ヴィルトゲン路面切削マニュアル テクノロジーとアプリケーション ヴィルトゲン路面切削マニュアル テクノロジーとアプリケーション ヴィルトゲン路面切削マニュアル 50年以上にわたり、切削技術はヴィルトゲンの中核を なす専門技術分野の1つです。当社は、路面切削の分 野におけるマーケットリーダーとして、過去においても 現在においても、数多くのイノベーションと先駆的な未 来志向の技術に大きく貢献してきました。そして、今、 業界で最も包括的な製品ラインを提供しているのがヴ ィルトゲンです。 当社は、路面切削の世界を詳しく知りたいと思ってい るユーザーとその他の関係者のためにこのマニュアル を発行しました。路面切削とヴィルトゲン製品ラインの 全体的な歴史の簡単な説明に加えて、 コアテクノロジ ー、 アプリケーションの可能性、使用条件(将来におい て増加する要件を含む)についても説明し、背景知識 によって本書を補完します。 Wirtgen GmbH Reinhard-Wirtgen-Strasse 2 53578 Windhagen Germany 本書の内容についての責任者: 製品管理、路面切削機 Bernd Holl 電話: FAX: Eメール: +49 2645 131-0 +49 2645 131-392 +49 2645 131-392 本書に提示されている技術データはすべて経験から得 られた値であり、それぞれの具体的なアプリケーショ ン例によっては必ずしも合致しないこともあり、状況に 応じて変わってきます。 したがって、 これらのデータは、 一般的に比較のためだけに使用できる参考値と考えて ください。 ヴィルトゲン路面切削機の使用に関する具体的な情 報が必要な場合は、 ヴィルトゲン各支社またはディー ラーにお問い合わせください。 ヴィルトゲンは、本書の 使用によって生じるいかなる損害、 間接的損害、 または その他の請求に対しても一切の責任を負わないものと します。 イラストには拘束力はありません。技術データは変更されることがあります。性能データは使用条件によって異なります。転載は、本書の一部であっても 禁止されています。著作権とその他すべての権利は、 ヴィルトゲンが保有しています。 CD-ROMやビデオディスクなどの電子データ記憶媒体への転送、 および画面上のテキストやインターネットなどの電子媒体への保存を含め、翻訳、保 存、複製、配布を、 ヴィルトゲンからの書面による許可を得ることなく行うことは禁止されています。 個人的、財産的、財務的損害に対する責任は除外されます。 Printed in 2013 Copyright by Wirtgen GmbH 目次 1 路面切削機の基本コンセプト7 1.1 1.2 1.3 1.4 路面切削機の歴史8 機能と使用目的16 最新型路面切削機の構成要素24 最新型路面切削機のメリット28 2 最新型路面切削機30 2.1 2.2 機種と性能32 機械出力対重量比の概要58 3 コアテクノロジー:カッティング60 3.1 3.2 3.3 3.4 カッティングプロセス62 ビットの機能65 ツールホルダシステム73 切削ドラム85 4 コアテクノロジー:レベリング104 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 最新型レベリングのコンポーネント106 レベリングプロセス115 ヴィルトゲン最新型レベリングコントロール118 最新型センサー121 各種レベリング方式に推奨されるアプリケーション130 レベリングの品質140 5 コアテクノロジー:機械制御145 5.1 路面切削機の制御プロセス146 6 路面切削機の使用157 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 アスファルト道路の層ごとの除去158 コンクリート道路の切削162 その他の材料の層ごとの除去164 道路の再形成166 その他の特殊切削168 7 切削性能の計算173 7.1 7.2 切削性能に影響を与えるパラメータ174 切削性能の計算例176 8 切削品質185 8.1 8.2 表面特性の分類186 切削品質の評価188 9 路面切削と環境202 9.1 9.2 アスファルト粒のリユース204 コールドリサイクルによる環境排出物226 10 路面切削の未来231 10.1 10.2 道路と産業にとっての道路の重要性232 日々の交通における路面切削機の使用233 11 参考文献一覧235 用語集/略語239 1 路面切削機の基本コンセプト 1.1 路面切削機の歴史8 1.1.1 効率的な切削技術:加熱式路面切削機から路面切削機まで8 1.1.2 ヴィルトゲン路面切削機のラインアップ:過去と現在12 1.2 機能と使用目的16 1.2.1 構造維持のための動機と方法16 1.2.2 層ごとの除去22 1.2.3 再形成23 1.2.4 特別なプロファイル23 1.3 最新型路面切削機の構成要素24 1.3.1 路面切削機の種類24 1.3.2 リアローダーの構成要素26 1.3.3 フロントローダーの構成要素27 1.4 最新型路面切削機のメリット28 1.4.1 技術的なメリット28 1.4.2 経済的なメリット28 6 // 7 1.1 路面切削機の歴史 1.1.1 効率的な切削技術:加熱式路面切削機から常温式路面切削機まで 1965 路面切削の歴史は比較的まだ浅いですが、路面切削 は、1950年代以降、道路建設においてよく知られてい るプロセスです。今日の路面切削機の前身はロータ リー耕運機でした。 このロータリー耕運機は、地表下 に噴霧したばかりのビチューメンを破砕するもので、 自走式かトラクターによる牽引式かのどちらかでし た。1960年代以降は、 コンクリートブレーカーを使用 して表面を破砕していました。破砕によって生じる物 質は、多大な労力を使ってブルドーザーで除去しなけ ればなりませんでした。 また、個々の損傷箇所に的を 絞って修復することができなかったため、 このプロセ スは非効率なものでした。 交通量が絶えず増加し、 これに関連して道路が摩耗し たため、 この問題はますます顕在化するようになって いました。新たなアプローチを見つけなければならな い時期にさしかかっていました。 1970 1979 1970 加熱式路面切削の誕生:切削機に取り付け られた大面積ガスバーナー(最大重量20ト ン、最長16メートル)がアスファルトを加熱 し、このアスファルトを回転ドラムで除去でき るようになりました。初めて、アスファルト層 全体を新しくすることなく、また基層を損傷 することなく、硬い路面を経済的に修復でき るようになりました。 1970年代半ばになると、加熱式路面切削は 道路建設の標準的な方法として認められるよ うになっていました。 しかし、必要なエネルギ ーコストが高いこと、大量の煙が発生するこ と、到達できる切削深さが浅いことから、 この 方法は限界に直面していました。 1981 1982 1975 最初の「常温式」路面切削機がヨーロッパで 開発されました。 この常温式路面切削機は、 鉱業で使用されていた超硬工具を路面切削 に使用するというアイデアから生まれました。 これにより、 アスファルトを加熱する必要がな くなりました。 1979 回転ビットの使用が始まりました。超硬ビット は、 さらに深い切削深さであっても、最も硬い 層を除去するのに適していました。 1985 1981 最初のフロントローディング路面切削機が市 場に登場しました。 この画期的なローディング ロジスティクスにより、切削廃材をトラックに 効率的に積み込むことができるようになりま した。 