医薬品インタビューフォーム

2016 年 6 月改訂(第 6 版)
日本標準商品分類番号 876132
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領 2013 に準拠して作成
セフェム系抗生物質製剤
日本薬局方
注射用セフェピム塩酸塩
FOR INJECTION
剤
形 注
射
剤
製 剤 の 規 制 区 分
処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)
規
量
注射用 0.5g,1g:
セフェピム塩酸塩水和物 0.5g(力価)又は 1g(力価)を含有
名
和名:セフェピム塩酸塩水和物(JAN)
洋名:Cefepime Dihydrochloride Hydrate(JAN)
一
格
・
般
含
製 造 販 売 承 認 年 月 日 製造販売承認年月日 : 1995 年 6 月 30 日
薬 価 基 準 収 載 ・ 薬価基準収載年月日 : 1995 年 8 月 25 日
発
売
年
月
日 発 売 年 月 日 : 1995 年 8 月 25 日
開発・製造販売(輸入)・
製造販売元:
提 携 ・ 販 売 会 社 名
医薬情報担当者の連絡先
問 い 合 わ せ 窓 口
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報部
TEL:0120-093-507(9:00~17:30 / 土日祝日及び当社休業日を除く)
FAX:03-6705-7954
医療関係者向けホームページ
URL http://www.bms.co.jp/medical/top.html
本 IF は 2013 年 4 月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。
Ⓡ:登録商標
最新の添付文書情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/にてご確認ください。
[IF の作成]
①IF は原則として製剤の投与経路別(内用剤、注射剤、外用剤)に作成される。
②IF に記載する項目及び配列は日病薬が策定した IF 記載要領に準拠する。
③添付文書の内容を補完するとの IF の主旨に沿って必要な情報が記載される。
④製薬企業の機密等に関するもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医
療従事者自らが評価・判断・提供すべき事項については記載されない。
⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領 2013」(以下、「IF 記載要領 2013」と略す)により作
成された IF は、電子媒体での提供を基本とし、必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)から印
刷して使用する。企業での製本は必須ではない。
[IF の発行]
①「IF 記載要領 2013」は、平成 25 年 10 月以降に承認された新医薬品から適用となる。
②上記以外の医薬品については、「IF 記載要領 2013」による作成・提供は強制されるものではな
い。
③使用上の注意の改訂、再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適応
症の拡大等がなされ、記載すべき内容が大きく変わった場合には IF が改訂される。
3. IF の利用にあたって
「IF 記載要領 2013」においては、PDF ファイルによる電子媒体での提供を基本としている。情
報を利用する薬剤師は、電子媒体から印刷して利用することが原則である。
電子媒体の IF については、医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲
載場所が設定されている。
製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが、IF の原点
を踏まえ、医療現場に不足している情報や IF 作成時に記載し難い情報等については製薬企業の MR
等へのインタビューにより薬剤師等自らが内容を充実させ、IF の利用性を高める必要がある。ま
た、随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては、IF が改訂されるまでの間は、当該医
薬品の製薬企業が提供する添付文書やお知らせ文書等、あるいは医薬品医療機器情報配信サービス等
により薬剤師等自らが整備するとともに、IF の使用にあたっては、最新の添付文書を医薬品医療機
器情報提供ホームページで確認する。
なお、適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」
に関する項目等は承認事項に関わることがあり、その取扱いには十分留意すべきである。
4. 利用に際しての留意点
IF を薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい。
しかし、薬事法や医療用医薬品プロモーションコード等による規制により、製薬企業が医薬品情報と
して提供できる範囲には自ずと限界がある。IF は日病薬の記載要領を受けて、当該医薬品の製薬企
業が作成・提供するものであることから、記載・表現には制約を受けざるを得ないことを認識してお
かなければならない。
また製薬企業は、IF があくまでも添付文書を補完する情報資材であり、インターネットでの公開
等も踏まえ、薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情報を活用
する必要がある。
(2013 年 4 月改訂)
目
Ⅰ.概要に関する項目
次
(3) 注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び
1. 開発の経緯····························· 1
種類 ······························· 7
2. 製品の治療学的・製剤学的特性··········· 2
2. 製剤の組成 ····························· 7
(1) 有効成分(活性成分)の含量 ········· 7
Ⅱ.名称に関する項目
1. 販売名································· 3
(1) 和 名 ····························· 3
(2) 洋 名 ····························· 3
(3) 名称の由来 ························· 3
2. 一般名································· 3
(1) 和名(命名法) ····················· 3
(2) 洋名(命名法) ····················· 3
(3) ステム ····························· 3
3. 構造式又は示性式······················· 3
4. 分子式及び分子量······················· 3
5. 化学名(命名法)······················· 3
6. 慣用名、別名、略号、記号番号··········· 4
7. CAS登録番号························· 4
Ⅲ.有効成分に関する項目
(2) 添加物 ····························· 7
(3) 電解質の濃度 ······················· 8
(4) 添付溶解液の組成及び容量 ··········· 8
(5) その他 ····························· 8
3. 注射剤の調製法 ························· 8
4. 懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意 ······· 8
5. 製剤の各種条件下における安定性 ········· 8
6. 溶解後の安定性 ························· 9
7. 他剤との配合変化(物理化学的変化) ····· 10
8. 生物学的試験法 ························· 12
9. 製剤中の有効成分の確認試験法 ··········· 12
10. 製剤中の有効成分の定量法 ··············· 12
11. 力 価 ································· 12
12. 混入する可能性のある夾雑物 ············· 13
13. 注意が必要な容器・外観が特殊な容器に
関する情報····························· 13
14. その他 ································· 13
1.物理化学的性質·························· 5
(1) 外観・性状 ························· 5
(2) 溶解性 ····························· 5
(3) 吸湿性 ····························· 5
(4) 融点(分解点)
、沸点、凝固点 ········ 5
(5) 酸塩基解離定数 ····················· 5
(6) 分配係数 ··························· 5
(7) その他の主な示性値 ················· 5
2. 有効成分の各種条件下における安定性····· 6
3. 有効成分の確認試験法··················· 6
4. 有効成分の定量法······················· 6
Ⅳ.製剤に関する項目
1. 剤 形································· 7
(1) 剤形の区別、外観及び性状 ··········· 7
(2) 溶液及び溶解時のpH、浸透圧比、
粘度、比重、安定なpH域等 ··········· 7
Ⅴ.治療に関する項目
1. 効能又は効果 ··························· 14
2. 用法及び用量 ··························· 15
3. 臨床成績 ······························· 16
(1) 臨床データパッケージ ··············· 16
(2) 臨床効果 ··························· 16
(3) 臨床薬理試験 ······················· 19
(4) 探索的試験 ························· 19
(5) 検証的試験 ························· 20
(6) 治療的試験 ························· 28
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1. 薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 ··· 48
2. 薬理作用 ······························· 48
(1) 作用部位・作用機序 ················· 48
(2) 薬効を裏付ける試験成績 ············· 52
(3) 作用発現時間・持続時間 ············· 58
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1. 血中濃度の推移・測定法················· 59
(3) 直接血液灌流 ······················· 71
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する
項目
(1) 治療上有効な血中濃度 ··············· 59
1. 警告内容とその理由 ····················· 72
(2) 最高血中濃度到達時間 ··············· 59
2. 禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) ··· 72
(3) 臨床試験で確認された血中濃度 ······· 59
3. 効能又は効果に関連する使用上の注意と
(4) 中毒域 ····························· 62
(5) 食事・併用薬の影響 ················· 62
(6) 母集団(ポピュレーション)解析により
判明した薬物体内動態変動要因 ······· 62
2. 薬物速度論的パラメータ················· 62
その理由······························· 72
4. 用法及び用量に関連する使用上の注意と
その理由······························· 72
5. 慎重投与内容とその理由 ················· 72
6. 重要な基本的注意とその理由及び
(1) 解析方法 ··························· 62
処置方法······························· 73
(2) 吸収速度定数 ······················· 62
7. 相互作用 ······························· 73
(3) バイオアベイラビリティ ············· 62
(1) 併用禁忌とその理由 ················· 73
(4) 消失速度定数 ······················· 62
(2) 併用注意とその理由 ················· 73
(5) クリアランス ······················· 62
8. 副作用 ································· 74
(6) 分布容積 ··························· 62
(1) 副作用の概要 ······················· 74
(7) 血漿蛋白結合率 ····················· 63
(2) 重大な副作用と初期症状 ············· 74
3. 吸 収································· 63
(3) その他の副作用 ····················· 75
4. 分 布································· 64
(4) 項目別副作用発現頻度及び
(1) 血液-脳関門通過性 ················· 64
(2) 血液-胎盤関門通過性 ··············· 65
(3) 乳汁への移行性 ····················· 65
(4) 髄液への移行性 ····················· 65
臨床検査値異常一覧 ················· 76
(5) 基礎疾患、合併症、重症度及び手術の
有無等背景別の副作用発現頻度 ······· 76
(6) 薬物アレルギーに対する注意及び
(5) その他の組織への移行性 ············· 66
試験法 ····························· 76
5. 代 謝································· 66
9. 高齢者への投与 ························· 76
(1) 代謝部位及び代謝経路 ··············· 66
10. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ··········· 76
(2) 代謝に関与する酵素(CYP450等)
11. 小児等への投与 ························· 77
の分子種 ··························· 68
12. 臨床検査結果に及ぼす影響 ··············· 77
(3) 初回通過効果の有無及びその割合 ····· 68
13. 過量投与 ······························· 77
(4) 代謝物の活性の有無及び比率 ········· 68
14. 適用上の注意 ··························· 77
(5) 活性代謝物の速度論的パラメータ ····· 68
15. その他の注意 ··························· 77
6. 排 泄································· 69
16. その他 ································· 77
(1) 排泄部位及び経路 ··················· 69
(2) 排泄率 ····························· 69
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
(3) 排泄速度 ··························· 69
1.薬理試験 ································ 78
7. トランスポーターに関する情報··········· 70
(1) 薬効薬理試験 ······················· 78
8. 透析等による除去率····················· 71
(2) 副次的薬理試験 ····················· 78
(1) 腹膜透析 ··························· 71
(3) 安全性薬理試験 ····················· 78
(2) 血液透析 ··························· 71
(4)その他の薬理試験 ···················· 79
2. 毒性試験································ 79
(1) 単回投与毒性試験 ··················· 79
(2) 反復投与毒性試験 ··················· 79
(3) 生殖発生毒性試験 ··················· 80
(4) その他の特殊毒性 ··················· 80
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1. 規制区分······························· 81
2. 有効期間又は使用期限··················· 81
3. 貯法・保存条件························· 81
4. 薬剤取扱い上の注意点··················· 81
(1) 薬局での取扱い上の留意点について ··· 81
(2) 薬剤交付時の取扱いについて
(患者等に留意すべき必須事項等) ··· 81
(3) 調剤時の留意点について ············· 81
5. 承認条件等····························· 81
6. 包 装································· 81
7. 容器の材質····························· 81
8. 同一成分・同効薬······················· 81
9. 国際誕生年月日························· 81
10. 製造販売承認年月日及び承認番号········· 81
11. 薬価基準収載年月日····················· 81
12. 効能又は効果追加、用法及び用量変更
追加等の年月日及びその内容 ············ 82
13. 再審査結果、再評価結果公表年月日
及びその内容 ·························· 82
14. 再審査期間····························· 82
15. 投与期間制限医薬品に関する情報········· 82
16. 各種コード····························· 82
17. 保険給付上の注意······················· 82
ⅩⅠ.文
献
1. 引用文献······························· 83
2. その他の参考文献······················· 84
ⅩⅡ.参考資料
1. 主な外国での発売状況··················· 85
2. 海外における臨床支援情報··············· 85
ⅩⅢ.備
考
その他の関連資料
・配合変化表······························· 86
Ⅰ. 概要に関する項目
1.開発の経緯
注射用マキシピーム(セフェピム塩酸塩)は、1981 年 10 月ブリストル
萬有研究所株式会社(現ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)に
おいて、創製・開発された新しいセフェム系抗生物質である。本剤は、
セフェム骨格の7位側鎖にアミノチアゾリルメトキシイミノ基を持ち、
グラム陽性菌に対する抗菌力を保持すると共に、3位側鎖のN-メチル
ピロリジニウムメチル基と2位のカルボキシル基との間でベタイン構造
を作り、緑膿菌を含むグラム陰性菌の外膜透過性を向上させることによ
り強い抗菌力を示す。また、各菌種の産生するβ-ラクタマーゼに対し
て親和性が著しく低いことが認められている。国内では、1987 年 11 月
より第Ⅰ相臨床試験、1988 年2月より一般臨床試験、1989 年4月より
第Ⅲ相比較臨床試験を実施した。その結果、各科領域感染症において本
剤の優れた臨床的有用性が確認され、1995 年6月に承認を得て発売に
至った。また、2005 年6月に調製が簡便なキット製剤であるマキシピ
ーム点滴静注用バッグ1g を発売した。
【発熱性好中球減少症適応追加承認の経緯】
米国においては、注射用セフェピム塩酸塩は、ブリストル・マイヤ
ーズ スクイブ社が 1996 年1月に FDA より本剤に感受性のある各種感
染症の効能効果で承認を取得したが、その後、医療現場で発熱性好中
球減少症の治療の重要性が増大したことから、初回承認申請時の提出
試験成績及び発熱性好中球減少症患者を対象としたいくつかの臨床試
験成績を再解析した。これらの結果をもってセフェピム塩酸塩単剤に
よる発熱性好中球減少症の適応症取得を目的に 1996 年5月に FDA に対
して承認申請し、1997 年5月にその有効性が評価され新たな適応症と
して世界ではじめて追加承認された。2003 年8月現在、米国を含む海
外 50 カ国で本適応症が承認されている。
一方、本邦においては、発熱性好中球減少症患者に対して抗菌薬が
適応外使用されている実態を考慮して、医薬品の適正使用の観点から
抗菌薬の適応症として新たに「好中球減少に伴う発熱」の承認を求め
る要望書が日本血液学会より厚生労働大臣宛てに 2003 年3月に提出さ
れた。
このような背景のもとに、本邦においては「適応外使用に係る医療
用医薬品の取扱いについて」(平成 11 年2月1日発出、研第4号・医
薬審第 104 号)の通知を踏まえ、既に行われた海外での臨床試験成績
及び国内成績をもって、2003 年8月 28 日に申請を行い、2004 年9月
16 日に「発熱性好中球減少症」が承認された。
1
Ⅰ.概要に関する項目
2.製品の治療学的・
製剤学的特性
1) 発熱性好中球減少症の適応症を有する薬剤です。
(P.14 参照)
2) 発熱性好中球減少症に対して 71% (27/38 例)の有効率を示しまし
た。(P.18 参照)
3) 黄色ブドウ球を含むグラム陽性菌から緑膿菌を含むグラム陰性菌
まで、幅広い抗菌スペクトルを持っています。(P.49~51 参照)
4) 分子内に双極イオン構造(ベタイン構造)を持つので、グラム陰性
菌の外膜透過性に優れ、多くの標的蛋白に結合します。(P.3 参
照)
5) β-ラクタマーゼに対する親和性が低く、かつ安定性が高いため加
水分解を受けにくくなっています。
(P.57 参照)
6) 他剤耐性のエンテロバクター属などにも強い抗菌力を示し、かつ緑
膿菌の耐性(in vitro および免疫低下実験モデルマウス)を誘導し
にくくなっています。(P.48、49、51、58 参照)
7) マウスを使用した免疫低下実験モデル(in vivo)では良好な抗菌効
果が得られています。
(P.52~56 参照)
8) 総症例 15,316 例(承認時 1,641 例,使用成績調査 12,949 例,特
別調査 513 例及び市販後臨床試験 213 例)における副作用及び臨
床検査値異常の発現率は 8.82%であり,主なものは ALT(GPT)上
昇 313 件(2.04%),AST(GOT)上昇 301 件(1.97%),肝機能障
害 170 件(1.11%),好酸球増多(症)120 件(0.78%),Al-P 上
昇 116 件(0.76%),LDH 上昇 107 件(0.70%)
,γ-GTP 上昇 99 件
(0.65%)
,発疹 85 件(0.55%),BUN 上昇 75 件(0.49%)
,貧血
69 件(0.45%)等でした。(P.74~76 参照)
9) また重大な副作用としてショック、アナフィラキシー様症状、偽
膜性大腸炎、急性腎不全、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減
少、間質性肺炎、PIE 症候群、中毒性表皮壊死融解症(Toxic
Epidermal Necrolysis : TEN )、 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 ( StevensJohnson 症候群)、肝機能障害、黄疸、精神神経症状があらわれる
ことがあります。また、他のセフェム系抗生物質において、溶血
性貧血があらわれることが報告されています。(P.74~75 参照)
2
Ⅱ. 名称に関する項目
1.販
売 名
(1) 和
名
注射用マキシピーム® 0.5g
注射用マキシピーム® 1g
(2) 洋
名
(3) 名称の由来
2.一
MAXIPIME® FOR INJECTION
一般名 セフェピム塩酸塩より命名
般 名
(1) 和名(命名法)
セフェピム塩酸塩水和物(JAN)
(2) 洋名(命名法)
Cefepime Dihydrochloride Hydrate(JAN)
(3) ステム
不明
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
分子式:C19H24N6O5S2・2HCl・H2O
分子量:571.50
5.化学名(命名法)
(6R,7R)-7-[(Z )-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2(methoxyimino)acetylamino]-3-(1-methylpyrrolidinium-l-ylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo
[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate dihydrochloride
monohydrate (IUPAC)
3
Ⅱ.名称に関する項目
6.慣用名、別名、略
号、記号番号
7.CAS 登録番号
4
略
号:CFPM
治験番号:BMY-28142
123171-59-5
Ⅲ. 有効成分に関する項目
1.物理化学的性質
(1) 外観・性状
白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
(2) 溶解性
1) 各種溶媒に対する溶解度(21~23℃)
水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、
ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
表 1 各種溶媒に対する溶解性
溶
媒
名
本品 1g を溶かすに
要する溶媒量(mL)
溶解性の表現
2.2
溶けやすい
水
メタノール
2.2~2.3
溶けやすい
エタノール(95)
149~154
溶けにくい
ジエチルエーテル
>10,000
ほとんど溶けない
(測定温度 21~23℃)
2) 各種 pH の溶液に対する溶解度
表 2 各種 pH の溶液に対する溶解性
溶
媒
名
pH 4.5 リン酸緩衝液
pH 5.5 リン酸緩衝液
pH 6.8 リン酸緩衝液
溶解度( W/V%)
溶解性の表現
43.3
溶けやすい
47.2
溶けやすい
42.7
溶けにくい
(測定温度 21~23℃)
(3) 吸湿性
25℃、64%RH 以下で7日間保存したとき、吸湿性は認められず、75%
RH 以上の条件下で吸湿性が認められた。
(4) 融 点 ( 分 解 点 )、
沸点、凝固点
(5) 酸塩基解離定数
融
点:明確な融点の測定は不可能(日局一般試験法、融点測定法)
分解点:約 210℃(示差走査熱量分析)
pKa1= 1.11(カルボキシル基に対応)
pKa2= 3.00(アミノチアゾール基に対応)
(6) 分配係数
クロロホルム/水系において pH1~7ではほとんど有機相に分配され
ない。
(7) その他の主な
示性値
1%
吸光度 E 1cm (259nm):310~340
(脱水物に換算して 50mg、水、1,000mL)
20
旋光度〔α〕D :+39~+47℃
(脱水物に換算して 60mg、水、20mL、100mm)
pH:1.6~2.1(10mg/mL 溶液)
5
Ⅲ.有効成分に関する項目
2.有 効 成 分 の 各 種
条件下における
安定性
表 3 各条件下における安定性
温
度
湿
度
光
容器・曝気
温
50℃
苛
-
暗
所
褐色ガラス瓶
・気密
所
褐色ガラス瓶
・開栓
度
湿
酷
40℃
75%RH
室 温
(1831℃)
-
10℃
-
室 温
(1633℃)
15-79%
RH
室 温
(1731℃)
16-75%
RH
40℃
75%RH
暗
度
試
室内散乱光
(約 600lx)
プラスチック
シャーレ
験 光
長期
保存
試験
(A 法)
加速
試験
人工気象装置
(約2万 lx)
暗
暗
所
所
褐色ガラス瓶
・気密
褐色ガラス瓶
・気密
期
間
結
28 日間
外観及び溶液の色に黄色味の増加、N
-メチルピロリジン含量の増加が認め
られた以外は著明な変化なし
28 日間
外観及び溶液の色に黄色味の増加、含
