【ノート PC】広達、重慶工場 7 月稼働 東芝/華碩向けノート PC 出荷開始

2012 年 7 月号
890 号 7 月 2 日
【ノート PC】広達、重慶工場 7 月稼働 東芝/華碩向けノート PC 出荷開始
2012-6-30 PCB 信息網
ノートパソコン ODM 最大手のの広達(Quanta)は、今年 7 月から重慶工場を 7 月に稼働、
世界 6 位のノート PC ブランドである東芝、同 5 位のノート PC ブランドである華碩
(Asustek)のノート PC 製品の出荷を開始することを明らかにした。
広達は、全てのノート PC の ODM 生産を重慶工場に集約するとの報道に関しては、一部の
ブランドメーカーが ODM 生産を重慶工場に移転することに賛同しておらず、全ての ODM
生産を重慶工場に移転することは現時点では難しいことを明らかにしている。
東芝は現在中国浙江省杭州市に保有している自社工場のノート PC 生産を停止し、広達、
英業達(Inventec)、和碩(Pegatron)に ODM 発注する計画であるとともに、第 2 世代
Ultrabook 機種 U840W 及び U840 については 7 月から広達の重慶工場から出荷を開始する
ことになるとしている。広達は今年年末までにノートパソコン ODM 生産量の 50%を重慶
工場で行う計画を明らかにしている。
【ノート PC】ノートパソコン ODM 3 社、6 月出荷量前月比 2 割前後増予想
DIGITIMES 29-6-2012
ノートパソコン ODM 世界 3 位の緯創
(Wistron)は、今月のノート PC 出荷量が前月比 24-40%
増が期待できることを明らかにした。また、同業最大手の広達(Quanta)及び仁宝(Compal)
も 6 月のノート PC 出荷量が前月比それぞれ 19%、20%増を見込んでいることを明らかに
しており、ここ数ヶ月低調だったノートパソコンの ODM 出荷量に回復の兆しが見え始め
ている。
一方、ノート PC 部品メーカーは、ノート PC のブランドメーカーが需要に対して慎重な
姿勢を持ち続けていることから部品在庫の水準を引き下げていることから、6 月の出荷
量が前月比大幅に減少していることを明らかにしている。そのため、1 ヵ月後の 7 月に
はノートパソコンの ODM 出荷量が前月比大幅な減少となると見られている。
部品メーカーはノート PC 市場の本格的な回復は 9 月以降と見ており、8 月には部品の出
荷量が回復してくるとの見通しを示している。
【液晶パネル】LGD、中国内地液晶パネル市場シェア 3 割減 8.5G 建設急ぐ
2012-6-29 平顕時代
世界 2 位の大型液晶パネルメーカーである韓国 LG Display は 6 月 22 日、中国広州市で
の 8.5 世代液晶パネル生産工場の鍬入れ式を行ったことを明らかにした。
LGD の広州 8.5G 液晶パネル生産ラインの建設再開は、中国政府の今年 4 月 1 日から液晶
パネル輸入関税を 3%から 5%に引き上げたこと、8%へのさらなる引き上げも検討されてい
ること、また京東方(BOE)、華星光電(China Star)の 8.5G 液晶パネル生産ラインが量産
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を始めてから LGD の中国内地の液晶パネル市場シェアが大幅に落ち込んだことなどが大
きな要因となっていると見られている。特に LGD の中国内地の液晶パネル市場シェアは
昨年の 24.2%から今年 1-3 月には 16.2%に低下、低下幅は 33%に達している。LGD の広州
8.5G 液晶パネル生産事業に資本参加している中国内地の大手テレビブランドの創維
(skyworth)も、LGD の広州での 8.5G 液晶パネル生産計画が一向に進展しないことから、
京東方、華星光電からの液晶パネル調達を開始したことを明らかにしている。
DisplaySearch の統計によると、中国内地の 2011 年の液晶テレビ販売台数は 4452 万台
で、北米、欧州を抜いて世界最大の液晶テレビ市場になっている。また 2014 年には中国
内地の液晶テレビ販売台数は 5720 万台に達し、世界市場シェアは 22%に達するとの予測
も出されている。
【液晶 TV】創維、今年通年 TV 出荷量目標 1 千万台 内販 760 万台
2012-6-29 中国証券報
中国内地の大手テレビブランドメーカーである創維数碼(Skyworth)は 6 月 28 日、今年
通年の出荷目標を発表、テレビ出荷量は前年比 8%増の 1000 万台、うち国内販売が 760
万台、海外輸出が 240 万台とすることを明らかにした。年初の状況から、同目標は十分
達成できる見通しだが、低価格製品の出荷比率が上がることから、出荷単価は下がる見
通しで、売上高は前年比微増にとどまるとしている。
また、創維数碼 CFO の梁子正氏は、販売チャネル及び製品構成の調整により粗利率を引
き上げる計画も明らかにしている。特に販売チャネルについては、販売コストが高い大
型量販チェーンを通した販売比率を引き下げ、昨年から展開している直営店での販売比
率を引き上げることを明らかにしている。
【タッチパネル】勝華、グーグル向けタッチパネル出荷量 7 月末迄に 100 万枚
DIGITIMES 29-6-2012
静電容量式タッチパネル大手の勝華(Wintek)は、グーグルが発表したタブレット PC、
Nexus 7 のワンガラス型(One Glass Solution)薄型タッチパネルを今月中に 50 万枚出
荷することを明らかにした。また、今年 5 月から始まったグーグル向け OGS タッチパネ
ルの今年 7 月末までの出荷量は 100 万枚に達する見通しも明らかにした。
グーグルは、静電容量式タッチパネル最大手の宸鴻光電(TPK)の子会社である達鴻先進
科技(Cando)からも OGS タッチパネルを調達していることが明らかになっている。
また、グーグルは 10 インチのタブレット PC の投入も計画しており、その OGS タッチパ
ネルを友達光電(AUO)、勝華(Wintek)から調達することが決まっており、勝華はグー
グルにとって最大のタッチパネルサプライヤになると見られている。
勝華は既に相当数のブランドメーカーに OGS タッチパネルを供給していることから、
2013 年は OGS タッチパネルが売上高全体に占める比率が大幅に上昇する見通しを示して
いる。また、董事長の Hyley Huang 氏は、来年はタッチパネルを搭載したノート PC の出
荷量は 2500 万台以上に達するとの見通しを示している。さらに厚さ 0.1-0.2 ミリのフレ
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キシブルガラス(F/G)を使ったタッチパネルの開発にも着手していることも明らかにし
ている。なお、勝華の現有の生産能力は、小型 OGS タッチパネルが 500 万枚、中型 OGS
タッチパネルが 300 万枚に達している。
【サーバ】浪潮、50 億元投じ山東省にハイエンド集積回路産業園を建設
2012-6-29 中国電子部品産業協会
中国国内最大のサーバメーカーである浪潮集団(Inspur)は 29 日、中国山東省にハイエ
ンド集積回路産業パークの鍬入れを行ったことを明らかにした。総投資額は 50 億元、完
成後の年間生産量はハイエンドチップ 6 億個、年間売上高は 100 億元、税前利益は 10
億元に達する見込み。
同産業パークは、チップ設計開発、シリコンウエハ製造、実装検査、原材料及び生産設
備製造を行う集積回路産業のサプライチェーンを構築、世界有数の水準を持つ集積回路
開発センター、大規模チップ生産基地を建設するというもので、浪潮集団の主力製品で
あるサーバ、ストレージ、クラウドコンピューティング製品に用いるチップの開発、製
造能力も持たせるという。
第 1 期のハイエンドチップ実装検査工場の建築面積は 3.8 万平方メートル、投資額は 7.5
億元、2013 年末に竣工稼働、最新の BGA 技術を用いて 45 ナノ以下のメモリチップ及び
システムチップの実装検査を行う計画。
【太陽電池】天威、100 億元投じ新疆石河子市に太陽電池基地を建設
2012-6-29 北極星太陽能太陽電池網
中国内地最大の大型変圧器メーカーで太陽電池事業にも参入している中国河南省保定市
の天威集団有限公司は 18 日、中国新疆ウイグル自治区石河子市政府(ウルムチ市の西北
に位置する)と同市経済技術開発区新材料産業園に太陽電池産業パークを建設すること
で正式に契約を締結したことを明らかにした。
契約によると、天威集団は同新材料産業園に薄膜太陽電池生産工場及び太陽光発電所、
超高圧変圧器等の送変電設備生産工場を建設する計画。
薄膜太陽電池生産工場は 3 期に分けて建設、第 1 期及び第 2 期はそれぞれ 30 億元を投じ
て年産 300 メガワットの薄膜太陽電池モジュール工場を建設、第 3 期は 40 億元を投じて
年産 400 メガワットの薄膜太陽電池モジュール工場を建設、全ての工場が完成すれば、
年産能力は 1 ギガワット、年間生産高は 50 億元前後に達する見通し。第 1 期は今年 8
月に着工、来年末に試験生産を開始する予定。
【LED】晶元光電、厦門工場に後工程、台湾工場に前工程工場を新設
DIGITIMES 28-6-2012
世界 4 位、台湾最大の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は、年内に中国厦
門市及び台湾域内の工場の生産能力を拡張し、2014 年に稼働させる計画を明らかにした。
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晶元光電は季節要因等により稼働率が 50%まで低下したことから 1-3 月の業績が 5.15 億
NTD(1717 万米ドル)の純損失となった。ただ、4 月以降は稼働率が徐々に回復、現在は需
要に対して生産能力が 20-30%不足する状況にあることを明らかにしている。
中国厦門工場の生産拡張は新たな後工程工場を建設、来年 1-3 月に稼働させる計画。ま
た、台湾域内では 30-40 億 NTD(約 1.0-1.3 億米ドル)を投じて前工程を行う新工場を
建設、来年下半期に稼働させる計画。なお、晶元光電は、現在保有している MOCVD 設備
が 220 台であることを明らかにしている。
【筐体】巨騰、三星含む 5-6 社の Ultrabook 筐体受注獲得で業績回復
台湾経済日報 2012.06.30
ノート PC 用プラスチック筐体最大手の巨騰(Juteng)は、今年 1-6 月の売上高が前年同
期比大幅増となる見込みを発表した。巨騰はここ 1-2 年業績が伸び悩んでいだが、今年
は既に三星電子を含む 5-6 社のブランドメーカーから超軽量薄型ノートパソコン
Ultrabook の筐体を相次いで受注、三星電子への出荷は 4-6 月から始まっていることを
明らかにしている。
巨騰は、ノート PC 用プラスチック筐体のほか、新領域として炭素繊維及びガラス繊維を
使った筐体の開発を進めており、昨年 10-12 月から DELL に炭素繊維筐体の出荷を始めて
いるという。
また、ノートパソコン ODM 大手の仁宝(Compal)と合弁で設立した巨宝が、これまで参
入を躊躇ってきた金属筐体の領域に参入、昨年の金属筐体の出荷量は全製品の出荷量の
約 8%を占め、今年は三星電子向けが増えることから同比率が 15%まで上昇する見通しを
明らかにしている。
【銅箔】中科英華、青海省西寧市の年産 1 万トン銅箔基地 1 期を稼働
全景網 2012-6-29
中国内地最大の銅箔メーカーである中科英華(Kinwa)副董事長の袁梅氏は、中国青海省
西寧市の銅箔基地の年産能力 1 万トンの第 1 期が既にフル稼働していることを明らかに
した。また、年産能力 1.5 万トンの第 2 期についても、今年下半期に試験生産を行うこ
とを明らかにしている。
【キャパシタ】日本ケミコン、台湾中部にアルミ固体電解キャパシタ工場建設
中国鋁業網 2012-6-29
アルミ電解キャパシタ大手の日本ケミコンは、台湾子会社の事務所を設置している中国
台湾中部の埔里に月産能力 3000 万ユニットのアルミ固体電解キャパシタ生産工場を建
設することを明らかにした。今年 7-9 月に設備据付を行い、今年 10-12 月から生産を開
始する計画。
日本ケミコン本社のアルミ固体電解キャパシタの月産能力は 4300-4500 万ユニットであ
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るので、台湾工場が稼働すれば、月産能力は 7000 万ユニット以上に拡張される見通し。
日本には半導体最大手のインテルが認証しているアルミ固体電解キャパシタメーカーが
3 社あるが、日本ケミコンはそのうちの 1 社で、インテルが 2005 年にキャパシタの破裂
防止のため、パソコンメーカーにアルミ固体電解キャパシタの使用を要請してから需要
の拡大が続いている。
日本には日本ケミコンのほか、インテルが認証を付与しているアルミ固体電解キャパシ
タメーカーには富士通(Fujitsu)、パナソニック(Panasonic)があり、富士通は蘇州に
月産能力 4000 万ユニットの工場を有するが、近く月産能力を 6000 万ユニットに引き上
げる計画。またパナソニックも蘇州工場の月産能力を 1500 万ユニットから 3500 万ユニ
ットに引き上がる計画を進めている。
台湾の立隆電子(Lelon)、凱美電子(Kaimei)、智宝電子(Teapo)、金山電子(Chinsan
Electronic Industrial)、斐成企業(Feei Chernge)等の受動部品メーカーがあるが、何
れのメーカーもアルミ固体電解キャパシタの開発を行っているが、まだインテルの認証
は取得していない。
891 号 7 月 4 日
【タッチパネル】宸鴻/宸鴻/和鑫 、13 インチタッチパネル量産化で資金調達
台湾経済日報 2012.07.02
インテルはマイクロソフトと提携して超軽量薄型ノートパソコン Ultrabook に最新の基
本ソフト Windows 8 及びタッチパネルを搭載すること、また年内に少なくとも超軽量薄
型ノートパソコン Ultrabook 及びタブレット PC を合わせて 165 機種を市場に投入する計
画を進めており、その一環で提携契約を結んでいるタッチパネル大手の勝華(Wintek)、
宸鴻(TPK)、和鑫(Sintek)に年内に 13 インチ以上のタッチパネルの量産化を実現する
よう要請していることが明らかになった。
インテルは上記の計画を達成するためには、同 3 社の 13 インチ以上タッチパネルの安定
供給が不可欠としている。既に勝華が海外での原材料調達資金に充てる 1 億米ドルの資
金調達を完了しているほか、宸鴻も近く子会社の工場拡張及び設備購買のための資金調
達を行うことを明らかにしている。
【タッチパネル】インテル、サプライヤカンファレンスにタッチパネルメーカーの参加要請
2012-7-2 51Touch
マイクロプロセッサ最大手のインテルは、超軽量薄型ノート PC 機種 Ultrabook 関連で今
月開催予定のグローバルサプライヤカンファレンスにタッチパネルメーカーの参加を要
請したことを明らかにした。
インテルは昨年、Ultrabook 機種普及のための筐体、放熱モジュール、パネル、バッテ
リ、ストレージ装置、光ディスクプレーヤ、ベアリングからなる 7 大中核部品サプライ
ヤカンファレンスを開催したが、2 回目となる今年のカンファレンスには供給不足が懸
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念されるタッチパネルメーカーの参加を要請することとした。
インテル台湾地区総経理の陳立生氏は、Ultrabook 機種普及のためのグローバルサプラ
イヤカンファレンスはサプライヤが抱えている問題点を洗い出して解決することが趣旨
で、今後も 3 年前後は毎年開催していくことを明らかにしている。
インテルは今月初めに開催された台北国際電脳展(Computex)で宸鴻(TPK)、和鑫(Sintek)、
勝華(Wintek)、達鴻(Cando)とタッチパネル供給で提携することで契約を締結、Ultrabook
に必要となるタッチパネルの安定供給を確保しようとしている。
【ノート PC】ノート PC ODM、Win8 効果/入学商戦見通し難しく低調が続く
2012-7-2 中時電子報
今年 10 月と見られているマイクロソフト Win8 の発売に向けて宏碁(Quanta)、華碩
(Asustek)は Win8 搭載機種を今年 9 月から大量出荷する計画であるほか、緯創(Wistron)、
仁宝(Compal)、和碩(Pegatron)も 7-8 月の閑散期を乗り切れば 9 月以降は出荷が回復
してくる見通しを示している。
ノート PC ブランドメーカーが今年 4-6 月の見通しを下方修正する中、ノートパソコン
ODM メーカーが相次いで今年 4-6 月の出荷量見通しを下方修正している。先ず緯創が 4-6
月の出荷量を 1-3 月比 5%増から 5%減に下方修正、仁宝は同 15%増を 8-10%増に、広
達は同 5-10%増を 5%増に下方修正している。
各社とも出荷量の低調は 7-8 月まで続くと見ているが、9 月以降は Win8 搭載ノート PC
新機種及び Ultrabook 新機種の大量出荷があることから回復が期待できるとしている。
ただ、広達副董事長の梁次震氏は、欧州の信用不安が未解決である状況では将来の市場
を予測することが非常に難しくなっている、また Win8 効果も模様眺め、今年の入学商戦
についても楽観的な見通しが出せない中、どうしても保守的な見通しに立たざるを得な
い状況にある、生産のピークは 10-12 月の年末商戦前に持っていくのが穏当との見方を
示している。和碩 CEO の程建中氏も、7-9 月についてはユーザーが保守的になっている、
7-9 月のノート PC 出荷量は 4-6 月を数%下回る可能性があることを明らかにしている。
ノートパソコン ODM 上位 3 社の今年 6 月の出荷量は、緯創が前月比 24%増の 285 万台、
仁宝が同 20%増の 359 万台、広達が同 20%増の 536 万台と、4-5 月の出荷量が低かったこ
ともあり、前月比では 20%前後の伸びを示しているが、7-9 月は再び出荷量が落ち込む見
通しを示している。
【有機 EL】有機 EL パネル量産、台湾は今年後半、中国は来年末に開始
2012-7-3 北京商報
中国台湾及び内地で有機 EL パネルの開発、生産を宣言している企業は、台湾企業では友
達光電(AUO)、奇美電子(Chimei Innolux)、中国内地企業では彩虹(IRICO)、天馬(Tianma)、
京東方(BOE)等で、そのうち友達光電は近く小型有機 EL パネルの量産を開始すること
を明らかにしている。
有機 EL パネル市場は、韓国の三星電子が 9 割以上のシェアを有する状況にあるものの、
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2012 年 7 月号
製品の殆どは依然小型のスマートフォン用が占めており、テレビ用の大型製品は今年よ
うやく量産が可能となった状態で、三星電子、LGD が年内に 55 インチ有機 EL テレビの
販売を開始することを明らかにしている。
韓国の市場調査会社 Displaybank は、テレビ用有機 EL パネルの量産は今年下半期から始
まり、1 年後の来年下半期には急速に普及し始めるとともに、普及に伴って 55 インチ有
機 EL パネルの生産コストも量産開始時に比べ 3 分の 2 に低下するとの見通しを明らかに
している。
また、NPD DisplaySearch は、有機 EL テレビ市場規模は 2017 年には 1000 万台以上に達
するとの予測を明らかにしており、テレビ用有機 EL パネルの量産は、初期はスケールメ
リットが小さい、歩留まりも安定していない、コストが高いなどのハードルはあるもの
の、差別化を追求するテレビブランドメーカーは戦略的な低価格攻勢をかけて消費者の
購買意欲を刺激することが予想され、徐々に市場に浸透していくとしている。
台湾の友達、奇美は、液晶パネル同様、有機 EL パネルで韓国勢に後れを取ることは避け
たいとしており、今年下半期から有機 EL パネルの量産を開始する計画で、友達は 7-9
月に小型有機 EL パネルの量産を開始、奇美は今年 10-12 月から小型有機 EL パネルの量
産を開始する。
中国内地メーカーも、ここ数ヶ月の韓国メーカー、台湾メーカーの有機 EL パネルシフト
に警戒感を高めており、高世代液晶パネルと同時並行して有機 EL パネルへの投資を加速
することを明らかにしている。各社とも来年末までに中小型有機 EL パネルの量産を開始
する計画で、上海天馬微電子の有機 EL 事業部チーフエンジニアの黄維邦氏は、中国内地
にはパッシブ有機 EL パネルの産業集積があるため、製造技術を習得できれば、短期間に
量産態勢をつくることは可能との見方を示している。
【タブレット】華碩、グーグル Nexus 次第でタブレット年間出荷目標達成可能
DIGITIMES 3-7-2012
ノート PC ブランド 5 位の華碩(Asustek)は、今年年初に今年通年のタブレット PC 出荷
量目標を 300 万台とすることを宣言しているが、華碩がこの目標を達成できるかはグー
グルと共同開発した Nexus 7 の販売実績如何にかかっていると見られている。
華碩は年初に今年前半に 140 万台のタブレット PC を出荷する見通しを示していたが、
