宍粟市森のゼロエミッション構想 2007 年3月 宍 粟 市

宍粟市森のゼロエミッション構想
2007 年3月
宍 粟 市
はじめに
平成17年4月に宍粟市は「人と自然が輝きみんなで創る夢のまち」を将来像に掲げ、
4つの町が合併して誕生しました。
これにより、宍粟市は兵庫県下最大規模の森林をはじめ、清らかな水、澄んだ空気、先
人から受け継がれてきた農地など多くの地域資源を有し、これらを活かすことにより大き
な可能性をもつこととなりました。
宍粟市総合計画に掲げる「人と人、人と自然にやさしいまちづくり」を実現するために
は、こうした宍粟市の地域特性をふまえた住みよい地域社会の構築に向けて取組んで行か
なければなりません。
現在、国においては、地球温暖化防止のために自然エネルギーの導入促進などによる温
室効果ガスの削減に取り組んでいます。農林水産省が主導する「バイオマス・ニッポン総
合戦略会議」はそのひとつで、地球温暖化の防止、循環型社会の形成、戦略的産業の育成、
農山村の活性化などを目標としたバイオマスタウンを全国に展開するなど、府省の枠組み
を超えた施策の推進が始まっています。
こうした中、宍粟市では旧一宮町が平成11年から取り組みを進めてきた森のゼロエミ
ッション構想を全市で展開することとし、自然資源を活かした地域づくりや、資源循環シ
ステムの構築など、地域資源の活用を中心とした資源循環型のまちづくりに取組んでいき
ます。
また、宍粟市最大の資源である森林資源を活用するための林業再生と宍粟材の活用を市
の重要施策に位置づけており、林業の活性化と木質バイオマス活用が将来の宍粟市にとっ
て非常に重要であると考えています。
今後は、この森のゼロエミッション構想が宍粟市の環境保全と産業振興に活かされ、市
民への普及啓発や学校における環境教育に取組みながら、市民と行政が一体となって宍粟
市の資源を活かした循環型の地域づくりを進めていきたいと考えます。
今回策定した構想計画は最初の一歩であり、今後さらに多くの皆様の提言や助言を受け
ながら取組んでいきたいと考えますので、ご意見、ご示唆が頂けることをお願い致します。
平成19年3月
目次 Index
Ⅰ 宍粟市森のゼロエミッション構想とは?.......................................................... 1
1
構想策定の背景とねらい .................................................................................. 1
2
構想の位置づけ................................................................................................. 3
3
構想の対象........................................................................................................ 3
4
構想の期間........................................................................................................ 3
Ⅱ 森のゼロエミッションに関わる本市の特性 ...................................................... 4
1
宍粟市の成り立ち ............................................................................................. 4
2
自然的特色........................................................................................................ 4
3
社会的特色........................................................................................................ 5
4
森のゼロエミッションに関わる宍粟市の特性................................................... 6
Ⅲ 森のゼロエミッションのめざすところ ............................................................. 11
1
森のゼロエミッションの理念 ......................................................................... 11
2
森のゼロエミッションの基本方針 .................................................................. 11
Ⅳ 森のゼロエミッションの具体的取組み .......................................................... 13
1
森と共に、希望と夢を育む「人づくり」........................................................ 13
2
森と共に、世界に誇れる「環境まちづくり」................................................. 14
3
豊かな森林資源を活かした「産業社会づくり」 ............................................. 15
Ⅴ 戦略的リーディング事業.............................................................................. 16
Ⅵ 森のゼロエミッションの推進方策 ................................................................. 25
1
推進体制 ......................................................................................................... 25
2
ロードマップ .................................................................................................. 27
Ⅶ バイオマスの利活用方策(バイオマスタウン構想)............................................ 29
1
宍粟市におけるバイオマス利活用の理念........................................................ 29
2
宍粟市におけるバイオマス利活用の方策........................................................ 30
参考資料 ......................................................................................................... 36
1
策定経過 ......................................................................................................... 36
2
用語解説 ......................................................................................................... 38
Ⅰ 宍粟市森のゼロエミッション構想とは?
1
構想策定の背景とねらい
森のゼロエミッション構想を策定するに至った背景およびねらいとしては、下記のよう
な状況があげられます。
