報 告 書 JDF地域フォーラム in 岡山

報 告 書
JDF地域フォーラム in 岡山
~
障害者権利条約の批准に向けて地域より発信!~
日時:平成 20 年 11 月1日(土)
13:00~17:00
場所:公立学校共済組合岡山宿泊所
ピュアリティ まきび
■開会
○司会
ただ今から JDF 地域フォーラム in 岡山を開催します。本日司会を務めさせていただきます、私、大
王(だいおう)と申します。よろしくお願いいたします。
開会にあたりまして、JDF地域フォーラム in 岡山実行委員長 藤田 勉(ふじた つとむ)がごあい
さつ申し上げます。
■開会あいさつ
○藤田勉JDF地域フォーラム in 岡山実行委員長(財団法人 岡山県身体障害者福祉連合会長)
皆さん、こんにちは。岡山へ、よくお見えにな
られました。そして県下各地より、本日のJDF
のテーマをご理解いただき、かくも大勢ご参加を
いただき光栄であります。それから要約筆記の皆
さまはじめ、いろんなサポートをしてくださいま
した皆さん、心より厚くお礼申し上げます。
「JDF:Japan Disability Forum」は、世界
の障害者の人権確立に尽力いたしてきましたが、
第 61 回国連総会で長年私たち障害者が熱望しておりました、障害者の権利条約がやっと採択されたわ
けでございます。なぜ権利条約が必要か。これから講師の先生からお話があると思いますが、私たち
障害者が私たちの人権を確立するには、最後には私たち自身の問題であると思います。自分たちが社
会に要求ばかりして、社会のお荷物になっているのではないだろうか。社会貢献を少しでもして、お
役に立つべきではないか。私はそのように思います。
20 年ぐらい前でしょうか、大阪でクリントン大統領の教育省次官といわれる車いすのジュディ・ヒ
ューマンという女の方がいらっしゃいました。彼女が言った言葉が「私たち障害者に教育を受けさせ
てくれ」「働かせてくれ」、最後にどう言ったかといったら、「社会に役立たせてくれ」、コントリビュ
ート(Contribute)という言葉を使ったのを今でも覚えております。やはり私たちは立派な社会人で、
そして私たちの人権を確立しようと願うならば、やはり私たちが社会の立派な一員としてお役に立っ
ていくということが、必要であると思います。
それから、本日はいわゆる「精神・知的・身障」と3つの障害者の皆さまが、集まってこられまし
た。岡山県においては、自発的に3つの障害者が集まったというのは、本当に初めてのように思いま
す。この場所において、私たちが直接意見を話し合い、そしていろんな意味で社会に対してアピール
をしていくということは、大きな意義があると思います。どうか今日は講師の先生、そしてパネラー
の皆さん、コーディネーターの方、あるいは助言者の方、そして皆さんも参加者の一人として積極的
な意見がありますれば、アピールしていただきたいと思います。今日が一日、今日の会議が素晴らし
いものになるようにお祈り申し上げまして、冒頭のごあいさつといたします。ありがとうございまし
た。
○森祐司日本障害フォーラム政策委員長(社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事)
ただ今ご紹介にあずかりました、日本障害
フォーラム制作委員長の森でございます。本
日は、本来フォーラムの会長であります、小
川 榮一(おがわ えいいち)がお話しすると
ころでございましたが、今日は出られないと
いうことで、代理に文章を預かっております
ので、朗読させていただきたいと思います。
本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠
にありがとうございます。日本障害フォーラ
ム(JDF)は、2004 年 10 月に全国の障害者団体、関係団体が集い設立して以来、障害者の権利実
現のために連携を深めて活動してまいりました。特に、障害者権利条約の推進につきましては、活動
の中心に据え、ニューヨークの国連本部で開かれた特別委員会には、第1回から第8回まで毎回メン
バーを派遣するとともに、日本政府代表団の顧問としても障害のあるメンバーを送り込みました。ま
た国内では、政府との継続的な意見交換を行ってまいりました。2006 年 12 月に権利条約が採択され
て以降は、わが国の批准に向け、国内法制度の整備に関する政府との意見交換を続けております。こ
のあたりの経緯は、本日の基調講演者でJDFの設立当初からのメンバーでもある、松井亮輔(まつ
