#4827 スマートフォンの現状と モバイルビジネス市場の動向 目次 1.はじめに 1 2.データにみる携帯電話市場 1 3.スマートフォンの利用実態 3 4.各キャリアの主なスマートフォン 7 5.モバイルビジネス市場の動向 8 1.はじめに 内閣府「消費動向調査」によると、携帯電話の普及率は2010年3月末時点で92.4%に達 し、携帯電話は多くの人にとって生活に欠かせないものとなっています。 ■内閣府消費動向調査■ http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html 携帯電話サービスは音声通話に始まり、その後、電子メールの送受信、携帯電話用ウェ ブサイトの閲覧、カメラ機能、音楽再生機能、決済機能、GPS機能、ワンセグ放送受信機 能など次第に高度化し、それに対応した携帯電話端末が次々に開発されてきました。 こうした中、最近人気が高まっているのがスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末で す。スマートフォンの特徴は、無線LANネットワーク接続機能を備え、パソコン用ウェブ サイトの閲覧ができるフルブラウザーやパソコンで作成された各種文書ファイルの閲覧・ 編集などができ、パソコンと同様に使いたいソフトを自由にインストールすることも可 能なことです。代表的なスマートフォンは、国内で2008年7月に発売されたApple社の 「iPhone 3G」、同じく2009年6月に発売された「iPhone 3GS」(販売:ソフトバンク) ですが、国内外のさまざまなメーカーがスマートフォンの開発にしのぎを削っています。 足元では、2010年4月にSony Ericsson社の「Xperia」(販売:NTTドコモ)が発売され、 市場の注目が集まっています。 以降では、業界団体などのデータを基に、国内の携帯電話市場の概況について紹介し た後、スマートフォンに注目して、その現状と今後の展望を考えていきます。 2.データにみる携帯電話市場 1)携帯電話・PHSのキャリア別契約数 (社)電気通信事業者協会「携帯電話事業者別契約数」によると、携帯電話・PHSの キャリア別契約数の推移(全国)は下表の通りです。 【携帯電話・PHSのキャリア別契約数の推移(全国)】 (単位:件、%) 年度 2006年度 NTTドコモ au 携帯電話 ソフトバンク TU-KA EMOBILE PHS ウィルコム 全国合計 52,621,100 27,316,800 15,908,500 871,500 4,527,100 101,245,000 2007年度 2008年度 2009年度 シェア シェア シェア シェア 52.0 53,387,700 49.7 54,600,700 48.7 56,082,100 48.2 27.0 30,105,100 28.0 30,842,800 27.5 31,872,400 27.4 15.7 18,586,200 17.3 20,632,900 18.4 21,876,600 18.8 0.9 234,100 0.2 411,500 0.4 1,410,200 1.3 2,351,800 2.0 4.5 4,615,300 4.3 4,563,400 4.1 4,112,500 3.5 100.0 107,339,900 100.0 112,050,000 100.0 116,295,400 100.0 (出所:(社)電気通信事業者協会「携帯電話事業者別契約数」を基に作成) (注)1.TU-KAは2008年3月にすべての携帯電話サービスを終了しました。 2.EMOBILEは2007年3月に携帯電話サービスを開始しました。 3.NTTドコモは2008年1月にすべてのPHSサービスを終了しました。NTTドコモのPHSの契約数は割愛しています。 -1- 2009年度末時点の携帯電話・PHSの契約数のシェアをみると、NTTドコモが48.2%、au が27.4%、ソフトバンクが18.8%となっています。これら3社のグループを「3大キャリ ア」といいます。第1位のNTTドコモは「番号ポータビリティ制度」が開始された2006年 以降、シェアを落としています。これは、NTTドコモから他社への利用者の流出が、他社 からNTTドコモへの利用者の流入を上回っているためです。 ■(社)電気通信事業者協会■ http://www.tca.or.jp/ 2)3大キャリアのエリア別契約純増数 (社)電気通信事業者協会「携帯電話事業者別契約数」では、3大キャリアのサービス 提供エリア別に契約件数を毎月公表しています。3 大キャリアのエリア別契約純増数 (2009年4月∼2010年3月)は下表の通りです。 