イントロダクション 113
4
目 次
あれからもう 2 年 113
子供の頃、アンベール上空のUFO 115
ドルイド教団の法王 116
詩 117
最初の遭遇 127
講演活動 130
第2章 2 度目の遭遇 132
1975年 7 月31日の目撃 132
第二のメッセージ 135
仏 教 140
神も霊魂も存在しない 142
地上の楽園 146
別世界 149
古代の預言者たちに会う 151
楽園を味わう 158
新しい律法 165
イスラエルの民へ 166
第3章 鍵 170
はじめに 170
人 間 171
誕 生 172
教 育 172
官能教育 174
開 花 176
社会と政府 182
瞑想と祈り 186
5
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
エロヒムとのテレパシー交信の仕方 187
芸 術 188
官能瞑想 189
人間の正義 191
科 学 193
人間の頭脳 194
アポカリプス 194
テレパシー交信 196
むく
報 い 200
ガイド 208
(中・口 絵) 211
第三部 異 星 人 を 迎 え よ う
第1章 質問に答えて 219
第 一と第 二のメッセージの間の見かけ上の矛盾 219
エロヒムによる創造の年代決定について 222
イスラエルの民とユダヤ人 223
ラエリアン・ムーブメントと金 223
時空内に一定不変なものは存在しない 225
ひたい
細胞設計図のトランスミッションと額骨 227
地球は、神の指先の微粒子か? 229
はこぶね
ノアの方舟──宇宙船? 230
死後の生──すなわち夢と現実? 231
エロヒムの科学的発展のレベル 232
神も霊魂も存在しない。
ただ、エロヒムと遺伝子コードが存在するのみ 6
234
目 次
無限の宗教 236
伝統的宗教の将来 237
ラエリアン・ムーブメントと天才政治 238
創造者の創造者を誰が創造したのか? 240
生きることは何の役に立つのか? 243
快楽とは何か? 244
死とは何か? 249
性の自由──それは義務ではない 257
ラエリアン・ムーブメントと同性愛 258
にせ
理神論者と進化論者──すなわち偽預言者たち 259
自 殺 260
第2章 新しい啓示 262
悪魔は存在しない、私は彼に会った 262
天にまします我が父よ 274
地球人へ、ヤーウェからのメッセージ──最終核戦争の啓示 276
第3章 無神論の宗教 290
翼のない天使たち 290
ま
ひ
責任感の麻痺 295
第4章 その後のメッセージ 307
1976年 1 0月 7 日の出現 307
19 7 8 年 3 月14日のエロヒムのメッセージ 308
新しい律法の修正 309
19 9 7 年 12月13日のエロヒムのメッセージ 309
国連について──ラエル、2005 年 9 月 313
著者あとがき 314
7
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
2009年 4 月12日、ラエルが
ユダヤの人々への最終メッセージを受け取る 322
2 0 1 5 年8月6日、ユダヤ人へのエロヒムからのメッセージ 325
第5章 ラエリアンの注釈と証言 328
科学から見たラエリズム 328
ある「司祭」の印象 335
そうだ、私はラエリアンなのだ! 340
我が聖職の再確認 345
放射能で死なないために積極的に生きる 350
マルクス主義からラエリアン運動へ 353
生存のための新しい技法 354
追加情報 357
セミナーと各国のラエリアン・ムーブメントの連絡先 358
謝 辞 359
ラエルのその他の著作 360
参考文献 362
索 引 363
8
第 一 部
真 実 を 告 げ る 書
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
Vichy
(ヴィシー)
N9
Paris
Lyon
Bordeaux
Riom
N 89
141 B
N 89
Circuit de
Charade
Clermont Ferrand
(クレルモン・フェラン)
D9
83
N9
Puy de Lassolas
(ピュイ・ド・ラソラ)
初めてラエルが異星人のひとりと遭遇した場所
1973年12月13日、フランスのクレルモン・フェランに近いピュイ・ド・ラソラの噴火口にて。
10
第一部:真実を告げる書
第1章
遭 遇
私は 9 歳の時からずっと、スポーツカーレースに熱中してきました。3 年前
せっ さ たく ま
にこの分野の専門誌を創刊したのも、人々が他人を追い抜こうと切磋琢磨する、
非常に刺激的な環境に身を置きたいと思ったからです。私は幼い頃から、いつ
あと
の日かレーサーになって、あのファンジオのような人の跡を継ごうと夢見てい
ました。私が創刊した雑誌の関係で、私自身もレースに参加する機会があり、
いつも良い成績で、現在の私のアパートには、約 1 0 個の優勝カップが飾って
あります。
1 973 年 12 月 13 日の朝、私は、クレルモン・フェランを見下ろす火山の中
へ入って行きました。ドライブを楽しむというよりは、新鮮な空気を吸いたく
なったからでした。なにしろ、この 1 年間はほとんど車に乗りづめで、サーキ
ットからサーキットへと、レースを追い求めていたあとだったので、歩くと両
脚がむずがゆく感じました。
あた
空気はひんやりとしていて、空は灰色がかり、辺りには霧が立ち込めていま
はず
した。私は歩き、少しばかりのジョギングをし、車を止めた道から外れて、ピ
ュイ・ド・ラソラのクレーターの中心へと向かって、歩いて行きました。そこ
へは夏場、たびたび家族でピクニックにやって来たことがありました。
なんと壮大でワクワクする場所なのでしょう! 私が立っているその地面は、
何千年も昔には信じがたいほどの高温の熔岩が噴出していたのですから。今で
がん し
も飾り物にしたいような火山弾を、火山岩滓の中に見つけることができます。
は
そこに生えている植物の発育の悪さは、日照りが不足しているプロバンス地方
を思い起こさせました。
たい せき
私はその場から立ち去ろうとして、最後にもういちど、火山岩滓の堆積で作
られた環状の山の頂きを見上げました。この急斜面をスキーのように、何度も
11
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
●エロヒムの宇宙船(著者によるスケッチ)
目もくらむほどまぶしい
点滅する白いライト
A )空中に浮かんでいた時
キラキラ輝く
銀色の金属
輝く銀色の金属だが、
上部の金属とは違って
見える
2.5 m
点滅する赤い
ライト
7m
ライトは消えている
B )宇宙船から異星人が
現れた時(断面図)
椅子に腰を下ろすと
壁が透明になる
地面から2 m
地面から10 cm
C )宇宙船と宇宙服に
きざ
刻まれていたシン
ボル
「上のものは下のものと同様で
あり、すべてのものは循環する」
ことを意味している
※宇宙船の側面に10 cmくらいの大きさ/宇宙服に3 cmくらいの大きさ
12
第一部/第1章:遭 遇
すべ
滑り降りて楽しんだことを思い出しながら。
すると突然、霧の中に点滅する赤い光が見え、ヘリコプターのようなものが
私の方に下降して来ました。ヘリコプターなら音を立てるはずですが、全く何
かす
の音も、微かな風切り音でさえも聞こえませんでした。気球なのだろうか?
その機体は地上から 20 メートルほどの高さになり、平らな形をしているの
が見て取れました。
空飛ぶ円盤だ!
私はずっと前から、空飛ぶ円盤は絶対存在すると信じていましたが、まさか
自分が目撃するとは思ってもいませんでした。直径は 7 メートル程度で、底部
えんすい
が平らであり、上部は円錐形をしていて、高さは 2 . 5 メートルほどでした。底
部には強烈な赤い光が点滅し、頂部にはカメラのフラッシュのような白い光が、
きら
まぶ
パッパッと煌めいていました。その白い光はとても眩しくて、目を細めずには
見ていられませんでした。
機体は全く何の音もなく下降を続け、地上 2 メートルくらいのところで静止
しました。私は驚きのあまり、その場に立ちすくみました。恐怖を感じたので
はなく、
このような瞬間に居合わせることができた喜びで、胸がいっぱいになっ
たからです。ただ、カメラを持って来なかったことがとても残念でした。
それから、信じられないようなことが起こりました。機体下部の上げ戸が開
き、タラップのようなものが地面まで下ろされたのです。何か生き物が出てこ
ようとしているのが分かりました。私は、それがどんな外観をしているのだろ
うかと自問しました。
あし
まず 2 つの足先が見え、さらに 2 本の脚全体が見えました。それで私は、恐
らく人間が出てくるのだろうなと思って、やや安心しました。私が最初は子供
だなと思ったその人物は、ついに姿を完全に現して、タラップを降りて、私の
方に向かってまっすぐに歩いて来ました。
その人物は、 1 メートル 2 0 センチ前後の身長にも関わらず、子供ではない
ことが分かりました。目はやや切れ長の目をしており、髪は黒くて長く、短く
て黒いあごヒゲを生やしていました。彼は私から 10 メートルほど離れたとこ
ろで、立ち止まりました。私は、身動きひとつしませんでした。
つな
さら
彼は、からだ全体を包む緑色の繋ぎを着ており、頭は大気に晒されているよ
ご こう
うでしたが、その周りを不思議な後光のようなものが取り囲んでいました。本
当は後光ではないのかもしれませんが、顔の周りの空気がわずかに輝いて、振
13
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
こま
動しているようでした。それは目に見えない保護物のような、とても細かくて、
ほとんど見えないような泡のようなものでした。皮膚は白く、やや緑がかって
おり、肝臓の悪い人の肌のようでした。
ほほえ
彼が少し微笑んだので、私もお返しに微笑むのが一番良いだろうと考えまし
た。少し気まずい状況でした。私は微笑み、挨拶するように頭を軽く下げまし
た。彼も同じような身振りで応えました。私は、こちらの言うことが分かるの
かどうかを確かめなければと思って、彼に話しかけてみました。
──どこから来たのですか?
彼は力強い声で私に答えました。やや鼻に掛かってはいましたが、ハッキリ
とした発音でした。
「とても遠くから」
──フランス語を話すのですか?
「世界中のあらゆる言語を話せます」
──ほかの惑星から来たのですか?
「はい」彼は答えました。
彼は話しながら、私から 2 メートルのところまで近づいて来ました。
──あなたが地球に来たのは、これが初めてですか?
「いいえ、そんなことはありません!」
──しばしば訪れているのですか?
「大変しばしば、──それでも言い足りません」
──なぜ来られたのですか?
「今日は、あなたと話すためです」
──私と?
「ええ、クロード・ボリロンさん。カー・レースの小さな雑誌の編集者で、結
婚していて、ふたりの子供の父である、あなたとです」
──どうして、そんなに、よく知っておられるのですか?
「私たちは、ずっと以前から、あなたを観察していましたから」
──なぜ私を?
まさ
「正にそのことを、これからお話ししたいのです。冬のこんな寒い朝に、あな
たはなぜ、ここに来たのですか?」
──さあ……。野外をちょっと歩き回りたいと思いましたので……。
「ここへは、よく来るのですか?」
14
第一部/第1章:遭 遇
ほとん
──ええ、夏には。でも、この時期には殆ど来ることはありません。
け
さ
「それなら、今日はなぜ? 今朝の散歩は、ずっと前から計画していたのです
か?」
──いいえ、分かりません。今朝、目が覚めたら、急にここへやって来たく
なったのです。
「
私があなたに会いたいと思ったから、あなたはここに来たのです。あなたは、
テレパシーを信じますか?」
──ええ、もちろん。テレパシーにはずっと関心がありましたし、いわゆる
〝空飛ぶ円盤〟についても、あらゆることに関心がありました。でも、私自身
がそれを見るなんて、思いもよりませんでした。
たくさん
「なるほど。あなたに話したいことが沢山あるので、私はあなたをここに来さ
せるために、テレパシーを使ったのです。あなたは聖書を読んだことがありま
すか?」
──ええ。でも、なぜそんなことを聞くのですか?
「聖書はずっと以前から読んでいましたか?」
──いいえ。ほんの数日前に買ったのです。
「なぜですか?」
──分かりません。急に読みたくなったのです。
「それもテレパシーで、私があなたに、聖書を買わせたのです。私は、あなた
をとても困難な使命のために選びましたので、あなたに話したいことが沢山あ
ります。私の宇宙船に来て下さい。そこの方が、話がしやすいでしょう」
私は彼に従って、宇宙船の下にある小さな階段を上がって行きました。その
ひら
かね
ふく
宇宙船は間近で見ると、平たくした鐘に似ていて、下側の全面が膨らんでいま
い
す
した。内部には、ふたつの椅子が向かい合わせになっていて、ドアを閉めなく
ここち
ても、温度は心地よいものでした。明かりは無いものの、あらゆる方向から自
然光が差し込んでいました。飛行機の操縦席にあるような計器類は、どこにも
つや
見当たりません。床は青味を帯びた艶のある合金でできていました。
私が座った椅子の方が大きくて低く、無色でやや透き通っていて、とても座
り心地のよい単一の材料でできていました。その椅子に私が座ると、その小さ
な男性は、私と向かい合って同じような椅子に座りました。その椅子は小さい
けれども高く、小さな男性の顔が、私の顔の位置と同じ高さにありました。
15
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
彼が壁の一部に触れると、床と頂部を除いて機体は透明になりました。まる
で屋外にいるようでしたが、心地よく暖かでした。彼は私にコートを脱ぐよう
に勧め、私がそうすると、彼は話し始めました。
「あなたは、カメラを持って来なかったことを、とても残念がっていますね。
私たちの会見を全世界に知らせる際に、その証拠にしたいのでしょう?」
──ええ、もちろん……。
「いいですか、地球人がどういう者であり、そして、私たちがどういう者であ
るかについての真実を、人々に告げるようにして下さい。人々の反応を見れば、
私たちが人々の前に自由に、そして公式に姿を現すことができるかどうかが分
かります。
あなたが公的に話をする時には、あなたの言うことを信じない人々に正しく
はんばく
対処し、彼らに反駁できない証拠を示せるように、すべてを知る必要がありま
す。それまでは待つのです。私の話すことをすべて書き留めて、それを本とし
て出版するのです」
──あなたがたは、どうして私を選んだのですか?
「理由はたくさんあります。まず第一に、新しい考えが歓迎され、またそれを、
表現することのできる国に住んでいる人が必要です。フランスは民主主義が誕
生した国ですし、自由の国として世界中に知られています。
また知性的で、あらゆることに、とても心が開かれている人が必要でした。
何よりも、自由な考えを持ちながら、反宗教的ではない人が必要でした。あな
たは、お父さんがユダヤ人で、お母さんがカトリックの教徒です。ですから、
きずな
あなたは世界の歴史の中でとても重要な、二つの人々の間の理想的な絆なので
す。
たぐい
また、あなたの活動は、信じられない啓示を行う、といった類のものとは全
し んぴょう
く関係がありませんので、あなたの発言には信憑性が増すでしょう。あなたは
科学者ではないので、物事を複雑にしないで簡潔に説明もしますから。また文
筆家でもないので、ほとんどの人が理解できないような、難しい文章を書くこ
ともないでしょう。
1 9 4 5 年に最初の原爆が投下されたあと、私たちは誰かを選ぼうと決めまし
た。あなたは 19 46 年の生まれですね。私たちはあなたの誕生、そしてそれ以
前からも、ずっとあなたを見守ってきました。私たちがあなたを選んだのは、
こういうわけです。ほかに何か質問がありますか?」
16
第一部/第1章:遭 遇
──あなたは、どこから来られたのですか?
はる
「遥か遠くの惑星からです。この惑星については、お話ししません。地球人が
賢明でない場合、私たちの平穏が乱されますから」
──その惑星はとても遠くにあるのですか?
「とても遠いです。その距離を言えば、あなたがたの現在の科学技術では、と
うてい行けないことが分かるでしょう」
──自分たちのことを何と呼んでいるのですか?
「私たちは、あなたがたと同じ人間です。住んでいる惑星も地球に似ていま
す」
──地球まで来るのに、どのくらいの時間がかかるのですか?
「そのことを考えている間に来てしまいます」
──どうして地球を訪れるのですか?
「人間の進歩を観察し、彼らを見守るためです。人間には未来があります。私
たちは過去の者です」
──あなたがたの惑星には、大勢の人たちが住んでいるのですか?
「地球人より多いです」
──あなたがたの惑星に行ってみたいのですが、可能でしょうか?
「いいえ、そもそもあなたは、そこでは生きていられないでしょう。大気が地
球とは全く違っていますし、あなたは宇宙旅行のための訓練を受けていません
から」
──私たちの会見を、どうしてこの場所にしたのですか?
「火山の噴火口は、迷惑な人たちの目を避けるためには、理想的な場所だから
です。
それでは、私は帰りましょう。明日、聖書と筆記用具を持って、同じ時間に
来て下さい。金属製のものは一切、持って来ないようにして下さい。また、こ
の会見については誰にも話さないようにして下さい。もし話をしたら二度と会
うことはできません」
彼は、私にコートを渡しました。私は小さな階段を下り、彼は、私に手を振
かす
りました。階段はたたまれて、何の音も立てずに上げ戸が閉められ、微かな音
もなく、ピューッというわずかの音もなく、機体は 4 00 メートルぐらいの高さ
までゆっくりと上昇して、霧の中へと消えていきました。
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地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第2章
真 実
創世記
翌日、私はノートと万年筆、それに聖書を持って、会合の場所に行きました。
宇宙船は時間通りに再び現れ、あの小さな男の人に再び対面しました。彼は私
を宇宙船の中に招き入れ、座り心地のよい椅子に腰掛けさせました。
も
私は、このことについては誰にも、最も親しい友人にさえも、ひと言も漏ら
していませんでした。彼は、私の分別ある行動を知って喜びました。私にノー
トを取るように勧めると、彼は話し始めました。
はる
か な た
〈遥か彼方にある私たちの惑星では、あなたがたが間もなく到達するであろう
科学技術の水準に、ずっと昔に達していました。私たちの科学者たちは、生命
はい
の根源となる胚の形態を創り始めました。試験管の中の生きた細胞です。それ
には皆、「熱狂」しました。科学者たちが、技術を完璧なものにし、奇妙な小動
物を創り始めた段階で、私たちの惑星世論と政府は、科学者たちに、生物実験
の続行禁止と、社会に危害をもたらす可能性のある怪物の創造禁止を命じまし
ぎ せい
た。実際に、それらの小動物の中には逃げ出した物もあり、数人の犠牲者が出
ました。
一方これと並行して、他の惑星や銀河系の探査も進められていて、科学者た
か
ちは、彼らの実験を追求するのに必要な条件をほぼ兼ね備えている、遠くの惑
星へと出発することにしました。彼らの選んだ惑星が、あなたがたの住んでい
る地球です。
こん せき
さて、ここで聖書を見て下さい。聖書の中には、真実の痕跡が見つかるので
ゆが
す。その痕跡はもちろん、転写した人たちによってやや歪められてはいます。
18
第一部/第2章:真 実
というのも、彼らには、高度に技術的なものを想像することができなかったの
で、そのためにすべての記述が、神秘的で超自然的なものになってしまったの
です。
聖書の中では、これから私があなたに解釈してあげる部分だけが重要です。
たわごと
他の部分は詩的な戯言なので、それについては触れないことにします。
しるし
とはいっても、聖書を書き写す際には、どんな小さな印ですら全く改変して
はならないという決まりのおかげで、数千年も経つ間に神秘主義的で役立たな
い文章だらけになっているにも関わらず、深遠な意味が元のままに残されてい
るということが分かるでしょう。
まず、『創世記』の第 1 章から始めましょう。
初めに、エロヒムは天と地とを創造された。『創世記』1 章 1 節
聖書によっては、
「エロヒム」は「神」と誤訳されているものがありますが、
エロヒムとは、ヘブライ語で「天空より飛来した人々」の意味を持ち、れっき
とした複数形です。これは、私たちの世界からの科学者たちが、彼らの計画を
ふ さ わ
十分に実現するのに相応しい惑星を探し求めた、ということを意味しています。
彼らが地球を「創造した」というよりは、地球を発見し、その大気は彼らの
惑星とは全く同じではないが、人工的な生命創造に必要な要素を、すべて備え
ているということが分かったのです。
おもて
エロヒムの霊が、水の面を動いていた。『創世記』1 章 2 節
科学者たちは探査飛行を実施して、地球の組成と大気を研究するために、地
球の周りに、あなたがたの言う人工衛星のようなものを配置しました。当時の
地球は、水と濃密な霧にすっぽりと包まれていたのです。
エロヒムは、その光を見て良しとされた。『創世記』1 章 4 節
地球上に生命を創造するためには、太陽が地表に、有害な光線を放射してい
ないかどうかを知ることが重要でした。そしてこの問題点は調査され、太陽が
有害な光線を放射することなく、地球を適切に暖めていることが分かりました。
「その光は良かった」のです。
夕となり、また朝となった。第 1 日である。『創世記』1 章 5 節
19
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
こうした調査には、かなりの時間がかかりました。ここで言う「 1 日」とは、
あなたがたの太陽が、春分の日に同じ印のもとに昇る期間に対応しています。
言い換えると、地球上でのほぼ 2000 年間に相当します。
おおぞら
おおぞら
彼は、大空の下の水と、大空の上の水とを分けられた。『創世記』1 章 7 節
雲の上の宇宙線について調査したあと、科学者たちはその雲の下へと降りて
とど
おおぞら
行きましたが、水の上に留まっていました。すなわち、大空の上の水、つまり
おお
雲と、下の水、つまり地表のすべてを覆っている大洋、との間にです。
かわ
天の下の水は一つ所に集まり、乾いたところが現れよ。『創世記』1 章 9 節
大洋の海面を調査したあと、彼らは海底を調査し、海がそれほど深くはなく
て、水深はどこでもほぼ同じだということを知りました。そこで彼らは、ブル
ドーザーに似た働きをする、非常に強力な爆発を仕掛け、海底から物質を盛り
上げて一カ所に積み重ね、大陸を形成するようにしました。
だから元々は、地球には一つの大陸しかなかったのです。地球の科学者たち
も、すべての大陸が互いにピッタリと当てはまって、一つの大陸を形づくって
いたことを知るようになっています。
地は、青草と、種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ果樹と
は
を、地の上に生えさせよ。『創世記』1 章11節
科学者たちは、この素晴らしく巨大な実験場で、全くの化学物質だけから、
植物の細胞を創造しました。これにより、すべての種類の植物が得られたので
す。彼らの努力のすべては生殖に重点が置かれました。彼らが最初に創り出し
なえ
はんしょく
た草木の苗は、繁殖できるものでなくてはならなかったのです。
科学者たちは小さな調査グループに分かれ、この広大な大陸の四方に散らば
ひらめ
って行きました。そして各人は、それぞれの気候に応じて、また自分の閃きに
従って、様々な植物を創造したのです。彼らは、各自の研究と創造物を比較検
討するため、定期的に会合を開きました。
遠くにある彼らの惑星では、彼らの仕事を驚嘆と熱情をもって見守っていま
した。ある種の植物を、見た目にしろ香りにしろ、もっぱら美しく好ましいも
のとするために、最も優れた芸術家たちも、科学者の仲間に加わりました。
20
第一部/第2章:真 実
おおぞら
しるし
天の大空に光るものがあって、昼と夜とを分け、印のため、季節のため、
日のため、年のためになれ。『創世記』1 章14節
科学者たちは星と太陽を観測することによって、地球における 1 日、1 カ月、
そして 1 年の長さを測定することができました。これは、科学者たちが、彼ら
の惑星とは全く違うこの新しい惑星に、自分たちの生活を適応させるのに役立
ちました。1 日の長さも、1 年の長さも、彼らの惑星とは非常に異なっていた
からです。また天文学的な研究によって、自分たちを正確に位置づけ、地球を
より良く理解することも可能になりました。
おおぞら
水は生き物の群れで満ち、鳥は地の上、天の大空を飛べ。『創世記』1 章20節
すいせい
科学者たちは、次に、最初の水棲動物を創造しました。プランクトンから小
へいこう
魚へ。そして、もっと大きな魚へと。この小世界が平衡を保つように、また死
そう
に絶えることがないように、彼らは小魚が食べる藻類や、その小魚を食べるも
っと大きな魚などを創造しました。
こうすることで自然界のバランスを維持し、ある種が別の種に食べられて、
完全に滅亡することがないようにしたのです。これは現在、あなたがたがエコ
ロジー(生態学)と呼んでいるものに相当します。そして、科学者たちは成功を
収めました。
彼らはしばしば会合を設けて、最も美しい動物、あるいは最も興味深い動物
を創造した科学者チームが、どのチームであるかを決めるために、コンクール
を開きました。
彼らが魚の次に創造したのが鳥です。この鳥類の創造は、奇抜な色彩の、驚
くような形の生き物を創ることに楽しみを見いだした、芸術家たちからの意見
お
に圧されて行われたと、言っておく必要があります。中には、美しい羽を持っ
ていても、それが邪魔になって満足に飛べない鳥があるほどでした。
このコンクールはさらに発展し、形態の次には、これらの動物の行動も交尾
の前に変化させるようになりました。それが今なお、見事な求愛ダンスです。 まさ
一方、他の科学者チームは、恐ろしい動物、すなわち、正に怪物のような動
物を創造しました。それが、彼らの惑星で、科学者たちの創造計画に反対して
いた人たちの意見が正しかった、という証明になってしまった、あの怪物。あ
なたがたがディノザウルスとか、ブロントザウルスとか呼んでいる恐竜類のこ
21
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
とです。
は
けもの
地は生き物を、種類にしたがって産み出せ。家畜と、這うものと、地の獣
とを、種類にしたがって産み出せ。『創世記』1 章24節
海と空の生物の次に、科学者たちは大地の動物を創造しました。その時まで
はん も
えさ
には、大地には植物が繁茂していたので、草食動物の餌がありました。これが
創造された最初の陸上動物でした。そのあとで、草食動物の数のバランスを取
るために肉食動物が創られました。この場合も、種同士のバランスを保たせる
必要がありました。
たずさ
これらのことに携わった科学者たちは、私のいる惑星から来たのです。私は、
地球に生命を創り出した人々の一員です。
さてそれから、私たちの中で最も有能な人たちは、私たちと同じような人間
を、人工的に創造しようとしました。それぞれのチームが作業に従事し、間も
なく互いの創造物を比較できるようになりました。
しかし、パニックを引き起こすことになりうる「試験管ベビー」を創ってい
ふんがい
ることに、私たちの惑星の人々は憤慨しました。もしも、その人間の能力、あ
きょう い
るいは力が、創造者のそれを上回ることにでもなれば、脅威になると恐れたか
らです。
いっさい
そこで私たちは、人間には科学的なことは一切知らせずに、原始的な状態で
生存させるようにし、また、私たちの活動を神秘化せざるを得ませんでした。
この創造者たちのチームがいくつあったかは、すぐに分かります。それぞれ
おのおの
の人種が、創造者たちのチームの各々に対応しているのですから。
かたど
我々に象り、我々に似せて人を造ろう。これに海の魚と、空の鳥と、家畜
けもの
は
と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを支配させよう。『創世記』1
章 26節
私たちの姿に似せて──。どれだけ似ているかは、とてもよく似ているとい
うことが、あなたにも分かりますね。
ここから、私たちにとっていくつかの問題が起こってきました。
当初の大陸では、ギリシャとトルコからさほど離れていなかった、現在イス
ラエルと呼ばれている地域にいたチームは、最高のチームと言えるほどの非常
すぐ
かぐわ
に優れたチームでした。その地の動物は最も美しく、その地の植物は最も芳し
22
第一部/第2章:真 実
いものでした。あなたがたの言う地上の楽園とは、この地のことだったのです。
この地で創造された人間が、最も高い知性を備えていました。そこで、創造
しの
そ
ち
者たちは、自分たちの創造物が、その創造者たちを凌がないように措置を講じ
ほどこ
なければなりませんでした。その知性を計るために教育を施しながら、同時に
偉大な科学の秘密には、創造物を無知のままにしておく必要があったのです。
その
あなたは、園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の木から
は決して食べてはならない。それを食べると、必ず死んでしまう。『創世記』2
章 16・17節
これは、次のように言い換えることができます。「お前は、私たちがここに
置いてある書物を自由に読んで、欲することは何でも学んでよろしい。しかし、
死にたくないのなら、科学の書には手を触れてはならない」と。
けもの
エロヒムは、すべての獣を人の所へ連れてきて、彼が、それにどんな名を
付けるかを見られた。『創世記』2 章19節
人間は、周囲の植物と動物について、その生活様式、そこから食物を得る方
法を、十分に理解しなければなりませんでした。創造者たちは、人間に、周り
の生き物のすべての名称と、それぞれの持つ力とについて教えました。植物学
と動物学は、彼らにとっては危険ではなかったからです。
か
男女ふたりの子供が駆け回っていて、その子供たちにあらゆる種類の事柄を
熱心に教えていたのですから、この科学者チームがどんなに喜んだかを想像し
てみて下さい。
へびは女に言った……園の中央にある木の実については……あなたがたは
決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、
神のように善悪を知る者となることを、エロヒムは知っておられるのです。
『創世記』3章1〜5節
このチームの全科学者の中には、自分たちの「創造物」である小さな人間に、
深い愛を感じている人たちがいました。彼らは、この子供たちに完全な知識を
授けて、自分たちのような科学者にしたいと考えていました。彼らは、間もな
く成人になるこの若者たちに、科学を学べば、創造者と同じように有能になれ
ると語りました。
23
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
すると、ふたりの目が開け、自分たちが裸であることが分かった。『創世記』
3章7節
こうして人間は、自分たちも創造者になれることを知りました。そして、彼
らの両親たちが彼らに科学の書に触れることを禁じ、自分たちをまるで、実験
うら
室の危険な動物のように見なしていたことを恨みました。
のろ
エロヒムの中のヤーウェは、へびに言われた。おまえは……最も呪われる。
は
ちり
おまえは腹で這い歩き、一生、塵を食べるであろう。『創世記』3 章14節
「アダムとイヴ」に真実を教えようとした、この創造者の中の小グループ〝へ
び〟は、他の創造者たちが実験を止めて地球を去ることになったのに対し、彼
らの惑星政府から有罪の宣告を受けて追放され、地球で暮らすようになったの
です。
エロヒムは、人とその妻とのために皮の着物を作って、彼らに着せられた。
『創世記』3 章21節
創造者たちは、人間に初歩的な生存手段を与えて、創造者たちとは接触をせ
ずに、何とかやっていくように仕向けました。聖書のこの部分は、原典の文章
をほぼ完全に保っています。
見よ、人は科学のおかげで、我々のひとりのようになった……今、彼は手
を伸べ、生命の樹からも取って食べ、永遠に生きることのないようにしなけ
ればならない。『創世記』3章22節
人間の生命は非常に短いですが、それを延ばす科学的な方法があります。生
とし お
涯にわたって研究を続ける科学者は、年老いるにつれて深い知識と知恵を身に
ち
ち
つけ、興味深い発見をするものです。人間の進歩が遅々としているのは、寿命
が短いせいです。
もし人間の寿命が 10 倍になったら、科学的に素晴らしい飛躍をすることで
しょう。もし最初から、人の寿命がそれほど長かったならば、人間の能力は私
たちをわずかに上回っているので、非常に早く私たちと同等になっていたこと
でしょう。人間は自分たちの秘めている可能性を知らないのです。
たみ
特にイスラエルの民は、前にお話ししたコンクールの 1 つにおいて、科学審
24
第一部/第2章:真 実
査委員会により、その知性と資質が、地球上で最も成功を収めるタイプの人間
として選ばれたのです。
彼らがいつも、
〝神の選民〟と見なされてきたのはこのためです。確かに彼ら
は、各チームの創造作品を判定するために集まった、創造者たちのチームによ
って選ばれた民です。この人種が生み出してきた天才の数から、このことを確
かめることができるでしょう。
つるぎ
彼は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと回る炎の剣とを置いて、
生命の樹への道を守らせた。『創世記』3章24節
創造者たちの住まいの入口に、原子分解兵器を持った兵士たちを配置して、
人間が他の科学知識を盗みに来るのを防いだのです。
ノアの大洪水
『創世記』の 4 章へ進みましょう。
た
そな
日が経って、カインは地の産物を持ってきて、ヤーウェに供え物とした。
うい ご
こ
アベルもまた、その群れの初子と肥えたものとを持ってきた。『創世記』4 章 3・
4 節)
とど
追放された創造者たちは、軍隊の監視のもとに地球に留まっていました。彼
らは、自分たちの創造した人間が善良であり、父たちに決して反抗しないこと
を上位の人たちに示すために、人間たちに食物を持って来るように仕向けまし
た。
このようにして、初めの頃の人間の指導者たちに対しては、「生命の樹」の
恩恵が授けられるように許可を取りました。彼らが非常に長生きしたのはこの
ためです。アダムが 9 3 0 歳まで生き、セツが 9 12 歳、エノスが 9 0 5 歳と、そ
のような身分であったことが『創世記』の 5 章 1 〜11 節にあります。
おもて
人が地の面に増え始めて、娘たちが彼らに生まれたとき、エロヒムの息子
めと
たちは、人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻に娶った。『創世記』
6 章 1・2 節
追放された創造者たちは、最も美しい人間の娘たちを彼らの妻にしました。
25
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
なが
とど
私の霊は、永く人の中には留まらない。彼は肉にすぎないのだから。さら
に、彼の一生は120年にしよう。『創世記 』6 章 3 節
長寿は遺伝しませんので、人間の子供たちは、自動的に「生命の樹」の恩恵
よく
か な た
に浴すわけにはいきませんでした。彼方の惑星の政府当局は、このことで大い
かんまん
に慰められたものです。こうして秘密は失われ、人間の進歩は緩慢なものにな
りました。
はい
エロヒムの息子たちが人の娘たちのところに入り、娘たちに産ませた子供
である彼らは、昔の勇士であり、有名な人々であった。『創世記』6 章 4 節
これは創造者たちが、自分たちの姿に似せて創造した人間の娘たちとの性的
な結びつきで、特別に優れた子供たちを産ませることができた、という証拠で
す。
彼方の惑星にいる者の目から見ると、このことは危険極まりないものでした。
けた はず
か な た
地球上の科学の進歩が桁外れなものとなったため、彼方の惑星の者たちは、彼
らの創造したものを破壊することに決めました。
はか
ヤーウェは、人の悪が地上にはびこり、すべてその心に思い図ることが、
いつも悪いことばかりであるのを見られた。『創世記』6 章 5 節
ここでいう悪とは、人間たちが科学的に自立し、創造者たちと同等になろう
とする欲望のことであり、エロヒムの惑星の人たちにとっての善とは、人間が
原始的な存在のままで細々と生きることでした。悪とは、人間が進歩を望み、
それによっていつの日か、人間が創造者たちに追いつく危険が生じることでし
た。
か な た
こうして、彼方の惑星政府は、核ミサイルを発射して地球上の全生命を破壊
しようと決定したのです。ところが、追放された創造者たちは事前にそのこと
おのおの
を知り、ノアに命じてロケットを建造させました。この中に、保護すべき各々
つがい
の種をひと番ずつ収容して、大災害が起こっている間、地球の周囲を回らせた
のです。
ひ
ゆ
とはいっても、これは比喩としての表現です。実際には、あなたがたの科学
知識でも、もうすぐ分かりますが、各々の種のオスとメスの生きた細胞が 1 つ
ずつあれば、生命体の全体を再生できるのです。母親の胎内の、胎児の生きた
26
第一部/第2章:真 実
初期細胞のようなものでさえ、いつの日か人間を形づくるためのあらゆる情報
を、眼の色や髪の毛の色に至るまで、すでに備えているのですから。
この作業は、実に途方もない、大がかりなものでしたが、どうにか期限内ま
でに達成されました。爆発が起きた時は、生命は地球から何千キロメートルも
離れた上空で保存されていたのです。大陸は巨大な津波に襲われて海中に沈
み、地表のあらゆる生命は死に絶えました。
はこぶね
方舟は、地から高く上がった。『創世記』7 章17節
う
ま
方舟が上がったのは地からであって、水からではないところが上手い表現だ
ということが分かるでしょう。次に、危険な降下物がすっかり無くなるまで、
待つ必要がありました。
水は15 0日の間、地上で勢いを失わなかった。『創世記』7 章24節
3 層式のロケット、
1 階と 2 階と 3 階を造りなさい。『創世記』6 章16節
は、地上に着陸しました。その内部には、ノアの他に、地球上のすべての人
種が、ひと組ずつ乗り込んでいました。
と
エロヒムは、ノアを心に留められた……エロヒムが風を地の上に吹かせら
れたので、水が減り始めた。『創世記』8 章 1 節
創造者たちは放射能の検査を行って、それを科学的に分散させたあと、大気
が生存に耐えられるものとなったかどうかを知るために、動物たちを外に出す
ようノアに命じました。それは上手くいき、動物たちはその外気の中に出るこ
とができました。
創造者たちは人間の生存者たちに、彼らを創造し破滅から救った恩人に対し
て、感謝しながら働いて繁殖していくことを要求しました。ノアは、創造者た
ちの生存のために、あらゆる収穫物や飼育物の一部を納めることを約束しまし
た。
さいだん
けもの
ノアは、ヤーウェのために祭壇を築き、すべての清い獣と、すべての清い
はんさい
い
にえ
ささ
鳥とのうちから取って、燔祭(訳注:焼いた生け贄)を祭壇の上に捧げた。『創世
27
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
記』8章20節
創造者たちは、人間が自分たちに好意を抱いているのを見て喜び、将来、自
分たちの創造したものを滅ぼすようなことは決してしない、と誓ったのでし
た。というのは、彼らは、人間が進歩を望むのは当然だと理解したからです。
はか
人が心に思い図ることは悪い。『創世記』8章21節
人間が目的とするのは科学的な進歩です。それぞれの人種は、創造された場
はこぶね
所に再び置かれ、あらゆる動物は、方舟に保存されていた細胞から再び創造さ
れました。
のち
洪水の後、これらから地上の諸国民が分かれたのである。『創世記』10章32節
バベルの塔
め ざま
と
しかし、知性の最も優れた民であるイスラエルの人々は、目覚しい進歩を遂
くわだ
げ、追放された創造者たちの助けを借りて、まもなく宇宙征服を企てるように
おもむ
なりました。追放された創造者たちは、人間を創造者たちの惑星に赴かせて、
人間が知性的で科学的に進んでいる上、感謝の念に満ち、平和を愛好している
ゆる
のだということを創造者たちに示し、赦しを得たいと考えたのです。そこで彼
らは、巨大なロケットを建造しました。それがバベルの塔です。
彼らはすでに、この事をし始めた。彼らがしようとする事は、もはや何事
もとどめ得ないであろう。『創世記』11章 6 節
私たちの惑星の人々は、それを知って恐れを抱きました。彼らは地球をずっ
と監視していたので、地球の生物が滅亡していないということを知っていたの
です。
くだ
さあ、我々は下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互いに言葉が通じ
ないようにしよう。こうして、ヤーウェが彼らを、そこから全地の面に散ら
された。『創世記』11章 7・8 節
とら
彼らはやって来て、最も優れた科学的知識を持っていたユダヤ人たちを捕え、
彼らをあらゆる大陸へと散らしました。散らされた先の国々に住んでいたのは
28
第一部/第2章:真 実
原始的な部族で、言葉も違っていたために、ユダヤ人の言うことは理解できま
せんでした。その上、創造者たちは科学装置を破壊してしまったのです。
ソドムとゴモラ
ゆる
追放された創造者たちは赦され、彼らの惑星に帰る権利を与えられました。
そして、自分たちが行った素晴らしい創造について弁明しました。このため、
か な た
彼方の惑星では誰もが、創造物の住む地球について注意を払うようになりまし
た。
しかし、分散させられた人間たちの中には、復讐を念じている者もいまし
た。彼らは集まり、いくつかの科学的秘密を回収することができたので、ソド
こ
えんせい
ムとゴモラの町で、自分たちを滅ぼそうとした者たちを懲らしめる遠征に出よ
うと、準備をしたのです。創造者たちは、何が準備されているのかを調べるた
めに、ふたりのスパイを派遣しました。
み つか
そのふたりの御使いは、夕暮れにソドムに着いた。『創世記』19章 1 節
人間たちはスパイを殺そうとしましたが、ふたりの持っていた携帯用の核兵
器で盲目にされてしまいました。
ろ うじゃく
くら
彼らは人々を老若の別なく打って、目を眩ました。『創世記』19章11節
ふたりは平和的な人たちに、原爆で破壊するので町から立ち去るように、と
警告しました。
立って、この所から出なさい。ヤーウェが、この町を滅ぼされます。『創世
記』19章14節
人々は誰も、原爆が何を意味するのか想像もつかなかったので、町を離れ去
るのにあまり急ぎませんでした。
のが
逃れて、自分の命を救いなさい。後ろを振り返って見てはならない。どこ
にも立ち止まってはならない。『創世記』19章17節
そして、ソドムとゴモラに原爆が落とされました。
29
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
い おう
ヤーウェは、硫黄と火とを、天からソドムとゴモラの上に降らせて、これ
は
らの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地に生えてい
かえり
るものをことごとく滅ぼされた。しかし、ロトの妻は後ろを顧みたので、塩
の柱になった。『創世記』19章24〜26節
や け ど
現在のあなたがたなら分かるように、原爆による火傷は、近くにいる人を死
に至らしめて、塩の像のような物にしてしまいます。
い
にえ
アブラハムの生け贄
そのあと創造者たちは、イスラエルの民、とりわけその指導者が創造者たち
に対し、変わることなく好感を抱いているかどうかを知ろうと思いました。
「知
性の優れた人たち」の大半が滅び、イスラエルの民は再び、半原始的な状態に
なっていたからです。
い
にえ
いつ わ
アブラハムが自分の息子を生け贄にしようとした時の逸話は、このことを描
写したものです。創造者たちは、彼らに対するアブラハムの感情が、十分に強
ため
こころ
固なものであるかどうかを試そうとしたのです。この試みは幸いにして成功し
ました。
その子に手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたが
おそ
エロヒムを畏れる者であることが、私は、いま分かった。『創世記』22章12節
さあ、今日はここまでにしましょう。これまで私が話したことを、理解・整
理して、すべて書き留めて下さい。明日は、もっとお話ししましょう〉
その小さな男の人は、改めて私に立ち去る挨拶をしてから、宇宙船は静かに
上昇していきました。今度は空が澄み渡っていたので、私はそれが飛び去って
行く様子を、余すところなく見て取れました。
いっさい
宇宙船は約 4 0 0メートルの高さで停止して、音を一切立てることなく、熱せ
られつつあるかのような赤色になり、それから白熱の金属のように白く、そし
て、とても見つめていられないほどの巨大な火花のような青紫色となって、全
く見えなくなってしまいました。
30
第一部:真実を告げる書
第3章
選民を見守る
モーセ
さっそく
翌日、私がその訪問者と再会すると、彼は早速、話を続けました。
〈私たちの存在に関する記述は、
『創世記』の28章にもあります。
はし ご
いただき
ひとつの梯子が地の上に立っていて、その 頂 は天に達し、エロヒムの使い
のぼ
お
たちが、それを上り下りしているのを見た。『創世記』28章12節
しかし、最も知性のある者たちが滅び、ソドムとゴモラのような進歩の中心
地も破壊されてしまって、人間は再び原始的な状態に戻っていました。彼らは、
すうはい
自分たちを創造した者たちのことを忘れ、愚かにも小石や偶像を崇拝し始めま
した。
あなたがたの中にある、異なる神々を捨てなさい。『創世記』35章 2 節
『出エジプト記』の中で、私たちはモーセの前に姿を現します。
しば
ヤーウェの使いは、柴の中の炎のうちに彼に現れた。彼が見ると、柴は火
に燃えているのに、その柴は無くならなかった。『出エジプト記』3 章 2 節
モーセの前に着陸したロケットについての描写は、現在で言えば、私たちが
ブラジル原住民の目の前に宇宙船を着陸させた時、宇宙船が白い光を木立に向
たと
けて発しているのに、木が燃えていないのを目にした原住民の描写に譬えられ
るでしょう。
最も知性的であるとして選ばれた人たちは、その最も輝かしい知力を失い、
ど れい
近隣の原始的な人々の奴隷になっていました。こうした人々は大破壊からの被
31
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
まぬが
害を免れたために、非常に多数になっていたのです。そういうわけで私たちは、
選民に自分たちの土地を返して、尊厳を取り戻させる必要がありました。
『出エジプト記』の冒頭には、イスラエルの民を自由にするために、私たちが
やらねばならなかったことが書かれています。イスラエルの民が出発したとき、
私たちが彼らのために予定していた国まで、彼らを導きました。
ヤーウェは彼らに先立って進み、昼は雲の柱をもって導き、夜は火の柱を
もって彼らを照らされたので、彼らは昼も夜も行進することができた。『出エ
ジプト記』13章21節
イスラエルの民を追撃し始めたエジプト人の行進を遅らせるために、
やみ
雲の柱も彼らの前から移って彼らの後ろに立ち、……そこに雲と闇があっ
て夜通し、彼らとこれと近づくことなく、夜が過ぎた。『出エジプト記』14章19
・20節
イスラエルの民の後方に立ち昇った煙は、追撃者の速度を落とさせる煙幕と
なったのです。
続いて、反発光線によって水を分けて通路とし、海を渡らせました。
海を乾いた陸地とされ、水は分かれた……このように、ヤーウェはこの日、
イスラエルを救われた。『出エジプト記』14章21・30節
荒野を横切るときに、選民たちは飢えに悩まされました。
あら の
おもて
荒野の面には、薄いうろこのようなものがあり、ちょうど、地に結ぶ薄い
しも
霜のようであった。『出エジプト記』16章14節
あさ つゆ
ふく
マナは、地上で粉末状に合成した化学的な食物にすぎず、それが朝露で膨ら
んだものです。
つえ
モーセの杖は「水を岩から出させた」(『出エジプト記』17 章 6 節) のですが、こ
れは例えば、あなたがたが石油を発見するために現在使用している装置に類似
した、地下水層探知機にすぎません。水の場所が分かれば、あとは掘ればいい
のです。
それから『出エジプト記』の 20 章では、いくつかの規則が述べられています。
32
第一部/第3章:選民を見守る
なぜなら、イスラエルの民はとても原始的な水準にあったので、道徳面と、特
に衛生面では、規律を必要としていたのです。様々な律法の中にそれが述べら
れています。
創造者たちは、この規則をモーセに書き取らせるために、シナイ山にやって
来ました。宇宙船で山へ降り立ったのです。
かみなり
いなずま
のぞ
ね
雷 と、稲妻と、厚い雲とが山の上に臨み、ラッパの音が、はなはだ高く鳴
り響いた……シナイ山は全山、煙に包まれた。ヤーウェが、火の中を山の上
くだ
のぼ
ふる
に降られたからである。煙は炉の煙のように立ち上り、山全体が激しく震え
た。ラッパの音が、ますます鋭く鳴り響いた。『出エジプト記』19章16〜19節
き
創造者たちは、人が押し寄せたり、人にもみくちゃにされたりすることを危
ぐ
あが
惧しました。危害が全くないようにするためには、創造者たちが尊敬され、崇
められることが必要でした。
たみ
民はシナイ山に登ることはできないでしょう。……祭司たちと民とが、押
し破って、ヤーウェのところに登ることのないようにしなさい。ヤーウェが、
彼らを打つことのないようにするためである。『出エジプト記』19章23・24節
また、こう書かれています。
ただ、モーセひとりがヤーウェに近づき、他の者は近づいてはならない。
また民も、彼と共に登ってはならない。『出エジプト記』24章 2 節
彼らはイスラエルの神を見ました。
おおぞら
足の下には、サファイアの敷石のような物があり、澄み渡る大空のようで
あった。『出エジプト記』24章10節
これは、創造者たちのひとりが姿を見せたときの、台座の描写です。この台
座は、私たちが今いる宇宙船の床と、全く同じ青味がかった合金でできていた
のです。
いただき
ヤーウェの栄光は、山の 頂 で燃える火のようであった。『出エジプト記』24章
1 7節
「栄光」と書かれていますが、これは、実際には創造者たちの宇宙船のこと
33
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
で、あなたもすでに気づいているように、それは離陸するときに、火のような
色彩になるのです。
この創造者たちのチームはしばらくの間、地球に住むことにしたので新鮮な
食物を欲しました。このため、彼らはイスラエルの民に、定期的に食糧を持っ
て来させるようにしました。そして、財宝は自分たちの惑星へ持ち帰ったので
す。これは一種の植民地化とも言えるでしょう。
ささ
すべて、心から喜んで行なう者から、私に捧げる物を受け取りなさい。…
ひ
…すなわち金、銀、青銅、青糸、紫糸、緋糸……。『出エジプト記』25章 2 〜 4 節
い ご こ ち
また彼らは、できるだけ居心地よく住みつくことも考えて、自分たちの設計
通りの住居を人間に造らせました。このことは『出エジプト記』の26章に書か
れています。創造者たちは、この住居で人間の代表者と会いました。それが会
まく や
あかし
みつ
見の幕屋です。そこには、人々は服従の証として、食物や貢ぎ物を持参したの
です。
彼は会見の幕屋に入った……モーセが幕屋に入ると、
雲の柱が降りてきて、
幕屋の入り口に立ち、ヤーウェはモーセと語られた……人がその友と語るよ
うに、ヤーウェはモーセと顔を合わせて語られた。『出エジプト記』33章 8 〜11節
今日、私があなたに語りかけ、あなたが私に話すことができるのとちょうど
同じように、人が人へと話しかけたのです。
あなたは私の顔を見ることはできない。私を見て、なお生きている人はい
ないからである。『出エジプト記』33章20節
これは、私たちの惑星の大気が、地球とは異なっているということに触れた
ものです。創造者たちにとって地球の大気は適していないので、宇宙服で保護
されていないと、人は創造者たちを見ることはできません。もし人間が私たち
の惑星に来たら、宇宙服を着ていない創造者たちを見ることはできるでしょう
が、逆に大気があなたがたに適さないために、あなたがたは死んでしまいます。
ささ
『レビ記』の最初の部分はすべて、創造者たちに食物を捧げる際に、食物をど
のように運ばなければならないかを説明しています。例えば、21章17節には、
誰でも、身に傷のある者は近寄って、エロヒムの食物を捧げてはならない。
34
第一部/第3章:選民を見守る
これは明らかに、創造者たちの目には耐えられない失敗の象徴である病気や
不具の人間が、彼らの前に出ることを避けるためでした。
『民数記』の11章 7・8 節には、マナについて、あなたがたの化学者が再現でき
るくらいに、とても正確な描写があります。
こ はく
マナは、コエンドロの種のようで、琥珀のような色であった。……その味
は油菓子の味のようであった。
しかし、このマナは化学食品でしかなかったので、創造者たちは新鮮な果実
や野菜の方を好みました。
はつもの
たずさ
彼らの土地に産出したすべての初物を、彼らはヤーウェのもとに携えてき
た。『民数記』18章13 節
あと
かみきず
ずっと後になって、創造者たちは、へびの咬傷に対して注射することを人間
に教えました。
さお
か
あお
火のへびを造って、それを竿の上に掛けなさい。すべての咬まれた者が仰
いで、それを見るならば生きるであろう。『民数記』21章 8 節
へびに咬まれると、人はすぐに「青銅のへび」を「見」ました。これは、へ
びに咬まれた人に注射器を持って近づき、血清を注射したということです。
「約束の地」へ向けての「選民」の旅路も、やっと終わりました。彼らは創造
者たちの助言を得て、原始的な民の偶像を破壊し、その領土を占領しました。
ちゅうぞ う
彼らの鋳像をすべて破壊し、……私がその地を、あなたがたの所有として
与えたからである。『民数記』33章52・53節
「選民」は、ついに約束の地を得ることができました。
のち
なぜなら彼は、あなたの先祖たちを愛されたので、その後の子孫であるあ
なたがたを選ばれた。『申命記』4 章37節
『
ヨシュア記』の 3 章15・16 節には、ヨルダン川の横断について書かれています。
みずぎわ
ひた
かみ
くだ
箱をかつぐ祭司たちの足が水際に浸ると同時に、……川上から流れ下る水
とど
はる
たみ
は留まって、遥か遠くの……水は全くせき止められたので、民はエリコに向
35
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
かって渡った。
これは、エジプト人から彼らを脱出させた時と同じように、創造者たちは水
ぬ
を反発させる光線を使って、
〝選民〟が足を濡らすことなく川を渡れるように
助けたのです。
エリコのラッパ
『ヨシュア記』 5 章の終わりには、エリコの町での抵抗について、創造者の軍
人と選民が接触したことが書かれています。
私はヤーウェの軍勢の将として、いま来たのだ。『ヨシュア記』5 章14節
エリコを攻略するため、エロヒムの軍事顧問がユダヤ人のもとに派遣された
のです。城壁がどのようにして倒壊したかは次の説明でとても簡単に分かるで
するど
しょう。ご存知のように、非常に鋭い声を持つ歌い手は、クリスタルガラスに
簡単にヒビを入れることができるものです。ですから、非常に増幅した超音波
を使えば、どんなコンクリートの城壁でも倒壊させることができます。それは
とても複雑な器械なので、聖書ではそれを「ラッパ」と呼んでいます。
お ひつじ
つの
ね
祭司たちが雄羊の角を長く吹き鳴らし、そのラッパの音があなたがたに聞
くず
こえる時、……町の周囲の石垣は崩れ落ち……。『ヨシュア記』6 章 5 節
所定の瞬間に、同調させた超音波が発せられ、城壁は崩れたのです。
その少しあとには、本当の爆撃が行われています。
おおいし
つるぎ
ヤーウェは、天から彼らの上に大石を降らし、……イスラエルの人々が剣
ひょう
をもって殺した者よりも、雹に打たれて死んだ者のほうが多かった。『ヨシュ
ア記』10章11節
はくじん
この本格的な爆撃は、イスラエルの人々の白刃にかかって死んだ者よりも、
多くの人々を殺しました。
わ いきょく
最も歪曲されている箇所の中の 1 つに、
『ヨシュア記』の 10 章 13 節があり、
次のように書かれています。
民がその敵を撃ち破るまで、日はとどまり、月は動かなかった。
36
第一部/第3章:選民を見守る
せっ か
これは単に、戦闘が 1 日も続かない電光石火なものだったということです。
というのは、あとに、戦闘が「おおよそ 1 日」続いたと書かれているからです。
征服した土地の広さに比べて、戦闘があまりにも短かったので、人々は太陽が
停止しているかのように感じたのです。
『士師記』の 6 章 2 1節には、創造者のひとりがギデオンという名の人物と再び
ささ
接触し、食物を捧げられた様子が描かれています。
つえ
ヤーウェの使いが、手に持っていた杖の先を出して肉と種入れぬパンに触
れると、岩から火が燃えあがって肉と種入れぬパンとを焼きつくした。そし
て、ヤーウェの使いは去って見えなくなった。
創造者たちは宇宙服を着ているため、大気中で「食べる」ことはできません
が、科学的な方法のおかげで、必要に応じて自由に曲がる管、すなわち「杖」を
使って、様々な「捧げ物」から栄養分を抽出して食べることができたのです。
この操作には火が生じるので、当時の人たちはそれを、
「神への捧げ物」が行
われているのだと思いました。
『士師記』の 7 章(編集部注:2 2 節)には、300人で敵の陣営を取り巻き、手に
いっせい
した「ラッパ」を一斉に吹き鳴らして敵の気を狂わせたとありますが、これは、
ものすごく増幅した超音波を発する装置を使ったのです。あなたがたも今では、
ある種の音が極限に達すると、どんな人でも気を狂わせることができるという
のをご存知でしょう。
う
事実、囲まれていた敵兵は気がおかしくなって同士討ちを始め、逃げ去って
しまいました。
テレパシー能力者サムソン
創造者たちと人間の女性との性的な結びつきについては、
『士師記』の13章に
も、その例があります。
ふ にん
ヤーウェの使いが、その女に現れて言った、
「あなたは不妊の女で、子を産
んだことがありません。しかし、あなたは身ごもって男の子を産むでしょう」
『士師記』13章
3節
この性的結びつきによって産まれる子供は、健全であることが必要でした。
37
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
私たちの使いは、子供の行動を見守ることができるように、次のように言った
のです。
ぶ どう
あなたは気をつけて、葡萄酒または強い酒を飲んではなりません。また、
けが
すべて汚れた物を食べてはなりません。あなたは身ごもって男の子を産むで
かみそり
しょう。その頭に、剃刀を当ててはなりません。その子は生まれた時から、
ささ
びと
神に捧げられたナジル人です。『士師記』13章 4・5 節
あと
より後に書かれているのは、
のぞ
エロヒムの使いは、女が畑に座っていた時、再び彼女に臨んだ。夫のマノ
アは彼女と一緒にいなかった。『士師記』13章 9 節
夫がいない間に、何が起こったかは容易に想像できますね……科学者たちは
いとも簡単に、彼女の不妊症を治したのです。こうして、彼女が並外れた子供
を産むのだということを十分に理解させ、また、子供に行き届いた世話をする
ように仕向けました。
創造者たちとしては、人間の女性と性的に結びつきを持つというのは、とて
も素晴らしいことだったのです。彼らには適していない大気を持つこの地球を、
直接統治する自分たちの息子たちが得られるのですから。
そ
髪の毛を剃り落とさないことについてですが、これはとても重要なことなの
です。人間の頭脳は、様々な波動と思考をとても正確に送り出すことのできる、
まさ
ほか
巨大な送信機のようなものなのです。テレパシーも、正にこれに他なりません。
しかし、この種の送信機にはアンテナが必要であり、髪の毛とヒゲがそのアン
テナの役目を果たすのです。ですから、その機能を活用したいのであれば、身
体の毛を剃り落とさないことが大切なのです。
科学者の多くが髪の毛をとても長く伸ばし、しばしばヒゲも伸ばしていると
いうことに、あなたもきっと気づいているでしょう。預言者や賢者についても
同様です。これであなたも、その意味がよく分かったでしょう。
いつ わ
こうして生まれた子供が、あなたがたが逸話で知っているサムソンです。彼
は天然のアンテナのおかげで、テレパシーによって「神」と直接交信すること
おちい
ができたのです。だから創造者たちは、彼が苦境に陥った時に助けたり、また
驚くようなことを行って、彼の権威を強めることができたのです。
ところが、デリラがサムソンの髪の毛を切ってしまったので、彼はもう、助
38
第一部/第3章:選民を見守る
けを求めることができなくなりました。このために彼は、敵に両眼をえぐり出
されてしまったのですが(編集部注:『士師記』16 章 19〜21節参照)、髪の毛が再び
は
生えるにつれて「力」を取り戻しました。つまり彼は、創造者たちに再び助け
を求めることができるようになったので、創造者たちは、サムソンが柱に手を
ほうかい
触れている神殿を崩壊させたのです(編集部注:同、30節参照)。これは、サムソ
ンの「力」によるものだということになっていますが。
『サムエル記上』の 3 章には、エリがサムエルに、テレパシーの手ほどきをす
る様子が書かれています。創造者たちはサムエルと連絡を取ろうとしましたが、
サムエルは、エリが自分に話をしていると思い込んだのです。彼は、
「声を聞い
た」わけです。
しもべ
行って寝なさい。もしあなたを呼ばれたら、
「僕は聞いております。ヤー
ウェよ、お話し下さい」と言いなさい。『サムエル記上』3 章 9 節
これは、アマチュア無線の通信者にやや似ています。
「お話し下さい、はっき
りと聞こえます」という調子です。こうして、テレパシーによる会話が始まり
ました。
「サムエルよ、サムエルよ」……サムエルは言った、「僕は聞いております。
お話し下さい」『サムエル記上』3 章10節
いつ わ
ダビデがゴリアテに挑戦する逸話の中にも、興味をそそる短い文章がありま
す。
いど
……何者が、生ける神の軍に挑むのか。『サムエル記上』17章26節
このことは、当時の「神」が、完全に触れることのできる現実的な存在だっ
たということを、よく表しています。創造者たちと人間との間の通信手段とし
てのテレパシーは、エロヒムが地球の近くにいる場合にしか、有効には働きま
せんでした。創造者たちが遠くの惑星や他の場所にいた場合は、この方法での
通信はできませんでした。
このために彼らは、送受信機を「神の箱」の中に入れて持ち運ばせたのです。
その送受信機には原子力のバッテリーが入っていました。ペリシテ人が神の箱
を盗んだとき、彼らの偶像ダゴンがヤーウェの箱の前にうつむきに地に倒れた、
という記述が『サムエル記上』の 5 章と 6 章にありますが、これは誤った操作
39
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
で放電が発生したためです。
や け ど
彼らはまた、放射性物質からの危険な放射能で火傷を負いました。
はれもの
腫物をもって彼らを悩まされた。『サムエル記上』5 章 6 節
同様にヘブライ人の中にも、神の箱の操作に注意しなかった人々は傷つきま
した。
ウザは神の箱に手を伸べて、それを押さえた。牛がつまずいたからである。
すると、ヤーウェはウザに向かって怒りを発し、彼が手を箱に伸べたので、
かたわ
彼をその場で打たれた。彼は神の箱の傍らで死んだ。『サムエル記下』6 章 6・7 節
さか
神の箱が逆さまに落ちそうになったので、支えようと手を伸ばしたウザが、
装置の危険な箇所に触れて感電死したのです。
さいだん
つの
つか
( 1 章 5 0 節、2 章 2 8 節)には、
『列王紀上』
「彼は祭壇の角を掴んだ」という言葉
が 一度ならず出てきます。これは創造者たちと交信するために、送受信機の
レバー操作を描写したものです。
エロヒム歓待のための最初の住居
偉大なるソロモン王は、地球を訪れた創造者たちを歓待するために、地上に
豪華な住居を建てました。
ヤーウェは雲の中に住もうと言われた。私はあなたのために高き家、とこ
み
しえの御住まいを建てた。『列王紀上』8 章12・13節
ヤーウェの栄光が、ヤーウェの神殿に満ちた。『列王紀上』8 章11節
雲がヤーウェの宮に満ちた。『列王紀上』8 章10節
うち
私は、イスラエルの人々の中に住もう。『列王紀上』6 章13節
雲の中に住むというのは、雲よりも高いところ、地球の周りを回っている宇
宙船の中に住んでいたということです。原始的な人々に分からせるために、こ
のように言ったのです。
めい
神の人が、ヤーウェの命によってユダからベテルに来た。……彼は言った
40
第一部/第3章:選民を見守る
さいだん
……祭壇は裂けるであろう……ヤラベアム王は祭壇から手を伸ばして「彼を
とら
か
捕えよ」と言ったが、彼に向かって伸ばした手が枯れて、引っ込めることが
できなかった。祭壇は裂けた。『列王紀上』13章 1 〜 5 節
創造者のひとりが、原子分解装置を用いて祭壇を破壊し、創造者を尊敬しな
こ
い人間たちのひとりの手を焼き焦がしたのです。その創造者は、人間たちに見
つからないように別の道を通り、エロヒムが地球に設けた基地の 1 つに戻りま
した。
ほか
来た道から帰ってはならない……こうして彼は、他の道を行き……。『列王
紀 上』13章 9・10節
あなたがたが発見しつつある、電極を使って動物を電波誘導する例が、
『列王
紀上』の17 章 6 節にあります。
すると、からすが朝ごとに、彼の所にパンと肉とを運び……。
創造者たちは、地球人が最近発見したこの事実を用いることにより、人間の
運命に影響を与えすぎないよう、できるだけ姿を現さないようにし、目立たな
いような通信手段で人間と通じることを決めました。つまり、人間が自分たち
だけで科学の時代に到達できるかを、見ようとしたのです。例えば〝渡りがら
す〟を使って、エリヤに食物を補給したように。
これは、銀河系の規模で、いくつかの人類の間で競争させるという、壮大な
実験の始まりでした。
き せき
創造者たちは〝奇蹟〟を起こすことによって、彼らの大使である預言者たち
の権威と名声を高めながら、自分たちは、あまり姿を見せないようにしようと
決定したのです。つまり、当時の人々には理解できなかった科学的な方法を用
いたのです。
「ごらんなさい。あなたの子は生き返りました」……「いま私は、あなたが
神の人であることを知りました」『列王紀上』17章23・24節
エリヤは、死にかけている男の子の手当てをし、その病気を治しました。次
お うし
たきぎ
に彼は、カルメル山で 2 頭の若い牡牛を薪の上に置かせました。1 頭は偶像の
ささ
ひと
バアルに、もう 1 頭は創造者たちへの捧げ物でした。そして、独りでに火のつ
41
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ゆいいつ
く方が、唯一真実の「神」であるとしました。
もちろんエリヤと創造者たちが、前もって打ち合わせておいた時間に、創造
者たちへの捧げ物の方の薪が、水浸しになっていたにも関わらず発火しました。
雲の中に隠れていた宇宙船から、レーザーに似た強力な光線が放たれたからで
す。
はんさい
たきぎ
ちり
その時、ヤーウェの火が下って、燔祭と、薪と、石と、塵とを焼き尽くし、
みぞ
また、溝の水をなめ尽くした。『列王紀上』18章38節
メッセンジャーだったエリヤ
創造者たちは、エリヤには熱心に世話をしました。
さわ
天の使いが彼に触り、
「起きて食べなさい」と言ったので、起きてみると、
つぼ
頭のそばに、焼け石の上で焼いたパン 1 個と、水の入った壷があった。『列王
紀上』19章 5・6 節
その時、ヤーウェは通り過ぎられ、ヤーウェの前に大きな強い風が吹き、
さ
くだ
山を裂き、岩を砕いた。しかしヤーウェは、風の中におられなかった。風の
のち
のち
後に地震があったが、地震の中にもヤーウェはおられなかった。地震の後に
のち
火があったが、火の中にもヤーウェはおられなかった。火の後に、静かな細
い声が聞こえた。『列王紀上』19章11・12節
これは、あなたがたの現在のロケットに相当する、宇宙船の着陸に関する正
確な描写です。もっとあとの方には、創造者たちの姿が描写してあります。
ぎょく ざ
ばんぐん
かたわ
私は、ヤーウェがその玉座に座り、天の万軍がその傍らに、右、左に立っ
ているのを見た。『列王紀上』22章19節
創造者たちは、再びテレパシーを用いましたが、預言者たちの誰も王に真実
を預言できないように、集団テレパシーにしました。
いつわ
私が出ていって、偽りを言う霊となって、すべての預言者の口に宿りまし
ょう。『列王紀上』22章22節
『列王紀下』には、創造者たちがエリヤに与えた保護の証拠が見られます。
42
第一部/第3章:選民を見守る
くだ
「
私がもし神の人であるならば、火が天から下って、あなたと、部下の50人
とを焼き尽くすでしょう。
」そのように火が天から下って、彼と部下の 50 人
とを焼き尽くした。『列王紀下』1 章12節
この出来事は再び繰り返されましたが、3 度目には、
ヤーウェの使いはエリヤに言った、
「彼と共に降りなさい。彼を恐れてはな
らない」『列王紀下』1 章15節
『列王紀下』の 2 章では、エリヤは招かれて宇宙船に乗り、その宇宙船が離陸
してエリヤを運んで行きます。
のぼ
ヤーウェがつむじ風をもって、エリヤを天に上らせようとされた時……。
『列王 紀下』2 章 1 節
あと
しる
また、後にも記して、
へだ
火の車と火の馬が現れて、ふたりを隔てた。そしてエリヤは、つむじ風に
のぼ
乗って天に上った。『列王紀下』2 章11節
これは、宇宙船の離陸のことで、語り手が火の馬と言っているのは、宇宙船
の噴射管から出る火のことです。現在でも、南米やアフリカの未開人たちにロ
ケットの離陸を見せたならば、それは彼らの理解を超えているために、その科
おおざっ ぱ
学的現象を合理的に大雑把にですら理解することはできず、何か超自然的で神
み わざ
秘的な神の御業と見なして、自分たちの部族に戻ってから、火の馬とか火の車
とか言って話をすることでしょう。
あと
『列王紀下』4 章の、ずっと後の方の32〜37 節で、エリシャは、彼の父と同じ
よみが
ように「復活」を行っています。彼は、死んでいた子供の手当てをして甦えら
せます。それは、心臓の筋肉の働きが止まった人を生き返らせるために、現在
よく行われている口移しの人工呼吸と、心臓の規則正しいマッサージを行った
のです。
エリシャは次に、パンを増やします。
43
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
パンを増やす
人が来て、……大麦のパン 2 0 個と、……を神の人のもとに持って来た……
い
か
そな
その召使いは言った、
「如何にして20個のパンを、100人の前に供えるのです
か。
」 しかしエリシャは言った、……ヤーウェは言われる、「彼らは食べてな
あま
お余すであろう。」 そこで彼は、それを彼らの前に供えたので、彼らは食べ
てなお余した。ヤーウェの言葉の通りであった。『列王紀下』4 章42〜44節
創造者たちが持って来たのは合成した乾燥食品で、水を加えると体積が 5 倍
に増えたのです。ですから、20 個の小さなパンで、1 0 0 人が食べて十分だった
のです。
せっしゅ
あなたがたも、最初の宇宙飛行士たちが摂取していた小粒のビタミン剤をご
存知でしょう。ほとんど場所を取らずに必要な栄養素はすべて備えています。
錠剤ひと粒には人間ひとりに十分な栄養素が含まれているのです。小さなパン
1 個では 5 人が、2 0個では100人が十分に食べられるほどになるのです。 すうはい
しかしながら、イスラエルの民は金属の偶像を崇拝し、人肉を食べるなど、
だ らく
あい そ
道徳的に全く堕落してしまったので、創造者たちは彼らに愛想が尽きてしまい
ました。
み まえ
イスラエルを御前から除き去られた。『列王紀下』17章23節
こうして、イスラエルの民の離散が始まりました。隣人たちが進歩する一方
で、彼らの文明は進歩せずに、衰退の一途をたどっていくばかりでした。 『イザヤ書』には、次のような記述が見られます。
み くら
ウジヤ王の死んだ年、私は、ヤーウェが高く上げられた御座に座している
おのおの
のを見た、……セラフィムがその上に立ち、各々 6 つの翼を持っていた。そ
おお
の 2 つをもって顔を覆い、2 つをもって足を覆い、2 つをもって飛びかけり。
『イ ザヤ書』6 章 1・2 節
これは、 6 個の小型ジェットエンジンを備えた、上下一体の宇宙服を着てい
る創造者たちの描写です。小型エンジンは背中に 2 つ、腕と足に 2 つずつで、
それぞれの方角用です。
もろもろ
聞け、多くの民のような騒ぎ声が山々に聞こえる! 聞け、諸々の国々、寄
44
第一部/第3章:選民を見守る
つど
くにたみ
り集える諸々の国民のざわめく声が聞こえる! これは万軍の主ヤーウェが、
戦いのために軍勢を集められるのだ。彼らは遠い国から、天の果てから来る。
いきどお
うつわ
これは、ヤーウェとその 憤 りの器で、全地を滅ぼすために来るのだ。『イザヤ
書』13章 4・5 節
ここに、すべての真実が記述されています。行間を読み取って理解する必要
があります。「彼らは遠い国から、天の果てから来る」。 明らかですね。
のぼ
あなたは先に心のうちに思った、
「私は天に昇り、私の王座を高く、神の星
の上に立てよう」『イザヤ書』14章13節
これは、蓄積した十分な科学知識を用いて、創造者たちの惑星へ行くことを
くわだ
企てたものの、ソドムとゴモラで滅ぼされて姿を消してしまった、科学者たち
のことをほのめかしているのです。ここに書かれているのは、その地域全体を
たずさ
滅ぼすために、憤りの武器を携えてその時にやって来た天の軍隊のことです。
ソドムとゴモラの人々は次のように言ったのです。
いただ
私は雲の頂きに昇り、いと高き者のようになろう。『イザヤ書』14章14節
しかし、この破壊により、人間が創造者たちと肩を並べ、
「いと高き者」に
さまた
なることは妨げられました。
あら の
世界を荒野のようにし……。『イザヤ書』14章17節
そのあとには、核爆発の記述があります。
なげ
その叫びの声はモアブの境をめぐり、嘆きの声はエグライムにいたり、嘆
きの声はベエル・エリムにいたる。デボンの水は血で満ちる。……『イザヤ書』
1 5章 8・9 節)
いくにん
ぼうさい
幾人かの者は「防塞」
、つまりシェルターに避難して助かりました。
ゆ
いきどお
我が民よ行け、あなたの部屋に入り、あなたの後ろの戸を閉じて、憤 りの
過ぎ去る時まで、しばらく隠れよ。『イザヤ書』26章20節
45
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
エゼキエルの「空飛ぶ円盤」
『エゼキエル書』の第 1 章には、4 節の始まりから、私たちの宇宙船の中の 1
つに関する、最も興味深い記述が見られます。
私が見ていると、見よ、激しい風と大いなる雲が北から来て、その周囲に
輝きがあり、絶えず火を吹き出していた。その火の中に青銅のように輝く物
があった。また、その中から 4 つの生き物の形が出てきた。その様子はこう
おの おの
である。彼らは人の姿を持っていた。各々 4 つの顔を持ち、また、その各々
に 4 つの翼があった。その足はまっすぐで、足の裏は子牛の足の裏のようで、
みが
磨いた青銅のように光っていた。その四方に、その各々の翼の下に人の手が
あった。この 4 つの物はみな顔と翼を持ち、翼は互いに連なり、行く時は回
らずに、各々顔の向かうところにまっすぐに進んだ。顔の形は、各々その前
し
し
方に人の顔を持っていた。 4 つの者は右の方に獅子の顔を持ち、4 つの者は
わし
左の方に牛の顔を持ち、また 4 つの者は、後ろの方に鷲の顔を持っていた。
彼らの顔はこのようであった。
その翼は高く伸ばされ、その 2 つは互いに連なり、他の 2 つを持って身体
おお
を覆っていた。彼らは、各々その顔の向かうところへまっすぐに行き、霊の
行くところへ彼らも行き、その行く時は回らない。この生き物のうちには、
すみ び
たいまつ
燃える炭火のようなものがあり、松明のように生き物の中を行き来している。
火は輝いて、その火から電光が出ていた。生き物は電光のように速く行き来
していた。
かたわ
わ
私が生き物を見ていると、生き物の傍ら、地の上に輪があった。 4 つの生
もろもろ
こ がね いろ
たま
き物の各々に、1 つずつの輪である。諸々の輪の形と作りは、黄金色の玉の
ようである。 4 つの物はみな同じ形で、その作りは、輪の中に輪があるよう
である。その行く時、彼らは四方のいずれかに行き、行く時は回らない。
わ ぶち
や
4 つの輪には輪縁と輻とがあり、その輪縁の周囲は目をもって満たされて
いた。生き物が行く時には、輪もその傍らに行き、生き物が地から上がる時
ともな
は、輪も上がる。霊の行く所には彼らも行き、輪は彼らに伴って上がる。生
き物の霊が輪の中にあるからである。彼らが行く時はこれらも行き、彼らが
とど
とど
止まる時はこれらも止まり、彼らが地から上がる時は、輪もまたこれらと共
に上がる。生き物の霊が輪の中にあるからである。
46
第一部/第3章:選民を見守る
おおぞら
生き物の頭の上に、水晶のように輝く大空の形があり、彼らの頭の上に広
おおぞら
あいつら
がっている。大空の下にはまっすぐに伸ばした翼があって、互いに相連なり、
おお
おおみず
生き物は各々 2 つの翼を持って身体を覆っている。その行く時、私は大水の
声、全能者の声のような翼の声を聞いた。その声の響きは大軍の声のようで、
とど
た
その止まる時は翼を垂れる。また、彼らの頭の上の大空から声があった。彼
とど
らが立ち止まる時は翼を下ろした。
くらい
彼らの頭の上の大空の上に、サファイアのような位の形があった。また、
その位の形の上に、人の姿のような形があった。『エゼキエル書』1 章 4 〜26節
宇宙船から降りて来た創造者たちを、これ以上に正確には描写できないでし
ょう。「大いなる雲」というのは、現代の飛行機が超高空を飛ぶ時に残す飛跡
です。宇宙船が姿を現してランプを点滅させたのが、「絶えず吹き出している
火」と「青銅のように輝く物」です。
そして、 4 人の創造者たちが反重力服を着て、方向用の小型ジェットエンジ
ンを装備して現れます。金属でできた彼らの服には「翼」があり、「その足は
……磨いた青銅のように光って」いたという記述です。あなたがたの宇宙飛行
士の着ている宇宙服も、とても光っていることにお気づきでしょう。
「空飛ぶ円盤」または「輪」については、記述者が未開人だということを考え
れば、外観や機能の描写は決して悪くはありません。「輪の中に輪があるようで
ある……行く時は回らない」
今、私たちはここにいますが、これと、とても似た「空飛ぶ円盤」の中央に
わ ぶち
は、居住部分、すなわち「輪縁」があります。「その輪縁の周囲は目をもって
やっ
満たされていた」
。私たちの衣服が進歩したのと同じように、私たちは現在、厄
かい
まる
介な宇宙服はもう着ていませんし、私たちの宇宙船には当時、円い窓があった
のです。それが「輪縁」の「周囲の目」です。というのは、私たちはその頃は
まだ、原子構造を意のままに変えて、金属の壁を通して見る方法を発見してい
なかったからです。
そば
とど
「
空飛ぶ円盤」は創造者たちの側に止まり、何かあった場合に備えていました。
彼らは様々な物資を補給し、上空にある銀河間航行用の、大きな宇宙船を維持
するための作業を行っていました。宇宙船の内部にいた他の創造者たちは、彼
らを指図していました。それは、
「生き物の霊が輪の中にある」ということか
ら明らかです。
47
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
宇宙服についても、初期の潜水服のように 4 つの円窓があったと描写されて
おのおの
います。「各々 4 つの顔を持ち……行く時は回らずに、各々顔の向かうところ
にまっすぐに進んだ」
小型の「円盤」は月着陸船のようなもので、短い距離の探査に用いる行動半
径の狭い小型宇宙船です。高空には、銀河間航行用の大きな宇宙船が待機して
いました。
おおぞら
生き物の頭の上に、水晶のように輝く大空の形があり……彼らの頭の上の
くらい
大空の上に、サファイアのような位の形があった。また、その位の形の上に、
人の姿のような形があった。『エゼキエル書』1 章26節
この人の姿のようなものは、大きな宇宙船上で創造者たちの作業を監督し、
連絡調整を行っていたのです。
エゼキエルはとても驚き、これらのすべての不可解な出来事は〝神〟に由来
ふ
するに違いないと思い、ひれ伏しましたが、創造者のひとりは彼に語りかけま
した。
人の子よ、立ちあがれ、私はあなたに語ろう。……私があなたに語るとこ
ろを聞きなさい。あなたの口を開いて、私が与えるものを食べなさい。『エゼ
キエル書』2 章 1・8 節
ひ
ゆ
これは、善悪を知る科学の木から「取って食べる」という行為に似た比喩で
す。実はこれは、知性の「食物」です。つまり一冊の書物を与えられたのです。
まきもの
私のほうに伸べた手があった。また見よ、手の中に巻物があった。……そ
の表にも裏にも、文字が書いてあった。『エゼキエル書』2 章 9・10節
人々が羊皮紙の片側にしか文字を書かなかった時代に、その巻物は驚くべき
しる
ことに、表と裏の両方に文字が記されていたのです。そのあとで、この「巻物」
は食べられました。つまり、エゼキエルが知識を得たということです。彼が学
んだことは、今あなたが学びつつある人類の起源のことでした。それは実に興
奮させる励ましとなるものだったので、彼は次のように言っています。
みつ
あま
私がそれを食べると、それは蜜のように口に甘かった。『エゼキエル書』3 章 3
節
48
第一部/第3章:選民を見守る
それからエゼキエルは、情報を広めるための場所まで、創造者たちの宇宙船
で連れて行かれました。
とどろ
霊が私を引き上げた。……私は背後に、大きな轟く音を聞いた。『エゼキエル
書』3 章12節
あと
ずっと後の方でも、この「預言者」は再び宇宙船で運ばれています。
まぼろし
霊は、私を天と地の間に引き上げ、神の 幻 のうちに、私をエルサレムへと
運んで行った。『エゼキエル書』8 章 3 節
あと
つばさ
エゼキエルはその後で、
「ケルビム」がその「翼」の下に、人間のような手を
持っていることに気づきます。
ケルビムはその翼の下に、人の手の形を持つ者が見えた。『エゼキエル書』10
章8節
ケルビムは翼を広げて、私の目の前で地から上がった。その出て行く時、
輪もまた、これと共にあった。『エゼキエル書』10章19節
『エゼキエル書』11章 1 節
霊は私を引き上げて、……連れて行った。
のぼ
ヤーウェの栄光が町の中から上って、町の東にある山の上にとどまった。
その時、霊は私を引き上げ、……カルデヤ……へ連れて行った。『エゼキエル
書』11章23・24節
このように、エゼキエルが創造者たちの宇宙船で行った、多くの旅行につい
て書かれています。
ヤーウェは私を……出て行かせ、谷の中に私を置かれた。『エゼキエル書』37
章1節
き せき
すると、〝奇蹟〟が起きたのです。創造者たちは、骨しか残っていない人々
を生き返らせました。
前にもお話ししたように、生命体の細胞の 1 つひとつには、生命体全体を復
元するのに必要な情報がすべて含まれているのです。例えば、骨に残っている
これらの細胞の 1 つを、機械の中に入れるだけで良いのです。
49
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
この機械は、元の生物を復元するのに必要な生命物質を供給します。機械が
物質を供給し、細胞は、それをどのように構成すればいいのかという設計図の
情報を提供します。精子には、髪の毛や眼の色に至るまで、一個の生命体を創
造するのに必要なすべての情報が備わっていますが、ちょうどそれと同じです。
人の子よ、これらの骨は、生き返ることができるのか。……動く音があり、
あいつら
すじ
骨と骨が集まって相連なった。……その上に筋ができ、肉が生じ、皮がこれ
おお
を覆った……すると彼らは生き、その足で立ち、はなはだ大いなる群衆とな
った。『エゼキエル書』37章 3 〜10節
これらは容易に実現できることです。あなたがたにも将来は可能になるでし
とど
ょう。ここから、いつの日か復活できるようにと、永遠に原形を留めようとし
てい ねい
て、偉人をできるだけ丁寧に埋葬するという大昔の埋葬儀式が生まれたのです。
これは、永遠の〝生命の樹〟の秘密の一部です。
エゼキエルは、また宇宙船に乗せられて運ばれます。そして、4 0 章にあるよ
うに、宇宙服を着た人間の近くに行きます。
私をイスラエルの地に連れて行き、非常に高い山の上に降ろされた。その
山の上に、私と相対して一つの町のような建物があった。……見よ、ひとり
の人がいた。その姿は青銅の形のようで……。『エゼキエル書』40章 2・3 節
この町は当時、創造者たちが使用していた地球の基地の 1 つです。これらの
基地は、人間に邪魔されないように、常に高い山の上にありました。
「青銅の
形のような人間」というのは、もちろん、創造者たちが金属性の宇宙服を着て
いたからです。私たちは背が低いために、人間が私たちを子供、すなわちケル
ビムだと思ったのと同じことです。
エゼキエルが訪れた創造者たちの地球上の住居、すなわち「神殿」で彼らに
つと
奉仕していた祭司たちは、お務めの際には無菌の衣服を身につけていました。
そして、創造者たちが危険な病原菌に汚染されないように、衣服は「神殿」に
置いておかねばなりませんでした。
祭司たちが務めを行う衣服を、その所に置かなければならない。これは聖
だからである。『エゼキエル書』42章14節
「この衣服は無菌だから」と書くべきところですが、当時の何でも神秘化する
50
第一部/第3章:選民を見守る
未開な人たちには、創造者たちが説明したり見せたりしても、その内容が理解
できなかったのです。
『エゼキエル書』43 章では、尊敬の念を込めて、「神の栄光」と呼ばれている
巨大な宇宙船が近づいて来ます。
その時、見よ、イスラエルの神の栄光が東の方から来たが、その来る響き
おおみず
は大水の響きのようで、地は、その栄光で輝いた。『エゼキエル書』43章 2 節
創造者たちは、邪魔されたくはなかったので指令を出しました。
この門は閉じたままにしておけ、開いてはならない。ここから誰も入って
はならない。イスラエルの神ヤーウェが、ここから入ったのだから、これは
閉じたままにしておけ。『エゼキエル書』44章 2 節
きみ
創造者たちを訪れて、話をする資格を持っていたのは「君たる者」だけでし
た。
ただ君たる者だけが、この内に座って、ヤーウェの前でパンを食した。『エ
ゼキエル書』44章 3 節
しかし、君たる者は、特殊光線で殺菌される部屋を通らなければなりません
でした。
ろう
門の廊を通って入り、またそこから外に出よ。『エゼキエル書』44章 3 節
びと
つか
レビ人の「祭司」たちは、創造者たちに仕えるためにそこにいました。
ささ
私に仕えるために近づき、脂肪と血とを私に捧げるために、私の前に立て
と……私のテーブルに近づいて私に仕え、私への務めを守る。『エゼキエル書』
44章15・16節
人間の出す汗の臭いは、創造者たちには不快でした。
うちにわ
あさ
彼らが内庭の門に入る時は、麻の衣服を着なければならない。……汗の出
ころも
るような衣を身につけてはならない。『エゼキエル書』44章17・18節
そこには、エロヒムに新鮮な食物の補給を続けるのに、どのようにしたかも
記述されています。
51
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
はつ
はつもの
すべての物の初なりの初物、……また、あなたがたの小麦粉の初物を祭司
に与えよ。これは、あなたがたの家が祝福されるためである。『エゼキエル書』
4 4章30節
ダニエル書』の 3 章では、ネブカデネザル王は、創造者たちの代わりに金属
『
の偶像を礼拝しなかった 3 人の者を、火あぶりの刑として罰しました。しかし
3 人は、創造者たちの存在を知っていたので、反発し冷却させる光線を装備し
て、燃え盛る炎の中に彼らを助けにやって来た、創造者のひとりに救われまし
た。彼は、熱と炎から彼らを保護して、彼らが全く無傷で歩いて出られるよう
にしたのです。
ほど
私が見るに、4 人の者は縄が解かれ、火の中を歩いているが、何の害も受
けていない。その第 4 の者の様子は、神の子のようだ。『ダニエル書』3 章25節
あと
し
し
もっと後の方で、ダニエルは獅子の穴に投げ込まれましたが、獅子から何の
ま
ひ
危害も加えられませんでした。これも別に複雑なことではありません。麻痺光
線を使って、ダニエルを傷つかせずに穴から出させたのです。
『ダニエル書』6 章22節
私の神は、その使いを送って、獅子の口を閉ざされた。
『ダニエル書』の10章にも、創造者のひとりに関する興味をそそる記述があり
ます。
こ がねいろ
たま
目をあげて望み見ると、ひとりの人がいて、……その身体は黄金色の玉の
ごとく、その顔は電光のごとく、その目は燃える炎のごとく、その腕と足は
みが
磨いた青銅のごとく、その言葉の声は、群衆の声のようであった。『ダニエル
書』10章 5・6 節
最後の審判
ヘブライ人たちが、ペルシャ人やギリシャ人によって支配されたのは、彼ら
けつじょ
の信仰心が欠如していたからです。結果としてエロヒムは、ペルシャ人やギリ
つか
シャ人の中に技術的な進歩を助ける何人かの「天使」を遣わすことで、ヘブラ
イ人を罰したのです。
それら 2 つの文明において、偉大な時代があったのはこのためです。ペルシ
52
第一部/第3章:選民を見守る
は けん
ャ人を援助するために派遣された天使たちの長が、
「天使ミカエル」でした。
きみ
長たる君のひとり、ミカエルが、ペルシャの王国を助けるために来た。『ダ
ニエル書』10章13節
『ダニエル書』の 12 章にも、再び死者の復活が述べられています。
ちり
また、地の塵の中に眠っている者のうち、多くの者は目をさますでしょう。
ち じょく
そのうち永遠の生命に至る者もあり、また恥と、限りなき恥辱を受ける者も
あるでしょう。『ダニエル書』12章 2 節
「最後の審判」は、偉大な人たちの復活をもたらします。人類のために積極的
であり、創造者たちを信じ、創造者たちの戒律に従った人たちは、その時が来
ると、その時代の人々によって大いなる喜びと共に迎えられるでしょう。
反対に、悪を行った者たちはすべて、審判者の前で恥じ入ることになります。
いまし
そして、人類にとっての戒めとして、終わりのない後悔のうちに生きることに
なります。
おおぞら
賢い者は、大空の輝きのように輝き、また多くの人を義に導く者は、星の
ようになって永遠に至るでしょう。『ダニエル書』12章 3 節
天才たちは最高の評価を受け、最高の報いを受けます。また、天才たちが開
花するのを助けたり、あるいは真実が勝利を得るのに尽くした正しい人たちも、
同じように報われるでしょう。
ひ
ダニエルよ、あなたは終わりの時まで、この言葉を秘し、この書を封じて
おきなさい。多くの者はあちこちと探り調べ、その知識が増すでしょう。『ダ
ニエル書』12章 4 節
この言葉は、人間が十分な科学知識の水準に達したときに、初めて理解され
るものです。そして今がその時なのです。そのすべてが、実際に起きるのです。
くだ
聖なる民を打ち砕く力が、消え去るときに……。『ダニエル書』12章 7 節
これは、イスラエルの民が長きにわたった離散のあと、自分たちの国を取り
戻すときの描写です。イスラエルの国家が誕生したのは数十年前(訳注:1948
年)であり、地球人類の科学が飛躍的に進歩したのと同じ時期です。
53
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終わりの時まで秘し、
かつ封じておかれます。『ダニエル書』12章 9 節
すべてが、当時は理解不可能だったのです。しかし今や、すべてが理解でき
るようになりました。ここ数年の間に、人間は宇宙探査に着手するほどの目覚
と
ましい科学的進歩を遂げたので、人間の目から見て、当然のように、すべてが
可能と思われるようになりました。
きょうた ん
どんなに驚嘆すべきことでも、テレビの画面を通して見ることに慣れてしま
った人たちにとっては、もう心から驚くようなことは何一つありません。人々
つく
は、自分たちが本当に全知全能の創造者である「神」に似せて創られたことや、
自分たちの科学的な可能性についても、さしたる驚きもなしに受け入れられる
き せき
ようになりました。「奇蹟」は、理解可能となったのです。
の
『ヨナ書』に出てくる、預言者を呑み込んだ「大いなる魚」は、とても興味を
かきたてます。ヨナは小舟から海中に投げ入れられると、
ヤーウェは大いなる魚を備えて、ヨナを呑ませられた。ヨナは 3 日 3 夜、
その魚の腹の中にいた。『ヨナ書』1章17節
「大いなる魚」……実は潜水艦のことです。今でこそ、あなたがたもこのよう
な潜水艦を知っていますが、当時の人々には、「大いなる魚」でしかあり得ま
せんでした。魚の胃液で人はすぐに消化されてしまい、二度と日の目を見られ
なかったはずなのに。さらには、ヨナが内部で呼吸できるには空気が必要であ
ったわけなのに……。
この潜水艦の中では、創造者たちはヨナと話し合うことができ、当時の政治
的な事象の推移について、ヨナから情報を聞き出しました。
は
ヤーウェは魚にお命じになったので、魚はヨナを陸に吐き出した。『ヨナ書』
2 章10節
潜水艦は海岸に近づき、ヨナは再び大地に戻りました。『ゼカリヤ書』の 5 章
にも、宇宙船についての描写が見られます。
まきもの
私がまた目をあげて見ていると、飛んでいる巻物を見た。……その長さは
20 キュビト(9 メートル)、その幅は 1 0 キュビト( 4 . 5 メートル)です。『ゼカリ
ヤ書』5 章 1・2 節
54
第一部/第3章:選民を見守る
この記述の少しあとに、初めて女性の創造者たちが登場します。
それから私が目をあげて見ていると、ふたりの女が出てきた。これに、こ
つばさ
うのとりの翼のような翼があり、その翼に風をはらんで……。『ゼカリヤ書』5
章9節
つな
創造者たちの仲間のふたりの女性は、自動飛行装置の付いた繋ぎの衣服を身
にまとい、ゼカリヤの前に現れます。
『詩篇』の第 8 篇 5 節では、人間について次のように語られています。
ただ、少し人を、エロヒムよりも低く造り、……。
人間は、創造者たちとほぼ等しいだけの知力を備えています。ただ、原文を
書き写した人たちは、口述された通りに思い切って、
「エロヒムと等しい」と
書くことをしなかったのです。
のぼ
めぐ
それは、天の果てから昇って、天の果てにまで巡って行く。『詩篇』19篇 6 節
創造者たちは、地球の軌道から、ずっと遠く離れたところにある惑星からや
って来ました。
まく や
彼は、日のために幕屋を海に設けられた。『詩篇』19篇 4 節
おお
りくかい
大洋が地表を覆っていて、原初の大陸を創造したときに形成された陸塊につ
いての、新たなほのめかしです。
お
ヤーウェは、天から見下ろされ、すべての人の子らを見、その居られる所
なが
から、地に住むすべての人を眺められる。『詩篇』33篇13・14節
いつでもそうしてきたように、創造者たちは彼らの宇宙船から、人間の行動
を注意深く見続けているのです。
サタン
『ヨブ記』の第 1 章には、サタンについての説明があります。
ある日、エロヒムの子たちが来て、ヤーウェの前に立った。サタンも来て、
55
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
その中にいた。『ヨブ記』1 章 6 節
エロヒムという言葉は、ヘブライ語の字義通り、
「天空より飛来した人々」と
解すべきです。「エロヒムの子たち」
、すなわち人間を注意深く見続けている創
造者たちは、自分たちの惑星に定期的に報告して、ほとんどの人間が、彼らを
敬愛していることを明らかにしようとしていました。
しかし、彼らの中にサタンという名の者がいました。創造物である人間を絶
えず批判していたグループのひとりです。彼は、自分たちの惑星から近い地球
のような惑星に、別の知的生命体を創造することに対して、人間は自分たちに
きょう い
ひ
とって脅威となるような可能性が秘められていると見なしていたのです。人間
すぐ
が創造者たちを敬愛しているという最良の例のうちで、最も優れた例であるヨ
ブの献身ぶりを前にしても、サタンは次のように言いました。
おそ
「
ヨブはいたずらにエロヒムを畏れましょうか。……しかし、あなたの手を
伸べて、彼のすべての所有物を打ってごらんなさい。彼は必ず、あなたの顔
のろ
に向かって、あなたを呪うでしょう。
」 ヤーウェはサタンに言われた、
「見よ、
まか
彼のすべての所有物をあなたの手に委せる。ただ、彼の身に手をつけてはな
らない。
」『ヨブ記』1 章 9 〜12節
う
もし富を失えば、ヨブの創造者たちに対する敬愛の念は失せるはずだ、とい
うサタンの主張を聞いて、政府はサタンに、ヨブを破産させる全面的な権限を
与えました。そうすれば、それでもヨブが、創造者たちを敬愛するのかどうか
が分かると考えたのです。このため、ヨブを殺すことはしませんでした。
がんきょう
破産しても、ヨブは頑強に創造者たちを敬愛し続けたので、政府はサタンの
反対意見に勝利を収めました。しかしサタンは、確かにヨブは多くの所有物を
失ったが、彼自身は健康だったためだと反論しました。そのため、命だけは奪
わないという条件つきで、サタンはヨブに関する白紙委任を政府から取り付け
ました。
彼はあなたの手にある。ただ、彼の命を助けよ。『ヨブ記』2 章 6 節
さらに、
『ヨブ記』の中で、37章にある短い文章がとても興味を引きます。
おおぞら
と
い
かた
あなたは、大空を跳び越える、鋳た金属の鏡のように堅いものを、彼のよ
うに打ち出すことができるか。『ヨブ記』37章18節
56
第一部/第3章:選民を見守る
言い換えれば、人間は、
「大空を跳び越える」──つまり金属の宇宙船を実
際に造ることができるでしょうか。当時の人々は、神以外は不可能だと考えて
いました。しかし、今ではそれが可能です。
いや
創造者たちは、ヨブの謙虚さを見て彼を癒し、ついに彼に富と子供たち、そ
れに健康を戻してやりました。
人類には理解できなかった
外典の『トビト書』(訳注:旧約聖書外典の 1 つ)の中では、創造者たちの創っ
たロボットのうちのひとり、ラファエルという名のロボットが、人間が創造者
たちに遭遇すると、どんな反応を示すのかを試すためにやって来ます。
そして彼は、人間たちに自分の正体を明かしたあと、帰って行きます。
毎日、私はあなたがたの前に現れたが、私は食べず飲みもしなかった、…
つか
かた
のぼ
…私は、私を遣わした方のところへ昇っていく。あなたがたに起こったこれ
らのことを書き記しなさい。『トビト書』12章19・20節
こうしたことはすべて、文書の中で容易に見つけ出すことができます。しか
し、もういちど、理解しようと努めなければなりません。
さて、知恵とは何であり、起源とは何なのか、私は告げ、そのエロヒムの
秘密をあなたがたに隠さない。むしろ、その生まれた初めから説き明かし、
かたわ
知識を明るみに出し、その真理の傍らを通り過ぎないようにしよう。『ソロモ
ンの知恵』6 章22節
時が来れば、こうしたことのすべてを現出させられる「知恵」、つまり科学
が、人間によって知られるようになるでしょう。聖書の記述は、こうしたこと
のすべての証拠となるでしょう。
というのは、創造された物の偉大さと美から類推して、それらの物の創造
者たちが認められるからである。『ソロモンの知恵』13章 5 節
真実を発見し、創造物を通して創造者たちを認めることは、むしろ簡単なこ
となのです。
57
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
よ
目に見える善き物から、存在者を知ることが出来ず。『ソロモンの知恵』13章 1
節
創造者たちは人間たちに邪魔されないように、今でも高度文明の跡(ヒマラ
ヤ、ペルーなど)が見られる高い山や、同じく海の底にも基地を持っていました。
高山の基地は次第に廃止されて、もっと人間が近づきがたい海底へと移されま
