本研究は,(独)情報通信研究機構の委託研究「新世代ネットワークを支える仮想化基盤技術の研究開発」の一環としてなされたものである. JGN-Xネットワーク仮想化基盤上でのDatacentric Networking技術実験報告 - Data-centric Networking (DCN) and Energy-Efficient and Enhanced type DCN (E3-DCN) - 2015.3.16 山中直明(慶大),松原大典(日立) 張善明,岡本聡,竹下秀俊(慶大) 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 Agenda E3-DCN プロジェクト概要 - NICT委託研究「新世代ネットワークを支える仮想化基盤技術の研 委託研究「新世代ネットワークを支える仮想化基盤技術の研 究開発」課題ウ04 究開発」課題ウ 消費エネルギー最適化コンテンツ配信システム JGN-X上での実証実験の紹介 上での実証実験の紹介 - 基本Data-centric Networking (DCN) 基本 拡張DCN 拡張 まとめ 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 2 研究の背景 ネットワークの主用途の変革 従来のネットワーク(例:電話交換網)は音声通話などの 端末間通信が中心 端末間通信 現在のインターネットはWEBやメディア配信などネットワークから 所望のデータを配信・取得する用途が中心 所望のデータを配信・取得 →通信相手である端末の場所は意識しない 端末の場所は意識しない 今後データの爆発が予想される クラウドにより、全てのサービスや映像メディアはネットワーク経由 で配信 スマホ、タブレット端末、LTEなど端末の高性能化が続く M2Mによる大量の微細・リアルタイムデータが流通する 膨大なデータの配信・取得を容易かつ効率的 容易かつ効率的に実現する技 容易かつ効率的 術が必要 Information-centric Networking 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 3 データ指向型ネットワーキング技術の進展 Information-centric Networking (ICN) - 欧州系 NetINF (Network of Information) US系 系 CCN (Content-centric Networking) - 主要国際学会 (SIGCOMM、 、INFOCOM)にて、 にて、 データ指向型NW関係のワークショップ開催 関係のワークショップ開催 データ指向型 Ciscoがプロトタイプ展示 がプロトタイプ展示 - ITU-Tでの での標準化推進 での標準化推進 Y.3033 Framework of data aware networking for future networks (2014.1) 本プロジェクトの成果の一つ ICN + Mobility + M2M ⇒ Data-centric Networking (DCN) [1] 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 4 E3-DCN プロジェクト概要(1/2) プロジェクト概要 E3-DCN (Energy Efficient and Enhanced-type Datacentric Network) [2] - 新世代ネットワーク(NWGN)のアプリケーション のアプリケーション 新世代ネットワーク ②既存コンテンツからネット ワーク内処理により新たなコ ンテンツを生成 ⇒ E-DCN ③転送エネルギーの最適化 ⇒ マルチスライス連携 2015/3/16 ① Information-centric Networking (ICN) を Machine-to-Machine (M2M)通信やMobility を考慮して一 般化 ⇒ DCNの実現 Network Virtualization Platform in JGN-X (NWGN testbed network) 5 第13回ネットワーク仮想化研究会 E3-DCN プロジェクト概要 プロジェクト概要(2/2) 概要 インターネットでは実現できない、新たなコンテンツ配信の インターネットでは実現できない、新たなコンテンツ配信の 可能性を追求 可能性を追求 - Data-centric Network (DCN) を提案 [1] 基本型 DCN : コンテンツの識別子を指定 エンハンス型DCN : 基本型DCNに加えて、指定されたコンテンツを複数のコン に加えて、指定されたコンテンツを複数のコン エンハンス型 基本型 テンツ素材からネットワーク内処理 ネットワーク内処理を施して生成 テンツ素材からネットワーク内処理を施して生成 DCNにおけるエネルギー最適化ルーティングの実現 