Nexus 7 の出荷が遅れたことから、実際の出荷量は 80 万台余りにとどまっていることを
明らかにしている。
華碩は、グーグルとの共同ブランドタブレット PC 製品 Nexus 7 の投入を優先するため、
自社単独ブランドの 7 インチ Wi-Fi 機能搭載タブレット MeMO 370T の投入をキャンセル
する決断をしているほか、Nexus 7 が 200 米ドルで販売されることから華碩の自社ブラ
ンド製品の販売にはマイナスとなるものの、グーグルとのタイアップが米国市場及び欧
州市場でのプレゼンス拡大にはプラスになるとしてグーグルとの提携を最優先する戦略
を取っている。
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2012 年 7 月号
【LED】東貝、今年のタブレット PC 用 LED バックライト出荷量目標 1 千万台
台湾経済日報 2012.07.02
インターネット検索最大手のグーグルがノート PC 大手の華碩(Asustek)と提携し発表
したタブレット型パソコン Nexus 7 が来月から米国で販売されることから、同製品の LED
バックライトを単独受注している LED バックライト大手の東貝光電(Unity Opto)及び
LED チップ大手の璨圓光電(Forepi)が既に 2 ヶ月前から華碩への LED バックライト出
荷を始めており、累計出荷量が 300 万台に達していることが明らかになった。また、東
貝は今年通年のアップル以外のタブレット PC 用 LED バックライト出荷量目標を 1000 万
台以上としていることも明らかにした。
業界筋によると、グーグル Nexus 7 のディスプレイパネルは、タッチパネルは電子ペー
パー最大手の元太科技(Prime View)傘下の韓国液晶パネルメーカーHydis のタッチパ
ネルを採用、パネルモジュールのアッセンブリは華映(CPT)が担当、タブレット PC 完
成品のアッセンブリを華碩が担当する形を取っている。
LED 業界関係者によると、7 インチのタブレット PC が使用する LED チップは約 25 個、10
インチのタブレット PC が使用する LED チップは 30 個余りで、タブレットパソコン 1 台
当たりの LED ライトバーのコストは 2.5-3.0 米ドルといわれている。
東貝は今年 4 月から華碩にグーグルのタブレット PC 用 LED バックライトを出荷、累計出
荷量が既に 300 万台を超えていること、東貝の非アップルタブレット PC 用 LED バックラ
イト市場シェアは今年 30-40%に達し、東貝の今年のタブレット PC 用 LED バックライト
出荷量は 1000 万台を突破する見通しを示している。東貝が今年タブレット PC 用 LED バ
ックライトを 1000 万台出荷することになれば、東貝は 3 億個以上の LED チップを調達す
る必要があるという。
東貝は、中小型及び大型のバックライトの出荷が同時に大幅に増えていることから、今
年 6 月の売上高が 7 億 NTD を突破する見通し。また 7 月も受注が旺盛で受注残高が 8 億
NTD に達していることから、7 月も前月を超える売上高が期待できるとしている。
LED チップの璨圓も、東貝向けが好調であることから 6 月の売上高は 5 月を上回る見通
しであるほか、中国内地のテレビメーカー向けバックライト用 LED チップの受注も伸び
ていることから今年年末までフル稼働が続くことを明らかにしている。
【PCB】健鼎科技、2Q 連結売上高 100 億 NTD 突破 1Q 比 7%増予想
巨亨網 2012-7-3
プリント配線基板大手の健鼎科技(Tripod)は、ユーザーの在庫調整等により今年 6 月の
連結売上高が 5 月の 34.92 億 NTD を下回るものの、今年 4-6 月の連結売上高については
100 億 NTD を突破、1-3 月比 7%増となる見通しを明らかにした。
健鼎科技の今年 1-3 月の連結売上高は 93.5 億元、連結粗利率は 17.68%に低下、税後利
益は 8 億 NTD にとどまったが、2012 年 4-6 月については、連結売上高の回復によって粗
利率も回復、為替差益も出ていることから、税後利益は 1-3 月を上回ることがほぼ確実
としている。
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また、下半期の見通しについては、健鼎科技の PCB 製品が液晶パネル、ハードディスク、
携帯電話、メモリモジュール、ノートパソコン、車載など幅広い領域に分散しているこ
と、需要期に入る下半期に高価格ビルドアップ基板の出荷が増えることから、売上高、
純利益ともに上半期に比べ大幅に増加する見通しを明らかにしている。
【キャパシタ】日本ケミコン、中国無錫にアルミ電解キャパシタ開発センター建設
老杳吧 2012-7-2
アルミ電解キャパシタ最大手の日本ケミコンは、中国江蘇省無錫市の現地法人、ケミコ
ン(無錫)有限公司の敷地内に開発センターとなるケミコン電子研発(無錫)有限公司
を設立したことを明らかにした。
今年秋には開業する予定で、日本国内の基礎研究センター、製品開発センター、生産技
術開発センター及び米国のキャパシタ材料基礎研究センターと連携してグローバル研究
開発態勢を構築することになるという。
日本ケミコンは新興市場を中心とする海外事業強化を 2011 年からの中期経営計画の重
点項目として掲げており、特に近年中国内地市場での売上高が売上高全体の 50%前後を
占めるようになってからは、中国内地市場での売上高確保が企業全体にとっても必要不
可欠となっており、現地のニーズを 100%満足できる製品を短期間に開発するための現地
化を推進してきたという。
その一歩として昨年 11 月に中国技術センター設立準備室を設置、中国内地での開発セン
ター設立のための準備作業を進めてきたという。無錫の開発センターは、第 1 期では各
種電子機器の電源及び DC-AC コンバータに用いるアルミ電解キャパシタの開発を行い、
第 2 期ではアルミ電解キャパシタ以外の製品群の開発を行う計画。無錫開発センターの
登録資本は 300 万米ドル、法人代表には日本ケミコン専務取締役 CTO の内秀則氏が就任
している。
892 号 7 月 6 日
【ノート PC】緯創、広東の液晶 TV 合弁解消 2 千万米ドル増資子会社化
DIGITIMES 4-7-2012
世界第 3 位のノートパソコン ODM メーカー、緯創(Wistron)は、中国広東省中山市にあ
る世界第 3 位の大型液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)との液晶テレビモジュー
ル生産合弁企業である友智光電(中山)有限企業(BriVision Optronics (Zhongshan)
Ltd.)に 2000 万米ドルの増資を行い、100%子会社化することを明らかにした。
今回の増資は、合弁パートナーである友達光電が友智光電(中山)有限企業から撤退す
ることに対応したもので、増資により友智光電(中山)有限企業は緯創の 100%子会社に
なる。今後の友智光電の展望については、中国内地の液晶テレビ需要は拡大し続けてお
り、緯創の今年通年の液晶テレビ ODM 出荷量は 500 万台を計画していることを明らかに
している。
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2012 年 7 月号
緯創の現有の液晶テレビ ODM ユーザーはソニー、東芝、LG 電子、Vizio の 4 社だが、近
く新規ユーザー1-2 社を獲得できる見通し。また、緯創は欧州のチェコに 1000 万ユーロ
を投じて 100%子会社を設立、チェコ市場で増加しているアフターセールスサービス需要
に対応することを明らかにしている。
【ノート PC】仁宝、DELL の来年出荷分ノートパソコン ODM の 7 割を獲得
DIGITIMES 2-7-2012
世界第 2 位のノートパソコン ODM メーカーである仁宝(Compal)が、ノート PC ブランド
大手の DELL の 2013 年出荷のノートパソコン ODM の 7 割の受注を獲得したことが明らか
になった。
DELL は 2012 年出荷のノートパソコン ODM で、60%を仁宝、26%を緯創(Wistron)
、13-14%
を広達(Quanta)に発注しているが、2013 年出荷分については、発注先を 2 社に絞り、」
70%を仁宝、残り 30%を緯創に発注することを決めた。
DELL の 2013 年のノート PC 出荷量は 2700 万台に達すると見られていることから、仁宝
が今回獲得した受注量は 1890 万台に達する見込みで前年比 26%増となる。また、仁宝が
今回受注した DELL の 2013 年出荷分はその殆どが企業向け商用機種であることも明らか
になっている。一方、緯創が受注した DELL の 2013 年出荷分は民用機種と見られている。
ノートパソコン ODM では、一般的に商用機種の価格及び粗利は民用機種に比べ高いこと
から、仁宝の 2013 年の収益改善には寄与すると見られている。なお、2013 年の世界の
ノート PC 出荷量は、Windows 8 効果もあって 2012 年を上回ることが予想されている。
【タッチパネル】義隆、2Q タッチパネルチップ出荷大幅増 全体の 6 割占める
2012-7-4 中華液晶網
タッチパネル制御チップ大手の義隆電子(Elan)は、タッチパネル制御チップの出荷量
が急増したことから、今年 6 月の売上高が前月比大幅増となる見通しを示した。
タブレット PC 及びスマートフォンに搭載されるタッチパネル用制御チップの出荷量が
急増していることから、タッチパネル用制御チップの売上高が売上高全体の約 6 割を占
めていることを明らかにしている。
【電子ペーパ】E Ink、アマゾンのブラジル進出で 3Q 売上高の大幅増を予想
DIGITIMES 4-7-2012
元太科技(Prime View)傘下の世界最大の電子ペーパー(EPD:Electronic Paper Display)
メーカーである E Ink は、主力ユーザーであるアマゾンがブラジルに電子書籍リーダー
Kingdle 及びポルトガル語のカタログを投入しデジタル書店を展開しすることから、今
年 7-9 月の売上高が大幅に伸びる見通しを明らかにした。
E Ink は、アマゾンの 2004 年の中国市場進出、2012 年初めのインド市場進出で売上高が
大幅に増加したことから、今回のブラジル市場進出でも同様の売上高の増加が見込める
10
2012 年 7 月号
としている。市場調査会社によると、ブラジルのオンライン市場は約 120 億米ドル、パ
ソコン市場は昨年世界第 3 位に浮上している。
市場は、アマゾンのブラジル進出によりブラジルの消費者は高い輸入関税を支払う必要
がなくなるため、アマゾンのデジタル書店は消費者の購買意欲を喚起する可能性が高い
と指摘する。
E Ink は今月だけでアマゾンに約 50 万枚の電子書籍リーダー用電子ペーパーを供給する
ことから、世界経済の不安定はあるものの、売上高の大幅増はほぼ確実であることを明
らかにしている。
【LED】仏山照明、香港企業との LED チップ合弁企業を設立 1 年で清算
2012-7-3 証券日報
中国広東省の大手照明メーカーである仏山照明(Foshan Lighting)の LED 合弁事業が設
立わずか 1 年で解散、清算されることとなった。仏山照明は 6 月 29 日、昨今の市場環境
及び技術環境の激変により、香港のベンチャーキャピタルである麗嘉科創有限公司との
合弁で 2011 年 6 月に設立した広東仏照新光源科技有限公司の収益が見込めなくなったと
して、両社協議の上、広東仏照新光源科技有限公司の解散及び清算を決定したことを明
らかにした。
市場は、広東仏照新光源の解散は、仏山照明の業績への期待を裏切るもの、リチウム電
池事業の不振も業績への影響が不可避としており、仏山照明の株価は大幅に下落してい
る。
2011 年 4 月、仏山照明は香港の麗嘉科創有限企業と合弁で仏山市に広東仏照新光源科技
有限企業を設立、低色温白色 LED 光源照明製品を生産することを発表、登録資本 2.22
億元、うち仏山照明が 1.22 億元を現金出資し 55%の持分を取得、麗嘉科創有限企業が評
価額 1 億元の低色温白色 LED 専門技術を提供し 45%の持分を取得する形で合弁事業をス
タートさせた。
仏山照明は、麗嘉科創の低色温白色 LED 技術の検査測定結果から、麗嘉科創の LED チッ
プの顕色指数は 90%以上に達しており、同類の LED 光源に比べ発光効率が 25%以上高いこ
とを示し、市場は仏山照明の LED 合弁事業に高い期待を寄せていた。しかし、ここ 1 年
の LED 市況の悪化も影響して、仏山照明は突然、同 LED 合弁事業の解散・精算を発表、
市場の期待を裏切る結果となった。
仏山照明の発表によると、広東仏照新光源は 2011 年末に仏山照明が 1000 万元の資本金
を払い込んだ後も工場建設、設備導入の形跡はなく営業実績もないことが明らかになっ
ている。
仏山照明は 2010 年にも米国の LED チップメーカー、Bridgelux と提携し LED 電球の製造
販売を始めたが、同事業も期待した成果を上げていないという。中国政府は今年 10 月か
ら国内での 100 ワット以上の白熱灯の販売を禁止、2016 年 10 月からは 15 ワット以上の
白熱灯の国内販売を禁止することを決めており、年間 5 億個以上の白熱灯を生産する仏
山照明にとって LED 照明へのシフトは避けては通れない課題となっている。仏山照明は、
今回の麗嘉科創との合弁解消を契機に新たなパートナとの提携を模索することになると
11
2012 年 7 月号
見られている。
【LED】中国国務院/広東省 LED 照明政策、台湾 LED メーカーに恩恵
2012 年 7 月 04 日 OFweek 半导体照明网
日本の内閣に相当する中国国務院が 22 億元の予算を投じて省エネルギー照明、LED 照明
の普及を促進する政策を発表したのに続き、広東省政府が公共施設の照明を 3 年以内に
全て LED 照明に切り替える政策を打ち出したことから、市況の悪化に苦しむ台湾の LED
メーカーにとっては大きな助けになると見られている。
晶元光電(Epistar)等の LED チップメーカー、億光電子(Everlight)、東貝光電(Unity
Opto)等の LED 実装企業が中国内地から相次いで LED 照明を受注していることが明らか
になっている。また、台湾メーカーも広東省での販売チャネルの開拓を積極的に行って
いる。
【太陽電池】海潤光伏、大口ユーザー生産停止発表で株価 10%近く下落
2012 年 7 月 05 日 金陵晚报
中国内地の大手太陽電池メーカーである海潤光伏(Hareon Solar)は、大口ユーザーが
太陽電池製品の生産を停止したことが業績に影響することを明らかにするとともに、国
電蒙電新能源と合弁で 2 つの太陽光発電所を建設することを明らかにした。
大口ユーザー生産停止の発表後に海潤光伏の株価は 10%近く下落している。
【PBC】毅嘉、6 月売上高が前月比 9%減、前年同月比 6%増は維持
DIGITIMES 3-7-2012
台湾の携帯電話用フレキシブル基板メーカーである毅嘉(Ichia)は、今年 6 月の連結売
上高が 6.19 億 NTD(2060 万米ドル)で、前月比 8.97%減となったものの、前年同月比では
5.78%増を維持したことを明らかにした。1-6 月の累計売上高も 41.24 億 NTD で前年同期
比 11.29%増だった。
なお、6 月の連結売上高に占める携帯電話用フレキシブル基板の比率は 70.9%、その他の
携帯電話部品の比率は 29.1%であることを明らかにした。
【PCB】台郡、フレキ基板需要増対応で 5 千万米ドルの資金調達を実施
2012-7-5 PCB 信息網
フレキシブル基板大手の台郡(Flexium)、旭軟(Sunflex)は、タブレット PC 及びスマート
フォン市場拡大に伴うフレキシブル基板の需要増加に対応するため、生産拡張のための
資金調達を積極的の行っている。
台郡は原材料調達のための海外で 5000 万米ドルの転換社債を発行、7 月 11 日に資金調
達を完了したことを明らかにしている。一方、旭軟はフレキシブル後工程アッセンブリ
12
2012 年 7 月号
(FPCA)及び自動化設備を拡充するため、4 億 NTD の転換社債を台湾域内で発行、今月末
までに資金調達を完了することを明らかにしている。また、主力ユーザーである液晶モ
ジュール(LCM)メーカー向け出荷が伸び悩んでいることから、ブランドメーカー及び
EMS 企業からの新規受注に注力、既に複数の EMS 企業及び華碩(Asustek)からの受注獲得
に成功したことを明らかにしている。
【生産統計】中国内地電子情報産業主要製品今年 1-5 月生産量一覧
中国工業情報化省
主要製品
単位
1-5 月累計
昨年同期
増減%
携帯電話
万台
44047
41855
5.2
通信交換機
万回線
1300
1978
-34.3
移動通信基地設備
万チャネル
5001
3469
44.2
電話機
万台
5662
5186
9.2
ファックス機
万台
121
107
13.1
カラーテレビ
万台
4866
4259
14.3
うち:CRT
万台
391
595
-34.4
液晶
万台
3981
3405
16.9
プラズマ
万台
74
110
-32.5
万台
13035
11048
18
万台
9164
7385
24.1
サーバ
万台
44
158
-72.3
プリンタ
万台
2502
2709
-7.6
モニタ
万台
5143
6164
-16.6
半導体部品
億個
1560
1571
-0.7
集積回路
億個
387
380
1.7
デジタルカメラ
万台
3132
2928
7
LED チップ
億個
484
325
49
各種液晶パネル
億枚
14.6
15.9
-7.8
電子素子
億個
9073
9567
-5.2
パソコン
うち:ノート型
893 号 7 月 9 日
【パソコン】聯想董事長、台湾 ODM 大手 4 社と百億 NTD 相当発注協議
2012 年 7 月 06 日 華強電子網
聯想集団董事長兼 CEO の楊元慶氏は 5 日密かに台湾を訪れ、ノートパソコン ODM 世界第
2 位の仁宝(Compal)総経理の陳瑞聡氏、同 3 位の緯創(Wistron)董事長の林憲銘氏、
同首位の広達副董事長の梁次震氏、同 6 位の和碩(Pegatron)董事長の童子賢氏と総額
13
2012 年 7 月号
100 億 NTD 相当のノートパソコン ODM について協議したことが明らかになった。これま
で聯想のパートナだった仁宝、緯創のほか、広達、和碩が新たに聯想の一部 ODM を受注
すると見られている。
また、聯想集団創業者の柳傳志氏も台湾を訪れ、ノートパソコン ODM 世界 5 位の英業達
(Inventec)董事長の李詩欽氏、世界最大のテレビ及びモニタ ODM メーカーである冠捷
科技集団(TPV)総裁の宣建生氏と、ノートパソコン ODM について協議したことも明らか
になっている。
また聯想集団董事長兼 CEO の楊元慶氏は、今年 5 月のプレッジ・ミーティングでクラウ
ドコンピューティングを通してスマートフォン、タブレット PC、スマート TV、パソコン
を接続する PC プラスのコンセプトを打ち出していることから、テレビ、スマートフォン
等の領域も楊元慶氏の台湾訪問の大きな目的と見られている。
聯想のここ数ヶ月のスマートフォン月間出荷量は 100 万台を超えており、今年新たに投
入する機種は通年で 40 機種を超えると見られている。来年の PC 出荷量見通しについて
は、PC 産業の平均水準を上回る見通しを示しているが、市場も聯想の来年の PC 出荷量
が前年比 10%以上増えると予測している。また市場は、中国国内の PC 市場シェアは、農
村部で競合する企業が存在しないことから、50%を突破する可能性があるとも指摘してい
る。
なお、聯想の PC 製品の外注比率は 7 割程度で、残り 3 割は自社生産している。聯想は中
国湖北省武漢市にモバイルインターネット産業基地を建設することを宣言したほか、昨
年仁宝と合弁で設立したパソコン生産企業である聯宝の安徽省合肥工場を今年 10-12 月
に稼働させることも明らかにしている。
【パソコン】中国国内 PC 出荷量、今年前年比 13%増の 8360 万台予想
2012-7-6 鉅亨網
大手市場調査機関 IHS iSuppli は 4 日発表した最新報告で、2012 年の中国内地の PC 産
業は 2 桁の成長を実現し、中国国内市場の出荷量は前年の 7390 万台に比べ 13%増の 8360
万台に達すると予想、また中国国内 PC 出荷量の 2 桁成長は 2015 年に 9%の 1 桁成長とな
るまで持続するとの見通しを明らかにした。
なお、中国国内 PC 出荷量は世界総出荷量 3.589 億台の 23%を占め、アジアパシフィック
地区 PC 総出荷量の 63%を占めるとしている。また、中国内地最大の PC メーカーである
聯想(Lenovo)の今年の中国国内出荷量は 2990 万台に達し、中国国内 PC 市場シェアは
36%に達する一方、シェア 2 位の宏基(Acer)の中国国内 PC 市場シェアは 11%で聯想と
の差は 25 ポイントに広がると予想している。同シェア 3-5 位は DELL、HP、華碩で、そ
れぞれのシェアは 8%、6%、6%と予想している。また、今年の中国国内 PC 市場における