1985 無限軌道クローラーユニットを使用すること により、重量を支えることができない路面での トラクションが向上し、使用が増加しました。 1987 機械切削式ドラム駆動の開発により、日々の 生産性の向上が可能になり、 力の伝達までも が保証されるようになりました。 8 // 9 1986 1990 1992 1992 交換可能なツールホルダシステムを導入しま 2005 油圧モーター駆動式ブロワ集塵装置(VCS) 1993 高精度なレベリングシステムにより、正確な切 2007 WIDRIVEのような革新的な機械管理システム した。 ねじ式接続により、摩耗したツールホル ダ上部を施工現場で素早く交換できるように なりました。 削深さ、 さらには切削面までもが保証される ようになりました。 2001 フレキシブルカッターシステム(FCS)のような 切削ドラムシステムにより、 さまざまなビットラ イン間隔や切削幅の切削ドラムの交換が容易 になり、機械性能が向上しました。 のような抽出システムにより、浮遊する微粒子 の量が減少したため、環境排出物も減少しま した。 により、最も重要な複数の機械機能を互いに 関連付け、集中的に管理できるようになりまし た。 2010 最新世代の大型路面切削機により、性能と費 用対効果の分野で新たな基準を確立しまし た。. 1992 2000 2011 10 // 11 1.1.2 ヴィルトゲン路面切削機のラインアップ:過去と現在 1000 W 300 C 500 C 500 C/3 500 C/4 1000 C 500 DC 1000 DC W 500 W 350 W 1000 W 1000 F W 1000 L W 600 DC W 350 E W 50 W 50 DC W 35 W 35 DC W 100 F W 60 W 100 1994 1993 1991 1992 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1982 1983 1981 1980 1979 1978 1977 機種 1976 小型路面切削機 2011 2012 2010 2009 2007 2008 2006 2005 2004 2002 2003 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 機種 1000 W 300 C 500 C 500 C/3 500 C/4 1000 C 500 DC 1000 DC W 500 W 350 W 1000 W 1000 F W 1000 L W 600 DC W 350 E W 50 W 50 DC W 35 W 35 DC W 100 F W 60 W 100 12 // 13 1200 C 1300 C 1500 C 1900 C 2100 C 2200 C 2600 C 4200 C 1750 VC 1900 VC 2000 VC 1300 VC 1500 VC 2200 VC 2600 VC 2100 DC 1300 DC 1500 DC 1900 DC 2000 DC W 1900 W 2000 W 2100 W 2200 W 150 W 200 W 210 W 220 W 250 1994 1993 1991 1992 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1982 1983 1981 1980 1978 1979 1977 機種 1976 大型路面切削機 2011 2012 2010 2009 2007 2008 2005 2006 2004 2002 2003 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 機種 1200 C 1300 C 1500 C 1900 C 2100 C 2200 C 2600 C 4200 C 1750 VC 1900 VC 2000 VC 1300 VC 1500 VC 2200 VC 2600 VC 2100 DC 1300 DC 1500 DC 1900 DC 2000 DC W 1900 W 2000 W 2100 W 2200 W 150 W 200 W 210 W 220 W 250 14 // 15 1.2 機能と使用目的 1.2.1 構造維持のための動機と方法 路面切削は、路面を構造的に維持する際に用いる最 初の方法の1つでした。 メンテナンス(小規模な現場や コブ取り等)、修復(切削オーバーレイ)、 リニューアル( 路盤出し)は区別されます。 切削面の状態は、 新しい表 層の品質とその性能特性、 およびその他の建設作業 の経済性、 時間効率に影響を与えます。 例えば、 平坦 なプロファイルどおりの切削結果は、 均一な厚みの. 平坦性 条 件 パラメー 外観 タ 表面起伏波 考えられる原因 長 均一な締固めが行われていない 層の厚みが均一でない 長い起伏が広範囲にわ 50 ~ たる変形 500 mm 縦の平坦性 基礎の耐荷力が不十分である 舗装プロセス中に舗装機械が停止した 材料を降ろしているときに舗装機械に影響を与えた 基礎構造が均一でない 局部的な縦の変形(耐 20 ~ 荷力) 100 mm 基礎のセッティング 下層への凍上災 交通荷重が大きい (せん断力が大きい) アスファルト表層の剛性が不十分である 横のプロファイ せん断変形(横方向に 10 ~ ルの平坦性 隆起がある) 100 mm バインダが極度に柔らかい 空隙率が不十分である、締固めすぎである 加熱面にかなり高い負荷がかかっている * これらの用語の説明については、 241ページの略語の索引を参照してください。 参照: 『ZTV BEA-StB Handbuch und Kommentar』、51ページおよび169ページ. 表層を舗装したり、 コストのかかる改善を避けたりする (つまり、補償としてアスファルトの追加層を舗装した りする)際の重要な基準となります。 適切な切削手順 適切な修復手順 マ イク ロ フ ァ イ ン スタンダー エコカッター OB* ファ イン ミリング ドミリング (完全除去) ミリング • • • • • 適している AC D*, SMA*, MA*, DSH-V* • • • • DSK* RF* EAD* • • • • • • • • • • • • • • • ある一定の条件下で 適している • • 適していない 16 // 17 平坦性 条 件 パラメー 外観 タ 表面起伏波 考えられる原因 長 縦の変形 20 ~ 200 mm 摩耗 5 ~ 50 mm 横のプロファイ ルの平坦性 アスファルト表層または下層の再締固め 下層の耐荷力が不十分である 機械的負荷が極度に高い 摩耗に対する石の耐性がほとんどない 粗さ 条 件 パラメー 外観 タ 研磨した粒面 表面起伏波 考えられる原因 長 0,001 ~ 2 mm 交通荷重が大きい 石の研磨耐性が不十分である 適切なビチューメンが使用されていない 路面グリップ 表面のバインダ/モルタ 0,001 ~ ル強化 5 mm 舗装中に成分が構造的に分離した アスファルト中のバインダ含有率が高い 交通荷重が大きい * これらの用語の説明については、 241ページの略語の索引を参照してください。 