におけるエネルギー最適化ルーティングの実現 - JGN-X のネットワーク仮想化基盤上でのトライアル 基本型DCNにおける、識別子からデータの位置を割り出 データの位置管理 すモビリティに対応したスケーラブルなデータの位置管理 技術の追求 スライス上のオーバーレイにおいて、エネルギー最適化の ための経路・転送方式決定のための、アーキテクチャ、ア アーキテクチャ、ア ルゴリズムの追求 日立 慶應大 Energy Efficient and Enhanced-type Data Centric Network E3-DCN [2] 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 6 既存コンテンツ配信システムとの差異 “場所中心主義”から“コンテンツ中心主義 “場所中心主義”から“コンテンツ中心主義”への流れ コンテンツ中心主義”への流れ Information-centric, Content-centric - M2Mのカバー のカバー 対象コンテンツの拡大 (コンテンツ コンテンツ ⇒ データ) データ データのモビリティを考慮 - アンダーレイ網を知覚できないオーバーレイ網からの脱却 せっかくの新世代ネットワーク - ネットワークに付加価値を QoS aware traffic engineering (TE) ができる仮想網 ができる仮想網 [3] より実網に近い仮想網をユーザへ提供 QoS aware TE のアプリケーションの一つとしての、転送 消費エネルギー最適化 消費エネルギー最適化 2015/3/16 7 第13回ネットワーク仮想化研究会 プロジェクトの成果 プロジェクトの成果イメージ 成果イメージ 新世代ネットワークで新たな付加価値を提供する 映像を2K で見たい 映像が2K で見たい 4K映像 欲しいコンテンツが 見れない コンテンツ配信 オーバーレイ コンテンツ提供者が 移動するとデータが 見つからない コンテンツ配信 オーバーレイ コンテンツ提供者が 移動しても素早く データを取得 Internet ネットワー 仮想化基盤 仮想化基盤 アンダーレイが最適化されるように オーバーレイで経路選択 オーバーレイで最適化した つもりになっていてもアンダーレイ つもりになっていてもアンダーレイ は遠回り(隣接でも地球の裏側とか) インターネット上のコンテンツ配信システム 2015/3/16 4K映像 ネットワークが 2Kに変換して に変換して くれる 新世代ネットワーク上の コンテンツ配信システム E3-DCNコンテンツ配信システム 第13回ネットワーク仮想化研究会 8 Data-centric Networking (DCN)の概要 の概要 データの識別子を用いたルーティング。 Pull型(Reg/Get)、Push型(Pub/Sub)の両形態に対応。 データのモビリティに対応、データが広範囲に分散して 移動しても容易にデータを取得できる多対多のM2M通信を 実現。 スケーラビリティ 評価は[4]に 集約ノード Data_A Data_A Reg (削除) Host_A Get Reg Get Host_A データ移動 Host_B 2015/3/16 Host_C 9 第13回ネットワーク仮想化研究会 実現すべきE アーキテクチャ 実現すべき 3-DCNアーキテクチャ ■E3-DCN仮想網 仮想網 コンテンツ素材 (4K映像) ◆コンテンツ創生オーバーレイ網 コンテンツ素材 (4K→2K変換ソフト) ③コンテンツ素材を探索し、組み合わ せて新コンテンツを創出 “4K映像”+”4K→2K変換処理” NEW! (2K映像 映像) 映像 創生 3Dダイクストラ法 ・複数のコンテンツ素材の組 合せから最短経路の組合せ を発見 生成要求 ◆コンテンツ配信オーバーレイ ◆コンテンツ配信オーバーレイ網 オーバーレイ網 要求検索 (Flooding) コンテンツ要求 (2K映像) ネットワーク API E3-DCN 管理装置 ・仮想化基盤網のリソース利用状況を取得 ・仮想網から要求を仮想化基盤へ通知 ■仮想化基盤ネットワーク ネットワークシステム総合研究室 New Generation Network Laboratory ①要求されたコンテンツを検索 ②配信網内にコンテンツが無い 場合、創生網に作成を依頼 配信 (2K映像) コンテンツの大きさと転送時間から仮想網 上の最適転送方式を選択 ネットワークAPIから入手したデータで単位 データ量当りの消費電力を計算 仮想化基盤 管理装置 E-mail: [email protected] TEL: 042-327-6993 多数の仮想網を提供。