Japan Expo 2013 について Japan Expo とは Japan Expo の所感 Japan Expo(ジャパン・エキスポ)とは、漫画・アニメ・ゲーム・音楽など まず会場を歩くとコスプレをしている人を多く見かけた。全身に凝っている の大衆文化と書道・武道・茶道・折り紙などの伝統文化を含む日本の文化 コスプレではジャンプで連載されている BLEACH。簡単なコスプレではこれも をテーマとして 2000 年からフランス・パリ郊外で開催されている日本文化の ジャンプに連載されている ONEPIECE・NARUTO といった面々が多かった。 博覧会である。 ONEPIECE に関しては会場でシャツや登場キャラクターのかぶっている帽子な 同人誌ブースやコスプレイベントもあるものの、実際は企業中心の展示でフラ ンスの各漫画出版社、DVD やグッズ販売会社、大手漫画喫茶、ゲームメーカー、 ビジュアル系などの日本の音楽 CD の輸入会社などが出展しており、漫画家 どの「その場で簡単にできるコスプレ」が多く販売されていることも関係し ているようだった。面識がない人同士でもコスプレを媒介にして会話が生まれ ていた。 のサイン会なども催されている。他に日本文化紹介コーナーとして囲碁将棋 そのほかでは格闘ゲームや RPG などのコスプレをしている人は多くいた。 や模擬縁日、日本の伝統スポーツや書道などの体験コーナーもある。同人ブー チャンバラなどの体験型アミューズメント施設や飲食店ではお寿司屋やお弁当 スには現地のフランス人グループの他、日本から持込で参加している人達な といったものも人気を博していた。(なおこのお寿司は日本的なものだったが ども見られる。また名前は JapanExpo ではあるが韓国のブースなども出展し 後日パリ市内で食べた際には醤油に砂糖が入っていた。) ている。 アニメキャラが使っていた模造刀の販売所ではかなり多くの人が買い求めてい た。なお完成度に関しては少々作りが甘く、日本人が見たら安っぽく感じて しまうだろう。 会場全体はとても広く午前中から二時まで歩き回っても全部は見るのはか Japan Expo 入場者数の推移 ( なり難しい状況だった。多くの人が中庭や窓際などに腰を下ろし休息をしてい た。その意味では少々飲食スペースが少なかったように思う。 ) 250000 200000 150000 100000 ( 50000 0 z2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2004 2003 2002 2001 2000 12 2000 Japan Expo 来場者内訳 ) Japan Expo 2013 について Japan Expo の意義 ●日本文化に関心を喚起する博覧会 参加団体は漫画などのサブカルチャーから 自動車などまで多岐にわたる ●同じものに興味を持つコミュニティーによる「お祭り」 ●一個人が売り手となり自身の作品を発信する ●企業による自社製品の広告宣伝、海外反応をみる市場調査(主に来場者 の多数を占める15 25 歳の若年者層がターゲットとなる。) Japan Expo の展開 ●JAPAN EXPO CENTR 参加団体としては多岐にわたるが その中で盛りあがりを見せていたのは 以下の通りである。 ( オルレアン市・・・パリから電車で 1 時間半 ) ●ゲーム対戦やアニメのオープニングなど動きあるものを大画面で観賞するブース ●JAPAN EXPO BERUGIUM ●複数人数で楽しめるユーザー体験型のブース (ベルギー ブリュッセル市) かつ音や視覚など五感で味わうことができる(チャンバラやファミコンなど) ●JAPAN EXPO SUD ●もともと人気のキャラクターなどを用いた記念撮影や物品など来場した証拠 (フランス マルセイユ) になるブース ●JAPAN EXPO U.S.A. (アメリカ カルフォニア州サンフランシスコ) 博覧会としての Japan Expo の課題 ●現在日本から以外にも韓国や中国からの出展があり、「JAPAN EXPO」と いうより「EAST ASIAN EXPO」の様相を見せている。 ●個人でも自身のものを気軽に出展できる反面、日本で人気のクリエイター のものの偽物を販売して利益を得ているところもある。(著作権保護の チエック体制の問題) ●パリの会場では休憩所のスペースが少ない。 (会場内の地面や階段に座り込んでいたり外の庭などにも人があふれか えっていた。夏は雨が少ないため対策が少ないと思われる) Japan Expo の中で今回私たちが 注目したのは以下の二つのコンテンツである。 ①ロリータファッション・原宿系ファッションなど ②餓狼(パチンコ) Japan Expo 2013 について ファッションについて 会場では「アニメ・ゲーム」など以外にもロリータファッションなどと呼ばれ るの格好の女性が多くいた。 また日本の着物をドレス調にしたブースも人を集めていた。 ロリータファッションとは ロリータ・ファッション (Lolita Fashion) とは、日本独自のファッションを中 他国との繊維業の 輸出入の割合の比較 →日本は圧倒的に輸出の割合が少ない 海外展開の事例 心としたムーブメントである。少女のあどけないかわいらしさ、小悪魔的な美 しさを表現したスタイルであり、欧米文化への憧れと想像力をエンジンに、 懐古的でありながらも全く新しい日本独自の解釈を加えた、ティーンを中心と したストリートファッションである。日本だけではなく、諸外国からも注目を 集めている。 日本企業の中では少数ながら海外展開に成功し、 その売上比率を伸ばしつつある企業も存在する ●ファーストリテイリング(2011年)売上高 9,286億円 海外売上高 2,120億円 海外売上高比率 22.8% 現在の「ファッション」を めぐる情勢 現在世界で最もクリエイティブな国は日本 世界で最もクリエイティブな都市は東京である。 出典:state of create study ●ワコールホールディングス(2011年)売上高 1,718億円 海外売上高 223億円 海外売上比率 13.0% ●良品計画(2012 年 2 月期)売上高1775億円 海外売上高 304 億円 海外売上高比率 17.2% ●ハニーズ(2011年度)売上高 598億円 海外売上高 73億円 海外売上比率 12.2% 日本としては Japan Expo などの個人が出展しやす い環境において著作権の保護に留意しつつ一人一人 が自らが制作した個人ブランドを売り出すことを奨 励していく必要があると考える。 「ファッション・メイクにおいて影響を受けている国はどこか」という意識調 査では、日本は それなりの人気があり、特に中華圏では良い。特に東南ア ジア(ホーチミン等)の若年層( 15−29歳)では、韓国に劣後している。 調査対象:女性 15−59 歳 サンプル数(男女 15−59 歳 ) 8646s ( 各都市 500 ー900 名)調査時期:2011年 5月下旬ー8月上旬(出典:博報堂 GLOBAL HABIT ) 中国では日本のファッション誌 の人気が高い 中国におけるファッション誌 ラ ンキング上位10誌中、5誌を日本のファッション誌が 占める。 Japan Expo 2013 について パチンコとは? ●1台ずつお金を機会に投入してプレイ用の貸し玉が出てくる仕組み ●1玉1円と4円の台がある ●市場規模は 18 兆 8960 億円。かつては 17,000 店を超えていたがパチンコ ホールの店舗数も 2 極化の淘汰が進み、大手チェーン店と中小のホール事業 者に分かれている。現在12323店→若者のパチンコ離れで市場規模は縮小中。 なおいまだに国内レジャー産業では規模、参加人口ともにトップの座にある。 なぜ売り上げが 縮小しているのか 警察庁の指導で、射幸性を落とし、時間消費型レジャーで「娯楽」として定 着してほしいとの要求→「1 円パチンコ」の導入 全国のパチンコ台数の約 35%が「低貸し玉営業」と言われる1 円パチンコに。 (※時間消費型のビジネスは、売り上げも利益も数字は下がるためコストコン トロールを徹底しないと利益が出ない→コスト削減策を努力してきた結果、1 円パチンコでも利益が出せる体制に) パチンコが発生した終戦直後、 「時間潰し」であり会社が終わって 1 ∼2 時間、 パチンコをやって、小遣いでタバコぐらいもらって、というのが本来の姿だっ た。