湿度の増加並びにN-メチルピロリジン
含量の増加が認められた以外は著明な
変化なし
外観及び溶液の色に黄色味の増加、E
6カ月間
-異性体の生成が認められた以外は著
(65 万 lx・hr)
明な変化なし
28 日間
(1,344 万 lx・
hr)
外観及び溶液の色に黄色味の増加、E
-異性体の著しい生成、力価の低下が
認められた以外は著明な変化なし
30 カ月間
外観及び溶液の色の黄色味の増加、N
-メチルピロリジン含量並びにその他
類縁物質含量の増加が認められた以外
は著明な変化なし
6カ月間
外観及び溶液の色に黄色味の増加、溶
状の不溶物の生成、N-メチルピロリ
ジン含量、その他類縁物質含量の増加
並びに力価の低下が認められた以外は
著明な変化なし
測定項目:外観、確認試験、pH、吸光度、旋光度、含湿度、溶状、類縁物質、力価
3.有 効 成 分 の 確 認
試験法
日局「セフェピム塩酸塩水和物」の確認試験による
1) β-ラクタム環に基づく呈色反応
2) 紫外吸収スペクトル法
3) 赤外吸収スペクトル法(臭化カリウム錠剤法)
4) 核磁気共鳴スペクトル測定法
5) 硝酸銀試液による沈殿反応
4.有効成分の定量法
日局「セフェピム塩酸塩水和物」の定量法による
1) 液体クロマトグラフ法
6
果
Ⅳ. 製剤に関する項目
1.剤形
(1) 剤形の区別、
外観及び性状
区別:用時溶解して用いる粉末の注射剤である。
規格:セフェピム塩酸塩水和物 0.5g(力価)又は1g(力価)を含有す
る。
性状:白色~微黄色の粉末
(2) 溶液及び溶解時の
pH:4.0~6.0〔100mg(力価)/mL 日局注射用水〕
pH、浸透圧比、粘
浸透圧比:
度、比重、安定な
溶
日
pH 域等
局
解
注
液
射
濃
用
浸透圧比*
度
水
1g(力価)/ 20mL
約2
日 局 生 理 食 塩 液
1g(力価)/ 20mL
1g(力価)/100mL
約2
約1
日局5%ブドウ糖注射液
1g(力価)/ 20mL
1g(力価)/100mL
約3
約1
*
日局生理食塩液に対する比
安定な pH 域:4.0~6.0
(3) 注射剤の容器中の
窒素
特殊な気体の有無
及び種類
2.製剤の組成
(1) 有 効 成 分 ( 活 性
下記(2)参照
成分)の含量
(2) 添加物
成分・含量
販 売 名
注射用マキシピーム
0.5g
注射用マキシピーム
1g
セフェピム塩酸塩
水和物の含量
0.5g(力価)
1g(力価)
添 加 物
L-アルギニン
0.36g
L-アルギニン
0.72g
日局セフェピム塩酸塩水和物の水溶液は酸性(pH 約1)を示すため、
塩基性物質であるL-アルギニンを配合している。また、本剤の水溶液
中での安定性は pH に依存し、pH 約5が最も安定で、pH4.0~6.0 が安
定な pH 領域である。このためL-アルギニンを配合して最も安定な pH
約5になるように調整している。
7
Ⅳ.製剤に関する項目
(3)電解質の濃度
<Na 含有量>
0mEq(0mg)
該当しない
(4) 添 付 溶 解 液 の 組
成及び容量
該当しない
(5) その他
3.注射剤の調製法
静脈内注射の場合は注射用マキシピーム 0.5g 及び1g を通常 20mL
の日局注射用水、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液に溶解
する。
点滴静注の場合は注射用マキシピーム 0.5g 及び1g を通常 100mL 以
上の糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などの補液に加えて溶解する。
点滴静注を行う場合、注射用水を用いると溶液が等張とならないので
使用しないこと。
該当しない
4.懸濁剤、乳剤の分
散性に対する注意
5.製剤の各種条件下
における安定性
表 4 各条件下における安定性
温
度
50℃
苛
酷
湿
度
容器・曝気
-
度
験 光
60℃
-
室 温
(18-31℃)
-
10℃
-
長期保
室 温
存試験
15-79%RH
(15-33℃)
(A 法)
加速
試験
室 温
16-75%RH
(16-31℃)
40℃
75%RH
期
間
4カ月間
温
試
8
光
暗
所
無色ガラスバ
イアル・密封
・白箱に包装
3カ月間
室内散乱光
(約 600lx)
6カ月間
無色ガラスバ (65 万 lx・hr)
人工気象装置 イアル・密封
28 日間
(約2万 lx)
(1,344 万 lx・hr)
暗
暗
所
無色ガラスバ
イアル・密封
・白箱に包装
所
無色ガラスバ
イアル・密封
・白箱に包装
結
果
外観及び溶液の色に黄色味の増
加、N-メチルピロリジン含量及
びその他類縁物質含量の増加、
60℃では2カ月後から力価の低下
が認められた以外は著明な変化な
し
外観及び溶液の色に黄色味の増
加、N-メチルピロリジン含量及
びその他類縁物質含量の増加が認
められた以外は著明な変化なし
42 カ月間
溶液の色に黄色味の増加、N-メ
チルピロリジン含量の増加が認め
られた以外は著明な変化なし
8カ月間
外観及び溶液の色に黄色味の増
加、N-メチルピロリジン含量の
増加及びその他類縁物質含量の増
加が認められた以外は著明な変化
なし
Ⅳ.製剤に関する項目
6.溶解後の安定性
表 5 溶解後の安定性
保 存 条 件
溶液の濃度
温度
[mg(力価)/mL]
10
25℃
光
遮光
分
類
観察
項目
生
理
食
塩
液
5%
ブ
ド
ウ
糖
液
リ
ン
ゲ
ル
液
100
10
25~
27℃
4℃
蒸
室 内
散光下 留
(850lx)
水
蒸
遮 光 留
水
保
存
期
間
溶解直後
8時間
9時間
1日間
2日間
3日間
7日間
外観
微黄色
澄 明
変化なし
-
淡黄色
澄 明
明るいないし
うすい赤みの黄色澄明
明るい赤み
の黄色澄明
明るい赤みないし
赤みの黄色澄明
pH
5.22
5.25
-
5.53
6.15
6.27
6.62
力価
(%)
100.3
99.4
-
96.5
92.9
89.4
76.8
外観
微黄色
澄 明
変化なし
-
変化なし
淡黄色澄明
明るい赤みの黄色
わずかに沈殿
あざやかな
黄赤色澄明
pH
5.12
5.13
-
5.33
5.85
6.18
6.61
力価
(%)
99.9
98.9
-
96.2
91.4
85.7
59.2
外観
微黄色
澄 明
変化なし
-
変化なし
pH
5.27
5.26
-
5.52
6.10
6.37
6.71
力価
(%)
100.9
99.7
-
96.5
93.7
90.4
77.1
外観
淡黄色
澄 明
-
-
-
-
pH
5.09
-
5.06
5.02
-
-
-
力価
(%)
99.4
-
97.7
94.2
-
-
-
外観
微黄色
澄 明
-
-
変化なし
-
変化なし
変化なし
pH
5.12
-
-
5.14
-
5.15
5.12
力価
(%)
100.9
-
-
100.4
-
99.3
98.4
明 る い
黄色澄明
黄色澄明
淡黄色
明るい赤みの黄色
わずかに沈殿 わずかに沈殿
-:未測定
明るい赤み
の黄色澄明
(HPLC 法)
注射用マキシピーム配合変化表(P.86~90)を参照。
9
Ⅳ.製剤に関する項目
7.他剤との配合変化
(物理化学的変化)
注射用マキシピーム配合変化表(P.86~90)を参照。
(1) 配合方法
1) 注射用マキシピーム1g を注射用水 10mL 又は 20mL に溶解し、こ
れを各種輸液1ボトル又は1バッグ容量に混合した。
2) 高カロリー輸液については市販基本液に高張アミノ酸輸液を混合
して調整した製剤について同様な実験を行った。
3) 2剤配合試験では、各注射剤1アンプル、1バイアル容量に注射
用マキシピーム1g(力価)/バイアルを 20mL の注射用水で溶解し
たものを混合した。また、本試験で混合直後より、混濁、沈澱の
みられた品目については、生理食塩液 500mL 中での配合変化も調
べた。
(2) 判定方法
上記のように調製した液を透明ガラス製共栓試験管に入れ室内散光
下 25℃で混合直後、1、3、6及び 24 時間後に外観及び pH を測定
した。セフェピムの含量(残存率)は混合直後、6及び 24 時間後に
測定した。
表 6 注意を要する配合
分類
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
輸
輸
輸
輸
輸
輸
10
商
品
名
5 FU 協和
アスコルチン注・高単位
アドリアシン注
エフォーワイ 注射用
ガンマ・ベニンP 500mg
ゲンタシン 注 60
トランサミン S注
ネオフィリン注
ネオミノファーゲンシー・強力
パニアイシン・注射用
パラプラチン注射用
バンコマイシン塩酸・点滴静注用 0.5g
ビタシミン注射液 500mg
ビタノイリン・注射用
フトラフール注
ブリプラチン注
ホスミシン S・静注用
ミノマイシン 点滴静注用
ルシドリール・注射用
アミュー
アンニットール 20% 注射液
メイロン 84
モリプロン F
パレメンタールA+アミニック
パレメンタールB+アミニック
配 合 結 果
含量低下(1時間後に CFPM90%以下)側管投与可
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
配合直後に混濁・沈殿(生食 500mL 中では変化なし)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
含量低下(1時間後に CFPM90%以下)側管投与可
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
配合直後に混濁・沈殿(生食 500mL 中では変化なし)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
含量低下(6時間後に CFPM90%以下)側管投与可
配合直後に混濁・沈殿(生食 500mL 中では変化なし)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
配合直後に混濁・沈殿(生食 500mL 中では変化なし)
配合直後に混濁・沈殿(生食 500mL 中では変化なし)
含量低下(6時間後に CFPM90%以下)
結晶析出(1時間後、マンニトールの結晶)
含量低下(6時間後に CFPM90%以下)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
含量低下(24 時間後に CFPM90%以下)
Ⅳ.製剤に関する項目
表 7 24 時間後まで外観変化なく、CFPM 含量 90%以上であった組み合わせ
分類
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
注
*1
商
品
名
アザクタム注射用 0.5g
アドナ(AC-17)注射用(静注用)
アリナミン F50 注 50mg/20mL
イセパシン注射液
エスキノン 注射用
エンドキサン 注射用
カイトリル 注射液 3mg/3mL
ガスター 注射用 20mg/20mL
カルチコール 注射用
カルベニン 点滴用 0.5g
キシロカイ 注射液『2%』エピレナミン含
クロロマイセチンサクシネート
ケーワン 注 10mg 30mg/3mL
ジゴシン 注 0.25mb/1mL
ソル・コーテフ 500
タガメット 注射液 200mg/2mL
タチオン注射用
ダラシン S 注射用
チェナム 点滴用
デカドロン 注射液 8mg/2mL
トブラシン注 90mg
ニコリン 注射液 500mg/10mL
ヌトラーゼ『杏林』50mg/2mL
ノボ・ヘパリン注 1000
ハベカシン注射液
ビクリン注射液
ビストラーゼ注射液
ビソルボン注射液 0.2%、2mL
ビタメジン注射用
ピドキサール 10mg/1mL
ビブラマイシン静注液
フォーチミシン 注射用
ブスコパン注射液 2% 1mL
フラッド注-20 20mg/2mL
ブレオ
プレドニン水溶液 20mg/4mL
プレドバ注 200 200mg/200mL
ペニシリンGカリウム 100 万単位 結晶
ペルサンチン 注射液 10mg/2mL
ペントシリン注射用1g
ペントレックス注射用1g
マイトマイシン
ミラクリッド
メソトレキセート 注射用 50mg
メチロン注 25%
ラシックス 注 20mg/2mL*1
リンコシン注射液
分類
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
輸
商
品
名
EL-3号
EL-3号 10%
KN補液 1A
KN補液 1B
KN補液 3A
KN補液 3B
アクチット注
アミカリック
ヴィーン D注
ヴィーン F注
カタボン・Hi
カタボン・Low
クリニザルツ S
ソリタ-T1号
ソリタ-T2号
ソリタ-T3号
ソリタ-T4号
ソルデム 3
ソルデム 3A
デキストラン糖注『オーツカ』
ハルトマン液-ミドリ
フィジオゾール・1号 L
フィジオゾール・2号
フィジオゾール・3号
フィジオゾール・3号 F
フィジオゾール・3号 S
フィジオゾール・4号
フィジオゾール・4号 F
フィジオゾール・4号 S
プラスアミノ
ポタコール R
マルトス-10
ラクテック G注
ラクテック 注
生理食塩水
大塚糖液 5%
トリパレン1号+アミノレバン
トリパレン2号+アミノレバン
ハイカリック液1号+テルアミノ-12
ハイカリック液2号+テルアミノ-12
ハイカリック液3号+テルアミノ-12
併用注意(併用に注意すること)
利尿剤フロセミド等
類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で腎障害増強作用が報告されているので、併用する場合には
腎機能に注意すること。
11
Ⅳ.製剤に関する項目
表 8 pH 変動試験値
商 品 名
含量/容量
投与法
注射用マキシピーム
0.5g 1バイアル
静注
・
点滴静注
規 格
pH域
試 料
pH
4.95
4.0~6.0
注射用マキシピーム
1g 1バイアル
静注
・
点滴静注
4.71
1/10N HCl
(A)mL
1/10N NaOH
(B)mL
最終 pH
又は
変化点
pH
移動
指数
外観
(A) 10
2.62
2.33
わずかに
混濁
(B) 10
8.99
4.04
-
(A)
7
3.22
1.49
わずかに
混濁
(B) 10
8.58
3.87
-
注射用マキシピーム 0.5g 及び1g は 1/10N HCl を各々10mL 及び7mL
添加した時、酸性側でわずかな混濁がみられた。このわずかな混濁は
500mL の注射用水での希釈試験で 0.5g(力価)の場合は澄明に溶解した
が、1g(力価)の場合は、わずかな混濁は持続し、澄明にはならなかっ
た。又、アルカリ側においては変化はないものと推定された。
8.生物学的試験法
注射用セフェピム塩酸塩の力価試験による
1) 円筒平板法
9.製剤中の有効成分
の確認試験法
日局「注射用セフェピム塩酸塩」の確認試験による
1) β-ラクタム環に基づく呈色反応
2) 紫外吸収スペクトル法
10.製剤中の有効成分
の定量法
11.力価
12
日局「注射用セフェピム塩酸塩」の定量法による
1) 液体クロマトグラフ法
セフェピム(C19H24N6O5S2)としての量を重量(力価)で示す。
Ⅳ.製剤に関する項目
12.混入する可能性の
ある夾雑物
本品の合成過程の主な混在物、副生成物及び安定性試験の結果、生
成する分解物の化学構造及び名称(略名)は以下の通りである。
表 9 セフェピムの類縁物質
名称
(略名)
13.注意が必要な容
構造式
由来
重アシル化体
原薬混在物
NMP
原薬混在物
分解生成物
E-異性体
原薬混在物
分解生成物
アルデヒド体
原薬混在物
分解生成物
Δ2-異性体
分解生成物
該当しない
器・外観が特殊な
容器に関する情報
14.その他
該当しない
13
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅴ. 治療に関する項目
1.効能又は効果
1. 一般感染症
〈適応菌種〉
セフェピムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラ
クセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター
属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウ
ス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエン
ザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、
ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネト
バクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プ
レボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
〈適応症〉
敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感
染、肛門周囲膿瘍、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿
瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立
腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆囊炎、胆管炎、
子宮内感染、子宮旁結合織炎、中耳炎、副鼻腔炎
2. 発熱性好中球減少症
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
発熱性好中球減少症
(1) 本剤は、以下の2条件を満たす症例に投与すること。
・1 回 の 検 温 で 38 ℃ 以 上 の 発 熱 、 又 は 1 時 間 以 上 持 続 す る
37.5℃以上の発熱
・好中球数が 500/mm3 未満の場合、又は 1,000/mm3 未満で 500/mm3
未満に減少することが予測される場合
(2) 発熱性好中球減少症の患者への本剤の使用は,国内外のガイド
ラインを参照し,本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもと
で,本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ実施する
こと。
(3) 発熱性好中球減少症に対し、本剤を投与する場合には、本剤投
与前に血液培養を実施すること。起炎菌が判明した際には、本
剤投与継続の必要性を検討すること。
(4) 発熱性好中球減少症の患者への使用にあたっては、本剤投与の
開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合
には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。
(理由)
該当資料なし
14
Ⅴ.治療に関する項目
2.用法及び用量
本剤の使用に際しては、投与開始後3日をめやすとしてさらに継続
投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべき
か検討を行うこと。さらに、本剤の投与期間は、原則として 14 日以内
とすること。
1. 一般感染症
通常成人には、症状により1日1~2g(力価)を2回に分割し、静
脈内注射又は点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には、症
状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し分割投与する。
2. 発熱性好中球減少症
通常成人には、1日4g(力価)を2回に分割し、静脈内注射又は点
滴静注する。
静脈内注射の場合は、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブド
ウ糖注射液に溶解し、緩徐に注射する。
また、点滴静注の場合は、糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などの
補液に加えて 30 分~1時間かけて点滴静注する。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
(1) 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則と
して感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与
にとどめること。
(2) 腎障害患者
腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあける
など慎重に投与すること。
(「慎重投与」及び【薬物動態】の項参照)
(理由)
該当資料なし
15
Ⅴ.治療に関する項目
3.臨床成績
(1) 臨床データ
該当資料なし(2009 年 4 月より前の承認品目)
パッケージ
(2) 臨床効果
1) 疾患別臨床効果
全国延べ 270 施設 1,556 例について解析した結果、有効以上の有効
率は 78.6%(1,097 例/1,396 例)であった。
なお、慢性気道感染症に対して本剤 1 日 2g もしくは 4g を 1 日 2 回
14 日間、複雑性尿路感染症に対しては本剤 1 日 1g もしくは 2g を 1
日 2 回 5 日間、細菌性肺炎に対しては本剤 1 日 2g を 1 日 2 回 14 日
間、その他の疾患に対しては本剤 1 日 1~4g を 1 日 2 回 1~26 日間
投与した。
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2. 発熱性好中球減少
症」であり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状に
より 1 日 1~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。な
お、難治性又は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量
し分割投与する。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)
を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
16
Ⅴ.治療に関する項目
2) 起炎菌別臨床効果
起炎菌が適応菌種である単独菌感染例 721 例、複数菌感染例 636 例
に対する有効率はそれぞれ 83.1%、76.1%であった。
なお、本剤は 1 日 1~4g を 1 日 2 回 1~26 日間投与した。
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少
症」であり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状に
より 1 日 1~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。な
お、難治性又は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量
し分割投与する。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)
を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
17
Ⅴ.治療に関する項目
3) 起炎菌別細菌学的効果
起炎菌が適応菌種である起炎菌別の菌消失率は 88.1%であった。
なお、本剤は 1 日 1~4g を 1 日 2 回 1~26 日間投与した。
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少
症」であり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状に
より 1 日 1~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。な
お、難治性又は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量
し分割投与する。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)
を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
4) 発熱性好中球減少症(国内成績)42)
主に血液腫瘍患者の発熱性好中球減少症に対して本剤(1~2g を
12 時間毎)単独又はアミノグリコシド系薬剤との併用投与を行っ
たところ、少なくとも3日以内に1℃以上熱が下がりかつ7日以内
に解熱したことを有効性評価の基準とした本剤単独投与の有効率は
71%(27/38)、併用投与の有効率は 59%(45/76)であった。
(注)本剤の発熱性好中球減少症に対する承認用量は、1日4g を2回に分割であ
る。
18
Ⅴ.治療に関する項目
(3) 臨床薬理試験
1) 忍容性試験(単回投与試験)11)
健常成人 15 名に対して本剤 0.5、1、2g を 30 分間静脈内点滴投
与した結果、自他覚症状、血圧値、脈拍数、呼吸数、心電図(ホル
ター型)検査及び臨床検査所見に本剤投与によると考えられる異常
は、認められなかった。ただし、1g 単回投与群において投与後6
時間目まで排尿がなかった例が1例あったが、本剤の腎機能に関す
る臨床検査値に異常変動は認められなかった。
2) 忍容性試験(反復投与試験)11)
健常成人6名に対して本剤1g、1日2回静脈内 30 分間点滴投与を
5日間行った結果、1例に自覚症状として一過性の頭痛が認められ
たが、何ら処置することもなく症状は消失した。これ以外に本剤投
与によると考えられる異常は認められなかった。
3) 薬力学的試験
該当資料なし
4) QT / QTc 評価試験
該当資料なし
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少
症」であり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状に
より 1 日 1~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。な
お、難治性又は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増
量し分割投与する。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力
価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
(4) 探索的試験
慢性気道感染症 98 例を対象に、CFPM2g 群:2g/日を1日2回、CFPM
4g 群:4g/日を1日2回 14 日間点滴静注した結果、CFPM2g 群
82.6%、CFPM4g 群 85.0%の有効率が得られた。43)
19
Ⅴ.治療に関する項目
(5) 検証的試験
1) 無作為化並行用量反応試験
該当資料なし
2) 比較試験
〈一般感染症〉
慢性気道感染症、細菌性肺炎、被雑性尿路感染症を対象とした比較
試験が行われ、本剤の有用性が認められている。
慢性気道感染症患者 170 例を対象として、CFPM 群:2g/日を1日
2回もしくは CAZ 群:2g/日を1日2回 14 日間点滴静注した結
果、CFPM 群 86.2%、CAZ 群 84.5%の有効率が得られた。
また、起炎菌の消失率は CFPM 群 83.3%、CAZ 群 88.2%であった。
【試験詳細】
登録基準:
1.
16 歳以上 75 歳まで
2.
性別は問わない
3.
発 熱 、 咳 嗽 、 膿 性 痰 の 喀 出 、 白 血 球 増 多 、 赤 沈 亢 進 、 CRP++又 は
1.0mg/dL 以上など細菌感染が明らかに存在すると考えられる患者
除外基準:
1.
本剤又は CAZ による皮内反応陽性例並びにセフェム系又はペニシリ
ン系薬剤等にアレルギーの既往のある患者
2.
重篤又は進行性の基礎疾患・合併症を有し、本試験の対象として不
3.
本試験開始前に抗菌薬が投与され、既に症状の改善しつつある患者
適と判断される患者
及び本剤又は CAZ が本試験開始前に本疾患に投与された患者
4.
本剤及び CAZ がその原因菌に明らかに無効な症例(真菌など)
5.
高度の心、腎、あるいは肝機能障害のある患者
6.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人
7.
フロセミドなどの利尿剤の併用を必要とする患者
8.
その他、主治医が本剤又は CAZ の投与を不適当と判断した患者
判定基準:
総合臨床効果は投与終了後に小委員会により、著効、有効、やや有効、無
効の 4 段階及び判定不能と判定する。また、起炎菌の消失率は細菌学的効
果より算出し、細菌学的効果は下記の 4 段階及び不明と判定する。
1.
消失:喀痰中の起炎菌が消失したもの。
2.
減少又は一部消失:喀痰中の起炎菌が減少したもの。複数菌感染に
おいて一部の起炎菌が消失したもの。
3.
菌交代:交代した菌が起炎性を有している場合。
4.
不変
5.
不明:起炎菌の消長を判断する評価材料不足のもの。
副作用:
副作用発現率は CFPM 群 5.8% 、CAZ 群 0%であり、CFPM 群の副作用は発熱
2 例、蕁麻疹、軟便・下痢各 1 例であった。
20
Ⅴ.治療に関する項目
細菌性肺炎患者 183 例を対象として、CFPM 群:2g/日を1日2回
もしくは CAZ 群:2g/日を1日2回 14 日間点滴静注した結果、
CFPM 群 85.7%、CAZ 群 93.1%の有効率が得られた。
また、起炎菌の消失率は CFPM 群 96.9%、CAZ 群 96.7%であった。
【試験詳細】
登録基準、除外基準、判定基準:慢性気道感染症患者の場合と同様
副作用:
副作用発現率は CFPM 群 5.9% 、CAZ 群 4.8%であり、CFPM 群の副作用は発
疹・発熱 2 例、発疹、頻尿、食欲不振各 1 例であった。
複雑性尿路感染症 242 例を対象として、CFPM 群:2g/日を1日2
回もしくは CAZ 群:2g/日を1日2回 14 日間点滴静注した結果、
CFPM 群 71.9%、CAZ 群 60.4%の有効率が得られた。
また、起炎菌の消失率は CFPM 群 82.4%、CAZ 群 78.0%であった。
【試験詳細】
登録基準:
1.
