情報伝達のための仕組み(1) 製品含有化学物質管理ガイドライン

サプライチェーンにおける
製品含有化学物質管理の実践
アーティクルマネジメント推進協議会
管理ガイドライン作成技術委員会
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
1
説明内容
1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
3. JAMP製品含有化学物質管理ガイドラインを
活用した製品含有化学物質管理の実践
(注)本資料においては、「製品含有化学物質管理ガイドライン第3版」を略して、
「JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン」または「JAMP管理ガイドライン」と記し、これらを併用する
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
2
1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
3
1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
1-1 製品含有化学物質管理の背景
背景
製品含有化学
物質規制の拡大
化学物質管理の
国際的な取組み
‐WSSD, SAICM
環境に対する
意識の高まり
CSR(企業の社会
的責任)の認識
認識・
ニーズ
経営者
環境NGO
消費者
顧客要求
(安全安心な製品) (法規制遵守) (法規制遵守、リスク管理) (地球環境保護等)
課題の
顕在化
製品含有化学物質情報の重要性の高まり、情報量や伝達頻度の増加
負荷増大、情報伝達の遅延・途絶、受身の対応、体制不備など
製品含有化学物質情報の入手
具体的な ‐情報入手の迅速性
‐情報入手業務の効率化
改善の
必要な業務 ‐情報の信頼性向上(法規制や
4Mの変更対応等)
組織内の役割分担、 製品含有化学物質情報の伝達
責任・権限の明確 ‐情報伝達の迅速性
化
‐情報提供業務の効率化
‐情報の信頼性確保
‐顧客とのコミュニケーション
各組織の中に製品含有化学物質管理の仕組みが必要
(サプライチェーンに参加するための「パスポート」にも例えられる)
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
4
1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
1-2 化学品から成形品(部品~完成品)までの変換
製品含有化学物質管理の要となる成形品への変換工程を重視
化学物質/
サブスタンス/
プレパレーション
混合物
原材料(素材/化学製品)
化学品(素材)
含有量設計の基礎
成形品への
変換工程
製造工程
(化学品→
(S/P → A変換)
成形品へ変換)
アーティクル
成形品
(最終)製品
完成品
完成品中の含有量は変化しない
パーツ中の含有量は変化しない
含有量の固定化
ペレット
パーツ
部品
原部品
部品
( 部品
原部品)
部品
成形工程
組立工程
添加剤
部品
完成品
成形品への変換工程
ペイント
印刷工程
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
(参考)成形品への変換工程の例
変換工程名
使用する化学品
工程の対象
新たな成形品
塗装
塗料
母材
塗装された鋼板
印刷
インク
母材
インク印刷物
印刷・焼成
ガラスペースト
母材
パターン形成
されたガラス基板
合板接着
接着剤
母材
合板
UV印刷
UVインク
母材
UVインク印刷物
硬化
エポキシ封止
エポキシ樹脂
被封止チップ
封止半導体チップ
(異なる物質に変化)
めっき
めっき液
母材
めっきされた母材
析出 (変化)
樹脂成形
ABSペレット
-
ABS樹脂ケース
はんだづけ
はんだ
実装基板
はんだ済実装基板
-
ダイキャスト部品
ダイキャスト成形 合金・インゴット
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
発生する現象
揮発
(一部の成分が蒸発)
溶融
(多くの場合変化なし)
6
1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
1-3 併行生産についての注意
■含有制限の対象となる化学物質の併行生産に該当する場合
[併行生産]
鉛などの含有を制限された化学物
質を含む化学品及び部品を使用し
た生産が,同化学物質の含有を制
限された製品の製造と同時期に同
一建屋内で行われる場合
[併行生産に該当する場合]
受入
受入
倉庫
製造
倉庫
引渡
倉庫
製造
倉庫
引渡
倉庫
製造
倉庫
引渡
倉庫
引渡
倉庫
引渡
受入
誤使用・汚染防止策を
適切に行うことが
重要となる。
製造
受入
倉庫
受入
倉庫
製造
含有制限の対象となる化学物質を含有する化学品・部品・完成品あり
含有制限の対象となる化学物質を含有する化学品・部品・完成品なし
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
独立した建屋
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1. なぜ製品含有化学物質管理が必要なのか?
1-4 サプライチェーンにおける「もの」と「情報」の流れ
化学品・素材業界
部品・加工業界
組立・最終製品業界
SDS
MSDSplus
AIS
AIS
JIG、IMDS等
MSDSplus
AIS
AIS
AISのまま利用
SDS
化学・物理
変化
SDS
MSDSplus
AIS
「もの」と「製品含有化学物質情報」の流れ
サプライチェーンを「もの」が流れるのと同じように、
「製品含有化学物質の情報」を伝達できるか?
