アニュアルレポート 2013 2013年3月期 Creativity and Innovation 目 次 プロフィール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 コーポレート・ガバナンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 財務ハイライト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 取締役、 監査役および執行役員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 株主・投資家の皆さまへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 経営陣による財務分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 社長インタビュー 連結財務諸表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 特集:海外事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 沿革 小林製薬のビジネスモデル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 会社概要・投資家情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 事業の概況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 将来見通しの記述について このレポートに記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、過去の事実以外のものは、当社の将来の業績に関する見通しの記述であり、現在入手可能な情報に 基づき、経営陣の仮定と確信に基づくものです。 これらの将来見通しの記述は、すでに知られているリスク、知られていないリスクの不確かさ、その他の要因などを含み、当社の実際の経営成績、業績などは、このレポートに 記載した見通しとは大きく異なる結果となる可能性があります。 1 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 プ ロ フィ ー ル 経営理念 我々は、絶えざる創造と革新によって 新しいものを求め続け、 人と社会に素晴らしい 「快」 を提供する 事業紹介 小林製薬グループは、お客さまの立場に立って製品を開発し、お客さまへの 「快」 の提供を追求し続けることを、自らの存在意義 であると考えています。これを実現するため、 「 あったらいいな をカタチにする」 をブランドスローガンとして、お客さまニーズを 満たす新製品の開発に注力しています。 主な事業として家庭用品製造販売事業、通信販売事業の2事業を運営しており、また、海外では、カイロや額用冷却シートなどを 40カ国を超える国々で販売しています。 ▼ 売上高・営業利益構成比 家庭用品製造販売事業 国内外で、自社製品を企画・研究開発・製造・販売する当社グループ の主力事業です。薬粧品事業と日用品事業で約150ブランドを 保有しています。 注) 内部売上高は控除しています。 家庭用品 製造販売事業 その他 88.7% 0.9% 医療関連事業 2.0% 通信販売 事業 薬粧品事業 OTC医薬品、口腔衛生品、食品の3つのカテゴリーの開発、生産、 販売を通じて、お客さまのQOL向上をサポートします。 8.4% 2013年3月期 売上高 1,215 億円 日用品事業 芳香消臭剤、衛生雑貨品、家庭雑貨品、カイロの4つのカテゴリー の開発、生産、販売を通じて、新しい生活習慣を提案します。 家庭用品 製造販売事業 その他 94.9% 4.0% 通信販売事業 医療関連事業 栄養補助食品やスキンケア製品などを電話やインターネットなどを 通じて販売しています。 0.1% 通信販売 事業 1.0% 2013年3月期 営業利益 169 億円 小林製薬の成り立ち 卸売業として創業し自家製薬品の開発・製造へ 1894年発売の 10種の自家製薬品 1886年 (明治19年) 、雑貨・化粧品・洋酒の卸売業として創業し た当社は、その2年後に薬品卸部門を設立。その8年後には、人々の 健康増進に役に立つ薬をつくろうと、自家売薬部門を設立し、 「タム シチンキ」 など10種の自家製薬品を販売しました。 人と社会に素晴らしい 「快」 を提供するために、絶え間ない挑戦を 続ける小林製薬の 「ものづくり」 が、こうして始まったのです。 創業者 小林忠兵衛 創業当時の 合名会社小林盛大堂 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 2 財 務 ハ イ ラ イト ▼ 売上高 (億円) 1,500 ▼ 営業利益/経常利益/売上高営業利益率 (億円) 1,256 1,291 1,308 1,311 1,215 1,000 200 150 100 500 153 170 190 200 186(%) 158 170 186 192 169 20 15 12.6 13.2 14.2 14.7 2009 2010 2011 2012 2013 5 0 2009 2010 2011 2012 2013 営業利益 2004 会計年度 売上高 売上原価 売上総利益 販売費及び一般管理費 営業利益 経常利益 税金等調整前当期純利益 当期純利益 経常利益 2005 0 150 100 50 0 8.9 7.0 7.2 88 92 2006 117 2009 2010 2011 2012 2013 売上高当期純利益率 2007 2008 単位:百万円 215,708 143,912 71,795 56,096 15,698 14,159 12,769 6,730 246,852 167,239 79,613 62,734 16,879 15,151 14,009 7,474 257,022 172,304 84,717 66,688 18,029 15,012 16,038 8,297 228,826 147,638 81,187 62,611 18,576 15,687 15,800 8,504 営業活動によるキャッシュ・フロー フリー・キャッシュ・フロー※1 6,971 4,613 8,364 4,428 13,159 6,745 8,833 △2,970 12,192 5,767 減価償却費 設備投資額※2 研究開発費 2,662 2,441 2,010 2,735 5,020 2,115 2,813 2,797 2,377 2,782 2,229 2,476 2,489 2,895 2,813 会計年度末 流動資産 固定資産 流動負債 固定負債 純資産※3 総資産 運転資本※4 有利子負債 80,030 48,296 64,297 9,093 54,454 128,326 15,733 5,417 86,704 47,924 65,007 8,959 60,116 134,629 21,697 3,033 102,102 62,453 77,028 10,291 77,236 164,555 25,074 3,413 66,069 56,340 37,940 7,286 77,182 122,409 28,129 726 1株当たり情報 当期純利益 配当金 配当性向 キャッシュ・フロー※5 純資産 157.25 21.0 13.4% 163.9 1,307.16 160.64 33.0 20.5% 196.7 1,443.30 200.77 50.0 24.9% 207.7 1,799.87 205.62 54.0 26.3% 286.7 1,863.24 33.2 7.6 6.7 3.2 124.5 11.1 12.9 42.4 0.10 18.0 33.3 7.3 6.6 3.1 133.4 10.8 11.7 44.7 0.05 18.2 33.0 7.0 5.8 3.2 132.6 9.5 11.7 45.2 0.05 22.3 35.5 8.1 6.9 3.7 174.1 10.9 11.2 63.0 0.01 18.7 単位:百万円 98,906 53,038 72,040 10,175 66,811 151,945 26,866 1,633 単位:円 179.17 38.0 21.2% 309.4 1,617.10 単位:% 32.3 6.8 6.1 3.0 137.3 10.6 11.8 44.0 0.02 23.4 ※1 フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー ※2 設備投資額:セグメント情報の資本的支出 ※3 2006年以前の純資産は少数株主持分を含んでいません。 ※4 運転資本:流動資産―流動負債 ※5 営業活動によるキャッシュ・フロー÷発行済み株式数 ※6 デット・エクイティ・レシオ:期末有利子負債/自己資本 ※7 (株価×発行済み株式数) ÷当期純利益 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 7.5 5.0 211,670 141,388 70,282 54,159 16,123 14,127 11,825 6,677 財務指標 売上高売上総利益率 売上高営業利益率 売上高経常利益率 売上高当期純利益率 流動比率 総資産経常利益率 (ROA) 自己資本当期純利益率 (ROE) 自己資本比率 ※6 デット・エクイティ・レシオ (倍) ※7 株価収益率 (PER) 3 121 7.1 93 (%) 10.0 2.5 当期純利益 売上高営業利益率 10.0 (億円) 13.9 10 50 0 ▼ 当期純利益/売上高当期純利益率 0 3月31日に終了した会計年度 ▼ 総資産/純資産/自己資本比率 ▼ 1株当たり配当金/配当性向 763 846 913 1,018 1,148 (億円) 1,252 1,319 1,343 1,478 1,571 (%) 1,500 100 75 75 73.1 50 50 25 25 0 0 1,000 500 0 60.9 64.0 67.9 68.8 2009 2010 2011 2012 2013 総資産 2009 純資産 自己資本比率 2010 (円) 100 26.9 27.4 28.9 58 62 66 ▼ ROE/ROA (%) 27.2 78 20 22.5 15 15.0 10 7.5 5 0 0 82 2009 2010 2011 2012 2013 1株当たり配当金 2011 配当性向 2012 (%) 27.6 30.0 12.4 11.5 2013 11.5 14.3 10.6 14.2 12.2 12.2 11.2 2009 2010 2011 2012 2013 ROE 単位:百万円 13.3 ROA 増減率 2013 単位:% 単位:千米ドル 125,693 57,013 68,679 52,861 15,818 15,333 16,270 8,853 129,184 57,295 71,888 54,847 17,041 17,071 14,553 9,249 130,824 56,184 74,640 56,019 18,620 19,010 13,178 9,335 131,166 54,635 76,531 57,233 19,298 20,092 19,822 11,726 121,532 51,732 69,799 52,895 16,903 18,677 18,853 12,176 △7.3 △5.3 △8.8 △7.6 △12.4 △7.0 △4.9 3.8 1,292,206 550,048 742,158 562,424 179,734 198,586 200,468 129,474 12,849 11,467 15,319 10,618 13,168 4,789 17,250 14,320 9,242 △17,362 △46.4 △221.2 △184,614 2,873 3,468 3,361 2,996 3,562 3,962 2,932 2,346 4,069 2,727 2,212 4,385 2,622 3,173 4,544 73,172 52,037 39,834 9,011 76,364 125,210 33,338 644 85,208 46,763 39,024 8,344 84,603 131,972 46,184 1,708 102,538 45,352 37,791 8,220 101,879 147,890 64,747 5 94,353 62,753 34,477 7,757 114,872 157,106 59,876 4 215.89 58.0 26.9% 302.2 1,861.14 225.88 62.0 27.4% 360.3 2,061.79 286.36 78.0 27.2% 405.7 2,484.08 297.37 82.0 27.6% 217.3 2,805.27 54.6 12.6 12.2 7.0 183.7 12.4 11.5 60.9 0.01 15.1 55.6 13.2 13.2 7.2 218.3 13.3 11.5 64.0 0.02 17.0 58.3 14.7 15.3 8.9 271.3 14.2 12.2 68.8 0.00005 14.5 57.4 13.9 15.4 10.0 273.7 12.2 11.2 73.1 0.00004 15.3 単位:百万円 88,837 45,518 34,525 8,488 91,342 134,356 54,312 25 単位:円 227.98 66.0 28.9% 309.7 2,226.42 △3.8 43.4 3.6 98,278 27,879 33,748 48,325 単位:% 単位:千米ドル △8.0 1,003,232 667,231 366,582 82,477 1,221,404 1,670,463 636,650 43 38.4 △8.8 △5.6 12.8 6.2 △7.5 △15.2 単位:% 3.8 5.1 0.4 △46.4 12.9 単位:米ドル 3.16 0.87 2.31 29.83 単位:% 57.1 14.2 14.5 7.1 257.3 14.3 10.6 67.9 0.0003 16.9 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 4 株 主・投 資 家 の 皆 さ ま へ 代表取締役会長 小林 一雅 5 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 代表取締役副会長 小林 豊 開発中心型企業として、世界中のお客さまに 我々にしか生み出せない価値を提供し続けます。 「企業価値の最大化」 を追求 新社長のもと積極果敢にチャレンジ 当社グループは、 「 あったらいいな をカタチにする」 を 変化の激しい時代にあっては、現状維持こそが最大の ブランドスローガンに、お客さまのニーズを満たす新製品 リスクです。こうした時代を生き残るのは、強いものや賢い の開発により、新市場を創造する開発中心型企業です。 ものではありません。変化に適応できたものだけが生き お客さま自身も気付いていない潜在的なニーズを掘り 残るのです。我々自身も、時代の変化に適応していくため 起こしそれをカタチにすること、つまり今までにない新しい に、常に変化し続けることが求められています。 市場を創造し、それを拡大していくことが当社グループ 最大の強みです。一方で、製品やサービスを提供する上 で、品質の向上も追求していかなければなりません。当社 グループでは 「品質は企業の命」 の精神のもと、品質に甘 えを許さない社風を構築して、全従業員が品質には徹底 的なこだわりを持って製品やサービスを提供しています。 それを端的に示しているのが、近年の国内市場の成熟 を背景とした、日本企業の海外進出です。当社グループで も、数年前から海外事業を成長事業と位置づけ、積極的 な投資を行っています。すでに国内と海外という考え方 ではなく、日本を含めた世界を1つの市場と捉え、経営す ることが求められる時代が到来しています。新市場を創 また、経営の透明性の確保と監督機能の強化のため、 造する当社グループのビジネスモデルを世界で開花させ 2008年から社外取締役を選任しています。