【3大キャリアのエリア別契約純増数(2009年4月~2010年3月)】 (単位:件) 年月 北 海 道 東 北 関 東 東 海 北 陸 関 西 中 国 四 国 九 州 全 国 NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク NTTドコモ au ソフトバンク 2009年 4月 2009年 5月 2009年 6月 2009年 7月 2009年 8月 2009年 9月 3,500 2,300 1,800 3,900 4,200 700 3,100 2,400 1,500 3,000 4,300 4,100 1,500 2,000 1,100 1,100 400 300 2,500 3,200 2,400 3,300 6,500 1,300 4,000 3,300 2,900 3,500 5,200 5,600 1,600 1,700 2,500 2,300 -300 100 42,700 45,600 67,600 86,100 50,200 49,800 29,000 26,200 29,000 29,000 34,000 52,900 70,800 69,500 86,600 107,800 95,900 89,400 6,600 -100 8,100 11,000 9,400 -700 400 2,200 1,600 1,800 7,800 6,800 2,400 3,500 4,000 4,700 1,500 2,900 1,200 900 1,400 1,700 2,000 800 900 500 1,200 800 2,000 1,600 400 400 500 100 300 500 13,300 -900 11,600 13,600 15,500 2,500 8,000 6,600 2,000 9,000 10,200 14,100 17,100 16,800 13,600 16,400 14,900 11,900 3,700 1,300 6,000 6,900 6,400 4,600 3,100 3,300 1,500 2,100 3,200 4,700 2,100 2,300 100 900 0 300 2,700 1,700 2,300 2,900 3,000 1,100 1,400 1,500 1,000 1,400 2,300 2,400 1,500 1,500 500 500 100 700 13,100 7,600 11,200 14,100 15,800 5,900 5,400 4,400 2,400 4,600 7,500 8,800 8,000 7,300 4,000 3,800 2,300 1,900 89,300 61,600 112,400 143,500 113,000 66,000 55,300 50,400 43,100 55,200 76,500 101,000 105,400 105,000 112,900 137,600 115,100 108,000 2009年 10月 1,400 900 100 1,700 1,700 -100 40,400 12,100 72,500 -700 2,000 5,300 1,000 500 200 3,700 3,500 14,200 1,300 1,000 1,700 1,800 900 600 4,700 3,800 3,000 55,300 26,400 97,500 2009年 11月 2009年 12月 2010年 1月 2010年 2月 2010年 3月 合計 1,500 4,900 3,500 3,200 13,000 43,900 4,100 4,200 2,000 4,400 16,400 50,400 0 2,800 3,300 2,000 -12,500 2,100 2,600 3,900 8,300 8,200 29,700 73,600 3,900 3,500 4,800 6,700 23,900 69,000 1,200 2,800 4,800 1,700 -28,000 -9,700 36,300 67,500 65,700 67,200 151,200 770,300 30,900 27,700 25,600 60,700 117,600 474,700 57,900 108,700 106,300 98,600 15,000 979,000 1,600 11,200 4,400 10,600 36,900 98,300 4,200 4,500 3,400 10,800 30,000 75,500 8,600 14,600 18,600 1,200 -4,500 62,800 1,000 2,100 2,100 4,000 10,900 29,100 1,200 800 700 2,200 8,200 20,600 700 1,600 2,200 11,300 -50,100 -31,900 2,300 18,900 3,300 20,900 50,700 155,400 11,200 9,700 5,100 15,500 45,600 140,500 13,900 21,700 33,100 19,000 3,300 195,900 2,100 8,500 3,900 7,700 20,600 73,000 3,600 3,900 3,700 6,400 18,700 55,200 1,700 3,600 4,500 2,900 -13,000 7,100 1,400 4,400 3,200 3,900 10,600 39,000 2,000 1,900 1,100 2,900 7,700 26,500 800 2,000 1,900 1,300 -4,600 6,800 6,600 17,400 13,900 22,700 65,900 198,900 6,700 6,100 4,800 10,100 31,800 96,400 2,700 7,500 10,300 7,800 -27,000 31,600 55,400 138,800 108,300 148,400 389,500 1,481,500 67,800 62,300 51,200 119,700 299,900 1,008,800 87,500 165,300 185,000 145,800 -121,400 1,243,700 (出所:(社)電気通信事業者協会「携帯電話事業者別契約数」を基に作成) (注)1.