した。初めに追放された創造者たちは、大洋の底に隠れて住んでいました。
つるぎ
へび
その日ヤーウェは、堅く大いなる強い剣で、逃げる蛇、曲がりくねる蛇レ
りゅう
ビヤタンを罰し、また海にいる龍を殺される。『イザヤ書』27章 1 節
この当時、惑星の政府は、人間を創造した者たちを滅ぼそうと考えていまし
た。こうしたすべての驚異的なことを、人間たちが明確に理解するのは容易な
ことではありませんでした。だから人々は、いたずらに難しく考え、創造者た
あが
ちを神として崇めたのです。人々は科学的なことを理解することができなかっ
たからです。
また、その書物を、読むことのできない者に渡して、
「これを読んで下さい」
と言えば、
「読むことはできない」と彼は言う。『イザヤ書』29章12節
人間は、ずっと昔から真実を手中にしていたのですが、「読むことができる」
と
まで、つまり科学的に十分な発達を遂げるまで、真実を理解することができな
かったわけです。
すべての人は愚かで知恵がなく。『エレミヤ書』10章14節
科学が、創造者たちに創造を可能にさせたのであり、将来は人間も、それを
可能にすることでしょう。
わざ
ヤーウェが昔、その業をなし始められる前に、その道の始めとして私を造
おお
られた。永遠より初めより地のなかった先に、私は立てられた。……彼が大
ぞら
空を張られたとき、私はそこにあった。……水にその岸を越えないようにし、
もとい
かたわ
め いしょう
また地の基を定められたとき、私はその傍らにあって、名匠となり、日々に
しんげん
喜び、常にその前に楽しみ、その地で楽しみ、また世の人を喜んだ。『箴言』8
章 22・23・27・29〜31節
58
第一部/第3章:選民を見守る
知性と科学、この 2 つの徳によって、創造者たちは「大陸」を創造できたの
す
です。生物が棲む単一の大陸です。現在、この知性と才気は人間の頭脳を導い
て、彼らの創造者たちの行為を繰り返させるまでに至っています。
太古から人間は、他の世界に自分たちに似た人間を創造してきたのです。こ
のサイクルは続いていきます。ある者が滅びれば、ある者が交代します。私た
ちはあなたがたの創造者であり、あなたがたは他の人間を創造することになる
のです。
あ
のち
いま在るものは、すでに在ったものである。後に在るものも、すでに在っ
たものである。『伝道の書』3 章15節
動物も創造されたものなので、再創造されることになるでしょう。すべて人
間と同じで、それ以上でもそれ以下でもありません。滅びつつある種も、あな
たがたがそれを再創造できることを知ったとき、再び復活できるでしょう。
けもの
まさ
くう
人は獣に勝るところがない。すべてのものは空だからである。『伝道の書』3
章 19節
創造者である私たちは、もし人間が私たちに創造されたことを感謝するのな
ら、公式にあなたがたの前に姿を現しましょう。私たちは、私たちにとって許
うら
容することのできない恨みをあなたがたが持つことを恐れています。
私たちは、あなたがたと接触を開始して、あなたがたが、私たちの進歩した
重要な科学知識の恩恵を受けることを望んでいます。これは、あなたがたが私
たちに敵対せず、私たちを父のように敬愛していることを確認できたらのこと
ですが。
おのれ
己を造った者と争う者はわざわいだ。粘土は陶器師に向かって、
「あなたは
何を造るか」と言い、あるいは「あなたの造った物には手がない」と言うだ
もう
ろうか。父に向かって「あなたはなぜ子を設けるのか」……と言う者はわざ
わいだ。『イザヤ書』45章 9・10節
こころ
私は、苦しみの炉をもってあなたを試みた。私は自分のために、自分のた
めにこれを行う。『イザヤ書』48章10・11節
これは、人間が創造者たちを愛さない場合のことを恐れて、創造者たちが科
59
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ゆだ
学の進歩をもっぱら人間に委ねて、ほとんど援助することはしなかったという
ことです。
きざ
この宇宙船と、私の宇宙服に刻まれている紋章は、真実を表しています。そ
してこの紋章は、ユダヤの民の紋章、つまり「ダビデの星」でもあります。そ
してこれは、「上にあるものは下にあるものと同様である」ことを意味してお
り、またダビデの星の中心に「スワスティカ」がありますが、これは、すべて
は循環しており、上の者は下になり、下の者は上になる、ということを意味し
つな
ています。創造者たちと人類との、起源と運命は似ており、繋がりがあるので
す。
あなたがたは知らなかったか。あなたがたは聞かなかったか。初めから、
もとい
さと
あなたがたに伝えられなかったか。地の基をおいた時から、あなたがたは悟
らなかったか。『イザヤ書』40章21節
高い山の上に造られた、創造者たちの基地の跡についての記述は、『アモス
書』に見つかります。
かた
彼は……地の高い所を踏まれる方、……。『アモス書』4 章13節
創造者たちは、全部で 7 つの基地を持っていました。
これらの 7 つのものは、あまねく全地を行き来するヤーウェの目である。
『ゼカリヤ書』4
章10節
くだ
しょくだい
7 本の管を持つ燭台(訳注:『ゼカリヤ書』4 章 2 節を参照)というのは、現在では
その意味が分からなくなっていますが、もともとは創造者たちの司令部にあっ
た、 7 つの表示灯を持つ中央装置のことで、これによって、他の基地や地球を
周回する惑星間宇宙船と、連絡が取れるようになっていました。
『詩篇』の13 9 篇 4 〜 6 節に、テレパシーについてのほのめかしがあります。
いちごん
ことごと
私の舌に一言もないのに、ヤーウェよ、あなたは 悉 くそれを知られます。
み
て
あなたは後ろから前から私を囲み、私の上に御手を置かれます。このような
知識はあまりに不思議で、私には思いも及びません。これは高くて達するこ
とができません。
当時はテレパシーなど想像もつきませんでした。「このような知識はあまり
60
第一部/第3章:選民を見守る
に不思議」だったのです。彼らにとっては、天文学や惑星間旅行も、当時では
全く想像もつかないことでした。
もろもろ
主は諸々の星の数を定め、すべてそれに名を与えられる。我らの主は大い
なる神、力も豊かであって、その知恵は計りがたい。『詩篇』147篇 4・5 節
当時は、電気通信も理解のできないことでした。
いまし
み
すみ
主は、その戒めを地に下される。その御言葉は速やかに走る。『詩篇』147篇
1 5節
私たちは、創造者たちが行ってきた一連の活動の中で、決定的な変わり目に
到達しつつあります。そこで彼らは、直接介入することは一切しないで、人間
が科学的に進歩するように仕向けることを決定しました。なぜなら彼らは、自
分たちも同じようにして創造されたのであり、自分たちに似た物を創造するこ
とにより、この循環が続いて行くことが可能になると理解したからです。
ま
しかし先ずは、彼らは真実を地上全体に広めるために、ひとりの「メシア」
つか
を遣わすことを決定しました。このメシアは、原初の神秘が、科学の進歩によ
って明らかにされる日の到来に備えて、イスラエルの民しか知らなかったこと
を、世界中に広めることのできる人でした。そして彼らは、その人を発表しま
した。
おさ
しかしベツレヘムよ、イスラエルを治める者があなたの中から出る。その
出るのは昔から、いにしえの日からの定めである。……彼はヤーウェの力に
より、……立ってその群れを養い、……地の果てにまで及ぶからである。こ
れは、平和である。『ミカ書』5 章 2 〜 5節
エルサレムの娘よ、大いに喜べ、……あなたの王は、あなたの所に来る。
柔和であって、ロバに乗る。……彼は国々の民に平和を告げ、その支配は海
から海に及び……。『ゼカリヤ書』9 章 9・10節 〉
61
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第4章
キリストの役割
受 胎
翌朝、同じ場所で私たちが再会すると、私をもてなす人は言いました。
〈
キリストは、聖書に記述されている真実を地上全体に広め、あらゆることが、
科学によって説明される時代になったときに、すべての人間にとって、聖書の
記述が証拠として役立つようにしなければなりませんでした。
このために創造者たちは、彼らの中のひとりと、人間の女性との間に子供を
設けることを決め、その子供に、人間には欠けている、ある種のテレパシー能
さず
力を遺伝的に授けたのです。
み おも
彼女は、聖霊によって身重になった。『マタイによる福音書』1 章18節
地球人の中からマリヤが選ばれたわけですが、彼女の婚約者にとっては、こ
がた
の知らせは明らかに耐え難いことでした。しかし、
主の使いが夢に現れて言った。『マタイによる福音書』1章20節
創造者たちのひとりが彼の元へ行って、マリヤが「神」の子を宿していると
説明したのです。
創造者たちと連絡を取っていた「預言者たち」は、「神」の子に会うために
はる
遥か遠方からやって来ました。創造者たちの一機の宇宙船が、彼らを導いたの
です。
ほう
かた
おが
「私たちは東の方でその星を見たので、その方を拝みに来ました」……彼ら
62
第一部/第4章:キリストの役割
おさな ご
とど
が東方で見た星が、彼らより先に進んで幼子のいる所まで行き、その上に止
まった。『マタイによる福音書』2 章 2・9 節
創造者たちは、この幼子を見守っていました。
主の使いが夢でヨセフに現れて言った、
「立って、幼子とその母を連れて、
とど
エジプトへ逃げなさい。そして、あなたに知らせるまで、そこに留まってい
さが
なさい。ヘロデが幼子を捜し出して、殺そうとしている」『マタイによる福音書』
2章13節
この王は、
「預言者たち」が彼に告げたことから、彼の領地から出たこの「幼
き王」を不吉なものと感じたのです。しかし、ヘロデ王が死んだあと、創造者
たちはヨセフに、イスラエルに戻ってもよいと知らせました。
さて、ヘロデが死んだあと、見よ、主の使いがエジプトにいるヨセフに、
おさな ご
夢で現れて言った、
「立って、幼子とその母を連れて、イスラエルの地に行け。
ねら
幼子の命を狙っていた人々は死んでしまった」『マタイによる福音書』2 章19・20節
手ほどき
イエスが成年に達した時に、彼は創造者たちに連れて行かれて、自分がどの
す じょう
ような素性であるかを教えられ、彼の「父」に引き会わされました。そして、
自分の使命を教えられ、様々な科学技術の手ほどきを受けました。
み たま
はと
くだ
天が開け、神の御霊が鳩のように自分の上に降って来るのを、ご覧になっ
かな
た。また天から声があって言った、「これは私の愛する子、私の心に適う者
である」『マタイによる福音書』3 章16・17節
あら の
こころ
さて、イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためであ
る。『マタイによる福音書』4 章 1 節
悪魔というのは、実は〝サタン〟のことで、前に述べたように、この創造者
は、地球の人間からは何も良いものは生じないと、相変わらず確信していまし
か な た
た。彼は〝懐疑論者サタン〟として、彼方にある私たちの惑星政府の反対派か
ら、支持を受けていたのです。
63
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
そこでサタンは、イエスに会って彼の知性が確実なものかどうか、また本当
ため
に創造者たちを敬愛しているかどうかを試しました。そして、イエスが信頼で
すいこう
ゆだ
きる人物だと分かったので、イエスに使命の遂行が委ねられました。
彼のもとに、より多くの人々を集結させるために、イエスは〝奇蹟〟を行い
ました。実際には、創造者たちから学んだ科学技術を応用したわけです。
やまい
あらゆる病で苦しんでいる者たちを、すべてイエスのところに連れて来た
いや
ので、彼はこれらの人々を癒された。『マタイによる福音書』4 章24節
貧しくとも、活気があれば幸いだ。『マタイによる福音書』5 章 3 節
この一文は、間違って次のように訳されてきました。すなわち「貧しいこと
は幸いだ」。しかし、もし貧しくても活気があるなら幸せであろう、というの
が本来の意味だったのです。──どちらも、意味が全く違います。
それから、イエスは使徒たちに、地の隅々にまで真実を広めなければならな
いと語りました。「主の祈り」や「我らの主」と呼ばれている祈りの中に、文
字通り真実が明記されています。
み くに
みこころ
御国が来ますように。御意が天に行われる通り、地にも行われますように。
『マタイによる福音書』6
章10節
「天」、すなわち創造者たちの惑星上では、最後には科学者たちが統治するよ
うになり、そして別の知的生命体を創造したのです。地球上でも同じようなこ
たい まつ
とも
とが起きるでしょう。松明の火は再び燈されるのです。
その深い意味が理解されないままに、何度も何度も繰り返されてきたこの祈
りが、今その全体の意味を取り戻したのです。
「天に行われる通り、地にも行
われますように」
イエスは、テレパシーによる集団催眠を用いて、説得力のある話をする方法
を教わりました。
イエスがこれらの言葉を語り終えられると、群衆はその教えに非常に驚い
た。それは、律法学者たちのようにではなく、権威ある者のように教えられ
たからである。『マタイによる福音書』7 章28・29節
創造者たちが離れた場所から集中した光線を当てることによって、イエスは
64
第一部/第4章:キリストの役割
病人たちの治療を続けました。
らい
ひとりの癩病人がイエスのところに来て、……イエスは手を伸ばして彼に
きよ
触り、
「そうしてあげよう、清くなれ」と言われた。すると、癩病はただちに
清められた。『マタイによる福音書』8 章 2・3 節
ま
ひ
麻痺した男性に対しても同様の治療をしました。離れた場所から集中した光
いく え
線、言うならばレーザーのようなものを用いて、幾重もの層を通過して患部だ
けを焼き尽くすようになっていました。
ちゅうぶ う
中風の者に向かって、
「起きよ、床を取り上げて家に帰れ」と言われた。す
ると、彼は起き上がり、家に帰っていった。『マタイによる福音書』9 章 6 〜 8 節
『マタイによる福音書』ではそれ以上に、イエスは自分の使命について知らせ
ました。
私が来たのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためである。『マタイ
による福音書』9 章13節
イエスがやって来たのは、創造者たちの存在を知っているイスラエルの民の
ためではなく、むしろ、この知識を世界中に広めるためなのです。
もっとあとでは、最初のものと同じような〝奇蹟〟が行われています。すべ
らい
て医学に基づくものです。今日では、心臓移植や他の器官の移植、癩病やその
こんすい
他の似たような病気が治療され、適切な手段によって人々が昏睡状態から回復
しています。未開人には、それが奇蹟と受け取られたのです。当時は、このよ
うに人間は原始的であり、創造者たちも、現代の地球上の「文明」国家の人間
と似通っていました。ただ、創造者たちの方が、科学的にはもっと進歩してい
ましたが。
さらにその先には、イエスの本当の父が創造者たちの中の誰であるかを、ほ
のめかすのが見られます。
いま
人の前で、私を受け入れる者は誰でも、私もまた、天に在す、私の父の前
で受け入れるであろう。『マタイによる福音書』10章32節
いま
ふ
「天に在す、私の父の前で」
。ここにすべてが語られています。「神」は触れる
いま
ことのできないもの、また非物質的なものではありません。彼は、
「天に在す」
。
65
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
てんがい
星々は、きれいな照明器具のように天蓋に引っかけてあって、世界の中心で
ある地球の周囲を回っていると信じていた人々にとっては、このことが全く理
解できなかったのは明らかです。
今では、それとは反対に、宇宙旅行が可能になると共に、宇宙の広大さにつ
いても理解が深まっていますから、この文章にも全く異なった意味を見いだす
ことができるのです。
人類は地球人だけではない
『マタイによる福音書』の13章には、創造者たちが他の世界に生命を創造する
たと
ために、彼らの惑星を離れたのがどのようなものであったのか、イエスが譬え
話で、詳しく説明する重要な経過があります。
たね ま
びと
みちばた
種蒔き人が種を蒔きに出て行った。蒔いているうちに道端に落ちた種があ
ほか
いし じ
った。すると、鳥が来て食べてしまった。他の種は土の薄い石地に落ちた。
のぼ
そこは土が深くないのですぐ芽を出したが、日が昇ると焼けて、根がないた
か
ほか
いばら
ふさ
めに枯れてしまった。他の種は茨の地に落ちた。すると茨が伸びて塞いでし
ほか
まった。他の種は良い地に落ちて実を結び、あるものは 1 0 0 倍、あるものは
6 0 倍、あるものは30倍にもなった。耳のある者は聞くがよい。『マタイによる
福音書』13章 3 〜 9 節
こころ
これは、他の惑星での生命を創造する、様々な試みをほのめかしたもので、
その試みは 3 度失敗しました。
1 回目は、何羽かの「鳥たち」が来て食べてしまったからですが、実際には、
その惑星が創造者たちの惑星にあまりにも近すぎたために、失敗したのです。
きょう い
自分たちに似た人間の創造は、いずれ自分たちに脅威をもたらすと反対する者
たちが、その惑星に出かけて行って、創造物を破壊したのです。
2 回目の試みは、あまりにも太陽に近い惑星で行われたので、暑すぎて、有
害な放射線のために創造物は破壊されてしまいました。
いばら
3 回目の試みは、今度は逆に「茨の地」で行われました。この惑星は、非常
に湿気が多くて植物がはびこったので、自然のバランスを壊し、動物を滅ぼし
てしまったのです。この植物だけの世界は今でも存在しています。
そしてついに、4 回目の試みが「良い地」で行われ、それは成功を収めまし
66
第一部/第4章:キリストの役割
た。ここで重要なのは、そのときに 3 度の成功を収めたことです。つまり、地
球の比較的近くにある他の 2 つの惑星にも、同じ創造者たちによって創造され
た、人間に似た生物がいるのです。
「耳のある者は聞くがよい」……能力のある者は理解できるだろうということ
です。時機がくれば、探し求めている人には理解できるようになります。他の
さと
人々、すなわち見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らない者たち(訳注:『マ
タイによる福音書』13章13節)には、真実は分からないでしょう。自ら知性を示し、
あたい
創造者たちの援助を受けるに値する者だけが、援助を受けることになるでしょ
う。
おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持ってい
ない人は、持っているものまで取り上げられるであろう。『マタイによる福音書』
1 3章12節
自分たちの知性を示す能力のない人たちは、生き残ることはできないでしょ
ふさわ
う。人間は、創造者たちから同等の者として認められるのに相応しいことを、
ほぼこれまで示してきました。彼らは一つだけ……愛が、少し欠けています。
お互いの愛、とりわけ創造者たちに対する愛がです。
おく ぎ
あなたがたには、天国の奥義を知ることが許されているが、……。『マタイ
による福音 書』13章11節
生命が創造された 3 つの惑星は競争関係にあります。最も立派な科学的進
歩を達成する人類、それによって知性を示す人類は、創造者たちの遺産の恩
恵を受けることができます。創造者たちに対して攻撃的でないという条件つ
きで、「最後の審判」の日にその遺産を受け取るのです。
その日というのは、十分に高いレベルまで知識が到達した日です。その時
期は、地球人にとってはそれほど遠いことではありません。人間の特性は、
それはどんな種よりも小さいが、成長すると、どの野菜よりも大きくなり、
空の鳥がやって来て、その枝に宿るほどの木になる。『マタイによる福音書』13章
32節
「 空の鳥」、つまり創造者たちは、人間がそれに値することを示したときに、
人間のための知識を持ってやって来て、枝に宿るのです。
67
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
さん ど
天国はパン種のようなものである。女がそれを取って三斗の粉の中に混ぜ
ふく
ると、全体が膨らんでくる。『マタイによる福音書』13章33節
これは、創造者たちが科学の開花を期待している 3 つの世界についての、
もう 1 つのほのめかしです。
たと
私は口を開いて譬えを語り、世の初めから隠されていることを語り出そう。
『マタイによる福音書』13章35節
これは最も重要なことの 1 つですが、惑星には寿命があり、いつの日か居住
が不可能になります。人類が生き延びるためには、人間はその時までに他の惑
星へ移動するか、あるいは他の惑星に適応できない場合は、他の惑星の環境に
適した人間型の生命を創造するか、そのどちらかに着手するのに十分な科学レ
ベルに到達していなければなりません。人間が環境に適応できないならば、そ
の環境に適応できる人間を創造しなければならないのです。
例えば、人類が絶滅する前に、全く異なる環境の中で生存できる別の人種を
つ
創造して、創造者が絶滅する前に、自分たちの知識を彼らに受け継がせるので
す。そのように創造者たちは、遺産が失われてしまうことのないように 3 つの
世界に生命を創造しました。そして、その中で最も優れた 1 つのみが、遺産を
引き継ぐ権利を得ることでしょう。
み
世の終わりにも、その通りになるであろう。すなわち、御使いたちが来て、
え
義人のうちから悪人を選り分け……。『マタイによる福音書』13章49節
パンが増えた箇所は、前にすでに説明しました。それは宇宙飛行士たちが使
用している、生命の維持に必要なすべての要素を含んだ、大きな錠剤のような
形をした濃縮食品でした。「聖なるパン」とその形は、この錠剤を連想させま
す。ですから、パン数個分の分量さえあれば、数千人の人々に食べさせるのに
十分なのです。
き せき
科学による奇蹟
イエスが水の上を歩いたとき、創造者たちは反重力光線で、その特定の場所
ささ
の重量の影響をちょうどその時に打ち消し、彼を支えました。
68
第一部/第4章:キリストの役割
イエスは海の上を歩いて、彼らの方へ行かれた。『マタイによる福音書』14章25
節
あと
この光線が実は乱気流を生じさせたことが、後に続いて描写されています。
おぼ
しかし、風を見て恐ろしくなり、そして溺れかけたので、ペテロは叫んで、
……ふたりが舟に乗り込むと、風はやんでしまった。『マタイによる福音書』14章
3 0〜32節
彼らが舟に乗り込んだときに「風はやんでしまった」のは、イエスが舟に乗
り込んだ時に光線の放射が中止されたからです。もう 1 つの、全く科学的な
〝奇蹟〟です。
実際には奇蹟というものは存在せず、文明のギャップがあるだけです。もし
あなたがたが、イエスの時代に宇宙船、または単純なヘリコプターでさえそれ
を使って降りたならば、たとえあなたがたの科学的発展レベルの限界だとして
も、当時の人々の目には奇蹟を演じていると映ったことでしょう。
ちょうど、人工照明をつけたり、空からやって来たり、自動車で走り回った
り、テレビを見せたり、銃で小鳥を撃ち落としたりすれば、人々は、あなたが
たの機械装置の仕掛けを理解することができないので、それらに神のものとか
超自然的な力を見たことでしょう。
また忘れてはならないのは、あなたがたとイエスの時代の人々との間にあ
る、科学的なギャップと同じものが、今また、あなたがたと私たちとの間にも
あることです。私たちは、あなたがたが〝奇蹟〟と見なすような事柄を、いつ
でも行うことができます。
でも、あなたがたのうちで最も進んだ人たちにとっては、全くの〝奇蹟〟と
は映らないでしょう。数十年前から、人間は科学を発展させる道を歩んでおり、
ふ
ささ
地にひれ伏して捧げ物をするという愚かな行為の代わりに、物事の原因を追求
するようになっているからです。
しかし、私たちの知識は、もし私たちが〝奇跡”を行えば、あなたがたの中
の天才たちにさえも、それが一体どのような仕組みで行われたのか全く見当も
おのの
つかないほど高度なものです。ごく少数の特別に知性的な人たちは、恐怖に戦
おちい
くようなことはないかもしれませんが、大衆はパニックに陥ってしまうでしょ
たいてい
う。大衆も、もはや大抵のことには驚きませんが、それでも私たちは、彼らを
69
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
きょうたん
驚嘆させるだけのものを持っています。
人々が理解する必要があるのは、非物質的な〝神〟は存在しませんが、ただ、
自分たちの姿に似せて他の人々を創造した人たちがいるということです。
『マタイによる福音書』の17章では、創造者たちが再び現れます。
イエスは、ペテロ、ヤコブ、ヤコブの兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に
登られた。ところが、彼らの目の前でイエスの姿が変わり、その顔は太陽の
ように輝き、その衣は光のように白くなった。すると見よ、モーセとエリヤ
おお
が彼らに現れて、イエスと語り合っていた。……たちまち輝く雲が彼らを覆
かな
い、そして雲の中から声がした、「これは私の愛する子、私の心に適う者で
ある。これに聞け」『マタイによる福音書』17章 1 〜 5 節
この場面が繰り広げられたのは、夜です。イエスが宇宙船の強力なライトで
光り輝き、またその宇宙船から、モーセとエリヤが今でも生きていて現れ出た
きも
のを見て、使徒たちは肝をつぶしました。モーセとエリヤは「生命の木」のお
かげで生きていたのです。不死というのは、人間の考えている不死の観念とは
一致しませんが、これは科学的に現実なのです。『マタイによる福音書』1 9 章
30節に、その文章があります。
あと
しかし、多くの先の者は後になり、後の者は先になるであろう。
これは、創造者たちが創造されたのと同じように、創造された者も創造者た
ちになるでしょう、という意味です。
遺産を受け継ぐ資格
と
『マタイによる福音書』の25章では、3 つの惑星が、科学的に進歩を遂げなけ
ればならないということと、それらがいつの日か、審判されるだろうというこ
たと
とが語られています。その譬え話を言うと、
しもべ
ある人が外国へ行こうとするとき、その僕たちを呼んで、自分の財産を預
けるようなものである。……ある者には 5 タラント、ある者には 2 タラント、
ある者には 1 タラントを与え、彼は旅に出た。……旅から帰った主人は、5 タ
もう
ラントの者が取り引きをして、さらに 5 タラントを儲けて戻ったことを受け
70
第一部/第4章:キリストの役割
入れた。……同様に、2 タラントの者がさらに 2 タラントを儲けたことを受
け入れた。……しかし 1 タラントの者からは、1 タラントだけしか受け取れ
なかった。……主人は彼に答えて言った、「さあ、そのタラントをこの者から
取りあげて、1 0タラントを持っている者にやりなさい。おおよそ、持ってい
る人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っている
ものまで取り上げられるであろう」『マタイによる福音書』25章14〜29節
つ
生命が創造された 3 つの世界の中で、最も進歩した世界が遺産を受け継ぐこ
とになるのです。進歩の見られない世界は、他の世界に支配されて滅ぼされて
しまうでしょう。これは、地球上の諸国民の間についても当てはまることです。
『マタイによる福音書』の26章では、イエスは、彼の死とその記述を、のちに
証拠の役目とすることの重要性を知らせています。イエスと一緒にいた人たち
のひとりが剣を抜いて、彼を守ろうとした時、イエスはこのように言いました。
あなたの剣を元のところに納めなさい。……私が父に願って、天の使いた
つか
ちを 1 2 軍団以上も今、遣わして頂くことができないと、あなたは思うのか。
しかしそれでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうし
じょうじゅ
て成就されようか。『マタイによる福音書』26章52〜54節
ごうだつ
あとで創造者たちが地球に戻って来たときに、彼らが強奪者や侵略者と見な
されないように真実を広めておくためには、イエスは死ぬ必要があったので
す。これこそが、聖書と福音書の記述が役立つ点なのです。創造者たちの行為
こん せき
と存在の痕跡を保存し、彼らが戻って来た時に、それと分かるようにしておく
ためです。
イエスは死んだあと、創造者たちの助けによって〝復活〟させられました。
くだ
すると大きな地震が起こった。それは、主の使いが天から降って来て、石
ころ
いな びかり
をわきへ転がし、その上に座ったからである。その姿は電光のように輝き、
まっ しろ
その衣は雪のように真白であった。『マタイによる福音書』28章 2・3 節
よみがえ
創造者たちはイエスの手当てをし、彼を甦 らせました。そうして、イエスは
言いました。
ゆえ
で
し
それ故に、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子として、……あ
いっさい
なたがたに命じておいた、一切のことを守るように教えよ。『マタイによる福音
71
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
書』28章19・20節
イエスの使命は終わりました。
主イエスは、彼らに語り終わってから、天に上げられ……。『マルコによる福
音 書』16章19節
創造者たちは、この極めて重要な最後の一節のあとで、彼を連れて行ったの
です。
へび
つか
終わりの時には……もし彼らが蛇を摑み、また毒を飲んでも、決して害を
いや
受けない。また、病人に手をおけば、癒される。『マルコによる福音書』16章18節
これは、人道的な立場から毒蛇の血清や解毒剤を発見するようになり、また
外科手術を発達させるようになるなど──今、同じことが起こっています。
ひん ぱん
地球への彼らの到来のための準備として、創造者たちはますます頻繁に現れ
て、次第に、彼らの啓示に一層の重みを加えるようになるでしょう。これもま
た、今、明らかに起こっていることです。
い ち じ く
無花果の木を、またすべての木を見なさい。はや芽を出せば、あなたがた
『ルカによる福音書』21
はそれを見て、夏がすでに近いと自分で気づくのである。
章 29・30節
ひんぱん
現在のように、未確認飛行物体(訳注:UFO)が頻繁に出現するようになれ
ば、その時は近づいたのです。さらに、『使徒行伝』の 2 章には、次のように
書かれています。
ご じゅんせ つ
五旬節の日がきて、皆が一つの所に集まっていると、突然、激しい風が吹
いて来たような音が天から起こって来て、一同が座っていた家いっぱいに響
きわたった。また、舌の様なものが炎のように分かれて現れ、1 人ひとりの
とど
み たま
上に止まった。すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、い
ろいろの他国の言葉で語り出した。『使徒行伝』2 章 1〜 4 節
創造者たちは、増幅されたテレパシー波動を一種の電気ショックのように用
ほどこ
いて、凝縮して素早く教え込む教育方法を施すことで、使徒たちの記憶に、他
の言語の初歩を植え付けて、彼らが真実を世界中に広めることができるように
72
第一部/第4章:キリストの役割
したのです。
ごくしゃ
とら
『使徒行伝』では、ヘロデ王により獄舎に囚われたペテロを救い出すときに現
み
れた創造者たち、すなわち「御使いたち」が何度か姿を現していることに、特
に注意する必要があります。
そば
み
すると突然、主の使いが側に立ち、光が獄内を照らした。そして、御使い
わきばら
つつ
はペテロの脇腹を突いて起こし、
「早く起き上がりなさい」と言った。すると、
くさり
はず
はきもの
は
鎖が彼の両手から外れ落ちた。御使いが「帯をしめ、履物を履きなさい」と
言ったので、彼はその通りにした。それから「上着を着て、ついて来なさい」
み つか
し わざ
と言われたので、ペテロはついて出て行った。彼には、御使いの仕業が現実
まぼろし
のこととは考えられず、ただ 幻 を見ているように思われた。『使徒行伝』12章 7
〜9節
ひと
ペテロは未開人だったので、鎖が独りでに外れ落ちるのを目にして、これは
幻だと思ってしまったのです。彼は、創造者たちのひとりが使用していた、電
子式のレーザー切断装置を知らなかったのです。
人は奇想天外な現象に出くわすと、夢を見たと思いがちです。創造者たちを
見た人たちが、しばしば夢や幻を見たのだと言うのはこのためです。私たちの
い
空飛ぶ円盤を実際に目撃した人たちが、幻覚を見たのだとしばしば云われるの
しょう し ん しょう め い
に、やや似ています。夢を見たと思っていたことが、実は正真正銘の事実だっ
たということが、これでハッキリと説明できますね!
ひと
彼らは……町に抜ける鉄門のところに来ると、それが独りでに開いたので、
み
……御使いは彼を離れ去った。『使徒行伝』12章10節
しるし
その時が到来したという、もう 1 つの徴は、イスラエルの民が国を取り戻し
たことです。
のち
まく や
くず
その後、私は帰って来て、倒れたダビデの幕屋を建てかえ、崩れた箇所を
修理し、それを立て直そう。『使徒行伝』15章16節
もう 1 つの重要な文章は、『使徒行伝』1 7 章の 2 8 節に見つかります。すなわ
ち、
我々も、確かに彼の子孫である。
73
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
これは、ひとりの使徒が、「神」について話している時に言ったものです。
創造者たちに言及する箇所は、まだもっと多くありますが、これ以上、福音
や
書を読み続けるのは止めましょう。なぜなら、それらはあまり重要ではありま
せんから。あなたに質問する人があれば、これまで私が説明したことに照らし
合わせて、あなた自身で解釈できるはずです〉
これだけ話し終えると、彼は今までと同じように去って行きました。
74
第一部:真実を告げる書
第5章
世界の終末
新しい時代の元年である1946年
翌日、彼は前と同じように姿を現し、話を始めました。
〈世界の終末がやって来ました。とはいっても、地球が大災害に見舞われて破
よ
あ
壊されるということではなく、善しにつけ悪しきにつけ活動を行ってきたもの
の、もうその役目を果たし終えた、教会世界の終末が訪れたということです。
その活動とは、創造者たちが再来した時に、彼らが創造者たちなのだと分かっ
てもらうようにするための、教会の普及活動のことです。
あなたもお気づきのように、キリスト教の教会はもはや死につつあります。
教会世界の終末なのです。というのは、その使命が完了したからです。教会は、
あが
あやま
あまりにも長い間、創造者たちを神として崇めるといった、多くの過ちを犯し
てきました。
これは、科学文明が到来するまではそれでも良かったのですが、科学文明の
時代に本当の真実が保持され、聖書の言葉の本当の意味を正しく読み取るため
には、思考の急激な方向転換がなされるべきだったのです。にも関わらず、教
会はあまりにも数多くの過ちを犯してきたのです。
もっとも、これは創造者たちが予測していたことであり、もはや何の役にも
立たなくなった教会は滅びてしまうでしょう。
すでに、科学的に発達した国々の人々は、何事にも信を置かずに気難しくな
は
っています。彼らは、あまねく存在して雲の高みに住んでいる、白いヒゲの生
つの
えた「天の神」をもはや信じてはいません。愛らしい小さな守護天使や、角を
ひづめ
生やして蹄を持つ悪魔についても同様です。
75
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
人々は何を信じていいのか分からなくなっています。青年たちの一部だけが、
愛こそが何よりも大事だということを理解しています。あなたがたは、黄金時
代に到達したのです。
地球の人々よ、あなたがたは天空を飛び回り、電波を利用して地球の隅々に
まで声を届かせています。あなたがたが真実を知る時が来たのです。
みずがめ
ほ う へ い きゅう
すでに書き留められているように、今や地球は水瓶座(訳注:宝瓶宮)の時代
に入ったので、あらゆる出来事が現在は起こっています。すでにこのことを記
まで
述した人も何人かいたのですが、人々を信じさせる迄には至りませんでした。
創造者たちが地球で活動を開始しようと決心したのは、今から 2 万2000年前の
ことでした。すべては計画されていたのです。というのも、銀河系の運動はこ
の知識を暗示しているからです。
きゅう
魚座(訳注:双魚宮)の時代は、キリストとその漁師たちの時代でした。そし
て、それに続く水瓶座の時代が 1 9 4 6 年に到来しました。これは、イスラエル
の民が自分たちの国を再び見いだした紀元です。
うお
その日には、魚の門から、叫び声が騒がしく起こり、……。『ゼパニヤ書』1
章 10節
魚の門というのは、水瓶座の時代に至る経路です。それは春分の日に、地上
から昇る太陽の位置が水瓶座に入る瞬間です。騒がしく叫ぶ声というのは、こ
ともな
けんそう
の真実の啓示に伴って聞こえてくる喧噪です。
あなたが 1 9 4 6 年に生まれたのは、決して偶然ではありません。
教会の終末
ふ
き げん
この真実の啓示は、その啓発によって、不機嫌になっている人たちに新しい
希望と幸福をもたらすでしょう。しかし、この真実の啓示はまた、教会が自ら
あやま
ぼつらく
の過ちを反省して真実に奉仕しなければ、その没落を早めることにもなるでし
ょう。
あざけ
う
おり
うかが
ことごと
荒ぶる者は絶え、嘲る者は失せ、悪を行おうと折を伺う者は、悉く断ち滅
いさ
ぼされるからである。彼らは、言葉によって人を罪に定め、町の門で諌める
わな
おとしい
むな
しりぞ
者を罠に陥 れ、虚しい言葉を構えて、正しい者を退ける。『イザヤ書』29章20・
76
第一部/第5章:世界の終末
2 1節
原罪を信じ込ませ、人に罪の意識を植え付けた者たちの終末です。魚座が終
わな
おとしい
わり、水瓶座の入口において真実を広めようとする人を、罠に陥 れようとする
あ
者たちの終末です。教会が従来通りのままで在り続けるようにと、正しい人た
しりぞ
ちや、真実を書き留めたり語ったりする人たちのすべてを、退けようとする者
たちの終末です。
それは、魚座の時代への移行の際に、自分たちが滅ぼされ破壊されるのでは
わけ
ないかと恐れ、訳も分からずに、ただ正しいことを守るためだと信じ込んで、
キリストを十字架に掛けた人々のようなものです。
こうして、見る者の目は開かれ、聞く者の耳はよく聞き、……愚かな者は
たっと
もはや、尊い人と呼ばれることなく、悪人はもはや、立派な人と言われるこ
たくら
よこしま
とはない。それは、愚かな者は愚かなことを語り、その心は不義を企み、邪
なことを行い、ヤーウェについて誤ったことを語り、飢えた者の望みを満た
かわ
さず、渇いた者の飲み物を奪い取るからである。悪人の行いは悪い。彼は悪
はか
めぐ
いつわ
おとしい
とぼ
い謀りごとを巡らし、偽りの言葉をもって貧しい者を陥 れ、乏しい者が正し
おとしい
たっと
いことを語っても、なおこれを 陥 れる。しかし、尊い人は尊いことを語り、
常に尊いことを行う。『イザヤ書』32章 3 〜 8 節
こうして、「見る者の目が開かれ」れば、すべての人が理解することでしょ
う
う。教会は、ヤーウェについて誤ったことを語るので、真実に飢えた人の心を
ぼうりゃく
めぐ
おとしい
満たしてはいません。教会は謀略を巡らして貧しい人を陥 れ、罪とか破門、そ
おど
の他のくだらないことで脅かして、理解できない人や、あえて理解しようとし
ない人に忠誠を誓わせようとしています。貧しい人が正しいことを申し立てて
は あく
いるにも関わらず、真実を把握できるだけの知性を持たない人々は教会の言い
たっと
なりになって、教会の虚偽の教えを支持しています。しかし尊い人や、真実を
く もん
大声で叫ぶ人は、人類に苦悶を与える教会の同意が得られなくても、尊い行為
こころざ
を志 す人です。
あなたがたは知らなかったか。あなたがたは聞かなかったか。始めから、
もとい
あなたがたに伝えられなかったか。地の基をおいた時から、あなたがたは悟
らなかったか。『イザヤ書』40章21節
77
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しもべ
びと
私の支持する我が僕、私の喜ぶ我が選び人を見よ。私は、我が霊を彼に与
もろもろ
くにびと
えた。彼は、諸々の国人に道を示す。『イザヤ書』42章 1 節
あなたは、世界の隅々まで、真実を広めるべき人であり、この真実とは、こ
れまでの数日間にあなたに解き明かしたものです。
あし
とうしん
彼は、傷ついた葦を折ることなく、ほの暗い灯心を消すことなく、……。
『イザヤ 書』42章 3 節
あなたは、教会とその虚偽を完全に滅ぼすことはできないでしょう。でも、
ひと
教会はいずれ独りでに消滅していくことでしょう。そして、その消滅は、少し
まさ
前からもうすでに始まっています。正に「ほの暗い灯心」です。
あやま
教会は使命を終えたので、もはや消え去る時です。教会は数々の過ちを犯し、
その上、真実におぶさってあまりにも裕福になったので、今の時代の人々が納
得できるような、明解な解釈を追及しようとはしていません。しかし、あまり
責めてはいけません。真実の証言である聖書が世界中に広まったのは、教会の
かげ
お陰なのですから。
あやま
とはいっても、教会は大きな過ちを犯しています。特にひどい過ちは、真実
をあまりにも超自然的なものにしてしまったことと、
「聖書の記述」を間違っ
て翻訳したことです。創造者たちを示す「エロヒム」という言葉を、単数形の
「神」に取り換えるという解釈の過ちを犯したのです。「エロヒム」とは、ヘブ
ライ語の「エロハ」の複数形なのに。
こうして教会は、創造者たちを、単数の不可解な「神」に置き換えてしまい
ました。もう 1 つの過ちは、イエス・キリストの思い出のよすがとして、木で
あが
作った十字架を民衆に崇めさせてきたことです。十字架はキリストではありま
せん。十字の形をした木片には何の意味もありません。
その心のうちに思うことをせず、また知識がなく、悟りがないために、
「私
なか
はその半ばを火に燃やし、またその炭火の上でパンを焼き、肉をあぶって食
はし
べ、その残りの木をもって憎むべきものを作るのか。木の端くれの前にひれ
ふ
伏すのか」と言う者もない。『イザヤ書』44章19節
イスラエル国の創設
78
第一部/第5章:世界の終末
しる
ちょうこう
ユダヤ人のイスラエルへの帰還は、聖書に記された黄金時代の兆候の 1 つで
す。
こ
私は、あなたの子孫を東から来させ、西からあなたを集める。私は、北に
と
向かって「ゆるせ」と言い、南に向かって「留めるな」と言う。我が子らを
遠くから来させ、我が娘らを地の果てから来させよ。すべて我が名をもって
とな
称えられる者を来させよ。私は、彼らを我が栄光のために創造し、これを造
り、これを仕立てた。『イザヤ書』43章 5 〜 7 節
これは実際に、北から南からユダヤ人を迎えて、イスラエル国家を創立する
ことです。聖書は、ユダヤ人たちによって保存され、創造者たちの到来の証拠
にな
を担うものだということが『イザヤ書』の中には書かれており、43章の10節に
「あなたがたは我が証人」とあります。
たみ
目があっても見えぬ民、耳があっても聞こえぬ民を連れ出せ。国々はみな
あいつど
もろもろ
相集い、諸々の民は集まれ。彼らのうち誰がこのことを告げ、先の事どもを
おのれ
我々に聞かせることができるか。その証人を出して、己の正しいことを証明
させ、それを聞いて「これは真実だ」と言わせよ。
しもべ
ヤーウェは言われる、
「あなたがたは我が証人、私が選んだ我が僕である。
ゆえ
さと
それ故、あなたがたは知って、私を信じ、私が主であることを悟ることがで
きる。……あなたがたは我が証人である」と主は言われる。「私は神である、
のち
今より後も私は主である」『イザヤ書』43章 8〜13節
「あなたがたは我が証人」
。それは全く明瞭です。そうではありませんか? そ
こんにち
して、あなたがたが手にしている聖書という証拠のおかげで、私は今日、再び
のち
あなたがたに言うことができます。
「今より後も、私は主である」と。
あわ
私は、しばしばあなたを捨てたけれども、大いなる憐れみをもって、あな
たを集める。『イザヤ書』54章 7 節
たずさ
実際イスラエルの民は、真実の保護に携わったあと自分たちの国を取り戻し
ました。
人が科学によって病気を克服する時代の到来が予測されています。
ご
おの
わずか数日で死ぬみどり児と、己が命の日を満たさない老人とは、もはや、
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地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
その中にいない。『イザヤ書』65章20節
おさ
医学によって人々は、病気、そして特に幼児の死亡率を抑えることができま
す。
さと
むち
しん げん
『箴言 』10
聡き者のくちびるには知恵があり、知恵なき者の背には鞭がある。
章 13節
あやま
教会の過ち
わけ
教会の誤りは、人間に罪悪感を抱かせ、また彼らに訳も分からずに祈らせた
ことです。だから福音書には、そのことが書かれているのです。
また祈る場合は、異邦人のように、くどくどと祈るな。彼らは言葉数が多
ければ、聞き入れられるものと思っている。『マタイによる福音書』6 章 7 節
そして、福音書の中で警告されているにも関わらず、教会はまた、教会自体
をあまりにも裕福にさせました。
あなたがたは、自分のために財宝を地に積んではならない。……誰も、ふ
か
つか
たりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるい
うと
は一方に親しんで、他方を疎んじるからである。あなたがたは、神と富とに
兼ね仕えることはできない。『マタイによる福音書』6 章19〜24節
他の箇所でも言っています。
ぜに
財布の中に、金・銀、または銭を入れて行くな。旅行のための袋も、二枚
くつ
つえ
目の下着も、靴も、杖も持って行くな。『マタイによる福音書』10章 9・10節
た
ところが、馬鹿げた規則や、肉断ちの金曜日などと言って、彼らは福音書す
らも尊重しないようになっています。
けが
口に入る物は人を汚すことはない。かえって、口から出るものが人を汚す
のである。『マタイによる福音書』15章11節
彼らは単なる人間にすぎず、福音書で「金も、また銀のどちらも」所有する
ぜい
な──余分な下着でさえ、と告げている時にどうして、富とバチカン宮殿の贅
80
第一部/第5章:世界の終末
たく
ふけ
沢に耽ることができるのでしょうか。
どうして彼らは、善なることについて説教することなどできるのでしょうか。
で
し
それから、イエスは弟子たちに言われた、
「よく聞きなさい。富んでいる者
が、天国に入るのは難しいものである」『マタイによる福音書』19章23節
くく
の
彼らは、重い荷物を括って人の肩に載せるが、それを動かすために、自分
では、指一本も貸そうとはしない。すべてその行うところは、人に見せるた
あいさつ
めである。……また宴会の上席、……広場で挨拶されること……を好む。
しかし……あなたがたの師は、ただひとりであって、あなたがたは皆、兄
弟である。また、地上の誰をも父と呼んではならない。あなたがたの父はた
いま
だひとり、すなわち天に在す方である。また、あなたがたは教師と呼ばれて
はならない。あなたがたの教師はただひとり、すなわちキリストである。そ
えら
つか
こで、あなたがたのうちで最も偉い者は、仕える人でなければならない。『マ
タイによる福音書』23章 4 〜11節
このように、福音書にはすべて書かれています。それなのにどうして教会は、
道徳と生活様式の考え方が異なるというだけで、人々に原罪を背負わすことな
う
ごうしゃ
どできるのでしょうか。人々が飢えで死にかけている時に、バチカンで豪奢な
ぜん
暮らしをしながら善なることを口にし、謙虚さを説きながらも招待され名誉と
げい か
なることを求め、それでどうして自分たちのことを、
「神父様」とか「猊下」
「教
すう き きょう
皇聖下」(訳注:前者は枢機卿の、後者はローマ教皇の尊称)などと呼ばせることが
できるのでしょうか。これらのことを、福音書がすべてハッキリと禁止してい
るのにですよ? もし、明日にでもローマ法王が貧民として巡礼の旅に出るというのであれば、
教会は生き返るでしょう。しかし、教会が人々に奉仕するのは、これまでとは
全く違った、人道主義者としての目標を持つものになります。今までは、現代
における証拠として役立てるべき知識を広めることでしたが、その使命は終わ
りました。
それでも教会は、不幸な人々を助けるとか、これまで変形されたり、また秘
密にされていた記述の真の姿を広めることに貢献して、再び正しい方向に向か
うことができます。多くの聖職者たちの中で度量の大きい人は、このようにし
て満たされるでしょう。
81
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
そのためには、バチカンは自らの富をすべて売り払って、開発途上国を資金
面で助け、そこへ出かけて行って、自分たちの手で人々の進歩を助けるという
ふうに、「言うだけ」(訳注:『マタイによる福音書』23章 3 節)ではなくて模範を示
す必要があります。
結婚や、特に葬式のやり方に、その人の財産に応じて様々な形態があるとい
がた
あやま
うのは許し難いことです。これも教会の、もう 1 つの過ちです。
しかし、今や時期が到来しました。
全宗教の起源
こんせき
真実の痕跡が見られるのは、聖書や福音書に限りません。証拠は、実際には
あらゆる宗教に見られます。特にカバラは、こうした証拠が最も豊富に収めら
れている物の 1 つですが、入手は今まで、それほど容易なことではなかったで
しょう。
もしいつの日かあなたが、その写しを見つけ出すことができれば、私たちに
ついてのほのめかしが数多くあることに気づくでしょう。特に注目すべきは、
が
か
( 5 章)の中にある創造者たちの惑星についての記述で、その距離がど
『雅歌』
へだ
れほど地球から隔たっているかというものです。
それには、「創造者の高さ」23 万 6000〝パラサング〟、
「彼のかかとの高さ」
300 0 万〝パラサング〟と書かれています。パラサングというのは、パーセク
と同じような意味の測定単位で、光が 1 秒間に進む距離を示し、約 3 0 万キロ
メートルに当たります。私たちの惑星までの距離は 3 0 0 0 万パラサングですの
で、約 9 兆キロメートル、つまり 1 光年をやや下回る距離になります。
あなたが光速に等しい秒速 3 0 万キロメートルで出発したとして、私たちの
惑星に着くまでに約 1 年近くかかるのです。現在のあなたがたのロケットの速
さは、実際には時速 4 万キロメートル程度ですので、私たちの惑星に着くまで
には、 2 万 6 0 0 0 年近くもかかってしまいます。
ですから、私たちが今のところ、何も恐れることはないということがお分か
りでしょう。私たちは原子力を使用した推進方式のおかげで、私たちの惑星か
ら地球へ行くのに、 2 カ月足らずの旅で済む手段を持っています。これによっ
て光速の 7 倍という速度で私たちは移動することができるのです。
それらの光線が私たちを〝運ぶ〟のです。従って、その光線によって運ばれ
82
第一部/第5章:世界の終末
るためには、私たちは可視光線の領域から、つまり眼で知覚できる光線の範囲
から、飛び出さなければなりません。そうすることで、運ぶ光線に波長を合わ
せることができます。
このために、私たちの宇宙船を観察した地球人が、宇宙船は発光し、輝く白
色体となり、青くなり、最後には消えると記述したのです。宇宙船が光速を超
えると、それは消え去り、肉眼ではもはや見えなくなることは明らかです。
「創
造者のかかとの高さ」というのは、いわば、彼のかかとを惑星に着けるまでの
距離です。
創造者たちの惑星は、彼らの太陽─巨大な星─から23万6000パラサング、つ
まり 7 0 8 億キロメートル離れています。これが、創造者たちの「高さ」を意味
しています。
カバラは、最も真実に近い内容を収めた書物ですが、ほとんどすべての宗教
書にも、明確さの程度は様々ですが、私たちについてのほのめかしが見られま
す。特にアンデス山脈やヒマラヤ山脈など、創造者たちが基地を造った国々で
このことが見られますし、ギリシャでは、神話にも重要な証言が含まれていま
す。さらには仏教、イスラム教、モルモン教……など、私たちの行為を多少な
りとも不明瞭な方法で証言している宗教や宗派をすべて引用すれば、何ページ
も必要となってしまうでしょう。
人間──宇宙の病気
さあ、これで、あなたは真実を知ったわけです。あなたはこのことを書き留
め、世界中に知らせなければなりません。もし地球の人たちが私たちの知識を
授かり、それによって 2 万 5 0 0 0 年分に相当する科学的知識を得ようと欲する
ならば、地球人は私たちと会うこと、とりわけそれを望んでおり、しかも、そ
の資格があることを示さなければなりません。私たちに危険が及ばないように
です。
もし私たちが人間に知識を授けたならば、それを善用してくれるはずだと、
私たちが確信できなければなりません。これまでの観察では、知恵が地上を支
配しているようには見えませんでした。確かに進歩はしていますが、いまだに
餓死する人々はいますし、世界には好戦的な気分がまだ存在しているからです。
私たちが地球を訪れたら、多くのことを改善し、諸国を統一させられること
は分かっています。しかし、人々が本当に私たちとの出会いを望み、世界を統
83
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
一するために心から準備しているということを、私たちが感じる必要がありま
す。
それに、私たちが本当に誰なのか、また私たちの来訪の真の意味を理解した
上で、彼らが私たちの来訪を望んでいるということも、私たちは実感しなけれ
ばなりません。事実、人間の戦闘機が、私たちの宇宙船を敵と見なして追跡す
ることがしばしばありました。
実際には、私たちが傷ついたり殺されたりすることはないのですが、私たち
おとしい
が姿を現してもそんな危険がないようにし、また、多数の人命を危険に 陥 れる
ようなパニックを引き起こさないように、私たちが誰なのかを、あなたは人々
に知らせなければなりません。
ある研究者たちは、電波で私たちとコンタクトしようと望んでいますが、私
たちの惑星の位置が分かってしまうので、反応したくはありません。それに、
この方法では伝送時間が長くかかりすぎますし、私たちは、あなたがたの技術
では探知できない波動を使用しています。あなたがたはまだ、このシステムを
発見していません。それらは電波の 7 倍の速度を持ちますが、私たちは現在、
さらにその 1 . 5 倍の速さのもので実験中です。
進歩は続きます。そして、私たちがその一部であり、私たちが寄生する惑星
や星々が原子であるような巨大な存在、これとの関係性を理解し、向き合うた
めの、私たち自身の研究も続きます。実際私たちは、無限小の中に、知性を持
つ生物を発見しました。彼らにとっては惑星であり恒星である微粒子の上で、
彼らは生活し、私たちと同じような疑問を抱いているのです。
人間は、惑星や恒星を微粒子とする、巨大な存在の病気なのです。そして、
この巨大な存在もまた、他の微粒子の寄生物なのです。極大と極小、どちらの
方向にも無限なのです。しかし、重要なことは、寄生物である私たち人類が絶
えず存在を続け、決して滅亡しないようにすることです。
私たちは、あなたがたを創造したとき、自分たちの中に「書き込まれている」
二次的使命を果たしていることに気づきませんでした。私たちは自分たちに対
して行われたことを、繰り返していたのです。
私たちは、私たちの行った創造とその進歩から、私たち自身の起源を発見し
たのです。私たちもまた、現在では姿を消してしまった別の人間たちによって
ほうかい
創造されたのです。彼らの世界は、確かに崩壊してしまっていますが、彼らの
あと
おかげで私たちは、その跡を引き継ぎ、あなたがたを創造できたのです。
84
第一部/第5章:世界の終末
私たちもいつの日か消滅するかもしれませんが、その時までにはあなたがた
と
も進歩を遂げて、私たちの役割を引き継いでくれることでしょう。ですから、
くさり
わ
あなたがたは、人間というかけがえのない存在を継続させていく鎖の環、なの
です。別の世界が存在し、そこでも人間が確かに発展をしていることでしょう。
ゆいいつ
しかし、宇宙のこの区域では、私たちの世界が唯一生命を創造したのであり、
このことは重要なことです。というのは、それぞれの世界で、人間の継続にとっ
つく
て大切な無数の子孫たちが創り出されるからです。このことは、いつの日か人
間が完全に消滅してしまうという危険に対して、希望をもたらします。
私たちは、人類が多数になって、果たして安定できるのかどうかは、確信が
持てません。これまではずっと鎖は続いていますが、私たちが病気であり寄生
物である巨大な身体との釣り合いから言えば、私たちがあまりにも発展するこ
とは欲していません。私たちが発展しすぎると、良くて退化、最悪の場合は、
完全な破壊をもたらすような結果となるでしょう。
これは、健康な肉体と同じことです。ある程度の微生物なら別に危険なこと
はありませんが、微生物があまりにも増えすぎたら、その生物は病気で苦しみ
ち
ゆ
ます。そこで自然治癒力で、あるいは医薬に頼って、問題の微生物を殺すこと
になるでしょう。明らかに重要なのは、人間が滅亡しないように十分な数の世
界を創造することであり、特に、現に存在している者をより幸福にするために
くず
探求の努力をして、バランスが崩れないようにすることです。
私たちはこの分野で、あなたがたを大いに助けてあげることができます。
進化、それは一つの神話
ついでながら、ここで進化に対するあなたの疑念を晴らしてあげましょう。
あなたがたの科学者たちは、人はサルから、サルは魚から、というふうに発生
とな
してきたという進化論を唱えていますが、全くの間違いというわけではありま
せん。事実、地球上に創造された最初の生命体は単細胞で、それからもっと複
雑な生命が創造されていったのです。
しかしこれは、偶然によるものではありません! 生命を創造するために私
たちが地球にやって来たとき、まず最も単純なものから着手しました。それか
りょうせい
ほ
ら環境に適応させる技術を改善して、魚類、両棲類、哺乳類、鳥類、霊長類を
創造し、最後に、サルのモデルを改良したにすぎない人間を創造したのです。
85
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
つまり猿のモデルに、人間たらしめるものを付け加えたのです。
聖書の『創世記』にあるように、私たちの姿に似せて人間を創ったのです。
もしそれが偶然による進化だとするなら、これほど多様な生命形態が生じると
いうことなど、ほとんどあり得ないことがあなた自身でも分かるでしょう。
つの
鳥の体の色や求愛行動、それに、ある種のカモシカの角の形をごらんなさい。
一体自然はどういう必要があって、カモシカやある種のヤギの角を、渦巻き状
にしたというのでしょうか。青や赤の羽を持った小鳥たち、エキゾチックな魚
についても同様です。
これらは、私たちの芸術家の作品なのです。あなたがたが生命創造をする番
になったときには、芸術家を忘れないようにして下さい。芸術家や、音楽・映
画・絵画・彫刻……といったものが、全く存在しない世界を想像してごらんな
さい。もし動物たちの体が、彼らの欲求や機能にのみ適合するだけのものだと
みにく
したら、生活はどんなに退屈で、動物はどんなに醜い物になることでしょう。
地球上の生命形態の進化というのは、創造技術の進歩のことであり、創造者
たちは最終的には彼らに似た生命を創造しようと、その素晴らしい業績に洗練
ず がい こつ
を加えていったのです。あなたがたが発見する有史以前の者たちの頭蓋骨は、
最初の人間の原型だったものです。これらはその都度、より進化したモデルに
替えられていきました。これは現在の形、創造者たちの完全な複製モデルにな
すぐ
るまで続けられました。創造者たちは、自分たちよりも優れた存在を創ること
を恐れていたのです。中にはその誘惑にかられた者もいましたが。
地球上で次々と創造された異なる人種の間では、相手を支配したり滅ぼそう
としたりしました。もし人間が創造者たちに対してこういう敵対的な態度を取
らず、両親のように敬愛することが確かならば、改良した人類を創造したいと
いう誘惑は大きなものになるでしょう。
ともな
これは可能ですが、実に大きな危険が伴います! それに、創造者たちの中
すぐ
には、地球の人間のほうが、彼らの親たちよりもやや優れているのではないか
き
ぐ
と、危惧する人たちさえいます。
「サタン」もその中のひとりで、地球の人間
は少し知性がありすぎるために、私たちの惑星にとっては危険であると絶えず
考え、今もなお、そう考えているのです。
しかし、私たちの大多数は、あなたがたが私たちを敬愛していることを証明
し、私たちを滅ぼそうなどとは決してしないだろうと考えています。私たちが
あなたがたを援助しにやって来るまでは、少なくともそのことだけは期待して
86
第一部/第5章:世界の終末
います。
人間が人間を創造するたびに、少しずつ改良が加えられ、人種を実質的に次
第に発展させ、それでいながら、自分たちの創造したものと対決する危険性を、
創造者たちが感じずに済むようになるならば、人間の進歩をもっと速めること
もできるでしょう。しかしながら今のところは、あなたがたに私たちの科学知
識を与えることはできません。
政治や人道主義に関する私たちの知識は、あなたがたにお伝えしても特に危
さら
険はないと思います。こうした知識で、あなたがたの惑星が危険に曝されるこ
となく、あなたがたは地球上でもっと幸福になり、さらにはこの幸福のおかげ
すみ
と
で、より速やかな進歩を遂げることができるでしょう。これによってあなたが
たは、銀河間文明の水準に達するために、私たちの援助と遺産を受ける資格が
あるということを、もっと早く示すことができるでしょう。
そうでなければ、つまり、もし人間の攻撃心が収まらず、平和を唯一の目的
あお
としないのならば、私たちにも考えがあります。兵器を製造して戦争を煽る者
たちを容認し、戦争のための核実験をしたり、軍隊の存続や、軍隊による権力
しょうあく
の掌握・保持を容認していくというのであれば、私たちは、自分たちの身に降
りかかる危険を防ぐために、新たなソドムとゴモラをもたらさざるを得ないで
しょう。
わず
地球人がお互い同士で攻撃し合っているというのに、人間とは僅 かにしか
違っていない、別の世界にいる私たちが、どうして恐れなくて済むでしょう
か。
あなた、クロード・ボリロンよ、今のあなたの名前で真実を広めなさい。し
かし、その名は次第に、あなたが私たちのために持つ名、すなわち「ラエル」
によって取って代わられるでしょう。
これは、文字通りは「神の光」を意味しますが、より正確に訳すと「エロヒ
ムの光」
、さらに正確には「エロヒムの光をもたらす者」、あるいは「エロヒム
の大使」という意味を持っています。
というのも、あなたは本当に地球における私たちの大使なのであり、私たち
が公式に飛来するのは、あなたが建てた大使館だけなのですから。ラエルは、
恐らくはより単純に、
「メッセンジャー」と訳されるようになるでしょう。
ところで、私たちはテレパシーを使って、あなたの息子を「ラムエル」と、
あなたに名付けさせるように仕向けました。これは、「光をもたらす者の息子」
87
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
を意味します。何しろ彼は、私たちのメッセンジャー、私たちの大使の息子な
のですから〉
そう言って、その異星人は、今までの朝と同じように飛び去って行きました。
88
第一部:真実を告げる書
第6章
新しい指針
天才政治
翌日、私が彼に会うと、彼は話し始めました。
〈まず初めに、政治と経済の分野について考えてみましょう。
人類の進歩を可能にするのは、どんな種類の人間でしょうか。それは天才た
ちです。ですから、あなたがたは天才たちを再評価して、彼らが地球を指導す
るのを可能にする必要があります。
にぎ
や ばんじん
これまで権力を握ってきたのは、他の者より肉体的に力が強い野蛮人、こう
やと
した野蛮人をたくさん雇える資産家、希望を振りまいて、民主主義国家の国民
たく
とら
の心を巧みに捉える政治家、といった人たちです。そして言うまでもなく、野
蛮性を合理化する組織を踏み台にして、自分たちの勝利を勝ち取る軍人たちに、
次々と権力を与えてきたのです。
あなたがたが決して権力を与えてこなかった唯一のタイプの人間こそ、人類
を進歩させてきた人たちです。車輪や火薬、内燃機関、原子力などを発明した
人たちです。こうした天才による平和のための発明は、彼らより知性の劣る権
こうむ
力者が、しばしば殺人のために利用して恩恵を被ってきました。こういうこと
を変えなければなりません。
ふさわ
そのためには、現在の形態のままでは、人類の進歩にとっては全く相応しく
や
ない選挙や、投票のシステムを止めなければなりません。人間は、人類という
つか
名の巨大な身体に有用な細胞の 1 つなのです。手が、ある物体を掴むべきか否
かを決定するのは、足の細胞ではなく頭脳でなければなりません。そして、も
しこの物体が有益なものであれば、足の細胞はその恩恵を被るでしょう。脳も
89
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
その一部として、身体全体を前進させるように作られているとはいえ、足の細
つか
胞が投票をする必要はありませんし、また手が、掴める物が有益か有害かを判
断することはできません。
投票は、知識と知性が等しい場合にのみ確実な効果があります。コペルニク
スが大多数の無能な人々によって有罪を宣告されたのは、そのときに彼だけが、
理解力が十分で高い水準にあったからです。ですから教会(多数派)が信じた
ように、地球が世界の中心であるという主張は間違いでしたし、本当は、地球
は太陽の周りを公転していて、コペルニクス(少数)の主張が正しかったので
す。
もし最初の自動車を走らせる時に、自動車を認めるか否かを全員に投票させ
ていたら、どうなっていたことでしょうか。大多数の、自動車に無知で、関心
もなかった人々は否定的に反応して、あなたがたは今でも馬車を乗り回してい
たことでしょう。どうしたら、こういうことのすべてを変えられるでしょうか。
現在、心理学者は、個人の知性と適性を評価するテストを作成できるように
なっています。幼い頃からこのテストを一貫して行って、個人の勉学の方向づ
けをし、その個人が責任を持てる年齢になったら、知性指数を最終的に特定し
て、身分証明書や選挙人名簿に記入するようにするのです。
ある種の公職については、知性指数が平均より、少なくとも 5 0 パーセント以
上の人だけが有資格者とし、知性指数が平均より、少なくとも 1 0 パーセント以
上の人だけが投票できるようにします。もしこの試験方法が現在あるのなら、
すいこう
今の政治家の多くは、その職務を遂行することはできないでしょう。これこそ
が完全に民主的なシステムです。
すぐ
一方では、知性が平均よりも劣っているのに、記憶力が優れているせいでた
くさんの資格を取った技術者がいて、他方では、専門家ではないけれども、平
均より50パーセント以上も優れた知性を持つ、労働者や農民がいます。あなた
がたが「知的障がい者」と呼んでいる人の声が、これからどう投票しようかと
がた
熟考している天才の声と同じ価値を持つというのは、もう今では実に認め難い
ことです。
小さな町の選挙では公約が素晴らしいからではなくて、酒などを一番気前よ
く振る舞うから、といった理由で当選します。ですから、まず第 1 に投票権は、
思考力に富み、問題を解決できる頭脳を持った、知性的なエリートだけが持て
るようにします。何も、多くを勉強をした者がその人だと言っているわけでは
90
第一部/第6章:新しい指針
ありません。大事なのは、天才に権力を与えることです。これをあなたがたは
「天才政治」と呼ぶことができます。
人道的人類主義
ま
ひ
第 2 に、あなたがたの世界は利益によって麻痺しています。共産主義も、進
歩と努力をしたいという気を起こさせるのに十分なニンジンを、人間に与える
ことには成功していません。
あなたがたは平等に生まれついています。これは聖書にも書いてあることで
い せい
す。為政者は、あなたがたが財産の面で、ほとんど平等に生まれてくるように
たくわ
しなければなりません。知性もろくにない子供たちが、父親が蓄えた富のおか
げで豪華な生活をし、それに引き換え、天才たちが空腹で死にそうになり、食
いや
べるためにどんな卑しい仕事でも引き受けざるを得なくなり、人類全体に利益
がた
つ
をもたらす発見を可能にするような仕事に就けなくなるというのは、許し難い
ことです。
これを避けるためには、私有の財産制度を廃止する必要があります。しかし
だからといって、共産主義を樹立するわけではありません。
この世界はあなたがたのものではないのです。これも聖書に書いてあります。
あなたがたは賃借人にすぎません。ですから、すべての財産は49年間、賃借す
るようにすべきです。これは遺産の不平等をなくします。あなたがたの遺産や、
あなたがたの子供への遺産は、この世界全体のものなのです。もしもこの世界
を住み心地のよいものにするために、あなたがたが結束することができれば、
の話ですが。
この人類に対する政治的指針は、共産主義ではなくて人類の将来に関わるも
つか
のですから、お望みなら「人道的人類主義」と呼んで差し支えないでしょう。
あ
一例を挙げてみましょう。人は 21 歳で勉学を終えて実社会に入り、職業を
かせ
選んでお金を稼ぎ始めます。もし両親が健在で、どこか別に自分の住む所が欲
しいと思ったら、家を一軒「買い」ます。実際には、政府が建てた家またはア
パートを、4 9 年間賃借するのです。
もし住宅の評価額が 10 万フランとするならば、その金額を 4 9 年間で完済す
るように毎月支払います。70歳(21+ 49)になれば家の値段を支払い終え、そ
のあとは死ぬまで、無料でその家に住むことができます。
91
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
彼の死んだあとは、この家は政府に返還され、もし死者に子供がいれば、子
供たちには無料で権利が譲られます。もし子供がひとりいるとすれば、父の家
つ
を死ぬまで無料で利用できます。彼が死ぬと、その子供が家族の家を引き継ぎ、
これが永続的に続きます。遺産は、家族の家を除いて、完全に廃止されなけれ
さまた
ばなりません。これは、各人が報いを受けるということを妨げるものではあり
ません。
別の例を挙げましょう。ふたりの子供を持つ男性の場合、子供のひとりは勤
なま
勉で、もうひとりは怠け者だとします。 21歳になると、ふたりはそれぞれの道
を歩むことを決めます。彼らはそれぞれ、評価額が 10 万フランの家を借ります。
たい だ
かせ
勤勉な者は、怠惰な者より多くの金を短期間に稼ぎ出します。ですから彼は、
最初のものより 2 倍も高い価格の家を借りることができます。もし金銭的な余
裕があれば、二軒の家を借りることもできます。一つは別荘として。また貯蓄
う
ま
がもっと上手くいけば、自分で家を一軒建てて、49 年間、この家を貸してお金
を受け取ることもできます。しかし、自分が死ねば、子供たちに引き継がれる
家族の家を除いて、すべては共同社会のものになります。
このように、個人は自分の能力に応じて財産を作れますが、子供には残せな
おのおの
いということです。各々は、その能力に応じてということです。商業や農業に
ついても同じです。
ある人が事業を創始したならば、それは生涯、彼のもので、貸すこともでき
たがや
ますが、49 年間だけです。農民も同じで 4 9 年間、耕作地を借りてそれを耕す
ことはできますが、そのあとはすべて政府のものとなり、政府は再び 4 9 年間、
貸し付けることになります。子供たちも、その土地を 4 9 年間、借りられます。
利益を上げられる財産がどんなものであろうと、すべてがこのようでなけれ
ばなりません。物の価値については何も変わりません。株・金・事業・現金・
不動産など、価値を生み出せるすべての財産は共同社会に属していますが、自
分の能力と労働で獲得した人たちに、それらは49年間、貸し与えられるのです。
ひと
従って、 4 0 歳頃で一財産を築いた人は、ビルを建て、アパートを 49 年間貸
きょうじゅ
して、そのお金を死ぬまで享受できることになります。
そのあとは、この賃貸からのお金は共同社会に返還されます。この人道的人
類主義は、すでに聖書の中に規定されているのです。
とし
あなたは安息の年を 7 たび、すなわち 7 年を 7 回数えなければならない。
92
第一部/第6章:新しい指針
とし
安息の年 7 たびの年数は49年である。『レビ記』25章 8 節
あざむ
あなたの隣人に物を売り、また隣人から物を買う時は、互いに欺いてはな
のち
とし
らない。ヨベル(※)の後の年の数に従って、あなたは隣人から買い、彼もま
とし
た畑の産物の年数に従って、あなたに売らなければならない。年の数の多い
時は、その値を増し、年の数の少ない時は、値を減らさなければならない。
彼があなたに売るのは産物の数だからである。『レビ記』25章14〜16節
地は永代には売ってはならない。地は私のものだからである。あなたがた
は、私と共にいる寄留者、また旅人である。『レビ記』25章23節
もし天才たちに権力が認められれば、彼らはこの改革の効用を理解すること
でしょう。あなたがたは同じように、地球上のすべての諸国民が団結して、単
一の世界政府を創るようにしなければなりません。
※編集部注 とし
ヨベル: 7 年に一度の安息の年を 7 回重ねて、第50年目に守られた解放の年。この年が
くると、すべての奴隷は解放され、売られた土地の権利は元の所有者に返還されなけれ
ばならなかった──新教出版社『聖書辞典』より。(『レビ記』25 章 8・11 節参照)
世界政府
世界政府を実現させるのは、新しい世界通貨と、単一言語の創設です。クレ
ルモン・フェランでは、オーベルニュ方言はもはや使われていませんが、やが
てパリではフランス語も、ロンドンでは英語も、フランクフルトではドイツ語
も、もはや話されなくなるでしょう。科学者や言語学者たちは、あらゆる言語
を参考にして、世界中の学校で第 2 言語として義務的に教えられるような、新
あ
しい単一言語を編み出すために一体となって働く必要があります。
通貨についても同じことが言えます。世界の通貨はフランでもドルでも円で
もなく、新しく考案された単一の通貨となります。そうすれば、一国民が、な
ぜ自国の通貨の代わりに他国の通貨が選ばれたのかと自問するような問題も起
こらずに、世界中の要求に応えることができるでしょう。
最後に、このような統一のための突破口は、若者たちに攻撃性を助長させる
へいえき
つ
事柄しか教えない兵役を廃止し、職業軍人を公安維持の職務に就かせることで
す。これは世界中の国で同時に行われる必要があります。それが安全のための
93
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
必要不可欠な担保となるのです。
あなたがたの使命
すでにお話ししたように、私たちが公式に来訪すれば様々なことが、急速に
う
ま
上手くいくでしょう。しかし私たちは、人間が本当に私たちの来訪を望んでお
り、私たちを父のように敬愛しているということが分かるまで、待つつもりで
す。私たちの宇宙船が、あなたがたの破壊的で好戦的な軍隊から脅威を受けな
いためです。
この状態に到達するように、あなたが私に会ったことを世界中の人々に大声
で告げなさい。そして、私があなたに伝えたことを繰り返し伝えなさい。賢明
な人は耳を傾けるでしょう。多くの人はあなたを、気が狂っているとか幻想家
だと見なすでしょう。しかし、私が前に説明したように、大半の人たちは愚か
なのだと考えねばなりません。
あなたは真実を知っています。私たちは、あなたが私たちを信頼できるよう
に、また必要と考えた時は新しい情報を追加できるように、あなたとテレパ
シーで連絡を取り続けることにします。
私たちが知りたいのは、地球上に十分な英知があるかどうかです。もし、か
はくじつ
もと
なり多数の人々が私たちのことを理解すれば、私たちは白日の下に再び戻って
来ます。
場所ですか? 私たちを歓待する設備をあなたがたが整えた所にです。
気候が温暖で暮らしやすい国に住居を造りなさい。住居にはそれぞれに浴室
が付き、訪問客を歓待できる 7 つの部屋と、少なくとも 2 1人を収容できる 1 つ
の会議室、 1 つの水泳プール、 21人が会食できる 1 つの食堂を設けて下さい。
この住居は庭園の中央に建設しなければなりません。それは、無遠慮な人た
へい
ちの目から避ける必要があるからです。庭園は完全に塀で囲まれ、住居や水泳
プールが人目に触れないようになっている必要があります。
住居は、庭園を取り巻く塀から、少なくとも 1 キロメートルは離れていなけ
ればなりません。高くても 2 階建てにとどめ、植物を植えて、壁の周囲から隠
されるようにして下さい。周りを取り囲む塀には 2 つの入口を設けます。1 つ
は北に、もう 1 つは南にです。住居にも入口を 2 つ設けます。
住居の屋根には、直径 12メートルの宇宙船が着陸できるテラスを取り付けま
94
第一部/第6章:新しい指針
す。このテラスから住居の中へ行けるようにすることは、絶対に必要です。
住居の上空および周囲を、軍隊が直接、もしくはレーダーで監視するような
ことがあってはなりません。
あなたは、こうした住居を建てられる土地を入手できるように努めなさい。
もし可能なら、今述べたものよりも、できるだけ大きいものを。その土地は私
たちの地球上での大使館となるので、その土地の存在する国にとっても、また
他の諸国にとっても、中立の土地と見なされるように努めなさい。
あなたは、妻や子供たちとこの家に住んで、取り仕切って構いません。また、
やと
使用人を雇ったり、あなたが選んだ人を招待してもよろしい。しかし、 7 つの
ぶ あつ
部屋がある場所は、
テラスの真下に位置するようにし、
分厚い金属の扉で仕切っ
じょう
て、閉め切ったまま内部から錠を下ろして、人間が利用する場所と区別しなさ
い。会議室の入口には、殺菌室を設けなさい。
これを実現するための財源は、あなたを、ひいては私たちを信じる知恵と分
別に富んだ人たちから、援助が得られるでしょう。彼らは、私たちが来訪した
時に報いを受けるでしょう。
実現のために、財政的援助をした人たちの名簿を作りなさい。この住居の建
こうけん
さ さい
設や維持への貢献が些細でも構いません。そして世界中の国々に、人々が普及
のために結合できるように、真実を告げる責任者を置きなさい。
住居の近くの山頂へ、あらゆる年齢の人々を世界中から来させなさい。ここ
に書かれていることを理解し、私たちの来訪を心から望んでいる人々をです。
できるだけ多くの人々に、私たちについて深く考えさせ、私たちの来訪を心か
ら望むようにさせなさい。
こうした人々がかなりの人数にのぼり、私たちの来訪を宗教的な神秘主義か
らではなく、分別のある人間として心から待ち望み、しかも創造者たちを敬愛
するようになったときに、私たちは晴れて来訪し、地球人に科学の遺産を与え
るでしょう。
もし、好戦的な気分が世界中で無力になれば、これは実現します。もし生命
への愛と、人類の私たちへの愛が強くなり、ひいては自分たち自身への愛も高
はく じつ
もと
まれば、そう、私たちは白日の下に来訪します。
私たちは待っています! しかし、もし人間が攻撃的なままで、他の世界に
と
とって危険をもたらすような進歩を遂げるならば、私たちは、その文明とその
科学的な富を蓄積している場所を滅ぼし、新たなソドムとゴモラにするでしょ
95
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ふ さ わ
う。人類が道徳面で、その科学的理解の水準に相応しくなるまで、私たちは待
つつもりです。
らく
人間の将来は彼らの手中にあり、真実はあなたの手中にあります。決して落
たん
胆することなく、真実を世界中に広めなさい。私たちは、疑い深い人たちに証
拠を与えるようなやり方で、あなたを公然と助けるようなことは決して行いま
せん。懐疑主義は、しばしば攻撃心と結びついています。知性ある人々はあな
たを信じるでしょう。あなたが話すことは少しも神秘がかっていませんから。
物質的な証拠も無しに、人々があなたを信じるということが、私たちにとっ
ては重要なことなのです。これによって私たちは、他の何よりにも増して、人
あたい
間が知性的で、私たちの科学的遺産を受けるに値すると分かります。
さあ、行きなさい。もしあなたが地球での生涯のうちに、そして死後におい
てからでも勝利を得るならば、私たちの来訪があなたの子孫の代まで待たねば
ならないとしても、あなたが忘れられることはないでしょう。なぜならあなた
は、私たちによって科学的に再生されるからです。また、道先案内人としての
創造者たちを愛し、人間の天才が指し示す方向に人類を導いていくすべての人
い がい
たちも、彼らの遺骸が墓に保存される場合は、同じように再生されるのです。
私たちとしては、今後もっと、たびたび出現することでしか手助けできませ
ん。こうして人々に問題を気づかせ、あなたが人々に伝える真実を理解したい
という気を起こさせるのです。
ひんぱん
次第に私たちが、もっと頻繁に出現するようになれば、大衆は次第に私たち
すうはい
に気づくようになり、また私たちを馬鹿げた崇拝の対象にしなくなるでしょう。
そして人々のために、私たちと連絡を取りたいと心から望むようになるでしょ
う。
あなたは、人類の創造者たち、エロヒムを迎えようとする運動を「マデク」
(※)と呼ぶでしょう。それは、
(Madech)
「モーセはエリヤとキリストに先行し
(Moise a devance Elie et le Christ )の頭文字を取って名付けられます。フ
た」
ランス語では、
「人類の創造者、エロヒムを迎えるための運動」となります〉
※編集部注:マデクは現在「ラエリアン・ムーブメント」と改称されています。
M : mouvement pour(movement for)
,
A : l accueil( the welcoming)
D : des(of the)
96
第一部/第6章:新しい指針
E : Elohim
C : createurs(creators of )
,
H : l humanite(humanity)
97
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第7章
エロヒム
原 爆
「これであなたとはお別れですが、最後に何か質問がありますか?」
──あなたは私に、あなたがたは宇宙服を着てエゼキエルの前に出現したと
語られ、また、あなたがたの惑星の大気は、地球の大気とは違うものだとおっ
しゃいました。では、なぜ今は宇宙服を着ていないのですか?
と
「それは、私たちもまた科学の進歩を遂げ、今では宇宙服なしで済ますことが
さら
できるからです。私の顔は外気に晒されているように見えますが、実のところ
は、反発性光線でできた、目に見えないシールドによって保護され、その内部
で、あなたとは違った空気を吸っているのです。この光線は波動は通しますが、
空気の分子は通さないのです。これは、燃料油が外に流れ出ないように、港の
内部で気泡を噴出するようなものです」
──原爆は、人類に危険をもたらしますか?
「はい、非常に危険です。しかしこのことは、人類がいつまでも思慮深くなら
ない場合に、私たちが必要な時にこの文明を破壊するのを容易にするでしょう。
たど
人類は多分、自ら破滅の道を辿ることになるでしょう。
おびや
仮に自滅しないで、私たちを脅かす存在になったとしても、別に人類に攻撃
兵器を送り込む必要はなく、彼らの核爆弾の貯蔵庫を爆発させるだけでいいの
です。つまり、光線かテレパシーを用いてこれ(核貯蔵庫の爆発)を行い、大国
の 1 つを侵略者に仕立てるのです。そうすれば、それは自動的に致命的な反撃
を引き起こすことになるでしょう。
さら
もし人類が、こうした危険に曝されたくないのならば、軍人たちから核兵器
を取り上げるだけでよいのです。核の力を徐々に取り出して利用すれば、エネ
98
第一部/第7章:エロヒム
と
ルギー不足で悩んでいる国々が大きな発展を遂げることも可能になります。今
すぐ、核実験を中止すべきです。あなたがたは、現在どのような危険に直面し
もてあそ
ているのか気づいていないのです。しかし、もし人類がこのまま核兵器を 弄 び
続けるならば、万一私たちが人類を沈黙させなければならない時は、簡単に事
が運ばれることになるでしょう」
──あなたがたの惑星には女性はいるのですか?
あ
「はい、聖書の中でも挙げられていますし、あなたにその一節を書き留めても
らいました」
──子供もですか?
「はい、私たちはあなたがたと全く同じように、子供を持つことができるので
す」
人口過剰
──あなたは私に、あなたが何らかの方法で不死であると言われました。そ
れでは、あなたがたは人口過剰には、どのような対策を立てているのですか?
「実際この問題は、地球でも急速に出てくるでしょう。あなたがたもかなりの
人口なので、早急にこの問題を解決しなければなりませんが、それには避妊を
普及させ、ひとりの女性には子供をふたりまでしか認めない、厳しい法律を制
定する必要があります。 2 が 2 のままなら人口は増加しません。
これについても、私たちは、あなたがたがどのようにしてこの難関を切り抜
けるのか見守るつもりです。これはまた、あなたがたが私たちの遺産を受け継
ぐ資格があるのかどうかという、知性の程度を証明することにもなるでしょう。
私は、平均寿命が 75 年しかないあなたがたに、現在の問題について解決策
を教えてあげました。私たちにとっては、実際のところ問題の様相が違ってい
ます。私たちは不死ではありません。私たちはちょっとした外科手術のおかげ
(訳注:
『創世
で、命を長らえることができるのです。これが聖書の「生命の樹」
記』2 章 9 節を参照)で、あなたがたより10 倍も長生きができるのです。私たちも
子供を持ち、先ほどお話ししたように、ふたりの両親にはふたりの子供という
規則を施行して、人口が一定になるようにしています」
──あなたがたの人口は?
「約 70 億です」
99
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
わた
たび
──これまで、 6 日間に亘ってあなたとお会いしたのですが、その度にあな
たは、自分の惑星に戻っていたのですか?
「いいえ。私たちが基地にしている銀河間宇宙船に帰っていたのです。この宇
宙船は、常に地球の近くにあります」
──その宇宙船には何人いるのですか?
「 7 人です。私たちの惑星には 7 つの地域がありますから、宇宙船の各人が、
それぞれの地域を代表しているのです。これに宇宙船の責任者 2 名を加えた 9
人が、常員となっています」
──もし、地球人があなたがたの望む通りのことをしたら、どうなるのです
か?
「あなたがたが用意した住居に、
私たちが公式に飛来することになるでしょう。
そして、地球人の完全な団結が得られるように、人類の最も重要な諸国の正式
代表者たちを、そこに招くように要請するでしょう。もしこれが順調にいけば、
私たちは、人類が私たちの進んだ科学知識から徐々に恩恵を受けるようにしま
す。その利用のされ方次第によって、人類に私たちの知識をすべて授けるかど
うかを判断します。そうなれば、あなたがたは、2 万5000年進歩した私たちの
科学を遺産として受け継ぎ、銀河間文明の時代に入ることができるでしょう」
──これだけの科学水準を持っているのは、あなたがたの世界だけですか?
「宇宙のこの地域ではそうです。人間型の生物が住んでいる世界は無数にあり
はる
ます。彼らの科学水準は私たちよりも低いですが、あなたがたよりは遥かに高
と
いものです。私たちと同程度の発展を遂げた文明を持つ惑星は、ついに発見で
きませんでした。自分たちは消滅しつつあるのではないかと、恐れを感じたほ
どです。
私たちは、他の多くの惑星と経済的な交流を持っています。その惑星の人間
たちも、私たちと同じ科学水準にあったに違いない、他の人間によって創造さ
れたもので、彼らの宗教文献がそれを証明しています。
残念ながら、これらの世界の近くでは、彼らを創造した文明を発見すること
はできませんでした。私たちは絶えず、さらに遠くへと宇宙を探索し続けてい
るので、恐らくもっと遠いところで、そうした文明を発見することになるでし
ょう。
ほとんどの場合は、彼らの惑星が、彼らの太陽に接近しすぎて生命体が生存
できなくなってしまったか、あるいは彼らの太陽が爆発してしまったか、冷え
100
第一部/第7章:エロヒム
すぎてしまったかです。現在のところ、私たちの太陽系には何ら異常は認めら
き
ぐ
れませんが、こうした観察事実によって、私たちは最悪の事態を危惧していま
す」
──あなたがたの世界には、宗教はないのですか?
「私たちの唯一の宗教は人間の才能です。それしか信じません。とりわけ私た
ちは、私たちの創造者たちの思い出をこよなく愛しています。彼らには二度と
会えず、どこに彼らの世界があるのか分かりませんでした。彼らはきっと消滅
してしまったのでしょう。
彼らは私たちの惑星の周りに、あらかじめ、彼らのすべての知識を収めた巨
大な宇宙船を周回させ、彼らの世界が消滅した時に、自動的に私たちの惑星に
たいまつ
着陸するような措置を取っていたのです。そのおかげで、私たちは松明を受け
つ
継いだのです。この松明を、私たちは地球人に受け継いでもらいたいと思いま
す」
──もし、あなたがたの惑星が消滅したら、どうなるのですか?
「同じ予防策が取られています。私たちの世界が消滅したら、あなたがたが自
動的に遺産を受け取れるようにしてあります」
不死の秘密
──あなたがたは、私たちの10倍も長生きするのですか?
「私たちの肉体は平均して、あなたがたの10倍ほど長生きします。聖書に出て
くる最初の人間たちと同じで、750歳から1200歳の寿命があります(訳注:『創
世記』5章を参照)。しかし本当の意味で人間と言えるもの、つまり私たちの精神
は、不死であり得るのです。
前に説明したように、身体のどんな細胞からでも、新しい生命物質によって、
私たちは生命体の全体を再生できます。ですから、最大限の能力を発揮でき、
頭脳の働きも知識もピークの時に、私たちは身体のほんの一部を外科的に採取
してもらい、それを保存しておくのです。そして実際に死んだ時に、前に採取
しておいた身体の一片から細胞を 1 つ取って、それまでと同じ肉体を完全に再
生します。
この肉体は、「生前と同じもの」です。つまり、科学知識も性格も生前と全
く同じなのです。しかし、肉体は新しい要素で構成されていますので、あなた
101
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
とし
がたの歳に換算すると 1000 年も生きられるのです。こうした操作を繰り返す
ことによって、生命は永遠に続きます。ただ、人口の増加を制限するために、
天才たちだけが不死の権利を持つことになっています。
私たちの惑星の人間は全員、ある年齢に達すると細胞を採取されます。彼ら
は、死後に復活する者に選ばれることを希望し、誰もが、その復活に値するよ
うな努力をしながら暮らしています。彼らが死ぬと、不死を裁定する総会が開
かれます。これは「最後の審判」と言えるもので、その 1 年間に死んだ人々が
きょうじゅ
もういちど、新たな生を享受する資格があるかどうかを判定します。 3 度の生
存が、不死の資格の試験期間になっています。この 3 度目の生存の終わりに不
死会議が開催され、不死会議の終身会員となる資格があるかどうかを、その人
がどういう働きをしたかという観点から判定します。
新たな生命を望んだ瞬間から、その人は子供を持つ権利を失います。もちろ
ん恋愛まで禁止されるわけではありません。このことから、不死会議のメンバ
ーになっている科学者たちが、なぜ他の惑星に生命を創造したいと望むのかが
お分かりでしょう。彼らは他の世界で、自分の生殖本能を発揮しているのです」
──あなたがたは、何という名前なのですか?
「私たちは自分たちのことを、私たちの言語で人間と呼んでいます。でも、も
し私たちに名前を付けたいのでしたら、エロヒムと呼んで下さい。天空より飛
来した者たちなのですから」
──あなたがたの惑星では、どの様な言語を話しているのでしょうか?
「私たちの公式の言語は、古代ヘブライ語に非常によく似たものです」
──毎日、私たちはここで話をしてきましたが、あなたは、他の人間たちが、
私たちの意表をついて現れるかもしれないとは、考えませんでしたか?
ただ
「地上からでも上空からでも、危険ゾーンに他の人間が接近すると、直ちにそ
れを私に知らせる自動装置があるのです」
──あなたがたの暮らしぶりと労働は、どの様なものですか?
「私たちは事実上、知的な労働しかしません。高度な科学水準のおかげで、す
べてロボット任せにできるのです。私たちは欲する時にしか働きませんし、そ
れも頭脳労働だけです。芸術家とスポーツ選手は、身体を使って働きますが、
それは彼ら自身がそう選んだからです。
と
原子力エネルギーは高度な発達を遂げていて、特に私たちが閉回路で原子を
む じんぞう
取り扱う方法を発見してからは、ほとんど無尽蔵に利用できるようになってい
102
第一部/第7章:エロヒム
ます。それに太陽エネルギーや、他の無数のエネルギー源も利用しています。
原子力を利用しているからといって、私たちの原子炉はウラニウムを使用して
いるわけではなく、もっと単純で危険のない、他の多くの物質を使用していま
す」
──しかし、そんなに長く生きて、その上に労働もしないとなると、退屈は
しないのでしょうか?
「いいえ、決して退屈することはありません。というのは、私たちは自分の好
きなことは何でも行い、とりわけ恋愛を楽しんでいるからです。私たちの女性
たんのう
たちは大変美しく、恋愛を大いに堪能しているのです」
──結婚制度はあるのですか?
「ありません。女性も男性も自由です。ふたりで暮らしたいと思えばそうでき
ますが、この関係は好きな時に解消できます。私たちはみな、お互い同士が愛
しっ と
し合っていますので、嫉妬することはありません。誰もがあらゆる物を持って
いて、所有制度というものがないからです。
犯罪がないので、刑務所や警察もありません。その代わり多数の医者がいて、
定期的に往診をして精神状態の検査を行っています。そして、他人の自由や生
わず
命に危険を及ぼすような、精神の異常がほんの僅かでも見つかった人は、正し
い道を歩めるように、すぐに適切な治療を受けます」
──あなたがたの惑星のごく普通の人たちが、どんな 1 日を過ごしているの
かを教えて頂けませんか?
「朝、起きてから、まず水浴をします。至る所にプールがありますので。そし
て朝食を済ませると、自分のしたいことを行います。私たちの世界には貨幣が
存在しませんので、
〝労働する〟のは、自分がそれを望むからです。ですから皆、
自分の適性に合った仕事をしますので、
〝労働〟によって作り出されたものは、
とても素晴らしいものばかりです。
不死の人たちだけが決まった使命を持っています。例えば電子頭脳の監視と
たずさ
か、エネルギー・食糧・組織機構などの、重要な問題に携わっているコンピュ
ータの監視をすることです。70 億の人口のうち、他の人たちと全く別に暮らし
ている不死の人は 70 0人しかいません。彼らは不死の特権を得ている代わりに、
労働の義務がない他の人々のために、すべてのことを処理しなければならない
のです。
こうした 7 0 0人の不死の人たちの他に、不死の資格の試験期間中の人たちが
103
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
210人(各地域から1 0人、年間に7 0人ほど)います。7 0 億の人口のうち、子供は
4 0 0 0万人ぐらいしかいません。成年に達した子供たちは(人によって違います
が18歳から21歳の間に)
、寿命を750歳以上に延ばす手術を受けます。この時か
ら、彼らは子供を設けることができます。つまり、私たちの惑星の最高齢の人
たちは通常、5 0 世代もの子孫に会えることになります。
70 億の人口のうち、非活動的状態にある人たちは、たった 1 0 0 万人程度しか
いません。これらの人たちはほとんどの場合、精神に異常をきたしているため、
私たちの医師による治療を 6 カ月程度受けることになります。大多数の人々は、
芸術や織物や彫刻に打ち込んだり、音楽や著述を楽しんだり、映画を製作した
まさ
り、スポーツをしたりしています。私たちの文明は、正にレジャー文明と言え
るものです。
平均的な大きさの都市は人口 50万ほどですが、スペースは非常に狭いもので
す。実際、都市は高台にある一つの巨大な家のようなもので、その中で人々は
眠り、愛し合い、自分の欲することをしているのです。こうした〝住宅都市〟
は、横幅と高さがほぼ 1 キロメートルくらいあり、大量の人員を輸送するため
に、あらゆる方向に波動が飛び交っています。ベルトを身に付けてこの波動の
流れに乗れば、好きな場所に短時間で行けるのです。
都市は立方体の空間を占めています。これは、あなたがたの世界のように都
い な か
市が田舎を〝侵食〟することがないようにするためです。あなたがたの都市で
よう
50万人もの人口を擁していれば、私たちの20倍もの面積が必要でしょう。この
ため、あなたがたの場合は田舎へ行くのに何時間もかかりますが、私たちは数
十秒で済みます。一つの都市全体はひとりの建築家によって構成されています
が、これは、見た目を心地よくするためと、景観に溶け込ませるためです」
──でも、何もすることのない人たちは退屈しませんか?
「いいえ、彼らにはたくさんの活動分野を与えていますから。個人の本当の価
値というものが認められているので、皆、自分の真価を示したいと思っていま
す。それが芸術でも、科学でも、スポーツでも、不死の資格を持つ人になれる
ように抜きん出たいと思っているのです。あるいは単に社会から……そうです
ね、それに女性から賛美されたいと思っている人もいます。
危険を好む人もいます。しかし、彼らから死の危険を奪うことは、生の喜び
ともな
まで取り上げることになります。ですから、生命の危険を伴うようなスポーツ
は
や
が非常に流行っています。
104
第一部/第7章:エロヒム
私たちは、どんなにひどい負傷をした人でも回復させることができます。し
そ せい
かし、危険なスポーツをする人は、もし活動中に死亡しても、蘇生の治療を受
けないということに同意した文書を提出することができます。
一種の原子力自動車によるレースもあります。あなたなら、きっと夢中にな
や ばん
ることでしょう。一種のボクシング・スタイルのもっと野蛮な競技とか、もっ
なぐ
ともっと野蛮なものもあります。全裸で行うラグビーの一種は、殴り合い、格
闘など、あらゆる攻撃が認められています。あなたには、これらのことがとて
すいぼう
も野蛮に思えるでしょうが、すべて極端にまで行ったものは、衰亡しないよう
にバランスを取る必要があるということを忘れないで下さい。
最高にまで洗練された文明はバランスを保つために、その正反対に当たる原
始的なものを持たねばならないのです。私たちの惑星の人々が、その愛好する
スポーツにアイドルを持てないとしたら、残るのは死の願望だけです。他人の
生命を尊重せねばならないのはもちろんですが、それと同時に、限定された特
たわむ
殊な範囲内での死の願望や、死との戯れも尊重されてしかるべきです。
毎年、すべての分野でコンクールが開催されますが、その中で世界のコン
すいせん
クールで最優秀と認められた人たちは、不死の資格者に推 薦されます。これ
は、すべての人にとっての生きがいです。
毎年、絵画・文学・生物学・医学など、人間の精神を表現するすべての専門
分野について、各地域でコンクールが開かれます。
のち
後に、その地域の不死の資格者の投票も行われます。選ばれた〝優勝者たち〟
は首都に集まり、不死審査員たちの投票によって〝勝者の中の勝者たち〟が選
ばれます。そして、不死会議の総会に推薦されるわけです。こうして選ばれた
人が、不死の人になるための候補者として、一定期間の試験を受けます。
これが、すべての人の目標であり、理想です。娯楽は原始的な形態を取りな
すうこう
がらも、これほど崇高な目標にまで高められているのです」
──そうすると、不死の人たちの生活は、他の人たちとは全く違っているの
ですか?
