望遠鏡を作って、観る

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望遠鏡を作って、観る
望遠鏡を作って、観る
望遠鏡の原理を理解して、自分の望遠鏡を作っ
てみましょう。そのあと、ガリレオのように望
遠鏡で宇宙を観察してみます。そこにはどんな
世界がひろがっているでしょう。
望遠鏡を発明した人はだれでしょう?以下の中から選んでください。
1. ガリレオ・ガリレイ
2. アイザック・ニュートン
3. だれかわからない
ガリレオ・ガリレイの肖像
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小さな天文学者の会宇宙講座テキスト
望遠鏡をいつ、だれが、発明したかは実はよくわかっていません。もっとも古い記録は
オランダで、ハンス・リッペルヘイという眼鏡職人が特許申請したという記録です。1608
年 10 月のことです。このあと、2、3 週間の間に同様の特許申請があったので、オラン
ダ国会は、この望遠鏡があまりにも複製が簡単な装置であるとして特許を許可していま
せん。
このあと望遠鏡の発明のニュースはまたたくまに全ヨーロッパに広がり、1609 年の夏
には倍率 3–4 倍の小型望遠鏡がパリで売り出されています。日本ではちょうど江戸幕府
が開かれ、江戸時代が始まったころです。もしあなたがこの時代に居て、望遠鏡を買った
として、一体何を見ますか?
さて、このパリで売り出された望遠鏡は何という名前で販売されたでしょう。
(1) スパイめがね (2) 千里眼 (3) 望遠鏡
ガリレオの望遠鏡の写真
オランダで望遠鏡が作られたといううわさは、イタリアにいたガリレオにも伝わりま
した。さっそくガリレオも望遠鏡作りの挑戦します。はじめは、望遠鏡がなぜ遠くのもの
を近くにあるように拡大して見せるのか仕組みがよくわかっていませんでした。しかし、
ガリレオは工夫を重ね、売られている望遠鏡よりもずっと高い倍率の望遠鏡を作ることが
できました。
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望遠鏡を作って、観る
そこで、ガリレオは望遠鏡を空に向けます。そのころ神がいると思われていた天に望遠
鏡を向けるのはちょっと勇気がいると思いませんか?地上でなくて天に望遠鏡を向けると
いうのはなかなかユニークですね。
今日は、私たちも望遠鏡を作って、それで天をながめ、私たちの世界を地上だけでなく
宇宙にまで広げましょう。
実験1
ここに凹面鏡 (真ん中がくぼんだ鏡) があります。凹面鏡の中央に鉛筆を近づけ、凹面
鏡をのぞき込んでみよう。どんな風にみえるだろう?
(ホンモノでぜひ飛び出すえんぴつをみて!)
マジックミラーによる鉛筆の実像
飛び出してくる鉛筆は、ホンモノの鉛筆ではなくて、鏡によって作り出された鉛筆の実像
(じつぞう)です。
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小さな天文学者の会宇宙講座テキスト
実験2
ここに凸レンズがあります。凸レンズの一方に何か物体を置き、反対側からのぞいてみ
ます。どんな風にみえるだろう?
凸レンズの実験装置
3次元的に浮き出された凸レンズによる実像を観察しましょう。
(これもまた、立体的な像をホンモノでみて!)
凸レンズによる実像
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望遠鏡を作って、観る
凸レンズの一方の側に物体を置くと、反対側にその物体の実像ができることを観察しま
した。実像はあたかもそこに物体があるように見えましたね。物体が忽然と場所を変えて
出てきたようなものです。
さて、凸レンズの一方の側に、ろうそくの火を置くと、反対側にろうそくの実像ができ
ます。実像の位置に手をもってゆくと、
1. その位置にろうそくがあるように見えるだけなので、手を持っていっても何もない。
2. その位置にろうそくがあるのと同じなので、手を持って行くと熱い。
凸レンズによる実像
※太陽の実像はそこに太陽があるのと同じですから、そこを見るのは危険です。
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小さな天文学者の会宇宙講座テキスト
下の図のように、凸レンズを土星に向けると、A の位置に土星の実像が現れます。ど
の位置に目を持っていくと土星が観察できますか?
(1) A (2) B (3) C (4) D 望遠鏡の原理 凸レンズの作用によって、遠くにある天体の実像をすぐ手
元に作り出すことができます。手元に現れた天体(の実像)をじっくり観
察すればよいのです。同じことは凹面鏡を使ってもできますね。
凸レンズを使った望遠鏡を屈折式望遠鏡 (あるいは屈折望遠鏡)、凹面鏡を使った望遠
鏡を反射式望遠鏡 (あるいは反射望遠鏡) と呼びます。
土星の輪の直径は、見かけの大きさで言って、24秒角位です。焦点距離が 50cm の
凸レンズを使うと土星の輪の実像の直径は 0.06mm 位です。とても小さくてまるで、微
生物を見るようなものです。この小さな土星をもっと大きく拡大して見るにはどうすれば
よいでしょう。
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望遠鏡を作って、観る
これから作る望遠鏡の原理
凸レンズによって遠くの天体(星や星雲など)の実像を手元に作り出します。
この凸レンズを対物レンズといいます。
もう一つの凸レンズを虫眼鏡のように使い、できた実像を拡大して観察します。
この第2のレンズを接眼レンズといいます。
実際の望遠鏡と実像の作られる様子