参照: 『ZTV BEA-StB Handbuch und Kommentar』、51ページおよび169ページ 適切な切削手順 適切な修復手順 マ イク ロ フ ァ イ ン スタンダー エコカッター OB* ファ イン ミリング ドミリング (完全除去) ミリング • • • • • • • • • 適している RF* EAD* AC D*, SMA*, MA*, DSH-V* RF* EAD* • • 適切な修復手順 マ イク ロ フ ァ イ ン スタンダー エコカッター OB* ファ イン ミリング ドミリング (完全除去) ミリング • AC D*, SMA*, MA*, DSH-V* • • 適切な切削手順 • • DSK* DSK* • • • • • ある一定の条件下で 適している • • • • • • • • • • 適していない 18 // 19 材料の欠陥 条 件 パラメー 外観 タ 表面起伏波 考えられる原因 長 接着層がない 下層の耐荷力が不十分である 亀甲状クラック 亀甲状クラック V再締固めに欠陥がある 低温クラック 圧延クラック 劣化と天候により生じたクラック 摩耗 モルタルの減少 ビチューメンと石の間の密着が不十分である ファイングレイン/フィラーグレインが不十分である ビチューメンと石の間の密着が不十分である グレイン噴出 グレイン噴出/フレッテ ィング (摩耗に類似) 表面に大きなせん断応力がかかっている 締固めが不十分である 天候の影響を受けやすい石 リフレクションクラック 個々のクラック 個々のクラック 疲労クラック 開いている作業中の継ぎ目に生じるクラック 修復 修復 Iメンテナンスによる処置 (開口部/ポットホール、開いている継目または結合部) 道路建設によって生じる廃棄物(市街地において) ) * これらの用語の説明については、 241ページの略語の索引を参照してください。 参照: 『ZTV BEA-StB Handbuch und Kommentar』、51ページおよび169ページ. 適切な切削手順 適切な修復手順 マ イク ロ フ ァ イ ン スタンダー エコカッター OB* ファ イン ミリング ドミリング (完全除去) ミリング DSK* AC D*, SMA*, MA*, DSH-V* RF* EAD* • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 適している • • • • • • • ある一定の条件下で 適している • • • • • • 適していない 20 // 21 1.2.2 層ごとの除去 路面切削機の垂直調整クローラーユニットを使用し て、正確な切削深さを定義することができるため、例え ば、高速道路、主要道路、滑走路などの個々の層を正 確に除去することができます。 これにより、平坦なプロ ファイルどおりの地面を建設することができます。 ]下層を損傷してはならない路面標示の慎重な除去 ] ( 例えば、駐車場、滑走路、高速道路などの路面標示) ]トンネルや地下道の床を下げること ] を目的としたトンネル内の切削 ]部分的な道路修復 ] ]隣接道路への道路接続の切削 ] ]マンホール蓋や取水口などの道路設備周辺の切削 ] 1.2.3 切削オーバーレイ工事 切削オーバーレイ工事とは、表面の構造物を改良する ために、個々の層を対象とした除去を行うことです。 ]路面グリッ ] プと平坦性を回復させ、 交通安全を向上させます。 ]表面のファインミリングを行ってから薄層面に被 ] 覆剤を適用することで、路面との最適な連動を確 実にします。 このような連動が可能になるのは、 ビ ットライン間隔最大4 mmの多数のビットを備えた ファインミリングドラムを使用しているからです。 ]道路を修復し、 ] 駐車場やホール の床などを再形成します。 1.2.4 特別なプロファイル 特別な切削ドラムを使用することで、特別な断面プロ ファイルを作成することができます。 ]水路プロファイルの切削 ] ]溝や細長い隙間の切削 ] ]スプリッ ] トカットの切削 ]ケーブル、 ] 保護管、 パイプラインなど のための供給用立坑の切削. 22 // 23 1.3 最新型路面切削機の構成要素 1.3.1 路面切削機の種類 小型路面切削機 高い操縦性と柔軟性を備えた小型路面切削機は、狭 い場所での処理や精密な切削に使用されます。通常、 小型路面切削機には、複数のホイールユニットが装備 されています。切削ドラムは機械後方に配置されてい ます。 ]切削幅 ] < 130 cm ]コンパクトなサイズで、 ] 輸送重量も軽い ]障害物、 ] 急カーブ、道路設備周辺 に最適な最小切削半径 大型路面切削機 高い切削性能を発揮する大型路面切削機は、大規模 な修復現場に最適です。通常、大型路面切削機には、 無限軌道クローラーユニットが装備されています。切 削ドラムは前後のクローラートラック間に配置されて ]切削廃材を前方に積み込むことで、 ] 廃 材の搬出を最適化できるため、切削プロ セスが停滞することはありません。 –片側開放により、継続的にトラックに充填 –車両通行と同じ方向でのスムー ズなトラックの停車と発車 います。 ]切削幅 ] > 130 cm ]大型原動機 ] > 250 kW ]ハイパフォーマンスで切削施工を迅速 ] に講じることができるため、交通障害を 最小限に抑えることができます。 24 // 25 1.3.2 リアローダーの構成要素 3軸トラック 旋回式高さ調整機能 付き1段コンベア オペレータプラットフ ォーム 作業方向 切削ドラム 回転補助輪 1.3.3 フロントローダーの構成要素 旋回式 高さ調 整 機能付き積み込 みコンベア エンジンステーション オペレータプラットフ ォーム 第 1コンベアか ら第 2コンベア への廃材移送 調節可能なベル ト速度により、最適な 廃材積み込みが可能 作業方向 油圧モーター駆動 式ブロワ集塵装置 切削ドラム 操縦式高さ調整機能 付き移動駆動装置 操 縦 式 高さ調 整 機 能 付 き移動駆動装置 3軸トラック 第1コンベア 26 // 27 1.4 最新型路面切削機のメリット 1.4.1 技術的なメリット 路面切削は、新しい路面プロファイルを作成する基礎 を築きます。損傷した道路を層ごとに除去するため、合 材の種類別に分離し、選択的に再利用することができ ます。 ]プロファイルどおりの平坦な切削結果は、 ] 新しい表 層を素早く簡単に舗装することを可能にします。 ]縦の切削端がきれいにそろっているため、 ] 既 設層への正確な接合が確実に行えます。 1.4.2 経済的なメリット 路面切削は、非常に迅速で強力な施工法です。 ]D施工現場での工事時間を短縮することに ] より、工事費を削減することができます。 ]現場片側開放により、 ] 交通障害を減少:修復する のは、損傷によって影響を受けた路面だけなので、 走行車両はそのまま通り過ぎることができます。 ]ファインミリングにより高い経済性を実 ] 現:路面工事の終了後、速やかに通行 規制を解除することができます。 ]貴重な原料の保護 ] :回収した材料を100%再 利用します。 通常、 ホットまたはコールドミキ シングプラントでリサイクルを行います。 