(1) 構想を策定するに至る社会的な背景
①加速する地球温暖化への緊急な対応
・1997 年、京都議定書が取り決められ、平成 17 年(2005 年)2月 16 日発効しました。
日本は、2010 年を目安に 1990 年比で6%の温室効果ガスの削減を約束していますが、
そのためには大変な努力が必要です。
・森のゼロエミッションは、カーボンニュートラル(炭素中立)であるバイオマスなど
様々な資源を有効に使う取組みであることから、化石資源由来のエネルギーや製品の
代替につながり、化石資源由来の二酸化炭素の発生を抑制することができます。
②持続可能な循環型社会の形成
・人類が築いてきた大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会は、地球温暖化をはじ
め様々な環境問題やエネルギー問題を引き起こしています。限りある資源の中で、持
続可能な社会をつくっていくために再生利用、リサイクルを進めていくことは必要不
可欠であり、森のゼロエミッションの取組みを進めることは資源を有効に活用すると
いう面で、持続可能な循環型社会を形成する一つの方策となります。
③資源構造の大きな変化
・世界レベルでの資源構造の大きな変化のなかで、地域の林業も生まれ変わりつつあり
ます。来るべき時代に備えて、林業再生を進めていく必要があります。
④人口減少社会と農山村の将来像
・人口減少社会がますます進むなかで、農山村はこれまで以上に過疎化していくことが
考えられます。そのようななか、森のゼロエミッションの取組は、農林漁業から発生
する豊富なバイオマスの利用を有効活用し、自然循環機能の維持増資につながり、持
続的な農山村を形成することになります。
・また、新たなエネルギーや製品を利活用することにより、地域に根ざした新たな産業
が生まれ、ビジネスモデルとなり、雇用が発生することも期待できます。
1
(2) 宍粟市における背景-合併を契機として旧一宮町からの広がり-
「森のゼロエミッション構想」とは「自然とともに生活し、自然との共生により資源
を循環しながら廃棄物の少ない持続可能な循環型社会をつくる」ことをめざす取組み
として、平成11年に兵庫県において提案されました。
この構想のモデル地域の第1号として旧宍粟郡一宮町が指定を受け、平成12年度
に「森のゼロエミッション整備計画」を策定し、これまでさまざまな取組みを行って
きました。
そしてこの取組みは、平成17年4月に誕生した宍粟市全域に普及していくことと
なり、平成17年度に職員プロジェクトにより構想案がまとめられています。また、
関連する施策として、宍粟市の林業を再生していこうという「林業再生プロジェクト
基本構想」が策定されています。
以上を受けて、平成18年度に宍粟市森のゼロエミッション構想策定委員会を設置
し、市民や学識者、関係機関の協議により「宍粟市森のゼロエミッション構想」を策
定しました。
(3) 森のゼロエミッション構想策定のねらい
今回策定する「森のゼロエミッション構想」は、基本的に宍粟市全域において自然
や地域資源を生かしたまちづくりを進めるための実践書となります。
具体的には、宍粟市の自然資源を活かした地域づくりや市民生活における循環シス
テムづくりと普及啓発の方法、事業活動における循環システムとバイオマス活用によ
る新たな産業づくり、そしてこれらを実現するための宍粟市の現状に見合った技術の
実用化について述べるとともに、国が求める「バイオマスタウン構想」に対応するも
のとします。
① 循環型社会づくりに関する全市ビジョン
② 循環型社会づくりを効果的に具体展開するための戦略書
③ バイオマス利活用とバイオマスエネルギー導入に関するバイオマスタウン構想
2
2
構想の位置づけ
<関連計画との整理>
・上位計画:兵庫県バイオマス総合利用計画、宍粟市総合計画、兵庫県ゼロエミッシ
ョン構想
・関連計画:宍粟市森のゼロエミッション職員プロジェクト、宍粟市林業再生プロジ
ェクト基本構想
<国の取り組み>
国の取組みとしては、地球温暖化防止のための京都議定書を実現するための一つの
計画として平成 14 年 12 月「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定され、関係
府省の連携の下、バイオマスの利活用に関する総合的な取組みが進められています。
3
構想の対象
森のゼロエミッション構想の対象となる領域および主体は下記のとおりです。
(1) 対象となる領域
自然環境、住環境、産業、エネルギー、廃棄物、健康福祉、市民生活、教育、普及啓
発(人づくり、ライフスタイル)など多岐の分野に渡ります。
(2) 対象となる主体
市民、事業者、学校、NPO、行政
4
構想の期間
森のゼロエミッション構想の対象となる期間は、10 年間(平成 19 年度~28 年度まで)
です。
3
Ⅱ 森のゼロエミッションに関わる本市の特性
1
宍粟市の成り立ち
・宍粟市は、平成 17 年4月1日、旧宍粟郡山崎町、一宮町、波賀町、千種町の4町が
合併し誕生しました。
・宍粟市は兵庫県中西部に位置し、北は養父市・
鳥取県、東は朝来市・神河町・姫路市、南はた
つの市、西は佐用町・岡山県と接しています。
・宍粟市は、東西方向約 32km、南北方向約 42km
と広く、行政面積は 658.60k ㎡と兵庫県土の
7.8%を占めます。
・宍粟市が位置する地域は、奈良時代に編纂され
た「播磨国風土記」によると、7つの里をもっ
て宍禾郡(しさはのこおり)として建郡され、風土記に記された播磨の国の開拓神
「伊和大神」の本拠地である歴史と伝説のふるさとであり、古代からの遺跡や神話・
伝説なども多数残されています。
2
自然的特色
(1) 地理
比較的平地が少なく、
地域を南北につらぬく千種川・揖保川を中心に集落が広がり、
その周囲の大部分が山地になっています。
兵庫県下最高峰の氷ノ山、
第二峰の三室山、
第三峰の後山という、1,000mを超える山々がそびえ、氷ノ山後山那岐山国定公園や、
音水ちくさ県立自然公園に指定されています。
(2) 気候
北部は日本海型気候の影響で寒冷多雨で冬季は積雪が多く、南部は瀬戸内海型気候
の影響で温暖な気候です。
(3) 植生
市域のほとんどを占める豊富な森林植生は、スギ、ヒノキの人工林が多く、民有林
の約 92%を占めます。一部、ブナなど自然植生、ミズナラ、コナラなどの里山的な植
生も見られます。
4
(4) 河川
県下を代表する清流である一級河川の揖保川や日本の名水百選の千種川をはじめ、
福知渓谷、赤西渓谷、音水渓谷等の景勝地が四季折々の風情を織りなします。
3
社会的特色
(1) 人口
宍粟市における総人口は、戦後の昭和 25 年の 60,289 人をピークに昭和 45 年頃まで
減少傾向となり、以降は昭和 60 年頃まで横ばいを保っていましたが、平成7年頃より
再び減少傾向となり、平成 17 年国勢調査では 43,302 人となっています。
(2) 産業
広大な森林面積を有する宍粟市では、古くから森林資源を活用した製材業、木材・
木工製品・家具等の地場産業で栄え、現在も兵庫県下有数の木材産地となっています。
近年は、第3次産業が5割と中心を占めています。特に、恵まれた気候風土や豊かな
自然を活用した観光農林業など、観光産業と農林業が融和した特色ある地域へと発展
しています。
○農業
農業はほとんどが兼業であり、米作が中心で地域振興作物として黒大豆や自然薯
などの栽培にも取組んでいます。また、肉用・乳用牛の飼育、鶏、豚、馬などもみ
られます。
○林業
古くから林業が盛んな地域で、市内に素材業が 20 数社あり年間約 5 万 m3 が生産
されています。市内には、原木市場も有していますが、近年取扱量は減少しており、
平成9年をピークに平成 14 年までは減少していました。しかし、平成 15 年以降
は若干の増加傾向にあります。
○工業(製造業)
工業としては、製材業や木工業が多く分布することが特徴で、製造業では地域に
広く点在する素麺製造業をはじめ、豆腐、カレー、デンプンなどの食品加工業、電
気機械器具製造業がみられますが製造品出荷額は減少しています。
○商業
近年、道路交通網が整備され、大型量販店を中心としたロードショップが立ち並
ぶ商業施設が充実してきていますが、商店街をはじめ小規模小売店舗については空