契約純増数とは、新規契約数と解約数を合計した数値です。 2.auの沖縄セルラー電話(株)の数値は除いています。 ソフトバンクは2010年3月に第二世代(G2)携帯電話サービスを終了したため、解約数 が急増しています。とはいえ、人口の多い関東や関西ではソフトバンクの契約純増数が 他社を圧倒しており、特に関東では2009年4月∼2010年3月の合計で97万9000件と大幅に 伸びています。北海道・東北・東海・北陸・中国・四国・九州ではソフトバンクの契約 純増数は他社を下回っています。 -2- ソフトバンクの新規契約の多くは、他社サービスからの切り替えでスマートフォンで ある「iPhone 3GS」を利用する人といわれます。とはいえ、エリアごとにみるとソフト バンクの人気には偏りがあります。これは、「iPhone3GS」の機能を十分に使えるのは公 衆無線LANスポットなどインフラが充実している人口の多い都市部に限られるためと考え られます。 3.スマートフォンの利用実態 1)「ケータイ白書2010」 ここでは、2009年12月に発刊された「ケータイ白書2010」((社)モバイル・コンテ ンツ・フォーラム監修、(株)インプレスR&D発行)のデータを基に、スマートフォンの 利用実態について紹介します。 「ケータイ白書2010」は、個人の携帯電話利用者3000人に向けた実態調査、スマート フォンユーザー2800人に向けた実態調査、企業1800社に向けたPHS・携帯電話の利用実態 調査、企業のモバイルウェブサイト調査、個人の携帯電話のダウンロード速度を計測す る「モバイルスピード調査」など、250点以上の独自調査データが掲載されています。 ■(社)モバイル・コンテンツ・フォーラム■ http://www.mcf.to/mcf.html ■(株)インプレスR&D■ http://www.impressrd.jp/ 2)スマートフォンの利用状況 「ケータイ白書2010」によると、スマートフォンの利用状況(2009年)は下表の通り です。 【スマートフォンの利用状況(2009年)】 (単位:人、%) 区分 回答者数 利用している 10代 20代 30代 40代 60代以上 50代 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 167 153 345 352 369 398 280 264 203 216 123 134 全体 3,004 3.0 2.0 7.8 1.4 7.9 1.3 7.1 1.5 5.4 1.9 4.1 0.7 4.0 知っているが、 利用したことはない 56.9 43.1 67.5 57.4 67.5 56.8 68.6 59.1 64.5 50.5 56.9 42.5 59.5 知らない /わからない 40.1 54.9 24.6 41.2 24.7 42.0 24.3 39.4 30.0 47.7 39.0 56.7 36.6 (出所:(株)インプレスR&D「ケータイ白書2010」を基に作成) スマートフォンを「利用している」という回答は全体で4.0%を占めています。特に、 20∼40代の男性では、スマートフォンを「利用している」という回答が7%を超えていま す。 また、スマートフォンを「利用している」「知っているが、利用したことはない」の 回答を合わせると、全体で63.5%の人がスマートフォンを認知していることになります。 -3- 3)スマートフォンの魅力 「ケータイ白書2010」によると、スマートフォンの魅力を感じる点(複数回答)は下 表の通りです。 【スマートフォンの魅力を感じる点(複数回答)】 (単位:%) フルブラウザー・パソコン用 ウェブサイトの閲覧 28.2 Bluetooth 10.8 無線LAN 28.1 動画再生 10.5 タッチパネル 23.2 カメラ 10.3 フルキーボード 21.2 GPS機能 10.1 ワードやエクセルなどの ビジネス文書の閲覧・編集 20.4 ゲーム 8.2 ノートパソコンに比べると 小さくて持ち運びが楽 19.2 iPhoneOSのOSとしての操作性 6.4 スケジュールの管理 18.8 App StoreやAndoroid Market の利用 4.0 アプリケーションやソフト、 プログラムのインストール 15.8 ISPのメールの受信 3.9 パソコンやサーバーとの連携 13.5 加速度センサー 3.4 Windows系OSとしての操作性 13.1 モバイルPCモデム 3.3 会社のメールの受信 12.9 AndroidのOSとしての操作性 1.5 音楽再生 12.7 その他 0.3 ノートパソコンに比べると 起動が早い 11.7 特になし 30.4 連絡先の管理 11.3 わからない 10.4 地図アプリケーション 11.2 (出所:(株)インプレスR&D「ケータイ白書2010」を基に作成) (注)回答者は、スマートフォンを認知している1905人です。 