Ultrabook 出荷量は全体の 15-20%を占める見通しも示している。
【液晶パネル】中国 TV メーカーの京東方からのパネル調達、友達を上回る
2012-7-6 精実新聞
14
2012 年 7 月号
市場調査会社 NPD DisplaySearch の最新月次 LCD 産業レポートによると、中国国内液晶
テレビメーカーの液晶パネル購買量が今年 5 月に 4 月比 14%減となったものの、6 月は 5
月比 14%増となったこと、7 月は前月比 3%増、8 月は同 5%増、9 月は前月比横ばいとなる
見通しを示した。
液晶パネルメーカー別内訳については、今年 5 月に京東方(BOE)の供給量が初めて台湾
の友達(AUO)及び韓国三星電子、LGD を超えて、台湾の奇美電子(CPT)に次ぐ第 2 位
となったことを明らかにした。これは、京東方の 8.5 世代液晶パネル生産ラインの 32
インチ TV 用液晶パネルの量産が本格的に始まったことのほか、台湾及び韓国の液晶パネ
ルメーカーが収益が低い 32 インチ TV 用液晶パネルの生産を大幅に減らしたことが大き
な要因となっていると分析している。
一方、奇美電子は業績不振が続いたことから 32 インチ TV 用液晶パネルの生産能力が拡
張できていないため、5 月の出荷量が目標を若干下回るとともに、6 月、7 月についても
出荷量を大幅に増やすことは難しく現状維持が続くと見られている。
【液晶 TV】今年の中国国内 TV 生産量 1.5 億台 うち輸出が 1 億台
2012-7-6 中国 OLED 網
先日開催された 2012 年中国・台湾ハイテク産業協力フォーラムによると、中国国内の 8
大カラーTV メーカーが先日契約した台湾液晶パネルメーカーからの液晶パネル共同調
達量は 3000 万枚、調達金額は 45 億米ドルに達することが明らかになった。
また、創維(Skyworth)、TCL、海信(Hisense)、長虹(Changhong)、康佳(Konka)、熊
猫(Panda)、厦華(Prime)等の 8 大カラーTV メーカーは、今回の液晶パネル共同調達
で、台湾の奇美電子(CPT)、友達光電 2 社と液晶パネル購買契約及び戦略パートナーシ
ップ契約を締結した。
今回の中国国内 8 大カラーTV メーカーによる台湾メーカーからの液晶パネル共同購買金
額は前年同期に比べ 13%増となったが、業界関係者は中国国内カラーTV メーカーの液晶
パネル自社生産及び京東方(BOE)の高世代液晶パネル生産により、将来的には中国国内
カラーTV メーカーの液晶パネル購買は段階的に自社生産もしくは地場メーカーからの
調達に切り替えられると指摘する。中国国内 8 大カラーTV メーカーが台湾メーカーから
調達した液晶パネル数量及び金額は、2008 年は 1000 万枚、20 億米ドル足らずだったが、
2011 年にはそれぞれ 2600 万枚、40 億米ドルに拡大している。
中国電子映像産業協会副会長の白為民氏は、今年の中国国内テレビ生産量が前年比 25%
増の 1.5 億台、そのうち国内販売が 5000 万台、輸出が 1 億台に達するとの予測を示して
いるが、中国国内販売については中国政府が今年下半期から全国規模で省エネ家電に対
する補助金政策を実施することから、液晶テレビを中心にテレビ需要が再び大幅に増加
することが予想されるためと指摘している。
中国国内の高世代液晶パネル生産ラインを保有する華星光電(China Star)及び京東方
(BOE)のそれぞれの生産能力は、華星光電が月産能力ガラス基板換算で 10 万枚、年間
約 1400 万枚の 32 インチ液晶テレビモジュールを生産可能、京東方の月産能力はガラス
基板換算で 9 万枚で、年間約 1300 万枚の 32 インチ液晶テレビモジュールを生産するこ
15
2012 年 7 月号
とができる。中でも京東方の液晶パネル世界市場シェアは 8%前後に達しており、出荷量
順位は 6 位に上昇している。
DisplaySearch 統計によると、中国国内のテレビメーカーが調達している液晶パネルの
うち、奇美電子及び友達光電が全体の 47%を供給しているが、中国地場液晶パネルメー
カーが供給している比率も 17%まで上昇している。
【スマホ】宏達、特許権係争敗退と三星/華為の台頭でブランド力急降下
2012 年 7 月 06 日 搜狐 IT
米国メディア関係者は、台湾のハイテク企業が世界のテクノロジ産業において ODM 領域
では依然として重要な役割を発揮し続けているものの、順調だった独自ブランドの構築
に陰りが見られるとの見方をしている。
こうした見方のきっかけとなったのが、スマートフォンの独自ブランドを展開する宏達
(HTC)のシェア急降下であり、PC ブランド大手となった宏碁(Acer)同様、ODM 専門メ
ーカーから独自ブランドの構築に成功した台湾企業であったが、アップルとの相次ぐ特
許権係争敗訴、韓国の三星電子のシェア急拡大、中国内地の華為科技(Huawei)及び中
興通訊(ZTE)の低価格スマートフォン攻勢により、今年 1-3 月の宏達のスマートフォン
出荷量は 680 万台にとどまり、昨年同期の 1020 万台、昨年 10-12 月の 900 万台に比べ大
幅減となった。一方、韓国の三星電子の今年 1-3 月のスマートフォン出荷量は 4400 万台
で、昨年 1-3 月の 1140 万台に比べ 4 倍近くに伸ばしており、宏達と対照的な成績を上げ
ている。
【スマホ】アマゾン、スマートフォン事業にも参入 富士康を ODM パートナに選択
2012-7-6 鉅亨網
タブレット PC 事業に参入したインターネット通販最大手のアマゾンが今度はスマート
フォン事業に新規参入することが明らかになった。タブレット PC 市場同様、アップル
iPhone 及びグーグル Android 基本ソフトを搭載したスマートフォンの寡占を崩す第 3 勢
力となることへの期待が高まっている。
また、スマートフォンの ODM パートナとして、アップルの ODM パートナでもある鴻海富
士康(Foxconn)を最有力候補としていることも明らかになった。さらに、頻発する訴訟
問題を回避するため、InterDigital 社から無線通信技術の特許権を買収する計画も進め
ていることが明らかになっている。
アマゾンは、タブレット PC 事業同様、スマートフォン事業を通じてデジタルコンテンツ
の販売も拡大するシナジー効果を狙っている。
【タブレット】アップル、iPad Mini 投入認める 来年初め 250 米ドルで販売
中関村在線網站 2012-07-05
アップルは今年 10 月に iPad mini を発表、来年初めに市場で販売を開始することを明ら
16
2012 年 7 月号
かにした。iPad mini のサイズについては、7 インチから 8 インチの間、パネルはシャー
プの Retina を採用しないこと、販売価格は 250 米ドル(約 1580 元)となることが明ら
かになっている。
グーグルがタブレット PC 市場に参入し Nexus 7 を投入した最大の目的が、アップルとア
マゾンによるタブレット PC 市場の寡占状態を崩すことにあり、既に多くのブランドメー
カーがタブレット PC 機種を投入しているにもかかわらず、また業界でハードディスクは
三星の Galaxy Note に劣り、基本ソフトのユーザーニーズに対する柔軟性でも Android
に劣るといわれているにもかかわらず、アップル iPad とアマゾン Kindle Fire が大きな
シェアを維持し続けているのは、アップルがコンテンツが充実した Apple Store、アマ
ゾンが世界最大のインターネット通販サイトを有しているためといわれている。
【電子ペーパ】元太、アマゾン/楽天/凸版から eBook 電子ペーパー受注
台湾経済日報 2012.7.8
電子ペーパー最大手の元太科技(Prime View)傘下の E ink 社は、アマゾンの日本市場
向け Kindle 電子書籍リーダー、日本国内最大のインターネット通販企業である楽天の電
子書籍リーダーKobo Touch、凸版印刷の電子書籍リーダーBookLive の電子ペーパーを受
注したことから、今年下半期の売上高及び純利益が大幅な増加が見込めることを明らか
にした。
元太科技は昨年売上高・純利益ともに過去最高を記録したが、今年 1-3 月は 3 年ぶりの
赤字に転落していた。楽天は今年 7 月 19 日に Kobo Touch を約 8000 円で、凸版印刷は今
年 10 月に BookLive を発売することを明らかにしている。
【生産統計】中国の電子情報製造業、5 月は売上高/粗利益共に回復
2012 年 7 月 04 日 中国工業情報化省
中国政府が安定成長政策と金融政策を相次いで実施したことから、中国の電子情報製造
業は徐々に回復し、今年 1-5 月の電子情報産業製造業の売上高は 3 兆 1724 億元で前年同
期比 11.2%増、粗利益は前年同期比 13.1%増であったが、今年 5 月の売上高及び粗利益の
前年同期比増加率が 1-5 月に比べそれぞれ 1.9 ポイント、1.6 ポイント上昇となった。
なお、1-4 月の電子情報産業全体の売上高は 2 兆 4776 億元で前年同期比 10.4%増、純利
益総額は 604 億元で同 28.0%減、税金は 370 億元で同 14.2%増だった。
また、2012 年 5 月の電子情報製品の輸出及び輸入は前年同期比それぞれ 9.7%増、0.1%
減、4 月に比べそれぞれ 11.5 ポイント、11.6 ポイント上昇した。1-5 月の電子情報製品
の輸出入総額は 4369 億米ドルで前年同期比 1.2%増、うち輸出が 2601 億米ドルで同 4.7%
増、中国の輸出全体の 33.6%を占め、輸入は 1768 億米ドルで同 3.6%減、中国の輸入全体
の 24.0%を占めた。
17
2012 年 7 月号
894 号 7 月 11 日
【太陽電池】英利、1Q 太陽電池モジュール出荷量が尚徳を抜いて首位
DIGITIMES 9-7-2012
台湾の IT 市場調査会社 Digitimes Research によると、中国内地の太陽電池モジュール
メーカー上位 5 社の順位が今年 1-3 月に大幅に変動、首位だった尚徳(Suntech)の出荷
量が大幅に減少し順位を 3 位に落としたのに対し、英利(Yingli)が出荷量を大幅に増
やし首位に躍進した。2 位は天合(Trina)、4 位は阿特斯(Canadian)、5 位は Hanhwa
SolarOne(旧林洋新能源)。
今年年初から太陽電池メーカーは原材料コストの削減に取り組んできたが、太陽電池モ
ジュール製品価格の下落が止まらない中、多くの太陽電池メーカーが赤字を余儀なくさ
れている。それ以上に中国内地の太陽電池メーカーを苦しめている大きな問題は、今年
1-3 月の各社が抱える在庫価値総額が初めて各社の総売上高を上回ったことである。昨
年 10-12 月時点では各社が抱える在庫価値総額は各社の総売上高の 75%だったが、今年
1-3 月に同比率が一気に上昇、100%を突破し 106%に達した。在庫水準の上昇は多くの企
業の資金繰りを悪化させ、在庫価値の低下は収益を圧迫する。さらに、在庫水準を下げ
るため、市場を混乱させるダンピングに近い低価格で製品を販売することを余儀なくさ
れるという悪循環に陥っている。
中国内地の太陽電池メーカーは、ドイツの太陽電池需要が今年 7-9 月まで持続すると見
ているほか、1.7 ギガワットの太陽電池需要が中国内地政府の 2012 年の金太陽モデルプ
ロジェクト(Golden Sun Demonstration Projects)及び中国西部での太陽光発電プラン
ト事業で見込めるとして依然楽観的。今年 7 月初めから実施される日本の新たな太陽光
発電買取制度も大きな太陽電池需要を生み出すとの期待もある。また米国政府が 30%以
上のアンチダンピング課税を課しているものの、米国市場への輸出を諦めてはおらず、
打開策として台湾企業及びマレーシア企業への OEM 発注を通じて迂回輸出する方法を取
っている。
【太陽電池】独 Solar World、EU に中国企業に対するダンピング調査要請
DIGITIMES 9-7-2012
ドイツの大手太陽電池メーカー、Solar World が、欧州委員会に対して中国内地太陽電
池メーカーに対するダンピング調査を要請するキャンペーンを展開していることが明ら
かになった。
ただ、EU 委員会は今のところ、中国内地メーカーと貿易紛争となっている欧州の太陽電
池メーカーが全体の 25%を占めたときには真剣にダンピング調査実施の必要性を検討
するとしており、台湾メーカーも欧州委員会が中国内地メーカーに対して即座にダンピ
ング調査を行う可能性は今のところ低いとの見方をしている。
18
2012 年 7 月号
【スマホ】中国内地スマートフォン市場、2Q は前年比 164%増の 3310 万台
2012-7-10 騰訊科技
市場調査機関 Gartner によると、中国最大の携帯電話キャリアである中国移動(China
Mobile)がアップル iPhone の販売を開始していないにもかかわらず、中国電信が今年年
初からアップル iPhone の中国内地での販売を開始したことから、iPhone の中国内地ス
マートフォン市場における今年 4-6 月のシェアは 17.3%に達し、昨年同期の 9.9%に比べ
大幅な伸びを示した。
証券会社 Needham & Company アナリストの Charlie Wolf 氏は、スマートフォン市場の四
半期報告で、中国内地の 4-6 月のスマートフォン出荷量は前年同期比 164%増の 3310 万
台に達し、米国の 2500 万台を抜いて、世界最大のスマートフォン市場となったことを明
らかにしている。
【液晶 TV】TCL、液晶 TV の ODM 専門企業設立し日系からの受注狙う
2012-7-9 精実新聞
中国内地の液晶テレビ大手の TCL 集団が、2013 年にも液晶テレビ等の家電製品の ODM 専
門企業を設立し日系からの受注を狙うことを明らかにした。TCL 集団は、既に東芝のテ
レビ製品の ODM 生産を行っているが、今後ソニー、パナソニックのテレビ製品の ODM 生
産、携帯電話の ODM 生産も行うことを明らかにしている。
また、TCL 集団は有機 EL パネル事業に参入する意向を示しており、来年中に 32 インチ
有機 EL パネルの試験生産を行う計画を明らかにしている。ただ、有機 EL パネルを使用
する製品は価格が極めて高いため、当面はモバイル装置用の小型パネルでの普及を目指
し、テレビ用の大型パネルの普及は考えていないとしている。TCL 集団の液晶テレビ世
界市場シェアは 5%前後で世界第 5 位に浮上、今年の液晶テレビ出荷目標は 1380 万台と
している。
【液晶パネル】台湾中小型液晶パネル出荷量、3Q に 5 億枚の大台突破か
2012-7-9 精実新聞
台湾の IT 市場調査機関である光電協進会 PIDA によると、2012 年 1-3 月の台湾の中小型
液晶パネル総出荷量は 3.55 億枚で、前年同期の 3.51 億枚に比べ 0.9%の微増にとどまっ
たが、スマートフォン需要の持続的拡大により、7-9 月の台湾の中小型液晶パネル総出
荷量は前年同期比 13.7%増の 5 億枚に達する可能性があると見られている。
主に低価格スマートフォン時代の到来により、近年スマートフォン市場は高い成長を持
続しているとともに、高価格市場と低価格市場の二極化が進んでおり、現在、世界の大
手スマートフォンブランドメーカーである三星(Samsung)、宏達(HTC)、ノキア(Nokia)
等は、高価格機種を投入するとともに、中国内地市場を開拓するための低価格機種の投
入も積極的に行っている。
PIDA は、世界の 1 万 NTD 以下のスマートフォン市場の普及率は今年 35%に達し、2014 年
19
2012 年 7 月号
には同普及率は 50%を超えると予想している。なお、低価格スマートフォンは、パネル
の大きさは 3.2 インチから 3.7 インチが主流、タッチパネル技術はタッチセンサを液晶
パネル内に付与もしくはカバーガラス内に付与する OGS(One Glass Solution)の方向
に発展しているとしている。一方、高価格スマートフォンは、タッチパネルが低価格製
品同様の OGS 化が進んでいるとともに、パネルの大きさは 4 インチ以上、有機 EL パネル
が主流になっているとしている。
【携帯電話】ノキア/RIM/宏達のスマホ出荷量減少、年末まで続く見通し
DIGITIMES 9-7-2012
スマートフォン市場をけん引してきたノキア、RIM、宏達(HTC)のスマートフォン出荷
量の減少が止まらない。業界では、新たなプラットフォームへのシフトに一定の時間が
かかることから、3 社のスマートフォン出荷量の減少は今年年末まで続くと見ている。
ノキア、RIM、宏達はアップル、三星からの攻勢をかわす努力をしてきたものの、RIM 及
び宏達は今年 4-6 月の出荷量が予想を下回ったこと、ノキアに至ってはスマートフォン
の出荷量が 1000 万台以下にまで落ち込んだことを明らかにした。宏達の 4-6 月の出荷量
は、1-3 月の出荷量を辛うじて上回ったものの、出荷量は 900 万台にとどまり、7-9 月に
は 800 万台、10-12 月には 700 万台近くまで落ち込む可能性もあると指摘されている。
RIM の 4-6 月の出荷量も 800 万台にとどまり、下半期についても RIM が既に BlackBerry 10
の投入を遅らせることを決めていることから今後も出荷量が徐々に減少していく可能性
が高いと見られている。ノキアについても、RIM 同様の状況が見られ、Windows Phone 7.5
機種の投入が 7-9 月には難しいことから、Windows Phone 8 機種の投入を待つ消費者が
増え、消費者の購買意欲を減退させていると指摘されている。
【モニタ】10 大ブランドモニタ出荷量、5 月は 4 月の反動で前月比 4.9%増
2012-7-10 中時電子報
台湾のディスプレイ市場調査会社 WitsView の世界の 10 大ブランドモニタ出荷量調査に
よると、今年 5 月の 10 大ブランドのモニタ出荷量は 1067 万台で、前月比 4.9%増、昨年
同期比 0.4%減となった。また、ODM メーカーの出荷量は 1099 万台で、前月比 1.2%減、
昨年同期比 10.7%減となった。
モニタの 5 月の需要は依然低調続きで、ブランドメーカーの 5 月の出荷量が前月比増と
なったのは、4 月に出荷を抑えた反動の要素が強いと見られている。ODM メーカーの出荷
については、三星が在庫補充を前倒しで行った効果があったものの、その他のブランド
メーカーは在庫補充に慎重で、全体としては前月を下回る結果となった。
6 月の出荷については、需要期到来が近いものの、エンドユーザーの消費が停滞してい
ることから、WitsView はブランドメーカー、ODM メーカーともに 5 月比横ばいになると
予測している。
WitsView 研究副理の王靖怡氏は、今年の世界のモニタ需要は年初は 1 億 6350 万台と予
測していたが、直近では前年比 4.8%減の 1 億 5860 万台まで下方修正していることを明
20
2012 年 7 月号
らかにしている。
ブランドメーカーは今年上半期の出荷量が前年同期比 7%減と予想以上の落ち込みとな
ったことから、下半期の需要期の出荷量では取り戻すことが難しいと見ており、数量重
視の姿勢から収益重視の姿勢に傾いている、出荷量が今後大幅に増えることは望めない
と見られている。
【パソコン】華碩 6 月売上高過去最高 和碩の上期売上高前年比 78%増
自由時報 2012 年 7 月 10 日
世界第 5 位のノート PC ブランドメーカーである華碩(Asustek)は、低価格ノート PC
機種の競争力が改善されたことから、今年 6 月の単体売上高が 360.2 億 NTD で過去最高
を更新、連結売上高も 950 億 NTD に達し過去 2 番目に高い水準だったことを明らかにし
た。7 月以降についても、グーグルと共同開発したタブレット PC、Nexus 7 の出荷が始
まることもあって堅調に推移する見通しを示している。
また、ノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)も、今年 6 月の売上高が前月比 5%増、
前年同期比では 44%の大幅増となったことを明らかにしている。今年 4-6 月の累計売上
高は 1861.83 億 NTD で 1-3 月比 29%増、1-6 月累計売上高は 3310.46 億 NTD で前年同期
比 78%増だった。タブレット PC の ODM が好調であることから今後も業績の好調が続く
見通しを明らかにしている。
【LED】東貝、タブレット向け好調で 6 月売上高過去 1 年で最高水準
DIGITIMES 6-7-2012
LED 実装大手の東貝光電(Unity Opto)は、台湾のタブレット PC メーカー及び液晶テレ
ビ ODM メーカーからの LED バックライト製品の受注、中国内地のテレビメーカーからの
LED バックライト製品の受注が堅調であることから、今年 6 月の連結売上高が前月比 20%
増、前年同月比 40%増の 7.1 億 NTD(2377 万米ドル)に達し、過去 1 年間では最高水準と
なったことを明らかにした。
受注は 9 月まで堅調に推移する見通しで、ノート PC メーカー、タブレット PC メーカー
からの LED バックライトの需要が旺盛であるほか、LED 照明の製品群も好調を持続して
いるという。
なお、東貝光電の今年 4-6 月の連結売上高は 17.9 億 NTD で、1-3 月比 68%増だった。.