16 歳以上の入院患者とし、性別は問わない。
2.
投与前膿尿≧5 コ/hpf
3.
投与前の尿中菌数≧104 コ/mL
除外基準:慢性気道感染症患者の場合と同様
評価基準:UTI 薬効評価基準(第 3 版)に準じる。
副作用:
副作用発現率は CFPM 群 1.7%、CAZ 群 0%であり、CFPM 群の副作用は血圧低
下・意識消失、発疹・麻痺性イレウス・汎血球減少症各 1 例であった。
本邦で行われた非盲検試験に関する公表論文
〈発熱性好中球減少症〉
血液疾患に併発した重症感染症 102 症例に対して、CFPM1日2~4g
を1日2回投与し、必要に応じて amikacin sulfate(AMK)1日 200~
400mg を追加投与した結果、CFPM 単独で 56.9%、AMK を追加投与した
場合には 64.7%の有効率が得られた。44)
【試験詳細】
試験デザイン:非盲検試験
対象:128 例
登録基準:
1.
造血器疾患に感染症を合併した患者
2.
好中球数≦500/μL 又は≦500/μL になると想定され、発熱*のある患者
*発熱の定義の記載なし
3.
16 歳以上の入院患者で書面にて同意が得られた患者
21
Ⅴ.治療に関する項目
除外基準:
1.
CFPM がその原因菌に対して、明らかな有効性を期待できない患者
2.
高度の心、肝、腎機能障害がある患者
3.
セフェム系薬剤に対する過敏症の既往歴のある患者
4.
CFPM による皮内反応陽性例
5.
加齢の影響が強く薬効評価が困難な患者
6.
妊婦、授乳中および妊娠している可能性のある患者
7.
担当医師が不適当と判断した患者
試験方法:
発熱及び好中球減少を伴う(好中球数≦500/μL 又は≦500/μL になると想定
される、発熱*)血液疾患患者に対し CFPM2~4g を 2 回に分けて、30~60 分
かけて点滴静注。投与開始 72 時間後に解熱傾向が見られた場合にはそのまま
単剤投与継続。解熱傾向が見られなかった場合、CFPM の投与を継続するとと
もに AMK 1 日 200~400mg を 2 回に分けて点滴静注により追加併用。なお、原
則として CFPM の単独投与としたが、先行投与されている他の抗菌薬の効果が
不十分な場合は CFPM の追加投与、あるいは他抗菌薬の CFPM への切り替えを
認めた。
判定基準:
著効:投与開始後 3 日以内に平熱(37℃)まで解熱し、さらに 3 日以上平熱
が続き感染症に伴う臨床症状及び検査所見の改善が見られたもの。
有効:投与開始後 6 日以内に平熱まで解熱し臨床症状及び検査所見の改善が
見られたもの。
やや有効:6 日までに解熱傾向を示し、感染症に伴う臨床症状及び検査所見
の改善傾向が見られたもの。
無効:6 日目までに解熱効果がみられず、感染症に伴う臨床症状及び検査所
見の不変または増悪したもの、また、3 日以内に解熱傾向が見られず
他剤に変更したもの。
結果:
総症例は 128 例であり、この 128 例に対し、安全性評価を行った。基礎疾患
が造血器疾患でない症例や、他の抗菌薬が同時に併用されていた症例、副作
用発現による早期投与中止などの症例 26 例を除外・脱落とし、残りの 102 例
に対して CFPM の単独投与あるいは AMK との併用療法について臨床的な有効性
を検討。
性別は男性 62 例、女性 40 例。平均年齢 53.5 歳。基礎疾患の内訳は、急性白
血病が 66 例(64.7%)と最も多く、造血器系悪性腫瘍が全体の 93.1%を占
めていた。
22
Ⅴ.治療に関する項目
臨床効果:
表 10 感染症別臨床効果(有効性判定 CFPM 単独)
疾患名
症例数
著効
有効
やや有効
無効
著効+有効
有効率
敗血症
23
4
9
1
9
13
56.5%
敗血症疑い
40
11
13
3
13
24
60.0%
上気道炎
10
4
2
1
3
6
60.0%
肺炎
9
2
3
0
4
5
55.6%
気管支炎
9
2
1
2
4
3
33.3%
尿路感染症
4
1
1
1
1
2
50.0%
その他
7
0
5
2
0
5
71.4%
102
24
34
10
34
58
56.9%
合計
AMK 併用群は CFPM 投与開始後 72 時間の時点でその後の治療成績にかかわりなく無効
と判定した。
有効率(%)=著効+有効/全例
表 11 感染症別臨床効果(72 時間後に AMK の追加投与を含む全治療経過)
疾患名
症例数
著効
有効
やや有効
無効
著効+有効
有効率
敗血症
23
6
9
1
7
15
65.2%
敗血症疑い
40
11
18
4
7
29
72.5%
上気道炎
10
4
2
3
1
6
60.0%
肺炎
9
2
4
2
1
6
66.7%
気管支炎
9
2
1
3
3
3
33.3%
尿路感染症
4
1
1
1
1
2
50.0%
その他
7
0
5
2
0
5
71.4%
102
26
40
16
20
66
64.7%
合計
好中球数からみた臨床評価:
表 12 好中球数別有効率(有効性判定全症例)
投与後
≦100
101~500
≧501
合計
(%)
投与前
≦100/μL
2/8
4/6
15/20
21/34
61.8%
101~500/μL
4/4
2/2
6/9
12/15
80.0%
≧501/μL
5/7
1/1
21/36
27/44
61.4%
合計
11/19
7/9
42/65
60/93
63.8%
(%)
57.9%
77.8%
64.6%
CFPM+AMK 併用療法の治療成績を含む
23
Ⅴ.治療に関する項目
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)併用の有無による臨床評価:
表 13 G-CSF 併用有無別臨床効果
症例数
著効
有効
やや有効
無効
著効+有効
有効率
G-CSF 併用あり
35
9
13
7
6
22
62.9%
G-CSF 併用なし
67
17
27
9
14
44
65.7%
合計
102
26
40
7
20
66
64.7%
細菌学的効果:
表 14 細菌学的効果
Gram(+)
株数
消失
減少
不変
Viridans spp.
7
2
3
2
5/7
71.4%
Staphylococcus epidermidis
3
1
2
1/3
33.3%
Staphylococcus aureus
2
1
2/2
50.0%
Enterococcus spp.
1
1
1/1
100.0%
others
2
1
1
2/2
100.0%
15
5
6
4
11/15
73.3%
Pseudomonas. aeruginosa
5
3
2
3/5
60.0%
Neisseria spp.
2
1
1/2
50.0%
Klebsiella pneumoniae
1
1
1/1
100.0%
Haemophilus influenzae
1
1
1/1
100.0%
Serratia marcescens
1
0/1
0.0%
others
1
1
1/1
100.0%
11
6
7/11
63.6%
合計
Gram(-)
合計
Gram(+):グラム陽性菌
1
1
1
1
4
有効率(消失・減少/分離菌数)
Gram(-):グラム陰性菌
副作用:
CFPM が投与された 128 例中、副作用は 3 例(2.3%)に、臨床検査異常は 19
例(14.8%)に発現した。副作用の内訳は 3 件とも発疹で、1 例は投与中止
し、投与中止後速やかに消失した。副作用、臨床検査値異常ともにいずれも
中等度以下のものであり、臨床的に問題となる症例はなかった(表 15)。
24
Ⅴ.治療に関する項目
表 15 有害事象の内訳(128 例中)
n
副作用検討症例
%
128
副作用発現症例数
3
2.3%
副作用発現件数
3
2.3%
3
2.3%
臨床検査値異常発現症例数
19
14.8%
臨床検査値異常発現件数
19
14.8%
ALP 上昇
6
4.7%
GOT、GPT 上昇
7
5.5%
BUN 上昇
1
0.8%
肝機能障害
2
1.6%
血小板減少
1
0.8%
低カリウム血症
1
0.8%
白血球減少
1
0.8%
副作用項目
発疹
臨床検査値異常発現症例数
臨床検査値異常項目
ALP:alkaline phosphatase
GOT:glutamic oxaloacetic transaminase
GPT:glutamic pyruvic transaminase
BUN:blood urea nitrogen
主に血液腫瘍を持つ発熱性好中球減少症患者(好中球数<1000/mm3、
発熱≧37.5℃腋窩)165 例に対して、CFPM1~2g 又はカルバペネム系
抗生物質 0.5~1g を 12 時間間隔で投与、又は CFPM1~2g にアミノ
グリコシド系抗生物質を 12 時間間隔で併用投与した結果、良好な有効
率を示し、CFPM 単独投与はカルバペネム系抗生物質投与と同程度の有
効性が得られた。42)
【試験詳細】
試験デザイン:非盲検無作為化比較試験
対象:165 例
登録基準:
1.
好中球数≦1000/μL、発熱(≧37.5℃腋窩)のある患者
2.
インフォームドコンセントが得られた患者
除外基準:
記載なし
25
Ⅴ.治療に関する項目
試験方法:
主に血液腫瘍を持つ FN 患者(好中球数<1000/μL、発熱≧37.5℃腋窩)に対
し CFPM1 ~ 2g 又 は カ ル バ ペ ネ ム 系 抗 生 物 質 ( imipenem/cilastatin 、
panipenem 又は meropenem)0.5~1g を 12 時間間隔で投与、又は CFPM1~2g
に ア ミ ノ グ リ コ シ ド 系 抗 生 物 質 ( amikacin 200mg 、 isepamicin 200mg 、
tobramycin 90mg 又は netilmicin 100mg)を 12 時間間隔で併用投与。
判定基準:
著効:投与開始後 3 日以内に解熱しその後 5 日以上持続し、感染症に伴う徴
候や臨床検査値異常を認めないもの。
有効:3 日以内に 1℃を超えて有意に低下し 7 日目までに解熱。感染症に伴う
徴候及び臨床検査値が改善したもの。
無効:上記以外のもの。
再発:3 日以内に解熱したが、同一の抗生物質投与に対して感染を疑わせる
徴候及び症状が再発したもの。
結果:
合計 165 例の患者が試験に登録され、153 例が評価可能例であった。症例の
平均年齢は 52 歳で、70%が急性白血病患者であった。重症好中球減少症は<
100/μL と定義されるが、登録時点で 62%の患者に認められ、治療期間中に
71%の患者が ANC<100/μL を経験した。MDI は単独投与群の 6.5%、併用投
与群の 10.5%に認められ、FUO はそれぞれ 75.3%及び 59.2%であった。著効
及び有効は全治療群の 2/3 の患者に認められた。有害事象の発現は最小限で
あり、早期の死亡が単独投与群で 3 例(9、16、16 日目)、併用投与群で 3 例
(14、15、20 日目)認められた。これらの結果は CFPM あるいはカルバペネ
ム系薬剤による単独療法は CFPM とアミノグリコシド系薬剤との併用療法と同
様に FN の治療に有効であることを示していた。
表 16 国内で実施された臨床試験の有効性まとめ
Cefepime 群
対照薬群
Carbapenem
浦部らの試験
K.Tamura らの試験
58/102(56.9%)
27/38(71%)a)
a)
Cefepime + aminoglycoside
-
-
27/39(69%)b)
45/76(59%)c)
a) cefepime 1~2g q12h, b) imipenem-cilastatin 0.5~1g q12h,
c) cefepime 1~2g q12h + amikacin 100~200mg q12h
(参考資料)
発熱性好中球減少患者 189 例に対して、CFPM 単独群:1~2g 1日2
回、併用群:CFPM とアミカシン:100~200mg 1日2回を治療ガイド
ライン(次ページ参照)に従って治療した結果、投与3日後の有効率
は CFPM 群 32.6%、併用群 45.7%であり、7日後の有効率は各々
64.2%、76.6%であった。さらに投与 30 日目の有効率は CFPM 群
86.3%、併用群 95.7%との結果が得られた。45)
26
Ⅴ.治療に関する項目
日本における発熱性好中球減少症に対する抗生物質使用のエビデンス
に基づく勧告
46)
3) 安全性試験
該当資料なし
4) 患者・病態別試験
該当資料なし
27
Ⅴ.治療に関する項目
(6) 治療的試験
1)使用成績調査・
市販後調査として使用成績調査、特定使用成績調査(特別調査)およ
特定使用成績調
び製造販売後臨床試験(市販後臨床試験)を実施し、使用成績調査と
査 ( 特 別 調
特別調査の結果は 2001 年9月に再審査申請した。また、承認前に呼吸
査 )・ 製 造 販 売
後臨床試験(市
販後臨床試験)
器感染症を対象として実施した臨床試験で、対照薬セフタジジムとの
同等性を検証し得なかったため、新医薬品第四調査会の指示事項を受
け、本剤の特徴を明確にする市販後臨床試験「呼吸器感染症に対する
塩酸セフェピムの比較試験」を実施し、2006 年 12 月に再審査申請の
追加資料として提出した。
再審査結果は、2007 年6月 29 日、厚生労働省発薬食第 0629041 号に
より、「薬事法(昭和 35 年法律第 145 号)第 14 条第2項第3号イ~ハ
(承認拒否事由)のいずれにも該当しない」ことが通知され、本剤の安
全性及び有効性等が再度確認された。
なお、2004 年9月に抗菌薬の再評価が通知され、適応症・適応菌種が
現在のものに変更された。
また、2004 年8月に「発熱性好中球減少症」の効能追加、2005 年3月
に「点滴静注用バッグ1g」の剤型追加が承認されたが、再審査の対
象となっていない。
1.使用成績調査
本剤の使用実態下での有効性及び安全性に関する情報を把握するこ
とを目的として、1995 年9月1日~1998 年 12 月 31 日までの3年
間に同様の調査を3回繰り返す方法で、連続調査方式にて使用成績
調査を実施し、全国の 1,092 施設から 14,309 例が収集された。
1)安全性
調査票収集症例 14,309 例中、安全性解析除外症例 1,360 例を除い
た、12,949 例を安全性解析対象例とした。
副作用発現状況を表 1-1~1-3 に示す。
28
Ⅴ.治療に関する項目
表 17-1
使用成績調査の副作用発現状況
時
期
調査施設数※
調査症例数
副作用等の発現症例数
副作用等の発現件数
副作用等の発現症例率
副作用等の種類
皮膚・皮膚付属器障害
紅斑
顔面紅斑
湿疹
蕁麻疹
瘙痒(症)
発疹
皮疹
薬疹
*
皮下出血斑
中枢・末梢神経系障害
意識喪失
手指振戦
四肢しびれ(感)
自律神経系障害
*
動悸
視覚障害
*
結膜充血
消化管障害
*
胃炎
嘔気
悪心
嘔吐
偽膜性大腸炎
下痢
軟便
食欲不振
大腸炎
腹痛
胃不快感
便秘
*
麻痺性イレウス
*
口唇腫脹
腸炎
承認時迄の
状 況
279
1641
233
411
14.20%
18(1.10)
使 用 成 績 調 査
平成 7 年 9 月 1 日 平成 9 年 1 月 1 日 平成 10 年 1 月 1 日
使用成績調査
~
~
~
の累計
平成 8 年 12 月 31 日 平成 9 年 12 月 31 日 平成 10 年 12 月 31 日
468
4289
338
553
7.88%
505
4743
399
659
8.41%
411
3917
301
538
7.68%
1005
12949
1038
1750
8.02%
副作用等の種類別発現症例(件数) 率(%)
32(0.75)
23(0.48)
23(0.59)
78(0.60)
1(0.02)
1(0.03)
2(0.02)
1(0.06)
1(0.06)
2(0.12)
16(0.98)
1(0.06)
1(0.06)
1(0.06)
1(0.02)
2(0.05)
1(0.02)
18(0.42)
5(0.12)
5(0.12)
1(0.02)
1(0.02)
3(0.06)
3(0.06)
12(0.25)
4(0.08)
2(0.04)
4(0.10)
1(0.03)
10(0.26)
6(0.15)
2(0.05)
1(0.02)
1(0.03)
1(0.03)
16(0.98)
4(0.24)
1(0.06)
5(0.30)
3(0.18)
1(0.06)
3(0.18)
1(0.02)
1(0.02)
17(0.40)
1(0.02)
2(0.05)
3(0.07)
9(0.21)
13(0.27)
2(0.04)
3(0.06)
3(0.06)
2(0.04)
2(0.04)
1(0.02)
1(0.02)
2(0.05)
※調査施設数は診療科単位で集計
* 使用上の注意から予測できない副作用・感染症
1(0.02)
2(0.05)
7(0.18)
1(0.03)
1(0.02)
1(0.06)
1(0.06)
13(0.33)
1(0.03)
1(0.03)
3(0.08)
1(0.03)
1(0.01)
9(0.07)
5(0.04)
40(0.31)
15(0.12)
9(0.07)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
43(0.33)
1(0.01)
4(0.03)
8(0.06)
7(0.05)
2(0.02)
18(0.14)
1(0.01)
2(0.02)
2(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
2(0.02)
合
計
1271
14590
1271
2161
8.71%
96(0.66)
2(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
10(0.07)
7(0.05)
56(0.38)
15(0.10)
9(0.06)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
59(0.40)
1(0.01)
8(0.05)
8(0.05)
8(0.05)
2(0.01)
23(0.16)
3(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
5(0.03)
2(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
1996 年版医薬品副作用用語集の基本語にて集計
29
Ⅴ.治療に関する項目
表 17-2
使用成績調査の副作用発現状況
時
期
肝臓・胆管系障害
黄疸
肝機能異常
肝機能悪化
肝機能障害
肝機能障害の憎悪
肝障害
GOT 上昇
GPT 上昇
ビリルビン値上昇
直接ビリルビン上昇
*
ビリルビン値低下
*
ウロビリノーゲン陽性
トランスアミナーゼ(値)上昇
LAP 上昇
肝酵素上昇
γ-GTP 上昇
代謝・栄養障害
AIP 上昇
LDH 上昇
*
LDH 低下
高カリウム血症
血清カリウム上昇
*
高ナトリウム血症
*
血中ナトリウム上昇
*
血清カリウム低下
*
血清クロール低下
*
低ナトリウム血症
*
血中ナトリウム低下
*
電解質異常
*
尿糖陽性
*
アミラーゼ上昇
*
血清クロール上昇
心・血管障害(一般)
血圧低下
血管(心臓外)障害
*
紫斑(病)
潮紅(フラッシング)
全身発赤
発赤
承認時迄の
状 況
116(7.07)
81(4.94)
94(5.73)
4(0.24)
2(0.12)
1(0.06)
成
績
調 査
15(0.91)
46(2.80)
21(1.28)
17(1.04)
28(0.65)
59(1.38)
31(0.72)
27(0.63)
1(0.02)
9(0.55)
1(0.02)
23(0.48)
57(1.20)
27(0.57)
32(0.67)
1(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
134(1.03)
13(0.10)
68(0.53)
41(0.32)
41(0.32)
48(0.37)
1(0.01)
150(1.03)
23(0.16)
68(0.47)
46(0.32)
46(0.32)
54(0.37)
1(0.01)
1(0.03)
28(0.71)
58(1.48)
31(0.79)
30(0.77)
1(0.03)
1(0.03)
2(0.02)
79(0.61)
174(1.34)
89(0.69)
89(0.69)
3(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.03)
1(0.01)
1(0.02)
2(0.12)
1(0.06)
2(0.12)
1(0.02)
1(0.06)
1(0.03)
2(0.05)
1(0.02)
2(0.05)
1(0.02)
1(0.06)
2(0.12)
2(0.12)
2(0.04)
1(0.02)
1(0.02)
3(0.08)
1(0.03)
1(0.03)
1(0.03)
1(0.02)
1(0.02)
16(0.98)
10(0.61)
5(0.30)
5(0.30)
6(0.37)
32(0.75)
3(0.07)
17(0.40)
10(0.23)
11(0.26)
10(0.23)
1(0.02)
69(1.45)
10(0.21)
34(0.72)
19(0.40)
20(0.42)
25(0.53)
33(0.84)
17(0.43)
12(0.31)
10(0.26)
13(0.33)
計
0
0
5(0.04)
1(0.01)
1(0.01)
2(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.02)
合
674(4.62)
1(0.01)
43(0.29)
2(0.01)
168(1.15)
4(0.03)
65(0.45)
277(1.90)
287(1.97)
29(0.20)
2(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
6(0.04)
2(0.01)
94(0.64)
220(1.51)
110(0.75)
106(0.73)
3(0.02)
1(0.01)
10(0.07)
1(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
2(0.01)
5(0.03)
1(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
1(0.03)
1(0.02)
1(0.02)
* 使用上の注意から予測できない副作用・感染症
30
用
6(0.37)
呼吸器系障害
*
咽頭浮腫
赤血球障害
直接クームス試験陽性
貧血
赤血球減少
ヘマトクリット値減少
ヘモグロビン減少
血液障害
使
平成 7 年 9 月 1 日 平成 9 年 1 月 1 日 平成 10 年 1 月 1 日
使用成績調査
~
~
~
の累計
平成 8 年 12 月 31 日 平成 9 年 12 月 31 日 平成 10 年 12 月 31 日
169(3.94)
210(4.43)
179(4.57)
558(4.31)
1(0.02)
1(0.01)
13(0.30)
20(0.42)
10(0.26)
43(0.33)
1(0.02)
1(0.03)
2(0.02)
43(1.00)
65(1.37)
60(1.53)
168(1.30)
2(0.05)
1(0.02)
1(0.03)
4(0.03)
19(0.44)
30(0.63)
16(0.41)
65(0.50)
59(1.38)
65(1.37)
72(1.84)
196(1.51)
65(1.52)
66(1.39)
62(1.58)
193(1.49)
7(0.16)
8(0.17)
10(0.26)
25(0.19)
1(0.01)
1(0.01)
2(0.02)
2(0.02)
2(0.02)
1996 年版医薬品副作用用語集の基本語にて集計
Ⅴ.治療に関する項目
表 17-3
使用成績調査の副作用発現状況
時
期
白血球・網内系障害
顆粒球減少(症)
好中球減少
*
単球減少(症)
好酸球増多(症)
*
単球増多(症)
白血球減少(症)
*
白血球増多(症)
*
好中球増多(症)
汎血球減少(症)
無顆粒球症
*
リンパ球減少
*
リンパ球増多(症)
*
好塩基球増多(症)
*
白血球分画異常
血小板・出血凝血障害
血小板増多(症)
血小板減少(症)
*
プロトロンビン時間延長
*
播種性血管内凝固症候群
泌尿器系障害
血中クレアチニン上昇
急性腎不全
腎機能異常
腎機能悪化
腎機能障害
腎不全悪化
腎障害
腎機能障害の増悪
蛋白尿
*
尿検査異常