「確かにそうです。彼らは、彼らのために用意された都市に、他の人たちとは
離れて暮らしていて、決定を下すために定期的に集まっています」
──最も年寄りの人は、何歳くらいでしょうか?
「最も年寄り、つまり不死会議の議長は 2 万 5000 歳ですが、あなたの目の前に
か ら だ
いますよ。私は、これまでに 25 の身体で生きてきました。私は、この実験が行
105
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
われた最初の人間です。ですから、不死会議の議長になっています。そして、
地球での生命創造は、私自身が指揮したものです」
──それでは、あなたの知識は計り知れない程でしょう。
「ええ、かなりの知識を持っていますし、これ以上、あまり増やす余地はあり
しの
ません。この点で人間は、私たちを凌ぐ可能性を備えています。脳内の、情報
たくわ
や記憶を蓄える部分の容積、これが重要なのですから。もし正しい方法さえ理
解すれば、人間は私たち以上の知識を蓄え、科学を私たちよりずっと発達させ
まさ
ることができるでしょう。不死会議の中の反対派が恐れているのは、正にその
点なのです。もし、何も邪魔するものがなければ、地球人は私たちよりも速く
と
進歩を遂げることでしょう」
化学的教育
──でも、生徒が覚えなければならない知識が非常に多くなり、時間もすご
くかかるのではないですか?
ばくぜん
「いいえ。地球の科学者も漠然とながら気づきつつありますが、とても重要な
科学的発見のおかげで、授業内容を外科的に学ばせることができるようになっ
ています。学習したネズミの大脳から液状の記憶物質を取り出し、それを全く
何も知らないネズミの大脳に注射して、知識を伝えられるということを、あな
たがたの地球の科学者も発見しています。
大脳の記憶物質を注射して情報を伝達できるので、私たちの子供は、ほとん
ど学ぶ苦労がありません。必要な情報を持っている人たちから採取した、記憶
物質の注射を、彼らは定期的に受けています。ですから、子供は自分の関心が
ある事柄だけに取り組み、自分たちでプログラムを作り、理論的に世界を作り
直したり、のびのびとスポーツや芸術に打ち込めます」
──あなたがたの世界の各地域間で、戦争は全くないのですか?
「全くありません。スポーツ競技が十分に発達しているので、闘争本能を解消
させているのです。さらに心理学的に見るならば、一試合で必ず数人の死者が
出るような競技で、若者たちが自分の命を危険にさらすこともできるというこ
とが、彼らの闘争本能を解消させているのです。
つまり、そうした危険な競技は、闘争本能が大変強い人たちの闘争本能を、
文字通り命がけで満たしてあげるので、そんなことを望まない人たちを危険な
106
第一部/第7章:エロヒム
方向に追いやることが無くなるのです。もし地球上に、今よりもっと危険なス
ぼっぱつ
ポーツや競技があって、しかも組織化されていたならば、国際紛争の勃発を減
こうけん
少させるのに貢献したことでしょう」
──あなたがたの世界の、7 種類の人々は、似かよっているのですか?
「いいえ。あなたがたと同じように人種が違い、文化が異なっています。それ
らの地域は、それらの人種と文化に応じて設けられ、お互いに自由と独立を尊
重し合っています」
──人間があなたがたの惑星を訪れることは、可能になるでしょうか?
「ええ。あなたがたが訪れるには、呼吸に適した宇宙服を着れば十分でしょう。
私たちが地球の大気を作っている居住地区では、宇宙服なしで暮らせます。そ
こにはモーセ、エリヤ、イエス・キリスト、その他の私たちが創造した証人た
あかし
ちが生きていて、私たちはしかるべき時が来れば、あなたの言葉の証を立てる
ために、彼らを地球に戻すこともできるのです」
──どうして今すぐ、彼らを戻さないのですか?
「それは、あなたがたの世界の人々が容易に信用しないからです。もしイエス・
キリストが再来したら、彼は精神病院に収容されてしまうでしょう。あなたが
たの中にひとりの男性が急に現れて、自分がキリストだと話すのを想像してご
あざけ
らんなさい。彼は嘲り笑われ、アッという間に収容されてしまいます。
もし彼が本当にキリストだということを示すために、私たちが介入して科学
き せき
的な奇蹟を起こせば、神に基づく宗教を再びもたらして、私たちがもはや少し
も望んでいない超自然的な、あるいは神秘的な事柄を復活させてしまうでしょ
う」
こうして、小さい男の人は私に最後の挨拶をして、彼が私に要求したことが
達成されるまでは再訪することはないと言い残すと、宇宙船に乗り込みました。
そして離陸し、これまでの朝と同様に去って行きました。
ラエリアン・ムーブメント
なんと素晴らしい話でしょう! 何という啓示でしょう! 自宅に戻って、メ
モしたノートを整理し、清書をしながら私は、自分に託された使命があまりに
きわ
も大きく、また実現の見込みが極めて少ないことを実感しました。しかし、着
107
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
げんそう
手するのに必ずしも展望が必要というわけではないのですから、たとえ幻想家
(un illuminé)と見なされようと、私は要求されたことを実行しようと決意しま
した。
とら
つまるところ、幻想に囚われたということが、光を受け取った、ということ
を意味する(訳注:「幻想に囚われた= être illuminé」には、「光に照らされた」という
意味もある)のであれば、私は喜んで幻想家になりましょう。真実を知らない教
養人よりは、真実を知っている幻想家のほうがマシです。
ありとあらゆる疑い深い人たちに、私は次のことを強調しておきたいです。
私はお酒を一滴も飲まないし、幸いなことに、夜もぐっすり眠れます。誰にし
ろ、 6 日間もぶっ続けで夢を見られるものではないですし、これまで私が述べ
たようなことを、すべてでっち上げるなんて不可能なことです。
私を信じようとしない人たちは空を見上げて下さい。そうすれば、科学者に
も軍人にも説明のつかない物体を目にすることでしょう。こうした目撃はます
ます増加しつつあります。この物体については、科学者も軍人も、自分たちの
めんもく
閉鎖的な社会の誰かから真実を明かされるのでなければ、面目を失うと考えて、
体面を保つためにアレコレと馬鹿げた説明をしているにすぎません。どうして
科学者が知らないなんていうことがあるでしょうか。
とな
コペルニクスが地球は世界の中心ではないと大胆にも唱えたとき、彼に有罪
を宣告した人々と同じように、彼らは自分たち以外の誰かが、このようにすべ
ての真実を明らかにすることが全く許せないのです。
しん き ろう
しかし、一部の人たちが蜃気楼やラジオゾンデや幻想だと片づけたがってい
る未確認飛行物体(訳注:UFO)を目撃したあなた、あるいは、これから見る
こわ
であろうあなた、馬鹿にされるのが怖くて口にする勇気のないあなた、そのあ
なたがたが、すべて結集して信じる人たちに語りかけない限り、思っているこ
とを自由に話せるようにはならないでしょう。
これらの一切の真実の啓示のおかげで、もはや一体何を信じればよいのか分
からないこの世の中で、私はこの上もない幸福と心の安らぎを得ることができ
ひづめ
ました。なにしろ今の世の中では、白いヒゲの正義の神や、蹄のある悪魔を信
じることは不可能ですし、その一方では、偉い科学者たちでさえ、人類の起源
と人類が到達すべき目標を、誰もが心から納得できるほど詳しく説明すること
もできないのですから。
しかし今、明かされた真実に照らすと、あらゆることがハッキリとし、すべ
108
第一部/第7章:エロヒム
てが単純に思えてきます。この宇宙のどこかに、私たち人類を創造した人たち
が数多く住む惑星があります。彼らは、人類を自分たちにソックリに創りあげ
ました。彼らは、彼らの創造した私たち人類が、自分たちを追い越すのではな
いかと恐れながらも、なお私たちのことを心から愛しているのです。何とも深
い感動を呼び起こすではありませんか。
いつの日か、私たちも、他のいくつかの世界に生命を創造することになるで
しょう。そうすることによって、私たちもその一部である人類の進化に関与す
る、という栄誉が得られるのです。こう考えると、感動はとりわけ深いものに
なります。
さあこれで、あなたは私が記述したこの書を読み終えたわけです。私はこの
中に、私に語られたことのすべてを、できるだけ分かりやすく再現したつもり
です。
あなたは、私のことを想像力に富んだ男と考え、この書は、面白い気晴らし
にすぎないと感じるかもしれません。もしそうであるなら、私の落胆は深いも
のとなるでしょう。
あるいは、あなたはこれらの真実の啓示によって、創造の秘密と人類の将来
とを理解し、人間はこの地上になぜ存在し、何のために生きているのかと、小
さい頃から夜ごと自問してきたことへの答えを見いだして、再び未来を信じる
ことができるようになったかもしれません。もしそうであるなら、私はこの上
もなく幸せです。
最後に、もしあなたが、私が述べたことのすべてを深い真実であると理解し
て、私と同じように、エロヒムが彼らの遺産を私たちに与えるために公式に飛
来するのを一刻も早く見たいと望むのでしたら、そしてもしあなたが、私が彼
さん かく
らから要求された事柄のすべての実現に参画することを望むのでしたら、私は
と
自分の使命をやり遂げることができるでしょう。
その場合には、私に手紙を下さい。そうすれば、私たちはあなたをラエリア
ン・ムーブメントに歓迎するでしょう。私たちは、彼らが望む大使館を建てる
つもりです。私たちが世界中で相当な数になり、私たちを創造した彼らが当然
それを私たちに要求する権利のある、敬愛の念をもって、私たちが彼らを待ち
望むならば、彼らはやって来て、私たちにその膨大な知識を授けることになる
でしょう。
神や、イエス・キリストを信じているすべての人たち。あなたがたがそう信
109
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
じてきたのも、無理からぬことでした。神やイエス・キリストの実体が、人々
があなたがたに信じ込ませようとしてきたものと正確には違っていたとしても、
真実の素地は含まれていたからです。
あなたがたが、聖書の記述の骨格部分を信じてきたのには理由があったわけ
ですが、教会を支持するのは間違っています。もし、今あなたがたが、豪華な
みつ
衣装を身につけた僧侶たちに金を貢ぎ続け、また、あなたがたに核の脅威をも
たらしている軍人たちの存在を容認し続けるのであれば、今や私たちがその資
格を持つに到った黄金時代には興味がなくて、あなたがたは未開人のままで止
まるのを希望することになってしまいます。
しかしそれとは反対に、もしあなたが自発的にせよ受け身的にせよ、あなた
自身のやり方でラエリアン・ムーブメントの発展に参加することを望むのでし
たら、ペンを取って私に手紙を書いて下さい。そうすれば、私たちはすぐにで
も、大使館建設用地の選定に取りかかるのに十分な人数に達するでしょう。
もしあなたが、まだ疑っているのでしたら、新聞に目を通して空を見上げて
下さい。そうすれば、不思議な飛行物体の出現がますます増えていることに気
わ
づき、私に手紙を出す勇気が再び湧いてくることでしょう。
ラエルへの宛先は次の通りです。
◎編集部からのお願い……ラエルに手紙や電子メールを出す場合は、英語またはフランス
語で書き、下記のいずれかのアドレスへ送って下さい。
▶ Rael ,
c/o : International Raelian Movement
Case Postale 225, CH -1211
Geneva 8, Switzerland
E-mail
: [email protected]
▶ 〒289 – 2311
千葉県香取郡多古町本三倉 640 –A1
み ろく ぼ さつ
日本ラエリアン・ムーブメント「弥勒菩薩・ラエル」 宛
E-mail
: [email protected]
110
第 二 部
異星人が私を彼らの惑星へ
連れて行った
第二部:異星人が私を彼らの惑星へ連れて行った
第1章
幼少より最初の遭遇まで
イントロダクション
う
私が以前は何をしていたのか? また子供の頃に、現在の運命を予見し得るよ
うな何か特別なことが起こったのか? と私に質問した大勢の人々に答えるため
に、19 73 年12月13日の、あの信じられないような出会い以前の私の人生がどん
なものであったのかを、率直にお話ししたいと思います。
幼い頃には何も特別な事件は起こらなかった、とばかり思っていましたが、
過去の記憶を探っていくと様々な光景が思い出され、それが一つにまとまるに
つれて、私の人生が現在の私となるために、そして、1973年12月13日にあの地
点に居合わせるために、ずっと導かれていたのだということを発見して、我な
がら驚きました。
そうして、自己の回想録をほとんど書き終えた頃に、第二のコンタクトが起
きたのです。そこで私は、回想録をできるだけ短縮して、第二のメッセージと、
さらに最初の遭遇以上に驚嘆すべき第二のコンタクトの一部始終に、できる限
さ
りのスペースを割くことにしました。
あれからもう 2 年
2 年! 私があの偉大な真実を伝えようと努力し始めてから、もう 2 年にもな
ろうとしています。時が過ぎてゆき、私は足踏み状態にあるような感じさえし
ます。でも、
『真実を告げる書』が本当のことを語っているのだということを理
解した人たちは、私の周りに確固とした集団を徐々に作り始めています。
7 0 0人──私がこの文章を清書している現在で、その人数は 7 0 0人に達して
113
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
います。そして、700人という人数がどんなに少ないか、また同時に、どんなに
多いかが私にはよく分かります。地球上で生活している 4 0 億の人口から比べれ
おく ぎ
ば、その数は少ないでしょう。しかし、2000年もの昔に奥義を伝えられ、それ
を同じように、当時の原始人たちに広めるという困難な使命を背負っていた人
物に接し、その人物に従って行こうと決心した人たちが、 2 年後にはどれだけ
存在していたかを考えれば、その数は多いとも言えます。
ちょうしょう
この 7 0 0人とは、どんな人たちなのでしょうか? こう言えば嘲笑者たちは
はや が てん
くせ
だま
喜ぶことでしょうが、彼らは何でも早合点する癖のある、騙されやすい単細胞
の人間たちなのでしょうか? いやいや、とんでもありません。その中には、哲
学、心理学、神学、社会学、薬学、物理学、化学などの分野で、学士号や博士
号を持った人たちさえいます。
えら
でも私は、何の学位もない人たちも同じように偉いと思います。なぜならそ
の人たちは、生物や私たち人間を科学的に創造することができるということを、
せいぎょ
教育を通じて学んできたこともないのに、物質を制御し、自分もその一部であ
る宇宙と調和して生きている人たちと同じように、直観的に理解することがで
きるからです。
最初に言っておかなければなりませんが、私は全く楽観的であり、これを書
きながらも、私に託された使命に関しては、道を誤らなかったと確信していま
す。というのは、たとえ私の身の上に何が起きようとも、私が創設した団体の
はば
「マデク(※)」は前進を続けて行き、何ものもそれを阻むことはできないだろう
からです。
※編集部注:マデク→ 9 6 頁を参照。
たび
私は 2 年間に約 40回の講演を行いましたが、その度に同じような質問が出さ
れるので、私はメッセージのいくつかの部分を明確にしておく必要があると思
うようになり、それをこの著書の中で実行するつもりです。
まず最初に出てくるのが、19 7 3 年12月13日のコンタクト以前に、私が何をし
ていたのかという質問です。
私が精神的・神経的な面で現在の活動が開始できるように、私の人生がどの
ように導かれてきたのかをはっきりと知るために、自分を振り返ってみるよう
になってからは、まだ日が浅いことを私は認めなければなりません。子供の頃
とら
にもいくつかの出来事はあったのですが、こうやって総合的に捉えてみるまで
は、個々の出来事が特に重要な意味を持っているようには思われませんでした。
114
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
今は、何もかもがはっきりとしてきており、以前にはそれほど関心も払わな
かった過去の瞬間が、生き生きとした感動と共に思い出されます。こうしたこ
との 1 つひとつを特別なものと見なして、これまでの自分の人生を語ろうとは
思いませんが、しかし多くの人が、以前の私に何が起こったのかを詳しく知り
たがっている様子ですので、間違った言葉で人に語らせておくよりは、むしろ
私自身で話すのが最も良いでしょう。
子供の頃、アンベール上空のUFO
私は、父を知らない子供と同じように、普通の少年時代を過ごしたとは言え
ません。他のすべての「不自然な」子供たちと同じく、私は言わば「私生児」
だったのです。 ですから、カトリック教が熱心で「ロザリオで世界的に有名」なことで知ら
れるアンベールの小さな町では、私の誕生はちょっとした事件でした。しかも、
その知られざる父親というのが、誰だったのか全く分からないというのではな
ばち
く、ユダヤ人の避難民だったらしいとなると、それはなんと罰当たりな!こと
だったのです。 どうけつ
私の誕生は洞穴においてではなかったのですが、それでもヴィシー近くの、
ある診療所の中ではできるだけ秘密にされました。それは、194 6 年 9月3 0日の
午前 2 時頃のことであり、相当な難産でした。
重要なのは、母が私を身ごもったのが、19 4 5 年12月2 5日だったということ
です。人間が母親の胎内で実際に存在し、成長を始める妊娠の瞬間こそ、その
人の本当の誕生日なのですから。そして、12月2 5日という日は、およそ 2 0 0 0
わた
年に亘って、時代を画する重要な日とされています。だから、偶然を信じる人
たちにとっては、私の人生は偶然から始まっている、ということになるのでし
ょうが。
か
それから私たちは、アンベールにある祖父の家の近くに戻って来ました。可
わいそう
哀相な母親は、私のことを「彼女がしばらく世話をした友人の子供」と見せか
けるために、長い間苦労をしたのです。祖父は真実を知った時、おそらくいい
気分ではなかったに違いありません。しかし、短い期間ではありましたが、私
やさ
にはいつも世界一優しい祖父でした。残念なことに、祖父は、私がまだ子供の
な
頃に亡くなってしまいました。
115
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
あとから聞いたことですが、祖父が果樹の切り込みをしているのを見ていた
私は、彼の植木バサミを取り上げて、彼の畑のレタスを無造作に切ってしまっ
たそうで、その時に祖父は、嬉しそうな顔をしていたということです。
私は、当時一緒に住んでいた祖母と叔母の手で育てられました。今もふたり
は一緒に住んでいます。私に読み方を教えてくれたのも、自分の足で歩けるよ
うになったのも、このふたりのおかげです。そのことは、今でもとてもよく覚
えています。これこそ、私が記憶している最も古い思い出に違いありません。
この祖母がつい最近教えてくれたことですが、19 4 7年に、アンベールの彼女
の家近くの上空を、不思議な飛行体が非常に速く、そして音もなく飛んで行く
まぼろし
のを見たそうです。彼女は、幻 を見たのだと責められては困るので、そのこと
を誰にも話さなかったのです。私に話す気になったのは、彼女が私の著書を読
むと同時に、マデクに加入する決心をしたすぐあとのことです。彼女の支持こ
そは、私が受けた最大の激励のひとつでした。
ドルイド教団の法王
こわ
ちょうしょう
アンベールの町に、子供たちからは怖がられ、大人たちからは嘲笑されてい
たば
るひとりの老人がいました。その束ねた長髪とヒゲが非常に見事でしたので、
あだ な
人々は彼にイエス・キリストという渾名を付けていました。彼はいつも、足首
まで届くような長いケープを着けていました。私の母が見つけた小さなアパー
トから10 0メートルほど離れた、市立小学校の前にある小さな家に住んでいま
した。彼は働いている様子もなく、何をして生活しているのかも誰も知りませ
んでした。
子供たちも、大きくなってくると彼を恐れなくなり、両親たちと同じように
ま
ね
笑ったり、彼をソックリ真似しながら後ろをついて歩いては、彼をからかうよ
うになりました。
私個人としては、皆と一緒に遊ぶよりも、昆虫を観察したり、本を読んだり
する方を好みました。彼とはよく道で出会いましたが、とても親切そうな表情
ほほ え
と、私に向けられる茶目っ気な微笑みにドキッとしたものでした。どうしてか
お
か
よく分かりませんが、私は彼を怖いとは思いませんでした。また彼に、可笑し
なところがあるとは少しも思いませんでしたし、他の子供たちがどうして彼の
ことを笑うのか、私には理解できませんでした。
116
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
ある日の午後、彼がどこへ行くのか知りたくて、私は彼の後ろをついて行き
つな
ました。そして彼が、小さな家の、開けるとすぐ狭くて薄暗い台所に繋がるド
アを開けっ放しにして、家の中に入って行くのを見ました。さらに近づいてみ
いたずら
ほほ え
ると、彼は、待ってましたよという風な、悪戯っぽい微笑みを浮かべながら腰
掛けに座っていました。そして、近くに来るよう私を手招きしました。私は家
の中に入って行って彼の方へ歩み寄りました。
彼が私の頭の上に手を置くと、私は奇妙な気分に襲われました。同時に彼は
つぶや
宙を見つめ、私には理解できない、ある言葉を呟きました。数分後、彼は同じ
不可思議な微笑みを浮かべたまま、ひと言も口を開くことなく私を立ち去らせ
たのです。
その時は、私もこの出来事に当惑はしたものの、すぐに忘れてしまいました。
なぞ
オーベルニュの謎の出ている本を母から借りて読み、数年前に死んだ最後のデ
ィサール、すなわちドルイド教の最後の「法王」が、問題の老人だったことを
知ったのは 19 74 年の夏のことでした。
それから私は、子供の頃の光景を思い出し、隣人というかそれに近かったの
で、私たちが毎日のように道で出会った時に、この老人が見せた不可思議な微
笑のことについて考えました。彼が空を見上げて、不可解な言葉を呟いたのは
誰に対してだったのか、祖母の見た無音の光体が何であったのか、今こそ私に
は、はっきりと理解できるのです。
もう一つ思い出すことがあります。ディサール神父の家で起こった出来事以
来、毎晩のように私は、何度も 9 つまで数えては眠り込んだのです。
この数字は、まるで私に割り当てられた何かの符号のように、私の生涯を通
はる
じてしばしば出てくる数字なのです。すでに、 9 つよりも遥かに大きい数字を
た
数えられるようになってからは、数年は経っていたし、機械的な記憶の問題で
はないことは確かでしたが、私には、突然思いがけなく身についた習慣を説明
すべ
する術もありませんでした。この習慣が始まったのは、私が 7 歳の時のことで
した。
詩
その頃の私にとって大切だったのは動物たちでした。カタツムリを競争させ
み
ない時は、一日中でも動物をスケッチしていたものです。動物界に魅せられた
117
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
私は、処女林の神秘的な動物たちの近くにいられるようにと、探検家になる夢
ばかりを見ていました。
しかし、 9 歳になった時(またしても 9 です)に、すべてが変わろうとしてい
ました。まず私は、私にとって真の情熱となってしまうものを発見しました。
それは、エンジンが有るか無いかに関わらず、車輪が付いているすべてのもの
に関するスピードだったのです。スピード、特にバランスは、弾道に見るよう
へいこう
な平衡感覚、また自分と自分自身の反射神経との闘争、すなわち、精神による
肉体の完全な支配だったのです。
くだ
最初は、ブレーキもろくにないような小型自転車による無茶苦茶な坂下りで
した。一度も転倒しなかったのが不思議なくらいです。もっとすごいこともや
りました。丘の上に登り、車が高速で通過するのを待ち構えるのです。それか
くら
ぎょうて ん
ら目も眩むような速さで車を追跡して、運転者がビックリ仰天しているのも構
わずに車に追いつき、
そして追い越してしまう。坂の下に達するとターンして、
再び丘の上に登って次の車を待ち構える、というようなことです。
数カ月後、偶然のことから、ツール・ド・フランスの自動車レースの通過を
ひと め
ぼ
見ることができました。これには一目惚れでした。ペダルを踏んで丘へ登る必
要もなく、スピードを楽しめるのですから。こんな職業もあるのか、これだ、
私はカー・レーサーになるのだ! これが、 9 歳の子供の決め方でした。
その日以来、私はもはやカー・レースのことしか頭にはありませんでした。
他のものは目に入りませんでした。カー・レーサーになるのですから、学校で
の勉強というものが無意味に思われました。漫画本は真面目な自動車雑誌に替
わり、私はジリジリとしながら、あと何年すれば運転免許を取得できる年齢に
か んじょう
なるのかと、勘定し始めたりしました。
私が初めて寄宿学校に入れられたのも、 9 歳の時でした。私が学校の勉強を
何もしようとしないのと、カー・レーサーになるのに勉強など必要ないと口癖
ごう
のように言うので、業を煮やした母が、私を、ピュイ・アン・ヴェレーにある、
ノートル・ダム・ド・フランス寄宿学校に入れることを決めたのでした。
母が望んだのは、私が自動車レースの雑誌が読めないようになれば、学業に
専心するだろうというものでしたが、ある意味でそれは正しかったのです。し
いや
かし私は、最初の寄宿学校には大変嫌な思い出を持っており、そこに送られる
時、私はあまりに幼な過ぎていたのです。
おぼ
あの大きな寮では、夜中に何度も泣きながら過ごしたことを憶えていて、そ
118
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
れは、ひとりで瞑想する機会を失ったことが最も大きいと私は今、信じていま
す。この欲求不満のせいで私は一晩中泣き明かしましたが、そのために、もう
かなり強くなっていた私の感受性はさらに増していきました。情緒面や感情面
の欲求不満がすべて感受性を強めるようにです。そのとき、私は詩を発見した
のです。
私はどんな場合でも、数学などより国語に魅力を感じていましたが、興味は
あっても、いつも受動的な読み手でした。そんな私に、何か書いてみたい、で
い ぜん
きれば詩を書きたいという欲求が起こったのです。数学は依然として興味がな
かったものの、他の科目と同じように平均点くらいは取れるようになり、国語
と、特に作文では、自分の気に入った題材を扱えるなら常に首位を占めるよう
になりました。そして、私はたくさんの詩を書き、詩のコンクールで第一位を
獲得しました。
最も驚くべきことは、私が、洗礼を受けてもいないのにカトリックの修道者
せいさん
ともな
が運営する寄宿学校に在籍し、聖餐を伴う毎日のミサも含めて、学校が行うす
べてのこと(食前、就寝・起床時、授業前などのお祈り)に参加していたことで
した。日課の聖餐を 6 カ月間受けたあとに、とうとう私が受洗していないこと
ふる
が分かり、それを知った修道士たちは震え上がらんばかりに驚いたのです。私
お
か
にはそれが可笑しかったです。あの、とろけるように柔らかいパンの中身をタ
ダで食べられたこと、それが彼らのミサの中で唯一、私が気にいったひととき
でさえあったのです。
私が思春期を迎えたのも 9 歳の時のことでした。私はこの時期を大いに楽し
みました。同僚の他の 9 歳児たちはまだ誰も知らなかったであろう、未知の秘
なぐさ
密の楽しみを発見しました。そしてそれは、中途半端な孤独に対する慰めだっ
たと言えます。
と
し
それから、初恋をしたのも 9 歳の時でした。年齢相応の子供らしい恋ではあ
りましたが。学校の成績が良くなったので、母も二度と私を寄宿学校へは送り
返さないことを承知してくれ、私はアンベールの市立学校に 8 学年で復学しま
した。彼女は、そこにいたのです。
名前をブリジットと言い、9 歳になるところでした。私は恥ずかしがり屋で、
こっけい
すぐに顔が赤くなるので滑稽に見えたことでしょう。身体検査の時に、彼女は
つつ
し
明らかに見るものは何もない胸を私の目から隠そうとし、その慎ましやかな仕
ぐさ
草が、私の心の中に優しい感情を呼び起こして、見た目にもこのか弱い人を守
119
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ってやらなければ、という気持ちを抱かせたのでした。
翌年も同じ学校の 7 学年で、この話しかけたこともない初恋の人と一緒にな
りました。そして、学期の初めに、彼女のすぐ前の机を確保することだけはで
きました。だから時々、後ろを振り返っては彼女の可愛い顔を見つめることも
できたのです。私は10歳でしかないのに、彼女のことばかりを考えていました。
クラスで彼女の近くにいられるようになったおかげで、私は、もう留年はしな
いように勉強をし始めました。
わ
しかし、相変わらず勉強に何の意欲も湧かないままに 6 学年になりました。
そして残念なことに、いつもクラス替えが行われていて、クラス担任の先生も
毎回変わりました。それで彼女から遠く離れてしまった私は、ほとんど勉強を
しなくなりました。そのために、翌年は再び、アンベールから 3 0 キロメートル
ほど離れた、カンラという小さな村の寄宿学校に逆戻りとなりました。
ひど
そこは、ピュイ・アン・ヴェレーよりもっと酷い所でした。ほとんど暖房設
備もないような小さな寮の中で、互いに折り重なるようにしていました。また、
特に規律というものもなかったので、中でも大きくて強い少年たちが、自分た
し こう
ちの勝手な法律を施行していました。私が暴力を極度に憎むようになったのも、
そこでの経験から来ていると思います。
ひど
ある日、私より力の強い男の子たちに酷くいじめられ、しかも彼らに対して
とう は
は何の処罰もなされなかったので、私は生家までの 3 0キロメートルを踏破する
決心をし、歩いて帰途につきました。私の脱出は誰にも気づかれず、校長がや
っと気づいて車で追いかけて来たときには、私は既に10キロメートル近くも歩
いていました。
うれ
なか
大変嬉しいことに、私は放校となり、学期半ばに通学生として、再びアンベ
ールの仲間のところへ戻って来ました。何とも嬉しいことに、私は毎日、道で
ブリジットとすれ違うチャンスがありました。彼女はますます美しくなってい
て、12 歳の春を迎えた彼女の胸は、魅力的なふくらみを見せていました。
たい
勉強にますます関心を失った私は、怠学生の喜びをしみじみ味わうことにし
ました。神父は母に、私を受洗させるよう勧めましたが、私は神父たちのとこ
いや
ろに居るのは嫌でした。幸いなことに、母は、私がもっと大きくなって自分の
意見が言えるようになるまで待ってくれることになりました。
その頃の私の最大の望みは、自動車の整備工になることでした。カー・レー
サーになるには、それが役立つことを知っていたからです。私に技術者になっ
120
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
て欲しかった母は、どんなことがあっても勉強を続けることを要求し、私が自
動車修理場の見習工になることを許しませんでした。このような母の新たな反
対によって、私は再び詩を書きたくなり、学校へ行く代わりに、ノートを一冊
い な か
持って田舎を歩き回るようになりました。
14 歳になると、私はまたもや、この地方の他の学校では受け入れてくれない
子供たちを収容する、寄宿学校に送られました。そこはモン・ドールというと
ころでした。私は、劣等生や「かなり反抗的」な生徒たちと一緒になりました。
その反抗的な生徒たちの「ボスたち」の中のひとりである生徒が、私のその後
の10 年の運命に大きな影響を持つことになりました。
じょうず
彼の名はジャックと言い、エレキ・ギターが上手で私は大変感心していまし
た。クリスマス休暇が始まると、すぐに私は素敵なギターを祖母に頼んで買っ
ひ
てもらい、ジャックから弾き方を習いました。それから私は、自分の詩に曲を
き
付けるようになり、聴いていた生徒たちは、どうやら大変気に入ってくれてい
るようでした。夏休みになると、私はいくつかのラジオ・コンクールに出場す
るようになり、ほとんど毎回のように勝ちました。
私の歌を気に入ってくれた、あるバーのウェートレスと初体験をしたのも、
夏期休暇中の出来事でした。彼女は20歳でしたが、私のギターが女の人を喜ば
す力があるということ以外は、別に大したことは学びませんでした。
翌年、私は15歳になって、かつてないほどに自分の人生を生きたくなり、あ
る日、ギターと小さなスーツケースを抱えて、面白くもない授業の寄宿学校に
別れを告げ、パリへ、ヒッチハイクの旅に出ました。ポケットには 2 0 0 0フラン
しかありませんでしたが、心は希望に満ちていました。ついに自活をし始める
のだ、カー・レーサーになるために、18歳で運転免許を取得するために、必要
な費用を貯蓄できるようになるのだと。
何という幸運でしょうか、強力な加速力を秘めた、品のあるセダン型の車を
ひろ
運転する男が、私を拾ってくれたのです。彼は名を名乗り、カー・レーサーで
あると言いました。私が、彼がレースに参加した車の車種と取得したランクを
言い当てると、彼は、まだそれほど有名でない自分の記録を覚えていてくれた
う ちょうて ん
少年と出会って有頂天になりました。彼は、自分が昔はサーカスの道化師だっ
たこと、今は南西部にガレージ・ステーションを所有していることを語り、パ
リに着くと、私を夕食に招待してくれ、その上、自分の宿泊しているホテルの
一室に私を泊めてくれました。
121
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
サロンで私たちは、その日の仕事を終えたバーの若いダンス・ホステスのふ
しゃべ
たりと、少しお喋りをして、私は何曲か歌い、そのあとで私たちはそれぞれ、
そのチャーミングな女性を連れて寝室に引き取りました。私が性愛のテクニッ
クを実際に教わったのは、その夜のことでした。
翌朝、私はこっそりとホテルを抜け出しました。貸し部屋と、私の歌を使っ
さが
てくれそうなキャバレーを捜したかったからです。しかし、どちらも見つから
ず、パリでの第 2 夜は、浮浪者たちと共に地下鉄で過ごしました。
もうお金は無いし、次の朝は腹ペコでした。その日は、これから自分は一体
どうなるのかと思いながら、一日中ウロウロと歩き回りました。すると夕方、
ひ
ひとりの男がカフェのテラスでアコーディオンを弾いている光景に出会いまし
ま
ね
た。人々が彼に硬貨を投げていました。そこで、私も彼の真似をしてみると、
う
ま
これはすぐに上手くいって、私は救われました。
3 年間はこうして暮らしました。そのあいだ、しばしばどこにでも寝て、時
々サンドイッチを食べました。その間にかなり腕を上げた私は、ある日、セー
やと
かせ
ヌ左岸のあるキャバレーに雇われました。私は一晩に10 フランを稼ぎ、またモ
もら
ンマルトルの丘の小さな部屋に帰るのに、タクシー料金を15 フラン貰いました。
そして、小さな文字ながらも、ポスターに私の名前が出ていたのです! すると、
私はもう、そういうポスターに高々と大きく現れる自分の名前を想い描いてい
ました。毎晩の演芸が、首尾よくいっていたからです。
ある日、コメディアンのジャン・ピエール・ダラと出会いました。彼は、私
のステージでの振る舞いがもっと良くなるように、俳優としてのレッスンを受
すす
けるように勧めてくれました。でも、私には資金がなかったので、彼は、私が
無料でレッスンを受けられるように準備を整えてくれました。そこで私は、デ
ュランのレッスンに 3 カ月間通い続けましたが、演劇には全く興味を感じなか
や
ったので止めてしまいました。
当時、私は、スキーヤーでカー・レーサーのチャンピオンでもあるトニー・
ザイラーへの尊敬の念を込めて、名前の頭文字が C・Cとなるよう、クロード・
セレという芸名で自己紹介をしていました。
何度もラジオのコンクールで優勝し、いくつかのキャバレーでも歌えるよう
になったので、私の生活も何とか楽になっていきました。そして何よりも、年
来の希望である、18歳になれば運転免許を取得するのに必要な貯金もできまし
た。
122
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
しかし、カー・レーサーになるにはまだ十分ではありませんでした。良い評
価を受けてどこかと契約をするには、まず名を成さなくてはなりませんでした。
またそのためには、自分のレーサー用の車を持って、自前でいくつかのレース
に出場し、できれば優勝をしなければなりません。ところが、そのような車は
高価であり、私はそんな車を手に入れる日を夢見ながら、貯金を続けねばなり
ませんでした。ですから、私は歌の仕事を続けて、節約に努めました。
友人のシンガー・ソング・ライターたちは、レコードを録音して大金を手に
入れているようでした。私も、レパートリーは15 0 曲以上になっていましたの
で、ひとつレコードを出してみようかと思いました。
私が訪問した最初のレコード会社は、私に 3 年間の契約を申し出ましたので、
私はサインすることを承知しました。このレコード会社のディレクターは、今
までにも多くの有名歌手を送り出したラジオ局、
「ヨーロッパ・ナンバーワン」
のリュシアン・モリスでした。デビュー曲もかなりの成功でしたが、2 番目の
はちみつ
『Le Miel et Cannelle』(蜂蜜とシナモン)はもっとヒットしました。ラジオで
もよく取り上げられましたので、この歌詞から曲を連想される方もいるかと思
います。
蜂蜜とシナモン
蜂蜜とシナモンの香りがする
バニラと愛の香りがする
蜂蜜とシナモンの香りがする
ぼく
おと め
僕がずっと愛する乙女たち
くり げ
最初の子は栗毛で名前をマルゴと言った
あし
月夜の晩に葦笛を吹いたっけ
ひとみ
ひ
僕は彼女の瞳に惹かれていった
また、髪にもきっと惹かれたのだろう
2 番目は金髪のマリエルだった
彼女が回って来た散歩道をまだ覚えている
僕は彼女の瞳に惹かれていった
また、髪にもきっと惹かれたのだろう
3 番目は赤毛のマリオンだった
123
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
その美しい顔立ちとなまめかしいペチコート
僕は彼女の瞳に惹かれていった
また、髪にもきっと惹かれたのだろう
友よ、泣くんじゃない、明日こそ春だよ
彼女たちはとてもきれいだし、君は20歳にもなっていない
僕は彼女たちの瞳に惹かれていった
君は彼女らの髪の毛に惹かれていくだろう
その頃には、私もたくさんのショーに出ていて、各地の地方巡業にも参加し
ました。万事順調にいっており、嬉しいことには、アンティーブで行われるフ
ランス歌曲「黄金のバラ」にも選ばれて、参加することになりました。
しかし、私を導いていた人たちは、私が芸術家として有名になることを、き
っと望んではいなかったのでしょう。私の人生でのこの段階は、私の感覚を発
達させ、人々の前で自分を表現するのに慣れさせるためのものであり、それ以
上のものではなかったのです。
ラジオでは、毎朝のように、私が 1 週間後に行われる「黄金のバラ」の出演
者の 1 人に選ばれたことを放送していましたが、ある日リュシアン・モリスが
やって来て、私をコンクールから降ろさねばならなくなったこと、そして理由
はやがて分かるだろうが、今は話せないということを私に告げました。
結局、私は「黄金のバラ」には参加しなかったのです。それから私は、シャ
ンソンを歌いながら細々と暮らし続けましたが、カー・レースに出場する車を
かせ
手に入れるのに、十分なお金を稼げないことが分かりました。だから、私が録
音していたレコード会社の代理人の地位を提供された時、私はすぐに引き受け
ました。今度こそは、数カ月で十分に貯蓄できるだろうと感じたからです。
ふ にん
私はボルドーに赴任し、そこで営業代理人としての責任を持つ、約15 の部門
とうかつ
つい
を統轄しました。そこでは 1 年ほど勤務しましたが、遂にレーサー用の車を買
や
うだけの金ができると、すぐに辞めてしまいました。でも残念なことに私がよ
こわ
うやくその車を慣らして運転していた頃、友人が事故でその車を壊してしまい
ました。しかし私は過去数年間に、南西部で何曲か新曲を書いていたので、あ
る金持ちの友人が、自分がスポンサーになるから新しいレコードを出すように
と言ってくれました。
その後の 1 年間を私は詩を書いて暮らしましたが、私の進路を決定的に変え
124
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
させるかのように、私は大きな自動車事故を起こしてしまいました。
非常に疲れる巡業中に、私はハンドルを握ったまま眠ってしまい、時速約100
キロメートルのスピードで真正面から壁に激突したのです。すでに少なくとも
10 人のドライバーが同じ場所で死んでおり、私はあちこちを骨折したものの、
どうにか命だけは取り留めることができました。でも 3 カ月以上も動けないで
いると、お金は消えて無くなりました。
まだ、レースにも出場していないのです。18歳でカー・レーサーとしてのス
タートを夢見ていた私は、2 2 歳になってもまだ、一度もレースには出場してい
なかったのです。
ただし、見物人として数え切れないほどレーシング・コースに足を運んだ私
は、このスポーツに対する若者たちの熱狂ぶりに気がつきました。多くの少年
つか
たちがきっかけの掴みどころも分からないのに、カー・レーサーになりたがっ
ていることも知りました。とはいっても、それについて私が、彼らよりずっと
よく知っていたわけでもありません。そこで、この状況に取り組むために最も
良い方法は、こうした特技を得ようとする若者たちの情熱を啓発する職業を見
う
ま
つけることだと考えました。書くことには慣れていましたし、上手い方法がす
ぐに見つかりました。それは、私がスポーツ・カー雑誌の記者になることでし
た。
私は数社の専門雑誌社とコンタクトを取りましたが、結果は失敗でした。な
ぜなら、他の大勢の若者たちも同じことを考えていたからです。それから私は、
けん
『レキープ』紙の自動車のページで、写真家兼記者・経験は問わず、という小
さな広告を見つけました。
応募すると、先方から「考慮しよう、書類代として15 0 フラン送れ」という
返事がきました。そして引き換えにフィルムを 1 本送るから、好きな題材で試
験的に撮影し、記事を書いてみろということでした。私は送金し、フィルムを
受け取って仕事を済ませました。もちろんカー・レースを取材した記事を書き、
それを指定された宛先に送付しました。
すぐに後日、小さな広告を出した会社の本社があるディジョンに電話せよ、
という手紙が届きました。あとで、その出版社の経営者と会いましたが、年齢
ひと
は30 歳くらいで、米国に行って写真で「一財産を作った」と話していました。
カー・レーサーを夢見る少年たちのために、スポーツ・カー雑誌を創刊しよ
うという私のアイデアに、彼は相当な関心を持っているように思われました。
125
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
やと
彼はとうとう、数カ月後に発刊予定の新聞の編集長として、私を雇いたいと申
し出てきました。そして、印刷所を設置するために購入するはずの工場を見せ
てくれました。彼はまた、取締役になる予定のディジョンの印刷屋を私に紹介
し、最後に、私と妻が住む家を見せてくれました。私の事務所となる建物から
目と鼻の先ほどの近さでした。
私は彼にそれでいいと返事しましたが、私がレースに参加して、レース界と
のコンタクトを保ち続けられるということを条件としました。それから彼は、
新しい新聞を宣伝するために、特別な塗装のレース・カーを何台か走り回らせ
るつもりなので、私さえその気なら、レース部門を取り仕切る人物を 1 人探し
あつら
ているということでした。私には全くお誂え向きの仕事になるだろうと思い、
私は、彼の会社のレース部門の取締役になることを承諾しました。
1 週間後、妻と私は、パリからディジョンに転居しました。私は 3 カ月ほど
前に結婚し、妻はすでに身ごもっていました。私はマリー・ポールと 6 月に出
会い、その日からふたりとも、お互いに離れがたい関係になっていました。結
婚したのはそれから 3 カ月後のことですが、それは、私たちが宗教上の手続き
を踏んで正式に結婚する意志のないことを知った彼女の両親が、難色を示した
し きた
からでした。この家族は、古風な仕来りを重んじていました。例えば、食事の
前には必ずお祈りをするというふうに。
もら
私のディジョン滞在は、給料を全く貰わぬまま 2 カ月で終わってしまいまし
いちもん
た。新聞を創刊しようとした例の金持ちのアメリカ人は、なんと、一文無しで
しゅうじ ん
刑務所から出所してきた元囚人だったのです。彼は、私のようなカー・レーサ
ーや報道写真家になることを夢見ている500人以上もの若者から、15 0 フランか
だま
ら30 0 フランずつを騙し取っていたのでした。
私は 2 カ月の間、タダ働きをして、気がつくと、着想はあるものの一文無し
でした。私はこの時、自力で大きな出版界で働く決心をし、母には、もうすぐ
祖母になる気分を十分に味わわせてあげようと、母の家に近いクレルモン・フ
ェランに引っ越しました。私はそこで、自分の思い通りに雑誌を発行するため
に、出版社を設立しました。幸いなことに、本人もスポーツカー・レースが大
好きだという印刷屋が現れ、危険を覚悟の上で、何の担保もない私を信用して
くれたおかげで、間もなく雑誌は誕生しました。
発行部数は急速に伸びて、すぐに業界のトップ・クラスに仲間入りするほど
になりました。それに加えて、この雑誌の一番面白い記事は私自身が担当しま
126
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
した。それは、クルーズの素晴らしいマ・デュ・クロ・サーキットや道路での、
新型車の試乗運転の報告です。
このようにして、私も、カー・レーシングという立ち入りにくい世界に入れ
るようになり、レース用の車を貸してもらうこともできるようになりました。
とうとう夢が実現したのです。そして私は、乗り慣れない車にも関わらず最初
から数々のレースで優勝し、自分の適性に今さらのように気づいたのでした。
私は運転技術を絶えず向上させ、自分の好きな分野、すなわちスポーツ・カ
ーの分野でフルに生きて、素晴らしい 3 年間を過ごしました。常に自己の限界
う
ま
を克服し、ますます自分の反応と反射神経を上手くコントロールすることに、
本当の喜びを感じたと言えるでしょう。エンジンの爆音も燃焼するガソリンの
にお
匂いも、私には興味ありませんでした。私は最も純粋な境地で運転感覚だけを
楽しむために、無音無臭の自動車の製造をメーカーに課する新しい法律が施行
されればいいとさえ思いました。
しかし、19 7 3 年の終わり近くに、これがすべて引っくり返ったのです。
最初の遭遇
1973年12月13日──という特別の日に、私は、オーベルニュのピュイ・ド・
ラソラ火山の噴火口の中にいる自分に出くわしたのでした。そこで私は、すで
に記述しているように、初めて異星人──もっと正確に言えばエロハ(エロヒ
あ
わた
ムの単数形)と遭ったのです。私はそれから 6 日間に亘って、同じ場所で彼と
会い、毎日 1 時間くらいずつ、彼は私に、第一の「メッセージ」である素晴ら
しい真実の啓示を書き取らせたのでした。
最初の数日間、私はこの体験のことを、誰かに話そうかどうかと迷いました。
相手が話をしている間、私はベストを尽くして、非常な速さでメモを取ったの
で、私はまず、そのメモを清書することにしました。清書が出来上がると、誠
実だと私が判断した出版社へ送りました。この出版社は私の知る限りでは、神
秘的なものやSF関係の作品を出版したことがなかったからです。
私は、人類にとってとても重大な意味を持つこのメッセージが、SF的な関
心のみをそそるミステリーや、神秘的な出来事を集めた本とかオカルトの本、
怪奇小説集などの本の中に埋もれてほしくはなかったのです。
その出版社の取締役、マルセル・ジュリアンは、私にパリに来るように求め、
127
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
このメッセージは世間をアッと言わせるものではあるが、その前に私の伝記を
付け加えることが絶対に必要であり、また、「多少の手直し」が必要であるか
もしれないと語ったのです。
これは、とんでもないことでした。それに私は、人々に開示するように依頼
されたメッセージと同じほど重要なものであるかのように、自分の過去を10 0
つら
ページにも亘ってメッセージの前に書き連ね、読者に提供することを望みませ
んでした。
ずっしりとした厚い本にはならなくとも、また出版社にとっては大して面白
くはないにしても、私はメッセージだけを出版したかったのです。そこで私は、
えつどく
原稿を返してほしいとジュリアン氏に頼みました。彼は、原稿閲読係が借りて
いったので今は手元にないが、返却され次第、郵便で返送しましょうと答えま
した。
私は、クレルモン・フェランに帰ってからすぐに、私がパリに出向いて、チ
ェスの大名人ジャック・シャンセルのテレビ番組に出演してほしい、という電
報を受け取りました。原稿を送った出版社の部長であったシャンセル氏は、私
すご
の手記を読み、それを信じる信じないは別として、確かに凄い内容だとは思っ
たのです。
私がその番組に出演すると、そのあとに数千通の投書が殺到し、ある人は私
ちょうしょう
ま
じ
め
を嘲笑していたものの、大部分の人は真面目に受けとめ、私の力になりたいと
言ってきていました。
しかし、いつまで待っても原稿は戻ってきませんでした。出版社に書留の手
さいそく
紙で催促すると、原稿は返すつもりだが、まだ手元には返っていないという返
事でした。電話して原稿が返って来ているかどうかを聞いても、誰も回答しな
いので、10日後、何とかしなければと、私は改めてパリへ出かけました。
テレビ番組を見て興味を持って、私に連絡をしてきた有名デザイナーのクー
レージュ氏が、原稿がどうなったのかをハッキリさせるために、出版社まで私
と同行してくれることになりました。ジュリアン氏の話では、原稿を借りて帰
った原稿閲読係が、それを持って休暇で旅行に出かけてしまい、どこにいるの
か分からない……と言うのです。おかしい、変だな……?
最終的には、クーレージュ氏が原稿を取り戻して、直接私に届けてくれまし
た。今でも私は、あの原稿が本当に紛失していたのか、それとも単に、出版さ
さまた
れるのを妨げるために隠しておいたのではないかと、疑問に思っています。出
128
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
版社が、あのように簡単に原稿を紛失してしまうものならば、私は世の作家た
すす
ちに、自分のオリジナル原稿は送らないように勧めたいです。
この思いがけない出来事と、メッセージを収めた本が出版され次第、すぐに
や
買い求めたいという手紙の山に驚いた妻のマリー・ポールは、看護婦を辞めて、
この特別な手記の出版と配布の手伝いをしたいと申し出ました。
しょうだ く
私は承諾しましたが、それは妻がそうしてくれれば、この手記の使用に関し
て、自分が恒久的に管理していけると確信したからです。そのあと私は、スポ
たずさ
や
ーツ・カー雑誌の仕事に携わることをすぐに止めました。それは、私に託され
た使命の重大さとは両立し得ないものだったからです。そして、19 74 年の秋に、
その本は印刷所から出版されました。
思いもよらぬ変転が身の上に起こり、精神的にまいってしまった私は、胃に
かいよう
ひど
痛みを覚えるようになり、潰瘍寸前の酷い胃炎で冬中苦しみました。どんな薬
き
も効きませんでした。でも、呼吸訓練と暝想に身をまかせて、少しでも平静を
取り戻そうと思い立った時、痛みは魔法のように消えてしまいました。
ゆう
6 月には、フィリップ・ブーヴァールが司会する「土曜の夕べ」というテレ
ビ番組に出演しました。彼はいつものように皮肉たっぷりに、共同司会者をピ
ンクの触角と緑色の衣服を着た火星人に変装させ、私が出会った宇宙人に似て
いるかと問いかけてきました。
わず
しかし、多くの人々は、私がやっと答えることのできた僅かな言葉に関心を
示し、フィリップ・ブーヴァールに、彼の不真面目さを非難する投書を数千通
へいこう
も出したのです。そこで、その投書の多さに閉口した彼は、もう一度番組をや
り直して私を出演させ、この問題について、もっと詳しい情報を発表する機会
を与えてくれました。
いずれにせよ、そこでは十分な発言はできないだろうと感じた私は、テレビ
あと
のショーのすぐ後に、番組に関心を持った視聴者に向けて、プレイエル・ホー
ルを借りて数日後に講演を行います、と発表することにしました。一体どれく
らいの人たちがわざわざ聞きに来てくれるのか見当もつかなかったので、1 5 0
席の小ホールと、5 00席の中ホールを選択できるように予約しました。
ところが、なんと当日は 3 0 0 0人以上の聴衆が集まったのです。保安上の理由
から、私たちはホールを閉鎖し、前もって決めておいた 5 0 0人だけを入場させ
て、残った人たちには、数日後に2 0 0 0 席の大ホールでもう一度、講演会を開き
ますからと発表しました。その中には、数百キロメートルも遠方からわざわざ
129
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
来てくれた人たちもいました。
数日後、2 度目の講演会を開きました。最初の講演を聞き損じた人たちはも
あき
う来てくれず、高価なホールがガラ空になるのではないかと、私はとても心配
しょうだ く
でした。あのテレビ番組以来、第 2 回目の講演の広告掲載を承諾してくれた、
唯一の新聞である『フランス・ソワール』紙の 3 行広告以外に、何の宣伝もし
ていないのですから。
ところが、またしても2000人以上の聴衆が集まって、ホールは満員でした。
まったく大成功でした。今度は私も、自分の使命の成功について何の疑いも抱
きませんでした。
う
ま
やがて、何もかも上手くいくようになりました。どうしても人を馬鹿にしよ
うとする人たちはいますが、その質問自体の次元が低いので、簡単にやり込め
ることができました。そういう人たちは別にして、大勢の人々が私を支持し、
手を貸そうとしていることが分かってきました。
私は一度、舞台でひどく〝あがってしまった〟ことがあります。それは、歌
よう
手の頃には経験したことのないようなあがり様でした。しかし、そのあとは万
事順調で、どんな難しい質問に対しても、返答が自然に口から出てくるように
なりました。彼らが約束してくれたように、天から本当に助けが与えられてい
るのを感じました。自分では分からないことを答えながら、私は自分自身の声
す
に耳を澄ましているような気がしたものです。
講演活動
このようにして、1974年の 9 月から40回近くの講演をこなすうちに、どんな
ひんぱん
質問が最も頻繁に出てくるのかが分かるようになりました。マデクの会員も引
き続き増加しており、フランスの各大都市にも、熱心なメンバーたちによって
地方支部が組織化されつつありました。
同様に、報道記者たちも、彼らが見たり聞いたりしたその通りのことを大衆
に対して報道するなど、実に良い仕事をしてくれていました。中には、
『ル・ポ
アン』紙の記者たちのように、デマの報道をしておきながら、応答権を行使し
てその中傷記事を訂正せよ、と彼らに要求する書留便を送っても、なかなかそ
の記事を訂正しないということもありました。
他にも、『ラ・モンターニュ』紙などは、その地方で唯一の日刊新聞である
130
第二部/第1章:幼少より最初の遭遇まで
にも関わらず、私がクレルモン・フェランで講演会を開くという記事を掲載す
るのをあっさりと拒否したものでした。私がこの新聞のニュース担当の重役を
いっさい の
訪問すると、彼は、私の名前も活動も、我が社の新聞には一切載せないと言明
しました。
これは、私が「フランス放送」に初めてテレビ出演した時に、そのことを前
こころよ
もってこの新聞社には知らせなかったのを 快く思わなかったからでした。なん
と情けない話ではないですか。それに、表現の自由という美しいイメージが聞
あき
いて呆れます。彼らは、講演会の有料広告さえも掲載してはくれなかったので
す。同じ新聞に、ポルノ映画の全面広告が出ているというのに……。
『ル・ポアン』紙は、マデクの会員が遭遇の起きた場所で散歩している様子を、
「失敗に終わったエロヒムとのコンタクト」という内容にすり替えて記事にした
ことがあります。これは、新しく発足しようとしている組織を茶化すのが目的
だったのです。
広範な読者層を持つ新聞の中でマデクを攻撃することは、教会を、そしてま
わた
さんだつ
た教会の 2000年に亘る簒奪行為を非難することよりも、明らかに容易であり、
危険性も少ないのです。
ゆが
あやま
しかし、真実を隠したり歪めようとした者が、その過ちを後悔する日はやっ
て来るのです。
131
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第2章
2度目の遭遇
19 7 5 年 7 月3 1日の目撃
や
私がマデクの会長を辞める決心をしたのは、19 7 5 年 6 月のことでした。その
理由は第 1 に、この運動はもう私なしでも十分に運営できると思われたからで
あり、第 2 に、人類に重要な意味を持つこの運動を、ペタンク(訳注:金属の玉
を転がすゲーム)の会や復員軍人などの団体と同列に考えて、19 01 年法に基づい
て組織したことが誤りだったと気づいたからです。
ふ さ わ
エロヒムから伝えられた素晴らしいメッセージに相応しい運動を創設する必
要がありました。それは、私たちの創造者たちから伝えられたことを文字通り
尊重する運動であって、つまりは天才政治・人道的人類主義の尊重であり、す
べての理神論的な宗教活動の放棄などです。
19 01年法に基づく団体などは、定義からしてエロヒムのメッセージとは正反
すぐ
対のものであり、少なくとも全員に投票権があるというのは、最も知性の優れ
た人たちだけが決定に参加できるという、天才政治の理念に反するものだから
です。だから私は、この基本的な誤りを是正する必要がありました。それはマ
デクを廃止するということではなく、むしろ、性質や機能を変えることであり、
未解決のままであった構造的なものにもっと効果的な変更を加えることでし
た。これは 19 01 年法の規定には抵触しませんでした。
これはマデクを、私が最も心の広いメンバーたちと共に創始しようとしてい
た、本当の運動を支えるための組織にすることでした。要するにマデクのガイ
ド(訳注:教導者)たちの団体です。
この新しい協会は、エロヒムのメッセージで要求していることに厳密に対応
することで、人類のためのガイドたちとなり、他の人々の心が無限と永遠に向
132
第二部/第2章:2度目の遭遇
かって開くのを望んだそれらの人たちが、一緒になって実現させたものです。
そうして、理神論的な宗教や、眠くなるような教育、考えることを無くさせる
きょうりょう
テレビ番組や狭量な政治闘争など、あらゆる方向から人間の心を閉じ込めよう
とする今の社会において、世界中に散って他の人々の心を開かせようと志願す
る人たちに、その初歩を私は教えようとしたのです。
こうしてマデクは、メッセージを発見した人々との最初の接点となる支援組
ざい け
織となって、メッセージの重要性を保全しました。言わば、それは「在家信者」
から成る支援運動組織となったのであり、ガイド集団は、在家信者たちを教え
導く、
「修道者たち」から成る運動組織となっていったのです。
メンバーの中には、マデクを運営するのに能力のある強力な人たちがいるこ
とを、私は知っていました。理事会の選挙の間に、そのことについて私は確信
を深めました。私の代理で長となるクリスチャンは、前途有望な物理学者で、
理事会のその他の顔ぶれも皆、同じように見本となる有能な人たちでした。
マデクの最も熱心なメンバーのひとりで、最も広い心の持主のひとりである
フランソワが、クレルモン・フェランにいる私に会いに来たのも、やはり 6 月
のことでした。
い な か
私は彼に、田舎に家を一軒欲しいこと、それも、少し休息をしたり、誰かが
とり ざ
た
私の過去についてあれこれと取沙汰しないうちに、19 73 年12月13日以前の私
について、静かに本を書いたりすることのできるような、人里離れた所がよい
かた い な か
ことなどを話しました。彼は、自分がペリゴールの片田舎に農場を持っていて、
そこには誰も住んでいないから、1、2 カ月なら居てもらっても構わない、いや
気に入れば、ずっと居てもらってもいいと言ってくれました。
か
の ど か
私たちは、
すぐにそこに車で駆けつけました。その場所の静けさと長閑さは、
いっぺんで気に入りました。私は 2 カ月ほどそこに住むことにしました。そし
て15日後に、そこがすっかり気に入った私は、ずっと住んでもよいと本気で思
うようになりました。
7 月の末にはフランソワもやって来て、私たちは、8 月 6 日のクレルモン・フ
ェランでの集会の翌日から、ここに本格的に転居して来ることを考えるように
なりました。しかし、素晴らしい遭遇を体験した場所を離れることは、私の使
そむ
命に背くことになるのではないか、などと考えると、はっきりとは決めかねて
いました。
ところが、7 月 3 1日に、私と妻のマリー・ポール、それにフランソワの 3 人
133
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
で新鮮な空気を吸うために戸外へ出ていると、見るからに巨大な物体が 1 機、
ギクシャクした動きをしながら、ほとんど家の上を音もなく飛行するのを目撃
しました。
非常な高速で飛んだかと思うと、急に静止したり、ジグザグに動いたりしま
した。それは、私たちから500メートルくらいは離れていたでしょう。
この素晴らしい光景を目撃するのに、友人が一緒にいてくれたことがとても
ひつぜつ
嬉しく、私は、筆舌では言い表せないような幸福な気分になりました。フラン
さか だ
ソワは感動のために髪の毛が逆立ったと言います。私にはこの出来事が、私が
当地に引っ越して来ることを、エロヒムが承認してくれた証拠のように思われ
ました。
ひじ
に とうはくきん
しるし
翌朝、腕の肘近くの二頭膊筋の上に、奇妙な印があるのに気がつきましたが、
私はそれを、すぐに前日の出来事に結びつけることはできませんでした。しか
しそのあと、大勢の人が、それはエロヒムが付けた印に違いないと言いました。
それは直径約 3 センチ、幅約 5 ミリの赤い色の輪で、その中にも小さい輪が 3
つありました。
この印は、次の 2 週間は同じままでしたが、内側の 3 つの輪が形を変えて 1
た
つになり、2 つの同心円を形づくりました。さらに 2 週間が経つと、2 つの同
はんてん
心円が消え、白い斑点となりました。この腕の斑点は今でも残っています。し
がゆ
かし、この印があった期間中は、痛んで困ったり、むず痒かったりしなかった
ことは強調しておきたいです。私がこの印を見せた心の広い科学者たちは、レ
あと
ーザーの助けを借りて私の標本を採取した痕 かもしれないと推測していまし
た。
印─1
印─2
134
第二部/第2章:2度目の遭遇
8 月 6 日の集会は、ついに予定された通りに、クレルモン・フェランに近い
ピュイ・ド・ラソラの噴火口の中で行われました。そこには、何とも言えない
あふ
ただよ
調和的で、友愛に溢れた雰囲気が漂っていました。
私は自分でも理由の分からぬまま、この日に、マデクのメンバーの集いを行
う決心をしていたのですが、これは、エロヒムの導きであったに違いありませ
ん。なぜなら何人かのメンバーたちが、この日は、ヒロシマに原爆が投下され
てから 3 0 周年目の記念日であり、またキリスト教でも、変容祭という祝日に当
たる日だと教えてくれたからです。愚かな人たちは、そんなことは単なる偶然
の一致だと言うに違いありませんが。
この集会のあと、私はマデクのメンバーたちの助けを借りて引っ越しを済ま
せ、ペリゴールに定住することにしました。
第二のメッセージ
19 7 5 年10 月 7 日、夜の 11 時頃、私は急に外へ出て空を眺めたくなり、たま
らなくなりました。外は寒かったので、私は暖かい服装をして夜道を歩きまし
た。自分では気がつかなかったのですが、私の足は、ある決まった方角に向か
っていました。突然、私は、フランソワがこの夏に教えてくれた場所に行かな
ければ、と思いました。
そこは 2 本の小川に挟まれ、周囲を森に囲まれた、住む人もいないロック・
プラという場所でした。私は夜中の12時頃にそこに着きましたが、自分でもこ
こに何をしに来たのか、よく分かりませんでした。ただ以前、彼らがテレパシ
ーで私を導くことができると言ったのを聞いていたので、その直感に従ったま
でのことでした。
空は素晴らしく、星が至るところで輝き、雲一つないことが分かりました。
あた
私は流れ星を見始めました。すると、辺りが急に明るくなり、大きな火の玉が
こ
一つ、ちょうど火の粉のように茂みの陰から現れました。私は大いなる喜びに
満たされて、その火の玉が現れた所へと進んで行きました。その場所で私が目
にするものが何なのか、ほぼ私には確信があったからです。
わた
19 7 3 年12月の、6 回に亘って見た時と同じ物体が私の目前にあり、2 年前に
あふ
会った人と同じ人物が、好意に溢れる笑顔で私に近づいて来ました。すぐに私
は、異なる点が一つあることに気づきました。最初に会った時は宇宙服のよう
135
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
なものを着ていましたが、今回は、宇宙服のようなものは着ていないし、顔の
周りの輝くものもありません。
私は、これまでずっと、自分が真実を述べていることを、何とか世の中の人
たちに分かってもらおうと試みてきましたが、そんな中で、私の人生に大転換
D 675
をもたらす原動力となったその人に再会して、私はすごく嬉しくなりました。
La Gonterie
La
Negrerie
39
(ロック・プラ)
D9
Le Roc Plat
186
Brantôme
St-Julien-deBourdeilles
(ブラントーム)
D 78
Paussac-etSt-Vivien
D 93
Paris
D1
06
Bourdeilles
Lyon
Bordeaux
D 78
ラエルが2度目に異星人(エロハ)と遭遇した場所
1975年10月7日、フランスのペリゴール地方、ブラントームに近いロック・プラにて。
136
第二部/第2章:2度目の遭遇
え しゃく
私が彼に会釈すると、彼はこう言いました。
「頭を上げてついて来て下さい。私たちはあなたと、あなたが過去 2 年間に成
と
し遂げたすべてのことについて、とても満足しています。今や、次の段階に進
む時がやって来ました。私たちにとって、あなたが信用できる人であることを、
あなたが証明してくれたからです。この 2 年間は、実はテスト期間だったので
す。
あなたは気づいているかもしれませんが、私は今日、顔の周りに保護するも
のを着けていません。また、私の乗り物は瞬時にあなたの前に現れ、点滅光も
装備していません。前回やったことは、宇宙旅行者というものに対して、一般
に抱かれているイメージに合わせて姿を現すことで、あなたを安心させるため
だったのです。しかし、あなたが十分進歩して怖がることもなくなった今とな
っては、あのような近寄る技術を使う必要はもうありません」
私は、彼のあとについて宇宙船の中へ入りました。内部の様子はすべて、初
めて彼に会った時と同じようでした。壁は機体の外側と同じ金属に見え、計器
げんそう
盤や器具類は何もなく、また舷窓もありません。床は青い半透明の物質ででき
す
ており、その上に透明な物質でできたアームチェアが 2 脚、据え付けてありま
ふく
した。このアームチェアはちょっと見たところ、空気を入れて膨らますプラス
チック製のチェアを想像させますが、決して感じの悪いものではありません。
彼は、私を片方のアームチェアに腰掛けさせ、自分はもう一方に腰を下ろす
と、私にそのままじっとしているようにと言いました。それから、彼が意味の
はっ
かす
分からない言葉を 2 、3 発すると、私はその時、機体が微かに揺れているよう
な感じがしました。
かたまり
私は急に、強烈な寒気に襲われました。それはちょうど、全身が氷の 塊 にな
るような感じ、いやもっと正確に言えば、何千という氷の結晶が全身の毛穴か
ずい
つらぬ
ら入り込んで、それが骨の髄まで刺し貫いてくるような感じ、とでも言いまし
ょうか。でも、それは長くは続きませんでした。恐らく数秒間のことだったの
あと
でしょう。その後は何も感じませんでした。
やがて、彼は立ち上がって私に言いました。
「着きましたよ、さあいらっしゃい」
私は彼のあとについて、小さな階段を降りていきました。宇宙船は、直径 15
メートル、高さ10メートルほどの、金属でできているらしい円形の部屋の中に
固定されていました。ドアが開くと、彼は、中へ入って着ているものを全部脱
137
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ぐように、それから改めて次の指示を待つようにと言いました。私が入った新
しい部屋は、全くの円形をしており、直径は 4 メートルほどでした。私が着て
いるものを脱ぐと、どこからか声がして、今度は目の前にある部屋へ入るよう
にと言いました。
その時にドアが開き、私はもう一つの部屋へ入って行きました。その部屋は、
私が服を脱いだ部屋と同じような感じでしたが、もっと縦に長く、どちらかと
そ
いうと廊下と言った方が適当かもしれません。その廊下に沿ってずっと、色と
とも
りどりの明かりが点っていました。その明かりの下をどんどん進んで行くと、
また声がして、床に描かれた矢印に沿って歩きなさい、そうすれば、風呂の用
たど
意がしてある別の部屋に辿り着くと言いました。
その通りに行くと部屋があり、そこには本当に、床にはめ込んだ浴槽が設け
ほう こう
ただよ
てありました。ちょうど良い湯加減で、芳香がほのかに漂っていました。入浴
た
が済むとまた声がして、用便を足すように言われたので、私はその通りにしま
した。
たな
次に、金属の壁の近くにある小さな棚の上の、グラスの中のものを飲むよう
お
い
に言われました。それは、アーモンドの香りがする美味しい白い液体で、とて
も冷たいものでした。飲み終わると、今度は、とても柔らかいパジャマの一種
のようなものを着るように言われました。体にピッタリとくっつく白いパジャ
マが、別の棚の上に用意されていました。
最後のドアが開くと、私の案内人に再び会えました。彼は、顔つきは違いま
ともな
すが、似たような感じのふたりを伴っていて、そのふたりは、私を全く同じよ
うに歓迎してくれました。
私が彼らと再び一緒になった場所は巨大なホールで、すべてが驚嘆そのもの
でした。何段かに段差が付いていて、全体の大きさは、直径 10 0メートルほど
おお
でした。ホールは、完全に透明なドームですっぽりと覆われており、あまりに
透明なので、最初のうちはドームがあることに気づかなかったくらいです。暗
黒の空に何千という星が輝き、それでいてホールの内部は、自然光のように柔
らかい光に照らされ、昼間のように明るいのです。床には、毛皮と長い毛のカ
ーペットが敷きつめてあり、その色彩の美しさは、思わず息を飲むほどでした。
至るところに最高の美術品が飾ってあり、どれを取っても、比較しがたいほ
ど素晴らしいものばかりでした。中には、生き物のように動いて、色が変わっ
ていく物もありました。また別の場所には、明るい赤や青色の、生き生きとし
138
第二部/第2章:2度目の遭遇
た植物がいくつも植えられていました。その高さは数メートルもあり、その色
彩は熱帯魚を思わせるような美しさでした。
オルガンと、音楽的なノコギリの音に似たバックグラウンド・ミュージック
かも
に、時々コーラスやベースが加わって、何とも言えない不思議な振動を醸し出
していました。
この音楽は、そのリズムに合わせて、花が頭を上げ下げしたり、メロディー
の調子によって色を変えたりするように作られていました。
誰かが話すと、そのたびに音楽が弱くなって、声を大きくしなくても、お互
いに言っていることが苦もなく分かりました。ホールの中の空気には何種類も
の香りがついていて、それも、音楽や場所によって変化しました。
段差によってホールが10区画ぐらいに分かれ、それぞれが特徴を備えていま
した。一本の小川がくねくねと曲がって、その中央を流れていました。
ふたりの仲間は、私の案内人である彼に対して、大変な敬意を払っているよ
うに見えました。そして、彼は私にこう言いました。
「こちらへどうぞ。楽にして下さい。これから私は、あなたに話すことがたく
さんありますから」
私は彼のあとについて、とても柔らかな黒い毛皮で作られたソファーや、ア
ームチェアが並んでいるところへ行き、私たち 4 人は腰を下ろしました。そこ
で、私の案内人は再び話を始めました。
〈19 7 3 年12月の、あなたに書き取って頂いた話を完結させるために、今日は
第二のメッセージをお伝えしましょう。あなたは筆記する物を何も持ってはい
ませんが、心配はいりません。私がこれから話すことはすべて、あなたの頭脳
きざ
に刻み込まれるのです。ここでは、私たちが持っている特別な技術で、あなた
は聞いたことのすべてを記憶することができるからです。
と
まず初めに、あなたがこの 2 年間に成し遂げたすべてのことに対して、私た
ちはお祝いを述べるとともに、これからのあなたの使命が、もっと困難なもの
になるかもしれないと警告しておきましょう。しかし勇気を失ってはいけませ
ん。今後、何が起きようとも、あなたの努力は報われるのですから。
最初に、第一のメッセージの中で、あなたが正確に書き取らなかった部分を、
訂正しておかなければなりません。それは、私たちの側から介入して人類を滅
う
くだり
ぼすことも、場合によってはあり得るという件です。はっきり言っておきます
139
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
が、私たちの方から介入することはありえません。
人類は今、歴史の曲がり角に立っていて、その未来は人類自身にかかってい
るのです。もし人類が、人類自身と自分たちの環境とに対する攻撃性をコント
ロールすることができれば、地球には惑星間文明の黄金時代が訪れ、宇宙的な
幸福と開花を授かることができるでしょう。逆に、もし人類が暴力に走るよう
なことにでもなれば、そのときは直接または間接に自分自身を滅ぼすことにな
るのです。天才が統治するものである限り、科学技術上の問題で解決できない
ものなどありません。
ひとりの天才が、世界に幸福をもたらすことができるのと同じように、ひと
おびや
りの低脳な人間が、世界の平和を脅かすこともあり得るのです。天才の統治す
る社会を確立するのが早ければ早いほど、頭脳の発達が遅れた連中によっても
たらされる危険も、それだけ早く取り除くことができるわけです。
もし、人類を滅ぼす大破局が訪れた場合は、ちょうどノアの時代と同じよう
に、あなたに従う人だけが救われ、その救われた人たちが、すべての危険が去
のち
った後に、荒廃した地球に再び住まなければならないでしょう〉
仏 教
私の案内人は、ちょっと間をおき、続けました。
〈これこそが、仏教で説明していることなのです。仏教では、人が死ぬ時に、
のが
その死者の霊魂は数々の悪魔たちから逃 れるように十分用心しなければなら
りん ね
ず、そうしないと霊魂は再び肉体を与えられて、輪廻のサイクルに逆戻りして
う
ま
しまいます。他方では、上手くその悪魔から逃れることができれば、このサイ
き えつ
い
クルから解放され、覚醒による喜悦の境地に入ることができると云います。
実は、これは個人にではなく、全体としての人類にとてもよく当てはまる記
たび
述なのです。人類は何かの選択を迫られる度に、自分たちを輪廻のサイクルに
逆戻りさせる悪魔たちに抵抗しなければなりません。ここで言う「悪魔たち」
とは、人間同士の攻撃心や、周りの自然環境を破壊する心です。また「覚醒に
よる喜悦の境地」とは、科学が人々に奉仕する文明の黄金期のことで、科学的
な方法で目の不自由な人にも物が見え、耳の不自由な人にも音が聞こえるとい
う、地球上の楽園を意味します。
悪魔たちのことを用心深くしていないと輪廻のサイクルに逆戻りし、原始の
140
第二部/第2章:2度目の遭遇
状態から再び出発して、苦しみに満ちた敵意のある世界で、より発達した社会
に向けてゆっくりと発展していかなければならないのです。
りん ね
かぎ
輪廻を表すスワスティカ(訳注:まんじ・鉤十字)が、古代の多くの文献中に見
られるのと同様に、私たちの紋章に描かれているのはこのためです。問題は、
科学の平和利用がもたらす楽園を取るか、それとも人間が自然を支配して利益
を得るのではなく、自然に服従する原始時代への逆戻りという地獄を取るか、
の選択です。
これは、自分たちの惑星から脱出できるようになる人類が、いわば宇宙的レ
おさ
ベルで決断する場合の当然の選択なのです。自分たちの攻撃性を完全に抑える
ことのできる者だけが、この段階に到達することができるのです。そうでない
人々は、自分たちの科学技術が発達して、人類を破壊し尽くすだけの十分な武
ただ
たど
器が発明できれば、直ちに自己破滅への道を辿ることになるでしょう。
ですから、私たちは向こうから接触して来る人たちに対しては、全く何の恐
れも抱いていません。これまでの何千というコンタクトによって、自分たちの
惑星系から脱出できるほどの人々は、例外なく平和を好むという宇宙の絶対法
則が実証されてきました。
自分たちの太陽系から脱出ができるということは、とりもなおさずその人々
が、太陽系脱出旅行にも、また取り返しのつかない破壊をもたらす攻撃兵器の
生産にも利用できる、決定的なエネルギー源を発見し、しかも、自らの攻撃性
を制御できないことに起因する「進歩から破壊へのサイクル」からは、すでに
脱却してしまったことを意味しているからです。
この地球上では、あなたが住んでいるフランスが、ヨーロッパを一つにまと
めようとしていますが、これはすでに正しい方向へ向かっていると言えます。
フランスは軍隊を持たない最初の国となるべきで、それによって全世界に模範
を示すことができます。そうなれば、フランスの職業軍人たちは、平和を維持
するヨーロッパ軍の基礎を築くことになるでしょうし、それがひいては、平和
を維持する世界的な軍隊へと発展していくことでしょう。軍隊は、戦争の守護
や
者であることを止めて平和の守護者となり、その名は、今よりはずっと尊敬に
値するものとなるでしょう。
一つの重要な国が、他の諸国がそれに続くような道を示すことが必要なので
てっぱい
す。フランスが徴兵制度を撤廃し、フランスの職業軍人たちが、フランスが推
進しようとしている一つのヨーロッパのために働くからといって、周りの国々
141
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
がフランスに攻め込むことにはなりません。
ま
ね
あと
それどころか、周りの国々はすぐにフランスの真似をして、後からついて来
いったん
ることになるでしょう。ヨーロッパの軍隊が一旦出来上がってしまえば、単一
のヨーロッパ通貨を作り、それによってヨーロッパ経済を一つにまとめること
ができます。
この過程は全世界に広がり、さらに最初のメッセージで私たちが述べたよう
つく
に、単一の言語が創られ、地球上のすべての学校で必修科目になるでしょう。
この道を示さなければならない国があるとすれば、それはフランスをおいて他
にはありません。
よく し りょく
自分たちの破壊の原因となる兵器を蓄積する時、いつも「抑止力」というも
っともらしいことが言われますが、各国が誰か(誰なのかが実際上、決して分か
らない誰か)の攻撃を抑止しようとした場合、その「抑止力」が何かの拍子に
侵略力に変わり、全世界の命取りにもなりかねない危険がいつも付きまとって
います。
人間は過去を元にして未来を考えます。しかし、これは間違いです。過去は
笑い飛ばすべきものであり、現在を過去の上に築くのではなく、未来のために
現在を築き上げなければなりません。先進国の人々が、原始そのものの状態を
た
いくらかでも脱却してから、まだわずか30年しか経っていないことを、あなた
はよく理解する必要があります。あなたがたは、ようやく原始状態から抜け出
とど
し始めたばかりです。地球上では何百万という人々がいまだに原始状態に留ま
り、空に何かを見るときには、必ずそこに〝神〟の現れを見るといった有り様
たいてい
です。それに、経済的に遅れている国々では大抵、神を信じる宗教の影響力が
とても強いことはご存知ですよね。
あが
すうはい
過去の宗教や年寄りを無条件に崇めるのではなく、知性こそを崇拝すべきで
す。それと同時に、年寄りたちが確実に快適な人生を過ごせるようにしてあげ
て下さい。遠い祖先を尊敬すべきではありません。それどころか、祖先たちは、
あわ
自分自身の心を宇宙に向けて開けない、哀れな、視野の狭い原始人にすぎなか
ったこと、また、世代から世代へと価値のあるものをほとんど何も伝えること
ができなかった、ということの例示とされなければならないのです〉
神も霊魂も存在しない
142
第二部/第2章:2度目の遭遇
〈民族が原始的であればあるほど、理神論の宗教が根強くはびこっています。
しかし、そのことを、ある面では、他の惑星からの訪問者たちは利用したので
す。攻撃心をまだ克服していない原始世界を平和的に訪問するためには、それ
以外に方法がないからです。
あなたがたも間もなく、進歩した人間として原始世界を訪れる段階にまで到
達した場合には、あなたがた自身も同じ方法を用いざるを得ないでしょう。も
っとも、これは原始的な人々から神として見なされるのですから、とても楽し
いことなのですが。やり方は実に簡単です。原始的な人々にとっては、空から
来るものはすべて神だからです。
もちろん、尊敬されて快く迎えられるためには、それなりのちょっとした工
夫が必要です。今でも引き続き私たちは、地球に姿を現して、この方法がまだ
有効なのかどうか、また行政当局や政府や報道機関が、どんな反応を示すのか
を確かめてみています。私たち自身、けっこう楽しんでいるのですよ……。
最初のメッセージで説明したように、神は存在せず、また明らかに霊魂も存
在しません。死んだ後は、科学が何らかの介入をしない限りは、何も残らない
のです。あなたもご存知のように、人間の各細胞には、その人を構成している
肉体および知性に関する設計図が入っていて、その人の細胞 1 個から、死んだ
その人を再生することができます。
また、人間の体重は、死の瞬間に数グラム減ることが確認されていますが、
実はこれは、生きている人間ならば誰でも持っているエネルギーが、死の瞬間
に消滅することを意味しているにすぎません。ご存知のように、エネルギーに
も物質と同じように重さがあるのです。
私たちは、無限に小さな世界にも知性を備え、有機的な身体を持った生命が
存在することを発見しました。彼らが私たちと同じ程度に進歩した生物であり、
ひってき
私たちに匹敵する存在であることは証明済みで、まず間違いありません。
従って私たちは、恒星や惑星は、あるひとつの巨大な存在の微粒子であるこ
なが
とも発見しました。きっと、この巨大な存在は、他の星の群れを好奇の目で眺
めているのです。また、無限に大きな生物の中の、無限に小さな部分に存在す
る生物やその同類が、非物質的な「神様」を信じていた時代もきっとあったで
しょう。
あらゆる物は、他のあらゆる物の中に存在していることを、あなたがたは十
分に理解しなければなりません。今この瞬間にも、あなたの腕の中の 1 つの原
143
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
子の中では、「神」や霊魂の存在を信じる世界や信じない世界が、何百万と生
まれては死んでいっています。10 0 0 年という時の流れも、太陽が 1 個の原子に
すぎないような巨大な存在にとっては、たった一歩を踏み出す時間でしかない
のです。
すなわち、時間というのは、質量、あるいはもっと適切な言葉で言えば、生
命形態のレベルに反比例しています。それにも関わらず、宇宙の中のすべての
ものは生きており、しかも、無限大および無限小と調和を保っているのです。
地球は、他のあらゆる惑星と同じように生きていますが、小さなカビのごと
き人類にとっては、そのことに気づきにくいのです。というのも、地球の質量
けた
と人間の質量との間には桁違いの差があって、それによって生じる時間のズレ
のために、あなたがたは地球の脈動を感知することができないのです。私たち
の赤血球の中の 1 つ、いやむしろ、私たちの身体を形成している原子の中の 1
つひとつも、それ自身やその仲間たちが、一つの生物の一部を構成していると
は想像しがたいのです。
おのおの
最終的には、各々の個体がどうであるかはほとんど問題ではなく、宇宙のバ
ランスは一定に保たれているのですが、しかし私たちが、私たちのレベルなり
に幸福でありたいと願うのであれば、無限大と無限小、それに仲間の人たちと
も、調和を保って生きていかなければなりません。
神や霊魂の存在を支持しようとする、いかなる議論も、宇宙が無限であるこ
とを考える時、その立脚点を失います。天国なるものが、宇宙のある特定の場
所に存在することなどあり得ません。というのも宇宙は無限なのですから、そ
の中心もありません。さらに前に説明したように、無限大の存在と無限小の存
在との宇宙の間では、質量の違いが大きすぎて、相対する時間の流れは全く違
いっさい
ったものとなっていますので、一切のコミュニケーションは成立し得ません。
そういうわけで、もし私たちが、死後の身体の中から出ていく不滅の霊魂な
るものを想像しうるとしても、それはとても詩的というよりは、むしろナイー
ブなイメージですが、こういうことは原始人の考えることです。宇宙は無限な
のですから、私たちには、死者の霊魂なるものが一体どこへ行くのか、考えて
みることすらできません。
死の瞬間に、人間の身体から出ていくエネルギーの量は無秩序に分散して、
ただよ
周りの空間内に漂っているすべてのエネルギーと混ざり、その独自性を失いま
す。しかし、死んだばかりの細胞の中には、その独自性が含まれています。こ
144
第二部/第2章:2度目の遭遇
の有機体は、オスとメスの遺伝子が受精の際に最初の細胞を形成しながら、確
定したプランに従って組成されたものです。
地球上の生命の起源について、誰かがこう言うかもしれません。
「君の話に
は何ら説得力がない。そもそもの始まりがどうであったのか、説明できないの
だから」
この、始まりがどうであったのかなどというのは、愚かな問いです。こうい
う問いを発するのは、時間と空間が無限であることを知らない人に決まってい
ます。物質には始めも終わりもありません。あなたもご存知でしょうが、
「何
も失われることなく、何も創造されることなく、すべてのものはその形を変え
られていく」のですから。ただ形態だけが、高度の科学的レベルに達した人々
え
の意志に従って変わり得るのです。
このことは同様に、無限にある生命レベルのどれについても、等しく当ては
まります。私たちの紋章に描かれているダビデの星はこれを表したもので、重
ね合わせたふたつの三角形は「上のものは下のものと同様である」ことを意味
しています。この 6 つの分枝を持つ星の真ん中に、すべてのものは循環するこ
とを意味するスワスティカを配したのが、私たちの紋章であって、これには世
界中のあらゆる知恵が含まれています。このふたつのシンボルが一緒になった
ものは、チベットの死者の書『バルド・トドゥル』を始めとして、多くの古代
文献に見ることができます。
人間の有限な頭脳で無限を知ることは、言うまでもなく非常に困難なことで
あり、そのために、1 つまたは複数の神を信じ、その神にすべての責任を負わ
せることによって、時間的にも空間的にも、宇宙に限界を設けるという必要が
生じてしまうのです。
実際、宇宙に対して十分な人間性のレベルに達し得ない人たちは、無限とい
うものを容易に認めることができません。無限は、人間を例外的な特別な存在
という地位から引きずり降ろし、限りない宇宙の中の、ごく普通の時と場所に
置かれた、ごく普通の生物にしてしまうからです。
わく
明らかに、人は、より限界のはっきりしたもの、しっかりと枠のはまったも
の、自分の頭脳が想像できる範囲内に収まっているものの方を好む傾向があり
ほか
ます。他の惑星にも生命は存在するのか、などという問いを発する人は、こう
いった限りある頭脳の典型と言わなければなりません。その意味で、私たちは、
ひ
ゆ
あなたが前に講演の中で話をしたあの比喩が大好きです。あなたが話されたよ
145
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
うに、ああいった人たちは、他の池にも生き物はいるのか、などと池の底で言
かえる
い合っている蛙のようなものなのです〉
地上の楽園
〈現在のあなたがたが持っている技術を、暴力や、軍隊や、特定の人たちの個
人的な利益のためではなく、人々の幸福のために使うのであれば、あなたがた
はすぐにでも、本当の意味で地上の楽園に住むことができるでしょう。
う
科学技術によって、人類は世界中で飢えの心配から完全に解放されるばかり
か、働かなくとも暮らしていけるようになるのです。日々の骨の折れる仕事は、
オートメーション化のおかげで、機械がすべて引き受けてくれます。
すでに地球上でも、最新式の設備を持ついくつかの工場では、ついこの間ま
で、 1 台の車を作るのに数百人を要していたにも関わらず、今では、コンピュ
ータの監視員が 1 人いれば十分なまでに進歩しています。 1 台のコンピュータ
が、車を組み立てるためのすべての操作を指令し、実行しているのです。将来
は、この 1 人すらも必要としない日が来るでしょう。これは労働組合にとって
はあまり嬉しいことではありません。工場はますます少ない人員しか必要とせ
ず、ますます多くの解雇者が続出することでしょうから。
しかし、これがそもそもおかしいのです。5 0 0 人分もの仕事をこなせるよう
な素晴らしい機械は、経営者という 1 人の人間を富ませるためではなく、その
500 人の生活を支えるために使われるべきなのです。
つか
誰も、人に仕えたり、給料のために誰かの下で働いたりしてはなりません。
つら
機械が辛い仕事をこなし、すべての仕事を引き受けてくれるのですから、人々
ゆいいつ
ささ
は、その本来唯 一の目的のために、自らを捧 げることができるのです。つま
り、考え、創造し、開花することです。私たちの惑星は、すでにこの状態にあ
るのです。
これからは、仕事・家族・国家といった、原始的な教育指針に従って子供を
育ててはなりません。新しく指針となるべきものは、開花、自由、そして宇宙
的な兄弟愛です。
かろ
かせ
ギリギリの生活をするのに、辛うじて足りるだけのお金を稼ぐことが、仕事
をする唯一の動機であるのならば、「仕事」はもはや神聖なものとは言えませ
ん。それどころか、簡単な機械にでもできる仕事をすることで自らを売り、食
146
第二部/第2章:2度目の遭遇
いちじる
だ らく
べるために自らの人生を売り渡すことは、人間としての 著 しい堕落を意味しま
す。
ど れい
「家族」というものは、古代においても現代においても、奴隷制度を維持する
ほうべん
方便以外の何ものでもありません。家族にまつわる幻想的な理想のために、人
か
々は無理やり激しい労働に駆り立てられてきたのです。
あお
最後に、「愛国心」というものは人々の間の競争心を煽り、国民を来る日も
おか
来る日も、神聖にして侵すべからざる仕事に没頭させるための補助手段にすぎ
ません。
仕事・家族・国家という三つの標語は、常に、原始的な宗教によって維持さ
れてきたと言えます。しかしあなたがたは、今やもう原始人ではありません。
ほこり
埃にまみれた古くさい原理は振り捨てて、科学によって楽園にすることができ
る地球上で、あなたがたの生活を満喫して下さい。
仮想の敵国に対抗するためと称して、工場で労働者を低賃金で働かせ、破壊
だま
兵器を生産し、大資本家を太らせている連中に騙されてはいけません。出生率
が低下していることを、恐怖心を抱かせるように騒ぎ立てている連中に騙され
てはいけません。というのも、若者たちはすでに分かっていますが、多くの子
供を持つ必要はなく、子供の幸せを願うのであれば、その数は少ない方が良い
からです。
「周りの国々の人口はどんどん増えて、やがてはお前たちにとって脅威になる
おど
だま
ぞ」などと脅かす連中に騙されてはいけません。こういう人たちは、「抑止力」
た
という口実を設けて、核兵器を大量に溜め込んでいる連中と同類なのです。
さらに、核ミサイルを大量に積み上げる一方で、「軍隊では銃の扱い方を教
えてくれる。軍隊のこういう教育は常に有益である」などという言葉に耳をか
してはいけません。
こういうことを言う連中は、あなたに暴力を教えたいのです。相手が自分と
ちゅうち ょ
は違う制服を着ているという理由で、自分と同じ人間を躊躇なく殺せるように、
訓練用標的を使ってあなたを繰り返し訓練し、ついには、殺人を単なる機械的
な反射動作にしてしまうのです。 だま
あなたを国のために戦わせたがっている連中に騙されてはいけません。戦っ
て守るに値する国など 1 つもないのです。
「もし敵が侵入して来たら、我々は自衛しなくてもいいのか」という問いに引
っ掛からないように。こういう問いには、非暴力は暴力よりも常に有効である
147
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
と答えなさい。侵入者たちがどんなに侵略的であったとしても、フランスのた
めに死んだ人々が正しかったという証明にはなりません。インドにおけるガン
ジーの勝利をごらんなさい。
自由のために戦わなければならないと言う人もいるでしょうが、彼らは、ガ
リア人がローマ人との戦いに敗れたことを忘れているのです。またフランス人
が、征服者の文明の恩恵を受けてきた被征服民の子孫だからといって、暮らし
向きがそれだけ悪くなっているわけではないということも。あなたは、心の狭
い攻撃的な人々の言葉には耳を傾けないで、開花と自由と愛に生きなさい。
あなたがたが普遍的な恒久平和を達成するのに役立つように、持つべき最も
重要な道具はテレビです。テレビこそ、惑星全体の気づきをもたらすものであ
ま
り、テレビのおかげで私たちは、世界中の毎日の出来事を目の当たりにし、国
境の向こう側に住む「未開人」も、自分たちと同じ喜びや悲しみの感情を持っ
ていて、同じ問題を抱えているのを知ることができ、また科学が進歩する様子
や、最新の芸術作品を見ることができるのです。
ゆが
もちろん、この素晴らしい情報伝達手段が、情報を歪めて大衆操作をするよ
うな人たちの手に渡らないように、十分注意する必要があります。
まさ
テレビは正に人間の神経系統であり、私たちの 1 人ひとりは、これによって
他の人々の存在を知ることができ、その生活ぶりを自分の目で確かめることが
できるわけです。こうして私たちは、ともすれば異邦人という、恐怖を引き起
こしかねない誤った認識から解き放たれるのです。大昔には、近くに住んでい
る部族を恐れていましたし、次いで近くの村、近くの地域、そして近くの国を
恐れるのです。
それが現在は、近くに住む異なる人種を一つの恐れとするものであり、もし、
この長く存在した恐れがなくなれば、今度は、他の惑星からやって来る侵略者
の可能性に、恐れを抱くことになるのでしょうね。
この姿勢とは正反対に、外から来るすべてのものに対しては開かれていなけ
ればならないのです。自分たちとは異なる者に少しでも恐れを感じるというこ
とは、文明がまだ、原始的な段階にあることの証明に他ならないからです。
このような意味で、テレビはかけがえのないものであり、また、文明全体に
とっての最も重要なステップとまでは言えないにしても、非常に重要なステッ
プの 1 つとは言えるでしょう。ラジオと並んでテレビは、ちょうど生物の身体
を走っている神経のように、人類の個々の細胞である 1 人ひとりが、他人が何
148
第二部/第2章:2度目の遭遇
をしているのかということについて、常に知り合うことを可能にしているので
す〉
別世界
「ところで、あなたは多分、ここは一体どこなのだろうか、と思っているでし
ょう」
と私の案内人は言いました。
「実は、あなたは今、地球の比較的近くにある基地にいるのです。第一のメッ
セージで、私たちは光速の 7 倍の速さで飛行すると言いましたが、あれは、私
たちが初めて地球に着陸した当時、つまり 2 万 5 0 0 0 年前の話のことだったの
です。
あれから私たちは大いに進歩し、今では、ずっと速いスピードで、空間を移
動することができます。当時およそ 2 カ月近くかかった旅行も、現在ではほん
わず
の僅かな時間で済みますし、私たちは引き続き進歩しています。
では、私について来て下さい。一緒に、ちょっとした旅行をしてみましょう」
私は立ち上がり、3 人の案内人の後ろに従いました。私たちは気密室を抜け
て、大きな部屋に入って行きました。そこには、私を地球からここまで運んで
来たのとよく似た、しかしそれよりもずっと大きな宇宙船がありました。外観
上は直径が約 12 メートルほどはあり、内部には、2 つではなく 4 つの座席が、
同じように向かい合わせに設置されていました。
私たちは前と同じように腰を下ろし、そして、私は再び、先ほど宇宙船に乗
った時と同じような激しい寒気を感じました。今度は、この感じはもっと長く
かす
て10 分ほど続きました。それから機体が微かに揺れ、そして私たちは、出口の
タラップへと向かいました。
そこで私が目にしたものは、信じられないほど美しい天国のような光景でし
た。その素晴らしさを語る言葉を私は知りません。巨大な花が美しく咲き競う
中を、これまで想像したこともないような動物たちが歩き、多彩な羽根をつけ
た小鳥たちが飛びかい、子熊のような頭をした青やピンクのリスたちが、たく
か
さんの巨大な果実や花を同時につけた木の枝を駆け登っています。
宇宙船から3 0メートルほどの所に、エロヒムの小さな集団が私たちを待って
はな
いました。木々の向こうには、華やかな色どりの、貝殻のような形の建物がい
149
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
くつも見え、どの建物も、周りの草木と見事に調和しています。とても心地よ
い温度で、空気は、数え切れないほどの珍しい花の香りがしました。
私たちは丘の上へ歩いて行きましたが、次第に開けていく展望は実に素晴ら
だ こう
しいものでした。いく筋もの小川が、見事な緑の草木をぬうように蛇行して流
こんぺき
れ、遠くには、紺碧の海が日に輝いていました。
森林の中の空き地に着いた時、驚いたことに、そこには私に似た人々が、つ
まりエロヒムではなく、地球上にいるのと同じような人々がいました。彼らの
ほとんどは裸体か、あるいは何種類もの色に染め分けた、絹のローブを身にま
とっていました。彼らは、私を連れて来た 3 人の案内人たちにうやうやしく礼
をし、そしてそれから、私たちはみんなで腰を下ろしました。
私たちのアームチェアは、岩盤に彫り込んであるらしく、どれも厚い毛皮で
おお
すがすが
どう
覆われ、毛皮は暖かさを保ちながらも、とても清々しく快適でした。小さな洞
くつ
ご
ち そう
窟と思われる場所から、ある人たちが出て来て、御馳走を山盛りにしたトレイ
の数々を、私たちの所に運んで来ました。それぞれのトレイは、果物や、今ま
での中で最高のソースの肉料理、忘れられない風味の飲み物などでいっぱいで
した。
おのおの
食事のあいだ中、客人の各々の後ろには、料理を持ったふたりの男性がしゃ
すぐ
がんで控え、食事をしている人たちのほんのわずかな希望にも、直に応じてい
ました。その男性たちを見ずとも、自分の欲しいものを注文できたのです。
たえ
がく
ね
そば
しば ふ
食事中に、どこからか妙なる楽の音が流れ、すぐ側の芝生の上では、給仕し
し たい
ている若い男性たちに負けない、彫刻のような素晴らしい肢体を持った若い女
いっ し
性たちが、一糸まとわぬ姿で、この上なく優美に踊り始めました。
そこには、私の 3 人の案内人のほかに、地球からの人たちだと思われる、4 0
人の客人たちがいました。肌の白い人、黄色い人、黒い人、そして男性も女性
も皆、私には分からない一つの言語で会話していましたが、それはどうも、ヘ
ブライ語に似ているようでした。
私の左側には、2 年前にも会ったエロハが、そして右側には、別の 6 人のエ
は
ロヒムが座っていました。私の向かい側には、ヒゲを生やした若い男性が座っ
え
ていて、彼はとてもハンサムでほっそりとした顔に、友愛に満ちた神秘的な笑
こ
みをたたえていました。彼の右側には、とても濃くて長い真っ黒のヒゲの、高
貴な顔をした男性が座っており、左側には、東洋的な顔立ちの、右の 2 人より
おおがら
そ
はやや大柄な男性が座っていました。この男性は、頭が剃ってありました。
150
第二部/第2章:2度目の遭遇
古代の預言者たちに会う
食事が終わりかけた頃、私の案内人が、私に向かって口を開きました。
「私は第一のメッセージの中で、私たちの惑星には科学による不死の秘法で、
1 つの細胞から再生されて、今なお生きている地球人たちの住む場所があると、
あなたに話しました。
それらの人々の中には、イエスや、モーセや、エリヤといった人たちがいま
わた
す。その居住地は、実際にはこの惑星全体に亘るものなので、とても広い地域
であり、そこには不死会議のメンバーたちも住んでいるのです。私の名は、ヤ
ーウェ、不死会議の議長です。
私たちが今いるこの惑星には、現在8400人の地球人が住んでいますが、この
人たちは生きている間に、無限に関して心を十分に開く段階に到達したか、ま
たはその発見や著作、また社会を組織した方法や同胞愛、愛、献身によって、
地球人たちを原始的な段階からはある程度、脱却させることのできた人たちで
す。この他に、不死会議のメンバーである、700人のエロヒムが住んでいます。
あなたの使命の結果がどうであろうと、あなたの場所は私たちの中に、この
小さな本当の楽園の中に約束されています。ここでは、科学のおかげで、あら
ゆることが簡単にでき、私たちは全くの幸福のうちに、永遠に生きているので
す。この永遠という言葉を、私は本当の意味で使うことができます。
というのも、地球上と同じように、私たちはここでも、すべての生命を自分
たちで創造しましたし、また私たちは、無限大の生命を、つまり惑星の生命を
完全に理解できるようになってきましたので、太陽系の老化の兆候をいち早く
察知することができ、それにより、この惑星での生存に疑問が生じてくれば、
どこか他の場所に楽園を創って、そこに移り住むこともできるからです。
ここに住んでいる不死の人たちは、地球からの人たちにしろエロヒムにしろ、
自分の望む通りに開花して、好きなことができます。それは科学的な研究でも
いいですし、また暝想でも、音楽でも、絵画でも、その他、何でもいいのです。
いっさい
好きなこと以外は一切、何もする必要がありません。もし何もしないでいたい
と思えば、それでも良いのです。
先ほど食事を運んで来た召使いたち、それに踊り子たちは、ただの生物ロボ
ットです。私たちは彼らを、地球上の人間を創るのと同じようにして、完全に
科学的な方法で創り出しましたが、ただ、彼らの自由意志を制限して、私たち
151
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
に絶対服従するようにしたのです。
彼らはまた、命令を受けなければ何もできませんし、それぞれがとても専門
的に創られています。彼らは自分固有の願望は何も持たず、また、いかなる楽
しみもありません。ただし専門の仕事上、どうしても楽しみを必要とする何人
かの者は別です。私たちと同じように彼らも歳をとり、やがて死にますが、し
かし彼らを作る装置は、実際に必要とされる数よりも多くの生物ロボットを作
り出すことができます。彼らは、苦しむことも何かを感じることもなく、また
子孫を増やすこともできません。
だいたい
彼らの寿命は私たちと大体同じです。つまり、ちょっとした外科手術で 7 0 0
歳ぐらいまでは生きられるのです。 1 体の生物ロボットを老齢のため破壊しな
ければならなくなると、ロボット製造装置は必要に応じて、1 体またはそれ以
上の新しいロボットを創り出します。
せ たけ
ロボットたちは、製造装置から出てくる時はもう大人の背丈で、すぐに働く
ことができます。彼らには子供の時期というものがなく、また成長もしません。
と
彼らはただ、いかにして 1 つのことを成し遂げるか、つまり、いかにして地球
からの人々やエロヒムの命令に従うか、ということしか知りません。彼らはま
わず
た、僅かな暴力を振るうこともできません。
生物ロボットかどうかを見分けるには、男性ロボットでも女性ロボットでも、
眼と眼の間に小さな青い石がはめてありますから、それを見ればいいわけです。
汚れる仕事や面白くない仕事は、すべてこのロボットたちがやってくれます。
ロボットたちの製造や手入れ、それに破壊は地下で行われます。地下ではまた、
私たちの生活に必要なあらゆる仕事を、このロボットたちといくつもの超大型
コンピュータが処理しています。食料、原材料の供給、エネルギーなどの問題
は、すべてこれらのコンピュータによって計算され、調整されているのです。
私たちはひとり当たり、平均で10体の生物ロボットを使っています。ここで
は、地球の人々とエロヒムとを合わせて、9 0 0 0人をやや上回る人たちが生活し
ていますから、ロボットは男性と女性で、常におよそ 9 万人いるわけです。
不死会議のメンバーであるエロヒムと同様に、地球からの不死の人も、子供
を作ることは許されていません。ですから、この地球人たちには、本人の同意
のもとに簡単な避妊手術を受けてもらっているのですが、しかしこの手術を受
けても、子供を作れる身体に簡単に戻れるようになっています。これは、不死
あたい
に値しない人が、この素晴らしい世界に入ることがないようにするためです。
152
第二部/第2章:2度目の遭遇
不死の男性と女性は、本人たちが望めば自由に愛し合うことができ、それでい
しっ と
て、どんな形にせよ嫉妬は生まれません。
一方、対等の男女関係以外に、何人もの女性と暮らしたいとか、あるいは、
ひとりの女性と対等の関係で暮らすのを好まないという不死の男性は、絶対服
従の女性の生物ロボットを、1 体ないし数体持つことができます。このロボット
製造装置は、これらのロボットを、所有者の好みに応じた容姿に仕上げること
ができます。このことは、女性についても全く同じであり、不死の女性も、絶
対服従の男性の生物ロボットを、1 体ないし数体持つことができます。
これらのロボットを創る装置は、ロボットに望みのままの容姿や、専門の役
割を与えることができるのです。体つきや顔の形については、男性にも女性に
も様々な理想のタイプがありますが、身長や、身体の各部分のサイズ、顔の形
などは、それぞれの好みに合わせて修整することができます。
さらに、例えば地球上で特別に称賛していたとか、愛していた誰かの写真を
この装置に入れれば、その人にソックリの複製が出てきます。こうすることで、
不死の男性と不死の女性との関係は、いたわりと尊敬に満たされ、両者の結び
こ うしょう
つきは、素晴らしく純粋で高尚なものとなるのです。
なぜなら、ここに住むことを許された人たちは、素晴らしく心の広い人たち
ばかりですから、彼らの間には何の問題も存在しないのです。大部分の人は暝
ふけ
想に耽ったり、科学の研究をしたり、芸術作品を創作したり、いろいろなもの
を発明し創造したりして、毎日を過ごしています。
私たちは、変化に富む風景の中にある、いろいろな建築様式の様々な都市に
住むことができ、さらにまた、その風景を自分たちの好みのままに変えていく
こともできます。誰もが、本当に好きなことだけをし、自分の能力をフルに発
揮しています。
ある人は、自然科学の実験に、またある人は作曲に、さらに人によっては、
みんながびっくりするような新しい動物を次々に創ることや、瞑想や恋愛に喜
びを感じるのです。同時に、この楽園の自然が与えてくれるさまざまな楽しみ
を味わい、泉の水を飲み、いつどこででも実を結ぶみずみずしい果実を食べて
毎日を送っているのです。
ここでは、冬というものがありません。私たちは皆、地球の赤道地帯に似た
場所に住んでいるのですが、科学的な方法によって気候を変えることができる
ため、私たちの住む場所はいつも天気が良く、暑すぎるということはありませ
153
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ん。雨は夜降らせますが、いつ、どこで降らせるかも、望みのままにコントロ
ールすることができます。
このすべてが、そして、あなたがすぐには理解することのできなかった他の
多くの事柄が、この世界を真の楽園にしているのです。ここでは 1 人ひとりが
自由で、しかも、何の不安も持たずに自由でいられるのです。なぜなら、ここ
あたい
にいるのは皆、それに値する人たちばかりですから。
誰に対しても、いかなる形の害も及ぼさない喜びであるならば、喜びをもた
らすものはすべて肯定されるべきです。すべての官能的な喜びが肯定されるの
は、このためです。官能というものは本来、外に向かって開かれるものであり、
すべての開かれるものは良いものだからです。地球上では、あなたがたは今、
セックスや裸に関するものはすべて悪だという、あの原始的なタブーから、よ
うやく解放されようとしているところなのです。
セックスや裸ほど純粋なものはありません。裸でいるのは何か悪いことだと
人々が言っているのを見ることほど、あなたがたの創造者を落胆させるものは
ありません。裸こそ、私たちが創造したもののイメージそのものなのですから。
ごらんの通り、ここでは全員が裸です。中には衣服をまとっている人もいま
すが、そういう人は、仲間の不死の人が芸術作品として手作りした衣服をプレ
ゼントされて身に着けているか、または、ちょっと自分を優雅に見せるためや、
装飾的な意味合いで衣服をまとっているのです。
地球からの人々がこの不死の世界に入ることを許されると、まずその人は、
化学的な教育を受け、何事にも驚くことのないように、また自分がどこにいる
のか、なぜそこにいるのかが分かるように訓練されます」
私の案内人であるヤーウェは、ちょっと言葉をとぎらせ、それからまた続け
ました。
「今あなたの向かい側に座っている男性は、私たちがイスラエルの民に与えた
メッセージを、さらに多くの人々に広めるという使命を帯びて、2 0 0 0 年前に活
躍してくれました。彼のメッセージ普及活動は、現在のあなたが人々から理解
されるのに、その助けとなるに違いありません。
もう、あなたもお分かりでしょう。この人が、イエスです。私たちは、イエ
スが十字架に掛けられる前に、その細胞を採取しておき、それを元にこの人を
再生したのです」
154
第二部/第2章:2度目の遭遇
は
私の真向かいに座っている、ヒゲを生やした若いハンサムな男性が、友愛に
満ちた笑顔を私に向けました。
「イエスの右側にいるのがモーセとエリヤです。左側にいるのが、地球ではブ
ッダという名前で知られている人です。その少し向こうにいるのが、そう、マ
ホメットですね。彼の著作の中では、私はアラーと呼ばれていますが、それは、
おそ
当時の人々が私を尊敬するあまり、本当の名前を出すのは畏れ多いと思ってい
たからです。
この食事の席についている40人の男女は、地球上で私たちとのコンタクトに
基づいて創られた、すべての宗教を代表する人たちです」
いっせい
そそ
40人の男女は、親しみと興味に満ちた視線を、一斉に私に注ぎました。恐ら
く、自分たちが初めてここにやって来た時、どんなに驚いたかを思い出してい
るのでしょう。
私の案内人は言葉を続けました。
「さて、これから、ここの設備の一端をお見せしましょう」
彼は立ち上がり、私はその後に従いました。彼は私に、大きなバックルの付
うなが
いた、とても太いベルトを着けるよう促しました。これと同じ種類のベルトを、
彼とふたりの友人たちも着けていました。すぐに私は、身体が地面から浮き上
がるのを感じ、2 0メートルほどの高度を木々の頭すれすれに、時速およそ10 0
キロ、もしかしたらそれ以上の猛スピードで、一定の方向に向かって一直線に
空を飛んでいました。
3 人の仲間たちも私と一緒に飛んでいて、ヤーウェが先頭で、彼のふたりの
友人が後ろに続いています。不思議なことに(他の多くのこともそうですが)、顔
に風が吹き当たるような感じは全くしませんでした。
どうくつ
私たちは、森の中の小さな空地に降りました。その近くには、小さな洞窟の
のぞ
入口が顔を覗かせていました。実際には私たちはまだ、ベルトのおかげで運ば
れていたのですが、今度は、地上からわずか 1 メートルぐらいのところを、前
よりもずっとゆっくりと動いていたのです。
かいろう
両側が金属の壁になっている、いくつもの回廊を通って、私たちは広いホー
ルに到着しました。ホールの中心には大きな機械が備え付けてあり、その周り
ひたい
を10体のロボットが取り囲んでいました。ロボットであることは額にある印で
分かりました。ここで、私たちは床に足を着けてベルトを外しました。
ヤーウェは言いました。
155
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
「ここにあるのが、生物ロボットの製造装置です。今あなたのために、ロボッ
トを 1 体、創ってお目にかけましょう」
そば
彼が、装置の側にいるロボットのひとりに合図を送ると、そのロボットは、
装置のいくつかの部分を操作しました。それから彼は、私に、長さ 2 メートル、
幅 1 メートルほどの窓の近くに来るよう合図しました。
青い液体の中で、人間の骨格のようなものが、ぼんやりと形を現し始めてい
るのが見えました。それは次第にハッキリとした骨の形をとり、やがては本物
おお
の人間の骨格になりました。次に、神経が何本も伸びて骨を覆い、その上を筋
肉が、最後に皮膚と毛髪が覆いました。こうして、つい数分前までは何もなか
ったところに、素晴らしいスポーツマンのような体格の男性が横たわっていた
のです。
ヤーウェは、再び言いました。
「旧約聖書の『エゼキエル書』第37章に述べられていることを思い起こして下
さい。
「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるのか」……見よ、動く音が
すじ
おお
はい
あり……その上に筋ができ、肉が生じ、皮がこれを覆った……息がこれに入
った。すると彼らは生き、その足で立ち、はなはだ大いなる群衆となった。
『エゼキエル書』37章
3 〜10節
もし、あなたが文章に書き表すとしたら、きっとこの『エゼキエル書』の描
写と、ソックリなものを書くことになるでしょう。ただ、今では音は出ないよ
うになっていますが」
確かに、私が見たものは『エゼキエル書』の描写と正確に一致していました。
すると、
横たわっていた男性は左に移動して全く見えなくなりました。やがて、
ぶた
装置のハネ蓋が開いて、先ほどたった数分で創られた男性が再び、真っ白い布
の上に横たわっているのが見えました。
男性は、まだじっとしたままでしたが、急に両眼を開いて立ち上がり、私た
ちと同じ高さのところまで来るために、何段かあるステップを下りて来て、別
ふたこと み こと
のロボットと二言三言、言葉を交わしてから、私のところへ歩み寄りました。
私に片方の手を差し出したので、私は握手をしましたが、その肌は柔らかくて
温かく感じました。
「あなたは、愛する人の写真を持っていますか?」とヤーウェが尋ねました。
156
第二部/第2章:2度目の遭遇
──はい、財布の中に母の写真があります。服の中に入っていたのですが。
彼は、それを私に見せて、この写真がそうですか、と尋ねました。私が、そ
うです、と言うと、彼は写真を数人のロボットの中のひとりに手渡し、ロボッ
トは、その写真を装置に挿入して、その装置のいくつかの部分に触れました。
窓越しに、私は新しい生物が創られていく様子を見ることができました。や
おお
がて、皮膚が肉体を覆い始め、私は何が起こっているのか気づきました。先ほ
ど取り出したあの写真を元にして、母とソックリの複製が作られようとしてい
たのです……。それからしばらくして、私は母に、というより、10 年前の母の
と
似姿にキスをしていました。元になった写真が、実は10 年前に撮られたものだ
ったからです。
ヤーウェは私に言いました。
ひたい
と
「今度はあなたの額から、ちょっとサンプルを採らせて下さい」
ロボットが私のところへやって来て、注射器のような小さな器具を私の額に
刺しました。しかし、ほんのわずかに刺されただけで、痛みはほとんど感じら
れませんでした。次にロボットは、その注射器のようなものを、とても大きな
装置にセットし、機械の他のいくつかの部分に触れました。
すると、また私の見ている目の前で、あるものが次第に出来上がっていきま
おお
した。皮膚が肉を覆った時、私はそこに、次第に形成されていくもうひとりの
自分の姿を見ました。実際、装置から出てきたその人物の姿は、何から何まで
うり
私と瓜ふたつでした。
「あなたがご覧のように」ヤーウェが私に言いました。
「この、もうひとりのあなたは、ロボットであることを特徴づける小さな石を
額には付けていませんが、あなたのお母さんの複製の方は、額に石を付けてい
ましたね。
写真からですと、私たちは単に、その人の外観だけをなぞった複製しかでき
ません。この外観だけの複製には個性や性格といった心的な要素を、ほとんど
持たせることができないのです。ところが、今あなたの額から採取したような
細胞を元にした場合には、記憶や個性や性格といったものまで含めた一個の完
全な人間を、そっくりそのまま複製することができるのです。
今もし、ここにいるもうひとりのあなたを地球に送り返したとしても、誰も、
それがあなたの複製であることには気がつかないでしょう。しかし私たちは、
今すぐあなたの複製を破壊するつもりです。このまま生かしておいても意味が
157
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ありませんから。
今ここで、ふたりのあなたが私の話を聞いているわけですが、あなたと、も
うひとりのあなたのパーソナリティは、もう違ったものになってきています。
それは、あなたは自分がこれからも生き続けることを知っており、もうひとり
は、自分が破壊される運命にあることを知っているからです。しかし、だから
といって、もうひとりのあなたは、そのことを気にしたりはしません。なぜな
ら彼は、自分があなた自身であることを知っているからです。
このことからも、ある種の原始人たちが信じている霊魂、つまり、1 人ひと
りの肉体に宿っている、純粋に霊的な実体など存在しないことの証拠が必要で
まさ
あるなら、このことが正に、その証拠となります」
私たちは、大きな装置のある部屋を出ると、廊下を抜けて、もう一つの部屋
に入って行きました。そこには、先ほど見たのとは違う装置類が、いくつか並
んでいました。私たちは別の機械に近づきました。
さば
「この装置の中には、やがてその時が来たら、再生されて裁かれるはずの、邪
もうまい
悪な人間たちの細胞が入っています。地球上で暴力、悪意、攻撃心、蒙昧主義
などを教え広めた人々や、自分たちがどこから来たのかを知るための知識をす
べて手中にしながら、真実を認めることができなかった人々、こういう人たち
は皆、やがて再生され、被害者や祖先や子孫たちによって裁かれ、それ相応の
罰を受けることになるでしょう。
ところで、あなたは少しの間、休んでいて下さい。このロボットがあなたの
案内を務め、明日の朝まで、望みのものは何でも提供することになっています。
明日の朝、あなたと少しお話をしたあと、私たちはあなたを地球までお送りし
ましょう。それまでの間、自分の惑星での使命を終えたあなたを待ち受けてい
るものが、どんなものであるのかを味わって下さい」
すると、ひとりのロボットが私の方にやって来て、うやうやしく頭を下げま
した。とても背が高く、褐色の肌でヒゲのないスポーツマンタイプの、とても
ハンサムな顔をしていました。
楽園を味わう
ロボットは、今夜泊まる部屋を見ておきますか、と尋ね、私がうなずくと、
移動用のベルトを手渡してくれました。私は地上から離れて、また運ばれてい
158
第二部/第2章:2度目の遭遇
ました。地上に戻ると、家というよりもホタテ貝を思わせるような建物の前に
いました。
け あし
中に入ってみると、毛足の長い毛皮の敷物が、床一面にびっしりと敷きつめ
られ、私たちのベッドの少なくとも 4 倍はありそうなベッドが、床にはめ込ん
おお
であるようであり、その部分だけが違う色の毛皮で覆われていました。もし色
が違っていなければ、そこにベッドがあることなど気づかなかったでしょう。
この大きな部屋の一角には、水泳プールほどもある広々とした浴槽が、床面よ
りも一段低いところに設けられ、その周りを、素晴らしい色形をした植物が取
り囲んでいました。
こ よい
「今宵のお相手を呼びましょうか?」とロボットが私に尋ね、そして、
「一緒に来て、お好きなのを選んで下さい」と言いました。
ベルトを再び締めると、私の身体は、ロボットを製造する装置の前に戻され
ていました。すると目の前に、光り輝く立方体が現れました。その立方体には
アームチェアが向けてあり、そしてヘルメットを渡されました。
つ
私が腰を下ろしてヘルメットを着けて落ち着くと、驚くべき均整のとれたプ
くり げ
ロポーションの若くて素晴らしい栗毛の女性が、輝く立方体の中に 3 次元で現
れました。その女性は、どう? 私きれいでしょう? とでも言うようにポーズ
を取って見せました。もしもその女性が立方体の底面から 1 メートルも浮き上
がっていなかったならば、私はそこに、本物の女性がいると思ってしまったこ
とでしょう。
ロボットは、女性が気に入りましたか、女性のプロポーションや容姿を変え
て欲しいですか、と尋ねました。私は、このままで十分で申し分ないと答えま
した。またロボットは、この女性が美学的に言って理想のタイプであること、
もっと詳しく言えば、この惑星の住民の大多数の好みを元にして、コンピュー
タがはじき出した理想の女性 3 タイプのうちの 1 つであること、もし私が望み
さえすれば、どの様にでも容姿を変えられることを私に話しました。
すご
私が、この凄い女性ならどこも変えないで欲しいと言うよりも早く、2 番目
の女性が光り輝く立方体の中に現れました。今度の女性は、金髪で魅惑的だと
いう点で前の女性とは違っていたものの、最初の女性に負けず劣らず完璧でし
た。今度も私は、どこにも手を加える必要性を認めませんでした。次に、不思
議な立方体の中に現れた 3 番目の女性は、前のふたりよりも、もっと官能的な
赤毛の女性でした。
159
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ロボットは、他のモデルをもっと見たいですか、この惑星の人たちの理想的
な 3 人のタイプは望み通りのものですかと尋ねました。私は、それらの 3 人が
並外れて素晴らしいと思ったので、全くそのままで良いと答えました。
そう言い終わった途端に、立方体の中には素晴らしい黒人女性が現れ、次に
は、とてもほっそりとしてスラリとした中国人女性が、最後には、もうひとり
ようえん
の妖艶な若いアジア人の女性が現れました。
ロボットは、このうちのどの女性をパートナーにしたいですか、と尋ねまし
た。私が、皆いいと答えると、彼はロボット製造装置の所へ行き、別のロボッ
トに何かを言いました。すると装置が動き始めました。私にはこの時、何が行
われようとしているのかが、すべて飲み込めました。
数分後、私は 6 人の女性たちと一緒に部屋に戻り、この魅惑的な女性ロボッ
トたちと一緒に風呂に入り、彼女たちは私の望みのままに何でもしてくれまし
た。こんなに素晴らしい入浴は、私にとって初めての経験でした。
風呂から上がったあと、私の案内役のロボットは、何か音楽を作曲したいで
すか? と尋ねました。私が「はい」と返事すると、女性ロボットのモデルを投
つ
き
影した時に着けたものと、同じようなヘルメットを取り出し、
「今お聴きになり
たいと思っておられる音楽を、頭の中で想像して下さい」と言いました。
たが
するとたちまち、私が想ったのと寸分違わぬ音楽が聴こえました。1つのメ
ロディーを頭の中で作ると、それと同じものが、今まで聴いたこともない広が
りと繊細さを持った音で、実際に聴こえてくるのです。すべての作曲家の夢が
しゃ ふ
現実となったのです。つまり、メロディーを写譜し、編曲するという骨の折れ
る作業を通さずに、ただちに音楽が組み立てられるのです。
次には、私の音楽に合わせて 6 体の素晴らしい女性たちが、心もとろけるよ
なまめ
うな艶かしさで踊り始めました。
しばらくすると私のロボットは、今度は映像を創ってみませんかと言って、
別のヘルメットを手渡しました。私は半円形のスクリーンの前に腰を下ろし、
いくつかの風景を心に描きました。すると、その通りの風景がスクリーン上に
次々と現れました。私が心の中で想ったすべてのことが、たちどころに視覚化
されてスクリーン上に映し出されたのです。私が祖母のことを考えると、スク
リーンには祖母が現れ、花束のことを考えると花束が映し出され、もし私が、
グリーンピースの水玉模様のバラを想像していたら、それが現れていたことで
しょう。
160
第二部/第2章:2度目の遭遇
この装置は、何かを考えるだけで、説明する必要もなく、一瞬にして、その
思考内容を視覚化してしまうのです。なんと驚くべきことでしょう!
