サンガードのADAPTIVがカウンターパーティ信用 リスク管理

ADAPTIV
説明資料:
サンガードのADAPTIVがカウンターパーティ信用
リスク管理に関する連邦機関合同指針を支援
マット・ニューマン
(Mat Newman)- 製品管理担当ヴァイス・プレジデント
概要
2011年6月29日に、米国の4つの連邦機関1が、
「カウンターパーティ信用リスク管理に関する機関合同監督指針」
と題するレポート2を発行
しました。
このレポートは、
カウンターパーティ信用リスク管理(CCRM: Counterparty Credit Risk Management)の多くの側面を取り扱っ
ており、その内容は、
ガバナンス機構から、
リスクの測定と統制、そしてシステム・インフラストラクチャが備えるべき条件まで、多岐にわた
っています。本資料では、
このレポートの主な内容の一部を紹介し、サンガードのAdaptivリスク管理ソリューション・スイートが、そうした
問題を解決する上でどのようにお客様を支援できるかを説明します。
このレポートの主眼点は、CCRMは総合的な観点から積極的に管理しなければならない、
ということです。銀行は、単一のリスク測定基準
に頼るべきではなく、
さまざまなリスク指標を計算することによって、
カウンターパーティ・リスクの現状に対する網羅的な全体像を把握
し、それが時の経過につれてどのように変化してきたかを理解し、それが今後どのように進展していく可能性があるかを洞察できるよう
にすべきです。銀行は、
さまざまな測定基準を適切なタイミングで計算すべきであり、それによって、
リスク・テイクの意思決定(たとえば、
新しい取引を行うか否か)を、すべての事実を完全に掌握した上で下せるようにする必要があります。そして、堅実かつ包括的な監視シス
テム(例: カウンターパーティ与信限度)を導入し、適切な警告メカニズムとエスカレーション手続きを設けるべきです。そして最後の点と
して、CCRMシステムは、一部の金融手段、資産、地域、事業部門などに関する部分的なリスクだけでなく、
カウンターパーティから発生し
得るあらゆるエクスポージャーを監視する必要があると、
このレポートは述べています。
リスク測定
このレポートは、金融機関がCCRMを管理するときに計
算すべきリスク評価指標のタイプに関する勧告を行っ
ており、いかなる測定基準であれ、単一の基準だけに
依存すべきではないという点を強調しています。むしろ、
堅実なCCRMポリシーとは、ポートフォリオに対するさ
まざまな観点を反映した複数のリスク評価指標から成
り立つものであるべきであり、それによって、拠り所とな
る前提条件(例: コラテラルの有効性や、ネッティング契
約の法的強制力などに関する想定)を検証できるよう
にすべきである、
としています。
また、そうした多様な評
価基準は、他の異なる用途で活用することも可能です。
たとえば、将来の潜在的エクスポージャー(PFE:
Potential Future Exposure)の計算は、与信限度を監
視する目的で利用することができ、
また、信用評価調整
(CVA)の計算は、取引前の評価や金融機関の信用エ
クスポージャー・プロファイルの継続的かつ積極的な
管理に利用することができるでしょう。
このレポートで特に言及されている信用エクスポー
ジャー評価手法の1つの形態は、
ストレス・テストです。
ここには、
「銀行組織のCCRM管理の中に組み込まれた
包括的なストレス・テスト枠組みに関する」勧告が盛り
込まれています。すなわち、
ストレス・テストは、定期的
に実施すべきであり、
シニア・マネジメントがその結果
を少なくとも四半期ごとに検証すべきということです。
テストは、銀行のエクスポージャー・プロファイルに特
有の性質を取り込むのに適した包括性を備えているべ
きであり
(すなわち、関連するすべてのリスク要因に対
して適切な詳細さのストレスを課すべきであり)、
また、
誤方向リスクを把握できるように、エクスポージャー
と信用力に対する結合ストレスを組み込んでいるべき
です。
4つの政府機関とは、
(米財務省)通貨監督庁(OCC: Office of the Comptroller of the Currency)、連邦預金
保険公社(FDIC: Federal Deposit Insurance Corporation)、連邦準備制度理事会(FRB)、貯蓄金融機関監督庁
(OTS: Office of Thrift Supervision)
です。
1
2
以下のURLから入手可能です。http://www.fdic.gov/news/news/press/2011/pr11113a.pdf
