2010年度コンヴィヴィアルFD 「ランチョンFD」第4回(最終回) 2011年3月9日(水) 用語説明 える・えむ・えす オンライン学習支援システム (LMS/CMS)について知る LMS(Learning Management System) ⇒ラーニング・マネジメント・システム (学習管理システム,学習支援システムetc) しー・えむ・えす CMS(Course Management System) ⇒コース・マネジメント・システム 家島明彦@教育開発センター [email protected]‐u.ac.jp / 内線2868 (学習過程管理システム,コース管理システム,授業支援システムetc) 要するに,オンラインで教育を支援するシステム あるいは,そのような仮想学習環境 Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University コンピューターを使った学習の歴史 • CBT(Computer-Based Training) コンピュータ単体でCD‐ROMを利用した学習 問題点=コストがかかる,教材開発が非効率! • TBT(Technologies-Based Training) ネットワーク上の共有教材を利用した学習 問題点=回線負荷大,高速通信網の普及が不可欠! Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University eラーニングの歴史 • 「eラーニング」という言葉の出現 1990年代後半(ITバブル期,インターネット普及期) 国土の広いアメリカの大学で,生涯学習の観点から 従来の遠隔教育に代わる新たな学習形態として注目 • 教育市場の拡大を目的として企業・大学が参入 失敗(思ったほど人が集まらなかった,学位乱発問題) • WBT(Web-Based Training) Webブラウザで提示される教材を利用した学習 いわゆる,e-ラーニング Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University • 対面授業を補完する学習形態として定着 ブレンド型(ブレンディッド)が主流 Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University eラーニング/仮想学習環境の利点 • 学生が時間と場所に縛られず学習できる • 従来の対面授業では困難であった(学生中心主義, 構成主義,プロジェクト型学習といった理論に基づいた) 新しい教育法,より効果的な学習が可能 • • • • • • 通信教育よりも低コスト高スピード 多彩な教材が利用可能 学生の学習履歴が把握できる グループ学習,協調学習も可能 学生の授業時間外学習の促進につながる 学生のみならず教員のICTリテラシー向上(FD)にもつながる 学習体験と成果の質を高める 補足説明 • 「eラーニング」の定義は様々 • 米国では「オンライン学習」,英国では「バーチャルラーニング」「フレ キシブルラーニング」とも呼ばれている。 • 国際調査の結果,5~7年前の時点で既に,米国の大学の92%が CMSを利用,英国の高等教育機関の95%がLMS(英国ではVLE: Virtual Learning Environmentという)を利用,韓国の国公立大学の 90%がeラーニングを導入。 • 豪州の職業訓練(VET)制度では,教員・研修講師の85%が eラーニ ングを活用し,学生の94%が何らかのeラーニングを経験 • 国内調査(2009年度)の結果,大学は35.7%(870 機関),短大は 23.9%(73 機関),高専は61.8%(34 機関)がLMS を利用。 • 国内LMS導入大学の内訳は,国立45.3%(267 機関),私立34.0% (566 機関),公立20.1%(37 機関)。 Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University オンライン学習の分類 本学で導入予定のLMS/CMS むーどる • Moodle – オープンソース(無料)のLMS/CMS – インターネット上で授業用のWebページを作るためのソフト – 基本的に自己管理だが,有志によるサポート体制が充実 (日本語の解説サイトもあり⇨ http://docs.moodle.org/ja/) – 国内高等教育機関のLMSのスタンダード(導入シェアNo.1) • 来年度(4月)から試行 – – – – 新バージョンのMoodle 2.0 希望者には使用権限を付与します ⇨森朋子先生(教開セ)まで 再来年度以降の本格導入は未定 既に学内でMoodleを使っている先行者もいる ⇨岩田淳先生(医),尾崎浩一先生(生資),汪 曙東(ワン シュドン)先生(外セ) Center for Educational Research and Development (CERD), 米国教育省(2009/2010)「エビデンスに基づくオンライン学習実践法の評価」(CODE監訳) P26 Shimane University Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University Moodle活動モジュール一覧 評価あり Hot Potatoes ◯ テストによる評価 教員の評価 学生の評価 ◯ レッスン ◯ ◯ 小テスト ◯ ◯ 日誌 ◯ ◯ 課題 ◯ ◯ データベース ◯ ◯ ◯ フォーラム ◯ ◯ ◯ ワークショップ ◯ ◯ ◯ 用語集 ◯ ◯ ◯ ◯ Wiki チャット 投票 Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University 調査 Center for Educational Research and Development (CERD), 濱岡美郎(2008)『Moodleを使って授業する!なるほど簡単マニュアル』(KAIBUNDO)P.32の表 Shimane University その他の無料システム もすと • MOST – オンラインFD支援システム (大学教育関係者の教育研修の場,SNS) – カスタマイズ版 Sakai 2.5.4 と KEEP Toolkit 2.5 日本語版を連携 したシステム (米国カーネギー教育振興財団知識メディア研究所が開発した KEEP Toolkit の日本語版が利用可能) – 京都大学高等教育研究開発推進センター(酒井博之准教授) による管理運営 – 優れた教育取組事例が紹介されている 今年度の集中講義「進路指導論」で実際に試用済み Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University まとめ 参考文献・URL • LMS/CMSは学習体験と成果の質を高める – 学生の授業時間外学習を促進できる – 教員の授業改善(FD)として有効 – 慣れたら便利! – 一度つくってしまえば,以降は楽! ⇨教員の授業準備労力の省力化にもつながる • • 興味を持ったら是非一度試してみましょう 今なら学生サポーターがついてくる(かも?!) Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University • 放送大学ICT活用・遠隔教育センターのウェブサイト (http://www.code.ouj.ac.jp/seika) – 「エビデンスに基づくオンライン学習実践法の評価」 オンライン学習研究のメタ分析およびレビュー 米国教育省 監訳 角倉雅博 (公開日:2010年6月) – 文科省委託事業 先導的大学改革推進委託事業 「ICT活用教育の推進に関する調査」 2009年度報告書 (公開日:2010年9月) – eラーニング等のICTを活用した教育に関する調査報告書 Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University Center for Educational Research and Development (CERD), Shimane University
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