iPS 細胞について

iPS 細胞について
2014 年 9 月、世界初の加齢黄斑変性に対する iPS 細胞由来の RPE シート移植手術が 70 代
の女性患者に対し実施されました。
これは、国立研究開発法人理化学研究所と公益財団法人先端医療振興財団が共同で行って
いる「滲出型加齢黄斑変性に対する自家 iPS 細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨
床研究」(2013 年 7 月に厚生労働省より計画承認)による第 1 例目の手術であり、地方独立
行政法人神戸市民病院機構の協力の下行われました。
理化学研究所などのグループは 10 月 2 日、患者の iPS 細胞からつくった網膜細胞を移植す
る世界初の手術について、実施から約 1 年経ったが結果は良好だと発表した。手術を受け
た女性に、がんなどの異常は見られないという。
手術から 1 年経った現在、患者の視力は術前とあまり変わらない 0.1 程度を維持しており、
「明るく見えるようになり、見える範囲も広がったように感じる。治療を受けて良かった」
と話しているという。
iPS 細胞は、治療が難しいパーキンソン病や脊髄損傷などへの応用が期待されている。
眼球の基本構造:網膜は視細胞を含む感覚網膜(神経性網膜)と網膜色素上皮(RPE)か
ら構成される。RPE は感覚網膜への栄養補給や老廃物の消化を担っている。
(理化学研究所)
株式会社ヘリオス引用
AMD(加齢黄斑変性)の治療方法
加齢黄斑変性には滲出型(ウエット型)と萎縮型(ドライ型)の 2 つの種類があり、症状は同様
であるものの発症のメカニズムが異なっています。黄斑のある網膜の下部には、網膜色素
上皮細胞(Retina Pigment Epithelium : RPE 細胞)という一層の細胞があり、その下に脈絡
膜という血管に富んだ組織があります。網膜が正しく働き、正常な視力を得るためには、
網膜の下にある RPE 細胞やその下にある脈絡膜が正しく働く必要があります。
滲出型(ウエット型)の加齢黄斑変性は、RPE 細胞が老化に伴う様々な原因で障害されるこ
とにより脈絡膜から異常な新生血管が RPE 細胞の下または RPE 細胞と視細胞の間につく
られ、そこからの出血や血液成分の漏出などにより、視細胞の機能が障害を受ける疾患で
す。
一方の萎縮型(ドライ型)の加齢黄斑変性は、老化による炎症が RPE 細胞に起こり、RPE
細胞と共に、その上部にある視細胞が失われることで、視力の障害が生じる疾患です
加齢黄斑変性(AMD)の症状断面図
加齢黄斑変性(AMD)の治療法の開発
.
現在、滲出型(ウエット型)の加齢黄斑変性の治療法としていくつかの治療法が存在していま
すが、いずれも、異常発生した新生血管の拡大をルセンティスの眼注で抑え退縮させる治
療であることから、視力の維持や改善ができても、根本的な原因の解決にはつながりませ
んでした。また、萎縮型(ドライ型)の加齢黄斑変性については有効な治療法はないのが現状
です。
加齢黄斑変性について、iPS 細胞から分化誘導して作成した RPE 細胞を含んだ懸濁液ある
いは RPE 細胞シートにより根本的な治療法の開発を進められてます。
iPS 細胞から分化誘導し作製した RPE 細胞の移植手術
滲出型(ウエット型)の加齢黄斑変性においては、iPS 細胞から分化させた RPE 細胞を含ん
だ懸濁液を注入し生着させることで、視細胞を安定させ機能復元を図る治療法や
RPE 細胞をさらに膜状にした RPE シートを移植する方法についても開発中
萎縮型(ドライ型)の加齢黄斑変性については、炎症による欠損箇所に RPE 細胞を含んだ懸
濁液を注入する方法の開発中
「RPE 細胞懸濁液」と「RPE 細胞シート」の2つ開発が進められてます。
マウス iPS 細胞の樹立
山中らのグループは、体細胞を多能性幹細胞へとリプログラムする因子を探索する過程で、
ES 細胞に特異的に発現する Fbx15 という遺伝子に着目し、Fbx15 遺伝子座中の構造遺伝
子をネオマイシン耐性遺伝子と入れ換えたノックインマウスを作製していた[5]。このマウ
スには明らかな異常は認められなかったが、山中らは『通常は Fbx15 を発現しない線維芽
細胞が、何らかの方法で多能性を獲得すると Fbx15 を発現するようになる』との仮説を立
て、このノックインマウス由来の線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いて候補遺伝
子を導入した後、ES 細胞増殖の条件で G418[注 5]を添加して培養するという実験系を構
築した(図)
。彼らの仮説に基づけば、Fbx15 を発現しない線維芽細胞は G418 によって死
滅するが、多能性を獲得した細胞は Fbx15 遺伝子座上のネオマイシン耐性遺伝子が発現し、
G418 耐性となって生き残ると考えられた。
ES 細胞で特異的に発現し、分化万能性の維持に重要と考えられる因子を中心に、24 個の候
補遺伝子を選んで導入実験を行ったが、どの遺伝子も単独では G418 耐性を誘導できなかっ
た。そこで 24 個すべての遺伝子を導入したところ、G418 耐性の細胞からなるコロニーを
複数形成することに成功した。この細胞を分離培養すると ES 細胞に酷似した形態を示し、
長期に継代可能であった。彼らはこの ES 様細胞株を「iPS 細胞」と命名し、24 遺伝子の
絞り込みを行い[注 6]、最終的に iPS 細胞を樹立するには 4 遺伝子で十分であることを突き
止めた。この 4 遺伝子は Oct3/4・Sox2・Klf4・c-Myc で、発見者の名を取り“山中因子
(Yamanaka factors)”とも呼ばれている。これらの研究成果は、2006 年 8 月にセル誌に掲
載された
iPS 細胞の作製法
1. 生体から得た細胞を培養する。
2. ベクターを用いて分化万能性の獲得に必要な遺伝子を導入する(赤色が遺伝子導入され
た細胞)
。
3. 細胞をいったん集め、ES 細胞の培養法にしたがい、フィーダー細胞の存在下、専用培
地で培養する。
4. 遺伝子導入された細胞の一部が iPS 細胞となり、ES 細胞様のコロニーを形成する。
Wikipedia 参照