2013年6月 ることで、未来は大きく開けると確信しています。 より社外取締役を新たにもう1名選任し、2名体制となり、 コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図ってまいりま す。また、当社グループでは経営陣に対して、従業員が現 場の生の声を直接伝える機会を積極的に設けるなど、誰 に対しても意見が言える非常に風通しの良い社風も持ち 合わせています。 今後も 「企業価値の最大化」 を追求するため、新市場を 創造する新製品開発に加え、コーポレート・ガバナンスの 強化・充実に努めてまいります。 このような変化の激しい環境を鑑み、また4年後の 100期の到来を視野に入れ、次代を担うべく、2013年 6月、小林章浩が代表取締役社長に就任することとなり ました。新社長のもと、我々にしか生み出せない価値を 創造し、世界中のお客さまに あったらいいな を提供すべ く、積極果敢にチャレンジしていきます。 株主・投資家の皆さまには、当社グループにいっそうの ご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。 代表取締役会長 代表取締役副会長 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 6 社 長 イ ン タビ ュ ー 1971年5月13日生まれ。兵庫県出身。 慶応義塾大学経済学部卒。当社入社 後、製造カンパニープレジデント、国際 営業カンパニープレジデント兼マーケ ティング室長、製品事業統括本部長を 経て、2013年6月27日に代表取締役 社長に就任。 7 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 成長の基盤となる 新製品の開発と育成に全力を注ぎます。 2013年6月27日をもって代表取締役社長に就任しました。 1919年の設立以来、今日に至るまで脈々と貫き通してきた 「創造と革新」 「わかりやすさの追求」 「並外れた顧客志向」 といった 当社のDNAをさらに進化させていくことが私の使命です。 そしてさらなる成長に重要なのは、価値を生み出す 「現場」 です。 現場主義に徹し、若さを生かしたフットワークの軽さで 現場に足を運び、現場の声を聞き 現場が最大限に力を発揮できるようにしていきます。 これからも 「 あったらいいな をカタチにする」 をブランドスローガンに 新製品の開発と育成に全力を注ぎ、さらなる成長を成し遂げます。 2013年9月 代表取締役社長 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 8 Q 認識している経営課題とその施策は? A 新製品の開発と育成、スキンケア・漢方の強化、 海外事業の拡大に取り組みます。 新製品開発の強化 新製品開発は、当社グループが成長し続けるためには不可欠なものです。お客さま にとっての 「 あったらいいな をカタチにする」 ものづくりを強化していかなければなり ▼ 新製品寄与率 (%) 7.4 8.3 7.5 5.3 5.1 2009 2010 2011 2012 2013 ません。 当社グループでは、発売初年度の新製品寄与率 (全売上高に占める新製品の売上 高) を10%以上とすることを目標にしていますが、近年はその目標を下回っていました。 「本当に欲しい」 と思いトライアル購入していただけ そこで、どれだけ多くのお客さまに るか、またその良さを実感してリピート購入していただけるかという原理原則に立ち 返り、新製品の魅力度や機能について、アイデア会議をはじめとする開発関連会議で 議論を 議論を深めてきました。 その結果、2013年3月期(当期) は新製品寄与率が7.5%となり、2014年3月期 (来期) には9%を見込めるまでに回復しています。 新製品育成プランの構築 新製品を育成し市場に定着させることも、成長には欠かせません。当社グループで は春と秋の年2回新製品を発売しています。これまで発売直後は大々的な店頭展開を 実施できていたものの、それに続く展開拡大施策が十分に用意できておらず、また半年 後には次の新製品が多数発売されることもあり、育成しきれていないという課題があり 愛犬家用芳香消臭剤 『いぬのきもち』 株式会社ベネッセコーポレーションの 雑誌 「いぬのきもち」 と犬がリラックス できる香りを共同開発。育成プランの 一つとして、お客さまの愛犬の写真を 募 集し、選ばれた写 真を製 品のパッ ケージにするキャンペーンを実施。 ました。 そこで発売直後だけでなく、発売から半年の間に、キャンペーンの実施や広告と連動 した店頭づくりなどを継続する 「二の矢、三の矢を撃つ」 育成プランを展開し、一気に 市場への定着を図ります。2013年秋の新製品では 『消臭元 いぬのきもち』 の育成に 取り組みます。 アイデア会議 開発担当者が毎月1回、社長に対し、新製品アイデアをプレゼン テーションする会議。アイデアがお客さまに新しい価値を生み 出しているかを徹底的に議論します。 9 KOBAYASHI KOBAYASHI Pharmaceutical Pharmaceutical Co., Co., Ltd. Ltd. Annual Annual Report Report 2013 2013 スキンケアと漢方の強化 スキンケア分野のさらなる拡大のため、2013年3月に六陽製薬株式会社、2013年 9月にジュジュ化粧品株式会社と、スキンケア分野でブランド力をもっている2社の 株式を取得しました。今後は、2社のブランド力を生かした新製品を開発し、当社グルー 『ケシミン』 などを加え、スキンケア分野で売上高100億 プのスキンケアブランドである 円 円を目指します。 また、当社グループでは肥満症改善薬 『ナイシトール』 や、ちくのう症改善薬 『チクナ 原料である良質な生薬の イン』 など12ブランドの漢方製剤品を販売しています。その原料である良質な生薬の 六陽製薬の主力製品 『オードムーゲ』 安定的な調達と漢方エキスの製造を行うことを目的に、漢方製剤品の製造ノウハウの ある会社との合弁会社を中国の安徽省に設立 ある会社との合弁会社を中国の安徽省に設立します。今後も、漢方製剤品の開発を 強化し、事業拡大していきます。 海外事業の拡大 国内市場が成熟しつつある今、今後も成長し続けるためには、海外市場の開拓は 極めて重要です。当社グループでも海外事業を成長事業と位置づけ、米国、中国、東南 アジアを中心に、カイロ、額用冷却シートを注力製品として積極的に投資を行い、売上 ジュジュ化粧品の主力製品 『アクアモイスト』 『マダムジュジュ』 拡大に注力 拡大に注力しています。 その結果、同事業の2013年3月期の売上高は前期比17.2% ▼ 海外事業の売上高推移 増の95億円となりました。 (億円) 前期比 海外事業の売上高の44%を占める米国では、2006年にヒートマックス社、2012 +17.2% 年にグラバー社と2社のカイロメーカーの株式を取得しました。これにより、米国にお ける当社グループのカイロシェアは約50%となりました。また、ヒートマックス社では 65 65 78 81 95 ディスカウントストア・スーパーマーケット・ドラッグストアを、グラバー社ではスポーツ 用品店を主な取引先としているため、今後はそれぞれの販路を生かして、カイロにとど 2009 2010 2011 2012 2013 まらず取り扱い製品の拡大に努めていきます。 中国では、カイロ、額用冷却シートの市場拡大のため内陸部への展開を進めていき ます。また、中国、東南アジアで販売しているカイロ、額用冷却シートなどの売上拡大 を見据え、上海の工場に続き、安徽省に新工場を建設しています。 経済成長が著しい東南アジアでは、現地に根付いたマーケティングを強化するため、 2002年以降、香港、シンガポール、マレーシア、台湾、インドネシア、タイに現地法人を 設立してきました。現地のニーズにあった製品開発や広告・販売促進活動を拡大して いきます。 米国で販売しているカイロ 中国で販売しているカイロと 額用冷却シート KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 10 ▼ 2013年3月期の実績 (億円) 実績 Q 2013年3月期 (当期) の業績は? A 厳しい状況下で減収となりましたが、 当期純利益15期連続の増益を達成しました。 増減 1,215 7.3% 減 営業利益 169 12.4% 減 経常利益 186 7.0% 減 当期は、国内の個人消費や企業活動が依然として厳しい状況にあって、売上高は減 当期純利益 121 3.8% 増 収、営業利益、経常利益ともに減益となりましたが、当期純利益は15期連続で増益を 売上高 達成しました。 このような結果を踏まえて、一株当たりの年間配当は14期連続の増配※となる82円 ▼ 一株当たり配当金/配当性向 26.9 27.4 58 62 28.9 27.2 27.6 (第2四半期末39円、期末43円) とさせていただきました。 減収の主な理由は、連結子会社であった小林メディカル株式会社 (現:日本メディカ ルネクスト株式会社) の株式譲渡と、夏場の天候不順の影響を受けて暑さ対策製品が 66 78 82 不振であったことです。 ※ 2004年3月期に、1:1.5の株式分割を実施しています。 2009 2010 2011 2012 2013 一株当たり配当金 (円) 配当性向 (%) ▼ 2014年3月期の業績見込み (億円) 見込み Q 2014年3月期 (来期) の業績見込は? A 増収増益、16期連続の当期純利益増益を目指します。 増減 1,270 4.5% 増 我々は当期の業績を謙虚に受け止め、当社グループの成長に欠かせない新製品の 営業利益 177 4.7% 増 開発と育成に全力を注ぎ、成長事業である海外事業の拡大に向け積極的な投資を続 経常利益 194 3.9% 増 けていきます。 当期純利益 126 3.5% 増 売上高 これにより来期は増収増益、当期純利益においては16期連続の増益を目指します。 100期ビジョンプロジェクト 所属の枠を超えて集まった従業員が、当社グループの 「ありたい 姿」 や 「向かうべき方向性」 をリアリティあるビジョンとして描き、 その実現の道筋を示すプロジェクト。リーダーである社長とメン バーが侃々諤々の議論を進めています。 11 KOBAYASHI KOBAYASHI Pharmaceutical Pharmaceutical Co., Co., Ltd. Ltd. Annual Annual Report Report 2013 2013 Q CSRの取り組みは? A 品質や環境保全を重視したものづくり、社会貢献活動を 継続して取り組んでいきます。 当社グループは、経営理念に 「絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、 人と社会に素晴らしい快を提供する」 を掲げています。 この理念に基づき、お客さまにしっかりした効果感を実感していただける製品を提供 することはもちろんのこと、製品が安全であること、お子さまからご高齢の方までの 誰もが簡単に使える設計のユニバーサルデザインや、使い終わった後も捨てやすくゴミ り も出にくい容器設計など、品質や環境保全を重視したものづくりを進めています。 また、小学校のトイレ環境を改善するための洋式トイレ寄贈や、東日本大震災の 復興支援活動など社会貢献活動にも継続して取り組んでいきます。 Q 株主・投資家の皆さまへのメッセージを A 真のお客さま満足のため、全社一丸となって取り組みます。 当社グループは、お客さまに 「本当にいいな」 と感じていただける新製品を開発し続 世界中で新しい生活習慣と新しい市場を創造 け、世界中で新しい生活習慣と新しい市場を創造していきます。 それを積み重ねるこ とが、成長し続ける唯一の方法であり、企業価値の向上につながると確信しています。 現在、4年後に迎える100期を見据え、全社横断の 「100期ビジョンプロジェクト」 を進めています。こうしたプロジェクトを通じて、今まで培ってきた誰に対しても意見 が言えるという当社グループならではの 「風通しの良さ」 を発展させていくことも大切 と考えています。 全従業員が一丸となって、お客さまに真の喜びを提供できるよう、私は現場ととも に歩んでいく所存です。 株主・投資家の皆さまにおかれましては、今後とも当社グループにご理解、ご期待を 賜りますよう、お願い申し上げます。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 12 特 集:海 外 事 業 積極的な投資で、海外事業展開を加速 強力なグローバルブランドの確立に向けて 小林製薬グループでは、海外事業を成長事業と位置づけ、米国、中国、東南アジアを注力エリアとして、 カイロ、額用冷却シート、OTC医薬品、芳香消臭剤、めがねクリーナー、口腔衛生品の6つの分野で売上拡大を推し進めています。 現地法人をとおして現地に根付いたマーケティング戦略を実践し、M&Aなどの積極的な投資も行うことで、売上高200億円を目指します。 額用 冷却シート カイロ ● 英国 ● ■● ● 米国 OTC 医薬品 ■ 販売拠点 芳香 消臭剤 ■● ● ● ● ■ 生産拠点 ● ● ● 中国・東南アジア・オセアニア ● めがね クリーナー 口腔 衛生品 海外事業の状況 ▼ 地域別売上高構成比 ▼ 売上高 (億円) 英国 120 100 50 65 78 81 95 6% 中国 16% 8% 合計 95億円 アジア 米国 44% 額用 冷却 シート 18% 合計 95億円 26% 0 2010 2011 2012 2013 2014 (見込み) 13 芳香消臭剤 その他 3% 7% OTC 医薬品 9% その他 150 ▼ 品目別売上高構成比 KOBAYASHIPharmaceutical PharmaceuticalCo., Co.,Ltd. Ltd. Annual AnnualReport Report2013 2013 KOBAYASHI 2013年3月期 2013年3月期 カイロ 63% 地域別の展開 (主要市場) 米国 販売 戦略 ● カイロの販売拡大と生産力の増強 ● M&Aで得た販路を活用し、 売上を拡大 また、ヒートマックス社とグラバー社それぞれの販路を有効的 に活用し、めがねクリーナーや米国発のかゆみ止め薬『Itch Relief Patches』 など、カイロ以外の製品も販売していきます。 このほか、米国での売上拡大を支えるべく、2012年8月に 米国でのカイロの用途は、腰痛などの時に使用する治療用と、 ヒートマックス社の新工場を建設するなど、生産体制も強化 スポーツ観戦やアウトドアなどのレジャー時に使用する防寒用 しています。 が中心です。 当社グループは治療用カイロで米国のカイロ市場に参入しま したが、売上を拡大していくには、防寒用カイロへの参入が必須 ▼ 販路の有効的活用 ヒートマックス社の製品をグラバー社の販路であるスポーツ用品店 でした。そこで、2006年にディスカウントストアやスーパーマー などで、グラバー社の製品をヒートマックス社の販路であるディス ケット、ドラッグストアに販路を持つ 「ヒートマックス社」 、2012 カウントストアなどで販売し、売上拡大を図る 年にスポーツ用品店やスキー専門店に販路を持つ 「グラバー ヒートマックス社 グラバー社 社」 を傘下に収めました。いずれも防寒用カイロにおいて強いブ のカイロシェアは50%に達しています。 製品 ランドを有しており、これら2社を含めた米国での当社グループ 今後は、さらなる市場拡大に向けて、寒い日に防寒具として カイロを使用する習慣の 確立を目指していきます。 販路 まずは手軽に手に取って いただけるようカイロを ・ディスカウントストア ・スーパーマーケット ・ドラッグストア レジ前に陳列するなどの 店頭づくりを進めています。 ・スポーツ用品店 ・スキー専門店 レジ前の陳列 米国でのブランド展開例 額用 冷却シート カイロ Be KOOOL 発熱時におでこを冷やすという、これまで 米国になかった新習慣を提案 「Cura-Heat」 (治療用) 「HOTHANDS」 、 「GRABBER」 (防寒用) 治療用・防寒用両面に応えるラインナップをそろえ、 ディスカウントストア、スポーツ用品店などで販売 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 14 中国 販売 戦略 ● 経済型カイロを発売し、 内陸部での販売拡大 ● 新工場設立で生産力を増強 強化するため、2014年夏ご ろを目処に、上海にある工場 に続き、安徽省に新工場を竣 工し、需要拡大に応えていき ヌアンバオバオ 2003年に 『暖宝宝』 という製品名で中国での販売を開始した ます。 