コンタクト装着時の点眼可否

あじさい Vol.12,No.4,2003
Sep.2003 Vol.12 No.4
★特集
『コンタクト装着時の点眼可否』
要旨: コンタクトレンズ(CL)を装着している場合、そのまま点眼薬を使用するのは、薬剤自体あ
るいは防腐剤などの添加物による角結膜障害の危険性があり、CL をはずしての使用が推奨されていま
す。但し、ハードコンタクトレンズ(HCL)は、薬物を吸着し難いということから CL 装着時点眼が可
能な薬剤がありました。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム(BAK)、パラベン類、クロロブタノー
ル等が使用されており、最もよく用いられているBAKは、角膜障害の発現や CL への影響があります。
点眼したBAKの濃度は点眼 5 分後(滞留時間の長いものを除く)ですでに 1/10 以下の濃度にまで速
やかに低下し、以後も緩やかに減少するため、CL 再装着まで 5 分以上の間隔をあけるようにとの指示
することが必要です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎はじめに
◎目の構造と機能 1)
点眼薬を処方された患者さんから CL 使用の可
否について聞かれることはよくありますが、殆ど
の薬剤で添付文書中に明確なことは記載されて
いません。
CL 装着中において、防腐剤のレンズ内への蓄
積の可能性があり、点眼薬を使用するときは、レ
ンズをはずして点眼させるのが一般的です。しか
し、日常の診療において、CL 使用者であっても、
疾患の治療および予防のために点眼薬を使用し
た方がよい場合があります。
メーカーに問い合わせをしても「防腐剤を含ま
ない人工涙液型点眼薬以外は CL を外してから点
眼して下さい」、「医師の指示に従って下さい」と
の解答が殆どです。
今回のあじさいでは、点眼薬の基礎についてと
CL 装着時の点眼についてまとめてみたいと思い
ます。
外からの情報は感覚器を通して入ってきます
が、情報の 80%、あるいはそれ以上は目すなわち
視覚器を通して入ってくると考えられています。
角膜を通して眼球内部へ入ってきた情報は網膜
で電気的信号に変換され、視神経を通って視中枢
へ送られて初めて視覚として成立します。
眼球は物を見るだけに特別に分化した器官で、
精巧に出来ている分壊れやすくもあります。この
ため眼球にはさまざまな付属器が備わっており、
保護されています。また、6 本の外眼筋が共同し
て運動し、2 個の眼球を上下、左右に自由自在に
動かしています。
1:眼球
眼球は球状の軟組織で、前を眼瞼、後を眼窩で
保護されています。
眼球壁は外膜、中膜、内膜の 3 層からなり、外
層は前面の角膜とそれに連なる強膜からできて
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あじさい Vol.10,No1,2001
眼球を覆う涙は、pH がおよそ 7.5 で 3 層構造を
しており、図 2 に示すように、上から油層、涙液
層、ムチン層となっています。
一番上の油層は、まぶたの縁にあるマイボーム
腺から分泌され、その表面張力により、涙膜が角
膜全体を覆う膜となることができ、さらに涙の水
分の蒸発を防いでいます。涙から眼瞼からこぼれ
にくいのも、この働きによります。マイボーム腺
が障害を起こす眼 瞼炎などに罹ると油層に変化
が起き、涙が過剰に蒸発してドライアイになるこ
とがあります。
中間の涙層は、主涙腺、副涙腺から分泌され、
いわゆる涙と呼ばれる部分であり、眼球を覆う涙
の層の 90%以上を占めています。角膜の水分調節
をして、角膜の厚さを一定に保つ働きがあります。
一番下のムチン層は、結膜杯細胞から分泌され
る粘液成分で、涙を疎水性である角膜の表面に保
持し、角膜や結膜への栄養分を補給する働きがあ
ります。
います。中膜は、色と形からぶどう膜と呼ばれ、
脈絡膜、毛様体、虹彩からなり、眼球内組織の栄
養に重要な機能を担っています。虹彩には、瞳孔
の大きさを変える瞳孔括約筋と瞳孔散大筋が含
まれています。毛様体からは房水が産生され、さ
らに毛様体筋によって水晶体の厚さが調節(遠近
調節)されています。内膜は網膜で、光の受容器
である視細胞と視神経を含み、とても柔らかく病
的な状態では剥離しやすい膜でできています。
眼球が視覚を得るためには、光を通す必要があ
り、角膜、前房、水晶体、硝子体の部分には血管
はなく、光に対する透明性の高い構造となってい
ます。
水晶体は、直径約 9mm で無色透明の弾力性の
ある凸レンズ状の形をしています。水晶体の両側
はチン小帯という無数の繊維で毛様体に固定さ
れています。
硝子体は、眼球容積の 7 割を占めるゲル状の組
織で、房水とともに眼球壁を内側から支え、眼球
の形を維持しています。
図2
表1
視覚器の構成
眼球
視覚器
眼球付属器
視神経
外膜:角膜、強膜
中膜:ぶどう膜
内膜:網膜
内容
水晶体
硝子体
房水
眼瞼
結膜
涙器
外眼筋
眼窩
眉毛
睫毛
虹彩
毛様体
脈絡膜
視中枢
図1
2)涙の分泌
涙の分泌にとって、瞬きは重要な刺激であり、
目の表面が乾燥すると瞬きが起こり、その刺激に
よって涙が産生されるとされています。従って涙
は、目覚めているときには瞬きのたびに上まぶた
の上のほうにある涙腺から絶えず分泌され(基礎
分泌)、睡眠中はほとんど分泌されていません。
1 日の涙の分泌量は約 1∼2ml で、若い人より
老人が女性より男性のほうが少ないとされてい
ます。生後 3 カ月以内の乳児は泣いても涙は分泌
されます(反応分泌)が、この時の涙は 3 層のバ
ランスが崩れており、ほとんどが主涙腺から分泌
される涙液といわれています。
主涙腺は、副交感神経、交感神経、三叉神経の
3 つの神経に支配されていますが、涙液の分泌は
目の構造
2:涙について
1)涙の性状
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一般的に副交感神経の刺激により起こるとされ
ています。
3)涙の働き
① 外界に露出している眼球を保護し、異
物を洗い流して、乾燥を防止します。
② でこぼこした角膜表面を覆うことによ
りスムーズな表面となり、きれいな像
を網膜を結ばせたり、瞬きの潤滑油と
なります。
③ 涙の中には殺菌作用をもつラクトフェ
リンや IgA などを含み、細菌感染を防
ぐ役目を持っています。
判断基準となりますので、CLの種類や性質を知
る必要があります。
一般に、CLはHCLとソフトコンタクトレン
ズ(SCL)に大別されます。SCLやディスポ
ーザブルコンタクトレンズ(DSCL)は、含水
性のポリヒドロキシエチルメタアクリレート等
でつくられており、点眼薬により物理的影響をう
ける可能性があります。HCLは、ポリメチルメ
タアクリレート等でつくられており、一般に装着
時の点眼液使用は可能とされています。
CLの材質や使い方により多種多様に分類さ
れるため、表2,3にCLの種類をまとめました。
4)涙の通路
涙は涙腺から分泌され、瞬きによって眼球の表
面を涙膜として覆い、結膜嚢を潤した後、瞬きに
よるポンプ作用により目頭にある涙点に流れ、涙
小管、涙嚢、鼻涙管を通って鼻腔に流れでます。
1 回の瞬きによって涙小管に排出される量は、結
膜嚢の涙の量に比例して多くなり、通常は約 0.16
∼2μL です。
涙点から排泄された点眼薬は涙道を通る間に
一部全身循環へと移行し、時には全身の副作用と
して現れることもあります。
表3
SCLの使用方法による分類
[A]. コンベンショナルタイプ(通常タイプ)