個々の仮想網の通信 状況により、ネットワークの状況が変化 仮想化基盤管理装置が状況を把握 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 10 ネットワークAPIの効果確認 の効果確認 ネットワーク 新世代ネットワークシンポジウム(2014年 年7月 月)で実演 で実演 新世代ネットワークシンポジウム ■Slice#0:背景呼(30秒毎ルート変更) SWを を Netgear GS7212で構成 で構成 VN#02 VN#05 VN#01 User #02 User #01 - 共通部 12.7 W、 、ポートリンクアップ 1.5W - 未利用ポートは物理網管理装置からリ ンクダウンする ルーターをPCで構成し挿入 ルーターを で構成し挿入 VN#04 ■Slice#1:E3-DCN - VN#12 VN#11 仮想ノード(VN)の消費電力を関係 の消費電力を関係 仮想ノード するSWとルーターの消費電力 とルーターの消費電力 ( する 利用するパスで按分) 利用するパスで按分 VN#15 E3-DCN 管理装置 User #11 経路片寄によりSW 待機電力を分担し 省エネルギー化 VN#14 - User #12 ■物理ネットワーク構成 User #11 SW#2 SW#1 パス毎の消費電力を求め、最小消費電 力の経路で接続するE 管理装置 力の経路で接続する 3-DCN管理装置 で計算 実演時は10秒に 実演時は 秒に1回パスの設定 秒に 回パスの設定/解除 回パスの設定 解除j 解除 最悪ルート 選択時 全体で163W 全体で ネットワークAPI利用時 利用時 ネットワーク 物理網 管理装置 SW#5 SW #3 User #02 User #01 消費電力84W 消費電力 SW#4 - 150W ~ 156W User #12 - 約10%の省電力化 の省電力化 2015/3/16 11 第13回ネットワーク仮想化研究会 ネットワーク仮想化基盤へのE 実装 ネットワーク仮想化基盤への 3-DCN実装 3スライスで スライスでE を作成 スライスで 3-DCNを作成 - 制御1 回線交換型、パケット交換型) 制御 + 転送2 転送 (回線交換型、パケット交換型 回線交換型、パケット交換型 転送技術の使い分けで最大 40%の省エネルギー化 の省エネルギー化 コンテンツ配信オーバーレイ (DCON) 日立DCNシステムを流用 コンテンツ創生オーバーレイ (DGON) 制御スライス (CPS) Slow Path E3-DCN 管理装置 Slow Path 回線交換スライス (CSS) ※光スイッチをエミュレート Slow Path パケット交換スライス (PSS) 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 12 E3-DCNノード構成 ノード構成 3スライスの接続 スライスの接続 - Network aCcommodator (NC) を利用 “けいはんな けいはんな”の 台のみを利用 けいはんな のNC1台のみを利用 福岡 理想 名古屋 制御スライス (CPS) 回線交換スライス (CSS) 大手町 福岡 現実 大手町 けいはんな NC NC パケット交換スライス (PSS) 名古屋 ping 56 ms !! 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 13 JGN-X + 慶應 で構築した で構築したE3-DCNテストベッド テストベッド NCによって、慶應内の によって、慶應内のE とJGN-Xを接続 を接続 によって、慶應内の 3-DCNと - 2015/3/16 7 ノード (福岡 福岡1、 福岡 、大阪1、 大阪 、大手町1、 大手町 、名古屋1、 名古屋 、慶應3) 慶應 第13回ネットワーク仮想化研究会 14 ネットワークAPIの実装 の実装 ネットワーク テストベッドは、APIエミュレータで運用 エミュレータで運用 テストベッドは、 課題アと連携 - スライス内からネットワーク仮想化管理装置へ のセキュアなアクセス手段の構築 現状取れる情報と、取りたい情報の擦り合わせ 2015/3/16 15 第13回ネットワーク仮想化研究会 セキュアな情報取得手法 Y-Plane : 開発者端末(DT)から、 から、Portalへの へのアクセス 開発者端末 から、 へのアクセス Z-Plane : DTから から Slice 内 NodeSliverへの へのアクセス へのアクセス ネットワークAPI: NodeSliver から Service Network ネットワーク Controller (SNC)への へのアクセス へのアクセス - Z-Plane と Y-Plane の両者に跨って存在し、SNCへアクセス可能 へアクセス可能 の両者に跨って存在し、 な Proxy Gateway を準備 NodeSliver から Z-Plane経由で 経由でProxy Gateway へ SSH Port 経由で Forwarding Proxy Gateway から Y-Plane経由で 経由でSNCへ へ SSH Port Forwarding 経由で NodeSliver 認証は、Proxy