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
9
2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-1 JAMP管理ガイドラインの発行目的
JAMP製品含有化学物質管理ガイドラインは、
・サプライチェーン全体を通じて、
・製品含有化学物質管理が確実かつ効率的に実践されるように
・共通的な製品含有化学物質管理の要件を示したものである。
サプライチェーンに関わる各組織が本ガイドラインを用いることで
・製品含有化学物質の適切な管理を実践し、
・信頼性の高い製品含有化学物質情報を授受できるように
・支援することを目的としている。
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-2 JAMP管理ガイドラインの基本的な考え方
•設計開発段階で、購買、製造、引渡しの各段階におけ
る
製品含有化学物質に関わる管理基準を明確にし、
その基準に沿った適切な管理が行われることを確認
段階
実施事項
設計・開発段階
製品含有化学物質管理基準を満たす製品を実現するために、自らの製
品及び業態に応じて購買、製造、引渡しの各段階において実施すべき
事項を考慮した上で、製品含有化学物質に関わる管理基準を定める
購買段階
購買における製品含有化学物質に関わる管理基準に基づき供給者に発
注し、供給者から購買する製品の製品含有化学物質情報を入手し、購
買する製品が購買における製品含有化学物質に関わる管理基準を満た
すように管理する
製造段階
製造における製品含有化学物質に関わる管理基準に基づき、組成変化
、濃度変化などに着目して製品中に含有される化学物質を管理する
引渡し段階
引き渡す製品が製品含有化学物質管理基準を満足することを確認する
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-3 JAMP管理ガイドラインの着目工程
成形品への変換工程に着目
• 化学物質が化学反応等を経て成形品へ変わる工程は、
製品含有化学物質管理の要管理のポイント。
• 重要かつ代表的な工程・製品については、個別に検討を行い、
具体的な解説書(ガイダンス等)を作成
• この工程の含有化学物質管理が適切に行われないと、
適切な含有化学物質情報が伝達されない
化学物質/
混合物の情報伝達
MSDSplus
揮発、硬化
析出、溶融
成形品の情報伝達
化学品
AIS(自ら管理)
部品
Substance/Mixture
S/M→Article変換工程
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
成形品の情報伝達
AIS’
AIS’’
半製品
完成製品
A’の組み立て
(Article変換工程を伴わない)
A”の組み立て
(Article変換工程を伴わない)
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-4 製品含有化学物質情報の整備と提供
顧客には、製品含有化学物質情報も引き渡すとの認識が重要
• 科学的な裏づけのある方法によって化学物質情報を整備
• 顧客等の関係者が必要とする化学物質情報は原則として提供
• 法規制の改正等で提供する化学物質情報が変更となった場合は、
適正な期間内に新たな化学物質情報を顧客等の関係者に提供
購買段階
製造段階
混合・反応後、成形・焼成など
化学品
購買製品の
製品含有化学物質情報
・SDSとMSDSplusなど
確認
変換ルール
変換ロジック
変換のための設計データ
機械加工・組立など
成形品
購買製品の
製品含有化学物質情報
・AIS
・JGPファイル
・JAMA/JAPIA
統一データシートなど
製造情報に基づいて
「購買製品の製品含有化学
物質情報」を変換
確認
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
引渡し段階
成形品
引渡す製品の
製品含有化学物質情報
・AIS
・JGPファイル
・JAMA/JAPIA
統一データシートなど
自社製品の製品含
有化学物質情報の
把握、データ作成、
信頼性向上
成形品
「購買製品の製品含有化学
物質情報」の利用
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-5 JAMP管理ガイドラインの役割
化学品・素材業界
部品・加工業界
組立・最終製品業界
SDS
MSDSplus
AIS
AIS
JIG、IMDS等
MSDSplus
AIS
AIS
AISのまま利用
SDS
化学・物理
変化
SDS
MSDSplus
AIS
「もの」と「製品含有化学物質情報」の流れ
製品含有化学物質の管理と情報伝達の基礎・拠り所
製品含有化学物質管理
ガイドライン
製品含有化学物質の管理の考
え方と実践の指針
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
ガイダンス
製品含有化学物質管理上、
各種
ガイダンス 重要な工程・製品別の詳細かつ
具体的な管理手順の解説
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-6 JAMP管理ガイドラインの特徴
サプライチェーンにおける役割と責任の明確化
川上・川中・川下の企業が何をしなければならないのか、
何に対して責任を持つのかを具体的な記述に基づき解説
管理される立場から、自律した管理へ(自己適合宣言)
製品含有化学物質の責任は製造者自らが負うものとし、自律的
な管理のもとで法令を順守し、必要な情報をユーザへ提供