エクスポージャーの集計
金融機関内のあらゆる場所から発生するエクスポージャーを集計する能力は、
このレポー
トで、堅実なリスク管理の重要な要因であるとされています。
このレポートが、特に言及し
ているのは、
機関内部からの事業部門や法人組織に沿ったリスクの集計、
および、
カウンター
パーティの集団全体にわたって顧客グループ、地域、業界ごとに報告された集中リスク
です。そのような集中リスクの測定により、相関がある複数のデフォルトによって発生する
信用エクスポージャーの予想外の突発的増大から金融機関を保護することができます。
このレポートは、OTCデリバティブ、証券金融取引(SFT)、および銀行勘定から生じるあらゆ
るエクスポージャーを(偶発的/非偶発的、オンバランス/オフバランスの両方について)統
合し、単一の顧客視点を持つことを勧告しています。
このレポートは、経営陣が、データ、方
法論、統制、報告機能を網羅した「単一の包括的なCCRエクスポージャー測定プラットフォー
ムを実現するように努めるべきである」
と述べています。
システムと統制
この指針では、
システムに関する勧告として、CCRMの継続的な管理を支援するためにITイ
ンフラストラクチャをどのように利用すべきかを勧告しています。
これにはいくつかの形態
があります。主な勧告の1つは、金融機関は少なくとも1日1回の頻度でエクスポージャー
を集計および監視すべきである、
とするものであり、意思決定プロセスに取り込めるような
適時かつ完全なエクスポージャー情報の必要性を指摘しています。
しかし、CCRMの他の
分野の一部では、
この毎日のプロセスでも十分な頻度であるとは言えず、イントラデイ
(日
中)
アプローチが必要となるので、ITシステムにかかる負荷がさらに大きくなる可能性があ
ります。たとえば、CVAに関する項で、
この指針は、ベストプラクティスとして、
「取引執行の
たびに、CVAコストをその取引を発生させた事業部門に対して割り当てるべきである」
と指
摘し、
また「堅実な慣行として、CVAのリスクをリスク調整後利益の計算の中に組み入れる
べきである」
とも述べています。CVAは、
「所定のデリバティブ取引におけるリスクと利益の
トレードオフ」を理解するために必要なので、ベストプラクティスを実現するためには、イ
ンセプション・プライシング、すなわち、取引前にCVAを取引の価格の決定因子の1つとして
組み込むことが必要となります。
もう1つの統制領域は、
カウンターパーティ与信限度をめぐるものであり、
レポートは、銀行
の明文化されたリスク・ポリシーが遵守されるための必要なメカニズムとして、与信限度
枠の設定を強く支持しています。そのような限度枠は、柔軟な性質を備えているべきであ
り、ポートフォリオ階層のさまざまなレベルを監視できるように、
また、複数の信用評価基
準を同時に監視できるようになっているべきです。
取締役会
リスク選好度の設定
シニア・マネジメント
リスク・ポリシーの策定
事業部門
測定 & 監視
エグゼクティブ・
レポート
ダッシュボード & KPI
設定 & 監視
与信限度の承認および
エクスポージャーの報告
リスク・システム
分析 & 与信限度
図1は、銀行のリスク・ポリシーと、
このポリシーに対応してビジ
ネスがどのように実施されているかを監視して報告するため
のシステムとの間の関係を示しています。
まず、
トップ・レベル
では、取締役会が会社のリスク選好度を規定すべきであり、そ
の上で、
どのようなタイプのリスク・プロファイルを達成したい
と考えているかを明示すべきです。それから、
シニア・マネジメ
ントが、
このリスク選好をリスク・ポリシーのフレームワークへ
と置き換え、
リスク・ポリシーに従ってリスク・テイク活動を測定
および監視するための適切なシステムとプロセスを各事業部
門が導入するように取り計らいます。それを受けて、
システム・
レベルでは、各事業部門が適切な信用評価基準を計算するこ
とが必要となり、
また自動化された与信限度やその他の統制
メカニズムも導入する必要が生じます。
さらに、そのようなシス
テムは、集計されたエクスポージャーを報告するツールにデー
図1: リスク・システムはリスク・ポリシー
を反映すべきである
説明資料 サンガードのAdaptivがカウンターパーティ信用リスク管理に関する連邦機関合同指針を支援
勧告
Adaptivの機能
複数のCCR評価指標
を計算する
Adaptivは、複数のリスク測定指標(例: PFE、EPE、CVA)を同時並行して計算します。
ポートフォリオは、ネットまたはグロスベースで、またコラテラルの有/無のどちらで
もモデル化できます。