Gateway と SNC で実行 認証は、 SNC DB TNC NW情報取得 帯域情報 経路情報取得 2015/3/16 JGN-X 管理 第13回ネットワーク仮想化研究会 消費電⼒情報 16 欲しかった情報 項目 優先度 取得 スライスを管理するキーとして 備考 低 スライストポロジ 仮想ノードIDリスト 仮想ノードの属性を知るための関数の引数 低 ◎ ◎ ◎ 仮想リンクIDリスト 仮想リンクの属性を知るための関数の引数 低 ◎ 仮想ノードIDと可能であれば物理リンクID 低 △ 低 △ 中 × 中 × スライスID 仮想リンク属性 リンク両端のノード ID 最大帯域 利用可能帯域 仮想リンクを構成する物理リンクの最小値 (各リンクの空き or 使用帯域リスト でも可) リンク長 遅延時間でも良い 物理IF属性 物理速度等。100GEと10GE×10LAGでは転送エネルギーは異なる。 × L3物理ホップ数 仮想リンクの消費電力計算に利用 ○ L3物理装置の負荷各ホップを構成するルータの負荷レベル L2物理ホップ数 仮想リンクの消費電力計算に利用 × 高 ○ L2物理装置の負荷各ホップを構成するスイッチの負荷レベル 中 × L1物理ホップ数 低 ○ 仮想リンクの消費電力計算に利用 (L2スイッチ間のROADM数等) ノード能力 処理能力 仮想ノードが収容されている物理ノード能力 (VM数程度で良い) ◎ メモリ量 仮想ノードが収容されている物理ノード能力 ○ 仮想ノードが収容されている物理ノードの消費電力値 (最大値がわかってい 電力消費 れば、負荷レベルで、高・中・下・空き 程度の情報でも良い) 2015/3/16 高 △ 第13回ネットワーク仮想化研究会 17 Agenda E3-DCN プロジェクト概要 - NICT委託研究「新世代ネットワークを支える仮想化基盤技術の研 委託研究「新世代ネットワークを支える仮想化基盤技術の研 究開発」課題ウ04 究開発」課題ウ 消費エネルギー最適化コンテンツ配信システム JGN-X上での実証実験の紹介 上での実証実験の紹介 - 基本Data-centric Networking (DCN) 基本 拡張DCN(E3-DCN) 拡張 まとめ 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 18 まとめ E3-DCN = “Content-oriented” + “M2M” + “QoS aware TE” + “in-network processing” on “Network Virtualization” 実用化に近い部分をDCNとして推進 として推進 実用化に近い部分を コンテンツやサービスを“創る”ネットワーク 仮想化の基礎技術としてE を推進 仮想化の基礎技術として 3-DCNを推進 - NwGN of Everything 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 19 参考文献 1. D. Matsubara, M. Yabusaki, S. Okamoto, N. Yamanaka, T. Takahashi, “Proposal of Data-centric Network for Mobile and Dynamic Machine-to-Machine Communication,” IEICE Trans. on Commun., Vol. E96-B, No. 11, pp. 2795-2806, Nov. 2013. 2. S. Okamoto, N. Yamanaka, D. Matsubara, H. Yabusaki, “Energy Efficient and Enhanced-type Data-centric Network (E3-DCN),” Proc. 13th ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing (SNPD 2012), pp. 655-660, August 2012. 3. 岡本聡, 山中直明, 竹下秀俊, 岡野拓朗, 内田哲博, “ネットワーク仮想化の光と影,” 電 子情報通信学会ネットワークシステム研究会, NS2013-251, 2014年3月. 4. D. Matsubara, S. Okamoto, N. Yamanaka, T. Takahashi, “Evaluation of Information-Centric Networking for Mobile and Distributed Environment Using Wide-Area Test Bed,” Proc. APNOMS2014, TS-3-1, Sep. 2014. 2015/3/16 第13回ネットワーク仮想化研究会 20
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