既存の化学物質管理の仕組みとの整合性・継続性への配慮
既存のマネジメントシステム(ISO9001、ISO14001他)と
の整合性に配慮し、無駄な労力を削減
サプライチェーンの誰もが理解できる表現や構成への配慮
中小企業も含めた全ての製造者が実践できる記述に配慮
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
(参考)JAMP管理ガイドライン関連の文書
文書名
管理
ガイドライン
発行者
製品含有化学物質管理ガイドライン(第3.0版)
実施項目一覧表兼チェックシート(第3.00版)
自己適合宣言書 書式
Excel
Word
JAMP
めっき工程(第1.2版)
成形工程(熱可塑性樹脂)(第2版)
プリント基板の製造方法 -熱硬化性樹脂(1)(第1版)
または
商社(第2版)
輸送包装(第2版)
ガイダンス
JAMP
JAMPと
関連団体の
共同発行
塗装・印刷(第1版)
実装(第2版)
変換工程(第2版)
機械加工(プレス加工編)(第2版)
電線・ケーブル(第6版)
(日本電線工業会他発行、JAMP推奨)
粘着テープ・粘着シート(第2版)(日本粘着テープ工業会発行、JAMP推奨)
その他
電子部品中のセラミック物質標記ガイドライン
(電子情報技術産業協会発行、JAMP推奨)
関連団体
関連団体
製品含有化学物質管理ガイドラインは、次のURLよりダウンロードいただけます
URL http://www.jamp-info.com/dl
2014年11月17日現在
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-7 国内の標準化の取り組みとJAMP管理ガイドラインの位置づけ
JIS Z 7201:2012
製品含有化学物質管理
–原則及び指針
素案として
提案
2012.8制定
製品含有化学物質
管理ガイドライン
[第2版]
(JGPSSI・JAMP
共同発行)
製品含有化学物質管理ガイドライン
第3版(発行)
協働検討団体
一般社団法人日本化学工業協会(JCIA)
一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)
社団法人日本表面処理機材工業会(KZK)
電機・電子4団体 製品含有化学物質専門委員会
グリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)
2008.3制定
サプライチェーンにおける管理の普
及やレベル向上に応じた管理要件
や運用の見直し
準拠
(3.6項)
2013.2制定
主要業界が参画して、サプライ
チェーンに関わる事業者が参考と
することが可能な製品含有化学
物質管理の原則・指針を検討
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
JIS Z 7201に基づく管理を実践できるように、
実施項目を解説やチェックシートを整備。これまで
の取組みにも配慮
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-8 各業界の主な取り組みとJAMP管理ガイドラインの位置づけ
化学品
分野
鉄鋼製品
分野
業界横断
組織
(JAMP)
電気電子
製品
情報授受のための
情報システム
JAMP-IT
自動車
分野
医療機器
分野等
(EU発)
電子回路・
基板分野等
(米国発)
IMDS
JGPSSI調査
回答ツール JAMP MSDSplus
情報授受のための
書式
(化学品)
JAMA/JAPIA
(SDSとMSDSplus) 統一データ
SDS(MSDS)
情報授受のための
情報項目
SSDS
(日本国内)
JAMP AIS
シート
(成形品)
IEC 62474
BOMcheck
IPC-1752A
(IEC 62474DB)
情報授受のための
対象物質リスト
(法規制、
RC活動など)
JAMP管理対象
物質リスト
GADSL
JIS Z 7201:2012 製品含有化学物質管理-原則及び指針
(原案作成委員会:日本化学工業協会、日本鉄鋼連盟、日本アルミニウム協会、日本表面処理
機材工業会、電機・電子4団体、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、JGPSSI、JAMP
など)
製品含有化学物質
管理
製品含有化学物質管理ガイドライン(第3版)
(協働検討会:日本化学工業協会,日本鉄鋼連盟,日本表面処理機材工業会,
電機・電子4団体,JGPSSI,JAMPなど)
アジアへ
展開
QC 080000
(IECQ HSPM)
IEC/TR 62476
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
 サプライチェーンにおける製品含有化学物質の管
理と情報伝達に関わる代表的な取組みを整理した。
それぞれの取組みの普及・活用状況は異なる。
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-9 JAMP管理ガイドラインの構成
1.製品含有化学物質管理ガイドラインについて
– 目的、適用範囲、想定される利用者、運用の流れ
2.用語の定義
3.製品含有化学物質管理の基本的な考え方
– 業務の各段階における管理基準を定め、これを満たすように運用する
– 成形品への変換工程が鍵となる、川下・川上からの支援も重要
4.製品含有化学物質管理のための実施項目
5.製品含有化学物質管理ガイドラインに基づく評価と自己適合宣言
– 附属書Dの「チェックシート」を用いて体制構築と運用状況を評価
– この評価状況により自己適合宣言
附属書A:品質及び環境マネジメントシステム,JIS Z 7201 との比較
