研究開発状況 富山化学工業株式会社 専務取締役 真田秀夫 2003/01/30 新薬パイプライン 開発番号 薬 効 共同開発会社 開発段階&地域 備 考 T-614 抗リウマチ剤 (経口剤) エーザイ 申請準備中(国内) PⅡa終了(南ア) PⅡ 終了(南ア) 2003/03申請予定 申請予定 TN-3262a キノロン系合成抗菌剤 (点眼剤) ニデック PⅢ( Ⅲ(国内) Ⅲ(国内) 2004/03申請予定 申請予定 T-3811 ニュータイプのキノロン系 合成抗菌剤 (注射&経口) ブリストル・ マイヤーズ T-588 アルツハイマー型 痴呆症治療剤 (経口) 自 社 T-3912 ニュータイプのキノロン系 合成抗菌剤 (外用剤) マルホ 抗リウマチ剤 自社 T-5226 (AP-1 阻害剤) 阻害剤 経口 PⅢ Ⅲ (国内) 国内) 注射 PⅠ Ⅰ (国内) 国内) 欧米はBMSへ へ導出 欧米は 経口&注射:PⅢ( 経口&注射: Ⅲ(欧米) Ⅲ(欧米) 緑内障、ALSに対 に対 緑内障、 PⅡ(日本) PⅡ(日本) PⅡa終了(イギリス) PⅡ 終了(イギリス) する有効性の期待 非臨床試験 欧米はフェレール社 (スペイン)へ導出 科学技術振興事業 非臨床試験準備中 団からの委託事業 2003年 年1月現在 T-614 O O C3HSO2NH NHCHO O 対象疾患:慢性関節リウマチ TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-614 • 抗リウマチ薬 (DMARDs :疾患修飾性抗リウマチ薬) – 申請準備中(日本:エーザイと共同開発) – PhaseⅡa終了(南ア:自社) • 薬によるリウマチ(RA)治療の現状 – 発症早期からすでに骨破壊が進行してい るため、現在は早期からのDMARDs使用 が主流 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-614の特徴 1. 各慢性関節リウマチの動物モデルに有効 アジュバント関節炎、コラーゲン関節炎並びに自然発生性自己免疫 疾患モデルマウスにおいて、T-614は関節炎症状や関節破壊を抑制 した 2. 免疫グロブリンの産生抑制作用 T-614は免疫グロブリンの産生を抑制し、慢性関節リウマチで見られ るリウマチ因子の亢進を改善する 3. 炎症性サイトカインの産生抑制作用 T-614は、各種炎症性サイトカイン(インターロイキン1、6、8、TNF) の産生を抑制し、抗関節炎作用及び滑膜細胞の活性化を抑制する TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-614の臨床的特徴 1) 臨床第Ⅱ相試験における最終全般改善度は約60%に達し、 メトトレキサート(リュウマトレックス® )等のストロング DMARDsで得られている結果に匹敵する 2) 患者の印象を早期に改善し、疼痛、腫脹、ESR、CRPの改 善も認められる 3) 免疫グロブリン及びリウマチ因子の改善が認められる TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 用量設定試験 <最終全般改善度> ◎ 前治療有無別(抗リウマチ薬) 抗リウマチ薬あり H群78.6%、L群55.5%、C群6.3% 抗リウマチ薬なし H群70.6%、L群62.5%、C群14.6% ◎ クラス別(機能障害度別) 1→ 3(軽→ 重) クラス1 H群100.0%、L群50.0%、C群 0.0% クラス2 H群 72.2%、L群61.5%、C群15.4% クラス3 H群 66.7%、L群62.5%、C群 9.1% *H群:75mg、L群:50mg、C群:プラセボ TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-614の臨床第Ⅲ相試験 <ダブルブラインド試験> 対照 : プラセボ 既存DMARDs薬 <結果> ・ プラセボに対し優越性が検証された ・ 対照薬剤に対して非劣性が検証された 現在申請準備中である TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. キノロン系合成抗菌剤 T-3811 (BMS-284756, Garenoxacin (USAN)) T-3811ME (BMS-284756-01, Garenoxacin Mesylate) 海外:Phase Ⅲ (経口及び注射剤)(BMS:Bristol-Myers Squibb) 日本: Phase Ⅲ(経口剤)(ブリストル・マイヤーズと共同開発) Phase Ⅰ(注射剤)(ブリストル・マイヤーズと共同開発) TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-3811MEの化学構造的特徴 H 6 HN Me 7 5 8 O COOH N O T-3811ME 5 N 7 A 1 CHF2 F 6 8 O COOH N 1 R1 •CH3SO3H•H2O ニューキノロン (フルオロキノロン) ・ 従来のニューキノロン剤で必須と考えられていた 6位フッ素置換基がない(水素体) ・ 7位イソインドリニル基(7位炭素ー炭素結合) TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 抗感染領域の問題点 耐性菌の存在 ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) ペニシリン耐性インフルエンザ菌 小児科領域でのPRSP ・小児への適応制限(ニューキノロン系合成抗菌剤) TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-3811MEの特徴 抗菌活性・抗菌スペクトル ・ PRSP,MRSA PRSP MRSA,VRE MRSA VRE等のグラム陽性菌に強い抗菌活性 VRE ・マイコプラズマ属,クラミジア属にも強い抗菌活性 体内動態 ・経口吸収良好 ・血中・組織内濃度が高く持続(1 ・血中・組織内濃度が高く持続(1日1回投与) 副作用の低減 ・中枢作用 ・光毒性 ・ 関節毒性 経口剤だけでなく注射剤としても開発中 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 臨床分離株に対する抗菌活性 Organism MIC90(μg/mL) T-3811 CPFX (バイエル) LVFX (第一) Trovafloxacin (ファイザー) S. aureus (MRSA) (51) 0.025 1.56 0.39 0.1 S. pneumoniae (PISP, PRSP) (23) 0.05 1.56 1.56 0.1 E. faecalis, E. faecium (VRE) (21,3) 3.13 50 50 25 B. fragilis (24) 0.78 25 6.25 1.56 0.0313 0.0313 0.008 * 0.0156 1 0.5 * 0.0156 1 0.125 * Legionella sp. (15) M. pneumoniae (10) C. trachomatis D/UW-3/Cx 0.0156 0.25 0.031 * * MIC (μg/mL) ・ MRSA, PRSP , VRE などの多剤耐性グラム陽性菌に対し,強い抗菌活性を示す ・ 幅広い抗菌スペクトラムを有する (マイコプラズマ,クラミジアなど) TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. マウス肺炎モデルにおける治療効果 試験菌 化合物 a) ED 50 MIC (μg/ml) (mg/mouse) S. pneumoniae D-979 T-3811ME 0.032 (PRSP) 4 5.5×10 CFU /mouse CPFX(バイエル) 1 LVFX(第一) Trovafloxacin (ファイザー) 0.0278 b) 95%信頼限界 0.0180-0.0479 b) 0.525 0.331-1.618 1 0.537 0.365-1.113 0.063 0.0372 0.0261-0.0600 a) 経口投与 b) T-3811換算 PRSPによるマウス肺炎モデルに対し、優れた治療効果を有する。 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 間代性痙攣発現率( %) 間代性痙攣発現率( %) 痙攣誘発作用(マウス脳室内投与) 単独投与 100 50 × × 0 0.1 10 1 100 ビフェニル酢酸(1μg/mouse)併用投与 100 × 50 0 × 0.1 × × 10 1 100 投与量(μg/mouse) T-3811ME Ofloxacin Trovafloxacin Norfloxacin Sitafloxacin Ciprofloxacin Olamufloxacin TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 光毒性試験 モルモット,100 mg/kg 静脈内投与 (UVA:10 J/cm2照射) 2.5 : 24 時間後 平均評価点 2.0 : 48 時間後 1.5 1.0 0.5 0.0 T-3811ME 評価点 Ciprofloxacin Levofloxacin 0 : 肉眼的に変化なし 1 : 軽度又はまばらな紅斑 2 : 中等度の紅斑 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 関節毒性 (幼若ラット) 化合物 T-3811 Levofloxacin Ciprofloxacin 投与量 (mg/kg) 関節軟骨での水疱形成 肘関節 膝関節 300 0/5 0/5 900 0/5 0/5 300 3/5 0/5 900 4/5 5/5 900 0/5 0/5 1日1回 7日間 経口投与 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 関節毒性 (幼若イヌ) 化合物 T-3811ME 38 (30) Ciprofloxacin 35 (30) ・HCl Norfloxacin 関節軟骨の組織学的異常発現例数 投与量 (mg/kg) 肩 肘 手根 股 膝 足根 a) 0/3 0/3 0/3 0/3 0/3 0/3 a) 3/3 1/3 1/3 3/3 2/3 0/3 3/3 0/3 0/3 3/3 3/3 2/3 30 1 週間反復静脈内投与 a ) :遊離塩基換算 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. 臨床効果 (41ST ICAAC, Dec., 2001) ・ Community-Acquired Pneumonia (CAP:市中肺炎) 1日1回 400 mg 投与 10日間 有効率 細菌学的効果 91% (161/176) 89% (178/199) ・ Acute Exacerbation of Chronic Bronchitis (AECB:慢性気管支炎の急性増悪) 1日1回 400 mg 投与 有効率 細菌学的効果 88% (123/140) 86% (140/163) 5日間投与 93% (133/143) 92% (138/150) 10日間投与 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-5226(AP-1阻害剤) 転写因子 AP-1(Activator Protein-1 )をターゲットとした炎 症疾患治療剤の開発 <対象疾患> 慢性関節リウマチなどの間葉系細胞が過剰増殖する 難治性疾患 神戸大学:塩澤俊一教授、北里大学:広野修一教授との共同研究 本研究は,2000年3月31日に,科学技術振興事業団委託開発事業 として採択された。 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. T-5226のメカニズム 刺激 細胞では…… 刺激受容体 細胞膜 AP-1の過剰発現 核膜 T-5226 〈過剰産生〉 炎症性サイトカイン IL-1β β,IL-6, TNF-α α等 翻訳開始 mRNA AP-1の結合部位 遺伝子情報 サイトカイン 酵素 種々蛋白 蛋白 組織破壊性酵素 MMP-1 (コラゲナーゼ) MMP-3 (ストロムライシン) 関節,骨破壊 関節,骨破壊 他 他 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. AP-1(Fos/Jun)とDNAとの複合体のX線結晶構造 c-Jun c-Fos DNA J.N.M. Glover and S.T. Harrison, Nature, 1995, 373, 257-261 TOYAMA CHEMICAL CO., LTD. その他AP-1の関連が予想される疾患 慢性関節リウマチ 虚血性心疾患 (心筋梗塞等) AP-1阻害剤 骨代謝疾患 中枢を含めた 虚血性神経疾患 (脳梗塞など) 中枢興奮性疾患 (てんかん等) アルツハイマー病 癌 腎疾患 (糸球体腎炎) TOYAMA CHEMICAL CO., LTD.
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