「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」逸脱

ニュースリリース
2006 年 4 月 12 日
テレビ東京
広報・IR 部
「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」逸脱について
3 月 19 日(日)放送の「セサミストリート」及び「ハロー!モーニング。」において、日本民間
放送連盟が定める「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン(以下、民放連ガイドラ
イン)」逸脱がありました。
その後、他にガイドライン逸脱の事例が無いかどうかの洗い出しを行ったところ、2005 年 11
月 17 日(木)6:40∼6:45 の「プチプチ!セサミストリート」においても 3 月 19 日(日)放送の「セ
サミストリート」と同じ素材が使用され、ガイドラインを超えて細かく点滅する映像手法が使わ
れていたことが分かりました。
調査対象は、「セサミストリート」(2004 年 10 月 10 日∼2006 年 3 月 26 日の 75 話)及び「プ
チプチ!セサミストリート」(2005 年 10 月 3 日∼2005 年 12 月 23 日の 60 話)で、目視と『点滅
等検出装置(いわゆるハーディングマシン)』の併用による再検証を実施しました。
なお、今回の規則違反に伴い、テレビ東京では、昨日 4 月 11 日付けで番組担当者及び
監督責任者に対して降格もしくは減給の社内処分を決定しました。また、社長を含め今事案
に関係する取締役 5 人については、2 カ月から 1 カ月分の報酬の一部を自主返納とします。
取締役の処分については 4 月 25 日の取締役会において、正式に決定します。
このような事態を起こしたことを改めてお詫びするとともに、チェック体制を強化し、再発防
止に全力を挙げて取り組む所存です。
参考資料「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」
(日本放送協会、社団法人日本民間放送連盟)
1998 年 4 月 8 日
1. 映像や光の点滅は、原則として1秒間に3回を超える使用を避けるとともに、次の点に留意
する。
(1) 「鮮やかな赤色」の点滅は特に慎重に扱う。
(2) 前項(1)の条件を満たした上で1秒間に3回を超える点滅が必要なときは、5回を限度と
し、かつ、輝度変化を20%以下に抑える。加えて、連続して2秒を超える使用は行わな
い。
2. コントラストの強い画面の反転や、画面の輝度変化が20%を超える急激な場面転換は、原
則として1秒間に3回を超えて使用しない。
3. 規則的なパターン模様(縞模様、渦巻き模様、同心円模様など)が、画面の大部分を占めるこ
とも避ける。
(注) このガイドラインは放送時のものであり、2006 年 4 月 1 日に一部改訂されております。
現在のガイドラインは民放連ホームページhttp://nab.or.jpの中の「放送倫理→アニメー
ション等の映像手法に関するガイドライン」に掲載されております。
【事実と原因】
●「セサミストリート」での民放連ガイドラインの抵触事実
3 月 19 日(日)9:00∼9:30 の「セサミストリート」の、数字を英語で教えるコーナー(1994 年
にアメリカで制作された素材)で、映像の点滅手法が用いられました。
事後の技術的検証の結果、合わせて 8 箇所で民放連ガイドラインに抵触する部分があ
ったことが分かりました。具体的な抵触箇所は次の通りです。
数字の「2」
背景が 1 秒間に赤色を含む 6 回の点滅 <ガイドライン 1(1)違反>
数字の「3」
背景が 1 秒間に輝度変化 48%の 6 回の点滅 <同 1(2)違反>
数字の「4」
背景が 1 秒間に赤色を含む 6 回の点滅 <同 1(1)違反>
数字の「5」
1 秒間に文字部分が輝度変化 55%・背景が輝度変化 5%の赤色を含む反
転映像で 12 回の反転切替 <同 2 違反>
数字の「6」