私のロボットが言いました。
「練習をすれば、物語を創りながら、同時に映像化することができます。その
種の創作ショーが、ここではよく上演されています」
しばらくして、私はベッドに入り、夢のように素晴らしい女性ロボットたち
ぜいたく
と一緒に、人生で最も贅沢な夜を過ごしました。
翌日、私は目を覚ますと、良い香りのする風呂に入り、ロボットが運んで来
た素晴らしい朝食を口にしました。それからロボットは、ヤーウェが待ってい
るのでついて来て頂けますかと言いました。私は再び移動用のベルトを締めて、
間もなくすると、見たこともない装置の前に立っていました。そこには、不死
会議の議長が私を待っていました。
装置は、ロボットを創る装置ほどではありませんが、それでもとても大きな
ものでした。装置の中央には、大きなアームチェアがはめ込んでありました。
ヤーウェは、私に、楽しい夜を過ごしましたかと尋ね、それから装置のこと
を説明しました。
あ
「この装置は、今は眠っているあなたの、或る才能を呼び覚ますためのもので
す。これによって、あなたの頭脳は持てる潜在能力をフルに発揮できるように
なるでしょう。さあ、ここに腰掛けて下さい」
かいがら
示されたアームチェアに私が腰を下ろすと、貝殻のような形をした物が頭に
かぶ
被さってきました。ほんのちょっとの間、私は意識を失ったような気がして、
次に、頭が爆発しそうな感じに襲われました。
私は、色とりどりの閃光が目の前を通り過ぎるのを見ました。ついにすべて
が停止し、ロボットが手を貸して私をアームチェアから降ろしてくれました。
私は、自分がまるっきり違う人間になったような感じがしました。何をするの
やさ
も簡単で、易しいことのように思えたからです。
ヤーウェが再び話しました。
〈今から私たちは、あなたの眼で見、あなたの耳で聞き、あなたの口を通して
話します。
さらにまた、あなたが受け取った私たちのメッセージを広めようとしている
やまい
人や、無限に心を開いて広大無辺の精神を身につけようと努力している人が病
161
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
に倒れたような場合には、私たちはあなたの手を通して、その人たちの病気を
いや
癒すことすらできるのです。すでにルルドを始めとして、世界各地で私たちは
それを行っています。
私たちは、すべての人間を観察しています。いくつもの巨大なコンピュータ
が、地球上のあらゆる人間を常に監視し続けているのです。 1 人ひとりが、そ
の生きている間の行いによって、愛と真実を目指して歩んだか、それとも、憎
もうまい
しみと蒙昧主義に向かったかによって採点されます。
審判の時が来ると、正しい方向に歩んだ人たちは、この楽園の惑星で不死の
生活を送る権利を得ますが、悪いこともしなかったが何ら建設的なこともしな
かった人たちは再生されることはなく、特に悪い方向に進んだ人たちは、体の
さば
細胞を保存され、時が来ると再生されて裁きを受け、それ相応の刑に服するこ
とになります。
このメッセージを読んでいるあなたは、この素晴らしい世界、この楽園に自
みずか
分も入れてもらえる可能性があるのだと、自らに言い聞かせてください。私た
ちの使者であり、全世界的友愛と宇宙的な調和へと導く、私たちの大使である
クロード・ラエルに従うあなた、また、私たちの意図するところを実現させよ
うと彼を助けるあなた、そういうあなたは、この楽園に歓迎されるでしょう。
私たちは、クロード・ラエルの眼で見、その耳で聞き、その口を通して話すか
らです。
人類のために、ガイドたちの組織を創るというあなたの考えは、とても良い
と思います。ただ、私たちのメッセージが変形されたり、悪用されたりするこ
との決してないように、人選は厳しくして下さい。
暝想は、人の心を開くために欠くことのできないものですが、禁欲や苦行は
何の役にも立ちません。五感をフルに働かせて人生を楽しまなければなりませ
つい
ん。五感の覚醒は、精神の覚醒と対のものだからです。もしあなたが、何かス
ポーツをやりたいと思うなら、またその時間があるとすれば、引き続きスポー
ツをしなさい。カー・レースでもオートバイでも、スポーツやゲームはすべて
良いからです。というのは、スポーツやゲームは筋肉を発達させ、さらに良い
ことに、自己をコントロールすることを発達させるからです。
孤独を感じる人は、いつでも私たちとテレパシーで連絡を取り、無限の宇宙
と調和を保つようにして下さい。そうすれば至福の喜びを味わうことができる
でしょう。私たちを信じている人たちが各地区ごとに、毎週日曜日の午前11時
162
第二部/第2章:2度目の遭遇
頃に集まるとあなたは言っていましたが、これはとても良いことです。今それ
を実行している人たちは少ないのですが。
霊媒は有用なので、どうぞ彼らを探しだして下さい。しかし、精神的にバラ
ンスが取れるようにしてあげて下さい。なぜなら、彼らの霊媒としての才能、
それは単にテレパシーの才能のことなのですが、それが有るために彼らは精神
くず
的バランスを崩しやすいのです。そして魔法や超自然現象、エーテル体などの
非常に馬鹿げたものまで信じ始めてしまいます。これでは、存在しない霊魂が、
あたかもいるかのように信じようとする新たなやり方になってしまいます。実
際、霊媒たちがコンタクトするのは、何世紀も前に地球上で生き、私たちの手
でこの楽園の惑星に再生された人たちなのです。
ところで、今あなたが明かしても良い重要な啓示があります。ユダヤ人は、
地球上における私たちの直系の子孫なのです。彼らが特別の運命を背負ってい
るのも、そのためです。彼らは『創世記』に出てくるように、
〝エロヒムの息子
たちと人間の娘たち〟の間の子孫なのです。
エロヒムの息子たちの、そもそもの誤りは、科学的に創造された者たちと交
わったことでした。そのために、彼らの子孫が、今まであんなに長く苦しんで
きたのです。
ゆる
しかし、すでに赦しの時が到来して、これから先ユダヤ人は、あなたを私た
あやま
ちの使者として認めないという新たな過ちを犯さない限り、回復した国土で平
和に暮らすことができるでしょう。
私たちは、イスラエル政府があなたに提供する土地に、私たちの大使館が建
こば
てられることを希望しています。もしイスラエル政府がこれを拒めば、あなた
は、どこか他の場所に大使館を建てても構いませんが、その時イスラエルは、
私たちの使者を認めなかったという理由で、再び罰せられることになるでしょ
う。
あなたは、自分の使命にのみ専念しなければなりません。でも、心配するこ
とはありません。あなたの家族はちゃんと食べていけますから。あなたを信じ、
したがって私たちを信じる人たちが、あなたを助けてくれるでしょう。あなた
は私たちのメッセンジャーであり、私たちの大使であり、私たちの預言者なの
です。これから先、あなたの身に何が起ころうとも、他の預言者たちと同じよ
うに、あなたの場所はこの楽園に確保されているのです。
あなたは、すべての宗教の信者たちを集結させるべき立場にある人です。あ
163
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
なたが始めたラエリアン・ムーブメントという運動は、諸宗教をまとめる宗教
まさ
でなければならないからです。私は、強く主張します。これは正しく宗教です
が、あなたもすでにお察しの通り、無神論の宗教です。
あなたは私たちの大使であって、私たちの預言者ですから、私たちは、あな
たに力を貸した人たちのことを忘れませんし、また、あなたを困らせた人たち
のことも忘れません。でも、心配はいりません。何物をも恐れないように。何
が起ころうとも、あなたの場所は私たちの楽園に確保されているのですから。
自信を失っている人たちには、「しっかりして」と励ましてあげて下さい。 おり
2 0 0 0 年前、私たちの使者であるイエスを信じた人たちはライオンの檻に投げ
込まれました。それが今日では、どれほどの危険があるというのでしょうか?
こわ
分からず屋の皮肉が怖い? 何も分からずに、ただ原始的な信仰にしがみつい
ていたい人たちが冷笑を浴びせてきたところで、それが何だというのでしょう
か? ライオンの檻と比べたらそれが何だというのでしょうか? あなたに従う
人たちを待ち受けているものが、一体どれほどのものだというのでしょうか?
実際、自分の直感に従って行動することは、昔よりも容易になっているので
す。
私たちと一緒にここで暮らしているマホメットは、すでに『コーラン』の中
で、預言者についてこんなふうに言っています。
さば
む と んじゃく
裁きの時が近いというのに、人々は相変わらず無頓着で(彼らの創造者に)
いまし
あざわら
背を向けている。創造者からの新しい戒めで、人々が聞いて嘲笑わないもの
は一つとしてない。人々はそれを聞いて、ただ面白がるばかりだ。
ひそ
なぐさ
悪を行う者どもは、こんな話をして、自らを密かに慰める。「この男は、俺
たちと同じ、ただの死ぬ身の人間ではないか? ……いや、夢で見たことの寄
せ集めさ、いや、頭の中ででっちあげた話ばかりだ、いや、この男は詩人な
つか
き せき
のだ。だが、昔遣わされた者たちがしたような奇蹟を、この男にも、やらせ
てみようではないか」『コーラン』21章 1 〜 5 節
このように、マホメットも一部の人々の皮肉を浴びなければなりませんでし
あ
たし、またイエスも同じような目に遭っているのです。イエスが十字架に掛け
られたとき誰かがこう言いました。「もし神の子なら、自分を救え。そして十字
架から降りてこい」『マタイによる福音書』27章40節
しかし、あなたもご覧になったように、イエスは今、素晴らしい生活を送っ
164
第二部/第2章:2度目の遭遇
えいごう
ています。それは未来永劫に続くのです。マホメットも、そして預言者たちの
教えを信じて彼らに従った人たちも、すべて同じように素晴らしい生活を送っ
ているのです。
これとは反対に、これらの人たちを攻撃した人々はやがて再生されて、罰を
受けることになるでしょう。
このメッセージについて何も知らない人々を監視するコンピュータは、死の
瞬間に遠隔操作で細胞を自動的に採取する装置に接続されていて、資格有りと
認められた人たちは、その細胞を元に再生されるようになっています。
私たちの大使館ができるまでの間、あなたの住まいの近くに、「ラエリアン・
ムーブメント」のガイド養成のための養成所を開きなさい。私たちの預言者で
あり、ガイドたちのガイド、すなわち最高ガイドであるあなたは、メッセージ
を地球上のすべての地に広めるガイドたちを、そこで養成することができるで
しょう〉
新しい律法
〈あなたに従いたいと願う人は、私がこれから授ける規則を守らなければなり
ません。
──少なくとも生涯に一度は、最高ガイドの前に出ること。最高ガイド、ま
たはその機能を授かったガイドがあなたに手を触れることによって、あ
なたの細胞設計図はコンピュータに記憶され、あなたの生涯についての
審判のときに役立つでしょう。
──少なくとも日に一度は、あなたがたの創造者であるエロヒムを思い起こ
すこと。
──あらゆる手段を尽くして、エロヒムのメッセージを周囲の人々に広める
よう努めること。
──最高ガイドが全生活を使命の遂行に捧げ、全世界を旅してこのメッセー
ジを広めることができるよう、少なくとも年に一度は、年収の 10 0 分の
(※)
1 に相当する額を、最高ガイドに寄贈すること。
──少なくとも年に一度は、メッセージに関心のある人々をあなたの家に集
め、あなたの地区のガイドを招いて、メッセージの重要性について教え
こ
を請うこと。
165
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
──最高ガイドが姿を消す場合は、新しい最高ガイドには、前任者によって
指名されたものが就任すること。最高ガイドは地球におけるエロヒムの
大使館の責任者であって、家族および自分が選んだ人々と共に、大使館
(※)〉
に居住することができる。
編集部注:その後のエロヒムからのメッセージにより、文末に(※)印のある条文は修正
されました。詳しくは、第三部の 309 頁、「新しい律法の修正」の項をご参照
下さい。
〈クロード・ラエル、あなたは私たちの地球における大使であって、あなたを
すいこう
べん ぎ
はか
信じる人たちは、あなたの使命遂行のために便宜を図らなければなりません。
あなたは審判の前の、預言者たちの中の最後の人なのです。あなたは、諸宗
教の中の宗教の預言者であり、神秘主義から人々を解放する人であり、羊飼い
たちの中の羊飼いなのです。私たちの代理人である古代の預言者たちによって、
あらゆる宗教においてその到来を予告されてきた人、それがあなたです。
こうずい
あなたは、洪水が起こる前に羊飼いたちの羊の群れを連れ戻し、創造された
ものを創造者たちの元へ連れ戻す人です。耳のある人は聞くことができ、眼の
ある人は見ることができます。物事を見通す力のある人には、あなたが、進ん
う
だ科学を身につけた人にのみ理解され得る、最初の預言者であることが分かる
でしょう。あなたが話すすべての言葉は、原始的な人々には理解できません。
しるし
これは、眼を開かれた人には見える徴なのです。アポカリプス、すなわち真
実の啓示の徴なのです〉
イスラエルの民へ
〈イスラエルの国は、エルサレムの近くの領土を、最高ガイドに与えなければ
なりません。住居、すなわちエロヒムの大使館を建てるためです。イスラエル
の民よ、予告されていた新しいエルサレムを建設する時が到来したのです。ク
ロード・ラエルこそ、予告されていたその人なのです。あなたがたの書物を再
ひも と
び紐解き、眼を開きなさい。
私たちは、イスラエルに大使館を置きたいと願っているのです。というのは、
イスラエルの民は、エロヒムの息子たちと、人間の娘たちが交わって生まれた
子供たちの子孫だからです。
イスラエルの民よ、私たちはあなたがたをエジプト人の毒牙から解放しまし
166
第二部/第2章:2度目の遭遇
ふ さ わ
たが、あなたがたは、私たちの信頼を受けるのに相応しくはありませんでした。
私たちはあなたがたに全人類へのメッセージを託したにも関わらず、あなたが
ご しょう
たはそれを、世界中に広めるどころか後生大事に、自分のところにしまい込ん
でしまったからです。
あやま
あなたがたは、自らの犯した過ちのために長い間苦しんできましたが、今や
ゆる
赦しの時が到来し、予知されていたように、私たちはこう言います。
お
「北に、与えよ。南に、もの惜しみするな」
私は、あなたがたの息子や娘たちを〝世界の隅々から〟呼び集めました。そ
のおかげで『イザヤ書』にもあるように、あなたがたは再び、国を持つことが
できるようになったのです。もしあなたがたが、預言者たちの中の最後の預言
者、かつて予告されたその人の言葉を聞き、その使命の達成に力を貸すのであ
れば、あなたがたは平和のうちに、この国に住むことができるでしょう。
のが
これは、あなたがたにとって最後のチャンスです。このチャンスを逃せば、
他の国、それも、イスラエルの近くの国が最高ガイドを受け入れ、その領土内
に、私たちの大使館が建設されることになるでしょう。そうなれば、その国は
守られて幸せな道を歩むでしょうが、イスラエルの国は再び破壊されるでしょ
う。
まだ祖先の土地に足を踏み入れたことのない、イスラエルの息子であるあな
たがたは、もうしばらく待って、イスラエル政府が私たちの大使館設置を認め
るかどうかを見極めなさい。もしこれが拒否された場合には、そこに戻っては
いけません。あなたは救われる人たちの中のひとりとなり、やがて時が満ちて、
あなたがたの子孫が約束の地を再び見ることができるでしょう。
イスラエルの民よ、あなたがたは、かつて予告されたこの人を受け入れて、
私たちの大使館を建てるための土地を彼に提供し、彼が大使館を建てるのを助
けなさい。もしそうしなければ、2 0 0 0 年前に起きたのと同じように、大使館は
どこか他の国に設置され、あなたがたは再び離散の民となるでしょう。
まさ
20 0 0 年前に、あなたがたが、イエスこそ正に私たちの使者であると認めてい
たならば、世界中のキリスト教徒は、実はキリスト教徒ではなくユダヤ教徒に
はず
なっていた筈で、あなたがたも、あのような苦難の道を歩むこともなく、私た
よ
ちの善き使節としてあり続けたことでしょう。しかし実際には、この仕事は他
ゆだ
の人たちに委ねられ、その人たちは、根拠地としてローマを選んだのでした。
20 0 0 年前、あなたがたは私たちの使者を受け入れず、その代わりに栄光を受
167
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
けることになったのは、エルサレムではなくローマだったのです。今あらため
めぐ
て、エルサレムが栄光を受けるチャンスが巡って来たわけですが、あなたがた
つか
がもしこのチャンスを掴まないと、他の国が私たちの大使館を保護し、あなた
がたはもはや、私たちがあなたがたのために選んだ土地に住むことは許されな
いでしょう。
しま
これで私の話はお終いです。
あなたは地球に戻って、私が話したことを、すべて分かりやすく説き明かす
ことができるでしょう。今からもうしばらくの間、この楽園を楽しんで頂いた
かんすい
あと、私たちはあなたを地球に連れ戻します。どうか使命を完遂し、やがてこ
の楽園に帰って、私たちと共に永遠の生活に入って下さい〉
それからの何時間かを、私は楽園の様々な楽しみを味わって過ごしました。
いくつもの泉の周りを散歩したり、前の日に会った、偉大な預言者たちと一緒
ふけ
に暝想に耽ったりもしました。
やがて、私は昨日と同じ顔ぶれの宴席に加わって、最後の食事をとったあと、
大きな宇宙船で地球を観察する基地まで運ばれました。そこで、前日と同じよ
うな手順で自分の服に着替え、今度は小型の宇宙船で、地球を出発した時と同
じ地点、すなわちロック・プラまで送ってもらいました。時計を見ると、ちょ
うど真夜中でした。
ひとこと
も
家に着くと、すぐに私は、告げられた話を一言も漏らさず筆記する作業に取
りかかりました。すべてが、実にハッキリと私の頭の中に残っていて、驚いた
とどこお
ことに、私のペンは少しも滞 ることなく、聞いたことのすべてを一気に書き付
けてしまっていました。初めに聞かされていた通り、すべての言葉が、私の頭
脳に刻み込まれていたのでした。
一部始終を書き終わった時、私はハッキリと、これまで一度も経験したこと
のない、自分の内なる何かが動き出したような感覚を覚え、書き始めから、そ
して書きながら、自分が書いたものを全部観察していて、それを読者として発
見しているような気分でした。それは、確かに私が書いたものなのですが、私
は自分が、その紙面に現れた文章を書いた人であるという気がしませんでした。
エロヒムが私の口を通して語り始めていました。いやむしろ、私の手を通して
書き始めていた、と言った方がいいでしょう。
紙の上に現れてくる内容は、人間が一生の間に直面するすべての問題につい
168
第二部/第2章:2度目の遭遇
て、それに対処する方法を述べたものでした。すなわち、人生の規範、進歩し
た生物としての人間の新しい生き方、無限の宇宙に向かって心を開き、それと
しる
調和を保って生きるにはどうしたらいいか、などが記されていたのです。
私たちの祖先が、その本当の意味を分からずに使っていた表現を借りれば、
我らの創造者にして、天にまします我らの父であり、人類の創造者なるエロヒ
ムによって述べられた偉大なる規範が、すべてここにあり、ここに完全な形で
書き記されているのです。
169
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第3章
鍵
はじめに
わた
もうまい
これから述べることは、何千年にも亘る蒙昧主義によって誤った道に閉じ込
められた人々の、心を開くことを可能にする鍵です。
とびら
人の心を閉じ込める扉には、たくさんの鍵が掛けられています。心を無限に
向けて開きたければ、これらの鍵をすべて同時に開く必要があります。もし、
鍵を 1 つしか使わなければ、他の鍵は掛けられたままになります。同時にすべ
あ
ての鍵を開けておかなければ、最初の鍵は 2 番目の鍵を開こうとしている間に
再び掛かってしまい、扉を開くことはできません。
人間の社会は未知のことを恐れます。たとえ扉の背後にあるものが、真実を
傷つけることのない幸福なものであろうとも、やはり恐れるのです。そして社
会は、誰かがちょっとこの扉を開いてみることも妨げようとするのみならず、
とど
彼らが不幸と無知の中に留まることを望むのです。
このような社会も一つの障害であり、これを乗り越えさえすれば精神は解放
されるのです。ですからガンジーが言ったように、
「誰にも真実が理解できな
いからといって、真実が誤りとなることはない」のです。扉を開こうと決心し
こわ
たら、何も見なかった人たちや、自分の無知が怖くて何も見なかった振りをし
ている人たちの皮肉は、無視することです。
むずか
扉を開けることが、あなたにとって難しすぎるように思われたならば、ガイ
ドの助けを求めれば良いのです。彼らは、すでに心の扉を開いてしまった人た
ちであり、そうすることの困難さも十分に承知しています。
彼らは、あなたに代わって扉を開けることができなくても、あなたが成功す
るように、いろいろなやり方を教えてあげることができます。さらに彼らは、
扉が開くことによって生まれる幸福の生き証人であり、背後にあるものを恐れ
170
第二部/第3章:鍵
る人たちが間違っていることを示す証拠なのです。
人 間
私たちはどんな場合でも、いつも物事を、4 つの基準との関係において考察
しなければなりません。
──〝無限〟との関係において。
──私たちの父である創造者〝エロヒム〟との関係において。
──〝人間社会〟との関係において。
──〝個人〟との関係において。
最も重要な基準は、無限と関連するものであり、この基準との関係において
万事が判断されなければなりません。しかし、それには一つの不変因子、すな
ともな
わち「愛」が伴わなければならず、従って、愛すべき他の人々を考慮に入れて
判断されなければならないのです。というのも、人は無限と調和して生きなけ
ればなりませんし、従って無限の一部である他人とも調和して、生きなければ
ならないからです。
次に私たちは、私たちの創造者であるエロヒムの助言に注意を払い、人間の
社会が、その創造者の助言に耳を傾けるように行動しなければなりません。
それから私たちは、これまで、人々が真理へ至る過程で自己開花することを
可能にし、今もそれを可能にし、そして今後も可能にするであろう社会に対し
て、注意を払わなければなりません。
しかし、確かに注意を払う必要はありますが、社会に従う必要はないのです。
それどころか、あらゆる習慣や伝統に対して絶えず疑問を投げかけることで、
社会が原始的な生き方から脱却できるように、手助けしてやらなければならな
もうまい
そく ばく
いのです。たとえそれらの習慣や伝統が、人の心を蒙昧主義の束縛に閉じ込め
ておくことしかしない、あの法律というものに支持されていようともです。
最後に、人は、個人の開花というものを考慮しなければなりません。それ無
しには、精神はその潜在的能力を十分に発揮することはできませんし、また無
限と調和して、新しい人間になることもできないからです。
171
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
誕 生
まだ未発達で、何が起きているのか理解する力のない子供たちには、いかな
かつれい
ほどこ
る宗教も押しつけてはなりません。ですから、子供に洗礼や割礼を施してはな
らないし、子供が望みもしない、いかなる行為も経験させてはならないのです。
子供が十分に成長し、物事を自分で理解して選択できるようになるまで、待た
なくてはいけません。その上で、ある宗教に惹かれるのであれば、それを信奉
するのは本人の自由にさせることです。
誕生は、祝祭の時であるべきです。エロヒムが、私たちをその姿に似せて創
られたからです。だからこそ私たちは、私たち自身の手で子供を産むことがで
み わざ
ほ
たた
き、私たちの種を保ち、創造者たちの御業を誉め讃えるのです。
誕生はまた、調和の中で行われた、愛の行為によるものでなければなりませ
ん。特に音、色、温度の調和がとれていなければなりません。人生をこれから
歩み始める生命が、調和というものに慣れるためです。
一方では、人は、他人の自由の尊重をすぐさま、子供たちに教えなければな
りません。子供が夜泣きをする時は、そっと見に来て、そのために泣けば必ず
誰かが自分を相手にしてくれて、満足な気分にさせてくれるのだという気持ち
を、子供には植え付けないようにします。
その反対に、子供が何も言わない時こそ、子供のところにやって来て面倒を
見てやり、泣くからといって、子供を見に来てはいけません。もしそうするの
であれば、子供には気づかれないようにします。そうすることで子供は、周囲
う
ま
と調和をしていれば、すべてが上手くいくことを知るようになります。「天は、
みずか
自ら助くる者を助く」です。
両親は、子供は生まれた時から、まず何よりもひとりの個人であり、いかな
る個人をも子供扱いしてはならない、ということを理解しなければなりません。
私たちの創造者たちでさえ、私たちを子供としてではなく、個人として扱って
下さいます。だからこそ、私たちが問題を解決するのに直接手助けの介入をさ
れることなく、私たちが責任ある個人として、自ら熟慮して障害を克服するま
まに任せておかれるのです。
教 育
172
第二部/第3章:鍵
へいおん
まだ、人間の〝芽生え〟以外の何ものでもない赤ん坊は、他人の自由と平穏
しつけ
を尊重するように、幼児の時から躾をしなければなりません。彼らはまだ幼す
ぎて、理解したり論理的に考えたりはできないのですから、その子供を育てて
いる人は、厳しく体罰を与えなければなりません。他人を苦しめたり、他人を
尊敬しなかったりした時には、自分も苦しむようにするためです。
この体罰は、幼い期間だけに限り、子供が考えたり理解できたりするにつれ
や
て、徐々に減らし、最後にはすっかり止めてしまうべきです。 7 歳以後の体罰
は極めて例外的なものとすべきで、14歳以後は決して体罰を加えてはなりませ
ん。体罰は、子供が他人やあなた自身の自由と平穏を、尊重しない態度を示し
た場合にのみ加えるべきものです。
子供には、自己を開花することを教え、社会や学校が彼らに教え込もうとす
ることを、常に疑ってみる態度を教えます。自分にとって無益な事柄までも覚
えることを強制しないで、進みたい方向に進ませます。最も重要なことは、自
己の開花であることを忘れてはなりません。
子供には、常に順々に、無限、創造者たち、社会、そして自分自身との関係
において物事を判断するように、教えていくと良いです。
また子供には、いかなる宗教も押しつけてはなりません。世界中の信仰を、
少なくともその最も重要なもの、例えばユダヤ教、キリスト教、イスラム教な
どを、年代順に、偏見を差し挟むことなく教えます。できれば、子供に説明し
てやれるように、東洋の宗教の大筋を自分で勉強すると良いでしょう。そして
最後には、エロヒムが最後の預言者に与えたメッセージのあらましを、子供に
説明してあげます。
何よりも、自分が住んでいる世界を愛すること、さらにその世界を通して、
創造者たちを愛することを子供に教えます。
無限に対して心を開き、無限と調和して生きるように努めることを教えます。
と
み わざ
子供には、創造者エロヒムが成し遂げた、素晴らしい御業についても教えま
す。また、創造者たちが行った御業と同じことを、人類もいつの日か実行でき
るように、つまり、どこか他の場所に、人類を科学的に創造することができる
ように、常に考え、研究することを教えます。
子供には、自分が無限の一部である、と考えるように教えます。つまり、自
ちり
かえ
分が極大であると同時に、極小であること、「お前は塵だ。だから塵に還る」と
いうことをです。
173
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ざん げ
ゆる
他人に加えた悪事は、どのように懴悔しても、どんなに宗教的な罪の赦しを
な
受けても、一度為されてしまえば、もう取り返しはつかないこと、また死が近
づいたときに、永遠の生命への権利を得るために、エロヒムや何らかの神を信
じ始めても、それで十分ではないことを子供に教えます。
さば
私たちは一生を通じて、自分たちの行為により裁かれるのであること、英知
みちのり
への道程は長く、その境地に至るためには一生かかることも子供に教えます。
一生を通じて正しい方向に進まなかった人は、ある日、突然正しい方向に進み
始めたからといって、永遠の生命を与えられた人たちの住む惑星に、科学的に
再生される資格は与えられません。それは、傷つけた人たちから許してもらえ
じんりょく
るように、また、それらの人たちに幸福と愛をもたらすように尽力し、失われ
つぐな
た時間の償いをするよう心から後悔して、正しい方向に進むようにしない限り
は。
しかし、他人を傷つけた人は、それだけでは十分ではありません。彼らの許
しを得て、そして彼らに愛をもたらすことができたとしても、それは今までの
あやま
よ
過ちを帳消しにしてもらったにすぎず、それだけでは、まだ何も善いことをし
たわけではないのです。だから新たに行動を始めて、まだ一度も迷惑をかけた
ことのない人に幸福をもたらし、真実を広める人たち、つまりガイドたちを助
けてあげなければなりません。
のぞ
死に臨んだ時に、またはそのほんの少し前にやっと後悔するような人は、許
されることはありません。それでは遅過ぎるのです。
官能教育
官能教育は、最も重要なことの 1 つなのですが、現在ではほとんど行われて
いません。
あなたは、子供の精神を覚醒させてあげて下さい。しかし同時に、子供の肉
体をも、覚醒させてあげて下さい。肉体の覚醒は、精神の覚醒と結びついてい
るからです。肉体を眠らせようとする人は、精神をも眠らせている人です。
私たちの創造者たちは、使用するために私たちに五感をお授けになりました。
か
鼻は香りを嗅ぐために、目は見るために、耳は聞くために、口は味わうために、
指は触れるためにです。私たちの周囲にあるものはすべて、私たちが楽しむた
めに創造者たちが置かれたのであり、それらをもっと良く楽しむために、私た
174
第二部/第3章:鍵
ちは五感を発達させなければなりません。
官能的な人というのは、無限と調和する機会をより多く持っているものです。
官能的な人は、暝想や熟慮をしなくても無限を感じるからです。その人は暝想
と熟慮により、この調和をさらに深く理解し、周囲の人々にもそれを教え広め
ることができます。
官能的であることは、私たちの住む環境から喜びを感じ取れることです。性
教育も極めて重要ですが、それは器官の技術的機能と、その有用性を私たちに
教えるだけです。一方、官能教育では、人はいかにしてその器官から、喜びを
得ることができるかを教えなければなりません。そして、その場合には器官を、
必ずしも固有の目的である実用目的のために使うことを求めずに、ただ喜びの
みを求めるのです。
性について、子供たちに何も言わないのは良くありません。生殖器の機能を
説明することは、何も言わないよりはましですが、まだ十分ではありません。
子供たちには、喜びを得るためにはどのように器官を使用できるかを、説明し
てやらなければなりません。
何のために器官を使用するのかを説明するだけでは、音楽はリズミカルに歩
くために使用されるとか、字を習うのは苦情の手紙を書くためであるとか、映
画は視聴覚教育のために使用されるとかいうようなものです。幸いなことに、
芸術家たちのおかげで、また五感が目覚めたことにより、私たちは、喜びを与
き
えるためだけに創られた作品を見たり、聴いたり、読んだりすることから、喜
びを得ることができるのです。 セックスについても同じことです。それは自然の必要を満たしたり、再生産
を保証するためだけにあるのではなく、他人と自分に、喜びをもたらすために
もあるのです。科学の発達のおかげで私たちは、肉体を見せることが「罪」で
あり、性交は妊娠という懲罰をもたらすと考えた時代から、ついに抜け出すこ
とができたのです。
今や避妊技術のおかげで、私たちは結婚や子供を産むことを考えることなく、
自由に性の結合を楽しむことができるようになりました。
子供たちにこのすべてを教えることに、後ろめたい気持ちになる必要は全く
ありません。それどころか、愛情を持って、彼らが幸福になるために、そして
十分に開花するために、すなわち彼らの五感のすべてを思い切り活用して、人
生を楽しむために生まれて来たのであることを、説明してあげて下さい。
175
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
裸になることも、決して恥ずかしがってはいけません。私たちの創造者たち
によって創られた人間たちが、彼らに与えられた姿態を恥ずかしがっているの
を見ることほど、創造者たちを不愉快にさせるものはありません。
子供たちには、エロヒムが創造されたあらゆる部分を愛するように教えて下
さい。なぜなら、エロヒムの創造したものを愛することは、エロヒムを愛する
ことでもあるからです。
私たちの器官の 1 つひとつは、すべて父なるエロヒムの手で創られたもので
す。ですから、それを使用するのに少しも恥ずかしがることはないのです。使
用するために創られたものを使用する幸福を味わうように、創られているから
です。これらの器官の 1 つを働かせて喜びが得られるのであれば、それは、私
たちがそれを使って喜ぶことを、創造者たちが望まれたということです。
たがや
人は、1 人ひとりが、耕さずに放置してはならない庭園です。喜びのない生
活は、耕されていない庭園のようなものであり、喜びは心を開く肥料なのです。
禁欲は、肉体の支配のために心に課する一時的な試練でない限り、無用のも
のです。しかし、私たちが課した試練(ただし、それは常に時間を制限して行う
必要があります)を切り抜けたならば、私たちは改めて、生きる喜びを存分に
味わうようにするべきです。禁欲主義も、人間という庭園の休閑期としてなら
ば認めることができます。つまり、禁欲主義は、喜びを後でもっと良く味わう
ために定められた、喜びの追求のための一時的な休止なのです。
きょうじゅ
子供たちには、より多くの自由が享受できるように習慣づけさせて下さい。
常に、そして何よりもまず、彼らを一個人として考えてあげるのです。あなた
が子供たちから自分の好みや趣味を尊重してもらいたいように、あなたも、子
供たちの好みや趣味を尊重してあげて下さい。子供が、自分の望むようにあな
たを作り変えることはできないのと同じく、あなたも、自分の望むように子供
を作り変えることはできませんし、子供は子供なのだということを、ハッキリ
と認識して下さい。
うやま
うやま
子供があなたを敬うように、あなたも子供を敬ってあげて下さい。子供があ
なたの好みを尊重するように、あなたも子供の好みを尊重してあげて下さい。
開 花
人は、他人に害を及ぼさない限り、他人がどう思うかを気にする必要はなく、
176
第二部/第3章:鍵
自分の望みと好みに従って自己を開花するように努力すべきです。
まず人に迷惑をかけないことを確かめ、その上で、他人の思惑などは気にし
ないで実行して下さい。
誰かと官能的または性的な体験を持ちたい場合は、相手が男性であれ、女性
であれ、あるいは複数の相手であれ、相手の同意が得られれば、自分の望む通
りに振る舞っていいのです。自己の肉体を開くことで、自己の精神をも開く開
花の道では、すべてが許されているのです。
私たちは、女性が社会に付属する単なる再生産の器官と見なされていた原始
的な時代から、やっと抜け出そうとしているのです。科学のおかげで、女性は、
妊娠という報いを恐れることもなく、官能的に、自由に、自己を開花すること
ひと
ができるようになったのです。女性は、自分の行為の望まざる結果に独り耐え
忍ぶという心配もなく、真に自分の肉体を楽しむことができるようになってい
ます。女性は今ようやく、男性と対等の存在となることができたのです。
子供を作るということは、偶然の成り行きと考えるにはあまりにも重大すぎ
ます。子供は、よく考え、自分がそれを望んでいることを確信した上での、素
晴らしい愛の行為を通じて作って下さい。子供というものは、妊娠の瞬間に本
当に望まれていないと、良い結果をもたらす個人には成り得ないからです。
妊娠の瞬間とは、最初の細胞、したがって個人の設計図が身ごもられる最も
重要な瞬間なのです。この瞬間は、両親の二つの心が、今、身ごもろうとして
いる命のことを一心に考えている時であり、完全な調和のもとに最初の細胞に
命が与えられるように、熱心に望まれていなければなりません。新しい人間の
秘密の 1 つは、ここにあります。
体の開花、すなわち心の開花だけを求めるのであれば、科学が提供する方法
を利用することです。まず、避妊の勉強をして下さい。そして、あなた自身が
開花されている場合にだけ、子供を作るのです。身ごもられる子供が、ふたり
の開花された人間の結合の成果であって欲しいからです。
おか
開花に至るためには、あなたの肉体が危険を冒すことなく悦楽へと開くこと
ができるように、科学が提供してくれる手段を使います。喜びと生殖とは全く
別のものであり、混同してはなりません。前者は個人のためのものであり、後
しゅ
者は種のためのものです。個人は、自己が開花している場合にのみ、開花され
た子供を産むことができるのです。
望んでいない子供を誤って身ごもった場合は、科学が提供する方法、つまり
177
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
妊娠中絶を利用して下さい。妊娠の瞬間に望まれていない子供は、開花された
人間になることはできません。調和の中で作られたものではないからです。中
絶は、肉体的にも道徳的にも好ましくない結果をもたらすと言い触らして、あ
おど
なたを脅かす者たちの言葉に耳を貸してはなりません。中絶も有能な人の手で
ほどこ
施されるなら、不幸な結果を招くことは何もありません。逆に、望まなかった
子供を育てることの方が、あなたに肉体的・道徳的な悪影響を生じさせること
になり、それは、あなたがこの世にもたらした子供にも及んで、子供も苦しむ
ことになります。
子供を持つというのは、必ずしも結婚するとか、男性と一緒に生活すること
を意味するものではありません。すでに多くの女性が、結婚したり、男性と生
活をすることもなく子供を育てています。誕生の瞬間から一個の人格である子
な
供の教育は、必ずしも両親によって為される必要はないのです。ある種の両親
はる
に任せるより専門家に任せた方が、子供の開花のためには、遥かに好ましい場
合が多いのです。
男性と一緒に生活することなく、子供を持ちたいと望むなら、望みのままに
して良いのです。他人の思惑などは気にせず、望みのままに自己を開花させる
ことです。
しかし、そういう生き方を選んだからといって、一生を独身のままで過ごさ
ねば、と考える必要はありません。好ましい男性が現れたら、喜んで迎え入れ
れば良いのです。男性は、子供のためには男の実例となります。
そうするうちに、ひとりの男性と一緒に生活するように決めることもできま
す。それは、子供にとって何も問題にならないばかりか、むしろ子供の開花に
役立つものです。環境の変化は、子供にとっては常に良い結果をもたらすので
す。
社会は、両親の望みに従って、子供の教育の一部、または全体を引き受ける
ように組織されるべきです。働きたいと思う人たちには、その子供たちを有能
な人たちに預けられるようにすべきであり、自分の子供を、有能な人たちの手
だけで教育を受けさせたいと望む人たちには、そのために作られた施設に子供
を完全に委託できるようにすべきです。
そうすれば、望んでいる子供は作ったものの、その後相手と別れたり、また
他の理由で、もうその子供を育てたいとは思わなくなった場合に、その子供が
開花するのに必要な調和の中で社会が育てられるように、社会に子供を預ける
178
第二部/第3章:鍵
ことができるわけです。そうしないと、存在することを真に、あるいは強く望
まれていないような環境に育った子供は、開花することができないからです。
やっかい
子供と大人とは、相互に影響し合って開花するものです。少しでも厄介者に
なると、子供はそれを感じ取り、そのために彼の人格の開花は影響を受けま
そば
す。子供が側にいること自体が開花であるかのように、あなたの心を動かす場
合にだけ、子供は側に置いておくことです。
そうでない場合は、子供の開花のために、社会が用意すべき施設に入れてあ
げることです。そのことを後悔する必要は少しもありません。それどころか、
あなたよりも有能な専門家の手に子供を託せることに、深い喜びを感じていい
のです。
そして、子供が望むなら(何よりも子供の希望を優先して考えなければなりませ
ん)
、定期的に子供を訪問してあげると良いでしょう。子供の教育者たちは、両
す
親が自分たちのために子供を育てるという自分本位の楽しみを棄て、自分たち
よりも有能な人たちの手に我が子の開花を託したという両親の行為を、真に立
派なこととして、子供たちにはいつも説明してあげなければなりません。
ですから、パートナーが欲しければ自由に選んで構わないのです。結婚する
ことは、宗教的にも世俗的な意味においても必要ありません。生きていること
は変化することであり、生きた人間が結び合うのですから、石油でも売買する
時のように、契約書に署名することはできません。
従って、他人を所有することの宣言でしかない結婚は拒否して下さい。男性
も女性も、誰の所有物でもあり得ません。いかなる契約も、ふたりの間に存在
する調和を破壊するだけです。
愛されていると感じることは、自由に愛することができると感じることです。
しかし、契約書に署名をすると、人は愛することを強制された囚人のように感
じ、いつの日にか、互いに憎み合うようになるのです。選んだ人と一緒にいる
ことが幸福だと感じる限り、共に生活すれば良いのです。
一緒に幸福に暮らしていくことができなくなったら、いつまでも一緒にいな
いように。共に生活することが、地獄のように感じられてくるからです。生き
まさ
ている人はすべて変化しますが、正しくその通りなのです。ふたりの進歩が同
じ程度であれば、結合は長続きします。しかし、進歩の程度が異なると、結合
はもはや不可能となります。好きだった人も、何の魅力もなくなってしまいま
す。それは、あなたか相手が変化したからです。
179
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ふたりは別れることで、共に暮らしていた時の思い出を楽しめば良いのであ
り、無駄な口論から攻撃的になって、思い出を傷つける必要はないのです。
子供は、自分に合った衣服を選ぶものであり、彼が大きくなれば、その衣服
は小さくなり、小さくなって着られなくなったものは、他の衣服と着替えなけ
ればなりません。そうしないと、子供の衣服は破れてしまうでしょう。ふたり
の人間の結合も同じことであり、傷つけ合う前に別れなければなりません。
そして、何よりもまず、子供のことは心配しないように。完全な調和もなし
に不和な両親と暮らすよりは、どちらか一方の親と調和的に暮らす方が、子供
のためには良いからです。なぜなら、何よりもまず、子供は一個の人格である
ことを忘れてはならないからです。
お
わずら
社会は、年老いた人々が物質的な心配に煩わされることなく幸福に暮らせる
ことを、絶対に保証すべきです。年老いた人々は、尊敬され、幸福に暮らせる
ように配慮されなければなりませんが、しかし、彼らの言葉に耳を傾けてはな
りません。
知性の豊かな人は、何歳になっても良い忠告を与えることはできますが、愚
あたい
かな人は、たとえ10 0 歳になろうとも、耳を傾けるに値するものは、何も持っ
ていません。一生の間に覚醒に努めることができたのに、そうはしなかったか
らです。愚かではあっても、若い人の場合には、まだ望みがあります。ただし、
いかに愚かな老人でも、快適な生活を送れるようにしてあげなければなりませ
ん。それは、社会の義務です。
死に際しては、悲しみに満ちた集まりの場としてはなりません。反対に、喜
ばしい祝祭の場とするべきです。それは恐らく、愛する人が、私たちを創造さ
う
れたエロヒムのいる永遠の楽園に、足を踏み入れた瞬間でもあり得るからです。
ですから、宗教的に埋葬されることのないように頼んでおくことです。遺体
けんたい
は、科学のために献体するか、あるいは、できるだけ慎重に処置してもらうよ
ひたい
うに頼んでおきます。ただし、額の骨は別です。
どうこう
より正確に言えば、二つの瞳孔を結ぶ線の中心から 33 ミリメートル上の、鼻
の付け根の上に位置する部分です。この骨の少なくとも 1 平方センチメートル
を、最高ガイドに送って、地上の大使館に保管してもらうようにします。
おのおの
というのも、人は各々、記録するコンピュータによって監視されており、人
生の終わりに、その行為の総合評価が行われますが、クロード・ラエルが伝え
ているメッセージを知っている人たちは、私たちの大使館に残した細胞から再
180
第二部/第3章:鍵
生されるからです。その場合、要求されている体の部分を、死後に最高ガイド
に送っておかなければ、再生は行われません。
それは、メッセージを知ったその日から、コンピュータの中の判定に使われ
る情報を記録するシステムは接続されたままですが、死の瞬間に 1 つの細胞を
自動的に採取することを可能にするシステムは、切り離されてしまうからです。
従って、メッセージを知ることになった人たちは、要求されていることを正確
に実行する人たちだけが、再生されるのです。
少なくとも一生に一度は、最高ガイド、あるいは彼によって資格を与えられ
たガイドに会って、エロヒムがあなたの精神を目覚めさせてくれ、あなたが目
覚めたままでいられるように手助けしてもらうため、エロヒムに細胞の設計図
を送ってもらうように心がけて下さい。
第一のメッセージに書かれていることに従い、家以外は、子供への遺産を残
してはなりません。他のものは最高ガイドへ遺贈すれば良いのです。子孫たち
があなたの遺言を無視し、法律に訴えてでも財産を自分たちのものにしないか
と心配ならば、創造者たちのメッセージが地上に広められるよう、生前に財産
を最高ガイドに寄付しておけば良いのです。
のこ
なげ
遺された人は、愛する人の死を嘆き悲しんではなりません。そうではなく、
そそ
愛する人たちには、生きているうちに愛情を注いでおくことです。愛する人が
死んだときに、あなたがたが不幸を感じるのは、自分たちが故人を十分に愛さ
なかったのではないかと考え、また今となっては、もう遅すぎると考えるから
です。
善良な人であれば、永遠にエロヒムの楽園に入る権利もあるし、幸福を知る
お
こともできます。善良でなかった人は、惜しまれる価値もありません。
いずれにせよ、選ばれた人たちの中に入っていないからといって、その人が
本当に消え去ってしまうわけではありません。死というのは大したことではあ
まさ
りませんし、死を恐れる必要もないのです。それは正に、私たちが眠りに入る
のと同じようなものです。ただ、その眠りが永遠に続くだけのことです。
それに、私たちは無限の一部なのですから、私たちを形成していた物質が消
滅してしまうこともありません。その物質は、明らかにすべての同質性、すな
わちすべての独自性を失いながら、土の中に、植物の中に、動物の中にも存在
し続けるのです。創造者たちにより、正確に設計されて創られたこの無限の一
かえ
部は、無限に還り、小さな球ではあるが生きている地球の一部として存在し続
181
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
けるのです。
すべての人は、生き、愛し、死ぬ権利があり、その生と死の主人です。死は
何でもないことですが、苦しむことはひどいことであり、苦しみを無くすため
ほどこ
に、あらゆることが施されなければなりません。苦しみがあまりにも激しい人
わた
よ
には、自殺の権利があります。人生に亘ってその行動が善かった人は、永遠の
生命の人たちの惑星に入ることを許されるでしょう。
愛する人がひどい苦しみのあまり、死を望みながらも自殺する力さえない場
合は、自殺の手助けをしてあげるのです。
科学によって、同胞の苦しみを無くせるようになった時こそ、人は、自殺が
正しいかどうかを考えることができるようになります。
社会と政府
人体に決定機関である脳があるように、社会にも、決定を下す政府というも
のが必要不可欠です。知性のある人たちに権力を与える、天才政治を実行する
政府を創るために、最善の努力をして下さい。エロヒムの第一のメッセージに
書かれている人道的人類主義と、天才政治を主唱する人類主義の世界政党への
設立に参加して、その候補者を支持して下さい。天才政治だけが、人々を完全
に黄金時代に至らしめることができます。
完全民主主義は良いものではありません。全細胞が命令を下すような身体で
は、生存することはできません。知性のある人々のみが、人類に関する決定を
行えるようにするべきです。したがって、天才政治と人道的人類主義を主唱す
る候補者が立候補する場合以外は、投票を拒否することです。
普通選挙も世論調査も、世界統治には有効ではありません。統治することは
先を見通すことであり、羊の群れのような民衆の反応に従うことではないので
う
す。彼らの中に人類を指導し得るほどに十分に覚醒されている人たちは、ごく
一部にしか存在しないからです。覚醒された人は極めて少ないので、普通選挙
や世論調査に基づく決定は、大多数の人間、すなわち覚醒されていない人たち
もうまい
によるものであり、それは、目先の満足に従って反応するとか、あるいは蒙昧
主義から得た不純な考えの中に、無意識に埋もれた本能に従って反応するよう
な人たちの決定に基づくことになってしまいます。
選択的民主主義である天才政治だけが、価値あるものです。そして、エロヒ
182
第二部/第3章:鍵
せいらい
ムの第一のメッセージに書かれているように、立候補できる人は、生来の知性
すぐ
レベルが平均より5 0パーセント以上優れた人に限るべきであり、それを選出で
きる人は、生来の知性レベルが、平均より10パーセント以上優れた人に限るべ
きです。
すでに科学者たちは、私たちの生まれながらの知性を計測する技術を完成し
つつあります。彼らの忠告に耳を傾け、人類の最も貴重な鉱脈である知性の優
てん ぷ
ふ さ わ
れた子供たちが、その天賦の才に相応しい教育が受けられるように努力して下
さい。普通の教育は、普通の子供たち、つまり、平均的知性を持つ子供たちの
ために作られたものにすぎないのです。
重要なのは、獲得した修了証書の数ではありません。修了証書が証明するあ
まり面白くもない能力や記憶力などは、機械で代用することができるのです。
生まれたままの知性こそ、農夫や労働者を、技術者や大学教授以上に知性的に
せいらい
させるものなのです。この生来の知性は、良識や創造の才能と同列に考えるこ
とができます。というのは、発明の大部分は、良識そのものだからです。
統治することは先を見通すことであり、人類が直面している難問題のすべて
は、これまでの政府が先を見通すことができず、したがって統治することがで
きなかったことを立証しています。それは人の問題ではなく、責任者を選ぶ手
法の問題です。選択の方法が良くないのです。ですから、一般的な民主主義は、
選択的民主主義に取って代わられなければなりません。この選択的民主主義と
つ
は、知性の優れた人たちを権力の座に就かせる、天才政治のことです。これは、
最低限必要な条件です。
人間の作った法律は必要不可欠なものであり、尊重しなければならないもの
です。しかし、不公平なもの、旧式なものは変えなければなりません。人間の
いたばさ
た め ら
法と創造者たちの法との間で板挟みになった時は、一瞬たりとも躊躇ってはな
さば
りません。というのも、人間の裁判官もいつかは、創造者たちの裁きを受ける
身なのですから。
ふせ
暴力を排除し、犯罪者や他人の行動の自由を侵害する人々を防ぐ、医学的な
よう ご
手段を人類が発見するまでは、警察は無くてはならないものです。戦争の擁護
者である軍隊とは異なり、警察は平和の擁護者であり、科学がこれらの問題を
解決してくれるまでは、当面、無くてはならないものです。
へいえき
兵役は拒否することです。武器を持たない部署で軍務に服せるように、良心
的な兵役拒否者となるべく申請をするのです。宗教的・思想的信念が同胞を殺
183
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
すことを禁じているのであれば、その人は、この申請をする権利を持っていま
す。私たちの創造者エロヒムを信じ、ラエリアン・ムーブメントの最高ガイド
の指示に従おうとする人も同じです。
多くの若者が信じているのとは裏腹に、良心的な兵役拒否者が投獄されるよ
すいこう
うなことはないので、民間の機関や、武器を携帯しない部署での任務を遂行す
るのです。そのために、兵役の期間が普通の兵役の場合の 2 倍になりますが、
つい
と
隣人を殺すための技術訓練に 1 年間を費やすよりは、2 年間の事務を執る方が
良いではないですか。
ただ
世界各国の兵役は、今すぐ、直ちに廃止されるべきです。職業軍人はすべて、
世界平和の守護者、つまり、人間の自由と人権の擁護者となるべきです。
ただ
のっと
真に価値ある政治形態は唯一つ、人道的人類主義に則った天才政治のみです。
かね
ど れい
資本主義は間違っています。それは、人間を金の奴隷と化し、人の上に立つ一
部の少数者の利益に奉仕させるからです。同様に共産主義も間違っています。
自由よりも平等を重視するからです。人間は生まれた時は平等でなければなり
あと
ませんが、その後はそうではありません。誰でも人間らしい生活を送る権利は
持っていますが、社会のために何もしない人よりは、同胞のために他人よりず
っと多く働く人の方が、より多くを得る権利があります。
これは、人類が通貨を完全に廃止して、自己の開花のみに専念できるように、
ざんてい
すべての肉体労働をロボットに任せられるようになるまでの、当面の暫定的な
ね くず
う
規則です。しかし一方で飢えに苦しむ人々がいるにも関わらず、他方で値崩れ
を防ぐために食糧を投棄するということなどは、恥ずべきことです。食糧を投
棄するのではなく、何も食べる物のない人々に分けてあげるべきです。
労働も神聖なものと考えてはなりません。人は皆、たとえ全く働かなくとも、
きちんと生活していく権利があります。誰もが、自分の気に入った分野で、自
う
ま
己の開花に努力すべきです。上手く役割分担すれば、必要な仕事のすべてを機
械化して自動化するのに、そう長くはかからないでしょう。そうなれば、誰で
も自由に自己の開花に専念することができるようになります。
もし、世界中のすべての人々が本気になってそれに取り組めば、わずか数年
のうちに人は、労働の義務から解放されることになるでしょう。
必要なのは技術的・科学的能力であり、すべての労働者が、物質的制約から
人類を解放しようという団結心に燃えて、個人の利益よりも社会全体の幸福の
ために、一心に働くことを決意することであり、核兵器の開発や宇宙開発など
184
第二部/第3章:鍵
の馬鹿げた事業や、軍事予算などに浪費されているすべての手段を有効に使用
することです。
いったん
これらのことは、人類が一旦物質的制約から解放されてしまえば、より効率
か
的に、且つ、より簡単に研究を進めていくことができるでしょう。
人間の代わりに、もっとよく仕事をしてくれるコンピュータや電子装置が存
在しています。これらの技術的手段が真に人類のために奉仕するように、あら
ゆるものを利用するのです。そうすれば、数年で全く違った世界を建設するこ
とができるのです。あなたがたは、黄金時代の入口に到達したのです。
人間を程度の低い仕事から解放し、自己の開花に専念させてくれる生物ロボ
ットの創出に、あらゆる努力をして下さい。
都市計画も、エロヒムの第一のメッセージで取り扱われているように考える
い な か
のです。個人の住宅が自然を食い荒らすことのないように、田舎の中心に高層
の共同住宅を建てるべきです。誰もが小さな庭園付きの田舎の別荘などを持っ
たら、田舎などは無くなってしまうことを決して忘れてはなりません。これら
の共同住宅は、人間に必要なものをすべて備えた都市であるべきで、 5 万人ほ
どが居住できるようにします。
人類は、自然を再創造できない限り、また自らが創造者になることができな
い限り、自然を尊重しなければなりません。自然を尊重することにより、自然
うやま
を創造した父なるエロヒムを敬うことになります。
決して、動物に苦しみを与えてはなりません。肉を食用とするために動物を
殺すことは許されますが、殺す時に苦しみを与えてはなりません。死は何でも
い
ないことですが、苦しみは忌むべきことだからです。人に対するのと同様に動
物に対しても、苦しみは与えないようにしなければなりません。
とはいっても、肉は、あまりたくさん食べないようにして下さい。そうする
と身体の調子も良いのです。土地に産出するものは何を食べても構いません。
特別な食事にこだわる必要はありません。肉でも、野菜でも、果物でも、植物
いや
でも動物でも何を食べても良いのです。他の生き物の肉を食べて生きるのが嫌
だといって、菜食主義を守ることは馬鹿げています。植物とて生きているので
あって、私たちと同じように苦しむのです。植物を苦しめないように。あなた
と同じように植物も生きているのですから。
アルコール飲料に酔わないようにして下さい。食事の際に、ワインを少量飲
むことは差し支えありません。ワインも土地が提供してくれた飲み物ですから。
185
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しかし、酔わないようにします。アルコールの入った飲み物を、特別な機会に
と
飲んでも良いですが、酔いすぎないように量を制限して下さい。固形食を摂り
ながら飲んで、決して深酔いしないように。酔いすぎてしまった人間は、もは
おさ
や無限と調和することもできず、自分を抑えることもできません。創造者たち
なげ
がご覧になれば、嘆かれることでしょう。
また、喫煙しないように。というのは、人間の肉体はもともと、煙を吸い込
むようには創られていないからです。喫煙の習慣は身体の組織に悪い影響を与
さまた
え、完全な開花と無限との調和を達成するのに妨げとなります。
麻薬も使用しないように。覚醒された心の持主が、自分を無限に近づけるた
めには、麻薬を使用しないことです。人間が自己を改善するのに麻薬を使用し
けん お
なければならないと考えるのは、創造者たちにとっては嫌悪すべきことです。
人間は完全なものであって改善する必要はないのです。人間は、創造者たちに
似せて作られたものだからです。
人間を不完全なものだと言うことは、私たちを自分たちの姿に似せて作られ
ぶ じょく
た創造者たちを侮辱することになります。人間は完全なものなのですが、自ら
あきら
を不完全であると考え、諦めてしまった時に不完全なものとなるのです。自ら
を覚醒している状態に保とうと、毎瞬毎瞬努力することによって、人間を完全
なもの、つまり、エロヒムが創造されたままの私たちとして保つことができる
のです。
暝想と祈り
毎日少なくとも一回は、瞑想するように努めて下さい。瞑想、それは無限と
の関係において、エロヒムとの関係において、社会との関係において、そして
自分自身との関係において、自らを位置づけることです。無限の持つ潜在力を
は あく
しっかりと把握するため、あなたの全存在が無限を完全に意識できるように、
目覚めの時に瞑想して下さい。
毎回、食事の前にも瞑想します。食べる時に、体のすべてで食べるためです。
と
あなたが栄養分を摂る時、自分のしていることをよく考えて下さい。
無味乾燥な暝想であってはなりません。反対に、官能的な暝想にして下さい。
いやいや
それが喜びとなるまで平和と調和に満たされるのです。嫌々ながらの瞑想では
なく、喜びの瞑想をして下さい。気の進まない暝想をするくらいなら、やらな
186
第二部/第3章:鍵
い方がマシです。
子供たちや家族に暝想を強制しないように。暝想することの喜びや、瞑想か
ら得られる心身の充実感を彼らに説明し、彼らが暝想をしてみたいという気持
ちになった時に、あなたが知っていることを教えるようにして下さい。
1 日に一度は、私たちの創造者であるエロヒムについて強く考え、テレパシ
ーで彼らと交信するように努力して下さい。そうすることで、祈りの本来の意
しゅ
いの
※
味を再発見できるでしょう。どうすればよいのか分からない場合は「主の祈り」
とな
を唱えると良いでしょう。この祈りの言葉は、創造者たちとの交信には完全に
適したものです。
※編集部補足:「主の祈り」『マタイによる福音書』6 章 9 〜13節
てん
われ
ちち
天にまします我らの父よ、
ねが
み
な
あが
願わくは、御名が崇められますように。
み くに
き
御国が来ますように。
み こころ
ち
おこな
御意の天のごとく、地にも行われますように。
ひ
び
かて
きょう
あた
我らの日々の糧を今日もお与えください。
おいめ
もの
ゆる
我らに負債ある者を我らが免すように、
我らの負債をも免してください。
こころ
あ
あく
すく
だ
我らを試みに遇わせず、悪より救い出してください。
少なくとも 1 週間に一度は、エロヒムを信じるあなたの地区の人たちと一緒
に、グループでテレパシー交信をしてみて下さい。できればガイドと一緒に。
エロヒムと、彼らが最後の預言者にお与えになったメッセージを信じるすべ
ての人たちの集会に、毎年出席できるように最善の努力をして下さい。
エロヒムとのテレパシー交信の仕方
とな
ここに手本があります。空を見上げ、言葉の意味を強く考えながら唱えて下
さい。
エロヒム、あなたがたは星々の近く、そこにいらっしゃいます。
エロヒム、あなたがたはそこにいらっしゃいます。私は、あなたがたが私
たちを見守っておられることを知っています。
187
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
エロヒム、あなたがたはそこにいらっしゃいます。私はぜひ、あなたがた
にお目にかかりたいのです。
せんえつ
エロヒム、あなたがたはそこにいらっしゃいます。僭越ながら、あなたが
あたい
たとの交信に値することを望んでいる私がおります。
エロヒム、私は、あなたがたが創造者であることを知っています。私は、
つか
謙虚な気持ちであなたがたにお仕えいたします。
つか
エロヒム、私は、あなたがたが遣わされたクロード・ラエルを私の教導者
たく
と認め、彼を信じ、そして彼に託されたメッセージを信じます。
エロヒム、私はメッセージを周りの人々に知らせるために、最善の努力を
いたします。私はまだ、十分な働きをしておりませんから。
エロヒム、私はすべての人々を兄弟として愛します。彼らは、あなたがた
のお姿に似せて創られたのですから。
エロヒム、私は人々の心を無限に向けて開かせ、あなたがたが私に啓示さ
れた真実を人々に伝えて、彼らに幸福をもたらすよう努力いたします。
ささ
エロヒム、私は、私の全存在を私もその一部である人類に捧げ、彼らの苦
しみが無くなるよう努力いたします。
エロヒム、私は、人類が暗黒と苦悩から抜け出すことができるように、あ
い
なたがたが私にお与えになった心を、最大限に活かすよう努力いたします。
と
わず
エロヒム、私が生涯を終えるまでに成し遂げた僅かの行いにより、私にも
賢者の惑星で、永遠の生命が与えられる権利をお認め下さるよう、願ってお
ります。
すぐ
あなたがたが、人間の中で最も優れた者たちを、不死の人々の中に加えて
下さるほど人間を愛しておられるように、私もあなたがたを愛します。
芸 術
ひ
芸術家はできるだけ激励してあげて下さい。また、子供が芸術に惹かれてい
188
第二部/第3章:鍵
るようであれば、できるだけ援助してあげて下さい。芸術こそは、人を、無限
と最もよく調和させるものの 1 つだからです。自然のものはすべて芸術だと考
え、また芸術は、すべて自然のものであると考えて下さい。自分の周囲には、
芸術的なものをたくさん置くようにして下さい。耳に訴えるものでも、目に訴
か
えるものでも、触ったり、嗅いだり、味わったりするものでも良いのです。
かい が
感覚に訴えるものは、すべて芸術的なのです。音楽や絵画や彫刻、その他一
お
い
般に芸術と認められたものだけが芸術なのではありません。美味しい料理も香
水の調合と同様に、感覚に訴えるものだから芸術です。そして、何よりも愛は
芸術です。
あ
すべての芸術は調和を用いており、鑑賞する人を調和的な或るものに同化さ
せ、そのことが無限と調和する状態の中にその人を置いてくれるのです。
文学は、新しい地平線を示して、人の心を開いてくれるのに役立つものです
から、特に重要です。文学のための文学は単なる無駄話にすぎません。重要な
のは、美しい文章を組み立てることではなく、読むことにより、人に新しい考
え方を伝えることなのです。
うった
視聴覚的な手段はもっと重要です。それは視覚と聴覚に同時に訴えるものだ
からです。これは文学よりもっと完全なものですから、文学に代わることがで
きます。しかしながら、文学も当面のところは有用です。
官能暝想
無限との調和の高い境地に到達したいのであれば、官能暝想用の場所を準備
することです。そこには絵画、複製、壁掛け、ポスター、彫刻、デッサン、写
真などの、愛と無限と官能を表現した芸術作品を置きます。これは目を楽しま
せるためです。
そして、地面の近くに座れるコーナーを設けて、座布団を敷いても良いです
し、長椅子や毛皮の上に横になるのも良いでしょう。これは触覚を楽しむため
ただよ
です。嗅覚を楽しむためには、気持ちの良い香料を漂わせたり、聴覚を楽しむ
ためには、好きな音楽を録音したテープ・レコーダーを置くと良いでしょう。
味覚を楽しむためには、食べ物をいっぱいに載せた盆や、飲み物を入れた瓶
を置きます。好みに応じて、愛する人をひとりから数人招待します。愛する人
たちと一緒なら、気分も落ち着いて調和を感じるでしょう。そのようにして共
189
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
に感覚を養い、肉体を解放して、愛と友愛の中に心が開くようにします。
み わく
誰か肉体的な面であなたを魅惑する人がいて、相手も同じように感じている
ことが分かったら、その人をこの場所に招待します。一緒に最高の調和に達す
ることができるでしょう。それによって、あなたの五感を満足させるだけでな
きら
く、すべての喜びの総合、つまり完全な調和と、愛の行為の煌めきの中におけ
るふたりの肉体的結合をもたらし、あなたは無限に近づくことができます。
それにはまず、明らかに精神的な調和感が存在しなければなりません。つま
りふたりの心、従ってふたりの肉体が互いのやり方で相寄り、互いにじっと見
つめ合い、互いに引きつけられ合っていると感じるようでなければなりません。
精神的な愛情は、常に充実した肉体的愛情によって高められるものです。愛す
ることは、与えることであり、何の見返りも期待しないのです。あなたが誰か
を愛するなら、そして相手が望むなら、自分をそっくり相手に与えるべきです。
しっ と
決して嫉妬はしないように。嫉妬は、愛情とは相反するものだからです。誰
かを愛したのなら、全力を尽くして、その人の幸福を願わなければなりません。
まず何よりも、その人の幸福を、です。愛することは、あなた自身の幸福では
ひ
なく、相手の幸福を求めることです。愛する人があなた以外の人に惹かれたと
しても、嫉妬しないように。むしろその反対に、愛する人が幸福であれば、た
とえそれが他人のおかげではあっても、幸福に思って下さい。
あなたと同じように、あなたの愛する人に幸福をもたらそうと願っている人、
つまり、あなたと同じ目的を持っている人を、あなたも愛して下さい。嫉妬と
は、他人があなたの愛する人を、あなた以上に幸福にしてやれるのではないか、
そのために、愛する人を失うのではないかという恐怖心です。そうではなく、
お
愛する人を幸福にするためには、あらゆる努力を惜しんではならないのです。
他の人があなた以上に愛する人を幸福にできるのであれば、あなたはそのこと
を喜ぶべきです。重要なのは、自分のおかげで幸福になれるということではな
く、たとえそれが誰のおかげであろうとも、あなたの愛する人が幸福になるこ
とです。
ですから、あなたの愛する人が他の人といて幸せであるなら、その幸福を喜
んで下さい。あなたが他の人といて幸せであることを、否定することなくあな
たを愛する人の存在を認めて下さい。
それほどあなたを愛している人には、あなたは愛と幸せを与える義務があり
ます。そこに、普遍的な愛への道が開けるのです。
190
第二部/第3章:鍵
あなたを幸福にしようと願っている人を、拒否しないように。というのは、
その人を受け入れることによって、あなたはその人を幸福にすることができ、
それは愛の行為だからです。他の人があなたの幸福を喜んでくれるよう、あな
たも他の人の幸福を喜んであげて下さい。
人間の正義
ちゅうちょ
人間の法と創造者の法との間で、一瞬たりとも躊躇してはなりません。人間
さば
の裁判官といえども、いつかは創造者たちによって裁かれるのです。
人間の法も必要不可欠ですが、改善されなければなりません。人間の法は、
愛と友愛を考慮していないからです。
死刑は廃止されなければなりません。よく考え抜かれ組織化された方法で、
冷酷に他人を殺す権利は誰にもないからです。科学の力によってある人たちの
行う暴力を抑止し、その人たちの病気を治療することが可能になるまでは、犯
罪者は社会から隔離し、彼らに欠けている愛情を与えて、彼らの行為の残酷さ
つぐな
を理解させ、償いをしようという気持ちを起こさせるようにして下さい。
小さな罪を犯した人たちを、大罪人と同室にさせないように。大罪人は一種
の伝染病患者であり、小さな罪を犯した人たちが、この病気に感染しないよう
にします。犯罪者はすべて病人であることを、決して忘れてはなりません。犯
罪者は病人である、と常に考えて下さい。
ほっ さ
ある時代には、ヒステリーの発作を起こす人は、二枚の敷布団にはさまれて
ちっそく
窒息死させられたものです。今にして考えるとゾッとします。やがて犯罪とい
う病気が、治療だけでなく予防もできる日が訪れたら、昔は犯罪者は処刑され
たと聞いて、同じように人々はゾッとすることでしょう。
思わずあなたに害を与えた人は、許してあげて下さい。また、故意に害を与
うら
えた人をも恨まないように。その人たちは病人なのです。隣人に害を与えるよ
うな人は、病人に違いないからです。その上、他人に害を与える人は、とても
不幸な人だということを忘れないように。彼らには、エロヒムの楽園で永遠の
生命を得る権利はないのですから。
もし誰かが、あなたの愛する人や、あなたに害を加えようとする時は、それ
を抑止するようにします。もしそれができない場合は、あなたには、自分や愛
する人たちの生命を守る権利があります。しかし、正当防衛のためではあって
191
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
も、決して相手を殺すつもりで攻撃してはなりません。相手が害を加えられな
い状態にするのです。たとえば相手をノック・アウトするなど。殺すつもりで
そうしたのでなければ、もしあなたの加えた打撃が相手に致命傷を負わせたと
とが
せま
しても、自分を咎めることはありません。なぜなら、あなたは必要に迫られた
行動によって、乱暴者を取り押さえたからです。
がた
暴力というものは許し難いものであり、あなたは暴力を許してはなりません。
たとえ力によって乱暴者を取り押さえねばならなくなったとしても、乱暴では
いっさい
ない力、つまり害を与えるという意図が一切なく、暴力を振るう者を止めさせ
るという意図の、バランスの取れた力を行使すべきです。
うった
きょうはく
きび
暴力に訴えるぞという脅迫はすべて、実行に移された暴力と同じように厳し
く考えるべきです。暴力に訴えるぞという脅迫は、その暴力が実行可能だとい
う考えを抱くことであり、自己の目的を達成するための手段と見なすことです。
暴力を使うぞと、人を脅迫することのできる人間は、実際に乱暴を働いた人間
と同じように危険であり、そのような脅迫を口にする人間を医学的に治療する
ことが可能になるまでは、そのような人間は社会の外に隔離し、自分の振る舞
ひど
いが、いかに酷いものであるかを、理解させるようにすべきです。
や
人質事件が起こった場合は、この病んだ者たちの手に落ちていない、罪もな
い人たちの命を救うことを最優先に考えます。彼らの要求には応じてはなりま
せん。社会は、人質を取るような者に譲歩すべきではないのです。そのような
おど
しょうれい
脅しに屈することは、他の犯罪者たちに同じことを奨励し、その脅しが有効で
あることを示すようなものだからです。
人間はすべて、その人種が何であろうと、権利や機会において平等でなけれ
ばなりません。しかし、愚か者に対しては、その皮膚の色がどうであろうと、
しゅんべつ
愚か者として峻別しなければなりません。地球上のすべての民族は、エロヒム
によって創造されたものであり、平等に尊敬されなければなりません。
第一のメッセージで述べたように、地球上のあらゆる人々は、世界政府を樹
立するために団結するべきです。世界中の学童には、新しい世界語を課して下
さい。他に適当な言語がなければ、以前からあるエスペラント語でも良いので
す。
貨幣を廃止するまでは、各国の通貨に代わる世界通貨を創ります。これが通
貨危機の解決策となります。もし誰も他に良い制度を提案できないのなら、連
邦制度を採用することです。世界の国々から成る連邦を設立するのです。望み
192
第二部/第3章:鍵
の組織を作ることができる地域には、独立を許します。世界が国家から構成さ
れてはおらず、地球の運命の責任を取るべく、連邦となって結びついている各
区域から構成されていれば、世界は調和の中に生きるでしょう。
科 学
科学は、人類にとって最も重要なものです。科学者の手で成されたすべての
発見には、目を通しておくようにして下さい。それらの発見によって、あらゆ
る問題が解決できるのです。科学的発見を、利益を上げることしか考えない人
々や、ありもしない敵に対して当てにもならない優越を保持しようとして、あ
ゆだ
る種の発明を隠したがる軍人たちの手に委ねてはなりません。
科学を自分の宗教とするべきです。創造者エロヒムは、あなたがたを科学的
に創造したのですから。科学的になることで、あなたは創造者たちを喜ばすこ
とができます。というのは、あなたが彼らと同じように行動し、彼らの姿に似
せて創られたことを自覚していること、授けられた可能性を極め尽くそうと望
んでいることを、創造者たちに示すことになるからです。
つか
科学は、人類に仕え、人類を解放するために使用されるべきであり、人類を
あやつ
滅ぼし、不和にするために使用されてはなりません。経済的利害に操られてい
ない科学者だけを信頼するのです。
スポーツには参加しても良いです。スポーツは心の平静を保つのには大変良
いのです。特に、自制心を発達させるようなスポーツです。社会は、激しい、
それもとても乱暴なスポーツを公認すべきです。それらのスポーツが安全弁な
とど
のです。進歩して非暴力化した社会には、暴力の残像を留める暴力的なスポー
ツが必要なのです。そのようなスポーツによって、暴力を好む若者たちは、同
たたか
じく暴力を好む他の若者たちと激烈に闘うことができますし、またある人々は、
激闘のイベントを観覧して、自分たちの攻撃的なエネルギーを発散させること
ができるのです。
頭の働きや、熟考を必要とするゲームに参加するのも良いことです。しかし、
貨幣が廃止されない限りは、金儲けのためのプレーは決してしないように。む
しろ、頭脳を働かせる楽しみのためにプレーをするのです。
文章を書く際は、1946年を、最後の預言者クロード・ラエル紀元の元年とし
て、日付けを記入して下さい。したがって 1976 年は、クロード・ラエル 3 1 年
193
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
みずがめ
となります。あるいは水瓶座時代の31年、またはアポカリプス時代の3 1 年、ま
たは黄金時代の 3 1 年となります。
人間の頭脳
人間の頭脳の可能性については、まだまだ十分には知られていません。第六
感、つまり直感は、若い子供の頃から発達させるべきです。これが、私たちが
テレパシーと呼んでいるものです。テレパシーにより、創造者なるエロヒムと
直接交信することが可能になります。
もと
な
大勢の霊媒師たちが、私の許へ何を為すべきかを求めて会いに来ました。彼
つな
らは、私を助け、私から啓発されるために、私と繋がりを持つように命ずる、
彼らが〝あの世〟と呼んでいるものからのメッセージを受け取ったからです。
霊媒師は水準以上のテレパシー能力に恵まれ、その頭脳は覚醒への道を歩み
始めているので、極めて重要な存在です。彼らは、自分の持つ可能性を十分に
発揮するよう暝想の努力をすべきです。
私クロード・ラエルは、私と連絡を取るようにとの指示を受けたすべての霊
媒師たちが、そうすることを首を長くして待っているのです。そうすれば、定
期的に集会を開くことができるようになります。知ることを求める真の霊媒師
たちはすべて、指示を受け取ることでしょう。ひとりの頭脳の力も偉大ですが、
数人の頭脳の力は無限です。聞く耳を持つ人は聞くでしょう。
あなたに理解のできないこと、科学者にも説明のつかないことは、すべてエ
な
たま
わざ
ロヒムの為し給える業であることを、決して忘れてはなりません。時計屋は、
自分の作った時計の仕組みのすべてを、よく知っているのですから。
アポカリプス
アポカリプス──文字通り真実の啓示の時代──が、預言通りに到来したこ
にせ
とを忘れてはなりません。そしてその時代が到来すると、大勢の偽預言者たち
い
が現れると云われています。今がその時であることを知るには、周囲を見回す
あふ
だけで十分です。偽預言者とは、新聞などに溢れている占星図などを書く人た
ちのことであり、そして古書、つまり古代の未開人のためにエロヒムがお与え
ご しょう
とうしゅう
になったメッセージを、 一字一句、後生 大事に踏襲 し、科学の恩恵を拒否す
194
第二部/第3章:鍵
る人たちのことです。
そのような偽預言者たちは、心の狭い原始人たちが古代から恐る恐る複写し
てきた記録を信じることを好み、空から飛来したというだけで神々と思い込ん
だ人々の言葉に耳を傾けます。空から飛来するすべてのものに、今やもうバカ
ひざまず
みたいに 跪 くことはない人たちのために与えられたエロヒムのメッセージを
信じる代わりに、偽預言者たちは古代の記録を信じているのです。
現代の人たちは宇宙を理解しようとしており、大人として位置づけることが
もう まい
できます。しかし、周囲を見回してみて下さい。狂信的で蒙昧主義的な多くの
う
宗教・宗派があるでしょう。真理に飢えた感じやすい若者たちにとっては、そ
み わく
れらは魅惑的な存在です。
ある哲学者が言っています。「イエスは道を示すためにおいでになったが、
人々はイエスの指先だけを見つめていた」
。この言葉の意味をよく考えてみまし
ょう。重要なのはメッセンジャーではなく、メッセージを送った人であり、メ
ッセージそのものなのです。
ひ
東洋の宗派に惹かれて道を踏み誤ってはなりません。真理は、ヒマラヤの頂
上に存在するのでもなければ、ペルーやその他の場所に存在するのでもなく、
あなた自身の中にこそ存在するのです。
しかし、異国的なものが好きで、旅行をしたいと思うのであれば、それら遠
つい
くの国々のすべてに行って見るのもよいでしょう。そうすれば無駄に時間を費
あ
やしたことや、求めていたものがあなた自身の中に在ったことを、行ったあと
で理解することができるでしょう。
自分自身の内面を旅行することです。そうしないとあなたは、自身の中に真
理を見いだそうとしている他人を見つめるだけで真理を発見できると考えてい
る、ただの旅行者にすぎなくなってしまいます。その人たちは恐らく真理を発
見できるでしょうが、その人たちを見つめているだけの人は、真理を見いだせ
ないのです。それに、自分自身の内面を旅行するだけなら、飛行機に乗る必要
もありません。
英知と精神の覚醒の面では、東洋は西洋に教えるものを何ひとつ持っていま
せん。むしろ、その反対です。
〝聖なる牛〟の群れが通り過ぎるのを見ながら餓
死する人々から、英知を見いだすことがどうしてあり得ましょうか? その逆で、原始的で多くの人命を奪う信仰に閉じ込められた人々を、その精
神と科学とで助け出すのは西洋です。西洋が、第三世界の人々と同じような問
195
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
題に直面せずに済んだのは偶然ではありません。精神が支配しているところに
う
は、肉体の飢えは存在しないのです。
もうまい
蒙昧主義が支配しているところでは、肉体は生き続けることができません。
き
が
原始的な人々が世界の飢餓の問題を解決し、飢えた人々に食物を与えることが
できるでしょうか? 現状では、彼らは自分たちの食物を入手するだけで精一
杯なのです。そんなところに、英知を見いだすことが期待できるでしょうか?
