地域社会 - Amazon Web Services

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Sustainability Report 2016
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地域社会
基本的な考え方
「地域社会が健全であってこそビジネスの成長を果
す。コカ・コーラシステムでは、地域の防犯、災害
たすことができる」という考えのもと、世界 200 ヵ
支援、女性の活躍支援、次世代を担う子どもたち
国以上で事業を展開するコカ・コーラシステム。地
の教育支援などの取り組みを通じて地域社会を支
域社会に支えられているコカ・コーラシステムにとっ
援しています。
て、地域のサスティナビリティーは重要なテーマで
地域コミュニティとの関わり
地域に貢献する自動販売機とルートカー
コカ・コーラシステムでは、本業を通じた社会貢献
に取り組んでいます。
の一環として、災害発生時に飲料の提供や物流支
製 品の輸 送や補 充に使われるルートカーでは、走
援 などを 行 う 災 害 協 定 提 携 を、全 国 に お いて、
行中に不審な状況や助けを必要とする人を発見した
2015 年末時点で 1,296※1 締結しており、災害支
場合の通報・保護に協力するほか、災害時には支
援 型自動 販 売 機の設 置を積 極 的に進めています。
援物資の輸送車として稼働しています。
お客様にとって身近な自動販売機やルートカーを活
※1 ボトラー 6 社と日本コカ・コーラの提 携 数 合 計。市 町 村、
市町村の外郭団体、警察機関を含む
用した安全・安心な地域づくりに積極的に協力して
います。
2015 年末現在、全国に約 7,900 台設置している
災害支援型自動販売機は、地震などの災害発生時
に、通 信ネットワーク技 術を活用した遠 隔 操 作に
よって、自動販売機に搭載された電光掲示板に災
害情報を流したり、本体に残っている飲料を無償で
提供することが可能で、緊急時に自動販売機ならで
はの機能を活用した支援を行っています。
防犯面では自動販売機に住所表示ステッカーを貼
付するほか、電光掲示板へ防犯情報を発信するな
「子どもの安全を見守る
運動」のステッカー
ど警察との連携を進めている地域もあります。さら
にボトラー社ごとに、災害支援型自動販売機を通じ
て NPO や地域の環境保全・地域振興活動の支援
災害支援型自動販売機
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茨城県常総市での水田復旧活動
日本コカ・コーラは、2014 年、茨城県霞ヶ浦湖岸で
あると農機具が傷つくため、稲を収穫することができ
「国際海岸クリーンアップ(International Coastal
ないのですが、膨大な量のゴミやがれきを自分たちだ
Cleanup:ICC)」活動の一環として、清掃活動を行
けで片付けるのはとても無理なので、支援を頂いて、
いました。2015 年は、同じ茨城県内の常総市が、
次年度の稲作のために本当に助かりました」などの声
9 月に発生した集中豪雨により鬼怒川の堤防が決壊
を頂きました。
して広範にわたり甚大な被害を受けたことから、活動
計画を変更して常総市の水田復旧活動を行いました。
11 月 25 日に実施されたこの活動では、地域の NPO
職員の方々のほか、同社代表取締役社長はじめ 120
人を超える同社の社員やコカ・コーライーストジャパン
や関連会社の社員が参加し、水田で稲穂の選り分
けや、散乱したゴミ・がれきなどの撤去作業を行い
ました。
水田を使用する地元の農家の方々からは、「がれきが
清掃活動の様子
全肢連への支援
コカ・コーラシステムは、1980 年より 35 年以上
活動の一つである「ハンドアーチェリー」を設置して、
にわたり全肢連(社団法人 全国肢体不自由児者父
広報活動を支援しました。約 2,000 人のアスリー
母の会 連 合 会)を支 援しています。全 国 各 地の学
トやボランティアが参加しました。
校や公民館などに全肢連のステッカー付き自動販売
ハンドアーチェリーは、ボードに針の付いていない
機(全肢連管理)を約 1,400 台以上設置し、毎
ピンを当て、得点を競うレクリエーションスポーツ
年その売上金の一部を全肢連・県肢連の活動費に
です。集中力向上の生活体育や、健康増進に役立
充てています。
つ競 技で、高 齢 者のリハビリや障 がい児のレクリ
2016 年 2 月に新潟で行われた第 6 回スペシャル
エーションとして注目されており、世界大会も開催
オリンピックス日本冬季ナショナルゲームにおいて
されています。
は、日本コカ・コーラのおもてなしブースに全肢連の
自動販売機に貼る全肢連のステッカー
おもてなしブースに設置したハンドアーチェリー
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スペシャルオリンピックス日本を支援
ザ コカ・コーラ カンパニーは、知 的 障がいのある
た、日本コカ・コーラはコカ・コーライーストジャパンと
方々の健康とスポーツの推進に取り組む世界最大の
協力し、13,000 本以上の製品を大会に寄付しました。
組織であるスペシャルオリンピックスの設立パート
なお、スペシャルオリンピックス日本 理 事 長 有 森
ナーであり、グローバルスポンサーでもあります。