い りょうすけ)先生のお話の中でも触れられるかと思います。
批准に向けた私たちのもう1つの活動は、権利条約の理念を身近な暮らしの中でいかに実現してい
くかについて、全国の仲間たちと共に話し合い、その機運を高めていくための地域フォーラムの開催
です。これまで本年2月に東海地域で開催したのを皮切りに、3月には北海道で、9月には九州にお
いて開催し、各地の仲間たちと連携を深めてまいりました。そして本日、この岡山において、こうし
て皆さま方と共に集うことができ、大変うれしく思います。フォーラムの開催に向けてご尽力された
実行委員会、皆々様方には心より敬意を表します。私たちはこうして権利条約の批准に向けた活動を
続けておりますが、条約というのは1つの手段としてとらえており、第1の目的は条約を通じて国内
の法制度を整え、私たちの社会をより良く変えていくことであると思います。
本日は、その活動の一環としてフォーラムを共に盛り上げてまいりたいと思っております。最後に、
JDFの設立当初から権利条約推進のための活動にご支援いただき、本日のフォーラムに助成をいた
だきました、キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、ヤマト福祉財団に対し、心より御礼申し上げ
ます。そして、本日ご登壇いただく講師の皆さま、またご講演をいただいた岡山県ならびに岡山県社
協に対しまして、深く感謝を申し上げるとともに、本日、手話通訳ならびに要約筆記にご尽力してい
ただけます、皆さま方にも御礼申し上げて、開会のあいさつといたします。平成 20 年 11 月1日、日
本障害フォーラム代表 小川榮一。以上でございます。代読いたしました。
■来賓祝辞
○山本哲也岡山県保健福祉部障害福祉課長
皆さん、こんにちは。ただ今、ご紹介い
ただきました、岡山県の障害福祉課長山本
でございます。本日は、このようにたくさ
んの皆さまをお迎えして「JDF地域フォ
ーラム in 岡山」が開催されますこと、まず
もって心からお喜び申し上げます。また、
皆さま方におかれましては、日ごろからそ
れぞれの地域、お立場で障害を克服して自
立され、あるいは障害者の福祉のためにご
尽力をなさっているということを、心から敬意を表しますとともに、私ども県行政に対しましても、
ご理解とご協力をいただいておりますことを、この場をお借りいたしましてお礼申し上げます。
さて、JDF 日本障害フォーラムにおかれましては、国連の障害者の権利条約の普及、それから理
解、促進ということでご尽力なされているというふうに伺っております。もとより障害のある方が、
地域の中で生き生きと暮らしていくということは、とても大切なことであります。今、お話にござい
ましたけれども、東海、北海道、九州と、そしてこの岡山と、次々と地域フォーラムを展開され、こ
ういった思想の普及が全国に広まっている、着実にそういったことが行われているということに、皆
さま方のご努力に、敬意を表したいと思います。
私ども岡山県におきましては、
「快適生活県おかやま」暮らしやすさ日本一を目指して、中期の実施
計画であります「新おかやま夢づくりプラン」というものを策定して、いろいろな施策に取り組んで
おります。その中でも福祉プログラムというのは、重要な柱の1つといたしまして、障害者の福祉に
も努力しているところでございます。またこれと平行いたしまして人権政策、こちらでも守られるべ
き人権、その重要なポイントとして障害者という項目を取り上げて、いろいろな施策を展開しており
ます。私ども行政を考えますと、とかくそれぞれの施策のほうに目が向きがちでございますけれども、
まず障害を持った方々の権利、皆さん方への理解の促進ということに務めなければならない。これを
基本として、いろいろな施策を考えていかないといけないということを、私、今この場に立ちまして
改めて、肝に銘じたいというふうに思っていたところでございます。
本日は、先ほど実行委員長の藤田会長さんのお話にもありましたけれども、
「身体・知的・精神」い
わゆる3障害、これにとどまらずいろいろな障害をお持ちの方が、一堂に会するということで、その
ことだけでも本当に意義深いことだと思います。それぞれの障害によりまして、暮らしにくさ、困難
さというものは、それぞれ違うかとは思いますけれども、等しく皆さんが社会の中で生き生きと自立
して生きていける地域づくりというのは、本当に大切なことであろうと思います。今日ご講演をなさ
