実践例3 1 研究テーマ 興味をもって書かせるための工夫 ~「習得」から「活用」へ 2 テーマ設定の意図 英語科の授業においては、その活動のほとんどが「習得」を目指して行われる。まず は基本的な語彙を増やし、音声や文法を身に付けて、初めて「読解」や「表現」が可能 となるからである。しかし、中学校の3年間の中で少しずつ「活用」や「探究」の場面 が増えてくることも事実である。 「習得」と「活用」の間を行き来しながら少しずつ学習 が深まっていくと考えられる。 本研究では、対象学年が3年生であったので、 「習得」から「活用」までを含んだ英語 学習の総まとめとしての活動に取り組んだ。インタビュー活動を通して話し手の情報を 聞いて理解し、その結果をまとまった英文として表現する(活用)ことを目指し、本テ ーマを設定した。インタビューのトピックを「クラスで一人だけが Yes(あるいは No) と答えるような内容」とし、興味をもって活動に取り組めるよう工夫した。 3 調査研究の内容 以下のような「習得」「活用」のための活動を取り入れた検証授業を行った。 (1)Last Sentence Dictation(LSD)と単語テスト ⇒「習得」を目指した活動 1年前の教科書から出題する小テストである。1セクションをあらかじめ指定して おき、生徒は家庭学習で練習をしておく。音読練習の後、教科書を閉じて教師の音読 を聞く。教師が途中で止めた最後の文を書き取る。スパイラルな学習の一環として、 日頃から行っている活動である。 (2)後置修飾クイズ ⇒ 「習得」を目指した活動 分詞の後置修飾や関係代名詞を含む「後置修飾」を練習する。様々なタイプの後置 修飾が含まれた句を、日本語を見ながら英語に直していく。ペアで確認しあい、いく つ言えたかを記録する。日本人がつまずきやすい後置修飾の習得を目指す活動である。 (3)「めざせ一人」⇒ 「活用」を目指した活動 「クラスの中で、一人だけが Yes(あるいは No)と答えるような質問を考えよう」 という指示の元に、あらかじめペアで相談して決めておいた質問事項をインタビュー する。制限時間内になるべくたくさんの人にインタビューし、その結果を「○○した ことがある人は一人だけいた / ○人いた / いなかった」という文を用いた作文にま とめる。5文以上を目標に、今まで習ってきた英語力を活用して作文に取り組む。 4 指導案 第3 学年 ○ 組 英語 科 学習 活動 案 (1)教 材 「It’s Research Time! めざせ1人!」 中学生のための選択用英語教材 ア・ラ・カルト⑤ すぐに使えるライティング(学 校図書)の「めざせ0人」を元に作成 外国語-22 (2) 教 材について ア 題材に関して この題材では、 「クラスメートにインタビューをして、知りたい情報を集める」 ⇒「その結果を、今までに習った英語の力を駆使して、まとまりのある英文にし て書く」ということを目標にしている。過去形、現在完了、助動詞など、今まで に習った様々な文法を駆使して、 「クラスでたった一人だけがしたこと(経験した こと、できること等)は何か」を見つけることを目指してインタビューし、自分 の予想と比べてどうだったか、ということを5文程度の英文にまとめる活動を行 う。 イ 言語材料に関して ここでは特定の言語材料を扱うのではなく、3年間の総合的な英語力を試すこ ととなる。また、まとめの段階では “David is the only person that has climbed Mt. Fuji.”のような、関係代名詞の用法についても簡単に触れ、今後の 学習の先取りとして無理のない範囲で使用させていきたい。 PISA 型「読解力」の育成に関して 2 003年7月、OECD が実施した PISA 調査の結果が、2004年12月に公 表され、その中で日本の子どもたちの PISA 調査における読解力の得点が大きく後 退(8位から14位)したことから、注目が集まるようになった。この段階では、 この調査における読解力という言葉が、従来の国語科の読解力と同じものとしての 認識されている場合が多かったが、その後徐々に理解が深まり、わが国の子どもた ちの「確かな学力」の育成と密接に関わるものとして、様々な研究がなされてきた。 PISA 型『読解力』は、情報の「受信・受容」 「思考・判断・創造」 「発信・提示」 という3つの要素の総体であり、「情報を取り出す→解釈する→自分の考え・意見 をもつ→表現する」という「習得→活用→探究」の流れを持つ活動と理解される。 (「 習得 ・ 活用 ・ 探 究 の授 業 を つ くる ~ PISA 型 「 読解 力 」 を 核と し た カ リキ ュラム・マネジメント 横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校編」より) 英 語 科 で は 、「 話 し 手 の 意 向 な ど を 理 解 」 し 、「 英 語 を 読 ん で 書 き 手 の 意 向 な ど を理解」し、それに対して「自分の考えなどを話すこと」や「自分の考えなどを 書くこと」という英語科の学習目標そのものを『読解力』ととらえることができ る。 PISA 型「読 解力 」では 「書 かれた テキ スト」 のみ をその 対象 として いる が、 本研究では、横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校での実践をもとに、そ の対象を拡大し、「書かれたテキスト」だけでなく「音声によるテキスト」も包含 しているものとした。そこで「英語を聞いて話し手の意向などを理解」し、それ に対し生徒が「自分の考えなどを話すこと」も『読解力』に含まれるものとして 考えた。 (3) (4) 生 徒の実態 ~ 省略 ~ (5) 指導目標 過去形、現在完了、助動詞等を使い、適切な英語を用いてインタビューしなが ら相手の意見を聞き取り、その内容について、既習の表現や新たな表現を用いて 外国語-23 まとめて書けるようにする。 (6) 本 課の評価の観点・評価規準など 評価の観点 内容のまとまりと本課の評価規準 評価方法 等 1 コミュニケ S ・積極的に英語で話そうとしている。 2 表現の能力 S ・質 問 に あ っ た 適 切 な 表 現 を 用 い て 答 え る こ と が で き て い 活動の観 る。 察 活動の観 察 ーションへ の 関 心・意 欲 W ・既習の表現や新しい表現を積極的に用いて、自分の考え レポート ・態度 などを書こうとしている。 用紙 W ・インタビューするための疑問文を書くことができる。 レポート ・インタビューで得られた結果を元に、既習の表現や新し 用 紙 い表現(関係代名詞)を用いて記述することができる。 3 理解の能力 L R 4 言語や文化 S ・既習の語句を正しく書くことができる。 W L ・後置修飾の英語の語順に関して理解している。 についての 知識・理解 (7) 時 1 2 本 時 ・相手の英文(質問)を聞いて、内容が理解できる。 ・まとめの英文を読み、その内容が理解できる。 活動の観 察 ワークシ ート 活動の観 察 ワークシ ート 単元の指導と評価計画(2時間扱い) 主な目標 主な学習活動 ① 単元の目標を知らせる。 ②「習得」を目指した横断的に行う 活動として「後置修飾クイズ」を 行い、これからの学習に向けて、 英語の語順に慣れさせる。 ③ 「It’s Research Time. ~めざ せ一人!」の活動についての説明 を聞き、各自で質問項目を考え る。 ④ ペアで相談し、質問項目3つを 決定し、音読できるようにする。 ⑤ まとめ方の例を提示し、この活 動のゴールについて知らせる。 ① 単元の目標を理解する。 ② ペアで「後置修飾クイズ」に取 り組む。 ①「習得」を目指した横断的に行う 活動としての小テスト LSD(Last Sentence Dictation)に取り組ま せる。 ① ③ 質問の文を1人5文ずつ考え て、ワークシートにまとめる。 ④ ペアで相談し、「一人だけが YES と答えそうな質問」3つを 選び出す。 ⑤ まとめ方の例を読む。 ② 評価の観 点 4-SL 2-W 3―R 前年度に使用した教科書の音 読練習、単語練習に取り組み、 小テストに答える。 4-SL 1時目と同様 外国語-24 ②「習得」を目指した活動としての 「後置修飾クイズ」を行う。 ③ 選び出した3つの質問の音読練 習をする。 ④ インタビュー活動に取り組ませ る。 ⑤ インタビューの結果を各自でま とめさせる。できる限り、既習 の表現と新しい表現を用いてま とめられるように支援する。 (8) ③ ④ ⑤ 1-S ペアで質問について確認する。 2-S 3-L インタビューに取り組む。 イ ン タ ビ ュ ー の 結 果 に つ い 1-W 2-W て、各自でまとめる。 本時の学習(本時 第2時) ア 本時のねらい インタビュー活動に取り組み、そこで得られた情報を元にまとまった英文を書 くことができるようにする。 (9)教具 CD、ワークシート (10)展開 過 程 導 入 復 習 15 展 開 学習活動・ 学習内容 ・指導上の留意点 ●評 価 ・英語学習の雰囲気を作る 1あいさつ 2 Last Sentence Dictation ●4-W 回 収 し て 採 点 し 、 多 か っ た ①音読練習 間 違 い な ど を 把 握 し て 、今 後 の 授 業 ②日本語から英語へ でフィードバックする。 ③単語練習 ④問題に答える。 ●1 - S 歌 声 の 聞 こ え た 生 徒 に は ス 3 Song タンプを押して賞賛する。 4 後置修飾クイズ ・後 置 修 飾 の 語 順 に 慣 れ さ せ る た め に ① 各自で練習する 、継続して行う。 ② 制限時間を設定し、ペアで日本語から 英語に再生する活動を行う。 5 Interview ① 活動内容についての確認 1 疑問文を用いて、クラスで10人中たった一人しかしていない(できない)こと を見つけ出す。 33 2 ワークシートに、質問の結果や+αの情報についてメモをとる。 3 メモをもとに、各自でインタビューの結果をまとめる。 ① 作戦タイム ペ ア ご と に 質 問 の 読 み 方 や 、 誰 に 質 問 ・ペ ア で 協 力 し 、3 つ の 質 問 を 1 0 人 にできるよう練習に取り組ませる。 す る か の 分 担 、プ ラ ス αの 質 問( 突 っ 込 み質問)などを確認させる。 ●1 - S , 2 - S , 3 - L 外国語-25 ② 制 限 時 間 内 に 、な る べ く 多 く の 人 に 質 問 をする。 【例】 A: Have you ever eaten a frog? B: No, I haven’t. A: Thank you. 積極的にインタビューを行ってい る か 、 プ ラ ス αの 質 問 が で き て い る か 、そ れ ら の 質 問 に 答 え て い る か 等 に つ い て 観 察 し 、必 要 に 応 じ て イ ン タビューに参加して支援する。 A: Have you ever eaten a frog? C: Yes, I have. A: Really? Where did you eat it? C: I ate it at a Chinese restaurant. A: Was it good? C: Yes, it was good. It tasted like chicken. A: Thanks. 6 インタビュー結果のまとめ ① まとめの文の冒頭で関係代名詞の表現 を用いられるように答え方の例につい て確認する。 