スマートフォンの魅力を感じる点について、回答の上位は「フルブラウザー・パソコ ン用ウェブサイトの閲覧(28.2%)」「無線LAN(28.1%)」「タッチパネル(23.2 %)」「フルキーボード(21.2%)」となっています。 スマートフォンの魅力は、高速でインターネットに接続でき、ウェブサイトの閲覧が 快適であることと考えられます。また、「iPhone 3GS」をはじめスマートフォンの多く の機種は、直感的に操作ができるようにタッチパネル式の画面を採用しています。もし くは、Research In Motion社の「BlackBerry」(販売:NTTドコモ)のように、快適に 文字入力できるようにパソコンと同じ配列のキーボードを採用している機種もあります。 ただし、スマートフォンの魅力を感じる点について、最も多い回答は「特になし(30.4 %)」となっています。スマートフォンを認知していても、さほど関心を示さない人も 多いことが分かります。 -4- 4)非利用者のスマートフォン利用意向 「ケータイ白書2010」によると、非利用者のスマートフォン利用意向(2009年)は下 表の通りです。 【非利用者のスマートフォン利用意向(2009年)】 (単位:人、%) 区分 回答者数 10代 20代 30代 40代 50代 60代以上 全体 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 162 150 318 347 340 393 260 260 192 212 118 133 2,885 是非利用したい 6.2 3.3 9.7 1.4 4.4 0.8 3.8 1.5 2.6 0.9 0.0 0.8 3.2 現在所有している携帯電話端末 に追加して購入を検討中 2.5 0.0 0.9 0.3 1.5 0.5 0.8 0.0 2.1 0.0 0.8 0.0 0.8 現在所有している携帯電話端末 から買い替えを検討中 3.1 0.7 3.1 2.0 2.1 1.3 1.5 0.0 1.6 0.5 0.8 0.0 1.5 使ってみたいが、現在所有して いる携帯電話から買い替えるほ どではない 25.3 17.3 25.2 15.9 26.8 16.5 20.8 13.1 27.1 11.8 15.3 15.0 19.4 どちらとも言えない 16.7 20.0 17.6 20.7 20.6 17.3 23.8 27.7 18.8 24.5 22.9 16.5 20.6 利用したいとは思わない 32.7 28.7 36.5 48.4 35.0 47.6 41.9 44.6 38.0 47.6 47.5 49.6 41.8 わからない 13.6 30.0 12.7 6.9 11.2 9.7 16.0 7.3 13.1 9.9 14.6 12.7 18.0 (出所:(株)インプレスR&D「ケータイ白書2010」を基に作成) スマートフォンを「是非利用したい」という回答は全体で3.2%となっています。特 に、20代男性で「是非利用したい」という回答が9.7%と多くなっています。 スマートフォンを「是非利用したい」「現在所有している携帯電話端末に追加して購 入を検討中」「現在所有している携帯電話端末から買い替えを検討中」の回答を合わせ ると、全体で5.5%の人がスマートフォンの利用意向を持っています。 5)スマートフォンを利用しない理由 「ケータイ白書2010」によると、スマートフォンを利用しない理由(複数回答)は下 表の通りです。 【スマートフォンを利用しない理由(複数回答)】 (単位:%) 一般の携帯電話の機能で十分 30.6 端末価格が高い 22.6 使いづらそう 13.4 料金体系が異なる 13.3 大きい 10.7 重い 7.4 iモード、EZweb、Yahoo!モバイルなどのウェブサービスが利用できない 6.2 デザインが悪い 4.9 おサイフケータイやワンセグなどの機能がついていない 4.6 通信サービス会社提供のメールが使えない 3.3 その他 3.2 特にない 21.1 わからない 21.6 (出所:(株)インプレスR&D「ケータイ白書2010」を基に作成) (注)回答者はスマートフォンの非利用者2885人です。 スマートフォンを利用しない理由について、最も多い回答は「一般の携帯電話の機能 で十分(30.6%)」となっています。 -5- 一般の携帯電話の機能が充実しているため、スマートフォンでなくても特に不都合を 感じる人は多くないようです。また、スマートフォンに切り換えることで、キャリアの ウェブサービス(iモード、EZweb、Yahoo!モバイルなど)の利用や、キャリアの提供す る電子メールアカウント(@docomo.ne.jpなど)の利用、少額の決済・ワンセグ放送の受 信など、機能が制約されてしまうことを嫌う人もいるようです。 6)スマートフォンの使用機種ランキング 「ケータイ白書2010」によると、スマートフォンの使用機種ランキング上位(2009年) は下表の通りです。 