地球上の人類はすべて、最初は同じチャンスを与えられていました。そして、
ある人たちは問題を解決して必要以上のものを作り出しましたが、ある人たち
は、生き残るための手段さえも見いだせてはいないのです。あなたの見解では、
どちらがどちらを助けることができると考えますか?
西洋の人々も、広い心を持つようになるには、まだ遠い道を歩まなければな
と
りませんが、東洋人は、西洋人の成し得たことの10 分の 1 もまだ、成し遂げて
はいないのです。
テレパシー交信
「精神と物質は永遠に同じものである」 チベットの死者の書『バルド・トドゥル』の
言葉。
もしあなたが、高度なテレパシー能力を獲得したければ、髪やヒゲは切らな
そ
いようにして下さい。ある人々は頭の毛を剃っていても、十分に発達したテレ
めぐ
パシー器官を持っていますが、好機会に巡り会いたければ、創造者があなたの
は
頭や顔にお生やしになったものを、切ってしまわないことです。それらが生え
るには理由があるのです。人間の肉体的な特徴のうち、無意味に与えられたも
うやま
のは何ひとつとしてないからです。創造物を尊重することは、創造者を敬うこ
とになります。
創造者たちと交信するのに最も良いのは目覚めの時です。肉体が目覚める時
には精神も目覚めるからです。するとメカニズムも動き始めます。このメカニ
ズムは覚醒のメカニズムであり、あなたは、周囲の万物と無限に対して最大限
に自分を開くことで、このメカニズムを活発に作動させなければなりません。
そして、このやり方を停止させないように気をつけて下さい。
あお
足を組んで座ります。もっと良いのは仰向けに横になることです。できれば
196
第二部/第3章:鍵
地面に、そしてできれば、屋外に出て空を見上げるのです。
精神というのは、バラの花のようなものです。それは朝、開き始めますが、
つぼみ
つ
いつも蕾のうちにそれを摘み取ってしまうのです。もう少し待ってやれば、花
が開くというのに。肉体の健康を保つように心がけるのは良いことですが、精
神の健康を保つように心がけるのは、もっと良いことです。
よ
すぐに好い結果が得られないからといって、短気を起こさないようにして下
い しゅく
さい。器官は使用しないと萎縮します。長い間ギプスをはめていた手足は、平
常のように動くようになるまでには、長期のリハビリテーションを必要とする
ものです。
空を見上げて、周囲の万物と自分との関係について考えてみることです。ま
す
ずは、住まいとの関係について考えてみます。あなたと同時に目覚めようとし
ているすべての人にとって、家は、石の壁と壁との間の小さな点にすぎません。
つ
これから眠りに就こうとしている、地球の向こう側の人たちとの関係について
も考えてみます。生まれようとしている人たち、肉体的結合を行っている人た
ち、働いている人たち、苦しんでいる人たちについて。そしてあなたが目覚め
ようとしている時、一方で死んでいく人たちとの関係も考えてみます。彼らの
ことをすべて考え、自分の今いる状況に位置づけてみるのです。
無限に大きなものとの関係においても、自分を位置づけます。あなたが居る
町のことを考えます。それは、あなたが住んでいる国、大陸、あるいは島とい
ったさらに大きな広がりの中では、点にしかすぎません。それから、地面から
段々と離れて行く飛行機に乗ったように、町も、続いて大陸も、小さな点にす
ぎなくなるまで、心の中で飛び上がってみます。
自分が地球の上にいるのだということを意識します。地球は小さな球ですが、
その上では、人類は寄生虫にすぎません。あなたはその地球が回転していると
は感じませんが、地球は回転しているのです。地球に関して、そして地球の周
囲を公転している月に関して、太陽の周囲を公転している地球に関して、さら
に自転しながら銀河系の中心の周囲を公転する太陽に関して、そして、それ自
体が太陽であり、その周りに無限の数の他の存在が住む惑星を持つ星々と、自
分との関係について考えてみましょう。
それらの惑星の中に、私たちの創造者エロヒムの惑星があり、永遠の生命を
持った人たちの惑星があり、あなたもいつの日にか、そこに永遠に住むことが
許されるでしょう。
197
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
私たちよりずっと進歩したその他の生命体や、まだまだ私たちよりも原始的
な生命体の住む惑星に関して、ある宇宙の中心をそれ自体が回転する無数の星
雲に関して、最後に、私たちのすべての宇宙と自分との関係について位置づけ
てみます。これらの宇宙は、それ自体が、「他の惑星には生命が存在するのだ
ろうか……」などと空を見上げながら考えている誰かの、おそらく腕の中にあ
る分子の中の原子なのです。これは、無限に大きいものとの関係です。
次にあなたの肉体、それを形成するすべての器官、その器官を形づくってい
るすべての組織に関して自分を位置づけます。あなたがそれを意識してもいな
いのに、この現在も働いているすべての器官のことを考えます。
命ぜられたわけでもないのに、今この瞬間にも脈を打ち続けている心臓、体
内を循環して各部に栄養を与えている血液、熟考すること、そのことを意識す
るのを可能にしてくれる脳、血液を構成するすべての血球、あなたの体内で生
まれつつあるすべての細胞、それらは喜びを感じつつ増えては、あなたが知ら
ぬ間に死んでいっています。これらのすべての細胞は、おそらく自分たちがあ
なたという人間を構成していることを、意識すらしていないでしょう。
これらの細胞を形づくるあらゆる分子、その分子を構成している原子、それ
は、銀河系の中心の周囲を公転する太陽のように回転しています。これらの原
子を構成している微粒子、そして「他の惑星には生命が存在するのだろうか…
…」などと自分に質問している存在が、その上に生きている微粒子の中の微粒
子について考えてみるのです。これは、無限に小さいものとの関係です。
上にあるものに対しても、下にあるものに対しても愛を放射し、自分も無限
の一部であることを意識することで、無限に大きいものとも無限に小さいもの
とも調和するのです。そして、創造者エロヒムに会いたいこと、いつの日か彼
はい
むく
らの仲間に入れてもらいたいこと、選ばれた人たちの仲間に入れるという報い
を得るだけの力を持ちたいことを、私たちの創造者エロヒムへ伝えるよう愛の
メッセージを念じて下さい。そうすれば、あなたは身が軽くなったように感じ、
一日中、全力を尽くして、周囲に善を行う準備ができたという気分になります。
無限と調和したからです。
これらの行為は、昼間に官能暝想の部屋で行っても良いのです。ひとりでも
良いし、他の人と一緒でも良いのです。しかし、無限との完全な調和に最も近
づく瞬間は、誰か愛する人と官能瞑想の部屋で行う時であり、その人と肉体的
そろ
に結合しながら、ふたり揃って、無限との調和の中に自らを置く時です。
198
第二部/第3章:鍵
空に星が満ちて、心地よく暖かい夕べには、地上に横たわって、エロヒムを
なが
心に強く念じながら星を眺め、いつの日か彼らの中に入れてもらうことができ
るよう祈って下さい。そして、彼らがなぜこのようなことを自分に求めるのか
がよく分からなくても、彼らの求めることならば、いつでもその通りに実行す
る用意ができていることを強く考えながら、星を眺めて下さい。用意が十分に
しるし
できていれば、おそらく、何らかの徴を見ることでしょう。
あお
仰向けになってそこに横たわっている間に、知覚器官というものがどの程度
まで制限されているのかを考えます。そうすることで、無限を考えようとする
あ
時に感じる困難さとは何なのかが分かるでしょう。あなたを、或る力が地上に
押さえつけ、たとえ飛び上がろうとしても星々へ飛んで行くことはできません。
つな
つな
かといって、あなたを繋ぎ止めている綱があるわけでもありません。
何百万という人々が、何千ものラジオ放送局に耳を傾けていて、何百種類に
のぼ
も上るテレビ番組に見入っています。しかしあなたは、大気中に発信されてい
ら
るこれらの無数の電波を、見ることもできなければ聞くこともできません。羅
しん ぎ
針儀の指針はみな北を指しますが、その針を引きつける力を見ることも聞くこ
ともできないのです。
繰り返しますが、知覚器官は極めて制限されており、宇宙と同様にエネルギ
ーも無限なのです。まだあなたが受け取ることのできない、またそれが存在す
ることすら感知できないこれらの波動をキャッチできるよう、自らを目覚めさ
せ、あなたの内部にある器官を呼び覚ますのです。単純なハトでさえ北の方角
を知ることができるのに、なぜ人間であるあなたには、それができないのです
か。ちょっと考えてみて下さい。
これらのことは、子供たちにも教えてあげるのです。彼らの器官は発達の途
上にあり、こうすることによって〝新しい人間〟が生まれてくるのです。そう
はる
すぐ
すれば、彼らの能力は現在の人間のそれよりも、遥かに優れたものとなるでし
ょう。
成長期に歩行を修得しなかった人は、大人になってから、いつも身体の自由
き
あと
が利かない人になってしまいます。後から習うことができたとしても、彼が大
変な能力を備えていたとしても、その人は常に身体の自由が利かない人となる
でしょう。子供の全能力が花と開くように、彼らの心を開かせなければならな
か わいそう
いのは、成長期においてです。彼らは、可哀相な心の狭い原始人である私たち
とは、まったく違った新しい人間となるのです。
199
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
む く
報 い
本書を、私たちの創造者たちであるエロヒムを認め、彼らを愛する人たちの
指針として下さい。エロヒムを信じ、祈りの本来の意味を再発見して、テレパ
シーで彼らと交信することを忘れない人たち。隣人に善を行う人たち。私や、
私以前の人たちに啓示されたことを信じる人たち。科学的な再生が真実である
ゆえ
と確信する人たち。あなたがたには、人生における指針と目的があり、それ故
に幸福です。
覚醒していない人々に対しては、このエロヒムのメッセージの話をしても意
味がありません。眠っている人は聞くこともできないし、心というものは即座
に目覚めることはできず、本人がその眠りをとても快いと感じているときは、
特にそうなのです。
しかし、あなたの周囲で同胞のためになることを行っている人たち、特にエ
く
し
ロヒムから授かった頭脳を駆使して、人間から食糧不足の心配や、病気や、日々
ろうえき
の労役などを軽減してやり、開花する余裕を持てるようにしてあげる人たち、
そういう人たちにこのメッセージを広めて下さい。不死の人たちが住む惑星の、
わ
その
こんこんと湧き出る泉の園が彼らのために用意されています。
他人に害を与えはしないが善を行うこともしない、というのでは不十分です。
どちらともつかない一生を送った人は、どちらともつかない報いを受けます。
ということは、その人は再生されることはありません。悪いことをしなかった
つぐな
よ
のですから、罪を償う必要もない代わりに、善いこともしなかったのですから、
むく
良い報いを受けることもないのです。
人生の一時期に大勢の人々を苦しめ、その後、自分の悪い行為と同じくらい
の善行をして罪を償った人も、どっちつかずの人と同じ結果になります。永遠
の生命を与えられた人たちの惑星で科学的に再生される資格を得るためには、
死の時にあたり、明確に肯定的な評価が得られなければなりません。
すぐ
自分の周囲の人々に対して、小さな善を行っただけで満足することは、優れ
た知性や財産を持たない人の場合はそれで十分ですが、とても知性が優れてい
る人、または資産のある人の場合は十分ではありません。特に知性の優れた人
たちは、エロヒムから与えられた頭脳を駆使して人々の生活条件を改善する新
しい技術を考え出し、人々に幸福をもたらす義務があるのです。
200
第二部/第3章:鍵
エロヒムの惑星で科学的に再生される資格を与えられた人たちは、永遠に、
その世界で生きることになります。何の努力もすることなしに食べ物が運ばれ
て来て、そこでは、科学的に創造された驚くほど美しい男女のパートナーたち
が、楽しみを味わうためだけの生活を送っています。彼らは永遠にそこに住み、
したいことをして、ただ自己の開花だけを求めて生きているのです。他人を苦
しめた人々も再生されますが、永遠の生命を与えられた人たちの楽しみと、同
じくらいの深さの苦しみが与えられます。
科学と古代の宗教が完全に一致しようとしている時代に、人々はなぜ、これ
ちり
らのことを信じることができないのでしょうか? 人間は、物質、塵にすぎな
かったのですが、エロヒムは自分たちの姿に似せて、物質を支配できる者とし
てあなたがたを創造したのです。人間はもういちど、物質、塵に戻り、そして
エロヒムは、人間を科学的に創造したように、あなたがたに再び生命を与える
のです。
エロヒムは、過去において自分たちの上に起こったことと同じことをしてい
るのに気づかないまま、最初の人間たちを創造したのです。あまり興味もない
ままに、自分たちは科学実験をしているにすぎないと考えていたのです。第 1
回目に、ほとんどすべての人類を滅ぼしてしまったのも、そのためです。
しかしエロヒムは、自分たちも人間と同様に創造されたものだということに
気づいて、人間を我が子のように愛するようになり、もう二度と、人間たちを
滅ぼすようなことはしないと誓ったのです。そして、人間の暴力は人間自身で
克服するように任せたのです。
人類全体に対しては、エロヒムは賛成であれ反対であれ、直接的な干渉はし
かな
ふ きょう
ませんが、一方で、彼らの意に適う行動か、あるいは彼らの不興を買う行動を
取った個人に対しては働きかけます。真実でもないのに彼らに会ったとか、メ
ッセージを受けたとか言い触らす人たちは、わざわいです。彼らの一生は地獄
うそ
となり、あらゆる苦悩に直面して、嘘をついたことを後悔することになるでし
ょう。
すいこう
最高ガイドに敵対して、彼が使命を遂行するのを妨害しようとしたり、彼に
ま
ついて回って、彼に従う人たちの間に不和の種を蒔こうとする人も、同じよう
むく
にその一生は地獄となり、報いを思い知ることになります。天の報いというこ
とにも気づかぬまま、病気や家庭での、職場での、恋人との間での、そしてそ
の他の心配事などが、永遠の罰を受ける前から、彼らの上に降りかかることで
201
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しょう。
この書を読んで笑うような人々は、もしイエスの時代に生まれていたら、彼
を十字架にかけた者たちの仲間となっていたことでしょう。それなのに、その
ような人々も、自分たちの家族がイエスの像の下で生まれ、結婚し、死んでい
くことを望むとは。それが、現代の道徳や習慣の一部だからとでもいうのでし
ょうか。彼らは、この書を信じる人たちを見て皮肉な微笑を浮かべ、そのよう
な人たちはしばらく精神病院で過ごす必要があるなどと言い、最初のキリスト
え じき
なが
教徒たちがライオンの餌食となるのを眺めて喜んでいた連中と、同じ行動を取
るのです。
現在では、人を不安にするような考えを持っていても、十字架にかけられた
や ばん
り、野獣の餌食にされたりすることはありません。あまりにも野蛮なことです
から。ところが、その代わりに彼らは精神病院に入れられるのです。2 0 0 0 年前
にも精神病院があったならば、イエスやその信者たちはきっと、それらの施設
に閉じ込められてしまったことでしょう。永遠の生命を信じる人たちについて
は、愛する人を失った時になぜ涙を流すのか、彼らに聞いてみるとよいです。
み わざ
エロヒムの御業を科学的に理解することができなかった時代においては、触
知することのできない「神」というものを人類が信じていても、無理もないこ
とでした。しかし、科学を通じて人類が、物質の無限大と無限小をも理解した
今となっては、原始的な祖先が信じた「神」を信じる権利は失われてしまった
い
か
のです。創造者なるエロヒムは、生命が如何にして創り出されるかを理解でき、
またそのことと古代の文献とを比較することのできる人々から、認めてもらう
ことを望んでおられるのです。それらの人々は、永遠の生命への権利が得られ
るでしょう。
キリスト教徒よ! あなたがたは、イエスが再臨することを何百回となく読
んだことでしょうが、もしイエスが再びこの世に現れたなら、彼を精神病院に
入れてしまうことでしょう。さあ、目を開くのです。
イスラエルの子らよ! あなたがたは、今でも自分たちのメシアを待ち望ん
でいますが、それなのにドアを開こうとはしていません。
きょうもん
仏教徒よ! 経文によれば、新しいブッダが西方にお生まれになるというこ
ちょうこう
とです。予告された徴候を認めるのです。
あやま
イスラム教徒よ! ユダヤ人は預言者たちを殺害するという過ちを犯し、キ
すうはい
リスト教徒は、預言者をお送りになった人たちよりも、預言者を崇拝するとい
202
第二部/第3章:鍵
う過ちを犯したと、マホメットはあなたがたに告げました。最後の預言者を迎
え入れ、彼をお送りになった方々を愛するのです。
エロヒムを創造者と認めるなら、彼らを愛し喜んで迎えようとするなら、全
あ
な
能力を挙げて他人に善を為そうとするなら、テレパシーによってあなたが創造
者たちを愛していることを知って頂くよう常に心の中で念じているなら、最高
ガイドが使命を果たすのを助けようとするなら、あなたは必ずや、永遠の生命
を与えられた人々の住む惑星で、科学的に再生される資格を与えられることで
しょう。
人類が月に到達するのに十分なエネルギーを発見するに至った時、それは、
地球上の全生命を滅ぼしてしまうのに十分なエネルギーをも、同時に所有した
のです。
み じん
さ
時は近づき、月は微塵に裂かれた。『コーラン』54章 1 節
今や人類は、いつ自分たちを全滅させてしまうかもわかりません。ただ、最
後の預言者に従う人たちだけが、破壊から救われることでしょう。
古代においても、人々はノアを信じず、彼が破壊に備えているのを見て彼を
ちょうしょう
嘲笑しました。しかし最後に笑ったのは、ノアを信じた人たちではなかったで
しょうか。エロヒムがソドムとゴモラの人々に、後ろを振り返らずに町を立ち
去りなさいとお命じになった時も、ある人たちはその言葉を信じずに滅びてし
まいました。
今や人類は、自分の手で地球上の全生命を滅ぼしてしまいそうな時代に突入
したのです。エロヒムを創造者と認める人たちだけが、滅亡から救われること
になるでしょう。本書をまだ全く信じていない人たちも、その時が来れば、書
かれてあることをもう一度、思い出すことになるでしょう。しかし、それでは
遅過ぎるのです。
大破局が到来したとき──人類が現在のような振る舞いを続ける限り、その
可能性は大きく、しかもそれは、近い将来に起こるかもしれない──に、人々
ふた て
は二手に分かれることでしょう。創造者たちを信じず、最後の預言者に従わな
い人たちと、目と耳を開き、ずっと以前に告げられた言葉を認める人たちとに。
前者の人たちは、最後の審判のるつぼの中で、破滅の苦しみに耐えることに
なるでしょう。後者の人たちは守られて、最高ガイドと共に、永遠の生命を与
えられた人々の住む惑星に連れて行かれるのです。そこで彼らは、古代の賢者
203
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
たちと共に、開花と悦楽の素晴らしい生活を送ることになります。彼らには、
彫刻のように見事な身体をした召使いが付けられ、自分の望みのままに、見た
し たい
お
い
こともないほど美しい魅力的な肢体の男女と共に、召使いたちが運ぶ美味しい
食事を楽しむのです。
ね どこ
(彼らは金銀宝玉を)ちりばめた寝床の上に、向かい合ってそれに寄りかかる。
めぐ
永遠の(清新を保つ)少年たちが彼らの間を巡り、台付きの杯や水差し、清浄
ささ
あとさわ
でいすい
な飲物の満たされたコップを捧げる。彼らはそれで後障りを残さず、泥酔す
くだもの
ることもなく、また果物は少年たちの運ぶに任せ、種々の鳥の肉は彼らの好
まな ざ
しんじゅ
みのまま、大きい輝やく眼差しの美しい配偶、ちょうど秘蔵の真珠のよう。
おこな
ほうしょう
彼らが行ったことに対する報奨である。『コーラン』56章15〜24節
ここに書かれたことをすべて信じる人は、最高ガイドから、どこかに集まる
ようにと招集がかけられた時は、すべてを投げ出して来るのです。彼が、世の
終わりについての情報を入手したかもしれないからです。その時にあなたが彼
そば
の側にいれば、あなたは救われ、彼と共に、苦しみから離れた所へと連れ去ら
れるのです。
信じる人は、エロヒムの言葉や行動を、勝手に判断したりしてはなりません。
さば
創造された者が創造者を裁く権利はないのです。私たちの預言者を尊敬し、そ
の行動や言葉を自分で判断したりしてはなりません。私たちは彼の耳を通じて
聞き、彼の目を通じて見、彼の口を通じて話すのですから。預言者を尊敬しな
いことは、彼をお送りになった方、すなわち創造者たちを尊敬しないことにな
るのです。
エロヒムから授かったメッセージと、それに完全に従った人たちは正しかっ
もうまい
たのですが、そのメッセージに基づく蒙昧主義の影響を強く受けた人たちを利
用して作り上げられた制度が、間違っていたのです。教会は今や消滅しようと
していますが、それは全く当然の成り行きです。
教会の人たちですが、目を開いた人たちは、最後の預言者と共に、彼に託さ
れたメッセージを、彼が世界中に広めるのを助けて下さい。最後の預言者は、
腕を広げて、彼らを迎え入れることでしょう。そして彼らは、それまで信じて
とど
来た存在の使者として留まりながら、完全に開花することができるでしょう。
つか
しかし今度こそは、エロヒムが人間を創造されたとき、またイエスを遣わされ
み わざ
たとき、そのエロヒムの御業が何であったのかを、彼らが本当に理解した上で
204
第二部/第3章:鍵
のことです。
あか
よこしま
彼らは、10 0 0 年余りの垢にまみれた犯罪と、邪 な宗教裁判に包まれた教会が
そくばく
と
彼らに押しつける束縛から解放されて、真の開花を遂げることができるでしょ
う。今こそ彼らは、やらなければならないことを行うことができるのです。と
いうことは、創造者たちがお与えになった器官を活用することです。創造者た
ちは、自分たちが与えた器官を人が使用しないことを好まれないからです。
彼らは今や、その五感を十分に楽しむことができるのです。罪の意識を感ず
ることなく、誰でも好きな人たちと肉体的に結合することができるのです。そ
つか
れが永遠のものであっても、また束の間のものであっても。罪の意識を感じな
ければならないのは、創造者たちがお与えになった器官を十分に活用しないこ
とに対してであるからです。そうすれば、彼らは人を眠らせる者ではなく、本
当に人の心を開く者となることでしょう!
今や神学校の生徒というのは、もうほとんどいない状態です。しかし、自分
の周りに愛を広めて人々の心を開かせようと、使命を感じている何人かの不幸
な人たちは存在します。50年前には 5 万人の神学校の生徒がいました。しかし
今は 5 0 0人しかいません。つまり、少なくとも 4 万 9 5 0 0人の不幸な人たちが存
在するということです。彼らは、光り輝くための可能性を秘めています。私た
ちの創造者たちは、彼らがそうした力を使うようにと、彼らにその力を与えて
ひ
いるのです。しかし彼らは、この罪と闇に包まれた教会には惹かれるところが
ないのです。
この 4 万 9 5 0 0人の中のひとりであり、光り輝き、あなたの同胞たちのために
何かをしたいと感じているあなた。あなたの創造者たちとイエスに忠実であり
たいと願うあなた。互いに愛し合い、あなたの創造者たちである「天にましま
たっと
す父」を尊びますと言ったあなた。このメッセージは真実を語っていると感じ
ているあなた。そういうあなたは、私たちと共に歩んでガイドになるのです。
ということは、モーセ、エリヤ、イエスの伝統に従って、自分をエロヒムに
ささ
捧げる人になるということであり、しかも、普通の生活をしながら、つまり、
あなたの創造者たちがあなたに与えられたすべての感覚を楽しみながら、完全
みずか
に開花して、エロヒムのメッセージを広めることに自らを捧げる人になるので
す。
現在、教会の関係者であるあなた。その服の色と同じくらいに悲しく、その
服の下で犯された多くの罪の色をしたその服を脱ぎ捨て、私たちの元へ来て、
205
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
人類を普遍的な平和と愛に導くガイドとなるのです。
未開人によって建てられた記念建造物でしかない教会や、木や金属のかけら
おが
などの、価値の無いものを拝むような聖堂から立ち去るのです。エロヒムは、
自分たちが愛されていると感じるのに、あらゆる町に建てられた聖堂などは必
要としていないのです。彼らには、人々が彼らとテレパシーで交信しようと努
こも
力し、その結果、暗くて神秘的な石の建造物の中に立て籠ることなく、無限に
向けて自己を開き、祈りの本来の意味を見いだすだけで十分なのです。
偽善と神秘主義は、もう十分すぎるほど続いてきました。真のメッセージを
ぜいたく
土台にして、不当な贅沢に酔いしれ、目的達成のために民衆の恐怖心を利用し、
これらのメッセージを食いものにして太ろうとする団体が、数多く設立された
のです。これらのメッセージを伝えるという名目で、戦争を引き起こす者さえ
現れたのです。何という恥知らずな!
たくわ
貧乏人のお金で、経済的な力を蓄 えようとしたのです。何という恥知らず
な!
隣人を愛せよという教えが、武器を手にして説かれているのです。何という
恥知らずな!
独裁者を支持しながら、人間の平等を説くことも。何という恥知らずな!
あ
とな
「神は我らと共に在り」と唱えながら、同胞が殺し合う戦争に人々を送り出す
とは。何という恥知らずな!
はず
その人たちは、福音書にこう書いてあることを、何度も読んだ筈です。
また、地上の誰をも、父と呼んではならない。あなたがたの父はただひと
いま
り、すなわち、天に在す父である。『マタイによる福音書』23章 9 節
げい か
すう き きょう
それなのに、たっぷりと自分のことを〝神父様〟だの、〝猊下〟(訳注:枢機卿
の尊称)だのと呼ばせています。何という恥知らずな!
はず
また、その人たちは、別の文章をも繰り返して読んだ筈です。
ぜに
財布の中に金、銀または銭を入れて行くな。旅行のための袋も、二枚目の
くつ
つえ
下着も、靴も、杖も持って行くな。『マタイによる福音書』10章 9・10節
おぼ
それなのに、バチカンは贅沢に溺れているのです。何という恥知らずな!
ローマ法王は、不幸な人々を助けるためにバチカンの全財産を売らなければ、
永遠の生命の人たちの惑星で、正しい人たちの中に入ることは許されないでし
206
第二部/第3章:鍵
ょう。なぜなら、真実であるメッセージを利用したり、人々の誕生や結婚や死
ぎ せい
を悪用して、貧乏人を犠牲にして得た贅沢に溺れるなどということは、恥ずべ
きことだからです。
あやま
しかし、もしもこれらのことがすべて変わり、自らの過ちを理解できずにこ
く
の途方もない組織の一部を成していた人々が、そこを離れて過ちを悔いるなら
ゆる
ば、その人たちは赦されて、永遠に生きる権利を持つことができるでしょう。
というのは、私たちの創造者エロヒムは、彼らの子供たちである私たちを愛し、
自分の過ちを心から悔いる人はお赦しになるからです。
教会はもう、その存在理由を失いました。なぜなら教会は、アポカリプスの
時代に備えてイエスのメッセージを伝えるのが役目だったのですが、もうその
時代は到来したからです。また教会はメッセージを伝えるのに、教会自身にと
って恥となるような方法を使ったからです。教会がその使命を果たし終えた今、
その罪は非難され、血にまみれた教会の衣をいまだに着ている者は、罪ある者
たちの側へ行くことになるでしょう。
眠っている人たちよ、目覚めるのです!
これらすべてのことは、物語ではな
いのです。古代の預言者たちのすべての書を読み直し、最近の科学的発見──
特に生物学上の──をよく読んで調べ、そして空を見上げて下さい。
しるし
予告された徴が、そこにあるではないですか! 「空飛ぶ円盤」と呼ばれるU
FO(未確認飛行物体)が毎日のように現れています。「空に徴が現れるであろ
はる
しる
う」とは、遥か昔より書き記されていることです。
これらのことを調べ尽くした今、そこから結論を引き出すのです。そして目
覚めるのです。クロード・ラエルは存在しています。彼は生きています。彼は、
モーセやエゼキエルやエリヤ、イエス、マホメット、ブッダなどが述べたこと
は書いていません。彼は生物学者でもありません。しかし彼は、一連の預言者
の最後の人であり、アポカリプス──つまり、すべてのことが科学的に理解さ
れる時代の預言者なのです。
彼は、今まさに、あなたの中で生きています。彼と同時代に生きるひとりと
して、あなたはとても幸運なのです。それは、あなたが彼の教えを受けること
ができるからです。目覚めて下さい! 奮起して出発するのです。行って彼に
会い、彼を助けるのです。彼はあなたを必要としているのです。
あなたは、宗教の中の宗教、最後の宗教の先駆者のひとりとなり、どんなこ
とが起きようとも、心正しい人の間に永遠の座を占めることになります。そし
207
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
て、あなたのすべての望みに従う、信じられないほど美しい存在と一緒に、永
遠の生命の人たちの惑星の楽しみを味わうことができるのです。
ガイド
あなたは、最高ガイドに従って下さい。というのも彼は、
〝天空の私たちの
父〟であり創造者たちであるエロヒムの大使だからです。あなたは、この本の
中で与えられているあらゆる助言に従って下さい。なぜなら、それは私たちの
大使、預言者たちの中の最後のひとり、羊飼いたちの中の羊飼いである、クロ
ード・ラエルの口を通して伝えられた創造者たちからの助言であるからです。
そしてあなたは、宗教の宗教を築くために彼を助けるのです。
ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒、仏教徒、そして他の宗教を信じ
ているあなた。目と耳を開き、聖なる書をもう一度読んで下さい。そうすれば、
この本が最後のもので、あなた自身の預言者が告げているものであることが分
かるでしょう。そして、私たちと一緒になり、私たちの創造者たちがやって来
るための準備をするのです。
最高ガイドに手紙を出して下さい。そうすれば、あなたと同じようなラエリ
アンたち、つまりクロード・ラエルによって伝えられたメッセージを信じてい
る、あなたの地域の他の人々を紹介してくれるでしょう。また、定期的に会っ
て暝想したり、このメッセージを世界中に知らせ広めていく活動に参加できる
ように、あなたの地域のガイドを紹介してくれるでしょう。
このメッセージを読んでいるあなた、自分が恵まれた者であることに気付い
て下さい。そして、まだこのことを知らないすべての人たちのことを考えて下
さい。この素晴らしい啓示を、あなたの周りにいる人たちが誰ひとりとして、
知らないことのないように努めて下さい。ただし、その際には、あなたがこの
ふ
ことについて話をしている相手を、決して説き伏せようとはしないで下さい。
これらのメッセージを、人々に知らせてあげるようにして下さい。もし受け入
れる準備ができていれば、その人たちは自分自身で心を開いてくれるでしょう。
いつも繰り返し、ガンジーのこの文を思い出して下さい。
「誰も真実を理解しないからといって、真実が誤りとなるわけではない」
このメッセージを読んで非常な喜びを感じ、それを周囲の人々の中に広め、
また自ら光り輝き、そしてこのメッセージで、あなたの周りも輝かせたいと願
208
第二部/第3章:鍵
っているあなた。また、私たちの創造者たちの望んでいることを綿密に行い、
開花の方へと人々を導き、創造者たちに献身的に尽くして生きていくことを願
っているあなた。それを実現させたければ、ガイドになるべきです。
最高ガイドであるクロード・ラエルに手紙を書くのです。あなたは快く迎え
入れられ、あなたが十分に光り輝くことができるようにする手ほどきを授けら
れるでしょう。というのは、自分自身の心が開いている場合にのみ、他の人々
の心を開かせることができるからです。
自らの創造物に対する創造者たちの愛は、とてつもなく大きく、あなたはそ
の愛に応えるべきです。創造者たちがあなたを愛しているように、あなたも創
造者たちを愛すべきです。そのことを、エロヒムの大使や、大使を助ける人た
ちを手助けすることによって、創造者たちに証明するのです。また、その人た
ちによって創造者たちを迎えるための大使館が実際に建設され、彼らがこのメ
ッセージを広めるために世界中を飛び回ることができるように、あなたの全手
ささ
段、全力を、その人たちに捧げるのです。
もしあなたが、エロヒムから定められた目的を実現させるために、私を助け
たいと希望されるのでしたら、私に手紙を書いて下さい。
ラエルへの宛先は次の通りです。
◎編集部からのお願い……ラエルに手紙や電子メールを出す場合は、英語またはフランス
語で書き、下記のいずれかのアドレスへ送って下さい。
▶ Rael ,
c/o : International Raelian Movement
Case Postale 225, CH -1211
Geneva 8, Switzerland
E-mail
: [email protected]
▶ 〒289 – 2311
千葉県香取郡多古町本三倉 640 –A1
み ろく ぼ さつ
日本ラエリアン・ムーブメント「弥勒菩薩・ラエル」 宛
E-mail
: [email protected]
また、この最後のメッセージを信じている人たちの定期的な地域集会日であ
る、毎年 4 月の第一日曜日、 8 月 6 日、 10 月 7 日および 1 2 月 1 3 日を忘れない
ようにして下さい。これらの集会の場所は、あなたの国のラエリアン・ムーブ
209
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
メントへ問い合わせれば知ることができます。そして、この本の最後に掲載さ
れているインターネットの公式の「ウェブ・サイト」が、あなたのコンタクト
を助けてくれるでしょう。
210
中・口 絵
「メッセージ」を構成する3冊のフランス語原書。初版は左からそれぞれ、19 74 年、197 7 年、
1979 年。
きざ
ラエル、1979 年。背景に見えるシンボルマークは、エロヒムの宇宙船の側面に刻まれていた
「上の
ものと同じもの。重ね合わせた2つの三角形のダビデの星とスワスティカ(まんじ)は、
ものは下のものと同様であり、すべてのものは循環する」ことを意味している。
211
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
南
生け垣
食 堂
1
12
2
11
10
3
9
4
住居区域
5
8
6
7
屋上の着陸テラス
会議場
生け垣
歓迎の間
北
1975 年10月 7 日の二度目の遭遇で、ラエルが受けた詳しい説明に基づき、建築家が設計した
異星人エロヒムのための「大使館見取り図」。
212
中・口 絵
Copyright © of Colin Andrews, www.CropCircleInfo.com
屋上のテラスにエロヒムの宇宙船が着陸している状態の大使館の縮小模型。
ラエルによれば、ミステリー・サークルのいくつかは、エロヒムが人類に対し、大使館の建設
うなが
を促すために作っているものである。写真は、1990 年 8月にイギリスのウィルトシャー州、チ
ーズフットヘッドに出現したもので、大使館の設計図(前ページ)に酷似している。
213
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
1997年 8 月 1 日、ウィルトシャー州エチルハンプトンに出現したこのミステリー・サークルは、
1991年にラエルが取り入れたラエリアンのシンボルマークの修正版に似た数々のサークルのう
ちの1つ。
ラエリアン・ムーブメントの修正版シンボルマ
ークのメダル(1992∼2007)。ラエルがシンボ
ぎ せい
ルを修正した理由は、ホロコーストの犠牲者に
配慮したためと、エロヒムの大使館、すなわち
「イスラエルの第三の寺院」の建設に関して、イ
スラエル政府との交渉を円滑にするためであっ
た。
地球上の最古のシンボルマークであるエロヒム
(バルド・トドゥ
の紋章は、
「チベット死者の書」
ル)の中に見つけることができる。中心のスワ
スティカ(まんじ)は、サンスクリット語で「運
さい さき
が良い、または幸先が良いもの」を意味し、時
間の無限性も象徴している。
214
中・口 絵
エロヒムと遭遇した時に乗った宇宙船の、実物大模型の前に立つラエル。
215
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ささ
無限のメッセンジャーであるラエルは、人生の30年以上を自分の使命のために捧げてきた。現
在も、各大陸のオープン・マインドセミナーで教え続けている。写真は、2005年・日本の夏の
セミナーでのもの。
216
第 三 部
異星人を迎えよう
第三部:異星人を迎えよう
第1章
質問に答えて
なか
あと
この章では、19 7 0 年代半ばに私が最初の二冊の本を出版した後に、私が世界中で出
演した番組(TV・ラジオなど)で、記者から最もよくなされた質問と、それに対する
私、ラエルの回答を述べます。
第一と第二のメッセージの間の見かけ上の矛盾
質 問: 第一と第二のメッセージの間に見られる最初の矛盾は、あなたとエロ
ハとの間の会話の初めから出てきます。第一のメッセージの中で、あなたがエ
ロハ(エロヒムの単数形)に対して、彼の惑星に一緒に行くことは可能かと聞い
た時、そのエロハはこう答えています。
「だめです。まず第一に、あなたはそこで、生きていられないでしょう。大気
が地球とは全く違っていますから。それにあなたは、宇宙旅行に耐えられるだ
けの十分な訓練を受けていませんから」
それにも関わらず、ラエル紀元31年(19 7 5 年)10月 7 日の第二回目の出会い
では、あなたは彼らの宇宙船に乗せられ、彼らの不死の惑星へ連れて行かれま
した。そしてそこで、およそ24時間を過ごしたと言っています。
また最初のコンタクトのときには、宇宙船は、非常にゆっくりと現れたと述
べています。まず数十メートルの高さに点滅する赤い光が現れ、ゆっくり下降
した。それから宇宙船が十分に下降し、宇宙船の上部が見えるようになると、
宇宙船の頂きに強い白熱光が点滅するのが見えたと。
一方、第二のメッセージが与えられたコンタクトのときには、宇宙船はロッ
ク・プラの茂みの中に、何ら点滅する光もなく、突然、瞬時に地上すれすれに
現れたと言っています。そして、あなたを地上に降ろした時も同じように、ま
219
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
るで分解したように瞬時に消え失せてしまったと述べています。
さらにもう 1 つの矛盾は、最初のコンタクトのときに、エロハの顔の周りに
あと
は後光のようなものが取り巻いていたという点です。後でそれは、波動によっ
て作られる防護マスクだとの説明があります。
ところが、つい最近の出会いでは、もはや彼は顔の周りに光るものは何もつ
い
けていなかった、と言っています。この矛盾は、第一のメッセージで云われて
いることにより、さらに大きくなります。すなわち、「しかし、あなたは私の顔
を見ることはできない。私を見て、なお生きている人はいないからである」(『出
エジプト記』33章20節) とあるからです。
あなたはそれについて、こう説明しています。
「もし人間が私たちの惑星に来たら、宇宙服を着ていない創造者たちを目にす
ることができるでしょうが、その大気のせいで、人間のほうが死んでしまいま
す」
あなたは、これらの矛盾をどのように説明するのですか?
回 答: これらの見かけ上の矛盾の説明は、とても簡単であり、次の一語に要
約されます。すなわち、
「心理学」です。
原始的な段階にある惑星に住む人とコンタクトを持つ場合、たとえその人が
すいこう
定められた使命を遂行するために誕生させられたとしても、その人に心理的な
ダメージを与えないために必要な注意事項がいくつかあります。
点滅する光を放つ、ある種の飛行体が空に出現するのを見ることは、科学の
発達した国に住む現代人にとっては、何ら衝撃的なことではありません。私た
ちは人工衛星やロケットをテレビで見慣れており、子供の頃から、飛行機やヘ
リコプターを実際に見ています。また、それがどのようにして空を飛ぶのかも、
大体のところは知っています。
そういう人たちを驚かせないで近づく最良の方法は、彼らの見慣れている、
点滅する光を放つ飛行体で、徐々に接近することです。その人たちにとっては、
金属性の重い飛行体が空を飛ぶこと自体は、何ら驚くに値しませんが、ただそ
そそ
れが、まったく音もせずに空を飛ぶ姿を見ることには、多少は好奇の目を注ぐ
かもしれない、という程度のものでしょう。
次に、その飛行体の中から現れる生物の姿は、パイロットや宇宙飛行士のよ
うな服装である方がいいのです。彼の顔の周りの防護マスクは、私たちの知っ
220
第三部/第1章:質問に答えて
ているものに似ているので、いくらかは私たちを安心させるでしょう。
このようにして、当初の目的に達することができます。すなわち、私たちを
驚かすことなく、私たちの持っている技術を超えるものを見せることによって、
自分たちが異星人であるのを証明することです。
第二回目にエロヒムの宇宙船が現れたときの、その現れ方に対する疑問です
とつじょ
が、その技術をカムフラージュすることなく突如として現れたことについては、
これは私自身がすでに、十分に心理的な衝撃に対する心の準備ができていると、
エロヒムが判断したからだと思います。
もしも最初の出会いから、エロヒムが突然に現れるということであったなら
へいこう
ば、私自身の心の平衡は全く予期していなかった事態に、とても耐えられなか
ったであろうことは疑いありません。ですから、エロヒムの周到な注意にも関
わらず、最初の出会いのあとに、私は少なからずショックを受けたらしく、そ
い かいよう
のために、胃潰瘍の初期症状の治療に数カ月を要しなければならなかったので
す。
みつ
確かにメッセージは、
「私の口には蜜のように甘かったが、それを食べたら、
にが
腹が苦くなった」(『ヨハネの黙示録』10 章 10 節) のです。エロヒムの事前の配慮が
かか
なかったならば、私はもっと重い病気に罹っていたでしょう。
私たちは現代まで、天空より飛来した人たちに対する理解能力を十分には持
てなかったので、エロヒムはできるだけ私たちに印象づけるやり方で、私たち
の前に現れたのです。人間が何も理解していなくとも、とにかく人間に彼らを
信じさせることが、彼らの基本的なやり方であったのです。
しかし、私たちは現在、アポカリプスの時代に到達しました。アポカリプス
の時代とは、「真実の啓示の時代」のことです。すなわち、すべてが科学的に
理解可能となる時代を意味するのであって、間違っても、世間がそう信じ、ど
んな辞書にも出てくる「世界の終末」を意味するものではありません。
こうしてエロヒムは、地球上のあらゆる宗教聖典で語られている、私たちの
こ しょう
創造者(聖書ではエロヒムと呼称される)として理解され認められるような方法
で出現することにしたのです。
聖書とは、エロヒムが最初の人類に伝えたものですが、それから数千年が過
き せき
ぎ去って、人類の知識が十分に進歩し、空からやって来るものを「奇蹟だ」と
ひざまず
叫んで 跪 くことなく見られるようになった現在において、エロヒムが認知され
るようにと伝えられて来たものなのです。
221
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
最後に、エロヒムが私にメッセージのすべてを与える前に、私を試練の中に
置いたことを忘れてはなりません。このようにして、エロヒムはゆっくりと事
を運んだのです。
私が、彼らの宇宙船に乗って旅行することを望んだので、それ以上の要求を
させないために、それは私には不可能だと彼らは答えたのです。ちょうど私た
ちが、子供たちに向かって「酒を飲むと大きくなれないよ」と答えるようにで
す。
つまり、エロヒムはその際に『出エジプト記』の一節を加えて私に言ったの
です。その一節とは、近づけてはならない未開人に向かって語られたものです。
その時に未開人の取るべき態度は、理解することではなく、ひたすら信じるこ
とだけなのです。
エロヒムによる創造の年代決定について
質 問: エロヒムによると、今から 2 万5000年前に、地球に生命が創造された
ということになっています。しかし、今から数十万年前の動物の化石や骨が見
つけられるのは、なぜですか?
回 答: エロヒムが言っているように、彼らが地球そのものを創造したわけで
はありません。彼らが生命創造の実験を続けようと決めたとき、彼らは研究の
続けられそうな大気のある惑星を宇宙で探したのです。多くのテストと分析の
結果、地球が選ばれたのです。そして彼らは地球にやって来て、人類を含む、
あらゆる形態の生命を創造したのです。
しかしながら、彼らエロヒムが地球に来る以前に、1 万年あるいは 2 万年前
にすでに地球上で生命の創造があり、それが自然による、あるいは人工的な大
異変によって破壊されたという可能性を、私は否定しません。
例えば明日、核戦争が起こったとしましょう。すべての生命は破壊されるで
しょう。そして 1 万年後に異星人がやって来て、再び新しい知的生命体を創造
し、そして長い科学的発展のあとに、この新しい生命体が私たちの破壊された
あと
文明の跡を発見したとすると、彼らは天空より飛来した異星人が彼らを創造し
あ
たとは信じられずに、その証拠として、2 万 5 0 0 0 年以上前の骨の発見を挙げる
たいせき
でしょう。つまり、私たちの骨です! 彼らはまた、私たちが現在、堆積物の
222
第三部/第1章:質問に答えて
中に発見している、さらに古いマンモスの骨も見つけるかもしれません。なぜ
なら、現在の地球上の生命は、地球上に創造された生命の最初のものではない
し、また最後のものでもないのですから。
いく た
地球上にすでに幾多の生命の創造があり、また幾多の生命の破壊もありまし
けつじょ
た。それらは、人類に相当する生命体の、知恵の欠如が原因で滅びていったの
です。
イスラエルの民とユダヤ人
質 問: 第一のメッセージによると、イスラエルの民は、エロヒムの主催した
すぐ
コンクールで、知性と才能の両面で最も優れた人種に選ばれた、とあります。
しかし第二のメッセージでは、──ユダヤ人は地球上における私たちの直系の
子孫なのです。彼らが特別な運命を背負っているのもそのためです。ユダヤ人
は、『創世記』に出てくるエロヒムの息子たちと人間の娘たちとの子孫なので
す──と書かれています。これが矛盾ではなくて何なのでしょう?
回 答: エロヒムによって最も優れた人種に選ばれたのは、イスラエルの民で
つく
す。彼らはイスラエルの地にあった実験場で創られました。それらの人たちが
み
最も優れていたので、エロヒムの息子たちは、その娘たちに魅せられて子供を
作ったのです。それがユダヤ人です。こうしてイスラエルの地に住みついた人
種が、ユダヤ人となったのです。
ラエリアン・ムーブメントと金
質 問: 第一のメッセージには次のように書かれています。
か
つか
にく
誰も、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛
うと
し、あるいは、一方に親しんで他方を疎んじるからである。あなたがたは、
たくわ
や
神と富とに兼ね仕えることはできない。地上に宝を貯えるのは止めなさい。
『マタイによる福音書』6章24節
そして、バチカンはその富のために批判されているのに、ラエリアン・ムー
あやま
ブメントは会員に金を要求しています。このことは、バチカンの過ちを再び繰
223
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
り返すことにはなりませんか?
せいひん
すす
回 答: 自分たちは豪華な生活をして、信者には清貧を勧め、貧者の金を使っ
て多くの司祭を養い、絶えず不動産の資本を増やし、時代がかった宮殿を衛兵
ごうだつ
と共に保持している者たち、すなわちこのローマの強奪者たちと、私たちとを
比較してはなりません。
私たちの組織は、将来においても有給の司祭は持たないし、首都の 4 分の 3
を占める家や建物を持ってもいません。
一方では、ローマでは多くの人たちが住宅難に悩んでいます。ところが、こ
れらの不動産の価値を下げないために、バチカンは自分たちの所有する建物に、
誰も住まわせようとはしません。
わた
また私たちは、金や銀で飾られた宮殿を将来に亘って決して持ったりはしま
せん。
事実、私たちの運動のためには多くの金を必要とします。しかしこれは、ハ
ッキリとした私たちの目的を達成するためにです。すなわち、
①エロヒムのメッセージをすべての言語に翻訳し、地球上のすべての人たち
に伝える。
②大使館を建て、エロヒムが公式に人類に接触を求めに来られるようにする。
この大使館は、豪華な宮殿でも大聖堂でもなく、ごくありふれた快適さを持
つ建物にすぎません。そしてこの大使館は、現存する最も小さな国でも持っ
ている程度の、外交特権を持つものとします。
すみ
さらに、幸いにして私たちが、この二つの目的を速やかに達成して、余りあ
る金を集めることができたならば、その金を利用して大使館の近くに研究所を
造り、そこで生命創造のための科学的研究を進めたいです。そうすることで、
私たちは創造者たちのレベルに近づくことができるのです。さらにまた、生物
ロボットの開発により、労働と貨幣からの解放を勝ち取り、天才と秀才の養成
のための学校を造るのです。
そこでは、研究者たちには自由な研究活動が保証されます。そして、自分た
ちの研究が軍事的・政治的権力などによって、さらに攻撃的な兵器の開発に利
用されはしまいか、という心配とは全く無縁の研究が続けられるでしょう。
224
第三部/第1章:質問に答えて
時空内に一定不変なものは存在しない
質 問: エロヒムの惑星は約 1 光年弱、すなわち光が 1 年間に進む距離(光は
毎秒、約 3 0 万キロメートルの速さで進む)である、約 9 兆キロメートルの所にあ
ると、第一のメッセージには書かれています。しかし現在、地球の科学者たち
は、太陽系外の最も近い恒星は約 4 光年の所にあると言っています。この違い
は、どのように説明されるのですか?
回 答: エロヒムは、彼らの惑星がどこに存在するのか、私たち人間が知るこ
とを全く望んでいません。たとえ私たちの知識が今なお非常に原始的なもので
あっても、私たちの破壊的な性格を考えれば、エロヒムのそれは容易に理解さ
れるでしょう。
それらのことは、私たちが将来建設する大使館に彼らが公式に訪れたときに、
すべて明らかにされるでしょう。それまでの間は、私たちは自問することしか
できないのです。ただ、私たちの運動に参加しているある科学者たちは、次の
ような仮説を出しています。
すなわち、曲線に沿って移動する光によれば 4 光年、直線的に進行する光に
よれば 1 光年であると。光は、宇宙の各層の中を同速度で進行するわけではな
いのです。なぜなら、時空内に一定不変なものは存在しないからです。
現在の科学者は、限られた時間、限られた空間の観察から、無限の時空に関
あやま
する結論を引き出そうとする重大な過ちを犯しています。人は常に、自分の知
識によってのみ判断するという過ちを犯しています。地平線上にある者にとっ
ては、地球は常に平坦なのです。
こういうことは、炭素14による年代決定、あるいはカリウム─アルゴン、ウ
ラニウム─鉛─トリウムなどの、放射性元素による年代決定についても言える
(巻末の
ことです。そのことについて論及した興味深い著作が『進化か創造か』
参考文献を参照)という本です。これらの年代決定の誤りは、原子の運動が常
に一定であるという原理から出発しているところにあります。なぜなら、宇宙
の時空内に一定不変のものは存在しないからです。誤った原理に基づいて計算
された結果が、正確ではないというのは当然のことです。
あ
一つの例を挙げましょう。 25歳の青年の 1 年間の成長は約 1 ミリメートルで
す。だからといって、身長が 1 メートル75センチの彼が、誕生してから1750 年
225
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
の歳月が経過したことにはなりません。この青年の成長は決して一定不変なも
のではなかった、ということを忘れてはなりません。受胎した時から最初の 1
年間は 5 0 0 ミリ以上、4 歳から 5 歳の間は60ミリ、7 歳から 8 歳の間は 3 0 ミリ、
まさ
14 歳から 15 歳の間は再び 80 ミリという年間の成長数字は、正に人間の成長が
あかし
一定不変なものではないことの証です。
このように、成長過程の部分的な観察から年齢を決定するというのは、すべ
て失敗に終わります。最初の 1 年間の成長の 60 センチメートルから出発すれば、
21歳の時には 1 2 メートル60センチにもなります……。
質 問: 第一のメッセージに、エロヒムは今から 2 万 5 0 0 0 年前に原初の大陸を
造り、そこから各部分が離れて現在の大陸ができた、とあります。これらの大
陸は今も分離し続けています。例えばアメリカ大陸は、科学者により数値は異
なりますが、ヨーロッパ大陸から年に数センチ、あるいは 1 メートルの割合で
い
離れつつあると云われています。
いずれにしろ、例えば 1 メートル移動するとして、2 万 50 00 年の間には 2 万
5000メートル、すなわち25キロメートルだけ離れることになります。ところが
実際には、北アメリカは、ヨーロッパから数千キロメートルも離れています。
このことは、どう説明されるべきですか?
回 答: この質問に対する答えは、前問に対する回答と全く同じです。人間の
成長では、1 年目と21年目との成長比率は600対 1 です。大陸の移動の場合は、
それは数千倍にもなるでしょう。再び繰り返しますが、時空内に一定不変なも
のは存在しません。
大陸は、今日では恐らく、 1 年に数センチメートルの割合で移動しています
が、最初の頃は数百キロメートルの割合で移動していたのです。最近のアラビ
ア半島付近で起きた地震では、一夜のうちに、 2 つの地域を 1 メートル以上も
引き離す断層ができました。
私たちは現在、地球が比較的、落ち着いた時期に居合わせているにすぎない
のです。私たちの父たちによる原初大陸の創造の〝嵐〟は、2 万 5 0 0 0 年の間に
やわ
徐々に和らいでいったのです。
繰り返しますが、無限の時間と空間の中では、物質にもエネルギーにも、一
定不変なものは何も存在しないのです。
226
第三部/第1章:質問に答えて
ひたい
細胞設計図のトランスミッションと額骨
質 問: ラエルを、創造者エロヒムの使者、すなわち最後の預言者と認める人
たちは、ラエル、あるいはラエルによって資格を授けられたガイドによって、
自分たちの細胞設計図のトランスミッション(伝送)をしてもらうことが求めら
れています。これは将来、不死の惑星で彼らの再生を可能にするために、各ラ
エリアンの遺伝子コードを保存しておくためと思われます。
ひたい
一方、ラエリアンは、その死後の額骨が最高ガイドに送られるように、遺言
を残しておくことを求められています。すでに細胞設計図のトランスミッショ
ンが行われているのであれば、それは何の役に立つのですか?
回 答: 細胞設計図のトランスミッションは、各ラエリアンが生きている間に、
生を通じてエロヒムを私たちの創造者として承認することであり、額骨の移送
は、各ラエリアンが死を通じて、エロヒムを創造者として承認することなので
す。この二つが一緒になって、「生と死を通じた」承認を構成するのです。
各個人の細胞設計図、すなわち遺伝子コードは、私たちが生きている間の行
為のすべてを記録する巨大なコンピュータに登録されています。このコンピュ
ータは、精子と卵子の出会いである受精、すなわち新しい遺伝子コード、つま
り新しい人間が作り出された瞬間以後の、その人の行為のすべてを記録してい
ます。
それらの記録は、私たちの死に際して、エロヒムが諸国人の中から最も意識
の高い人たちを受け入れる惑星において、永遠の生命を与えるかどうかの判定
審査に使用されるのです。
質 問: あるラエリアンが事故で死亡し、その身体が完全に破壊された時はど
うなるのでしょうか?
回 答: そのラエリアンが、額骨が最高ガイドに送られるように遺言を残して
おけば、私たちの一生涯を監視するコンピュータにそれが記録されるので、何
ら問題はありません。同様に、額骨の採取というラエリアンの遺言が、当局に
よって守られない場合でも、別に問題はありません。重要なのは、各ラエリア
ンが、求められている意味できちんと遺言を残すことなのです。
227
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
仮に、ラエリアンの数が何百万人にもなれば、政府も彼らの遺言を無視でき
なくなるはずです。初期キリスト教徒の遺言は、決して守られはしませんでし
た。彼らが少数派であるうちは守られなかったのです。ラエリアンの運動は、
第 3 の10 世紀(2 1世紀から)には地球の多数派の宗教になるでしょう。そして
まつ ご
その時には、ラエリアンの末期の意志は尊重されるでしょう。
とし
質 問: 大多数の人は歳をとってから死にます。彼らは再生される時に、老人
として再生されるのですか? その場合、永遠に老人として生きることになる
のですか?
回 答: いいえ、そういうことはありません。不死の惑星で永遠に生きるため
に再生の幸運を得た人は、若者として再生され、力と能力に満ちた肉体を持っ
ています。再生のたびに、彼はそのようにして生きます。それが永遠に続くの
です。
質 問: あなたに従う人のみが救われるということですが、もしも、人類の幸
福と開花のために人生を歩んでいる人が、エロヒムのメッセージを聞く機会を
持たなかったならば、彼は救われないということになるのですか?
回 答: そういう人は、正しい人たちの中のひとりなので救われます。
メッセージのこの部分は、メッセージを読んだ人たちにのみ関係があるので
す。読んだ人たちの中で、私たちの創造者たちが与えた規則に従う人たちのみ
が救われます。しかしこの地球上で、何よりも人類の進歩に尽くし、隣人を可
能な限り援助し、そしてエロヒムのメッセージを知ることもなく死んでいった
としたら、この人もまた正しい人たちの中のひとりである以上は、救われるの
です。
メッセージを知っている人よりも、メッセージは知らないが正しい道を歩む
人のほうが許されるでしょう。なぜなら、メッセージを知った人たちは、自分
の行為を変えなかったことや、自分の行為に十分注意しなかったことに対して、
何ら弁解の余地がないからです。
228
第三部/第1章:質問に答えて
地球は、神の指先の微粒子か?
質 問: メッセージによると、私たちの地球は、私たちがその一部分を構成し
ている巨大な存在の微粒子の、そのまた微粒子にすぎないと言われます。それ
はあたかも、私たちを構成している微粒子のそのまた微粒子の上に、知的生命
体が存在するようなものです。であるならば、私たちがその一部分にすぎない
巨大な存在を、神と考えることはできないのですか?
回 答: すべては、「神」という語で何を意味するかによります。もしもそれ
が、無限を意味するのであれば、部分的に答えはイエスです。なぜなら、私た
ちがその一部分にすぎない巨大な存在も、さらに大きな存在を構成する微粒子
である惑星上で生きているからです。こうして、いくらでも大きな無限へと続
いていきます。もしも「神」という語で、私たちの上に立って威力を振るう存
在を意味するならば、答えはノーです。なぜなら、そのような神は存在しない
からです。
私たちの地球が、その構成微粒子の中の 1 つにすぎない無限に大きな存在は、
私たちに対して何の威力も持ちません。なぜなら、その存在にとっての時間は、
はる
私たちの時間よりも遥かにゆっくりと流れるからです。その存在が何かをちょ
っと考える間に、私たちにとっては何千年もの時間が経過するのです。
逆に、私たちを構成している微粒子の、そのまた微粒子の上に存在する生命
体が、何かを考えている間というのは、私たちにとっては、10 億のそのまた10
億分の 1 秒ぐらいの時間にしか相当しません。この無限に小さな存在は、私た
ちを神と考えることがあるかもしれません。しかしそれは、私たちが巨大な存
在を神と考えるのと同様に誤りなのです。
宇宙は無限であるため、中心は存在しません。したがって、全能で、あまね
ゆいいつ
く存在する唯一の神というものはあり得ません。無限はあまねく存在し、私た
ちがそれを構成し、またそれが私たちを構成するのです。しかしそれは、決し
て私たちの上にいかなる威力を持つものでもないし、私たちの決定や行為には
「無限に」無関心であるのです。
また、私たちがその一微粒子の寄生物にすぎない巨大な存在が、人であると
は言っていません。それは犬であるかもしれないし、ミミズであるかもしれま
せん。エロヒムが立証できたことは、それが何か生きている物である、という
229
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ことだけです。
はこぶね
ノアの方舟──宇宙船?
質 問: メッセージによると、ノアの方舟は宇宙船です。ところで、今から数
ざん がい
年前に、アララト山の氷河の中から舟の残骸が発見されましたが、ある人たち
は、これがノアの方舟の残骸だと断定しました。すると、ノアの方舟はやはり
舟であったと言えますが、このことはどう説明されますか?
回 答: 発見された木片は、最近の分析により、たかだか 7 0 0 年前のものであ
ることが判明したそうです。そうすると、その木片のノアの方舟は、紀元12 0 0
年頃のものとなります。たとえ年代決定法に大きな誤りがあったとしても、こ
れを 3 倍にしてみて、約2000年前のものとなります。すると大洪水は、ちょう
どキリスト紀元の初頭となり、これもまた算定がうまくいきません。
次に例えば、約 5000年前の木製の残骸を発見したとしましょう。これだと、
本当の「大洪水」の時期に対応します。しかしそれは、ノアの方舟が直ちに木
製の舟であったことを示すものではありません。確かにアララト山の近くで、
真の大洪水の時代の木製の破片を発見することもあるでしょう。なぜなら、ノ
アがある人たちを大洪水から救うために宇宙船を建造したときには、彼の国の
港には木製の舟があって、地球の全生命を破壊するための大爆発で起こった津
波で運び去られたからです。
それはちょうど、現在のフロリダにおいて、月に宇宙飛行士たちを送り込む
ための最新ロケットがある場所からそう遠くない所に、アメリカの億万長者が
所有する木製の豪華なヨットがあるのと同じことです。
わら
核戦争が起これば、いくつかの爆発によって大津波が起き、これらの舟を藁
くず
屑のように近くの山頂へと運び去ることでしょう。その時に生き残る人たちが
いたとすれば、数世紀の後にこれらの破片を発見して、その昔、大洪水があり、
それをそこまで運んだと考えるかもしれません。その上、何かの記録が、幾人
しる
かの人たちは舟によってこの大洪水から救われた、と記してあれば、その際に
は確かにこれこそが、その時の舟だということになるでしょう。
大洪水が、一般に信じられているように長く続いた雨の結果ではなく、急激
に地表のすべてを襲った大異変の結果である、と知ることのできる重要なポイ
230
第三部/第1章:質問に答えて
ントがあります。 もしも、間断なく降り続いた雨の結果であるならば、すべての舟は救われた
はずです。すなわち、当時のすべての水夫たちは何ら問題なく救われたでしょ
はこぶね
う。ところが、「ノアの方舟にいたものだけが救われた」と書いてあります。こ
きわ
れは極めて当然のことです。なぜなら、前に述べたように、ノアの方舟は宇宙
船であったからです!
死後の生──すなわち夢と現実?
おちい
質 問: 最近の出版された本に、意識不明に陥ったあと、再び生き返った人た
ちの証言を集めたものがあります。これらの中で共通しているのは、皆、死が
あ
近づいたときに、同じような光景を見ることが挙げられます。例えば、調和に
満ちた人たちが白衣を着て歌っていたとか、亡くなった人が出てきたりします。
あなたは、エロヒムが再生のために介入しなければ死後には何もないと言いま
あら
すが、これらの証言に顕われるこうした共通性をどう説明するのですか? そ
れは、霊魂の存在を証明していることにはならないのですか?
回 答: 人間の脳の中で起こることは、すべて電気化学的反応の結果です。愛
情、憎しみ、快楽、苦悩、想像、その他のあらゆる精神的状態、感情、あるい
は病気であろうとすべて、電気的メッセージによって脳内に生じた化学反応に
基づいています。視覚的なもの、聴覚的なもの、あるいは記憶されたものや、
記憶された知識による新事実の解釈についても同じです。
はや
人は、強く速く呼吸をすると、すぐに頭がクラクラしてくるでしょう。10 0人
の人間に同じことをさせれば、彼らの証言は一致するでしょう。10 0人に 1 キロ
メートルを走らせれば、彼らは同じように息を切らします。このように 1 つの
現象には、すべての人にとって同一の物理的反応が対応します。
おちい
人が無意識状態に陥れば、脳内の血液はある一定の仕方で流れ、脳細胞には、
ある一定の仕方で酸素供給が成されます。そしてこの化学的条件が、大体すべ
ての人に共通した反応を引き起こすのです。石灰岩の上に酸を落とせば、泡が
たた
生じるのと同じことです。100人の人間を、同じように頭を叩いて無意識状態
おちい
に陥らせれば、これらの人たちは、同じようなものを見たというに違いありま
せん。実際、化学反応が起こり、その中から記憶に残ったものを彼らは単に述
231
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
べているだけなのですから、それはちょうど、夢を見ているときと同じような
ものです。
と うぎゅう
例えば、10メートルの闘牛が火を吹いて追ってくる夢を見て、それと同じ夢
を見た人が他に10人もいたからといって、私たちはそれが、10メートルの大き
さで火を吹く闘牛の、存在証明になるとは考えません。私たちは多かれ少なか
はず
れ、つま先でちょっと弾みをつけただけで空を飛べる、という夢を見たことが
あるでしょう。しかし、それだからといって、ツバメと一緒に空を飛び回るこ
とができるということにはなりません。要するに、何千人もの人が同じ夢を見
たからといって、それが可能であるということにはならないのです。
夢を現実と取り違えてはなりません。たとえ科学によって、例えばいつの日
か私たちが空を飛べる装置を作るというように、夢を現実のものにするための
努力をすべきであるとしてもです。
無意識状態から戻った人たちが一様に、彼らは昏睡中にとても良い気持ちで
あって、再び「もとの身体」に戻りたいとは思わなかった、ということがあっ
ても、驚くには当たりません。むしろ彼らは、自分の身体を意識したくはなか
ったのだと言うべきでしょう。ちょうどそれは、とても快い夢、例えば異性と
つ
甘い時を過ごす夢から覚めたときに、再び悦楽を求めて眠りに就こうとするよ
うなものです。
おちい
無意識状態に陥った人たちが同じような証言をするということは、それが、
脳内に起こる共通の化学反応によるものであることを示しています。したがっ
て、電気現象に対しても同じ反応を引き起こします。もしも 100 0人の人間の脳
の正確に同じ場所に、電極を差し込んで同じ電気的刺激を送れば、彼らは同じ
感覚を抱き、同じような光景を見るでしょう。それはちょうど、死に際して起
こる現象についても言えることです。
死後に、不死の惑星で再生される権利を持った人には、その死が完全に本物
である時に、この再生が起こります。しかし、無意識状態であれ、生きている
限り何も起こりはしないのです。
エロヒムの科学的発展のレベル
質 問: エロヒムが私たちより 2 万5000年も文明が進んでいるにしては、私た
ちと彼らとの間の科学的レベルの差が少なすぎるように思われます。彼らの科
232
第三部/第1章:質問に答えて
たど
学的レベルに私たちが辿り着くには、もっと少ない時間しか必要としないでし
ょう。これについては、どう思われますか?
回 答: 私は、自分が見たことを語るために、現在の人々が理解しやすい言葉
を使って、科学的に発展した国々の大部分の人たちに分かるように、心理学的
な配慮をしたつもりです。実際には、エロヒムの能力と科学技術のレベルは、
想像を絶するものなのです。
20 世紀末の私たちの科学技術は、ほんの100年前のヨーロッパ人、あるいは
き せき
現代のアマゾンの原住民たちにとっても奇蹟でしょう。しかし、私たちの創造
者たちの科学技術は、私たちの時代の最も進んだ科学者の目にさえ、奇蹟とし
て映るでしょう。
彼らは、普通はその技術を見せてはくれないでしょう。なぜなら私たちの理
解を超えるものを見せても、結局は無理解のうちに終わり、原始的な宗教を生
じさせ、盲信を復活させるだけだからです。エロヒムは、私たちが何よりも自
分たちの力で、身の周りの物質とエネルギーについて、理解するように努める
ことこそを望んでいるのです。
ともな
同じように彼らは、最初は私をあまり驚かさないように、点滅する光を伴い、
宇宙服を着用して私の前に現れました。しかし、ロック・プラでの出会いの時
のように、彼らは瞬時に、地上すれすれに現れることもできるのです。彼らに
あっては、私たちの最も想像力のある科学者ですら理解の及ばない、技術の腕
前を見せることが可能です。
例えば、電子や中性子といった無限小の構成分子、または惑星や太陽系全体
きわ
といった無限大の構成分子を相手に、私たちが困難を窮めている事柄を、彼ら
は行うことができるのです。あるいは、太陽系の中の惑星の軌道を変えたり、
太陽系そのものを移動させたりすることもできるのです、と言えば、分かって
いま
な
もらえるでしょうか。これらのことは、私たちの未だ知り得ぬ波動によって為
される、ということだけは言っておきましょう。
最初の二つのメッセージの内容に戻りましょう。私たち地球の現在の科学レ
たくえつ
ベルと、永遠の生命を約束する、生命の科学的再生の卓越した技法との間には、
やわ
たとえそれが、最も頭の柔らかい科学者にとって、まったく想像もできないと
いう訳ではないにしても、私たちの科学者が越えるのにかなりの時間を必要と
する大きな壁があるのです。
233
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
神も霊魂も存在しない。
ただ、エロヒムと遺伝子コードが存在するのみ
質 問: メッセージによると、神は存在しません。宇宙は無限で、その中心は
存在しないからです。そして、同じ理由によって霊魂も存在しないと言います。
しかしラエリアンにとっては、エロヒムは神と同じではないのですか? そし
て、「不死」の惑星で再生される可能性があるということは、「天国」へ入るこ
とのできる「霊魂」の概念に取って代わるものではないのですか?
回 答: 実際、宇宙は無限であり、無限はその定義によって中心を持ち得ない
のですから、「神」というものは存在しません。
「神」とは実際は無限を意味し、何か永遠のものであまねく存在するが、触れ
ることのできないものであり、私たち個人の上に何ら力を振るうものではない
は
と考える人たちと、「神」とは白いヒゲを生やして雲に乗り、私たちをその姿
つく
とら
に似せて創ったものだというふうに考える人たちとは、区別して捉えたほうが
いいです。
原初以来、この二つの概念は混同され、不覚にも完全に異なる概念が、同じ
名称で呼ばれてきたのです。エロヒムは最初の人間たちに対し、一方ではあま
か
ねく存在し、永遠で、私たちがその一部であり、且つそれが私たちの一部分で
もあるような無限が存在すると説明し、他方では、自分たちの姿に似せて私た
ち人類を創造したのは彼らエロヒムである、と説明しました。
次第に私たちは、エロヒムに無限の諸特性を与えるようになりました。彼ら
は不死ですから、これは一面では真実でしょう。そして無限には、天からのメ
ッセンジャーを私たちに送って、その存在を示す力と、私たちの創造主である
という特性を与えました。このことも一面では真実です。なぜなら、エロヒム
がその姿に似せて知的生命体を創造したとき、彼らはある程度、無限の媒介者
であったとも言えるからです。
しかし、無限は私たちを常に直接、見守っているわけではなく、私たち各個
人の行為について何ら意識しているわけでもありません。無限にとっては、私
たちが黄金時代に入ろうが自己破滅をしようが、一向に構わないのです。ちょ
うど私たちが布地に触れた時に、私たちの指から離れていった分子が、私たち
にとっては重要ではないのと同じことです。
234
第三部/第1章:質問に答えて
とう た
無限に関しては、各レベルにおいて淘汰があるのは当然です。地球やそれを
つめ
照らす太陽がその頭骨、あるいは爪の微粒子にすぎない人か犬、あるいは私た
ちの親指の爪の中の、何十億もの生命が存在する惑星や恒星についても同様の
ことが言えます。
多くの東洋の宗教が教えているように、「神」が無限であると考えることは、
私たちがそれを、固有の実体を持たず、私たち自身やその他どんなものの存在
も意識していないと考える限り、間違っていません。
「
神」を、私たちの創造者エロヒムであると考えることも間違ってはいません。
ひざまず
ふ
あが
もちろんエロヒムを、跪く対象と見たり、伏せたり、崇めたりしなければなら
ないもの、と考えるのは正しくありません。いつの日か私たちが生命を創造し
たときに、それらに愛してもらいたいと私たちが思うように彼らを愛するのが
良いのです。こうして、彼らは私たちの無限の兄弟たちとなるのです。
さかのぼ
「霊魂」については、よく理解を深めるために、その語源にまで 遡 る必要があ
ゆ らい
ります。「霊魂(spirit)」はラテン語の「spirare」に由来し、これは、
「息をす
る」を意味します。「霊魂(soul)」は、フランス語の「soufflé」と同じ語源を
持ち、これもまた、「息」を意味します。
例えば、人体の組成を正確に解析し、それから化学的成分をすべて混合して
も、生きた人間を得ることはできないでしょう。これらすべての物質を定めら
れた計画に従って結合させ、連結させ、組織化させることのできるものが欠け
ているのです。また、建てようと思う家の材料、つまり1 0 数トンの石、1 トン
のセメント、1 0 0 キログラムのペンキ、2 つの洗面台、1 つの浴槽などのすべて
を寄せ集めたところで、家ができるわけではありません。そこには最も大切な
もの、すなわち設計図が欠けているからです。
人間についても全く同じことが言えます。一つの設計図が必要なのです。こ
わず
の設計図とは遺伝子コードのことです。ほんの僅かな物質を集めて、細胞設計
図を含む最初の細胞を創ります。こうなれば、もう人間は形成されたも同然で
す。この最初の細胞に必要なものを与えると、それを使ってその細胞は 2 つ、
4 つ、 8 つといった具合に分裂していって、ついには、遺伝子の「設計図」に
あるすべての情報が正確に実現されることになります。
この遺伝子コードというのは、どんな生物も持っていて、それぞれ生物の種
によって異なり、また同一種内でも、細部においては各個体によって異なって
います。例えば目の色や、髪の色や、性格などがそれに当たります。そして、
235
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
聖書にも大変明確に、人間ばかりでなくどの生物も、「霊魂」を持っていると
書かれています。
しかし、肉は、その霊魂である血のままで食べてはならない。私は、あな
あたい
けもの
たがたの血のためには、あなたがたの霊魂の値を要求する。私はどんな獣に
でもそれを要求する。また人にも、兄弟である者にも、人の霊魂を要求する。
『創世記』9
章 4・5 節
なぜなら、肉の霊魂は血にあるからである。『レビ記』17章11節
従って、死後にフワフワと、身体からエーテルのごとく飛び去っていく霊魂
は存在しません。しかし、各人の個性となる遺伝子コードは存在します。そし
て、地球上で生きている間に永遠の生命を得るに値する行いを成した人たちを、
エロヒムの惑星で再生できるのは、この遺伝子コードのおかげなのです。
神は存在しませんが、私たちの創造者であるエロヒムは存在します。私たち
はエロヒムを信じ、というよりも、信頼し、彼らを迎えたいと願っています。
死後に身体から飛び去っていく自立した霊魂は存在しませんが、永遠の生命に
至るのを可能にする遺伝子コードは存在するのです。
無限の宗教
質 問: あなたのラエリアン・ムーブメントは無神論的宗教であり、その目的
は
は、エロヒムによって与えられた神秘のベールを剥がすメッセージを地上に広
め、地球の諸政府とエロヒムが接触を図るための大使館を建設することである
と言います。
まぬが
人間が英知を示して自己破滅を免れ、メッセージがあらゆる言語で広められ、
大使館が建設され、エロヒムがやって来たと仮定しましょう。そのときに、ラ
エリアンの宗教は何の役に立ち、何がその使命となるのですか?
回 答: もしもそれが起こるとしたら、それが起こると私は信じているのです
が、たとえ人間が英知の道を選ぶという可能性が 10 0 分の 1 しかないとしても、
あかつき
英知の道を選んだ 暁 には、人間の宗教とエロヒムの宗教とは同じものとなるで
しょう。すなわち無限です。そして、ラエリアンのガイドの使命は、無限と調
236
第三部/第1章:質問に答えて
和して生きるための技術を教えることになります。これらの技術については、
かぎ
(編集部注:日本語版は『ハーモニ
第二のメッセージの「鍵」の章と、『官能瞑想』
ー・メディテーション』無限堂刊)という本の中で簡潔に述べられています。
すなわち、人々の意識レベルを向上させ、脳内に起こる電気化学的反応と変
換を知覚する能力を、洗練させることを可能にするすべての技術です。
無限の宗教、それは絶対の宗教です。当然それは永遠のものです。私たちよ
りも科学的に 2 万5000年も進んでいる生命体がこの宗教に忠実であるというこ
とが、この宗教が、無限という宇宙的意識レベルに到達したあらゆる生命体の、
あかし
絶対かつ永遠の宗教であることの証です。
私たちが定期的に開催している覚醒の実習は、官能瞑想によって、この無限
の宗教に近づくことを目的とします。
伝統的宗教の将来
ブッ ダ
質 問: エロヒムが、
「不死」の惑星に生きているモーセ、キリスト、仏陀、マ
ホメット、その他すべての偉大な預言者らと共に大使館へやって来たとしたら、
現在の宗教はどうなるのですか?
回 答: 大部分の宗教はラエリアン・ムーブメントに合流するでしょう。少な
くとも、それらの宗教の聖典に忠実なる信者たちで、十分に知性的で理解能力
のある人たちは、ラエリアン・ムーブメントに合流するでしょう。
残念ながら、収入源が無くなることを恐れ、それらの宗教の聖職者たちに導
へ んきょう
かれている偏狭な狂信者たちの多くは、この大合流には反対するでしょう。彼
さくしゅ
つか
らは言うでしょう。「エロヒムは搾取者たちである」あるいは「『悪魔』から遣
わされた者たちだ」と。そして、彼らのキリストに対してさえ、再び彼を何の
ちゅうち ょ
躊躇もなく十字架にかけようとするでしょう。同様に、もしキリストが不運に
も宗教裁判の時代にそれらの聖職者たちの手に落ちていたら、キリスト自身の
よ うじゅつ
名の下に妖術者として火あぶりにされていたことでしょう。
最近、私は、モントリオールのユダヤ教の責任者のひとりと、昼食を共にす
ることがありました。食事の最中に、私は彼に尋ねました。
「
もし、モーセがいま現れて、『旧約聖書』の教えとは違うことを、あなたに
実行するようにモーセ自らが命じたら、どうしますか?」
237
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
彼は答えました。
「私は、聖書に書かれていることを実行し続けるでしょう」
多くの人たちがこのように考えており、これが、エロヒムが人間によって認
められるときに起こる一つの問題です。従ってエロヒムは、彼らが私たちの間
に生み出した信仰よりも、強力なものでなくてはならないのです。
仮に、明日にもエロヒムが、地球のどこかに着陸するとしましょう。エロヒ
ムに会いに来た政府関係者やマスコミに対し、エロヒムが、神も霊魂も存在し
ないことを説明し、イエスその人を彼らに見せたとしたら、バチカンは簡単に、
ゆだ
その財産をイエスの手に委ねるでしょうか。答えはノーです。なぜなら、カト
リック教会の基本的な目的以上に、組織というものがはびこってしまっている
からです。
すべての修道女は、キリストの花嫁です。もしイエスがやって来たら、彼女
たちはイエスに身を任せるのでしょうか。どこかにイエスが生きているとは信
じていますが、実際にはいない人の花嫁であって、本当に彼が戻って来たら、
彼女たちは非常に困ってしまいます。これが修道女たちの問題です。
ある偉大なる思想家が言ったように、人は人の意見を変えることはできず、
あと
ただ、彼らが死んだ後に、より進歩的で異なった意見の持ち主が、それに取っ
て代わるだけなのです。時が、私たちに味方するのです。
へ んきょう
確かに、常にいくらかの偏狭な狂信者たちは残るでしょう。しかし、ちょう
ど初期キリスト教徒たちを迫害したキリスト教以前の宗教の狂信者たちが、そ
の信仰と共に消えていったのと同様に、彼らもまた消えていくことでしょう。
問題が起きるのは、ただ、エロヒムが現在の原始的信仰が完全に無くなる前
にやって来た場合です。
ラエリアン・ムーブメントと天才政治
(編集部注:同題の日本語版が無限堂より既刊)とい
質 問: あなたは『天才政治』
う本を出版して、「世界天才政治運動」を結成しました。しかし、それは宗教
運動を利用して、政治的教義を押しつけようとする手段ではないのですか?
回 答: 多くのラエリアンたちが、特に第一のメッセージの、エロヒムの惑星
における政治組織の形態を説明した章に関心を持ち、私に、その考え方を小冊
238
第三部/第1章:質問に答えて
子にして、そのイデオロギーに基づく政治運動の組織化に役立たせることを希
望しました。
人々がより良いものを発見することができるならば、それに任せることにし
て、とにかくエロヒムは地球に天才政治が移植されることを望んでいるので、
私は小冊子を書くことを承知しました。
次いで、特に「天才政治」に興味を持った何人かのラエリアンたちは、天才
かか
政治を掲げる政党を作り、設立後数カ月にして、選挙にその候補者を送り込み
ました。
個人的には、天才政治が発展しつつある国々においての私の態度は、とても
ハッキリしています。私の地球での使命は、何よりもまず、創造者たちからの
メッセージを広め、そして、彼らの要求している大使館を建設することです。
まいしん
ささ
天才政治に邁進している人たちは、私がこの使命に私の全時間を捧げ、彼らが
良い結果を得るようにと望んでいることを知っていますが、私は、彼らの諸問
題に関わることはありません。
さらに私は、この政治運動を組織したガイドたちに、できるだけ早く、彼ら
に代わりうるラエリアンではない人たちを見つけ、自分たちガイドは、ラエリ
アンとしての本来の仕事に専念できるようにすべきだと言い続けています。彼
らにとっては、ガイドの仕事が最も重要なのですから。
しかし、選挙のときに天才政治を掲げる候補者がいれば、私はラエリアンた
すす
ちに、常に彼らに投票するように勧めるでしょう。ちょうど、キリスト教徒で
あると同時に民主主義者であることができるように、ラエリアンであり、同時
に天才政治主義者であることはできるのです。
人は一つの宗教と、一つの政治的意見を持つことができます。しかし、ラエ
リアンだからといって、天才政治の政党で活動しなければならない、というこ
とはありません。それどころか、人は一度には一つのことしか十分にできない
と私は考えるので、ラエリアンたちには、積極的に天才主義に参加したりしな
いで、むしろ、非ラエリアンに任せておくようにと言っているのです。
つい
1 日に 8 時間働いたあと、余暇をメッセージの普及に費やしているとき、そ
のための 1 分はとても貴重です。その時には、私たちの創造者たちの言葉を伝
ぎ せい
えるための 1 分を、政治運動の支持のために犠牲にすることは決してできませ
ん。したがって選択をしなければならないことになります。その時にエロヒム
のメッセージの前では、政党はさしたる重みを持ちません。
239
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
私は一両の汽車をレールの上に乗せました。天才政治という名の汽車です。
そして私は、非ラエリアンがこの汽車を動かし続けてくれることを願います。
もしかしたら、それは大きくなって、人類を救うのに役立つでしょう。あるい
は、人類は天才政治なしでも、それだけ余計に時間はかかるでしょうが、救い
を見つけることでしょう。
確かなことは、近い将来に大使館が建設されることです。私の気がかりは今、
その一点にあります。そして真のラエリアンにとっても、これは同じでなけれ
ばなりません。
最も優先すべきことは、私たちの創造者たちの大使館を建設し、かつてのメ
ブッ ダ
ッセンジャーであるモーセ、イエス、マホメット、仏陀たちと共にエロヒムを
そこに迎えること。これこそ、何にもまして私が地球に存在することの理由な
のです。そして、それはまた、私を助けようとする人たちの存在理由となるべ
きです。
創造者の創造者を誰が創造したのか?
質 問: エロヒムは私たちを創造し、そして他の異星人がエロヒムを創造しま
した。それならば、エロヒムの創造者を創造したのは、いったい誰なのです
か?
回 答: 人間にとって、空間の無限性を理解することは、時間の無限性を理解
することよりも容易です。
空間においては、ひとたび十分な精神的な広がりを獲得すれば、地球が、何
か他のもっと巨大な存在の手などを構成する微粒子の、そのまた微粒子にすぎ
う
ないというようなことも理解し得るはずです。この巨大な存在自身も、空に輝
なが
く星を眺め、これらの星はさらに巨大な存在の手や腹、あるいは足を構成して
いる。そして、このさらに巨大な存在はまた空の下にあって……、というふう
に無限に続くのです。
無限小についても同様のことが言えます。私たちの手の微粒子の、そのまた
微粒子の上に知的生命体が存在します。彼らにとっては、これらの微粒子は惑
星や恒星です。この知的生命体もさらに微粒子により構成され、その微粒子が
惑星や恒星となるような、さらに極微の知的生命体が存在します。これが同様
240
第三部/第1章:質問に答えて
に無限に続いていくのです。
時間の無限性を考えることは、人間にとってもっと難しいことです。なぜな
ら、人間は生まれてからある時間を生きて、そして死んでいくからです。そし
しん ら ば んしょう
て人は、宇宙の森羅万象のすべても、自分がそうであるように、時間的に限定
されていることを望むのです。覚醒していない人は、宇宙の中で永遠に存在す
るというものを、考えることには耐えられないのです。科学者でさえ、その例
外ではありません。彼らは、宇宙は一定の広さを持つと言い、何百万年の古さ
であると言います。測定可能なものは、時間にせよ空間にせよ、人が感じるこ
とのできるものです。
物質にせよ、エネルギーの形態にせよ、すべては永遠です。そして、私たち
は永遠の物質によって構成されています。
エロヒムは、他の惑星から来た知的生物によって創造されました。そして、
この生物も、さらに他の惑星からやって来た生物によって創造されました。こ
うして、事態は無限に続くのです。
時間についても、空間についても、宇宙の始源を探すことは馬鹿げています。
私たちの手の原子の、そのまた微粒子の 1 つに存在する生物を、例に取って
みましょう。
彼らにとっては、その微粒子は惑星です。空間について、例えば人差し指の
こつずい
指先の骨の骨髄に位置する、極微の惑星に住む科学者たちは、まず肉眼で見え
る星は、宇宙の中心である自分たちの星の周りを回っていると言うでしょう。
なぜなら、彼らにとっては、自分たちの惑星が宇宙の中心であることが明白だ
からです。
そして科学が十分に進歩したある日、ある天才が、太陽やその他の星が自分
たちの小さな世界の周りを回っているのではなく、自分たちの惑星の方が自転
しつつ、太陽の周りを回っているのだと宣言します。彼はそのせいで、その惑
きゅうだ ん
星の糾弾者たちの手により、異端者として火刑に処せられるでしょう。しかし
ついには、十分に開発された望遠鏡によって、彼の方が正しかったことを知る
日が必ず来るでしょう。
そのとき学者は、宇宙の大きさを、天の一方の端の星から、他の端の星まで
の間だと過小評価するでしょう。それはきっと、その星々が存在する私たちの
指の部分の、何百億分の 1 にも満たないでしょう。しかし、それ以上は観察す
ることができないので、何も見えなくなったところで宇宙は終わると結論する
241
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
のです。
さらに観察の技術が発達すると、他にも、たくさんの星雲や星団があること
を知り始めます。しかし、それとて宇宙は、これまで人々が想像していたより
も大きいことを示しているにすぎません。それは常に、何十億キロメートルあ
るいは何光年といった具合に、それ以前よりも少し大きく、時には 1 0 倍か 1 0 0
倍だけ大きくなった、というだけのことなのです。私たちは現在、地球上で進
歩しつつ、その段階にいます。
ここで、話を、私たちの指にある小惑星に戻しましょう。科学は常に進歩し、
私たちの指先の骨の住民は、次第に大胆な宇宙探検へと乗り出します。こうし
て彼らは、ついには骨の境界にまで到達します。そして、宇宙はこれだけの大
きさであると断言します。それ以上は観測できないのですから、それが宇宙の
大きさということになります。
しかし少しあとには、彼らは骨と筋肉の境界を横切り、彼らの宇宙はさらに
大きな次元を獲得します。そして、さらに彼らの宇宙船を改良して、ついには
おお
指を被っている皮膚に到達し、そこで終局となります。この彼らの宇宙とは、
私たちにとっては 1. 5 センチメートルであり、彼らにとっては何万光年かであ
るのです。
彼らは次に、私たちの身体の残った部分への宇宙探検に入って行きます。彼
らは、星々が想像を絶する速度で動いている流れに沿って進み、その巨大な流
れの地図を作って、彼らが自分たちの惑星から出発して、また元へ戻って来る
ことができるようにします。この巨大な流れは、実は私たちの血管なのです。
はか
彼らの宇宙は測られ、限界が定められ、次第に特定の高さと広さと深さを持
つようになります。彼らにとっては何億光年もの大きな宇宙も、私たちにとっ
ては 1 メートル75センチなのです。彼らは、私たちの足が地球の上にあり、そ
へ んきょう
こには、あらゆる所に常に境界線を置きたがる彼らの偏狭な頭脳では想像でき
ない数の星雲があることを知りません。地球に含まれている原子の量は、私た
ちの身体に含まれている原子の量とは比較すらできないものなのです。
そして、この惑星上を歩いている私たちと同じような別の「人間─宇宙」が
存在し、空には多くの他の星や星雲があるといった具合に、無限に続くのです。
科学者たちが内部から観察できる指の骨の、何兆分の 1 ミリかに相当する範
囲内で彼らの宇宙を測っていた時代には、無限との調和を得て意識の最高レベ
で
し
ルに達した賢人のみが、それらのことを弟子たちに教えることができたのです。
242
第三部/第1章:質問に答えて
時間の無限性についても同じことが言えます。この小世界の科学者たちは、
彼らの惑星がその微粒子のそのまた微粒子であるところの分子の年齢を測るこ
とによって、自分たちの宇宙の年齢を測ることができます。次いで、その分子
がほんの一部である細胞の年齢のほうが、ずっと古いことを発見します。さら
に、この細胞が一部にすぎない腕の年齢のほうが、もっともっと古いことを発
見します。そしてまたさらに、この腕が一部にすぎない身体の年齢を発見する
というふうに、これまた無限に続いていくのです。
生きることは何の役に立つのか?
質 問: 生きることは、何の役に立つのですか?
回 答: メッセージに述べられているように、物事は常に、 4 つの基準に従っ
て判断しなければなりません。
無限との関係において、生きることは何の役にも立ちません。私たちの生命
も、人類全体の生命も、無限に対しては何の意味も持ちません。私たちが死に、
人類全体が滅亡しても、空間と時間の無限の中では何の変化もありません。私
たちがその構成微粒子の寄生物にすぎない巨大な存在は、何事も知ることなく
存在し続けるだけです。そもそも人類の創造以来の歴史も、それにとっては 1 0
億分の 1 秒ほどのものでしかありません。
私たちの手の微粒子のそのまた微粒子の上の生物もまた、何事もなかったか
のように存在し続けます。たとえ爆発によって引きちぎられた指から、流れる
す
血と一緒に彼らがそこに棲む微粒子が地中へ入り込んでいっても、これらの小
の
宇宙の生物は生き続けることでしょう。その血の一滴がウジ虫に呑み込まれて、
彼らの宇宙が存在する微粒子がウジ虫の成長過程で細胞構成のために利用され
ても、この小宇宙上の生物には何の影響も及ぼしません。ましてや、この小宇
宙上の生物の指の細胞を構成している微粒子上の生命には、何の影響も与える
ことはないのです。
エロヒムとの関係においては、逆に、私たちの生命はとても重大な意味を持
ちます。なぜなら、私たちは彼らの子供であり、私たちは彼らに、私たちを創
造してくれたことに対する感謝と、誇りの気持ちを示さなければならないから
です。私たちは無限を意識する能力を持ち、いつかは私たちもまた、自分たち
243
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
つく
に似た生命を創り出す能力を持っているのですから。
人間社会との関係においても、私たちの生命はとても重大な意味を持ちます。
えき
なぜなら私たちは、疫病や戦争から生き残った人たちの代々の子孫であり、長
わた
とう た
ふ さ わ
い間に亘る淘汰の結実であるからです。私たちは、人類にとって相応しい、そ
まさ
して今、正に人類が迎えようとしている黄金時代に向かって、最大限の努力を
しなければなりません。私たちは、この人類という大きな身体の細胞であり、
ゆえ
それ故に人類が生まれ変わるときには、個々の細胞である私たち個人は、大変
にな
重要な役割を担わなければならないのです。
最後に、私たち個人との関係において、自らの生命は、私たち自身が自分に
与える価値と全く同等の重要性を持つ、ということを付け加えておきましょう。
私たちが、エロヒムを創造者たちと認め、彼らのメッセージが人類全体に知れ
渡り、人類が黄金時代を迎えるのに貢献したいと思うのであれば、この偉大な
活動に関わることは快楽であり、そのために生きるというのは、これまた大い
なる喜びであると言わねばなりません。
そこで最初の質問に戻れば、生きること、それは生きることの喜びを得るの
に役立つと言えるでしょう。それが、私たちの創造者たちのメッセージを広め
る喜びであれ、人類が黄金時代を迎えることに貢献する喜びであれ、あるいは
無限との調和に喜びを感じることであれ、その他すべてが、生きることの喜び
に通じるものなのです。
快楽とは何か?