BUN 上昇
*
頻尿
*
BUN 低下
*
血中クレアチニン低下
一般的全身障害
アナフィラキシー・ショック
過敏症
*
赤沈亢進
頭痛
頭重(感)
発熱
気分不良
顔面紅潮
*
手指腫脹感
*
CRP 上昇
抵抗機構障害
膣カンジダ症
菌交代症
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
承認時迄の
状 況
46(2.80)
3(0.18)
1(0.06)
33(2.01)
2(0.12)
9(0.55)
1(0.06)
使 用 成 績 調 査
平成 7 年 9 月 1 日 平成 9 年 1 月 1 日 平成 10 年 1 月 1 日
使用成績調査
~
~
~
の累計
平成 8 年 12 月 31 日 平成 9 年 12 月 31 日 平成 10 年 12 月 31 日
36(0.84)
1(0.02)
1(0.02)
55(1.16)
34(0.87)
4(0.08)
2(0.05)
16(0.37)
2(0.05)
9(0.21)
4(0.09)
2(0.05)
25(0.53)
4(0.08)
13(0.27)
6(0.13)
4(0.08)
2(0.04)
24(0.61)
4(0.10)
10(0.26)
1(0.02)
3(0.07)
3(0.06)
3(0.07)
2(0.05)
26(0.61)
11(0.26)
15(0.35)
2(0.05)
1(0.03)
1(0.03)
1(0.02)
38(0.80)
14(0.30)
23(0.48)
1(0.06)
1(0.06)
5(0.30)
5(0.30)
1(0.06)
12(0.31)
6(0.15)
6(0.15)
1(0.02)
9(0.55)
5(0.30)
1(0.06)
7(0.43)
1(0.06)
13(0.79)
53(1.24)
13(0.30)
1(0.02)
2(0.05)
2(0.05)
10(0.23)
3(0.07)
3(0.07)
3(0.07)
25(0.58)
6(0.14)
40(1.02)
14(0.36)
1(0.02)
3(0.06)
7(0.15)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
6(0.13)
1(0.02)
22(0.46)
1(0.03)
10(0.26)
1(0.03)
5(0.13)
3(0.08)
19(0.49)
1(0.03)
1(0.03)
4(0.10)
2(0.05)
1(0.02)
1(0.06)
9(0.55)
1(0.06)
2(0.12)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
3(0.06)
1(0.02)
1(0.03)
1(0.03)
3(0.07)
1(0.06)
1(0.06)
* 使用上の注意から予測できない副作用・感染症
3(0.06)
1(0.02)
1(0.02)
65(0.50)
10(0.08)
32(0.25)
10(0.08)
6(0.05)
2(0.02)
1(0.01)
8(0.06)
1(0.01)
4(0.03)
3(0.02)
76(0.59)
31(0.24)
44(0.34)
1(0.01)
46(0.97)
16(0.34)
9(0.19)
1(0.02)
125(0.97)
1(0.01)
7(0.05)
139(1.07)
43(0.33)
1(0.01)
4(0.03)
5(0.04)
27(0.21)
1(0.01)
5(0.04)
4(0.03)
14(0.11)
4(0.03)
66(0.51)
1(0.01)
1(0.01)
19(0.15)
1(0.01)
2(0.02)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
5(0.04)
1(0.01)
2(0.05)
1(0.01)
6(0.05)
3(0.02)
1(0.03)
1(0.03)
2(0.02)
1(0.01)
合
計
171(1.17)
1(0.01)
10(0.07)
1(0.01)
98(0.67)
12(0.08)
41(0.28)
11(0.08)
6(0.04)
3(0.02)
1(0.01)
8(0.05)
2(0.01)
4(0.03)
3(0.02)
81(0.56)
31(0.21)
49(0.34)
1(0.01)
1(0.01)
148(1.01)
48(0.33)
1(0.01)
4(0.03)
5(0.03)
27(0.19)
1(0.01)
5(0.03)
4(0.03)
15(0.10)
4(0.03)
73(0.50)
1(0.01)
1(0.01)
1(0.01)
32(0.22)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
14(0.10)
2(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
6(0.04)
4(0.03)
1(0.01)
2(0.01)
1(0.01)
1996 年版医薬品副作用用語集の基本語にて集計
31
Ⅴ.治療に関する項目
2)有効性
安全性解析対象症例 12,949 例から適応外疾患への使用 2,205 例
(感染予防 1,200 例、呼吸器系疾患〔急性扁桃炎、急性気管支炎
等〕351 例、消化器系疾患〔急性虫垂炎、肝膿瘍等〕182 例等)を
除外した 10,744 例を解析対象とした。
有効性の判定は全般改善度として「著明改善、改善、やや改善、不
変、悪化、判定不能」の5段階6区分にて担当医師により評価さ
れ、「著明改善」及び「改善」を有効例とし、その比率を有効率と
した。また、細菌学的効果は「消失、減少、不変、菌交代、不明」
の4段階5区分にて評価され、「消失」及び「菌交代」が菌消失、
その比率を菌消失率とした。有効率及び菌消失率の算出の際に、
「判定不能」及び「不明」の症例は除外した。
本剤の通常用量である1日1~2g の投与量における適応症全体で
の有効率は 79.5%(7,756/9,759 例)であった。
細菌学的効果では、単独菌感染例における起炎菌別の菌消失率は、
ブドウ球菌属 69.1%(143/207 例)
、レンサ球菌属 79.1%(140/177
例)
、大腸菌 93.5%(216/231 例)
、クレブシエラ属 83.1%(98/118
例)
、シュードモナス属 52.8%(114/216 例)等であった。
なお、本使用成績調査では、対象患者が他剤無効例か未治療例かが
調査されていなかったため、日常診療において他剤無効例の呼吸器
感染症を対象として、本剤の有効性に影響を与えると考えられる要
因を確認するための特別調査を別途実施した。
表 18 承認適応症別の有効率(全般改善度)
適応症名*
敗血症
蜂巣炎
肛門周囲膿瘍
外傷創感染・熱傷創感染・手術創感染
扁桃周囲膿瘍
慢性気管支炎
気管支拡張症(感染時)
慢性呼吸器疾患の二次感染
肺炎
肺化膿症
腎盂腎炎
複雑性膀胱炎
前立腺炎
胆のう炎
胆管炎
腹膜炎
骨盤腹膜炎・ダグラス窩膿瘍
子宮内感染
骨盤死腔炎・子宮旁結合織炎
中耳炎
副鼻腔炎
*再審査申請時の適応症
32
承認時における有効率
一般臨床試験
比較臨床試験
73.3% (11/15)
100% (20/20)
90.9% (10/11)
83.3% (45/54)
100%
(3/3)
87.5% (49/56)
96.0% (48/50)
69.2% (27/39)
76.9% (20/26)
68.0% (17/25)
87.5% (21/24)
75.6% (118/156)
90.0% (63/70)
71.4%
(5/7)
100%
(2/2)
77.4% (113/146)
68.4% (26/38)
66.5% (165/248)
77.8% (105/135)
100% (11/11)
100% (19/19)
86.7% (13/15)
81.3% (61/75)
93.8% (15/16)
92.3% (36/39)
90.0% (18/20)
70.7% (29/41)
77.1% (27/35)
使用成績調査
における有効率
58.8%
88.4%
91.2%
86.0%
94.3%
82.9%
79.2%
74.6%
71.7%
61.8%
88.0%
81.4%
91.5%
83.0%
69.8%
81.9%
89.9%
88.6%
89.9%
90.5%
87.0%
(255/434)
(152/172)
(62/68)
(1231/1432)
(464/492)
(271/327)
(80/101)
(466/625)
(2590/3611)
(47/76)
(798/907)
(465/571)
(130/142)
(185/223)
(111/159)
(307/375)
(160/178)
(117/132)
(125/139)
(57/63)
(167/192)
Ⅴ.治療に関する項目
3)特別な背景を有する患者
小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害を有する患者、肝機能障害を有
する患者に対する特別調査を使用成績調査に組み込んで実施し、安
全性及び有効性を評価した。また、本剤の投与期間は原則 14 日間
とされているが、15 日以上本剤が投与され症例での安全性も検討
した。
1)小児
安全性解析対象症例として小児(15 歳未満)85 例が収集された。
年齢の範囲は7ヵ月~14 歳、1 日最大投与量は 10~120mg/kg であ
っ た 。 用 法 用 量 で は 、 1 日 最 大 投 与 量 は 40 ~ 80mg/kg 未 満
(44.7%)、1日最大投与回数 2回(48.2%)、点滴静注(97.6%)、
投与期間 3日以内(49.4%)が症例構成の割合が最も高かった。平
均投与期間は 4.8 日であった。
小児での副作用発現率は 2.4%(2/85)、内訳は GPT 上昇、リンパ
球減少、血小板増多(症)各1件で、いずれも軽度ないし中等度で
あった。なお、本剤は小児に対する適応症を有していない。
2)高齢者
安全性解析対象症例として高齢者(65 歳以上)5,947 例が収集さ
れ、最高齢は 99 歳であった。使用理由は呼吸器感染症が 56.2%と
最も多く、感染症の重症度には非高齢者と比べ構成比に有意差が認
められた(高齢者:軽度 25.2%、中等度 57.8%、重度 16.4%、非
高齢者:軽度 36.3%、中等度 51.9%、重度 10.1%)。副作用発現
率は 12.4%(738/5,947 例)で、成人の 4.3%(298/6,875 例)に
比べ高かった。
一方、有効性解析対象 5,384 例における適応症全体の有効率は
73.3%(3,825/5,221 例)で、成人の有効率 84.8%(4,318/5,090
例)より低かった。
3)妊産婦
安全性解析除外症例も含めた 53 例(妊娠週数6週~42 週、年齢 18
歳~46 歳)に対して検討した。副作用発現率は 1.9%(1/53 例)
で、軽度の LDH 上昇が発現したのみであった。子宮外妊娠(妊娠6
週目投与)1例、卵巣腫瘍による妊娠中絶(妊娠6週目投与)1
例、進行流産(妊娠8週目投与)1例、他院転出により出産の有無
が不明の4例を除く 46 例で、本剤投与による出産、新生児への影
響が示唆される事象は報告されなかった。
33
Ⅴ.治療に関する項目
4)腎機能障害を有する患者
腎機能障害のある患者群での副作用発現率 20.5%(187/911 例)
は、その他の群 7.1% (847/12,041 例)より高かった。803 例中、
適応症全体の有効率は 60.0%(482/803 例)であり、その他の群の
80.7%(7,745/9,598 例)と比較して低かったが、その要因は特定
できなかった。
5)肝機能障害を有する患者
肝機能障害のある患者群での副作用発現率 23.8%(416/1,746 例)
はその他の群 5.5%(618/11,179 例)に比べ、有意に高かった。
1,476 例中、適応症全体の有効率は 62.3%(920/1,476 例)で、そ
の他の群 81.9%(7,308/8,925 例)に比較して低かったが、その
要因は特定できなかった。
6)長期の使用
用法・用量により、本剤の投与期間は「原則 14 日以内」としてお
り、長期使用に関する調査は実施していない。
使用成績調査では、14 日を超えて長期に本剤が使用された症例が
604 例(最長 152 日)収集された。副作用発現率 18.0%(109/604
例)は、投与期間 14 日以内の群の 7.5%(926/12,312 例)に比較
して有意に高かった。投与期間が 14 日以内の群と 15 日以上の群で
副作用発現率に有意差が見られたものは、器官別大分類別に、肝
臓・胆管系障害(4.0% vs. 10.3%)、代謝・栄養障害(1.3% vs.
3.2%)、赤血球障害(1.0% vs. 2.0%)、白血球・網内系障害
(0.9% vs.3.1%)、泌尿器系障害(1.0% vs. 2.6%)であった。
しかし、投与期間が 15 日以上の症例は、14 日以内の群に比べて、
年齢 65 歳以上又は入院患者が多く、基礎疾患・合併症、腎機能障
害又は肝機能障害の有る症例の割合が高かった。また、本剤を重症
な感染症に使用した割合が高く、使用理由は肺炎、敗血症、肺化膿
症の割合が高かった。
34
Ⅴ.治療に関する項目
2.特定使用成績調査(特別調査)
1)最小発育阻止濃度(MIC)測定法による感受性調査(in vitro)
各種臨床分離株のセフェピム塩酸塩水和物(CFPM)に対する市販後
の感受性の推移を3回にわたり菌株を収集し、セフタジジム
(CAZ)を対象薬として最小発育阻止濃度(MIC)測定法により検討
した。
被験菌は承認時までに各種臨床材料より収集された 20 菌種 1,067
株、第1回調査では 1996 年5月より7月までの3ヵ月間に収集さ
れた 20 菌種 596 株、第2回調査では 1998 年5月より9月までの5
ヵ月間に収集された 20 菌種 523 株、第3回調査では 2000 年5月よ
り 2000 年7月までの3ヵ月間に収集された 20 菌種 438 株であっ
た。
CFPM と CAZ の最小発育阻止濃度(MIC)測定法による感受性を承認
時及び調査回数別に、グラム陽性菌は表 3-1 に、グラム陰性菌は表
3-2、3-3 に示した。
承認時並びに第1回から第3回の調査で分離されたグラム陽性好気
性菌並びにグラム陰性好気性菌の適応菌種に対する本剤の抗菌力の
低下は認められなかった。本剤はグラム陽性菌から陰性菌まで幅広
い抗菌スペクトルを有しかつ優れた抗菌力を示し、適応菌種におい
て発売後に感受性の低下はほとんど認められなかった。
35
Ⅴ.治療に関する項目
表 19-1
グラム陽性菌の CFPM と CAZ の経年的感受性推移(MIC)
菌種
Staphylococcus sp.
S.aureus
S.epidermidis
Streptococcus sp.
S.pneumoniae
S.pyogenes
Peptostreptococcus anaerobius
36
調査回数
CFPM
MIC(μg/mL)
株数
範囲
50%
承認時
180
0.2~>100
1
81
0.2~3.13
2
53
3
73
承認時
105
1
2
CAZ
MIC(μg/mL)
80%
株数
範囲
50%
80%
1.56
25
178
1.56~>100
6.25
50
1.56
1.56
81
1.56~12.5
6.25
6.25
0.2~3.13
1.56
3.13
53
3.13~12.5
6.25
12.5
0.39~6.25
3.13
3.13
73
3.13~25
6.25
12.5
0.2~>100
1.56
3.13
103
1.56~>100
6.25
12.5
42
0.78~3.13
1.56
3.13
42
3.13~12.5
6.25
6.25
30
0.39~3.13
1.56
3.13
30
3.13~12.5
6.25
12.5
3
36
1.56~6.25
3.13
3.13
36
6.25~25
6.25
12.5
承認時
75
0.2~>100
6.25
25
75
1.56~>100
25
100
1
39
0.2~3.13
0.78
1.56
39
1.56~12.5
6.25
12.5
2
23
0.2~3.13
0.78
1.56
23
3.13~12.5
6.25
12.5
3
37
0.39~6.25
0.78
1.56
37
3.13~25
6.25
12.5
承認時
73
≦0.025~0.78
≦0.025
0.05
73
0.1~12.5
0.2
0.2
1
47
0.013~0.39
0.025
0.2
47
0.1~25
0.2
1.56
2
44
0.013~0.78
0.025
0.2
44
0.1~6.25
0.2
1.56
3
55
0.013~0.78
0.1
0.2
55
0.1~12.5
0.78
1.56
承認時
53
≦0.025~0.78
≦0.025
0.05
53
0.1~12.5
0.2
0.39
1
33
0.013~0.39
0.1
0.2
33
0.1~25
0.39
1.56
2
29
0.013~0.78
0.1
0.2
29
0.1~6.25
0.78
1.56
3
36
0.013~0.78
0.2
0.2
36
0.1~12.5
1.56
1.56
承認時
20
≦0.025~0.05
≦0.025
0.05
20
0.1~0.2
0.1
0.1
1
14
0.013~0.025
0.025
0.025
14
0.1~0.2
0.1
0.2
2
15
0.013~0.025
0.025
0.025
15
0.1~0.2
0.1
0.1
3
19
0.013~0.025
0.025
0.025
19
0.1~0.2
0.1
0.2
承認時
14
0.1~3.13
0.39
0.78
14
0.39~12.5
0.78
3.13
1
4
0.2~6.25
0.2
6.25
4
1.56~6.25
1.56
6.25
2
3
0.39~25
12.5
25
3
0.39~12.5
6.25
12.5
3
18
0.1~>100
1.56
25
18
0.39~>100
3.13
50
Ⅴ.治療に関する項目
表 19-2
グラム陰性菌の CFPM と CAZ の経年的感受性推移(MIC)
菌種
Branhamella catarrhalis
Escherichia coli
Citrobacter freundii
Klebsiella pneumoniae
Enterobacter sp.
Enterobacter cloacae
Enterobacter aerogenes
Serratia marcescens
Proteus sp.
Proteus mirabilis
Proteus vulgaris
Morganella morganii
調査回数
CFPM
MIC(μg/mL)
株数
範囲
承認時
26
1
24
2
CAZ
MIC(μg/mL)
50%
80%
株数
範囲
50%
80%
0.05~0.78
0.2
0.78
26
≦0.025~0.2
0.05
0.1
0.1~1.56
0.39
0.78
24
≦0.025~0.2
0.05
0.1
15
0.1~1.56
0.78
0.78
15
≦0.025~0.2
0.1
0.1
3
21
0.1~1.56
0.39
0.39
21
≦0.025~0.2
0.05
0.1
承認時
184
≦0.025~50
0.05
0.05
184
≦0.025~50
0.1
0.2
1
42
≦0.025~0.05
≦0.025 ≦0.025
42
0.05~1.56
0.1
0.1
2
40
≦0.025~1.56
≦0.025
0.05
40
0.05~100
0.1
0.39
3
42
≦0.025~0.2
≦0.025
0.05
42
≦0.025~3.13
0.1
0.2
承認時
34
≦0.025~>100
0.1
1.56
34
0.05~>100
1.56
100
1
36
≦0.025~3.13
≦0.025 ≦0.025
36
0.05~100
0.2
0.39
2
24
≦0.025~0.78
≦0.025
0.39
24
0.2~>100
0.39
100
3
31
≦0.025~3.13
0.05
0.2
31
0.1~>100
0.39
50
承認時
73
≦0.025~0.39
≦0.025
0.05
73
≦0.025~0.78
0.1
0.2
1
40
≦0.025~0.2
≦0.025
0.05
40
≦0.025~0.78
0.05
0.2
2
43
≦0.025~3.13
≦0.025 ≦0.025
43
≦0.025~50
0.05
0.1
3
41
≦0.025~3.13
≦0.025 ≦0.025
41
≦0.025~100
0.1
0.1
承認時
71
≦0.025~12.5
0.1
1.56
71
0.05~>100
0.39
50
1
57
≦0.025~12.5
≦0.025
0.39
57
0.05~100
0.2
25
2
60
≦0.025~100
≦0.025
0.1
60
≦0.025~>100
0.2
12.5
3
42
≦0.025~6.25
≦0.025
0.1
42
0.05~>100
0.1
1.56
承認時
46
≦0.025~12.5
0.39
1.56
46
0.1~>100
0.78
100
1
29
≦0.025~12.5
0.1
0.78
29
0.05~100
3.13
50
2
30
≦0.025~100
≦0.025
0.1
30
0.1~>100
0.2
6.25
3
21
≦0.025~6.25
≦0.025
0.05
21
0.1~100
0.2
1.56
承認時
25
≦0.025~12.5
0.05
0.1
25
0.05~50
0.2
1.56
1
27
≦0.025~1.56
≦0.025
0.1
27
0.05~50
0.1
0.78
2
30
≦0.025~0.78
≦0.025
0.1
30
≦0.025~>100
0.1
12.5
3
21
≦0.025~3.13
≦0.025
0.1
21
0.05~>100
0.1
6.25
承認時
53
0.05~>100
1.56
12.5
53
0.1~>100
3.13
12.5
1
41
≦0.025~100
0.1
0.2
41
0.1~>100
0.2
0.39
2
37
≦0.025~3.13
0.05
0.1
37
0.05~1.56
0.2
0.2
3
42
≦0.025~100
0.05
0.2
42
0.1~>100
0.2
0.39
承認時
28
≦0.025~12.5
0.05
0.1
28
≦0.025~1.56
0.05
0.2
1
57
≦0.025~1.56
0.05
0.1
57
≦0.025~0.78
0.05
0.1
2
37
≦0.025~3.13
0.05
0.05
37
≦0.025~1.56
0.05
0.1
3
47
≦0.025~0.2
0.05
0.1
47
0.05~0.39
0.05
0.1
承認時
18
≦0.025~0.2
≦0.025
0.1
18
≦0.025~0.78
0.05
0.1
1
33
≦0.025~0.1
0.05
0.05
33
0.05~0.1
0.05
0.1
2
25
≦0.025~3.13
0.05
0.05
25
≦0.025~1.56
0.05
0.05
3
23
≦0.025~0.1
0.05
0.1
23
0.05~0.1
0.05
0.1
承認時
10
≦0.025~12.5
0.05
0.39
10
≦0.025~1.56
0.05
0.2
1
24
≦0.025~1.56
0.05
0.1
24
≦0.025~0.78
0.05
0.1
2
12
≦0.025~0.1
0.05
0.05
12
≦0.025~0.39
0.05
0.1
3
24
≦0.025~0.2
0.05
0.1
24
0.05~0.39
0.1
0.2
承認時
15
≦0.025~25
0.05
0.2
15
≦0.025~100
0.1
0.78
1
27
≦0.025~0.05
≦0.025 ≦0.025
27
0.05~12.5
0.1
0.39
2
23
≦0.025~0.05
≦0.025 ≦0.025
23
0.05~25
0.1
0.1
3
15
≦0.025
≦0.025 ≦0.025
15
0.05~6.25
0.1
0.1
37
Ⅴ.治療に関する項目
表 19-3
グラム陰性菌の CFPM と CAZ の経年的感受性推移(MIC)
菌種
Pseudomonas sp.