裕子氏より以下のようなメッセージを頂戴しており
日本コカ・コーラでも、スペシャルオリンピックス日
本への積極的な支援を継続しています。
ます。
「第 6 回目となった冬季ナショナルゲームには、31
2016 年 2 月 12 日から 14 日にかけて、新潟県で
地区より900 名以上の選手団が参加し、アスリート
「2016 年第 6 回スペシャルオリンピックス日本冬
たちは日々スポーツトレーニングに励み、努力を重
季ナショナルゲーム・新潟」が開催されました。
ね、今大会でその成果を発揮し、私たちの記憶に
スペシャルオリンピックスは知的障がいのある方々
残る勇姿を見せてくれました。今大会にても、選手
の た め の ス ポ ー ツ 競 技 会 で、今 回 の 大 会 で は
団、ボランティアの方々への飲料提供支援のご協力、
4,100 人以上がボランティアとして運営を支援し、
そして、ボランティアとして参加された社員有志の
コカ・コーラシステムからも 12 名が参加しました。ま
方々には、アスリートに直接エールを頂きました。」
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コカ・コーラ 教育・環境財団
公 益 財 団 法 人コカ・コーラ教 育・環 境 財 団 は、
「日本コカ・コーラボトラーズ 育 英 会」(1970
年 設 立)と「コ カ・コ ー ラ 教 育・環 境 財 団」
ラムを提供し、累計で 257 名の生徒が本プロ
グラムを体験しました。また、音楽公演と音楽
教育を主な活動とする米国の非営利団体「ヤン
(1994 年設立)を統合し、2 つの事業を一元
グアメリカンズ」のメンバーによる東北 3 県の子
化して運営・推進するために、コカ・コーラが日
どもたちを対象としたワークショップには、累計
本で事 業を開 始して50周年にあたる、2007
3,100 名以上※1 の子どもたちが参加したほか、
年 6 月に設立されました。
スクールバスの寄贈など、多岐にわたる支援事
「心豊かでたくましい人づくり」を基本理念とし、
業をこれまで展開してきました。
3 つの 事 業(1. 環 境 教 育、2. 奨 学 支 援、3.
今後も、地域に根ざした企業として復興に向け
スポーツ教育)を柱とした活動を企画・提供す
て支援事業を続けていきます 。
ることで、国際社会が求める青少年の育成と、
※1「コカ・コーラ」プレゼンツ公演の参加人数
地域社会を支える人材の育成に貢献します。
2 0 1 1 年 3 月 1 1 日 に 発 生 した 東 日 本 大
震 災 の 被 災 地 復 興 支 援 のために、 3 月 2 4
日 に は 、 ザ コ カ・コ ー ラ カンパ ニ ー により
「コカ・コーラ 復興支援基金」を設立。国内外
太陽光発電・蓄電設備設置校数
岩手県
23校
宮城県
22校
福島県
10校
のコカ・コーラシステムおよび一般からの寄付金
をもとに財団の活動理念に基づき、子どもたち
の生 活 復 興に必 要とされる教 育 施 設、教 育の
機会の提供などの活動を行っています。
被災した岩手・宮城・福島の 3 県の公立小・
中学校の復旧復興支援を目的に、防災対応機
能を備えた太陽光発電・蓄電設備の設置に関
する費用の助成事業を実施し、2015 年 12 月
までに 3 県で合計 55 校すべてに設置を完了し
ました。
そのほか、上記 3 県の高校生・中学生を対象
に英国・米国におけるホームステイ研修プログ
「コカ・コーラ 教育・環境財団」
http://www.cocacola-zaidan.jp
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工場見学
日本のコカ・コーラシステムでは、地域社会のみなさ
ジアムスペースの併設やイベントの開催など、工場ご
まと直接ふれあい、情報を発信する場として、全国
とに特色ある内容を提供しています。
14 工場で工場見学を実施しています。2015 年は
2015 年に見学プログラムをリニューアルした多摩
約 16 万 5 千人以上が参加しました。製品の製造
工場は、タブレット端末によるクイズや、「PET リサ
工程の見学を中心に、コカ・コーラシステムの歴史や、
イクルユニフォーム」を実際に着用できるコーナー
製品の「安全」とお客様の「安心」を守る取り組み
などのアトラクションを新設し、製品の「安全」
「 安心」
や環境対策などを紹介。コカ・コーラシステムの事業
の訴求に加え、大人から子どもまで体験しながら学
活動について、映像やゲームなども交え楽しみなが
べる施設となっています。また、英語での説明を併
ら学習できるような仕組みにしています。またミュー
記し、より幅広い方が楽しめるようになりました。
コカ・コーライーストジャパン株式会社 多摩工場
2016 年夏にリニューアルした
みちのくコカ・コーラボトリング株式会社 花巻工場
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社会・地域貢献活動の歩み(年表)
コカ・コーラシステムでは、事業活動を行う地域が
代からはスポーツ支援プログラムを開始しました。
健全であってこそビジネスの持続的な成長が可能で
これらの活動は、現在も継続して取り組んでいます。
ある、という考えのもと、地域社会における活動を
また、スペシャルオリンピックス日本や全国肢体不
サスティナビリティーの重点分野の一つに位置づけ
自由児・者父母の会連合会とのパートナーシップを