28 // 29 2 最新型路面切削機 2.1 機種と性能32 2.1.1 切削幅600 mmまでの小型路面切削機32 W 35 DC W 50 W 50 DC W 60i 32 33 34 35 2.1.2 機械性能の比較 (W 35 DC、 W 50、W 50 DC、W 60i)36 2.1.3 切削幅1,300 mmまでの小型路面切削機38 W 100 / W 100i W 100 F / W 100 Fi, W 120 F / W 120 Fi, W 130 F / W 130 Fi 38 39 2.1.4 機械性能の比較 (W 100 / W 100i, W 100 F / W 100 Fi, W 120 F / W 120 Fi, W 130 F / W 130 Fi) 40 2.1.5 切削幅3,800 mmまでの大型路面切削機42 W 1900 W 2000 W 2100 W 2200 42 43 44 45 2.1.6 機械性能の比較 (W 1900, W 2000, W 2100, W 2200) 46 2.1.7 切削幅2,200 mmまでの大型路面切削機48 W 150 / W 150i W 200 / W 200i W 210 / W 210i 48 49 50 2.1.8 機械性能の比較 W 150i (1500 mm), W 200i (2000 mm), W 210i (2000 mm), W 210i (2200 mm) 52 2.1.9 切削幅3,800 mmまでの大型路面切削機54 W 220 (2200 mm, 2500 mm) W 250 (2200 mm, 3800 mm) 54 55 2.1.10 機械性能の比較 W 220 (2200 mm und 2500 mm), W 250 (2200 mm und 3800 mm) 2.2 機械出力対重量比の概要58 56 30 // 31 2.1 機種と性能 2.1.1 切削幅600 mmまでの小型路面切削機 W 35 DC ]効率的な動力伝達を実現する ] 機械式切削ドラム駆動 ]切削半径が小さいため、 ] マンホール蓋 まわりの切削などにも使用可能 ]最大トラクションを実現する常時全輪駆動 ] ]ご要望に応じて、 ] 2つの異なる長さの積み込 みコンベアのうちどちらかを装備可能 ]人間工学に基づいてオペレータプラッ ] トフォームを設計し、最良の視界を確保 することで、最高の操作性を実現 技術データ W 35 DC 切削幅 350 mm (オプション:500 mm) 切削深さ * 0-110 mm 運転質量、CE 4.450 kg エンジン製造業者と型式 Deutz AG D 2011 L04W 最大エンジン出力 42,8 kW / 57,4 HP / 58,2 PS bei 2.300 min-1 全負荷での燃料消費 12,6 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 8,4 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 / オフロード法少数生産車 燃料タンク 70 l 水タンク 275 l 切削速度(最大) 0-25 m / min 走行速度(最大) 0-6 km / h コンベア排出能力理論値 33 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 50 ]すべての一般的な小規模切削作業に ] 使用できる経済的な万能切削機 ]広々としたオペレータプラッ ] トフォーム、直感的 に操作できるコンソール、 良好な切削端の視界 ]クラス最高の操作性、 ] 3ホイールと4ホイールを用意 ]効率的な動力伝達を実現する ] 機械式切削ドラム駆動 ]あらゆるアプリケーションに対応 ] するさまざまな切削ドラム 技術データ W 50 切削幅 500 mm 切削深さ * 0-160 mm 運転質量、CE 6.750 kg エンジン製造業者と型式 Deutz AG TD 2011 L04W 最大エンジン出力 59.9 kW / 80.3 HP / 81.5 PS(2,500 min-1) 全負荷での燃料消費 18,3 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 8,3 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 燃料タンク 165 l 水タンク 500 l 切削速度(最大) 0-12,5 m / min 走行速度(最大) 0-6 km / h コンベア排出能力理論値 82 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 32 // 33 W 50 DC ]最大限の効率を発揮することから、 ] 500 mmリア ローダークラスで最も売れている路面切削機 ]操縦性に優れているため ] (3ホイールと4ホイ ールを用意)、小規模な切削作業に最適 ]さまざまな積み込み状況に対応する長 ] 短2つの積み込みコンベアを用意 ]効率的な路面切削機コントローラWIDRIVE ] とレベリングコントローラレベルプロによ り、運転費を最小限に抑えることが可能 ]機械式切削ドラム駆動と電子式出力制御 ] 装置により、最高の切削性能を実現 技術データ W 50 DC 切削幅 500 mm 切削深さ * 0-210 mm 運転質量、CE 7.800 kg エンジン製造業者と型式 Deutz AG TCD2012 L04 2V AG3 最大エンジン出力 92kW / 123 HP / 125 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 23,7 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 10,6 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 / オフロード法少数生産車 燃料タンク 230 l 水タンク 600 l 切削速度(最大) 0-27 m / min 走行速度(最大) 0-5,3 km / h コンベア排出能力理論値 82 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 60i ]切削深さ300 ] mmまでの600 mmリア ローダークラスで最高の切削性能 ]効率的な路面切削機コントロールWIDRIVE ] とレベリングコントロールレベルプロによ り、運転費を最小限に抑えることが可能 ]軸トラックへの積み込みには、 ] 大型の 長い積み込みコンベアを使用 ]狭い施工現場での切削モードに最適 ] ]人間工学に基づく優れた設計、 ] 操作性を考 慮して配置されたコンソール、最良の視界 Technische Daten W 60i 切削幅 600 mm 切削深さ * 300 mm 運転質量、CE 13.800 kg エンジン製造業者と型式 Deutz AG TCD 6.1 L6 最大エンジン出力 160 kW / 215 HP / 218 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 44 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 18 l / h 排出基準 EU Stage 3b / US Tier 4i 燃料タンク 450 l 水タンク 900 l 切削速度(最大) 0-30 m / min (1,8 km / h) 走行速度(最大) 0-6 km / h コンベア排出能力理論値 115 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 34 // 35 機械性能の比較 (W 35 DC, W 50, W 50 DC, W 60i) 2.1.2 平均切削速度(m/min) 30 切削速度(m/min) 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 60i (切削幅 600 mm) W 50 (切削幅 500 mm) W 50 DC (切削幅 500 mm) W 35 DC (切削幅 350 mm) 切削性能(m3/h) * Fräsleistung in cbm / Stunde 16 14 12 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) * トラック交換、 ディーゼル車への給油、 ビット交換、一般的な待ち時間など、一般的な機械停止時間を含む。 . ビット摩耗(個数/m3) 1,0 ビット摩耗(個数/m3) 0,9 0,8 0,7 0,6 0,5 0,4 0,3 0,2 0,1 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 60i (切削幅 600 mm) W 50 (切削幅 500 mm) W 50 DC (切削幅 500 mm) W 35 DC (切削幅 350 mm) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 12 負荷/ビット1本(kN) 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) 注:ここに示す表には、 平均的な指針値が含まれています。 目下の切削作業によっては、 これらの平均値からの逸脱が比較的大きく なることがあります。 に関係しています。 m3単位で表示されているすべての基準値は、圧縮された体積密度(つまり、敷設したアスファルト) 36 // 37 2.1.3 切削幅1,300 mmまでの小型路面切削機 W 100 / W 100i ]優れた操縦性を備えた、 ] 1,000 mmリア ローダークラスの強力な路面切削機 ]狭い施工現場での切削モードに最適 ] ]人間工学に基づく優れた設計、 ] 操作性を考 慮して配置されたコンソール、最良の視界 ]3軸トラックへの積み込みには、 ] 大型 の長い積み込みコンベアを使用 ]効率的な路面切削機コントロールWIDRIVE ] とレベリングコントロールレベルプロによ り、運転費を最小限に抑えることが可能 技術データ W 100 W 100i 切削幅 1.000 mm 切削深さ* 300 mm 運転質量、CE 14.250 kg 14.500 kg エンジン製造業者と型式 Deutz AG TCD 2012 L06 2V Deutz AG TCD 6.1 L6 最大エンジン出力 155 kW / 208 HP / 211 PS(2,300 min-1) 160 kW / 215 HP / 218 PS (2,300 min-1) 全負荷での燃料消費 42 l / h 44 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 17 l / h 18 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 EU Stage 3a / US Tier 4i / オフロード法少数生産車 燃料タンク 450 l 480 l 水タンク 900 l 切削速度(最大) 0-30 m / min (1,8 km / h) 走行速度(最大) 0-6 km / h コンベア排出能力理論値 115 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 . W 100 F / W 100 Fi, W 120 F / W 120 Fi, W 130 F / W 130 Fi ]1,000 ] mm、1,200 mm、1,300 mmの 基本的な3種類の切削幅を用意 ]クラス最高のエンジン出力により、 ] 生産性を最大化 ]効率的な路面切削機コントロールWIDRIVE ] とレベリングコントロールレベルプロによ り、運転費を最小限に抑えることが可能 ]走行時の静音性に優れたホイールか、 ] 頑丈な無限 軌道クローラーユニットのどちらかを選択可能 ]FCSを装備している場合は、 ] 最小300 mmから 用意されている多数の追加切削幅を利用可能 技術データ W 100 F, W 120 F, W 130 F W 100 Fi, W 120 Fi, W 130 Fi 切削幅 1.000 mm (W 100 F) 1.200 mm (W 120 F) 1.300 mm (W 130 F) 1.000 mm (W 100 Fi) 1.200 mm (W 120 Fi) 1.300 mm (W 130 Fi) 切削深さ* 0-320 mm 運転質量、CE 18.400 kg (W 100 F) 19.300 kg (W 120 F) 19.700 kg (W 130 F) 18.700 kg (W 100 Fi) 19.600 kg (W 120 Fi) 20.000 kg (W 130 Fi) Cummins QSC 8.3 227 kW / 304 HP / 308 PS (1.900 min-1) 62 l / h 25 l / h EU Stage 3a / US Tier 3 620 l 1.400 l 0-32 m / min (1,9 km / h) 0-125 m / min (7,5 km / h) 176 m³ / h Cummins QSL 9 239 kW / 320 HP / 325 PS (1.900 min-1) 64 l / h 26 l / h EU Stage 3b / US Tier 4i 610 l 1.340 l エンジン製造業者と型式 最大エンジン出力 全負荷での燃料消費 施工現場(各種) での燃料消費 排出基準 燃料タンク 水タンク 切削速度(最大) 走行速度(最大) コンベア排出能力理論値 * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 . ** = W 120 F クローラタイプのみオフロード法少数生産車 38 // 39 機械性能の比較 (W 100 / W 100i, W 100 F / W 100 Fi, W 120 F / W 120 Fi, W 130 F / W 130 Fi) 2.1.4 切削速度(m/min) 30 平均切削速度(m/min) 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 100 / W 100i (切削幅 1000 mm) W 120 Fi (切削幅 1200 mm) W 100 Fi (切削幅 1000 mm) W 130 Fi (切削幅 1300 mm) 平均切削性能(m3/h)* 35 切削性能(m3/h) 30 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) * トラック交換、 ディーゼル車への給油、 ビット交換、一般的な待ち時間など、一般的な機械停止時間を含む。 . ビット摩耗(個数/m3) 0,8 ビット摩耗(個数/m3) 0,7 0,6 0,5 0,4 0,3 0,2 0,1 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 100 / W 100i (切削幅 1000 mm) W 120 Fi (切削幅 1200 mm) W 100 Fi (切削幅 1000 mm) W 130 Fi (切削幅 1300 mm) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 12 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) 注:ここに示す表には、 平均的な指針値が含まれています。 目下の切削作業によっては、 これらの平均値からの逸脱が比較的大きく なることがあります。 