Pseudomonas aeruginosa
Pseudomonas cepacia
Haemophilus influenzae
Acinetobacter calcoaceticus
Bacteroides fragilis
38
調査回数
CFPM
MIC(μg/mL)
CAZ
MIC(μg/mL)
株数
範囲
50%
80%
株数
範囲
50%
80%
承認時
231
0.2~>100
3.13
12.5
225
0.2~>100
3.13
12.5
1
64
0.2~100
3.13
12.5
64
0.39~>100
1.56
3.13
2
42
0.78~100
3.13
6.25
42
0.2~100
1.56
6.25
3
57
0.78~100
3.13
6.25
57
0.39~>100
1.56
3.13
承認時
224
0.2~>100
6.25
12.5
218
0.2~>100
3.13
12.5
1
43
0.2~100
1.56
6.25
43
0.39~>100
0.78
1.56
2
30
0.78~100
3.13
6.25
30
0.2~100
1.56
12.5
3
41
0.78~100
3.13
6.25
41
0.39~>100
1.56
3.13
承認時
7
1.56~12.5
3.13
6.25
7
0.78~6.25
1.56
3.13
1
21
3.13~50
6.25
12.5
21
0.78~100
1.56
12.5
2
12
1.56~25
3.13
6.25
12
0.39~3.13
0.78
0.78
3
16
0.78~25
3.13
6.25
16
0.39~3.13
0.78
1.56
承認時
50
≦0.025~0.2
0.1
0.1
49
≦0.025~0.78
0.1
0.1
1
37
≦0.025~0.78
0.1
0.2
37
≦0.025~0.39
0.1
0.2
2
54
≦0.025~0.78
0.05
0.1
54
≦0.025~0.78
0.05
0.1
3
41
≦0.025~1.56
0.1
0.78
41
≦0.025~1.56
0.1
0.2
承認時
23
0.78~50
6.25
12.5
23
0.78~100
6.25
12.5
1
28
0.39~25
3.13
12.5
28
0.39~50
3.13
6.25
2
24
1.56~50
3.13
6.25
24
0.78~25
3.13
12.5
3
16
0.78~50
3.13
6.25
16
1.56~12.5
3.13
6.25
承認時
12
12.5~>100
25
50
12
6.25~>100
12.5
25
1
12
12.5~>100
>100
>100
12
6.25~>100
50
>100
2
24
6.25~>100
100
>100
24
6.25~>100
25
>100
3
10
6.25~>100
12.5
>100
10
6.25~>100
12.5
>100
Ⅴ.治療に関する項目
2)ディスク感受性調査(in vitro)
各種臨床分離株のセフェピム塩酸塩水和物(CFPM)に対する市販後
の感受性推移を3回にわたり菌株を収集し、セフタジジム(CAZ)
を対象薬としてディスク感受性により検討した。
被験菌は、第1回調査では 1996 年5月より 10 月までの6ヵ月間に
各種臨床材料より分離された 15 適応菌種 1,666 株、第2回調査で
は 1998 年5月より8月までの4ヵ月間に分離された 15 適応菌種
998 株及び第3回調査では 2000 年5月より7月までの3ヵ月間に
分離された 15 適応菌種 819 株を収集した。
CFPM と CAZ のディスク感受性調査の結果を調査回数別に、グラム
陽性菌を表 4-1 に、グラム陰性菌を表 4-2 に示した。
市販後6年間で3回実施したディスク感受性調査において、本剤の
適応菌種に対して MIC と同様に発売後の抗菌力の低下はほとんど認
められなかった。
表 20-1 グラム陽性菌の CFPM と CAZ の経年的感受性推移(ディスク感受性)
菌種
感受性率
調査回数
CFPM
CAZ
Staphylococcus sp.
1
2
3
174/233
120/132
99/110
(74.7%)
(90.9%)
(90.0%)
41/86
30/40
21/37
(47.7%)
(75.0%)
(56.8%)
Streptococcus sp.
1
2
3
170/185
130/131
120/120
(91.9%)
(99.2%)
(100.0%)
40/51
36/41
16/16
(78.4%)
(87.8%)
(100.0%)
Peptostreptococcus sp.
1
2
3
2/4
3/7
5/5
(50.0%)
(42.9%)
(100.0%)
2/4
1/5
2/2
(50.0%)
(20.0%)
(100.0%)
*感受性率(%):1 濃度、3 濃度ディスク=[(+++)+(++)]/[(+++)+(++)+(+)+(-)]×100
センシディスク法、KB ディスク法=S/S+I+R×100
39
Ⅴ.治療に関する項目
表 20-2 グラム陰性菌の CFPM と CAZ の経年的感受性推移(ディスク感受性)
菌種
Branhamella catarrhais
Escherichia coli
Citrobacter sp.
Klebsiella sp.
Enterobacter sp.
Serratia sp.
Proteus sp.
Morganella sp.
Pseudomonas sp.
Haemophilus influenzae
Acinetobacter sp.
Bacteroides sp.
感受性率
調査回数
CFPM
CAZ
1
2
3
19/19
25/27
18/18
(100.0%)
(92.6%)
(100.0%)
18/18
10/11
6/6
(100.0%)
(90.9%)
(100.0%)
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
186/186
92/92
94/94
61/61
36/37
22/22
190/191
97/97
91/92
117/125
72/76
57/58
89/98
33/35
30/39
36/40
40/41
32/34
32/34
17/18
18/18
241/344
130/175
80/100
49/50
54/54
53/53
66/78
50/61
44/46
(100.0%)
(100.0%)
(100.0%)
(100.0%)
(97.3%)
(100.0%)
(99.5%)
(100.0%)
(98.9%)
(93.6%)
(94.7%)
(98.3%)
(90.8%)
(94.3%)
(76.9%)
(90.0%)
(97.6%)
(94.1%)
(94.1%)
(94.4%)
(100.0%)
(70.1%)
(74.3%)
(80.0%)
(98.0%)
(100.0%)
(100.0%)
(84.6%)
(82.0%)
(95.7%)
120/125
80/83
85/86
34/43
27/31
15/22
126/127
84/86
87/91
67/93
42/68
47/58
43/59
23/30
25/38
26/31
30/36
29/33
17/19
6/11
13/17
252/295
133/169
73/92
25/27
30/30
35/35
48/61
36/54
43/46
(96.0%)
(96.4%)
(98.8%)
(79.1%)
(87.1%)
(68.2%)
(99.2%)
(97.7%)
(95.6%)
(72.0%)
(61.8%)
(81.0%)
(72.9%)
(76.7%)
(68.5%)
(83.9%)
(83.3%)
(87.9%)
(89.5%)
(54.5%)
(76.5%)
(85.4%)
(78.7%)
(79.3%)
(92.6%)
(100.0%)
(100.0%)
(78.7%)
(66.7%)
(93.5%)
1
2
3
7/18
3/15
3/10
(38.9%)
(20.0%)
(30.0%)
5/15
2/3
0/0
(33.3%)
(66.7%)
(0.0%)
*感受性率(%):1 濃度、3 濃度ディスク=[(+++)+(++)]/[(+++)+(++)+(+)+(-)]×100
センシディスク法、KB ディスク法=S/S+I+R×100
40
Ⅴ.治療に関する項目
3)本剤の有効性に影響を与える要因の特別調査(他剤無効例)
日常診療において、ペニシリン系注射用抗菌薬又はセフェム系注射
用抗菌薬に無効の呼吸器感染症を対象として、本剤の有効性に影響
を与える要因を検出することを目的に特別調査を実施し、1999 年
10 月~2000 年 12 月までに 112 施設から 563 例が収集された。
安全性解析対象症例数は、収集症例 563 例から安全性解析除外症例
50 例を除く 513 例とし、有効性解析対象症例数は安全性解析対象
症例よりさらに有効性解析除外症例 90 例を除く 423 例とした。
有効性解析対象症例 423 例全体の有効率は 68.6%(290/423)で、
ペニシリン注無効例 74.0%(114/154 例)、セフェム注無効例
65.9%(166/252 例)と前治療薬剤種類別の有効率に有意差は認め
られなかった。細菌学的効果(菌消失率)は適応菌種全体で 82.3%
(153/186 例)で、評価株数が1株であったものを除き適応菌種別
に 66.7~100.0%、シュードモナス属では 72.4%(42/58 例)であ
った。起炎菌が同定された症例は、単独菌感染例 138 例、複数菌感
染 例 48 例 で あ り 、 こ れ ら 186 例 に お け る 有 効 率 は 72.0 %
(134/186 例)、ペニシリン注無効例 81.2%(56/69 例)ではセフェ
ム注無効例 66.4%(75/113 例)に比較して有意に高かった。ま
た、細菌検査において薬剤不活性化酵素であるβ-ラクタマーゼ産
生の有無を確認したが、β-ラクタマ-ゼ産生陽性例における有効
率 72.7 % ( 40/55 例 ) は 、 β - ラ ク タ マ - ゼ 陰 性 例 の 80.9 %
(38/47 例)とほぼ同様の効果であった。
表 21 前治療薬剤別臨床効果
前治療薬剤
ペニシリン系注射剤
ピペラシリン
アンピシリン
アスポキシシリン
セフェム系注射剤
セフォチアム*
セファゾリン*
セフメタゾール*
セフォペラゾン
フロモキセフ
セフピロム
セフトリアキソン
セフタジジム
セフミノックス*
セフォゾプラン*
セフォタキシム
ペニシリン注+セフェム注
計
調査
症例数
154
121
28
5
252
70
32
31
31
24
18
17
14
11
8
1
17
423
著効
42
33
8
1
65
18
8
17
6
3
2
7
1
3
2
0
5
112
臨床効果
有効
やや有効
72
21
53
20
15
1
4
0
101
46
28
11
13
7
8
3
12
9
14
5
9
1
3
5
10
1
2
3
3
3
0
0
5
3
178
70
無効
15
11
4
0
36
10
4
2
4
2
6
2
2
3
0
1
4
55
有効率
悪化
4
4
0
0
4
3
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8
74.0% (114/154)
71.1% (86/121)
82.1% (23/28)
100.0%
(5/5)
65.9% (166/252)
65.7% (46/70)
65.6% (21/32)
80.7% (25/31)
58.1% (18/31)
70.8% (17/24)
61.1% (11/18)
58.8% (10/17)
78.6% (11/14)
45.5%
(5/11)
62.5%
(5/8)
0.0%
(0/1)
58.8% (10/17)
68.6% (290/423)
検定結果
χ2 検定
N.S.
(p=0.085)
*セフェム系注射剤2剤に無効の5症例を含む
41
Ⅴ.治療に関する項目
安全性解析対象症例及び収集症例全体の副作用発現状況を表6に示し
た。解析対象例における副作用発現症例率は 2.73%(14/513)であり、
収集症例全体の 2.84%(16/563)とほぼ同様の結果であった。全収集症
例において重篤な副作用は発現しておらず、すべて軽度ないし中等度
のものであり、未知の副作用は胸部不快感(軽度)の1件であった。
表 22
特別調査(他剤無効例)の副作用発現状況
調査症例数
副作用等の発現症例数
副作用等の発現件数
副作用等の発現症例率
副作用等の種類
皮膚・皮膚付属器障害
皮疹
薬疹
消化管障害
嘔気
偽膜性大腸炎
下痢
肝臓・胆管系障害
肝機能障害
GOT 上昇
GPT 上昇
肝酵素上昇
γ―GTP 上昇
代謝・栄養障害
LDH 上昇
赤血球障害
貧血
泌尿器系障害
腎機能障害
腎障害
一般的全身障害
*胸部不快感
特 別 調 査
解析対象症例
解析対象除外症例
収集症例合計
513
50
563
14
2
16
19
3
22
2.73%
4.00%
2.84%
副作用等の種類別発現症例(件数)率(%)
3(0.58)
3(0.53)
2(0.39)
2(0.36)
1(0.19)
1(0.18)
3(0.58)
3(0.53)
1(0.19)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
6(1.17)
2(4.00)
8(1.42)
2(0.39)
2(0.36)
3(0.58)
1(2.00)
4(0.71)
2(0.39)
2(0.36)
1(0.19)
1(0.18)
1(2.00)
1(0.18)
1(2.00)
1(0.18)
1(2.00)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
3(0.58)
3(0.53)
2(0.39)
2(0.36)
1(0.19)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
1(0.19)
1(0.18)
* 使用上の注意から予測できない副作用・感染症
42
1966 年版医薬品副作用用語集の基本語にて集計
Ⅴ.治療に関する項目
3. 製造販売後臨床試験(市販後臨床試験)
承認時までの呼吸器感染症を対象とした臨床試験では、対照薬セフ
タジジム(以下 CAZ)との同等性が検証されなかったことに関し
て、「第Ⅲ相比較臨床試験において同等性が検証しえなかったこと
を踏まえ、本剤の他剤にない臨床上の特徴を明らかにし、臨床デー
タからもその特徴が支持されることを実証すること」という調査会
からの指示事項を受け、グラム陰性菌でかつβ-ラクタマーゼ産生
菌による呼吸器感染症を主要な解析対象集団(PPS)として、本剤
の CAZ に対する優越性を検証することを目的に、「呼吸器感染症に
対する塩酸セフェピム(以下 CFPM) の比較試験」を計画し、1996
年 10 月~2005 年3月までの期間で実施した(目標症例数 400 例)。
その結果、登録症例数 444 例のうち、FAS 除外症例9例を除いた
435 例が有効性解析及び安全性解析の FAS 集団(Full analysis
set)とした。また、選択基準違反 46 例、対象外疾患 16 例、除外
基準違反 15 例等、計 77 例を除いた 358 例が有効性解析の適格症
例、起炎菌不明又は適応菌種以外など 139 例、β-ラクタマ-ゼ未
確認症例 38 例、併用療法違反 10 例等、計 192 例を除いた 166 例が
有効性解析の PPS 集団(Per protocol set)とした(図1)。なお、
主たる解析には PPS を用いた。投与期間は通常7日間とし、重篤な
副作用に関しては 30 日の観察期間を設定した。
投与症例
CFPM 投与群:218 例
CAZ 投与群:225 例
FAS 対象症例
FAS 対象除外症例
CFPM 投与群:213 例
CFPM 投与群:5 例
CAZ 投与群:222 例
CAZ 投与群:3 例
適格症例
不適格症例
CFPM 投与群:177 例
CFPM 投与群:36 例
CAZ 投与群:181 例
CAZ 投与群:41 例
PPS 対象症例
PPS 対象除外症例
CFPM 投与群:90 例
CFPM 投与群:87 例
CAZ 投与群:76 例
CAZ 投与群:105 例
図 1 有効性解析対象集団の構成
43
Ⅴ.治療に関する項目
主要評価項目の有効性について、PPS 集団における CFPM 投与群及び
CAZ 投与群での有効率(臨床効果)は、それぞれ 95.6%(86/90 例)
及び 90.8%(69/76 例)であり、CFPM 投与群の有効率が CAZ 投与群に
対して上回っていたものの有意差は認められず、CFPM 投与群の CAZ 投
与群に対する優越性は検証されなかった(有効率の群間差の 95%信頼
区間:-3.0~12.5%)
(表 23)
。
表 23
臨床効果:PPS
疾患群
薬剤群
合計
CFPM 群
全体
CAZ 群
CFPM 群
肺炎
CAZ 群
慢 性 呼 吸 器 疾 患 CFPM 群
の二次感染
CAZ 群
90
76
54
36
36
40
著効
15
14
5
4
10
10
臨床効果
有効 やや有効
71
3
55
5
45
3
26
5
26
0
29
0
無効
1
2
1
1
0
1
有効率
(%)
95.6
90.8
92.6
83.3
100.0
97.5
χ2 検定差の 95%C.I.
Wilcoxon
検定
P=0.3593
-3.0~12.5
P=0.7316
P=0.3044
-4.8~23.3
P=0.4593
P=1.0000
-2.3~7.3
P=0.6584
疾患群別の有効率は、肺炎群では CFPM 投与群 92.6%(50/54 例)
、CAZ
投与群 83.3%(30/36 例)であった。また、慢性呼吸器疾患の二次感
染群では CFPM 投与群 100.0%(36/36 例)、CAZ 投与群 97.5%(39/40
例)であった。
PPS 集団の菌消失率は、CFPM 投与群 88.8%(79/89 例)、CAZ 投与群
90.7%(68/75 例)であった。両群の菌消失率に有意差は認められ
ず、CAZ 投与群に対する CFPM 投与群の優越性は検証されなかった
(95%信頼区間:-11.2~7.4%)
(表 24)。
表 24
細菌学的効果:PPS
疾患群
薬剤群
CFPM 群
CAZ 群
CFPM 群
肺炎
CAZ 群
慢 性 呼 吸 器 疾 患 CFPM 群
の二次感染
CAZ 群
全体
合計
90
76
54
36
36
40
消失
79
68
49
33
30
35
細菌学的効果
減少又は
菌交代
一部消失
8
0
5
0
3
0
2
0
5
0
3
0
不変
不明
消失率*
(%)
2
2
1
0
1
2
1
1
1
1
0
0
88.8
90.7
92.5
94.3
83.3
87.5
群間差
上段:χ2 検定
下段:95%C.I.
P=0.8878
-11.2~7.4
P=1.0000
-12.3~8.6
P=0.8501
-20.1~11.7
*(消失+菌交代)/合計(不明を除く)×100
44
Ⅴ.治療に関する項目
副次評価項目について、適格症例 358 例における有効率は、CFPM 投与
群 91.5%(162/177 例)
、CAZ 投与群 81.2%(147/181 例)であった。
有効率の群間差の 90%信頼区間は 4.4~16.2%であった。起炎菌確定
症例 291 例における有効率は、CFPM 投与群 90.8%(129/142 例)
、CAZ
投 与 群 86.6 % ( 129/149 例 ) で あ っ た 。 単 独 菌 感 染 で 起 炎 菌 が
H.influenzae であった症例の菌消失率は、CFPM 投与群 95.1%(58/61
例 )、 CAZ 投 与 群 98.2 % ( 54/55 例 ) で あ っ た 。 起 炎 菌 が P.
aeruginosa であった症例の菌消失率は、CFPM 投与群 43.8%(7/16
例)、CAZ 投与群 50.0%(8/16 例)であった。グラム陰性菌での菌消
失率は、CFPM 投与群 87.0%(87/100 例)
、CAZ 投与群 91.4%(96/105
例)であり、グラム陽性菌での菌消失率は、CFPM 投与群 100.0%
(12/12 例)、CAZ 投与群 70.8%(17/24 例)であった。また、複数菌感
染での菌消失率は、CFPM 投与群 92.9%(26/28 例)、CAZ 投与群
94.1%(16/17 例)であった。
安全性について、FAS 集団(CFPM 投与群 213 例、CAZ 投与群 222 例)
における試験薬の投与期間の中央値(最小値~最大値)は、CFPM 投与
群7日(4~8日)、CAZ 投与群7日(2~8日)であり、両群とも7
~8日間投与が8割以上を占めた。因果関係を否定できない随伴症状
(副作用)の発現は、CFPM 投与群8例、CAZ 投与群7例であった。主な
随伴症状は、CFPM 投与群では下痢3例、発疹2例、CAZ 投与群では下
痢4例等であった。副作用発現率は、CFPM 投与群 3.8%(8/213 例)
、
CAZ 投与群 3.2%(7/222 例)であり、薬剤群間に有意差は認められな
かった(表 25)
。
表 25
随伴症状(副作用)の発現例数
対象例数
副作用(随伴症状)発現例数
発現率
検定(直接確率計算)
下痢
発疹
間質性肺疾患
上気道性喘鳴+蕁麻疹
低血糖症
頭痛+悪心
発疹+感覚障害
MedDRA Version9.0 の基本語(PT)
CFPM 投与群
213
8
3.8%
P=0.7967
3
2
1
CAZ 投与群
222
7
3.2%
4
1
1
1
1
1
45
Ⅴ.治療に関する項目
因果関係が否定できない臨床検査値異常変動は、CFPM 投与群 59 例 92
件認められ、主なものは ALT 増加 24 件、AST 増加 21 件、好酸球数増
加 22 件であった。CAZ 投与群では 58 例 88 件認められ、主なものは
ALT 増加 26 件、AST 増加 22 件、好酸球数増加 13 件であった。発現率
は、CFPM 投与群 27.7%(59/213 例)、CAZ 投与群 26.1%(58/222 例)
であり、薬剤群間に有意差は認められなかった(表 26)。なお、副作
用の程度が重度の症例は認められなかった。
表 26
臨床検査値異常変動の発現例数
対象例数
臨床検査値異常変動(関連あり)発現例数
発現率
検定(直接確率計算)
好酸球数増加
ALT 増加+AST 増加
ALT 増加
AST 増加
ALT 増加+AST 増加+GGTP 増加+血中アルカリホスファターゼ増加
ALT 増加+好酸球数増加
BUN 増加
GGTP 増加
カリウム増加
尿蛋白陽性
ALT 増加+AST 増加+カリウム増加
AST 増加+好酸球数増加
LDH 増加
カリウム減少
白血球数減少
ALT 増加+AST 増加+GGTP 増加
ALT 増加+AST 増加+LDH 増加+血中アルカリホスファターゼ増加
ALT 増加+AST 増加+血中アルカリホスファターゼ増加
ALT 増加+AST 増加+好酸球数増加+血中アルカリホスファターゼ増加
ALT 増加+GGTP 増加+血中アルカリホスファターゼ増加
ALT 増加+尿蛋白陽性
AST 増加+尿蛋白陽性
AST 増加+白血球数減少
GGTP 増加+血小板数減少+白血球数減少+血中アルカリホスファターゼ増加
ヘマトクリット減少+Hb 減少+赤血球数減少
血小板数増加
血中アルカリホスファターゼ増加
血中クレアチニン増加
血中クロール減少+カリウム増加
好塩基球数増加
好酸球数増加+尿蛋白陽性
直接クームス試験陽性
尿ウロビリノーゲン陽性
MedDRA Version9.0 の基本語(PT)
46
CFPM 投与群
213
59
27.7%
P=0.7461
18
7
7
5
3
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
CAZ 投与群
222
58
26.1%
10
16
6
2
1
1
3
1
2
1
1
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
Ⅴ.治療に関する項目
概括安全度は試験薬剤との関係を否定できない副作用又は臨床検査値
の異常変動の種類、程度、経過等を総括し、試験薬剤の安全性を「問
題なし、ほぼ問題なし、やや問題あり、問題あり、判定不能」の4段
階5区分にて判定され、
「ほぼ問題なし」以上の症例を安全症例とし、
その比率を安全率とした。安全率の算出の際に判定不能は除外した。
CFPM 投与群の安全率は 97.2%(207/213 例)であり、CAZ 投与群の安
全率 96.8%(215/222 例)と有意差はなかった(表 27)。
なお、FAS から除外した症例に発現した副作用は、重複例として除外
した CFPM 投与群1例の発熱(中等度)、ALT 増加(軽度)で、いずれ
も回復した。また、因果関係がないと判定された有害事象としては、
GCP 不遵守で除外した CAZ 投与群1例の血便(軽度)があった。
表 27
薬剤群
概括安全度
合計
概括安全度
問題なし
ほぼ問題なし やや問題あり 問題あり
判定不能
安全率*
(%)
χ2 検定差の 95%C.I.