エクスポージャー
を柔軟かつ包括的な形
で集計する
Adaptivは、あらゆる事業科目、地域、アセットクラスからのエクスポージャー
を集計して、単一の顧客ビューに統合します。これには、OTCデリバティブ、SFT、
銀行勘定活動も含まれます。ポートフォリオは、複数の次元に即して定義できるの
で、詳細な報告の作成が可能です。

リスク集中を監視する
集計点は、顧客グループ、業界、国、レーティングなどについて定義できるので、
高度なリスク集中監視を実現できます。

ストレス・テスト
ストレス・シナリオは、システムによって管理され、定期的に実行させるようにス
ケジュール化され、実行結果がアプリケーションに戻されます。単一および複数の
リスク要因に基づくストレス・シナリオが、関連するすべての要因に関してサポー
トされています。

信用評価調整(CVA)
Adaptivでは、CVA、DVA、および関連する感応度のコア・メトリックスを計算する
ことに加えて、取引開始時の評価とヘッジ分析を通じてCVAの積極的な管理を実行
できます。

誤方向リスク
Adaptivでは、カウンターパーティ・ポートフォリオの感応度を分析して、
デフォルトの確率との相関を調べることができます。CVAを確率論的な信用スプレッド
とともに計算することによって、誤方向リスクを把握することができます。

カウンターパーティの
与信限度
Adaptiv Credit Riskは、企業規模のカウンターパーティ与信限度を管理できるサンガード
のソリューションであり、受賞履歴のある製品です。この堅牢なフレームワークは、
リアルタイムの取引前与信限度チェック、オンラインの限度超過警告、および限度承認
と超過解決のための組み込みワークフローをサポートしています。

コラテラルおよび
ネッティング
一括清算ネッティングと担保契約の効果がソリューションの中に組み込まれています。
専用のコラテラル管理アプリケーションが、担保の請求・受渡しに関するワークフロー
を自動化します。

中央清算機関
(CCP: セントラル・
カウンターパーティ)
Adaptiv Credit Riskは、中央清算機関に対するエクスポージャーを監視して、
必要な場合には、リスク発生源となるカウンターパーティからのエクスポージャー
を移転する機能を備えています。

タを供給するので、そのツールは要約されたエグゼクティブ・レベルの情報を、たとえば、
ダッシュボードや主要業績指標(KPI)のような形で提供することが可能になります。
このよ
うなITがビジネス・ポリシーを反映している構造により、すべての利害関係者がリスク・ポ
リシーを理解し、ポリシー違反や、集中リスクの危険な増大の発生をすばやく確認すること
が可能となります。
ベストプラクティスへの対応
サンガードは、
この機関合同指針を、堅実な信用リスク管理の重要性を確認するものとし
て歓迎しています。サンガードは、Adaptivリスク管理ソリューション・スイートを通じて、
こ
の指針の中で表明されている着想と概念の多くをすでに長年にわたって普及させ、
この指
針の中に列挙された必要条件の多くをお客様が満たすことを支援してきた長い実績があ
ります。上の表に、
この指針の重要な論点の一部を要約し、銀行がそうした責務を果たすこ
とにAdaptivがどのように役立つかを付記します。
説明資料 サンガードのAdaptivがカウンターパーティ信用リスク管理に関する連邦機関合同指針を支援
結論
この連邦機関合同指針は、銀行がカウンターパーティ信用リスク管理(CCRM)の領域で自
社の能力を測定するときに依拠すべき有益な基準の1つです。欠陥が確認された領域で
は、改善計画を可及的速やかに導入すべきであり、それによって銀行の資本を監視されて
いない予想外の信用リスク・イベントから長期的に保護できるように取り計らうべきです。
サンガードは、CCRMシステムの導入を推進してきた長年の経験を活かしながら、
こうした
重要な問題を提起する監督官庁の行動を積極的に支援していきたいと考えています。
サンガードのAdaptivによるリスク管理ソリューション
企業が、新しい規制要件を満たし、
リスク意識を急激に高める文化に適応しながら、競争
力、
コスト効率、収益性の高い経営を実現していく上で、テクノロジーは大きな役割を果た
すと、サンガードは考えています。サンガードのAdaptivソリューションは、金融機関を対象
として全社的な信用リスク/市場リスク管理ソリューションと業務管理ソリューションを提供
します。金融機関は、Adaptivを活用することで、組織の規模や複雑さにかかわらず、
リスク管理と業務統制に関する社内要件と規制要件の両方を満たすテクノロジーを容易
に導入・展開できるようになります。
サンガードについて
サンガード
(SunGard)
は世界有数のソフトウェア/テクノロジー・サービス会社です。
サンガー
ドは、
17,000人を超える従業員を擁し、
顧客数は70か国以上で約25,000社に達しています。
ニューヨーク
+1 646 445 1180
ロンドン
+44 (0)208 081 2853
シンガポール
+65 65176 152
東京
+81 (0)3 4570 3000
詳細についてはこちらをご覧ください
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日本語でのお問合せ
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