【スマートフォンの使用機種ランキング上位(2009年)】 (単位:%) 機種 iPhone 3G iPhone 3GS Advanced W-ZERO3[es] WILLCOM 03 W-ZERO3[es] S21HT W-ZERO3 S11HT T-01A HT-03A BlackBerry Bold X02NK X02HT キャリア ソフトバンク ソフトバンク ウィルコム ウィルコム ウィルコム EMOBILE ウィルコム EMOBILE NTTドコモ NTTドコモ NTTドコモ ソフトバンク ソフトバンク メーカー Apple社 Apple社 シャープ シャープ シャープ HTC社 シャープ HTC社 東芝 HTC社 Research In Motion社 Nokia社 HTC社 OS iPhone OS iPhone OS Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Android BlackBerry OS Symbian OS Windows Mobile シェア 24.6 21.5 14.6 6.8 4.5 3.6 3.2 2.7 2.5 2.3 1.2 1.0 1.0 (出所:(株)インプレスR&D「ケータイ白書2010」を基に作成) (注)1.回答者は2886人(単一回答)で、シェアが1.0%以上の機種を紹介しています。 2.OSはオペレーションシステムの略で、プラットフォームとも呼ばれます。 3.OSのバージョンおよびエディションは割愛しています。 2009年は、ソフトバンクの「iPhone 3G」「iPhone 3GS」の2機種で46.1%のシェアと なっており、ほかの機種を圧倒しています。 また、上表に紹介したランキング上位の13機種の内8機種がMicrosoft社のOS「Windows Mobile」を搭載しています。 なお、日本に先行してスマートフォンの普及が進んでいる欧米ではResearch In Motion社の「BlackBerry」やApple社の「iPhone」のほか、Nokia社を中心に採用されてい る「Symbian OS」を搭載した機種、Google社が携帯電話端末や電子書籍端末向けに提供 するOS「Android」を搭載した機種も普及しています。 -6- 4.各キャリアの主なスマートフォン 携帯電話・PHSのキャリア各社ウェブサイト公表資料によると、各キャリアの主なス マートフォン(2010年4月時点、発売予定を含む)は下表の通りです。 【各キャリアの主なスマートフォン(2010年4月時点、発売予定を含む)】 ■NTTドコモ■ 機種 HT-03A T-01A BlackBerry Bold SC-01B Xperia メーカー HTC社 東芝 Research In Motion社 SAMSUNG社 Sony Ericsson社 OS Android Windows Mobile BlackBerry OS Windows Mobile Android 発売時期 2009年7月 2009年6月 2009年2月 2010年2月 2010年4月 メーカー HTC社 シャープ 東芝 OS Windows Mobile Android Windows Mobile 発売時期 2009年5月 2010年6月 2010年6月 メーカー Apple社 HTC社 HTC社 Apple社 SAMSUNG社 東芝 HTC社 OS iPhone OS Windows Mobile Windows Mobile iPhone OS Windows Mobile Windows Mobile Android 発売時期 2008年7月 2008年11月 2008年12月 2009年6月 2009年12月 2009年12月 2010年4月下旬 メーカー HTC社 HTC社 HTC社 HTC社 OS Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile 発売時期 2008年3月 2008年7月 2008年12月 2008年12月 メーカー シャープ シャープ シャープ シャープ OS Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile Windows Mobile 発売時期 2006年7月 2007年7月 2008年6月 2009年11月 ■au■ 機種 E30HT(法人専用モデル) IS01 IS02 ■ソフトバンク■ 機種 iPhone 3G X04HT X05HT iPhone 3GS X01SC X02T X06HT ■EMOBILE■ 機種 S11HT S12HT S21HT S22HT ■ウィルコム■ 機種 W-ZERO3[es] Advanced/W-ZERO3[es] WILLCOM 03 HYBRID W-ZERO3 (出所:各社ウェブサイト公表資料を基に作成) (注)ウィルコムは、2010年2月18日に会社更生法の適用を申請しましたが、 サービス提供は従前通り継続するとしています。 ソフトバンクの「iPhone 3G」「iPhone 3GS」を除き、各キャリアの主なスマートフォ ンはMicrosoft社のOS「Windows Mobile」を搭載している機種が多くなっています。 