き店舗が増加する傾向にあります。
5
(3) 交通環境
宍粟市には鉄軌道がなく、バスや自動車による交通に依存しています。公共交通と
しては、路線バスや中国自動車道を通るハイウエイバスが中心ですが、運行回数が少
なく、路線も国県道が中心となっています。
道路網は南部に京阪神と中国地方を結ぶ中国自動車道、これと交差して山陽と山陰
を結ぶ国道 29 号、北部地域を東西に結ぶ国道 429 号が広域幹線道路となっています。
4
森のゼロエミッションに関わる宍粟市の特性
(1) バイオマスの賦存量・利用可能量について
市全体のバイオマス資源の年間発生量を推計した結果、重量ベースで 106,592t/年と
なります。
内訳としては、森林系の木質バイオマスが中心であり、特に未利用資源である林地残
材をはじめ、製材工程で出る木くずなど木質系を中心としたバイオマスが多く 93,152t
/年(全体の約 87%)を占めていることが特徴的です。
しかし、全体のバイオマス資源の分布状態は広く・薄い状態にあり、利活用方策とし
ては工夫が必要となります。また、多くはすでに何らかの利用がなされており、
「利用可
能量」としては、比較的少ないものとなっています。
宍粟市におけるバイオマスの賦存量および利用可能量の現状について、分野別(森系・
農業系・工業系・生活系)に整理した結果は以下の通りとなります。
①森系(木質系廃材・林地残材など)
○製材木くず
・市内に約40カ所ある製材所から「おが屑・木くず・端材」などが発生しています
が、現状では大半が再利用されています。主な仕向け先は、畜産の敷料、オガライ
ト(オガ炭)原料などであり、その他、自社工場内の木材乾燥用や事務所暖房用の
ボイラー燃料などにも利用されたり、薪燃料として家庭の風呂の燃料として使用さ
れたりしています。
○そうめん木箱
・木質系廃材としては、
「そうめん木箱」があげられます。宍粟市の特産品のそうめん
を保管・流通するための通箱で、5~6回の解体・再組み立てを行い再利用を繰り
返したのち廃棄処分されています。市内で年間およそ 160t のそうめん廃木箱が発生
しており、そのほとんどが産業廃棄物として処理されている状況です。
6
○林地残材
・毎年約 1500ha 程度(平成 16 年度は 1,729ha)が間伐され、約 16,000t の間伐材が
発生していますが、そのうち約 30%が搬出され、残りの約 70%は山林内に残されて
います(※)
。運び出された間伐材は建築資材や丸棒などに加工されほぼ 100%が加
工・販売されています。しかし、山に残された 40%の「林地残材」および素材生産
時に出る枝葉部分(1割相当:2345t/年)はほとんど活用されていない状況です。
(※兵庫県林業統計による:宍粟市の間伐による採取率 60%、そのうち搬出率 50%)
②農業系
○家畜排泄物
家畜排泄物は、重量ベースで木質系廃材に次いで最も多く排出されるバイオマス
で、肥育牛、乳牛、豚、馬、鶏から合計 28,208t/年発生しています。家畜排泄物の
発生量のほとんどが肉用の肥育牛によるもので、JAハリマ堆肥センターまたは畜
産農家が所有の堆肥化施設においてほぼ 100%が堆肥化され、JAなどを通じて販
売・利用されています。
○稲わら・もみ殻
稲わらは一部の畜産農家での敷き料などに利用されています。もみ殻は宍粟北み
どり農林公社および域外の施設でくん炭化し商品として販売されるほか、各農家に
おいてもくん炭化して利活用されています。
③工業系(産業廃棄物系)
でんぷん工場、豆腐工場、その他の食品工場等から食品加工物の残渣などが発生し
ています。でんぷん工場の廃液は排出量の約 60%をメタン発酵し、自社内のボイラー
などに利用されるとともに、繊維分については家畜肥料として利用されています。
④生活系(生ゴミ、紙くず、下水汚泥、剪定枝、廃油など)
生活系の生ゴミ、下水汚泥など都市活動に由来するものは少ない状況です。食物残
渣である生ゴミについては、約2割程度が市民活動として有用菌やコンポストを使っ
た堆肥化を行い、家庭菜園で利用されていますが、残りは宍粟環境美化センターにて
RDF として固形燃料化され、火力発電所の燃料として域外で活用されています。
廃食油は、石けんプラントを使った石けんづくりなどの市民運動が見られるものの、
その量は少なく、事業系から発生する廃食油は処理業者に委託処理されている状態で
す。
7
表
バイオマスの賦存量および仕向け量
賦存量
(t/年)
(tC/年)
バイオマス
(廃=廃棄物系、未=未利用系)
森
林
系
① 廃 木質系廃材
仕向量
(t/年)
(tC/年)
36,470
その他木質系廃材
160
18,612
83 堆肥
9,641 製材
160
83 販売
5,456
2,826 販売
28,208
9,901 堆肥
22,405
② 未 間伐材・林地残材
⑤ 未 もみ殻
18,891 敷料・燃料
34,369
95%
62%
936 販売
113
81 販売
92%
1,061 自家利用
100%
1,262 家畜飼料、堆肥
⑦ 廃 生ゴミ
一般廃棄物系
123
2,400
88 原材料化
1,061 堆肥、RDF
2,400
16 原材料化
1,692 原材料化、RDF
4,763
廃棄物系バイオマス 計
未利用バイオマス 計
合計
79%
1,921 自家利用
284 販売・自家利用
2,118
2,855
⑪ 未 剪定枝
7,864 自家利用
4,696
694
廃食油
22
一般廃棄物系
4,763
130
50 堆肥
除草屑・剪定枝
5,600
332
2,150 堆肥
172 堆肥
⑩ 廃 下水汚泥
94%
100%
29%
2,022 堆肥
458 くん炭、堆肥
産業廃棄物系
廃食油
17,803 販売・自家利用
利用率
(%)
4,943
1,119
工 ⑥ 廃 食品廃棄物
業
系
生 ⑧ 廃 紙くず
活
系 ⑨ 廃 浄化槽等汚泥
利用・販売
製材屑
③ 廃 家畜排泄物
農
業 ④ 未 稲わら
系
変換・処理方法
80,586
25,006
105,592
38,540
12,292
50,833
↑炭素換算
8
22
16 販売・自家利用
74%
100%
1,692 販売
100%
130
50 販売
100%
5,600
2,150 販売
100%
262
71,945
11,108
83,052
136 販売・自家利用
35,089
5,166
40,256
↑炭素換算
72%
89%
44%
79%
図 バイオマス(森林系・農業系)の発生場所とエネルギー需要施設(温泉などの公共施設)の位置図
<地図>
9
(2) バイオマス利活用の取組み状況、施設
バイオマス利活用の取組みや施設としては下記のようなタイプのものがあります。
①資源循環タイプ
・オガ粉製造施設(播磨木質バイオマス利用協同組合)
・木質バイオマスガス化発電実証試験施設(NEDO 共同実証実験事業)
・堆肥センター(ハリマ農協)
・もみ殻炭化施設(宍粟北みどり農林公社)
・でんぷん粕のエネルギー利用(長田産業(株)
)
・木材乾燥、場内暖房への木屑焚きボイラーの導入(衣笠木材(株)
)
②事業創出タイプ
・オガライト・オガ炭製造(兵庫炭化工業(株))
・間伐材の小径木加工(しそう森林組合)
・宍粟材の公共施設及び住宅等への積極的利用(宍粟市)
③市民活動タイプ
・廃食油の粉石けん化(婦人会、森のゼロエミッション倶楽部)
・家庭の生ごみコンポスト化
10
Ⅲ 森のゼロエミッションのめざすところ
1
森のゼロエミッションの理念
「ゼロエミッション」とは、本来、環境への負荷がゼロであることを意味します。
「森の
ゼロエミッション」とは、これに宍粟を代表する地域資源である「森」を組み合わせ、森
を基盤とした持続可能な地域づくりを意味するものです。
-森と共に生きるまち-
森を基盤とした持続可能なまちづくり
2
森のゼロエミッションの基本方針
森のゼロエミッションを実現していくにあたり、以下の3つの方向に進めます。
①
森と共に、希望と夢を育む「人づくり」
◆環境教育・学習を通して「吾唯足知」(われただたるをしる)(※)の心を養うととも
に、未来社会への希望と夢を育む人づくりをめざします。
②
森と共に、世界に誇れる「環境まちづくり」
◆ほっこりとした森の文化を再発見するとともに、森と共なるライフスタイルに根ざし