【生産】四川省の電子情報産業、江蘇省/広東省に続き 1 兆元規模に
2012-7-10 中華液晶網
インテルの 2003 年の成都進出以降の累計投資額は 6 億米ドルに達しており、インテルの
成都工場はインテルにとって世界最大のチップ実装検査工場となっており、世界に出荷
しているモバイル端末用マイクロプロセッサの半数が成都工場により実装検査されてい
る。世界最大の半導体メーカーの進出により、テキサスインスツルメンツ(TI)、モトロ
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2012 年 7 月号
ーラ、エリクソン、マイクロソフト、聯想(Lenovo)、中芯国際(SMIC)、ノキア、アル
カテル、華為(Huawai)、富士通、アップル等も相次いで成都に進出する好循環を生み、
アップルの成都工場は現在世界に出荷されている iPad の 8 割を生産しているほか、世界
に出荷されている 5 台のパソコンのうち 1 台が成都で組み立てられているという。
こうしたパソコン産業の集積により、富士康(Foxconn)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)
等の世界のノートパソコン ODM 大手も成都への進出を加速させてきた。2010 年 10 月の
富士康の成都における最初の事業である鴻富錦の稼働により、世界最先端のノート型パ
ソコンが成都から世界各地に出荷されるようになり、2011 年 12 月には世界第 2 位のノ
ートパソコン ODM メーカーである仁宝の成都工場が稼働、2012 年 3 月には同 3 位の緯創
の成都工場が正式に稼働している。また、国騰電子、恒図科技などの中国成都市の地場
IT 企業の発展も目覚しいものがある。
四川省政府の計画によると、2015 年の四川省の電子情報産業の売上高は 1 兆元を超え、
江蘇省、広東省に続いて 1 兆元水準の電子情報産業規模を持つ地域になる見通しとなっ
ている。
895 号 7 月 13 日
【携帯電話】華宝、ノキアからの受注大幅減で 6 月売上高前月比 4 割減
DIGITIMES 11-7-2012
携帯電話 ODM 大手の華宝(Compal Communications)は、ノキアからの受注が大幅に減少
したことから、今年 6 月の売上高が前月比 39.5%減の 34.74 億 NTD(1.16 億米ドル)とな
ったことを明らかにした。
ノキアのスマートフォン Lumia は、Windows Phone 7.5 ベースの Lumia 機種が Windows
Phone 8.0 と互換性がないため、今年 7-9 月も販売の好転が見込めないことから、ノキ
アの主力 ODM メーカーである華宝の今年 7-9 月の売上高も 4-6 月比 2 桁減となる可能性
が高いと見られている。
これについて、華宝は、聯想(Lenovo)等の中国内地ブランド及び日米のブランドメー
カーへのスマートフォン出荷量を増やすことで売上高の減少をカバーしたいとしており、
今年 10-12 月にはノキア以外のユーザーへの出荷量を出荷量全体の 30-40%まで拡大した
いとしている。
【携帯電話】中国内地の今年上半期の携帯電話出荷量、1.95 億台
2012-7-12 新浪科技
中国工業情報化省の電子研究院が発表した今年上半期の中国携帯電話産業運行状況によ
ると、今年上半期の中国内地の携帯電話出荷量は 1.95 億台、そのうち 3G 携帯電話出荷
量が 1.07 億台に達し、初めて 2G 携帯電話出荷量(0.87 億台)を上回ったことが明らか
になった。
また、上半期のスマートフォン出荷量は 0.95 億台で、同期の携帯電話出荷量の 48.66%
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2012 年 7 月号
を占めたこと、今年 4 月からスマートフォンの出荷量がフィーチャーフォンの出荷量を
上回る状況が続いていることも明らかになった。
なお、上半期の 3G 携帯電話出荷量のうち、TD-SCDMA 携帯電話の出荷量は 2558 万台で、
同期の携帯電話出荷量全体の 13.13%、WCDMA 携帯電話の出荷量は 5310 万台で同期の携帯
電話出荷量の 27.25%、CDMA2000 携帯電話の出荷量は 2820 万台で同期の携帯電話出荷量
の 14.47%を占めた。また、上半期の 2G 携帯電話の出荷量は、GSM 携帯電話の出荷量は
8192 万台で、同期携帯電話出荷量の 42.04%、CDMA1X 携帯電話の出荷量は 607.6 万台で、
同期携帯電話出荷量の 3.12%を占めた。
【液晶パネル】友達、6 月売上高が前月比 6%増、前年同期比 7%増達成
鉅亨網新聞中心 2012-07-10
世界第 3 位の大型液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)は、今年 6 月の連結売上高
が 334.26 億 NTD で前月比 6.4%増、前年同期比 6.9%増となったこと、4-6 月の累計連結
売上高は 951.89 億 NTD で 1-3 月比では 17.4%増だが、前年同期比では依然 2.9%減である
ことを明らかにした。
6 月の出荷量については、モニタ/ノート PC/液晶 TV 用の大型パネルの出荷量が 1150 万
枚で前月比 12.5%増、中小型パネルの出荷量は前月比 11.8%増の 1430 万枚、4-6 月累計
の大型パネルの出荷量は 3175 万枚で 1-3 月比 16.5%増、前年同期比 7.2%増、中小型パネ
ルの出荷量は 3800 万枚で 1-3 月比 3.6%増、前年同期比では 16.4%減だったことを明らか
にした。
【液晶パネル】奇美、6 月売上高前月比減 上期の売上高前年比 1 割減
DIGITIMES 12-7-2012
大型液晶パネル世界第 3 位の奇美電子(Chimei Innolux)は、今年 6 月の大型パネルの出
荷量が 1194 万枚、中小型パネルの出荷量が 3012 万枚でそれぞれ前月比 2.3%、8.6%減少
したことを明らかにした。
また、6 月の連結売上高は 368.35 億 NTD(12.3 億米ドル)で前月比 6.79%減、前年同月比
10.22%減、1-6 月の連結売上高は 2217.58 億 NTD で前年同期比 9.86%減だった。
【液晶 TV】富士康、液晶 TV 組立工場建設で黒龍江省チチハル市を視察
2012-7-12 東北網
EMS 最大手の富士康は 11 日、液晶テレビの組立工場建設に向けて、中国黒龍江省チチハ
ル市を視察したことを明らかにした。
【デジカメ】佳能 6 月売上高、前月比 2 割減 華晶は前月比増を確保
DIGITIMES 11-7-2012
23
2012 年 7 月号
世界のデジタルカメラ ODM 大手の佳能(Ability)と華晶(Altek)の今年 6 月の売上高
は、佳能が前月比 20.23%減の 32.65 億 NTD(1.09 億米ドル)と大幅に落ち込んだのに対し、
華晶は同 3.18%増の 23.66 億 NTD を維持、明暗が分かれる結果となった。
【パソコン】世界の PC 出荷量、2Q は前年比 0.1%減 HP と聯想の差縮小
2012 年 7 月 12 日 賽迪網
大手市場調査機関 Gartner 発表によると、今年 4-6 月の世界のタブレット PC を除く PC
出荷量は 8750 万台で前年同期比 0.1%減だったことが明らかになった。
Gartner アナリストの Kitagawa 氏は、欧州経済の不安定化及び消費者の PC 購買意欲の
減退が今年 4-6 月の PC 世界出荷量停滞の主たる要因で、Ultrabook の出荷が伸びている
ものの、絶対量が小さいため、PC 全体の出荷量を押し上げるには至っていないと指摘し
ている。
ブランド別出荷量は、HP が首位でシェアが 14.9%、2 位は聯想(Lenovo)でシェアは 14.7%
だった。HP の今年 4-6 月の PC 出荷量が前年同期比 12.1%減だったことから、HP と聯想
のシェア差はわずか 0.2 ポイントまで縮まった。
【電子ペーパ】アマゾン、フロントライト設計不具合で新型 Kindle 出荷を延期
DIGITIMES 12-7-2012
インターネット通販最大手のアマゾンは、フロントライト設計に不具合が見つかったと
して、近く発売を予定していた新型 Kindle の出荷を 9 月頃まで延期することを明らかに
した。
アマゾンの旧型 Kindle はスマートフォンやタブレット PC のようなバックライトを搭載
していないため、暗い場所で利用できないという欠点があったため、新型 Kindle ではフ
ロントライト設計を採用することが決まっている。
新型 Kindle の出荷延期によって、同製品の電子ペーパーパネルを供給する元太科技
(Prime View)傘下の E Ink の今年通年の電子ペーパーパネル出荷量が 150-180 万枚減
少すると見られている。
【バックライト】中強、6 月バックライト出荷量 582 万枚 PC 用 311 万枚
DIGITIMES 11-7-2012
バックライト大手の中強光電(Coretronic)は、今年 6 月のバックライトユニット(BLU)
の出荷量が 582 万枚に達し、そのうち、液晶テレビ用(94%は LED)が 48 万枚、モニタ(86%
は LED)が 191 万枚、ノート PC 及びタブレット PC(100%が LED)が 311 万枚であることを
明らかにした。
また、6 月の連結売上高は 60.1 億 NTD(2.01 億米ドル)で前月比 2.2%減、前年同月比 4.4%
減、4-6 月の連結売上高は 179.75 億 NTD で 1-3 月比 9.1%増、1-6 月の連結売上高は 344.56
億 NTD で前年同期比 11.9%減だった。
24
2012 年 7 月号
【サーバ】華為、華為シマンテックを完全子会社化 新製品 8 機種投入
2012-7-12 新浪科技
中国最大、世界第 2 位の移動通信設備メーカーで携帯電話端
末機メーカーでもある華為(Huawei)は、米国セキュリティ
ソフト大手のシマンテックと 2008 年に香港で設立した合弁会
社である華為シマンテックのシマンテックが保有する 49%の持分を 5.3 億米ドルで取得
し、完全子会社化することを明らかにした。
なお、華為は華為シマンテックを完全子会社化すると同時にストレージ及びサーバ新製
品 8 機種を投入している。
【EMS】鴻海、6 月売上高が前月下回るも 7 月以降は大幅増収予想
DIGITIMES 12-7-2012
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)は 10 日、今年 6 月の単体売上高が 2368.3
億 NTD(79.1 億米ドル)で前月比 1.76%減、前年同月比 3.69%増だったこと、4-6 月の売上
高が 7296.5 億 NTD で 1-3 月比 7.63%減だったこと、1-6 月の売上高は 1 兆 5196 億 NTD
で前年同期比 27.92%増だったことを明らかにした。
7-12 月については、アップルの iPhone 5 及び iPad mini の投入、iPhone 及び iPad の中
国国内での販売が本格化するなどの押し上げ要因があるため、大幅な増収が見込めると
している。
【PCB】志聖、蘇州海鉑からサファイア基板製造装置ターンキー方式で受注
DIGITIMES 11-7-2012
台湾のプリント配線基板製造装置メーカーである志
聖工業(C Sun)は、中国内地のサファイア基板メー
カーである蘇州海鉑晶体有限公司(Suzhou Hyperion
Geocrystal)からサファイア基板製造装置を関連施設、ソフトウェア、材料、人材研修
を含むターンキー方式で受注したことを明らかにした。
契約によると、志聖工業が蘇州海鉑から受注したターンキー契約額は 500-600 万米ドル、
納期は今年 10-12 月とされている。
なお、志聖工業の今年 6 月の連結売上高は 3.73 億 NTD(1250 万米ドル)で前月比 2.68%増、
前年同月比では 31.87%減だった。4-6 月の累計連結売上高は 9.82 億 NTD で 1-3 月比
30.79%増となったが、今年 1-6 月の累計連結売上高は 17.33 億 NTD で前年同期比 28.31%
減となっている。
【PCB】華通、ビルドアップ基板好調続き 6 月売上高が今年最高を記録
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2012 年 7 月号
台湾経済日報 2012-7-11
プリント基板大手の華通(Compeq)は、スマートフォン及びタブレット PC 向けビルドア
ップ基板の好調が続いていることから、今年 6 月の売上高が前月を上回り、今年最高と
なったことを明らかにした。また、華通のほか、プリント基板大手の楠梓(WUS)、耀華
(Unitech)、欣興(Unimicron)、健鼎(Tripod)も閑散期でありながら 4-6 月に売上高
を伸ばしていることが明らかになっている。
【半導体】台積電、2Q 売上高 1Q 比 2 割増 3Q は 2Q 比 5%増予想
2012-7-11 台湾工商時報
世界最大の半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)は 10 日、6 月の連結売上高が 434.27
億 NTD で前月比 1.6%減となり、ここ数ヶ月続いた過去最高更新が止まったことを明ら
かにした。4-6 月の連結売上高は 1280.6 億 NTD で、1-3 月比 21.4%増と予想を上回った
ものの、これまでの勢いにやや陰りが見られる。
市場は、7-9 月の売上高については、4-6 月を上回るものの、増加率は 5%前後にとどま
り、例年に比べ伸び悩むと見ている。台積電は高価格製品の生産能力がフル稼働になっ
ていることから、7-9 月の売上高については 12 インチ工場の 28 ナノ技術生産ラインの
新規稼働が欠かせないとしている。ただ、世界経済が停滞する中、7-9 月の売上高は 4-6
月比 5%増にとどまる可能性が高いとしている。
896 号 7 月 16 日
【ノート PC】Ultrabook 今年上半期の世界出荷量わずか 50 万台どまり
2012-7-13 精実新聞
今年 4-6 月の世界の PC 出荷量が伸び悩んだことが明らかになる中、世界の 2 大 IT 市場
調査機関である Gartner 及び IDC は、超軽量薄型ノート型パソコン Ultrabook の今年上
半期の世界出荷量がわずか 50 万台で、インテルが期待したノート PC 市場の救世主的効
果は発揮できていないことが明らかになった。
インテルの Ultrabook に対する目標は今年年末までにノート PC 市場全体に占めるシェア
を 40%まで引き上げるという極めて高いものであったが、当初よりハードルが高すぎる
との指摘が出ていた。それが今回の IDC の統計から当初からの指摘が正しかったことが
証明され、インテルの Ultrabook がノートパソコン市場を救う救世主になるというシナ
リオは少なくとも今のところ実現が難しい状況となっている。
市場は、Ultrabook の上半期の価格がノート PC の主流となる水準から大きく乖離してい
るが、Ultrabook 低迷の最大の要因としているが、もう 1 つの要因としては Windows8 が
近く発売されることが消費者の買い控えを助長しているとの指摘も出ている。
Ultrabook の価格については、市場からは 700 米ドル水準まで引き下げれば、消費者の
購買意欲を刺激することができるとの声が出ているが、宏碁及び HP は既に一部地域で
700 米ドル以下の低価格製品を投入し始めており、7-9 月の Ultrabook 出荷量は予想以上
26
2012 年 7 月号
に伸びる可能性があると見られている。
【パソコン】PC ブランドメーカーの再編、平行して ODM 集約が進む可能性
2012-7-13 精実新聞
HP、宏碁(Acer)に続いて、東芝(Toshiba)がテレビ/パソコン/タブレットの研究開発
部門を統合すると同時に製品ラインの簡素化を明らかにし、パソコン産業の再編が加速
しているが、この動きに関して ODM 専門メーカーはユーザーが投入する新機種数が減少
することはメリットがあるが、製品ラインの簡素化は ODM の集約を意味するもので、一
部ユーザーからの受注が消える懸念もあることを明らかにしている。
東芝はこれまでテレビ事業とパソコン事業の ODM を仁宝(Compal)、広達(Quanta)、和
碩(Pegatron)、英業達(Inventec)、友達(AUO)傘下の景智(Briview)、中国内地の
TCL の 6 社に分散させてきたが、今後は 2-3 社に集約される可能性があると見られてい
る。
【ノート PC】HP、鴻海のノート PC 事業縮小で鴻海への発注比率を引き下げ
DIGITIMES 13-7-2012
世界最大の PC ブランドメーカーである HP は、2013 年のノートパソコン ODM 発注の準備
を開始、ノートパソコン ODM 最大手の広達(Quanta)への発注比率を維持する一方で、
同業大手の鴻海(Foxconn)への発注比率を引き下げる方針であることが明らかになった。
HP の 2012 年のノートパソコン ODM のメーカー別発注比率は、広達が 40%、鴻海が 23%、
英業達が 16%、緯創が 15%。
HP が鴻海に対するノートパソコン ODM 発注比率を引き下げる要因としては、鴻海がノー
トパソコン ODM 事業の収益率が予想以上に低下していることを理由にノートパソコン
ODM 事業を縮小するためと見られている。
EMS 世界第 2 位のフレクトロニクス(Flextronics)と同最大手の鴻海(Foxconn)のノ
ートパソコン ODM 市場への参入は当初は既存のノートパソコン ODM メーカーにとって大
きな脅威となったが、低価格競争が長期化する中、フレクトロニクスは昨年撤退を宣言、
鴻海も事業を縮小することを明らかにしている。
【液晶 TV】Vizio、1 年ぶりに米国国内液晶 TV 出荷量シェア首位奪回
DIGITIMES 13-7-2012
市場調査機関 IHS iSuppli によると、液晶テレビ ODM 大手の瑞軒(Amtran)傘下の北米
テレビブランド Vizio は、今年 1-3 月の米国液晶テレビ市場での出荷量が 1 年ぶりに三
星電子を抜いて首位に返り咲いたことが明らかになった。
Vizio の今年 1-3 月の米国国内での液晶テレビ出荷台数は 121 万台、三星電子の同出荷
台数 115 万台をわずかながら上回った。昨年 10-12 月の両社の米国国内液晶テレビ出荷
量が、三星電子:250 万台、Vizio:160 万台で 100 万台近い差があるので、短期間にそ
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2012 年 7 月号
の差を縮めたことになる。Vizio が先回米国の液晶テレビ市場で出荷量シェアが首位と
なったのは 1 年前の 2011 年 1-3 月であるので、ちょうど 1 年ぶりの首位奪還となる。
なお、米国国内の今年 1-3 月の液晶テレビ出荷量は 660 万台で、前年同期に比べ 13%減、
昨年 10-12 月に比べ 39%減となっており、シーズンとしては閑散期にあたる。
【液晶パネル】郭台銘氏、シャープ 10G 液晶パネル工場 46%持分取得完了
2012-7-13 PCB 信息網
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)董事長の郭台銘氏は、傘下の投資会社 SIO を通じて 660 億
円(約 53 億元)の払い込みを完了、シャープ傘下の第 10 世代液晶パネル工場を運営する
SDP(Sharp Display Product)社の 46.48%持分の取得手続きを完了したことを明らかに
した。また、シャープが取締役会で SDP 社の社名を Sakai Display Product に変更する
決議を行ったことも明らかにした。
今後 Sakai Display Product が生産する液晶パネルについては、シャープと鴻海が 50:
50 で販売に責任を持ち、高い稼働率を維持することを明らかにしている。
【タブレット】グーグルタブレット販売好調 華碩 3Q 売上高 2Q 比 2 割増予想
台湾経済日報 2012.07.15
Google とノート PC 大手の華碩(Pegatron)が共同開発したタブレット Nexus 7 が先週
米国国内で販売が開始され、発売初日から多くの量販店で売り切れが続出していること
から、華碩の 7-9 月の売上高が 4-6 月比 20%増加することが予想されている。