2010年4月19日時点で、Google社のOS「Android」を搭載したNTTドコモの「Xperia」、 auの「IS01」、ソフトバンクの「X06HT」が発売(発売予定)されています。 なお、Google社が開発に深くかかわり「Android」を搭載した「Nexus One」(メー カー:HTC社)が2010年1月に海外で発売され、人気を集めています。報道によると、 Google社は「Nexus One」の日本での発売に向けた準備を始めているようです。 日本のスマートフォン市場は立ち上がりからまだ間もなく、今後、各キャリアからさ まざまな機種が発売されるに伴い、市場が拡大していくことが考えられます。 -7- ■NTTドコモ「スマートフォン」■ http://smartphone.nttdocomo.co.jp/ ■au「E30HT」■ http://www.kddi.com/business/service/mobile/biz-au/pr/e30ht/ ■au「IS series」■ http://au-is.jp/products/ ■ソフトバンク「iPhone 3GS」■ http://mb.softbank.jp/mb/iphone/ ■ソフトバンク「Xシリーズ」■ http://mb.softbank.jp/mb/product/X/ ■EMOBILE「製品」■ http://emobile.jp/products/#mobile ■ウィルコム「SMART PHONE」■ http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/index.html#01 ■Google社「Nexus One」■ http://www.google.com/phone/ 5.モバイルビジネス市場の動向 1)モバイルビジネスの市場規模 総務省では、近年の携帯電話の広範な普及、携帯電話端末の高速・高機能化、通信料 金体系の変化などを背景に、急速に拡大するモバイルビジネス市場の動向に関する調査 を(社)モバイル・コンテンツ・フォーラムに委託して行っています。 2009年7月に公表された、総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結 果」によると、モバイルビジネス市場規模の推移は下表の通りです。 【モバイルビジネスの市場規模の推移】 (単位:億円、%) 2005年 年 モバイルビジネス市場全体 モバイルコンテンツ モバイルコマース 2006年 対前年 比 7,224 3,150 4,074 2007年 対前年 比 139.0 121.0 157.1 9,307 3,666 5,641 128.8 11,601 116.4 4,272 138.5 7,329 2008年 対前年 比 124.6 13,524 116.5 4,835 129.9 8,689 対前年 比 116.6 113.2 118.6 (出所:総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」を基に作成) なお、総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」は、以下の総 務省「報道資料一覧」の2009年7月から確認することができます。 ■総務省「報道資料一覧」■ http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/ -8- モバイルコンテンツ市場は、「着メロ系」「着うた系」「モバイルゲーム」「装飾メー ル」「電子書籍」「リングバックトーン」「占い」「待ち受け系」「きせかえ」「天気 /ニュース」「交通情報」「生活情報」「アバター/アイテム販売(SNSなど)」「その 他」で構成され、2008年の市場規模は4835億円(対前年比113.2%)となっています。ま た、モバイルコマース市場は、「物販系」「サービス系」「トランザクション系」で構 成され、2008年の市場規模は8689億円(対前年比118.6%)となっています(それぞれの 詳細は後述します)。 なお、モバイルビジネス市場全体の2008年12月時点における公式サイト数は1万9364サ イトで、事業者数は4704社となっています。 2010年4月に公表された、総務省「平成21年通信利用動向調査」によると、携帯電話な どからインターネットを利用している人口は8010万人(対前年比106.7%)と増加してい ます。こうした背景から、モバイルビジネスの市場規模は拡大を続けています。 なお、総務省「平成21年通信利用動向調査」は、以下の総務省「通信利用動向調査」 から確認することができます。 ■総務省「通信利用動向調査」■ http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 2)モバイルコンテンツの市場規模 総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」によると、モバイル コンテンツの市場規模の推移は下表の通りです。なお、モバイルコンテンツの市場規模 は、各サービスの利用に対する課金額を表しています。 