気球火災事故防止のために (補足)

気球火災事故防止のために (補足)
2005年9月14日
日本気球連盟 安全委員会
日本気球連盟 パイロット各位
先日、安全委員会よりご案内いたしました『気球火災事故防止のために』について、下記のよ
うに補足いたしますので、ご確認ください。
1.事故機で使用されていたバルブと同型の「NPT3/8オス」バルブと「NPT3/8メス-ACME」アダプタの
組み合わせは、今後の調査で問題ないという結論が出るまでは、使用禁止とします。
使用禁止の「NPT3/8オス」バルブと「NPT3/8メス-ACME」アダプタおよび、代替品となる「POLメ
ス」バルブと「POLオス-ACME」アダプタの写真を以下に示しますので、ご確認ください。
また、代替品についてご不明な場合は、気球を購入された気球ディーラーや気球に詳しいガス会社
(気球クラブのあるガス会社)等にご相談ください。
事故機は、ここが
破断しました
NPT3/8
NPT3/8 メス-ACME
アダプター
写真1 3/8NPTバルブとアダプターの写真 (使用禁止のバルブおよびアダプター)
(左)組み付けた状態 (右)はずした状態
POL
POL オス-ACME
アダプター
写真2 POLバルブとアダプターの写真 (代替品のひとつ)
(左)組み付けた状態 (右)はずした状態
*NPT3/8、POL、ACMEはネジ部の規格の名称です。
2.着陸時にはパイロットバーナーを消すように徹底してください。
着陸時のパイロットバーナーの処置については、日本気球連盟の「熱気球自由飛行安全規定」に定め
られています。その中で、消火に該当する場合は、消すように徹底してください。
熱気球自由飛行安全規定では以下のように定められています。
「着陸時パイロットバーナーの処置に関しては、気球の設計・製造者の使用規定に従う。ただし、記載
がない場合は原則として着陸直前に消すこと。」
ここでの、気球の設計・製造者の使用規定とは、バーナー(燃料系統を含む)およびバスケットの設計・
製造者の使用規定やフライトマニュアルのことです。
3.マニホールドを使用する場合は、バスケット側面にしっかりと固定してください。
ここで言うマニホールドは2本のLPGボンベと、バーナーホースを接続するT型のマニホールド
のことです。
マニホールドが固定されていない場合、マニホールドに体重がかかると、LPGボンベのバルブ
に過大な荷重がかかることになり、バルブの破損につながる可能性があるためです。
同じ理由から、マニホールドの使用の有無にかかわらず、バスケット内でのバーナーホースの
配置や、LPGボンベの配置についても、バルブとホースの接続部に乗員の体重がかからないよ
うに、そして、不自然な負荷がかからないように配置してください。
4.消火器の適正配置を徹底ください。
消火器の準備だけでなく、搭乗者は服装にも注意してください。今回の火災では、乗員の火傷
は顔と腕というように、服から露出していた部分のみでした。もし、長袖であれば、腕の火傷
は防げたと思われます。また、服の素材についても、できるだけ、燃えにくいものを着用する
ようにしてください。
以上