Nexus7 はハイスペック部品を採用し製造コストが低くないにもかかわらず、販売価格を
200 米ドルと低価格に設定したことから販売が好調で、ウォルマート傘下の倉庫式チェ
ーン経営の Sam's Club 及び Staples が既に Nexus 7 が売り切れ状態になっていることを
明らかにしている。Google は先月の Nexus 7 発表会で Nexus 7 を通じてタブレット PC
市場で Apple 及び Amazon に挑戦するとともにコンテンツ事業も展開していくことを明ら
かにしている。
また、共同開発者である華碩の今年 6 月の単体売上高は前月比 26.7%増、前年同月比
27.46%増で、市場は華碩の今年 4-6 月の連結売上高は 1-3 月比 5%増以內の 935-955 億元
にとどまると見ているが、7-9 月の売上高については 4-6 月比 20%増加すると見ている。
【LED】中国 LED 企業相次ぐ破綻、照明への安易な事業転換をけん制
2012-7-10 南方日報
昨年の鈞多立(JDL)、博倫特(Brighting)の破綻に続
いて、自称 2 年連続 LED 産業 5 強、資産総額 1 億元を
超えるとしていた LED ディスプレイメーカーである深
圳愿景光電子の法人代表で大株主でもある刑毅氏が突然所在不明に
なり、金融機関が融資を拒否し始めたことから、従業員給与の支払
28
2012 年 7 月号
いにも窮することとなり、6 月 29 日に裁判所に破産を申請したことが明らかになった。
中国内地の LED ディスプレイ産業は 3-4 年前に投資ブームが起こり、多数の企業が乱立
することで価格競争が激化、製品価格の下落により現在 LED ディスプレイ産業はどん底
状態にあるといわれる。広州国際照明見本市の発起人である光亜照明研究院院長の潘文
波氏は、LED ディスプレイ領域は産業の川下に位置する、純利益率はピーク時には 40%
以上あったが、直近では 5%以下になっている、中小企業が生き残る余地は殆どないとの
見方を示している。
深圳市愿景光電子は、LED ディスプレイに特化したビジネスモデルで急成長した民営企
業で、資産総額は 8000 万元を超え、中国国内最大規模の LED ディスプレイ設備メーカー
となり、同社発表によると、2007 年及び 2008 年の年間売上高は 2.6 億元を超えていた。
同社の内情に詳しい人物によると、同社の製品の大部分は欧米に輸出されていたため、
昨今からの欧州危機の影響をダイレクトに受けることになった、工場を深圳の布吉から
龍華に移転し再建を期したが、その前に移転費用も捻出できない状態に陥ってしまった
という。
中国内地の LED 産業における LED ディスプレイの生産高比率は昨年年末時点で 19%まで
低下しているのに対し、LED 照明の生産高比率は大幅に上昇し、LED ディスプレイを上回
ったことが明らかになっている。万潤科技、長方照明、聚飛光電などの上場企業は業態
を LED 照明に転換することで業績を回復することに成功している。
中国照明電器協会理事長の劉昇平氏は、今年 10 月 1 日から中国政府は 100 ワット以下の
白熱灯の販売及び輸入を禁止することが決まっており、LED 電球の普及が急速に進むこ
とが予想される、中国国内では今後 4-8 年で一般家庭の白熱灯が全て LED 電球に代わる
と予想されている、LED 電灯の市場規模は 1 兆元を超えるともいわれている。ただ、LED
照明に業態シフトしたからと言って生き残りが保証される訳ではなく、LED 照明の価格
競争は LED ディスプレイに勝るとも劣らない、技術力も資金力もない企業が安易に時勢
に流され LED 照明にシフトしても生き残ることは難しいと指摘する。
【PCB】台湾上場 PCB メーカー今年 5 月売上高一覧
台湾 TPCA
29
2012 年 7 月号
台湾上場 PCB メーカー売上高総額月次推移
30
2012 年 7 月号
897 号 7 月 18 日
【パソコン】聯想の自社生産能力拡張、台湾関連サプライヤへの影響懸念
DIGITIMES 16-7-2012
パソコンブランド世界第 2 位の聯想(Lenovo)は、日本及びブラジルに生産ラインを建
設する一方、ノートパソコン ODM 大手の仁宝(Compal)との合弁企業である聯宝を通じ
て中国安徽省合肥市にノート PC 及びオールインワン PC 生産ラインを建設するなど、自
社生産能力を急速に拡張しており、台湾のノートパソコン ODM メーカー等の関連サプラ
イヤの間で受注減少への懸念が高まっている。
聯宝の合肥工場の第 1 期生産能力は月産 30 万台だが、来年にも年産能力を 1000 万台ま
で拡張する計画が明らかになっている。聯想の現在のノートパソコンの ODM 比率は約 85%
で、主要パートナーは仁宝及び緯創(Wistron)であり、仁宝には民用機種、緯創には商
用機種を発注している。
市場調査機関 Gartner の統計によると、聯想の今年 4-6 月のパソコン出荷量は 1282 万台、
世界市場シェアは 14.7%に達し、HP の同 14.9%にほぼ並ぶ水準となっており、初の世界
シェア首位が目前に迫っている。聯想のここ最近の自社生産能力の拡張が世界シェア首
位実現のための一環であることは言うまでもないが、それが単に生産の柔軟性に配慮し
たものであれば、台湾のサプライヤへの影響はさほどないが、将来の中国内地サプライ
ヤ起用に向けた布石であれば、台湾の関連サプライヤへの影響が懸念される。
世界の 5 大ノートパソコン ODM メーカーである台湾の広達(Quanta)、仁宝(Compal)、
緯創(Wistron)、英業達(Inventec)
、和碩(Pegatron)を頂点に 1 千社を超えるといわ
れる台湾のパソコン部品・素材メーカー群は世界のノートパソコンの 90%以上を生産す
る巨大なピラミッドを形成している。
聯想のグローバルサプライチェーン副総裁である Gerry Smith 氏は、自社生産比率を高
31
2012 年 7 月号
めることに言及して、部品・素材サプライヤの管理を柔軟に行うことが可能になると同
時に生産コスト及び出荷スケジュールの管理もしやすくなるというメリットがあること
を明らかにしている。
【液晶パネル】台湾メーカーの 2Q 大型液晶パネル出荷量、6788 万枚超
DIGITIMES 16-7-2012
台湾の IT 市場調査会社 Digitimes Research によると、台湾の主要大型液晶パネルメー
カー4 社、奇美電子(Chimei Innolux)、友達光電(AUO)、中華映管(CPT)、彩晶(Hannstar)
の今年 4-6 月の大型液晶パネルの合計出荷量は 6788.2 万枚で、1-3 月比 7.8%増、前年同
期比 4%減だった。
液晶テレビ、モニタ、ノートパソコンの世界需要が伸び悩んでいる上に、中国内地の
26-32 インチ液晶テレビを巡る中国内地メーカーとの激しい競争に晒される中、中華映
管及び彩晶は大型液晶パネルの生産量を減らす措置を取っていることが前年同期比 4%
減となった主な要因と見られている。なお、台湾の主要大型液晶パネルメーカー4 社の
今年 4-6 月の合計世界市場シェアは 36.0%だった。
【スマホ】ソニー、台湾 ODM 企業へのスマホ発注再開 華宝/華冠等が受注
DIGITIMES 17-7-2012
ソニーの携帯電話事業会社、ソニーモバイルコミュニケーションは、市場での需要を刺
激するため、スマートフォンのエントリ、ミドル、防水・防塵・防傷のスマートフォン
機種の出荷量を拡大させている一方で、台湾のスマートフォン ODM 専門メーカーとの提
携を再開させていることが明らかになった。華宝(Compal Communication)
、華冠(Arima)、
鴻海(Foxconn)が今年 10-12 月にソニーのスマートフォン新製品の ODM 生産を再開する
ことが決まっているという。
台湾のスマートフォン関連部品サプライヤは、今年下半期にソニーからの受注が増える
ことに期待を寄せているが、ODM 専門メーカーは今年 7-9 月の受注が 4-6 月比横ばいも
しくは若干上向く程度になるとの見通しを示しており、部品サプライヤとの温度差が見
られる。また、アップル関連サプライヤと比較すると、アップル以外のブランドメーカ
ー関連サプライヤの今年 7-9 月の受注は総じて低調で、その大きな要因がノキアの販売
不振と見られている。
なお、ソニーは今年上期に既に 10 機種以上の Android スマートフォンを投入、近く防水・
防塵・防傷の Android 4.0 スマートフォン、Xperia acro S、Xperia go、Xperia miro、
Xperia tipo、Xperia tipo dual をエントリ及びミドルレンジ市場に投入する計画だと
いう。また、来年については、ソニーはスマートフォン出荷量目標を 4000 万台前後に設
定、そのうち 25-30%を ODM 生産する計画も明らかになっている。
【携帯電話】携帯電話サプライヤ 6 月売上高低調 7 月も低調続く見通し
32
2012 年 7 月号
精実新聞 2012-7-12
フレキシブル基板、光学、キーパッド、アッセンブリ等の携帯電話サプライヤの 6 月売
上高がほぼ出揃い、筐体及びマイクロフォン以外の大半のサプライヤの売上高が前月比
減となったことが明らかになった。
7 月の売上高についても、ブランドメーカーが新機種出荷に慎重であるため、低調が続
くと見られている。マイクロフォンの美律(Merry)の 6 月の売上高が 5 月を上回ったこ
とについても、5 月の売上高が例年に比べ低かったことによる反動要因が大きいため、
携帯電話部品産業の低調はブランドメーカーの出荷姿勢に伴うものとの見方が大勢を占
めている。
また、携帯電話のアッセンブリでは、大手の華宝(Compal Communications)の 6 月の売
上高が前月比 39%減、同じく大手の華冠(Arima)の 6 月の売上高が前月比 34.8%減だっ
たことが明らかになっている。閑散期であるという季節要因はあるものの、30%を超える
減少幅は想定以上で、ノキア、RIM 等の出荷量を大幅に落としているブランドメーカー
の影響を受けていると見られている。両社とも売上高の回復は 8 月中旬以降になるとの
見通しを示している。
携帯電話のキーパッド、フレキシブル基板、ヒンジについては、閎暉(Silitech)、毅嘉
(Ichia)の 6 月のキーパッド、フレキシブル基板の売上高はどちらも低調で、主力製品
の売上高が前月を下回った。携帯電話サプライヤの中で唯一良好な業績を達成した金属
筐体の可成(Catcher)、鴻准(Foxconn Technology)は両社とも 6 月の売上高が前月を
大幅に上回った。
なお、ブランド大手の宏達(HTC)の今年 6 月の連結売上高は 300 億 NTD にとどまり、前
月比横ばい、宏達の Android スマートフォンの最大のライバルである三星電子の Galaxy
SⅢスマートフォンが販売好調であるものの、アップルの次世代 iPhone の販売開始が 9
月以降に遅れる見通しであることから、宏達の 7-9 月のスマートフォン出荷量について
は 800 万台は確保されると見られている。
【タブレット】巨騰はグーグル Nexus7、可成は iPad mini 出荷の恩恵享受
DIGITIMES 17-7-2012
ノート PC 用プラスチック筐体最大手の巨騰(Ju Teng)はグーグルのタブレット PC 端末
Nexus 7 の筐体の供給が始まったこと、ノート PC 用金属筐体最大手の可成(Catcher)
はアップルの iPad mini の筐体の供給が近く始まることから今年後半の売上高が大幅増
となると見られている。
グーグル Nexus 7 は、アッセンブリはノートパソコン ODM 最大手の広達(Quanta)が受
注、筐体は巨騰と広達の子会社が分割受注している。巨騰は昨年、深刻な稼働率の低下
を経験し稼働率が 60%以下まで低下したが、今年前半は 75%近くまで回復、今年後半は正
常水準の 80%以上が確保できる見通しを明らかにしている。出荷量についても、今年は
前年比 10-15%増、中でも新たに参入した金属筐体の出荷量が前年比 20%増が期待できる
としている。金属筐体の粗利率はプラスチック筐体に比べ高いため、今後収益の改善も
期待できるとしている。なお、巨騰は新たに開発したガラス繊維 30%配合の強化プラス
33
2012 年 7 月号
チック筐体を宏碁(Acer)、HP、DELL、聯想(Lenovo)に供給していることも明らかにし
た。
【タブレット】2Q のタブレット ODM/OEM 世界出荷量、2Q は 1Q 比 15%減
DIGITIMES 16-7-2012
台湾の IT 市場調査会社 Digitimes Research によると、今年 4-6 月の ODM/OEM メーカー
からブランドメーカーに供給されたタブレット PC 世界出荷量は 2007 万台で 1-3 月比
14.9%減となったことが明らかになった。
また、2007 万台の世界出荷量のうち、全体の 3.7%を占める 75 万台はカバーガラスにタ
ッチセンサを付与するワンガラス式(OGS)タッチパネルを搭載した製品で、残り 96.3%は
従来型の液晶パネル上にガラス基板製タッチパネルとカバーガラスを貼り付けるガラス
-ガラス式もしくはガラス-プラスチック式タッチパネルを搭載した製品だったことも明
らかになった。
さらに、2007 万台のうち、台湾の ODM/OEM メーカーによりブランドメーカーに供給され
た製品は 1685 万台で、全体の 84.0%を占めたという。
【太陽電池】中国内地、4Q にドイツ抜いて世界最大の太陽電池市場に
2012-7-17 精実新聞
太陽電池市場調査会社 NPD Solarbuzz によると、中国内地政府の梃入れ政策により、今
年 10-12 月の中国内地の太陽光発電システム新規設置量は 225.4 万キロワットに達し、
ドイツの 100 万キロワットを大幅に超えて世界最大の太陽電池市場になる見通しが明ら
かになった。
【PCB】台湾主要上場プリント基板メーカー 5 月までの売上高月次推移
台湾 TPCA
34
2012 年 7 月号
【受動部品】台湾受動部品産業、需要後退で材料自給率引上げ急務
老杳吧 2012-7-16
今年の世界の受動部品市場が後退する可能性が高い中、業界関係者からは、台湾の受動
部品メーカーが三星及びアップル等の抵抗力を持っている IT 企業のサプライチェーン
に積極的に参入することと同時に新材料の独自開発力にも積極的に取り組むべきとの声
が高まっている。
台湾工研院産業経済趨勢研究センター(IEK)部品研究部マネージャーの董鐘明氏は、欧州
の信用不安と欧米の失業率の高止まりが長期化する中、電子製品の購買意欲が低下し続
けており、世界の受動部品需要が今年プラス成長を実現することは非常に困難と見られ
ている。
董鐘明氏は、今年の世界の受動部品市場は 201.83 億米ドル前後で前年比 10.9%減、出荷
量は約 2 兆 7270 億個で前年比 7%減となると予測。そのうち、スマートフォンに使われ
る受動部品は受動部品市場全体の約 2 割、ノート PC に使われる受動部品の同比率は約 1
割、タブレット PC に使われる受動部品の同比率は約 5-6%であるこをしている。
また、世界の受動部品の 6 割前後を生産する日本企業の上期の受動部品出荷量が前年比
10-15%減少していることからも、台湾企業の受動部品出荷量がプラス成長を維持するこ
とはほぼ実現不可能、今年通年の台湾企業の受動部品生産高は 1000 億 NTD 前後にとどま
り、前年比減少幅は 10%前後に達するだろうと指摘する。また、収益面でも、今年 1-3
月に粗利率が 10%以下となった企業が前年同期比 66%増となったことからも、収益が大幅
に悪化することが予想されるとしている。
同氏によると、国巨(Yageo)
、興勤(Thinking)、聚鼎(Polytronics)
、美磊(Mag Layer)
、
乾坤(Cyntec)が既にアップル iPhone のサプライチェーンに参入、国巨、華新(Walsin)、
禾伸堂(Holy Stone)、美磊、聚鼎、乾坤、達方(Dafong)がアップル iPad のサプライ
チェーンに参入、聚鼎、美磊、乾坤は三星電子のサプライチェーンに参入しているが、
35
2012 年 7 月号
今後さらに多くの台湾企業の参入が可能であり、必要であると指摘する。
一方、受動部品の素材供給については、台湾の受動部品産業が調達している素材のうち、
7 割以上が日系メーカーから調達している、台湾メーカーの受動部品材料の自給率を高
めることが急務と指摘している。
898 号 7 月 20 日
【スマホ】華為、2Q のスマホ出荷量がノキア/RIM を抜き世界 3 位に浮上
2012 年 7 月 19 日 新浪科技
世界第 2 位のネットワーク設備メーカーで中国最大の携帯電話端末機メーカーでもある
華為(Huawei)は、低価格市場で圧倒的シェアを獲得することで、市場規模 2191 億米ドル
のスマートフォン世界市場でアップル、三星電子に次ぐメーカーになる可能性が出てき
た。
証券コンサルタント Asymco の創業者である Horace Dediu 氏は、未だ株式市場に上場し
ていない欧米では未だ余り知られていない中国最大の携帯電話メーカーが今年 4-6 月の
スマートフォン出荷量でノキア、RIM を抜いて世界 3 位のスマートフォンメーカーとな
ったことを明らかにした。
同氏は、華為は依然アップル及び三星には大きく及ばないものの、昨年 9 月から T-Mobile
及び AT&T を通じて 30 米ドルという超低価格で華為の Impulse スマートフォンの販売を
開始しているなど、米国国内の携帯電話キャリアを通じてキャンペーン販売を展開する
など、三星との差は徐々に縮まっていると指摘、三星が必ずしも安泰とはいえないとの
見方を示している。
同氏は、華為の低価格スマートフォンの最大の魅力は、低価格でありながら通常高価格
製品でしか利用することができない機能を利用することができる、またグーグルのオン
ラインストアで提供されているアプリケーションも利用することができることだと分析
する。また、華為はキャリアの提携において圧倒的な低価格を提示することでキャリア
にも利益を配分する配慮の点でも優れていると指摘する。華為米国スポークスマンの
Bill Plummer 氏は、極めて実用的なスマートフォンを開発することができるところに華
為の魅力があり、この点でキャリアの華為に対する信任は非常に厚いことを明らかにし
ている。
華為は今年のスマートフォン出荷量目標を前年比 3 倍の 6000 万台としているが、アップ
ル及び三星の同出荷量はそれぞれ 1 億 3410 万台、2 億 720 万台とその差は依然大きい。
市場調査機関 ABI Research アナリストの Mike Morgan 氏は、華為はグーグル Android
スマートフォンを最大限に活用することで成功してきた、三星、HTC、モトローラが独自
のソフトウェア及び機能を開発することに積極的であったのに対し、華為は独自のソフ
トウェア開発には資源を配分かず Android を直接ハードウェア内に組み込みことで低価
格でフルに Android の機能を活用していることが成功につながったと指摘する。
また、投資会社 Raymond James & Associates アナリストの Simon Leopold 氏は、世界第
2 位まで躍進した華為は、中核事業であるネットワーク設備事業が頭打ち状態になって
36
2012 年 7 月号
いることから、新たな成長事業としてスマートフォン事業に注力する戦略を鮮明にして
いる、ネットワーク設備事業同様、華為のスマートフォン事業の躍進が期待できるとの
見方を示している。
【スマホ】中国内地スマホ市場、約 100 社が参入 早くも過当競争状態に
DIGITIMES 18-7-2012
中国内地のスマートフォン市場は世界最大の市場であると同時に世界で最もポテンシャ
ルがある成長市場であることから異業種からも企業が殺到、既に 100 社前後の企業が中
国内地のスマートフォン市場に参入し過当競争状態が生まれ、早くも価格下落にあえぐ
企業が出ていることが明らかになってきた。
中国内地のスマートフォン市場を巡る競争は、中国内地の White-box 携帯電話メーカー
の低価格スマートフォン市場への参入ラッシュ、アップルや三星電子等の国際ブランド
メーカーの高価格スマートフォン市場でのシェア拡大、宇龍(Coolpad)や華為(Huawei)
等の中国地場ブランドメーカーの値下げ競争を回避するための販路開拓が混在する状況
となっており、今年から来年にかけて中国内地のスマートフォン市場の勢力図が大きく
塗り替えられる可能性も出ている。
中国内地のスマートフォン市場の急成長は、中国内地で一時は急拡大した White-box メ
