いばらき代協配信ニュース第26号

■■ 第26号
■■■■■■■ 2016.1.4(月)09:28 配信 ■■■■■
■■ いばらき代協ニュース
■■ 協会会員の皆様へ
■■ 一般社団法人 茨城県損害保険代理業協会 ■■■■■■■■■■
新年、あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
<名言>
勇気は、いかなる状況でもリーダーシップの最も重要な要素である。
特に新しい事業を始める場合は、リスクを伴う。
始めたら、その勇気を継続することが、大切だ。
ウォルト・ディズニー
自動車保険、安全技術先進車は 10%割引へ
新車販売の促進
自動ブレーキなど先進的な安全装置を搭載した自動車の保険料を、
損害保険各社が 2017
年 1 月から平均 10%程度割り引く方針が固まった。
交通事故の防止とともに、新車販売の促進にもつなげる狙いがある。損保業界は年明け
から、メーカー団体の日本自動車工業会(自工会)、国土交通省とともに、車種ごとの
安全性能に沿って個別の割引率を決める。自動車の安全面の機能が割引対象になるのは、
01 年 11 月の盗難防止装置「イモビライザー」の搭載車以来、約 15 年ぶりとなる。
(読売新聞引用)
人気 漏えい補償、企業にニーズ
来年1月に始まるマイナンバー制度に対応した保険の契約が急増している。個人情報
の漏えい被害を補償するタイプの保険で、従業員のマイナンバーを管理する企業のニー
ズが高まっているため。個人番号を記した通知カードの配達遅延などで制度に対する企
業側の不安も背景にあるとみられ、漏えい防止策や被害時の相談サービスも注目されて
いる。
「通知カードの配布で、保険への関心が高まっている」。今年2月に売り出した、マ
イナンバーの漏えい被害に対応する「サイバーリスク保険」はこの2カ月で契約件数が
約2割増加。個人情報が漏えいした際の費用損害保険や賠償責任保険の今年度の契約は
前年度比2割増の約7000件を見込む。同様の保険を扱う損保会社も昨年より1〜2
割程度契約が伸びているという。
東京海上日動は10月から実際の被害がなくても不正アクセスの有無などを調べる
費用を補償の対象に加えた。保険契約の有無にかかわらず希望する企業に専門業者を紹
介したり、想定被害額を見積もったりする無料サービスも開始。取引のある中小企業で、
個人情報漏えいを補償する保険に加入する割合は数%にとどまっており、無料サービス
から保険加入につなげたい考えだ。
損保ジャパン日本興亜は9月から、マイナンバーの収集や保管、廃棄のルールや運用
体制について助言できる社会保険労務士を中小企業に無料で紹介するサービスを始め
た。紹介先はこれまでに100社を超えた。保険の加入企業は、これまではカード会社
や病院、不動産など大量の個人情報を扱う会社が多かったが、同社の担当者は「100
0社を目標に社労士を紹介し、マイナンバー開始後は幅広い業種に保険を広めたい」と
話している。
(毎日新聞引用)
○大きな変革の時代に突入、本当に現実となる近未来の自動車○
損害保険代理店の未来は?
車好きには楽しみな東京モーターショーにおいて、自動運転(無人化)車両が展示さ
れて何年が経過したのだろうか?今まさに手塚治虫の近未来の世界が現実になろうと
している。
今現在、自動車は「人間が運転する」を前提にした乗り物として認知されています。
しかし、近い将来においては、ドライバーを必要としない「自動運転車」が登場するこ
とが予想されています。ただし、その実用化には、技術的な側面だけではなく、道路交
通法などの法整備、事故が起きた場合の責任のあり方、自動車保険の適用範囲など、解
決すべき課題が山積しているのが現状です。
万が一、自動運転車が事故を起こした場合、その責任は乗っていた人にあるのか、製
造者である自動車メーカー、各部品メーカーにあるのか。一般の車と事故を起こした場
合、その過失割合をどう判断すべきなのか。
現在、世界中の自動車メーカーで開発が進められている自動運転車。その実用化は、
法律・体制整備、自動車保険のあり方に大きな影響を及ぼすことが予想されます。今後、
検討と議論が必要になる、課題について考えてみたいと思います。
「自動運転車」の法的な問題はどのように対処するのか?