カイロは、導入当初から2桁成長を続けており、現在では主力 製品に成長しています。この認知度をさらに高めるため、有名 パオチュウ タレントを起用したテレビCMや 「包柱」 と呼ばれる店頭広告、 店頭での推奨販売などを積極的に展開しています。 推奨販売の様子 さらなる成長のカギとなるのが、まだ認知度の低い内陸部へ の進出です。内陸部は近年の経済成長に伴って流通インフラが 整備され、生活水準が上昇してきています。そこで、内陸部での 取り扱い店舗の拡大を推し進めているほか、2012年9月から、 内陸部に向けて、従来製品よりも手に取りやすい価格設定の 「経済型カイロ」 を販売しています。 ビンバオティエ 加えて、額用冷却シート 『冰宝貼』 の販売などにも注力して います。一人っ子政策が続く中国では、他国以上に赤ちゃん を大切にする傾向があり、額用冷却シートの赤ちゃん用の売 上が伸びています。こうした状況を受けて、2013年7月から 安徽省の新工場 完成予想図 赤ちゃん用のテレビCMをスタートし、さらなる認知向上を 図っています。 またカイロ、額用冷却シートの売上拡大を見据え、生産力を 中国でのブランド展開例 ヌアンバオバオ Sawaday 暖宝宝 カイロ 芳香 消臭剤 女性のイラストを用いた中国オリジナル パッケージを採用 中国の生活者の好みに合 わせ、日本には無い 「ジャス ミン」 の香りも販売 タイフーチン ビンバオティエ 冰宝貼 額用 大人用、子ども用、 冷却シート 赤ちゃん用を展開 15 KOBAYASHI Pharmaceutical Pharmaceutical Co., Co., Ltd. Ltd. Annual Annual Report Report 2013 2013 KOBAYASHI 口腔 衛生品 義歯洗浄剤としてドラッグ ストアを中心に展開 東南アジア・その他 販売 戦略 改良を行い、現地に根付いたマーケティング戦略を実践してい 主力製品 『アンメルツ』 と 『熱さまシート』 の販売拡大を推進 ● ● くことで、さらなる売上拡大を目指します。 現地化の推進 ▼ 東南アジア・その他地域での現地法人設立のあゆみ 当社グループの海外事業は、約40年前、東南アジアへ外用 2002年 6 月 香港に 「小林製薬 (香港) 有限公司」 設立 消炎鎮痛剤『アンメルツ』 を輸出したことに始まります。本製品 2009年10月 シンガポールに 「KOBAYASHI Pharmaceutical (Singapore) Pte. Ltd.」 設立 アンメイルウ は香港、マレーシア、シンガポールでは 『安美露』 という製品名で 親しまれ、確固たる地位を確立しています。 また額用冷却シートは、発熱時におでこを冷やすという習慣 が浸透し、売上が確実に拡大しています。東南アジアは高温 多湿な地域が多いため、日本と同様に暑さ対策としての使用 も訴求できると考え、市場が確立しつつある香港、マレーシア 2011年10月 マレーシアに 「KOBAYASHI Healthcare (Malaysia) Sdn. Bhd.」 設立 2011年11月 台湾に 「台湾小林薬業股分有限公司」 設立 2012年 4 月 インドネシアに 「PT. Kobayashi Pharmaceutical Indonesia」 設立 2013年 3 月 オーストラリアに 「Kobayashi Healthcare Australia Pty. Ltd.」 設立 2013年 6 月 で暑さ対策をうたったテレビCMを放映し、使用シーンの拡大に タイに 「Kobayashi Healthcare(Thailand)Co., Ltd.」 設立 努めています。そしてインドネシアでは、所得水準が高くない ことから1箱(6枚入り) での販売ではなく、1枚ずつの販売に ▼ 東南アジア地域の額用冷却シートのパッケージ も取り組んでいます。 東南アジアの新興国の成長を大きなビジネスチャンスと捉 え、香港、シンガポールに続き、2011年10月以降、マレーシア、 台湾、インドネシア、タイに現地法人を設立し、販売基盤を確立 しました。またオーストラリアにもオセアニア地域初となる現地 法人を設立しています。今後は、これらの現地法人をとおして現 地のニーズを的確に把握し、現地のニーズにあった製品開発や 国や地域ごとにブランド名やデザインを変えて親しみやすいように工夫 (左からシンガポール、タイ、香港、インドネシア) 東南アジア・その他地域でのブランド展開例 アンメイルウ OTC 医薬品 Clearwipe 安美露 めがね クリーナー 東南アジアで約40年の販売 実績のある外用消炎鎮痛剤 赤道に近く、サングラスをかける機会も 多いオーストラリアで支持を獲得 KOOLFEVER 額用 冷却シート 発熱時に加えて、暑さ対策 製品として訴求 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 16 小林製薬のビジネスモデル 新市場の創造・拡大を通じて、 高シェア、高収益を維持し続けます。 A市場 (旧市場) B市場 (旧市場) 潜在ニーズの発掘 新市場 C市場 (旧市場) D市場 (旧市場) 新市場創造 既存の市場と市場のすき間 (ニッチ) で、お客さまの潜在ニーズ あったらいいな を 発見する。 新市場の創造・拡大 1 新市場創造型製品 お客さまの あったらいいな をカタチにした 「新市場創造型製品」 を投入する。 新発想の製品 1969年 ブルーレット 水洗トイレのタンクに吊り下げる、新発想の芳香洗浄剤。 トイレの水洗化率が30%に満たない時代に、需要を 見越して発売し、香りのよさとブルーの水で話題を集 めた。 2 需要拡大型製品 創造した有望な市場に他社が参入して市場が拡大する。それにあわせ 市場の拡大 「需要拡大型製品」 を投入し、製品ラインナップを拡充。市場をさらに 拡大する。 利便性を高める 1986年 ブルーレットおくだけ タンクの蓋を開けて吊り下げる煩わしさを解消するため に、タンクの上に置くだけでしっかり汚れが落とせる 製品を投入。一気に家庭の必需品に。 選択肢を広げる 1991年 ブルーレットドボン トイレの多様化が進む中、タンクの中に投げ込むタイ プを開発。無色の水で洗浄するタイプを加えるなど、 お客さまの選択肢を広げた。 3 ブランド強 化・拡 大 型 製 品 成熟した市場に、いっそう付加価値を高めた 「ブランド強化・拡大型製品」 を投入。シェア拡大と市場活性を図る。 ラインナップをさらに拡充 2001年 液体ブルーレットおくだけ 泡立ちがよく洗浄効果をアップさせた液体タイプを 高いシェアを獲得 開発。また、漂白効果の高い製品やさまざまな香りを 楽しめる製 品も開 発してラインナップをいっそう 拡充、お客さまのお好みに応じてトイレ空間を演出 できるようにした。 17 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 主な新製品 (2012年4月∼ 2013年9月) 1 新市場創造型製品 漢方処方の塗り薬『アピトベール』 湿疹や皮膚炎を経験された方には、 「掻きむしって症状を悪化させて しまった」 「掻きむしった箇所が赤くなり、他人の視線が気になった」 などの経験をお持ちの方が少なくありません (当社調べ)。そこで、 つらい湿疹や皮膚炎を掻きむしってしまう前に症状を鎮める漢方 処方の塗り薬 『アピトベール』 を2013年3月に発売しました。 「塗る 漢方薬」 として、新市場を創造していきます。 愛犬家用芳香消臭剤 『消臭元 いぬのきもち』 ペットの室内飼いが主流となったいま、そのニオイケアは必要 不 可欠です。そこで当社は、2013年8月、 『消臭元 いぬのきもち』 を新発売しました。株式会社ベネッセコーポレーションが発行する 雑誌「いぬのきもち」 と共同開発し、飼い犬のニオイをしっかり消す だけでなく、犬もリラックスできる香りを発することが最大の特徴 です。 「犬のストレスにならない芳香消臭剤がほしい」 という愛犬家 のニーズに応えました。 2 需要拡大型製品 有効成分を3,100mg配合した 『ナイシトールG』 肥満症改善薬 『ナイシトール』 は、2006年の発売以来、多くのお客 さまの支持を得て、市場をけん引してきました。さらなる 「効果感」 を 求める市場ニーズに応え、2012年9月に従来品の1.24倍の防風通 聖散エキス量を配合した 『ナイシトールG』 を新たに発売しました。 原料生薬の成分が損なわれないよう、低温濃縮という特殊製法を 用いるなど、製法にもこだわった一品です。 3 ブランド強化・拡大型製品 香る系トイレ用洗剤 『ブルーレット香るトイレ用洗剤』 洗濯用洗剤などとは異なり、これまで香りにこだわった製品が なかったトイレ用洗剤。そこで当社は、2013年9月、洗浄力が高い ことはもちろん、アロマ調の心地よい香りが広がるトイレ用洗剤 『ブルーレット香るトイレ用洗剤』 を新発売しました。香りを楽しみ ながらトイレ掃除をしたいというお客さまのニーズに応えます。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 18 事業の概況 家庭用品 製造販売事業 家庭用品製造販売事業では、 お客さまの「あったらいいな」を実現する製品を国内外に向けて提供しています。 ▼ 主な市場シェア (当社調べ) 2013年3月期(当期)の業績 暑さ対策製品の苦戦もあり減収減益 当期の国内経済は、東日本大震災の復興需要などに支え られ、景気は緩やかに持ち直しつつあるものの、個人消費や 企業活動は依然厳しい状況で推移しました。 洗眼薬 61.9% 肥満症改善薬 37.8% このようななか、当社グループでは経営理念である 「人と 社会に素晴らしい快を提供する」 という考えのもと、お客さま の潜在ニーズを満たす新製品開発と、市場の活性化を促す 既存ブランドの強化に注力しました。一方、夏場の天候不順 の影響から、暑さ対策製品が苦戦し、特に衛生雑貨品カテ ゴリーの売上は2012年3月期 (前期) を下回りました。 その結果、当期の家庭用品製造販売事業の売上高は 口中清涼剤 80.9% 額用冷却シート 52.3% 1,108億円 (前期比1.4%減) 、営業利益は160億円 (前期 比12.4%減) となりました。 2014年3月期(来期)の見通し 新製品開発と育成 来期も引き続き、お客さまのニーズに応える新製品開発に 注力し、新市場を創造する と ブランドを強化する の両面か 芳香消臭剤 31.2% 水洗トイレ用 芳香洗浄剤 77.8% 洗眼薬や水洗トイレ用芳香洗浄剤など多くの市場を 創造し、高いシェアを獲得しています。 19 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 ら新製品を提供していきます。当社グループでは、発売初年度 の新製品寄与率 (全売上高に占める新製品の売上高) 10% 以上を目標としていますが、近年は10%を大きく下回って いました。そこで本当にお客さまの 「あったらいいな」 を実現 ナイシトール 熱さまシート 脂肪の分解・燃焼を 促す漢方処方の 肥満症改善薬 冷感ツブ配合の 冷却シート ブレスケア 液体ブルーレット おくだけ アルコール、 にんにく料理の後に お腹の中から 息をリフレッシュする 息清涼カプセル しているかを徹底的に議論し、新製品開発に取り組んできま した。結果、当期7.5%まで回復し、来期は9%を達成する見 込みです。 さらに発売した新製品を育成し、市場に定着させるため、 トライアル購入やリピート購入を促進する広告活動、販売促進 活動も積極的に展開していきます。 スキンケアと漢方の強化 トイレタンクの 手洗い部分に置いて 使う水洗トイレ用 芳香洗浄剤 業績の推移 ▼ 売上高 (億円) 1,500 1,000 1,126 1,155 1,107 1,124 1,108 1,167 2009 2010 2012 500 0 セルフメディケーションやヘルスケアニーズの高まりを受け、 2011 当社グループではスキンケアと漢方の2つの分野に注力して いきます。 スキンケア分野では、2013年3月に六陽製薬株式会社、 同年9月にジュジュ化粧品株式会社と、高いブランド力を持っ ている2社の株式を取得。今後は、 両社のブランド力を生かし、 売上拡大を目指します。 2013 2014 (見込み) ▼ 新製品寄与率 (初年度) (%) 12 8 7.4 8.3 7.5 5.3 5.1 2011 2012 9.0 4 漢方分野では、当社グループはすでに肥満症改善薬 『ナイ シトール』 など12ブランドの漢方製剤品を販売しています。そ の漢方製剤品の原料である良質な生薬の安定的な調達と 0 2009 2010 2013 2014 (見込み) 漢方エキスの製造を行うため、漢方製剤品の製造ノウハウの ある会社との合弁会社を中国の安徽省に設立し、この分野の さらなる強化を図ります。 海外事業のさらなる成長 成長事業である海外事業においては、米国・中国・東南アジ アを中心に、カイロ、額用冷却シートを注力製品として、積極 的に投資を行い、売上拡大を図っていきます。 この結果、来期は売上高1,167百万円 (当期比5.3%増) 、 営業利益168百万円 (当期比4.7%増) を見込んでいます。 海外事業の詳細は、 P.15-18に記載しています。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 20 事業の概況 家庭用品製造販売事業 市場動向 ヘルスケアニーズの高まりに応えて 少子化・超高齢化や生活様式の変化を背景に、生活に 占める医療費の割合は急激に増大しつつあります。国民医療 薬粧品事業 OTC医薬品/口腔衛生品/食品 費は2015年時点で45兆円に達すると予測され、重篤な 病気を未然に防ぐ 「予防医療」 や、軽い不調には自ら対処す る 「セルフメディケーション」 の重要性がますます叫ばれる ようになりました。こうした背景から、ヘルスケア領域は、 今後さらなる拡大が見込める市場となっています。 こうしたなかで当社は、お客さまのニーズにより的確に応 えていけるよう、新製品の開発と既存品の改良の両面から研究 ▼ 主な新製品 開発に取り組んでいます。近年では、身体の調子や体質に合わ せて症状に対応できる漢方製剤品の開発に注力しています。 2013年3月期(当期)の業績 OTC医薬品と食品が苦戦し、減収 ナイシトールG アピトベール アンメルツほぐタイム マッサージ乳液 増やした新製品 『ナイシトールG』 が好調であったほか、歯間 清掃具 『やわらか歯間ブラシ』 、 『糸ようじ』 などの口腔衛生品 業績の推移 が堅調に推移しました。一方、医薬品カテゴリーの主力製品 ▼ 売上高 である外用消炎鎮痛剤の不振や、サプリメント市場全体の競 (億円) 600 400 肥満症改善薬 『ナイシトール』 ブランドより有効成分量を 争激化に伴い、栄養補助食品の売上が前年を下回りました。 400 418 432 450 442 464 結果、当期の薬粧品事業の売上高は442億円 (前期比 1.8%減) となりました。 200 2014年3月期(来期)の見通し 0 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (見込み) ※OTC医薬品、口腔衛生品、食品の3つのカテゴリーの国内および海外の売上合計です。 ※内部売上高は控除しています。 漢方分野を柱に製品開発を強化 ヘルスケアニーズの高まりを受け、OTC医薬品や口腔衛 生品の製品開発に努めます。 OTC医薬品では、かゆみや皮膚炎を抑える漢方処方の塗 り薬 『アピトベール』 や、乳液タイプの外用消炎鎮痛剤 『アン メルツ ほぐタイム マッサージ乳液』 を新たに発売しています。 口腔衛生品では、引き続き歯槽膿漏予防ハミガキ 『生葉』 や 歯間清掃具の売上拡大に努めます。また、歯ぐき下がりが気 になる方のために開発した 『トマリナ』 から冷感タイプの製品 を発売するなど既存ブランドの強化も図っていきます。 この結果、売上高は464億円 (当期比5.0%増) を見込ん でいます。 