ーカー群を倒産に追い込むと同時に、中国内地最大の企業間電子取引サイトを運営する
アリババ(Alibaba)、インターネット検索大手の新浪(Sina)、騰訊(Tencent)等の異
業種からの新規参入を次々と生み出す効果も生んでいる。
中国内地の 3 大携帯電話キャリアである中国聯通(China Unicom)は、昨年後半に他社
に先駆けて 1000 元前後のスマートフォンを市場に投入、この戦略で中国内地のスマート
フォン市場の成長に火を付ける効果を上げると同時に、スマートフォン端末部品・素材
市場を完全に買い手市場に変えるターニングポイントもつくった。
ただ、White-box メーカーの大量参入は、2-3 年後にはスマートフォンのハイエンド製品
の模倣品が大量に市場に流通する可能性があり、消費者にとってはハイエンド端末を見
分けることが難しくなるという欠点はあるとも指摘されている。
【液晶パネル】中国内地液晶パネルメーカー台頭、台湾メーカーへの影響懸念
2012-7-18 電子工程専輯
中国内地の大手液晶パネルメーカー、華星光電(China Star)及び京東方が 8.5 世代液
晶パネル生産工場を稼働させ量産を始めてから数ヶ月、中国国内の液晶テレビブランド
メーカーの華星及び京東方からの液晶パネルの調達比率が徐々に上昇しており、技術差
はあるものの、中国地場の液晶パネルメーカーが政府の強力な支援を受けながら生産量
を拡大してくることは、中国内地市場への依存度が高く自社ブランドを持たない台湾の
液晶パネルメーカーにとっては市場の縮小を意味し、対処法を誤れば深刻な状況を及ぼ
す可能性があるとの懸念が出ている。
中国国内の IT 市場調査機関である奥維諮詢(AVC)がまとめた直近 2 ヶ月の統計による
37
2012 年 7 月号
と、中国国内の液晶テレビブランドメーカーの台湾からの液晶パネル調達比率が大幅に
減少しているのに対し、華星光電が親会社である TCL の全面バックアップでシェアを拡
大しているとともに、京東方も大手ブランドの康佳(Konka)からの受注獲得でシェアを
7.9%まで伸ばしている。
華星光電と京東方は歩留まり維持のため、8.5 世代ラインを主流サイズである 32 インチ
製品生産に集中させており、32 インチ製品市場で台湾メーカー及び韓国メーカーを脅か
す存在になっている。
一方、台湾の液晶パネルメーカーは昨年後半から 39 インチや 50 インチなどの新サイズ
製品の生産を開始、また 4000×2000 クラスの高解像度液晶パネルの生産に集中するなど
の差別化を図ってシェアの低下を最低限に抑えようとしている。
【液晶パネル】凌巨、スマホ/車載タッチパネル向けパネル製品で売上高伸長
DIGITIMES 18-7-2012
台湾の中小型液晶パネル大手の凌巨科技(Giantplus Technology)は、スマートフォン
や車載タッチパネル等のコンシューマエレクトロニクス製品以外に用いる液晶パネルの
売上高が今年の通年売上高の 4 割を占めることから、収益の改善が見込めることを明ら
かにした。
同社は、コンシューマエレクトロニクス製品向け中小型液晶パネル製品の収益性が低下
していることから同製品の売上高全体に占める比率を 70%から 50%に下げ、高収益が見込
めるスマートフォンやスマートフォンに近い機能を有する車載タッチパネル等のニッチ
製品へのシフトを加速している。
【タッチパネル】シャープ、iPhone 用 In-Cell タッチパネルの生産を既に開始
2012-7-18 精実新聞、WSJ
日本のシャープ及びジャパンディスプレイ、韓国の LG Display が既に米国アップル向け
で次世代 iPhone(iPhone 5)の液晶パネルを既に量産を開始していること、同 3 社が生
産している液晶パネルがタッチセンサを液晶パネル内に埋め込む In-Cell 技術を採用し
ていることが明らかになった。
業界関係者は、In-Cell 技術によって iPhone 5 の厚さは iPhone 4S に比べ薄くなると同
時にスクリーンの画質も大幅に改善することが期待できるとしている。また、これまで
アップルの最大の液晶パネルサプライヤだった三星電子は iPhone 5 の液晶パネルサプラ
イヤから外されることが決定的となった。
日本のタッチパネルメーカーにとっては、アップルが iPhone 5 で In-Cell 技術を採用し
たことは大きな収穫であるが、iPhone 4S のタッチパネルサプライヤである台湾の勝華
(Wintek)、宸鴻(TPK)が iPhone 5 のタッチパネルを受注しておらず、明暗がはっきり
分かれる結果となった。
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2012 年 7 月号
【タッチパネル】宸鴻、アップル在庫調整で業績低調 9 月以降に回復予想
精実新聞 2012-7-17
静電容量式タッチパネル最大手の宸鴻(TPK)は、今年 6 月の売上高が予想以上に低調だ
ったこと、7-8 月も状況が続く見通しを明らかにした。
低調の要因としては、主力ユーザーであるアップルが旧機種の在庫調整を続けているこ
と、次世代 iPhone のタッチパネルを日系サプライヤから調達することを挙げている。た
だ、アップル以外の大手ブランドメーカーが新機種投入を控えており、その多くがカバ
ーガラスにタッチセンサを埋め込んだ OGS タッチパネルを含む宸鴻の製品を採用してい
ることから、9 月以降には業績の回復が見込めるとしている。宸鴻は 8 月中旬に今年上
期の業績及び今年下期の見通しを発表する。
【バッテリ】瑞翔新材料、湖南省永州に 10 億元投じ電池材料基地建設
紅網 2012-7-19
中国広東省及び広西チワン族自治区に接する湖南省永州市
(右地図)政府が産業転換の重点事業に位置付けている湖南
瑞翔新材料有限公司の永州市零陵区での総投資額 10 億元の
動力用リチウム電池材料生産基地の鍬入れ式が行われた。
湖南瑞翔新材料有限公司は、リチウムイオン電池の正極材料
の開発、製造販売を専門的に行う企業で、主に韓国の三星、
LG、米国 3M、日本の東芝、中国の比亜迪(BYD)、天津力神
(Lishen)等の中国国内外の大手リチウム電池メーカーに製
品を供給している。また、中国の国家重点支援事業及び国家 863 重点ハイテク事業に参
画しているほか、国家先進蓄電材料工程研究センターの中核構成メンバーでもある。
同社の永州市零陵区での動力用リチウム電池材料生産基地は、第 1 期が投資額 6 億元、
マンガン酸リチウム、電解二酸化マンガン、高純度硫酸マンガン、四酸化三マンガン等
を生産し、マンガン酸リチウムの産業集積を高めていく計画。第 2 期は投資額は 4 億元
で、年産 5000 トンのニッケルコバルトマンガン酸リチウム材料生産ラインを建設する計
画で、これら全事業が完成すれば、年間工業生産高は 30 億元、年間納税額は 3 億元、新
規雇用創出 600 人を見込んでいるという。
【バッテリ】パナソニック、蘇州リチウム電池新工場竣工 現地調達率引上げ
財経網 2012-7-19
日本のパナソニックは 7 月 17 日、中国江蘇省蘇州のニッケルカドミウム電池工場の敷地
内に建設していた民用リチウムイオン電池の新工場が竣工したことを明らかにした。一
部生産ラインは今年 7 月上旬から既に携帯電話用バッテリ等を生産している。
新工場は、パナソニックの中国内地での 3 つ目のリチウムイオン電池生産拠点で、現地
企業からの部材調達率を引き上げると同時に電極から完成品までを一貫生産することで
39
2012 年 7 月号
価格競争力を高めることを明らかにしている。
また、民用リチウムイオン電池市場で韓国メーカーとの競争が激化していることから、
2013 年度中にリチウムイオン電池の海外生産比率を 2011 年度の 20%から 50%に引き上げ
ることも明らかにしている。
【太陽電池】華新麗華、悦達集団と提携し塩城で薄膜太陽電池生産
人民網 2012-7-19
台湾の大手ケーブルメーカーで傘下に太陽電池製造の緑能光電を有する華新麗華集団
(Walsin Group)は、中国内地の機械メーカーである江蘇悦達集団(Yueda)と提携し、
中国江蘇省塩城市の経済技術開発区にハイエンドの薄膜太陽電池生産基地を建設するこ
とを明らかにした。
第 1 期の年産能力は 200 メガワット、5 年以内に年産能力を 1 ギガワットまで拡張する
計画を明らかにしている。
899 号 7 月 23 日
【景況感】台湾の電子産業主要領域 6 月統計データから見る景況感
国金証券 2012-7-21
台湾の国金証券によると、今年 6 月の台湾の電子産業半導体メーカーの姿勢は全体的に
依然慎重、プリント基板、IC チップ、タッチパネル、受動部品メーカーは何れも 6 月の
売上高が 5 月を下回り、LED チップ及び LED 実装メーカーも 6 月の売上高が前月比微増
にとどまり、6 月の売上高が前月を大幅に上回ったのはノートパソコン製造業だけとい
う状況となった。
ノートパソコン製造業の 6 月の売上高が前月を大幅に上回ったのは、ウィンドウズ 8 効
果によるところが大きいと見られている。6 月のノートパソコンメーカーの合計売上高
は 3734.44 億 NTD で前月比 17.88%増、前年同月比でも 8.64%増となった。5 大ノートパ
ソコン ODM メーカーのうち、英業達(Inventec)出荷量が前月比 1 割減となったが、広
達(Quanta)、仁宝(Compal)は何れも前月比 2 割増、緯創(Wistron)は前月比 3 割増
を記録、和碩(Pegatron)も前月比増を維持している。ブランドメーカーの売上高も、
華碩(Asustek)の 6 月の売上高が過去最高となり、前年同月比も 27%増となったほか、
宏基(Acer)の 6 月の売上高も前年同月比 24%増、昨年 10 月以降で最高となった。マイ
クロソフトが正式にウィンドウズ 8 を 8 月初めに ODM パートナー向けに出荷すること、
市場には 10 月末に出荷することを明らかにしたことから、ノートパソコン関連産業に活
気が戻ってきている。
LED 産業については、バックライト需要の堅調が続いていることから、下半期も上半期
のトレンドを引き継いで成長が期待でき、前年比 14%増、上半期比 7%増が予想されてい
る。エンドユーザー製品の出荷量が堅調に拡大していることから、バックライトの需要
は依然強く、アップル関連 LED バックライト実装メーカーである瑞儀(Radiant)の 6
40
2012 年 7 月号
月の売上高は過去最高を達成、3 月以降 4 ヶ月連続で過去最高を更新している。川上の
LED チップメーカーのうち、最大手の晶元光電(Epistar)の 6 月の売上高は昨年同月比
横ばいだったものの、前月比では 4.34%増となったほか、LED 実装最大手の億光電子
(Everlight)の 6 月売上高も前年同月比では横ばいだったが、前月比では 2.88%増とな
った。また、液晶テレビ用大型 LED バックライト大手の東貝(Unity Opto)の 6 月売上
高はグーグルのタブレット端末 Nexus 7 の LED バックライトを独占受注したことから前
月比 20%増となった。
プリント基板の主要原材料である銅箔張り積層板(CCL)製造業については、ユーザーで
あるプリント基板メーカーが上半期に在庫調整に舵を切ったことから、台湾の CCL メー
カーの 6 月の売上高が前年同月比 4.27%減、前月比 13.43%減となった。主要 CCL メーカ
ーである南亜(Nan Ya)、聯茂(ITEQ)
、台光(EMC)、台燿(TUC)の 6 月の稼働率はそれ
ぞれ前月比 20.3%、10.6%、5.2%、14%低下した。プリント基板メーカーの在庫調整が 7
月には終息する見通しで、CCL メーカーの売上高も回復することが予想されている。
タッチパネル製造業については、アップルが iPhone 5 タッチパネルで In-cell 方式を採
用したことから、台湾の 2 大タッチパネルメーカーである宸鴻(TPK)、勝華(Wintek)
の 6 月の売上高がそれぞれ前月比 10%、33%の減少となった。6 月以降も両社の iPhone
タッチパネルの受注は削減されていく見通しで、7-9 月の売上高も 4-6 月同様、前の四
半期を下回る状況が続くと見られている。一方、グーグル Nexus 7、マイクロソフト
Surface 等の新規のタブレット PC 用タッチパネルを受注していることから、その出荷状
況により両社の下半期の業績がを左右される見通しとなっている。
今年後半は欧州市場の不安定というマイナス要因、iPhone 5、iPad mini、Windows 8、
Google Nexus 7、Ultrabook 等の新製品ラッシュというプラス要因がしめぎ合うことが
予想されるが、基本的には台湾の電子産業の景況感は 4-6 月に底を打ち、7-9 月に反転
するとの見方が大勢を占めている。
中国内地の電子産業メーカーでは、タッチパネルの莱宝(Laibao)、LED 照明の勤上光電
(Kingsun)、アップルに特殊絶縁材料を供給している安潔科技(Anjie)、プリント基板
試作品メーカーの興森科技(Fast Print)、銅箔張り積層板メーカーの生益科技(Shengyi)、
キャパシタメーカーの江海股份(Jianghai)、半導体製造装置の七星電子(Seven Star)
の業績への注目が集まっている。
【液晶 TV】中国国内 1-5 月液晶 TV 販売前年比 1 割減の 1331 万台
2012-7-20 騰訊家電
中国電子映像産業協会及び奥維諮詢(AVC)は中国工業情報化省観測局・電子情報司の指
導を受け共同開催した 2012 年第 2 四半期中国電子情報産業カラーTV 産業研究発表会で、
今年上半期の中国内地のカラーTV 産業は外需・内需ともに低調だったことから生産・販
売ともに伸び悩み、それに伴ってカラーTV 関連部品・素材産業にも低調さが見られるも
のの、4-6 月には政府の省エネ家電補助金再開の効果で回復が見られることを明らかに
した。
また、今年後半については、省エネ家電補助金政策の効果が続くこと、10 月の国慶節商
41
2012 年 7 月号
戦、来年初めの春節商戦に向けて伝統的需要期が到来することから、中国内地のカラー
TV 需要は確実に回復してくるとの見方を示した。
中国電子映像産業協会及び奥維諮詢(AVC)が共同発表した統計によると、2012 年 1-5
月に中国国内で販売されたカラーTV は 1470 万台で前年同期比 12.9%減、小売売上高は
516.4 億元で同 19.9%減、そのうち、液晶テレビは 1331.9 万台で同 9.5%減、小売売上高
は 466.6 万台、同 18.7%減だった。
中国電子映像産業協会研究諮詢部主任の彭健鋒は、欧州の信用不安、先進国経済の疲弊、
新興国経済の減速傾向により、中国国内カラーTV メーカーの今年 1-5 月のカラーTV 輸出
台数は 238.9 万台で前年同期比 2.5%増にとどまり、輸出総額は約 4 億米ドルで同 44.7%
の大幅減となった。また、中国の昨年のカラーTV 輸出のうち、自社ブランド製品の輸出
は 560 万台でカラーTV 輸出全体の 10%を占めるに過ぎなかったが、今年 1-5 月の中国国
内 6 大カラーTV ブランドの輸出量は 600 万台で前年同期比 50%以上増加しており、今後
自社ブランド製品の輸出が伸びてくる可能性はあるとしている。
【液晶 TV】海信、1-5 月液晶 TV 国内販売量が前年同期比 10%減
2012-7-20 中華液晶網
中国内地の大手液晶テレビメーカーである海信電器(Hisense)は、今年上半期の業績を
発表、売上高が 100.65 億元で前年同期比 2.72%増、純利益は 5.75 億元で同 11.03%増だ
ったこと、売上高 100.65 億元のうち、テレビの売上高は 90.35 億元で同 0.17%増、1-5
月の中国国内の液晶テレビ販売量は同 9.9%減だったことを明らかにした。
また、市場調査会社である中怡康の統計によると、中国国内のテレビ市場における今年
1-5 月の海信のテレビ売上高シェアは 14.47%、うち液晶テレビ売上高シェアは 15.49%、
LED 液晶テレビの売上高シェアは 16.61%、3D テレビの売上高シェアは 17.94%、スマート
テレビの売上高シェアは 16.51%だった。
欧州の金融危機が深刻化する中、中国国内のテレビ市場の成長にも陰りが出ているもの
の、海信は戦略に比して技術を優先するスタンスを堅持、複数のスマートテレビ機種を
投入することで安定した売上を確保している。また、中国農村部での販売強化と同時平
行して海外市場の開拓にも注力し売上の安定を確保しようとしている。
【有機 EL】友達、有機 EL 量産開始 主にノキア/ソニー携帯電話向け供給
台湾経済日報 2012.07.21
大型液晶パネル大手の友達光電(AUO)は、有機 EL パネルの量産を開始し、主にノキア
及びソニーの携帯電話向け出荷を開始したことを明らかにした。同業大手の奇美電子
(Chimei Innolux)も現在有機 EL パネルの試験生産を行っており、近く出荷を開始する
ことを明らかにしている。
一方、韓国の Maeil Business Newspaper 報道によると、三星ディスプレイが、Galaxy
スマートフォンの販売が好調であることから、韓国忠清南道牙山市に 5.5 世代有機 EL
パネル生産ラインを建設することを明らかにしており、台湾メーカーの有機 EL パネル領
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2012 年 7 月号
域での後れが懸念されている。
【LED】三安、2Q 売上高 1Q 比 60%増 蕪湖工場に 90 台の MOCVD
2012-7-20 全景網
中国内地最大の LED チップメーカーである三安光電(Sanan)は今年上半期の業績見込み
を発表、純利益が 4.5-4.7 億元に達することを明らかにした。
新たな生産能力の稼働と LED 街灯の出荷によって業績が急速に拡大しており、今年上半
期の業績は昨年同期同様を維持、市場の予想を上回る見通しを示している。今年 4-6 月
の売上高については 1-3 月比 60%増の 8 億元を見込んでいるという。中国安徽省蕪湖市
の新たな生産基地が 90 台の MOCVD 設備を既に導入しているが、試運転調整及び歩留まり
の改善には一定の時間を要するため、三安光電の現在の有効生産能力は MOCVD 設備 100
台前後と見られ、1 台当たりの平均月間出荷額が 200 万元であるので、4-6 月の売上高は
6 億元前後、LED 街灯の売上高は 2 億元前後にとどまると見られている。
蕪湖生産基地の生産能力は、MOCVD 設備が試運転調整から量産が安定してくるまでに 2-3
ヶ月の時間を要することから、今後月間 10 台のペースで段階的に拡張すると予想されて
いる。
中国政府は 2015 年までに LED チップの国産化率を 80%まで引き上げる計画を打ち出して
いることから、三安光電が政府の長期間の支援を受けることが可能であるとともに、川
下の瑞豊や国星などの大手 LED 実装メーカーからも安定した LED チップ調達が期待でき
ることも有利と見られている。
【LED】鴻海、晶元からの LED 調達急増 調達量が日亜に迫る勢い
2012-7-20 LEDinside
台湾最大、世界第 4 位の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は、製品ライン
の組み替え、歩留まりの改善により今年 4-6 月の粗利率が今年 1-3 月の 5.8%から 25%以
上に上昇、純利益が年初来最高となる見通しを明らかにした。また、EMS 最大手の鴻海
集団から液晶モニタ用 LED バックライトの大口受注を獲得、売上高の大幅増加が見込め
ることを明らかにした。
晶元光電は今年後半からユーザー構成が大幅に変わる見通しで、特に中国内地の液晶テ
レビメーカーからの液晶テレビ用 LED バックライト受注が増えると同時に、鴻海集団と
の提携拡大により鴻海集団向け供給が大幅に増えるとしている。特に鴻海集団は今後主
力ユーザーになる見通しを明らかにしている。
現在、鴻海集団は LED チップの大部分を日本の日亜から調達しており、その一部を光磊
が日亜に代わり OEM 生産している。鴻海集団はここ数年、晶元光電及びその傘下の奇力
光電からの調達も急速に拡大しているものの、晶元光電副総経理の張世賢氏によると、
晶元光電からの調達は依然日亜には及ばないという。
ただ、こうした新規ユーザー及び新市場の開拓により、晶元光電の今年 4-6 月の売上高
は 48.99 億 NTD で 1-3 月比 36.05%増と市場の予想を 20%以上上回っている。
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2012 年 7 月号