質 問: それでは一体、快楽とは何なのですか?
回 答: 快楽とは、快い化学反応を引き起こす行為をした時の、生物組織の反
応です。
母親の乳房にしゃぶりつく乳児は快楽を感じます。なぜなら、乳児の空腹は
いや
乳によって癒され、舌の味覚に引き起こされた化学反応が、快い感覚を引き起
こすからです。私たちの感覚のすべては、快楽を得るためにあります。官能瞑
想というのは、感覚によって伝えられる化学反応の快楽を、感受する能力の改
善にその基礎を置いているのです。
な
私たちが人生において何かを為すとすれば、それは結局のところ、快楽を得
244
第三部/第1章:質問に答えて
るために何事かを為すのです。快楽を得るためにではない行為など、生涯を通
じて一つとしてありません。
税金を払う人は、それを拒否して刑務所へ送り込まれずに済む、という快楽
を得るために税金を払うのです。子供を助けるために車の下に飛び込む女性は、
たとえ自分が傷ついても、その行為によって命が救われた子供の顔を見られる、
という快楽のためにそうするのです。部隊を助けようと敵の砲撃の中に身を投
じる軍人は、彼の戦友たちのために死ぬ快楽を得るために、そうするのです。
カミカゼ
きわ
このことは、第二次大戦における日本軍の神風特攻隊において、その狂気の極
みにまで達したと言えます。
官能の満足のような直接的快楽と、私たちがいま話したような行為の選択と
とら
いう間接的な快楽とは、区別して捉えたほうがよいです。後者はしばしば、環
境を感じ取る方法の意識的な向上がないまま、外部からの介入に対する反応と
して行われることが多いです。
知覚の質的向上の結果によって得られる意識的な快楽のみが、人間性の開花
に役立つと言えます。
私たちは、感覚によって無限と結びつけられています。見ることも、聞くこ
か
とも、嗅ぐことも、触れることも味わうこともできない人は、たとえ心臓が動
いていても、全く生きているとは言えません。その人は自分自身の自覚もなく、
い
か
周囲に対する意識もなく、したがって如何なる知性も持ち得ないのですから。
人が備えている感覚機能のうち、 1 つの感覚機能を欠く人は、それを補うた
めに他の感覚機能が優れて発達します。例えば目の不自由な人は、私たち一般
のが
かす
人が聞き逃してしまうような微かな音も聞き分けてしまうし、指先の感覚で字
を読むこともできます。
快楽中枢が脳内にあるのは、科学的にも明らかなことであり、脳内のその部
分に電極を通し、少量の電流を流すという実験での被験者は、この時の感覚を
ともな
オルガスムの状態に近いと言い、あるいは何らかの発見に伴う満足感、あるい
は集会などで名誉ある表彰の経験というように、それに似た感覚だと証言して
います。
そして、性的オルガスムを得た時、発明家が一つの発見をした時、あるいは
芸術家が傑作を物にした時や、軍人が勲章を受ける名誉の瞬間などには、同じ
ように脳内の快楽中枢が刺激されるのが、補強的手段を用いて証明されていま
す。
245
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
さらに言えば、他の実験では芸術家は創作のとき、性的に興奮している状態
のほうが、創造性が高まるということが分かったそうです。
まさ
正にこれは、極めて論理的なことなのです。快楽は、創造性を高めます。な
ぜなら、それは私たちの感覚を覚醒させるからです。そして、何かを創造する
つな
人が調和的な作品を世に送り出すためには、無限と繋がっていなければなりま
せん。したがって私たちは、感覚の感受性を高めることにより、快楽を知覚す
る質的向上に努めなければなりません。その結果、より深く味わうということ
のほかに、私たちの創造性の潜在的な能力を全面的に開発し、人類すべてに、
きょうじ ゅ
私たちの創造物を享受させて一般の意識を高めることになります。
こうしたことが、私たちがラエリアンのために組織するセミナーの際に教え
られることなのです。各人の意識レベルを高めることによって、人類全体の意
識レベルを高め、こうして、人類が黄金時代へ入る可能性をより高くするので
す。
社会を変革するためには、まず、その社会を構成する個人の変革から始めな
ければなりません。暴力はいつも、不幸な人たちによって引き起こされます。
ひそ
ですから、個人の幸福を増進することで、人間に潜む暴力性を弱めることがで
きます。
しばしば暴力は、自分を不幸だと思う人たちによって引き起こされるので、
政治家の技量のすべては、権力の座にある者たちを引きずり下ろすために、人
々の不幸の意識を強めることにあると言えます。そして、引きずり下ろされた
者は同じ目的で、また同じことを行います。
こうして、人々は常に不満の状態に置かれ、ついには、こうしたことの繰り
あと
は
返しの後に不満の捌け口を他の国に求め、それが一般的な意識に達すると戦争
が起きるのです。
官能を高めることによって各人が無限を意識するようになれば、社会全体が
変革されます。それは、普通の人々より覚醒している一握りの人たちによって
始められます。この人たちが、ある一定のレベルに達すると、周りの人たちに
とって、ガイドたりうる立場になります。そして、他の人たちが十分に開花す
るのを助けます。この助けられて開花した人たちは、さらに別の人たちを覚醒
する側に回ります。こうして、人類全体の意識が向上し、破滅的な世界戦争を
回避する道が開けてくるのです。
この過程はすでに、各国の学生や知識人たちが世界中で展開した、小さな非
246
第三部/第1章:質問に答えて
暴力のデモ行進によって少しずつ始められ、この平和と一方的軍縮運動は、人
類にとっての中枢神経系とも言えるテレビによって、より拡大されたのです。
それぞれの個人は、瞬間瞬間に、地球全体の意識の覚醒、あるいは衰弱に関
与しています。他人に影響を与えることを恐れてはなりません。私たちはその
ために存在しているからです。私たちはどんな瞬間においても、自分の発する
言葉ひとつひとつや、すべての行動が、人類の歴史にプラス方向に作用するよ
うに努力しなければならないのです。
ふ
しかし、決して他人を説き伏せようと考えてはなりません。なぜなら人は、
い
こ
じ
説得されていると感じる時は意固地になり、自説を曲げようとはしなくなるか
らです。むしろ、他人の哲学との共通点を引き出すように努め、相手が自分で
見つけ出したという喜びを味わえるように仕向けてやることです。
他人には他人の道を行かせ、自分は自分の道を行くという考えで、他人に影
響を与えたくないと考えるのは馬鹿げています。しかし、他人に影響を与えま
いとすることのほうが、何事かに狂信的な態度を取ることより影響が大きいこ
ともあります。人々は何事であれ、次第に狂信主義を警戒するようになってき
ましたが、これは正しいことです。なぜなら、それこそが知恵の始まりだから
です。
地球上には、真実を追求し、かつそれを示す人と、真実を追求してもそれを
隠す人がいます。いずれにせよ真実を追求しない人はいないのですが、他方で
は、真実を発見したふりをしてそれを示す人がいます。そういう人たちという
のは、実は伝統にすがりついていたいだけなのです。本当に真実を発見して、
それを指し示すのはラエリアンたちなのです。
したがって、真実を追求してそれを示す人たちが、まず第 1 に私たちの関心
の対象となります。なぜなら、彼らは誠実で開かれた精神の持ち主であり、一
般的にとても知性的で調和が取れているからです。いずれにせよ彼らは、新し
い世界の変革というものが自分を傷つけたり、あるいは自分の精神に異常な影
響を与えるのではないかという心配もなく、
事態を受け入れることができます。
先駆者である現在の多くのラエリアンたちは、この段階にあると言っていいで
しょう。
一方、真実を追求しながらも、それを隠す人たちがいるわけですが、彼らも
また私たちの関心を引きます。しかし、その人たちはまず、他者の批評に対す
る恐れを克服してから、私たちと合流することになるでしょう。
247
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
なん
真実を発見したように振る舞う人たちは、彼らが、宇宙には何ら一定不変な
ものはなく、すでに通用しなくなった伝統にすがりつくことは、馬鹿げたこと
であるという認識に立った時に初めて、私たちと合流することが可能となりま
あが
す。彼らは、しきたりを崇め、彼らの「神」の真の姿を全く無視しています。
これらの人たちは皆、快楽のためにそういう行為をしているのです。最後に
述べた人たちは、彼らの子供たちが自分たちと全く同じようにお祈りをし、今
度はその子供たちもまた同じことをするように教え込むだろうと考えて、喜び
を感じるのです。
学校では、人間は猿の子孫であると教えられます。馬鹿げたことに、学校の
教育は尊敬されなければなりません。なぜなら、それが伝統であるからです。
また、牧師の話も尊敬されなければなりません。なぜなら、それが伝統だから
です。私たちは、これら 2 つの教育がなぜ異なっているのかを自問することも
できません。
みずか
これが、伝統主義者たちの態度なのです。もしもイエス自らが、クリスチャ
ンに日曜日に教会のミサに行くのはやめて、子供たちには成人するまで洗礼を
受けさせないようにと言ったならば、彼らはきっと再び、イエスを十字架にか
けるでしょう。
真実を追求しながらもそれを隠す人は、他人が自分について考えていること
のほうが自分の真の姿よりも大切であると考え、むしろそれを喜んでいるよう
はりつけ
な人なのです。そういう人たちは、決してイエスを 磔 にはしません。心の底で
はむしろそのことに反対ではあっても、決して何も言いはしません。つまり、
よう ご
すべてに干渉しない態度なのです。彼らは、たとえ自分たちの真実の擁護のた
ご めん
めではあれ、関わり合いになるのは御免だからです。
すべての人たちが十分に官能を楽しむことができるようになれば、もはや世
界戦争はあり得ないでしょう。暴力の底には、常に官能が満たされていない人
たちがいます。ですから、私たちはすべての感覚を通して官能を楽しむことを
学び、また周囲の人たちにそのことを教えなければなりません。
すべては、子供の頃から始めるべきなのですが、単に「どのように機能する
か」を教えるだけでは、十分ではありません。残念ながら、それが現在までの
い
性教育と云われるものの姿なのですが、「どのように私たちの性を使い、快楽
を得て、そして快楽を与えられるか」というところまで、教えられなければな
らないのです。
248
第三部/第1章:質問に答えて
したがって、それは性教育というものではなくて、むしろ、官能教育と言い
換えた方が良いでしょう。
快楽は常に、開花の役に立ちます。ここで言う快楽とは、直接的な快楽であ
ぎ せい
り、戦友のために身を犠牲にする兵士の快楽ではありません。直接的な快楽は、
私たちが無限と調和し、無限の中の自分を感じる方法を発達させます。
私たちの存在は、遺伝子コードという設計図に従って組織化された原子の集
ほか
積に他なりません。そして、私たちが意識するか否かに関わらず、私たちの環
境に対して絶えず無数の化学反応を起こして順応しています。意識のレベルを
高めるということは、これらの化学反応をより多く自らのうちに感じ取り、無
限の中でよりよく自己の位置づけをして、いっそう調和的になることです。
つな
人は、無限で永遠の宇宙と自分が繋がっていると感じるとき、もはや不幸に
はなり得ません。存在すること自体の喜びを発見したからです。
死とは何か?
質 問: 死とは、何ですか?
回 答: 無限の前にあっては、死は何の意味も持ちません。私たちを構成して
いる物質は永遠です。つまり、私たちはもともと、永遠そのものから出来てい
るのです。
例えば、私たちの鼻を構成している微粒子は、私たちの身体に入る以前に、
たいない
すでに存在していたものです。ある微粒子は、私たちが母親の胎内で成長を続
けているとき、母親の食べたビフテキの中に存在していたかもしれません。そ
れから母親の胎内を通過して、私たちの顔の上に定着してきたのです。他の微
粒子は、昨日食べた果物の中にあり、それが腹から血液によって鼻まで運ばれ
て来たのかもしれません。こうしたことは、私たちの身体のあらゆる部分につ
いて言えることです。
同じことが、私たちの死後についても言えます。死後、人間の身体の微粒子
かえ
は土に還り、再び動植物に還元されたり、あるいは大部分は地中に残ったりし
ちり
ます。なぜなら、「お前は塵であり、再び塵となるのだから」
それに反し、私たち人間という、物質の組織的な集積にとって、死とは最終
的な大異変です。
249
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
死とは、私たちを構成している物質の、分散過程の始まりです。
しかし、死が何であるかをよく理解するためには、まず生命とは何であるか
を、よく理解しておく必要があります。
ほか
生命とは、組織化されていない物質の組織化に他なりません。エロヒムが地
球にやって来た当時、地球に生命は存在していませんでした。つまり私たちの
レベル、すなわち生物と呼べるレベルにまで組織化された物質は、存在してい
なかったということです。
エロヒムはこの物質を取り、聖書に語られているようにそれを「練り」、そ
して、生命を創造するために「型に入れた」のです。これはもちろん分子レベ
ルの話であって、陶器レベルの話のことではありません。しかし、原始人にと
っては、分子レベルの話というのは分かりません。原始人にとっては、創造主
がいくらかの土を取り、それから人を作ったという理解なのです。確かにエロ
ヒムは、土の中からいくらかの化学的成分を取り出し、そして科学的な結合を
通して、非活性的なものから活性的なものを合成したのです。
現在、地球上に存在する生物のすべては、エロヒムによって基礎的な「土の
かたまり
塊」から創造されたものです。それはある方法により、原子を集合させた分子
構成物です。そして今日、私たちの時代の地球の科学者たちは、植物でも動物
けもの
でも、人間でも獣でも、あらゆる生物が、基本的に同じような成分から成り立
っていることを知っています。
おのおの
各々の文字が原子を表すある種のアルファベットにより、各生物種の遺伝子
コードの構造を表すことができます。当然のことですが、種が異なると、この
アルファベットの文字の配列は異なってきます。しかし、アルファベットの文
字そのものは、どんな種においても常に同一です。
かたまり
こうして一つの「土の 塊 」から、 私たちの創造者たちは実に多くの「家」を
つく
創ることができました。これらの様相は実にさまざまですが、その成分は同一
です。そして、これらの種が再生される時には、エロヒムによって創造された
これらの種の、最初のものの遺伝子コードで再生されるのです。
したがって生命とは、組織化されていない物質の組織化であり、死とは、組
織化された物質の非組織化だと言うことができます。
そ
ひと
生命とは、その設計図に沿って独りでに構築され、そして自己管理をする家
です。死は自己管理の終わりであり、家を構成している物質の分散の始まりで
つい
あり、そして遂には、その家の持っている設計図の破壊に至ることです。
250
第三部/第1章:質問に答えて
これらの家の設計図を描いた、私たちの宇宙の「偉大な建築家たち」は、い
つの日か自分自身が建築家となり、やはり自己建築が可能な家の別の設計図を
ひってき
作り、その創造者に匹敵することが可能となるタイプの家を作りました。この
最高のタイプの家が、すなわち人間です。人間はまもなく、非活性的なものか
ら新しい遺伝子コード、つまり新しい設計図の合成に成功しようとしています。
なぜなら、生物は自己の触覚や感覚を通して、その環境の中に自らを位置づ
つく
けることができるように創られているからです。
人間は、自己プログラミングと自己再生が可能な、生物コンピュータにすぎ
こんにち
ません。今日、私たちが作ることのできる高度に進んだコンピュータと人間と
すぐ
を区別するものは、何もありません。もっとも、人間よりも優れたコンピュー
タを作ることもできますが……。
ところで、コンピュータも、環境の中に自らを位置づけるために、その手段
を内蔵することは可能なのです。最近作られたコンピュータには車輪が付いて
にな
おり、頭脳に相当する部分に接続されたテレビカメラが人間の目の役割を担っ
て、どんな障害物でも避けて進むことができます。
コンピュータは、あらかじめプログラミングされたことしか実行しません。
人間もまた同様です。ではさらに、人間とコンピュータとの比較を続けてみま
しょう。
聴覚に関しては、コンピュータにマイクロフォンを付けて、周囲の音を聴け
るようにすることは非常に簡単なことです。そうすれば、人間が耳で聴くのと
にお
か
同じように聴くことができます。また、匂いを嗅ぎ分ける装置を付けたり、味
覚の解析装置を付けてやれば、人間と同じように匂いを嗅ぎ、味わうことも可
能です。同様に、触覚、温度、物の硬度、重量測定など、あらゆることを私た
ちがするのと同じようにできます。
はる
すぐ
そればかりでなく、人間の器官よりも、遥かに優れたものを備え付けること
さえ可能です。例えば視覚については、ズームレンズを備えた多重焦点のカメ
ラを装置すれば、数キロメートル先までハッキリと見ることもできるし、顕微
鏡を装置すれば、人間の肉眼ではとても見ることのできない、微小な物まで見
ることができるでしょう。
聴覚についても同様です。人間は非常に狭い範囲で周囲に存在する音を聞く
ことしかできませんが、犬のような動物は、より広い範囲の音を聞くことがで
きます。コンピュータは、超音波または超低周波感応装置、そして指向性マイ
251
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ひろ
クを付けることで、数キロメートル先もの音を拾うことができます。
視覚の話に戻ると、赤外線カメラや紫外線カメラの力で、夜の世界を白昼の
ものとすることも可能です。これは人間の限られた視覚ではできないことです。
きゅう
しゅう き
にお
嗅覚については、臭気解析装置により匂いを識別し、香水や周囲の気体の化
学組成をすぐに伝えることができます。これは人間の鼻には決してできないこ
とです。
味覚については、風味分析装置によって、あらゆる物質の詳細な化学分析を
することができます。
最後に、触覚については、感触器を備え付ければ、熱いとか重いとかだけで
はなく、正確に物質の温度、重さ、硬度を分析することができます。また、人
間の皮膚には耐えられない温度のものを扱ったり、人間の筋肉で持ち上げるこ
とのできる重さの 1000倍のものを扱うこともできます。
さらに、人間に備わっていない、または利用できない感覚をコンピュータに
くらやみ
備えることもできます。例えばレーダーを備え付け、真っ暗 闇の中で動くの
を可能にすることもできるし、音波探知機、X線検出器、コンパス、重力検出
器、無線通信システムなど、私たちの身体には備わっておらず、私たちには感
知することさえできない数多くの感覚を備えることができます。もちろん電子
機器を利用することで、私たちにもそれらを認識することはできますが、同時
めっ た
にすべての機器を備えて、いつでも利用可能ということは滅多にできません。
次に、人間というコンピュータと、機械の、それぞれのエネルギー補給の問
題についてですが、人間の場合は空腹感のある時は食事をとるように、コンピ
ュータの場合でも、最近では、そのエネルギーをバッテリーに頼る場合、電気
量コントロール装置を内臓するコンピュータは電気が無くなってくると、自動
おもむ
的にコンセントまで自らの充電に赴くようになっています。つまり、「お腹が
す
空いた」と言って食堂へ向かう人間と、何ら変わるところがありません。
け
が
また、怪我をした人間が治療のあとに仕事に戻るように、コンピュータにも
自己診断管理機能をプログラミングしておけば、ちょうど自らのエネルギー補
けっかん
給の充電を自動的に行うように、コンピュータは、欠陥部分の部品交換まで自
ら行うことができます。
このように、コンピュータは不死であり、私たちにとっては避けがたい問題
の死というものを知りません。
人間は生殖することができます。それはコンピュータにおいても同様です。
252
第三部/第1章:質問に答えて
そのようにプログラミングしてやればよいのです。仮にコンピュータに、自分
自身の複製を作るようにプログラミングしてやると、自己増殖を行うコンピュ
ータ群を手に入れることができるのです。複製されたコンピュータも、自分の
番になれば、同じことを繰り返すことができます。
人間においては、種の保存本能と云われる生殖行為は、そのことによって快
な
楽を得るから為されるのです。人間は、無意識のうちに種の保存本能に従って
いるのです。もしもセックスの行為に何の快楽も感じなければ、人間は生殖行
為はしないでしょう。人間とはそのようにプログラミングされているのです。
つまり、セックスの行為に快楽があるようにプログラミングされた遺伝子コー
ドに従っている、というだけのことです。
ですから、ピルとか、リングとか、コンドームなどの避妊具の使用は、本来
ぼうとく
的には、人間に備わったこの遺伝子コードへの、大いなる冒涜ということにな
ります。避妊具の使用はつまり、快楽は味わうが、それと生殖行為を意図的に
分けているからです。
しかし、快楽は常に人を開花に導きますが、人口過剰は人類にとって、もっ
と大きな危険であることもまた事実です。人間が自らの行為を、人類全体に対
して及ぼす影響の重要性を意識した最も素晴らしい行為のひとつが、この科学
的な避妊です。
再び、話をコンピュータに戻しましょう。コンピュータに、何かの動作を行
うと快楽を得るように、プログラムを組むこともできます。そうすれば、すべ
てのコンピュータが、快楽を得るためにその動作を行うようになります。例え
ば、先ほど述べたように、コンピュータが電気量の残り少ないことを知れば、
彼は「これはまずい」と考えて、充電に出かけます。電流が彼の中に流れ込む
と、コンピュータは「これはいい」と快楽を感じる、といった具合です。
それでは、コンピュータのプログラミングとはどんなことを言うのでしょう
か。それは、コンピュータの動作を制御する情報を記憶装置にセットする、と
いうことです。演算するようにプログラムを組めば、コンピュータは演算を行
い、作図をするようにプログラムを組めば、作図を行い、楽器を演奏するよう
にプログラムを組めば、演奏を行いますが、コンピュータはプログラム通りの
ことしか実行しないので、演算するようにプログラムされたコンピュータが楽
器を演奏するということはありません。もっとも、最初から両方できるように
プログラムを組んでおけば、話は別ですが。
253
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
では、人間のプログラミングとは何でしょうか。
それは一方では、人間の行動、環境と接触するための感覚器官、移動・食物
摂取・生殖などに用いるための物理的器官に関する諸情報を内包した、遺伝子
コードのことです。これらの情報は、各人が多かれ少なかれ遺伝的に、生まれ
た時から持っている先天的なものです。
また他方では、それは、他者との交流のための言語学習を通じて人間を条件
づける教育とか、人間の行動を規制する法律、「道徳的」価値観、教訓、世界
観、宗教など、個人の行動を規制するすべてのものです。個人は、自分の意志
で行動し、自分で選択した価値観に従って行動していると思っていますが、実
はこれは、個人の受けた教育や教育者の観念により決定され、プログラムされ
たものなのです。これが後天的と言われるものです。
無自覚な人間、つまり通常人は、先天的あるいは後天的に、遺伝または教育
な
者によってプログラムされた以外のことは、為し得ません。
それに対して、完全なる人間、すなわち空間と時間の無限の中に、自己を位
置づけることができるほどに意識レベルの高い人は、自己プログラミングの可
能なコンピュータとなります。その人は、自己の意見を求めることなく知らず
知らずのうちに為されてきた、教育者によって自己に押しつけられたプログラ
ムを、再検討することができます。そして、これまでのものより高い基準に照
もろもろ
らして、自分により良いと思われる諸々の新しい価値を、全面的あるいは部分
的に、古いプログラムに替えて取り入れることができます。
今までの基準というのは、伝統の保持という世間一般の目的に個人を順応さ
せるために、周囲や家族によって正当化されてきた基準です。そして、その伝
統というものは、必然的に過去に、すなわち宇宙とその中での人間の位置づけ
という観念において、社会一般の意識レベルが全く原始的であった時代に結び
ついているものなのです。
完全な人間、つまり、自分の頭脳能力の 1 0 パーセント(この数字は通常人、つ
まり不完全な人間の平均値である)以上の能力を発揮できる、高い意識レベルを
持つ人間になりたいと思う通常人は、徹底的な「脳の洗濯」を自分自身で成し
と
遂げる必要があります。
この作業によってのみ人は、頭の中のすべてのものを取り出し、それを分析
し、自分に良いと思われるものを残し、悪いと思われるものを取り除くことが
可能となります。自分自身のものと言える諸観念は維持し、受け入れた諸観念、
254
第三部/第1章:質問に答えて
つまり他人や家族、取り巻きや人を自分たちの好む型にはめ込もうとする連中
から受け取った諸観念は、捨ててしまうのです。
この作業は、あなたの行動、社会で起こる出来事に対してのあなたの反応、
また、あなたが目を覚まし、起床し、洗面し、服を着て食事をし、労働し、他
さ さい
人と会話をし、官能を楽しんだりする時のそれらのやり方すべて、些細で取る
まゆ
に足りないようなあらゆる行為にまで及びます。完全な人間になるとは、眉の
動き一つにせよ、周囲の人たちに与える影響を意識できるようになるというこ
とです。
もちろん、この「大掃除」が効果的であるためには、この不完全な人間の世
へだ
界と完全な人間の無限の宇宙とを隔てる壁をすでに乗り越えた人間と一緒に為
される必要があります。無限の世界へ通じるいくつもの道を知っていて、しか
も、新しい旅人に無理に特別な道を選ばせることもなく、旅人が自由に選んだ
そ
道に沿って歩いて行けるように彼を導いてくれる人と、一緒に行うのが良いの
です。
人間の意識というのは、一般的に、ある基準に従って他人によって建てられ
た家のようなものです。この基準は、世間がそのように作り、また、何よりも
ゆえ
はさ
両親のものであるが故に、私たちは決して、それに疑問を差し挟むようなこと
はありませんでした。
ほんぽう
完全な人間は、この家を破壊し、彼の好みと自由奔放な考えに沿った設計図
はいきょ
を描き、前の家の廃墟の中から再び使えそうな材料を取り出し、それらを新し
い材料と組み合わせて、彼の本当の個性に完全に適合した、新しい住居を建て
るのです。
人々は、自分の意識レベルに応じた家を持っているものです。彼らはいつも、
正方形かあるいは長方形で、二重屋根のある家に住んでいます。誰も、相も変
わらず同じような家を造り、同じような家に引っ越すのです。それらの家は、
ことごとく列柱のような垂直の壁を持ち、そのギリシャ風の列柱の上に、ピラ
こんにち
ミッド状の二重屋根を持つギリシャ聖堂のようです。今日では、現代的な建築
技術により、私たちは自分の好みに合った球形、円形、卵形、ピラミッド型、
鳥型、木型などの、個性的な家を建てることができるというのに。
一列に並んで、全く同じ形をし、現在大量に生産・販売され、単調で俗悪な
村を形成しているこれらの家は、全く、そこに住んでいる人たちの意識レベル
の、正確な反映であるのです。
255
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しかし逆説的ではあるのですが、住居の形態は、人間コンピュータの自己プ
ログラミング能力の反映による、典型的な例と見ることができます。ツグミは
常に同じように巣を作ってきたし、将来もまた同じように作り続けるでしょう。
それは、遺伝子コードに巣作りのプログラムが組み込まれていて、ツグミはそ
れを変えることができないからです。しかしながら人間は、自分の住居をその
環境に適合させることができます。人間は、ギリシャ風の聖堂やピラミッド、
えだ ぶ
ま てんろう
枝葺きの小屋や氷の家、木の小屋からコンクリートの摩天楼、石で出来た大聖
とう
堂、あるいは金属とガラスで出来た塔など、何でも造ることができます。
しかし、自己プログラミングの可能なコンピュータという人間の特性が、機
械で出来たコンピュータと人間とを区別するものだと考えてはなりません。す
でに述べたように、自己生殖するコンピュータを作ることができるように、自
己プログラミング可能なコンピュータを作ることもできるのです。すなわち、
それは生活し、働き、生殖し、自分の経験に即して基本のプログラムを修正し、
そして自分の子孫、すなわち新しく作られたコンピュータに、そのプログラム
の修正箇所を伝えていくのです。
そしてさらには、「精神の覚醒したコンピュータ」というものを作り、それ
以前に作られた、自己プログラミングの不可能なコンピュータのプログラムを
修正して、この利点をそれに伝えていくものを作ることさえ可能です。
人々は、こうして機械によって、自己の中にはその起源にせよ、行為にせよ、
何ら神秘的なものが無いことを発見しつつあります。人間に可能なことは、す
すぐ
べてコンピュータにも可能です。それどころか、コンピュータのほうが優れた
能力を発揮します。このことは、人間に可能なすべてのことについて言えるし、
芸術的創造の分野ですら例外ではないのです。すでに音楽を作曲し、絵を描く
ことのできるコンピュータができています。
このように、コンピュータに備え付けできない人間の能力というものはあり
ません。無限と調和するという能力でさえも、コンピュータのプログラムに組
み込めることを付け加えておきましょう。これは、実に素晴らしいことです。
いっぺん
なぜなら、このことによって人間は、ついに一片の疑いもなく、自己を素晴ら
しい機械と見なし、幸福の獲得、欲望の充足による開花に専念することができ、
究極的には自己が無限で永遠であることを、すべての人間が感じて、幸福にな
る世界を樹立することができるからです。
256
第三部/第1章:質問に答えて
性の自由──それは義務ではない
うた
質 問: メッセージは、完全なる性の自由を謳っています。しかしそうすると、
あなたの本を読んでラエリアンになろうとするカップルは、すべてパートナー
の交換を実行しなければならなくなるということですか?
回 答: 自由と義務とを混同してはなりません。互いに深く愛し合っているラ
エリアンのカップルで、ふたりのうちどちらも、別のパートナーとの経験を望
まないのであれば、彼らふたりは一緒にいることが一番いいです。一緒にいる
ことが互いの幸福であり、何か別の生き方をしようと思わないのであれば、そ
れはそれで、何も言うことはありません。
まさ
各人は、それぞれのしたいことを正にするべきなのです。性の自由というの
は、ひとりのパートナーで満足するという自由でもあるのです。すなわち、自
分自身と出会い、自分が求めてきた正にそのものを、互いのうちに見いだした
なら、それ以後はずっと一緒にいるという自由です。
しかし、他の人との経験によって、あなたが自分のパートナーの良さを改め
ま
ま
う
て感じるということも、間々あり得ることではあります。こうして、自分のパ
ートナーの長所をより一層感じることができます。性的経験においてはあらゆ
ることが可能であり、あらゆることが許されています。しかし、許されている
ということは、それが義務だということでは決してないのです。
ラエリアン・ムーブメントの設立以来、多くのカップルが誕生しました。中
う
ま
にはとても上手くいっているカップルもあり、彼らが、別の人を探しに行く必
要があるとは思えません。それは、互いに互いの良さを確認しに行くようなも
のです。もっとも、十分に覚醒した人たちは、そういった経験そのものが不必
要であることを理解しているものです。
意識的で完全な人間であれば、結果を知るために何かをしてみる必要はあり
で
ません。すべてが分かり、すべてを感じ取ってしまうからです。少なくとも弟
し
子の覚醒、あるいは弟子の進歩のために、必要と思われる経験をしてみようと
いう場合を除いてはそうです。
三つの基本的な原則が守られれば、各人は好きなように歩むのがいいでしょ
う。
──パートナーを自由に決める際には、相手の好みと意志を尊重すること。
257
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
──人は決して他人の所有者にはなれないし、他人は私たちに属してはいな
いという意識を常に持つこと。
──何よりもまず、愛する人の幸福を常に考えること。
この三つの基礎の上にすべてが可能です。多くのカップル、 3 人一組、 4 人
一組、あるいはそれ以上のラエリアンが、至福の中で暮らしています。同性愛
であっても、異性愛であっても、両性愛であっても……。
ラエリアン・ムーブメントと同性愛
質 問: 同性愛に対する、ラエリアン・ムーブメントの立場は何ですか?
回 答: それは実に簡単です。各人は、自分の好きなように、自分の身体を使
用する権利があります。同性愛は、正常とか異常な行為というようなものでは
ありません。それぞれ人は、自分の好みと自然の性向に合った性生活を送るべ
きです。
母胎内での性の分化は、妊娠後期の段階で始まります。ですから、男らしい
男性、女性的な男性、男性的な女性、女らしい女性、およびそれらの中間色の
様々な発現があっても、それらはすべて遺伝的なものであって、同性愛である
ことを責めるのは、人間が人間であることを責めたり、猫が猫であることを責
い
めるのと同じく、愚かなことです。それに、動物にも多くの同性愛があり、田
なか
まれ
めん
舎へ行くと、犬や牛や鳥の同性愛を見ることも稀ではありません。その犬や雌
どり
鶏の同性愛が自然であるのと同じように、人間の同性愛も自然なことなのです。
むしろ、他人に対して、自分と同じような性生活を持つように強制すること
のほうが不自然です。それは一般的に言うと、自分に似た行動をしない人たち
しいた
を虐げる人たちのやっていることです。人種差別主義者や伝統主義者、あるい
は軍国主義者についても、同じことが一般的に言えます。
同性愛を攻撃することは、一種の人種差別です。同性愛を攻撃する人たちは、
一般に貧しい性生活を送っており、他人が自分たちとは違った性生活を送って
いて、開花している様子に耐えられないのです。
ごう かん
同性愛を攻撃する人たちは、時として、いともたやすく強姦を許すことがあ
ります。しかしこれは、許されざる恐ろしい罪です。ラエリアンのガイドの中
には、同性愛者、異性愛者、両性愛者も存在しますが、皆、開花しています。
258
第三部/第1章:質問に答えて
なぜなら、彼らはあるがままに愛され、他のどんな宗教も示せなかった兄弟愛
い
の中で、自ら望むように、自分自身の体を活かし、開花させることができるの
だという意識を持っているからです。
さくしゅ
バチカンの搾取者が同性愛を断罪し、女性が司祭になることを拒否するとき、
どうしてローマ・カトリックの信者であり続けられるでしょうか。ここに人種
差別と性差別の二つの証拠があるのです。見る眼のある人は、真実を見ること
ができるでしょう。
にせ
理神論者と進化論者──すなわち偽預言者たち
質 問: アポカリプスの時代が到来するとき、多くの偽預言者が現れるだろう
と言いますが、偽預言者とは、誰のことを指して言うのですか?
回 答: 私たちの時代には、多くの偽預言者が存在します。それでは、
「預言者」
とは一体、何でしょう。この語源に注意してほしいです。それは、
「真実を啓
示する人」を意味します。
にせ
いつわ
現代の偽預言者、偽りの啓示者とは、第 1 に、人々を原始的な信仰に戻らせ
ようとする人のことを指します。非物質的で触れることのできない全能の神が、
私たちの 1 人ひとりを見張っていて賞罰を与えるという、あの原始的な信仰で
す。これはすなわち、無限と私たちの創造者エロヒムとを混同した概念です。
ゆえ
無限は、空間の中で無限であるが故に触れることはできないし、また永遠に
存在し、さらに何ら自意識を持たないが故に、人類あるいは個人に対して何ら
影響を与えるものではありません。一方、エロヒムは触れることができ、無限
の中でこの区域においては全能ですが、私たちを彼らの子供のように愛してい
ゆえ
るが故に、私たちが科学的・精神的に自由に進歩発展するのに任せています。
偽預言者の現代における第 2 の類型は、地球上の生命の起源、したがって人
間の起源を、長い間の進化の過程での偶然の連続による結果だと、科学的また
は非科学的に主張する人たちです。
アインシュタインが言ったように、時計屋がいなければ時計は存在しません。
私たちの存在が、長い間の偶然の連続による進化の結果、猿から人間になった
のだと信じる人たちはすべて、ちょうど時計の部品をバラバラに袋の中に入れ、
ゆ
ため
袋を揺すったら立派な時計が出来上がると考えるようなものです。あなたは試
259
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しに、10 億回でもそれを繰り返してみたらいいでしょう。
にせ
いつわ
従って、進化論者たちもまた偽預言者であり、偽りの啓示者なのです。彼ら
は、白衣を着た公認の科学アカデミーの多数を占める科学者の言うことは本当
であると信じている大衆を、真実から、そして私たちの創造者エロヒムからも
遠ざける者たちです。
私たちがエロヒムの創造物を、単なる偶然の結果だと考えていることをエロ
ヒムが知った時、エロヒムがどう思うかを少しでも想像してみたらいいです…
…。
自 殺
質 問: 第二のメッセージの中に、
「苦しみがあまりに激しい人は、自殺をする
よ
権利がある」と書いてあります。これは、自殺は善いことだという意味なので
すか?
回 答: 私たちはすべて、一生を通じての行為によって判定されます。総じて
プラスの行為をした人たちは、エロヒムと共にある永遠の生命が与えられるで
しょう。
やわ
肉体的な苦しみがあまりに激しく、またその苦しみが人類の科学では和らげ
られない場合は、人は自殺することができます。それでも、その人が一生を通
じてプラスの行為をしてきたならば、永遠の生命が与えられるのです。そうで
む
ない場合は、再生されることもなく、待ち受けているものは無です。もしも、
その人の行為が全体としてマイナスのものであったならば、場合によっては、
さば
彼が苦しめた人たちによって裁かれるために再生されるかもしれません。
す いじゃく
肉体的な苦しみもなく、また肉体的な衰弱もない人は自殺すべきではありま
と
せん。なぜなら、人はそれぞれ、何らかのことを成し遂げるために地球上に存
在しているからです。ラエリアンにおいては特にそうです。彼らはエロヒムの
つい
代弁者であり、彼らはその一生を、創造者のメッセージを広めるために費やさ
なければなりません。
自殺するということは、従って裏切り行為ということになります。戦いの最
中に持ち場を放棄するのと等しい行為です。それは人類が覚醒し、生き残り、
たたか
黄金時代に至るための闘いです。エロヒムは私たちの 1 人ひとりに期待してお
260
第三部/第1章:質問に答えて
り、私たちの創造者たちにとっては、 1 人ひとりのラエリアンが大切な存在な
のです。
ゆいいつ
やわ
従って、唯一の例外は、和らげることのできない極度の肉体的な苦しみであ
り、有効に活動できないほどの肉体的な衰弱です。
それ以外の人たちは全員、私たちの父なるエロヒムのメッセンジャーであり、
他の人たちに良き知らせを伝えるために、生き続けなければなりません。
261
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第2章
新しい啓示
この章には、第二のメッセージが与えられた『異星人が私を彼らの惑星へ連れて行
た
った』の後、 3 年が経たなければ、私ラエルには公表する権利のなかった〝真実の啓
示〟が含まれています。
私たちは今、ラエル紀元 3 4 年(1979年)にいます。したがって、それらのことをす
べての人々に知らせることができます。
悪魔は存在しない、私は彼に会った
つの
さ
頭に角を持ち、足が裂けた生き物がどこかに隠れていて、時が至れば、私た
しり
ほこ
ちの尻を三つ又の矛で串刺しにやって来るのではないか、とは恐れないように。
は
いかずち
雲に乗って白いヒゲを生やし、右手に雷 を持った「正義の神」が存在しないの
と同じく、悪魔などというものも存在しません。
大多数の人たちにとっては、悪魔もサタンも、ルシファーも、デーモンも、
悪の力を具現した同じひとりの人間を、様々な言葉に表現したものにすぎない
のです。ちょうど「アポカリプス」という言葉が、人々にとっては「世界の終
末」を示しているように。
それでは、これらの言葉の真の意味を考えてみましょう。
年代学的には、「サタン」が最も古いです。
エロヒムが自分たちの惑星の実験室内で、最初の完全な合成生物を創造した
とき、彼らの世界の一部の人たちは、彼らの文明にとってこれは危険なことだ
つく
と考え、この遺伝子操作に反対しました。科学者たちがいつかは怪物を創り、
それが実験室から逃げ出して殺人を犯すのではないかと考えたのです。不幸に
もそれが現実となり、遺伝子操作の禁止運動が勝利を収めて、エロヒムの惑星
262
第三部/第2章:新しい啓示
や
政府は、科学者たちにその実験を止めさせ、彼らの創った生物のすべてを破壊
するように命じたのでした。
そっせん
この遺伝子操作に反対する運動を率先した団体は、エロヒムのひとりである
ひき
「サタン」という人物に率いられていたのです。
すいこう
そして、科学者たちには、他の惑星での実験の遂行が許されました。新約聖
たと
書の『マタイによる福音書』13 章 3・4 節の譬えの中に、次のような、エロヒ
ムによる他の惑星での生命創造の記述があります。
たね ま
びと
みち ばた
見よ、種蒔き人が種を蒔きに出て行った。蒔いているうちに、道端に落ち
た種があった。すると、鳥が来て食べてしまった。
これらの鳥たちは、実はサタンの使者たちだったのです。彼は、生命創造の
実験地として科学者たちに選ばれた最初の惑星は、彼らの世界には近すぎて危
険だと考えたのです。そして、もしも不幸にして創造物が、彼らよりも知性的
さら
でかつ暴力的であったならば、自分たちの惑星の人間が危険に曝されると考え
たのでした。こうして、エロヒムの政府は再び、科学者たちの労作を破壊する
許可を与えました。
そこで科学者たちは、彼らの実験を続けるために、また別の新しい惑星を探
さなければなりませんでした。その後さらに 2 回、失敗を繰り返しました。初
めは、有害な光線を発する星に近すぎたために創造物が破壊されてしまい、次
の惑星では、はびこった植物のために創造物が破壊されてしまったのです。こ
れらの失敗のあとに、サタンを長とする一派からもそれほど危険とも思われず、
ふ さ わ
かつ創造物が生きるのに相応しい惑星が見つけられたのです。
ほか
いし じ
他の種は土の薄い石地に落ちた。そこは土が深くないのですぐ芽を出した
のぼ
か
が、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。他の種は、いばら
ふさ
の地に落ちた。すると、いばらが伸びて塞いでしまった。他の種は、良い地
に落ちて実を結び、あるものは10 0 倍、あるものは 6 0 倍、あるものは 3 0 倍
にもなった。耳のある者は聞くがよい。『マタイによる福音書』13章 5 〜 9 節
エロヒムはこの時代に、他の 2 つの惑星にも同じように生命を創造していま
し
さ
す。それが「三つの収穫」ということで示唆されているものです。
エロヒムの惑星政府は、科学者に対して、自分たちの姿に似せた生物は創造
しないということを条件に、地球での実験の継続を許したのでした。第一のメ
263
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ッセージには、この間に科学者たちがどのようにしてこの禁制を犯したか、そ
れに対して、彼らの惑星の指導者たちの反応がどういうものであったかが示さ
れています。
指導者たちは、最初に地球上に創造された人間たちに対し、彼らがどのよう
つく
にして創られたか、またエロヒムとは何者であるかなどを、科学者たちが明か
い けい
すことを厳禁しました。地球人たちは、自分たちが創造者たちに対して畏敬の
念を持ち、創造者たちを超自然的で神的な存在だと思うように仕向けられたの
でした。
よ
ところが、サタンは、この実験室で創造されたものからは、何ら善いことは
期待できないと考えました。むしろ、人間からは悪いことしか生じないと考え
ました。
ひき
明らかにサタンは、彼らの惑星の一政治団体を率いるエロヒムのひとりであ
り、他のエロヒムが自分たちの姿に似せて、人工生命を創造したことに反対し
ている人物だということが分かります。それに対して他のエロヒムは、非暴力
的で価値ある存在を創り出すことができると考えていました。
ここで、ルシファーが登場します。その名は語源的には「光を運ぶ人」を意
味します。ルシファーは地球上に生命、したがって人間を創造したエロヒムの
中のひとりです。
ルシファーは、最初の人造人間の行動を研究する、ある 1 つの遺伝子工学実
つく
験場において、一つの科学者グループの長でした。彼は、新しく創られた創造
いつ だつ
物の素晴らしい能力を見て、惑星政府の指令から逸脱することを決心しました。
そして、その創造物に対し、自分たちは「神」ではなく、血と肉を持った人間
であり、触れることのできる物質でできた円盤に乗って、天空より飛来したの
だということを、明かす決心をしたのでした。
たずさ
なぜかというと、毎日これらの生命研究に携わっていたルシファーと彼に従
すうはい
っていたエロヒムは、自分たちを神のように崇拝するように人間たちに仕向け
ていたにも関わらず、次第に人間たちを、自分たちの本当の子供のように愛し
始めたために、肉体的にも精神的にも美しく立派で知性的な創造物が、偶像の
ひれ ふ
へいふく
前に平伏すように自分たちの前に平伏する姿を見ることには、もはや耐えられ
なかったからです。
彼らが神として振る舞ったのは、ヤーウェによって指導される彼らの惑星政
府が、創造物に真実を告げることを厳禁し、常に超自然体として振る舞うよう
264
第三部/第2章:新しい啓示
に義務付けていたからです。
こうして、「光を運ぶ人」としてのルシファーは、人間に光をもたらし、人間
たちの創造者は神ではなく、人間と同じ者であることを明らかにしました。こ
のようにしてルシファーは、人間たちからは悪しか生じないと考えるサタンと
そむ
対立し、エロヒムの惑星を統治する不死会議の議長であるヤーウェの命令に背
くことになったのです。
つの
は
以上の話のどこにも、角を生やした生き物が出てくることはありません。
ヤーウェは、彼の命令に反した科学者たちを地球に追放しました。すなわち
は
のろ
詩的に言えばヤーウェは、
「へび」が地上を這わねばならないように呪ったの
です。そして、何ら努力することなく食と住を与えられていた人間たちを、
「地
上の楽園」としての実験場から追放したのです。
や
しかし、サタンは、それで追求を止めたわけではありませんでした。なぜな
らサタンは、人間を暴力的で危険な存在と見なし、創造物がすべて破壊されて
わた
しまうことを望んだからです。何年間にも亘りサタンは、人間の攻撃的な性格
を証明するための事実を、着々と集めていきました。サタンは、地球に追放さ
れたエロヒムのグループの、ルシファーの息子たちから与えられた武器で、人
間たちが互いに殺し合うのを見ていたのでした。そのエロヒムの息子たちは、
たわむ
人間の娘たちと戯れ始めました。そして娘たちは、父や兄弟たちが狩りをする
いつわ
ゆず
ためにと偽りを言い、武器を譲り受けていたのでした。ところが人間たちは、
実際にはこの武器で、とんでもない戦いを始めだしたのです。
さつりく
サタンから不死会議に提出されたこうした殺戮の証拠によって、ヤーウェは、
サタンの要求を入れることを決定しました。すなわち、地球上で創造されたす
おんしゃ
べての生命を破壊することです。そして恩赦により、ルシファーのグループが
エロヒムの惑星に帰還することは許しました。
しかしルシファーたちは、彼らの素晴らしい創造物のすべてが破壊されるの
を知りました。人間の中には非暴力的で、それどころか、愛情と友愛に満ちた
人のいることを信じていたルシファーたちにとっては、その決定はとても容認
できるものではありませんでした。それらの愛情と友愛の心を持った人間の中
にノアがいました。ノアは、ルシファーたちの助けを借りて宇宙船を造り、そ
の宇宙船で地球を周回する軌道に脱出することにより、いくらかの人間と動物
の種とが破壊から救われ、大異変の後に再生されるために、その遺伝子コード
を残すことになったのです。
265
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
この時、エロヒムは、自分たちもまた、他の世界の惑星からやって来た知的
生命体によって、彼らが地球人を創造したのと同じように、実験室で創造され
たものであることに気づきました。そして、二度と再び、人類を破滅させない
はこぶね
ことを決意し、ルシファーのグループが「方舟」の中に保存した生命を、再び
地球に移植するのを助けたのでした。
このことは、サタンの反対を振り切って行われました。ところが、相変わら
しゅうねん
ずサタンは、人間からは悪しか生じないと決め付け、その破壊への執念は消え
ることがありませんでした。しかし、そういうサタンではあっても、ヤーウェ
ひき
が率いる不死会議の多数派には従わざるを得ませんでした。
ヤーウェは、エロヒムの創造者たちの世界からやって来た、自動宇宙船に収
めてあったメッセージを見て、もしも人間が暴力的ならば、彼らが惑星間文明
に到達することを可能とするエネルギーを発見したときに、自己破滅するであ
ろうということを理解しました。
みずか
こうしてエロヒムは、人間が自ら進歩するのに任せ、そして宗教を創始する
任務を負った人たちを選んだり、あるいは人間の間に誕生させたりしました。
いた
そして時が至り、私たちが科学的に十分進歩して、合理的な理解ができるよう
こんせき
になったときに、創造者たちの活動の痕跡が私たちに認識できるように配慮し
たのでした。
たく
しかし、このように重要なメッセージをこれらの人たちに託す前に、彼らが
その創造者たちに対して忠実であり、彼らに話すことの内容については裏切ら
ないことを確かめる必要がありました。こうしてエロヒムは、サタンに預言者
ため
を試す任務を与えたのです。
では、彼ら預言者たちの忠実さはどうやって試すのでしょうか。それはまず、
エロヒムの使者によって、彼らがエロヒムの預言者となることを告げさせます。
次いでサタンあるいはその使者が、将来の預言者に会い、エロヒムの悪口をさ
んざん言って創造者たちを中傷するのです。そして、将来のメッセンジャーが
その父たちを否定し、例えば物質的な利益と引き換えに、裏切るように仕向け
るのです。
ところで、「中傷者」とはギリシャ語で何と言うのでしょうか。それは「ディ
(diabolos)です。ここから例の、悪魔(ディアーブル:diable)という
アボロ」
つの
ひづめ
言葉が出てきたのです。しかし彼は、角も蹄も持っていません。
おく ぎ
例えばイエスは、4 0日にも及んだ砂漠での奥義伝授に際し、「悪魔(ディアー
266
第三部/第2章:新しい啓示
ため
ブル)」と会って、イエスがその父を否定しないかを試されています。
み たま
あら の
こころ
さて、イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためであ
る。『マタイによる福音書』4 章 1 節
この記述は、明らかに次のことを意味しています。
「さて、イエスは砂漠に導かれた。中傷者に試されるためである」
こうして、「ディアーブル」によって課せられた多くの試みが、聖書に書き残
されることになったのです。まず、ディアーブルはイエスに、石をパンに変え
ることによって神の子であることを証明せよ、と言いました。
「もし、あなたが神の子であるなら、これらの石がパンになるように命じて
ごらんなさい。
」イエスは答えて言われた、
「人はパンだけで生きるのではな
く、神の口から出る 1 つひとつの言葉で生きるものである」と書いてある。
『マタイによる福音書』4
章 3・4 節
イエスはサタンに答えました。食べる物があるということよりも、エロヒム
に忠実であることのほうが大切であると。これが「ディアーブル」の試みであ
だんじき
きわ
るのは、イエスが長い間、断食をしていて、空腹の極みにいた時にそれを言っ
たからです。
次にイエスは、神殿の頂上に連れて行かれました。サタンはイエスに、飛び
降りるように命じて、言いました。「神の天使」が、イエスが傷つかないよう
やわ
に落下のショックを和らげてくれるであろうと。
「もし、あなたが神の子であるなら、下へ飛び降りてごらんなさい。
『神が
み つかい
あなたのために御使たちにお命じになると、あなたの足が石に打ちつけられ
ないように、彼らはあなたを手で支えるであろう』と書いてありますから。」
こころ
イエスは彼に言われた、
「主なるあなたの神を試みてはならない」とまた書
いてある。『マタイによる福音書』4 章 6・7 節
ため
イエスはディアーブルに答えて言いました。自分は不必要に創造者たちを試
つか
すために地球に遣わされたのではないと。こうしてイエスは、自分の支援のた
めに、創造者たちによる介入をいつも求めるものではない、ということを示し
たのです。
次にサタンは、イエスを高い山に連れて行き、イエスに、地上の強大で裕福
267
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
な王になることを提案しました。
次に悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々
ひれ ふ
おが
と、その栄華とを見せて言った、
「もし、あなたが平伏して私を拝むなら、こ
れらのものを皆、あなたに与えましょう。
」するとイエスは彼に言われた、
「サ
しりぞ
はい
つか
タンよ、退け。〝主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ〟と書いて
み つかい
み もと
ある。
」そこで、悪魔はイエスを離れ去り、そして、御使たちが身許に来て
仕えた。『マタイによる福音書』4 章 8 〜11節
イエスはここで、エロヒムへの忠誠を示し、強大で裕福になることよりも、
つか
ちなみ
エロヒムに仕えるのを望んでいることを示しています。因に、イエスが中傷者
を彼の名で呼んでいることに注意しましょう。というのは、イエスは彼をサタ
ンと名付けているからです。試みは成功に終わり、エロヒムの使者である「天
おく ぎ
使」たちは、奥義伝授を終えるためにイエスの方へやって来ました。
さら
「ディアーブル」の試練に晒されたのは、イエスだけではありませんでした。
ため
ヨブもまた、サタンに試されています。『ヨブ記』の始まりは、特にそのこと
を雄弁に物語っています。そこには、ヤーウェとサタンとの良好な関係、友愛
的と言ってもよい関係が描かれています。
ある日、エロヒムの子たちが来てヤーウェの前に立った。サタンも来て、
その中にいた。ヤーウェは言われた、
「あなたはどこから来たか。」サタンは
ゆ
めぐ
ヤーウェに答えて言った、
「地を行き巡り、あちらこちら歩いて来ました。
」
しもべ
ヤーウェはサタンに言われた、
「あなたは、私の僕ヨブを心して見たか。彼
まった
おそ
のように全きで、かつ正しくしてエロヒムを畏れ、悪に遠ざかる者の世にな
いことを。
」サタンはヤーウェに答えて言った、
「ヨブはいたずらにエロヒム
くま
を畏れましょうか。あなたは、彼とその家、及びすべての所有物の周りに隈
ま がき
なく、間垣を設けられたではありませんか。あなたは彼の勤労を祝福された
ので、その家畜は地に増えたのです。しかし、今あなたの手を伸べて、彼の
すべての所有物を打ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あ
のろ
なたを呪うでしょう。
」ヤーウェはサタンに言われた、「見よ、彼のすべての
所有物をあなたの手に任せる。ただ、彼の身に手をつけてはならない。
」サ
タンはヤーウェの前から出て行った。『ヨブ記』1章 6 〜12節
しる
ここには、明らかにヤーウェが、サタンよりもランクが上であることが記さ
268
第三部/第2章:新しい啓示
れています。しかしヤーウェは、サタンがいわば「野党的」行為を続けること
を認め、サタンにヨブを任せました。こうしてサタンは、エロヒムを深く尊敬
して心から愛している人間が、不幸や破滅、病気などに襲われると、エロヒム
にく
を憎み始めることを示そうとしました。
事実、サタンは完全にヨブを破滅させたのです。しかしヨブは、エロヒムを
愛して尊敬し続けました。
さ
そ
ふ
はい
この時、ヨブは起き上がり、上着を裂き、頭を剃り、地に伏して拝し、そ
たい
かしこ
して言った、「私は裸で母の胎を出た。また裸で彼処に帰ろう。ヤーウェが
み
な
ほ
与え、ヤーウェが取られたのだ。ヤーウェの御名は讃むべきかな。
」この事
においてヨブは全く罪を犯さず、またエロヒムに向かって愚かなことを言わ
なかった。『ヨブ記』1章20〜22節
あきら
しかし、サタンは諦めませんでした。そして彼は、不死会議の議長にその報
告書を提出するのです。
ある日、またエロヒムの子たちが来て、ヤーウェの前に立った。サタンも
またその中に来て、ヤーウェの前に立った。ヤーウェはサタンに言われた、
ゆ
「あなたはどこから来たか。
」サタンはヤーウェに答えて言った、「地を行き
めぐ
巡り、あちらこちら歩いて来ました。
」ヤーウェはサタンに言われた、「あな
しもべ
まった
たは、私の僕ヨブを心して見たか。彼のように全きで、かつ正しく、エロヒ
おそ
すす
ゆえ
ムを畏れ、悪に遠ざかる者の世にないことを。あなたは私を勧めて、故なく
かた
おのれ
まっと
彼を滅ぼそうとしたが、彼はなお堅く保って、己を全うした。」 サタンはヤ
ーウェに答えて言った、
「皮には皮をもってします。人は自分の命のために、
その持っているすべての物をも与えます。しかし今、あなたの手を伸べて彼
の骨と肉とを打ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなた
のろ
を呪うでしょう。
」ヤーウェはサタンに言われた、「見よ、彼はあなたの手に
ある。ただ彼の命を助けよ。
」『ヨブ記』2 章 1 〜 6 節
この時ヤーウェは、サタンがヨブの健康を害するのを許しました。ヨブが常
に、創造者を愛し続けることができるかどうかを知ろうとしたのです。それで
も、ヨブはエロヒムを尊敬し続けましたが、彼はヤーウェにこう問い始めまし
た。こんなに不幸で苦しめるのなら、なぜ私を地上に生まれさせたのですか、
と。
269
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
とうとう、ヤーウェは介入して、何が起こったのかを簡単に説明し、ヨブが
なげ
さば
生きていることを嘆き、自分を試練の渦中へ投げ入れた者を裁こうとするのは
間違いであることを示して、その後ヨブに、健康と、彼が破滅される以前に持
っていたもの以上の財産を与えたのです。
かわ
あと
私が宇宙船の基地の中で、ヤーウェと交した対話の終わりに、彼は後で会い
はず
ましょうと言って、しばらく席を外しました。その時、他のふたりのエロヒム
のうちのひとりが、後ろについて来るように言いました。
まる
彼は、私を素晴らしい装飾のある小さな部屋へ連れて行きました。壁は円い
ピラミッドの内部のようであり、これらの壁には光の波が走り、色とりどりの
おお
波に覆われているようでした。すべてがリズミカルに動き、大変リラックスさ
やわ
せる波動で構成された音楽のようでもありました。とても柔らかな、まるで生
ここ ち
い
す
きているような印象を与える、黒い毛皮のカバーで覆われた心地よい椅子に私
を座らせてから、彼は言いました。
「私はあなたに、私たちエロヒムの中には、人類の将来について、ただ一つの
意見しかないというわけではないことを、伝えておきたいです。ヤーウェは人
類を善良だと考え、人類が進歩するのに任せたいと考えています。もしも彼ら
が善良でないとすれば、いずれ人類は自己破滅するだろうと考えているのです。
私と私を支持する多数の人たちは、人類は悪だと考え、人類が自己破滅する時
期を早めたいと思っています。
私たちはあなたに提案します。私たちを助け、この地球の最後の大異変を早
つと
め、失敗の実験の結果として生まれた生命を破壊し、宇宙の浄化に務めようで
はありませんか。あなたが、ヤーウェから与えられた使命を果たし続けようと
まず
するなら、あなたは大変、貧しいままでしょう。あなたは皆に馬鹿にされ、苦
しめられ、恐らくは投獄され、あるいはあなたの兄弟たる人間たちに殺される
かもしれません。
もしもあなたが、私たちの計画に従って、人間たちの中にある人種的偏見を
ぼっぱつ
助長し、人種・民族間の世界戦争を勃発させることを手伝うならば、あなたは
すぐにも、強大な権力と財産を手に入れるでしょう。あなたの役目は、これか
ら私が述べることを書き留め、本にして出版することです。それによってあな
まっさつ
たは、アラブ民族、黄色人種、そして黒人を抹殺することを要求する、様々な
精神的または政治的運動を組織することができます。これらの人種・民族は、
白人が発明した探査と利用の技術で利益を得ていながら、白人が必要とし、白
270
第三部/第2章:新しい啓示
きょうじゅ
ひと
人がそれを享受する権利のある富と天然資源を、独り占めしているのだと主張
すればよいのです。
こうして、世界戦争が起こるや否や、あなたと、あなたを手伝った人たちだ
けが救出されます。私たちは、あなたがたを私たちの安全な宇宙船の中に移し、
あと
そして地上のすべてのものが破壊された後に、あなたがたを地球へ戻して、あ
つく
なたがたが思うように支配する新しい文明を創り上げるための援助をします。
あなたが地球へ戻れば、とりあえずあなたの望む金額を、それが 10 億でも、
50億でも、10 0 億でも、あなたを援助するために設立されたスイスの財団に払
い込みましょう。あなたがその金額を決めるのです。必要とあれば、いつでも
払い込みます。
そして、それがすべてではありません。もしもあなたが私たちを手伝えば、
あなたとあなたの選んだ人たちには、永遠の生命が与えられるのです。
ゆいいつ
私たちがあなたに望む唯一のことは、人類が現在の恐ろしい文明を破壊する
ように、仕向けることです。そのためには、あなたが異星人に出会い、異星人
はあなたに、異星人による地球への侵略を通告したと、人々に伝えなければな
りません。
私はあなたに、私たちの存在の証明となるものを与えましょう。そうすれば、
誰ひとりとして、あなたの言葉を疑う人はいなくなるでしょう。こうして人類
は、宇宙に対する防衛のためにさらに軍備を強化するでしょう。そしてそれは、
や
ヤーウェが人類の互いに殺し合うのを止めさせようと人類に近づくことを不可
能にし、核兵器の貯蔵量をさらに増やし、地球自滅への攻撃性を一層高めるこ
とになります。
よく考えなさい。一方では、あなたはどう見ても成功の見込みのない大義の
ために、行動することを求められています。遅かれ早かれ、人類は地球上のす
べてのものを破壊するでしょう。あなたには、兄弟たちを説得するための何の
あかし
ちょうしょう
証も、何の財政的な援助も与えられていません。そしてあなたは、人々の嘲笑
あ
に遭い、法律上または刑事上の事件にまで巻き込まれ、ついには、刑務所へ投
獄されることにもなりかねないのです。その上あなたが、神は存在しないと言
ったばかりに、あなたを暗殺しようとする狂信者も現れるでしょう。
それに対して、私の提案を受け入れたならば、あなたは即座に富を得て尊敬
される人となり、そしてそれは、もうあらゆる面で始まっている過程を早める
ことでしかないのです。
271
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
さあ、どう決心しますか。答える前に、しばらく時間が必要ですか?」
私は答えました。
「私は、人類が自己破滅するとは決して思いません。たとえ 10 分の 9 の確率で
のが
それが起きるとしても、たとえ1000分の 1 の確率でしか破滅から逃れられない
ため
あたい
にしても、人類は試されるに値すると思います。私は、人類が手遅れにならな
いうちに、それに気づくと信じたいです。たとえ手遅れであったとしても、ヤ
ーウェが私に言ったように、平和と非暴力のために戦った人は最後の大異変か
つく
ら救われ、再び地球に入植して、新しい兄弟愛に満ちた世界を創るように務め
ることができるでしょう。
したがって、あなたの提案には何ら有利な点がありません。その上、あなた
の計画では、暴力を爆発させた人が助けられることになり、その後に再び生ま
れる文明は、その設立者の性格を反映したものとなる可能性が強く、したがっ
てその社会は、必然的に、社会的に、そして遺伝的に、暴力的な性格を帯びる
ことが避けられないのではないでしょうか。
おとしい
次に、異星人が地球に侵略して来ると言って人類を恐怖に陥 れることは、結
局、地球における恐怖、ひいては攻撃的な性格を助長するだけです。したがっ
ふせ
て、こうした干渉の前に、例えば 1000 分の 1 の確率で破滅を防ぐことができ
たとすると、干渉の後では、その半分の確率になってしまうでしょう。
人間の暴力を減少させる最も大きな要素は、宇宙に向けて、無限に向けて心
を開くことです。もしもすべての人間が、希望と友愛の心を持って空を見つめ
るならば、人々は互いに、より親近感を抱き、殺し合うようなことは考えなく
なるに違いありません。
最後に、私は強大な権力も、巨万の富も欲しいとは思いません。私はほとん
ど何も持ってはいませんが、この少しのものさえあれば、幸福に暮らすことが
すいこう
できるのです。私の遂行する使命が私の人生を満たし、私を幸福でいっぱいに
してくれます。
私には、私の子供たちのための食物と、彼らのための屋根があれば、それで
十分です。そして、人類に真実を伝えるために私を手伝ってくれる、共鳴者た
いくにん
ちの中の幾人かの援助によって、私はそれらをすべて得ることができるでしょ
う。私は同時に 2 軒の家で生活することはできないし、同時に 2 台の自動車を
運転することもできません。私が家の所有者だからといって、その屋根の下で
よりよく眠れるわけではないし、暖炉の火がより暖かくなるわけでもないので
272
第三部/第2章:新しい啓示
す。
たく
ヤーウェが私に託した使命については、私は、エロヒムを迎えたいと思う人
たちの共同の努力によって成されることが、より望ましいと思います。これこ
あかし
そ私たちが、創造者たちに対してできる最も美しい愛の証だと思います」
こば
「あなたは私の提案を拒むのですか?」と私の相手が聞きました。
「その通りです。いま、私があなたに説明した理由で、そして私自身が、基本
的に暴力に反対であるという理由によって拒否します」
こうかい
「あなたは拒否したことを、あとで後悔しませんか? 少し考えて、それから
返事をしたいとは思いませんか?」と彼は言いました。
「どんなことがあろうと、私は意見を変えようとは思いません。たとえ私の生
さら
命が危険に曝されようとも、愛と友愛が人間を支配し、人々がその創造者たち
たたか
を迎えるために闘い続けるほうを選びます」
あ
この時、私たちがいた部屋の入口の扉が開いて、ヤーウェが現れました。彼
ともな
はもうひとりのエロハを伴っていました。ヤーウェは私に言いました。
「先ほどの提案に対して、あなたがあのような対応をしてくれて、私はとても
うれ
嬉しいです。私はあなたがそう言うと確信していましたが、今しがた、あなた
こころ
を試みた私たちの兄弟であるサタンは、人類が統一され、貨幣と武器が無くな
るまで、人類に何らかの前向きな姿勢が生じるとは信じられないのです。
こちらは、あなたの行動に大変満足している、私のもうひとりの仲間、ルシ
ファーです。私も初めは、私たちが介入するべきでなく、暴力性の解決という
最後の試練に、人間自身の力で立ち向かわせるべきだとは考えていなかったの
です。しかしルシファーは、最初から人間を信じていました」
この時、サタンは私に言いました。彼は、地球に私のような人間が 12 人以上
じ あい
もいるとは考えていなかったのだと。彼の顔はとても慈愛に満ちていて、次の
まれ
ように付け加えました。例外的な人間が稀にしかいなかったので、人間が存在
あたい
するに値するとは考えなかったのだと。
それから私たちは、より大きな宇宙船に乗って、「不死の惑星」へと向かい
おく ぎ
ました。そこで私は、第二のメッセージで述べられているように、一連の奥義
伝授を受けたのです。
273
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
天にまします我が父よ
この異星人との最初の出会いのときは、彼が不死会議の議長であるヤーウェ
だとは知りませんでしたので、私はそのとき彼に、なぜ私をメッセンジャーと
たず
して選んだのかと尋ねました。彼は、人類が 1945年 8 月 6 日の広島での原爆投
下のあと、自分たちは誰かを「選ぶ」ことを決定した、と答えました。そして、
「私たちは、あなたの誕生、いやそれ以前から、ずっとあなたを見守ってきまし
た(※)」と付け加えました。
※編集部注:第一部の 1 6 頁を参照。
はじめ私には、この返答がとても不思議なものに思え、第一のメッセージと
第二のメッセージとの間の 2 年間、この点について私はあれこれと考えていま
した。
その答えを完全に理解するためには、私は再びヤーウェに会う必要がありま
した。私たちが「不死の惑星」にいるとき、ヤーウェは私の起源を明らかにし
たのです。それは、第二のメッセージの第 2 章「イスラエルの民へ」の項の説
明の中で、最後に述べられたものでした。
私は再び、バックルの付いたベルトを着けさせられました。これにより、波
そ
動の流れに沿って空中を飛んで行くことができるのです。私は、貝型の不思議
なアームチェアの中で頭脳の改良をされてから、ゆっくりと実験室を出て、そ
れから、青々とした緑の上を20メートルほどの高さで飛んで行きました。
数十秒後、私たちは楽園のような空き地に近づきました。そこには、つい先
ほど食事を共にした、預言者のうちの何人かがいました。そこから数百メート
ル下には、地中海の青さなどとても及ばぬ、深く美しい青い海と、素晴らしい
浜辺が見えました。それはまるで、カリフォルニアのプールのような青さでし
た。しかしそれは水平線まで広がり、また、水面に近づくにつれて、バラ色や
緑色と共に、私にはすべての色彩が見えてきました。ちょうど数十キロメート
ルに亘って、海底に色が塗られているかのようでした。この素晴らしい色彩は
どういうことなのかという私の質問に、それは海草の色だという答えが返って
きました。それらの海草は、こうした美しい色彩効果を作り出すために、人工
的に植えられたものだと言いました。
私はベルトによって、十数人の預言者のグループがいる近くの空き地に、ゆ
っくりと下りることができました。イエスとして私に紹介された人が、私たち
274
第三部/第2章:新しい啓示
に会いに来ました。
い
す
ヤーウェと共に歩き、私たちは岩の中に作られた椅子の上に座りました。そ
おお
の椅子は、生きているような素晴らしい黒の毛皮で覆われていて、海を見下ろ
す岩場の頂きにありました。
た
その時、ヤーウェは私に、最初の出会いから 2 年経ちましたが、その間に、
たず
特に気にかかった問題はなかったかどうかと尋ねました。私はためらわずに、
「あなたが、『私たちはあなたの誕生、いやそれ以前から、あなたを見守って
きました』と言われた時から、私はずうっと、それがどういう意味なのかを自
問し続けてきました」
と答えました。
私は何度もこの問題を考え続けてきました。エロヒムは、私の母親が私を身
ごもる前に、両親の選択をしたということなのか? そして、私を産むように
天から誘導したとでもいうのだろうか? あるいは選択された時には、すでに
両親は知り合いだったのかどうか? あるいはすでに母親が妊娠していたこと
なのか? それとも胎児が選ばれたことなのか?
ヤーウェは、私にとってとても大切なこの質問に答えましたが、その答えは、
私の想像を絶するものでした。彼はその時、今までずっと私に対して使ってき
た「あなた」と呼ぶのをやめて、突然「お前」と呼ぶようになったのです。
「お前が父親だと思ってきた人は、実はお前の父親ではありません。地球へ最
後の預言者として、新しいメッセンジャーを送る時期が到来したと私たちが決
めたのは、広島に原爆が投下されてからです。最後の預言者とは、エロヒムの
言うことを人々に信じさせようとするのではなく、理解するように呼びかける
人です。その意味では、最初の預言者と言えるかもしれません。
そこで私たちは、イエスの時代と同じようにひとりの女性を選び、私たちの
宇宙船の 1 つに連れて行き、その中で、イエスの母親に行ったように受精させ
たのです。そして、そのことの記憶を完全に消失させてから、彼女を解放しま
した。
次いで私たちは、生まれてくる子供を経済的に支え、立派に育てられる男性
が、この女性に出会うように配慮しました。また、生まれてくる子供が、 1 つ
の宗教にだけ影響されすぎないようにするために、この男性の信じる宗教は、
女性の宗教とは異なっていなければなりませんでした。このようにして、お前
が父親だと考えていた男性は、ユダヤ人の中から選ばれたのです。
275
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
お前の本当の父親は、イエスの父親でもあり、だからイエスは、お前とは兄
弟なのです。すなわち、お前の目の前にいるこの私が、お前の父親なのです。
ひと
お前が父親だと思っていた男性は、マリアの夫ヨセフのように、お前が独り立
ちできるようになるまで、お前とお前の母親に必要なものを与える役割を果た
していたのです。
今からお前は、私に向かって、打ち解けた態度で話をしてもいいのです。な
ぜなら、お前は私の息子であり、私はお前の父親なのだから」
これは、私の旅の中でも最も感動的な瞬間であり、ヤーウェの目にも、私と
同じ大きな感動と愛を読み取ることができました。イエスも、きっと同じ感動
ほうよう
を味わったに違いありません。こうして私は、初めて私の父と兄とを抱擁して
キスすることができたのです。
そしてヤーウェは、この親子関係について、 3 年間は人々に明らかにしない
いっさい
ことを要求しました。だから、私はその時がくるまで、このことには一切触れ
てきませんでした。
いずれにせよ、それは大して重要なことではありません。なぜなら、イエス
あやま
を天から来たメッセンジャーと認めた人たちと同じ過ちを、再び私たちは繰り
返すべきではないからです。重要なのはメッセンジャーではなく、メッセージ
そのものなのですから。
「イエスは、人々に従うべき道を示しにやって来た。しかし人々は、イエスの
指をじっと見つめただけだった」
と、ある偉大な思想家は述べています。残念ながらそれが真実なのです。
私ラエルは、同じようにあなたがたに従うべき道を示します。
「天にまします」私の父が与えてくれた情報を伝えたい。大事なことは、エロ
ヒムを私たちの父と認め、彼らが要求しているように、地球に彼らを迎えるた
めの大使館を建てることです。そしてメッセンジャーではなく、彼が伝えると
ころのメッセージが大事なのです。メッセンジャーではなく、メッセンジャー
を送った人たちを、彼を通して承認することが大事なのです。
私の指先を見つめてはいけません。その指の差し示す方向を見つめてくださ
い!