21 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 家庭用品製造販売事業 市場動向 お客さまの厳しい目に応えられるように お客さまが日用品を購入する際、低価格で、本当に必要な ものだけを選ぶ傾向がますます強まっています。一方で、環 日用品事業 芳香消臭剤/衛生雑貨品/家庭雑貨品/カイロ 境に配慮した簡易包装や詰め替えタイプの商品なども注目 されています。数ある商品のなかから、お客さまが本当に欲 しいもの、必要なものだけを選ぶという厳しい目が向けられ ている状況です。 こうした状況下で当社は、お客さまの 「あったらいいな」 に 応える、より付加価値の高い製品を提供していきます。 ▼ 人気キャラクターのパッケージの 『お部屋の消臭元』 2013年3月期(当期)の業績 芳香消臭剤は好調に推移するも 暑さ対策製品が苦戦 2012年4月に発売した芳香消臭剤 『Sawaday Happy』 が年間で10億円を売り上げ、大容量タイプの芳香消臭剤 『お部屋の消臭元』 『トイレの消臭元』 も好調に推移しました。 ▼ 主な新製品 また、限定品としてガリガリ君、ペコちゃん、キティちゃんと いった人気キャラクターとコラボレーションした芳香消臭剤 を発売することで、若年層のお客さまを新たに取り込むこと ができました。一方で、夏場の天候不順の影響から、暑さ対 策製品が苦戦しました。 結果、当期の日用品事業の売上高は635億円 (前期比 デオインナー MEN SあせワキパットRiff 0.9%減) となりました。 業績の推移 2014年3月期(来期)の見通し ▼ 売上高 新市場の創造と拡大に注力 (億円) 750 649 648 644 641 635 671 引き続き、お客さま層や使用シーンを拡大する芳香消臭 剤の製品開発に取り組み、 ナチュラルな香りにこだわった 『消 500 臭元 木のある生活』 や、犬もリラックスできる香りの 『消臭元 250 いぬのきもち』 などを発売しています。また、 これまでになかっ た男性向けの汗やニオイの予防の製品として、汗ジミ防止 0 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (見込み) ※芳香消臭剤、 衛生雑貨品、 家庭雑貨品、 カイロの4つのカテゴリーの国内および海外の 売上合計です。 ※内部売上高は控除しています。 シート 『MEN SあせワキパットRiff』 や防臭下着スプレー 『デオインナー』 などを発売し、市場の創造に取り組んでいます。 海外においては、米国・中国でのカイロに加え、東南アジ アにおける額用冷却シートの市場拡大に努めます。 この結果、売上高は671億円 (当期比5.7%増) を見込ん でいます。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 22 事業の概況 通信販売 事業 国内で栄養補助食品やスキンケア製品などを取り扱う通信販売事業では、独自のノウハウと 「製薬会社ならではの品質」 を最大限に生かし、激化する通信販売市場での優位性を確保します。 市場動向と2013年3月期(当期)の業績 ▼ 通信販売事業の主な製品 グルコサミン &コラーゲンセット 身体の構成成分である グルコサミンに、コラーゲンや ビタミンCを配合した栄養補助食品。 きびきびと行動したい方に おすすめです。 製薬会社ならではの独自性を展開 スマートフォンやタブレット型PCの普及も手伝い、国内 通信販売市場の規模はいまや9兆円以上ともいわれます。 一方で、好調ゆえに市場への新規参入も多く、価格競争を 避けるため他社との差別化が不可欠となっています。 当社は、1999年に栄養補助食品の通信販売を開始して ヒフミドシリーズ 以来、 「医薬品に準ずる厳しい管理基準」 「栄養補助食品で 皮ふに含まれるセラミドと同一構造の ヒト型セラミドを配合し、肌自身の バリア力 (保湿力) をサポート。 10製品をラインナップしています。 の無添加の実現」 「配合成分・含有量の表示」 「薬剤師や栄 養士、スキンケアアドバイザーなど専門相談員によるお客 さま対応」 など製薬会社ならではの強みを前面に打ち出して 事業拡大に努めています。現在では、栄養補助食品のほか、 アロエシリーズ 発毛を促進する薬用育毛液に加え、 ノンシリコン処方のシャンプーと コンディショナーも販売しています。 化粧品や育毛液といったスキンケア製品など約150もの 製品を販売しています。 また、2012年9月にスマートフォン向けサイトを開設する など、ご利用いただきやすい環境を整えることにも継続的に 取り組んでいます。 野菜と酵素 17種類の野菜と7種類の穀物を 発酵熟成し、グルコン酸などの 有用成分を引き出した、食生活が 偏りがちな方におすすめの 栄養補助食品です。 原材料の選定から配合や 形状の決定まで、 製薬会社ならではの 厳しい基準で行っています。 (写真は検査室の様子) 23 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 会員向け 冊子・チラシ スマートフォン 向けサイト スキンケア製品は好調ながら、 栄養補助食品は苦戦 当期は、積極的な広告展開やダイレクトメールの送付を 中心とした販売促進活動を行い、新規のお客さまの開拓 や、既存のお客さまの製品継続購入の促進に取り組みまし た。この結果、化粧品『ヒフミド』 シリーズが前期比10%増 などスキンケア製品は好調に推移しましたが、栄養補助食品 は苦戦し、売上高は101億円 (前期比1.9%減)、営業利益 は1.6億円 (23.5%増) となりました。 2014年3月期(来期)の見通し よりきめ細かなサービスの提供 来期は、既存のお客さまへのダイレクトメールによる販売 促進活動を強化します。お客さまの性別、年齢、購入履歴を 参考に、お客さま一人ひとりに合った製品を提案することで、 購入への喚起を図っていきます。 薬剤師お客様相談室での対応 業績の推移 ▼ 売上高 (億円) 150 100 さらに、 『ヒフミド』 シリーズなどの化粧品においては、ウェ ブを中心とした、より高い効果が見込める広告媒体を活用し ていきます。 また、通信販売は、お客さまと直接コミュニケーションをする ことができます。それゆえに、受注窓口を単なる受注だけで 76 88 2009 2010 98 103 101 2011 2012 2013 110 50 0 2014 (見込み) なく、お客さまとの対話を重視したコンタクトセンターと位置 づけ、お客さま一人ひとりのニーズを把握する体制を整えます。 これらに加えて、お客さまのニーズを的確に捉えた新製品 の開発に注力し、新たな柱となる製品の育成にも取り組んで いきます。 結果、来期は売上高110億円 (当期比8.1%増) 、営業利 益3億円 (当期比83%増) を目指します。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 24 コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス 「企業価値の最大化」に向け ステークホルダーからの信頼の確保に努めます。 コーポレート・ガバナンス体制 小林製薬グループは 「企業価値の最大化」 を追求し、株主・投資家の皆さまをはじめ、さまざま なステークホルダーから信頼いただける企業であるために、経営の透明性を確保する体制 構築や、迅速かつ正確な情報開示など、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。 経営の透明性向上 外部を含むさまざまな視点から経営を監視 当社では、 経営と業務執行の分離を目的に執行役員制度を導入し、 経営の透明性向上のため のさまざまな取り組みを実施しています。 2012年8月、 取締役および執行役員の選任プロセスの 透明性、 公正性を確保するため、人事指名委員会を新たに設置しました。 ▼ 当期の社外取締役・社外監査役 の主な活動 取締役会の監督機能の強化を目的に、 2008年から社外取締役を選任しています。 社外取締役 氏名 主な活動 2名を含む7名の取締役で構成される取締役会は、 月1回の定例会のほか、必要に応じて臨時 辻 晴雄 取締役会 17回中17回出席 取締役会を開催し、経営に関する重要事項の決定、 グループ執行審議会(以下、GOM) で審議 取締役会 17回中17回出席 監査役会 14回中14回出席 された内容のチェックなど、 業務執行の状況を逐次監督しています。 また、 社外監査役2名を含む 林 浩志 役職 社外 取締役 取締役会 社外 監査役 酒井 竜児 取締役会 17回中16回出席 監査役会 14回中14回出席 4名の監査役も出席しています。社外取締役、社外監査役から活発な発言があり、外部視点に よる牽制が十分に機能しています。 グループ執行審議会 執行役員と常勤監査役などで構成されるGOMを月2回開催し、業務執行に関する重要な 案件を審議しています。 アドバイザリーボード 取締役会やGOMを補佐する機関として、外部識者ならびに社外取締役、会長、副会長、 社長、担当役員を構成員とし、半年に1回開催しています。経営方針や経営の重要課題について の助言をいただき、 日々の経営に反映しています。 ▼ コーポレート・ガバナンス体制 株 主 総 会 アドバイザリーボード 助言 監査役会 監査 報酬諮問委員会 取締役会 人事指名委員会 監査 会計 監督 監査人 内部監査 グループ執行審議会 社外 弁護士 などの 専門家 内部統制委員会 助言 監査 各事業部など 25 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 助言 報酬諮問委員会 取締役の報酬額決定プロセスの透明性を確保するため、外部識者ならびに、社外取締役、 副会長、担当役員を構成員とする報酬諮問委員会を設置しています。 人事指名委員会 取締役および執行役員の選任プロセスの透明性、 公正性を確保するため、 外部識者、 社外取締 役、 社長、担当役員を構成員とする人事指名委員会を設置しています。 内部統制委員会 主要役員を構成員とし、 コンプライアンス問題および内部統制管理体制構築に関する基本 問題を中心に審議しています。 また内部統制に関する基本方針案の立案、内部統制管理体制 の監視も行っています。 監査役会 監査役会設置会社であり、 監査役4名中2名を当社との資本関係および取引関係のない社外 監査役とすることで経営の透明性を確保しています。常勤監査役は、経営リスクの早期発見の ため、 当社の主要会議への出席、 必要な記録へのアクセス、 各事業部へのヒアリングなどを実施 し、 経営を監視しています。 従業員の声を生かす 「LA&LA」 経営陣に従業員が現場の生の声を直接伝える機会 「LA&LA (Looking Around & Listening Around)」 を設け、誰もが意見を言いやすい風土の醸成に努めています。 こうした風土もまた、 コーポレート・ガバナンスを有効に機能させる上で重要であると考えています。 情報開示 適時性とわかりやすさを追求 株主や投資家の皆さまに的確な評価・判断を下していただくために、各種ディスクロー ジャー文書の適時開示に努めています。 当社ホームページでは、決算情報など重要情報を適時 開示するとともに、事業戦略や製品などをわかりやすく解説し、 ニュースメールなどで最新情報 を発信しています。 さらに、毎年6月 (株主総会終了後) と、12月に株主通信「青い鳥レポート」を送付し、事業 概況や各種活動をわかりやすく報告するなど、有効な情報開示に努めています。 青い鳥レポート 内部統制とコンプライアンス 会社法・金融商品取引法が求める業務、財務諸表の適正性の確保など、各種法令を遵守す るための仕組みを構築しています。また、すべての役員・従業員が、法令を遵守するだけでなく、 企業倫理に則って行動できるよう、各種教育を実施しています。 内部統制 海外事業の拡大に向け一層強化 2007年5月より 「内部統制委員会」 を設置し、四半期ごとに開催しています。社長自らが委員 長となって運営し、社外弁護士をアドバイザーとして当社グループ全体の内部統制およびコン プライアンス体制を監視し、 その対応策について勧告・助言をしています。 2013年3月期(当期) は、海外事業をスピーディかつ確実に運営するために、承認・報告ルー トの見直しや、海外グループ会社の従業員にコンプライアンスの重要性を浸透させるプログラ ムの整備など、海外におけるコーポレート・ガバナンスおよびコンプライアンス体制の構築に力 を注ぎました。 ※「内部統制システムの基本方針」http://www.kobayashi.co.jp/corporate/governance/policy/index.html KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 26 コンプライアンス 継続を重視したコンプライアンス教育 コンプライアンス意識の浸透と向上のために 「継続」 を重視し、 役員を含めた全従業員を対象に コンプライアンス教育を実施しています。 グループ報・イントラネットによる教育 2007年3月期よりグループ報 (社内報) でコンプライアンス関連の記事を連載し、 イントラネッ トでニュースとケーススタディの動画を毎月配信しています。 また、2011年7月からはイントラ ネットにて 「コンプライアンスe-ラーニング」 も開始し、 毎月、 全役員・全従業員が受講しています。 グループ報 ▼ 当期実施した 「コンプライアンス e-ラーニング」 実施月 テーマ 2012年 4月 2012年 5月 2012年 6月 2012年 7月 2012年 8月 2012年 9月 2012年10月 2012年11月 インサイダー取引 コンプライアンスの重要性 内部通報制度 薬害 反社会的勢力 ソーシャルメディアのリスク 著作権 個人情報保護法 公正な取引の遵守 (賄賂・独占禁止法・下請法) 薬事法の基礎 ハラスメント 情報機器を安全に利用する 2012年12月 2013年 1月 2013年 2月 2013年 3月 集合研修 当期は、役員を対象に弁護士による改正会社法の研修、全管理職を対象にハラスメント・ 労働法規・インサイダー規制の研修を実施しました。新入社員には例年どおりコンプライアンス 意識の動機付けを行いました。 グローバルコンプライアンスポリシー 海外事業の拡大を見据え、当期は2008年制定の「コンプライアンス指針」 を 「グローバル コンプライアンスポリシー」 に進化させ、 これを遵守することを宣言しました。英語・中国語・イン ドネシア語・スペイン語版も作成し、海外グループ会社でも周知しています。 また具体的な行動 基準を 「役員及び従業員の誓約」 に定め、 国内外の全役員・全従業員が 「誓約書」 に署名しました。 TOPICS 「従業員相談室」 と 「内部通報制度セミナー」 従業員からコンプライアンスにかかわる通報や相談を受け 付ける専用窓口として、2003年1月に 「従業員相談室」 を社 内と社外 (弁護士事務所) に設置しています。そして当期から、 従業員相談室を身近に感じられるよう社外窓口担当弁護士 が内部通報制度について具体的な相談事例を交えながら講 義する 「内部通報制度セミナー」 を開始しました。当期末まで に14の事業所で開催し、約800名の従業員が受講しました。 内部通報制度セミナーの様子 リスクマネジメント体制 従業員相談室の啓発ポスター 経営会議だけでなく内部統制委員会などで外部識者の意見も取り入れて、毎年経営上の リスクを選定し、それらに対してアクションプランを実行・監査しています。 経営リスクの管理 8つのテーマで経営リスクを軽減 当期は、 グローバル経営、品質向上、法規遵守を中心に8つのテーマを設定し、経営リスクの 軽減に取り組みました。 それらを確実に実行するため、 アクションプランの進捗を内部統制委員 会にて報告し助言を受けた結果、 日常業務にチェック機能を追加する、教育を実施するなどの 対策を講じました。 事業継続計画 (BCP) の策定 非常事態発生への備えを強化 2008年より経営リスク管理の観点から災害・事故や感染症拡大時の対策を強化し、2010 年春には強毒性インフルエンザ用のBCPを策定しました。 また、東日本大震災の経験を踏まえ、 2011年に災害発生時用のBCPも策定しています。毎年見直すことで、非常事態発生への備え を強化しています。 27 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 CSRの取り組み 経営理念「人と社会に素晴らしい快を提供する」 の考えのもと、お客さまの立場に立ってお客 さまの あったらいいな を創造し続ける、これが当社グループのCSRです。