人とくるまのテクノロジー展2010:自動車メーカーの展示

2016/4/5
人とくる まのテクノロ ジー展2010:自動車メーカ ーの展示 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
人とくるまのテクノロジー展2010:自動車メーカーの展示
ホンダがCR-Z、日産がハイブリッドシステム、富士重工が新型EyeSightを展示
2010.6.14.No.890
トヨタがPrius Plug-in Hybridのカットモデル、ホンダがCR-Zを、日産がハイブリッドシステムを展示
三菱自動車が電気自動車i-MiEV, 富士重工がPlug-in Stellaを展示
ホンダが燃料電池車FCX CLARITY、日産がクリーンディーゼルX-TRAIL 20GTを展示
新型Mazda5(日本名プレマシー)欧州仕様を国内初公開
日産とスズキが、同じ構造の副変速機搭載CVTを展示
ダイハツは、軽自動車用の次世代2気筒エンジンを展示
富士重工が運転支援システムEyeSight(ver.2)
商用車メーカー:いすゞがELF Plug -in Hybridを、各社がポスト新長期排出ガス規制適合エンジン・トラックを展示
要 約
以下は、"人とくるまのテクノロジー展2010" での、自動車メーカーの出展概要である(自動車技術会主催で、
2010年5月19~21日開催。各社ブースでの展示だけでなく、自動車技術会の企画展示への出展も含む)。
トヨタがPrius Plug-in Hybridのカットモデル、ホンダがCR-Zを、日産がハイブリッドシステムを展示
2009年12月より特定利用者向けにリース販売(約600台)しているPrius Plug-in Hybridのカットモデ
ルを展示。3代目Prius(Sグレード)がベース車。トヨタ車では初めてリチウムイオン電池(定格電力
345.6V、容量5.2kWh)を搭載した。2012年頃に、数万台規模で「お客様の手の届く価格」で一般発売
ト
ヨ
タ
Prius
Plugin
Hybrid
を目指す。
プラグインハイブリッド燃費 57.0km/L(JC08モード:CO2排出量41g/km)、EV走行距離23.4km、
EV走行最高速度100km/h、電力消費率6.57km/kWh。フル充電時間は約100分(200V)、または約
180分(100V)。
エンジンは1.8L 2ZR-FXE、出力73kW(99ps)/5,200rpm。モーターは交流同期電動機で出力
60kW(82ps)。システムの最高出力は100kW(136ps)。
走る楽しさも追求したHybrid車CR-Zを展示。(ホンダ調べでは)HEVとしては、世界で初めて6速MT
を搭載したモデルと、パドルシフト装備のCVTモデルを設定。駆動用・発電用を兼ねるモーターを1個
搭載したコンパクトなハイブリッドシステムを採用。モーターの最大出力10kW/1,500rpm、最大トルク
ホ
ン
CR-Z
ダ
78N・m/1,000rpm。1.5L i-VTECエンジンを備える。燃費性能は、JC08モードで22.8km/L(CVT
車)、20.6km/L(6MT車)。
エンジン、トランスミッション、電動パワステアリングなどを協調制御することで、3つの走行モードが選
べる"3モードドライブシステム"を搭載。エンジン起動時に設定される"NORMALモード"、燃費を優先
した"ECOモード"、モーターのアシスト機能を積極的に活用する"SPORTモード"が選択できる。
ハイブ
日
リッド
産 システ
ム
日産は独自に開発した、ハイブリッドシステムを展示した。このシステムは、駆動用・回生用を兼ねる
1つのモーターと、エンジンとトランスミッションを2つのクラッチで接続したところに特徴がある。 クラッ
チはトランスミッション内に搭載されているものに加えて、モーターとエンジンの間にも設置される。こ
のことにより、モーター走行時、回生時に、エンジンを切り離すことが出来、エンジンが回転することに
よるフリクションをゼロにし、効率を高める。
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トヨタのPrius Plug-in Hybridのカットモデルホンダのハイブリッド車 CR-Z
ホンダ 1.5L i-VTECエンジン、モーターと