地球人へ、ヤーウェからのメッセージ──最終核戦争の啓示
276
第三部/第2章:新しい啓示
〈私ヤーウェは、私の預言者であるラエルの口を通して、地球の人々に訴えま
す。
おちい
残念ながら、人類が自己破滅に陥らない確率は、10 0 分の 1 しかありません。
わず
とら
すべてのラエリアンたちは、人類が最後にはこの僅かなチャンスを捉えて、最
のが
後の大異変から逃れ、黄金時代を迎えるだけの英知を持ちうるように、働きか
けなければなりません。さらに各ラエリアンは、精神の覚醒という行為を通じ
て、このほんの僅かな生存の可能性に力を与え、この確率が、これ以上小さく
ならないように努めなければなりません。
将来を予言することは不可能です。時間の流れを旅することは不可能ですか
ら。しかし、ある生物体の将来を予測することはできます。そして、人類全体
そ ぼく
を一つの生物体と考えることは可能です。素朴な女性を妊娠させた科学者は、
その将来を彼女に予言することができます。すなわち、 9 カ月後には子供が生
まれること、さらには、その性別さえ言い当てることができるでしょう。
同じように、多くの惑星上に生命の創造を行ってきた私たちは、人類が科学
水準と同等の英知を持たないまま高度な科学技術の水準に達したとき、そこで
何が起こるのかを正確に知ることができます。
こうして、個々人の将来について予言することはできなくとも、妊娠中には
通常何が起こるのか、あるいは発展過程にある人類全体には何が起こるのか、
ということについて知ることはできるのです。
母胎内で受精した最初の細胞の中には、多くの機能を持った完全な人間が生
まれるのに必要な、すべての情報がすでに込められているのです。細胞が増え
れば増えるほど、その機能も多様化してきます。その機能の数は、子供が生ま
れるまでに繰り返される、細胞分裂の結果生じる細胞の数に比例しています。
なぜなら胎児は、すでに完全な生体組織を持っているので、いずれそれが必要
すいこう
な諸器官を生み出し、あらゆる機能を遂行してくれるからです。
これらのことは、人類全体についても全く同じように言えることです。すな
わち個々人は、生成中の胎児とも言える人類の、ひとつの細胞に等しいのです。
職種、発見の数、科学技術のレベルなどは人間の数に比例します。こうして
私たちは、人類が電子義眼で盲人の目を見えるようにし、通信衛星によって大
洋を越えて彼らの声を伝え、あるいは実験室で人工的に人間を創り、彼らが
「神」と呼んでいるものと同等になる可能性を得たときに、アポカリプスの時
代が到来することを容易に予測できました。
277
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
りっきゃく
これらの予測は、すべて種に関する深い生物学的な知識に立脚しています。
私たちは、受精卵に何カ月目に眼ができ、何カ月目に生殖器ができるかなどの
ことを知っています。進歩しつつある種についても、数世紀あるいは数千年の
後に種々の発見をして、その結果、大きな科学的進歩を成すことを知っていま
す。どちらも全く同じことです。
私たちは古代のメッセンジャーたちに、これらのテキストを口述しました。
そして、人間が十分進歩して理解することができるようになり、再び新たな神
ともな
秘的宗教が生まれる危険を伴うことなく、私たちが人類の前に公然と姿を現す
時がやってきたとき、人類にそれと分かるように準備をしました。
アポカリプス
これらのテキストのうち、ヨハネには『黙示録』を口述しました。私たちは
テレビに似た装置によって、アポカリプスの時代に起こりうることをヨハネに
見せたのです。
アポカリプス
『ヨハネの黙示録』のテキストは、不幸にも、神秘主義者で原始人でしかない
写本家たちによって、大幅に書き加えられ、とてもひどく変形されてしまいま
した。
ヨハネは、まず私たちとの出会いから書き始めます。
しゅ
み たま
ところが、私は、主の日に御霊に感じた。そして私の後ろの方で、ラッパ
のような大きな声がするのを聞いた。『ヨハネの黙示録』1 章10節
しゅ
ヨハネは次のように説明します。「主の日」と呼ばれる日曜日に、彼がテレパ
み たま
シーで私たちと交信しようとしました。彼はこれを「御霊に感じた」と呼んで
いるのですが──その時「ラッパのような」金属性の声を聞きました。すなわ
ち、あなたがたがよく知っている電気スピーカーによる音です。
次いでヨハネは、自分の背後にあるものを見るために振り返ります。
そこで私は、私に呼びかけたその声を見ようとして振り向いた。振り向く
しょくだい
た
と、7 つの金の燭台が目についた。それらの燭台の間に、足まで垂れた上着
かしら
を着、胸に金の帯を締めている人の子のような者がいた。その頭と髪の毛と
は、雪のように白い羊毛に似て真白であり、目は燃える炎のようであった。
しんちゅう
おおみず
とどろ
その足は、炉で精錬されて光り輝く真鍮のようであり、声は大水の轟きのよ
するど
もろ は
つるぎ
うであった。その右手に 7 つの星を持ち、口からは、鋭い諸刃の剣が突き出
ており、顔は、強く照り輝く太陽のようであった。『ヨハネの黙示録』1 章12〜16
278
第三部/第2章:新しい啓示
節
彼は、黄金に輝く 7 つの宇宙船を見たのです。それが要するに「 7 つの金の
しょくだい
燭台」です。それらの間には小さな人がいました。それが「人の子のような者」
です。その人は、足までピッタリと張りついた宇宙服を着て、大きなベルト(帯)
を締めていました。その皮膚と髪は白く、宇宙服のヘルメットには 2 つのライ
トが付いていて、ヨハネは、それを目だと思ったのです。足には、黄色い金属
ぶ あつ
おおみず
とどろ
で出来た、絶縁体の分厚い靴をはいていました。そして彼は「大水の轟きのよ
うな」大きな声で話しました。手には、 7 つの電光標示器の付いた装置を持っ
ていて、それを使って、彼の周りの 7 つの宇宙船と連絡を取っていました。
するど
もろ は
つるぎ
それに対して、口から突き出ている鋭い諸刃の剣は、彼らの出現を恐怖に満
ちたものとするために、後世の写本家が付け加えたものにすぎません。こうし
て、その力が誇張され、初期キリスト教徒の「神への恐れ」が現れてきます。
まぎ
ヨハネの前に現れたのは、紛れもなく私たちのうちのひとりなのです。
ふ
ヨハネはすっかり驚いて、地に伏しました。
あしもと
私は彼を見た時、その足下に倒れて死人のようになった。すると彼は、右
手を私の上に置いて言った、「恐れるな。私は初めであり、終わりであり、ま
よ
よ
た、生きている者である。私は死んだことはあるが、見よ、代々限りなく生
よ
み
かぎ
きている者である。そして、死と黄泉との鍵を持っている。そこで、あなた
の見たこと、現在のこと、今後、起ころうとすることを書き留めなさい」『ヨ
ハネの黙示録』1 章17〜19節
うなが
私たちは、ヨハネに起き上がるように促して、彼が見たこと、彼に口述され
しる
たものを書き記すように命じ、時期が到来したときに再び、人々がこの記述を
見つけられるようにしました。
私たちは彼にこう言いました。私たちは「初めであり、終わりである」と。
すなわち地球に最初に来た人であり、さらにまた、人類が自己破滅を可能にす
るエネルギーを発見したときに自己破滅してしまうとすると、最後の人になる
ということです。私たちは彼に説明しました。彼に話しかけた人はすでに死を
いく
経験したが、第一のメッセージに書かれた方法によって再生され、幾つもの肉
体を通して永遠に生きているのです、と。
ひら
その後、私が見ていると、見よ、開いた門が天にあった。そして、先にラ
279
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
のぼ
ッパのような声で、私に呼びかけるのを聞いた初めの声が、
「ここに上って
のち
来なさい。そうしたら、これから後に起こるべき事を見せてあげよう」と言
み たま
み
ざ
った。すると、たちまち私は御霊に感じた。見よ、御座が天に設けられてお
いま
り、その御座に在す方があった。『ヨハネの黙示録』4 章 1・2 節
ひら
ヨハネは、
「開いた門が天にあった」のを見ました。すなわち、私たちの 1 つ
とびら
の宇宙船の扉のことです。そして彼は、その中に搬送光線によって運び込まれ
み たま
たのです。このことを彼は理解できないので、「御霊に感じた」と言っている
のです。彼はそこで、アームチェアに座っている誰かを見、その人の周りにも
他の人たちが座っているのを見ました。そこには、全部で 2 4 人いました。
このアームチェアに座っている人は、すなわち私ヤーウェであり、私は、私
おさ
たちの惑星を治めている不死会議の 2 4 人の他のメンバーたちに囲まれていたの
です。
次いで私は、ヨハネの前で思考を視覚化する装置を作動させて、このまま放
っておくと、時期が到来したときに人類に起こりうることを見せたのです。
そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている
かんむり
者は、弓を手に持っており、また 冠 を与えられて、勝利の上にもなお勝利を
得ようとして出かけた。『ヨハネの黙示録』6 章 2 節
それは 7 つの封印、すなわち人類の歴史の 7 つの章のうち、最初のものに関
係しています。それは地球上で勝利を収め、『旧約聖書』をすべての人たちに
知らせることになったキリスト教に関係しています。
そして、第 2 の封印が解かれます。
すると今度は、赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々
が互いに殺し合いになるように、地上から平和を奪い取ることを許され、ま
つるぎ
た、大きな剣を与えられた。『ヨハネの黙示録』6 章 4 節
この赤い馬は、宗教戦争を意味するものですが、さらには戦争一般を表して
います。この戦争というのは、人類の人口増加を遅らせる主な要因です。
そして、第 3 の封印がやって来ます。
……そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗って
はか
いる者は量りを手に持っていた。すると、 4 つの生き物の間から出てくると
280
第三部/第2章:新しい啓示
思われる声が、こう言うのを私は聞いた、「小麦 5 合は 1 デナリ。大麦 1 升
ぶ どう
そこな
5 合も 1 デナリ。オリーブ油と葡萄酒とを害うな」『ヨハネの黙示録』6 章 5・6 節
き きん
この黒い馬は飢饉を表しています。人類がこの問題を完全に解決する前に、
多くの人々が飢饉で死ぬことでしょう。
そして、第 4 の封印が解かれます。
そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、それに乗ってい
よ
み
る者の名は「ペスト」と言い、それに黄泉が従っていた。『ヨハネの黙示録』6 章
8節
青白い馬、それは大伝染病のことです。ペストやその他の伝染病が人類の数
を減少させます。
第 5 の封印は、いくつかに分かれています。
こ ひつじ
と
ゆえ
あかし
小羊が第 5 の封印を解いた時、神の言葉の故に、また、その証を立てたた
れいこん
さいだん
めに殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを私は見た。彼らは大声で叫
まこと
しゅ
さば
んで言った、「聖なる、真なる主よ。いつまであなたは裁くことをなさらず、
また地に住む者に対して、私たちの血の報復をなさらないのですか。
」すると、
彼らの 1 人ひとりに白い衣が与えられ、それから、「彼らと同じく殺されよ
しもべ
うとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでい
るように」と言い渡された。『ヨハネの黙示録』6 章 9 〜11節)
この場面は、私たちの仲間と共に私たちの惑星に永遠に生きている大預言者
たちが、積極的な働きをした人たちを、最後の審判が下される前に、再生され
や
るように要求した時のものです。私たちは、人類がその進歩を止めたときにの
み再生すべく、遺伝子コードを保存しておこうと考えていた数千人の地球人を、
ただ
直ちに、私たちと共に生きることを許可しました。
そして、第 6 番目の封印が解かれます。
こ ひつじ
と
小羊が第 6 の封印を解いた時、私が見ていると、大地震が起こって、太陽
あらぬの
は毛織りの荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、天の星は、
い ち じ く
おおかぜ
無花果のまだ青い実が大風に揺られて振り落とされるように、地に落ちた。
天は巻物が巻かれるように消えていき、すべての山と島とは、その場所から
ど れい
移されてしまった。地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自
281
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ほらあな
いわかげ
かく
由人らはみな、洞穴や山の岩陰に身を隠した。『ヨハネの黙示録』6 章12〜15節
この第 6 の封印は、人類にとって最も大きな最後の危険を表しています。こ
れによって人類は全滅するかもしれないのです、すなわち核戦争です。「大地
まさ
震」とは、正しく核爆発そのものであり、「黒い太陽」とは、爆発の際のキノ
コ雲と灰によって空が暗くなることであり、それにより月も暗く見えることで
しょう。「消えていく天」とは、すなわち爆発の熱気流によって急激に追い去
ほらあな
いわ かげ
かく
られる雲です。「洞穴や山の岩陰に身を隠す人々」とは、核シェルターへ殺到
する人々のことです。
私たちの預言者に従い、私たちのメッセージを知って、自分の細胞設計図の
トランスミッションをしていた人たちが救われるのは、この最後の大異変の時
です。もしそれが起こるとすればの話ですが。これらの人たちは、すべての人
間をその受胎から死までを監視している、大型コンピュータによって選別され
るのです。
み つかい
いん
のぼ
また、もうひとりの御使が、生ける神の印を持って、日の出る方から上っ
そこな
て来るのを見た。彼は地と海とを害う権威を授かっている 4 人の御使に向か
しもべ
ひたい
いん
って、大声で叫んで言った、
「私たちの神の僕らの額に、私たちが印を押して
そこな
しまうまでは、地と海と木とを害ってはならない」『ヨハネの黙示録』7 章 2・3 節
ひたい
いん
額に印を押された人たちとは、最も完璧で最も正確な遺伝子コードを含む額
骨に、私たちの預言者が手を触れることによって、その細胞設計図のトランス
ミッション(伝送)を済ませた人たちのことです。
「額に印を押された」人たちの数は、総数にして約 14 万 4 0 0 0 人となるでしょ
う。これには、すでに私たちの惑星で再生された人たちや、メッセージを知る
ことなく人類の進歩および開花に尽くした人たち、あるいはメッセージを読ん
で、そしてラエルを私たちのメッセンジャーとして認める人たちなどが含まれ
ます。
この総数が、大体 14 万 4 0 0 0 人になるまでは、最後の大異変を私たちは遅ら
いとな
せるでしょう。この数が、再び地球上に生命の営みが可能になったときに、新
しい人類の出発のためには必要なのです。
第 6 の封印が核兵器の発見と最初の使用を表しているのならば、第 7 の封印
つな
は、地球の生命の全滅に繋がる、世界的核戦争という最後の大異変を表してい
282
第三部/第2章:新しい啓示
ます。
第 7 の封印の最初のラッパが鳴り響くと、
ひょう
……すると、血のまじった雹と火とがあって、地上に降ってきた。そして、
あおくさ
地の 3 分の 1 が焼け、木の 3 分の 1 が焼け、また、すべての青草も焼けてし
まった。『ヨハネの黙示録』8 章 7 節
は
地上の 3 分の 1 は放射能によって焼き尽くされ、木々も青草も、もはや生え
ることができません。
み つかい
さか
第 2 の御使がラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃え盛っている大きな
山のようなものが、海に投げ入れられた。そして、海の 3 分の 1 は血となり、
つく
海の中の創られた生き物の 3 分の 1 は死に、舟の 3 分の 1 が滅びてしまった。
『ヨハネの黙示録』8
章 8・9 節
これは核爆発により、溶岩が大量に噴出して大洋へと流れていき、海の生物
の 3 分の 1 を殺し、船舶の 3 分の 1 を破壊することです。
み つかい
たいまつ
第 3 の御使がラッパを吹き鳴らした。すると、松明のように燃えている大
きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の 3 分の 1 とその水源との
にが
上に落ちた。この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の 3 分の 1 が「苦よもぎ」
のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。
『ヨハネの黙示録』8
章10・11節
最初の攻撃に対する反撃の核爆発が相次ぎ、「燃えている大きな星」である
ミサイルが至るところに落ちてきて、飲料水は大部分が汚染され、それを飲ん
だ人は死んでいきます。
み つかい
第 4 の御使がラッパを吹き鳴らした。すると、太陽の 3 分の 1 と、月の 3
分の 1 と、星の 3 分の 1 とが打たれて、それらの 3 分の 1 は暗くなり、昼も
3 分の 1 は光がなくなり、夜と同じようになった。『ヨハネの黙示録』8 章12節
ちり
相次ぐ核爆発により、舞い上がった大量の塵や灰のために空は曇り、太陽の
さえぎ
光は遮られ、月や星たちも姿を消し、昼も夜も、より短くなってしまったよう
に思われます。
283
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
み つかい
第 5 の御 使 がラッパを吹き鳴らした。すると私は、一つの星が天から地
あな
かぎ
に落ちて来るのを見た。この星に底知れぬ坑の鍵が与えられた。そして底知
れぬ坑が開くと、その坑から、大きな炉の煙のような煙が立ちのぼり、その
坑の煙で太陽も空も暗くなった。『ヨハネの黙示録』9 章 1・2 節)
これはミサイルの落下と、それが生み出すキノコ雲についての描写です。
いなご
さそり
その煙の中から蝗が地上に出てきたが、地の蠍が持つような力が与えられ
そこな
た。そして地の草、すべての青きもの、またすべての樹を害ってはならない
ひたい
いん
が、額に神の印がない人々だけを害うことを言い渡された。しかし人々を殺
すことはしないで、5 カ月のあいだ苦しめることだけが許された。その苦痛
さそり
は蠍に刺されたような苦痛であった。この時に人々は、死を求めても見いだ
『ヨハネの黙示録』9 章 3 〜 6
さず、死にたいと思っても死は逃げて行くのである。
節
いなご
とうさい
「蝗」とは、核爆弾を搭載した飛行機であり、これが大都市に核爆弾を落とし、
まぬが
さいな
死を免れた人々は、爆発による放射能のために恐ろしい苦痛に苛まれます。人
さそり
々は、蠍の毒のように放射能によって苦しめられるのです。
いなご
そな
これらの蝗は、戦争のために具えをした馬の形に似ていた。頭には金に似
かんむり
た 冠 のようなものを着け、顔は人間の顔のようであり、これに女の頭髪のよ
し
し
むね あて
うな髪の毛があり、歯は獅子の歯のようであった。また、鉄の胸当のような
つばさ
いくさぐるま
とどろ
は
胸当があり、その翼の音は軍車の轟くように、多くの馬が戦闘に馳せてゆく
さそり
はり
音のようであった。また蠍のような尾があって、これに刺があり、その尾に
そこな
は 5 カ月のあいだ人を害う力がある。『ヨハネの黙示録』9 章 7 〜10節
いなご
原始人にとっては、戦争に出かける馬のような、この金属性の「蝗」は操縦
室を持っており、その中には人の顔が見られました。すなわち「顔は人間の顔
あと
のようであり」
、そして空高く飛行して、後ろに白い跡を残します。すなわち、
ヨハネが「髪」と呼んでいるものがそれです。
つばさ
むねあて
「歯」とは、翼の下に取り付けられたミサイルのことです。「鉄の胸当」とは
胴体のことです。「翼の音」というのは、あなたがたがよく知っているジェッ
さそり
トエンジンの噴射音のことです。「 蠍の尾」の持つ力とは、すなわち投下され
たミサイルが、攻撃された国の住民に放射し続ける放射線のことです。
284
第三部/第2章:新しい啓示
み つかい
み まえ
さ い だん
第 6 の御使がラッパを吹き鳴らした。すると、神の御前にある黄金の祭壇
つの
の 4 つの角から声があり……。『ヨハネの黙示録』9 章13節
ヨハネは、私が彼にこの場面を見せたときに、私の前にあった 4 つのスピー
カーのことを言っているのです。
まぼろし
私が幻影の中で、その馬とそれに乗っている者たちとを見ると、彼らは、
せいぎょく
い おう
むねあて
あたま
し
し
火・青玉・硫黄の色をした胸当を着けていた。馬の頭は獅子の頭のようであ
り、その口からは、火と煙と硫黄が出ていた。この 3 つの苦痛、すなわち、
その口から出る火と煙と硫黄とによって、人の 3 分の 1 が殺されてしまった。
あたま
馬の力はその口と尾とにある。その尾はへびに似ていて、頭があり、これで
そこな
人を害うのである。『ヨハネの黙示録』9 章17 〜 19節
あたま
これらも、やはり他の飛行機の描写です。「馬の頭」というのは、実はジェ
ットエンジンの噴射口であり、そこからは炎と煙とが出てきます。「頭があり、
そこな
これで人を害う」尾とは、核ミサイルのことです。だから「尾の頭」とは、も
ちろんミサイルの「弾頭」のことを指しているのです。私たちがとても詳しく
ヨハネに説明したにも関わらず、ヨハネにはこのような印象しか与えませんで
した。
もしあなたがたが、ひとりのアマゾンの原住民に、今までのと同様の一連の
シーンを説明し、彼にその見たことを書き留めるように言ったとすると、ほと
んど同じことが生じるでしょう。1 0人ほどの彼の仲間に、彼のいない所で、彼
が書き留めたことをさらに書き写すように求めたときは、特にそうなるでしょ
う。
かみなり
7 つの 雷 が声を発した時、私はそれを書き留めようとした。すると天から
声があって、「 7 つの雷の語ったことを封印せよ。それを書き留めるな」と
言うのを聞いた。『ヨハネの黙示録』10章 4 節
そこで私たちは、神は存在せず、私たちも彼と同じような人間であると、ヨ
ハネにハッキリと伝えました。しかし、十分に科学技術が発達するまでは、そ
づえ
れを明かすことは、神という「松葉杖」を必要とする人間たちの間に、あまり
にも大きな混乱を引き起こす可能性があるので、私たちはヨハネに対し、私た
しる
ちの説明したことを書き記さないように命じました。いつの日か、これらのこ
285
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
とがすべての人々に理解されるであろう、と彼に説明して。
み つかい
しもべ
第 7 の御使が吹き鳴らすラッパの音がする時には、神がその僕、預言者た
おく ぎ
じょうじ ゅ
ちにお告げになったとおり、神の奥義は成就される。『ヨハネの黙示録』10章 7 節
私たちは、ヨハネにハッキリと説明しました。時が至れば、人類は神が存在
しないことを理解し、私たちが人類の創造者であることを理解するでしょう、
と。
……悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、お前たちの
くだ
ところに下って来たからである。『ヨハネの黙示録』12章12節
自己破滅か黄金時代への移行かという選択の、人類にとっての最後の試練は、
せいあく
サタンにとっても、人類が性悪であることを証明する最後のチャンスでもある
はい き
のです。人類がこの試練を克服して、地上の軍備の完全なる廃棄を達成するな
あたい
らば、人類は決して暴力的ではなく、私たちの遺産を受け継ぐに値することを、
私たちに示したことになります。
けもの
さつりく
次に書かれた「獣」とは、すなわち、殺戮のための核エネルギーの使用に他
なりません。
けもの
と
ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。獣の
数字は人の数字であって、その数字は、6 66である。『ヨハネの黙示録』13章18節
6 6 6 というのは、実験室で最初の人間が創造されてから、現在に至るまでの
人間の世代の数です。最初の人間たちは、今から 1 万 3 0 00 年ほど前に創造され
ました。 1 世代の長さを約20年として666倍すると、1 万 3 3 2 0 年を得ます。
キリスト紀元 1 9 4 5 年の、アポカリプス時代の始まりに生まれた世代は、エ
ロヒムにより実験室で最初の人間が創造されてから、6 6 6 代目となります。こ
の世代は、ちょうど1945年 8 月 6 日に広島で、大量殺人のための核エネルギー
が初めて使用された時と一致します。
このことを理解するのに、注釈は必要としません。書かれていることを読む
だけで十分です。6 6 6 は確かに「人間の数字」であり、世の初めから、創造以
来から産み出されてきた人間たちの数であり、すなわち世代の数なのです。
い なびかり
らいめい
こうして数多くの稲光と、声と、雷鳴とがあり、また激しい地震が起こっ
286
第三部/第2章:新しい啓示
た。それは人間が地上に現れて以来、かつて無かったほどの激しい地震であ
った。『ヨハネの黙示録』16章18節
れん さ
核爆発による衝撃は大変大きなもので、連鎖反応が生じた場合は、さらに大
きなものとなります。
島々はみな逃げ去り、山々は見えなくなった。『ヨハネの黙示録』16章20節
の
連鎖反応で生じた巨大な爆発により、大陸は突然引き裂かれ、島々は海に呑
わら
み込まれ、山々は藁クズのように吹き飛ばされました。
じ がね
かたまり
ひょう
また、地金の 塊 のような大きな雹が、天から人々の上に降ってきた。……。
『ヨハネの黙示録』16章21節
さら
核爆発に曝されなかった地域では、爆発地点から何千キロも離れた所にも、
空から岩が降ってきます。
私はまた、新しい天と、新しい地とを見た。先の天と地とは過ぎ去り、海
も無くなってしまった。『ヨハネの黙示録』21章 1 節
なが
ヨハネは、そこでは、地球より遠ざかる宇宙船の中から見えるものを眺めた
のです。地球が遠ざかっているような印象を受けますが、実際は宇宙船の方が
遠ざかっているのです。そして、この宇宙船は星間を旅行し、地球人には見慣
れない宇宙空間の旅を続けるのです。すなわち「新しい天」です。そして、宇
宙船は他の惑星へ近づきます。すなわち「新しい地」です。
おっと
また、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように
くだ
準備して、神のもとを出て、天から下って来るのを見た。『ヨハネの黙示録』2 1
章2節
宇宙船から見た原始人は、あたかも、これから宇宙船が着陸する町が「天か
ら下って来る」ように感じたのでした。もちろん本当は、宇宙船のほうが近づ
いて行ったのです。
まく や
たみ
……、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民
みずか
ぬぐ
となり、神自ら人と共にいまして、人の目から涙を全く拭い取ってくださる。
すで
もはや死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが既に過ぎ去っ
287
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
たからである」『ヨハネの黙示録』21章 3・4 節
これは、不死の惑星についての描写です。そこでは、大異変から私たちが救
出する人たちが、私たちと共に永遠に生活し、地球が再び住めるような環境に
なったときに、新しい平和な文明を創造するために移住させられるのを待って
いるのです。
人類がその科学技術と同じレベルにまで、人類の英知を高めないならば、起
う
こり得るべきことの記述がこれです。
すべてこれらのことは、ひとりの原始人によって見られたのです。なぜなら
ヨハネは、モーセ、イエス、あるいは他のすべての預言者たちと同じく、私た
ちに比べれば原始人だからです。後になって、私たちは彼らに、物質の、一種
おく ぎ
のコントロールに関する奥義を教えたのですが……。最も進んだあなたがたの
科学者たちも、私たちに比べれば原始人であり、それはちょうどアマゾンの原
住民が、ケープ・カナベラルの科学者に比べて原始人であるのと同じです。
不幸にも 9 9 パーセントの確率で、これらは起こり得ることなのです。
ですから、私たちを創造者と認め、ラエルを最後のメッセンジャーと認めた
あなたがたは、私たちのメッセージを伝えることによって、人類が生き残るた
わず
つか
めのほんの僅かなチャンスを掴むべく努力を続けるべきなのです。その時にこ
そ、あなたは心安らかに生きることができます。それと同時に、あなたは自分
自身の開花を追求することもできるのです。なぜなら、もしもあなたが、非暴
力と真実の勝利のために最大限の努力をする正しい人たちの中にあれば、あな
たは、大異変から私たちによって救われることを知っているからです。
愛と友愛と知性のために戦いなさい。しかし、大部分の人たちが暴力的で、
けもの
ひ たん
攻撃的で、獣のようであり続けても、悲嘆に暮れてはいけません。その努力が
ついには、人々を知らず知らずのうちに地球的意識を持たせるに至り、そして
人類は、黄金時代に入ることでしょう。不幸にしてすべてが破滅したときには、
すべてを再建するために、あなたがたを私たちが救い出すことになるでしょう。
私ヤーウェ、地球の最初の人にして最後の人、アルファにしてオメガの人で
ある私は、私の預言者ラエルの口を通して、地球の人たちにこのメッセージを
送ります。
私たちが創造し、私たちが黄金時代へと向かわせようとし、私たちの本当の
子供のごとく私たちが愛している人たちへ。
288
第三部/第2章:新しい啓示
善意に満ち、幸福を望む人たちのために、地球に平和が訪れんことを。
私たちの遺産伝授は、もう準備ができています。人類という子供が誕生の時
に、死んでしまわなければそれで十分なのです。
さあ、あなたの出番がやって来ました!〉
289
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第3章
無神論の宗教
つばさ
翼のない天使たち
空からやって来た天使が私に近づいて来た。彼は私にこう告げた。私は世
ふくいん
の終わりのメシアであり、私は、地上に福音を伝えるために出かけなければ
ならない。そして、私がその教皇および司教となる一つの教会を設立しなけ
ればならない。私は、このカトリックの宗教の預言者である。
この数行を読んで、私をよく知っている人たちはこう言うでしょう。
「とうとうラエルは、良き理性を失ってしまった。使命のあまりの重圧が、彼
に重い精神的障害を起こさせたのだ。彼は自分の立場を見失っている」
しかし、この導入部を読むことによって、まず次のことが分かります。
つばさ
翼を持った生物が空からやって来て、私にこう告げた。私は神の人で、世
つか
ふくいん
の終わりのために遣わされた。そして、地上に福音を述べ伝えるために出か
しっくい
ほうかん
いただ
けなければならない。私は、石と漆喰で出来た教会を造り、宝冠を戴く教皇
ぎょく ざ
および玉座に座る司教とならなければならない。私は、何世紀後に起こるこ
とを告げる預言者であり、カトリックの宗教の預言者であり、ローマに属し
ている。
さて、問題の文章の言葉に隠されている意味を、よく考えてみましょう。何
よりも先ず、エロヒムやアポカリプスという単語について行ったように、その
深い意味と語源を考えてみる必要があります。
(
「真なる」
その前に、
「語源」という単語の語源は、ギリシャ語の「etumos」
(
「科学」の意)から来ています。つまり「真実の科学」です。
の意)と「logos」
290
第三部/第3章:無神論の宗教
したがって、
『真実を告げる書』の周りに集まった人たちにとって、
「etymol (語源研究家)であることほど自然なことはありません。
ogistes」
エロヒムは、ヘブライ語で「天空より飛来した人々」を意味するにも関わら
ず、不当にも「神」と訳されてきました。アポカリプスは「真実の啓示」を意
すで
味するのに、「世の終わり」と訳されてきました。私たちはこれらのことは既
によく知っています。さて、それでは一見、神秘的に見える本章の導入部につ
いて、その言葉の一語ずつを検討してみましょう。
空からやって来た天使が私に近づいて来た。
(天使)は、ギリシャ語の「angel ここから辞書を引いてみましょう。
「ange」
o s」から来ていて、これは「使者」を意味します。これからも分かるように、
すでにこの文章の本当の意味は、まったく変わってしまいます。すなわち、
空からやって来た使者が、私に近づいて来た。
ということであり、このように言い換えてみると、その超自然的なものも理
解できるようになります。続けましょう。
彼は私にこう告げた。私は世の終わりのメシアであり、
(messie)とは一体、何を意味するのでしょうか。これはアラム語の
「メシア」
しゅ
そそ
「meschîkhâ」から来ていて、それは「主により油を注がれた」、もしくは「主
により聖別され、選ばれた」の意味です。したがって「メシア」の意味をよく
理解するためには、この「主」という言葉から見ていくのが良いでしょう。
しゅ
(seigneur)とは一体、何なのでしょうか。これはラテン語の「se では、
「主」
とし
nior」から来ていて、「最も歳を取った人」を意味します。中世の用語で言え
ば、「主」とは一地方を治めている領主のことです。「神」というのは永遠であ
ると人々は信じたかったのですから、当然それは最も歳を取っています。した
がって地上の「主」となるのです。領主を消し去った革命も、不幸にも宗教に
(Monseigne までは及びませんでした。こうして、私たちは多くの「大司教」
u r)を見ることになったのです。
したがって「メシア」とは、「神に選ばれた」者を意味します。そして、「神」
とは実はエロヒムのことであり、その真の意味は「天空より飛来した人々」で
すから、結局「メシア」とは、「天空より飛来した人々によって選ばれた」者、
291
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ということになります。繰り返しますが、アポカリプスとはギリシャ語で「真
実の啓示」のことですから、結局は、
彼は私にこう告げた。私は真実の啓示のために、天空より飛来した人々に
よって選ばれた者である。
となります。ここまでは明らかになりました。次に、
ふくいん
私は、地上に福音を伝えるために出かけなければならない。
ふくいん
(evangile)とはギリシャ語の「euagelion」から来
についてですが、
「福音」
ていて、これは「良い知らせ」を意味します。したがって、
私は、地上に良い知らせをもたらすために、出かけなければならない。
となります。そして次の、
(私は)教会を設立しなければならない。
(eglise)はギリシャ語の「ekklêsia」か
についてはどうでしょうか。
「教会」
ら来ていて、これは「集団」を意味します。したがってそれは、
(私は)集団を組織しなければならない。
となります。そして次の、
私がその教皇および司教となる。
(pape)はギリシャ語の「pappas」から来ていて、
についてですが、
「教皇」
(pontife)はラテン語の「pontifex」から
これは「父」を意味します。「司教」
(橋)と同じ語源を持ち、川の両岸、あるいは地上
来ていて、これは、「pont」
の 2 地点、ひいては宇宙空間の二つの惑星を結ぶもの、のことです。
したがって、明確に次のように言い切ることができます。
私はその父となり、創造者たちの惑星と人類の惑星とを結ぶ役目を果たす
者となる。
そして最後は、
292
第三部/第3章:無神論の宗教
私は、このカトリックの宗教の預言者である。
についてです。
(prophete)は、ギリシャ語の「prophetes」から来ていて、これは、
「預言者」
(religion)はラテン語の「religio」
「真実を啓示する人」を意味します。
「宗教」
から来ていて、これは「結びつけるもの」を意味します。創造者と、その創造
きずな
(catholique)はギリシャ語の「katho物とを結びつける絆です。
「カトリック」
likos」から来ていて、これは、
「宇宙的な」を意味します。したがって、問題
の文章の最後の部分は次のように言い換えられます。
きずな
私は、人類とその創造者たちとを結びつける宇宙的な絆という真実を、啓
示する使命を帯びた者である。
そうすると、文章全体の意味としては、要するに次のようなことになります。
空からやって来た使者が、私に近づいて来た。彼は私にこう告げた。私は
真実の啓示のために、天空より飛来した人々によって選ばれた者であり、私
は、地上に良い知らせをもたらすために出かけなければならない。私は集団
を組織しなければならない。そして、その父となり、創造者たちの惑星と人
類の惑星とを結ぶ役目を果たす者となる。私は、人類とその創造者たちとを
きずな
結びつける宇宙的な絆という真実を、啓示する使命を帯びた者である。
こうして、神秘主義的な言語の真の意味が解明され、誰でもが合理的に理解
できる文章となりました。しかし、この章の始めの文章は、全く同じことを言
へ んきょう
おうとしていたのです。にも関わらず、偏狭で原始的な神秘主義者の解釈は、
なん
へだ
私たちの解釈とは何と隔たっていることでしょう。正しい言葉の意味を尊重し
ないことの態度が、いかにその真意から遠ざかってしまうかを分かってもらえ
たと思います。
こういうわけで、「ラエリアン・ムーブメント」は、れっきとした一つの宗教
きずな
です。すなわち、人類とその創造者たちを結ぶ絆なのです。たとえ神の存在を
(athée)とは、
信じない無神論的な宗教であっても、そうなのです。
「無神論的」
ギリシャ語の「athéos」から来ていて、これは「あらゆる神性を否定する」と
いう意味です。
多くの人は、宗教を特徴づけるものは礼拝の実践である、と言います。では、
293
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
礼拝とは一体、何でしょうか。
「礼拝」(culte) という語はラテン語の「cultns」から来ていて、「神に示さ
れた敬意」のことです。ですから私たちラエリアンは、創造主の代わりに複数
形にして、「創造者たちに」と言うべきでしょう。すなわちそれは、エロヒム
のことです。
ところで、
──日曜日の朝の11時に行う、テレパシーによるコンタクト。
おも
──少なくとも 1 日に一度は、エロヒムを想い起こすこと。
──少なくとも 1 年に一度は、自分の地区のガイドを招いて、メッセージに
こ
ついての教えを請うこと。
──各地区のガイドのもとで、月に一度の集会を持つこと。
──毎年 8 月 6 日には、アポカリプス時代の到来を祝うこと。
以上のこれらのことも、創造者たちに対する敬意の表明と言えます。したが
って、これらは礼拝の儀式、すなわち私たちの創造者たちに、決められた日に、
ひとりまたは集団で敬意を表すための行事である、と言うことができます。
最後に、ラエリアンは神を信じないのですから、イエスについては彼を、私
ブッ ダ
たちの創造者たちの使者であると考えます。モーセ、仏陀、マホメット、ジョ
セフ・スミスやその他の、すべての偉大な預言者たちと同様に、彼はエロヒム
しる
の使者なのです。そして、ラエリアンは聖書に記されているように、これらの
使者たちがエロヒムと共に再びやって来るのを待っています。
なぜならラエリアンは、あらゆる宗教聖典の深い意味、特に聖書の創世記を
信じ、それと同時に、コーランやその他の宗教教典をも信じているからです。
は
それらの書は、エロヒムのメッセージによってその神秘のベールが剥がされ、
また、人間だけの法や政府を尊重させるために、それらの書に付加された人間
おきて
の掟はすべて無視されるのです。
エロヒムに敬意を表すことは、それを「礼拝」と呼んでもいいことなので
す。礼拝は、それ自体としては悪いことではありません。私たちの創造者たち
を神格化するのではなく、私たちに生命を与え、自由な進歩に任せて、いつの
日かエロヒムのレベルにまで自己を高めるのを見守ってくれている深い愛に対
して、心からエロヒムを愛することが重要なのです。
ひざまず
ひれ ふ
大事なことは、星を前にして 跪 いたり、平伏したりすることではありませ
294
第三部/第3章:無神論の宗教
なが
ん。素直な気持ちで空を眺め、私たちの創造者たちを理解して愛することので
きる、この時代に生きるという特権を意識した人間であることに誇りを持つこ
とです。
私たちのレベルで最も小さな微粒子中の物質をコントロールして、私たちの
めぐ
番が巡ってきたときに、新しい生命を創造する能力を、私たちに与えてくれた
エロヒムを愛することが大事なのです。私たちを存在させ、あるいは私たちが
どうしてここにいるのか、また時間と空間の無限の中での私たちの使命は何か、
それを理解しうる能力を与えてくれた人たちに、いつの日にか会えるという希
望と愛に満ちて、星雲を見上げることこそ大事なのです。
こんにち
すう
今日までの人間は、物事を理解できる存在として人類を創造した人たちを崇
はい
拝してきましたが、今や人類は、人類を創造した人たちを今まで以上に愛する
ために、彼らを理解しなければなりません。
もしも人類が科学を悪用して、人類にとって致命的な核戦争を引き起こすよ
あやま
うなことをしたならば、エロヒムの名において人類にその過ちを自覚させよう
と努め、核戦争を回避すべく働いた人たちは、創造者たちによって救われるで
むく
しょう。私たちの父たちを崇拝する人は必ず報われるでしょう。なぜなら、彼
つか
らはすでに、エロヒムが人類の目を開かせるために遣わした偉大な預言者たち
が永遠に生きている惑星で、永遠の生命を約束されているからです。
ちぎ
(foi )という言葉は、ラテン語の「fides」から来ていて、これは、
「崇拝」
「契
きずな
や
り・絆」を意味します。つまり私たちは、理解せずに信じる、のを止めること
あが
ができます。エロヒムを信頼しながらも彼らを崇めることができます。なぜな
むく
ら、彼らを崇めることができる知性を持っている人たちは、どちらにしても報
われることになるからです。
あやま
人類が取り返しのつかない過ちを犯さないように努めながら、ラエリアンは
かた
創造者であるエロヒムを堅く信じています。なぜなら、ラエリアンは、たとえ
最後の大異変がやって来たとしても、エロヒムが自分たちを忘れはしないこと
を知っているからです。
ま
ひ
責任感の麻痺
もし、
「エルサレム新聞」が今から2000年前に存在していたならば、失業や
ど れい
奴隷不足によるエネルギー危機、ローマの途方もない税金による物価高などに
295
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ともな
ついて書いたことでしょう。それに伴い人々の会話もまた、それらの話で持ち
かた
切りだったであろうことは想像に難くありません。そして、それから数行にか
けて、「御用学者」や記事のネタ不足で困っている記者たちが、「ユダヤの王」
にせ
と名乗っている偽預言者のことについて書いたことでしょう。
ただ
とら
だま
当局は直ちに彼を捕えるべきである。彼は多くの盲信者や、
「騙されやすい
連中」を自分の後ろに引き連れていたからであり、人は大衆の盲信性につけ込
んだりはしないものであるから……と書いたことでしょう。
さば
こうして、「真実の啓示を受けた人」は投獄され、裁かれ、死刑を言い渡さ
ささ
れました。私たちの創造者たちのメッセージを広めるべく一生を捧げた人は、
ふたりの強盗の間で十字架にかけられたのです。いったい、彼の罪とは何だっ
たのでしょうか。
公認の御用宗教の代表者たちに許されていた、真理の不法な実行。その御用
宗教は、少なくとも 2 、3 世紀の古さを持ち、言わば、骨抜きにされた名前だ
けの宗教でしかありませんでした。
ゆる
しかし、祭司長・長老たちは、群集に、バラバが赦されるように求め、イ
すす
エスを殺してもらうように勧めた。『マタイによる福音書』27章20節
御用宗教の祭司長や大新聞は群集を説得していきました。宗教は何千年もの
古さを持っていなければ認められない、それ以外の宗教は危険なセクトの寄せ
集めにすぎない、と。
真実と人間との間に割り込む者たち、白衣を着た国の大司教の宗教を信じさ
せる者、私たちは猿の子孫だと言いつつ、自分の子供には洗礼を受けさせ、両
なら
親の墓には十字架を置く科学者たち、宗教的慣わしを信じさせる者、彼らの腐
敗した社会の基本的価値をあと数年余分に生き延びさせようとする者、個人の
よくあつ
よう ご
人格を抑圧し税金を納める家族というものを擁護する者、自分たちの報酬を受
やしな
ばくだい
け取るためには何でもしかねない政治家を養っている祖国を擁護する者、莫大
な報酬を受け取るために同じようなことをする軍人たち、自分たちの職務を口
ごうもん
実にして責任を回避する下級役人たち。彼らは誰かを罰し、拷問にかけ、殺す
時でさえも、自分たちは社会を守っているのだという幻想に酔っているのです。
そういうのが、私たちを治めている人たちの好む宗教なのです。これは、若
ふる
い人たちに真実を発見させて、その心を震わせるものではありません。原始的
こわ
な社会構造を打ち壊して、現在の科学技術に適合しうる別の社会システムに置
296
第三部/第3章:無神論の宗教
き換えようとする気持ちを、若者に引き起こすものでもありません。
ま
ひ
できるだけ人々の責任感を麻痺させることが、地球の人々に自分の意志を押
し付けようとする人たちの考えていることです。彼らは、その理由をよく承知
しているのです。兵士は「何かのために」という大義名分がなければ、目の前
の人を殺すことなどできないということを、彼らはよく知っています。何か大
きな目的のためでなければ、兵士は囚人を拷問にかけたりすることなどできな
かんばつ
いのです。市民は、干魃の被害にあった農民のためにという理由がなければ、
そう簡単には税金を余分に納めたりはしません。その代わり、人は何かより大
きな目的のためには、何でもするのです。
い せいしゃ
したがって、為政者のあらゆる努力目標は、国民に対し、国家が何よりも一
番重要であると思わせることにある、と言っていいです。
ある興味深い実験が、アメリカの科学者たちによって行われました。まず彼
ひそ
らは、人々の心に潜む暴力性に関して、その実験の被験者のフリをする役者を
やと
雇いました。次に新聞広告で、人間の脳の力を知るための実験ということで、
参加者を募集しました。
集まった人たちは、いくつかのボタンのある机の前に、 1 回につき 1 人ずつ
配置されました。その机の前にはガラス窓があり、窓の向こう側には雇われた
役者がいます。机の上のボタンは何段階かに分かれていて、そのボタンを押す
と、役者の身体に電流が流れる仕組みになっています。机の前に座った人たち
にはそのように教えられていたのですが、実際には、役者のほうが演技をして
いるだけなのです。
机の上のボタンは3 0個あり、左から右へ15ボルトずつ高くなり、15 〜 4 5 0 ボ
ルトの電流が流れるようになっています。同様に受けるショックも、弱・中・
強・特強があると教えられていました。
役者は、ボタンから出される合図に従って、電気ショックを受けたように演
技をするのです。弱いショックに対しては、ただ軽いショックを受けたように
振る舞い、中程度のショックには、何かを叫びながら飛び上がります。次いで、
もうこれ以上は実験を続けたくないと言って抗議し始めます。さらにショック
い
す
の強度が増してくると、椅子から離してくれと泣き叫びます。そして最も強い
ショック、つまり 4 50ボルトになると、彼は失神して死んだフリをするのです。
この机の前に座った人たちは、ガラス窓の向こう側に座っている人が、科学
者の質問に対して間違った答えをした場合に、そのことを知らせるために電流
297
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
を送る、と教えられています。そしてこの科学者は、この異常に見える手段が、
実は科学の、ひいては人間の進歩に大きく貢献するのだと言って、ガラス窓の
すす
向こう側の人が苦痛のためにどんなに叫んでも、電流を流し続けるようにと勧
めます。
この場合、ボタンを押して実験を見ていると思っている人が、実は見られて
いるのです。実験は、統計的資料を作るために何度も繰り返されました。その
結果、何人の人たちが、科学の進歩のためにという名目で、人を殺すのに十分
な電流を流すかを知ることができました。この実験は、その結果を比較するた
めに、何カ国かにおいて実施されました。
この実験を行った科学者と心理学者の予想に反し、4 5 0 ボルトの電流を流し
たのは、単に少数の精神異常者のみではありませんでした。6 0 パーセントの人
うった
たちは科学者の言う通りにし、演技をしている役者の訴えを聞くこともなく、
電流を流し続けたのです。彼がもう声を発することができなくなっても、そう
したのです。
この実験はヨーロッパ各国でも行われました。そして 4 5 0 ボルトの電流を流
した人たちは、全体の70 パーセントを超えていました。最高はドイツでしたが、
そのときの感電死殺人の責任を負うべき人たちは8 5 パーセントでした。
イェール大学心理学部のスタンレイ・ミルグラム(Stanley Milgram )教授
の結論は、次の通りです。
しょうど う
「個人が階級制度の中に組み込まれると、通常は個人の衝動を制御するメカニ
ズムが機能しなくなり、上位の階級にある者がその役目を代行することになる。
そうしつ
……責任感の喪失が、権威に盲従することの最悪の結果である。……大部分の
被験者は、自分の行動を科学的真理の追求という、何か社会的に役立つものと
して位置づけようとする。
心理学の実験は、明確にその有用性を打ち出せるので、そこにやって来た人
たちに信頼感を植え付けることができる。例えば、被害者の電気ショック死と
もと
いったことも、それだけを考えれば悪と思われるが、こうした環境の下では全
く違った意味を持ってくる。……
道徳性は消えないが、その焦点は全く異なってくる。下位の者は、上位者に
すいこう
ち じょく
命令された行動の遂行に失敗したか成功したかによって、恥辱を感じたり、逆
に誇りを感じたりする。こういった型のモラルを示すのには多くの言葉がある。
忠誠心、義務感、規律……。
298
第三部/第3章:無神論の宗教
にく
以上が、私たちの研究から得た基本的な教訓と言える。すなわち、特別な憎
しみもなく、ただ自分たちの任務を遂行している通常人が、平気で、恐ろしい
かつ
破壊行為のお先棒を担ぐことができるのである。さらに、彼らの任務の破壊性
が全く明らかになり、基本的なモラルとは両立できない行為を要求された場合
でも、権威に抵抗できるだけの内面的な力を持つ人たちは少ない。……
けっかん
これは、私たちが生まれつき持っている致命的な欠陥であり、このために、
つい
私たちの種が生き残る可能性は、遂には非常に小さなものとなる」
『権威への盲従』S・ミルグラム(パリ、1974年)より引用。
これ以上に明白なことはありません。
こうして、どのようにしてイエスが十字架にかけられ、または何千人もの人
ぎゃくさつ
たちが、宗教裁判、宗教戦争や内乱のときに、あるいはナチスの虐殺のときに
ごうもん
拷問され、殺されていったかがよく理解できます。さらに、どのようにして実
けい り
直な食料品屋や肉屋が、十字架の刑吏となり、魔女を焼き殺す人となり、また
は女性や子供たちを焼却炉へ送り込む S・S(ナチ親衛隊)となり得たかが理解
できます。
彼らは、すべて人類のために行動したと考えたのです。最初の例では、自分
たちの伝統をひっくり返そうとした幻想家を殺すことによって、その他の例で
は、自分たちとは違った生き方をする人たちを農作物の不作、伝染病、経済危
機などの原因と見なし、その人たちを責めることで人類が救われると考えたの
です。
知恵遅れの人たちの中にこういう考えがあったとしても、それは許されます。
しかし政府が、こうした最悪の観念を用いて一般大衆を動機づけ、あるいは彼
らの行動を正当化することは、絶対に許されないのです。
アルジェリアのゲリラ狩りのフランス人責任者たちは、同じ原理によって行
動しました。そして、
「祖国」に有益な情報を得るためにという理由で、下士官
ゆう
に北アフリカの人間を拷問させたのです。拷問をする人は、祖国のために「勇
かん
ぎ せい
敢」に行動することで、ある意味では自分を「犠牲にしている」のです。
な
地球の人々よ、用心深くありなさい。そしていかなる行動を為すときも、そ
れが人間の尊厳という、あなたの心の深い感覚に反する時は、それを行っては
なりません。あなたの為そうとする行為から、あなたの責任を除去してしまう
ような、いかなる階級制度も拒否しなさい。
299
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
すべてのナチス党員が、裁判の席で自分は命令を実行しただけだと言って本
心から自己を弁護し、広島に原爆を投下した者が、命令を実行しただけだと言
うのも、これは単なる偶然ではありません。そして現在、フランスやその他の
すべての大国には、「命令を実行する」という理由だけで、核ミサイルの発射
を行える人たちがいるのです。
しかし、彼らには責任があります! ナチス時代のドイツでは、無数の者た
ちが女性や子供を拷問にかけました。彼らは単に命令を実行しただけで、責任
あん い
はすべてヒトラーにあるとでも言うのでしょうか。それはあまりにも安易すぎ
ます! 何百もの核ミサイルが、何千もの女性や子供たちの住んでいる街を、
ぎゃく
いつでもフランス領土から攻撃できますが、果たして、大統領だけがこの大虐
さつ
殺の責任者なのでしょうか。
もちろん違います! 他人の殺人を実行する力を持った 1 人ひとりが、個人
的に責任を負っているのです。子供を焼き殺す焼却炉に火をつけた者は、それ
を命令した上官よりも大きな責任があります。そして、原爆を街の上に投下し
おのおの
た者は、その決定を下した者よりも大きな責任があるのです。各々は、その行
い
か
為に対しての全責任を負うのであって、如何なる場合でも、命令を実行しただ
たて
のが
けだという事実を楯に、その責任から逃れることはできないのです。
あなたがた、ラエリアンたちよ、たとえ私自身が明日、私たちの運動を進め
るために誰かを殺すようにあなたに命じたとしても、決してそれを実行しては
なりません。さらに、ひとりのエロハが、あなたに人を殺すように命令したと
しても、あなたは決してそれを実行してはなりません。そういう命令を出すと
したら、それはサタンであり、サタンは不死会議のメンバーたちに、人間は本
せいあく
さが
来性悪であることの証拠を捜して示すために、そうするのです。
あなたのすべての行動は、他人の生命、他人の思想、他人の流儀に対する深
な
もろ もろ
い尊敬の念の上に為されなくてはなりません。私たちは、諸々のイデオロギー
ほう
たたか
を奉じている人々を個人的に責めることなく、それらのイデオロギーと闘わな
ければならないのです。
あなたの周りの人たちの目を覚ましなさい。彼らを深い人間尊敬の念に慣れ
ま
ひ
させ、責任感が麻痺することを拒否させるようにしなさい。責任感の麻痺の最
でん ぱ
も危険な伝播者は、軍隊です。ドイツで85パーセント、アメリカでは 6 0 パーセ
ント……。政治的・軍事的な階級制度によって命令された暴力行為の、実行を
承認する意志薄弱者が10パーセント以上に増えないようにするために、あなた
300
第三部/第3章:無神論の宗教
がたはあらゆる努力をしなければなりません。
イエスを殺した人たちは、全く平静のうちに、それを行いました。彼らには
責任がありませんでした。彼らは命令を実行したにすぎません。ピラト自身、
イエスの死の責任を取ることは拒否しました。彼はそれから「手を引いた」の
あやつ
です。そして彼は、ユダヤ教のラビ(※)たちに操られた狂信者たちが、S・S
のようにイエスを十字架にかけるのを任せました。
※編集部注:ユダヤ教の宗教的指導者・学者
きつもん
これらの人たちを詰問しても、誰ひとりとして、責任を感じたとは言わなか
ったでしょう。ローマ人がしたように、彼らもそれから手を引いたのです。ラ
そうとく
ビたちは、最後は国法あるいは総督に従ったのだと言うことによって。狂信者
たちも同じことを言うでしょう。
多分、誰かひとりの責任者を見つけるでしょうが、実際に罪を犯したのは、
この街の人たち全員なのです。こうした殺人を防止するために、介入しなかっ
た罪を負うべきなのであり、それは、ひとりの無実の人間を殺した罪でもある
のです。
おり
初期のキリスト教徒たちを、ライオンの檻の中へ投げ込んだ者たちも、命令
ぎゃくさつ
を実行しただけです。魔女を焼き殺した者たち、プロテスタントを虐殺した者
たち、アウシュビッツのナチス党員など、みんな命令を実行しただけです。広
島へ向かった爆撃機、ベトナムの村を焼き尽くしたヘリコプターのパイロット
など、すべて同じなのです。
し
あなたがたには、瞬間瞬間に、二つの選択肢があります。自分の行為に責任
を持つか、または「無責任」になるかです。しかし、どんな「無責任」者も、
実は、その行為には責任があるのです。なぜなら、その人たちはすべて、人類
に対する罪を犯しているからです。いつの日か、その責任を負わなければなら
ないのです。
以上のことを心に留めておきなさい。そして、あなたが責任の持てない行為
い
か
を、あなたに押し付ける如何なる階級上の義務も、断固としてそれを拒否しな
さい。
もと
軍隊は、その最も危険な例です。命令に従ったにすぎないという弁解の下に
人を殺すくらいであるなら、むしろ、その命令を拒否して殺されたほうが良い
ごくあく
です。極悪非道な命令を実行する者は、命令を与える者よりも責任が重いので
301
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
す。
どんな理由も、他人に苦痛を与えることの正当化にはなり得ません。もしも、
人類の生存というものが、非暴力的なひとりの人間に課せられる苦痛に依存す
るのであれば、人類を滅びるに任せたほうが良いです。もしもそれが、人類全
体に属している地球上に、勝手に境界線を設けた「祖国」の生存にしか関わら
ないのであれば、なおさらそうです。
ま
ひ
この原理の絶対的な尊重のみが、個人の責任感が徐々に麻痺してしまうこと
を防止するのです。
な
「たとえ命令されたものにせよ、私は、私が他人に為すことのすべてにおいて
責任がある」
これが、人々が常に留意しなければならない、第 1 の言葉です。
「いかなる理由も、非暴力的な人の苦痛や死を正当化することはできない。た
とえ人類の生存がかかっていても、それは例外とはなり得ない」
これが、人々が常に留意しなければならない、第 2 の言葉です。
このことは、もちろん正当防衛を否定するものではありません。あなたや、
あなたの愛する人に暴力を振るおうとする者には、時としては力でもって、相
手を無力な状態に追いやることも許されます。これはメッセージの中でも語ら
れています。
おとしい
もしもある軍人が、ミサイルによって人類を破滅に 陥 れる危険があるなら
くっぷく
ば、他に方法がない場合は、力でもって彼を屈伏させたり、あるいは彼を死刑
おびや
にすることも許されます。暴力によって人類を脅かす者に対しては、単に彼の
力を奪い取り、武装解除させるために暴力を用いることも許されます。
核ミサイルの発射命令を実行し、数秒で都市を全滅させる力のある者たちに
対しては、強制力のある良い方法があります。それには、彼ら全員の正確なリ
ストを作り、核を使用した場合には、その命令を与えた者ばかりでなく、彼ら
もまた個人的に追求されることにするだけで十分です。現在、ナチスの犯罪人
に対しては、この方法が適用されようとしています。もしも1 93 9 年以前に、こ
ごうもん
のような法令とリスト作りが存在したならば、彼らは拷問を行う前に、二度も
三度も考え直したことでしょう。
もと
命令という名の下に非人間的な行為をした者に対し、その全員のリストを作
成できる権限を有した、非暴力的な市民による公正な監視役を、軍人の中に配
置できるようにすべきです。警察の警察は存在しますが、軍隊の警察は存在し
302
第三部/第3章:無神論の宗教
ません。軍隊は、戦時において命令を拒否する兵士を、その場で銃殺できると
いうことを知っているので、どんな命令でも出すことができるのです。
したがって、地上から軍隊や戦争が無くなるまで、これらの監視役が人類に
対して罪となるような命令を拒否した兵士の銃殺に、反対できるようにすべき
は けん
なのです。国連は、各国の軍隊にこのような監視役を派遣し、いかなる軍人も
命令拒否のために死刑にされる前に、その命令が人類に対する犯罪とはならな
かったかどうか、これらの監視役たちで構成する委員会で判定されるようにす
べきです。
というのは、人々は自分では悪いと思う命令を、実行させられているからで
す。彼らは、もしその命令に従わなければ、罰せられることを恐れているので
す。だから彼らは、自分が投獄されたり殺されたりするよりも、無実の人を殺
くっぷく
したり拷問にかけたりする方を選ぶのです。屈伏してはなりません! 無実の
人に手をかけることより、むしろ自分が投獄され、または殺されることを選ん
で、真に人類の英雄となるのです。
何百万もの人々が、あなたと同じように行動することを働きかけるとき、命
令を与える者たちは、自分の命令が大勢の人たちによって拒否されるのを目撃
し、命令が聞かれるだろうと思ってそのような命令を出した者が、罰せられる
時が来るのです。
さくしゅ
企業家たちが人間を家畜のように搾取して全盛であったときも、そして、1 9
あ
ぎ せい
36年以前の「秩序」を維持するための警察の銃弾に遭って、何人もの犠牲者が
出たときでさえも、それでも人々は労働を拒否し、組合を結成するのに十分な
力をつけてきていました。軍国主義という、地球人に押し付けられた最後の暴
政形態と戦うために、その同じ力を見つけることは可能です。
私があなたに語ったことのすべては、権力と名誉のある人たちをとても困惑
させるでしょう。彼らにとって不幸なのは、彼らが私の存在に気づくのが遅す
ぎたことです。私の活動の最初の 2 年間、私はとても不安でしたが、今は何の
不安もありません。もしも私が活動の初期に投獄されていたならば、私は、地
球における私の使命を十分に果たせなかったでしょう。幸いなことに、権力者
たちは、空飛ぶ円盤やピンク色の触覚を持った火星人のことを話している、こ
ほほ え
の長髪の若者を前にして微笑んでいました。
しかし、今や彼らは、私たちの創造者のメッセージの内容が革命的であるこ
つ
とを理解しました。そしてこのメッセージが、彼らが権力に就くために役立っ
303
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
たすべてのもの、すなわち宗教、政治、軍隊、労働、家族、祖国などのすべて
を、改めて問題にしていることを理解しました。すると彼らは、彼らの「正義」
さまた
を用い、私の行動を妨げようとし始めました。ちょうど人々が、私の兄である
イエスに対してその「正義」を用いたように。
いつでも、最悪の不正を正当化する正義が存在するものです。初期のキリス
ト教徒を迫害し、魔女たちを火刑にし、ユダヤ人を強制収容所に送り込み、そ
してソ連人(訳注:ロシア人)を精神病院や強制労働キャンプ場に送り込むため
の、公式の裁判すらあったのです。これらの人たちは、社会に歩調を合わせな
いために良くないとされたのです。
しかし、彼らは気がつくのが遅すぎました。たとえ私が刑務所の奥深くに投
獄されたとしても、あなたがたはすでにエロヒムのメッセンジャーとして、世
界数カ国に分かれて何千人と存在します。私はもはやひとりではありません。
ごく
つな
私は 3000人です。私はあなたがたのことを思いつつ、喜んで獄に繋がれるでし
ょう。あなたがたは、もうひとりのラエルであり、大使館の建設と人類が黄金
時代に入るために、協力して活動しているのです。
な
獄の中で私は、自分のやるべきことを為した人の幸福を知るでしょう。そし
て、すべてのことが私がいなくても動き始め、天にまします我が父が、私はす
でに地球ではあまり有用ではなくなったことを知り、不死の惑星にいる私の兄
弟である預言者の仲間に加えることを希望するでしょう。
こう考えるだけで、私は、私たちの父の栄光のために歌いたい。人々が十分
に理解することなく繰り返してきた言葉、ハレルヤ! ハレルヤ! を繰り返し
叫びたい。ハレルヤとは、ヘブライ語で「ヤーウェに栄光あれ」のことです。
すいこう
そう、私の使命を最後まで遂行する力を与えて下さったヤーウェに、栄光あれ!
今、私はあなたがたにバトンを渡します。さあ、我が兄弟であるラエリアン
たいまつ
たちよ、私が伝えた松明を受け取って、あなたの使命を遂行する時です。真実
が勝利する時がまだ来なくとも、それは、それほど遠くではありません。あな
たには、その時を生きるチャンスがあるのです。
「すべてが啓示されない限り、この世代は過ぎ去らないであろう」
と書かれています。この言葉は、私たちが突入した、アポカリプスの時代に
生きる人々に向かって言われました。つまり1945年以降のことです。この世代
けいもう
とはあなたがたのことです! あなたがたが平和をもたらし啓蒙することで、こ
の地球で黄金時代を迎えるか、あるいはすべてが吹き飛んで、あなたがたが不
304
第三部/第3章:無神論の宗教
死の惑星ですでに選ばれている人たちと共に黄金時代を迎えるかの、いずれか
です。
エロヒムは、あなたがた 1 人ひとりが、周りに光をもたらすことを期待して
います。私の最後の言葉は再び、語源上の非神秘化です。
「アーメン!」
。これ
はヘブライ語で「ぜひ、このようにあれ!」ということです。
私たちの創造者のメッセージを知ることなく、この書物を手にしたあなたよ、
急いで、そのメッセージが書かれた私の前二書(編集部注:本書の第一部と第二部)
を読んで下さい。そして、地球の人々にそれらを知らせるために、私たちの仲
間になって下さい。そして大使館を建設し、エロヒムが公式に地球の政府と接
触しにやって来るのを待ちましょう。
彼らは古代の文書が予告しているように、
ブッ ダ
モーセ、イエス、仏陀、マホメット、その他の昔のメッセンジャーたちと一緒
にやって来るでしょう。
そして、私に便りを下さい。私は個人的に返事をして、いつ、どこで、あな
たが細胞設計図のトランスミッションができるかを知らせましょう。それを通
してあなたは、エロヒムを私たちの創造者たちであると認める、最初の行為を
行うのです。それから、あなたの地域のガイドの住所、あなたをガイドにする
ためのラエリアン・セミナーの場所と日時を知らせましょう。あなたはこうし
て、人類の開花と、愛と、無限の無神論的宗教の、有能なメッセンジャーとな
るのです。
さあ、ペンを取って下さい! あなたはもう、人生の傍観者にこれ以上とど
まらないで下さい! あなたは俳優となり、この灰色の、悲しくてやり切れな
きら
つく
い毎日の舞台を、絶対意識で煌めく、何千もの光り輝く毎日に、創り変えよう
ではありませんか。
あなたは紙と鉛筆を持っています。真実の発見が、あなたを大きく揺さぶっ
わ
たのなら、あなたの使い慣れた言葉で私に話して下さい。あなたの中に湧き上
がったこの感動を放置しないで下さい。
「確かに素晴らしい。しかし、この凡人の私がどう変わることができよう。だ
いいち、みんなが何て言うだろう?」
から
社会があなたに押し付けた、不確かな殻の中に閉じこもらないように! あ
なたは頭を出しかかりました。そして、それは素晴らしいように思えました。
しかしあなたは、それがただの幻想ではなかったのかと心配です。そしてこの
快楽が、次には多くの問題をもたらしはしないかと心配なのです。
305
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しかし、それは間違っています! この素晴らしい快楽を最後まで味わって
くだ
下さい。あなたと同じようにメッセージを発見して、ある晩に一気に読み下し、
た め ら
その普及に尽くすのを躊躇った何百という人たちに出会うことのできる世界へ、
あなたは入ろうとしているのです。彼らはあなたを助けて、彼らの進歩につい
てあなたに説明するでしょう。彼らの言葉を聞けば、あなたは自分が感じてい
た不安が全くの取り越し苦労だったことが分かり、不安を感じていた自分を笑
い飛ばすことになるでしょう。そして、自分自身を取り戻し、茶化した答えが
返ってくる心配をすることなく、自由に彼らと話すことのできる喜びで一杯に
なるでしょう。
そして最初から、彼らは自分と同じ世界観を持っていると確信するでしょう。
その世界観は、あなたが心のうちに持っていながらも、物笑いになるのを恐れ
て、人にはあえて話さなかったものです。
私たちのガイドの中のひとり、ピエールは言います。
「人はラエリアンになるのではないのです。メッセージを発見することによっ
て、自分がラエリアンであったことを発見するのです」
もしあなたも、自分がラエリアンであったことを発見したならば、私に手紙
とうかん
を書いて下さい。エロヒムも、あなたがそれを投函するのを待っています。
ラエルへの宛先は次の通りです。
◎編集部からのお願い……ラエルに手紙や電子メールを出す場合は、英語またはフランス
語で書き、下記のいずれかのアドレスへ送って下さい。
▶ Rael ,
c/o : International Raelian Movement
Case Postale 225, CH -1211
Geneva 8, Switzerland
E-mail
: [email protected]
▶ 〒289 – 2311
千葉県香取郡多古町本三倉 640 –A1
み ろく ぼ さつ
日本ラエリアン・ムーブメント「弥勒菩薩・ラエル」 宛
E-mail
: [email protected]
306
第三部:異星人を迎えよう
第4章
その後のメッセージ
1976年 10月 7 日の出現
1 976年 10月 7 日、約50人のラエリアンたちは、南西フランスのドルドーニ
ュ地方の、ロック・プラに近い、ラ・ネグルリに集まって、1 9 7 5 年1 0月 7 日の
コンタクトからの 1 周年を祝いました。1 年前のちょうどこの日、私ラエルは、
彼らエロヒムの不死の惑星に連れて行かれ、第二のメッセージを受け取ったの
でした。
集会は午後 3 時から始まることになっていました。すべてのラエリアンたち
が、 2 時 4 5 分に、予定の地で私の周りに集合しました。集会に参加した人たち
は、
〝最後の預言者〟ラエルと共に過ごす時間を共有できたことに感動を隠さな
かったし、参加者の間には果てしない調和の輪が広がっていました。
いっ
その時です──誰かが叫んで言いました。「空から何か落ちて来るぞ!」。一
ぺん
片の雲さえない空から、フワフワした大きな物が落ちて来たのです。それは綿
のような物にも見えましたが、触れると、すぐに気化してしまうのです。
それから、また誰かが叫んで、「ほら、あそこだ! 空で何か光っている!」
と、空を指差しました。しかしその時はすでに、私たちの頭上には 2 つの円盤
状の発光体がありました。さっきの綿のようなものが 1 0 分間ほど降ったあと、
2 機の宇宙船は突然見えなくなりました。
この突発的な出来事にも関わらず、トゥールーズのガイドであるロジェは、
この綿状の物を試験管の中に採取することに成功していました。彼はある研究
いな
所に勤務していました。ところが、分析のために試験管の中から出すや否や、
たちまちそれは気化してしまったのです。
はる
この驚異的なひと時を体験することができたラエリアンたちは、遥ばるフラ
307
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ンスを縦断して来たことを喜び、そして私から、彼らの細胞設計図の伝送(ト
ランスミッション)をしてもらいました。集会の場所で、正確な時刻に、エロヒ
しゅうせい
しるし
ムは参加者たちに終生忘れることのできない徴を見せたのです。
こうして、初めて、エロヒムが私たちに比べていかに進んでいるかを証言す
ることのできる人たちが、私ラエル以外にも登場することになりました。私の
そば
側にいた少なくとも50人の人たちが、そのことを証言できます。
ベルギーのガイドであるフィリップは、その後の調査で、これと似た現象が、
こと
これまで世界各地で観察されていたことを明らかにしました。殊にイタリアで
は、サッカーの試合中にこの綿状の物が降り、2 機の光り輝く宇宙船が現れて、
そのために試合が中断された! という事実が報告されています。同様のことは、
ベルギーとブラジルでも観察されたということです。
私は、私たちの集会はこうした出現の証人となることが目的なのではない、
ごと
と言っているのですが、それでも集会のある毎に、エロヒムが私たちをアッと
驚かすようなことをまたしてくれないかと、期待する人たちが多いようです。
1978 年 3 月 14 日のエロヒムのメッセージ
このメッセージは、深夜の12時に、私ラエルにテレパシーで伝えられました。
「私ヤーウェは、私のメッセンジャーであるラエルの口を通して、地球の人
々に次のメッセージを送ります。
注意しなさい! 近いうちに、私たちとは違う異星人が、地球の人々とコン
タクトするかもしれません。彼らはやはり、私たちが宇宙の他の区域で科学
的に創造した人間たちではあるのですが、現在私たちは、彼らとは何の関係
も持っていません。その理由をいま説明することは、あなたがた地球人たち
に混乱を与えることになるので、それはしません。
しかし私たちは、あなたがた地球人が、彼らとは兄弟の関係であることを
知ってほしいと同時に、彼らもまた、彼ら自身の起源を知りたがっているこ
とを理解し、彼らにも『真実を告げる書』と、アポカリプス紀元 3 0 年 1 0月 7
日のメッセージを伝えてくれることを願っています」
これはこの 3 年間、つまりラエル紀元30年の第二のメッセージと、3 4 年(19
ゆいいつ
7 9 年)の間にテレパシーで伝えられた、唯一のメッセージであることに注意し
308
第三部/第4章:その後のメッセージ
てほしいです。なぜなら、私たちが知らなければならないことは、ほとんど、
最初の 2 つのメッセージに含まれているのですから。
新しい律法の修正
第二のメッセージにある「新しい律法」の項(編集部注:16 5 頁参照)の 6 番目
は、次のように修正されます。
ローマ・カトリック教会の例などのように、ラエリアン運動の長の極端な
老齢化を避けるために、最高ガイドは 7 年を任期として、レベル 5 のガイド
たちによって選出されます。この場合に原則として、選挙に参加するレベル
ただ
5 のガイドは少なくとも12人を必要とします。但し、レベル 5 のガイド数が
人員に満たない場合は、レベル 4 のガイドを含めて選挙が行われます。さら
に、それでも人員に満たない場合は、レベル 3 のガイドが選挙に参加する形
式を取ります。最高ガイドは、レベル 5 もしくはレベル 4 のガイドの中から
選出されます。また、7 年の任期終了後に再選されることもあり得ます。
ともな
なお、この律法の修正に伴って、 4 番目の律法の修正も必要となります。す
なわち、
な
少なくとも年収の 10 0 分の 1 の寄付を、ラエル財団に対して為されなけれ
ばなりません。財団は、最高ガイドがメッセージを世界各国に伝えるための
行動に専念できるように、その財政援助をするものです。
と修正されます。
さて、この第二のメッセージの修正は、私たちの創造者たちにより受け入れ
られました。運動をより効果的にし、その普及活動を促進するために、ラエル
によって提案された条項の正当性が承認されたということを、これは意味して
います。
1997 年 12 月 13 日のエロヒムのメッセージ
2 4年前、私たちは私たちの究極のメッセージを、私たちの最愛の息子、私た
ちの預言者の口を通して、地球上の男性および女性たちに与えました。「神の
309
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
神秘」を破壊するために来ると予知された、その人を通して。
お願いした大使館に私たちが歓迎されるように、あなたがたの創造者として
私たちを正式に公式に認めてくれたラエリアンたちは、2 4 年の間、活動してき
けんしん
ました。あなたがたの献身とその努力は、心暖まるものでした。あなたがたの
むく
中の最も忠実な人たちは、報いを受ける人たちの中にいるでしょう。
あたい
すべての宗教の中に、私たちの愛に値する人たちが存在します。でも、ラエ
リアンたちは、私たちに最も近い人たちです。繰り返し言いますが、ラエリア
ンたちは選ばれた人たちであり、いつの日か、新しい約束の地を持つことでし
もと
ょう。というのも、ラエリアンたちの愛は意識と理解に基づいており、盲信に
基づくものではないからです。
一つ、あるいは多くの超神秘的な神々として私たちを愛した人たちは、私た
ちの目から見ると貴重な人たちでした。科学が発達する以前の時代でしたから、
そうならざるを得なかったのです。
私たちが超神秘的なものではなく、自分たちがその人たちに似せて創られた
ことを知りながら、私たちを引き続き愛し、私たちが愛するよりも、もっと私
たちを愛してくれる人たちの方に、さらにもっと私たちは感動させられるので
す。その人たちの報いの方が、もっと大きいものになるでしょう。というのは、
その人たちは盲信ではなく、意識して私たちを愛しているからです。意識する
ということが、その人たちをもっと私たちに近いものにするのです。
エルサレムの近くに、私たちを歓迎するための大使館が建設されるよう、私
たちは要請しましたが、頭の固い民の当局は、必要な治外法権について許可を
与えることを、何度も拒絶しました。
私たちがエルサレムを優先したのは、純粋に感情的なものだったのです。私
たちにとってのエルサレムというのは、人類が私たちを愛し、尊敬し、十分な
尊敬を持って私たちを歓迎しようとするところであれば、どこでも良いのです。
そして選ばれた人たちというのは、私たちが誰なのかを知っていて、私たち
を歓迎することを望んでいる人たち、すなわちラエリアンたちのことなのです。
地球上の真のユダヤ人は、もはやイスラエルの人々ではなく、私たちを本当に
自分たちの創造者たちとして認め、私たちが戻って来るのを望んでいるすべて
の人たちなのです。
つな
まさ
こわ
イスラエルの民と私たちが持っている繋がりは、正に壊れようとしており、
新しい結びつきは終わりに近いのです。彼らが再び離散させられる前に自分た
310
第三部/第4章:その後のメッセージ
あやま
わず
ちの過ちを理解する時間は、ほんの僅かしか残されていません。
一方、私たちは地球上のすべての国々に、大使館建設のための許可と、必要
な治外法権を要請します。 1 キロメートルの半径は、陸でも良いし、航行が禁
止されていれば水面でも良いのです。
わず
ある国がこの許可を出せば、イスラエルは、考慮する時間はごく僅かであり、
その間に最後の選択を一回だけしてこの許可を出し、その優先権を保持するか、
あるいは許可を出さない場合は、大使館はどこか別の所に建てられ、ダビデの
民は私たちの保護を失って離散するでしょう。
その領土内に大使館を建設してもらうことになる国、あるいは必要な治外法
権を提供して、この目的のために贈与または売却される領地は、その将来が保
証されて繁栄するでしょう。私たちの保護から恩恵を受けて、将来何千年も、
全地球上の精神的・科学的な中心となるでしょう。
偉大なる帰還の時は近づいています。あなたがたの中の最も献身的な人たち
を、私たちは支援して保護します。あなたがたの敵たちは、私たちの全能の力
ごうだつ
によって、もっともっと打たれるでしょう。特にローマの強奪者たち、その司
もと
教や、私たちの指令もないのに、私たちの名の下に行動する者たちすべて。
2 0 0 0 年というのは、私たちにとっては何でもありません。また、キリスト教
にせ
徒でない地球の過半数の人々にとっても、何でもありません。でも、多くの偽
預言者たちが、この 10 0 0 年期の変わり目を利用して、人類を間違った方向へ
導こうとするでしょう。このことは予知されており、これによって最も意識の
高い人たちが選ばれるのです。最高ガイドに従うのです。彼が道であり、真実
であり、命なのですから。
地球上では、仏教徒たちがますます成功を収めています。これは良いことで
す。というのは、真実、そして新しい時代の人類にとって必要な、新しい科学
的・精神的バランスに近づいていっているのが、この宗教だからです。仏教は、
過去からのその神秘的な重さを取り払えばラエリズムになります。もっともっ
と多くの仏教徒たちがラエリアンになるでしょう。
よろこ
わな
偉大なる帰還を見る悦びのことを考えて、あなたの道にある最後の罠を、あ
つばさ
なたの翼で飛び越えて下さい。私たちはこの日に、あなたがたにとても近いの
です。ですから、瞑想をすれば、あなたは私たちの存在を感じるに違いありま
せん……。
こくふく
この感覚が、あなたの日々や夜を照らし、あなたが克服しなければならない
311
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
問題が何であれ、あなたの人生を素晴らしいものにするのです。私たちが再会
するということの悦びは、その再会の日が起きるように活動してきた悦びに比
まっと
べれば、ずっと小さなものです。最大の悦びは、あなたの使命を全うすること
にあります。結果にではないのです。
一方、私たちの愛、私たちの光は、私たちの最愛の預言者の口を通して、あ
なたがたを導くでしょう。私たちは常にあなたがたを見ることができますが、
彼があなたがたを見るときは、彼のあなたがたに与える愛があるので、私たち
はもっとよく見ることができるのです。彼が見るものの方が、もっと美しいの
です……。
あなたがたが彼を愛すれば愛するほど、あなたがたは私たちのことを、より
愛することになります。なぜなら、彼は地球上に存在する私たちの一部なので
すから。もしあなたがたが、私たちに愛情を表現することが時に難しいと感じ
ることがあるとしたら、それは、私たちの最愛の息子が再びこの地球上を歩い
ているのだということを意識して見ていないからです。
私たちを愛して、彼を無視するということはできません。なぜなら、繰り返
しますが、息子を通さずに父のところへ行く人は誰もいないのですから。なぜ
なら、彼はあなたがたの中にいて、あなたがたが食べるときに彼は食べ、あな
たがたが眠るときに彼は眠り、あなたがたが笑うときに彼は笑い、あなたがた
が泣くときに彼は泣くのですから。
ぐう
私たちの中の最も愛する人として、彼を遇しないのであれば、私たちを愛し
ているなどとは言わないでください。
彼はあなたがたをとても愛していますので、私たちが許せないと判断するこ
たの
とを、許してあげて下さいといつも頼むのです。創造者たちの目から見ると、
彼は最良の弁護士です。そして、あなたがたの惑星では、愛と許しがますます
得がたい社会になってきていますが、このような価値観が欠けているために、
や ばん
ますます野蛮になっています。彼は、あなたがたにとって最も大切な人です。
自分は愛を十分に持ってはいない、ですって? 彼を見るのです。彼は、あ
なたがたの中に生きています!
私たちが帰還するしないに関わらず、彼の光があなたがたを導いてくれます
ように。なぜなら、いかなる場合でも、私たちはあなたがたを、私たちの永遠
の生命の人たちの中に待っていますから。
善意を持った、すべての人類に平和と愛を。
312
第三部/第4章:その後のメッセージ
国連について──ラエル、20 0 5 年 9 月
「国連は消滅し、さらに民主的な組織に取って代わられなければならない」
これは私がこの30年間、言い続けてきたことです……国連は民主的な組織で
はありません。元植民地支配国であり、現在では帝国主義の少数の超大国によ
って運営されているエリート・クラブであり、それらはすべて白人の西洋の国
から来ています。
国連が本当に民主的であるためには、各国がそれぞれに抱える人口に比例し
た投票権を与えられるべきです。つまり、インドと中国は、両方の人口を合わ
のぼ
せると 3 0 億人近くに上り、人類のほぼ 50 パーセントを占めるため、それに相
当する 5 0 パーセントの「議決権」を保持することになります。一方、米国は、
たった 3 億人の居住者を抱え、世界人口のたった 5 パーセントを占めているの
で、5 パーセントの議決権しか保持すべきではありません。また英国は、たっ
た60 0 0 万人の居住者を持ち、世界人口のほんの 1 パーセントでしかないので、
議決権は 1 パーセントしか保持すべきではありません。
ところが国連は、人類の 10パーセントに満たない豊かな西洋諸国という少数
派グループ、特にいわゆる「安全保障理事会」と呼ばれるものによって支配さ
れています……。
もし、ブッシュやブレアや、他の帝国主義を掲げる元植民地支配国の指導者
たちが、自分たちが望んでいると主張しているものを本当に望んでいるのなら、
つまり民主主義を促進したいのなら、彼らは真に民主的な国連を受け入れなけ
ればなりません。
しかし実際のところ、彼らはそれを本当には望んでおらず、彼らが本当に望
んでいるのは、このまま世界を経済・精神の両面から支配し続けることです。
私が設立した I C ACCI (キリスト教暦帝国主義に反対する国際委員会)で指摘
しているように、なぜ人類全体を代表するはずの国連が、キリスト教徒の割合
が人類の 2 5 パーセントに過ぎないにも関わらず、あらゆる公式書類にキリスト
こよみ
教暦を採用しているのでしょうか。なぜそれぞれに独自の暦を持つイスラム教
徒、シーク教徒、ユダヤ教徒、仏教徒、神道信者たちは、キリスト教暦を採用
し
している国連文書に署名することを強いられなければならないのでしょうか。
国連は、それが創設された年、もしくは平和の象徴として広島が被爆した年
313
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
いま
を元年とする、中立的な暦を採用することもできるというのに、未だにキリス
もと
ト教暦を使用しています。そして、キリストの名の下に行われた聖戦によって
ぎゃくさつ
ど れい
ぼうきょ
こうむ
祖先たちが虐殺されたり、奴隷制度に組み込まれたり、暴挙を被ったという感
いささ
せんさい
情に対して些かの繊細さも持ち合わせることなく、たまたま多数派を占めてい
る非キリスト教国にイエスが誕生したとされる日を強制的に認知させて、書類
に署名させています。
し
国連にとって選択肢は二つしかありません。完全に変わって真に民主的で非
宗教的な組織となるか、解体して真に中立的で民主的な組織に再建するか、の
どちらかです。既存のものを変えるのは、いつも非常に難しいため、恐らくは
後者が最も良い解決策になるでしょう。
国連に取って代わるであろう新しい世界機構は、恐らくもっとコストのかか
はる
らないものになり、「人民による人民のために作られた」遥かに民主的なもの
になるでしょう。それどころか、それはインターネットを拠点とする仮想世界
政府となり、そこで人々は、ネットワーク経由で直接的に、それぞれの選択を
表現することができるかもしれません。
このオンラインで結ばれた民主主義には、地球上でもっとも危険であり、も
っとも信頼の置けないお金のかかる人々、つまり政治家を用無しにするという
利点も備わることでしょう。
ウェブ政府に関する私の提案が、時代遅れの国連に取って代わるための正し
い解決策となるかもしれません。
著者あとがき
(編集部注:本書の
私がこの新しい合本である『インテリジェント・デザイン』
あらわ
た
英語版での題名)を構成する三冊の本を著してから30年余りが経ちました。この
新しい題名をつけることに決めた理由については後で述べますが、その前に、
過去30年間の間に起こった様々な出来事について振り返ってみることが重要で
す。
私たちの世界は常に、1970年代前半に最初に私に明かされた情報の方向に向
かって急速に変化し続けてきました。だからこそ、3 0 年前に初めて明かされた
驚くべき真実が、新しい科学的発展や発達によって 1 つひとつ証明されてきて
いることを示すために、これらの本はここに改変されることなく再出版される
314
第三部/第4章:その後のメッセージ
のです。
私は、この本の第一部を『真実を告げる書』という題名で 197 4 年初冬にフラ
ンス語で出版しました。1975年の、全く予期していなかった、忘れることので
きない宇宙旅行のあと、二冊目として『異星人が私を彼らの惑星へ連れて行っ
た』という本を 19 77年に出版しました。1979年に、私は『異星人を迎えよう』
あらわ
を著し出版しました。その中では、最初にエロヒムから 3 年間発表しないよう
に言われていた情報を初めて公表しました。
ほか
(19 7 8 年出版)と
私はその他に四冊の本を書きました。その内の『天才政治』
すいしょう
いう題名の本は、エロヒムが推奨する、民主主義を改良発展させた政治形態に
(19 8 0 年出版)という本は、私たちの感覚
関して述べたものです。『官能瞑想』
を十分に目覚めさせ、私たちが真の内面の調和を獲得するのを手助けするため
に、エロヒムによって作り出された非常に重要な瞑想技術に関するものです。
(2 0 0 0 年出版)は、クローニングとナノテクノロジー
『クローン人間に Ye s!』
の分野で、まもなく、私たちの生活の一部となるであろう科学の発展の概要に
ついて述べたものです。
『マイトレーヤ』は、私の最近のセミナーやスピーチか
ら、ラエリアンの指導者たちが選んだものをまとめた本です。
これらの本は現在、ボランティアのラエリアンの支持者たちによって、およ
そ30カ国語に無償で翻訳されています。合計すると、これらの私の本は、世界
中で 200 万部以上売れました。その大部分が、国際ラエリアン・ムーブメント
( I R M)の様々な国の支部の管理下で、印刷・出版・流通されています。
ここ 32年間、I R M は着実に成長してきました。現在 I R M は、世界で合計 6
万5000人以上の会員を有し、世界の主要な国々すべてを含む、約90カ国にムー
ブメントの支部が存在します。
現在フランス、カナダ、日本、韓国、そしてアフリカではムーブメントが非
常に盛んです。また現在、アメリカ合衆国、オーストラリア、イギリス、東南
アジア、ラテンアメリカおよび、ヨーロッパのほとんどの国々では、ムーブメ
ントは非常に急速に成長しています。ごく最近では、ブルガリア、モンゴル、
リトアニアでムーブメントの支部が立ち上げられました。
世界中すべての大陸で定期的に開催されるセミナーでは、これらの本で概要
がまとめられているエロヒムの教えが、私自身や、I R M の指導的立場の会員た
ちによって、あらゆる年代の何万人もの人々に伝えられてきました。現在では
合計 2 0 0人以上のガイド、つまりラエリアン司祭が世界中に存在します。
315
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
おも
ムーブメントが主に発行しているものが 2 つあり、私や他のラエリアン指導
者たちが、現在の発展状況について書いています。 1 つは、年に 2 回、雑誌の
形態で国際的に発行される『アポカリプス』
、もう 1 つは、週刊メールマガジ
ンとして〈 raelianews. org 〉でオンラインで配信される『コンタクト』です。
これらの発行物は、エロヒムの哲学と、ものの考え方を、さらに広めていくの
に役立っています。
かっ き
羊のドリーの誕生は、人類の科学史における画期的な出来事であり、これに
よりヒトのクローニングが、まもなく、ごく当たり前のことになるであろうこ
とがはっきりしてきました。エロヒムの惑星と全く同じように、地球でのクロ
ーニングは、人間が永遠の生命を得るための一つの手段となるでしょう。
19 9 7 年にクローン羊のドリーが誕生したあと、私はヒト・クローニング問題
への関心を高めるために、クローンエイドというプロジェクトを立ち上げまし
すぐ
た。その後まもなく、優れた科学者であり、ラエリアン司教であるブリジット・
おこ
ボワセリエ博士が、そのプロジェクトを引き継いで会社を興しました。私はク
いっさい
ローンエイドから完全に身を引き、一切の関わりを絶ちました。というのも、
私の当初の目的は、ただヒト・クローニングという概念を普及させることでし
たから。ですから、I R M とクローンエイドとの直接の関係は全くありません。
私はもちろん、ボワセリエ博士と彼女の会社がその仕事を続けていくことに
関して、哲学的に応援し続けますが、特に私を喜ばせたのは、2 0 0 2 年1 2月に彼
女が世界的に新聞の一面で劇的な発表をした時です。それはおそらく、3 2 年間
の活動の中で、最も大きな成功となりました。クローンエイドは、
「イブ」とい
うニックネームを与えられた女の赤ん坊を、クローニングにより世界で初めて
誕生させることに力を貸し、成功させたのです。
私がこれを書いている時点では、法律的事情のために、この成功したヒト・
クローニングについての科学的証拠の発表が遅れています。しかし、ラエリア
ン・ムーブメントの名称と、ラエリアン・ムーブメントが何に味方しているか
については、地球上の共通の認識となったことは確かです。
次に必要な段階は、年老いた個人の精神情報、記憶、個性をその人の新しい、
若い成人の身体に転送できるようにすることでしょう。記憶を若い成人の身体
に直接転送するということは、実質的に、同じ人が永遠に生きることができる、
ということを意味します。
人間の法律は、私たちの変化していく文化と、次第に発展していくテクノロ
316
第三部/第4章:その後のメッセージ
ジーの進歩に合わせて変えていく必要が出てくるでしょう。現状でそのような
問題を議論するのはまだ気が早いのですが、これらのテクノロジーから誰が恩
恵を受けることができるかを定める、基準を設けるための新しい法律が可決さ
れる必要が出てくるでしょう。つまり、エロヒムの惑星と同様に、クローンの
数は 1 人につき 1 体に制限される必要があります。さらに、それもその人の死
後に限って。
今年また、おそらく同じくらい重要な飛躍的前進がありました。ワシントン
の科学ジャーナルに実際に掲載された専門家によって検証された記事で、イン
テリジェント・デザイン論という新しい理論が学問的に認められたことが発表
されたのです。この発表は、ダーウィンの時代遅れで証明されていない進化論
に対して、第一線の学者によって初めて正式に異議が申し立てられるという特
筆すべき出来事でした。
結果として、この 1 年あまり、インテリジェント・デザイン論( I D 論)はま
すます多くの注目を集め、アメリカ、ヨーロッパ、そして世界中の学界や、一
般の人々の間で多くの論議を引き起こしました。特に、いま私がこれを書いて
いる時点でも、ダーウィンの進化論以外の選択肢の 1 つとして、インテリジェ
ント・デザイン論も学校で教えることについて、アメリカで激しい議論が行わ
れています。
ID論を学校で教えることに反対する人たちは、この動きを、神を国中の学
校に公式に再導入しようとする試みであると見ています。しかしこれは、憲法
しる
のっと
に記されている明確な政教分離の原則に則って、最高裁によって約50年前に拒
絶されています。
まさ
みの
実際に、現在アメリカの宗教的保守派は、正にこれを隠れ蓑にして、彼らの
独善的宗教観を学校に再び入り込ませようとしていることは明白です。
しかし、地球上の生命の起源について、私たちラエリアンの非常に独特でユ
し
ニークな説明は、事実上、第三の選択肢を提供しています。それは最高裁判所
によって否認されることのできないものです。なぜならそれは、学校で宗教を
広めるものではありませんから! それを最も適切に表現する言葉は、「無神論
のインテリジェント・デザイン論」かも知れませんが、それは、他の惑星から
の進歩した人類文明によって行われた、地球上での科学的生命創造を意味しま
す。
これは、私たちの起源を説明する全く新しい合理的な理論であり、科学研究
317
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
者クレイグ・ヴェンターの最近の発表によって裏付けられたように、実験室で
実際に再現可能なことです。彼は、世界初の完全に人工的な単細胞生物を作り
出すことに取り組んでいます。
何かを科学的だと言うためには、それが実験室で再現可能であることが必要
条件です。進化論はどの実験室でも一度も再現されたことはありません。だか
らこそ進化論は「理論」と呼ばれているのであり、同様のことがもちろん「神」
の理論にも当てはまります。この第三の、無神論のインテリジェント・デザイ
ゆいいつ
ン論という方法は、現在、実験室で再現可能な唯一の方法であり、実際に実現
されようとしています。
宇宙には、地球に似た惑星が何十億とあるという考えもまた、ほとんどの科
学者たちに受け入れられていますし、必ずしも私たちの惑星が宇宙で最も進歩
しているわけではないという事実も、同じく受け入れられています。ですから、
はる
遠い昔に、私たちより遥かに進んだ人間の文明が地球にやって来て生命を創造
したという、一種のパンスペルミア説のような説は、私たちの起源を説明する
最も合理的な説明となります。少なくとも、それは進化論に代わるものとして
あたい
学校で教えられるに値します。
どの学校も、政教分離を理由に無神論のインテリジェント・デザイン論を教
えないようにすることはできません。「神」を信じる人たちでさえ、私たちの
きょうりょう
説明を「トロイの木馬(※)」として利用し、一枚岩的、独断的、狭量なダーウ
ィンの進化論の代わりに学校制度に入り込んで得することになります。
ほうかい
※訳注:英語で「ひっそりと侵入して内部崩壊をもたらすもの」の意。
以上のことに加えて、エロヒムによって要求されている大使館建設の準備が、
順調に進行しているということもお伝えしておかなくてはなりません。その大
使館と住居は、通常の国際的外国公館と同様に、治外法権によって保護されて
いる必要があります。
さらに、エロヒムの細部にわたる指示に従い、ラエリアンの建築家たちが、
つど
世界の指導者たちが集うであろう、歴史上最も劇的で驚くべき会見が行われる
建物の設計図を、委託された通りすでに完成させています。この設計図に基づ
く大使館の縮小模型が作られてから間もなく、イギリスに現れたミステリー・
サークルは、それと驚くほど似ていました。
すいこう
このプロジェクト遂行の一番の障害は、金銭面の話ではないことをお伝えし
318
第三部/第4章:その後のメッセージ
なければなりません。政治的、外交的問題の方がより困難で、それらを克服す
るには忍耐と根気が必要とされるでしょう。この件については、国際ラエリア
ン・ムーブメントは1991年以来、幾度となくイスラエル政府とエルサレムのチ
ーフ・ラビに、エロヒムが最初の人間を創造したエルサレム近辺への大使館建
設に必要な治外法権を認めるよう要求してきました。
ユダヤ教の最初の神殿は、実際は以前の大使館であり、その周囲に古代の都
市が建設されました。エロヒムは現在も、イスラエル国家が新しい大使館(第
三の神殿)のためのそのような治外法権を認めるのを待っていますが、これまで
のところ、7 回の要求に対して肯定的な返答は全くなされていません。
最初の働きかけは、19 91 年 1 1月 8 日のユダヤの新年の日になされました。そ
の数カ月後に再度、正式な要求がイスラエルのチーフ・ラビになされました。そ
の要求は認められ、その申し入れに関して調査が始まりました。1 9 9 3 年の夏、
イスラエル政府のある委員会は、ラエリアン・ムーブメントの意図は平和的で、
きょう い
イスラエルの治安に何の脅威もないと結論づけました。
彼らの報告書の中で、 2 人のラビは「ラエルが本当に待ち望まれていたメシ
アである場合に備えて、ラエルに敵対するようなことは何もしない方がいいだ
ろう」と結論づけたとされています。
1 9 9 3 年 1 1月、モントリオールでのユダヤ人大会に出席するためにカナダを
来訪中のイスラエルのイツハク・ラビン首相に、私たちはさらに直接的な要求
をしました。 1 カ月後、ラビン氏は彼の事務所の代表者の 1 人を通じて、要求
に応じることはできないと返答してきました。
もしイスラエルが最終的に、すでに述べられているような治外法権の許可を
出さなければ、私たちは多分パレスチナかエジプトの領土、または他の近隣の
ふもと
国に大使館を建てることになるでしょう。実際のところ、シナイ山の麓も他の
候補地としては理想的です。なぜならそこは、エロヒムのリーダーであるヤー
ウェが、最初にモーセに姿を見せた場所ですから。
しかしながら、エロヒムはイスラエルに、この要求を受け入れるチャンスを
与えたいと思っています。なぜなら、それがイスラエルという国の本来の目的
なのですから。
19 9 7 年 1 2 月 1 3 日のエロヒム・メッセージを受け取って以来、私たちは他の
いったん
国々とも交渉を始めています。 一旦どこかの国から「O K」が出たら、もう一
度イスラエルに、最後の「最後のチャンス」である要求が行われることになる
319
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
でしょう。
すでに1990年に、イスラエルの人々への特別な感情の印として、エロヒムは
私の提案に同意し、西欧のラエリアン支部では、オリジナルの無限のシンボル
を修正して使用することになりました。その中心にあるまんじは、サンスクリ
ット語で「幸福」を意味し、時間の無限性を象徴していますが、銀河系の形を
した渦巻きに変更されました。この変更は、イスラエルでエロヒムの大使館を
建設するための交渉に役立てるため、また、第二次世界大戦中に、ナチのまん
もと
じの下で苦しみ亡くなった犠牲者たちの感情に配慮するために行われました。
ほとん
アジアでは、まんじは殆どの仏教寺院で見ることができます。それは時間の
無限性を象徴していますので、オリジナルのシンボルには問題はありません。
西欧のための I R M のシンボルの変更は、もちろん喜んで行われ、いま振り返
なが
って、1973年からの私たちの発展を眺めてみると、すべてが、計画通りに進ん
でいるのが分かります。
国際ラエリアン・ムーブメントは、いつの日か、エロヒムが定めたすべての
すで
目標を達成するでしょう、私の関与の有る無しに関わらずに。それは既に独り
立ちをしていて、私なしでも、完璧に機能していくことができますから。まだ、
やるべきことはたくさん残っています。
おおやけ
ついに、その素晴らしい日がやって来たとして、エロヒムが 公 に、正式に世
界の政府の指導者たちや国際的なテレビカメラの列、マスコミの代表者たちの
前に飛来したとしても、一部の疑い深い人たちは、本当にこの高度に進歩した
人間たちが、私たちの惑星ですべての生命を人工的に創造したのかどうかを、
疑い続けることになるだろうと私は思います。I R M の指導者たちや私自身は、
おじ け
そういうことは起こりうるだろうと予想していますが、私たちは怖気づいたり
はしません。全くその逆です。
そう遠くない将来、一部の人たちが「特異点」と呼ぶ、すべてのことが科学
しょうしんしょうめい
のおかげで理解できるようになるとき、正真正銘のエロヒムが本当にここに飛
来することになるでしょう。それは遅くとも今から30 年以内で、もしかすると、
それよりも早い時期になるかもしれません。もし私がこの本で述べた真実が、
すみ
世界により速やかに広まることになるのであれば。
ブッ ダ
エロヒムは彼らと共に、モーセ、エリヤ、仏陀、イエス・キリスト、そして
モハメッドを含む過去の偉大な預言者たちを全員、連れてやって来るでしょう。
この待ち望まれていたイベントは、人類史上、最も素晴らしい日となることで
320
第三部/第4章:その後のメッセージ
しょう。彼らが大使館に飛来する時、あなたもそこにいらっしゃることを私は
望みます。そしてこの素晴らしい冒険の中で、あなたが一つの役割を演じたの
だという事実を実感する喜びを、あなたが他の人と分かち合うことができるこ
とを望みます。
わた
大使館が建てられる場所は、その先 1000 年に亘り、世界の精神的な中心地
となるでしょう。あらゆる国々から人々が、この「聖なる」場所に巡礼にやっ
て来るでしょう。大使館の模型は本物の大使館の近くに建設され、一般に公開
されて、内部がどのようになっているのか見ることができるようになります。
しかしラエリアン・ムーブメントの使命は、私たちの創造者たちの来訪によ
って、終わりとなるのでしょうか。決してそうではありません! それどころ
か、その時が私たちの使命の本当の始まりです。原始的な宗教がすべて消え去
う
り、その空虚さを埋める新しい精神性が必要になります。それは、これから出
現するであろう、革命的な新技術と調和したものになります。
きのう
今の私たちは、昨日の宗教と思想を持ちながら、明日のテクノロジーを使っ
きょう
ている今日の人間です。エロヒムのおかげで、私たちは彼ら自身の宗教である、
無神論の宗教、すなわち彼らのシンボルに表されている無限の宗教を受け入れ
ることで、新しい精神的レベルに到達することができるようになるでしょう。
ラエリアン・ムーブメントのガイドは、この新しい宗教の司祭となり、人間が
ほしくず
無限小と無限大とに調和を感じるのを助け、私たちは永遠に星屑であり、エネ
ルギーであることを気づかせてくれるでしょう。
大使館の近くには、研究所や大学が建設されるでしょう。そこでは、エロヒ
もと
ムの指導の下、地球上の科学者たちが自らの知識を向上させることができるよ
うになるでしょう。このようにして、私たちは徐々にエロヒムの科学レベルに
近づいていきます。これによって、私たち自身が生命を創造するために、他の
惑星に出かけることができるようになるでしょう。そして、私たちが創造した
人たちにとって、今度は私たちがエロヒムになる番が来るのです。
この私たちの惑星上でも、ブリジット・ボワセリエと現実的な展望を持った
そ
他の科学者たちがすでに、「インテリジェント・デザイナー」になる道に沿って
歩き始めています。彼らは未来のために働いているのですが、それによって彼
らは、私たちの過去と起源が実際どのような性質のものであるのかを、完全に
理解することになるでしょう。
私たちと彼らの働きによって、精神性と科学は、私たちの過去に付きまとっ
321
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ていた中世の恐れからようやく解放され、手に手をとって共に平和のうちに歩
いていくことになるでしょう。これによって、私たち自身が、古代の聖典に大
昔から書かれていたように、「神々」そのものとなることが可能になります。し
かし、多分、より正確に、ユーモアをこめて表現するなら、それは「無神論の
神々」ということですね。
しかしながら、私たちの一番の任務は、エロヒムのための大使館を建設する
ことである、ということを忘れないようにしましょう。そうすることで、彼ら
つい
は遂にここにやって来て、公式に公然と、私たちの間に降り立つことができる
ようになります! そして彼らは、多くの問題を抱えながらも、とても美しい
世界になる可能性を秘めている私たちの世界に、科学と共に深遠な愛の教えを
もたらしてくれるでしょう。
ラエル
2 0 05 年秋 カナダ、ケベックにて
2009年 4 月 12日、
ラエルがユダヤの人々への最終メッセージを受け取る
ユダヤ教の過ぎ越しの祭り(※ 1 )の 4 日目である 4 月1 2日、ラエリアン・ムーブメ
ントの指導者ラエルは、地球上の全生命を創造した、地球外の科学者のリーダーであ
るヤーウェからメッセージを受け取りました。下記は、ユダヤの人々に向けたヤーウ
ェの最終メッセージの全内容です。
※編集部注 1
過ぎ越しの祭り:ユダヤ教の三大祭りの一つ。子羊の血を戸口の柱に塗ったイス
ラエル人の家を神ヤーウェが通り過ぎて、エジプト人にのみ難を与えたというエ
ジプト脱出時の故事を記念する春の祭り。過ぎ越しの祝い。
あなたがたは、ユダヤ主義者であると同時に、パレスチナ人でなければなり
ません。さもなければ、あなたがたはもはや選民ではなくなります。
私、ヤーウェは、あなたがたが待ち望んでいたメシアである私の預言者ラエ
ルの口を通じて、ユダヤ暦5769 年の過ぎ越しの祭りの、特に、地球での私たち
による生命創造をあなたがたに思い出させるブリハット・ハハマー(※ 2)が行わ
れるこの特別な日に、あなたがたにこの最終メッセージを送ります。
※編集部注 2
322
第三部/第4章:その後のメッセージ
ブリハット・ハハマー:28年ごとに行われるユダヤ教の祈祷式。神は天地創造し
た 4 日目に太陽(月と惑星も)を軌道に入れ、28 年ごとに太陽は神が天地を創造
した時の原初の位置に戻る。これを祝うイベント。
ラエルがあなたがたに送った最初のメッセージは、あなたがたがイスラエル
の土地に戻る時期が到来したことを告げるものでした。しかしこれは、あなた
うば
ぎゃくさつ
がたがパレスチナ人の土地や家を奪い、彼らを虐殺することを意味するもので
は決してありませんでした。
あなたがたは、ユダヤ主義者であると同時にパレスチナ人であるはずでした。
あなたがたはこの聖地に平和的に、非暴力的に戻り、遺伝的にあなたがたの兄
弟であるそこに住む人々によって、愛と友愛を持って迎えられるはずでした。
パレスチナからの数世紀に亘る離散の間に獲得した素晴らしい財産と、パレ
スチナの地元の人々の才能を合わせることにより、あなたがたは裕福で強力な
国家を創設し、世界中のお手本になることができたでしょう。それが、あなた
がたの神聖なる使命でした。
ところが、あなたがたはパレスチナの人々の土地、家、所有物を奪い、集団
で国外追放し、彼らが家に戻ることを禁じ、無理やり強制収容所に入れ、最近
はそこを爆撃して彼らを大量虐殺しました。それにより、選民は人道に反する
そむ
犯罪者と変わり、人類のお手本と精神的指導者となるという使命に背きました。
はびこ
ちょう
あなたがたは人種差別が蔓延る国家を作りました。何世紀にも亘ってこの懲
ばつ
がた
ひ れつ
罰に非常に苦しみ、それがどれほど耐え難く、卑劣なことだったかを誰よりも
ほうろう
知っているあなたがた。何世紀にも亘る苦しみと放浪、そしてショアー(ホロ
ぎ せい
コースト)という究極の犠牲により、世界中があなたがたに同情し、予告され
た約束の地で安心できるように手助けする用意ができていました。地球上の国
々が、世界中のお手本となったであろう多人種・多文化国家パレスチナの創設
を支援したでしょう。
ところが、あなたがたは暴力を用いて、ユダヤ人以外の人々すべての生命と
ないがし
がん
権利を 蔑 ろにする人種差別的で暴力的な国を押し付け、人類にとっての癌にな
ってしまいました。選民として、より多くの愛と、非暴力、寛容、そして意識
に向かって導きながら統治を任されていたはずの国なのに。
そむ
あなたがたは、自分たちの精神的使命に完全に背いています。その使命があ
るからこそ、イスラエルの土地に戻れたというのに。なぜなら、精神的でも宗
教的でもないユダヤ主義は、単なる人種差別主義であり、全く容認できないも
323
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
のだからです。あなたがたには、ユダヤ主義者であると同時にパレスチナ人で
あるという権利と義務しかないのです。
あなたがたが作った恐ろしい犯罪国家は、すぐに消え去る運命にあり、それ
のろ
を内外から維持しようとするユダヤ人は永遠に呪われ、ユダヤ人ではなくなる
みずか
でしょう。つまり、自ら選民ではなくなるということです。
イスラエル国家は消え去り、ユダヤ人とパレスチナ人が調和を持って暮らす
ことのできる、ひとつのパレスチナ国家に取って代わられる必要があります。
そこでは二つの民族が、国から離散したユダヤ人とパレスチナ人の帰還の権利
を互いに受け入れ、互いを全面的に許すのです。それは、すべての人類が想像
できる中で最も美しい愛と友愛の見本となるでしょう。
過去と現在まで、イスラエル内外でこのユダヤ主義的人種差別に反対し、現
ふんとう
在の人種差別国家イスラエルの創設に反対して奮闘してきたユダヤ人だけが、
あたい
そのユダヤ人である権利を保持する、つまり、選民に値する人であり続けます。
は
その他の人々を、私は私の口から吐き出します。その人たちは、他の選民以
外の人々にも及びません。彼らは、創造されたすべての生物よりも劣ります。
ふ さ わ
彼らは動物以下です。つまり、彼らはイスラエルの土地に住むに相応しくなく、
わた
よ
ぎ
彼らと彼らの子孫は 7 世代に亘って、永遠に追放の身となることを余儀なくさ
れます。
あやま
今日、このメッセージを読み、自分たちの過ちを理解し、パレスチナのユダ
ヤ主義のために、つまり、イスラエルの土地が多民族・多文化国家に戻り、イ
スラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が平等に調和の中で暮らすために奮闘
し始める人たちは、その罪を許されるでしょう。
あなたがた、ユダヤ主義の犯罪に加わらない意識を持つほど、十分に精神的
で宗教的な離散したユダヤ人よ、このイスラエルの土地が平和的に多文化のパ
レスチナ国家になったらすぐにこの土地に帰還できるよう、準備する時期が来
ていることを私はあなたがたに伝えます。
最後に、この過程を早めるために、あなたがた皆が団結して、第三の神殿で
ある私たちの大使館の建設と、私たちの愛する息子であり、私たちの最後のメ
かがや
ッセンジャーであるメシア、ラエルの、イスラエルへの輝かしい再来の準備を
する必要があります。彼は、私たちの再来と共に、地球上に数世紀にも亘る平
和をもたらすでしょう。
一刻を争います。私たちがあなたがたに警告しなかったとは言わせませんよ。
324
第三部/第4章:その後のメッセージ
いく
すいこう
私たちの預言者たちが送った、以前の私たちのメッセージの幾つかは、遂行
するために何世紀もの期間が与えられましたが、このメッセージは、あなたが
たにほんの数年、あるいは数カ月しか遂行のための期間を与えません。
がん こ
頑固さを捨て、私、ヤーウェ、あなたがたの創造者があなたがたの運命と定
めた道の上で、愛と非暴力と謙虚さを持ってもう一度本当の選民、愛と真実と
つな
非暴力の民となる時が再び来ています。この道は約束の地へ繋がる道です。約
束の地とは、実際は惑星全体のことであり、国境で区切られた一片の土地では
ありません。
アーメン
2015年 8月6日、ユダヤ人へのエロヒムからのメッセージ
私、ヤーウェは、私の息子である預言者ラエルの口を通して、このメッセー
ジをユダヤ人に告げます。
あなたがたは、あなたがたのものではない土地や家屋を盗み、特に、私の最
なんじ
も重要な命令である、
「汝、殺すなかれ」を順守せず、一度に何百万人もの人を
殺すことができ、私たちの創造物をすべて破壊できる世界戦争を引き起こす核
兵器を蓄積することによって、ユダヤ教の模範的な価値観をすべて裏切ってき
ました。
その結果として、イスラエルに与えられてきた保護は、今日を限りに完全に
取りやめになりますので、真のユダヤ人は全員、できるだけ早くパレスチナの
土地を去ることを私は求めます。
私たちがこの保護を与えたのは、古代の書物にある第三の神殿、つまり、私
たちが帰還することになったであろう大使館の建設とあわせて、ユダヤ教固有
の良識と敬意によって前途有望であるこの国が、パレスチナの人々に彼らの家
や土地に帰るのを許し、全人類のお手本として多民族かつ多文化の国となり、
三つの偉大な一神教宗教の、精神的案内役となることを期待してのことでした。
ぎゃくさ つ
のが
がん こ
こうまん
ところが、ナチスの虐殺と強制収容所から逃れてきたばかりの頑固で高慢な
けい
人々は、さらに頑固になり、私たちの最後の預言者と大使館建設の要求を、軽
べつ
蔑的な態度で扱い、パレスチナの人々の土地や家屋を盗み、強制収容所を作り、
ぎゃくさ つ
ガザという強制収容所に爆弾を落とし、さらには、パレスチナの人々を虐殺す
ることを目標に、最終的解決を計画しています。
325
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
よ
ぎ
従って、私たちの保護は今無くなり、真のユダヤ人は再び新たな離散を余儀
なくされ、地球上の他の国に住み、どの国のためにも武器は持たず、その天才
と創造性をすべての国のために役立たせることになるのです。
ゆいいつ
唯一の真のユダヤ人は、もちろん反シオニズム者です。シオニズム(※)を拒
否し、既にイスラエルを去った宗教的ユダヤ人に、私たちはお祝いを言います。
※編集部注
シオニズム:シオニズム運動は、パレスチナにユダヤ人の国家を築くことを目指
たいとう
した運動。1 9 世紀に欧州で台頭したそれを背景に、世界各地に住んでいたユダヤ
つな
人の同地への移住が進み、1 9 4 8 年のイスラエル国家の成立に繋がった。先住して
いながら土地を追われたパレスチナ住民からの抵抗が、今も続いている。
ラエリアンは今や真のユダヤ人であり、盗んだ土地ではない場所に、私たち
の帰還を歓迎する大使館を実際に建設することを望んでいる唯一のユダヤ人で
す。私たちは、すべてのユダヤ人ができるだけ早くイスラエルを離れ、ラエリ
アン主義に改宗し、パレスチナ人を支持するように求めます。パレスチナ人は、
実際はほとんどが真のユダヤ人の子孫であり、遠い昔にイスラム教に改宗した
人たちです。偽のユダヤ人がヨーロッパらからやって来て、聖書の時代からイ
スラエルに住んでいたユダヤ人の子孫たちを虐殺するのを見るのは、気分が悪
くなる犯罪です。
ラエリアン・ユダヤ教の素晴らしい価値観をもたらすために、世界中に散ら
ばって下さい。平和と寛容のユダヤ教、反人種差別主義のユダヤ教、すべての
国を一つの世界政府にまとめることを目指した世界主義のユダヤ教、即刻かつ
お
一方的に大量破壊兵器の排除を推し進める反軍事的ユダヤ教、遺伝学と宇宙探
索を促進する科学を支持するユダヤ教、そして最後に、第三の神殿である私た
ちの大使館のために働くユダヤ教。その大使館に、私たちは正式に帰還し、す
べての人々の間に永続的な平和を促進します。大使館には、偉大な預言者たち
も全員一緒に帰還し、対立する数々の宗教が作り出した神話を破壊するために
証言してくれます。
ユダヤ人よ、できるだけ早く、
「振り返ることなく」、イスラエルを去って下
さい。ソドムとゴモラで起こった様に、
「塩の柱に変えられ」たくなければ。そ
して、予言されたメシアであるラエルを支えて下さい。
地球と、善良な人すべてに平和がありますように!
326
第三部/第4章:その後のメッセージ
※編集部より:下記は上記「ユダヤ人へのエロヒムからのメッセージ」への、ラエルによる、20
15年11月10日発表の追記です。
ほうかい
イスラエル国家が崩壊する前に、すべてのシオニスト・ユダヤ人たちはイス
すす
ラエル国を立ち去るべき、とエロヒムが勧められましたが、そこでシオニスト
の親たちから生まれたイスラエル人たちには誰しも問題があります。なぜなら、
彼らはイスラエルのパスポートしか持っておらず、どこに行けばいいのか分か
らないからです。
そういうわけで、イスラエル崩壊からできるだけ多くのユダヤ人たちを救う
ために、地球上のすべての国家は、彼らの祖先たちがイスラエル以外の国で生
まれた場合は、直ちにその国に戻る権利を許可すべきです。このやり方では、
例えば、ベンヤミン・ネタニヤフ首相にはポーランドへ戻らせることになりま
す。彼の父ベンジオン・ミレイコウスキーはポーランド国籍でしたから(ベン
ヤミン・ネタニヤフの本当の名前はベンヤミン・ミレイコウスキーです)。
世界が本当に反ユダヤ主義でないのなら、世界は、これらのユダヤ人たちが、
パレスチナ人たちのものであるパレスチナを離れ、祖先の国へ戻れるようにし
なければなりません。 シオニスト国家であるイスラエルの崩壊後、その遺伝子コードが、自分たち
の先祖がイスラエルに起源していることを証明している本当のユダヤ人たちの
みが、非アパルトヘイトで多様な文化国家のパレスチナに歓迎されることにな
るでしょう。
現状のイスラエル人たちの90%にとってはこれは当てはまりません。その祖
いっさい
先たちは、パレスチナに一切起源しないことが分かっており、実際は東欧から
来てユダヤ教に改宗したに過ぎないものだからです。遺伝検査がありますから
容易に証明できます。
本当のユダヤ人たち、つまり、大昔にパレスチナに住んでいたユダヤ人たち
しるし
の子孫たち、には他の誰にもない独特の遺伝上の印があるのです。例外的には、
ユダヤ人の祖先を持っている一定数のパレスチナ人たちも含まれます。
327
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
第5章
ラエリアンの注釈と証言
科学から見たラエリズム
マルセル・テルース(ラエリアン・ガイド/化学技師)
もうまい
① 進化論の蒙昧主義と、新ダーウィン主義の神話
大部分の人たちは学校で進化論を学んできましたが、彼らは、歴史、科学、
哲学、そして宗教を学ぶときでさえ、この理論の影響を受けてきました。この
点について、ジャン・ロスタンは次のように告白しています。
し
「私たちには、生物変移説に満足するような考えが染み込んでいます……。私
たちは、それらのことをすべて学校で学んできました。生命は進化し、生物は
一つの物から他の物へ変移すると、機械的に復唱してきたものです」
あいはん
これと相反する考え方を学生たちにほとんど示さないために、何世代にも亘
な
って為されてきたこの教育は、必然的に人間の精神を左右するところまで行き
ついています。
著名な学者や教授、そして聖職者たちが進化論は真実であると主張し、無学
しろうと
の者だけが進化論を信じようとしないのだと言う時、果たして素人の何人がそ
とな
こころざ
れに反論を唱えようとするでしょうか。科学の道を 志 し、また現に科学に従事
している人においては、特にそうです。
すぐ
しかし幸いなことに、特に優れた洞察力を持っている何人かの才気ある人た
ひるがえ
たく えつ
ちが、こうした状態に反旗を 翻 しています。そのひとりの卓越した生物学者で
,
(「 L évolution 」
あるジャン・ロスタン( Jean Rostand )は、その著書『進化』
19 6 0 )の中で次のように述べています。
「進化の問題が、新ダーウィン主義者たちが望んでいるように、すぐにも解決
328
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
されるというのは本当に確かなことなのだろうか。生命界形成の要因に祭り上
けつぼう
けっかん
げられている周知の突然変異は、一般的には器官の欠乏とか欠陥(色素欠乏症・
ちゅうす い
虫垂欠乏症)
、あるいは既存器官の重複などである。いずれにせよ、突然変異が、
有機体の設計図に全く新しい個性的なものをもたらすとか、あるいは、新器官
たんちょ
の基盤もしくは新機能の端緒と考えられるような何かをもたらすといったこと
か れい
は、全くあり得ないことである。これらの遺伝上の「過誤」が、構造的な華麗
まさ
さと精密さ、および驚くべき適応性を備えたこの生命界のすべてを、正に生命
とう た
の進化に要した気の遠くなるような年月、さらに自然淘汰と相まって形成する
ことができたと考えるのは、全くできない相談である」
この10年間、突然変異のメカニズムを解明するため、数多くの実験が精力的
に繰り返され、特に「キイロショウジョウバエ」というハエが、詳細に研究さ
れました。これらの実験はとりわけ、1946年のノーベル賞を受賞した H・J・ミ
まれ
ュラーによって指導されました。彼は、「突然変異が有益であるのは非常に稀
つか
なので、これを私たちは有害なものと見なして何ら差し支えない」と述べてい
ます。
せい き
大部分の突然変異は、実験室で生起されたものであれ、生物群の内部で発生
したものであれ、遺伝病や奇形などの生育力の破損をもたらしています。生物
染色体の設計図は大変複雑なものなので、あらゆる偶然による変態は、不可避
的に混乱をもたらすことになるでしょう。
は げあたま
う もう
めんどり
実験的方法により、禿頭や全く羽毛のない雌鶏、あるいは目の色、羽、後足、
もしくはその他の器官が多少とも変形した昆虫が作り出されてきました。しか
し、そのいずれをとってみても、手を加えない自然な状況においては、突然変
異体は有益なものではありません。偶発事故は決して改良をもたらすものでは
なく、むしろ損害をもたらすことになるのです。
例えば、ストップウォッチを地面に投げつけて、その正確さを改良しようと
たた
したり、コンピュータをスパナで叩いて、その精度を増大させようとする人は
いません!