それがおかしくなったのは、プリペイドカードの普及を進めたころから。 当時、プリペイドカードが普及しないので、ダブルスタンダードでプリペイド の機械だけは射幸性が高いものがオーケー許可され変わった。利益を取るの が大変難しいがパチンコホールと遊技機メーカーと周辺機器メーカーの経営 努力が続いている。 パチンコの歴史 1925 年頃に大阪で横型コリントゲームを改良したものがパチンコの発祥との 説があるが、専門家によると実際にはヨーロッパから輸入されたウォールマ 例えば、機械代が今 1 台 30 万円から 40 万円し、これを 1 年で償却していく となると大変。1 円パチンコでは無理で、4 円の高額レートでやってもらって、 ある程度の額を店が稼がないと、入れられない。だから 1 円パチンコ用の、 1 台 10 万円、20 万円の機械を開発することも、業界が生き残る方法。パチ ンコの機械だけはどんどん高くなる。 シンが日本で広まったものがパチンコの起源であるとされる。 ●規制により自由に営業できない現状もあり、売上高推移、参加人数の推 1930 年、風俗営業第 1 号店が名古屋で許可されパチンコ店が開店。 移が年々減っている。 1948 年、風俗営業取締法(改正前の風営法)制定により、パチンコは許可 ●パチンコは心理に左右されやすい。 営業となる。 ●暇つぶしできていた客はスマホ等のソーシャルゲームに。実際に打ったが、 1951 年、法改正により 18 歳未満の入場が禁止される。 1円パチンコ 2000 円投入で 30 分しか暇つぶしにならなかった。金銭的な 1953 年、第 1 期黄金時代到来。パチンコ店 387,664 軒にのぼる。 面から言えば学生のハードルは高い。 循環器第 1 号機(高速度連射可能機:160 ∼ 180 発 / 分の玉が自動的に発射) ●非ユーザーは外観、喫煙、騒音、ギャンブルのイメージなどがあり近寄り 開発。これによりパチンコブームが加熱し、射幸心をそそるとして後の連発 がたい店と思っている人が多い。 禁止令の要因となる。 ●パチンコは遊園地のようなアミューズメント施設に比べ帰りたくない、また 1965 年、パチンコ店 1 万軒を越える。オリンピアマシン(パチスロの前身) 行ってみたい等のような心理的戦略に乏しい。 登場。 ●消費税増税によりさらに人口減る可能性 1988 年、警察庁が「CR 機構想」を発表。日本レジャーカードシステム設立。 ●喫煙、金がかかるといったパチンコを否定する人の情報不足 ( 全面禁煙店舗、 1990 年、風営法施行規則改定。最大大当たりラウンド数が 10 ラウンドから 1円パチンコを知らない等 ) 16 ラウンドに緩和。確率変動(確変)の導入。 1990 年代、この頃より車に置き去りにされた子供の熱中症事故が問題視さ れ始める。 1995 年頃 台北市が三店方式のパチンコ店を全面的に禁止した。 パチンコの魅力とは 2005 年、遊技機内規変更。1/500 にまで緩和された大当たり確率の規定が ●2006 年に韓国で「成人娯楽室」と呼ばれていたパチンコ店が禁止される 見直され、下限が 1/400 となる。この頃からパチンコの新機種のテレビ CM ようになりパチンコ目的で日本に訪れる人もいるようだ⇒観光資源として適用? が頻繁に流れるようになる。 ●海外の人は日本のパチンコ店の多さに驚くため少なからずの興味を抱いて 2006 年 5 月、風営法改定。閉店前やトラブル時の出玉保証の禁止、明らか いる。 に 18 歳未満と分かる者を入場させたパチンコ店に対する罰則規定などが盛 ●適度な高揚感を得られる、気休め程度にもなる り込まれる。 ●日本のパチンコの市場規模はラスベガスのカジノより何倍も上 2006 年秋 韓国のパチンコ店(1 万 5,000 店)が全面的に廃止された。。 ●当たった時の嬉しさにより若干の中毒性を持つようになる 2011 年 4 月、新聞出版・放送向け宣伝活動の大幅制限(遊技機の機種に ●個人的に思うのが、AKB48 の台は若年層に向けて非常によくできていると 関する宣伝の自粛、企業 PR に関する CM 制作・放映等)を業界全体により 感じる。