型枠支保工の安全管理 (1)組み立て図の作成(安衛則240条、241条) ・届け出の要否に関係なく作成 ・ 支柱・はり・つなぎ・筋かい等、部材の配置・接合部・寸法を明記 ・ 設計荷重と許容応力度の確認 (2) 型枠支保工についての措置(安衛則242条) ①敷角の使用、コンクリートの打設、くいの打込み等支柱の沈下を防止するための 措置を講ずること。 ②支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置 を講ずること。 ③支柱の継手は、突合せ継手又は差込み継手とすること。 ④鋼材と鋼材との接続部及び交差部は、ボルト、クランプ等の金具を用いて緊結す ること。 ⑤型枠が曲面のものであるときは、控えの取付け等当該型枠の浮き上がりを防止す るための措置を講ずること。 ⑥H型鋼を大引き、敷角等の水平材として用いる場合であって、当該H型鋼等と支 柱、ジャッキ等とが接続する箇所に集中荷重が作用することにより、当該H型鋼 等の断面が変形するおそれがあるときは、当該接続する箇所に補強材を取り付け ること。 ⑦鋼管(パイプサポートを除く。を支柱として用いるものにあっては、当該鋼管の 部分について次に定めるところによること。 ・高さ2メートル以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、水平つなぎの 変位を防止すること。 ・はり又は大引きを上端に載せるときは、当該上端に鋼製の端板を取り付け、 これをはり又は大引きに固定すること。 ⑧パイプサポートを支柱として用いるものにあっては、当該パイプサポートの部分 について次に定めるところによること。 ・パイプサポートを3以上継いで用いないこと。 ・パイプサポートを継いで用いるときは、4以上のボルト又は専用の金具を用 いて継ぐこと。 ・高さが 3.5 メートルを超えるときは、高さ2メートル以内ごとに水平つなぎ を2方向に設けること。 ⑨鋼管枠を支柱として用いるものにあっては、当該鋼管枠の部分について次に定め るところによること。 ・鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいを設けること。 ・最上層及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方 向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、 かつ、水平つなぎの変位を防止すること。 ・最上層及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の枠面の方向における 両端及び5枠以内ごとの箇所に、交差筋かいの方向に布枠を設けること。 ・はり又は大引きを上端に載せるときは、当該上端に鋼製の端板を取り付け、 これをはり又は大引きに固定すること。 ⑩組立て鋼柱を支柱として用いるものにあっては、当該組立て鋼柱の部分について 次に定めるところによること。 ・はり又は大引きを上端に載せるときは、当該上端に鋼製の端板を取り付け、 これをはり又は大引きに固定すること。 ・高さが4メートルを超えるときは、高さ4メートル以内ごとに水平つなぎを 2方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。 ⑪木材を支柱として用いるものにあっては、当該木材の部分について次に定めると ころによること。 ・高さ2メートル以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、水平つなぎの 変位を防止すること。 ・木材を継いで用いるときは、2個以上の添え物を用いて継ぐこと。 ・はり又は大引きを上端に載せるときは、添え物を用いて、当該上端をはり又 は大引きに固定すること。 ⑫はりで構成するものにあっては、次に定めるところによること。 ・はりの両端を支持物に固定することにより、はりの滑動及び脱落を防止する こと。 ・はりとはりとの間につなぎを設けることにより、はりの横倒れを防止するこ と。 (3)コンクリート打設作業時の現場責任者の役割(安衛則244条) ・ 支保工を点検・補修させる ・ 異常を認めたら作業を中止させる (4)型枠の組立て、解体作業時の現場責任者の役割(安衛則245条) ・ 関係者以外立入禁止措置 ・ 悪天気時の作業中止 ・ 荷揚げには吊り袋等を使用 1 (5) 型枠支保工の組立て等作業主任者の選任(安衛則246条) 型枠支保工の組立て等は、作業主任者技能講習を修了した者のうちから、型枠支保工 の組立て等作業主任者を選任しなければならない。 (6)型枠の組立て、解体作業時の作業主任者の職務(安衛則247条) ・ 作業方法を決定し、作業を直接指揮 ・ 材料の欠陥の有無、器具・工具を点検し、不良品を排除 ・ 安全帯・保護帽の使用状況を監視 (7)パイプサポート 2 【問題 5.1】平成 18 年度出題 労働安全衛生規則に定められた型わく支保工の安全に関する次の記述のうち正しい ものはどれか。 (1)木材を継いで支柱として用いる場合は,重合せ継手とする。 (2)鋼管を支柱として用いる場合は,高さ 3 メートル以内ごとに水平つなぎを 2 方向に 設け,かつ,水平つなぎの変位を防止する。 (3)鋼管枠を支柱として用いる場合は,鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいを設ける。 (4)パイプサポートを支柱として用いる場合は,パイプサポートを 3 以上継いで用いて はならない。その継手には 3 以上のボルトを用いる。 【問題 5.2】平成 17 年度出題 労働安全衛生規則に定められている型わく支保工の安全に関する次の記述のうち正 しいものはどれか。 (1)型わく支保工の組立て等作業主任者は,型わく支保工の組立て等作業主任者の免許 を受けた者のうちから,選任しなければならない。 (2)木材を継いで支柱として用いるときは,1 個以上の添え物を用いて継がなければな らない。 (3)パイプサポートを継いで用いるときは,4 以上のボルト又は専用の金具を用いて継 がなければならない。 (4)支柱の継手は,重合せ継手とし,差込み継手は用いてはならない。 【問題 5.3】平成 16 年度出題 労働安全衛生規則に定められた型枠支保工に関する次の記述のうち誤っているもの はどれか。 (1)パイプサポートを支柱として用いる場合,パイプサポートを3以上継いで用いな い。 (2)鋼管枠を支柱として用いる場合,鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいに代えて水平 つなぎを設ける。 (3)パイプサポートを除く鋼管を支柱として用いる場合,高さ 2 メートル以内ごとに水 平つなぎを2方向に設けなければならない。 (4)木材を支柱として用い,はり又は大引きを上端に載せるときは,添え物を用い当該 上端をはり又は大引きに固定する。 3 【問題 5.4】平成 15 年度出題 労働安全衛生規則に定められている型枠支保工の安全に関する次の記述のうち誤っ ているものはどれか。 (1)組立て又は解体の作業において,材料,器具又は工具を上げ,又はおろすときは, つり綱,つり袋等を労働者に使用させる。 (2)型枠支保工の組立て解体の作業を行うときは,当該作業を行う区域に関係労働者以 外の労働者が立入るのを禁止する。 (3)型枠支保工の支柱の継手は,突合せ継手又は差込み継手とする。 (4)鋼材と鋼材との接続部及び交差部は,鋼線,繊維ロープにより緊結する。 4
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