長期間使用が可能な一般的なソフトレンズです。終日装用ま
たは連続装用で洗浄、消毒などをして使用するレンズ
[B].定期交換タイプ(頻回交換)
終日装用後に毎日洗浄・消毒をし、2週間∼1カ月使用した
後、交換するレンズ。酸素透過性が高いため角膜障害の可
能性が低いが、従来の取扱のレンズより汚れがつきやすい
ため寿命が短い
[C].使い捨て(ディスポーザブル)タイプ
使い捨てタイプのレンズ。毎日交換と1週間以内の連続装用
とがある。酸素透過性が高く洗浄・消毒などの手間がいらな
いが、汚れがつきやすいため再使用はできない。
1日交換レンズ
◎ CL の種類
CL装着時の点眼の可否は、まずレンズ素材
の差異、点眼液成分のレンズへの吸着性の有無が
表2
CLの種類(材質による分類)6)
コンタクトレンズの分類
概要
素材
ハードコンタクトレンズ(HCL)
ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂を用いており、酸素を
ほとんど通しません。そのため、激痛を伴う急性角膜障害 ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂
を起こしやすいという欠点があります。現在使用される方
は、少なくなってきています。
酸素透過性ハードコンタクトレンズ
(
RPGCL)
酸素を透過する素材を使用したハードコンタクトレンズで、
O2レンズとも呼ばれます。シリコン/フッ素、シリコン/ア
シロキサニルメタクリレート(SMA)
クリルを共重合した樹脂が主流となっており、この樹脂の フルオロメタクリレート(FMA)
高い酸素透過性により、連続装用が可能となっています。
従来のハードコンタクトレンズよりも角膜障害
ソフトコンタクトレンズ(SCL)
水分を38∼70%程度含んだ弾力性のある柔らかいレンズ
で、親水性高分子化合物である、ヒドロキシエチルメタクリ
レート(HEMA)を主成分とする素材が多く使われています。
水を含んでいるため、水を介して酸素の供給が保たれ、柔
らかく扱いやすいが、その反面たんぱく質が付着しや
非含水性ソフトコンタクトレンズ
ゴム状の素材を使用したレンズ。疎水性であるが、素材の
分子間隔が広いために高い酸素透過率を示します。水を シリコンラバー
含まないため、レンズ内での細菌繁殖は少なく、消毒の必 ブチルアクリレート
要性はないとされているが、脂質や蛋白質の除去は必要 ジメチルシロキサン
となります。
69
ハイドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
N-ビニルピロリドン(N-VP)
ジメチルアクリルアミド(DMAA)
グリセロールメタクリレート(GMA)
あじさい Vol.10,No1,2001
◎点眼薬の基礎 5)6)
した。
1:点眼薬の成分
点眼薬には有効となる主薬剤のほかに、等張化
剤、緩衝剤、可溶化剤、安定化剤、粘稠化剤、防
腐剤などが含まれています。(表5参照)
等張化剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、ホウ酸などがあり、点眼薬をできるだけ涙液
と同じ浸透圧になるようにしています。緩衝剤と
してはホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液などがあり、
点眼薬を最適なpH にし、その有効性を向上させ
ています。可溶化の方法としては、塩形成による
溶解と溶解補助剤による溶解があり、前者にはナ
トリウム塩、カリウム塩など、後者は界面活性剤、
シクロデキストリン類などがあります。
安定化剤にはクエン酸や亜硫酸ナトリウムな
どがあり、点眼薬中の薬剤が加水分解や酸化分解
を受けることを阻止しています。点眼薬の薬効の
持続化を図るために、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロースなどの粘稠化剤が用いられてい
ます。また、点眼薬の微生物汚染を防止するため
に、BAK、パラオキシ安息香酸エステル類、クロ
ロブタノールなどの 防腐剤が含まれています。
このような成分はいずれもアレルギー反応な
どによって角結膜に障害を引き起こす可能性が
あるので、そのなかでも防腐剤が最も注意を払わ
なければいけません。
表6
表5
1
2
3
4
5
6
7
点眼薬の成分
主薬剤
等張化剤
緩衝剤
可溶化剤
安定化剤
粘稠化剤
防腐剤
2:保存剤の種類 5)6)
医療用点眼薬の防腐剤としては水によく溶け
やすく、かつ防腐効果の高いBAKが一般的によ
く用いられています。
しかし、BAKは比較的分子量の大きな陽イオ
ン化合物であることから、各種陰イオンと結合し
て不溶性の塩を形成し、配合変化を起こす場合が
あります。よって、パラベン類とBAK、クロロ
ブタノールとの配合で沈殿が生じることがある
ので、異なる防腐剤配合の点眼薬を併用する時に
は 5 分間以上の間隔をあけることが必要です。
表6に点眼薬に使用される防腐剤をまとめま
70
防腐剤
逆性石鹸類
塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、
パラオキシ安息香
メチルパラベン、エチルパラベンなど
酸エステル
アルコール類
クロロブタノールなど
ビグアナイド系
グルコン酸クロルヘキシジン等
有機酸および
その塩類
デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビ
ン酸ナトリウムなど
3:防腐剤の角膜への影響 5)6)
防腐剤は薬剤毒性角膜症の原因として非常に
重要です。普通は角膜障害を引き起こさない程度
の濃度しか添加されていませんが、本人の意思で
頻回に点眼した場合、涙液動態の悪いドライアイ
患者では、眼表面において高度で接触することに
なります。
特に防腐剤の第一選択薬として用いられてい
るBAKは、使用される頻度も高く、濃度と接触
時間に依存して角膜傷害を引き起こすことが知
られています。BAKの点眼液中の濃度は通常
0.003∼0.01%で、最近は含有量が低下してきてい
る傾向にありますが、頻回に使用する場合
0.0025%でも細胞傷害が出現したという報告があ
ります。その他、クロロブタノール、パラベン類
も高濃度では接触時間に比例して角膜上皮細胞
の増殖の抑制がみられる可能性がありますが、通
常の使用では細胞レベルの障害は起こりにくい
とされています。
自覚症状として充血、眼痛、霧視などがありま
す。また他覚的には結膜の充血と乳頭の増殖・浮
腫を認め、角膜は下半分を中心にびまん性の点状
表層角膜症を呈することが多いとされます。多く
の患者は症状を軽減させようと点眼の頻度を増
やすため、かえって悪化を招くことがあります。
一般に角膜障害は「濃度×点眼回数×投与日数」
に関係があるとされています。
点眼薬中の保存剤設定は、特に緑膿菌に対する
有効性が問題となります。緑膿菌に対する効果の
順序としては、BAK、次いでクロロブタノール、
パラベンの順です。(表7参照)
SCL や RPGCL に吸着されることも知られて
います。
点眼薬の用法を必ず守ること、できれば防腐剤
無添加の人工涙液を用いるとよいと考えられま
す。表8に防腐剤無添加あるいは CL に吸着しに
くい防腐剤を使用している人工涙液についてま
あじさい Vol.10,No.1,2001
とめてみました。
OTC 薬では、防腐剤が添加されていても適応と
して「ソフトコンタクトレンズまたはハードコン
タクトレンズを装着しているときの不快感」とな
っている薬剤がありますが、この理由としては、
OTC 薬において防腐剤が CL に吸着しないよう、