【モバイルコンテンツの市場規模の推移】 (単位:億円、%) 2005年 年 着メロ系 着うた系 モバイルゲーム 装飾メール 電子書籍 リングバックトーン 占い 待ち受け系 きせかえ 天気/ニュース 交通情報 生活情報 アバター/アイテム販売(SNSなど) その他 合計 2006年 対前年 比 1,048 562 589 14 16 13 123 236 51 74 27 397 3,150 89.8 279.6 143.0 700.0 533.3 216.7 119.4 104.9 113.3 115.6 142.1 111.5 121.1 843 759 748 55 69 29 158 248 3 63 125 45 5 516 3,666 2007年 対前年 比 対前年 比 80.4 135.1 127.0 392.9 431.3 223.1 128.5 105.1 123.5 168.9 166.7 130.0 116.4 559 66.3 1,074 141.5 848 113.4 116 210.9 221 320.3 87 300.0 182 115.2 227 91.5 23 766.7 73 115.9 164 131.2 54 120.0 60 1200.0 584 113.2 4,272 116.5 2008年 対前年 比 473 1,190 869 171 395 110 200 229 64 78 206 77 157 616 4,835 84.6 110.8 102.5 147.4 178.7 126.4 109.9 100.9 278.3 106.8 125.6 142.6 261.7 105.5 113.2 (出所:総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」を基に作成) (注)1.天気/ニュースは、天気情報、時事・金融・芸能などのニュース情報サービスです。 2.交通情報は、ナビゲーション/地図情報、乗り換え駅の検索などの交通情報サービスです。 3.生活情報は、辞書、学習、健康情報などのサービスです。 4.アバター/アイテム販売(SNSなど)のアバターは、ソーシャルネットワーキングサービスの コミュニケーションサイトなどで用いられるキャラクターをいい、アイテムはゲームサイト などで購入可能な道具類をいいます。 -9- 近年のモバイルコンテンツ市場は、携帯電話の着信音をダウンロードする「着メロ系」 を除いて拡大傾向にあります。 近年は、楽曲をダウンロードする「着うた系」、「モバイルゲーム」、「電子書籍」 の人気が高まっており、2008年の市場規模は「着うた系」が1190億円、「モバイルゲー ム」が869億円、「電子書籍」が395億円となっています。また、メニュー画面のアイコ ンなどを自由に切り替えられる「きせかえ」や、「アバター/アイテム販売(S N S な ど)」の利用も急増しており、「きせかえ」は2006年に3億円であった市場が2008年には 64億円に、「アバター/アイテム販売(SNSなど)」は同じく5億円であった市場が157億 円に拡大しています。 3)モバイルコマースの市場規模 総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」によると、モバイル コマースの市場規模の推移は下表の通りです。なお、モバイルコマース市場は、通信販 売などの「物販系」、興行チケットや旅行宿泊などの予約・購入などの「サービス系」、 証券取引・公営競技(競馬やサッカーくじなど)・オークションを行う場合などの手数 料収入の「トランザクション系」で構成されます。 【モバイルコマースの市場規模の推移】 (単位:億円、%) 2005年 年 物販系 サービス系 トランザクション系 合計 2006年 対前年 比 1,542 1,646 886 4,074 159.1 139.1 200.9 157.1 2007年 対前年 比 2,583 1,945 1,113 5,641 167.5 118.2 125.6 138.5 2008年 対前年 比 3,292 2,806 1,231 7,329 127.4 144.3 110.6 129.9 対前年 比 3,770 3,497 1,422 8,689 114.5 124.6 115.5 118.6 (出所:総務省「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」を基に作成) 近年のモバイルコマース市場は、「物販系」「サービス系」「トランザクション系」 ともに拡大傾向にあります。 「物販系」では、ファッション、美容、健康食品などのほか、低価格の家電なども人 気を集め、実店舗を持つ家電やアパレルなどの専門店も市場に参入し始めています。 「サービス系」では、予約購入、改札、チェックインができる方法として、特に交通 系の市場が増加しているとみられます。 「トランザクション系」は、伸び率が鈍化しています。これは、中心となる証券取引 の売り上げが業界全体として伸び悩んでいるためと考えられます。 -10- 4)(社)モバイル・コンテンツ・フォーラムによる今後の展望 (社)モバイル・コンテンツ・フォーラム2009年7月17日付プレスリリースによると、 モバイルビジネスの今後の展望は以下の通りです。 