m3単位で表示されているすべての基準値は、圧縮された体積密度(つまり、敷設したアスファルト) に関係しています。 40 // 41 2.1.5 切削幅3,800 mmまでの大型路面切削機 W 1900 ]非常にコンパクトで輸送しやすい、 ] 2,000 mm切削幅クラスの路面切削機 ]最大出力350 ] kWの経済的な8気筒ディーゼ ルエンジンにより、効率的な作業を実現 ]コンパクトサイズで輸送重量が軽い ] ため、様々な現場に柔軟に対応 ]切削性能を最適に活用するための最適 ] な廃材積み込みコンベアシステム ]機械式切削ドラム駆動と電子式出力制御 ] 装置により、最高の切削性能を実現 技術データ W 1900 切削幅 2.000 mm (optional 2.200 mm) 切削深さ * 0-320 mm 運転質量、CE 26.700 kg エンジン製造業者と型式 Daimler OM 502 LA 最大エンジン出力 350 kW / 469 HP / 476 PS(1,800 min-1)-1 全負荷での燃料消費 84 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 38 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 / オフロード法少数生産車 燃料タンク 850 l 水タンク 1,600 l (追加の水タンク:+ 1,000 l) 切削速度(最大) 0-29 m / min (1,8 km / h) 走行速度(最大) 0-4,5 km / h コンベア排出能力理論値 290 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 2000 ]世界で最も売れている、 ] 優れた効率性を備え た2,000 mm切削幅クラスの路面切削機 ]最大出力433 ] kWの強力な6気筒ディーゼ ルエンジンにより、 効率的な作業を実現 ]切削ドラムをファインミリングドラムやエ ] コカッタードラムに素早く交換するための FCSライトにより、高い柔軟性を実現 ]WIDRIVE機能を搭載したPLC機械コントローラ ] ]機械式切削ドラム駆動と電子式出力制御 ] 装置により、最高の切削性能を実現 技術データ W 2000 切削幅 2,000 mm (オプション:2,200 mm) 切削深さ * 0-320 mm 運転質量、CE 30.000 kg エンジン製造業者と型式 Caterpillar C 15 ATAAC 最大エンジン出力 433 kW / 581 HP / 589 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 124 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 56 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 / オフロード法少数生産車 燃料タンク 1.310 l 水タンク 3.430 l 切削速度(最大) 0-84 m / min (0-5 km / h) 走行速度(最大) 0-84 m / min (0-5 km / h) コンベア排出能力理論値 330 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 42 // 43 W 2100 ]切削幅2,100 ] mm、高性能クラスの路面切削機 ]最良の結果を得るために、 ] レベルプロ レベリングコントロールを搭載 ]頑丈な切削ドラムユニットと積み込み ] コンベアにより、生産性を最大化 ]緩衝装置付オペレータプラッ ] トフォームは左右 どちらからでも搭乗可能で、 2台のスライド式 操作コンソールにより最適な作業姿勢で操作 可能御装置により、最高の切削性能を実現 技術データ W 2100 切削幅 2.200 mm 切削深さ * 0-320 mm 運転質量、CE 36.300 kg エンジン製造業者と型式 Caterpillar C 18 ATAAC 最大エンジン出力 522 kW / 700 HP / 710 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 145 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 65 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 / オフロード法少数生産車 燃料タンク 1.300 l 水タンク 4.500 l 切削速度(最大) 0-86 m / min (0-5,2 km / h) 走行速度(最大) 0-86 m / min (0-5,2 km / h) コンベア排出能力理論値 550 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 2200 ]切削幅2,200 ] mm、2,500 mm、3,800 mm によって、最高の切削性能を実現 ]最大エンジン出力は708 ] kW、大規模な切 削作業を効率的に実施する場合に最適 ]機械式切削ドラム駆動と電子式出力制御 ] 装置により、最高の切削性能を実現 ]最良の結果を得るために、 ] レベルプロ レベリングコントロールを統合 ]緩衝装置付オペレータプラッ ] トフォームは左右ど ちらからでも搭乗可能で、2台のスライド式操作 コンソールにより最適な作業姿勢で操作可能 技術データ W 2200 切削幅 2,200 mm (オプション:2,500 mmまたは3,800 mm) 切削深さ * 0-350 mm 運転質量、CE 44.700 kg エンジン製造業者と型式 Caterpillar C 27 ATAAC 最大エンジン出力 708 kW / 949 HP / 963 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 187 l/h 施工現場(各種) での燃料消費 84 l/h 排出基準 EU / US Tier 2では規制されていない 燃料タンク 1.500 l 水タンク 5.000 l 切削速度(最大) 0-84 m / min (0-5 km / h) 走行速度(最大) 0-84 m / min (0-5 km / h) 走行速度(最大) 668 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 44 // 45 機械性能の比較 (W 1900, W 2000, W 2100, W 2200) 2.1.6 切削速度(m/min) 35 平均切削速度(m/min) 30 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 1900 (切削幅 2000 mm) W 2100 (切削幅 2200 mm) W 2000 (切削幅 2000 mm) W 2200 (切削幅 2200 mm) 平均切削性能(m3/h)* 100 切削性能(m3/h) 80 60 40 20 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) * トラック交換、 ディーゼル車への給油、 ビット交換、一般的な待ち時間など、一般的な機械停止時間を含む。 