「ポリソルベート 80」が添加されています。
表7
5:点眼順序
数種類の点眼薬を用いる時には点眼順序を考
える必要があります。点眼後毎分 15%の薬剤が消
失しますが、併用時 5 分間以上の間隔をあける必
要があります。先に点眼した薬剤が wash out さ
れるため、原則として、最も効果を期待するもの
を最後に点眼します。刺激性の強い点眼薬では、
点眼時の刺激により涙液量が増え、点眼液の濃度
が薄まり、結膜嚢からの排出が速くなってしまう
ことがあります。このため涙液の pH(7.0∼7.4)
に近いものから順次 pH の低いものを点眼する方
が、眼に対する刺激も少なく、涙液量も少なくな
るため眼内移行の効率がよくなります。流涙に注
意します。さらに懸濁性の点眼液は水に溶解しに
くく吸収されにくいので、後から点眼します。ま
た、油性点眼液および眼軟膏は、水性点眼液をは
じくため後に点眼します。同様に粘性の高い点眼
液も後に点眼するようにします。
防腐効果試験[接種菌の減少率(%)]1)
塩化ベンザルコニウム(0.005%)
パラベン
(MP:0.026%、PP:0.014%)
3時間
6時間
24時間
3時間
6時間
24時間
大腸菌
100.0
100.0
100.0
64.9
76.8
99.4
ブドウ球菌
100.0
100.0
100.0
62.6
51.6
93.8
緑膿菌
100.0
100.0
100.0
71.7
90.4
99.9
カンジダ
100.0
100.0
100.0
15.9
37.6
100.0
黒カビ
88.1
99.8
99.9
74.8
81.6
85.4
表8
の吸着量はレンズの吸水率が高く、厚さが厚いほ
ど多くなっています。
このように、レンズの種類によっても吸着の度
合いに差があるものの、SCL は変形、白濁といっ
た物理的な影響を受けやすいといわれています。
SCL 装着時に使用可能な人工涙液8)
アイリスCL-1ネオ※
レンズに吸着されない添加物
を含む薬剤
サンテコンタクト(参天)*
ティアーレCL (オフテクス)※
サンテうるいおいコンタクト(参天)*
ティアーレf(オフテクス)※
マイティアCL(千寿ー武田)
ソフトサンティア(参天)
New マイティアCL(千寿ー武田)**
防腐剤無添加の薬剤
ノアールリフレッシュ (佐藤)※
ノアールワンティア‐α
(佐藤)※
New マイティアCLクール
(千寿ー武田)**
New マイティアCLクールHi
(千寿ー武田)**
◎CL 装着時の点眼の注意点2)5)
6)
メニコンルイ(メニコン)*
CL 装着時における点眼薬使用については薬剤
そのものあるいは防腐剤などの添加物による角
膜障害の可能性があることから、点眼薬使用時に
は CL をはずすことが勧められています。また各
種防腐剤が角膜上皮に障害をもたらすことは、臨
床および基礎研究からもこれまでに多くの報告
がされています。高橋らによると、BAK が低濃
度であっても角膜上皮細胞には障害が認められ、
頻回点眼では細胞障害が出現する可能性がある
としています。一方では、点眼した防腐剤の涙液
中濃度は比較的速やかに涙液により希釈され、5
分で 1/10 以下(図3参照)になることから、涙液
動態が正常な症例においては、1 日 4 回程度の点
眼は角膜上皮に与える影響は少ないとの報告も
あります。
小玉医師の調査によると、CL 装着中の点眼薬
を使用した 224 人中、RPGCL、SCL(多くが頻
回交換)ともに実際に角膜障害を起こした症例は
認められず、PRGCL においてはBAKの吸着と
いうのはあまり問題にならないようです。SCL に
レンズティアS(アラガン)
*
なみだロートコンタクト(ロート)*
ロートCキューブ(ロート)*
ロートCキューブクールチャージ
(ロート)*
ロートCキューブモイスチャージ
(ロート)*
アイルックCL(日東メディック)**
スマイルコンタクトクール
(日東メディック)
*
※shingle dose(1回分量個包装)
*ソルビン酸、
**グルコン酸クロルヘキシジン
4:CL への影響
上林らは点眼薬により、CL がどのような影響
を受けるかを、CL メーカー数社に問い合わせた
結果を発表しています。
それによると親水性に富むほど、薬物がレンズ
に吸着するという一般論が裏付けられています。
一般に HCL は点眼液により物理的な影響をうけ
にくいとされています。SCL は親水性の材質のた
め薬剤が吸着し蓄積されるといわれています。そ
71
表4 ソフトコンタクトレンズ分類(
FDA4分類方式)
FDA分類
区分
グループI
グループII
グループIII
グループIV
非イオン性低含水率
非イオン性高含水率
イオン性低含水率
イオン性高含水率
(50%以上)
(50%未満)
(50%以上)
(50%未満)
■アイミーソフトカリブ
■アイミースーパーソフト
■アイミーソフトトーリック
■アイミースポーツビュー
ウェスリー・
ジェッセン
■ハイドロンカーブ
■エレガンス
■デュラソフトカラー
■プレシジョンUV
■デュラソフトティントグリーン
■アクアマリン
■エイコンソフトS
エイコー
■エイコンソフトT
■エイコンソフトMX
■マンスリーモード
オフテクス
キャノン販売
■ビューノI
■アクアフレックス
■デュラソフトカラー
■デュラソフトティントグリーン
■クララソフトゼロシックス
■クララソフトファシル14
■クララソフトファシル13
クラレ
■クララソフト クリスタルカ
ラー
■クララソフト K135
■クララソフトスタンダード
■シードTORICソフト
■シードSXブルー
■シードSKY
シード
■シードマルチフォーカルソ
■シード14UV
フト
■シード2week fine
■シード虹彩付きレンズ
■ナチュラルタッチ
■シュアビュー
■アキュビュー(*)
■ワンデーアキュビュー(*)
ジョンソン&
ジョンソン
■2ウイークアキュビュー
■2ウイークアキュビュー
バイフォーカル
■2ウイークアキュビュー
トーリック
セイコーコンタクトレ ■セイコーソフトシエロ
ンズ
■セイコー2ウィークアクエア
■セイコー1デイアクエア
FDA分類
区分
チバビジョン
グループI
グループII
グループIII
グループIV
非イオン性低含水率
非イオン性高含水率
イオン性低含水率
イオン性高含水率
(50%未満)
■バイコン38Eライトカラー
(50%以上)
■フォーカスデイリーズ(*)
(50%未満)
■バイコントリソフト
■フォーカスデイリーズ
■フォーカス2ウィーク
■ティアソフトUV
トーリック
■フォーカス1ウィーク(*)
■ティアソフトUV S ライトカ
ラー
■フレッシュルック
■イリュージョン
東レ
ジャパン
■フォーカスプログレッシブ
■東レ ブレス・オー
日本コンタクトレン ■ニチコン ソフトアルファ
ズ
ボシュロム・
(50%以上)
■フォーカストーリック
■ニチコン ソフトナウ
■ニチコン ソフィット
■ニチコン リプラ
■シークエンス
■メダリスト
■オプティマFW
■オプティマ38
■オプティマトーリック
■メダリスト66トーリック
■+B3
■+B4
■+H3
■+H4
HOYA
■プレノ
■ハイフローAce
■トーリック
■メニコン ソフトMA
メニコン
■メニコン ソフトS
■メニコン フォーカス
■メニコン ソフト72
■メニコン フォーカス
■メニコンソフト72
トーリック
トーリック
■メニコン ニュービュー(*)
■メニコン フォーカルソフトS
ヤマト樹脂光学
■レビュー38
■クオリティー
レインボー
■ゼロ4
オプチカル
■ゼロ6
■RBゼロ4
■フォービュー
■マチュアビュー
ロート製薬
ロートI.Q.