た環境まちづくりをめざします。
③
豊かな森林資源を活かした「産業社会づくり」
◆ 森林・林業・木材などを通じて、地域資源の循環と利活用を図るとともに、新たな
多次産業社会づくりをめざします。
※地球と共生する人間の望ましいあり方。「もったいない」にも通じる。
11
12
Ⅳ 森のゼロエミッションの具体的取組
1
森と共に、希望と夢を育む「人づくり」
環境教育・学習を通して「吾唯足知」
(われただたるをしる)の心を養うとともに、未来
社会への希望と夢を育む人づくりをめざします。
<取組み方向性>
・宍粟市は、水とみどり豊かな自然環境に恵まれたまちです。この豊かな自然の中で地域
社会を形成し、健全で安らぎのある生活を送るとともに、豊かな人間性を育んできまし
た。
・しかし、都市化の進行、産業構造の変化、少子高齢化、人口減少社会など社会が大きく
変動している中で、人が学び、成長する環境も大きく変わりつつあります。
・生活体験・自然体験の豊かな子どもは、道徳観や正義感が充実していると言われていま
す。宍粟市の豊かな自然や日常生活の中で、様々な体験をし、感性を磨きながら、将来
に夢を抱き、現代を生き抜く力と郷土を愛する心を育みます。
<取組む内容>
○森の体験や自然体験を通じて人間性豊かな子どもを育てる
・地域の森林や川など自然を題材にした環境学習プログラムの実施
・地域の歴史、文化、伝統産業などの地域学習、体験学習、労働体験
○森を活かした生涯学習の推進
・高齢者や障害者の方の社会参加のチャンネルづくり
・世代間の交流を通じた地域の輪づくり
○地域における子どもの体験活動を支援する体制づくり
・地域における指導者の育成
・学校と地域、家庭、行政、企業の連携で取組む
13
2
森と共に、世界に誇れる「環境まちづくり」
ほっこりとした森の文化を再発見するとともに、森と共なるライフスタイルに根ざした
環境まちづくりをめざします。
<取組み方向性>
・宍粟市は、森と共なる生活の中で、森を生業(なりわい)の糧としながら、豊かで緻密
な森林文化を形作ってきました。森林が私たちに与えてくれる恵みは、林産物にとどま
らず、エネルギー、二酸化炭素吸収、水源涵養、生物多様性維持など図りしれないもの
です。
・しかし、地球規模で見れば、地球温暖化が進行し、気象の変化など環境の異変が起こっ
ています。宍粟市でも産業構造の変化の中で森と人との生活が遠くかけ離れつつありま
す。
・かつて森と共に暮らしていた頃の古き良き時代の「知恵」を復活し、自然エネルギーの
利用など、積極的な森の活用を進めながら、森と共なるライフスタイルを築きます。
<取組む内容>
○環境循環型のライフスタイルづくり
・間伐材の有効利用、廃棄物の有効利用など資源循環の取組み推進
・自然エネルギーやバイオマスエネルギーなど再生可能エネルギーの導入
・環境共生の意識向上のための学習会・イベント等の開催
○豊かな自然環境の保全
・里山や渓谷など自然環境を守り育てる
・棚田景観など美しく個性ある景観づくり
・ボランティア活動や交流活動による森林の活用促進
14
3
豊かな森林資源を活かした「産業社会づくり」
森林・林業・木材などを通じて、地域資源の循環と利活用を図るとともに、新たな多次
産業社会づくりをめざします。
<取組み方向性>
・宍粟市は、これまで豊富な森林資源を活用し、林業をはじめとする地域産業を形成して
きました。近年の木材価格の低迷や林業後継者不足などにより林業は衰退傾向にありま
したが、林業再生を市の重要施策に位置づけ、林業の活性化を図り「森と共に生きるま
ち」をめざします。
・今後は、地域の豊富な資源を活かし、森林・林業・木材をベースにした「多次産業社会
づくり」を目指すとともに、地域に根ざした環境ビジネスを推進していきます。
※多次産業社会=素材生産、木材加工・住宅建設、流通販売の1次+2次+3次産業=6次産業のこと
<取組む内容>
○バイオマス産業の振興
・多部門を連結させた「バイオマス産業クラスター」の形成
・林業基盤の整備、宍粟材のブランド化等による林業の活性化
・食育・スローフード、観光農業などによる農業の活性化
○地域に根ざした環境ビジネスの推進
・豊かな森林資源を有効に活用した新産業づくり
・コミュニティビジネス、新たな起業促進
・企業CSRのしくみづくり、宍粟市版地球温暖化防止証書(仮称)の発行
15
Ⅴ 戦略的リーディング事業
下記の戦略リーディング事業を行うことにより、森のゼロエミッションの取組みを牽引
し、効果的に展開していきます。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
事業所での森林バイオマス利用
食品工場におけるバイオマスの複合的利活用
木質バイオマスガス化実証試験プラント活用
バイオマス製品の強化
企業CSRを活かした森林・バイオマス活用
フォレストビレッジ:森のモデル生活
森育(もりいく):森を育てて、森に育つ
宍粟ゼロエミッション楽市:物々交換&エコマネー
<3つの目指す方向との関連>
環境まちづくり
人づくり
⑤ 企業CSRを活かした
森林・バイオマス活用
③ 木質バイオマスガス化
実証試験プラント活用
⑦ 森育(もりいく)
(森を育てて、森に育つ )
産業社会づくり
②食品工場におけるバイオ
マスの複合的利活用
① 事業所での
森林バイオマス利用
⑥ フォレストビレッジ
(森のモデル生活)
④ バイオマス製品強化
⑧ 宍粟ゼロエミッション楽市
(物々交換&エコマネー)
16
名 称
1 事業所での森林バイオマス利用
背景と
・森林バイオマス利用についての事業所側での需要創造
ねらい
・化石燃料代替による温室効果ガス排出量の削減
取り組
・公共施設等事業所への木質ボイラー導入
み内容
*現需要量 暖房・給湯:重油・灯油計 223kl(2,323MWh)/年・9施設、新庁舎も対象
定格出力計 5,471KW
具 体 化 ・平成 19 年度に新庁舎も含め FS(フィージビリティ)調査を実施し、導入機種選定、燃料(チ
手
法
ップまたはペレット)供給方法等について検討。
・実用化を重視する(技術開発的要素は小)。
・既存ボイラーについてはバックアップ及びピーク対応用としての活用を検討。
<参考:宍粟市内主な公共施設関連のボイラー設置状況>
施設名
旧町村名 用途
燃料種
福知渓谷休養センター
楓香荘
楓香荘
山崎市民局
生谷温泉伊沢の里
楓香荘
ちくさ高原
ちくさ高原
フォレストステーション波賀
千種市民局
保健福祉センター(エーガイヤ)
一宮温泉まほろばの湯
楓香荘
ちくさ高原
一宮町
波賀町
波賀町
山崎町
山崎町
波賀町
千種町
千種町
波賀町
千種町
千種町
一宮町
波賀町
千種町
灯油
灯油
A重油
灯油
A重油
灯油
灯油
灯油
A重油
重油
灯油
灯油
A重油
灯油
給湯用
給湯用(現在休止中)
給湯用(厨房)
給湯用
給湯用(風呂)
給湯用
給湯用(風呂・足し湯)
給湯用(厨房)
給湯用(風呂)
暖房用
給湯用(風呂)
給湯用(風呂)
暖房用(ホール)
給湯用(風呂・親湯)
定格出力 年間燃料 年間燃料使 設置年期 更新時期
(KW)
使用量(kl) 用量(MWh) (年)
(年)
465
48
489
1984
1999
116
-
-
1990
2005
80
-
-
1992
2007
47
-
-
1993
2008
749
94
1021
1997
2012
465
46
469
1997
2012
233
-
-
1997
2012
303
55
561
1997
2012
576×2
132
1434
1999
2014
233
8
87
2000
2015
349×2
57
576
2001
2016
581
111
1132
2002
2017
233
66
717
2004
2019
116
-
-
2006
2021
参考1:宍粟市の既存公共施設規模と木質バイオマス燃料使用量
・事例より 240KW でチップ約 1.5m3/日→約 0.25t/日→約 80t/年(チップ)
宍粟市公共施設ボイラー定格出力計 5,471KW→約 2,000t/年(チップ)が必要
参考2:ペレット国内需給バランス
・ペレット製造能力 3,000~5,000t/年・基
国内製造能力(約 20 基として)約 6~10 万t/年⇔現需要<1万t/年
スケジ
ュール
年
度
19
内
容
FS調査
20