CFPM 群
213
146
61
6
0
0
97.2
P=1.0000
CAZ 群
222
156
59
5
0
2
96.8
-2.9~3.5
Wilcoxon
検定
P=0.5784
*(問題なし+ほぼ問題なし)/合計×100
以上より、主要評価項目に関して、CAZ 投与群の有効率が当初の計画
における期待有効率(73%)より高くなったことにより、PPS 集団に
おける CFPM 投与群の CAZ 投与群に対する優越性は検証されなかった
が、これら臨床データから本剤は有用な薬剤と考える。
2)承認条件として
該当しない
実施予定の内容
又は実施した試
験の概要
47
Ⅵ. 薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連あ
セフェム系抗生物質
る化合物又は化合
物群
2.薬理作用
(1) 作 用 部 位 ・ 作 用
機序
2)~4)
セフェピム(CFPM)の抗菌作用の機序は E.coli の PBP 1Bs、2 及
び3、S.marcescens の PBP 1B、1C 及び 3、P.aeruginosa の PBP 1A、
1B 及び3α、S.aureus の PBP 1及び 2 などに対して強い親和性を
示し、細菌細胞壁の合成阻害による殺菌作用を示す。
1) 殺菌作用(in vitro)2)~4)
セフェピム(CFPM)は、E.coli に対して 0.012μg/mL 以上の濃度
で経時的な生菌数の減少を示し、セフタジジム(CAZ)と比較し約
1/4 の濃度で殺菌作用を示した。P.aeruginosa に対しては、CAZ
と類似した殺菌作用を示し、3.13μg/mL 以上の濃度で顕著な殺菌
作用を示した。A.calcoaceticus に 対 し て は 濃 度 に 依 存 し た 殺
菌効果を示し、0.78μg/mL では CAZ の 3.13μg/mL と同程度の生菌
数の減少を示した。
48
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
CFPM の各種細菌に対する MIC(最小発育阻止濃度)と MBC(最小殺菌濃
度)の差は、いずれも1希釈段階以下で、顕著な差は認められなかっ
た。
表 28 MICとMBCの比較
菌
種
S.aureus FDA 209P
E.coli NIHJ JC-2
K.pneumoniae PCI-602
S.marcescens IAM1184
E.cloacae 963
P.vulgaris OX-19
P.aeruginosa IFO 3445
(μg/mL)
CFPM
CAZ
CZON
CTX
MIC MBC MIC MBC MIC MBC MIC MBC
1.56
0.1
0.025
0.1
0.05
0.2
1.56
3.13
0.1
0.05
0.2
0.1
0.2
3.13
3.13
3.13
1.56
0.39
6.25 25
0.2
0.2
0.39
0.2
0.39
0.39
0.006 0.013 0.013 0.013
0.2
0.2
0.39
0.2
0.39
0.39
0.2
0.1
0.78
0.39
1.56
1.56
1.56
1.56
0.2
0.2
0.1
0.1
3.13
3.13
50
12.5
50
3.13 25
1.56
液体培地希釈法(接種菌量:105 cells/mL)
CAZ:セフタジジム、CZON:セフゾナム
CTX:セフォタキシム
2) 抗菌スペクトル(in vitro)
標準菌株に対する最小発育阻止濃度(MIC)
・好気性菌 4)
49
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
・嫌気性菌 5)
50
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
3) CFPM の臨床分離株に対する抗菌力(in vitro)
51
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
(2) 薬効を裏付ける
試験成績
1) 全身感染モデル(正常マウス)
①単独菌感染 4)
マウス腹腔内に各種試験菌を接種し、マウス腹腔内感染症に対
する CFPM の治療効果(ED50)を検討した。CFPM はグラム陽性菌、
グラム陰性菌による腹腔内感染症に優れた治療効果を示し、特に
グラム陰性菌に対してセフタジジム(CAZ)、セフゾナム(CZON)及
びセフォタキシム(CTX)より優れた治療効果が認められた。
表 29 マウス単独菌全身感染モデルにおける感染防御効果
試 験 菌 株
52
投与
経路
S.aureus Smith
筋注
E.coli ML4707
筋注
K.pneumoniae
GN6445
筋注
S.marcescens
GN7577
筋注
P.aeruginosa
GN11189
筋注
薬 剤
CFPM
CAZ
CZON
CTX
CFPM
CAZ
CZON
CTX
CFPM
CAZ
CZON
CTX
CFPM
CAZ
CZON
CTX
CFPM
CAZ
CZON
CTX
MIC
(μg/mL)
1.56
6.25
0.39
1.56
0.013
0.05
0.05
0.025
0.013
0.05
0.05
0.025
0.1
0.39
0.78
0.39
0.78
0.78
12.5
6.25
正常モデル
接種菌量
(CFU/mouse)
3.2×10
6
7.9×105
1.3×106
7.9×105
1×106
ED50
(mg/kg)
10
36
1.4
12
0.13
0.39
0.44
0.84
0.22
1.6
1.9
1.5
0.027
0.066
0.084
0.29
7.5
8.2
>160
102
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
②複数菌感染 6)
マウス腹腔内に E.coli と P.aeruginosa または B.fragilis
とを組み合わせた2種類の菌を同時に接種し、複数菌によるマウ
ス腹腔内感染症に対する CFPM の治療効果(ED50)を検討した。そ
の結果、CFPM はセフタジジム(CAZ)及びセフォペラゾン(CPZ)に
比べ優れた治療効果が認められた。
表 30 マウス複数菌全身感染モデルにおける感染防御効果
接種菌量
(CFU/mouse)
薬 剤
E.coli C-11
+
P.aeruginosa TMS13
2.1×105
CFPM
≦0.013
1.56
49.5
CAZ
0.1
1.56
78.5
CPZ
≦0.013
3.13
E.coli C-11
+
B.fragilis GM7004
1
×107
CFPM
≦0.013
>100
1.0
3
×107
CAZ
0.1
>100
12.5
CPZ
≦0.013
>100
10.0
試 験 菌 株
2.8×103
MIC(μg/mL)
E.coli
other
ED50
(mg/kg)
315
投与経路:皮下投与
実験方法
マウス腹腔内に2種類の菌を同時に接種し、1時間後に各薬剤
を1回皮下投与した。その後、5日間生死を観察しマウスの生存
数より van der waerden 法により ED50 値を算出した(1群6匹)。
53
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
③白血球減少マウスにおける腹腔内感染症治療効果 4)
細菌感染4日前にシクロフォスファミドを腹腔内投与し作成し
た白血球減少マウスを用いて、腹腔内感染症に対する CFPM の治
療効果(ED50)を検討した。その結果、CFPM の治療効果は、グラ
ム陰性菌感染群に対して試験に用いた薬剤中、最も強い感染防御
作用を示した。
白血球減少マウス感染モデルにおける感染防御効果
実験方法
シクロフォスファミドを菌接種、4日前に腹腔内投与し、その
後マウス腹腔内に菌を接種し1時間後に各薬剤を1回筋肉内投与
した。その後、7日間生死を観察し、マウスの生存数より
Litchfield & Wilcoxon 法により ED50 値を算出した(1群 10 匹)。
54
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
2) 局所感染モデル(マウス)6)
①マウス呼吸器感染症に対する治療効果
K.pneumoniae 3K-25 の経鼻接種により惹起させたマウス肺感
染症に対する CFPM の治療効果を検討した結果、CFPM と CAZ は菌
接種2日後まで同様な生菌数の減少を示したが、3~7日後では
CFPM の方が菌減少が著しかった。
55
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
②マウス尿路感染症に対する治療効果 5)
E.coli KU-3 及び P.aeruginosa KU-1 によるマウス尿路感染
症に対する CFPM の治療効果を検討した結果、CFPM は E.coli
及び P.aeruginosa に対し、CAZ より優れた効果が認められた。
56
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
3) β-ラクタマーゼに対する安定性及び親和性(in vitro)
①β-ラクタマーゼに対する安定性 4)
CFPM は各菌種の産生するβ-ラクタマーゼに対して高い安定
性を示した。
表 31 各種β-ラクタマーゼによる相対加水分解速度
β-ラクタマーゼ型/由来
相対加水分解速度
CFPM
CAZ CZON CTX CMX CXM CER
セファロスポリナーゼ(CSasa)*
E.coli GN5482
E.cloacae GN7471
C.freundii GN7391
S.marcescens GN10857
P.rettgeri GN4430
M.morganii GN5407
P.aeruginosa GN10362
<0.3
<0.4
0.4
1.1
<0.5
<0.7
<0.4
<0.3
<0.4
<0.4
<0.3
<0.5
<0.4
<0.4
オキシイミノセファロスポリナーゼ
(CXase)**
P.vulgaris GN7919
P.cepocia GN11164
K.oxytoca GN10560
X.maltophilia GN12873
F.odoratum GN14053
1.1
3.7
8.4
13
<1.7
<0.8
<1.4
4.7
6.5
<1.7
ペニシリナーゼ(PCase)***
TypeⅠ(E.coli W3630 Rms212)
TypeⅡ(E.coli W3630 Rms213)
TypeⅢ(E.coli W3630 Rte16)
TypeⅣ(P.aeruginosa M1 Rms139)
0.1
34
0.2
0.2
<0.1
0.2
<0.1
0.2
<0.3
<0.4
<0.4
<0.3
6.3
<0.4
<0.4
17
64
44
125
57
0.2
6.3
<0.1
0.2
<0.4
<0.5
1.1
1.1
2.1
<0.7
0.5
19
48
25
31
89
0.1
9.6
<0.1
0.2
<0.4
<0.4
1.1
<0.5
<0.8
0.9
0.4
19
80
53
167
61
0.2
26
<0.1
0.1
<0.4
<0.4
<0.6
<0.5
<0.8
<0.9
<0.4
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
63
100
620
654
10
/
/
/
/
/
/
/
/
UV 法(pH7.0, 30℃)
* : CER の加水分解速度を 100 とした
** : CXM の加水分解速度を 100 とした
*** : ベンジルペニシリンの加水分解速度を 100 とした
/ : 試験せず
②β-ラクタマーゼに対する親和性 4),7),8)
CFPM は、各菌種の産生するβ-ラクタマーゼに対して親和性
が低い。
表 32 β-ラクタマーゼに対する親和性
セファロスポリナーゼ
由
来
E.cloacae GN7471
C.freundii GN7391
E.coli GN5482
P.aeruginosa GN10362
薬
剤
CFPM
CAZ
CTX
CZON
CMX
CET
CFPM
CAZ
CTX
CZON
CMX
CET
CFPM
CAZ
CTX
CZON
CMX
CET
CFPM
CAZ
CTX
CZON
CMX
CET
Ki
(μM)
>200
31
0.08
0.05
0.06
/
>200
37
0.01
0.06
0.03
/
>500
10
0.09
0.01
0.07
/
>210
21
0.08
0.08
0.09
/
Km
(μM)
260
17
-
/
/
76
200
6.8
-
/
/
17
/
/
/
/
/
21
/
/
/
/
/
50
/:試験せず
-:基質濃度より低いため測定不能
57
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
4) in vivo 耐性獲得試験(in vivo)9)
マウス実験的腹腔内感染における薬剤耐性株出現頻度
E.cloacae を接種して作製したマウス腹腔内感染モデルを用い
CFPM を投与し、腹水中の生菌数減少と耐性出現例数(MIC 上昇範
囲)を調べた結果、腹水中の生菌数減少が顕著であり、試験した
19 匹中に、耐性を獲得した E.cloacae は、まったく検出されず、
耐性菌を選択しにくかった。
表 33 マウス実験的腹腔内感染における薬剤耐性株出現頻度
(in vivo 耐性獲得試験)
薬
剤
CFPM
腹水中の減少細菌数
マ ウ ス
投与量
(log10 CFU)*
腹腔内
(mg/kg)
接種菌株
耐性発現 MICの上昇
×投与回数
平均値
範 囲
動物数
動 物 数 倍率の範囲*
25×2
A,B,C,D,
19
0
-
5.80
3.9 -6.7
CTRX
50×1
A
B
C
D
5
5
5
8
5
2
5
8
40- 140
200
400- 800
800-1,200
1.96
3.74
1.64
0.98
1.15-3.05
2.0 -5.05
1.0 -3.0
0.0 -2.0
CTRX
50×2
A,B,C,D,
22
22
140-1,200
-
-
CTRX
500×1
A
B
C
D
5
5
5
5
0
1
3
3
-
120
800
800
4.15
4.74
4.66
4.49
4.05-4.3
3.3 -5.3
3.9 -5.4
4.0 -4.9
CRMN
25×2
A
B
C
D
6
6
6
6
0
0
4
1
-
-
200
400
5.10
5.96
4.37
4.82
3.5
5.3
3.0
4.2
-6.05
-6.9
-5.3
-5.3
接種菌株 A,B,C,D は,E.cloacae の臨床分離株(それぞれ菌株 218, 908, 219, 895)
*:無処置マウスとの比較
CTRX:セフトリアキソン、CRMN:カルモナム
(3) 作用発現時間・
持続時間
58
該当資料なし
Ⅶ. 薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・
測定法
(1) 治療上有効な血中
感染部位、起炎菌の感受性により異なる。
濃度
(2) 最高血中濃度到達
静脈内注射又は点滴静注終了時
時間
(3) 臨床試験で確認さ
れた血中濃度
1) 単回投与
○健常成人
①静注時 10)
CFPM 0.25g(力価)、0.5g(力価)、1g(力価)を1回静注投与し
た時の血清中濃度推移は下図の通りで、血中半減期は約 1.6 時
間であった。
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少症」で
あり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状により 1 日 1
~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。なお、難治性又
は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量し分割投与す
る。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)を 2 回に分割
し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
59
Ⅶ.薬物動態に関する項目
②30分間点滴静注時 11)
CFPM 0.5g(力価)、1g(力価)、2g(力価)を 30 分かけて点滴静
注した時の血清中濃度推移は下図の通りで、血中半減期は約
1.8 時間であった。
2) 連続投与 11)
連続投与による蓄積性は認められなかった。
CFPM1g×2回/日×5日間(9回)、30 分間点滴静注時
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少症」で
あり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状により 1 日 1
~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。なお、難治性又
は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量し分割投与す
る。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)を 2 回に分割
し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
60
Ⅶ.薬物動態に関する項目
3) 腎機能障害時の血清中濃度及び尿中排泄 1),12),52)
腎機能障害患者に CFPM 1g を点滴静注し、その体内動態を検討した
ところ、腎機能の低下に伴い、尿中への排泄が遅延し、血清中濃度
の上昇、半減期の延長が認められている。
Ccr
(mL/min)
>50
30~50
10~30
<10
薬物速度論的パラメーター
T12β
(h)
AUC
(μg・h/mL)
CLT
(mL/min)
1.82±0.06
5.50±0.80
10.01±1.58
15.63±5.56
102.8± 16.5
229.3± 30.6
465.0± 82.3
852.5±269.8
82.4±12.3
36.9± 4.7
18.5± 4.2
11.2± 5.6
高度の腎障害のある患者には慎重に投与すること[血中濃度が持続
するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて投与すること。]
〔腎機能障害患者の静脈内投与法の一例〕
1回投与量(力価)
一般感染症
発熱性好中球減少症難治性
又は重症感染症 1)
投与間隔
1g
2g
12 時間毎
30~50 mL/min
0.5g
1g
12 時間毎
10~30 mL/min
0.5g
0.5g
12 時間毎
<10 mL/min
0.5g
0.5g
24 時間毎
0.5g
0.5g
24 時間毎
クリアチニンクリアランス
>50 mL/min
血液透析
2)
1)1 日量 4g(力価)投与が必要な場合。
2)血液透析により本剤の血中濃度が低下するので、本剤の投与は透析後に行うこと
が望ましい。
61
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(4) 中毒域
該当資料なし
(5) 食 事 ・ 併 用 薬 の
食事の摂取による影響の有無について 該当資料なし
影響
併用により影響がある薬剤については「Ⅷ.安全性(使用上の注意
等)に関する項目 7.相互作用」の項を参照のこと。
(6) 母 集 団 ( ポ ピ ュ
該当資料なし
レーション)解
析により判明し
た薬物体内動態
変動要因
2.薬物速度論的パラ
メータ 10)~11)
(1) 解析方法
健常成人男子に CFPM 0.5、1 又は 2g を 30 分間点滴静注したとき、及
びクロスオーバー法により、健常成人男子に CFPM 0.25、0.5 又は 1g
を静注したときの薬物速度論的パラメータを示す。
(2) 吸収速度定数
(3) バ イ オ ア ベ イ ラ
ビリティ
(4) 消失速度定数
(5) クリアランス
(6) 分布容積
パラメータ
Co (μg/mL)
Cmax (μg/mL)
Kel (h-1)
K12 (h-1)
K21 (h-1)
T1/2 β(h)
AUC (μg・h/mL)
Vdss (L)
CLT (mL/min)
CLR (mL/min)
静
注
0.25g
0.5g
40.6
0.870
0.848
1.249
1.60
46.6
10.3
89.7
66.3
84.0
0.945
2.111
2.250
1.59
89.0
11.6
94.2
71.8
Co
:血清中初濃度
Cmax :血清中最高濃度
Kel :消失速度定数
K12
:分布速度定数
K21
:分布速度定数
T1/2 β :生物学的半減期(β相)
AUC :濃度曲線下面積
Vdss :定常状態分布容積
CLT :全身クリアランス
CLR :腎クリアランス
62
点 滴 静 注
1g
0.5g
1g
2g
134.6
0.755
1.148
1.839
1.66
178.5
12.0
94.0
72.3
39.6
0.666
0.301
0.866
1.75
78.2
13.7
108.0
86.3
83.2
0.738
0.742
1.22
1.76
161.0
14.1
109.0
86.4
141.0
0.642
0.336
0.774
1.94
289.0
16.1
116.0
103.0
Ⅶ.薬物動態に関する項目
<参考>
ラット、イヌを用いて、14C-セフェピム(塩酸塩)を静脈内単回投与し
た時の血漿中濃度を標識化合物により検討した。またサルを用いて、
CFPM を静脈内単回投与した時の未変化体濃度を検討した。39)~40)
動物種
投与経路
投与量
(mg/kg)
血漿中濃度(μg/mL)
(血漿中濃度測定時間)
T1/2
(時間)
ラット
静注
20
59.27 (5 分)
38
イ
静注
20
83.53 (5 分)
90
静注
10
100
300
600
サ
また
ヌ
ル
14
80
740(静注終了直後)
2,520
4,980
1.8
1.5
1.7
1.8
C-セフェピム(塩酸塩) 20mg/kg をラットに1日1回7日間反
復静脈内投与したとき、最終投与後5分の血漿中濃度は単回投与とほ
ぼ同じ値を示したが、T1/2 は 44.5 時間であった。
(7) 血漿蛋白結合
率
13)
ヒト血漿蛋白との結合率は 12.4~18.6%を示した。
濃度(μg/mL)
蛋白結合率(%)
100
15.5±1.9
10
12.4±3.5
1
18.6±3.1
(限外濾過法)
3.吸収
該当資料なし
63
Ⅶ.薬物動態に関する項目
4.分布
(1) 血 液 - 脳 関 門 通
過性
<参考>
1) 単回投与 39)
ラットに
14
C-セフェピム(塩酸塩) 20mg/kg を単回静脈内投与後、
経時的に組織内濃度を測定した。本剤は、脳を除く全身に速やかに
分布し、主要排泄器官である腎臓、消化管及び脾臓に血漿中濃度と
比較して高濃度に残存する傾向を示したが他の組織からは速やかに
消失した。
表 34 ラットにおける 14C-セフェピム(塩酸塩)静注時の組織内濃度
5min
57.47± 3.19
血 漿
56.79± 3.45
血 清
35.86± 2.17
血 液
0.66± 0.15
大 脳
1.01± 0.50
小 脳
12.23± 3.45
下垂体
5.75± 0.47
眼 球
7.01± 1.66
ハーダー腺
13.24± 0.76
甲状腺
10.45± 1.63
下顎腺
4.19± 0.36
胸 腺
8.59± 0.71
心 臓
31.38± 9.03
気 管
19.73± 0.63
肺
7.14± 1.04
肝 臓
149.40± 37.67
腎 臓
7.62± 1.36
副 腎
6.94± 0.24
脾 臓
6.77± 0.87
膵 臓
2.35± 0.69
脂 肪
8.26± 2.62
褐色脂肪
4.65± 0.82
骨格筋
22.14± 1.94
皮 膚
8.23± 0.04
骨 髄
30.48± 6.49
動 脈
7.64± 1.15
精 巣
13.08± 2.31
精巣上体
6.54± 2.41
前立腺
334.56±175.38
膀 胱
胃
11.54± 0.52
5.70± 1.32
小 腸
7.83± 2.79
盲 腸
9.15± 1.36
大 腸
組織内濃度(μg eq./g or mL)
6h
24 h
0.40±0.03
0.83±0.04
0.40±0.03
0.85±0.04
0.30±0.05
0.64±0.05
N.D.【<0.03】
0.07±0.02
0.08±0.02
N.D.【<0.02】
0.46±0.04
N.D.【<0.67】
0.28±0.02
0.08±0.03
0.35±0.08
0.11±0.02
0.55±0.09
N.D.【<0.33】
0.31±0.02
0.12±0.01
0.22±0.02
0.09±0.02
0.22±0.01
0.09±0.01
0.67±0.06
0.31±0.17
0.71±0.08
0.31±0.01
0.86±0.07
0.29±0.05
3.62±0.52
2.10±0.04
0.50±0.07
0.17±0.03
2.83±1.72
2.02±0.76
0.30±0.03
0.11±0.02
0.07±0.02
0.04±0.02
0.30±0.03
0.15±0.04
0.13±0.04
0.05±0.00
1.40±0.49
0.44±0.01
0.38±0.05
0.17±0.06
0.57±0.13
0.29±0.11
0.30±0.01
0.13±0.01
0.47±0.08
0.25±0.01
0.27±0.11
0.09±0.02
1.83±1.12
0.48±0.23
0.30±0.03
0.15±0.01
0.32±0.05
0.09±0.01
4.48±4.06
0.44±0.08
2.26±1.75
0.43±0.17
120 h
0.07±0.01
0.07±0.00
0.07±0.01
N.D.【<0.02】
N.D.【<0.02】
N.D.【<0.47】
0.03±0.01
0.04±0.01
N.D.【<0.39】
0.05±0.01
0.02±0.01
0.03±0.01
0.12±0.02
0.10±0.01
0.06±0.05
0.85±0.07
N.D.【<0.10】
0.58±0.10
0.03±0.00
N.D.【<0.02】
0.04±0.01
N.D.【<0.02】
0.16±0.02
N.D.【<0.10】
0.17±0.05
0.03±0.01
0.06±0.01
0.03±0.01
0.10±0.02
0.06±0.01
0.03±0.01
0.07±0.01
0.07±0.01
投与量 20mg/kg
n=3,平均値±標準偏差
N.D.:Not detected
64
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(2) 血液-胎盤関門通
過性
<参考>
妊娠 18 日目のラットに 14C-セフェピム(塩酸塩) 10mg/kg を単回静注
した結果、投与後 15 分から羊水を除く各組織は最高濃度を示したが、
胎児では、0.39μg/g と極めて低濃度であった。羊水は3時間後に
最高濃度 0.27μg/mL に達した。CFPM は投与後、速やかに組織に分布
するが、組織からの消失も同様に速やかであり、胎児及び羊水中への
移行は極めて低い。51)
(3) 乳汁への移行性
正常分娩した産褥5日目の褥婦4例に本剤1g を 30 分間点滴静注した
時の母乳中濃度は、投与後2~4時間で 0.92~1.22μg/mL を示し
た。13)
<参考>
授乳ラットに分娩後7日連続して
14
C-セフェピム(塩酸塩) 10mg/kg
を反復静脈内投与した結果、乳汁中移行量は1%未満の微量であるも
のと推定された。51)
(4) 髄液への移行性
<参考:外国人データ>
小児細菌性髄膜炎患者 7 例に本剤 50mg/kg を投与したところ、1及び
2時間後の平均髄液中濃度は 4.3 及び 3.6μg/mL で髄液中移行は 10~
15%であったと報告されている。47)
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少症」で
あり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状により 1 日 1
~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。なお、難治性又
は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量し分割投与す
る。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)を 2 回に分割
し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
65
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(5) その他の組織への
移行性
セフェピム(CFPM) 1g を静注及び点滴静注したときの組織内濃度は下
記の通りであった。
投与後の時間
濃
度
(分)
(μg/mL またはμg/g)
投与量
投与法
症例数
喀痰中 15~16)
1g・div
4
60~120
1.9
気管支粘膜 48)
2g・div
20
290
24.1
気管支洗浄液 49)
1g・div
38
60~120
3.44
5.33
1g・div
7
95~210
9.65~37.8
51~118
1g・iv
3
60~180
6.04~33.3
61~107
1g・div
5
110~180
3.83~9.22
25~43
1g・iv
3
60~105
14.6~18.4
25~52
1g・iv
2
120
8.94
1g・iv
4
85~120
43.2
1g・div
5
120~180
13.2
1g・iv
5
30
16.59
1g・div,iv
6
30~195
3.7~127
1g・div
4
60
19.3~26.1
42~62
1g・iv
3
25
11.9~24.0
19~41
1g・div
30
60~120
10 以上
1g・iv
32
60~120
10~40
1g・div
7
180
25.0
1g・iv
6
60
36.7
1g・iv
17
30
35.5
組織または体液
上顎洞粘膜組織 17~18)
口蓋扁桃組織 17~18)
耳
漏 19)
中耳粘膜組織 19)
胆汁中 20~22)
腹水中 22~23)
皮膚組織 24~25)
骨盤内性器組織 14,26~29)
骨盤死腔滲出液 14,26,28~29)
前立腺組織 30)
移行率
(%)
60
66.1
(iv: 静注、div:点滴静注)
5.代謝
(1) 代 謝 部 位 及 び 代
謝経路
1) 健常成人男子に3位標識
14
C-セフェピム(塩酸塩) 1g 点滴静注に
よる代謝物の検索(外国人データ)31)
血漿中及び尿中代謝物を検索した結果、血漿中では、投与後4~6
時間以内で放射能の大部分が未変化体であった。
尿中では、投与後8時間で放射能の 75%が未変化体として排泄さ
れ、代謝物である NMP N-oxide 5.8%、C-7 異性体 2.1%及び NMP
1%未満であった。(NMP:N-メチルピロリジン)
糞中への放射能は無視できる程度に微量であった。
2) TLC/バイオオートグラフィーによる代謝物の検索 32)
本剤2g を健常成人に投与したときの尿について、TLC/バイオオー
トグラフィーにより検討した結果、CFPM 以外に抗菌活性を示すス
ポットは検出されなかった。
66
Ⅶ.薬物動態に関する項目
<参考>
1) 代謝物 41)
ラット及びイヌに
14
C-セフェピム(塩酸塩)を静注し、血漿中及び
尿中の代謝物を検索した。7位標識
14
C-セフェピム(塩酸塩)にお
いて両動物とも血漿中、尿中の代謝物は、C-7異性体がわずか
4%以下検出され、血漿においては投与後、1時間以内で約 90%
以上が未変化体として検出された。また、尿中において放射能の大
部分が8時間以内に未変化体として排泄された。
ラットに3位標識
14
C-セフェピム(塩酸塩)を静注したとき、24 時
間までに放射能の 65%が未変化体として尿中に排泄され、NMP Noxide は9%、NMP は 1.5%であった。
2) 推定代謝経路
CFPM は生体内において、通常の分解反応によりC-7異性体、NMP
等が生成され、NMP は生体中の酸化酵素により速やかに NMP Noxide に代謝されるものと考えられる。
67
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(2) 代謝に関与する酵
該当資料なし
素(CYP450等)の分
子種
(3) 初回通過効果の有
該当しない(本剤は注射用製剤である)
無及びその割合
(4) 代 謝 物 の 活 性 の
有無及び比率
CFPM の代謝物の抗菌力(in vitro)
尿中における主要な代謝物のうち、NMP 及び NMP N-oxide の抗菌力
を標準菌株に対して測定した結果は下表の通りで、いずれの菌に対し
ても抗菌力を示さなかった。
菌
種
B.subtilis ATCC 6633
M.luteus ATCC 9341
S.aureus FDA 209P
E.coli NIHJ JC-2
P.aeruginosa NCTC 10490
K.pneumoniae ATCC 10031
P.vulgaris IFO 3851
S.marcescens IFO 12648
E.cloacae IFO 13535
M.morganii IFO 3848
(5) 活性代謝物の
速度論的パラメ
ータ
68
接種菌量
(CFU/mL)
2.0×106
0.4×108
0.9×106
0.9×108
1.2×106
1.2×108
2.3×106
2.3×108
1.0×106
1.0×108
1.1×106
1.1×108
1.4×106
1.4×108
2.2×106
2.2×108
1.5×106
1.5×108
1.1×106