ロートI.Q14
ロートI.Q.90
*印は1日タイプ、もしくは連続装用タイプのディスポーザブルレンズです。これらは、いちど目から取り出したら廃棄する仕様ですからレンズのケ
アは不要な製品です。
FDAの4分類は全てのソフトコンタクトレンズを素材の含水率とイオン性に着目して4つのグループに分けたもので、厚生労
働省により1999年4月から導入された分類です。グループ1∼4の定義は上記の表の通りとなります。 含水率は、素材にどれ
くらいの割合で水分を含んでいるかを示しており、イオン性はレンズの素材がマイナス電化をもっているかどうかを示していま
す。日本国内で現在販売されている含水性ソフトコンタクトレンズは、全てこの分類のいずれかにあてはまります。
あじさい Vol.10,No1,2001
ついても、1 日 3∼4 回程度の使用であれば問題な
いと考えられています。下記の6項目に注意し処
方が行われています。
をはずして点眼するほうがよいようです。
CL装着時点眼が不可の場合、レンズ再装着まで
の時間としては、
「点眼後5∼10分後にレンズを装
着してください」という回答が殆どでした。チモ
プトールXEのように点眼後ゲル化する製剤では、
ヒト角膜におけるGelriteの滞留時間の半減期が
約18分であることから、半減期の4倍の時間で
1/16(=0.0625)となり、約1時間でほとんど影
響を受けないと考えているため、「点眼後1時間
後にレンズを装着して下さい」という回答でした。
同じ成分でも、再装着の時間間隔については不
統一という結果でした。
① 点眼薬の長期使用が推測される症例において
は、できるだけ防腐剤の含まれていない点眼
薬を使用する
② 複数の点眼薬を使用するときは、点眼する間
隔を十分あけるように指示
③ 感染症が疑われる症例では CL をはずさせて
治療する
④ 症状が改善すればすぐに点眼薬の使用を止め
るよう指示
⑤ 点眼薬使用中は定期検査の間隔を短くし確実
に来院するよう指示
⑥ 涙液量のチェックやフィッティング状態を常
に確認する
<記載方法>
関西医科大学付属香里病院では、HCL は懸濁性、
刺激性のある点眼薬以外は使用可能、酸素透過性
の HCL と SCL はレンズをはずし、点眼 5 分以上
経過後に再装着を指示、ディスポーザブルの one
day SCL は懸濁性の点眼薬以外は医師の指示が
あれば点眼可能と指示されているようです。
図3
BAKの涙液動態7)
μg/ml
160
塩化ベンザルコニウム:500μg/ml
塩
化
120
ベ
ン
ザ
ル
コ 80
ニ
ウ
ム
濃 40
度
(n=4)
(
n=4)
(
n=4)
(
n=4)
(
n=3)
0
0
5
10
15
20
点眼後の時間
25
30 分
◎CL 装着の点眼液使用の可否
表9に各製薬メーカーに CL 装着時の点眼薬使
用方法について、調査した結果を示します。
殆どのメーカーが臨床試験を行っておらず、一
般的な文献を引用して「CL をはずして点眼して
ください」という回答でした。
HCL に限っては一般的に薬物を吸着しないと
いうことから、HCL に限り装着したまま点眼し
てよいという回答がありました。しかし、最近の
HCL の主流は酸素透過性であり、SCL 同様に CL
72
1.防腐剤の種類
○:含有している
―:含有していない
2.点眼の可否
○:点眼可能
×:点眼不可
○*:出来れば CL をはずして点眼
○**:先発品より
○※:HCL は点眼可、RPGCL は点眼
不可
Dr:医師の判断による
3.CL を外して点眼した場合の再装着
までの時間間隔
4.会社名
5.pH
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
リドカイン,-〔塩酸〕
局所麻酔剤
塩酸オキシブプロカイン
製品名
眼科用キシロカイン液
トロピカミド・塩酸フェニレフリン
散瞳剤
塩酸シクロペントラート
塩酸フェニレフリン
硫酸アトロピン
イソプロピルウノプロストン
ニプラジロール
ブリンゾラミド
×
×
−
○
×
×
10分後
○
○
×
○
○
○
ベノキシール0.4%液
ラクリミン点眼液
−
サンドールMY
○
緑内障治療薬
ラタノプロスト
塩酸カルテオロール
塩酸ジピベフリン
pH
藤沢-アストラゼネカ
5.0∼7.0
日本点眼薬
4.0∼5.0
5分後
参天
4.0∼5.0
×
5分後
参天
4.0∼5.0
○※
×
5分後
千寿-武田
3.5∼4.5
×
×
10分後
日本点眼薬
6.0∼7.0
ミドリンM
○
○
×
5分後
参天
4.5∼5.8
オフミック点眼液
○
×
×
5分後
わかもと
5.0∼6.0
サンドールP
○
○
×
×
10分後
日本点眼薬
4.5∼5.8
ミドリンP
○
○
○
×
5分後
参天
4.5∼5.8
サイクロジル1%点眼液
○
×
×
5∼10分後
アルコン
3.5∼5.5
サイプレジン1%点眼液
○
○
○
×
5分後
参天
3.0∼4.5
○
×
×
5分後
興和
4.0∼6.0
ネオシネジンコーワ5%点眼液
日点アトロピン点眼液1%
○
−
硫酸アトロピン1%点眼液<ミニムス>
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.5
○※
×
5分後
千寿-武田
4.0∼5.0
レスキュラ点眼液
○
×
×
5∼15分後
アールテック-藤沢
5.0∼6.5
ニプラノール点眼液
○
×
×
5∼10分後
テイカ製薬
6.5∼7.5
ハイパジールコーワ点眼液
○
×
×
5分後
興和
6.5∼7.5
エイゾプト1%点眼液
○
×
×
15分後
チアブート点眼液
○
−
−
−
日新:山形
6.5∼7.5
チモプトール
○
○
×
5分後
万有・参天
6.5∼7.5
○
×
60分後
万有・参天
6.5∼7.5
日本点眼薬
6.5∼7.5
テイカ製薬-アルコン
6.3∼7.3
チモプトールXE0.5%
マレイン酸チモロール
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
○
ネオベノール点眼液
塩酸ベノキシネート0.4%点眼液
<ミニムス>
トロピカミド
点眼の可否
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
○
アルコン
約7.5
チモレート
○
×
×
10分後
チモロール点眼液0.5「テイカ」
○
×
×
5∼10分後
チモロール点眼液T0.5%
○
○※
×
5分後
東亜薬品-日東メディック
6.5∼7.5
ファルチモ点眼液
○
○*
×
5分後
ファルマー・ニデック
6.5∼7.5
リズモンTG点眼液0.5%
○
×
×
十分な時間をあける
わかもと・キッセイ