自動車は「人間が運転する」乗り物から、「自動で走行する」乗り物へと進化し始めて
います。ただし、その実用化には、解決すべき様々な課題があります。
実用化に向けた開発段階では、公道での実験も必要になるでしょう。しかし、実験中に
自動運転車に不具合が発生したら、一般の人たちを巻き込む大惨事にもなりかねません。
実験を行う上でのルールづくりはどうすべきなのでしょうか。また、実用化後に、ドラ
イバーがいない自動運転車が事故を起こした場合、その事故の責任は誰がとるのでしょ
うか。
警察庁は 2015 年 10 月、自動運転車の法律上の課題や、公道実験のガイドライン作成
について話し合う有識者検討会の初会合を開催しました。今後、国民に意識調査を実施
し、2015 年度中にも自動車メーカーによる公道での実証実験の指針案などをまとめる
方針、合わせるように実証実験用の保険まで登場しました。また、2016 年度には、有
識者による検討委員会を設置し、実証実験の指針を正式に決定する予定のほか、法整備
の議論を本格化させる方針となっています。
2020 年には自動運転車が確実に登場すると予想されます
時の総理が、
「東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年をめどに、自動
運転車の実用化を目指す」と発言したこともあり、国内自動車メーカーの開発競争は加
速しています。トヨタ、日産、ホンダは、最近、相次いで 2020 年の実用化に向けた自
動運転車の開発計画を発表しました。
新聞各社の報道によると、トヨタは 2015 年 10 月初旬、高速道路上で車線変更や本線合
流、追い越しなどを自動で行う自動運転実験車を公開。ホンダも 10 月中旬に、高速道
路での追い越し、先行車への追随機能などの自動運転機能を実用化し、市販車に搭載し
ていく方針を固めました。日産は、10 月 23 日に一般道で走ることができる自動運転の
実験車両を公開。また、2016 年末には高速道路の渋滞時に自動で走行する機能を持っ
た車両を発売する予定だとしています。
海外では、グーグルやテスラモーターズ、メルセデスベンツなどが、自動運転車の実用
化に向けた取組みを進めています。海外勢はすでに、米国・カリフォルニア州での公道
走行実験に取組んでいます。
道交法に自動車保険…、制度面での課題は山積み状態
世界各国で自動運転車の開発競争が本格化する中、法整備上の課題も現実味を帯びてき
ています。日本国内の「道路交通法」だけでなく、国際条約「道路交通に関する条約(ジ
ュネーブ条約)」の見直しを求める声も上がっています。なぜなら、道交法もジュネー
ブ条約も、車にはドライバーが乗っていることが前提とされており、自動運転車の実用
化にあたって支障があるためです。道交法などをどのように改正すべきなのか、その議
論と検討は始まったばかりという段階でしかありません。
また、ドライバーがいない自動運転車や、ブレーキ・ハンドル操作が自動化された自動
運転車が事故や違反を起こした場合、その法的な責任を誰がとるのかも大きな課題。車
の所有者、車を製造したメーカーいずれが負うべきものなのか、明確でないのが現状で
す。
自動車保険に関しても、自動運転車が普及を始めるまえに、さまざまな課題の検討・解
決が必要になってくると考えられています。以下で、自動車保険に関連する課題につい
て考えてみました。
自動運転でのシステム不具合で事故が起きた場合の責任はどうなるか
所有者のメンテナンスなどに過失がなかった場合、車を製造したメーカーや部品メーカ
ーなどの責任が問われるようになるかもしれません。例えば現行の製造物責任法(PL
法)では、工業製品の欠陥によって消費者が生命、身体、財産に損害を被った場合、製
造者に賠償を求めることができるとしています。自動運転車でもこうした枠組みが適用
されるかもしれません。
事故の相手が「自動運転車」だった場合、過失割合の認定はどうなるか
自動運転車が普及し始めた場合、相当な期間、自動運転車と従来型の一般車両とが混在
することが予想されます。両者の間で事故が起きた場合、その事故の過失割合の認定は
どう判断すべきなのでしょうか。現在のように過去の判例等に基づいた判断では対応で
きないケースが想定されそうです。
保険料算出に利用されているリスク分析の基準は?
現在、自動車保険料の算出には、ドライバーの年齢や車の使用目的、年間走行距離など
のリスク分析基準が適用されています。しかし、自動運転車の実用化後には、「事故リ
スク」の考え方そのものを検討し直す必要がありそうで、現行の基準適用は困難になる
ことが予想されます。
自動車保険そのものが必要とされなくなるのか?
アメリカでは自動運転の発展にともない、15 年後には自動車保険契約者の支払い保険
料が 6 割近く減少するのではといった報道もあります。自動車保険加入の要否に大きな
影響が及ぶかもしれません。
自動車保険とは自動車が登場し、一般的に行き渡った頃、爆発的に普及した保険です
が、その逆のことが近い将来に起ころうとしています。自動車の自動運転とは、普及が
加速すると自動車保険が急激に売れなくなる可能性があるため、今後の同行によっては
損害保険業界の運命を握るカギとなり得るものです。
自動運転車が実用化されれば、交通事故の減少や運転免許を持っていない人でも車を
利用した移動が可能になるなど、さまざまな恩恵が考えられます。しかし、実用化に向
けた具体的な法律・体制整備に関する国内議論は始まったばかり。今後、議論・検討の
動向をしっかりと注視していく必要があるでしょう。