【PCB】嘉聯益、3C 市場安定成長で 3Q 売上高 2Q 比 2 桁増予想
巨亨網 2012-7-19
フレキシブル基板大手の嘉聯益(Career)は、3C(コンシューマエレクトロニクス、コミ
ュニケーション、コンピューター)製品及びアップル製品の出荷が安定推移しているこ
とから、今年 7-9 月の売上高が 4-6 月比 2 桁増、下半期の業績は上半期比 50%増を見込
んでいることを明らかにした。
嘉聯益の今年 4-6 月の売上高は 30.93 億 NTD で 1-3 月比微増にとどまり、今年 1-6 月の
売上高は 61.67 億 NTD で前年同期比 17.35%増だった。
市場はアップル製品の 7-9 月販売に慎重な見方をしているが、嘉聯益の 7-9 月及び下半
期の業績については楽観的で、アップル製品以外の 3C 製品市場の安定成長の恩恵により
好調を持続するとしている。
【半導体】瀋陽富創、半導体製造設備メーカーである AMAT のサプライヤに
2012-7-20 中国教育装備採購網
中国国務院科学省傘下の研究機関である中国科学院瀋陽自動化研究所傘下の AMT 投資子
会社である瀋陽富創精密設備有限公司は、世界最大の半導体製造設備メーカーである米
国アプライド・マテリアルズ(AMAT)の SSQA システムの審査で正式に認証を取得し AMAT
のサプライヤに昇格したことを明らかにした。
AMAT は昨年 4 月に富創精密に対する 1 回目の実地視察を行い、
同年 6 月に専門家を派遣、
富創精密に対して正式審査を実施、富創精密を重点的に育成するサプライヤに起用する
ことを決めた。その後、富創精密は AMAT の指導により品質管理システムの改善に取り組
み、AMAT の 80 余りの部品及びモジュールに関するサンプル認証を取得、今年 7 月に AMAT
の正式なサプライヤ資格の獲得に成功した。
また、富創精密は AMAT と長期の戦略的パートナーシップ契約の締結にも成功しており、
供給する部品の範囲を段階的に拡大することで合意している。これにより、富創精密は
半導体製造設備精密部品サプライヤの国際倶楽部の一員となったことを意味し、瀋陽の
半導体製造設備産業の国際的地位の向上に大きく寄与することとなった。
900 号 7 月 25 日
【液晶パネル】鴻海、シャープ株価下落で額面 100 億 NTD 超の損失計上
台湾経済日報 2012.07.24
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)は、赤字経営下の大型液晶パネル大手の奇美
電子(Chimei)、シャープへの相次ぐ資本参加により当面は巨額の損失の処理が予想され
ているが、中でもシャープについては鴻海の資本参加後も株価の下落が止まらず、34 年
ぶりの安値となっていることから、取得したシャープ株式でこの 4 ヶ月で額面で 100 億
44
2012 年 7 月号
NTD を超える損失が出ていることが明らかになった。
また、奇美電子の株価も過去最低を記録しており、鴻海が資本参加した当時の株価に比
べ 83%下落していることから、シャープ及び奇美電子の株価の低迷が長期化すれば、鴻
海は決算において巨額の減損処理を余儀なくされることが予想される。
鴻海董事長の郭台銘氏は今年 3 月末に 669 億円(約 238 億 NTD)を投じて 1 株当たり 550
円でシャープに資本参加したが、シャープの株価は 23 日現在、300 円を割り込み 294 円
まで下落している。
【携帯電話】ノキア、2Q スマホ出荷量 1020 万台 シェア 3 位の座を華為に
DIGITIMES 20-7-2012
携帯電話ブランド大手のノキア(Nokia)は、今年 4-6 月のスマートフォンの出荷量は
1020 万台にとどまり、そのうち 400 万台が Lumia 機種だったことを明らかにした。ノキ
アの今年 4-6 月のスマートフォン出荷量は中国内地の華為(Huawei)の同出荷量を下回
った見込みで、スマートフォン市場シェア 3 位の座も華為に奪われることになった。
ノキアは Windows Phone を搭載している Lumia スマートフォンの今後について、マイク
ロソフトが既存の Windows Phone を新たに投入する Windows Phone 8 にアップデートで
きない選択をしたことから、Lumia スマートフォンの在庫処分を急ぐ一方、ノキアにと
って最後の砦となっているフィーチャーフォン市場でのシェアを死守する方針を打ち出
している。ノキアの今年 4-6 月のフィーチャーフォンの出荷量については、タッチスク
リーン搭載の Asha スマートフォンの新興市場での販売が好調であることなどにより、今
年 1-3 月及び昨年 1-3 月を上回る 7350 万台を達成している。
ノキアは Lumia スマートフォンの在庫を処分しながら、今年 10-12 月には Windows Phone
8 搭 載 製 品 を 投 入 す る 計 画 で 、 ア ッ セ ン ブ リ ODM パ ー ト ナ に は 華 宝 ( Compal
Communications)及び鴻海(Foxconn)キーパッドサプライヤには閎暉(Silitech)及び
毅嘉(Ichia)、ヘッドセットサプライヤには美律(Merry)を起用することを明らかにし
ている。
【スマホ】和碩、中国上海工場でアップル iPhone 5 のアッセンブリ生産を開始
DIGITIMES 23-7-2012
ノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)が中国上海の工場で既にアップル iPhone 5
のアッセンブリ生産を開始していることが明らかになった。
和碩は今年 7-9 月のノートパソコン ODM 出荷量が 4-6 月を下回る見通しを示しているが、
iPhone 5 の出荷開始によりノートパソコン ODM の出荷量減少を相殺できるとしている。
和碩は今年上半期と下半期の連結売上高比率を 45:55 と予想しており、今年上半期の連
結売上高が 3310.46 億 NTD(114 億米ドル)だったので、下半期の連結売上高は 4000 億 NTD
に達すると見られている。
また、和碩は鴻海(Foxconn)に次ぐアップル New iPad の ODM パートナにもなっている
ことから、今年 7-9 月の New iPad の出荷量は 200-300 万台に達する見通しも明らかにし
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2012 年 7 月号
ている。
【ノート PC】欧米/中国市場の低調、ノート PC 用液晶パネル価格が再下落
2012-7-23 精実新聞
市場調査機関 DisplaySearch の調査によると、ノート PC 用液晶パネルの今年 7 月後半の
価格は、7 月前半に比べ横ばいだったものの、台湾のディスプレイ市場調査会社 WitsView
の最新報告によると、同期のノート PC 用液晶パネル価格は 0.2 米ドル、0.3-0.5%下落し
ており、ノート PC 用液晶パネル価格に再び下落傾向が出ていることが明らかになった。
ノート PC 用液晶パネルの市況軟化は、主に欧州の金融危機再燃及び中国内地の夏期商戦
低調であるためで、先行きに不安を感じるノート PC ブランドメーカーが相次いで在庫調
整に舵を切ってノート PC 用液晶パネルの発注を削減したためと見られている。
モニタ用液晶パネル価格については、今年 7 月後半の価格はほぼ横ばい、4 月以降 4 ヶ
月連続の横ばい推移となっている。ただ、需要が拡大し続けているタブレット PC 用液晶
パネル生産にラインを奪われた 18.5 型、20 型、23 型、23.6 型モニタ用液晶パネルにつ
いては、供給が不足気味になっていることから、皮肉にも価格に持ち直しの傾向が出て
いる。そのため、一部メーカーでは、需要に伸び悩み傾向があるテレビ用液晶パネルを
生産している第 6 世代生産ラインの一部生産能力を 18.5 型、19 型モニタ用液晶パネル
生産に割り当てて供給不足に対応している。
調査によると、今年 7 月後半の 17 型モニタ用液晶パネルオファー価格は 55-58 米ドル、
18.5 型オファー価格は 53-56 米ドル、19 型オファー価格は 60-62 米ドル、20 型オファ
ー価格は 61-64 米ドル、21.5 型オファーオファー価格は 72-77 米ドル、21.5 型 LED バッ
クライト液晶パネルオファー価格は 77-82 米ドル、23 型モニタ液晶パネルオファー価格
は 85-89 米ドル、27 型モニタ液晶パネルオファー価格は 142-147 米ドルを維持している。
【EMS】富士康、インドネシアジャワ島に工場 総投資額は 100 億米ドル
搜狐 2012-7-24
世界最大の EMS 企業である鴻海富士康(Foxconn)がインドネシアに 10 億米ドルを投じ
て工場を建設することが明らかになった。また、将来的に同工場周辺に研究開発センタ
ー、従業員宿舎等も建設する計画で、富士康のインドネシアでの投資額は 100 億米ドル
を超え、全ての事業の雇用創出効果は 100 万人に上るという。
インドネシア工業省長官は、富士康のインドネシアでの投資は 1 工場にとどまらず、研
究開発センター、従業員の宿舎及び様々な生活関連施設も含まれ、一大工業団地を建設
するというもの、インドネシアの将来にとっても極めて重要な事業になるとの見方を明
らかにしている。また同長官によると、富士康は既に研究開発センターの建設準備も始
めており、現在インドネシア域内で 1000 ヘクタールの土地を物色していることも明らか
にしている。
インドネシア労組協会主席の林錦坤氏は、富士康主席の郭台銘(Terry Gou)氏との面談
後に富士康の今般の投資は 1 つの工業都市を建設するに匹敵する規模であり、エンジニ
46
2012 年 7 月号
アだけでも 1000 名前後の雇用を創出する巨大プロジェクトと指摘している。
ただ、工場の建設場所については、富士康がジャワ島内を希望しているのに対しインド
ネシア政府はジャワ島内は難しいと建設場所で食い違いが出ており、近くインドネシア
政府関係者が富士康の台湾本社を訪ね、建設場所について再協議することを明らかにし
ている。
【太陽電池】中国企業、米韓多結晶シリコン製品アンチダンピング調査申請
2012-7-23 中国核電
今年 3 月、保利協鑫(GCL-Poly)、賽維 LDK、洛陽中桂、重慶大全新能源等の中国内地の
多結晶シリコンメーカーが中国商務省に対して韓国企業の対中国向け多結晶シリコン製
品に対してアンチダンピング、米国企業の対中国向け多結晶シリコン製品に対してアン
チダンピング及びアンチ補助金調査を行うよう申請し、中国商務省が既に申請を受理し
たことことが明らかになった。
中国国内の今年の多結晶シリコン生産量は約 10 万トンに達する見通しだが、輸入量も 8
万トン前後に達する見通しで、中国国内の多結晶シリコン需要の 50%近くが依然輸入に
より賄われている状況にある。こうした状況下、米国及び韓国等の多結晶シリコンメー
カーは中国国内の多結晶シリコンメーカー製品に比べ低価格でオファすることで輸出量
を拡大しており、中国国内の多結晶シリコンメーカーに打撃を与えているといわれる。
特に、米国、韓国等の低価格の多結晶シリコン輸入製品の大量流入により、中国国内の
多結晶シリコン価格が大幅に下落していることの影響は甚大で、昨年年末以降、中国国
内の 80%の多結晶シリコンメーカーが既に生産を停止、500 億元を超える投資を行った産
業の屋台骨が揺るぎ始めており、関連失業者は 5000 人を超えている。中国国内の太陽電
池産業連盟関係者は、8 万トンの輸入量は、直近の 1 キロ当たり 32-37 米ドルで計算す
ると 20 億米ドルに相当すると指摘する。
業界関係者は、中国商務省が正式に立件し米韓企業の多結晶シリコン製品のダンピング
調査を開始すれば、中国国内の多結晶シリコン価格が底を打ち反転することが間違いな
く、中国国内の多結晶シリコンメーカーの業績回復には欠かせないものといえる。
ただ、一部の関係者は、現在の多結晶シリコン価格でも川下の電池セル及びモジュール
メーカーは赤字経営であることから、この状況で多結晶シリコン価格が上昇すれば、こ
れらの電池セル及びモジュールの業績回復を遅らせることになるとの懸念も出ている。
これについて、上記の中国太陽電池産業連盟関係者は、短期で見ると、多結晶シリコン
のダブルアンチ調査は諸刃の刃となるが、長期的に見ると、中国国内の太陽電池産業に
自信を取り戻し、産業全体が健全に発展していくことができる行動と指摘する。今回米
国企業に対してダブルアンチ調査を申請した多結晶シリコンメーカー4 社のうち、3 社は
電池セル及びモジュールも生産していることから、今回のダブルアンチ調査申請は長期
的視点に立って行われているといえる。
米国商務省が中国内地の太陽電池製品に対してダブルアンチ調査を実施することを決め
てから、中国国内では海外の多結晶シリコンメーカーに対する反発感情が高まってきた
という。中国内地と米国は太陽電池産業において一体不可分で、太陽電池に要する川上
47
2012 年 7 月号
の多結晶シリコン材料の多くは米国、韓国、日本から輸入している。それにもかかわら
ず、米国が率先して貿易戦を発動してきたことは中国内地にとっては驚きだったという。
米国商務省は今年 3 月下旬に中国内地の太陽電池製品に対して中国内地メーカーに 2.9%
から 4.73%の補助金が認められるとのアンチ補助金調査の仮判定を下し、90 日遡及して
アンチ補助金税の徴収を開始している。
さらに、今年 5 月には米国商務省は中国内地の太陽電池及びモジュール製品に対するア
ンチダンピング調査の仮裁定を行い、31.14%から 249.96%の臨時アンチダンピング税を
課すことを決め、アンチ補助金税同様、90 日遡及して徴収を開始している。米国商務省
のダブルアンチ調査の最終判定は今年 10 月に下されることになるが、最終判定で仮判定
が大幅に修正されることは殆どないという。
米国に続いて EU が中国内地の太陽電池メーカーに対して米国同様のダブルアンチ調査
を行う可能性が指摘される中、仮に EU の中国内地太陽電池メーカーに対するダブルアン
チ課税が実施されれば、6 割以上の関連企業が倒産するとの見方もされる中、中国内地
の太陽電池産業は今回のような対抗措置に打って出るしかない状況に追い込まれている。
【PCB】景碩、主力ユーザー Skyworks 好調で 2Q 利益 4 年ぶり最高
台湾経済日報 2012.07.24
IC 搭載プリント基板大手の景碩科技(Kinsus)は 23 日、董事会を開き今年上半期の業
績を承認、今年 4-6 月の粗利率が 1-3 月に比べ改善したことから、純利益が過去 4 年半
で最高となったことを明らかにした。
7-9 月についても、景碩の主力ユーザーである携帯電話用半導体大手の米国スカイワー
クス(Skyworks)が過去最高の売上高を達成する見通しであること、クアルコム
(Qualcomm)、ザイリンクス(Xilinx)も 28 ナノ製品の出荷が好調であることから、4-6
月を上回る業績が予想されている。
景碩の今年上半期の売上高は前年同期比 9.94%増の 86.57 億 NTD、粗利率 33.12%、税後
利益は前年同期比 2.69%減の 13.72 億 NTD だった。上半期の税後利益は前年を下回った
ものの、4-6 月の売上高は 1-3 月比 7.92%増の 44.93 億 NTD、4-6 月の税後利益は 1-3 月
比 22.8%増、うち 6 月の売上高は 14.24 億 NTD で前月比 8.42%減、前年同月比 1.19%増と
なっている。
景碩の 4-6 月の売上高はクアルコムの在庫調整の影響を受けて予想を下回っているもの
の、製品ラインの調整により粗利率は 1-3 月を上回り、子会社の従来型 PCB を生産する
百碩の赤字経営も改善しているという。
また、設備投資についても、クアルコム及びザイリンクスの 28 ナノ製品の出荷が好調で
あること、台積電(TSMC)の 28 ナノもフル稼働が続いていることなどから、Flip Chip
の BGA 生産ラインの自動化、特に CSP-FC 生産ラインの自動化に 30 億 NTD を超える設備
投資を行うことを明らかにしている。今年の 4G LTE スマートフォン用無線チップ市場は
前年比 2 倍になる見通しで、スカイワークスはアップル、三星などの 2 大スマートフォ
ンブランドメーカーからの無線チップ受注により業績を大幅に伸ばす見通しで、景碩も
その恩恵を受けると見られている。
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2012 年 7 月号
901 号 7 月 27 日
【液晶パネル】コーニング、三星と合弁で無錫に LCD 用ガラス工場を建設
2012-7-25 cnBeta
ガラス基板大手の米国コーニング(Corning)社は、三星電子と合弁で中国江蘇省無錫市
の無錫新区に 6 億米ドルを投じて液晶パネル用ガラス基板工場を建設することで無錫新
区管理委員会と覚書を締結したことを明らかにした。
コーニングは韓国に三星電子と合弁で液晶パネル用ガラス基板工場を有しているが、韓
国の同工場の一部生産能力を無錫工場にシフトする計画で、無錫工場で生産するガラス
基板は三星電子の蘇州工場に供給されることになるという。
【携帯電話】聯想、中国国内の携帯電話シェアで三星に次ぐ 2 位に浮上
2012-7-25 精実新聞
中国内地の市場調査会社、賽諾の最新報告「2012 年 6 月中国国内携帯電話市場シェア」
によると、世界第 2 位のパソコンブランドである聯想(Lenovo)の今年 6 月の中国国内
携帯電話市場シェアが 11%で三星電子の 15.73%に次ぐ第 2 位となったことが明らかにな
った。シェア 3 位は華為で 9.54%、4 位はノキアで 9.42%だった。
聯想の 6 月の販売シェアは、従来型携帯電話が 11%、スマートフォンが 13%でどちらも過
去最高を記録、一気にノキア、華為を抜いて 2 位に躍進した。市場は、聯想の躍進は主
に市場の閑散期に低価格新機種 A60 及び A70 を投入したことによるものと分析している。
聯想は昨年のスマートフォン出荷量が前年比 62%増を記録、中国国内第 4 位のスマート
フォンブランドとなっている。
【スマホ】宏達、売上高の大幅減で製造販売・開発部門人員の削減開始
DIGITIMES 25-7-2012
世界第 5 位のスマートフォンブランドの宏達(HTC)は、製造販売・開発部門で人員の削
減を進めていることが明らかになった。業界関係者は、宏達の人員削減は売上高の大幅
な減少によるものと指摘している。
宏達は、16500 人の従業員のほか、開発部門に 4000 人の人員を有するが、既に開発部門
の一部人員がレイオフされたほか、600 人のワーカーの契約を更新しないことも明らか
になっている。最終的に削減される人員は 1000 人近くに達すると見られている。
【スマホ】華為、上半期営業利益が前年同期比 22%減 スマホ販売は好調
2012-7-26 中華液晶網
世界第 2 位の通信設備メーカーで世界第 5 位のスマートフォンメーカーでもある中国華
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2012 年 7 月号
為(Huawei)は、今年上半期の売上高が 1027 億元(約 161.63 億米ドル)で前年同期比
5.1%増にとどまり、営業利益が 87.9 億元(13.83 億米ドル)で同 22.0%減となったこと
を明らかにした。業績悪化の要因として世界経済の減速の影響を挙げている。
ただ、スマートフォン事業については、Ascend P1、Ascend D1 等の戦略製品が中国内地、
欧州、日本、オーストラリア、カナダ等の地域で売上を伸ばしており、一部市場調査機
関では今年 4-6 月の世界出荷量がノキア、RIM を抜いて世界 3 位になったと伝えている。
【タブレット】聯想/モトローラ、インテル搭載 Android タブレット PC の出荷を延期
DIGITIMES 26-7-2012
プロセッサ最大手のインテルがスマートフォン及びタブレット PC に搭載される Android
OS と Medfield プラットフォームの組み合わせを積極的に推進しているものの、その主
要パートナーである聯想及びモトローラ・モビリティが Medfield/Android タブレット
PC の投入を今年 11 月まで延期することを決定したことが明らかになった。インテルの
Android タブレット PC プランにとっては大きな打撃となることが必至と見られている。
聯想とインテルは今年 4 月に共同開発した Medfield/Android 4.0 タブレット PC サンプ