7.2∼8.0
リズモン点眼液0.5%
○
×
×
20分後
わかもと
6.5∼7.5
キサラタン点眼液
○
×
15分後
ファイザー
6.5∼6.9
カルテオロール点眼液T
○
○※
×
5分後
東亜薬品-日東メディック
6.2∼7.2
ブロキレート
○
×
×
10分後
日本点眼薬
6.2∼7.2
ミケラン点眼液
○
×
×
5分後
大塚製薬・千寿
6.2∼7.2
メルカトア点眼液
○
−
−
−
日新:山形
6.2∼7.2
リエントン点眼液
○
○*
×
5分後
ファルマー・ニデック
6.2∼7.2
ジピベフリン点眼液T
○
○
×
×
10∼15分後
日東メディック
4.5∼5.5
ピバレフリン
○
○
○
×
5分後
参天
4.5∼5.5
プロゲート
○
○
×
×
10分後
日本点眼薬
4.8∼5.8
1/7
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
緑内障治療薬
縮瞳剤
一般名
製品名
点眼の可否
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
pH
塩酸ドルゾラミド
トルソプト点眼液1%
○
×
×
15分後
万有
5.5∼5.9
塩酸ブナゾシン
デタントール0.01%点眼液
○
○
×
5分後
参天
5.5∼6.5
塩酸ベタキソロール
ベタキール0.5%点眼液
○
×
×
5∼10分後
メディサ-沢井-メルクホエイ
6.7∼7.7
-日東メディック
塩酸ベタキソロール
ベトプティックS0.5%懸濁性点眼液
○
×
×
5∼10分後
アルコン
7.0∼7.8
塩酸ベフノロール
ベントス・1%
○
×
×
30分後
科研
6.8∼7.8
塩酸レボブノロール
ミロル点眼液
○
×
×
15分後
杏林-科研
5.5∼7.5
カルバコール
グラウマリン点眼液
○
わかもと
6.0∼7.0
アドソルボカルピン2%
○
5分後
×
×
10分後
日本点眼薬
3.5∼5.5
サンピロ4%
○
○
○
×
5分後
参天
4.5∼5.5
塩酸ピロカルピン
ピロリナ点眼液
○
○
○※
×
5分後
千寿-武田
4.0∼5.0
×
×
10分後
日本点眼薬
約6.2
○※
×
5分後
千寿-武田
4.5∼5.5
臭化ジスチグミン
メトカルピン0.5%
塩酸ピロカルピン1%点眼液<ミニムス
>
ウブレチド点眼液
鳥居
5.0∼6.5
ゼリア
7.0∼8.5
日本点眼薬
7.0∼8.5
日東メディック
7.0∼8.0
アズレン
インドメタシン
○
−
×
×
5分後
AZ点眼液
○
○
×
×
10∼15分後
アズラビン
○
×
×
10分後
アズレン点眼液T
○
×
×
10∼15分後
アズレン点眼液わかもと
○
×
×
5分後
わかもと
7.5∼8.5
アゾテシン点眼液
○
○
×
5分後
参天
6.9∼7.9
○※
×
5分後
千寿-武田
×
×
5分後
わかもと
6.0∼7.5
×
×
10分後
日本点眼薬
6.7∼7.7
東亜薬品-日東メディック杏林
6.0∼7.5
昭和薬化-メニコン
6.5∼8.0
シオノ-ニデック
6.0∼7.5
日新:山形
6.0∼7.5
アルコン
5.0∼6.0
−
インドメロール点眼液
ジクロード点眼液
○
ジクロスター点眼液
○
ジクロフェナック点眼液T
○
○※
×
5分後
スタフルミン点眼液
○
○
×
5分後(理想15分)
ベギータ点眼液
○
×
×
5∼10分後
ボナフェック点眼液
○
−
−
−
×
×
5∼10分後
−
ジクロフェナクナトリウム
デキサメタゾン
抗炎症剤
プラノプロフェン
ブロムフェナクナトリウム水和物
マキシデックス点眼液
○
テイプロフェン点眼液
○
×
×
ニフラン点眼液
○
○※
×
5分後
千寿-武田
7.0∼8.0
ハオプラ点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
7.5∼8.5
バルライザー点眼液
○
−
−
−
日新:山形
7.0∼8.0
プロラノン点眼液
○
○
×
5分後
参天
7.5∼8.5
ムルキナ点眼液
○
○
×
ルポック点眼液
○
○*
×
5分後
ファルマー・日東メディック,
ニデック
7.0∼8.0
ブロナック点眼液
○
○※
×
5分後
千寿-武田
8.0∼8.6
2/7
テイカ製薬・科研
特にない(5∼10分後) イセイ
7.0∼8.0
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
製品名
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
リン酸デキサメタゾンナトリウム
抗炎症剤
○
○
×
×
10∼15分後
日東メディック
4.0∼6.0
○
○
×
×
10分後
日本点眼薬
4.7∼5.7
○
×
×
15分後
科研
5.0∼7.0
サンテゾーン
○
○
○
×
5分後
参天
4.0∼6.0
サンテゾーン点眼液(0.1%)
○
○
○
×
5分後
参天
4.0∼6.0
ビジュアリン0.1%液
○
○
○※
×
5分後
千寿-武田
3.7∼5.2
日点・DMゾロン点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.0
×
×
5分後
オルガノン-三共
7.4∼8.4
テイカ製薬・ニデック
7.4∼8.4
塩野義
7.5∼8.5
オルガドロン点眼・点耳液
○
テイカゾン点眼点耳液
○
×
×
5∼10分後
リン酸ベタメタゾンナトリウム
リンデロン点眼液0.01%
○
○
×
30分後
塩化リゾチーム
ムコゾーム点眼液
○
○
×
5分後
参天
4.5∼6.0
塩化リゾチーム
リゾティア
○
○※
×
5分後
千寿-武田
5.0∼6.0
酢酸ヒドロコルチゾン
日点・HCゾロン点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.0
酢酸プレドニゾロン
日点・PSゾロン点眼液
○
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.0
硫酸フラジオマイシン・
リン酸ベタメタゾンナトリウム
ベルベゾロンF液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
4.5∼7.5
眼・耳科用リンデロンA液
○
○
×
30分後
塩野義
5.0∼7.5
×
×
10∼15分後
×
×
10分後
○
×
5分後
−
×
×
30分後
×
×
5分後
チバガイギー-ノバルティス
5.3∼6.3
−
○※
×
5分後
千寿-武田
4.5∼5.5
○
×
×
5分後
わかもと・興和
4.5∼6.0
○
千寿-武田
6.8∼7.8
万有
