発行:エスペック株式会社 題 題 名 題名 名 パ パッ ッケ ケー ージ ジ内 内部 部の の界 界面 面接 接合 合状 状態 態超 超音 音波 波探 探傷 傷測 測定 定 キーワード 超音波探傷、SAT、非破壊観察 ●超音波探傷装置の原理と特徴(1) 超音波探触子 超音波探傷装置(SAT:Scanning Acoustic Tomograph)は 超音波(反射波)を用いて、パッケージ内部の界面の 接合状態を非破壊で観察することができ、はんだ耐熱 性評価などに用いられている。SAT の画像は、接合界面 の各材料固有の音響インピーダンスとその組み合わせに 依存する反射率 R によって決まる。レジンから 剥離(空気層)に超音波が入射した場合の反射率は、 100%となり、接着部分より明るく画像化される。 またこのとき反射波形は位相が反転する。 水 Z1 Z2 図1 超音波探傷測定原理 ●超音波探傷測定の用途 超音波測定は、空気に対しては突出して検出感度を有していることから、試験体内部のクラック、ボイド などの検出や貼り合わせ界面の接合状態の評価には大変適している。現在、良く使われている試験体を以下 に示す。 ◇半導体、電子部品関連 ・IC パッケージの界面剥離、樹脂ボイド、チップクラック、パッケージクラック、ヒートシンク張り合わせ 評価 ・CSP、フリップチップのアンダーフィル評価 ・チップコンデンサ(積層セラミックコンデンサ)の層間剥離 ・シリコンウエハ貼り合わせ評価 ・基板の内部欠陥、薄膜接着評価 ◇金属関係 ・内部のクラック、ボイド、異物(内部欠陥) ・接着状態評価、介在物の評価、溶接の評価 ◇化学製品、セラミックス関係 ・内部クラック、ボイド ・射出成形品の内部状態評価 ・フィラの配向 ・CFRP や FRP の層間剥離 写真1 超音波探傷映像装置外観 ●超音波探傷映像装置(エスペックテストセンター保有) (仕様) 装置:日立建機社製 周波数帯域:500MHz 分解能:最小分解能力:0.5μm 検査範囲:有効ストローク:360x310mm 走査速度:最大走査速度:1000mm/s 写真2 サンプル測定状況 Copyright (C) ESPEC CORP. All rights reserved. 1 Test Navi【ケーススタディ】 ●評価事例 (1)半導体パッケージの接着界面信頼性評価 ①チップ-樹脂間 剥離 (反射法 上面より) 1st ボンディング部 反射波 (上面より) 2nd ボンディング部 チップ ④インナーリード-樹脂間 剥離 (反射法 上面より) リードフレーム ③チップーダイパッド間 剥離 (透過法) 銀ペースト(接着) 透過波 ②ダイパッドー樹脂間 剥離 (反射法 下面より) ダイパッド 反射波 (下面より) 【観察内容】 【観察内容】 ①チップ-パッケージ樹脂間の剥離の有無 ①チップ-パッケージ樹脂間の剥離の有無 (表面) (表面) ②ダイパッド部-パッケージ樹脂間の剥離の有無 ②ダイパッド部-パッケージ樹脂間の剥離の有無 (裏面) (裏面) ③チップ-ダイパッド間の剥離の有無 ③チップ-ダイパッド間の剥離の有無 《透過法》 《透過法》 ④インナーリード-パッケージ樹脂間の剥離の有無 ④インナーリード-パッケージ樹脂間の剥離の有無 (表面 (表面 ①と兼ねる) ①と兼ねる) 図2 パッケージ内の観察箇所 試験後にデバイス剥離観察 試験後にデバイス剥離観察 試験条件 試験条件 高度加速寿命試験 高度加速寿命試験 125℃ 125℃ 100% 100% 20時間 20時間 冷熱衝撃試験 -55 ℃ ⇔ 150℃ 各20分20サイクル 冷熱衝撃試験 -55 ℃ ⇔ 150℃ 各20分20サイクル チップ-、インナーリードパッケージ樹脂間(上面) ダイパッド部-パッケージ樹脂間(裏面) 透過法 図3 信頼性試験後の界面剥離観察状況 ●参考文献 (1) ソニー半導体 品質・信頼性ハンドブック Copyright (C) ESPEC CORP. All rights reserved. 2 Test Navi【ケーススタディ】
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