1.1×108
MIC(μg/mL)
NMP
NMP
N-oxide
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
>400
該当しない(本剤の代謝物に活性を有するものは確認されていない)
Ⅶ.薬物動態に関する項目
6.排泄
(1) 排泄部位及び
腎排泄(主に糸球体ろ過と考えられる)
経路
(2) 排泄率
尿中排泄
(3) 排泄速度
1) 単回投与 10~11)
健常成人に本剤 0.5g、1g 及び2g を 30 分間点滴静注した時、投
与後 24 時間までの尿中排泄率はそれぞれ投与量の 80%、83%及び
89%であった。また、健常成人に本剤 0.25g、0.5g 及び1g を静注
したとき、投与後8時間までの尿中排泄率はそれぞれ投与量の
74%、75%及び 75%であった。
30 分間点滴静注時の尿中排泄
(注)本剤の承認された効能又は効果は「1. 一般感染症、2.発熱性好中球減少症」で
あり、それぞれの承認用量は「1.一般感染症 通常成人には、症状により 1 日 1
~2g(力価)を 2 回に分割し、静脈内注射又は点滴静注する。なお、難治性又
は重症感染症には、症状に応じて 1 日量を 4g(力価)まで増量し分割投与す
る。 2. 発熱性好中球減少症 通常成人には、1 日 4g(力価)を 2 回に分割
し、静脈内注射又は点滴静注する。」である。
69
Ⅶ.薬物動態に関する項目
2) 腎排泄機序 33)
健康成人男性 6 例にプロベネシド 1.0g 及び 0.5g を各々CFPM
(1.0g を 30 分かけて点滴投与)2 時間前と 4 時間後に経口投与し
たところ、CFPM の体内動態は、プロベネシドの影響をほとんど受
けず、腎排泄機序は糸球体ろ過のみで尿細管分泌の関与はほとんど
無いものと考えられた。
7.トランスポーター
に関する情報
70
該当資料なし
Ⅶ.薬物動態に関する項目
8.透析等による除去
率 1)
(1) 腹膜透析
(2) 血液透析
(3) 直接血液灌流
対
象
Ccr
t1/2(時間)
>50mL/min
1.82±0.06
軽度低下群
30~50mL/min
5.50±0.80
中等度低下群
10~30mL/min
10.01±1.58
正常群
<10mL
高度低下群
血液浄化群
15.63±5.56
HD(血液透析)
2.17±0.39
HF(血液濾過)
1.74±0.13
CAPD(腹膜透析)
15.25±2.76
<参考:外国人データ>
敗血症ショックによる急性腎不全のため CVVHD 施行中の6例に CFPM2g
を 0.5 時間以上かけて 12 時間毎に静脈内に投与した。その結果、投与
1時間後の平均血中濃度は 53±21.9mg/であり、消失半減期(平均)
は 8.11±2.22 時間、トータルクリアランス 66.57±30.14mL/min であ
った。CVVHD は CFPM を効果的に血中から除去し、消失半減期、透析に
よる排泄ともにほぼ一定であった。有効血中濃度を維持するために、
CVVHD 施行中の患者では2g を1日2回投与することが必要であると報
告されている。50)
71
Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
2.禁忌内容とその理由
(原則禁忌を含む)
該当しない
禁忌 (次の患者には投与しないこと)
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
原則禁忌 (次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要
とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある
患者
3.効能又は効果に関
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
連する使用上の注
意とその理由
4.用法及び用量に関
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
連する使用上の注
意とその理由
5.慎重投与内容とそ
の理由
慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)
(1) ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2) 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギ
ー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3) 高度の腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を
減ずるか、投与間隔をあけて投与すること。]
(4) 高度の肝障害のある患者[肝障害を増強させるおそれがあ
る。]
(5) 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(6) 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い
患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を
十分に行うこと。
]
72
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
6.重要な基本的注意
とその理由及び処
置方法
(1) 本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に
予知できる方法がないので、次の措置をとること。
1) 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生
物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2) 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる
準備をしておくこと。
3) 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、
十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察
すること。
(2) 本剤投与前に感受性の確認が行えなかった場合、本剤投与開始
後3日をめやすとして本剤に対する感受性を確認し、本剤投与
が適正であるか判断すること。なお、本剤に感受性が認められ
ない場合、速やかに他の薬剤に変更すること。
(3) 患者の状態などから判断して、7日以上にわたって本剤を投与す
る場合には、その理由を常時明確にし、発疹の出現や肝機能異常
等の副作用に留意し、漫然とした継続投与は行わないこと。
(4) 発熱性好中球減少症の治療において、本剤は、好中球減少症で
ありかつ発熱が認められた場合に限定して使用すること(<効
能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
(5) 発熱性好中球減少症の治療においては、好中球数、発熱の回復
が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
(6) 発熱性好中球減少症の患者への使用にあたっては、腫瘍熱・薬
剤熱等の非感染症の発熱であることが確認された場合には速や
かに投与を中止すること。
7.相互作用
(1) 併 用 禁 忌 と そ の
該当しない
理由
(2) 併 用 注 意 と そ の
理由
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
利尿剤
フロセミド等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
類似化合物(他のセフェム
系抗生物質)で腎障害増強
作用が報告されているの
で、併用する場合には腎
機能に注意すること。
機 序 は不 明で ある が、 利 尿
時 の 脱水 によ る血 中濃 度 の
上昇が考えられる。
73
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
8.副作用
(1) 副作用の概要
副作用の概要(再審査終了時までの集計)
総症例 15,316 例(承認時 1,641 例、使用成績調査 12,949 例、特別
調査 513 例及び市販後臨床試験 213 例)における副作用及び臨床
検査値異常の発現率は 8.82%であり、主なものは ALT(GPT)上昇
313 件(2.04%)、AST(GOT)上昇 301 件(1.97%)、肝機能障害 170
件(1.11%)、好酸球増多(症)120 件(0.78%)、Al-P 上昇 116 件
(0.76%)
、LDH 上昇 107 件(0.70%)、γ-GTP 上昇 99 件(0.65%)、
発 疹 85 件 (0.55 % )、 BUN 上 昇 75 件 (0.49 % )、 貧 血 69 件
(0.45%)等であった。
(2) 重 大 な 副 作 用 と
初期症状
1) 重大な副作用
1) ショック、アナフィラキシー様症状(0.1%未満):ショッ
ク、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので観
察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹、
血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置
を行うこと。
2) 偽膜性大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤
な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわ
れた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこ
と。
3) 急性腎不全(0.1%未満):急性腎不全等の重篤な腎障害があ
らわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十
分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
4) 汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)、血小板減
少(0.3%):汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわ
れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に
行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置
を行うこと。
5) 間質性肺炎(0.1%未満)、PIE 症候群(0.1%未満):発熱、咳
嗽、呼吸困難、胸部 X 線像異常、好酸球増多等を伴う間質性
肺炎、PIE 症候群等があらわれることがあるので、観察を十
分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止
し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 (Toxic Epidermal Necrolysis:
TEN)(0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候
群)(0.1%未満):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認
74
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7) 肝機能障害(1.1%)、黄疸(0.1%未満):AST(GOT)、ALT(GPT)、
Al-P、LDH、γ-GTP、LAP の上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が
あらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め
られた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8) 精神神経症状(0.1%未満):意識障害、昏睡、痙攣、振戦、ミ
オクローヌス等の精神神経症状があらわれることがある。特に
腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。
2) 重大な副作用(類薬)
溶血性貧血:他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれ
ることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認
められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(3) その他の副作用
その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止す
るなど適切な処置を行うこと。
種類\頻度
過敏症
注 1)
0.1%~5%未満
発疹
0.1%未満
蕁麻疹、紅斑、瘙痒、発熱
血液
貧血、顆粒球減少、好
酸球増多、血小板増多
腎臓
BUN 上昇、クレアチニ 血清カリウム上昇
ン上昇、蛋白尿
肝臓
LAP 上昇
AST(GOT)上昇注 2)、
ALT(GPT)上昇注 2)、
Al-P 上昇、LDH 上昇、
γ -GTP 上 昇、 ビリ ル
ビン上昇
消化器
下痢、悪心
嘔吐、食欲不振、腹痛、便秘
精神神経系
めまい、しびれ
菌交代症
カンジダ症、口内炎
ビタミン
欠乏症
ビタミン K 欠乏症状(低プロト
ロンビン血症、出血傾向等)、
ビタミン B 群欠乏症状(舌炎、
口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
頭痛、点滴中の気分不良、血
圧低下、顔面紅潮、悪寒、味
覚異常
注 1) このような場合には投与を中止すること。
注 2) 投与期間が長くなるに従い、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等の臨床
検査値異常変動の発現率が高くなる傾向が認められているので、
やむを得ず 10 日を越えて連日投与する場合には、定期的に検査
を行うなど注意すること。
75
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(4) 項 目 別 副 作 用 発
現頻度及び臨床
検査値異常一覧
「Ⅴ.治療に関する項目
(5)使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験における副作用発現状況
(表 17-1~17-3〔p29~31〕
、表 22〔p42〕
、表 25・表 26〔p45~46〕)を
参照
(5) 基 礎 疾 患 、 合 併
該当資料なし
症、重症度及び
手術の有無等背
景別の副作用発
現頻度
(6) 薬 物 ア レ ル ギ ー
に対する注意及
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
び試験法
原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要
とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある
患者
8.副作用
2) その他の副作用
注 1)
過敏症
0.1%~5%未満:発疹
0.1%未満
:蕁麻疹、紅斑、瘙痒、発熱
注 1) このような場合には投与を中止すること。
9.高齢者への投与
高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が
持続するおそれがあるので、1回 0.5g から投与を開始し、次の点
に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1) 発疹、発熱等のアレルギー症状並びに下痢等の消化器症状等の
副作用が報告されている。
(2) 他のセフェム系抗生物質においてビタミンK欠乏による出血傾
向があらわれたとの報告がある。
※Ⅶ-1の項参照。
10.妊婦、産婦、授乳
婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性
が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊
娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
(2) 本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中ヘ移行する
ことがある。]
76
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
11.小児等への投与
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確
立していない(使用経験がない)。
12.臨床検査結果に及
ぼす影響
臨床検査結果に及ぼす影響
(1) テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、
クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるの
で注意すること。
(2) 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
13.過量投与
過量投与
過量投与により、意識障害、痙攣等の精神神経症状を起こすこと
がある。特に腎機能障害患者ではこのような症状があらわれやす
い。なお、本剤は血液透析により体内から除去されるが、腹膜透析
は有効ではない。
14.適用上の注意
適用上の注意
(1) 投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
(2) 投与速度:静脈内大量投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起
こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注
射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はでき
るだけ遅くすること。また、点滴静注は 30 分以上かけて静脈
内に注射すること。
(3) 調製方法:調製後は速やかに使用すること。
(4) 配合変化:メシル酸ガベキサート製剤と配合すると、配合直後
に沈殿が起こることがあるので、配合を避けること。
(理由)該当資料なし
15.その他の注意
該当しない
16.その他
該当しない
77
Ⅸ. 非臨床試験に関する項目
1. 薬理試験 34)
(1) 薬効薬理試験
(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照)
(2) 副次的薬理試験
該当資料なし
(3) 安全性薬理試験
1) 一般行動に及ぼす影響
一般行動(マウス、ラット)自発運動量(マウス)に及ぼすセフェ
ピムの影響は、マウスで 1,000mg/kg iv において、自発運動量をわ
ずかに減少させた以外マウス 300mg/kg 及びラット 500mg/kg で有意
な影響は認められなかった。
2) 中枢・体性神経系に及ぼす影響
セフェピムの各種中枢・体性神経系に及ぼす影響を検討した結果、
抗痙攣作用(マウス:電撃痙攣、ペンテトラゾール痙攣)、筋弛緩
作用(マウス)では、投与量 1,000mg/kg iv で影響は認められなか
った。また、体温については、マウスは 300mg/kg iv、ラットでは
500mg/kg iv で影響は認められなかったが、マウスの 1,000mg/kg
iv で低下が認められた。また、チオペンタール麻酔作用(マウ
ス)ではセフェピムの投与量 1,000mg/kg iv で麻酔時間を有意に延
長し、酢酸 writhing では 1,000mg/kg iv で writhing 数の有意な減
少が認められた。自発脳波(ウサギ)に及ぼす影響は、1,000mg/kg
iv で著明な変化は認められなかった。
3) 自律神経系・平滑筋に及ぼす影響
モ ル モ ッ ト 回 腸 を 用 い て 、 in vitro に て セフ ェ ピ ム の 0.1 ~
1.0mg/mL の濃度の作用を検討した。セフェピムは摘出回腸の緊張
に影響を及ぼさなかった。各種アゴニストの摘出回腸に対する作用
(ヒスタミン、アセチルコリン、塩化バリウム)にもセフェピムは
影響を及ぼさなかった。
4) 呼吸器・循環器系に及ぼす影響
ウレタン麻酔下のウサギにセフェピム 1,000mg/kg を大腿静脈内に
投与後、1時間観察した。その結果、セフェピム 1,000mg/kg で呼
吸運動の増加、大腿動脈血圧、心拍数の減少、頸動脈血流量のわず
かな減少が認められた。心電図においてはR波振幅の増加、R-R
時間の延長を示した。
5) 消化器系に及ぼす影響
セフェピムの消化器系への影響を検討した結果、セフェピム 1,000
mg/kg iv でマウス腸管内輸送能に影響を及ぼさなかった。胃液分
布では、セフェピム 500mg/kg iv でラットの胃液分泌量、総酸度
及び胃液 pH に影響は認められなかった。
78
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
6) 水及び電解質代謝に及ぼす影響
ラットを用いたセフェピムの水及び電解質代謝に及ぼす影響を検討
した結果、セフェピム 200 及び 500mg/kg 投与群において尿量が0
~3時間尿で減少、3~6時間尿で増加したが、0~6時間の総尿
量では対照群との間に有意な差は認められなかった。
尿中電解質排泄量についてはNa+ の排泄量がセフェピム 500mg/kg
投与群の0~3時間尿で減少し、3~6時間尿では増加した。0~
6時間尿においては、影響は認められなかった。
7) その他の系に及ぼす影響
・ウサギを用いた in vitro でのセフェピムの全血凝固時間に及ぼ
す影響を検討した結果、セフェピム 100mg/mL においては凝固時
間を延長する傾向を示した。
・ラットを用いたセフェピムのカルシウムイオン再加凝固時間及び
プロトロンビン時間に及ぼす影響を検討した結果、セフェピム
500mg/kg で影響を及ぼさなかった。
・ウサギ赤血球に対してセフェピムは、10~100mg/mL の濃度では
溶血作用を示さなかった。
(4) その他の薬理試験
該当資料なし
2.毒性試験
(LD50 値:mg/kg)
(1) 単回投与毒性試験 35)
投与経路
(2) 反復投与毒性試験 36)
ラット
使用動物・性
イ ヌ
♂
♀
♂
♀
静脈内急速投与
1,272
1,067
>2,000
>2,000
静脈内持続投与
>2,000
>2,000
>2,000
-
皮
>2,000
>2,000
-
-
下
投
与
ラ ッ ト に 100 ~ 800mg/kg/ 日 の 用 量 で 1 カ 月 間 静 脈 内 投 与 、 100 ~
1,500mg/kg/日の用量で1又は6カ月間皮下投与した試験において、腎
重量の増加、盲腸の肥大、局所刺激性による二次的変化等がみられ
た。
イヌに 50~600mg/kg/日の用量で1又は6カ月間静脈内投与した試験
において、流涎、嘔吐、潮紅等の急性症状が観察され、1カ月間以上
の投与により 150mg/kg/日以上の用量で貧血、血小板及び白血球の減
少等がみられたが、投与を中止することにより回復傾向を示した。
79
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
(3) 生殖発生毒性試験 37)
ラットの交配前、妊娠期及び授乳期間中の各期間に最高 1,000mg/kg/
日(150mg~1,000mg/kg/日)を皮下投与したとき、親動物の生殖能や
次世代の生後発育に及ぼす影響はみられなかった。また胎児器官形成
期投与(250~1,000mg/kg/日、皮下投与)においても胎児及び出生児
に形態学的な異常も観察されなかった。
ウサギの器官形成期に最高 100mg/kg/日を静脈内投与したときの胎児
にも形態学的変化は認められなかった。
生殖及び発生に関する指標から判断して、無影響量はラットの親動物
に対しては 1,000mg/kg/日、次世代に対しては 500~1,000mg/kg/日、
ウサギでは母動物に対して 50mg/kg/日、次世代に対しては 100mg/kg/
日と推定された。
(4) その他の特殊毒性
1) 抗原性試験 38)
モルモット及びマウスにおける本剤の免疫原性及び誘発原性は、セ
ファロチン、セファレキシン及びベンジルペニシリンより弱く、本
剤はセファロチン、セファレキシン及びペンジルペニシリンとの免
疫学的交差反応性を示さなかった。また、本剤の直接クームス反応
作用は弱かった。
2) 変異原性試験
本剤の復帰突然変異試験、誘発突然変異頻度試験、染色体異常試
験、小核試験の結果、いずれの試験でも陰性であった。
3) 局所刺激性
ウサギを用いた血管刺激性及び筋肉刺激性試験において、本剤は耳
介静脈を用いた試験では血管刺激性はほとんどみられなかったが、
ウサギ仙棘筋を用いた試験では筋肉刺激性が認められた。その程度
はアズトレオナム及びセフォキシチンと類似していた。
4) 腎毒性
ウサギに 100、250、1,000mg/kg の用量で単回静脈内投与した試験
において腎障害を示唆する所見は認められなかった。
5) 幼若動物の精巣に及ぼす影響
生後6日齢のラットに本剤、100、500mg/kg/日 14 日間皮下投与し
た結果、精巣に影響は認められなかった。
80
Ⅹ. 管理的事項に関する項目
1.規制区分
R
製剤:注射用マキシピーム○
0.5g・1g
処方箋医薬品「注意-医師等の処方箋により使用すること」
有効成分:セフェピム塩酸塩水和物
2.有効期間又は使用
該当しない
使用期限:3年(使用期限の年月は外箱に記載されています。)
期限
3.貯法・保存条件
遮光して室温保存
4.薬剤取扱い上の注
(1) 薬局での取扱い上の留意点について
該当資料なし
意点
(2) 薬剤交付時の取扱いについて(患者等に留意すべき必須事項等)
該当しない
(3) 調剤時の留意点について
該当しない
5.承認条件等
該当しない
6.包装
注射用マキシピーム 0.5g:0.5g(力価)1バイアル×10
注射用マキシピーム 1g
:1g
(力価)1バイアル×10
7.容器の材質
無色透明のガラス瓶
8.同一成分・同効薬
同一成分薬:セフェピム塩酸塩静注用 0.5g「CMX」/セフェピム塩酸
塩静注用 1g「CMX」
セフェピム塩酸塩静注用 0.5g「サンド」/セフェピム塩
酸塩静注用 1g「サンド」
同
効
薬:セフェム系抗生物質(セフォゾプラン、セフピロム他)
9.国際誕生年月日
1993 年6月
10.製造販売承認年月
注射用マキシピーム 0.5g:1995 年6月 30 日、20700AMY00168000
日及び承認番号
11.薬価基準収載年月日
注射用マキシピーム 1g
:1995 年6月 30 日、20700AMY00169000
注射用マキシピーム 0.5g:1995 年8月 25 日
注射用マキシピーム 1g
:1995 年8月 25 日
81
12.効 能 又 は 効 果 追
加、用法及び用量
効能・効果及び用法・用量追加
2004 年9月
〈発熱性好中球減少症〉
変更追加等の年月
通常成人には、1日4g(力価)を2回に分割し、静脈内注射又は点滴
日及びその内容
静注する。
13.再審査結果、再評
価結果公表年月日
再審査結果:2007 年6月 29 日
再審査結果の内容:薬事法第 14 条2項各号(承認拒否事由)のいずれ
及びその内容
にも該当しない。
再評価結果公表年月日:2004 年9月 30 日
14.再審査期間
6年(1995 年6月 30 日~2001 年6月 29 日)
15.投与期間制限医薬
本剤は、投薬(あるいは投与)期間に関する制限は定められていな
品に関する情報
い。
16.各種コード
厚生労働省
販売名
HOT(9 桁)番号
薬価基準収載
レセプト電算コード
医薬コード
注射用マキシピーム
0.5g
注射用マキシピーム
1g
17.保険給付上の注意
82
111085202
6132425D1024
640407076
111086902
6132425D2020
640407077
該当しない
ⅩⅠ. 文献
1.引用文献
1)今川 章夫ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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2)横田 健 ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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,43,1991
6)神 智恵子ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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8)平岡 聖樹ほか:Rev. Infect. Dis. 10(4)
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11)中島 光好ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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14)伊藤 邦彦ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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15)佐藤 るり子ほか:Chemotherapy 39(S-2),127,1991
16)光武 耕太郎ほか:Chemotherapy 39(S-2),180,1991
17)鶴丸 浩士ほか:Chemotherapy 39(S-2)
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20)森本 健 ほか:Jap. J. Antibiotics 44(7)
,736,1991
21)古畑 久 ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,265,1991
22)由良 二郎ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,289,1991
23)笠野 泰生ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,301,1991
24)秋山 尚範ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,332,1991
25)池田 政身ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,338,1991
26)長 南薫ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,342,1991
27)松田 静冶ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,350,1991
28)山元 貴雄ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,366,1991
29)中桐 善康ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,373,1991
30)片山 泰弘ほか:西日本泌尿器科 53(11)
,1382,1991
31)R. H. BARBHAIYA et al.:Drug Metab. Disposition 19(1)
,68,1991
32)中名生 宏ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,92,1991
33)柴 孝也ほか:Chemotherapy 39(S-2)
,147,1991
34)後藤 新ほか:Jap. J. Antibiotics 45(6)
,661,1992
35)門田 利人ほか:Jap. J. Antibiotics 45(6)
,612,1992
36)門田 利人ほか:Jap. J. Antibiotics 45(6)
,620,1992
37)甲斐 修一ほか:Jap. J. Antibiotics 45(6)
,642,1992
38)河野 茂生:Jap. J. Antibiotics 43(7)
,1275,1990
39)江角 凱夫ほか:Jap. J. Antibiotics 45(8)
,926,1992
40)S.T.FORGUE., et al.:Antimicrob. Agents. Chemother. 31(5),
799,1987
41)S.T.FORGUE., et al.:Drug Metab. Disposition 15(6),808,1987
42)K. Tamura, et al.:Am. J. Hematol.,71(4),248,2002
43)斎藤 厚 ほか:感染症学雑誌 66(7),837,1992
83
ⅩⅠ.文献
44)浦部 晶夫ほか:化学療法の領域 15(6),103,1999
45)K. Tamura, et al.:CID,39(Suppl 1) S15,2004
46)T. Masaoka:CID,39(Suppl 1) S49,2004
47)XAVIER SAEZ-LLORENS et al., Antimicrob. Agents Chemother.