CVT(ホンダマルチマチックS)
日産のハイブリッドシステムの概要
三菱自動車が電気自動車i-MiEV, 富士重工がPlug-in Stellaを展示
i三
MiEV
2010年4月より個人向けに販売を開始している電気自動車。販売価格は従来から61.9万円引き下
げられ、398万円。政府の補助金を受けることが出来た場合の、個人利用者の負担は284万円となる。
販売方式は税金、整備費用などの維持管理費を含むメンテナンスリース方式(注1)。
菱
MiEV stationは、コンセント(100V/200V選択可能)とサーキットブレーカーを備えた給電・充電ケー
自
動
車
MiEV
ブル収納ボックス(三菱自動車カーライフプロダクツ社)。防水・漏電防止・いたずら防止などの屋外で
station の安全性、接続のし易さなどの利便性に配慮し、一般家庭用駐車場・店舗駐車場への設置向けに開
(注2)
発。MiEV station-b (一般家庭用壁掛けタイプ) 52,500円(予定価格)、MiEV station-s (店舗用ス
タンドタイプ) 157,500円(同)。
富
士
重
工
SUBARU Plug-in Stellaは2009年7月より販売されている電気自動車(軽乗用車のStellaがベース
Plug-
車)。リチウムイオン電池(総電圧346V 、電力量9kWh)を搭載し、航続距離は90km(富士重工計測、
in
10・15モード)。フル充電には、家庭用電源(100V)の交流電源で8時間、200V で5時間かかる。専用
Stella
急速充電ではバッテリー容量80%まで約15分で充電可能。搭載モーターの種類は永久磁石式同期型
で、最高出力47kw、最大トルク170N・m。
注1.三菱自動車と三菱UFJリースとの合弁会社MMCダイヤモンドファイナンスは、2010年5月に支払いプランを発
表。一時払い233.1万円で月額リース料7,000円、一時払いなしで月額49,980円(補助金上限額114万円を利
用、契約走行距離1,000km/月、リース期間5年の場合)。
注2.i-MiEVはAC200V充電ケーブル(5m)とAC100Vへの変換アダプタ(1m)を標準装備している。なお、満充電時間
はAC200V(15A)で約7時間、AC100V(15A)で約14時間。
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給電・充電ケーブル収納ボックス
MiEV station-b (一般家庭用壁掛けタイプ)
給電・充電ケーブル収納ボックス
MiEV station-s (店舗用スタンドタイプ)
ホンダが燃料電池車FCX CLARITY、日産がクリーンディーゼルX-TRAIL 20GTを展示
ホ
ン
日本国内で2008年11月よりリース販売を行っている、燃料電池車FCX CLARITYを展示。搭載
ダ
燃
FCX
料 CLARITY
電
されているV Flow FCスタックの出力は100kW。2005年開発の燃料電池スタックに比べて、容積出
力密度で50%、重量出力密度で67%向上し、軽量・コンパクト化を図った。最高速度は160km/h、航
続距離は620km(10・15モードによるホンダ測定)。288Vのリチウムイオン電池を搭載。35MPaの圧
力で171Lの水素を貯蔵する。充填時間は3-4分。
池
車
日
産
ク
リ
ー
ン
デ
X-TRAIL
20GT
2008年9月に日本国内で販売開始したクリーンディーゼル車X-TRAIL 20GTを展示。ポスト長期
排出ガス規制に適合している。ピエゾ式インジェクター、可変ノズルターボ、1600気圧コモンレー
ルなどを採用。6MT車に加えて、2010年8月にAT車を投入予定。
ィ
ー
ゼ
ル
ホンダ燃料電池車 FCX CLARITY
新型Mazda5(日本名プレマシー)欧州仕様を国内初公開
マツダ Mazda5(日本名:プレマシー)の欧州仕様車を、国内で初めて公開。アイドリングストップシステム「istop」を搭載。新型プレマシーは、両側スライドや多彩なシートアレンジ機能を継承し、外観に「NAGARE(流れ)」造
形を量産車として初めて本格採用した。100km当たりのCO2排出量を現行モデル比15%減。
直列4気筒MZR 2L直噴ガソリンエンジン(最高出力:110kW/6,200rpm)を搭載。6速MT車。全長/全幅/全高/