さまざまな活動を行っています。
通じた支援も長年行っています。
1950 年代から地域清掃を続けているほか、1960
2016 年からは、日本コカ・コーラが「日本ラグビー
年代からは教育・文化支援プログラム、1970 年
代表オフィシャルスポンサー契約」を結びました。
1880 1940 1950 1960 1970 1980 1990
2000
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
環境 NGO 団体オーシャンコンサーバンシーに協賛
地域清掃
国際海岸清掃 1995∼(日本では 2007∼)
地域清掃
NPO 法人 green bird との協働
1953∼
2008∼
Keep Japan Beautiful
1970∼
オリンピック アムステルダム大会より支援始まる
1928∼
「コカ・コーラ 未来の
夢をはじめよう。」
プロジェクト
2007∼2010
「アクエリアス
未来の夢
はじめよう。
」
プロジェクト
2011∼2014
スポーツ支援プログラム
インターハイ
1993∼2013
サッカー FIFA ワールドカップ
1928∼ 製品提供 1950∼ 広告協賛
1978∼ オフィシャルパートナー
フラッグベアラー/ボールキッズ
1998∼
全日本少年サッカー大会
1977∼2015
全国高校サッカー選手権大会
1993∼2014
J リーグ
2009∼2015
COPA
COCA-COLA
2013∼
高野先生に学ぼう コカ・コーラかけっこアカデミー
2008∼
教育・文化支援プログラム
高円宮杯 全日本中学校英語弁論大会
1963∼
コカ・コーラ教育・環境財団奨学金事業
1966∼
コカ・コーラ環境教育賞
1994∼
雨煙別小学校コカ・コーラ環境ハウス
2009∼
コカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクト
2006∼
パートナーシップ
スペシャルオリンピックス
1968∼(スペシャルオリンピックス日本への支援は 1998∼)
全国肢体不自由児・者父母の会連合会
1980∼
もの作り体験̶キッザニア̶
2006∼
日本一輪車協会
1988∼
グローバルでの活動 国内での活動
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環境活動
地域で取り組む環境美化・清掃活動
ザ コカ・コーラ カンパニーでは 20 年にわたり支援
年 からは「Yes !リサイクル No !ポイ捨て」を合
している環境 NGO オーシャン・コンサーバンシー
言葉にテレビ CM などによる空容器リサイクルの啓
が主催する清掃ボランティア活動「国際海岸清掃」
発を進めてきました。
にグローバルで参加しています。
2008 年からは街の清掃活動を行う NPO 法人グリー
日本のコカ・コーラシステムでは 1950 年代より地
ンバードを支援しています。毎年、5 月 30 日「ごみゼ
域の清掃活動と、清涼飲料の空容器の回収に取り
ロの日」には全国 30 ヵ所以上でコカ・コーラシステム
組んできました。1970 年代には「こんにちは!美
の従業員を含むボランティアらとともに各地での清掃
しい日本(Keep Japan Beautiful)」のスローガ
活動に参加しています。2015 年には常総市での清掃
ンのもとで美化清掃キャンペーンを展開し、1998
活動(P.21 参照)にも参加協力を得ました。
「コカ・コーラ 森に学ぼう」プロジェクト 水への取り組み
日本のコカ・コーラシステムでは、環境省、林野庁の
ています。また、小中学生向けのサイトでは、森の
後援のもと、2006 年より次世代を担う子どもたち
生態系の仕組みや地球温暖化に関する知識を学べ
を対象に環境教育・保全プログラム「コカ・コーラ
るプログラムも提供しており、教材としても活用で
森に学ぼう」プロジェクトを全国のボトラー社ととも
きる内容になっています。
に実施しています。
このプロジェクトでは、自然観察やゲームを通じて水
と森の関わり合いを伝えるほか、コカ・コーラシステム
がグローバルで取り組む水資源保護活動の一環と
して水資源涵養につながる植林や間伐などのフィー
ルドワークも行っています。2013 年からは、工場
水 源 地での活 動を全 国 各 地で行っており、2015
年は全国で、4,033 人の参加者が体験しました。
専用 WEB サイトでは、日本全国で実施している森
林保全をはじめとする、水資源保護の活動を紹介し
みちのくコカ・コーラボトリング株式会社
「豊沢川の森・市民植樹祭 2015」の様子
パートナー企業と取り組む環境活動
5 月 21 日、関東 1 都 5 県へ「水」を供給して
えました。参加者からは、「コカ・コーラシステム
いる日本最大級の河川、利根川の源流・水源域
と日本 製 紙グループの取り組みを実 際に体 験
にあたる群馬県片品村丸沼高原にて、日本製紙
したことで、森と水
グループとの協働プログラムである植樹活動を実
の関係について理解
施しました。日本コカ・コーラからは社員とその
が 深まりました」な
家族約 40 人が参加し、日本製紙グループからの
どの感想が聞かれま
参加者とともに 120 名で 1,000 本の苗木を植
した。
丸沼高原 2016 年の植樹の様子
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