附属書B:製品含有化学物質の7つの管理枠組みに該当する実施項目
附属書C:併行生産について
附属書D:実施項目一覧表兼チェックシート
附属書E:自己適合宣言
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-10 JAMP管理ガイドラインの実施項目について
•「JIS第4章の製品含有化学物質管理の指針」の項目と一致
•継続的改善(PDCA)形式に整理して記述
法規制、顧客要求、市場要求、競合情報
Plan
4.1 製品含有化学物質管理一般
4.2 製品含有化学物質管理方針の表明
4.3 計画策定
4.3.1 製品含有化学物質管理基準の明確化
4.3.2 目標及び実施計画
4.3.3 責任及び権限の明確化
4.3.4 内部コミュニケーション
Check/Act
Do
4.4 運営管理
4.4.1 運営管理一般
4.4.2 設計・開発における製品含有化学物質管理
4.4.3 購買における製品含有化学物質管理
4.4.4 製造工程における製品含有化学物質管理
4.4.6 外部委託先における製品含有化学物質の
管理状況の確認
4.4.7 トレーサビリティ
4.4.8 顧客との情報交換
4.4.9 変更管理
4.4.10 不適合品発生時における対応
4.5 人的資源及び文書・情報の管理
4.5.1 教育・訓練
4.5.2 文書及び記録の管理
4.6 実施状況の評価及び改善
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-11 JAMP管理ガイドライン実施項目の構成
• 各項目は、実施項目(タイトル)、実施内容(要求事項)、
注記(解説)で構成
• 実施内容(要求事項)の表現は「・・・すること」
(JIS Z 7201では「・・・することが望ましい」)
実施項目
(タイトル)
実施内容
(要求事項)
注記
(解説)
4.2 製品含有化学物質管理方針の表明
●製品含有化学物質管理に関するトップマネジメントは,組織の製品含有化学物質
管理の方針を定め,製品含有化学物質管理に適切に取り組むことを表明すること。
[注記]
(1)製品含有化学物質管理への取り組みとは,本ガイドラインに従って,関係する法規制
を順守すること,JIS Z 7201に則った製品含有化学物質の管理体制を構築することなど
をいう。
(2)製品含有化学物質管理に関するトップマネジメントが承認した方針が周知されてお
り,関係者に理解されていることを確認していることが重要である。
(3)方針には,法規制の順守や業界基準への対応などが盛り込まれることが重要である。
(4)方針は,法規制の改正などの際に必要に応じて見直しを行い,維持することが重要で
ある。
(5)表明の方法の例としては,関係者を集めて方針を説明する,ポスターを掲示する,方
針をカードにして配布する,組織内の情報共有システムに掲載するなどの方法がある。
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
21
2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-12 実施項目一覧表兼チェックシート(附属書D)
•「実施項目一覧表兼チェックシート」(附属書D)を活用
することにより、実施項目ごとの適合状況や全体の総合的
な評価を効率的かつ客観的に行うことが可能
チェックシートの特徴
各設問を一問一答形式に統一し、評価バラツキを抑制
従来のチェックシートでは、設問中に複数の問いがある場合があり、
評価バラツキの原因になっていた(設問を細分化 全92設問)
自己評価と監査員評価の差を確認しやすくするため記入欄を分離
目標とする管理体制レベルに応じて設問をStep1とStep2に区分
Step1(全64設問):基本的な管理体制の要件、JIS Z 7201に準拠した設問
Step2(全28設問):確実かつ効率的な管理体制の要件、顧客要求の対応
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
22
2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-13 チェックシートの解説:各設問の適合判定基準
•「適合」と判定するためには、ルール(仕組み)とルール
に基づく運用(取り組み)が行われていることが必要
適合
ルールに基づいた運用が適切に実践されていれば、「適合」
ルールに基づいた運用は、客観的に確認できることが必要
準適合
設問の内容を実質的に満足する運用が実施されているが、ルール又は運用の
一部に不備がある場合は、「準適合」
いずれの場合も実際の運用では不備がカバーされ、適合に準じるような状況
にあることが重要
「準適合」の判定をする場合は、 「適合」の場合と同様に、客観的に確認で
きること、さらに、不備な点の改善計画が必要
不適合
ルールがない場合、および/又は運用が行われていない場合は、「不適合」
非該当
「実施項目」又は「設問」が、組織の製品含有化学物質管理に該当しない場
合は、「非該当」として評価対象から除外することが可能
ただし、「非該当」と判断した根拠の説明が必要
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
23
2. JAMP製品含有化学物質管理ガイドライン
2-14 自己適合宣言(附属書E)
目的
製品含有化学物質管理体制を自ら
評価し、弱い部分を把握・改善し、
信頼性の高い製品含有化学物質情
報をサプライチェーンに提供
自らの取り組みを社会に向けて
アピール
製品含有化学物質管理ガイドラインに基づく自己適合宣言書
1.