21
導入準備
22
23
順 次 導 入
17
24~
名 称
2 食品工場におけるバイオマスの複合的利活用
背景と
・食品工場から排出するバイオマス資源の有効活用
ねらい
・森林バイオマスとの複合的利用により、化石燃料代替による温室効果ガス排出量の削減
取り組
・市内の食品工場から排出するデンプン廃液、おから、そうめん廃棄箱等のバイオマス資源に
み内容
ついて有効活用する。
・乾燥工程に森林バイオマスを利用するなど複合利用することで相乗効果をねらう。
具体化
手
法
下記項目について、平成 19 年度に実施するFS(フィージビリティ)調査のノウハウを生か
しながら、事業化の可能性を検討する。
○デンプン廃液
・既実施である事業所内でのメタン発酵を維持する。
・今後、拡大に向けて設備改造を検討する。
○おから等飼料化が可能な食品加工残渣
・おから等食品加工残渣については、飼料化を基本として行う。
・また、炭化して土壌改良材としての利用を検討する。
・さらに、木質系バイオマスを燃料として乾燥を行う循環システムの構築を検討する。
○そうめん廃木箱
・そうめん廃木箱については、年間 160t 排出されているが、現状では域外で産業廃棄物処
理され、畜産敷料や堆肥等として利用されている。
・将来的には、域内にて処理・有効活用する仕組みづくりを行う。
スケジ
ュール
年
度
19
内
容
FS調査
20
21
導入準備
22
23
順 次 導 入
18
24~
名 称
3 木質バイオマスガス化実証試験プラント活用
背景と
・これまでの技術開発事業の発展的活用
ねらい
取り組
・PR&学習施設としての活用
み内容
・民間コンソーシアム等による実用化の支援
具体化
・多用途可能性についてのPR&学習→動力、熱 ほか
手
・
“森と共に生きるまち”の子どもたちへの環境学習
法
・森のゼロエミッションツアーとの連携により進める
<木質バイオマスガス化実証試験プラント>(実証試験H14~H18:NEDO との共同)
(設置場所:しそう森林組合)
スケジ
ュール
年
度
19
内
容
試行
20
21
22
23
学習活用・実用化支援
19
24~
名 称
4 バイオマス製品の強化
背景と
・既に事業化されている木質バイオマス製品の競争力強化
ねらい
*例:オガライト 現約 2,000t/年(→オガ炭約 600t/年)
取り組
・既存製品の強化→新たな用途、環境面での認証制度等による競争力向上 等
み内容
・新たなビジネス展開
具体化
・木質ボイラー利用に対応した製品(宍粟型簡易ペレット)開発
手
・木質バイオマス流通卸しビジネス
法
・新たなマテリアル利用商品開発→産学連携 など
<オガ炭・オガライト>
スケジ
ュール
年
度
内
容
19
20
21
22
23
順次ビジネス化
産学連携
20
24~
名 称
5 企業 CSR を活かした森林・バイオマス活用
背景と
・
「宍粟市森のゼロエミッション」の政策的魅力を活かし、森林管理(伐採)及び木質バイオ
ねらい
取り組
マス利用を企業CSRと結びつける
・森林管理(伐採)及び木質バイオマス利用への企業CSRの組み込み
み 内 容 ・CSRとして森林管理に協力した企業に対し、PR向け独自の「森のゼロエミッション証書」
の発行および社員の福利厚生の場提供などを行う
具体化
①具体化に向けた仕組みの検討
手
②提供する企業CSRメニュー内容(企業ニーズに応じた受け入れパターンの作成)
法
・+αのメリット:宍粟市独自の「森のゼロエミッション証書」
(化石燃料の木質バイオ
マス代替・森林保全活動による CO2 削減)の発行
・社員向け森のゼロエミッションツアー など
③実施主体
・市、協議会等が連携
<スキーム図>
パートナーシップ
a.山林所有者
コーディネート
A.運営主体
4.CSRレポート等
社会へのPR
b.企業
森のゼロエミッ
ション証書
1.森林管理・伐採
e.宍粟市
原木
c.製材業者
2.製材
チップ・ペレット
3.バイオマス利用
(ボイラー)
d.公共施設等
コーディネート
製品
行為
メリット
スケジ
ュール
年
度
内
容
19
仕組み検討
20
21
試 行
21
22
23
本格導入、順次拡大
24~
名 称
6 フォレストビレッジ(森のモデル生活)
背景と
・持続可能なまちづくりに向けたライフスタイルの形成(需要創造)
ねらい
取り組
①木を使ったライフスタイルの創造
み内容
・ストーブ(ペレット、薪)利用
・お風呂のボイラー(薪、ペレット)利用
・家具、食器、机、学習教材、おもちゃ等への利用
・オガ炭・オガライト利用
②循環型のライフスタイルの創造
・地産地消
・生ゴミ堆肥化、リサイクル
・ソーラーエネルギー
・廃食油を利用したBDFの活用
③情報発信
・ライフスタイル誌、HP、ブログ等
具体化
手
法
●平成 19 年(1ステップ)
・モデル家庭:ペレットストーブの試用と効果検証→PR(情報発信)
・学習、視察交流にも活用
↓
●平成 20 年(2ステップ)
・地域へと広める
・燃焼機器取扱店増やす
↓
●平成 21 年(3ステップ)
・市営住宅、木材の工業団地等への導入
スケジ
ュール
年
度
内
容
19
モデル家庭
20
21
モデル地域
22
22
23
24~
市営住宅等全市へ普及・拡大
名 称
7 森育(もりいく)森を育てて、森に育つ
背景と
・森との関わりの中で、地域の人材を育て、森も育てる。
ねらい
取り組
・森のゼロエミッション普及啓発資材を活用する。
み内容
・市民との関わりのなかで、指導者を発掘・育成する。
①子ども向け学習プログラムの展開
・夏休みスクール
・宍粟ジュニアフォレスターズ認定(表彰制度でやる気 up)
②ゲストティーチャー・指導者の養成
・企業と連携した研修会の開催
・ゲストティーチャーの養成
③市民への普及啓発
・出前講座、タウンミーティング
・木工コンテスト
・里山管理活動(林地残材の運び出し等)
④人材育成・人材登録
・巧みの技を持っている人へのヒアリング、登録制度
・ゼロエミッションサポーター登録
平成 17 年度森のゼロエミッション普及啓発事業制作教材
具体化
手
・モデル校での学習プログラム試行から全校へ拡大
法
スケジ
ュール
年
度
内
容
19
モデル校
20
21
22
順 次 取 組 拡 大
23
23
24~
名 称
8 宍粟ゼロエミッション楽市(物々交換&エコマネー)
背景と
・需要と供給の結びつけを促進する仕組みづくり
ねらい
取り組
・市民と市民、市民と企業、企業と企業の物々交換の仕組み(情報、場等)づくり
み内容
・エコマネー的展開も展望
具体化
・宍粟材PR館での展開
手
法
例:薪・材木等の直販、端材姿売り&その場での加工
針葉樹の木工教室、家具づくり体験
など
<ゼロエミッション楽市のスキーム>
林地残材
事業所
薪
農家
くん炭
丸棒
オガ炭
オガライト ペレット
石鹸
宍粟ゼロエミッション楽市
BDF
伐採した竹
(常設の場)
情報交換・集いの場
市民
物々交換
展示・PR
木工細工
堆肥
木の家具
NPO
人手・技術
新商品
モニター
運営主体
(NPO?)
企業
スケジ
ュール
年
度
内
容
19
イベント試行
20
21
22
23
定例化→常設化→順次拡大
24
24~
Ⅵ 森のゼロエミッションの推進方策
1
推進体制
① 市民・事業者・市等各主体の連携の場(プラットフォーム)づくり
・平成18年度に組織した「宍粟市森のゼロエミッション構想策定委員会」を発展的継
承し、平成19年度に「宍粟市森のゼロエミッション推進協議会(仮称)
」を組織し、
市民や企業、学識者などによる部会活動によりプロジェクトを実施しバイオマスの
利活用推進を図ります。
【宍粟市森のゼロエミッション推進協議会(プラットフォーム)】
事務局:宍粟市
構成:
● 市民や企業、学識者などによる部会活動から発展したプロジェクトごとの組織
● プロジェクトを支援する地域外の専門家、学識経験者、有識者や関連団体など
● 興味、関心のある市民、関連事業者、教育関係者など(プロジェクトへの参加
は関係ない)
取り組み内容:
● プロジェクト間の情報交換(概ね年 1 回の全体総会)
● プロジェクト内部の情報交換(概ね月 1 回)
● プロジェクト組織は必要に応じて、他のプロジェクト組織や地域外の組織などと連携
● プラットフォームへの参加・脱退は自由。
