ケーススタディ 半月板部分切除 Monique Werner, PT, OCS 理学療法士・AlterG 社共同執筆 序論 状況(続き) 患者は 56 歳の活発な女性。長く膝に問題を抱えており、最近 彼女のリハビリには、AlterG による歩行訓練、軟部組織モビラ では右膝に痛みを感じていた。MRI により右膝の内側半月板損傷、 イゼーション、膝の可動範囲運動、膝蓋関節モビライゼーション、 それに伴う関節炎、半月板周辺の嚢胞が確認された。彼女は右膝 膝/腰およびくるぶしの強化、作業シミュレーション運動、固有 の手術を選択し、内側半月板の部分切除、半月板周辺の嚢胞の除 受容ドリルが含まれる。プログラムは 3 ヶ月間実施した。 圧、膝蓋軟骨形成術を行った。外科診断後の状態は、内側半月板 損傷、嚢胞、グレード 3 膝蓋軟骨軟化症、グレード 1 滑車軟骨軟 考慮事項 化症、グレード 3 脛骨外側プラトー軟骨軟化症、グレード 1 大 腿 AlterG での歩行運動を進めるにあたって、痛みと腫れを考慮 骨外側顆軟骨軟化症。患者は活発で、定期的に運動を行う女性で した。患者の痛みの改善に合わせて速度と時間を上げていった。 あり、病院で救急理学療法士助士として常勤している。 経過については表を参照。 目標 結果 最小限の浮腫 患者は合計 25 回の理学療法を受け、うち 8 回で AlterG を使 膝の関節可動域(ROM)と強度の漸次的改善 用した。当初、膝関節内側の痛みと重篤な浮腫の再発があった。 仕事への完全復帰 患者は目標の 全てを達 成し、2010 年 8 月 23 日に理学 療 法士 通常の歩行パターンの回復 の助手の仕事に完全復帰した。AlterG Anti-Gravity Treadmill 通常の運動プログラムへの復帰 は、全荷重ストレスをかける(最初のリハビリで痛み、腫れが悪化 させた)ことなく体重負荷運動を行うため、また通常の歩行を取 状況 り戻すためにリハビリの中盤に導入した。痛みなしに荷重負荷を この患者は過去に左膝の半月板を損傷しており、数年前に手術 行うことを可能にした AlterG は彼女のリハビリに欠かせない要 を受けている。リハビリは時間はかかったものの治療は成功した。 素であった。患者は AlterG で 8 セッションのウォーキングを行い、 昨年、膝以外の問題が原因で何度か転倒し、次第に右膝に痛み 速度と時間を上げて仕事に必要な体重負荷持久力を改善させてい を感じるようになった。痛みがひどくなり、仕事、歩行、日常生活 った。彼女は術後 3 ヶ月でリハビリを終えて仕事に復帰し、足を 動作に制限が生じるようになった。 引きずらずに歩き、定期的に運動もできるようになり、浮腫もほ 彼女は右膝 の手術を受けることを選択し、手術は 2010 年 6 とんど生じていない。また、起伏のある面でも問題無く歩けるよ 月 2 日に行われた。術後に痛みや腫れがあったため、理学療法を うになった。 行った。非荷重運動により膝の状態はゆっくりと改善した。術後 1 ヶ月後にリハビリで体重負荷運動を開始したが、膝関節内側の AlterG のおかげで痛みを感じることなく体重負荷リハビリがで 痛みが著しく悪化し、その後腫れも生じた。固定式バイクや楕円 き、運動も再開できたと彼女は報告している。バイクや楕円運動 運動マシンを使ったが痛みが増してうまくいかなかった。医師に マシンでは痛みが生じてうまくいかなかった。快適なウォーキン 彼女の膝を再評価してもらったところ、リハビリのペースを落とす グができるレベルまで体重負荷を減らしてリハビリを助けてくれ よう指示された。 た AlterG を使用できて良かったと彼女は報告している。 彼女の仕事は病院の理学療法士の助手であり、1 日 8 時間立ちっ ぱなしの仕事である。患者のベッドからの移動を助けることも仕事 以下に経過表を示す。 の 1 つであり、仕事に復帰した場合、こういった体重負荷に耐えら れるかどうか彼女は心配していた。また、術後 3 ヶ月で仕事に戻ら なければならないため、リハビリを行う上で時間上の制限もあった。 術 後 8 週 間 目 に AlterG Anti-Gravity Treadmill を 使 っ た ウォーキングプログラムを開始した。最初の設定は体重の 60%、 2.4km /時、傾き無しでの 5 分ウォーキングだった。体重負荷 活動を再度試みることが目的だったが、今回は痛みや腫れを悪化 させないよう配慮した。この AlterG を使った部分体重負荷では 痛みも浮腫も生じず、彼女も喜んでいた。 Anti-Gravity Treadmillは下肢の負傷後または手術後のリハビリテーションにおいてFDA(米連邦食品医薬品局)の認可を受けています。 執筆者は症例研究に対して金銭的な補償を受けている場合があります。 Case_Study_19_jp.indd 1 6/14/11 3:43:57 PM 経過表 週 プログラム 速度(km /時) 傾き(%) 時間(分) 第6週 体重の 60%でウォーキング 2.4 km /時 0 5分 第8週 体重の 60%でウォーキング 2.4 - 2.7 km /時 0 15 分 第9週 体重の 65%でウォーキング 2.4 - 3.2 km /時 0 15 分 第9週 体重の 65%でウォーキング 3.2 km /時 0 20 分 第 10 週 体重の 75%でウォーキング 3.2 km /時 0 25 分 第 11 週 体重の 75%でウォーキング 3.2 km /時 0 25 分 第 11 週 体重の 80%でウォーキング 3.2 km /時 0 25 分 第 12 週 体重の 90%でウォーキング 4.0 km /時 0 30 分 本社:TEL 03-5326-3200 HPアドレス:http://www.alter-g.jp/ Anti-Gravity Treadmillは下肢の負傷後または手術後のリハビリテーションにおいてFDA(米連邦食品医薬品局)の認可を受けています。 執筆者は症例研究に対して金銭的な補償を受けている場合があります。 Case_Study_19_jp.indd 2 6/14/11 3:43:57 PM
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