August 3, 2013@ UNU Syria Crisis: Meeting the Humanitarian Needs and the Role of Japan シリア危機:日本の人道的役割-いま私たちにできること- Background of Syria Crisis シリア危機の背景 1. Local and Historical Background 国内的・歴史的背景 1-a. Urban-Rural Disparity since the Ottoman Period オスマン帝国時代以来の都市・農村格差 都市名望家層・大商人>>>>>農民 (スンナ派、キリスト教徒) (スンナ派、ドルーズ派、アラウィー派etc.) 農民の都市への流入、郊外地区・下層社会の形成 反乱は常に都市民が(農民・遊牧民の力を利用して)都市で起こすもの フランス委任統治期 (1920-43) 1925-27年 シリア大反乱 Great Syrian Revolt シリア南部の農村部で始まった反フランス蜂起が全国化 フランス軍・治安部隊による徹底的武力鎮圧 最終的に都市部の大商人が反乱側に合流せず、挫折 2011- のシリア内戦: 「アレッポに入った反体制派民兵は市民に歓迎されず」 In Syria, small-town rebels are stuck in big-city Aleppo The outsiders, who entered Aleppo in July, have fought to a deadlock with government forces. Many residents of the once-prosperous city resent the fighters' presence. November 05, 2012|By Los Angeles Times staff “These rebels who entered Aleppo from semirural, tradition-bound suburbs and agricultural areas found no spontaneous outpouring of support, no waves of sleeper cells yearning to join the revolution. Many shopkeepers in the historic Old City seem to avoid eye contact with the scruffy legions strutting along the cobblestoned streets of this former Silk Road terminus.” “The fighters' conservative rural pedigree is quite distinct from the multireligious ethos associated with urban Aleppo, a trading crossroads since the days of Egypt's pharaohs.” 1-b. Sectarian Legacy of French Mandate フランス 委任統治以来の宗派主義的伝統 フランスの軍・治安組織=分断統治 divide and rule ・「レヴァント軍」Armée du Levant の植民地的エスニシティ フランス人将校、北アフリカ兵、 マダガスカル兵、セネガル兵 ・「特別部隊」Troupes Spéciales と憲兵隊 Gendarmerieの国内的エスニシティ 宗教的少数派と農村部人口からの徴募 アラウィー派、ドルーズ派、イスマーイール派、アルメニア人、 アラブのキリスト教徒、クルド人、チェルケス人等 → 1946年のシリア独立後も 軍・警察の主力に 1-c. Ibn Khaldun’s Circulation Theory Again? イブン・ハルドゥーン(14世紀の歴史家)の王朝交代理論の再来? 独立後の農村人口の発言力強化 1947年バース党結成(社会主義的改革を目指すアラブ民族主義政党) ~1950年代 相次ぐイスラエルとの戦争と軍事クーデタによる軍の発言力強化 1963年 バース党無血クーデタにより政権掌握 バース党軍事委員会で農村出身者の影響力増大 並行して1950年代末から土地改革政策の進行→都市名望家層の基盤弱体化 年率3%の人口爆発の継続→農村部から都市への人口流入の激化 =他のアラブ諸国との共通した特徴 シリアの人口増加 (Wikipedia より 2007年 国連食糧農業機関) 2012年 2253万人 (CIA The World Factbook より) 族的(‘a’ila) 体制的(nizam) 利権の連鎖のラインにぶら下がれる者 新たな特権階層 古くからの団結 ‘asabiya ↕ ぶら下がれずにはじき落とされる者 新たな団結 ‘asabiya ? 2. International and Contemporary Background 国際的・今日的背景 2-a. Structure of Foreign Intervention 国際的介入の構造 i. 19世紀レバノン山地― 国際的介入の原型 (1840s-60s) 19th c. Mount Lebanon: Prototype of International Intervention ii. レバノン内戦への介入― エスニシティと代理戦争(1975-90年) Intervention in Lebanese Civil War: Ethnicity and Proxy War iii. シリア内戦への介入 Intervention in Syrian Civil War フランス 19世紀レバノン山地― 国際的介入の原型 (1840s-60s) 19th c. Mount Lebanon: Prototype of International Intervention オスマン政府 エジプト ムハンマド・アリー政権 マ ロ ン 派 ギリシア正教 オーストリア イギリス ロシア レバノン内戦への介入― エスニシティと代理戦争 (1975-90年) Intervention in Lebanese Civil War: Ethnicity and Proxy War ソ連 フランス イラン アメリカ シリア イラク リビア サウジアラビア エジプト パレスチナ人 イスラエル シリア内戦への介入 Intervention in Syrian Civil War レバノン「3月14日派」 スンニー派中心 フランス レバノン「3月8日派」 シーア派中心」 日本 ロシア アメリカ アメリカ 反 政 府 側 トルコ 中国 政 府 側 イラン サウジアラビア カタル イスラエル イラク スンニー派 シーア派 2-b. Drastic Exacerbation of Sunni-Shiite Divide in the ME 中東におけるスンニー派・シーア派対立の急激な悪化 2003年イラク戦争以来の中東における スンニー派対シーア派の対抗関係 + 内戦の長期化 →アサド大統領の「アラウィー派」の強調 →キリスト教徒やドルーズ派など少数派全般 に敵対する宗派紛争の影が濃厚に ⇒ 外部からの介入・煽動も宗派的なものに 6月7日ホムス近郊の要衝クサイルを政府軍が制圧 ヒズブッラーがこれに協力していたため 宗派対立意識が一段と激化 → シリア(+レバノン、イラク)だけでなく 他のアラブ諸国に飛び火する危険性 → エジプトの例 2013年6月1日 ユースフ・カラダーウィー(在カタル、 イスラーム学者国際連盟会長) Î 「全世界のムスリムで戦闘能力ある者はシリア内 戦に参戦せよ」 6月13日 エジプト外相顧問 Î 「シリアに行くのは自由だ」 = 同日 オバマ大統領の方針転換 6月15日カイロにてムスリム同胞団シリア連帯大会モ ルスィー大統領 Î「シリア政府と関係断絶」宣言 Î「汚らわしいシーア派」発言に無言 6月24日 ギザでシーア派住民5人がスンニー派住民 群衆に虐殺される
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