5.5∼7.0
硫酸亜鉛
○
−
オフサリンP
サンチンク点眼液
副腎皮質ホルモン 塩酸オキシテトラサイクリン・
剤
ヒドロコルチゾン
○
○
○
テトラゾール油性点眼・点耳液
硝酸ナファゾリン
眼科用プリビナ
硝酸ナファゾリン
硝酸ナファゾリン点眼液<ミニムス>
アシタザノラスト水和物
ゼペリン点眼液0.1%
アンレキサノクス
エリックス点眼液
イブジラスト
○
クロモグリク酸ナトリウム
日東メディック
約5
日本点眼薬
4.5∼6.0
参天
4.0∼6.0
日本点眼薬
−
○※
×
5分後
アイビナール点眼液
○
×
×
15分後
ケタス点眼液
○
×
×
5分後
杏林-千寿-武田
5.5∼7.0
アルギノン点眼液
○
○※
×
5分後
東亜薬品-日東メディック
4.0∼7.0
イフラジン点眼液
○
○
×
5分後(理想15分)
昭和薬化・メニコン
5.0∼7.0
インタール点眼液
○
×
×
5∼15分後
藤沢
4.0∼7.0
○
○
5∼15分後
藤沢
4.0∼7.0
日新:山形・アルコン
4.5∼6.5
トーアエイヨー-山之内
4.5∼6.5
−
インタール点眼液UD
オフタルギー点眼液
○
−
−
−
クールウェイ点眼液
○
×
×
5∼10分後
クモロール点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
4.0∼7.0
クロモフェロン点眼液
○
○※
×
5分後
千寿-武田
5.0∼6.0
テイカ製薬-ヘキサル-ニ
デック
4.5∼6.5
クロモリーク点眼液
抗アレルギー剤
pH
DMゾロン0.05%点眼液
オフサチンクT
血管収縮剤
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
D・E・X0.05%点眼液T
コンドロンデキサ液
メタスルホ安息香酸
デキサメタゾンナトリウム
点眼の可否
○
×
3/7
×
5∼10分後
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
抗アレルギー剤
トラニラスト
フマル酸ケトチフェン
フマル酸ケトチフェン
抗アレルギー剤
ペミロラストカリウム
塩酸レボカバスチン
イドクスウリジン
製品名
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
点眼の可否
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
シズレミン点眼液
○
○
×
トーワタール点眼液
○
×
×
10∼15分後
ドルーミン点眼液
○
×
×
ノスラン点眼液
○
×
ミタヤク点眼液
○
○*
メインター点眼液
○
ルゲオン点眼液
pH
特にない(5∼10分後) イセイ
4.0∼7.0
東和薬品
4.0∼7.0
−
鶴原
5.0∼6.0
×
15分後
科研
4.5∼6.5
×
5分後
ファルマー・マルコ
5.0∼6.0
×
×
5∼10分後
模範-メルクホエイ
4.0∼7.0
○
×
×
5分後
わかもと
6.0∼7.0
トラメラス点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
7.0∼8.0
リザベン点眼液
○
×
×
5∼10分後
キッセイ
7.0∼8.0
アレギーS点眼液
○
○
×
5分後(理想15分)
昭和薬化・メニコン
4.8∼5.8
キセブレン点眼液
○
×
×
5分後
大正薬品
4.8∼5.8
ケトチフェン点眼液T
○
○※
×
5分後
東亜薬品-アルコン-本草
4.8∼5.8
ケトテン点眼液
○
×
×
5分後
沢井・わかもと
4.8∼5.8
ザジテン点眼液
○
○※
×
5分後
三共-ノバルティス
4.8∼5.8
ザジトマ点眼液
○
×
×
5分後
共和薬品
4.8∼5.8
サジフェン点眼液
○
×
×
−
ダイト-扶桑
4.8∼5.8
サルジメン点眼液
○
○※
×
5分後
辰巳
4.8∼5.8
ザルチフェン点眼液
○
長生堂・高田
4.8∼5.8
スプデル点眼液
○
×
×
10∼15分後
東和薬品
4.8∼5.8
セキトン点眼液
○
○*
×
5分後
ファルマー
4.8∼5.8
ドラケルン点眼液
○
×
×
30分後
マルコ
4.8∼5.8
ニチカード点眼液
○
−
−
−
日新:山形
4.8∼5.8
フサコール点眼液
○
×
×
10∼15分後
メディサ-日東メディック-ニ
デック
4.8∼5.8
フマルトン点眼液
○
×
×
10分後
フマルフェン点眼液
○
×
×
5∼10分後
ベナンザ点眼液0.05%
○
○
×
マゴチフェン点眼液
○
×
×
アレギサール点眼液
○
○
ペミラストン点眼液
○
○※
リボスチン点眼液
○
日本点眼薬
4.8∼5.8
日医工
4.8∼5.8
特にない(5∼10分後) イセイ
4.8∼5.8
−
鶴原
4.8∼5.8
×
5分後
参天
7.5∼8.5
×
5∼8分後
ブリストル
7.5∼8.5
○
×
5分後
ヤンセン-参天-日本新薬
6.0∼8.0
30分以後
千寿-武田
4.5∼7.0
I.D.U.点眼液「センジュ」
○
×
×
I.D.U.点眼液住友
○
×
×
IDU点眼液「科研」
○
×
×
15分後
オーハラキシン点眼液
−
×
×
5∼10分後
大原・アルコン
6.0∼7.0
オプール点眼液
−
○※
×
5∼10分後
メディサ-沢井
6.0∼7.0
−
×
×
5分後
富士薬品-わかもと
6.0∼7.0
オフテクター点眼液
4/7
特にない(5∼10分後) 住友製薬
科研
4.5∼6.5
4.5∼7.0
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
オフロキサシン
抗菌剤
製品名
−
×
×
5∼10分後
−
○※
×
5分後
オルカビット点眼液
−
×
×
5∼10分後
キサトロン点眼液
−
○
×
5分後(理想15分)
タリキサシン点眼液
−
−
−
−
タリザート点眼液
−
×
×
5分後
タリビッド点眼液
−
○
×
5分後
タリフロン点眼液
−
Dr
Dr
ファルキサシン点眼液
−
○*
×
5分後
マロメール点眼液
−
×
×
10分後
−
×
×
5∼10分後
長生堂・メルクホエイ
6.0∼7.0
×
×
10∼15分後
日東メディック
6.0∼8.0
クロラムフェニコール点眼液T
クロラムフェニコール・
コリスチンメタンスルホン酸ナトリ
ウム
オフサロン点眼液
スルフイソキサゾール
サイアジン点眼液
スルベニシリンナトリウム
サルペリン点眼用
トブラマイシン
トブラシン点眼液
ノルフロキサシン
ノキサシン点眼液
ピマリシン
フルオロメトロン
抗菌剤
pH
オフロキシン点眼液
リビゲット点眼液
ノルフロキサシン