ルを公開し今年年央に市場に投入することを明らかにしたが、聯想は Windows 8 及び大
手ブランドの低価格 Android タブレット PC 投入、アップルの New iPad 等のファクタを
総合的に勘案し市場投入を延期することを決めたと伝えられている。
インテルは当初、モトローラと中国内地の中興(ZTE)が Medfield/Android タブレット
PC プランを全面サポートすることを期待していたが、主力パートナーである両社がタブ
レット PC 事業参入に慎重な態度を示したことから、インテルの Medfield/Android タブ
レット PC プランが暗礁に乗り上げることとなり、計画の大幅な見直しが不可避となって
きた。
なお、インテルは Windows 8 が投入される今年 10 月に Clover Trail プラットフォーム
用プロセッサ Atom Z2760 を投入するほか、同時期にハイエンド Windows 8 搭載タブレッ
ト PC 向けで 22 ナノ技術プロセッサ Ivy Bridge を投入することを明らかにしている。
【パソコン】重慶市の 6 月パソコン生産量、330 万台で前年比 37%増
中国電子報 2012-7-26
中国重慶市政府は、ノート PC ブランドメーカーの生産基地が順調に稼働する中、周辺機
器であるモニタ、プリンタ、通信機器の量産も相次いで開始されており、今年上半期の
モニタ生産量は 272 万台、プリンタの生産量は 126 万台、交换機、ルータ等通信機器の
生産量は 200 万台に達したことを明らかにした。
また、今年 6 月の重慶市のパソコン生産量は 330 万台で前年同月比 37%増、今年上半期
のパソコン生産量は 2060 万台で同 151%増だったことを明らかにした。
【ノート PC】仁宝、宏碁の 2013 年分ノートパソコン ODM の 36%を受注
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2012 年 7 月号
DIGITIMES 26-7-2012
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)は、米国 DELL の 2013 年分ノートパソ
コン ODM の 70%を受注したのに続き、宏碁(Acer)の 2013 年分ノートパソコン ODM の 36%、
出荷量にして約 1080 万台を受注したことを明らかにした。
宏碁及び DELL の筆頭 ODM パートナーとなった仁宝は、聯想(Lenovo)の 2013 年分ノー
トパソコン ODM でも高比率で受注を獲得することが予想されていることから、ノートパ
ソコン ODM 市場で最大手の広達(Quanta)との差が再び大幅に縮まることが予想される。
なお、宏碁は 2013 年分ノートパソコン ODM の 30%を緯創(Wistron)、25%を広達、8-9%
を和碩に発注する計画で、2013 年のノートパソコン出荷量目標を 3000 万台としている
ことから、仁宝の宏碁向け出荷量は 1080 万台、緯創の同出荷量は 900 万台、広達の同出
荷量は 750 万台、和碩の同出荷量は 270 万台となる見通し。
また、宏碁の 2013 年分ノートパソコン ODM のサイズ別受注内訳は、15 インチ機種の 8
割は仁宝、残り 2 割は緯創と広達が受注、14 インチ機種は全量を緯創が受注、11 インチ
機種は広達、17 インチは和碩が受注とされている。
【ノート PC】ノートパソコン ODM、ブランドメーカーの ODM 拡大の恩恵受ける
DIGITIMES Research 26-7-2012
今年下半期のノートパソコン世界出荷量が上半期比 12%前後の増加にとどまるとの見通
しが出る中、収益確保に向けてコストダウンを強化するブランドメーカーの ODM 拡大の
恩恵を受けて、ノートパソコン ODM 大手メーカーは相対的に高い出荷量の伸びを予想し
ていることが明らかになった。
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)の今年下半期のノートパソコン出荷量
は聯想及び DELL からの新規受注 により上四半期比 25%増、広達(Quanta)及び和碩
(Pegatron)は同 15-18%増の見通しを示している。
【太陽電池】中国ソーラー関連 79 社現金、117 億元から 3 億元に激減
2012-7-26 索比太陽能光伏網
中国内地の大手太陽電池用多結晶シリコンメーカーである江西賽維 LDK の今年 1-3 月の
赤字幅が 1.85 億米ドルに拡大したことから、市場で同社の資金繰りへの懸念が急上昇し
ている。
中国太陽電池産業連盟のデータによると、今年 1-6 月の多結晶シリコン価格は期初は
30.5 米ドル/kg だったが期末には 23.6 米ドル/kg に下落、依然下げ幅は 22.6%に達して
いる。電池モジュールの価格も今年 1 月初めの 0.951 米ドル/ワットから 6 月末には 0.82
米ドル/ワットに下落しており、下落幅は 13.8%に達しており、こうした価格の急激な下
落により資金繰りを悪化させる企業が続出している。
中国内地の太陽電池関連メーカーの資金繰りが急速に悪化していることは今年 1-3 月の
業績内容からもうかがえ、今年 1-3 月の中国株式 A 株市場に上場している太陽電池関連
企業 79 社の現金資産合計は昨年 12 月末には 117 億元であったが今年 3 月末には 2.95
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2012 年 7 月号
億元に激減している。一方、同 79 社の在庫資産合計も昨年 12 月末の 587 億元から 628
億元に急増している。
【半導体】展訊、三星電子との提携強化 三星向けチップ供給量 2 倍に
2012-7-25 新浪網
中国内地の大手携帯電話チップメーカーである展訊通信(Spreadtrum)は、韓国三星電
子との提携強化が奏効して今年 10-12 月の三星電子向けチップセット供給量がこれまで
の 2 倍に増える見通しで、韓国ユーザー獲得競争で最大のライバルである聯発科技
(MediaTek)の地位を揺るがす存在となっている。
展訊通信は三星電子との提携を通じて今年上半期に中国内地最大の携帯電話キャリアで
ある中国移動(China Mobile)から大量の TD-SCDMA チップを受注していることが明らか
になっている。一方、聯発科技が中国移動から受注した TD-SCDMA チップは少量であるこ
とが明らかになっている。
展訊通信と三星電子の密接な関係は、三星電子が今年 10-12 月に中国内地に向けて出荷
した携帯電話のの全ての機種で展訊通信のチップを採用していることからもうかがえる。
今年の三星電子の中国内地市場での携帯電話出荷量は 7000 万台に達すると見られてい
る。
【半導体】中国半導体生産量 2010 年 6 月-2012 年 6 月月次推移
中国工業情報化省
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2012 年 7 月号
【生産統計】江蘇省の今年上半期ノート PC 生産量が前年比 20.3%減
中国電子報 2012-7-26
中国江蘇省経済情報化委員会発表によると、今年上半期の江蘇全省電子情報製品製造業
の売上高総額は 1 兆 2276 億元で前年同期比 10.8%増、そのうち 6 月の売上高は 2359 億
元で同 15.8%増だった。
重点観測している主要 8 製品の今年上半期の生産量は、モニタが 1696 万台で同 18%増、
携帯電話は 1454 万台で同 49.6%増、半導体は 230 億個で同 23.9%増、光ケーブル 3002
万コアキロメートルで同 47.9%増だったが、パソコンは 3571 万台で同 5.5%減、そのうち
ノートパソコンは 2883 万台で同 20.3%減だった。また、カラーテレビも 574 万台で同
17.5%減、デジタルカメラも 1373 万台で同 0.8%減だった。
902 号 7 月 30 日
【通信設備】華為、上半期売上高 1027 億元で初めてエリクソン上回る
PCB 信息網 2012-7-25
世界第 2 位、中国最大の通信設備メーカーである華為(Huawei)は、2012 年上半期の業
績を発表、今年上半期の売上高が 1027 億元に達し、前年同期比 5.1%増、営業利益は 87.9
億元、営業利益率は 8.6%だったことを明らかにした。欧州の信用不安の影響で業界首位
のエリクソンが厳しい業績となる中、華為が安定した業績を達成していることで華為と
エリクソンのシェア差がさらに縮まった。
エリクソンの今年上半期の業績は、売上高が 1063 億スウェーデンクローナ、営業利益は
100 億スウェーデンクローナであるが、これを人民元換算すると、売上高は約 975.2 億
元、営業利益は 91.75 億元となり、売上高では華為が初めてエリクソンを上回ったこと
になる。
業界関係者は、華為が 2011 年から従来型の通信設備メーカーから携帯電話及びスマート
フォン端末機メーカーへの業態転換を進めてきたことが奏効している、端末機事業は既
に華為の収益拡大の重要なけん引役になっていると分析する。一方、エリクソンは端末
機合弁事業会社であるソニーエリクソンの 50%の持分をソニーに売却し、端末機事業か
ら撤退している。
【有機 EL】友達、ソニー携帯電話向け 4.3 インチ有機 EL パネル量産開始
2012-07-27 小熊在線
世界最大の有機 EL パネルメーカーである三星電子の有機 EL パネルでの独走を阻むこと
が同業他社の大きな使命となっているが、台湾の大手液晶パネルメーカーである友達光
電(AUO)がソニー向けで携帯電話用 4.3 インチ有機 EL パネルの量産を開始したことが明
らかになった。
友達光電が今回ソニー向けで量産する 4.3 インチ有機 EL パネルの解像度は 960x540、画
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2012 年 7 月号
素密度は 257ppi とされている。
【バックライト】瑞儀、iPad 5 出荷延期等の影響で 7-8 月業績悪化予想
台湾経済日報 2012.07.28
バックライトモジュール大手の瑞儀(Radiant)は、今年 7 月の売上高がユーザーの在庫
調整により前月比 15%減となる見通しを明らかにした。
アップルが New iPad の販売目標を下方修正したこと、新機種投入を延期したことから、
業績回復は 9 月以降になる見通しを明らかにしている。7 月初めに今年 6 月の売上高が
76.87 億 NTD に達し今年最高となったが、7-9 月は減速することが予想されている。
ただ、市場は瑞儀の競争力は維持されているため、10-12 月には業績の反転が期待でき
るとしている。iPhone 5 の出荷が延期されたこと、New iPad 販売目標が下方修正された
こと、アップルの 4-6 月業績が予想を下回ったことから、アップル関連企業の業績見通
しは軒並み下方修正されている。
【レンズ】大立/鴻海、アップル成長減速にリンクしたイメージ払拭で反転攻勢
台湾経済日報 2012.07.29
世界の 2 大スマートフォンブランドである三星、アップルが 4-6 月業績で明暗が分かれ
る中、レンズの大立(Largan)、アッセンブリの鴻海(Foxconn)、フレキシブル基板の台
郡(FLEXium)等のアップル関連サプライヤがアップルの成長減速に伴うマイナスイメー
ジ払拭のため反転攻勢に出ている。
アップル iPhone シリーズの主力レンズサプライヤである大立光電は、7 月の新機種出荷、
受注状況をウォッチする必要があるが、7-9 月に売上高がピークに達する可能性もある
としている。市場は大立光電が言及している新機種は iPhone 5 と見ており、iPhone 5
の出荷第 1 陣は 9-10 月になると見られていることから、大立光電の出荷量は 8 月から上
昇すると見られている。
一方、鴻海は資本参加したシャープの株価が二番底を探る展開になっていることと、ア
ップルの業績が市場予想を下回ったという二重の打撃を受けて株価は下落しているが、
大立光電同様、8 月以降に予想される iPhone 5 の大量出荷に伴って業績が上向いてくる
ことが予想されている。
【EMS】サンミナ SCI、今年 2Q 売上高が前年比 7%減、1Q 比 6%増、
精実新聞 2012-7-25
EMS 大手の米サンミナ-SCI は、今年 4-6 月の業績を発表、売上高が前年同期比 7.2%減、
1-3 月比 6.2%増の 15.5 億米ドルだったこと、7-9 月の売上高については 4-6 月比 32.%
増の 15.75-16.25 億米ドルを見込んでいることを明らかにした。
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2012 年 7 月号
【太陽電池】中国政府、今年の中国太陽電池需要を 6 ギガワットに拡大
DIGITIMES 27-7-2012
中国政府は今年の中国国内の太陽電池需要を 6 ギガワットまで拡大することを明らかに
した。中国内地の大手太陽電池セル及びモジュールメーカーの稼働率が 50%前後で推移
する深刻な状況にあることから、中国政府が財政出動で救済に乗り出したと捉えられて
いる。
ただ、一部メーカーは中国政府の梃入れには懐疑的で、今年の中国国内の太陽電池需要
は政府の梃入れがあっても 4 ギガワット程度にとどまるとの見方をしている。
なお、大手メーカーの中でも江西賽維 LDK、尚徳(Suntech)の販売不振と価格下落に伴
う資金繰りの悪化が懸念されている。
【PCB】欣興、ビルドアップ/IC 基板稼働率上昇 2Q 利益 1Q 比 47%増
精実新聞 2012-7-26
世界 2 位のプリント基板(PCB)メーカーである欣興(欣興電子)は、今年 4-6 月の連結売
上高が 166.69 億 NTD で 1-3 月比 2%増、連結営業利益率は 6.2%、粗利率及び営業利益率
は 1-3 月の 14.6%、7.5%に比べどちらも低下、連結税前利益は 11.02 億 NTD、税後利益は
9.27 億 NTD で 1-3 月比 47%増だったことを明らかにした。
同社副総経理の沈再生氏は、例年ビルドアップ基板の需要は 7-9 月に上昇してきて、そ
の上昇トレンドが 11 月頃まで続くことから、ビルドアップ基板製品ラインの稼働率も安
定が期待できる、IC パッケージ基板については 7-9 月の需要は 4-6 月比横ばい若しくは
4-6 月比小幅増を予想していることを明らかにした。今年 7-9 月の従来型 PCB、ビルドア
ップ基板、IC 実装基板等の製品の生産ライン稼働率は 4-6 月を上回る見通し、フレキシ
ブル基板生産ラインの稼働率も 90-95%を維持する見通しだという。欣興電子はアップル
の iPhone 5 のビルドアップ基板サプライヤ資格を獲得していることが伝えられているほ
か、宏達(HTC)等の複数の大手スマートフォンブランド向けフレキシブル基板も受注し
ている。ただ、7-9 月のフレキシブル基板生産ラインの稼働率は 4-6 月に比べ小幅低下
する見通しを示している。欣興の今年 4-6 月の売上高の製品別構成は、フレキシブル基
板が約 9%、従来型 PCB が約 20%、ビルドアップ基板は約 31%、IC 搭載基板が約 38%だっ
た。
7-9 月のコスト構造について、沈再生氏は、金及び銅の価格が 4-6 月比小幅に下落する
見通しでコスト減となるが、その恩恵の一部が電力料金の値上げ、及び台湾工場賃金の
7 月からの引き上げ、中国内地工場賃金の 6 月からの引き上げで相殺されてしまうと分
析している。
事業投資については、今年上半期に約 34.9 億 NTD の事業投資を実行しているが、その
1/3 は PCB 事業、残り 2/3 は IC 搭載基板事業への投資であることを明らかにしている。
通年の事業投資額は約 70-80 億 NTD を見込んでいる。
なお、今年上半期の連結売上高は 330.29 億 NTD で前年同期比 6%増、
連結粗利率は 14.4%、
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2012 年 7 月号
連結営業利益率は 6.8%、粗利率、営業利益率は昨年同期の 15.9%、9.6%をどちらも下回
った。税後利益は 15.57 億 NTD で前年同期比 40%減だった。
【PCB】景碩、蘇州子会社に 2 千万米ドル投じ IC 実装基板生産拡張
2012-7-26 中国 PCB 産業協会
台湾の大手プリント配線基板(PCB)メーカーである景碩(Kinsus)は、2013 年の IC パ
ッケージ基板の需要に対応するため、中国蘇州の子会社である統碩科技に 2000 万米ドル
を投じて生産能力を拡張することを明らかにした。
完成すれば、IC パッケージ基板の月産能力は現在比 5%拡張され、ポータブル機器用通信
IC チップパッケージ基板も生産することも可能になるという。
【PCB】プリント基板産業、入学商戦低調の見通しで値下げ圧力増大
2012-7-26 自由時報
今年 7-9 月は軽量薄型ノートパソコン Ultrabook 新機種の大量投入が期待されていたが、
ノート PC ブランドメーカーに Windows 8 との同時投入のシナジーを求める動きが広がり、
プリント基板(PCB)の 7 月の受注の多くが 8-9 月に延期されていることが明らかになっ
た。
また、今年 9 月の入学商戦の低調がが懸念される中、銅箔張り積層板(CCL)メーカー、
ノートパソコン用 PCB メーカーどちらもが今年 7-9 月の業績について慎重な見方をして
いる。
PCB 大手の健鼎(Tripod)は、例年であれば、7-9 月の入学商戦に備えた発注の多くは 6
月末から 7 月初めに集中するが、今年は 7 月中旬になってもユーザーの発注が見られず、
入学商戦が低調である可能性が高いと指摘している。健鼎は中国湖北省仙桃市に建設し
ている新工場が 7-9 月に完成する予定で、生産能力は現在比 12%増加することから、7-9
月の業績は一定の伸びが期待できるとしている。
PCB 用銅箔張り積層板(CCL)大手である台耀(TUC)は、9 月の入学商戦の需要が低調で
ユーザーが在庫抑制を強化していることから、7 月の受注は厳しい状態が続いている、
中国内地の生産工場の稼働率は 70%に達しているが、4-6 月に比べ低下している、状況が
好転するのは 9 月になるとの見方を示している。業界関係者は、CCL メーカーは値下げ
攻勢をかけて受注獲得を狙っているため、一部製品の 7 月の価格は平均约 3-5%下落して
いる、台耀の 7 月の売上高は価格下落で 6 月比 3%増にとどまると見ている。
【CCL】生益、増値税還付率引下げ等で上半期純利益前年比 4 割減
2012-7-25 PCB 信息網
中国最大、世界第 5 位の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである生益科技(Shengyi)は
23 日、今年上半期の業績速報を発表、売上高が 30.10 億元で前年同期比 1.65%増、純利
益は 1.86 億元で同 40.94%減だったことを明らかにした。
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2012 年 7 月号
上半期の純利益が前年同期比 4 割減となったことについて、生益科技は、製品価格の下
落、中国税関の輸出増値税還付率引き下げに伴う輸出コストの上昇、東莞市松山湖 4 期
及び 5 期工場が試験生産段階に入ったことに伴う製造コストの増加、子会社である東莞
生益電子有限公司が昨年末からの設備改造・生産停止に伴って大幅な赤字を計上したこ
とによるものとしている。
【磁性材料】江粉磁材、垂直統合推進で子会社に 3 千万元を増資
和訊網 2012-7-27
中国最大級のファライト磁性材料メーカーであ
る広東江粉磁材(JPMF)は 23 日、董事会で 100%
子会社である江門創富投資管理有限公司に 3000 万元の増資を行い、同子会社を通じて川
上・川下の中小企業への投資を積極的に行うことを明らかにした。
広東江粉磁材:www.jpmf.com.cn:8080/
【生産統計】中国電子情報製造業上期粗利 3.9 兆元で前年比 1 割増
大衆証券報 2012-7-27
中国工業情報化省が 26 日発表したところによると、中国内地の電子情報製造業の今年上
半期の粗利益は 3 兆 9187 億元で前年同期比 11.1%増だった。
今年上半期の電子部品の売上高、輸出額は 5911 億元、3800 億元で、それぞれ前年同期
比 14.6%、11.4%増だった。
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