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ホイールベースは、4,585/1,750/1,620/2,750mm。 なお、日本国内販売は2010年7月1日から行う予定。
新型Mazda5(日本名プレマシー)欧州仕様
日産とスズキが、JATCO製の軽・小型車向け副変速機搭載CVTを展示
遊星歯車を用いた副変速機を備える構造により、7速AT以上の変速比幅(7.3)と、効率向上で13%以上(従来機
比)の重量を軽減した小型CVT。副変速機(クラッチと一体化)を搭載することで、プーリーの小型化と変速比幅の拡
大を実現し、燃費の向上に貢献。プーリーの回転部とトランスミッションオイルの距離を十分に取ることにより、オイ
ル攪拌抵抗を30%減少させた。他に、超扁平トルクコンバーター、低剛性ロックアップダンパー、高効率オイルポン
プを採用。日産では、2009年12月発売の軽自動車ROOX、2010年6月発売の小型クロスオーバー車JUKEに搭
載。スズキでは、2009年9月発売のPalette, Palette SWに搭載され、2009年12月発売のAltoにも搭載。
(注) 日産では、次世代 XTRONIC CVTと呼んでいる。
日産 次世代 XTRONIC CVT
スズキ 軽乗用車向け新型CVT
ダイハツは、軽自動車用の次世代2気筒エンジンを展示
ダイハツは、軽自動車用パワートレインの基幹ロードマップの第2段階に当たる、次世代軽乗用車用2気筒エンジン
を始め、各段階のモデルを展示した。
ダイハツの軽自動車用パワートレインの基幹技術ロードマップ
e:S用
第
1
段
階
第2世
代
KFエ
ンジン
「eco
排気量660㏄の直列3気筒DOHC直噴ガソリンエンジン。燃料室内のイオンで燃焼状態を検出して
EGR量を制御し、ポンピングロスを減らすi-EGRを搭載。樹脂性電子スロットルボディを搭載し、エンジ
ンとCVTとをコンピュータで協調制御する。アイドリングストップを備える。ダイハツの従来エンジン比
10%以上の燃費を改善。 最大出力43kW/7,200rpm、最大トルク65N・m/4,000rpm。
IDLE」
次世
第
2
段
階
代
軽自
排気量660㏄の直列2気筒過給直噴ガソリンエンジン。2気筒化や大容量EGRによる各種損失低減
動車
により、ダイハツの従来エンジン比30%の燃費改善。低回転から高トルクを実現。 最高出力
用
47kW/4,500rpm、最大トルク100N・m/1,500-4,000rpm。
エンジ
ン
貴金
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第 属フリ ダイハツは、貴金属フリー液体燃料電池の技術を2007年に発表。アルカリ環境下で発電することに
3
ー
より、高価な白金を電気触媒に用いず、資源が豊富なコバルトやニッケルを用いることが可能となり、コ
段
燃料
スト低減につながる。液体燃料(ハイドラジン・ハイドレード)を用いることで、システムのレイアウトもコン
階
電池
パクトになり、燃料の取り扱いも容易。
車
(注) e:Sはダイハツが2009年東京モーターショーに展示した軽乗用車のコンセプト車
富士重工が運転支援システムEyeSight(ver.2)
富士重工は新型運転支援システムEye Sight (ver.2)を出展し、2010年5月に発売したEyeSight (ver.2)を搭載し
たLegacyを展示。
新型運転支援システムEyeSight (ver.2)の特徴
シ バックミラー上部に取り付けられた2台のカメラ(ステレオカメラ)によって、前方のクルマ、自転車、歩行者や障
ス 害物、車線などを認識する。2台のカメラの映像のずれから距離を判断する。コンピュータが危険などを認識し
テ た場合、警報やブレーキの発動を行う(日立製作所との共同開発)。2010年5月にマイナーチェンジしたLegacy
ム に搭載。
プリクラッシュ
ブレーキ
衝突回避、
プリクラッシュ
被害軽減
ブレーキアシスト
前方のクルマなどに衝突する危険性をシステムが認識した場合、警報を
発する。運転者が回避行動をとらない場合、自動的にブレーキを作動さ
せ、速度差が30km/h以下の場合、衝突回避・被害軽減を図る(注1)。
上記のようにシステムが危険を感知し、運転者が急ブレーキを操作したと