モバイルコンテンツ分野では、書籍、音楽C D など既存のパッケージであったものを携帯電話経由で 楽しむことのできる「着うたフル市場」、「電子書籍市場」が引き続き拡大しています。 また、アバターやアイテム購入など今まで見られなかったサービスも利用が拡大しています。ま た、これまでエンターテイメント系に注目が集まっていたモバイルコンテンツですが、サービス開始 当初から需要のあった実用系のコンテンツも順調に成長しており、ナビゲーションや交通検索などの 「交通情報市場」をはじめ、女性向けに特化した医療情報サービスの登場など、パーソナルな特徴を 生かした実用的なサービスが広がりをみせています。常に持ち歩く携帯電話の、こうした実用的な利 用シーンはこれからも継続していくものと思われます。 その他、コンテンツ分野では今後期待されている分野のひとつには「動画」の普及が考えられてい ます。国内だけでなく、海外での普及にも期待があり、市場はさらに活性化していくものと考えられ ます。 モバイルコマース市場では、物販を注文するネットワーク端末としての認識がすすみ、リアル、 バーチャルを問わず、購入を検討する際の窓口の一つとして定着してきました。この理由として、 2008年9月の金融ショック以降、「より安くお得に買い物をしたい」という消費者にとって、リアル店 舗、P C 、携帯電話などデバイスの違いへのこだわりがなくなってきているのではと予測されます。 シチュエーションに合わせて決済手段、交通チケット等を利用するリアル行動端末への利用は、拡 大を続けており、「サービス系市場」「トランザクション系市場」ともに違和感なく利用され市場も 拡大傾向が続くものと思われます。 今後は、これまでのような端末の普及拡大による市場規模の増大は落ち着いてくるものと思われま す。しかし、LTEやWiMAX、XGPのような次世代高速通信と呼ばれるネットワークやiPhoneに代表される ようなスマートフォンの登場によって、ネットワーク環境や端末の変化が生じることによって、新た な市場でのモバイルコンテンツが誕生してくるものと考えられます。 (出所:(社)モバイル・コンテンツフォーラム2 0 0 9 年7 月1 7 日付プレスリリースより引用) なお、(社)モバイル・コンテンツ・フォーラムによるモバイルコンテンツ関連市場 規模は、以下の(社)モバイル・コンテンツ・フォーラム「MFC発表統計データ」から確 認することができます。 ■(社)モバイル・コンテンツ・フォーラム「MFC発表統計データ」■ http://www.mcf.to/releasedata/ -11- 5)スマートフォン向けコンテンツ市場の足元の動き モバイルビジネス市場では、アプリケーションの開発環境を公開する動きがあります。 これは次世代高速通信ネットワークやスマートフォンの登場など、変化する市場におい て、より多くの優良なコンテンツを囲い込むための戦略の一つと考えられます。 ここでは、スマートフォン向けコンテンツ市場に注目して足元の動きを紹介します。 1.Apple社 「iPhone3GS」を開発・販売しているApple社は、無線LANやキャリアのネットワーク経 由で接続できるアプリケーション販売サイト「App Store」を運営しています。iPhoneの ユーザーはジャンル別、特集別、トップ10リストなどからアプリケーションを検索し、 ダウンロードできます。Apple社は「iPhoneデベロッパプログラム」と呼ばれるiPhoneお よびiPod touch向けのアプリケーションや社内専用アプリケーションを開発・テスト・ 配布するための統合プロセスを提供しています。 2010年4月時点で「App Store」には、全世界で18万を超えるアプリケーション(有料・ 無料を含む)が登録されています。 ■アップルジャパン(株)「App Store」■ http://www.apple.com/jp/iphone/apps-for-iphone/ 2.Google社 携帯電話のOS「Android」を開発・提供しているGoogle社は、Androidの搭載機種向け のアプリケーション配信プラットフォーム「Android Market」を運営しています。Androidの搭載機種のユーザーはジャンル別、特集別のリストなどからアプリケーションを 検索し、ダウンロードすることができます。また、Google社は開発者向けに「Android ソ フトウェア開発キット」を提供しています。 2010年4月時点で「Android Market」には、全世界で3万を超えるアプリケーション (有料・無料)が登録されています。 ■Google社「Android Market」■ http://www.android.com/market/ ■日本語ヘルプ■ http://market.android.com/support/ 以上(2010年6月作成) -12- 本リポートの内容は執筆時点における法令および社会情勢に基づいて 記されています。なお、リポート利用者の経営結果については責を負 いかねますので、ご了承ください。
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