同時に、環境負荷 低減や社会貢献活動なども推進し、すべてのステークホルダーから信頼いただける企業を目指 しています。 品質向上 品質に甘えを許さない社風を構築 当社グループが製品の開発において最も重視しているのは 「安心・安全な品質」 の確保です。 「品質は企業の命」の考えのもと、品質保証体制の強化のため2010年6月に品質保証室を 社長直下の組織とし、2011年11月には製品やサービスを提供する上で遵守すべき指針「品質 保証方針」 を制定しました。 これを確実に実行していくために、 それぞれの組織や職能での責任 と権限を明確にした 「品質保証マネジメント規定」 と 「品質保証運用規定」 も制定しました。 これ らを従業員一人ひとりが遵守し、製品開発から製造、販売に至るまで一貫して品質向上に努め ています。 そして製品の品質に加え、購入いただいてから廃棄するまでのすべての段階で、 お客さまニー ズに応える品質を兼ね備えた製品開発にも取り組んでいます。使用方法がわかりやすいか、 誰もが簡単に安心して扱えるユニバーサルデザインとなっているか、 分別廃棄しやすい容器設計 か、 ごみの減量化ができているかなどについて常に議論を交わし、 さらなる品質向上に努めて います。 品質に甘えを許さない社風を構築し、 お客さま視点でのさらなる品質向上を追求していきます。 お客さまの 「想い」 を品質向上に反映 製品発売後、 お客さまからのお問い合わせやご指摘は 「お客様相談室」 で受け付けています。 相談内容が複雑化、高度化してきていることから、 じっくりと対話できるよう、相談員から電話を かけ直す体制も整えています。 このお客様相談室では 「想い」 に共感することを重視しています。 お一人おひとりのご使用状況だけでなく、 お気持ちまで知ることで初めて真意を理解することが でき、製品やサービスの品質向上につなげることができるからです。 寄せられたお問い合わせやご指摘は開発・製造部門に伝え、新製品開発や製品改良に反映 させています。改良した製品の試作時には、 お客さまの声にお応えできているかを検証し、 その 製品を発売した後も、 引き続きお客さまの声を分析し、改良が十分であったかどうか、 さらなる 改良が必要か否かを検討しています。 人権の尊重 人権啓発のための教育や情報発信 当社グループでは、事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重することを 基本姿勢とし、人権専門の担当者2名が主体となって人権啓発活動に取り組んでいます。 全従業員を対象に、各事業所で 「社内人権研修」 を年1回実施しており、 グループ報(社内報) には毎号「じんけんQ&A」 を掲載し、人権に関する疑問についてわかりやすく解説しています。 イントラネットでは毎週「じんけんコーナー」 を発信し、人権に関するさまざまな知識や、旬の 話題などを紹介しています。 グループ報に掲載の 「じんけんQ&A」 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 28 環境負荷低減の取り組み 資源の有効活用と廃棄物の削減 当社グループでは、 「お客さまの手元で生じるゴミを減らす」、 「自社グループから排出される 廃棄物を減らす」 の2つの観点から、 廃棄物の削減やリサイクルの推進に取り組んでいます。 ■環境負荷低減に配慮したパッケージ開発 すべてのステークホルダーの環境への意識は高まってきており、 当社グループでは容器・包装 の環境負荷低減に取り組んでいます。最小限の資源で、製品の輸送時の保護や使用時の情報 提供ができる容器・包装の開発や、再生原料の採用など、資源の3R(リデュース、 リユース、 リサ イクル) を推進しています。 TOPICS 『ブルーレットおくだけ』のつめ替用の容器で世界最薄を実現 水洗トイレ用芳香洗浄剤『ブルーレットおくだけ』 のつめ替用の容器において、カップの 肉厚0.3mmと、射出成型法※によるプラスチック容器として 「世界最薄」 を実現しました。 この容器は、公益社団法人日本包装技術協会が主催する 「2012日本パッケージングコンテスト」 でトイレタリー包装 部門賞を受賞。さらに、アジア包装連盟主催のアジア地域 における国際パッケージコンテスト 「アジアスター 2012 コンテスト」 でも、アジアスター賞を受賞しました。環境 負荷低減につながる 「薄さ」 に加えて、お客さまが洗浄剤を つまみやすく、容易に開封できる設計が評価されました。 ※ プラスチックなどの素材を熱で溶かし、 金型に流し込んで成形する手法 ▼ リサイクル量とリサイクル率 99.8 99.8 85.5 3,660 3,756 3,023 99.8 環境にやさしく、 開封しやすい つめ替用の容器 ■リサイクルの推進 99.9 当期の廃棄物リサイクル量は3,161t(前期比75.3%、1,039t減少)、 リサイクル率は99.9% 4,200 で、4期連続でゼロエミッションを達成しました。前期に比べてリサイクル量が減少しているの 3,161 は、 廃棄物自体を減らす取り組みが成果を上げつつあるためです。 引き続き、使用済み製品や生産工程で発生するゴミを回収し利用しやすいように処理して 製品の原材料に使用する 「マテリアル・リサイクル」 の比率を高めるべく取り組んでいきます。 CO2 排出量の削減 2009 2010 2011 2012 2013 リサイクル量 (t) リサイクル率 (%) 当社グループでは、製品の生産から物流までのすべての段階で、CO2排出量の削減を推進し ています。 ▼ CO2排出量 (製造部門) 13,888 13,689 14,061 13,903 14,241 (t) ■製造部門でのCO2排出量削減 当期のCO 2 排出量は、製造部門で14,241tCO( 2 前期比102.4%、 338tCO 2 増加) と なりました。 これは、2012年3月期(前期) は東日本大震災の影響により、一部工場での生産量 が低下していたため、 CO2排出量が減っていたことによるものです。 ■営業部門のCO2排出量削減 営業車の利用によるCO2排出を削減するため、営業部門では、前年比5%の燃費向上を目指 2009 2010 2011 2012 2013 したエコドライブに取り組んでいます。2012年8月、寒冷地などで使用する四輪駆動車を除く 営業車全252台をハイブリッドカーに切り替えました。 これにより、1年間のCO 2 排出量を 約313t削減できる見込みです。 これは、杉の木によるCO2吸収量に換算すると22,357本分に 相当します。 29 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 社会貢献の取り組み 小学校のトイレ環境を改善 当社が2012年に実施した 「小学校のトイレ実態調査」 によると、小学校のトイレで排便しな い子どもは全体の半数にのぼっています。和式トイレが苦手、 トイレが 「汚い」 「臭い」 などが排便 しない大きな理由です。 そこで当社では、2010年より明日を担う子どもたちに快適なトイレ環境を届ける 「小学校の トイレぴかぴか計画」 を実施しています。 第2回目となる2012年も全国12の小学校にて和式便器を洋式便器に改修し、臭気対策と してトイレの床面にシートを貼りました。 また周囲の目を気にして小学校で排便しない子どもたち 贈呈式の様子 (大阪府高槻市立日吉台小学校) も多いことから、当社従業員がトイレを改修した小学校を訪れ、 ワークショップなどを通じて 排便の大切さを伝えました。 2019年に迎える当社創立100周年までに累計100校を目指し、2013年も全国12の小学 校で実施します。 実 施 校 2010年 2012年 2013年 和式便器を 洋式便器に 改修 トイレの 床面の シート貼り 2013年から 「小学校に洋式トイレ プレゼント!」 に 名称変更 2013年の実施校 2019年に 迎える当社創立 100周年までに 累計100校 実施を目指します 宮城県登米市立西郷小学校 東京都武蔵村山市立第二小学校 大阪府千里みらい夢学園 吹田市立桃山台小学校 長野県小諸市立東小学校 和歌山県和歌山市立名草小学校 愛知県豊山町立豊山小学校 岡山県岡山市立豊小学校 岐阜県養老町立日吉小学校 福岡県福岡市立城浜小学校 滋賀県米原市立坂田小学校 熊本県天草市島子小学校 宮崎県高鍋町立高鍋西小学校 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 30 東日本大震災支援活動を継続して実施 東日本大震災から2年半がたちましたが、現地の復興・復旧はまだ道半ばです。 当社グループ も、 微力ながら被災地の皆さまが少しでも笑顔になれることを願い、 支援活動を継続しています。 当期には以下の活動を実施しました。 ■被災地の小学校で出張授業を開催 被災地の子どもたちに少しでも笑顔を広げようと、 2012年7月24日と8月1日に、 当社グループ 従業員が宮城県山元町の小学校を訪問し、 出張授業を実施しました。 授業のテーマは 「芳香・消臭剤のひみつ」。芳香消臭剤開発のノウハウを生かし、 その種類や 効能について、実際にニオイを嗅ぎながら学んでもらい、最後には自分の好きな香りを選んで オリジナル芳香剤づくりに挑戦していただきました。 また子どもたちの健康と衛生面を考え、 出張授業の様子 訪れた小学校のすべてのトイレを清掃しました。 ■桜の植樹活動 復興のシンボルとして、宮城県の貞山運河に桜並木をつくることを提案し、その費用として 5,000万円を寄付しました。 2013年3月23日には、 貞山運河沿いの県南浄化センター(宮城県 岩沼市) で 「震災復興祈願・桜植樹祭」 を開催し、 当社グループ従業員60名が計100本の桜を 植樹しました。 ■大学進学のための震災特別奨学金を給付 桜植樹祭に参加した宮城県職員の皆さんと当社 グループ社員 被災地の未来を担う子どもたちを支援し、 復興への力としたいという思いから、 震災被害による 経済的理由で大学進学が困難になった高校生10名に、返済不要の震災特別奨学金(授業料 年間120万円を最大4年間、 入学金20万円と合わせて1人あたり500万円) を給付しました。 2013年3月30日、 奨学生と保護者、 学校関係者の方にお集まりいただき、 目録の贈呈を行い ました。奨学生からは、 「大学進学をあきらめていたところ、 このような機会をいただきうれしく 思います。毎日を無駄にせず、奨学生の名に恥じないよう、一生懸命勉学に励みます」 との言葉 をいただきました。 奨学金贈呈式の様子 ■中小企業に向けた無利子無担保融資を実施 地域経済の自立という観点から被災地の復興を後押ししようと、 当社グループが担保を提供、 利子補給を行うかたちで、企業への特別融資を実施しました。融資先1件につき1,000万円を 上限に、最大10年間、実質無利子・無担保で融資を行い、倒壊した建物の修繕や津波で消失し た設備の購入に役立てていただきます。 融資先としては水産卸売業、薬局、書籍販売業、飲食業など10社を選定しました。融資先の 企業からは 「復興には時間がかかり、再建もあきらめていましたが、新たにがんばろうと将来の 希望が持てるようになりました」 と感謝の言葉をいただきました。 TOPICS 「きずなプール」 が完成 2011年に実施した震災復興支援キャンペーン 「1円の想いキャンペーン・ささえよう東日本∼3億 個の想いを1つに∼」 で、宮城県東松島市にお渡し した寄付金を用いて 「きずなプール」 が建設され、 2013年6月に完成しました。 このプールは25メートルで6コースあり、東松島 市内の小学校の児童たちが使用します。 きずなプール 31 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 取 締 役 、監 査 役 お よ び 執 行 役 員 2013年10月1日現在 取 締 役 代表取締役会長 代表取締役副会長 代表取締役社長 小林 一雅 小林 豊 小林 章浩 取締役副社長 製品開発・マーケティング統括 本部長 常務取締役 グループ統括本社本部長 社外取締役 シャープ株式会社特別顧問 社外取締役 一橋大学大学院 商学研究科教授 辻野 山根 聡 辻 晴雄 伊藤 邦雄 監査役 (常勤) 監査役 (常勤) 社外監査役 林税理士事務所 代表 社外監査役 長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士 平岡 正啓 後藤 寛 林 浩志 酒井 竜児 常務執行役員 営業本部長 常務執行役員 製品開発・マーケティング統括本部 日用品事業部長 堀内 晋 野本 宏 執行役員 グループ統括本社 業務改革センター長 執行役員 ジュジュ化粧品株式会社 代表取締役社長 執行役員 製品開発・マーケティング統括本部 中央研究所長 執行役員 製造本部長 山本 英嗣 森谷 邦男 難波 俊夫 西岡 哲志 執行役員 品質保証室長 執行役員 営業本部 営業統括部長 執行役員 国際事業部長 香月 一幸 田中 健一郎 宮西 一仁 志 監 査 役 執行役員 ※ 当社は執行役員制度を導入しており、取締役の小林 章浩、辻野 隆志、山根 聡の3名は執行役員を兼務しております。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 32 経 営 陣 による財 務 分 析 ステークホルダーの信頼と満足を追求し、 小林製薬ブランドの価値を向上 当社グループの経営理念は 「絶えざる創造と革新によって新しい 追い求め、お客さまニーズを満たす新製品やサービスを開発し続 ものを求め続け、人と社会に素晴らしい 『快』 を提供する」 というも けることを、成長力の源泉としています。同時に、発売した製品が のです。この理念に基づいて、お客さま自身も気づいていない必要 しっかりと市場に定着するよう製品を育成し、お客さまの 今 の なものを発見・創造・提供すること、すなわち 「 あったらいいな を ニーズに沿うよう既存ブランドの適時リニューアルを行っています。 カタチにする」 ことを事業活動の中核としています。 すべての製品・サービスについて 「小林製薬ブランドだから安心 市場は速いスピードで変化し、競争がますます激化するなか、当 できる」 という 信頼 を獲得し、すべてのステークホルダーの満足 社グループは常に Something New, Something Different を 度を高め、企業価値を向上させていきます。 連結および持分法適用の範囲 2013年3月期(当期) の当社の連結子会社数は29社(国内11 22社) 、医療関連事業3社 (連結子会社1社、持分法適用関連会社 社、海外18社)、持分法適用関連会社数は国内に2社です。 2社)、その他事業6社(連結子会社6社) です。 報告セグメント別では、家庭用品製造販売事業22社 (連結子会社 連結業績について 2013年3月期(当期) の日本経済は、東日本大震災の復興需要 ■売上高 などからゆるやかに景気が持ち直しつつあるものの、消費行動は 家庭用品製造販売事業において新製品が好調に売上を伸ばし 依然として抑制され、先行き不透明な状況で推移しました。 た一方、夏季の天候不順から暑さ対策製品が苦戦したことに加え、 そうした状況下で当社グループは、経営理念である 「人と社会に 通信販売事業でも栄養補助食品の売上が伸び悩み、売上高は前 素晴らしい 『快』 を提供する」 の精神をいっそう発揮すべきと考え、 期を下回りました。 お客さまのニーズを満たす新製品やサービスの提供、市場の活性 また、2012年5月31日付けで、医療関連事業を担う連結子会 化を促す既存ブランドの育成、今後の成長事業への投資に努めて 社小林メディカル株式会社(現:日本メディカルネクスト株式会社) まいりました。 の株式の80%を三菱商事株式会社に売却したため、同社は持分 法適用関連会社となりました。 以上の結果、当期の売上高は121,532百万円 (前期比7.3%減) となりました。 ▼ 売上総利益・売上高売上総利益率 ▼ 営業利益・売上高営業利益率 (百万円) (%) 100 100,000 80,000 60,000 40,000 68,679 71,888 54.6 55.6 74,640 57.1 76,531 58.3 69,799 57.4 20,000 0 2009 売上総利益 2011 2010 2012 2013 80 80,000 60,000 42.8 42.5 52,861 54,847 56,019 43.6 57,233 販売費及び一般管理費 33 2011 2012 売上高販管費率 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 14.7 18,620 19,298 13.9 16,903 (%) 15 12 10,000 6 20 5,000 3 0 0 2009 2010 2011 2012 2013 9 0 売上高営業利益率 ▼ 当期純利益・1株当たり当期純利益 43.5 52,895 20,000 2010 15,818 17,041 14.2 40 (%) (百万円) 40 12,000 30 9,000 50 20 2009 20,000 営業利益 40,000 0 12.6 13.2 15,000 ▼ 販売費及び一般管理費・売上高販管費率 42.1 25,000 60 売上高売上総利益率 (百万円) 100,000 (百万円) 2013 (円) 500 15,000 8,853 6,000 10 3,000 0 0 9,249 12,176 286.36 297.37 9,335 215.89 225.88 227.98 2009 2010 2011 当期純利益 11,726 400 300 200 100 1株当たり当期純利益 2012 2013 0 ■売上総利益および営業利益 万円 (同7.0%減) となりました。 当期の売上原価は、51,732百万円 (前期比5.3%減) となり、 売上総利益 (返品調整引当後) は69,799百万円 (同8.8%減) とな ■特別損益および当期純利益 りました。販売費及び一般管理費は広告宣伝費の減少などにより 特別利益は、連結子会社である小林メディカル株式会社の株式 52,895百 万 円 (同7.6%減) となりました。これらの結果、営業 の80%を三菱商事株式会社に売却したことによる関係会社株式 利益は16,903百万円 (同12.4%減) となりました。 売却益の発生などによって、2,661百万円 (前期比381.6%増) と なお、売上高売上総利益率は前期の58.3%から0.9ポイント なりました。 低 下して57.4%に、売 上 高 販 管 費 率は前 期の43.6%から0.1 特別損失は、投資有価証券評価損や事業整理損失引当金繰入 ポイント低下して43.5%に、売上高営業利益率は前期の14.7% 額を計上したことにより、2,485百万円 (同201.8%増) となりまし から0.8ポイント低下して13.9%になっています。 た。特別利益と特別損失を加算した特別損益は、前期の270百万 円の損失から、176百万円の利益に転じました。 ■営業外損益および経常利益 これらの結果、税金等調整前当期純利益は18,853百万円 (同 営業外収益は、持分法適用関連会社である株式会社メディコン 4.9%減) となりました。当期純利益は、12,176百万円 (同3.8%増) の利益の増加などによって2,676百万円 (前期比24.6%増) となり となりました。 ました。営業外費用は、売上割引の減少などによって902百万円 1株当たり当期純利益は、前期の286円36銭から3.8%増加し (同33.3%減) となりました。これらの結果、経常利益は18,677百 て297円37銭となりました。 報告セグメントの概況 当社グループでは、報告セグメントを家庭用品製造販売事業、 は振替高を含んでおり、その金額は前期は8,368百万円、当期は 通信販売事業、医療関連事業、 その他事業の4つに区分しています。 8,442百万円となっています。 また、各セグメント別売上高には、セグメント間の内部売上高又 ▼ セグメント別売上高および営業利益 売上高 (百万円) 2009 2010 2011 2012 2013 112,594 115,477 107,656 109,203 107,782 26 37 3,136 3,220 3,050 112,620 115,514 110,792 112,423 110,833 ― ― 9,872 10,380 10,180 11,325 12,111 12,183 10,476 2,444 外部顧客に対する売上高 1,773 1,595 1,111 1,106 1,124 セグメント間の内部売上高又は振替高 5,507 5,484 5,149 5,147 5,392 計 7,281 7,080 6,260 6,254 6,516 家庭用品製造販売事業 外部顧客に対する売上高 セグメント間の内部売上高又は振替高 計 通信販売事業 外部顧客に対する売上高 医療関連事業 外部顧客に対する売上高 その他事業 営業利益 (百万円) 2011 2010 2009 2012 2013 15,910 16,507 18,966 18,317 16,040 通信販売事業 ― ― 311 132 163 医療関連事業 △554 143 251 292 10 473 400 171 554 680 家庭用品製造販売事業 その他事業 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 34 家庭用品製造販売事業 当事業では、新市場の創造と既存市場の拡大に努めた新製品 うじ」 「やわらか歯間ブラシ」 、大容量タイプの芳香消臭剤 「お部屋 25品目を発売しました。なかでも、気軽に新しい香りが楽しめる の消臭元」 「トイレの消臭元」 などの売上が堅調に推移しました。 お部屋用芳香消臭剤「Sawaday Happy(サワデーハッピー)」 や、 一方、夏季の天候不順の影響から、衛生雑貨品における額用冷 肥満症改善薬「ナイシトールG」 が好調に売上を伸ばし、業績に貢 却シート 「熱さまシート」 や冷却ジェルマット 「熱さまひんやりジェル 献しました。 マット」 などの暑さ対策製品が苦戦し、売上は前年を下回りました。 既存品では、歯槽膿漏を予防する薬用ハミガキ 「生葉」 や、虫歯・ その結果、当事業の売上高は110,833百万円 (前期比1.4% 歯周病の原因となる食べカスや歯垢を除去する歯間清掃具 「糸よ 減)、営業利益は16,040百万円 (同12.4%減) となりました。 ▼ カテゴリー別売上高 2012 金額(百万円) 2013 構成比(%) 金額(百万円) 増減 金額(百万円) 増減率(%) 構成比(%) 医薬品 22,929 20.4 22,619 20.4 △310 △1.4 口腔衛生品 16,234 14.5 16,405 14.8 171 1.1 衛生雑貨品 14,309 12.7 13,421 12.1 △887 △6.2 芳香消臭剤 29,720 26.4 29,816 26.9 95 0.3 家庭雑貨品 4,585 4.1 4,195 3.8 △389 △8.5 食品 9,101 8.1 8,255 7.5 △845 △9.3 15,543 13.8 16,117 14.5 574 3.7 112,423 100.0 110,833 100.0 △1,590 △1.4 カイロ 合計 黒字・赤字ブランド数の推移 ヒット率向上を目的としたテストマーケティングを実施し新製 品の上市基準を徹底することに加え、既存ブランドの利益管理 を徹底し、不採算ブランドの撤退などを実施しました。 ▼ 黒字・赤字ブランド数の推移 ▼ 黒字・赤字ブランド数の推移 (ブランド) 100 95 101 98 96 94 80 (ブランド) 黒字ブランド数 2009 95 2010 94 2011 96 2012 98 2013 101 赤字ブランド数 62 49 50 48 49 60 62 40 49 50 2010 2011 48 49 20 0 黒字 2009 2012 2013 赤字 新製品寄与率 全売上高に占める新製品の売上高を 「新製品寄与率」 とし、初年 度の新製品寄与率を10%以上、直近4年間に発売した新製品の 寄与率を35%以上とすることを目標としています。当期は25品目 の新製品を発売し、初年度は7.5%、4年間は17.5%となりました。 ▼ 新製品寄与率 (%) ▼ 新製品寄与率 (%) 30 20 18.0 15 2011 5.3 2012 5.1 2013 7.5 10 初年度 2010 8.3 4年間 29.5 26.7 18.0 15.3 17.5 0 7.4 8.3 2009 2010 5 初年度 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 26.7 25 2009 7.4 35 29.5 4年間 15.3 5.3 5.1 2011 2012 17.5 7.5 2013 通信販売事業 当事業では、栄養補助食品、スキンケア製品などの通信販売を 品「ヒフミド」 や育毛液「アロエ育毛液」 については堅調に売上を伸 行っています。 ばしましたが、売上の大半を占める栄養補助食品は苦戦しました。 当期は広告展開やダイレクトメールを中心とした販売促進によ その結果、当事業の売上高は10,180百万円 (前期比1.9%減) る、新規顧客の開拓と既存顧客への購入促進に努めました。化粧 となりましたが、営業利益は163百万円 (同23.5%増) となりました。 医療関連事業 当事業では、連結子会社の小林メディカル株式会社が、国内で 社となりました。また、イーベント社については、2011年7月31日 市場の拡大が見込まれる整形外科領域、手術室関連領域に特化 付けで、MBO方式により全株式を譲渡しています。 する選択と集中を図りました。 これらの結果、当事業の売上高は2,444百万円 (前期比76.7% なお、2012年5月31日付けで、同社株式の80%を三菱商事株 減) 、営業利益は10百万円 (同96.4%減) となりました。 式会社に譲渡したため、同社は連結子会社から持分法適用関連会 ▼ カテゴリー別売上高 2012 金額(百万円) 小林メディカル イーベント社 その他 合計 2013 構成比(%) 増減 金額(百万円) 構成比(%) 金額(百万円) 増減率(%) 8,965 85.6 1,296 53.1 △7,668 △85.5 427 4.1 ― ― △427 ― 1,083 10.3 1,147 46.9 64 6.0 10,476 100.0 2,444 100.0 △8,031 △76.7 その他事業 上記の3事業をサポートする当事業(運送業、合成樹脂容器の 見直しを適宜行いました。 製造販売、保険代理業、不動産管理、広告企画制作など) では、各 その結果、売上高は6,516百万円 (前期比4.2%増)、営業利益 社が独立採算で経営をしているものの、3事業への利益貢献もそ は680百万円 (同22.6%増) となりました。 の目的としており、資材やサービス提供について、その納入価格の 財務状況の分析 ■資 産 流動負債は34,477百万円 (同8.8%減) となりました。この主な 当期末の総資産は、157,106百万円 (前期比6.2%増) となりま 要 因は、支 払 手 形 及び買掛 金が1,245百 万円減 少、未 払 金が した。 2,309百万円減少したことです。その結果、流動比率は前期末よ 流動資産は94,353百万円 (同8.0%減) となりました。この主な り2.4ポイント向上し、273.7%となりました。 要因は、有価証券が9,498百万円減少したことです。 固定負債は、7,757百万円 (同5.6%減) となりました。 有形固定資産は、13,730百万円 (同0.7%増) となりました。この 主な要因は、機械装置及び運搬具(純額) が251百万円増加した ことです。 無形固定資産は、5,092百万円 (同3.7%減) となりました。この ▼ 有利子負債 (百万円) 2,000 1,708 1,500 主な要因は、商標権が163百万円減少したことです。 投資その他の資産は、43,930百万円 (同66.2%増) となりました。 この主な要因は、投資有価証券が18,760百万円増加したことです。 ■負 債 当期末の負債合計は、42,234百万円 (同8.2%減) となりました。 1,000 500 0 644 2009 2010 25 2011 5 2012 4 2013 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 36 ■純資産 その結果、自己資本比率は前期末の68.8%から4.3ポイント 当期末の少数株主持分を加算した純資産は、114,872百万円 上昇して73.1%となりました。自己資本当期純利益率 (ROE) は (前期比12.8%増) となりました。この主な要因は、利益剰余金が 前期末の12.2%から1.0ポイント低下して11.2%となっています。 8,818百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,359百万円 総資産経常利益率(ROA) は前期末の14.2%から2.0ポイント 増加したことです。 低下して12.2%となりました。 ▼ 総資産経常利益率(ROA) ▼ 自己資本当期純利益率(ROE) (%) (%) 15 12 11.5 11.5 10.6 12.2 15 11.2 12 9 9 6 6 3 3 0 2009 2010 2011 2012 12.4 0 2013 2009 13.3 2010 14.3 14.2 12.2 2011 2012 2013 キャッシュ・フローの分析 ■営業活動によるキャッシュ・フロー ■財務活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果得られた資金は、9,242百万円 (前期比46.4% 財務活動の結果使用した資金は、3,729百万円 (前期比13.3% 減少) となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益18,853 増加) となりました。これは主に、配当金の支払額3,357百万円、 百万円、減価償却費2,622百万円、関係会社株式売却益2,285百 リース債務の返済による支出371百万円によるものです。 万円、たな卸資産の増加額596百万円、未払金の減少額2,355百 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期に比べて 万円、利息及び配当金の受取額632百万円、法人税等の支払額 20,513百万円減少して、22,322百万円となりました。 7,872百万円によるものです。 ▼ 現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) ■投資活動によるキャッシュ・フロー 50,000 投 資 活 動 の 結 果 使 用した 資 金 は、26,605百 万 円 (前 期 比 808.2%増加) となりました。これは主に、定期預金の預入による支出 30,000 42,540百万円、有価証券の取得による支出16,495百万円、有価 20,000 証券の売却及び償還による収入27,500百万円、有形固定資産の 10,000 取得による支出2,512百万円、投資有価証券の取得による支出 0 32,623 22,322 2010 2013 金額(百万円) 2012 金額(百万円) 31,963 23,813 2009 14,696百万円によるものです。 ▼ キャッシュ・フローの推移 42,835 40,000 2011 2012 2013 増減 金額(百万円) 増減率(%) 営業活動によるキャッシュ・フロー 17,250 9,242 △8,007 △46.4 投資活動によるキャッシュ・フロー △2,929 △26,605 △23,675 808.2 14,320 △17,362 △31,683 △221.2 財務活動によるキャッシュ・フロー △3,292 △3,729 △437 13.3 現金及び現金同等物の期末残高 42,835 22,322 △20,513 △47.9 フリー・キャッシュ・フロー※ ※ フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー +投資活動によるキャッシュ・フロー ■研究開発費 ▼ 研究開発費 研究開発は当社の強みである新製品開発力の重要な源であると (百万円) 認識しています。当期、家庭用品製造販売事業では25品目、通信 4,000 販売事業では12品目の新製品を開発しました。 