【例】 ・Ms. Kobayashi is the only person ・未 習 の 表 現 で も あ る の で 、例 文 と し て提示する。 that has eaten a frog. ・There are three people who ate a Nikuman this morning. ・ There is no person who can snowboard. ● 1-W,2-W,4-W ・内 容 の 良 い も の を 、英 語 便 り な ど で 随時紹介していく。 ② インタビュー結果について、既習の表現 ●1 - W を使って英語でまとめる。 ま と め 2 ●1 - S 7.本時のまとめ まとめを記入したワークシートを提出す る。 8.あいさつ (11) 評価「インタビュー活動に取り組み、そこで得られた情報を基にまとまった英文を 書くことができるようにする」について 「クラスでたった一人だけしたことがあること」を目標にインタビュー活動に取 り組むが、最終的にはどのような結果が得られても、その結果について既習の英語 表現を用いて、自分なりに英語で表現できたかどうかを総合的に評価する。その際、 「英語で言いたかったけれど、言えなかったこと」は日本語でメモをさせ、英語便 りなどを使ってフィードバックしていく。 外国語-26 <授業で用いたワークシート等> LSD シート LSD Sheet Class ( ) No.( ) Name What is the date today? What day of the week is it today? How is the weather today? How are you today? 名前や曜日は、授業の前にあ らかじめ記入しておく。 Answer: 1 生徒 同じ学校の 2 物 机の上の 3 ニュース ロデオについての 4 プレゼント 僕のおじさんからの 5 私のおじさん 沖縄の 6 一員 テニスチームの a student at the same school the thing on the desk the news about the rodeo a present from my uncle my uncle in Okinawa a member of the tennis team 7 たくさんのこと 学ぶべき 8 何か 食べるための 9 何か 熱い 飲むための many things to learn something to eat something hot to drink 10 少年 走っている 犬と 11 人 弾いている ピアノを 12 男の人 立っているそこに the boy running with a dog a person playing the piano the man standing there 13 家 建てられた 1906年に 15 グループ 呼ばれてている ブームと a house built in 1906 the songs written in Okinawan melody a group called THE BOOM 16 女の子 訪れた 私のところを 17 地図 示す 道を 19 公園 タワーがある 20 メダル 彼女が勝ち取った 21 鳥 彼らが見た the girl who visited me a map which shows the way a park that has a tower the medal which she won birds which they see 22 本 私が買った 23 写真 私が撮った 24 手紙 私が書いた 25 先生 私達が皆好き 26 男の人 私が知らない 27 歌 たくさんの人が好きな the book I bought the picture (that) I took the letter (which) I wrote a teacher we all like a man I didn't know a song many people love 14 歌 書かれた 沖縄のメロディーで 外国語-27 ①ペアでジャンケンを する。 ②ジャンケンで勝った 生徒は、右の英語部分 を隠し、左の日本語を 見ながらどんどん英語 を言っていく。ジャン ケンで負けた生徒は、 言えた数を数える。言 えないものにはヒント を出す。 ③制限時間内に全て言 えるのが目標。 ④制限時間を過ぎたら 役割を交代する。 「めざせ一人!」ワークシート① ~ 生徒への説明用紙とまとめの例 I t ’ s Resea r c h Ti m e! 1.まず、自分のクラスの中で、 「たった一人の人だけがした(経験がある、できる)」と思 われることを5つ考え、例にならって疑問文を作ってみましょう。 例: Have you ever eaten a frog? Did you eat a Nikuman this morning? 既習の文法事項の復 習となる Do you like cockroaches? Can you snowboard? 2.ペアで、その中で最もいいアイデアだと思うもの「Best 3」を決めましょう。 3.つぎに、2で選んだ3つの疑問文をクラスのみんなにインタビューをしてみましょう。 1つの質問について、必ず5人の人に聞きましょう。ペアで10人の人に聞けるように しましょう。(作戦を立てて、予想して質問しよう!) 4.Yes と答えてくれた人がいたら、できるだけ「突っ込み質問」をしてみましょう。 When? Where? How do you feel? まとめの作文では、この「突 っ込み質問 」が多いほ うが 5.もし時間があれば、2つ目の質問、3つ目の質問にうつりましょう。 