き の う
時間的な要素は、何ものをも変化させることはなく、昨日不可能だったこと
き ょ う
は、今日もやはり不可能なのです。
突然変異体は、原始的な種の中には絶えず存在しています。ショウジョウバ
エに発生した無数の突然変異体は、それらの先祖とは異なる別種のものを、何
も生み出しはしませんでした。突然変異は、ハエの大きさ、形態、色などを変
329
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
化させますが、単独もしくは一群の突然変異のいずれにも、全く新種の生物を
出現させることはなかったのです。
生細胞は、とても複雑な分子から構成されていて、その分子自体が、各種の
原子の無数の集合体です。元々は分散していたこれらの原子が、自然発生的に
集合し、結合したということがあり得るでしょうか。
答えは、やはり「ノー」です。無機物は自らを改良しようとすることはなく、
それはむしろ、反対に中和、もしくは安定の状態に向かおうとする傾向があり
ます。気の遠くなるような長い時間を持ち出してきても何の役にも立ちません。
ふ はい
ほうかい
時間はむしろ、腐敗と崩壊をもたらすのです。
その上、この傾向は、「エントロピー」の作用を定義づける熱力学の法則に
おいても述べられています。このエントロピーという言葉は、すべての組織構
造が持つ、組織化のより低い段階構造への後戻り傾向を指し示すものです。
かいにゅう
外部の力による介入なしには秩序の獲得はあり得ないのです。外部からの導
きや組織する力の介入がなければ、運動もエネルギーも持たない無機物は、永
遠に生命反応を示すことはないでしょう。つまり進化論は、エントロピーの法
む じゅん
則とは矛盾することになります。
進化の理論を構築するために、真に科学的な方法が採用されたことはありま
せんでした。要するに事実は、変移説論者の頭の中にある先入観に囚われた結
論を、支持するものではなかったのです。
こうした事実は、強力な証拠の唯一の基盤に関して判断を下し、そして自己
き べん
中心主義、詭弁、名誉や昇進の追求、あるいは先入観念には基づかない正しい
結論や推論を、引き出すことの可能性を彼らには与えたはずなのですが……。
地球上の生命は偶然や必要の産物ではなく、外部からの介入、すなわち、私
たちの創造者なるエロヒムによる介入の結果なのです。
② 人類の新たな歴史のための仮説
米国の中央情報局(CIA)はハドソン研究所に対し、世界の石炭・石油・天
然ガスなどの、資源の分布に関する調査実施を委託しました。調査主任のネブ
リング教授が得た調査結果は、彼と地質学者にとって一つの謎となりました。
というのは、大陸が現在のように離ればなれになる以前の時代、すなわち地
さんじょう き
質学上の三畳紀の終わり頃の大陸に、石油層の環状のようなものが存在してい
たからです。
330
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
大陸移動の結果、この石油層の環状は、様々な地域に分断され、現在の世界
の大部分の大油田地帯を形成するに至ったのです。すなわち北極およびアラス
カ油田、カナダのアルバータのオイルサンド、コロラド、メキシコ、ベネズエ
ラのオイルシェール、オリノコ河、ナイジェリア、南サハラ、リビア、アラビ
ア、イラン、西シベリアの石油などです。
この環状の分布は、ネブリング教授にとっては全く意外でした。
ゆ らい
しゃだん
現在、石油は、生物由来の有機物が、空気を遮断される還元的環境の下で分
たんぱく
(空気なしに生
解されて生じたものだ、と考えられています。脂肪と蛋白質は、
けん き
きる)嫌気性バクテリアによって変質します。したがって、このような説明は、
ひま
まい
好気性バクテリアがこれらの物質を分解する暇がないほどの、急激な生物の埋
ぼつ
没を想定していることになります。
もと
か
石炭の素となる物質は植物、とりわけシダ類です。森林の中では、枯れて地
面に倒れた樹木は数カ月で腐植土に変質してしまうので、石炭となる場合もや
はり、非常に急激な樹木の埋没が起こっていなければならないはずです。
ところが、炭層調査は、一つの混乱をもたらしました。というのは、調査で
きわ
明らかになった、高度が極めて高い地域(北フランス・標高 2 0 0 0 メートル地帯)
たいせき
での堆積や、広大な面積(米国アパラチア山脈・1 万 8000 平方キロメートル)に
ぼうだい
亘っての堆積があるからです。乱雑に埋没した原木の量は膨大なものであり、
現在のいかなる理論も、こうした堆積結果がどのようにして生じたかについて
は、満足な説明ができていません。
なぞ
かぎ
にぎ
しかし、私たちラエリアンは、この謎を解く鍵を握っています。
エロヒムは、彼らのすべての創造物および、地球上に建設した基地と実験場
の破壊を決定した時、それに比べれば、現代の爆弾など近所で子供たちが遊ぶ
花火にすぎないほどの、強力な破壊手段を用いたに違いありません。
せいそく
エロヒムが基地を建設して何世紀にも亘って創造した、あらゆる動物が棲息
おお
な
すべ
する森林に覆われていた原初の大陸は、この大異変の前には為す術もありませ
んでした。
大陸の表面は、爆発時の衝撃波に襲われ、森林も動物も含んだ地球の表層自
けず
体が削り落とされたのです。その際、大量の土砂の下に、無数の生命体、動物、
の
まいぼつ
そして人間までもが呑み込まれたのです。こうして、有機体は急激に埋没し、
それから、石炭や石油などへの変質が徐々に始まったのです。
こんにち
そして今日、ネブリング教授を非常に当惑させているこの膨大な環状とは、
331
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
人類が遭遇しなければならなかった最大級の爆発の時に、外側に放出された物
がいかく
ふせ
質が形成した外郭なのです。原初の大陸自体が、この激しい攻撃の前には防ぎ
ほう かい
ようもなく、衝撃波によってバラバラに崩壊してしまったのです。
この大異変の際に、大陸のプレートは急激に分離して、粘着性のあるマグマ
すべ
岩盤の上を横滑りしながら、様々な方向へ離れていきました。この移動は、最
た
初は大変な速さで起こり、年月が経つにつれて次第に速度が遅くなりました。
そして現在では、その速度は年に数センチメートルにも満たないものとなって
います。
こんにち
よ いん
今日測定される大陸の分離速度は、いわば「余韻の速度」であり、時間と共
に減少する傾向にあります。
へだ
エロヒムによる原初の大陸創造と、大洪水・大破壊とを隔てる何千年という
だな
ちん でん
い がい
かいがら
たいせき
期間に、侵食作用が起こり、海洋の底、とりわけ大陸棚に沈澱物が堆積しまし
た。これらの沈澱物には、あらゆる種類の動植物の遺骸や貝殻などが、豊富に
含まれていました。
ふち
南北アメリカのプレートは、西の方へ横滑りしながら、大陸プレートの縁に
しゅうきょく
堆積していた海洋の沈澱物を褶曲させて隆起し、アンデス山脈とロッキー山脈
を形成しました。
同じように、インド亜大陸は、アフリカから分離して北東へ横滑りし、それ
りくかい
自体とアジアの陸塊との間に、今日のヒマラヤ山脈を形成する膨大な陸塊を作
り上げました。
南極大陸は南方に流され、今日に至るまで、熱帯植物の遺骸を閉じ込める氷
おお
の厚い壁に覆われることになりました。
元々はアフリカ、インド亜大陸と一つであったオーストラリアは、東の方に
こんにち
分離しました。そしてその上には、今日のオーストラリア山脈などを形成する
沈殿物が堆積しています。
この大異変は想像を絶するものであり、これらの大変動が、気候や地質上に
とう ど
でい ど
まいぼつ
大変化をもたらし、無数の生物を凍土や砂、泥土および土の層の下に埋没させ、
全滅させたのです。
ある地域では、気温の急変が熱帯地域の動植物を凍土層の中に全滅させたの
こんにち
で、それらは今日に至るまで、凍土層の中に保存されています。そういう理由
で時々、極地やシベリアなどで、マンモスやあらゆる動物が氷漬けで発見され
たりするのです。
332
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
はこぶね
ごく少数の人間だけが大洪水の間、方舟の中に保護されました。再び地上に
戻ったとき、彼らは、この大異変により、大陸が見覚えのないほど破壊されて
いるのを発見しました。地質上の変動が大規模なものであったので、至る所で
えぐ
大地は抉られ、大陸の地盤内部の断層は火山活動を誘発しました。
ようやくのことで、見いだした大地へ移住して生き残った人間たちは、彼ら
はか
が以前広大な大陸を見ていた場所に、今や大洋を発見したことを図らずも確認
することになったのです。
彼らや彼らの子孫の心の中で、このような記憶が少しずつ変形されていき、
こうして失われた大陸に関するいくつかの伝説が生まれたのです。
今は海洋のある所にかつては一つの大陸があったという、ムー大陸やアトラ
く でん
ンティス大陸の消滅伝説は、長い時間をかけて何世代もの間で口伝されたこと
ゆ らい
による、変形された記憶に由来しています。しかし、そうした大陸は海中に沈
んでしまったのではなく、離れていっただけなのです。
ところで、生物のすべての種類がもう一度、大洪水のあとに再生されたので
き かい
はありませんでした。奇怪な生物や、または生態学的なバランスの維持に有害
と見なされたいくつかの生物は、再生されることがなかったのです。すべての
は ちゅう
大きな爬虫類、恐竜、およびその他の恐ろしいトカゲ類がその例です。このこ
いっせい
とが、ノアの大洪水以前には存在していた動物たちが突然、一斉に消滅してし
まったことを説明しています。
大洪水のあと、エロヒムは地球人たちと一緒に暮らしました。地球上の至る
こんせき
ところで見いだされる、彼らが存在したことを示す痕跡は、ノアの大洪水後の
ものです。
目を開こうではありませんか。そうすれば、私たちの身近にあるすべての事
柄から、こうしたことを学ぶことができるのですから。
私たちはアポカリプスの時代──それは私たちの創造者であるエロヒムに、
再び会うことが望める新しい時代──に生きているのです。
③ 科学の目から見たラエリアンの洗礼
現在では、物質とエネルギーの相関関係を調べるスペクトル研究により、分
子の構造と組成に関する精密な全体的知識が得られるようになっています。
私たちの感覚からすると連続している様に見える物質は、固体・液体・気体
の各状態において、不連続な構造を持っています。物質は本質的に分子から構
333
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
成されており、その分子自体も原子の集合体なのです。
お
その原子は、正の電荷を帯びた核と、その周囲を自転しながら回る電子(太
陽の周りを公転する地球のイメージ)とで構成された、小さな惑星系に例えるこ
とができます。そして、電子の運動は 4 つの数、つまり、いわゆる量子数(主
量子数・方位量子数・磁気量子数・スピン量子数)によって記述されます。波動
でん ぱ
力学は、あらゆる運動をしている粒子と、その伝播の法則がシュレディンガー
方程式の中で示されている波動とを結合させます。
原子は、非常に安定している振動数を持つ放射線を放出したり、吸収したり
しま
している可能性があるにすぎませんが、このことは、縞模様となるスペクトル
の発現によって示されます。異なる状態における原子のエネルギーと、原子が
放出または吸収している可能性のある放射線の振動数との間には、ある種の対
応が見られるのです。
したがって、各々の原子は、その原子スペクトルにより特徴づけることがで
きます。核磁気共鳴もまた、分子内部の、原子結合の特性に関する詳細なデー
タを提供することができます。
同様に、一つの分子内に存在する原子は、その 1 つひとつが、他の原子に応
じて振動している可能性があります。もし、ある分子が 2 つの原子のみを含ん
そ
でいるとすると、 2 つの原子核の重心を結ぶ直線に沿った基底振動のみが存在
します。したがって、その振動は直線的です。 2 つ以上の原子を含む分子は、
基底振動数よりも大きい振動数を示します。
じく
原子もまた、軸 の周りを回転しているようです。振動と回転のエネルギー
は、不連続的にのみ変化し得ます。
あるエネルギー準位から他のそれへの移行は、エネルギーの吸収もしくは放
出によって生じます。
物質の転移は、エネルギー交換とは不可分のものです。エネルギー交換の発
生は、測定し記録することが可能かもしれません。私たちはその時、転移に特
有な「スペクトル」、 つまり電子の振動と回転による、分子スペクトルを獲得
することができるでしょう。
私たちの身体のあらゆる細胞は振動しており、そして最初は、騒然たる不協
まさ
和音として生じる一群の振動を発生させます。正しく人体は、電波および電磁
波の発信機です。
現在の私たちの科学技術は、人体のような複雑な集合体のすべての現象を理
334
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
解するまでには至っていません。さらに、私たちの分析方法も、特定の分子か
らの 1 つの放射を識別して、それを「バックグラウンド・ノイズ」から分離で
きるほど十分には発達していません。しかし、時が立てば、いずれ……。
考えてもみてください。ヘルツが、その名のついた波を発見したのは、つい
1 9 2 0 年代のことです。そして 1 9 4 6 年以降にようやく、核磁気共鳴が知られる
ようになったにすぎません。そうすると、私たちは 5 0 年後、1 0 0 年後、1 0 0 0 年
後には……。
エロヒムは私たちより 2 万5000年も進んでいることを、忘れないようにしま
しょう。
こん にち
洗礼および私たちの細胞設計図のトランスミッションの本質が、今日におい
てようやく理解可能となりました。この「行為」は科学的に理解することが可
能です。
すべての個人は、その人に特有の染色体図、すなわち細胞設計図を持ってい
ます。この生体構造は振動していて、電磁波放射のスペクトルを持っています。
いん
さず
「印を押され」て、資格を授けられたガイドは、新しいラエリアンと人間を監
ばいかい
視している宇宙ステーションとの間を媒介することができます。
トランスミッションを行うガイドは、電気的コンタクトを良好にしてトラン
ぬ
スミッションが完璧に行われるように、手を水で濡らします。
ラエリアンの洗礼は、新しいラエリアンがメッセージを認識し、それに全面
的に従うことをエロヒムに示すものです。
それは、「承認」の行為なのです。
ある「司祭」の印象
ビクトール・ル・ジャンドル(元ローマ・カトリック司祭)
異星人(エロヒム)がクロード・ボリロン〝ラエル〟に伝えたメッセージのこ
とを私が知った時、私は観光客としてヨーロッパを旅していました。1 9 7 6 年 6
まわ
月1 0日以降、フランス、スペイン、イタリア、そしてスイスをすでに廻ってい
たのですが、私は幸運にも、第一のメッセージである『真実を告げる書』を 6 月
30日に、また数日後の 7 月 2 日には、第二のメッセージである『異星人が私を
彼らの惑星へ連れて行った』を目にすることができたのです。最初の本はジュ
ネーブで、次の本はクレルモン・フェランでのことでした。
335
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
私がこの二つのメッセージを読んで、どんな感情を抱いたのかと、あなたは
ひつぜつ
がた
い けい
尋ねるでしょう。これは、全く筆舌に尽くし難いことなのですが、感嘆と畏敬
とが入り混ざった驚きとでも言いましょうか、それはショックでもあり、歓喜
でもあったのです! それでもまだまだ言い足りないくらいです。
私は新しい視点、いや、すべてが一新されるような視点を得て、言葉では言
い表せないほどの満足感と幸福感、そして深い安らぎのうちに、歓喜の頂点に
けいべつ
達したようでした。もし、「ressentiment(※)」という言葉が、軽蔑的な色合
お
いを帯びないのであれば、私が強烈に味わったこれらの様々な感情を、説明す
るのに使っているところなのですが……。
うら
※訳注:「ressentiment」は、フランス語で「強く感じる」という意味と「恨み」
という意味がある。
わず
たず
ヨーロッパに旅立つ僅か 2 日前に、私は友人のひとりである音楽家を訪ねま
した。その時、友人は私に、版元が分からず書店でも探し出せない『真実を告
げる書』という本を入手して欲しいと頼みました(この時点では、私はまだ第二
の著書については全く知りませんでした)。彼は、「ラジオ・カナダ・インターナ
ショナル」の記者が、ヨーロッパで行ったあるインタビューの録音を私に聞か
せました。それは、1 9 7 5 〜 7 6 年の間に何度も繰り返し放送された「ラジオ・
ばくぜん
カナダ」の番組でした。その番組でのメッセージのことは、私は漠然と知って
いただけでした。私は友人を喜ばすために、その本を入手してくることを約束
しました。
その後、7 月1 0日に私が帰国して、友人の期待がまだ満たされてもいないう
ちに、何の期待もしてなかった私のほうが、逆に、すっかり満たされてしまっ
しん じゅ
たのです! それはちょうど、事前に知りもせず探しもしなかった高価な真珠
を発見した時のようでした!
私は、このメッセージの内容について話したい。もし私が何か言えるとすれ
ば、それは「賢明にも」
、このメッセージの内容を理解するために本を読み始
めたのは、私が帰国してからのことにすぎないということです。もっとも、こ
ゆだ
の読書は少しばかり、
「運を天に委ねて」というものだったのですが……。
まず、第 1 に私は、神学や教理問答の研究の際に勉強をしたことがある、聖
書文献を探し出しました。特にカバラの中味に関するものをです。もっともカ
バラについては、神学で学んだ少しばかりのヘブライ語を除いては全く知らな
かったのですが。
336
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
もろもろ
また、諸々の宗教の歴史、特にキリスト教の歴史、そして最後に、科学の領
域の文献を探し出しました。その上で、私自身としての一つの見解を持つに至
ったのです。
メッセージの中で私が最も深く感動したのはどこでしょうか。そこで私は、
れっきょ
あまり注釈を加えずに強く感じた点を列挙し、より長く触れるに値する、私の
印象の結論を簡単に述べてみます。
ヘブライ語で書かれた聖書原典の中では、文字通り「天空より飛来した人た
ち」を意味する「エロヒム」という語が使われています。しかし、この語は不
当にも、今日の聖書においては「神」という語に訳されています。したがって、
そこには超自然的で、非物質的かつ全能の神ではなく、エロヒムが存在します。
エロヒムの語は、聖書原典の中には絶えず現れています。
とりわけ、彼らは実験室で生命を創造しました。その中には、生命のない化
学物質から合成したDNA(デオキシリボ核酸)により創造された、私たち人類
も含まれているのです。
様々な時代の様々な文明に、常に異星人、すなわちエロヒムが姿を現してい
へんきょう
ます。したがって、「聖書と異星人を一緒に考えてはならない」という偏狭な
考え方に、私たちは全く反対なのです。
死後に身体からスッと抜け出ていくような、霊魂というものは存在しません。
存在するのは、実にその根源において生きている細胞設計図です。
第一のメッセージの表題でもある〝真実を告げる書〟のことは、
『エゼキエル
書』2 章 9・10節、
『ヨハネの黙示録』5 章 1 節などに示されており、中でも『ダ
しる
ニエル書』1 0 章 2 1節には、「しかし私は、まず真実の書に記されていることを、
あなたに告げよう」とあり、同じく 12 章 4 節に、「ダニエルよ、あなたは終わり
の時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと
探りを入れて調べ、そして知識が増すでしょう」と述べられている通りです。
無限の観念(無限大と無限小)──その無限に向けて私たちの心を開くこと
こそ、そこに真理があります。
偶然の連続による偶発的な進化というのは、1 つの神話です。それどころか、
進化はまず最初に、創造者たちの心の中にあるのです。
誰も、他人の所有物になることはできません。私たちは、労働関係、結婚、
その他の人間関係でどんなことが起きようと、誰の所有物でもないのです。
各人が、生きている間に追求するように求められている、人間に固有な目的
337
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ていりつ
の定立と展開、すなわち、考えて、創造して、開花することです!
真に他人を愛するために、自分自身を愛する方法。
もろもろ
人類が直面している重大な諸問題に対し、提示された諸々の解決策。とりわ
じっせん
け、人道的人類主義を実践するための選択的民主主義、すなわち天才政治。天
もと
才は人類の原動力です。天才政治に基づく世界政府の実現のためのプロセス。
肉体労働を無くすためのロボットの製造。いずれは貨幣の廃止を前提とした世
界通貨の創設。どの地域でもその母国語を残しながら、世界で単一の第 2 言語
へいえき
を創出すること。兵役を廃止し、職業軍人を平和のために奉仕させること。タ
ルソ出身のパウロが示しているように(『テサロニケ人への第 1 の手紙』5 章 2 節
以下)、人は同時に「平和」と「安全」を追求し続けることはできないのです。
科学と宗教の完全なる合流。この二つはアポカリプスの時代、つまり真実の
啓示の時代である私たちの時代に、完全に合流するのです。あらゆる宗教聖典
で、特に聖書でこの時代を予知しています。この時代とは、私たちが生きてい
そそ
る時代であり、「水が注がれる」前、すなわち私たちの創造者が、彼らの科学
的遺産を人類に引き渡すために公式にやって来る前の、最後の預言者が到来す
る時代のことです。あらゆる宗教聖典の中で、特に聖書では、終末すなわち教
会世界の終わりの時代に、約4 0 人の預言者たちが、私たちの創造者であるエロ
ヒムと共に再来することが告げられています。
読み終えて、この二つのメッセージの書を閉じたとき、キリスト教の、とり
とな
わけ隣人愛の教えについて、いつも知らぬ振りをしながら口先だけの祈りを唱
えるという偽善を、私自身は一方で強く感じたのでした。それは、金と蓄積さ
れた富の力による「教会」の、世俗的および精神的な支配であり、利益しか目
に映らない政治的諸権力に支えられて、助長されている支配でもあるのです。
ぎ まん
そしてまた、人々を眠らせているだけの欺瞞。
ちょうこう
私たちは、時代の兆候をよく見極め、それが現れたときに気づくために、イ
すす
ほど
エスが勧めたあの用心深さ(常に目を覚ましているように──)からは、程遠く
なってしまっています。しかし人々を盲目にしてきたのは、伝統崇拝と何世紀
わた
にも亘る慣習です。私は『伝道の書』7 章10節の次の言葉を思い出します。
「昔が今より良かったのはなぜか」と言うな。あなたがこれを問うのは、知
恵から出るのではない。
知性を否定することで、人は罪深いとか、不完全であるとか、そういう観念
によって誇張された罪悪感を与えられているように、私には思えるのです。性
338
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
けいべつ
的快楽や感覚的快楽さえも、軽蔑すべきものだとの観念を押しつけられ、人は
こうしたことを何も分からずに、そう信じるようになっているのです!
もろもろ
ちょうこう
私は、諸々の宗教聖典に予告されている時代の兆候と、それが実現されるの
は あく
を見る私たちの時代との関係を把握してみました。私たちの今の時代は、アポ
カリプスの時代です。すなわち、すべてのことが科学的に理解可能となる「真
実の啓示」の時代です。
は
さて、諸々の時代の兆候は、科学の発達によってその神秘のベールが剥がさ
れています。特に、聖書を研究し、そこに書かれた種々の預言と、私たちの時
代の科学上の成果とを比較対照する人は、誰でも、
「陸地の形成」と「世界の
いんぺい
あば
誕生以来、隠蔽されてきた事」を暴き出し、確かめ、理解しようとしています。
れっきょ
それらの兆候のいくつかを、実現の結果(訳注:カッコの中の文)と共に列挙し
てみましょう。
──人間は、エロヒムと等しくなるだろう(生命創造の点で)。
──耳の不自由な人が音を聞き、目の不自由な人が物を見、身体に障害のあ
る人がその手足の機能を取り戻す(電子工学による補助具)。
──人間は、その声を地球の隅々にまで送る(電気通信やラジオ放送の時代)。
──毒物により害された患者の治療(解毒剤・血清・抗毒剤)。
──手を置くことによる病気の治療(外科手術の発達)。
──幼児死亡率の低下と、寿命の延長。ダビデの民が彼らの国を取り戻す(イ
スラエルの建国)
。
しるし
──天空における無数の徴(UFOの出現)。
にせ
もうまい
おとしい
──多くの偽預言者たちが、再び人を狂信、蒙昧主義、神秘主義に 陥 れる(諸
宗派、諸宗教)
。
たとえカトリック教会が、私の国際ラエリアン・ムーブメントへの加入を理
い ぜん
由に、もはや私を「司祭」とは見なさなくなったとしても、私は依然として「司
祭」です。私はできるだけ多くの人々に、これらのメッセージを広めるという、
さず
素晴らしい使命を授けられているのです。今度は、私がラエルのように、私が
常に信じてきた人たち(エロヒム)のメッセンジャーであり、彼らが人間を創
は けん
造し、またイエスを派遣したときの彼らの活動が、何であったのかを真に理解
か
した以上は、私は「司祭」であり、且つ、そうあり続けるのです。
私は用心深い「司祭」であり続けます。つまり、自分の心を開いて、
「他の
かんげん
人の心を開く人」になり、もはや、無自覚な甘言家にはなりません。私は「司
339
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
祭」
、すなわち宇宙的な平和と愛の道に人類を導く、ガイドであり続けるのです。
そうだ、私はラエリアンなのだ!
マルセル・テルース(ラエリアン・ガイド/化学技師)
そう、私はラエリアンであり、時間と空間の無限性という宗教の信奉者です。
こん せき
そして、星々にいる私たちの父たちの痕跡を見いだし、この私たち人類の驚く
べき歴史を、人類の他の人々に気づかせようと努めている、地球上の子供です。
残念ながらラエリアンにならないにしても、人は自らの存在意義に目覚め、
いつの日かこれらのメッセージと出会い、その中に、自分自身の考えと不安の
反映を見いだすと私は考えます。
しんえん
め ま い
いつだったか、時間と空間の底知れぬ深淵を前にして目眩を感じ、私たちは、
なぞ
自らの起源に関する謎と、不確実な未来を解き明かそうと努めてきました。メ
ッセージは私にとって、こうした不安に答えてくれるものです。
確かに、科学的や技術的な教育を受けてきた人にとっては、メッセージのあ
る部分はあまり「正統的なもの」とは思えず、また伝統的な教育とは、ほとん
ど適合していないように受け取られるかもしれません。しかし、モンテーニュ
い
の教えを活かして欲しいのです。彼は述べています。「単なる権威や名声に盲
従することなく、あらゆることを理性のふるいにかけよ」と。
もし私たちが、メッセージのすべての要素を批判的なふるいにかけて検討し
きわ
てみるならば、それらは、極めてハッキリとした痕跡に関わっているというこ
ただ
とが直ちに分かるでしょう。
私は絶えず、古代から伝承されている多少とも神秘的な物語のすべてには、
きんかい
ある種の関連性があって、ガラクタの山のようなこれらの物語の中にも、金塊
が埋もれていると予感していました。
私は迷宮から脱出する手がかりの探索に着手し、そして、エロヒムとの接触
は絶えず存在していたという確証を得ました。古代文明の神話や遺跡の中に、
れっきょ
その痕跡は見いだされます。それらを以下に列挙してみましょう。
*ギリシャ神話……これは、太初の時代のあらゆる一連の神々、半神、巨人
について語っている。
*マハーバーラタ……ヴェーダとラーマーヤナの二つの部分から成る、イン
ドの神話的叙事詩。
340
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
*ギルガメシュ……シュメール・バビロニアの叙事詩。
*日本の古事記……これは、世の初めに起きたことを述べたもの。
*ラテン・アメリカのポポルヴーとアカコル年代記。
*そして、より私たちに身近なものとして、エノク書、カバラ、聖書。
きわ
*ナスカ平原(地上絵)、バールベック、極めて確かなものとしてティワナコ、
イースター島。さらに、世界中の他の多くの場所における物的痕跡の発見。
かぎ
私たちの起源に関する歴史を再構築するために、そのパズルを解く鍵のすべ
てを、私たちは手中にしています。
メッセージを読んでみて、確かに私は、メッセージに述べられている特定の
む じゅん
事実と、一般的に受け入れられている知識との間の見かけ上の矛盾について、
自問するようになりました。しかし、私たちが科学的知識と見なしているもの
は、実際には不確実で、疑わしい仮説の上に成り立っているということは明ら
こくふく
がた
かです。そして私は、現在の科学的教育について、克服し難い矛盾を感じてい
ます。
とら
きんみつ
私としては、宇宙で捉えられる自然現象のすべては緊密な関係を保っており、
すべては、多少とも複雑な法則にそれぞれ相互に支配されていると、常に考え
ています。
ますます抽象的になっている数学的な手段の発展は、物理学を驚くほど論理
かえ
的な方向へ導いてきたのですが、具体的な実在からは却って遠ざけています。
このようにしてアインシュタインは、光速が宇宙における最高の速度である
ということを、公理として設定しました。しかし彼は、恒星や惑星を除いた宇
宙のあらゆる地点で、空間はそれ自体が一様に真空で均一であるということを、
原理として仮定するという致命的な誤りを犯しています。
おお
私たちの惑星を覆っている雲の向こうでは、ガス状の分子の密度は高度と共
に次第に減少し、やがて私たちが真空と呼んでいる状態に至ります。
ところが、星間の「真空」には、ガンマ線・エックス線・赤外線・電波など
の、あらゆる種類の波が満ちているのです。そしてすべての波動は、波を伝え
る媒体の存在を前提としています。星間空間は、見かけ上信じられているよう
な真空ではなく、波を伝えることのできる物質、つまり私たちが知っている原
子の大きさと比較して、極微の粒子から成る微粒子媒体で満ちているのです。
ほうがん
波動は運動を包含し、運動はエネルギーを包含しています。質量とエネルギ
そ てい
ーの等価性を根本的真理として措定する時代に、星間および星雲間の空間にお
341
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
いて、ある質量の存在を否定することは非論理的です。
こうばい
空間は不均一で、この空間の場所的特性は、当該地点のエネルギー勾配に依
存しています。地球および太陽系は、微粒子から成る拡散したエネルギー媒体
ただなか
の只中に浮かんでいるのです。そして、この微粒子の圧力が、私たちが引力と
呼ぶ力の元となっているのです。
重力空間は、大気圏のようなガス体に類似しています。
でん ぱ
波の伝播速度は、相対性理論の言うような定数ではなく、エネルギーの局部
密度に依存するものなので、宇宙間のあらゆる距離は計算し直す必要がありま
す。
従来の方法で計算された光年による距離のすべては、過大に計算されていま
す。私たちを取り巻いている星々は、私たちが考えているよりもずっと近くに
あるのです。
さらに、空間の次元を、時間の次元に従属させようとする諸理論の展開は、
いっ
常軌を逸しているとしか言いようがありません。
そ がい
物理学のあらゆる定式化を阻害している時間係数は、一つの任意の要素なの
です。
「時間は、それ自体として独自に存在しているのではありません。私たちが抱
いている時間の観念は主観的なものであり、私たち自身の生物学的、精神的構
は せい
成から派生したものです。ところが、私たちはそれを外部世界に投影し、宇宙
こう
がた
の絶対時間という、抗し難い幻想をそこに描いているのです」
「科学的な時間概念は定式化されたものであり、任意の観点のもとに種々の形
そ てい
態に構成可能な、物理的尺度の上に措定されるものです」
ゆが
私たちの宇宙観は根本的に歪められており、哲学的な諸概念についても同様
です。
私は、自分の周囲の至るところで、メッセージを確証するものを見いだして
います。エロヒムの地球への到来、そして実験室での生命の科学的創造という、
この驚くべき歴史を理解するためには、ちょっと目を開くだけで十分なのです。
そして、私たち自身もまた、それと同様のことを繰り返そうとしているのです。
確かに私が化学者であるということが、生命の諸メカニズムに関与している
生化学的な組織構造と、化学的な諸要素との諸関係に親しみやすさを覚えてい
けいもう
るのは事実です。しかしそうでなくとも、探求心の強い人なら、科学的な啓蒙
かい ま
雑誌にざっと目を通すだけで、生化学と医学研究が目指している目標を垣間見
342
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
ることができるはずです。
ヌクレオチドの結合による遺伝子の合成に目を留めて欲しいです。つまり、
バクテリアの染色体内部に、DNAの分子セグメントが移植されたのです。要
するに、生命の遺伝物質の他の生物への移植は、私たち人間以外の生物では身
近なものとなっているのです。このことは、最近のノーベル賞受賞者たちの業
いちもくりょうぜん
績を調べてみれば、一目瞭然です。
分子構造と、それが支配しているメカニズムの知識が、生物組織の再生や器
官の取り替え、動物の新しい種の創造、そしていつかは、私たちに似せたヒュ
わ
ーマノイドの合成などへの突破口を開きます。このようにして、環は描き続け
られていくでしょう。
RNA(リボ核酸)分子内における、情報コード化のメカニズム研究によって、
私たちの脳に含まれている記憶物質を解明し、さらにはそれを利用できる日が
やって来るでしょう。その時には、ある個人から別の人へ、記憶物質を移植す
ることも可能となるでしょう。
現在、生物学的革命が進行中であり、その様々な成果により、私たちの社会
の社会的・政治的分野などの基礎構造に変革が生じつつある、ということに気
づいて欲しいです。
目を覚ましましょう。これはサイエンス・フィクションではないのです。
え たい
ラエリアンであることは、何やら得体の知れない世界の中で、自分たちだけ
すぐ
しょうちゅう
かなめ
が優れた者だと思い込み、自分たちこそ真理を掌中にした「要」の役を務める
集団である、という考えに引きこもってしまうことでは決してありません。そ
れどころか、私にとってラエリアン・ムーブメントとは、そうしたセクトとは
正反対のものです。
私たちの運動は大志を抱いてはいますが、しかしこの運動は、人類は攻撃性、
うぬ ぼ
思い上がり、自惚れ、そして利己主義によって天罰を受けるということをわき
まえた、謙虚な態度で進められるのです。
私は、ラエリアン・ムーブメントによって展開されている生活の哲学は素晴
らしいと思います。なぜなら、その哲学は、個々人の全面的な開花を追求して
いるものだからです。それは私たちに、自分自身の内部にあるものに耳を傾け、
自分の最良のものを見つけ出すことを教えています。
ゆいいつ
生命は宇宙の至るところに存在しますが、私たちの個々の生命は唯一のもの
じょう ず
です。だからこそ、それを上手に生かすことが大切です。「自分が望むように生
343
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
きてこなかったとしたら、それは、人生の敗残者である」(エミネスク)
メッセージを真に自分自身のものにすること、そして、他者および自分自身
をより深く理解することに、私はひとつの開花を見いだします。そしてそのこ
とが、私たちの連帯感を一層深く自覚させてくれるでしょう。
ラエリアン・ムーブメントの哲学は、生命とその創造者たちへの愛の哲学で
あり、寛容と平和の哲学です。そしてこの哲学は、官能を罪悪視せず、セック
スに関するあらゆるタブーと禁止から自由です。
私にとってラエリアン・ムーブメントへの加入は、私がいつも大きな不信感
おど
を抱いているところの招集ではなくて、私に喜びをもたらす、自発的で心踊ら
せる行為です。そこから得られる個人的な開花と、自分の周りにメッセージを
広める喜びとで、私の心は充実しています。
な
メッセージよりもメッセンジャーを重んじるという、キリストに対して為さ
あやま
れた過ちを、私たちは再び犯してはなりません。大事なのは、異星人たちは私
こんにち
たちの歴史において絶えず、ある役割を演じてきており、今日彼らとの接触を
再開できるかどうかは、私たち次第なのだということに気づくことです。
私たち人類の歴史を振り返ってみると、その発展の各段階においては、私た
ちの科学的、社会的、哲学的、宗教的諸概念の根本的かつ、時には痛ましいま
での問い直しが必要とされてきました。しかし、それは残念ながら、
「科学の新
ふ
しい真理は、反対者たちを説き伏せることで自らの価値を認めさせるようなこ
ぜん じ
とはしない。その勝利は、反対者たちの漸次的消滅と、この真理に絶えず慣れ
(M・プランク)
親しんだ新しい世代登場の結果なのである」
私は次のように考えています。人々に、自分自身の足で歩き、信仰や宗教と
づえ
いった「松葉杖」を捨てることを、私たちは教えなければならないと。
もうまい
私たちはまた、意識のレベルを高めることによって蒙昧主義を無くさせよう
いっ
と努めています。というのも様々な宗教は何世紀にも亘り、まるで常軌を逸し
すいくん
た秘儀や垂訓を「信じる」ことをその信者に要求し、時には強制すらしてきま
したが、現在私たちは、私たちの歴史を理解できます。私たちの未来に備える
ために、私たちの目と心を開くのは私たち次第なのです。
たんちょ
こんにち
現在の中に未来の端緒が含まれています。人類は今日、誕生の、そして恐ら
ま ぎわ
くは、死の間際にいるのです。「アポカリプス」という言葉を理解しない人が
正しいということもあり得るのです。
私たちラエリアンは、人類の覚醒と、宇宙意識の育成に参加しているのです。
344
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
すうこう
人類の創造者エロヒムを迎えるための準備という、この崇高な活動の中にこ
そ、私の運動への参加の意義があるのです。
我が聖職の再確認
イバン・ジルー(元ローマ・カトリック司祭、元教理問答師)
私はこの 12 年来、無限から構成されたものと、無限を構成するものという、
私にとっては 2 つの類義語のような、人間と神に関する、すべてのものに強い
関心を抱いてきたのですが、そのことについて話をしてみます。
私はかなり以前から、「神」及び、神と自分との関係について興味を持って
ひ
のが
いました。観照や神秘学に早くから惹かれていたので、私はこの世から逃れ、
天上に達することを望んでいました。
当時私は、読み、尋ね、探求し、瞑想しました。そして、それらを深く追求
するために何年にも亘り、最終的には「宗教学」に到達するために、人類学、
哲学、そして神学の諸研究に着手していました。というのも、私は人間とその
知性を信頼していたからです(もちろん今でも信頼しています)。
そういうわけで、私の全力をそうした研究に傾けていたので、私は自分の生
ささ
命のすべてを、神に捧げることのできるような宗派を探していました。その神
とは、私が絶えず問い尋ね、探し求め、瞑想や観照の中で具現化し、まるで旧
知の間柄のごとく、親しく語り合うような神です。しかしそうかといって、狂
人扱いされるのはかなわないので、そのことは一切、秘密にしていたのです。
けん
私はある修道院に入り、そこで約 6 年間、学生兼司祭(神学生)として奉仕
しました。この修道院で、私は発見と成長の素晴らしい日々を過ごしましたが、
せん ぱく
しんえん
次第にそれは、何か浅薄なものに思えてきました。というのも、もっと深淵な
ものを求める私の熱情に、それは少しも答えてくれなかったからです。
私はお祈りが好きでした。もちろん今でも、お祈りは好きです。ただし、そ
みなもと
の祈りというのは、無限の 源 、私の創造者たちとの接触を意味するものです
が。
当時の私は、まだ少し神秘的な考えを持っていましたが、すでにイエスの御
父を、イエスや私たちに類似した肉体を持つものと考えていました。そしてイ
エスが「天にまします我が父よ」と真実を語っているのが分かった時から、私
は祈りながらそこに、少し分かりかけてきたこの創造者を、本当はすでに見て
345
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
いたのです。私は疑問を突きつめようとして、聖書の注釈書の中で、イエスは
つか
決して神ではないということを掴んだのです。
それで私は、
「神の死の神学者」とか「神の死の神学」とか呼ばれている学派
に、とても興味を抱きました。私は事実上、無神論者ではありましたが、それ
を認めるのは恐怖でした。しかし、この神学上の学派にも、やはり私は違った
ぎ まん
形の欺瞞を見つけたのでした。
か
そういうわけで、私は現実から遊離してしまい、且つ、また間違っている教
さん かく
会の中では、人間とその信仰心、人間とその宗教的・社会的参画に関する多く
の疑問に対して、満足のいく回答を見いだすことができなかったのです。
しかしながら、私は、人々がキリストのものであると言っているこの「教会」
きわ
で働き、教会が行っている無数の活動に従事し、より深く究めるために宗教科
学(宗教学)を専攻したのでした。
ただ
その研究は、私の境遇に内側から働きかけてきて、それを問い質し、揺り動
かしました。私はやはり、自分の真価が全く認められていないと感じました。
むな
さらに 3 年間続けてきたこの研究も、結局は私に空しさと悲しみをもたらした
だけでした。というのも、私にはもはや、多くの神秘主義や盲信には耐えられ
なかったからです。
私は研究するのが好きでしたが、それによって首尾よく、確固とした真理を
は あく
把握したとは全く思いませんでした。司教その他の聖職者たちの一定の階級構
もうまい
造を正当化するために、神秘的で、蒙昧で、明らかに間違っているこうした長
々しい理論体系を、私は不適当で「現実から遊離している」と感じ、ますます
それを拒否するようになりました。当時、人々は、信仰と宗教の中にある月並
みな観念に甘んじていた人たちに対し、私があまりにも批判的すぎると非難し
たものです。
つか
私は、自分で真実を掴むのに 1 年を要しました。私はその間も絶えず教えて
はいましたが、もはやいかなる活動にも従事しませんでした。私は、イエスに
問いかけ、祈り、真実の光の到来を予感しました。
もよお
19 7 6 年 11月 9 日、私は、モントリオールのプラトー講堂で催されたクロード・
ボリロン〝ラエル〟の講演会に出席しました。その晩、私は、自分の長年の研
究が決して無駄ではなかったということを実感しました。私は多くのことを理
解しましたが、中でも、次のことが特にハッキリと自覚できました。
つまるところ、実際に私は、今まで絶えず「無神論的」であり、同時に宗教
346
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
かんげん
的でもあったということです。換言するなら、物質に気を留めると同時に、人
間をこよなく愛していたのです。そして、それはエロヒムという、私たちの創
造者たちである異星人グループとの対話、すなわち祈り(これを私は日ごとに非
な
神秘化していました)による継続的な接触を通して為されていたのでした。以上
ひらめ
のことが、
「閃光」のごとく頭の中で閃いたのです。私は喜びでいっぱいになり、
ラエルのことを、「当時のイエスが話をしている」ように思えたほどでした。
こうして、私自身の中で何かが動き出し、私は、ラエルが天啓を与え、私の
けいもう
目を覚まし、啓蒙し、共感を覚えさせたことを確信したのです。およそ90分の
つな
間に、すべてが私に繋がり、すべてが始まり、すべてが結合し、すべてが再調
和し、そしてそれは、いまだに消えることがありません。私はうっとりとして、
幸福感に酔いしれていました。幸福が私にやって来たのです。
つか
きわ
結局、私が長年、苦労して掴んできたことを、私は彼の口から、極めて単純
明快に聞いたのでした。それは私にとって、突然の封鎖解除に似たものであり
ました。
私はその時、友人たちと一緒でした。しかしその講演は、彼らには何事も生
じさせなかったことが後になって分かりました。その晩の私がメッセージによ
ってどれだけ影響を受けたかは、一緒に行った彼らもその後で強く感じたはず
です。しかし彼らは、それを認めようとはしませんでした。私は沈黙しました
が、胸のうちでは歓喜に輝いていました。
私は、彼らが混乱した神秘的な理論で、私が 10年来絶えずそうであったよう
に、この真実を否定して取り除こうとしているのを聞きました。しかし、この
真実はいまだに私の耳の中に残っています。それほど簡潔で、開放的で、「救
ふくいん
世的」であり、この上なく充実した「福音」であると思われました。しかし彼
らは、かつて人々がイエスとそのメッセージを拒絶したのと同じように、ラエ
ルとエロヒムからのメッセージを拒絶したのでした。
さんかく
ラエルとの数 1 0 分間は、12年以上に亘る調査研究、分析、参画、苦悩、そし
けんしん
そうかつ
て献身の総括の始まりでした。
そういうわけで、この全く新しい開放的なメッセージの普及に、私は全力を
こうけん
あげて貢献しようと思いました。それはしかし、そのことに触発された私の知
性、理解力、調和と安定のすべてによって行われるものです。確かにこの仕事
は、家族、妻、友人たち、職業上の境遇、教会、友人の司祭たちのことを考え
なまやさ
れば、生易しいことではありません。
347
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
しかし私は、多くの目覚めた友人たち、講習会、そして身体と精神の覚醒に
より助けられてきたのです。
私は、この「新しい」ばかりでなく「不思議な」、若々しい無神論の宗教とい
う、素晴らしいムーブメントの中で、ガイドや賢者として従事することができ
すぐ
るよう、そして直にもそうしてやって行けるように、この数年間は直接的な準
たずさ
備に携わっています。
みぞ
私としては、それまでの私との間に深い溝があるとは思いません。というの
も、私は子供の頃からやり始めたこと、つまり光の中を歩むために、『創世記』
の中の世界の始まりや、その起源を理解しようと努めたことを今も続けている
は
からです。およそ 2000年に亘る神秘のベールを、絶えず剥がしていくことで現
在を構築しているのです。
これは、現在を心の中に意識して生活するために、また未来のために、私た
ゆだ
ちの創造者エロヒムからラエルに委ねられた二つのメッセージの神学的、哲学
的、宗教的の無数の側面を深く追求することで実現されるのです。
しんそこ
メッセージは、あの晩の私を心底から揺り動かしました。それほどまでに私
せっぱく
は、それらのことを数年来、知らず知らずのうちに、自分にとって「切迫した
もの」として感じていたのです。私はそれを、研究中における私の過去と、発
見の中における現在の私との「一致」として感じ取ったのです。それ以降これ
らのメッセージは、私の生命や教育、および職業上の仕事、そして家族的、社
きた
会的、政治的生活の細部に至るまで、私を鍛え上げ、力づけてきました。
メッセージは、私の基盤を足元からひっくり返してしまいましたが、私は長
い間のうちに、それに対する準備はほとんどできていました。私は長い間、待
ち続けていました。私はエロヒムのこの預言者について教えてもいたのですが、
いっきょ
私はよく理解してはいませんでした。でもそれが一挙に、ハッキリと分かるこ
とになったのです。メッセージは私を目覚めさせ、正面から私にぶつかってき
ました。聖書と、イエスやヤーウェが、いっぺんに理解できたのです。
ふる
この衝撃と喜びに私は震えていました。それはまるで、うだるような暑さの
さ なか
最中に、冷たいシャワーを頭から浴びたようなものでした。
いっ き
講演会から数日後には一気にメッセージを読み上げ、週末に再び読み返した
あとに、初めて私はクロード・ラエルと顔を合わせたわけですが、彼はその時、
私に次のように言いました。
かぎ
「あなたは、あなたが抱えている様々な問題を解く鍵が、あなた自身の中にあ
348
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
ることを知って下さい。したがって、あなたがそれらを解決してしまえば、 8
う
ま
割以上は上手くいくでしょう。現在、あなたの家庭における様々な問題が、あ
ま
ひ
なたを苦しめ、足を引っぱり、心を麻痺させているのです」
私は今になって、ラエルの言わんとしたことが分かってきました。この覚醒
たずさ
と良心の道に積極的に携わっている私は、本当に幸せです。
それ以降、私は数回、これらのメッセージを読んでみました。それによって、
私がガイドであることは、絶えず探し求めてきた本当の意味での、自分にとっ
けんしん
むな
ての聖職の「再確認」であり、「堅信」となったのです。私は空しく待ち続け
てきたわけではなかったのです。しかし、私がアポカリプス時代の最後の預言
者に従っていこうとする以上は、私はこれから、神学上の用語で「時の教会」
い
と云われる元来の教会、真実の教会を続けていこう。
これらのメッセージが実際、宗教の中の宗教、無限を説く宗教、人間の知性
と物質の永遠性を語る宗教であることを物語っている以上、私たちの創造者エ
ささ
ロヒムのメッセージ普及を通して、私の命と努力と時間を捧げてきたこの集団
のために、私は一層、働いていこうと思ったのです。
それこそが私のすべてです。ですから、私はとても幸せであり、それをこよ
なく愛しているのです。
はか
それ以来、「図らずも」私は、専門家としての宗教教育からは降ろされてし
おも
まいました。現在私は、学校で主な担当教課として数学とフランス語を、副担
当では宗教と倫理学を教えています。
その職業的な立場上、公然とメッセージを語ることはありませんが、人々は
私自身の中にメッセージを見いだしています。そして彼らは、私に敬意を表し
てくれています。同僚たちが、私にメッセージのことを話題にする日が次第に
近づいています。私にはそれが分かり、またそうなることを確信しています。
私は行く先々で、自分の言葉と態度によってメッセージを広めています。
私はローマカトリック教会を「脱退」しましたが、そこに中断はなく、「真
実」との純粋な接触が継続していたことを確信しています。そのことが私を若
返らせ、満足させているのです。
私は、この少しも神秘的なところのない真実、愛と友愛と平和と安らぎのメ
ささ
ッセージを、すべての人々に知ってもらうことに私の全存在を捧げます。そし
て絶えず深く追求し、私たちの創造者エロヒムが私たちに与えてくれた知性の
目、つまり創造された知恵と無限の目で理解する者にとっては、メッセージは
349
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
ユニークで、驚異的で、革命的なものなのです。
放射能で死なないために積極的に生きる
ミッシェル・ブルエ(前アメリカ合衆国ラエリアン・ガイド)
ここで私は、この運動への加入までの様々な経過を静かに振り返ったあと、
私にラエリアン・ムーブメントのガイドになろうと決心させた、根本的な理由
について述べてみたいと思います。
たく
エロヒムからクロード・ボリロン〝ラエル〟に託されたメッセージには、個
人から社会、政治、科学、哲学、そして宗教に至るまで、あらゆるレベルに関
そうかつ
しての、独自の総括的な考察が含まれています。これにより、明日の社会を築
くためのトータルな活動が可能となるのです。
さて、私は一体、どうしてラエリアンになったのでしょうか。
この12年の間にいくつかの分野で資料を集め、すでに起こったこと、および
現に起こっていることなどを通してみて、人類の発展に関して深く考えるよう
になりました。そこで私は、何度も理想世界を描きながら、あらゆる事柄を熟
考してみたのです。何を私は確認し、何が私の希望なのでしょうか。以下、そ
れについて述べることにしましょう。
生命の起源
神による創造という考えには、私は満足することができませんでした。にも
関わらず、私はそれらの中に、ある共通の事柄を確認しました。それは、世界
中のあらゆる宗教や神話が天からやって来た神、もしくは神々による人間の創
造を、異口同音に語っていることです! そこから私は、人類が地球外からや
めいりょう
って来た可能性を意味する、明瞭で具体的な最高の真実を推論したのです。
人間は無機物から有機物に至る一連の突然変異の結果である、と説明する進
ひ やく
化論は、それから有効な理論を作り上げるには、私にはあまりにも論理の飛躍
があるように思われました。その上、進化論は現に、優秀な専門家たちにより
再び疑問の目を向けられているのです。
人 間
ずっと以前から、人間は他者との様々な関係の中において、寛容、尊敬、愛
350
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
けつじょ
情、友愛などが欠如していると私は思っていました。ですから、私は人間関係
まさ
において、こうした欠点が勝らないことを願っていました。
社 会
あらゆる時代を通して、様々なタイプの政府が、人類の根本的な諸問題の解
決に相次いで失敗してきました。こうしたことが、社会の現状変革のために、
私たちの中で最も適切な人たちを配置することを許容するシステムを、私に考
えさせたのです。もちろんこうした人たちとは、祖国、労働、および家族の名
れいぞく
において、人間の人間への隷属状態、すなわち破壊手段の絶えざるエスカレー
やと
トの中での、おびただしい戦争を許容してきた産軍政複合体に、金で雇われる
ような人々を指しているのではありません。
私は、人類は、人間の未来そのものを左右するような、人類発展における決
定的な段階に到達したと感じたのです。
宗 教
あらゆる宗教の根底には、一つの承認しうる根本的な真実が存在していたの
もうまい
れいぞく
ですが、これらの原始的で蒙昧な宗教システムは、ある絶対者に人間を隷属さ
せるために、この真実を利用してきたのだと私は感じました。また私は、預言
よ
そ
者という仲介者を通して人間に明かされたこの真実が、どこか他所からもたら
されたもの、つまり、素晴らしい英知を持つ存在からもたらされたものだと信
じていました。
おとし
私は、肉体的な特性を理由にして人間を罪人に貶める観念や、死後も別の次
こうじつ
元においてさらに生き続けるという口実の下に、生きている人間の価値を軽ん
ずるあらゆる考えに反対でした。人間は、その人間的な特性と完全に調和した
意識の高いレベルに達することができる、と私は確信していたのです。
科 学
人間がそこで生きている環境と、人間自身に関する体系的な研究にまで育成
してきたこの探究心によって、人間は徐々に未解明の領域を減少させていくこ
とができました。
私たちの文明が直面している諸問題を解決するために科学を利用することは、
もし私たちがそれを賢明に利用するのであれば可能である、と私は了解してい
351
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
き
が
ます。科学が自然と調和するならば、環境汚染、人口過剰、飢餓、エネルギー
などのあらゆる問題が解決されるでしょう。そしてそれこそが、ぜひとも緊急
に達成されなければならない理想でもあるのです。
ざんてい
同様に私は、私たちの知識が暫定的なものであり、あらゆる理論もまた、今
のところ否定できない事実の暫定的な解釈にすぎないものである、ということ
に気づいたのです。
未 知
地球上の未解明のことや、私たちの歴史上で知的異星人の介入を推測させる
事柄の、あらゆるものに私は精通していました。また私は、私たちが通常使用
している能力の、それ以外の頭脳能力に恵まれた人間の存在に気づいていまし
いっさい
た。これらの一切は、私にとっては不思議でも何でもなく、いつの日か解明さ
れるであろう自然の事柄であったのです。
私は、こうした事柄の実態に気づいていたので、より調和に満ちて、非暴力
的で親愛な基準に従って人類が発展し、よりよい世界に到達するという私の希
望は、いかなる宗教的、政治的もしくは社会的な組織によっても、具体的とは
さいな
ならないものでした。ですから、私は無力感と孤独感に苛まれていました。
そんな日々を過ごしていた1977年、私は、異星人が 19 7 3 年 1 2 月にクロード
たく
・ボリロン〝ラエル〟に託した、あのメッセージに出会ったのでした。それは
あと
『真実を告げる書』であり、更には、19 75 年の第二のコンタクトの後に書かれ
た二冊目の著書、『異星人が私を彼らの惑星へ連れて行った』に書かれている
メッセージです。
私はこの二冊の本を読み終えた時、喜びで胸がいっぱいになりました。なぜ
ならこれらの本の中には、この地球上に欠如している調和、平和、そして友愛
に達したいという私の願望のすべてが含まれていたからです。その上、地球上
の人間の起源、及びあらゆる宗教の起源に関する真実の啓示まで含まれていま
した。私は、喜びの絶頂に達していました。
このメッセージは、他の惑星に存在しているとはいえ、私たちの発展と同様
へ
の発展を経た私たちと同じ人間たちから、もたらされたものです。ただし彼ら
こくふく
は、私たちが長い間繰り返してきた、この進歩と破壊の克服に成功しています。
もろもろ
今、彼らは私たちに、その克服のために用いた諸々の手段を与えようとしてい
るのです。ただ、彼らは私たちを選択能力を備えた個人とみなし、行動するか
352
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
否かは私たちの自由に任せています。
人間が理想世界の中で、自らを開花しうる黄金時代に到達するというこの希
望を、私は他の人たちと共に分かち合いたいと願ってきました。そしてそれこ
ほっ
そ、私がなぜガイドにならんと欲したかの理由です。私はもはや、破滅に至る
かもしれない人類の発展の消極的な証人ではなく、いつか私たちが放射能で死
ぬことがないように積極的に活動する人間、すなわちガイドになろうと決心し
たのでした。
マルクス主義からラエリアン運動へ
ジャン・ベルナール・ヌジョガ・アヴィロンジョゴ(政治学士、元マルキスト)
経済発展、階級および階級闘争といった用語での議論に慣れ親しんできた者
あん ど
にとっては、「伝統」の背後には何か幻想的で不可思議な、心を安堵させるもの
があるということを了解し承認することは、容易なことではなかったのです!
ところがエロヒムのメッセージを読んでみると、聖書文献の明らかに馬鹿げ
すうこう
たあの雰囲気が、急に崇高で、現実的で、無限の射程距離を持つように私には
思えてきたのです。
人間は偶然の産物ではなく、ある人たちの科学と英知による創造の結果であ
つく
なん
り、その人たちは「自分たちの姿に似せて」人間を創ったのです! それは、何
そうごん
と荘厳な真実であることでしょう!
いつかは地球上の人間たちも、その創造者である異星人たちと同等になる日
が来ると言っているではありませんか!
予告された時は、もうそこまで来ています。
つか
エロヒムから人間に遣わされた光であるラエルは、その使命を開始しました。
彼の手助けをしたいと思っている私たちガイドとしては、天空の我らが父たち
のメッセージの、より一層の普及の手助けをするのみです! 時が来て、地球が、無限の宇宙に存在している銀河間諸文明の仲間入りがで
きますように……。
353
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
生存のための新しい技法
ミッシェル・デディエ(心理学者)
宇宙には不定数が存在します。なぜなら、各人の生物学的、エネルギー的、
ともな
および精神的の諸活動を伴う人格、すなわち心理的、身体的、感性的の実体が
不定だからです。
これらの人格的実体の間の社会関係を維持するためには、もしそれがなけれ
ば、人間はいかなる社会集団をも形成することができないほどに大変重要な意
義を持つ、適応能力を身につけることが必要となります。人間の精神的豊かさ
を実現するためには、人間を最高の社会的動物にし、絶えず人間の生命・生活
を構成し、人を幸福や不幸にするあらゆる事柄の、再検討をさせるこの能力が
い ぜん
依然として必要なのです。
まさ
ひら
正にこの能力を用いて、私は個人の自覚と、進歩への道を切り拓くために努
力してきたのです。
すみずみ
人間の意識にとって問題なのが柔軟性であるならば、意識の隅々にまで入り
込んで、そこにあるものを破壊することなく、潜在意識のさらに深層にまで移
う
行することが必要となります。「とっとと消え失せろ!」──このような欲求不
ほか
満が渦巻いていても、やはりそれが通り過ぎるのを待つ他はありません。「俺
こんにち
がお前を裏切り、お前は俺を裏切った……」こうしたイザコザが今日まで続い
めぐ
ているのであり、人はいつも同じところを堂々巡りしているのです。
もしあなたが心の中を調べたいと思ったら、まず第 1 に、自分自身を傷つけ
たくさん
てみることです。そこには、全く知りたくもないようなことが非常に沢山あり
ちょうしょう
ます。しかし、それらを真正面から見すえ、あなた自身を嘲笑し、時には自分
い
く
じ
み
おろ
うぬ ぼ
あば
を意気地なしのように観るのです。あなたが自分の愚かさと自惚れを暴けば暴
くほど、あなたは大きく成長するでしょう。そして、自分自身を愛する前に冷
静に自己を見つめるならば、あなたはもはや不幸せになることはないでしょう。
精神がそういう状態になった時、私は、メッセージの決定的な重要性が分か
ったのです。最初に本を読んだときは、長い忍耐と無味乾燥さを味わされ、素
直にはメッセージが入ってこなかったことを白状しておきましょう。それとの
しょうしんしょうめい
出会いは、初めのうちは単純なものではなく、むしろ正真正銘の衝突でした。
かっとう
内容を検討していくうちに、精神的な葛藤が生じてきたのです。
おくびょう
心理学者というのは、その定義上、少なからず臆病な人種(もっとも、結局
354
第三部/第5章:ラエリアンの注釈と証言
き ちょうめん
は内面が非常に几帳面だということ)なのですが、私が以下のことを確認した時
ぼうぜん
は、全く茫然としてしまいました。すなわち、この異星人たちから伝えられた
しか
メッセージは、単に私の心の中に然るべき位置を占めたばかりでなく、私の体
験の諸要素の驚くべき総合をやってのけ、さらに私が、自分の患者を助けるた
めに従事している創造的な役割を、驚くほどダイナミックなものにしたのです。
作用が反作用を招くように、私は、異星人のメッセージの基本的な諸要素を、
とっ ぴ
一つずつ検証してみる気になりました。私は、この多少は突飛なところがある
メッセージの多くの仮説を、徹底的に検討してみました。信仰的な精神作用は、
論理的な議論を導く精神作用とは、いや、主観的な検証とすら、全く無縁であ
るので、私は拒絶します。
私は異星人を信仰してはいませんが、背景にあるものをすべて知って、本当
の思慮深い手段による彼らの役割と実在は理解しています。同様に、こうした
すみずみ
ぎん み
結論に支えられて、私は自分の理論の大筋を徹底的に、隅々に至るまで吟味し
ろうばい
てみました。そのときに私が非常に狼狽したことは、後にも先にも大した問題
は何も無かったということです。つまり、思考の病気を治療するはずの私が、
きょうりょう
こっけい
とても狭量で滑稽な自分自身の精神状態に気づいたというわけです。
たく
私は今では、精神療法の教育は、巧みにカモフラージュされたユダヤ─キリ
スト教的な基盤に基づいている、ということを知っています。この観点からす
れば、精神療法というものはすべて確実で当を得たものであるという結論は、
必ずしも出てこないことは明らかです。
しかし、そうなると結局、その社会から誤り導かれなかった人が、誰かいる
とでもいうのでしょうか。そうでないのなら、あらゆる侵害に立ち向かうこと
が必要です。そういうわけで、真実と美と健康を育て上げ、解放への前進を押
たい こ
し進めてきた太古からの大きな苦難の中に、私は投げ込まれた次第なのです。
異星人からクロード・ボリロンに与えられたメッセージが私の観念にもたら
した手応えは、私の知る限りにおいて最も理知的なものであり、私たち地球人
の起源と、生活ならびに生存のための、新しい技法分析の明確な説明に関する
ものです。
た め ら
ちょうやく
私は何の躊躇いもなく、この跳躍に一歩を踏み出します。
私は自分の生命を、利己主義的な個人的イデオロギーに従わせることには反
わ
対です。私がこの証明を詳しく研究するのは、心の奥底から湧き出てくる本能
(少しなおざりになっていますが、人間に立ち直る力を与えてくれる古くからの本能)
355
地球人は科学的に創造された──創造者からのメッセージ
おのおの
に突き動かされたからです。各々の人間がこの本能を持っており、私たち 1 人
さんかく
ひとりが、分相応に共同生活の改善に参画することができます。それに際して
は、各自の適応能力と生存本能を働かせるのです。
まさ
正に、この二つの本能こそ、人間を、地球および宇宙環境を改良するための
ふ さ わ
最も相応しい創造物にし、人間にその歴史に対する情熱だけでなく、歴史を決
定する権限すら与えているものなのです。
私たちの社会が目標に近づいたことは、かつて一度もなかったことなので、
きわ
今が混乱の状態にあっても、それは極めて当然なことです。
過去は、様々な苦難の発展の跡を残す明白な証拠や、極めて説得力のある事
あふ
実に溢れています。現在は、発展の大法則の論理的帰結を示しています。そし
て未来は、主要な科学技術と道徳的な諸価値が結合しうる、素晴らしい展望を
私たちに指し示します。
要するに、これまでに述べてきたことが、異星人から与えられたメッセージ
な
に私を一直線に向かわせた動機なのです。私は今、これを話し終わって胸を撫
た め ら
でおろしています。私は少しも躊躇わず、しっかりとした証拠を示します。そ
つな
あこが
して私は、私たちの惑星上の生命の起源に繋がる様々な道に憧れるのです。
356
追加情報
本書の著者または著者の組織する国際ラエリアン・ムーブメントに、本書お
よび関連事項について、さらに詳しい情報を問い合わせたいという方は、著者
宛に次の宛先までお願いします。
c/o The International Raelian Movement
Case Postale 225, CH-1211
Geneva 8
Switzerland
〒 289 - 2311 千葉県香取郡多古町本三倉 640 -A1
日本ラエリアン・ムーブメント 「弥勒菩薩・ラエル」宛
E-mail : [email protected]
国際ラエリアン・ムーブメントと関連組織の公式のインターネットアドレス
は、次の通りです。
www.rael.org
www.raelianews.org
www.raelradio.net
www.rael-science.org
www.raelafrica.org
www.apostasynow.org
www.subversions.com
www.icacci.org
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の登録をご希望の方は、次のアドレスに空メールを送って下さい。
[email protected]
357
セミナーと各国のラエリアン・ムーブメントの連絡先
毎年、世界中でセミナーが開催されています。そこには、預言者ラエルから
エロヒムの教えを聞くためにラエリアンが集まります。セミナーに参加してみ
たい方、または近くに住むラエリアンに連絡を取りたい方は、次に挙げる各国
のムーブメントの連絡先までお願いします。
1 04 カ国を超える連絡先すべてをご覧になりたい場合は、www.rael.org に
アクセスして下さい。
AFRICA
EUROPE
05 BP 1444, Abidjan 05
Cote d’Ivoire, Africa
Tel: (+225) 07.82.83.00
E-mail: [email protected]
7 Leonard Street
London, England, UK
Tel: +33 (0)6 16 45 42 85
E-mail: [email protected]
AMERICAS
OCEANIA
P.O.BOX 570935
Topaz Station
Las Vegas, NV 89108, USA
Tel: (+1) 888 RAELIAN
Tel: (+1) 888 723 5426
E-mail: [email protected]
E-mail: [email protected]
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Vic 3805, Australia
Tel: +61 (0)419 966 196
Tel: +61 (0)409 376 544
E-mail: [email protected]
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ASIA
BCM Minstrel
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England, UK
Tel: +44 (0)7749618243
E-mail: [email protected]
640-A1 Motomikura
Tako-machi, Katori-gun
Chiba 289-2311, JAPAN
Tel: (+81) 479 75 8030
Fax: (+81) 479 74 8007
E-mail: [email protected]
358
謝 辞
(編集部注:これはオリジナル英語版に掲載されたものからの抜粋です)
19 9 0 年 8 月イギリス、ウィルトシャー州、チーズフット・ヘッドで撮影され
たミステリーサークルの航空写真の使用を許可して頂いたコリン・アンドリュ
ース(www. Crop CircleInfo. com)に感謝いたします。
この新たに翻訳が見直された新版の大部分を占めるオリジナルの翻訳(The
Message Given by Extra-Terrestrials と Let's Welcome the Extra-Terrestrials)を提供して頂
いたマーカス・ウェナーに感謝いたします。
本書の聖書の引用の多くは、the Restored Name King James Version, the American
Standard Version, the Darby Translation, the Hebrew Names Version, The Webster Bible, the New King James Version を参照しています。
The New King James Version から引用した聖書は Thomas Nelson, Inc. によっ
て1982年に著作権を得られています。使用には許可を得ています。無断複写・
転載を禁じます。
359
ラエルのその他の著作
ハーモニー・メディテーション
『地球人は科学的に創造された』 の重要な姉妹編の一つ。
自らの精神を未来に向けて開き、自分の真の潜在能力を発見するためには、
全感覚器官を通して得られる喜びに対して、肉体を最大限に覚醒させる方法を
知る必要があります。それこそが、ラエルがエロヒムの惑星への旅から持ち帰
った最も重要な教えです。
この本では、私たちがすべての物の無限性と調和するのを助けるために、エ
ロヒムが考案した瞑想技術について詳しく述べられています。
その教えにより、私たちは、音、色、味、香り、触れ合いをより強烈に楽し
むようになり、私たち自身の中にある新しい創造性を発見することができるよ
うになるでしょう。
天才政治
大きな政治的議論を呼ぶ話題を扱う本。
民主主義は不完全な政治形態であり、いずれ天才たちによる統治「天才政治」
もと
に取って代わられることになります。この方式の下では、知性のレベルが平均
より50パーセント高い人でなければ、議員の選挙に立候補できません。さらに、
投票の資格を持てる人は、知性のレベルが平均より10パーセント高くなければ
なりません。すなわち、天才政治とは選択的民主主義のことです。
これら崇高で高度な概念は、すでにエロヒムの惑星で採用されています。私
たちがもっと良い方式を創出できない限りは、エロヒムは私たちに、天才政治
と同様な方式を実行する準備を始めるようアドバイスしています。というのも、
人類の進歩のすべては、結局のところ天才たちの業績にかかっているのですか
ら。
360
この本の中でラエルは、知性と適正を評価するテストの作成が十分に可能と
なれば、地球上でもどのようにその過程が進んでいくのかについて説明してい
ます。
クローン人間にYes!
かい ま
バラ色の未来を垣間見る。
ヒト・クローニングサービスを行う世界初の企業、クローンエイド創始のきっ
かけとなるアイデアを提供したラエルは、この本の中で、現代の科学技術が永
遠の生命の探求の第一歩であることを説明しています。
ラエルはその驚くべき先見の明を持って、私たちに驚くべき未来を垣間見せ
てくれ、初期段階にある私たちの科学技術がどのようにして私たちの世界に大
変革を起こし、私たちの生活を変えるのかを説明しています。
これは、想像を絶する美しい楽園の世界に対する準備を私たちにさせてくれ
る本です。そのような世界では、ナノテクノロジーによって農業や重工業は不
要となり、超人工知能がすみやかに人間の知性を追い越し、すべての退屈な作
業を代わりにしてくれるようになり、永遠の生命がコンピュータの中や、次々
と常に若返らせていく肉体の中で可能になり、世界は娯楽と愛の場所となり、
誰も働く必要がなくなることでしょう!
マイトレーヤ
「ラエルの教え」からの抜粋。
わた
予言されていた「西洋からのマイトレーヤ」ラエルは、過去 3 0 年以上に亘る
数多くのラエリアン・セミナーにおいて彼が教えてきた内容から、抜粋して構
成したこの本の中で、素晴らしい教えと見識を皆さんに伝えています。
愛、幸せ、静けさ、精神性、観照すること、完璧という神話、非暴力、科学、
恋愛関係など、様々な話題について書かれた本書は、自らを成長させることに
関心があり、かつ、より充実した楽しい人生を送りたいと望むあらゆる人々に
とって、最適な情報源となっています。
361
参考文献
(編集部注:これはオリジナル英語版に記載されたものです)
Darby, J.N, The Darby Translation (Darby), 1890.
Fiori, Jean, Evolution ou Creation, Published by Editions S.D.T., 77190,
Dammarlie-les-Lys, France.
Milgram, S, Submission to Authority, Paris, 1974.
Public Domain, Hebrew Names Version (HNV) of the World English Bible.
Public Domain, Restored Name King James Version (RNKJV) www.eliyah.com/Scripture/
Rostand, Jean, L’Evolution, Paris, Robert Delpire Editeur, 1960.
Thomas Nelson & Sons, American Standard Version (ASV), 1901.
Thomas Nelson, Inc New King James Version (NKJV), 1982.
Webster, Noah, The Webster Bible (Webster's), 1833.
*
日本語版本書の翻訳に当たって本文で引用された聖句については、日本聖書協会発行の『聖書』
と日本ムスリム協会・日訳クラーン刊行会発行の『聖クラーン』を参考にさせて頂きました。
なお、聖句中の「エロヒム」の語については、ミルトス・ヘブライ文化研究所編発行の『ヘブラ
イ語聖書対訳シリーズ』をご参照下さい。(日本ラエリアン・ムーブメント)
362
索 引
索 引
【あ】
愛……23, 35, 59, 63, 67, 70, 75, 76, 80, 95, 96, 101, 103, 104, 109, 123, 148, 151, 153, 156, 162, 171
〜174, 176, 177, 179〜182, 188〜192, 198〜203, 205〜207, 209, 223, 231, 235, 257〜259,
264, 269, 273, 276, 288, 294, 295, 302, 305, 310, 312, 322〜325, 338, 340, 344, 347, 349, 354
愛国心……147
愛情……175, 181, 190, 191, 265, 312, 350
悪魔……7, 63, 75, 108, 140, 237, 262, 266〜268, 286
アブラハム……3, 30
アポカリプス……6, 166, 194, 207, 221, 259, 262, 277, 278, 286, 290〜292, 294, 304, 308, 316, 333,
338, 339, 344, 349
アモス書……60
アンテナ……38
【い】
イエス……63〜66, 68〜72, 78, 81, 107, 109, 116, 151, 154, 155, 164, 167, 195, 202, 204, 205, 207,
229, 238, 240, 248, 266〜268, 274〜276, 288, 294, 296, 299, 301, 304, 305, 314, 320, 338,
339, 345〜348
イザヤ書……44, 45, 58〜60, 76〜80, 167
遺産……4, 67, 68, 70, 71, 87, 91, 92, 95, 96, 99, 100, 101, 109, 181, 286, 289, 338
意識……77, 161, 186, 197, 198, 205, 227, 231, 232, 234, 235, 237, 242, 243, 245〜247, 249, 253〜
255, 257〜259, 288, 295, 305, 310〜312, 323, 324, 344, 348, 351, 354
イスラエル……4〜6, 22, 24, 28, 30, 32〜34, 36, 40, 44, 50, 51, 53, 61, 63, 65, 73, 76, 78, 79, 154,
163, 166, 167, 202, 223, 274, 310, 311, 319, 320, 323〜327
イスラエル(─政府, ─国家)……163, 167, 319, 324, 326, 327
イスラム教……83, 173, 326
イスラム教徒……202, 208, 313, 324
異性愛……258
遺伝子コード……6, 227, 234〜236, 249〜251, 253, 254, 256, 265, 281, 282, 327
祈り……5, 64, 119, 126, 186, 187, 200, 206, 248, 338, 345〜347
祈る……80
363
索 引
【う】
飢え……32, 77, 81, 146, 184, 195, 196
魚……21, 22, 54, 76, 85, 86, 139
魚座……76, 77
魚座の時代……77
宇宙船……6, 15, 18, 30, 31, 33, 40, 42, 43, 46〜51, 54, 55, 57, 60, 62, 69, 70, 83, 84, 94, 100, 101,
107, 137, 149, 168, 219, 221, 222, 230, 231, 242, 265, 266, 270, 271, 273, 275, 279, 280, 287,
307, 308
宇宙飛行士……44, 47, 68, 220, 230
【え】
永遠の生命……53, 174, 182, 188, 191, 197, 200〜203, 207, 208, 227, 233, 236, 260, 271, 295, 312,
316
栄光……33, 40, 49, 51, 79, 167, 168, 304
エジプト……63, 319
エジプト人……32, 36, 166
エゼキエル……3, 46〜52, 98, 156, 207, 337
エノス……25
エリコ……3, 35, 36
エリシャ……43, 44
エリヤ……3, 41〜43, 70, 96, 107, 151, 155, 205, 207, 320
エルサレム……49, 61, 166, 168, 287, 295, 310, 319
エロハ……78, 127, 150, 219, 220, 273, 300
エロヒムの政府……263
エロヒムの惑星……26, 197, 201, 225, 236, 238, 262, 263, 265, 316, 317
【お】
黄金時代……76, 79, 110, 140, 182, 185, 194, 234, 244, 246, 261, 277, 286, 288, 304, 305, 353
音楽……86, 104, 139, 151, 160, 175, 189, 256, 270
音楽家……334
【か】
外典……57
ガイド……6, 132, 133, 162, 165, 170, 174, 181, 187, 205, 206, 208, 209, 227, 236, 239, 246, 258,
294, 305〜309, 315, 321, 328, 335, 340, 348〜350, 353
快楽……7, 231, 244〜246, 248, 249, 253, 305, 306, 339
364
索 引
化学(─的)……4, 20, 32, 35, 106, 114, 154, 231, 232, 235, 237, 244, 249, 250, 252, 337, 342
科学(─的)……4, 6, 8, 17, 18, 22,〜29, 37, 41, 43, 45, 48, 53, 54, 57〜59, 61〜65, 67〜70, 75, 79,
83, 87, 95, 96, 98, 100〜102, 104, 106, 107, 114, 140, 141, 143, 145〜148, 151, 153, 163, 166,
173〜175, 177, 180, 182〜184, 191, 193, 195, 196, 200〜203, 207, 220〜222, 224, 232, 233,
237, 241, 242, 245, 250, 253, 259, 260, 263, 266, 277, 278, 285, 288, 290, 295, 296, 298, 308,
310, 311, 314〜318, 320〜322, 326, 328, 330, 333〜335, 337〜342, 344, 346, 350〜353, 356
化学者……35, 342
科学者……16, 18〜24, 38, 45, 64, 85, 93, 102, 106, 108, 134, 183, 193, 194, 225, 226, 233, 241〜
243, 250, 260, 262〜265, 277, 288, 296〜298, 316, 318, 321, 322
核……7, 26, 29, 45, 87, 98, 99, 110, 147, 184, 222, 230, 271, 276, 282〜287, 295, 300, 302, 325, 334,
335
核戦争……7, 222, 230, 276, 282, 295
が
餓死……83, 195
果実……35, 149, 153
学校……93, 116, 118〜121, 142, 173, 205, 224, 248, 317, 318, 328, 349
カトリック……16, 115, 119, 238, 259, 290, 293, 309, 339, 349
かね
金(おかね)……6, 34, 80, 82, 91, 92, 110, 122〜126, 146, 147, 184, 193, 206, 223, 224, 245, 271,
295〜297, 314, 318, 338, 351
カバラ……82, 83, 336, 341
神……4〜7, 19, 23, 25, 33, 37〜45, 48, 49, 51, 52, 54, 57, 58, 61〜63, 65, 69, 70, 74, 75, 78〜80, 87,
107〜109, 142〜145, 164, 174, 202, 206, 223, 229, 234〜236, 238, 248, 259, 262, 264, 265,
267, 268, 271, 277, 279, 281, 282, 284〜287, 290, 291, 293, 294, 309, 317, 318, 337, 345, 346,
350
神々……31, 195, 310, 322, 340, 350
カルメル山……41
ガンジー……148, 170, 208
官能……5, 154, 159, 174, 175, 177, 186, 189, 245, 246, 248, 255, 344
官能瞑想……6, 198, 237, 244, 315
【き】
き
が
飢餓……196, 352
機械……49, 50, 69, 117, 146, 147, 155, 157, 158, 183, 184, 252, 256, 328
き きん
飢饉……281
奇蹟……4, 41, 49, 54, 64, 65, 68, 69, 107, 164, 221, 233
宮殿……80, 224
旧約聖書……57, 156, 237, 280
365
索 引
教育……4, 5, 23, 72, 106, 114, 133, 146, 147, 154, 172, 174, 175, 178, 179, 183, 248, 249, 254, 328,
340, 341, 348, 349, 355
共産主義……91, 184
兄弟愛……146, 259, 272
ギリシャ……22, 52, 83, 255, 256, 266, 290〜293, 340
キリスト……3, 62, 76〜78, 81, 96, 107, 109, 116, 237, 238, 314, 320, 344, 346
キリスト教……75, 135, 167, 173, 238, 280, 337, 338, 355
キリスト教徒……167, 202, 203, 208, 228, 238, 239, 279, 301, 304, 311, 313, 324
キリスト教暦……313, 314
銀河……18, 41, 47, 48, 76, 87, 100, 197, 198, 320, 353
金属……17, 30, 44, 47, 50, 52, 56, 57, 95, 132, 137, 138, 155, 206, 220, 256, 278, 279, 284
筋肉……43, 156, 162, 242, 252
【く】
偶像……31, 35, 39, 41, 44, 52, 264
くだもの
果物……150, 185, 204, 249
雲……20, 32〜34, 40, 42, 45〜47, 70, 75, 135, 234, 262, 282, 284, 307, 341
クレルモン・フェラン……11, 93, 126, 128, 131, 133, 135, 335
軍隊……25, 45, 87, 94, 95, 141, 142, 146, 147, 183, 300〜304
【け】
敬愛……56, 59, 64, 86, 94, 95, 109
啓示……7, 16, 72, 76, 107〜109, 127, 163, 166, 188, 194, 200, 208, 221, 259, 260, 262, 276, 291〜
293, 296, 304, 338, 339, 352
芸術……6, 104, 106, 148, 153, 154, 188, 189, 256
芸術家……20, 21, 86, 102, 124, 175, 189, 245, 246
結婚……14, 82, 103, 126, 175, 178, 179, 202, 207, 337
けもの
獣……22, 23, 27, 59, 236, 250, 286, 288
獣の数字……286
原子……25, 39, 41, 47, 82, 84, 89, 102, 103, 105, 143, 144, 198, 225, 241, 242, 249, 250, 330, 334,
341
【こ】
合金……15, 33
香水……189, 252
光線……19, 32, 36, 42, 51, 52, 64, 65, 68, 69, 82, 83, 98, 263, 280
366
索 引
光速……82, 83, 149, 341
光年……82, 225, 242, 342
コーラン……164, 203, 204, 294
コペルニクス……90, 108
コンピュータ……146, 152, 159, 162, 165, 180, 181, 185, 227, 251〜254, 256, 282, 329
【さ】
最愛……309, 312
最高ガイド……165〜167, 180, 181, 184, 201, 203, 204, 208, 209, 227, 309, 311
最後の審判……3, 52, 53, 67, 102, 203, 281
再生……26, 96, 101, 143, 151, 154, 158, 162, 163, 165, 174, 175, 177, 180, 181, 200, 201, 203, 227,
228, 231〜234, 236, 250, 251, 260, 265, 279, 281, 282, 333, 343
裁判官……183, 191
細胞……6, 18, 20, 26, 27, 28, 49, 50, 85, 89, 90, 101, 102, 114, 143〜145, 148, 151, 154, 157, 158,
162, 165, 177, 180〜182, 198, 227, 231, 235, 243, 244, 277, 282, 305, 308, 318, 330, 334, 335,
337
催眠……64
サタン……3, 55, 56, 63, 64, 86, 262〜269, 273, 286, 300
サムエル……39, 40
サムソン……3, 37, 38, 39
【し】
死……6〜8, 21, 23, 27, 30, 34, 36, 40, 41, 43, 44, 63, 71, 75, 79〜81, 91, 92, 96, 101, 102, 104, 105,
117, 125, 140, 143, 144, 148, 152, 164, 165, 174, 180〜182, 185, 197, 198, 200, 202, 207, 220,
227, 228, 231, 232, 236, 238, 241, 243, 245, 249, 250, 252, 279, 281〜284, 287, 289, 296〜
298, 301, 302, 317, 337, 339, 344, 346, 350, 351, 353
慈愛……273
士師記……37, 38, 39
死者……53, 92, 106, 140, 144
死者の書……145, 196
自然光……15, 138
実験室……24, 262, 264, 266, 274, 277, 286, 318, 329, 337, 342
使徒……64, 70, 72, 74
使徒行伝……72, 73
詩篇……55, 60, 61
しもべ
僕……39, 70, 78, 79, 123, 124, 268, 269, 281, 282, 286
367
索 引
社会……5, 18, 91, 92, 104, 108, 114, 133, 140, 141, 151, 170, 171, 173, 177〜180, 182, 184, 186,
191〜193, 244, 246, 254, 255, 272, 296, 298, 304, 305, 312, 343, 344, 346, 348, 350〜352,
354〜356
ジャン・ピエール・ダラ……122
自由……7, 16, 23, 32, 37, 103, 107, 108, 131, 140, 146, 148, 151, 153, 154, 172, 173, 175〜177, 179,
183, 184, 199, 224, 245, 255, 257, 259, 281, 294, 306, 339, 344, 353
宗教……4, 7, 16, 82, 83, 95, 100, 101, 107, 126, 132, 133, 142, 143, 147, 155, 163, 164, 166, 172〜
174, 179, 180, 183, 193, 195, 201, 205, 207, 208, 221, 228, 233, 235〜239, 254, 259, 266, 275,
278, 290, 291, 293, 294, 296, 304, 305, 310, 311, 314, 317, 321, 323〜326, 328, 337〜340,
344〜346, 348〜352
宗教裁判……205, 237, 299
宗教戦争……280, 299
出エジプト記……31〜34, 222
証言……78, 83, 231, 232, 245, 308, 326, 328
証人……79, 107, 170, 308, 353
証明……21, 79, 86, 90, 99, 100, 137, 143, 148, 183, 209, 221, 231, 232, 245, 265, 267, 271, 286, 314,
しょくだ い
317, 327, 355
燭台……60, 278, 279
ジョセフ・スミス……294
親愛……352
進化……4, 85, 86, 109, 225, 259, 328〜330, 337
進化論(─者)……7, 85, 259, 260, 317, 318, 328, 330, 350
しんげん
箴言……58, 80
神殿……39, 40, 50, 267, 319
人道(─的)……72, 323
人道主義(─者)……81, 87
人道的人類主義……4, 91, 92, 132, 182, 184, 338
人肉……44
審判……53, 70, 162, 165, 166
神秘(─化, ─的)……19, 22, 43, 50, 61, 95, 96, 107, 118, 127, 150, 166, 206, 236, 256, 278, 291,
293, 294, 305, 310, 311, 339, 340, 345〜349
申命記……35
新約聖書……263
神話……4, 83, 85, 326, 328, 337, 340, 350
368
索 引
【す】
ず がいこつ
頭蓋骨……86
スタンレイ・ミルグラム……298
スポーツ……11, 102, 104〜106, 125〜127, 129, 156, 158, 162, 193
スワスティカ……60, 141, 145
【せ】
聖書……15, 17〜19, 24, 36, 57, 62, 71, 75, 78, 79, 82, 86, 91, 92, 99, 101, 110, 221, 236, 238, 250,
267, 294, 326, 336〜339, 341, 346, 348, 353
聖堂……206, 224, 255, 256
政府……5, 18, 56, 91, 92, 143, 167, 182, 183, 228, 236, 238, 294, 299, 305, 314, 320, 351
聖霊……62, 72
世界語……192
世界政府……4, 93, 192, 314, 326, 338
世界戦争……246, 248, 270, 271, 325
ゼカリヤ書……54, 55, 60, 61
セツ……25
ゼパニヤ書……76
き
生命の樹……24〜26, 50, 99
潜水艦……54
戦争……87, 106, 141, 183, 206, 244, 246, 280, 284, 303, 351
選民……3, 25, 31, 32, 35, 36, 322〜325
【そ】
送信機……38
創世記……3, 18〜31, 86, 163, 223, 236, 294, 348
ソドムとゴモラ……3, 29〜31, 45, 87, 95, 203, 326
空飛ぶ円盤……3, 13, 15, 46, 47, 73, 207, 303
ソロモン王……40
【た】
大異変……222, 230, 249, 265, 270, 272, 277, 282, 288, 295, 331〜333
大気……13, 17, 19, 27, 34, 37, 38, 98, 107, 199, 219, 220, 222, 342
大災害……26, 75
第三の神殿……319, 324〜326
大使……41, 87, 88, 162〜164, 166, 208, 209
369
索 引
大使館……87, 95, 109, 110, 163, 165〜168, 180, 209, 224, 225, 236, 237, 239, 240, 276, 304, 305,
たいない
310, 311, 318〜322, 324〜326
胎内……26, 115, 249, 258, 277
大破局……140, 203
体罰……173
たと
譬え……31, 68, 263, 334
譬え話……66, 70
ダニエル……52〜54, 337
ダニエル書……52〜54
ダビデの星……60, 145
炭素……225
【ち】
知識……23〜26, 28, 45, 48, 53, 57, 59, 60, 65, 67〜69, 76, 78, 81, 83, 87, 90, 100, 101, 106, 109,
158, 221, 225, 231, 246, 278, 321, 333, 337, 341, 343, 352
知性……23, 25, 28, 30, 31, 48, 59, 64, 67, 77, 84, 86, 89, 90, 91, 96, 99, 132, 142, 143, 180, 182, 183,
200, 223, 245, 288, 295, 338, 345, 347, 349
知性的……16, 28, 31, 69, 90, 96, 183, 237, 247, 263, 264
超自然体……264
超自然的……19, 43, 69, 78, 107, 264, 291, 337
超神秘的……310
【つ】
通信……39, 41, 61, 252, 277, 339
【て】
DNA……337, 343
デリラ……38
テレパシー……3, 15, 37〜39, 42, 60, 62, 64, 72, 87, 94, 98, 135, 162, 163, 187, 194, 196, 200, 203,
206, 278, 294, 308
テレパシー交信……6, 187, 196
テレビ……54, 69, 128〜131, 133, 148, 199, 220, 247, 251, 278, 320
天……7, 19〜21, 30, 31, 36, 42, 43, 45, 49, 55, 63〜65, 71, 72, 75, 81, 130, 169, 172, 187, 201, 205,
206, 234, 241, 274〜276, 279〜282, 284, 285, 287, 304, 336, 345, 350
天空より飛来した(─人たち, ─人々, ─者たち)……19, 56, 102, 221, 222, 264, 291〜293, 337
天国……67, 68, 81, 144, 149, 234
370
索 引
天才(─たち)……25, 53, 69, 89〜91, 93, 96, 102, 140, 224, 241, 326, 338
天才主義……239
天才政治……2, 4, 7, 89, 91, 132, 182〜184, 238〜240, 315, 338
天使……7, 52, 53, 75, 267, 268, 290, 291
伝道の書……59, 338
【と】
同性愛……7, 258, 259
動物……18, 21〜24, 27, 28, 41, 59, 66, 86, 117, 118, 149, 153, 181, 185, 222, 250, 251, 258, 265,
324, 331〜333, 343, 354
特異点……320
トビト書……57
トランスミッション……6, 227, 282, 305, 308, 335
ドルイド教……117
ドルイド教団……5, 116
ど れい
奴隷……31, 93, 147, 184, 281, 295, 314
【な】
7 つの……60, 94, 95, 100, 278〜280, 285
【に】
肉……26, 37, 41, 50, 78, 80, 150, 156, 157, 185, 204, 236, 264, 269
肉体(─的)……85, 89, 101, 118, 140, 143, 157, 158, 174〜178, 184, 186, 190, 196〜199, 205, 228,
260, 261, 264, 279, 338, 345, 351
偽預言者……7, 194, 195, 259, 260, 296, 311, 339
【の】
ノア……3, 6, 25〜27, 38, 140, 203, 230, 231, 265, 333
脳(頭脳)……6, 38, 59, 89, 90, 101〜103, 106, 139, 140, 145, 161, 168, 182, 193, 194, 198, 200,
231, 232, 237, 242, 245, 251, 254, 274, 297, 343, 352
【は】
はこぶね
方舟……6, 27, 28, 230, 231, 266, 333
バチカン……80〜82, 206, 207, 223, 224, 238, 259
発明……89, 141, 153, 183, 193, 245, 270
バベルの塔……3, 28
371
索 引
パレスチナ……319, 323〜327
パレスチナ国家……324
パレスチナ人……322〜324, 326, 327
犯罪……103, 191, 205, 303, 324, 326
犯罪国家……324
犯罪者……183, 191, 192, 323
犯罪人……302
【ひ】
光……13, 19, 21, 31, 46, 47, 70, 73, 82, 87, 108, 138, 159, 161, 205, 209, 219, 220, 225, 233, 264,
ひたい
265, 270, 278, 283, 305, 307, 308, 312, 346, 348, 353
額……155, 157, 180, 282, 284
額骨……6, 227, 282
人の子……48, 50, 55, 115, 156, 278, 279
非暴力……147, 193, 246, 264, 265, 272, 288, 302, 323, 325, 352
ピュイ・ド・ラソラ……11, 127, 135
ピラミッド……255, 256, 270
広島……274, 275, 286, 300, 301, 313
【ふ】
フィリップ・ブーヴァール……129
武器……45, 141, 183, 184, 206, 265, 273, 326
福音書……62〜72, 74, 80〜82, 164, 187, 206, 223, 263, 267, 268, 296
不死……4, 70, 99, 101〜105, 151〜154, 162, 188, 200, 234, 252
不死会議……102, 105, 106, 151, 152, 161, 265, 266, 269, 274, 280, 300
不死の惑星……219, 227, 228, 232, 234, 237, 273, 274, 288, 304, 307
復活……43, 50, 53, 59, 102, 107, 233
仏教……5, 83, 140, 311, 320
仏教徒……202, 208, 311, 313
仏陀(ブッダ)……155, 202, 207, 237, 240, 294, 305, 320
フランス……14, 16, 93, 96, 110, 118, 124, 130, 131, 141, 142, 148, 209, 235, 299, 300, 307, 315,
331, 335, 349
【へ】
兵器……25, 29, 87, 98, 99, 141, 142, 147, 184, 224, 271, 282, 325, 326
へび……23, 24, 35, 265, 285
372
索 引
ヘブライ語……19, 56, 78, 102, 150, 291, 304, 305, 336, 337
ヘブライ人……40, 52
ヘルメット……159, 160, 279
ヘロデ王……63, 73
【ほ】
法王……5, 81, 116, 117, 207
暴力……120, 140, 146, 147, 152, 158, 183, 191〜193, 201, 246, 248, 263, 265, 266, 272, 273, 286,
288, 297, 300, 302, 323
骨……49, 50, 137, 156, 180, 222, 223, 241, 242, 269
【ま】
マタイによる福音書……62〜71, 80〜82, 164, 187, 206, 223, 263, 267, 268, 296
マデク……96, 114, 116, 130〜133, 135
マホメット……155, 164, 165, 203, 207, 237, 240, 294, 305
マリヤ……62
マルコによる福音書……72
マルセル・ジュリアン……127
【み】
未確認飛行物体……72, 108, 207
水瓶座……76, 77, 194
み たま
御霊……63, 72, 267, 278, 280
み
御使い……29, 68, 73
【む】
無意識……182, 231, 232, 253
無限……7, 84, 132, 143〜145, 151, 161, 162, 169〜171, 173, 175, 181, 186, 188〜190, 194, 196〜
199, 206, 225, 226, 229, 234〜237, 240〜246, 249, 254〜256, 259, 272, 295, 305, 320, 321,
337, 340, 345, 349, 353
無限小……84, 144, 202, 233, 240, 321, 337
無限大……144, 151, 202, 233, 321, 337
【め】
瞑想……5, 119, 153, 186, 187, 311, 315, 345
メシア……61, 202, 290, 291, 319, 322, 324, 326
373
索 引
メッセンジャー……3, 42, 87, 88, 163, 195, 234, 240, 261, 266, 274〜276, 278, 282, 288, 304, 305,
308, 324, 339, 344
【も】
モーセ……3, 31〜34, 70, 96, 107, 151, 155, 205, 207, 237, 240, 288, 294, 305, 319, 320
モルモン教……83
【や】
ヤーウェ……7, 24〜37, 39, 40, 42〜45, 49, 51, 54〜56, 58, 60, 61, 77, 79, 151, 154〜157, 161, 264
〜266, 268〜277, 280, 288, 304, 308, 319, 322, 325, 348
【ゆ】
友愛……135, 150, 155, 162, 190, 191, 265, 268, 272, 273, 288, 323, 324, 349, 351, 352
ユダヤ教……173, 237, 301, 319, 322, 325〜327
ユダヤ教徒……167, 208, 313, 324
ユダヤ−キリスト教……355
ユダヤ主義(─者)……322〜324, 327
ユダヤ人……6, 16, 28, 29, 36, 79, 115, 163, 202, 223, 275, 304, 310, 319, 323〜327
ユダヤの王……296
ユダヤの新年……319
ユダヤの民……60
ユダヤの人々……8, 322
ユダヤ暦……322
【よ】
預言者……5, 38, 41, 42, 49, 54, 62, 63, 151, 163〜168, 173, 187, 193, 202〜204, 207, 208, 227, 237,
259, 266, 274, 275, 277, 281, 282, 286, 288, 290, 293〜295, 304, 307, 309, 312, 320, 322, 325,
326, 338, 348, 349, 351
4 つの……46, 48, 149, 171, 243, 280, 285, 334
ヨナ……54
【ら】
ラエリアン……8, 208, 227, 228, 234, 236, 238〜240, 246, 247, 257, 258, 260, 261, 277, 294, 295,
300, 304, 306, 307, 309〜311, 315〜318, 320, 326, 328, 331, 333, 335, 340, 343, 344, 350,
353
ラエリアン・ムーブメント……4, 6〜8, 96, 107, 109, 110, 164, 184, 209, 210, 223, 236〜238, 257,
374
索 引
258, 293, 306, 315, 316, 319〜321, 322, 339, 343, 344, 350
ラエル……7, 8, 87, 110, 162, 166, 180, 188, 193, 194, 207, 208, 209, 219, 227, 262, 276, 277, 282,
288, 290, 304, 306, 307, 309, 313, 319, 322〜326, 335, 339, 346〜350, 352, 353
楽園……5, 23, 140, 141, 146, 147, 151, 153, 154, 158, 162〜164, 168, 180, 181, 191, 265, 274
ラッパ……3, 33, 36, 37, 278, 279, 283〜286
ラテン語……235, 291〜295
ラ・モンターニュ……130
【り】
理神論(─者, ─的)……7, 132, 133, 143, 259
律法……5, 7, 33, 64, 165, 166, 309
リュシアン・モリス……123, 124
両性愛……258
理論……106, 317, 318, 328, 330, 331, 342, 346, 347, 350, 352, 355
隣人愛……338
りん ね
輪廻……140, 141
【る】
ルカによる福音書……72
ルシファー……262, 264〜266, 273
【れ】
霊……19, 26, 42, 46, 47, 49, 78, 158, 163, 194
霊魂……5, 6, 140, 142〜144, 158, 163, 231, 234〜236, 238, 281, 337
レーザー……42, 65, 73, 134
レーシング……125, 127
列王紀……40〜44
レビ記……34, 93, 236
恋愛……102, 103, 153
【ろ】
ロボット……57, 102, 151〜153, 155〜161, 184, 185, 224, 338
【わ】
惑星……4, 14, 17〜22, 26, 28, 29, 34, 39, 45, 55, 56, 60, 61, 64, 66〜68, 70, 82〜84, 86, 87, 98〜
105, 107, 109, 140, 141, 143〜146, 148, 151, 158〜160, 162, 163, 174, 182, 188, 197, 198,
375
索 引
200, 201, 203, 204, 207, 208, 220, 222, 225, 227, 229, 233, 235, 240〜243, 262〜264, 266,
277, 280〜282, 287, 292, 293, 295, 312, 315, 317, 318, 320, 321, 323, 325, 334, 335, 341, 352,
356
惑星(の)政府……24, 26, 58, 63, 262〜264
376
int elligent design
地球人は科学的に創造された
〜創造者からのメッセージ〜
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66AH / 2 012 年 4 月 1 日 初版発行(縦組み)
67AH / 2 013 年 3 月 8 日 2 刷発行(横組み改訂版)
68AH / 2 014 年 4 月 6 日 3 刷発行( 2 訂版)
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著 者/ラエル
日訳監修/日本ラエリアン・ムーブメント
〒289 – 2311 千葉県香取郡多古町本三倉 640 – A1
TEL 0479(75)8030 FAX 0479(74)8007
E-mail : [email protected]
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発行者/山崎 茂
発行所/有限会社 無限堂
〒289 – 2311 千葉県香取郡多古町本三倉 640 – A1
TEL 0479(74)8006 FAX 0479(74)8007
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印刷・製本/藤原印刷株式会社
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© Japanese Raelian Movement 2012 / Printed in Japan
乱丁・落丁の場合はお取替え致します。定価はカバーに表示してあります。
ISBN 978-4-900480-36-0