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
オフロキサット点眼液
クロラムフェニコール
ノルフロキサシン
点眼の可否
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
○
○
Dr
日医工
6.0∼7.0
東亜薬品-日東メディック
6.0∼7.0
シオノ-ニデック
6.0∼7.0
昭和薬化・メニコン
6.0∼7.0
日新:山形
6.0∼7.0
大正薬品
6.0∼7.0
参天
6.0∼7.0
東和薬品
6.0∼7.0
ファルマー・興和
6.0∼7.0
大興
×
×
5分後
わかもと
6.0∼8.0
コリナコール点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
6.0∼8.0
コリマイC点眼液
○
×
×
30分後
科研
6.0∼8.0
×
×
5∼10分後
山之内
7.6∼8.6
○
○※
×
5分後
○
○
×
30分後
−
×
×
5分後
ノフロキサン点眼液
−
○**
×
5∼10分後
ノフロ点眼液
−
×
×
15分後
バクシダール点眼液
−
○※
×
5分後
バクファミル点眼液
−
−
−
−
ビスコレット点眼液
−
×
×
フロバール点眼液
−
×
×
マリオットン点眼液
−
×
×
−
ミタトニン点眼液
−
○*
×
5分後
○
千寿-武田
日東メディック-塩野義
約6.7
6.5∼8.0
わかもと
5.0∼5.6
日医工
5.0∼5.6
万有
5.0∼5.6
千寿-武田
5.0∼5.6
日新:山形・アルコン
5.0∼5.6
10∼15分後
富士薬品-日東メディック
5.0∼5.6
5∼10分後
模範-メルクホエイ
5.0∼5.6
鶴原
5.0∼5.6
ファルマー・ニデック,日東メ
5.0∼5.6
ディック
ピマリシン5%点眼液「センジュ」
○
○
×
5∼10分後
千寿-武田
オドメール0.1%点眼液
○
○※
×
5分後
千寿-武田
6.5∼7.5
ピトス点眼液0.1%
○
×
×
5分後
わかもと
6.5∼7.5
フルオメソロン0.1%点眼液
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.5∼7.5
フルオロメトロン0.1%点眼液T
○
×
×
10∼15分後
日東メディック・杏林
6.5∼7.5
フルオロメトロン0.1「テイカ」
○
×
×
15分後
テイカ製薬-科研
5.0∼7.0
フルコン0.1%点眼液
○
×
×
5∼10分後
アルコン
6.2∼6.8
フルメトロン
○
×
×
5分後
参天
6.8∼7.8
5/7
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
製品名
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
ラクトビオン酸エリスロマイシン・ エコリシン点眼液
コリスチンメタンスルホン酸ナトリ
ニッテン・コリスロール点眼液
ウム
点眼用エリコリT
レボフロキサシン
クラビット点眼液
塩酸セフメノキシム
ベストロン点眼用
塩酸ロメフロキサシン
ロメフロン点眼液
ゲンタロール点眼液
硫酸ゲンタマイシン
リフタマイシン点眼液
×
5分後
○
×
×
10分後
×
×
10∼15分後
○
×
5分後
○※
×
○※
○
−
○
○
○
○
硫酸ゲンタマイシン点眼液T
白内障治療薬
○
−
セダナジン点眼液
○
その他
日本点眼薬
6.0∼8.0
日東メディック
6.0∼8.0
参天
6.2∼6.8
5分後
千寿-武田
6.0∼8.0
×
5分後
千寿-武田
4.5∼5.7
×
×
5∼10分後
シェリングプラウ
5.5∼7.5
×
×
10分後
日本点眼薬
5.5∼7.5
×
×
15分後
科研
5.5∼7.5
×
×
5分後
わかもと
5.5∼7.5
×
×
10∼15分後
日東メディック
5.5∼7.5
シェリングプラウ
6.5∼7.5
明治製菓
6.5∼7.5
○
×
×
5∼10分後
硫酸ジベカシン
パニマイシン点眼液
○
×
×
−
硫酸ミクロノマイシン
サンテマイシン点眼液
○
ピレノキシン
○
カタリン点眼液
○
カリーユニ点眼液
○
○
○
点眼用ピレノキシンT
その他
6.0∼8.0
シセプチン点眼液
カタリンK点眼用
pH
参天
硫酸シソマイシン
ピレキロン点眼用
人工涙液
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
○
○
ゲンタシン点眼液
点眼の可否
○
×
5分後
参天
6.8∼7.8
○※
×
5分後
千寿-武田
4.5∼6.5
○※
×
5分後
千寿-武田
5.5∼6.5
○
×
5分後
参天
3.4∼4.0
×
×
10分後
日本点眼薬
5.5∼6.5
×
×
15分後
日東メディック-科研
4.5∼6.5
人工涙液マイティア
人工涙液マイティア
○
○
×
5分後
千寿-武田
7.1∼7.7
グリチルリチン酸二カリウム
ノイボルミチン
○
○
×
5分後
参天
6.2∼7.5
イセチオン点眼用
○
×
×
10分後
グルタチオン点眼液T
○
×
×
10∼15分後
日東メディック
タチオン点眼用
○
×
×
5∼10分後
山之内
ノイチオン点眼用
○
○※
×
5分後
千寿-武田
5.0∼6.0
グルタチオン
ピネチオン点眼用
○
コンドロイチン硫酸ナトリウム
アイドロイチン点眼液
グルタチオン
コンドロイチン硫酸ナトリウム
コンドロイチン硫酸ナトリウム・
塩酸ナファゾリン
シアノコバラミン
○
コンドロン点眼液
ムコロイド点眼液
○
コンドロンナファ液
イセイ-日本点眼薬
4.5∼6.5
−
×
×
10分後
日本点眼薬
4.0∼7.0
○
○
×
5分後
参天
4.5∼6.0
○
×
×
30分後
科研
5.0∼6.5
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.5
○
×
×
15分後
科研
5.0∼6.5
コバラム
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.5∼6.5
サンコバ点眼液
○
○
×
5分後
参天
5.5∼6.5
ソフティア点眼液
○
○※
×
5分後
千寿-武田
6.5∼7.5
ビタコバール点眼液
○
○※
×
5分後
東亜薬品-日東メディック
5.5∼6.5
ファルコバ点眼液
○
○*
×
5分後
ファルマー
5.5∼6.5
6/7
表8 コンタクトレンズ装着剤の点眼可否
保存剤
分類
一般名
スコピゾル15
製品名
○
○※
アイケア0.1
○
×
×
15分後
○
×
○*
○
○
○
○※
×
5分後
○
×
×