番号
:
2.
発行者の名称:
発行者の住所:
3. 宣言の対象
4.
:
上記宣言の対象は,次の文書の要求事項に適合している。
文書名 :
版数
5.
製品含有化学物質管理ガイドライン
: 第 3.0 版
発行日 :
2013 年 2 月
発行者 :
アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)
追加情報
確認方法:
その他 :
判定基準
チェックシートのStep1の
該当する設問が全て「適合」の場
合、自己適合宣言が可能
6.
代表者又は代理者の署名
氏名
:
署名
役職名 :
7.
発行場所及び発行日
発行場所:
8.
発行日 :
年
月
日
更新日 :
年
月
日(任意)
本宣言に関する問い合わせ先
氏名
:
所属部署:
電話番号:
E-mail
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
:
24
3. JAMP管理ガイドラインを活用した
製品含有化学物質管理の実践
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
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3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-1 JAMP管理ガイドラインの実践
背景
製品含有化学物
質規制の拡大
化学物質管理の
国際的な取組み
‐WSSD, SAICM
環境に対する
意識の高まり
CSR(企業の社会
的責任)の認識
認識・
ニーズ
経営者
環境NGO
消費者
顧客要求
(安全安心な製品) (法規制遵守) (法規制遵守、リスク管理) (地球環境保護等)
課題の
顕在化
製品含有化学物質情報の重要性の高まり、情報量や伝達頻度の増加
負荷増大、情報伝達の遅延・途絶、受身の対応、体制不備など
製品含有化学物質情報の入手
具体的な ‐情報入手の迅速性
‐情報入手業務の効率化
改善の
必要な業務 ‐情報の信頼性向上(法規制や
4Mの変更対応等)
管理方法
の理解
・実践
評価・改善
組織内の役割分担、 製品含有化学物質情報の伝達
責任・権限の明確 ‐情報伝達の迅速性
化
‐情報提供業務の効率化
‐情報の信頼性確保
‐顧客とのコミュニケーション
JAMP管理ガイドライン の「基本的な考え方」 、関連ガイダンス
JAMP管理ガイドライン「実施項目」
チェックシート (JAMP管理ガイドラインの附属書)
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-2 実施項目の管理要件から仕組みを構築、確認する主な流れ
事業に該当する管理枠組み(Ⅰ~Ⅵ、Ⅶ)を確認
(ガイドP.33,34参照)
該当する管理枠組みに基づき、取り組む必要のある実施項目を確認
該当する実施項目で新たに構築、又は強化が必要なものは仕組みを構築
該当する実施項目への適合性をチェックシートで確認
(附属書:実施項目一覧表 兼 チェックシート参照)
該当する実施項目が準適合、不適合
総合判定基準
該当項目するチェックシートの「Step1」が全て「適合」の場合、
自己適合宣言できる
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
27
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-3 管理ガイドと各規格実施項目との対比一覧表活用(附属書A)
製品含有化学物質
管理ガイドライン第3版の実施項目
JIS Z 7201:2012
(製品含有化学物質管理
-原則と指針)の指針
ISO 9001:2008
(JIS Q 9001:2008)
ISO 14001:2004
(JIS Q 14001:2004)
4.4
運営管理(表題だけ)
4.4
運営管理(表題だけ)
4.4.1
運営管理一般
4.4.1
運営管理一般
4.1
一般要求事項
4.1
一般要求事項
4.4.2
設計・開発における製品
含有化学物質管理
4.4.2
設計・開発における製品
含有化学物質管理
7.1
7.2
7.3
7.4
7.5
製品実現の計画
顧客関連のプロセス
設計・開発
購買
製造及びサービス提
供
4.3.1
4.4.6
環境側面
運用管理
4.4.6
4.5.1
自社の仕組みから
化学物質管理を
実施・強化する
運用項目を明確化
4.4.3
購買における製品含有化
学物質管理(表題だけ)
4.4.3
購買における製品含有化
学物質管理(表題だけ)
4.4.3.1
製品含有化学物質情報の
入手・確認
4.4.3.1
製品含有化学物質情報の
入手・確認
7.4.1
7.4.2
購買プロセス
購買の情報
4.4.3.2
供給者における製品含有
化学物質の管理状況の確
認
4.4.3.2
供給者における製品含有
化学物質の管理状況の確
認
7.4.1
購買プロセス
4.4.3.3
受入れ時における製品含
有化学物質管理
4.4.3.3
受入れ時における製品含
有化学物質管理
7.4.3
購買製品の検証
4.4.6
4.5.1
運用管理
監視及び測定
4.4.4
製造工程における製品含
有化学物質管理(表題だ
け)
4.4.4
製造工程における製品含
有化学物質管理(表題だ
け)
4.4.4.1
製造工程における製品含
有化学物質管理一般
4.4.4.1
製造工程における製品含
有化学物質管理一般
7.5.1
7.5.2