39 (4), 937, 1995(MX95-022)
48)CHACHA D et al., J. Antimicrob.Chemother. 25:959-963,1990
49)新井 千冬ほか,Jpn. J. Antibiot. 50(11),887,1997
50)Allaouchiche B. et al, Antimicrobial Agents & Chemotherapy,
41(11):2424-7,1997
51)L.F.Chasseaud et al.:社内資料
52)吉次 広如ほか:日本化学療法学会雑誌,53(5),302(2005)
2.その他の参考文献
84
特になし
ⅩⅡ. 参考資料
1.
主な外国での
発売状況
本剤の開発は世界的にほぼ同時に進行し、フランス、イタリア、ド
イツ、カナダ、米国、英国など 87 ヵ国で承認されている。
海外での承認状況(2001 年 12 月現在)
2.
海外における
PERU
UNITED ARAB
EMIRATES
ARGENTINA
DENMARK
ITALY
ARUBA
DOMINICAN
REPUBLIC
IVORY COAST PHILIPPINES
UNITED KINGDOM
AUSTRALIA
ECUADOR
JAMAICA
POLAND
UNITED STATES OF
AMERICA
AUSTRIA
EGYPT
JAPAN
PORTUGAL
URUGUAY
BAHRAIN
EL SALVADOR JORDAN
QATAR
UZBEKISTAN
BELARUS
ESTONIA
KAZAKHSTAN
ROMANIA
VENEZUELA
BELGIUM
FINLAND
KOREA
RUSSIA
VIETNAM
BENIN
FRANCE
KUWAIT
SAUDI ARABIA
BRAZIL
GABON
LATVIA
SINGAPORE
BULGARIA
GERMANY
LEBANON
SOUTH AFRICA
BURKINA
GREECE
LITHUANIA
SPAIN
CAMEROON
GUATEMALA
LUXEMBOURG SWEDEN
CANADA
GUINEA
MALAYSIA
SWITZERLAND
CHILE
HONDURAS
MEXICO
TAIWAN
COLOMBIA
HONG KONG
NEW ZEALAND
THAILAND
COSTA RICA
HUNGARY
NIGER
TOGO
CROATIA
ICELAND
OMAN
TRINIDAD
TOBAGO
CURACAO
INDONESIA
PAKISTAN
TURKEY
CYPRUS
IRELAND
PANAMA
UGANDA
CZECH
REPUBLIC
ISRAEL
PEOPLES
REPUBLIC OF
CHINA
UKRAINE
該当資料なし
臨床支援情報
85
ⅩⅢ. 備考
その他の関連資料
・配合変化表
検
体:注射用マキシピーム 0.5g、1g
観察項目:外観、pH、マキシピーム残存率
観察期間:配合直後、1、3、6、24 時間後
変
化:-:配合後 24 時間で外観・残存率変化を認めなかった。
n:配合後n時間で外観変化を認めた。
+:配合直後から1時間以内に外観変化を認めた。
薬効分類
解熱鎮痛消炎剤
局所麻酔剤
鎮けい剤
商 品 名
含量/容量
メチロン注 25%
1mL
キシロカイン注射液「2%」
20mL
エピレナミン(1:80,000)
含有
ブスコパン注射液2%
1mL
カタボン・Hi
変化
第一製薬
-
藤沢
-
ベーリンガー・
田辺
-
-
ジゴシン注
0.25mg/1mL
中外
-
ネオフィリン注
250mg/10mL
エーザイ
1
含量1時間保存で 73.1%に低下。
注 1)
ネオフィリン注+
5%ブドウ糖注射液
(グルノン-5%)
250mg/10mL+500mL
6
含量6時間保存で 66.0%に低下。
250mg/20mL+500mL
250mg/10mL+500mL
250mg/20mL+500mL
エーザイ+扶桑
エーザイ+清水
-
-
6
250mg/10mL+500mL
プレドバ注 200
200mg/200mL
Bブラウン・
協和発酵
-
利尿剤
ラシックス注
200mg/200mL
ヘキスト
-
血管拡張剤
ペルサンチン注射液
10mg/2mL
-
20%マンニットール注射液
「日研」
ベーリンガー・
田辺
500mL
日研
+
ニコリン注射液
500mg/10mL
武田
-
注射用ルシドリール
250mg/D.W. 10mL
注射用ルシドリール+
生理食塩水
250mg/D.W. 10mL+500mL
ビソルボン注射液 0.2%
2mL
ベーリンガー・
武田
-
ガスター注射用 20mg
20mg/sal. 20mL
山之内
-
タガメット注射液 200mg
200mg/2mL
藤沢・SBS
-
3mg/3mL
SBS
-
ソル・コーテフ 500
500mg/sol. 4mL
住友・アップジ
ョン
-
デカドロン注射液
8mg/2mL
萬有
-
20mg/sol. 4mL
塩野義
-
消化性腫瘍用剤
その他の消化器官用薬 カイトリル注射液
副腎ホルモン剤
水溶性プレドニン 20mg
略号
86
D.W.:注射用水
sal.:生理食塩水
250mg/20mL+500mL
sol.:添付希釈液
エーザイ+扶桑
大日本
含量6時間保存で 83.9%に低下。
-
ネオフィリン注+
生理食塩液
(フィシザルツ-FC)
去たん剤
考
日研
ネオフィリン注+
ソリタ-T3号
その他の循環器官用薬
備
200mL
カタボン・Low
強心剤
会社名
6
含量6時間保存で 86.2%に低下。
-
+
-
注 2)
注 3)
配合直後に混濁・沈殿
ⅩⅢ.備考
薬効分類
ビタミンB1剤
ビタミンB剤
(ビタミンB1剤を
除く。)
ビタミンC剤
ビタミンK剤
商 品 名
含量/容量
-
ヌトラーゼ「杏林」50mg
50mg/sol. 2mL
杏林
-
ビスラーゼ注射液 20mg
20mg/2mL
トーアエイヨー
-
ピドキサール注
10mg/1mL
中外
-
フラッド注-20
20mg/2mL
大鵬
-
高単位アスコルチン注射液
500mg/2mL
東京田辺
24
含量 24 時間保存で 80.5%に低下。
ビタミン注射液 500mg
500mg/2mL
武田
24
含量 24 時間保存で 81.2%に低下。
ケーワン注 10mg
300mg/3mL
エーザイ
-
三共
-
武田
24
大日本
-
カルチコール注射液
425mg/5mL
5%大塚糖液
500mL
トリパレン1号+アミパレン
トリパレン2号+アミパレン
ハイカリック液-1号+
テルアミノ-12X
ハイカリック液-2号+
テルアミノ-12X
ハイカリック液-3号+
テルアミノ-12X
600mL+300mL
大塚工場
-
-
700mL+200mL
700mL+400mL
-
テルモ
-
-
500mg
大塚工場
-
パレメンタールA+
アミニック
パレメンタールB+
アミニック
600mg+300mL
森下ルセル
24
テルモ・田辺
-
大塚工場
-
200mL
森下ルセル
6
プラスアミノ
500mL
大塚工場
-
モリプロンF
200mL
アミノレバン
たん白アミノ酸製剤 アミュー
500mL
EL-3号
24
森下ルセル
10EL-3号
500mL
500mg
大塚工場
-
-
-
アクチット注
-
500mL
クリニザルツB
sal.:生理食塩水
含量 24 時間保存で 80.6%に低下。
注 4)
-
KN補液3B
ヴィーンF
含量6時間保存で 85.8%に低下。
注 5)
-
KN補液1B
ヴィーンD注
含量 24 時間保存で 82.6%に低下。
注 4)
含量 24 時間保存で 87.6%に低下。
注 4)
-
KN補液1A
KN補液3A
含量 24 時間保存で 87.7%に低下。
-
マルトス-10
アミカリック
D.W.:注射用水
考
武田
カルシウム剤
略号
備
50mg/20mL
1V/sal. 10mL
血液代用剤
変化
アリナミンF50 注
ビタメジン静注用
混合ビタミン剤
(ビ タミ ン A・D混 合
製剤を除く。)
静注用ビタノイリン
糖類剤
会社名
日研
-
-
小林薬工
-
sol.:添付希釈液
87
ⅩⅢ.備考
薬効分類
商 品 名
含量/容量
クリニザルツS
会社名
小林薬工
ソリタ-T1号
備
考
-
-
ソリタ-T2号
清水
ソリタ-T3号
ソリタ-T4号
-
-
-
ソルデム3
テルモ
ソルデム3A
デキストラン糖注「オーツカ」
ハルトマン液-ミドリ
ハルトマン液 pH :8-ミドリ
血液代用剤
変化
大塚工場
-
-
-
-
500mL
-
フィジオゾール・1号L
-
フィジオゾール・2号
-
フィジオゾール・3号
ミドリ十字
フィジオゾール・3号F
-
-
フィジオゾール・3号S
-
フィジオゾール・4号
-
フィジオゾール・4号F
-
フィジオゾール・4号S
-
ポタコールR
500mg
-
大塚工場
ラクテックG注
500mL
ラクテック注
生理食塩液
-
-
テルモ
-
アドナ(AC-17)注射液
(静注用)
100mg/20mL
田辺
-
トランサミンS注
1g/10mL
第一製薬
24
血液凝固阻止剤
ノボ・ヘパリン注 1000
5,000 単位/5mL
小玉
-
肝臓疾患用剤
強力ネオミノファーゲンシー
20mL
ミノファーゲン
24
タチオン注射用
200mg/sol. 3mL
山之内
-
メイロン 84
250mL
大塚工場
6
ミラクリッド
25,000 単位/sal. 10mL 持田
注射用エフォーワイ
100mg/D.W. 5mL
注射用エフォーワイ+
生理食塩液
100mg/D.W. 5mL+500mL
注射用エスキノン
1mg/sol. 10mL
三共
-
注射用エンドキサン
100mg/D.W. 5mL
塩野義
-
5-FU協和
250mg/5mL
協和発酵
1
含量1時間保存で 89.7%に低下。
注 1)
協和発酵+扶桑
6
含量6時間保存で 53.9%に低下。
止血剤
解毒剤
他に分類されない
代謝性医薬品
アルキル化剤
代謝拮抗剤
略号
88
D.W.:注射用水
5-FU協和+5%ブドウ糖 250mg/5mL+500mL
注射液(グルノン-5%)
sal.:生理食塩水
sol.:添付希釈液
小野
含量 24 時間保存で 89.5%に低下。
含量 24 時間保存で 89.7%に低下。
含量6時間保存で 89.9%に低下。
注 5)
-
+、24 配合直後に混濁・沈殿。含量 24
時間保存で 88.4%に低下。
-
ⅩⅢ.備考
薬効分類
商 品 名
含量/容量
5-FU協和+5%ブドウ糖
250mg/20mL+500mL
注射液(グルノン-5%)
250mg/5mL+500mL
5-FU協和+
ソリタ-T3号
250mg/20mL+500mL
5-FU協和+生理食塩液
(フィシザルツ-FC)
代謝拮抗剤
フトラフール注+
5%ブドウ糖注射液
(グルノン-5%)
400mg/10mL+500mL
400mg/20mL+500mL
400mg/20mL+500mL
フトラフール注+
生理食塩液
(フィシザルツ-FC)
その他の腫瘍用薬
250mg/20mL+500mL
400mg/10mL+500mL
フトラフール注+
ソリタ-T3号
抗腫瘍性抗生物質
製剤
250mg/5mL+500mL
400mg/10mL+500mL
400mg/20mL+500mL
会社名
協和発酵+扶桑
協和発酵+清水
協和発酵+扶桑
大鵬+扶桑
大鵬+清水
大鵬+扶桑
変化
6
含量6時間保存で 61.8%に低下。
-
24
含量 24 時間保存で 71.3%に低下。
-
6
含量6時間保存で 21.8%に低下。
注 1)
-
6
含量6時間保存で 32.9%に低下。
注 1)
-
6
含量6時間保存で 81.8%に低下。
注 1)
-
レダリー
-
アドリアシン注
10mg/D.W. 10mL
協和発酵
24
ブレオ
15mg/sal. 20mL
日本化薬
-
マイトマイシン協和S
2mg/D.W. 10mL
協和発酵
-
パラプラチン注射液
150mg/15mL
ブリプラチン注
50mg/100mL
ブリプラチン注+
生理食塩液
50mg/100mL+500mL
ダラシンS注射液
600mg/sol. 3.9mL
住友・アップジョ
ン
-
ハベカシン注射液
100mg/2mL
明治製菓
-
リンコシン注射液
300mg/1mL
アップジョン
-
主としてグラム陽性 塩酸バンコマイシン
菌に作用するもの
点滴静注用 0.5g
考
-
注射用メソトレキセート
50mg/D.W. 20mL
50mg
ブリストル
備
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
24
含量 24 時間保存で 89.9%に低下。
+、24
配合直後に混濁・沈殿。含量 24
時間保存で 87.3%に低下。
-
0.5g/D.W. 10mL
+
配合直後に混濁・沈殿
塩野義
主としてグラム陰性
菌に作用するもの
塩酸バンコマイシン
点滴静注用 0.5g+
生理食塩液
0.5g/D.W. 10mL+
500mL
-
結晶ペニシリンGカリウム
1,000,000 単位/D.W. 10mL 萬有
-
アザクタム注射用 0.5g
0.5g/D.W. 10mL
エーザイ
-
イセパシン注射液
200mg/2mL
シェリング・プラ
ウ
-
トブラシン注 90
90mg
塩野義
-
ビクリン注射液
200mg/D.W. 10mL
ブリストル
-
カルベニン点滴用 0.5g
0.5g/sal. 100mL
三共
-
60mg/1.5mL
シェリング・プラ
ウ
24
0.5g/sal. 100mL
萬有
-
三共
-
萬有
6
ゲンタシン注 60
主としてグラム陽
性・陰性菌に作用す チェナム点滴用
るもの
ペントシリン
ペントレックス
略号
D.W.:注射用水
sal.:生理食塩水
1g/D.W. 10mL
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
含量6時間保存で 81.5%に低下。
sol.:添付希釈液
89
ⅩⅢ.備考
薬効分類
商 品 名
含量/容量
静注用ホスミシンS
主としてグラム陽
性・陰性菌に作用す 注射用パニマイシン
るもの
注射用フォーチミシン
2g/D.W. 20mL
100mg/D.W. 1mL
会社名
明治製菓
変化
含量 24 時間保存で 77.9%に低下。
24
24 時間後にわずかに混濁・沈殿
協和発酵
-
1g/D.W. 10mL
三共
-
ビブラマイシン静注液
主としてグラム陽
性・陰性菌、リケッ
点滴静注用ミノマイシン
チア、クラジミアに
作用するもの
点滴静注用ミノマイシン+
生理食塩液
100mg/5mL
ファイザー
-
血液製剤類
ガンマ・ベニンP500mg
500mg/D.W. 10mL
略号
sal.:生理食塩水
D.W.:注射用水
100mg/D.W. 5mL
100mg/D.W. 5mL+
500mL
+
レダリー
ヘキスト
考
24
200mg/D.W. 2mL
クロロマイセチンサクシネート
備
配合直後に混濁・沈殿
-
24
含量 24 時間保存で 89.5%に低下。
sol.:添付希釈液
注 1) 輸液 500mL に薬剤1アンプルを溶解し、輸液セットの側管から注入すれば配合可。
注 2) 併用注意(併用に注意すること)
利尿剤フロセミド等
類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で腎障害増強作用が報告されているので、併
用する場合には腎機能に注意すること。
注 3) 経時的に結晶析出がみられたが、20%マンニットール注射液「日研」は単独でも同様
な傾向を示すことより本剤との配合が原因でないと思われる。
注 4) 6時間以内に注入し終われば配合可。
注 5) 配合は Piggyback で行うのが望ましい。
90
資料請求先
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報部
〒163-1328 東京都新宿区西新宿 6-5-1
フリーダイヤル 0120-093-507
新宿アイランドタワー
MX/16-06/0078/18-05