まとめやす くなること を告 げておく。 6.制限時間内に「クラスでたった一人だけしたことがある」ということが見つかったペア が勝ちです。 (一つ以上見つかれば、見つかった数の多いペアが最優秀賞!) ただし、最低でも7人以上の人に聞いた結果、たった一人 という項目のみ有効としま す。 (一人の人にしか聞いてないのにその人だけ、って、そりゃないでしょう、やっぱり) 7.インタビュー結果について、どれかひとつの質問を選び、各自英語でまと めてみましょう。(文の数と内容で評価します) 外国語-28 この段階では、ペアの相手と 同じでなくてもよい。 It’s Research Time! Class ( ) No.( ) Name ( ) <<Interview Time>> Your Questions 1 Have you ever eaten a frog? Yes の人の名前 ( Mine ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ 10 like chicken. Did you eat a Nikuman this morning? Yes の人の名前 ✔ ) + 感想 At a Chinese restaurant. / Tasted 2 No の人数 ( David、Mine, Yoshio イ ン タ ビュ の メ✔モ ✔ ー中 ✔ ✔ ✔ はカタカナや日本語可 ✔ ✔ ✔ 9 10 ) + 感想 デ:3個、本当はあんまんが好き よ:コンビニで買った み:カレーまんも食べた <<結論>> ○○ is the only person that has (eaten a frog !) で書き始めるといいね! Ms. Kobayashi is the only person that has eaten a frog. Can you believe that? She ate it at a Chinese restaurant. She said, “It was good. It tasted like chicken.” Do you want to eat a frog? I don’t. I can’t believe it’s good. I like chicken much better than a frog. What do you think? ねらいどおり、一人だけ見つかった場合 の例。関係代名詞が未習のため、最初の 文だけは例示しておいた。 外国語-29 <<結論>> もし、いっぱい見つかっちゃったら? There are three people who ate a Nikuman this morning. David ate three Nikumans. But in fact, he likes Anman better than Nikuman. Mr. Uematsu ate a Nikuman, too. He bought it at convenience store. Ms. Kobayashi ate a Nikuman and a Curry-man. She said, “I like Pizza-man the best.” I like Anman the best. But I don’t eat it for breakfast. インタビューの結果、 複 数 の 人 が YES と 答 えた場合の例 I think Anman is good for “Oyatsu”. <<結論>> もし、一人も見つからなかったら? There is no person who can snowboard. I thought some boys could snowboard. But no one can. I’m good at skiing. But I have never snowboarded. I want to snowboard some day. Have you ever skied? Have you ever snowboarded? If you are interested in snowboarding, let’s enjoy snowboarding! インタビューの結果、 誰 も YES と 答 え な か った場合の例 外国語-30 「めざせ一人!」ワークシート② ~ 実際に生徒が用いた用紙 I t ’ s Resea r c h Ti m e! Class ( ) No.( ) Name ( ) Your Original Questions ① このページ は、1時間 目に ペアで相談 しながら記 入し てある。 ② ③ ④ ⑤ <<Interview Time>> Your Questions No の人数 1 Yes の人の名前 2 ( 3 ( 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ) +αの情報 「救急車」ambulance のような、インタビュ ーされた相手が聞いても分からないような単 語 に つ い て は 、 Have you ever ridden an ambulance? 救 急 車 ? と い う 具 合 に 、 日 本 語交じりで質問してもよい。 Yes の人の名前 ( ) +αの情報 Yes の人の名前 1 ) +αの情報 外国語-31 <<結論>> ①たった一人なら: ( Ms. Kobayashi ) is the only person that ( has eaten a frog)! ②複数いたら: There are ( three ) people who ( ate a Nikuman for breakfast). ③一人もいない: There is no person ・ who ( can snowboard ). ・・のように書き始めるといいね! MEMO ~ 英語で言いたかったのに言えなかった表現、書きたかったのに書けなかった表現が あったら、メモっておこう! 