8.2.3
製品及びサービス提
供の管理
製造及びサービス提
供に関するプロセス
の妥当性確認
プロセスの監視及び
測定
4.4.6
4.5.1
運用管理
監視及び測定
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
運用管理
監視及び測定
-
28
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-4 既存ISO規格と本ガイドラインの要求事項対比表の活用①
ISO9001の要求事項に準じたマネジメントシステムを構築していれば、今のシステムに製品
含有化学物質管理を追加すればよいことが対比表をみることで確認できる
事例1)購買プロセス
ISO9000では
項目
要求事項
7.4.1 購買プロセス
組織は、規定された購買要求事項に、購買製品が適合することを確実にしなければならない。
供給者及び購入した・・・・・・・・
JAMP製品含有化学物質管理ガイドラインでは
項目
要求事項
4.4.3.1 製品含有
化学物質情報入手
・確認
組織は、供給者へ購買における製品含有化学物質に関わる管理基準(以下、購買管理基準
)を提示し、製品含有化学物質情報を入手すること。組織は購買管理基準を満たしていることを
確認し、その結果を記録すること。購買管理基準に沿った製品含有化学物質の入手・確認は製
造開始前までに完了すること
具体的な要求事項に!
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
29
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-4 既存ISO規格と本ガイドラインの要求事項対比表の活用②
ISO9001の要求事項に準じたマネジメントシステムを構築していれば、今のシステムに製品
含有化学物質管理を追加すればよいことが対比表をみることで確認できる
事例2)顧客関連のプロセス
ISO9000では
項目
要求事項
7.2.3 顧客とのコミ 組織は、次の事項に関して顧客とのコミュニケーションを図るための効果的な方法を明確にし、実
ュニケーション 施しなければならない。
A)製品情報
b)引き合い、契約若しくは注文、又はそれらの変更
c)苦情を含む顧客からのフィードバック
JAMP製品含有化学物質管理ガイドラインでは
項目
要求事項
4.4.8 顧客との情
報交換
組織は、次の事項に関して顧客との情報交換を図るための効果的な方法を明確にし、実施し、そ
の内容を記録すること
a)顧客が順守する必要がある法規制及び業界基準
b)製品含有化学物質情報
c)製品含有化学物質管理に関する情報
具体的な要求事項に!
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
30
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-5 7つの管理枠組みの活用(附属書B)①
単
位
工 程
化学品(化学物質/混合物)
製
造
工
程
部品・完成品(成形品)
購買
製造
引渡し
化学品
製造工程
化学品
化学品
化学品
化学品から
部品への
製造工程
化学品
部品
部品
製造工程
完成品
製造工程
Ⅰ
製品含有化学物質
管理の枠組み
Ⅱ
化学品
の
製造
Ⅲ
化学品
の
引渡し
Ⅶ
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
製造
引渡し
部品
化学品から初めて
成形品に変換
化学品
の
購買
購買
部品
部品
部品
部品
完成品
完成品
Ⅳ
成形品
の
購買
共通管理の枠組み
Ⅴ
成形品
の
製造
Ⅵ
成形品
の
引渡し
31
31
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-5 7つの管理枠組みの活用(附属書B)②
製品含有化学物管理
の7つの枠組み
該当する実施項目
化学品の購買
4.4.2
4.4.3
4.4.3.1
4.4.3.2
4.4.3.3
設計・開発における製品含有化学物質管理
購買における製品含有化学物質管理
製品含有化学物質情報の入手・確認
供給者における製品含有化学物質の管理状況の確認
受入れ時における製品含有化学物質管理
Ⅱ
化学品の製造
4.4.2
4.4.4
4.4.4.1
4.4.4.2
設計・開発における製品含有化学物質管理
製造工程における製品含有化学物質管理
製造工程における製品含有化学物質管理一般
誤使用・混入汚染防止
Ⅲ
化学品の引渡し
4.4.2
4.4.5
設計・開発における製品含有化学物質管理
引渡しにおける管理
成形品の購買
4.4.2
4.4.3
4.4.3.1
4.4.3.2
4.4.3.3
設計・開発における製品含有化学物質管理
購買における製品含有化学物質管理
製品含有化学物質情報の入手・確認
供給者における製品含有化学物質の管理状況の確認
受入れ時における製品含有化学物質管理
Ⅴ
成形品の製造
4.4.2
4.4.4
4.4.4.1
4.4.4.2
設計・開発における製品含有化学物質管理
製造工程における製品含有化学物質管理
製造工程における製品含有化学物質管理一般
誤使用・混入汚染防止
Ⅵ
成形品の引渡し
4.4.2
4.4.5
設計・開発における製品含有化学物質管理
引渡しにおける管理
共通管理
4.1
4.2
4.3
4.4.1
4.4.6
4.4.7
4.4.8
4.4.9
4.4.10
4.5