3,000 その結果、 研究開発費は前期比3.6%増加し、 4,544百万円となり 2,000 ました。 5,000 3,361 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 4,069 4,385 4,544 2010 2011 2012 2013 1,000 0 2009 37 3,962 事業などのリスク (1) 競争の激しい環境 (7) 天候不順による影響 当社グループの主要製品は、一般消費者向けの製品であるため、 当社グループの製品の中には、カイロ・花粉症関連製品・風邪 顧客ニーズを満たす新製品やサービスの開発による他社との差別 関連製品など販売における季節性が強いものがあり、気温・花粉 化を目指しています。しかしながら、他社からも競合品が発売され の飛散状況などにより販売に大きな影響を受ける可能性がありま るとともに、厳しい価格競争にさらされています。そのため、今後、 す。これらの製品の販売状況が当社グループの経営成績および 新製品の開発費用や需要喚起のための広告宣伝、販売促進費用 財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 が増加する可能性があります。これらの要因が当社グループの 経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 自然災害による影響 当社グループは全国各地に製造拠点があり、これらの製造拠点 (2) 新製品の販売状況による影響 が所在する地域で地震や大規模な台風などの自然災害が発生し 当社グループでは成長戦略として積極的な新製品開発を進めて た場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす おり、毎期春と秋に新製品を発売しています。この新製品の開発 可能性があります。 および投入時期が競合他社より遅れた場合や競合品の販売状況 などが自社新製品の販売に影響し、当社グループの経営成績および 財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 海外事業のリスク 製品や原材料などの貿易取引については為替相場の変動による 影響を受けますが、為替予約取引などにより為替変動リスクをヘッ (3) 提携・合併の効果が当初の見込み通りいかない場合のリスク ジすることにしており、業績に与える影響を軽減しています。また、 当社グループでは、 M&Aや業務提携による品揃え強化と併せて 投機的なデリバティブ取引は行っておりません。しかしながら、 広く国内外に市場を求めて展開地域の拡大を図っています。これ 在外連結子会社の売上、費用、資産および負債を含む現地通貨建 らM&Aや業務提携については、不確実な要素を含んでおり、事後 ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しますが、換算 的に発生した想定外の事象や環境変化によって、当初意図した 時の為替レートが大幅に変動した場合、円換算後の数値が大幅に 成果が得られない場合や、事業戦略の変更を行わざるを得なくな 変動します。また、外国政府による規制や経済環境の変化などの る場合などがあり、当社グループの経営成績および財政状態に リスクがあります。これらの要因が当社グループの経営成績および 影響を及ぼす可能性があります。 財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) 法的規制など (10) 情報管理・システムリスク 当社グループの製品の中には、医薬品、医薬部外品、化粧品、 当社グループでは、通信販売事業を中心に個人情報を含め多く 医療機器などがあり、開発や販売において薬事法など関連法規の の情報を保有しているため、社内管理体制を整備し、社内教育の 規制を受けた場合、当社グループの経営成績および財政状態に 徹底、情報管理の充実を図っていますが、万一情報漏洩が発生し 影響を及ぼす可能性があります。 た場合には、信用失墜により、当社グループの経営成績および財政 状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 品質のリスク 当社グループの製品の中には、医薬品、医薬部外品、化粧品、 (11) 知的財産に関連するリスク 医療機器、食品などがあり、品質不良などにより消費者、患者に 当社グループのブランドおよび関連する商標権などの知的財産権 健康被害を与えるようなことが生じた場合には多大な損害を被り、 に関して第三者による侵害が生じた場合には、多大な損害を被る 当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性 恐れがあります。また、当社グループが認識の範囲外で第三者の があります。 知的財産権を侵害し、 トラブルに発展する可能性もあります。この ような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼ (6) 原材料価格の変動 す可能性があります。 当社グループの家庭用品製造販売事業、通信販売事業において は、原材料価格の変動リスクに直面しています。現在、継続的な コストダウンを図っていますが、原油価格の急騰などにより原材料 価格が急騰した場合、当社グループの経営成績および財政状態に 影響を及ぼす可能性があります。 (12) 株価の変動 当社グループ所有の投資有価証券はその多くが上場株式である ため、株価変動のリスクがあります。各期末日の市場価額により、 有価証券に係る評価差益の減少や損失が発生した場合、当社グ ループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 38 連結財務諸表 連結貸借対照表 (単位:百万円) 2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 (2011年3月31日) (2012年3月31日) (2013年3月31日) 資産の部 流動資産 現金及び預金 31,963 42,835 45,862 受取手形及び売掛金 29,879 32,113 30,818 有価証券 11,005 11,004 1,506 8,402 9,505 8,500 477 457 584 原材料及び貯蔵品 2,015 2,049 2,113 繰延税金資産 4,170 3,287 3,885 その他 1,284 1,353 1,141 貸倒引当金 △361 △69 △58 88,837 102,538 94,353 建物及び構築物(純額) 6,042 6,064 6,259 機械装置及び運搬具(純額) 2,306 2,159 2,410 工具、器具及び備品(純額) 1,016 1,049 1,111 土地 3,471 3,468 3,425 リース資産(純額) 1,213 788 385 107 98 137 14,156 13,628 13,730 のれん 4,021 3,592 3,637 商標権 677 513 350 ソフトウエア 897 884 896 74 46 14 250 249 193 5,922 5,287 5,092 17,251 19,131 37,891 500 600 416 繰延税金資産 2,334 1,302 324 投資不動産(純額) 3,113 3,103 3,067 その他 2,431 2,455 2,366 貸倒引当金 △191 △154 △135 25,440 26,437 43,930 45,518 45,352 62,753 134,356 147,890 157,106 商品及び製品 仕掛品 流動資産合計 固定資産 有形固定資産 建設仮勘定 有形固定資産合計 無形固定資産 リース資産 その他 無形固定資産合計 投資その他の資産 投資有価証券 長期貸付金 投資その他の資産合計 固定資産合計 資産合計 39 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 (単位:百万円) 2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 (2011年3月31日) (2012年3月31日) (2013年3月31日) 負債の部 流動負債 12,880 12,823 11,577 25 5 4 12,859 14,669 12,360 462 391 262 未払法人税等 2,177 4,497 4,091 未払消費税等 567 382 542 返品調整引当金 1,661 1,038 1,109 賞与引当金 2,086 2,095 1,881 − − 1,047 13 13 10 1,790 1,873 1,588 34,525 37,791 34,477 874 483 163 5,159 5,312 4,883 役員退職慰労引当金 14 17 20 資産除去債務 73 87 72 その他 2,366 2,318 2,616 固定負債合計 8,488 8,220 7,757 43,013 46,011 42,234 資本金 3,450 3,450 3,450 資本剰余金 4,219 4,219 4,219 利益剰余金 92,185 101,127 109,946 △4,701 △4,702 △4,703 95,154 104,094 112,912 489 1,998 4,357 △599 △323 504 為替換算調整勘定 △3,874 △4,050 △2,904 その他の包括利益累計額合計 △3,984 △2,374 1,958 160 159 − 12 − 0 91,342 101,879 114,872 134,356 147,890 157,106 支払手形及び買掛金 短期借入金 未払金 リース債務 事業整理損失引当金 資産除去債務 その他 流動負債合計 固定負債 リース債務 退職給付引当金 負債合計 純資産の部 株主資本 自己株式 株主資本合計 その他の包括利益累計額 その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 新株予約権 少数株主持分 純資産合計 負債純資産合計 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 40 連結損益計算書 (単位:百万円) ( 売上高 売上原価 売上総利益 販売費及び一般管理費 販売促進費 運賃保管料 広告宣伝費 貸倒引当金繰入額 給料手当及び賞与 退職給付費用 役員退職慰労引当金繰入額 租税公課 減価償却費 のれん償却額 賃借料 支払手数料 研究開発費 その他 販売費及び一般管理費合計 営業利益 営業外収益 受取利息 受取配当金 受取ロイヤリティー 不動産賃貸料 持分法による投資利益 為替差益 その他 営業外収益合計 営業外費用 支払利息 売上割引 不動産賃貸原価 為替差損 その他 営業外費用合計 経常利益 特別利益 固定資産売却益 投資有価証券売却益 関係会社株式売却益 受取補償金 その他 特別利益合計 特別損失 固定資産処分損 投資有価証券評価損 関係会社株式評価損 関係会社株式売却損 減損損失 資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額 災害による損失 製品不良関連損失 事業整理損失引当金繰入額 その他 特別損失合計 税金等調整前当期純利益 法人税、住民税及び事業税 法人税等調整額 法人税等合計 少数株主損益調整前当期純利益 少数株主利益又は少数株主損失 (△) 当期純利益 41 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 2011年3月期 自 2010年4月 1 日 至 2011年3月31日 ) ( 2012年3月期 自 2011年4月 1 日 至 2012年3月31日 ) ( 2013年3月期 自 2012年4月 1 日 至 2013年3月31日 ) 130,824 56,184 74,640 131,166 54,635 76,531 121,532 51,732 69,799 6,991 5,134 13,489 341 9,950 837 3 230 822 1,223 1,633 4,776 4,069 6,516 56,019 18,620 7,201 5,086 14,999 − 9,890 804 4 261 740 504 1,738 4,727 4,385 6,888 57,233 19,298 7,006 4,834 13,810 14 8,835 649 7 304 644 347 1,410 4,813 4,544 5,672 52,895 16,903 81 254 659 274 382 − 338 1,991 127 254 662 275 408 51 368 2,147 197 275 755 275 652 257 261 2,676 60 1,157 79 173 131 1,602 19,010 43 1,149 77 − 83 1,352 20,092 24 727 74 − 75 902 18,677 0 53 − 333 44 430 0 222 − 176 152 552 0 192 2,285 − 183 2,661 75 5,142 36 − 636 25 259 − − 86 6,263 13,178 4,916 △1,074 3,842 9,335 0 9,335 86 − 2 640 31 − 38 − − 23 823 19,822 6,936 1,160 8,096 11,725 △0 11,726 53 408 − − 301 − − 303 1,047 370 2,485 18,853 7,422 △745 6,676 12,176 △0 12,176 連結包括利益計算書 (単位:百万円) ( 少数株主損益調整前当期純利益 その他の包括利益 その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定 持分法適用会社に対する持分相当額 その他の包括利益合計 包括利益 (内訳) 親会社株主に係る包括利益 少数株主に係る包括利益 2011年3月期 自 2010年4月 1 日 至 2011年3月31日 ) ( 2012年3月期 自 2011年4月 1 日 至 2012年3月31日 ) ( 2013年3月期 自 2012年4月 1 日 至 2013年3月31日 ) 9,335 11,725 12,176 1,451 108 9,444 1,508 127 △175 149 1,609 13,335 2,358 115 1,146 712 4,333 16,510 9,444 0 13,335 △0 16,510 △0 2011年3月期 自 2010年4月 1 日 至 2011年3月31日 2012年3月期 自 2011年4月 1 日 至 2012年3月31日 2013年3月期 自 2012年4月 1 日 至 2013年3月31日 △114 △1,066 △162 連結株主資本等変動計算書 (単位:百万円) ( 株主資本 資本金 当期首残高 当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 資本剰余金 当期首残高 当期変動額 自己株式の処分 当期変動額合計 当期末残高 利益剰余金 当期首残高 当期変動額 剰余金の配当 当期純利益 当期変動額合計 当期末残高 自己株式 当期首残高 当期変動額 自己株式の取得 自己株式の処分 当期変動額合計 当期末残高 株主資本合計 当期首残高 当期変動額 剰余金の配当 当期純利益 自己株式の取得 自己株式の処分 当期変動額合計 当期末残高 ) ( ) ( ) 3,450 3,450 3,450 − 3,450 − 3,450 − 3,450 4,219 4,219 4,219 − − 4,219 0 0 4,219 0 0 4,219 85,552 92,185 101,127 △2,702 9,335 6,633 92,185 △2,784 11,726 8,941 101,127 △3,357 12,176 8,818 109,946 △4,700 △4,701 △4,702 △0 − △0 △4,701 △1 0 △1 △4,702 △1 0 △1 △4,703 88,521 95,154 104,094 △2,702 △2,784 △3,357 