② 地域外の力・知恵を活かす仕組みづくり
・専門的な立場で指導や先進事例の紹介を行うことを目的として、学識経験者や有識者
による組織をつくります。
・平成18年度から活動を行っている兵庫県立大学との産官学連携による宍粟バイオマ
ス利用研究会と連携した事業化検討なども組み入れます。
・NPOとの連携による事業展開を図ります。
・地域外の力、知恵をより有効に活用することを目的として、既存の組織や個人の取組
み、課題を整理し、外部に向けて情報発信、また地域外の関連組織、個人と的確な情
報交換および連携が行えるようなマッチング。このようなマネジメント組織を設置し
ます。
25
③ 市役所内の連携体制の強化
・バイオマスに直接、間接的に関連する市役所内部の担当課から担当者による情報交換・
協議する機会を設置し行政施策における展開を図ります。
【推進体制図】
市民・関連事業者
教育機関・行政
新規立ち上げ
企業CSRプロジェクト
××プロジェクト
(新規プロジェクト)
フォレストビレッジ
プロジェクト
森育プロジェクト
木質バイオマスプロ
ジェクト
FS 委員会
連携・支援
宍粟ゼロエミッション
楽市プロジェクト
プロジェクト完了/解散
研究機関
情報提供
連携・支援
学識経験者・有識者
プラット・フォーム
事務局:宍粟市
マネジメント組織
外部とのコーディネート
情報提供
紹介・連携
・既存組織・個人の取組みに関す
る情報発信
登録・情報提供
・課題を解決する手段をもつ組織
とのマッチングなど
○…個人
地域外の組織・個人
△…企業・NPO など組織
26
2
ロードマップ
宍粟市森のゼロエミッション構想ロードマップは、3 つの基本方針に基づいた取組み内
容、取組みの具体的手法を時間軸上に示したものです。
また、具体的取組みは個別プロジェクトとして独立して展開するのではなく、相互に関
連し連携しながら取組みを進めていくことで、個別の取組みが充実したものとなり効果が
期待できます。そこで、連携の主軸となるものに関しては、ロードマップ上に関連を示し
ました。
27
短
期
中
長
期
宍粟市森のゼロエミッション構想ロードマップ
基本方針
1.森と共に、希
望と夢を育む
「人づくり」
内容
森の体験や自然体験を
通じて人間性豊かな子
どもを育てる
具体的手法
7.森育(もりいく)
(森を育てて、森に育つ)
19 年度
20 年度
モデル校での授業
取組拡大
市民向け出前講座
習の推進
地域における子どもの
体験活動を支援する体
制づくり
2.森と共に、世
界に誇れる
「環境まちづ
くり」
全
3. 豊 か な 森 林
資源を活かし
た「産業社会づ
くり」
6.フォレストビレッジ
タウンミーティング
(森のモデル生活)
ライフスタイル
モデル
3.木質バイオマスガス化
実証試験プラント活用
2.食品工場におけるバイ
1.事業所での森林バ
バイオマス
5.企業CSRを活かした
木材供給センター
4.バイオマス
製品の強化
プラットフォーム形式
26 年度
下流域(都市部)の自治体と
連携した授業の検討・実施
27 年度
全市へ順次普及・拡大
BDF/生ゴミ堆肥化/ライフスタイル誌、HP 情報発信
学習プログラムの充実
適宜カリキュラムの見直し
指導者育成
情報発信施設として活
用(森育と連携)
おから・食品廃棄物の
飼料化等の検討
FS 調査
市営住宅への普及
木質バイオマスガス化発電の導入検討
導入準備
導入準備
公共施設・食品事業者の食品廃棄物への導入拡大
民間施設導入
順次導入(公共施設中心)
全市へ普及拡大
大 規 模 バイ オ マス 利
活用方策の導入
PR 館でのイベント試
行(メッセ方式/展示
PR)
・情報交換森育発
表会(子どもたちの
報告等)
楽 市 の
常設化
楽市の定例化
エコマネーの利用検討
順次拡大
観光産業としての楽市
森林管理・林地残
材有効活用するた
めの仕組みづくり
森のゼロエミッション証書の発行
参加企業の順次拡大
社員向け森育・森のゼロエミッションツアー
運営主体の設立
施設整備
木質ボイラーに適した製品の開発 オガ炭・オガライトの高付加価値化
木質バイオマス流通卸売りサービス
プラットフォーム会議開催(年1回)
プロジェクトごとの会議(月1回)
28
新たなマテリアル商品開発→産学連携
外部とのマネジメント
組織の立ち上げ
28 年度
適宜カリキュラム見
直し、指導者育成
下流域・地域外の人を巻き込んだ市民講座
地域に根ざした環境
推進体制
25 年度
森のゼロエミッションツーリズム
森林・バイオマス活用
ビジネスの推進
24 年度
イオマス利用
8.宍粟ゼロエミッシ
ョン楽市
(物々交換&エコマネー)
産業の振興
全小中学
校で実施
順次取組拡大(モデル家庭→モデル地域)
民間コンソーシアム等による実用化の支援
オマスの複合的利活用
豊かな自然環境の保
カリキュラムの作成
23 年度
森林セラピー
環境循環型のライフ
スタイルづくり
指導者育成
22 年度
人材登録制度の検討、試行
指導者育成・出前講座プログラム作成・充実
「森と水の地球環境大学」
森を活かした生涯学
21 年度
導入完了
Ⅶ バイオマスの利活用方策(バイオマスタウン構想)
1
宍粟市におけるバイオマス利活用の理念
●宍粟市におけるバイオマス利活用の基本的視点
宍粟市におけるバイオマス利活用は、持続可能な地域づくりに真に資するよう以下
の4つの基本的視点に基づき推進します。
① 化石燃料代替など環境への負荷低減に資することを優先します。
② 極力、地産地消を図ります。
③ マテリアルとしての活用を最優先し、エネルギー利用は最終手段とします。
④ 利活用を行うために新たな化石燃料の使用等、環境への負荷の増大を伴うような
無理な利活用は行いません。
●宍粟市におけるバイオマス利活用の現状認識
上記の基本的視点からみた宍粟市におけるバイオマス利活用の現状は、以下のよう
な認識に立っています。
① 宍粟市における現状は、中心となる木質系をはじめバイオマスの利活用がかなり
図られている。
② こうしたなか、林地残材、食品廃棄物、食品加工残渣、家畜排泄物等の一部につ
いて、さらなる利活用の余地があるとともに、事業所での乾燥処理・冷暖房・給湯
等に使用されている化石燃料はバイオマスでの代替が可能である。
●宍粟市におけるバイオマス利活用の方針
上記基本的視点及び現状認識より、宍粟市においては以下の方針に基づきバイオマ
スの利活用を図っていきます。
①
宍粟市でのバイオマス資源の中心となる木質系をはじめとする現状で利活用が
図られているものについては、引き続き利活用を推進します。
②
さらなる利活用の余地がある林地残材、食品廃棄物、残渣等のバイオマスにつ
いては、マテリアル利用及びエネルギー利用を推進し、事業所での乾燥処理・冷暖
房・給湯等に使用している化石燃料のバイオマスへの代替を進め、利活用の再構築
を図ります。
③
現在、推進及び検討が進められている宍粟市林業再生プロジェクト及び木材供
29
給センター等の取組みが進捗した際には、利活用が可能な木質系バイオマスがさら
に増大することから、各所でのマテリアル利用及び化石燃料の使用を代替するエネ
ルギーとしての利活用を図ります。
2
宍粟市におけるバイオマス利活用の方策
利活用対象の主なバイオマス資源(木質系廃材、食品廃棄物、未利用木材、もみ
殻等)それぞれについて、資源の賦存と利用の現状を踏まえて、利活用方針、収集
システム、変換システム、利用システムを詳述します。
<森林系>
①木質系廃材(製材屑、その他木質系廃材(そうめん廃木箱))
(廃)
収集
利活用方法ごとに専門の収集業者が収集または排出者自らが持ち込む。
変換
既存の変換システムを基本とし、固形燃料化(オガライト)、オガライトの炭
化、事業所・公共施設のボイラーの燃料転換を行う。バークについては、炭化利
用に向けた検討を行う。
i)粉砕施設:排出者自らが粉砕または播磨木質バイオマス利用協同組合にて
粉砕。そうめん木箱は専門の業者が粉砕。
ⅱ)炭化施設:オガ粉からオガライト、オガ炭を生産する施設。
ⅲ)燃料施設:事業用ボイラーを木質ボイラーへの転換を促進。
利用
i)マテリアル製品:木質系廃材を利用したマテリアル製品の開発、畜産敷料
として利用、または堆肥化による農地還元。
ⅱ)炭:オガ炭として燃料利用を推進。
ⅲ)燃料:木質ボイラーの燃料として使用する。