きに、自動的にブレーキ操作をアシストする。
前方に障害物があるとシステムが認識している場合、停止中や徐行時に
AT誤発進抑制制御 アクセルが必要以上に踏み込まれた場合などに、エンジンを制御して速度
を抑制する。
機
能
全車速追従機能付
運転負荷
クルーズコントロール
0-100km/hの全車速で先行車に自動追従走行を行う。先行車が停止し
た場合は、続いて停止を行い、運転者がブレーキ操作を行わなくても停止
を続ける。発進時はスイッチ操作またはアクセル操作で発進する(注2)。
軽減
先行車発進お知ら
せ
先行車が発進して3m以上進んでも発進しない場合に、運転者に注意を
喚起する。
車間距離警報
予防安全
機能
車線逸脱警報
車間距離が縮まったり、車線の逸脱、ふらつきなどを検知した場合に運
転者に警報を発信する。
ふらつき警報
(注1)衝突回避できるかどうかは、路面状態などに依存する。従来のEyeSightは減速までであった。速度差が
30km/h以上の場合は、EyeSight(ver. 2)でも自動ブレーキによって減速を行う。
2先行車がいない場合は設定速度で定速走行を行う。
商用車メーカー:いすゞがELF Plug -in Hybridを、各社がポスト新長期排出ガス規制適合エンジン・トラックを展
示
ELF Plug-in Hybridは3電源方式の充電器を持つことに特徴がある(単相AC100V15A、単相
ELF
AC200V15A、三相AC200V30A)。充電時間は三相200Vで20分、単相200Vで30分、単相
Plug-in
100Vで60分。配送ターミナルや店舗などで、こまめに充電して利用することを想定。2010年から
Hybrid
走行評価を予定。ベース車は市販されている、リチウムイオン電池搭載のELF Hybrid(BJGNPR85AN)。充電機能以外の基本性能はベース車と同じ。
い
すゞ
2010年5月に発売された大型トラックGIGAシリーズに搭載されている、9.8L 6UZ1-TECディ
6UZ1-
ーゼルエンジン。排ガス後処理装置(DPDと尿素SCR)も加えて、ポスト新長期排出ガス規制に
TEC
適合した。最大出力297kW(400ps)/1,800rpm、最大トルク1,765N・m(180g・m)/1,200rpm。電
エンジン
子制御式コモンレール、ワンウェイクールドEGR、電子制御式無段階可変容量型ターボチャー
ジャー、電子制御式ファンドライブ採用。
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6R10エンジンは、ポスト長期排出ガス規制に対応した大型トラック、新型スーパーグレートに搭
載されている(2010年4月発売)。日米欧のダイムラートラック部門が共同で開発を行い、80%の
三
部品が共有化されている。排気量は12.8L、直列6気筒エンジン。増圧式コモンレールシステ
菱
6R10
ふ
エンジン
そう
ム"X-Pulse"、大容量EGRクーラー・連続制御式EGRバブル、4弁DOHC、VGターボチャージャ
ー、ベルトオートテンショナーを採用。
排気処理装置としてBlueTecシステム(DPF+尿素SCR)を搭載。再生制御式DPFでPMを採集
し燃焼除去を行う。また尿素水から精製したアンモニアの化学反応によってNOxを窒素と水に分
解する。
CondorPKはVolvoグループのCAST(Common Architecture & Shared Technology) に基づ
UD
いて開発されたグローバルトラック。ポスト長期排出ガス規制に適合している。2010年央に日本
トラ CondorPK で発売し、2010年秋に米国で販売。生産は日本の上尾工場で行う。 新開発の7.0LGH7エンジ
ック
ンを搭載。最大出力180kW(245ps)/2,500rpm、最大トルク716N・m(73kg・m)/1,300rpm。尿素
SCRシステム搭載。
日
E13C
野
エンジン
ポスト新長期排出ガス規制に適合したE13Cエンジン(プロフィア用)のカットモデルを展示。最
大2000気圧の燃料噴射システム、電子制御式ターボチャージャー、EGR、DPRクリーナー、尿
素SCRを備えている。
出典:マークラインズ
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