4.6
製品含有化学物質管理一般
製品含有化学物質管理方針の表明
計画策定
運営管理一般
外部委託先における製品含有化学物質の管理状況の確認
トレーサビリティ
顧客との情報交換
変更管理
不適合品発生時における対応
人的資源及び文書・情報の管理
実施状況の評価及び改善
Ⅰ
Ⅳ
Ⅶ
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
自社の事業から
管理を実施しなくては
ならない項目を明確にし
実施することが重要
32
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-6 重点的に管理を行なうべき事項の特定①
化学物質の誤使用・混入汚染の可能性を特定し、重点管理
• 化学物質とのかかわりと製品含有化学物質管理上の
リスクの確認
– 法規制内容の確認
• 製品への適用除外
• 製造工程における使用禁止物質 (例、特定フロンなど)
– 使用する化学品、部品、副資材等の確認
– 製造に用いる設備、治工具などの確認
– 併行生産工程(禁止物質を使用した製造工程の併存)の確認
• 重点的な管理を行う事項の特定
– 知見を有する部門が自らの責任で定めることが重要
– サプライチェーンの企業に協力を要請することも必要
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
33
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-6 重点的に管理を行なうべき事項の特定②
重点的な管理の対象とすべき事項の例
新たな法規制で含有が制限された従来使用の化学物質
・自組織の製造工程で使用している可能性や購入製品に
含有されている可能性が高く、再点検が必要な化学物質
化学品
製品含有化学物質管理基準で対象とする化学物質を
含有している、もしくは含有している可能性がある化学品
リサイクル材、特に工程外からのオープンリサイクル材
・リサイクル材については、バージン材とは異なる管理手法が必要となる場合がある
鉱物、天然物
製品含有化学物質情報が不詳の場合 など
部品
製造工程
重点的な管理の必要な化学品を使用して製造された部品 など
重点的な管理の必要な化学品を使用する工程
重点的な管理の必要な部品を使用する工程
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
34
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-7 併行生産についての注意(附属書C)
併行生産
特定の化学物質の含有を制限された製品の製造と、当該化学物質を含
む化学品及び/又は部品を使用した製品の製造が、受入確認-保管倉
庫-製造工程-仕掛品・完成品倉庫-引渡しまでのいずれかの過程に
おいて、同時期に同一建屋内で行われること。
管理レベルを明確にするために
自社の工程に併行生産している工程の有無を把握することが重要
○工程例
併行生産領域
前投入
完成品
有鉛樹脂材料
射出成型機
後投入
無鉛樹脂材料
射出成形機の洗浄
不足による有鉛樹
脂混入の恐れ
完成品
混入する可能性
洗浄等の汚染防止管理を怠ると、非含有の材料を使用しても含有品が成形される
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
35
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-8 各ガイダンス活用
ガイダンスの組み合わせ利用例
ガイダンスは、特定の製造工程や製品などに焦点を当て、対象範囲を絞り込んで作成
実際のものづくりは、複数工程の組合せとなるが、個々のガイダンスを組み合わせて活用
することが有効となる。
化学品から成形品への変換工程全般について記述した「変換工程ガイダンス」は、あらゆ
る工程において参考となる。
いずれの場合にも、製品含有化学物質管理の基本は、管理ガイドラインとなる。
 例1:金属部品を加工した後、めっきする。
 管理ガイドライン + 機械加工ガイダンス + めっき工程ガイダンス
 例2:樹脂部品を射出成形後、めっきする。
 管理ガイドライン + 成形工程ガイダンス + めっき工程ガイダンス
 例3:電線へのマーキング
 管理ガイドライン + 電線・ケーブルガイダンス + 塗装・印刷ガイダンス
 例4:調達した部品を商社として、小ロット販売(製品には触れない)
 管理ガイドライン + 商社ガイダンス + 輸送包装ガイダンス
 例5:化学品から成形品を製造するが、該当する工程のガイダンスが作成されていない工程
 管理ガイドライン + 変換工程ガイダンス
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
36
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-9 JAMP管理ガイドラインの実践①
JAMP管理ガイドライン(本文)
製品含有
化学物質
管理方法
の理解
実施項目・
実施内容
評価・
チェック
4.1 製品含有化学物質管理一般
• 製品含有化学物質管理に関するトップマネジメントは,組織の製品
含有化学物質管理の方針を定め,製品含有化学物質管理に適切に取
り組むことを表明すること。
[注記]
(1) 製品含有化学物質管理への取り組みとは,本ガイドラインに従って,関係する法規制