30
域
外
製
材
所
木
質
系
木質チップ
木
質
吸 収 式
副
産
物
又はペレット
ボ イ ラ ー
冷 暖 房
播磨木質バイオマ
ス利用協同組合
熱交換機
宍
粟
オガライト
型
オ
ヘ ゚ レ ッ ト
兵
庫
炭
化
工
業
ガ
炭
給湯
冷気
暖気
燃料
JAハリマ堆
肥センター
畜
産
農
家
堆肥
②林地残材(未)
収集
山林内での路網整備と高性能機械化導入に伴い搬出コストの低減化を図る。ま
た、CSR(企業の社会貢献)、森林ボランティアなどと連携した搬出を図る。
変換
未利用間伐材については搬出率を上げ、マテリアル利用を積極的に進める一方
で、搬出が困難な未利用材や枝葉等については現場で土留めに利用したり、粉砕
チップ化し、林地内に散布することで肥料としての活用を図る。
i)粉砕機械:現場で粉砕・チップ化する機械の導入。
ⅱ)加工施設:未利用間伐材を有用化する。
ⅲ)燃料施設:事業用ボイラーを木質ボイラーへの転換を促進。
利用
以下の資源として利用するものとする。
i)製材:従来からの方法により木材市場へ流通して材として利用。
ⅱ)林内の土留め・堆肥:林内における土留めや粉砕チップによる堆肥化利用。
ⅲ)燃料:運び出された未利用材の一部は木質ボイラーの燃料として利用。
31
<農業系>
③家畜排泄物(廃)
収集
利活用方法ごとに専門の収集業者が収集、または排出者自らが搬入する。
変換
肥育牛の家畜排泄物については、既存の堆肥センターでの変換(堆肥化)を推進。
乳牛分については排出者が適正処理を行う。養鶏分は排出者が乾燥し肥料化する。
i)堆肥化施設:JAハリマに集約もしくは畜産農家所有の施設により堆肥化
を行う。
利用
以下の資源として利用するものとする。
i)堆肥:成分調整等の付加価値を高め、農地等へ還元する。
④稲わら(未)
収集
結束後、畜産農家等が収集。
変換
堆肥化、飼料化
利用
畜産敷料、肉用牛飼料、土壌改良材(切断後、ほ場にすき込む)
⑤もみ殻(未)
収集
JAのライスセンターが収集。
変換
農林公社においてもみ殻のくん炭化、堆肥化
利用
土壌改良材(農地にくん炭を散布)、園芸資材
<工業(製造業)系>
⑥食品廃棄物(デンプン廃液、おから、その他食品廃棄物)(廃)
収集
デンプン廃液、おからはそれぞれ自社内で処理、その他事業系の食品廃棄物・廃
食油(製造業、小売業、飲食店等などから出る)については委託業者が収集。
変換 ・デンプン廃液については、自社内でメタン発酵しガスを熱利用及び飼料化利用。
・おから等の飼料化が可能な食品加工残渣については、木質系バイオマスを燃料
として乾燥を行う循環システムの構築を検討。また、炭化して土壌改良材とし
ての利用も検討。
・その他食品廃棄物(廃食油含む)については、適切に産業廃棄物処理を行う。
i)堆肥化:まずは発生事業所内にて堆肥化などの処理を実施。
ⅱ)RDF化施設:宍粟美化センターに持ち込まれたものについてはRDFと
して固形燃料化を行う。
ⅲ)メタン発酵:デンプン廃液
ⅳ)乾燥して飼料化:おから、その他食品廃棄物
v)炭化して土壌改良材:おから
32
利用
i)堆肥化:発生事業所内にて堆肥化などの処理を実施。
ⅱ)燃料:デンプン廃液は発酵により生じるメタンガスをボイラー燃焼し熱利用
を行い、設備の改修により処理能力を高める。
その他の分についてはRDF(固形燃料)として火力発電用燃料に利用。
ⅲ)飼料:おから等の食品加工残渣については乾燥させて飼料化を行う。
ⅳ)土壌改良材:おからと木質バイオマスを混合し炭化して土壌改良材として利用。
⑦家庭・事業系食品残渣(廃食油含む)(廃)
収集
市指定のゴミ袋によりステーションに排出され、一般廃棄物処理運搬車が収集。
事業系の分については、委託業者が回収。
変換
生ゴミについては、まずは分別を推進して家庭内での堆肥づくりを推進。宍粟環
境美化センターにて収集されたものについてはRDFに変換する。
廃食油については、事業系に関しては再資源化業者による再利用を行うほか、家
庭分と合わせて一定量を収集し、社会福祉事業などと連携したシステムによりBD
F化を検討するとともに、地域活動による石けんづくりなどを推進し、高付加価値
的な利用を進める。
i)堆肥化:発生家庭内にて堆肥化などの処理を推進。
ⅱ)RDF化施設:宍粟環境美化センターに持ち込まれたものについては、R
DFとして固形燃料化する。
ⅲ)BDF化:回収された廃食油を燃料化する。
ⅳ)石けん化:既存の石けんプラントにより粉石けんを作る。
利用
以下の資源として利用するものとする。
i)堆肥
ⅱ)燃料:RDF、BDF(公用車等の軽油代替燃料)として利用。
ⅲ)石けん
⑧紙くず(廃)
収集
集団回収により、再生利用可能な紙類は回収。資源化が不可能な紙類は市指定の
ゴミ袋でステーションに排出され、一般廃棄物処理運搬車が収集。
変換
紙ゴミについては、分別による再資源化を推進。一般廃棄物として排出される分
については、宍粟環境美化センターにてRDFに変換。
i)再利用:用紙のリサイクル
ⅱ)RDF化施設:宍粟美化センターに持ち込まれたものについてはRDFと
して燃料化を図る。
利用
以下の資源として利用するものとする。
33
i)再生紙
ⅱ)燃料:RDFとして熱エネルギー利用。
⑨浄化槽汚泥(廃)
収集
委託業者が収集。
変換
堆肥化
利用
主に農家や一般家庭による家庭菜園等での作物栽培で利用。
⑩下水汚泥(廃)
収集
委託業者が収集。
変換
堆肥化
利用
主に農家や一般家庭による家庭菜園等での作物栽培で利用。
⑪剪定枝(未)
収集
公共系から排出された分については、専門業者が収集。一般家庭から出た分につ
いては、市の委託業者が収集し、宍粟環境美化センターに搬入。
変換
公共系分のうち河川敷の除草分はJAハリマ堆肥センター搬入し水分調整剤と
して牛糞に混ぜて堆肥化。その他分については産業廃棄物として処理。一般家庭か
ら出る分については、一部家庭内で堆肥化。その他は宍粟環境美化センターにてR
DF化。
i)堆肥化
ⅱ)RDF化
利用
主に農家や一般家庭による家庭菜園等での作物栽培で利用
i)堆肥
ⅱ)RDFとして熱エネルギー利用
34
宍粟市森のゼロエミッションフロー図
自然系
太陽
森
水
間伐材
農
林地残材
メタン発酵・発電
堆肥
飼料
畜産農家
木質燃料
宍粟北みどり農林公社
固形燃料
産廃業者
その他くん炭業者
工場
堆肥・工業用炭
オガ炭
河川敷
堆肥センター
端材・オガ粉
堆肥
集成材
フォレストビレッジで
チップ
再生紙
美化センター
石けん
回収業者
剪定枝
廃食油
チップ
再生業者
BDF
再生業者
木質燃料
木製品
堆肥
除草屑
熱・電力
木材
堆肥
生ごみ
素材・木材
コンポスト
生ごみ
域 外
製材所等
くん炭
処理業者
紙ごみ
オガライト
RDF
発電
宿泊施設・道の駅等
熱・電力
公共施設
木質ボイラー
ペレットストーブ
35
ペレット
紙ごみ
米
生ごみ
汚水
ライスセンター
汚泥
廃棄木箱
オガ粉
一般家庭
下水処理
そうめん業者
もみ殻
電力
オガ粉
熱
木材加工
施設
食品会社
廃棄木箱
ス加工施設
ミニ水力
発電
もみ殻
木質バイオマ
家畜糞尿
端材
残渣
炭化
オガ粉(
敷料)
オガ粉(敷料)
太陽光
発電
残渣
乾燥
園芸資材
電気
企 業
残渣
稲わら
土木資材
太陽熱
温水
生活
一般農家
運び出し
電力
工
土壌改良材粉
林家(林業)
素材
しそう森
林組合
人の営み系
参考資料
1
策定経過
(1) 森のゼロエミッション構想策定委員会
宍粟市森のゼロエミッション構想を策定するために市民や学識者、各種団体の参加によ
る委員会を組織して協議を行いました。委員会には市民部会、事業部会、技術検討部会の
3つの部会で検討してきました。
○
生活部会・・・・市民生活における循環システム作りと地域資源を生かした地域づ
くり、森のゼロエミッションの普及啓発に向けた取組みについての協議
○
事業部会・・・・市内の事業活動における循環システムづくりについての協議。バ
イオマス活用を中心とした新たな産業づくりについての調査・研究・協議
○
技術検討部会・・・・宍粟市におけるバイオマスの循環システムを実用化するため
の技術的な課題の検討、宍粟市の現状に見合った技術の実用化についての調査・
研究・協議
※なお、事業、技術検討部会は合同で開催しました。
(2) 経過