10∼15分後
○
ヒアール点眼液0.1
ヒアレイン
○
○
○
−
ヒアレインミニ
ヒアロンサン0.1
○
FAD点眼液T(フラビンアデニンジヌク
レオチドナトリウム)
その他
フラビンアデニンジヌクレオチド
5分後
pH
千寿-武田
6.7∼7.7
科研・テイカ製薬
6.0∼7.0
5分後
千寿-武田
6.5∼7.5
×
5分後
ファルマー
6.0∼7.0
×
5分後
参天
6.0∼7.0
参天製薬
6.0∼7.0
東亜薬品-日東メディック
6.0∼7.0
日東メディック
6.0∼7.0
FAD点眼液サンテン(フラビンアデニン
ジヌクレオチドナトリウム)
○
○
○
×
5分後
参天
4.5∼6.0
ビタスト0.1%点眼液(フラビンアデニン
ジヌクレオチドナトリウム)
○
○
○※
×
5分後
千寿-武田
5.0∼6.0
フラビタン点眼液(フラビンアデニンジ
ヌクレオチドナトリウム)
○
○
×
×
5∼10分後
トーアエイヨー-山之内
4.5∼6.0
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼7.0
○
○
×
×
10分後
日本点眼薬
5.0∼6.0
○
○
×
×
5分後
わかもと
4.5∼6.0
日本点眼薬
5.0∼6.0
参天
5.5∼6.5
日点FA点眼液(フラビンアデニンジヌ
クレオチドナトリウム)
フラビンアデニンジヌクレオチドナ ムコティア点眼液
トリウム・コンドロイチン硫酸ナトリ
ウム
ムコファジン点眼液
ミオピン
ハード
会社名
CLをはずして点眼した
場合の再装着までの
ソフト
時間間隔
スコピゾル15
ティアバランス0.1%点眼液
ヒアルロン酸ナトリウム
点眼の可否
グルコン
塩化ベンザ
クロロ 酸 クロル 臭化ベンザ ソルビン
パラベン類
ルコニウム
ブタノール ヘキシジ ルコニウム
酸
ン
マイピリン
○
×
×
10分後
ミオピン
○
○
×
5分後
×
×
10分後
日本点眼薬
×
×
10分後
日本点眼薬
メチルセルロース
メトロール
ヨウ素
PA・ヨード液
○
注意)散瞳薬については5,6時間効果が持続するためコンタクトの装着に関してはドクターの判断による
7/7
−
あじさい Vol.10,No.1,2001
6) 榎 本 ら . 点 眼 薬 の さ し 方 ; 調 剤 と 情 報
9:3.107,2003
CL として一般的に使用されているのは、HCL、
7) 点眼薬 常識と非常識
RPHCL、SCL です。
8) 添付文書
HCL は、科学的に安定性が高く疎水性の素材
9) 上林ら.コンタクトレンズ装用時の患者指導
で、一般的には薬物の吸着はないとされています。
について;JJSHP30:1.77,1994
従って目薬による物理的な影響は受けにくく、CL
10) 各メーカー回答
を装着したまま使用可能です。但し、目薬をさし
11) 横浜レディース会.OTC 薬販売における実践
た後、レンズと角膜の間に薬剤が少しの間留まる
問題集[7]−目薬−;調剤と情報
ため、さしたときに刺激や点眼後ゲル化する薬剤
5:10.143,1999
についてはコンタクトをはずして点眼します。
12) http://www.aime.jp/
SCL は水を含みやすく、酸素透過性がよいレン
13) http://www.kuraray-contact.com/
ズです。材質が親水性であるため、薬剤、防腐剤、
14) http://www.nipponcl.co.jp/
色素などが吸着されやすいといわれています。こ
15) http://acuvue.jnj.co.jp/index.htm
のような様々な物質の吸着に伴って、SCL は物理
16) http://www.ciba-vision.co.jp/
的影響を受けやすいと考えられるため、コンタク
17) http://www.seed.co.jp/
ト装着時に点眼不可となっています。但し、レン
18) http://www.toray.co.jp/cl/
ズに吸着されない防腐剤配合のもの、あるいは防
19) http://www.bausch.co.jp/
腐剤配合されない人工涙液の目薬は SCL 装着中
20) http://www.vc.hoya.co.jp/
でも使用可能です。
21) http://www.vc.hoya.co.jp/
CL 装着時の目薬の点眼については、CL の素材
22) http://www.rohto.co.jp/iq/index.htm
によってもことなりますが、CL 装着中の点眼薬
23) http://www.santen.co.jp/health/contact.sht
使用については「禁忌」であるという考え方が一
ml
般的です。実際の臨床の場においては、患者の
QOL を考えると、CL を装着したままで点眼薬を
余儀なくされる症例が多々あると思います。
その場合には、
<編集後記>
① 防腐剤が含有されていない点眼薬を選択する
コンタクトレンズ装着中の点眼薬使用につい
② 点眼後5分以上間隔をあけCLを再装着する
て議論の尽きないところですが、今回のあじさ
③ 定期検査を実施する
いでは安全性と危険性についてまとめてみま
などにより比較的安全に点眼液を使用すること
した。添付文書の情報が少ないことに驚きまし
が可能です。
た。防腐剤の含有量は、過敏症の発現だけでな
但し、トラブルがCL装着自体に原因がある場
くCLへの影響がありますので、種類だけでな
合、あるいは感染が疑われる場合は即刻CLをは
く濃度の記載が望まれます。また、コンタクト
ずすよう指示すべきです。
レンズ使用者の点眼薬使用についての注意事
♪♪♪♪♪まとめ♪♪♪♪♪
項の記載については殆どの製剤でなされてい
ないので、患者指導のためにも早急に添付文書
への記載が必要であると感じました。
先生方の参考資料として使用して頂ければ幸
いです。
<参考文献>
1) 点眼剤―製剤設計と服薬指導:参天製薬株式
会社資料
2) 小玉ら.コンタクトレンズ装用上における点
眼しようの安全性について;あたらしい眼科
17:2.267,2000
3) 小玉.コンタクトレンズと点眼薬;あたらし
い眼科 17:7.945,2000
4) 前田ら.点眼の基礎と市販薬の留意点;調剤
と情報 8:3.65,2002
5) 河野ら.点眼剤の適正使用;医薬ジャーナル
36:9.143,2000
発行者:富田薬品(株)
医薬営業本部
池川登紀子
お問い合わせに関しては当社の社員又は、下記
までご連絡下さい。
TEL
(096)373-1141
FAX
(096)373-1132
E-mail [email protected]
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