アニメーションの面白さ、AKB のような若年層からの絶大な支持 徹底、これにより先月中旬に発生の震災後に宣伝活動を再開させた遊技機 がある、推しメンの選択可、ライブ形式、1 時間に 1 度他の台との共通の メーカーの CM はほぼ全てが企業イメージ CM に差し替えられる 演出、 4円パチンコの大当たりの確率が 1/200 と決まっており割と当たりやすい。 Japan Expo 2013 について パチンコの将来性 日本の観光 日本でのイメージが非常に悪いこと最近のユーザー減少、若年層ユーザーの 日本のクリエイティブな発想は世界で高く評価されている。観光に関して日本 ハードルを高くしていることにつながっている。 のブランドイメージはとても高い。英・大手新聞、満足度の高い観光地のラ (現在パチンコの競技人口の大半が 10 代または 20 代から始めている。裏を 返せば若い頃によることがなければその後始めてくれる可能性は低い。) オリンピックを 7 年後に控えた現在 IR 構想(日本版カジノ)においてレジャー の運営ノウハウのあるパチンコ業界が担うことが期待されている。 ンキングでは長距離国別部門で日本が1位に選出。各都市別部門では東京が 1位を獲得。米国大手旅行雑誌では、アジア都市部門で京都が1位、東京が 7位を獲得している。だが外国人の観光客受け入れ数では全体で 30 位にと どまっている。 一度海外に展開したのちに日本に新たなブランドイメージを持って再展開とい うことも考えられるがまずは国内でのパチンコの業態変化やイメージ改善に 努めることが重要ではないか? ターゲット層別のアプローチ Japan Expo 2013 総括 ●これから JAPAN EXPO に代表されるような積極的な宣伝機会というものが 個人企業問わずより重要性を増してくる。 ●一方 JAPAN EXPO の主要コンテンツには大きく「個人」の力がかかわって いる。(アニメの絵を描く人やコスプレイヤーなど)個人出展できるスペー 主に 18 ∼20 代前半に馴染みのあるアニメやドラマなどの台を設置 スを拡大。 ●またより多くの人を集客し一度日本の文化に触れてもらうために会場として <若い女性客> 受け入れ態勢をより整える必要がある。 ●分煙化された女性専用のフロアをベースに ●会場には外国人が多かった。相互交流を図るため日本人の参加を奨励し ●ゆるキャラ、小動物等の可愛い系の台 補助金や割引制度の創設が望まれる。 ●大当たり時に台の中のキャラと一緒にプリクラ ●スイーツを食べられる部屋、店員が試食としてもってまわる ●若年層にとって重要なのは SNS や女子会などに見られる「コミュニケーショ ン」。プレイ中にコミュニケーションをとったりプレイ後にパチンコに関し て話したりできるような仕組みが重要→事実聞き取り調査において「麻雀 をやるがパチンコをやらない層」では店内がうるさいためにコミュニケー ションがとれないことが一つプレイを妨げていた。 <ミドル、ヘビーユーザー> ●座り心地のいい椅子、1杯目ドリンク無料、暗めで落ち着いた雰囲気、分 煙化の店舗増加、使い捨て耳栓、匂いを取り除くための消臭スプレーと部 屋、荷物置き、大当たり時にその台に関連した粗品、グループ室、完全個室、 完全な塞ぎ板 ●当たり時に映画の一部を視聴することができたり、パチ台にしかないシー ンの提供 ●閉店時、玉交換の行列をスムーズに ●友達といっても相手が早めに終わった場合待たせるため気楽に打てないこ とがある。そのような事態をさけるため入店時にボーナスカードを渡す。 例えば、二人で来た客には一枚渡しそれを機械に投入することで当たらな いが無料で打つことができるようにする、当たる確率はほぼ0だが何発か 打てる等の対応 ●非常に悪天候な日には当たりやすい等の特別性 <景品> ●景品があまり魅力的ではないのではないか。 ●交換できる景品をコンビニ、スーパーより安くする ●なかなか当たらないアーティスト等のチケット→自ら勝ち取ったことを写真 などで SNS などにアップすることが期待できる。 ●希少価値のあるものが有効
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