る講師の先生、またパネリストの皆さん方のお名前を拝見いたしまして、今日のこの会、本当に意義
深いものになるなというふうに私も思っております。どうか皆さま方におかれましても、限られた時
間ではございましょうが、実り多い会となるように念願してやみません。
最後になりましたけれども、この会の開催のためにご尽力なされた実行委員をはじめとする皆さま
方、またこれを支えてこられた皆さま方のご努力、ご尽力に敬意を表しまして、そしてお集まりの皆
さま方のご健勝と、ますますのご発展を祈念いたしまして、私のごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。
○米内山昌孝財団法人キリン福祉財団副事務局長
皆さま、こんにちは。ただ今ご紹介いただき
ました、キリン福祉財団の米内山と申します。
よろしくお願いいたします。
本日は、障害フォーラムの「地域フォーラム
in 岡山」、誠におめでとうございます。障害フ
ォーラムに関しまして、キリン福祉財団をはじ
めとする5財団が 2004 年からご支援をしてお
ります。こちらの特にキリン福祉財団と損保ジ
ャパン、ヤマト財団になっていますけれども、
2004 年のJDFのほうで権利条約の国連での派遣等の支援に対しまして、三菱財団、トヨタ財団、あ
と今回の損保(ジャパン)記念財団、ヤマト福祉財団と、うち(キリン福祉財団)の5財団で、ご支
援をしております。以来、権利条約につきまして、一昨年から三菱財団とトヨタ財団は一応退きまし
たけれども、残りの3財団で権利条約の批准に向けての啓発活動とか、フォーラム、それのご支援を
続けております。今回のこのフォーラムも、その一貫となっております。先ほどお話がありましたと
おり、今年度名古屋、北海道と、もっとありますけれども、またこれから来週の大阪、広島、仙台と
いう形で広がっていきますけれども、そういう形で各市町村でこの権利条約についての啓発をして、
皆さま方の中から権利条約についても啓発をしていって、こういう活動をいかに広めるかということ
が大事だと思っております。
今回の権利条約について振り返りますと、2006 年に採択、2007 年に署名、2008 年に発効という形
で進んでおります。最後は批准という形になりますけれども、これについては急ぎすぎてはいけない
というのが一番だと思います。子どもの権利条約というのもございまして、これはなかなか国内法制
に裏打ちされない批准という形で、なかなか権利条約とは違って、非常に国内法制が追いつかないと
いうわけです。やはり国内法制をゆらせさせた条約でないと、絵に描いた餅になります。これにつき
ましては、あとでいろいろな講演があると思いますけれども、我々としてもやはり地域に根差した、
障害者のための条約というものができるためには、やはりいろんな法律等を細かく見ながらやってい
かなければならないと思っております。
ちょうど昨日、全国のほうで障害者自立支援法の大会、および障害者自立支援法に対する訴訟が行
われております。その中で、やはり権利条約等は思想と異なるような自立支援法ということで、訴訟
を起こしております。そんな形で、それが多分行政に対する障害者団体の一歩かと思います。今回の
権利条約につきましては、障害者団体が一堂に会するという初めての形で、この条約の批准に向けて
行っております。やはり利害を超えた障害者団体が一致団結をして、いろいろな法制を見ながら暮ら
しやすい生活を作るということが一番かと思います。
私の考えでは「福祉」というのがありますけれども、
「福祉」は普通に暮らせる幸せという形で考え
ておりまして、やはり本当に同じような形で皆さま方が地域で安心して普通に暮らせる世界、そうい
うものができることを願ってこの権利条約というものを、批准のために国内法制を変えていくという
ことが重要かと思っております。キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、ヤマト福祉財団を含めま
してこれからも法制に裏打ちされた、条約批准されるまでご支援していきたいと思っております。こ
れからも皆さま方のお力添えが必要と思いますので、全国的に一致団結しながらやれればと思ってお
ります。
最後になりますけれども、本日このフォーラムのために尽力をいただきました、実行委員の方々、
どうもお疲れさまでした。障害者にとって住みよい社会を作るために、みんなで立ち上がって頑張っ
ていきたいと思います。ありがとうございました。