文字部分が 1 秒間に輝度変化 65%の 6 回の点滅 <同 1(2)違反>
数字の「7」
背景が 1 秒間に輝度変化 42%の 6 回の点滅 <同 1(2)違反>
数字の「8」
背景が 1 秒間に輝度変化 21%の 6 回の点滅 <同 1(2)違反>
数字の「10」
文字部分が 1 秒間に赤色を含む 6 回の点滅 <同 1(1)違反>
※数字の「9」に関しては、背景が 1 秒間に 6 回の点滅であるが、輝度変化が 10%であり
20%を超えていないため放送当時のガイドライン 1(2)には違反していません。
ただし、2006 年 4 月 1 日に施行となった改訂ガイドラインでは、輝度変化が 10%以上は
避けると規定しているので、抵触した映像となります。
●「セサミストリート」での民放連ガイドラインの抵触の原因
アニメ制作部プロデューサーは、2 月 24 日の時点で納品されたチェック用 VHS で問題
部分を発見したものの、その日のうちには制作会社に修正指示をせず、その後も修正指
示を失念し、重大な規則違反を起こしました。
また、発注先及び発注先から製作委託を受けた制作プロダクションにおいては、ガイド
ラインに対する認識が足りず、チェックできませんでした。
●「プチプチ!セサミストリート」での民放連ガイドラインの抵触の原因
この番組は、スタート当初「セサミストリート」で使用した素材の完全転用で構成されてい
たため、アニメ制作部担当者は他の番組ほど細かくチェックしていませんでした。
また担当者は、途中から未使用のアメリカ版ライブラリー素材を使用した構成に変更す
るとの報告を発注先から受けていましたが、不注意により民放連ガイドライン逸脱を見落と
してしまいました。
●「ハロー!モーニング。」での民放連ガイドラインの抵触事実
3 月 19 日(日)11:30∼12:24 の「ハロー!モーニング。」の渦巻き模様を回転させる、運動
残像効果の実験コーナーの中で合わせて約 1 分間の画面の大部分を占める渦巻き模様
を放送しました。
●「ハロー!モーニング。」での民放連ガイドラインの抵触の原因
この番組には外部を含め 12 人のスタッフが関わっていましたが、渦巻き等のパターン模
様が民放連ガイドラインに抵触するという認識が乏しく、重大な規則違反を招きました。
【再発防止策】
①「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」研修
当該ガイドラインの周知を徹底するために、番組制作に携わる全ての従業員に対して
研修を実施し、目視においても逸脱映像をチェックできるようスキルアップを図ります。
番組制作に携わる従業員には、この研修の受講を義務化します。
②チェック体制の見直し・強化
生放送を除く全番組について、複合的なチェック体制を敷きます。
●『点滅等検出装置』の増設
編成局アニメ制作部に設置してある ITU(国際電気通信連合)基準に準拠した『点滅等
検出装置』を増設するとともに、制作局など他の番組制作セクションや関連会社にも新た
に装置を導入し、機械によるチェック体制を強化します。
●アニメ制作部
プロデューサーの目視によるチェックに加え、新設するチェッカー担当者が『点滅等検
出装置』によりチェックします。さらに、修正指示の失念等を防ぐため、管理職が『点滅等
検出装置』のデータを管理し、二次チェック終了表に放送日等を記入し確認印を押すなど
して、納品から放送までの間に複数名がチェックに関わることを原則とします。
●制作局等
全員の研修と合わせて、プロデューサーの目視によるチェックに加え、『点滅等検出装
置』によるチェックを行う体制を敷きます。
●外部プロダクションへの要請
アニメ番組制作に関わる制作プロダクションに対しては、『点滅等検出装置』の購入を求
め、チェック体制の強化を要請します。
●スタンバイセクション
番組制作セクションでのチェック体制を確立した上で、さらにより完全な体制を築くため
に、番組の運行業務に携わるスタンバイセクションでも、最終的なチェックが行える体制を
早期に整えます。
以上
この件に関するお問い合わせ
テレビ東京 経営戦略局広報・IR 部 Tel.03-5473-3041