「言いたかったのに言えなかっ たこと」は、個別にフィードバッ クする 外国語-32 生徒の作品例 Class( ~ 後日、関係代名詞の指導の後、多読教材として活用 ) Name( )No.( ) みなさんが取り組んだ「めざせ一人!」の優秀作品を集めました。 1) I asked “Have you ever ridden in an ambulance?” There are three people in my class who have ridden in an ambulance. One person is Ms. Kobayashi and I was excited to hear her story. She said: “I have ridden in one twice. The first time I was three years old. I was riding my bike when I fell down on the ground. My father called the ambulance. I cried a lot!” I think Ms. Kobayashi was cute. The next person is my friend R. She had a bad accident. She said: “When I was riding my bike, my leg was caught in the wheel and it stripped off my skin. I cried hard.” I can imagine that clearly. I think that riding a bike is a risky thing. (129語) *ambulance 救急車 wheel 写真 strip off~ ~をはぎ取る skin 皮膚 risky 危険な、危ない ( )人が( )人いた。 感想メモ: 2) Ms. Kobayashi is the only person that has been to France. She went there with her mother during last year’s summer holiday. They visited the Louvre and the Eiffel tower. I hear those buildings are so beautiful. To tell you the truth, I have also been to France with my Grandma. I visited the opera and the Catholic Church. The church had a lot of stained glass windows. They were very beautiful so I was very impressed. I felt god’s radiance there though I am Buddhist. The French people were very kind too, they helped me to choose a nice cheese. They spoke only French, but we could become friends.(110語) * Louvre ルーブル美術館 the Eiffel tower エッフェル塔 Catholic Church キリスト教の教会 stained glass window ステンドグラス god’s radiance 神様の輝き、光 Buddhist 仏教徒 ( ( )ことのある人は、書き手も含めると )人いた。 感想メモ: 外国語-33 5 分析と考察 本研究授業では、横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校での実践をもとに、 「読解 力」の対象を拡大し、 「書かれたテキスト」だけでなく「音声によるテキスト」も包含して いるものとした。そこで、インタビューを通じて「話し手の意向を理解し、それに対する 自分の考えを書いてまとめる」という活動を行った。 しかし、本来の「読解力」について考えたとき、やはり「書かれたテキスト」を「読ん で理解する」という本質に立ち返った指導も必要であろう。後日行った「めざせ一人~ Reading 編」までを含めた活動を積み重ねていくことで「読解力」の育成につながってい くのではないかと思う。 本研究では「読解力の育成」を目指してきたが、実質的には英語科の目標とする4技能 (話す、聞く、書く、読む)がバランスよく含まれたものと考えることができよう。PISA 型読解力の育成と、英語科の目指すコミュニケーション能力の育成とは、多くの部分が重 なってくるといえるのではないだろうか。 6 成果と課題 中学校に入って学び始める英語科の学習は、そのほとんどの時間が「習得」に費やされ るといっても過言ではなかろう。英語の基礎を習得させずに「活用」や「探究」にまで高 めていくことは不可能だからである。しかし、3年生にもなってくると、 「習得」のための 基礎練習だけでは生徒も満足しない。 「英語を使って表現してみたい」という生徒の欲求が 高まってくることを受けて、「活用」「探究」を目指した授業展開を更に工夫していく必要 がある。 外国語-34
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