coLinux インストールガイド

coLinux インストールガイド
coLinux について
Cooperative Linux(通称:CoLinux)は、Windows 上で動作する Linux カーネルです。
通常、Windows マシンで Linux を使う場合、「VMWare」や「Virtual PC」などの仮
想マシンを使うか、あるいはハードディスクの追加や、パーテーション分けるなどの煩
雑な作業が必要ですが、CoLinux を使えば、Windows 上で手軽に Linux 環境を構築す
ることが可能です。
同様の目的のソフトウェアに、Cygwin がありますが、CoLinux が Linux とバイナ
リレベルでの互換性があるのに対し、Cygwin の互換レベルはソースコードレベルであ
るため、ソースの修正が必要であったり、サポートされていない機能があったりと、完
全ではありませんでした。その点、coLinux は本物の Linux カーネルを動かすので、
互換性には全く問題がありません。
また、coLinux はオープンソースのフリーソフトである点も魅力です。
環境
今回、coLinux のバージョン 0.7.4+Fedora10 を Windows Vista にインストールし
た例をスクリーンショットを交えて紹介します。
準備
以下のリンクから「coLinux-0.7.4.exe」「Fedora-10-20090228.exe」をダウンロー
ドします。
http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=98788
coLinux のインストール
「coLinux-0.7.4.exe」を実行します。
「Root Filesystem image Download」のチェックを外します。
インストール先を選択します。(Default で OK)
インストールが開始されます。
インストール完了です。
Fedora10 イメージのインストール
「Fedora-10-20090228.exe」を実行すると、WinRAR self-extracting archive が起
動します。coLinux をインストールしたフォルダを選択して、インストールします。
バッチファイルの修正
coLinux をインストールしたフォルダの「example.conf」を「fedora10.conf」など、
適当な名前にリネームし、必要箇所を修正し、coLinux をインストールしたフォルダの
実行ファイル「colinux-daemon.exe」をコマンドプロンプトから「colinux-daemon.exe
@Fedora10.conf」として実行することにより、バッチファイルが修正されて、coLinux
が起動するらしいのですが、私の環境では何故か上手く動作してくれませんでした。
よって、バッチファイルを直接手直しし、coLinux を起動する方法を以下に記します。
先ず、coLinux をインストールしたフォルダの「start-Fedora-10.bat」をテキストエ
ディターで開きます。
colinux-daemon.exe kernel=vmlinux initrd=initrd.gz mem=256
cobd0="C:/Program Files/coLinux/Fedora-10.img" cobd1="C:/Program
Files/coLinux/swap.img" root=/dev/cobd0 eth0=slirp,,tcp:5901:5900 ro
以下のように修正します。
colinux-daemon.exe kernel=vmlinux initrd=initrd.gz mem=256
cobd0="C:/Program Files/coLinux/Fedora-10.img" cobd1="C:/Program
Files/coLinux/swap.img" root=/dev/cobd0 eth0=tuntap,"TAP" ro
coLinux の起動
「start-Fedora-10.bat」をダブルクリックして、coLinux を起動します。ショートカ
ットを作成しておくと良いでしょう。
コマンドプロンプトと coLinux のコンソールが開きます。(途中固まったような感じ
になり、結構時間かかる時がありますが待ちましょう)
「root」でログインできます。
基本設定
① 日本語キーボードの設定
エディターで「/etc/sysconfig/keyboard」を作成し、以下のように記述します。
KEYTABLE="jp106"
② 日本語の設定
エディターで「/etc/sysconfig/i18n」を作成し、以下のように記述します。
LANG="ja_JP.eucJP"
③ ホスト名の設定
エディターで「/etc/sysconfig/network」を開き、以下のように修正します。
NETWORKING=yes
HOSTNAME=colinux
④ ネットワークアドレスの設定
エディターで「/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0」を開き、以下のように
修正します。
DEVICE=eth0
BOOTPROT=static
ONBOOT=yes
TYPE=Ethernet
IPADDR=192.168.0.2
アドレスは各環境に合わせるのでは
NETMASK=255.255.255.0
なく、左記のとおり入力します。
GATEWAY=192.168.0.1
⑤ DNS の設定
エディターで「/etc/resolv.conf」を開き、以下のようになっているかを確認します。
nameserver 192.168.0.1
⑥ タイムゾーンを設定
以下のコマンドでタイムゾーンを設定します。
# cp /usr/share/zoneinfo/Japan /etc/localtime
⑦ 再起動
coLinux のコンソールから Monitor→Shutdown を選択します。
再度「start-Fedora-10.bat」をダブルクリックして、coLinux を起動し、「root」
でログインします。
⑧ ネットワークの設定
coLinux を起動した状態で、Windows のネットワーク設定を行います。
Windows のスタート→ネットワークのプロパティ→ネットワーク接続の管理を選
択します。
coLinux のインストール時に「ローカル エリア接続 xx/TAP-Win32 Adapter
V8(coLinux)」が追加されているはずなので、このアイコンを右クリックし、名前
の変更を選択、「TAP」に変更します。
「TAP」のプロパティ→TCP/IPv4 のプロパティを開き、以下のように設定します。
通常使用しているネットワーク接続のプロパティ→共有タブを以下のように設定
します。
⑨ 接続確認
coLinux のコンソールから、以下のコマンドで接続を確認し、応答があれば OK で
す。
ping 192.168.0.1
ping yahoo.co.jp
⑩ ユーザー/パスワードの設定
以下のコマンドで、root のパスワードを設定します。
# passwd
以下のコマンドで、ユーザーを追加します。
# useradd ユーザーネーム
以下のコマンドで、ユーザーパスワードを設定します。
# passwd ユーザーネーム
⑪ Windows フォルダのマウント
coLinux をシャットダウンし、Windows にフォルダを作成します。
(例:C:¥Program Files¥coLinux¥data)
「start-Fedora-10.bat」を以下のように修正します。
colinux-daemon.exe kernel=vmlinux initrd=initrd.gz mem=256
cobd0="C:/Program Files/coLinux/Fedora-10.img" cobd1="C:/Program
Files/coLinux/swap.img" root=/dev/cobd0 eth0=tuntap,"TAP"
cofs0="C:¥Program Files¥coLinux¥data" ro
再度、「start-Fedora-10.bat」をダブルクリックして、coLinux を起動し、以下の
ようにマウントするディレクトリを作成し、マウントします。
# mkdir /mnt/win
# mount -t cofs cofs0 /mnt/win
まとめ
以上で最低限必要な設定まで完了です。
coLinux のコンソールは非常に使い辛いので、Putty などのターミナルエミュレータ
を用い、SSH でアクセスできるようにすると良いでしょう。