を順守すること,JIS Z 7201 に則った製品含有化学物質の管理体制を構築すること
などをいう。
(2) 製品含有化学物質管理に関するトップマネジメントが承認した方針が周知されており,
関係者に理解されていることを確認していることが重要である。
(3) 方針には,法規制の順守や業界基準への対応などが盛り込まれることが重要である。
(4) 方針は,法規制の改正などの際に必要に応じて見直しを行い,維持することが重要で
ある。
(5) 表明の方法の例としては,関係者を集めて方針を説明する,ポスターを掲示する,方
針をカードにして配布する,組織内の情報共有システムに掲載するなどの方法がある。
チェックシート(JAMP管理ガイドライン・附属書)
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
37
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-9 JAMP管理ガイドラインの実践②
チェックシート(JAMP管理ガイドライン・附属書)
設問
共
通
管
理
評価・
チェック
①トップマネジメントは製品含有化学物質管理の方針を明確にし、適切に取り
組むことを表明していますか
<回答例>
・○○○株式会社 環境方針
実 設問
・株式会社○○○ 品質方針
施 フラグ 回答例/ ・○○○株式会社 経営方針、スローガン
確 Step1 ポイント <管理の注意ポイント>
認
・順法、顧客要求遵守等の製品含有化学物質管理を示唆する内容を盛り込む
・トップマネジメントは、製品含有化学物質管理を所管する者である
回答
(1)製品含有化学物質管理の方針を明確にした方針書等の名称を記載して下さ
い
設問
②必要に応じて、方針の見直しを行っていますか
<回答例>
・見直し、改訂を行った年月:○年○月
<管理の注意ポイント>
共 見 設問
通 直 フラグ 回答例/ ・「必要に応じて」とは、法規制の改正、顧客要求、マネジメントレビュー等
のタイミングで見直すことを指す
管 し Step2 ポイント
・製品含有化学物質管理の目的で方針を見直し必要性が無い場合は、方針の維
理
持継続を確認していることでも良い 例えばマネジメントレビューにて環境
管理責任者が「方針の変更は不要」とコメントする等
回答
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
(2)最新の方針に見直した時期を記載して下さい
38
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-9 JAMP管理ガイドラインの実践③
チェックシート(JAMP管理ガイドライン・附属書)
設問
評価・
チェック
③上記の①②を実施する手順を定めた文書がありますか
<回答例>
・「製品含有化学物質管理規程」
共
設問
回答例/
文書NO.XXXX 訂01
文
通
フラグ ポイント 第○○項:環境方針の決定
管 書 Step2
第○○項:環境方針の伝達
理 化
第○○項:環境方針の見直し
回答
(3) 方針の設定について定めた文書名、文書NO、項目名、訂番を記載して下さ
い
設問
④方針は関係部門に周知されていますか
※JIS Z 7201製品含有化学物質管理(原則及び指針) の「4.3.4 内部コミュニ
共
設問
回答例/
通 周 フラグ
ケーション」に基づく設問<回答例>・社内にポスターを掲示・イントラネッ
ポイント
管 知 Step1
トで掲載
理
(4) 方針の周知方法を記載して下さい
回答
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
39
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
3-10 自己適合宣言の活用
 管理ガイドラインにおける自己適合宣言は、組織において、
(1) このガイドラインに沿った管理の仕組みを構築し、実践しているこ
と。または、
(2) 他の同等以上の基準や指針等に従って構築し、実践している管理の
仕組みが、このガイドラインが示す管理の要件を実質的に満足して
いることに関する責任者による表明・約束を指す。
 製品含有化学物質管理体制の構築と運用が、製品含有化学物質管理管理
ガイドライン(規定要求事項)に適合していることの宣言となる。
※社会や顧客に対してアピールともなる。
 今後、サプライヤにおける製品含有化学物質管理状況の評価・確認が一
層重要となるが、組織自身による自己評価・自己適合宣言を活用するこ
とで、効率化・確実化を図ることができる。
※多数のサプライヤから製品を入手する商社における活用も有効
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
40
3. JAMP管理ガイドラインを活用した製品含有化学物質管理の実践
(参考情報)JAMP管理ガイドライン関連文書のダウンロード
 管理ガイドライン関連文書のダウンロード(JAMPのウェブサイト)
http://www.jamp-info.com/
※外部団体が作成し、JAMPが推奨している文書はリンク
 JIS Z 7201:2012(日本工業標準調査会のウェブサイトでの閲覧)
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
「JIS規格番号からJISを検索」で、「Z7201」を検索
[JAMP管理ガイドライン作成技術委員会資料 MG-141211-1]
41