12,176 △1 0 8,817 112,912 9,335 △0 − 6,632 95,154 11,726 △1 0 8,940 104,094 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 42 連結株主資本等変動計算書 (単位:百万円) ( 2011年3月期 自 2010年4月 1 日 至 2011年3月31日 ) ( 2012年3月期 自 2011年4月 1 日 至 2012年3月31日 ) ( 2013年3月期 自 2012年4月 1 日 至 2013年3月31日 ) その他の包括利益累計額 その他有価証券評価差額金 △961 489 1,998 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 1,451 1,508 2,359 当期変動額合計 1,451 1,508 2,359 489 1,998 4,357 △322 △599 △323 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △276 276 827 当期変動額合計 △276 276 827 当期末残高 △599 △323 504 △2,808 △3,874 △4,050 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △1,066 △175 1,146 当期変動額合計 △1,066 △175 1,146 当期末残高 △3,874 △4,050 △2,904 △4,093 △3,984 △2,374 108 1,609 4,333 当期首残高 当期変動額 当期末残高 繰延ヘッジ損益 当期首残高 当期変動額 為替換算調整勘定 当期首残高 当期変動額 その他の包括利益累計額合計 当期首残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 108 1,609 4,333 △3,984 △2,374 1,958 162 160 159 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △2 △1 △159 当期変動額合計 △2 △1 当期末残高 160 159 △159 − 12 12 − 0 △12 0 当期変動額合計 当期末残高 新株予約権 当期首残高 当期変動額 少数株主持分 当期首残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 0 △12 0 12 − 0 84,603 91,342 101,879 △2,702 △2,784 9,335 11,726 △3,357 12,176 自己株式の取得 △0 △1 自己株式の処分 − 106 0 1,595 4,175 6,739 10,536 12,993 91,342 101,879 114,872 当期変動額合計 当期末残高 純資産合計 当期首残高 当期変動額 剰余金の配当 当期純利益 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計 当期末残高 43 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 △1 0 連結キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) ( 営業活動によるキャッシュ・フロー 税金等調整前当期純利益 減価償却費 関係会社株式評価損 減損損失 のれん償却額 貸倒引当金の増減額(△は減少) 退職給付引当金の増減額(△は減少) 受取利息及び受取配当金 支払利息 持分法による投資損益(△は益) 関係会社株式売却損益(△は益) 投資有価証券売却損益(△は益) 投資有価証券評価損益(△は益) 固定資産除売却損益(△は益) 売上債権の増減額(△は増加) たな卸資産の増減額(△は増加) 仕入債務の増減額(△は減少) 未払金の増減額(△は減少) 未払消費税等の増減額(△は減少) 事業整理損失引当金の増減額(△は減少) その他 小計 利息及び配当金の受取額 利息の支払額 法人税等の支払額 営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 定期預金の預入による支出 定期預金の払戻による収入 有価証券の取得による支出 有価証券の売却及び償還による収入 有形固定資産の取得による支出 有形固定資産の売却による収入 無形固定資産の取得による支出 投資有価証券の取得による支出 投資有価証券の売却による収入 投資その他の資産の取得による支出 投資その他の資産の売却による収入 長期貸付けによる支出 長期貸付金の回収による収入 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入 その他 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー 短期借入金の純増減額(△は減少) 長期借入金の返済による支出 自己株式の取得による支出 自己株式の処分による収入 配当金の支払額 リース債務の返済による支出 少数株主への精算分配金の支払額 その他 財務活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物に係る換算差額 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 現金及び現金同等物の期首残高 連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 現金及び現金同等物の期末残高 2011年3月期 自 2010年4月 1 日 至 2011年3月31日 ) ( 2012年3月期 自 2011年4月 1 日 至 2012年3月31日 ) ( 2013年3月期 自 2012年4月 1 日 至 2013年3月31日 ) 13,178 2,932 36 636 1,223 345 342 △336 60 △382 − △53 5,142 75 △3,715 430 △1,598 251 △17 − 327 18,879 479 △47 △6,142 13,168 19,822 2,727 2 31 504 △326 150 △381 43 △408 640 △222 − 85 △2,060 △1,018 △6 1,932 △164 − △348 21,003 1,036 △28 △4,761 17,250 18,853 2,622 − 301 347 △32 52 △473 24 △652 △2,285 △192 408 52 213 △596 △720 △2,355 180 1,047 △293 16,501 632 △18 △7,872 9,242 − 44 △36,989 37,000 △1,867 2 △298 △6,083 52 △225 102 △134 18 − − △1 △8,378 − − △39,989 41,000 △1,747 15 △345 △1,248 711 △219 45 △176 80 △979 − △74 △2,929 △42,540 18,500 △16,495 27,500 △2,512 63 △363 △14,696 192 △226 57 △11 200 − 4,024 △296 △26,605 △1,673 △30 △175 − △1 − △2,785 △462 △12 − △3,292 △154 10,874 31,963 △1 42,835 △0 − △1 0 △3,357 △371 − 1 △3,729 578 △20,513 42,835 − 22,322 △0 − △2,703 △601 − − △5,154 △295 △660 32,623 − 31,963 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 44 沿 革 名古屋市中区門前町に、 雑貨や化 1886 ● 創業者・小林忠兵衛が、 粧品の店として 「合名会社小林盛大堂」 を創業 ● 日立造船株式会社より健康食品事業 (杜仲茶) の営業権取得 2003 ● 株式会社エンゼルを 「愛媛小林製薬株式会社」 に社名変更 『一日丸』 『タムシチンキ』 など10種の自家製薬品 1894 ●『大効丸』 を販売 2004 ● 五代社長に小林豊が就任 「合資会社小林大薬房」 を設立 1912 ● 大阪市東区平野町に 2005 ● 笹岡薬品株式会社より女性保健薬 『命の母A』 の独占販 売権取得 大 1919 ● 合名会社小林盛大堂と合資会社小林大薬房を合併し、 阪市西区京町堀に 「株式会社小林大薬房」 を創立 ● 初代社長に小林吉太郎が就任 『ハッキリ』 を発売 1939 ● 頭痛薬 「小林製薬株式会社」 を設立 1940 ● 製剤部門を分離し、 ● 大阪市東淀川区 (現在の淀川区) で、 十三工場の操業開始 1948 ● 二代社長に小林三郎が就任 社名を 「小林製薬株式会社」 1956 ● 小林製薬株式会社を合併し、 に変更 ● 大阪市東区道修町 (現在の中央区道修町) に移転 1958 ● 三代社長に小林映子が就任 『アンメルツ』 を発売 1967 ● 外用消炎鎮痛剤 『ブルーレット』 を発売、 日用品分 1969 ● 水洗トイレ用芳香洗浄剤 野に参入 1972 ● 米国のC.R.Bard, Inc.と業務提携し、医療器具輸入販 売会社 「株式会社日本メディコ」 を設立、 医療機器分野に 参入 『サワデー』 を発売、 芳香消臭剤市場 1975 ● トイレ用芳香消臭剤 に本格的に参入 1976 ● 四代社長に小林一雅が就任 ● 株式会社日本メディコを、 C.R.Bard, Inc.との合弁会社 「株式会社メディコン」 に変更 「富山小林製薬株式会社」 (富山県富山 1983 ● 製造拠点として 市) を設立 「株式会社エンゼル」 (愛媛県新居浜市) 1988 ● 製造拠点として を子会社化 1992 ● 医療機器事業部 小林メディカルを設立 「仙台小林製薬株式会社」 (宮城県黒川 1993 ● 製造拠点として 郡) を設立 『タフデント』 を発売 1996 ● 義歯洗浄剤 を設立 1998 ● 中国に合弁会社「上海小林友誼日化有限公司」 ● 米国に 「KOBAYASHI Healthcare, Inc.」 を設立 1999 ● 大阪証券取引所市場第二部に上場 ● 栄養補助食品の通信販売事業を開始 2000 ● 東京証券取引所市場第一部に上場、 大阪証券取引所市場 第一部に指定 ● 大阪府茨木市に中央研究所を設立 ● 商事部門を分社化し、 「株式会社コバショウ」 を設立 2001 ● カイロ製造販売会社 「桐灰化学株式会社」 (大阪市淀川 区) を子会社化 ● 英国に 「KOBAYASHI Healthcare Europe, Ltd.」 を設立 2002 ● 香港に 「小林製薬 (香港) 有限公司」 を設立 ● 上海小林友誼日化有限公司を完全子会社化し、 「上海小 林日化有限公司」 に変更 45 KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 2006 ● アイルランドの医療機器製造販売会社 「eVent Medical Ltd.」 を子会社化 ● 米国のカイロ製造販売会社 「Heat Max, Inc.」 を子会社化 2008 ● 株式会社コバショウの株式と、 株式会社メディセオ・パル タックホールディングスの株式を株式交換 ● 桐灰化学株式会社の製造部門を分社化し、 「桐灰小林製 薬株式会社」 を設立 ● 石原薬品工業株式会社より 「ビスラットゴールド」 の商標 権取得 2009 ● シンガポールに 「KOBAYASHI Pharmaceutical (Singapore) Pte. Ltd.」 を設立 2010 ● 医療機器部門を分社化し、 「小林メディカル株式会社」 を 設立 2011 ● MBO方式により、 eVent Medical, INC.の全株式を譲渡 ● マレーシアに 「KOBAYASHI Healthcare (Malaysia) Sdn. Bhd.」 を設立 ● 台湾に 「台湾小林薬業股份有限公司」 を設立 2012 ● 米国のカイロ製造販売会社 「Grabber, Inc.」 を子会社化 ● インドネシアに 「PT. Kobayashi Pharmaceutical Indonesia」 を設立 ● 中国に 「合肥小林日用品有限公司」 を設立 ● 小林メディカル株式会社 (現、 日本メディカルネクスト株式会 社) の株式の80%を三菱商事株式会社に譲渡 2013 ● 医薬品・医薬部外品・化粧品の製造販売会社 「六陽製薬株 式会社」 を子会社化 ● オーストラリアに 「Kobayashi Healthcare Australia Pty., Ltd.」 を設立 ● 日本メディカルネクスト株式会社の全株式を三菱商事株 式会社に譲渡 ● 六代社長に小林章浩が就任 ● タイに 「Kobayashi Healthcare (Thailand) Co., Ltd.」 を設立 ● 化粧品の製造販売会社 「ジュジュ化粧品株式会社」 を子会 社化 会 社 概 要・投 資 家 情 報 2013年3月31日現在 会社概要 投資家情報 会社名 小林製薬株式会社 資本金 34億5,000万円 創立 1919年(大正8年)8月22日 発行可能株式総数 170,100,000株 本社所在地 大阪市中央区道修町4-4-10 KDX小林道修町ビル 発行済株式総数 42,525,000株 株主数 12,596名 上場市場 東京証券取引所第一部、 大阪証券取引所第一部 代表取締役社長 小林 章浩 (2013年6月27日就任) 代表者 従業員数 2,204名(連結) 1,097名(単体) 連結子会社 29社 持分法適用会社 2社 株主名簿管理人/ 特定口座の 口座管理機関 三菱UFJ信託銀行株式会社 定時株主総会 6月中 問い合わせ先 小林製薬株式会社 広報部 T E L 06-6222-0142 F A X 06-6222-4261 E-mail [email protected] U R L http://www.kobayashi.co.jp 大株主 株式数比率 持株比率(%) 株主名 3.71% 自己株式 10.9 7.1 井植 由佳子 6.1 ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 4.0 ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505223 3.6 渡部 育子 3.0 ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン エス エル オムンバスアカウント 3.0 日本マスタートラスト信託銀行(株) (信託口) 2.7 宮田 彰久 2.7 (有)鵬 2.6 小林 章浩 (公財)小林国際奨学財団 1.07% 銀行 10.23% 信託銀行 (信託口を含む) 2.51% その他金融機関 16.71% 42.10% その他の法人 個人・その他 自己株式を1,575千株保有しておりますが、 上記大株主からは除外しております。 注)当社は、 23.67% 外国法人など 株価・出来高 (株) (円) 6,000,000 6,000 5,500,000 5,500 5,000,000 5,000 4,500,000 4,500 4,000,000 4,000 3,500,000 3,500 3,000,000 3,000 2,500,000 2,500 2,000,000 2,000 1,500,000 1,500 1,000,000 1,000 出来高 (左目盛) 500 500,000 0 株 価 (右目盛) 2 4 6 2011 年 8 10 12 2 4 6 2012 年 8 10 12 2 4 2013 年 6 0 8(月) KOBAYASHI Pharmaceutical Co., Ltd. Annual Report 2013 46 本社:〒541-0045 大阪市中央区道修町4-4-10 KDX小林道修町ビル Tel:06-6222-0142 URL:http://www.kobayashi.co.jp Printed in Japan
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