9/27(水) PM1:30~
第1回委員会
10/24(火) AM9:00~
先進地視察(真庭市)
11/10(金) AM10:00~ 委員長・部会長会議
11/21(火) PM2:00~
第1回生活部会
11/24(金) PM3:00~
第1回事業・技術部会
PM6:30~
委員長・部会長会議
12/ 7(木) PM1:30~
第2回生活部会
12/19(火) PM2:30~
第2回委員会
12/27(水) PM1:30~
第2回事業・技術部会
1/24(水) PM1:30~
第3回生活部会
1/26(金) PM2:00~
第3回事業・技術部会
2/21(水) PM1:30~
第4回生活部会
2/22(木) PM2:00~
第4回事業・技術部会
3/ 3(土)PM1:30~
森のゼロエミッションフォーラム
3/ 15(木)PM2:00~
第3回委員会
36
宍粟市森のゼロエミッション策定委員名簿
区 分
氏 名
1
金澤洋一
2
大隈修
学識者
3
横山孝雄
4
小島正樹
5
宮本利一
6
柴原伸章
7 団体・企業 藤原英展
8
山田佳幸
9
八家良樹
10
大崎英俊
11
藤田芙美子
12
春名巽
市 民
13
北條克利
14
久内廣子
15
庄一幸
16
下川秀美
17
松田博文
18
土井幸亮
県関係
19
谷渕要一
20
井上靖
21
松井孝之
22
中岸芳和
23
菊川恭代
市職員
24
田中正春
25
米山芳博
26
清水忠二
事務局
山本 繁
寺田美喜也
世良 智
原田 渉
畑中直樹
吉田久視子
役 職 等
神戸大学大学院教授
(財)新産業創造研究機構 研究三部 部長
兵庫県立大学 環境人間学部講師
(特)森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部 事務局長
しそう森林組合森林整備課 課長
ハリマ農業協同組合営農販売課 課長
兵庫西農業協同組合しそう営農生活センター 課長補佐
播磨木質バイオマス利用協同組合 理事長
兵庫炭化工業(株) 取締役営業部長
宍粟市連合自治会 理事
宍粟市連合婦人会 山崎町婦人会長
千種町地域協議会 委員
波賀町商工会 青年部長
一宮町商工会 女性部長
森のゼロエミッション倶楽部 会長
兵庫県地球温暖化防止活動推進協力員
兵庫県立森林林業技術センター木材利用部 部長
兵庫県農林水産部 消費流通担当 係長
兵庫県農林水産部 林務課木材流通 係長
兵庫県龍野農林振興事務所 森林林業課 課長補佐
兵庫県龍野農林振興事務所 農政課 課長補佐
職員プロジェクト座長(商工観光課長)
職員プロジェクト委員(児童福祉係主査)
衛生課 課長
農業振興課 課長
林業振興課 課長
産業部 部長
林業振興課 宍粟材推進室 室長
林業振興課 森のゼロエミッション係 係長
林業振興課 森のゼロエミッション係 主査
(株)地域計画建築研究所大阪事務所 計画部長
(株)地域計画建築研究所大阪事務所 主任
37
2
用語解説
あ行
通常の製品より高価であっても、あえて
エコツーリズム
購入するという環境保護意識の高い消費
者である。
地域にある自然・歴史・文化など固有
の資源を保全しながら観光資源として活
公益的機能
用し、地域経済への波及をめざすもの。
そのものが持つ直接的な機能の他に、
か行
間接的に公に利益をもたらす機能のこと。
カスケード利用
農村の公益的機能。森林の公益的機能。
資源やエネルギーを1回だけの使いき
コンソーシアム
りにするのではなく、利用したことで性
質が変わった資源や、利用時に出る排出
ある目的のために形成された,複数の企
物を別の用途に使い、その後もさらに別
業や団体の集まりのこと。共同事業体とも
の用途に活かすこと。
いう。
カーボンニュートラル
コンポスト
植物は成長する際に CO2 を吸収して
家庭からでる生ゴミや落ち葉、剪定屑
いることから、これらを燃焼などで利用
などを時間をかけてゆっくりと堆肥にす
した際に発生する CO2 はもともと大気
ること。畑の片隅に埋めたり、専用容器
中に存在していたものであり、大気中の
や副資材を使って行う。
CO2の増加にはつながらないという考
さ行
え。
産業クラスター
特定分野における関連企業、専門性の
グリーン購入
製品やサービスを購入する際に、環境
高い供給業者、サービス提供者、関連業
を考慮して、必要性をよく考え、環境へ
界に属する企業、関連機関(大学、規格
の負荷ができるだけ少ないものを選んで
団体、業界団体など)が地理的に集中し、
購入すること。
競争しつつ同時に協力している状態のこ
と。
グリーンコンシューマー
CSR(Corporate Social Responsibility)
環境に配慮した行動をする消費者をい
う。例えば、エコマークの付いた商品を
「企業の社会的責任」のこと。持続可
購入したり、省エネルギー製品などを積
能な社会をめざすためには、行政、民間、
極的に導入する。環境に配慮した製品が
非営利団体のみならず、企業も経済だけ
38
でなく社会や環境などの要素にも責任を
は行
持つべきであるという考えのもとに成立
バイオマス
した概念。
バイオ=生物、生命、マス=集合体と
いう意味。生物の現存量であり、ここで
新エネルギー
は資源として使用できる生物に由来する
石油代替エネルギーとして国の新エネ
物質を指す。
ルギー法に定められたエネルギー。太陽
バイオマスの種類には、木質系(製材
熱、太陽光、風力、海洋、地熱、雪氷熱、
端材、廃材、伐採残材など)、畜産系(家
バイオマスなど再生可能な自然エネルギ
畜の排出物など)、食品系(食品廃棄物、
ーや廃棄物発電などのリサイクル型エネ
生ゴミ、廃食油など)、農業系(稲わら、
ルギーなどがある。また、燃料電池など
もみ殻など)などがある。
従来型のエネルギーの新しい利用形態も
需要側の新エネルギーと定められている。 バイオマスタウン構想
地域のバイオマスの総合的かつ効果的
ゼロエミッション
な利活用を図るため、市町村等が作成す
生産、流通、廃棄の各段階で、廃棄物
る構想。
(エミッション)を限りなくゼロに近づ
けることにより“循環型社会”を築いて
BDF
いくという考え。
バイオ・ディーゼル・フューエルの略。
植物油脂などのバイオマスを利用したク
た行
リーンなディーゼル燃料。近年全国各地
地球温暖化
で、軽油に代替できる燃料として廃食油
二酸化炭素などの温室効果ガスの蓄積
から作った BDF の利用に向けた取組み
が主因となって気候が急速に温暖化する
が広がっている。
こと。地球温暖化によって気候が大幅に
変動することが懸念されている。
フィージビリティ
「実現可能性」のこと。
な行
フィージビリティ調査とは、ある計画
の開始時にその計画の可能性、妥当性、
NEDO
投資効果等を事前に調査することをいう。
新エネルギー・産業技術総合開発機構
の略。政府が出資する独立行政法人で、
エネルギーの効率的な利用技術や燃料電
ま行
池、太陽電池、バイオマスエネルギーな
マテリアル
ど新エネルギーや省エネルギー技術の開
本来は「材料」を意味するが、ここで
発などをめざす。
は特にバイオマスを利活用して作られた
物質を指す。
39
マテリアル利用の例としては、チップ
自然とともに生活し、自然との共生に
化して植栽地のマルチング材への利用、
より資源やエネルギーを自給できる可能
炭化して土壌改良材、調湿材やボードへ
性が大きい農山村において、
「ゼロエミッ
の利用、畜舎敷料、堆肥利用などさまざ
ション」をめざすことで、持続可能な循
まな利用方法が挙げられる。
環型社会をつくるための取組み。
エネルギー利用としては、バイオマス
を燃焼・ガス化させるなどして、動力・
ら行
電力・熱などエネルギーに変換して利用
ローカルエネルギー
する。
各地域に分散して存在する小規模なエ
ネルギー源のこと。風力、小水力、バイ
木質ペレット
オガスなど環境と調和した再生可能エネ
オガ粉、かんな屑、製材廃材、林地残
ルギーが多く地域の特性に合った各種の
材などの木質系廃棄物を粉砕、圧縮し成
技術が研究・開発、利用されている。発
型した小指の先大の燃料。ストーブやボ
電を行う場合全国規模のネットワークに
イラーなどの燃料として利用が広まって
接続されることもあるが、電力以外は地
いる。
域内で生産し地域内で消費されることも
特徴といえる。
森のゼロエミッション
40