ビット摩耗(個数/m3) 0,45 ビット摩耗(個数/m3) 0,40 0,35 0,30 0,25 0,20 0,15 0,10 0,05 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 1900 (切削幅 2000 mm) W 2100 (切削幅 2200 mm) W 2000 (切削幅 2000 mm) W 2200 (切削幅 2200 mm) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 16 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 14 12 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) 注:ここに示す表には、 平均的な指針値が含まれています。 目下の切削作業によっては、 これらの平均値からの逸脱が比較的大きく なることがあります。 m3単位で表示されているすべての基準値は、圧縮された体積密度(つまり、敷設したアスファルト) に関係しています 46 // 47 2.1.7 切削幅2,200 mmまでの大型路面切削機 W 150 / W 150i ]ユーザー ] フレンドリーな操作コンセ プトにより、1人で操作可能 ]作業幅1.20 ] mまたは1.50 mの切削ド ラムユニットを使用して、 さまざまな FCSアプリケーションに対応可能 ]インテリジェントWIDRIVEマシンコン ] トロールにより、生産性を最大化 ]サイズがコンパクトなため、 ] 回送も容易 ]低騒音、 ] 低公害エンジンと、粉塵を低減するVCS( オプション) により、環境保護に大きく貢献 技術データ W 150 W 150i 切削幅 1,200 mm (オプション:1,500 mm) 切削深さ* 0-320 mm 運転質量、CE 20.200 kg 20.600 kg エンジン製造業者と型式 Cummins QSL 8.9 Cummins QSL 9 最大エンジン出力 276kW / 370 HP / 375 PS (1,900 min-1)1 298 kW / 400 HP / 405 PS (1,900 min-1) 全負荷での燃料消費 72 l / h 76 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 29 l / h 30 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 EU Stage 3b / US Tier 4i 燃料タンク 810 l 水タンク 2.150 l 切削速度(最大) 0-32 m / min (1,9 km / h) 走行速度(最大) 0-5,3 km / h コンベア排出能力理論値 176 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 200 / W 200i ]効率的な操作による堅固な機械コンセプト ] ]効率的な路面切削機コントロールWIDRIVEに ] より、運転費を最小限に抑えることが可能 ]幅広いフレキシブルなアプリケーション ] に対応するFCSライト (オプション) ]3段階の切削ドラム変速機能によっ ] て、最高の切削性能を実現 ]機械と路面とのアライ ] メントを自 動的に平行にするPTS 技術データ W 200 W 200i 切削幅 2,000 mm (オプション:1,500 mmまたは2,200 mm) 切削深さ* 0-330 mm 運転質量、CE 27.180 kg エンジン製造業者と型式 Cummins QSL 15 最大エンジン出力 410 kW / 550 HP / 558 PS (1,900 min-1) 27.630 kg 447 kW / 600 HP / 608 PS (1,900 min-1) 全負荷での燃料消費 99 l / h 106 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 40 l / h 42 l / h 排出基準 EUStage3a/USTier3/オフロード法少数生産車 EU Stage 3b / US Tier 4i 燃料タンク 1.220 l 水タンク 3.350 l 切削速度(最大) 0-85 m / min (5,1 km / h) 走行速度(最大) 0-85 m / min (5,1 km / h) コンベア排出能力理論値 375 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 48 // 49 W 210 / W 210i ]特に、 ] 部分負荷の範囲において、 要求ベースの出力と 燃費低減を実現する 「デュアルエンジンコンセプト」 ]3段階の切削ドラム回転変速機能により、 ] アプリケ ーションに応じてパフォーマンスを最適化できる ]PTS ] (対地平行車体コントロールシステム) により、 最大限の安定性とレベリングの簡素化を実現 ]切削ドラムをファインミリングドラムや ] エコカッタードラムに素早く交換する ためのFCSライト (オプション) ]最適な人間工学設計、 ] 直感的な操作コン ソール、 オペレータの負担を軽くする実用 的で新しいWIDRIVE機能を搭載した最 先端のオペレータプラットフォーム 技術データ W 210 W 210i 切削幅 2,000 mm (オプション:1,500 mmまたは2,200 mm) 切削深さ* 0-330 mm 運転質量、CE 28.900 kg エンジン製造業者と型式 Cummins QSL 8.9 + QSC 8.3 最大エンジン出力 500 kW / 671 HP / 680 PS (1,900 min-1) Cummins QSL 9 + QSL 9 534 kW / 716 HP / 726 PS (1,900 min-1) 全負荷での燃料消費 131 l / h 136 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 52 l / h 54 l / h 排出基準 EUStage3a/USTier4/オフロード法少数生産車 EU Stage 3b / US Tier 4 燃料タンク 1.220 l 水タンク 3.350 l 切削速度(最大) 0-85 m / min (5,1 km / h) 走行速度(最大) 0-85 m / min (5,1 km / h) コンベア排出能力理論値 375 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 50 // 51 機械性能の比較 W 150i (1500 mm), W 200i (2000 mm), W 210i (2000 mm), W 210i (2200 mm) 2.1.8 切削速度(m/min) 35 平均切削速度(m/min) 30 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 150i (切削幅 1500 mm) W 210i (切削幅 2000 mm) W 200i (切削幅 2000 mm) W 210i (切削幅 2200 mm) 平均切削性能(m3/h)* 90 80 切削性能(m3/h) 70 60 50 40 30 20 10 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) * トラック交換、 ディーゼル車への給油、 ビット交換、一般的な待ち時間など、一般的な機械停止時間を含む。 . ビット摩耗(個数/m3) 0,50 ビット摩耗(個数/m3) 0,45 0,40 0,35 0,30 0,25 0,20 0,15 0,10 0,05 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 150i (切削幅 1500 mm) W 210i (切削幅 2000 mm) W 200i (切削幅 2000 mm) W 210i (切削幅 2200 mm) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 14 12 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) 注:ここに示す表には、 平均的な指針値が含まれています。 目下の切削作業によっては、 これらの平均値からの逸脱が比較的大きく なることがあります。 m3単位で表示されているすべての基準値は、圧縮された体積密度(つまり、敷設したアスファルト) に関係しています。 52 // 53 2.1.9 切削幅3,800 mmまでの大型路面切削機 W 220 (2200 mm, 2500 mm) ]切削性能と機械重量の最適なバランスt ] ]最大出力571kWのエンジン1基に ] よる最大のパフォーマンス ]インテリジェント路面切削機コントロー ] ルWIDRIVEにより、運転費を低減 ]路面との自動平行アライ ] メントを行うPTS ]作業幅2.20 ] mと2.50 mの切削ドラムを素早 く交換するためのFCSライト (オプション) 技術データ W 220 切削幅 2,200 mm (オプション:2,500 mm) 切削深さ* 0-350 mm 運転質量、CE 36.360 kg エンジン製造業者と型式 Caterpillar C 18 ATAAC 最大エンジン出力 571 kW / 766 HP / 777 PS(2,100 min-1) 全負荷での燃料消費 142 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 57 l / h 排出基準 EU / US Tier 2では規制されていない 燃料タンク 1.460 l 水タンク 4.500 l 切削速度(最大) 0-88 m / min (5,3 km / h) 走行速度(最大) 0-88 m / min (5,3 km / h) コンベア排出能力理論値 552 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 W 250 (2200 mm, 3800 mm) ]最先端の機械制御と駆動力の最大化 ] により、優れた切削性能を発揮 ]最大出力545 ] kWのエンジン1基による切削と、 最大出力731 kWのエンジン2基による切削 を実現する 「デュアルエンジンコンセプト」 ]2.20 ] mから4.40 mまでの6種類の異なる切削幅 ]スマートなマシンコントロールWID] RIVEにより、運転費を低減 ]スリッ ] プ防止システム、 出力調整、正確 なカーブ走行機能を搭載したインテリ ジェント推進駆動コントローラISC 技術データ W 250 切削幅 2,200 mm (オプション:2,500 mmまたは3,800 mm) 切削深さ* 0-350 mm 運転質量、CE 43.800 kg エンジン製造業者と型式 Cummins QSX15 + QSL 8.9 最大エンジン出力 731 kW / 980 HP / 994 PS(1,900 min-1) 全負荷での燃料消費 197 l / h 施工現場(各種) での燃料消費 78 l / h 排出基準 EU Stage 3a / US Tier 3 燃料タンク 1.460 l 水タンク 4.850 l 切削速度(最大) 0-88 m / min (5,3 km / h) 走行速度(最大) 0-88 m / min (5,3 km / h) コンベア排出能力理論値 668 m³ / h * = 許容差と摩耗により、最大切削深さは規定値から逸脱することがあります。 54 // 55 機械性能の比較 W 220 (2200 mm und 2500 mm), W 250 (2200 mm und 3800 mm) 2.1.10 切削速度(m/min) 40 35 平均切削速度(m/min) 30 25 20 15 10 5 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 220 (切削深さ 2200 mm) W 250 (切削深さ 2200 mm) W 220 (切削深さ 2500 mm) W 250 (切削深さ 3800 mm) 平均切削性能(m3/h)* 120 切削性能(m3/h) 100 80 60 40 20 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) * トラック交換、 ディーゼル車への給油、 ビット交換、一般的な待ち時間など、一般的な機械停止時間を含む。 . ビット摩耗(個数/m3) 0,7 ビット摩耗(個数/m3) 0,6 0,5 0,4 0,3 0,2 0,1 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) W 220 (切削深さ 2200 mm) W 250 (切削深さ 2200 mm) W 220 (切削深さ 2500 mm) W 250 (切削深さ 3800 mm) 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 20 切削中の平均負荷/ビット1本(kN) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 0 25 50 75 100 125 150 175200225 250 275300325350 切削深さ (mm) 注:ここに示す表には、 平均的な指針値が含まれています。 目下の切削作業によっては、 これらの平均値からの逸脱が比較的大きく なることがあります。 m3単位で表示されているすべての基準値は、圧縮された体積密度(つまり、敷設したアスファルト) に関係しています。 56 // 57 W 350 E 0 最適なエンジン出力対運転質量比 W 250i W 250 W 2200 W 220 W 2100 W 210i W 210 W 2000 W 200i W 200 W 1900 W 150i W 150 W 130 Fi W 130 F W 120 Fi W 120 F W 100 Fi W 100 F W 100i W 100 W 60i W 50 DC W 50 W 35 DC エンジン出力 (kW) 800 48000 700 42000 600 36000 500 30000 400 24000 300 18000 200 12000 100 6000 運転質量、CE(kg) 2.2 機械出力対重量比の概要 0 エンジン出力(kW) 運転質量、CE(機械の自重、1/2充填の水タンク、1/2充填の燃料タンク、 オペレータ (75 kg)、搭載ツールを含 む) 58 // 59 3 コアテクノロジー:カッティング 3.1 カッティングプロセス62 3.1.1 「鎌の刃」形切削軌道62 3.1.2 カッティングプロセスにおける力63 3.1.3 切削ドラムのビットの位置とカッティング角64 3.2 ビットの機能65 3.2.1 ビットの構造と特性65 3.2.1.1 チップ66 3.2.1.2 ろう付け67 3.2.1.3 スチールボディ67 3.2.1.4 摩耗プレート (ワッシャ) 68 3.2.1.5 クランピングスリーブ68 3.2.2 回転原理69 3.2.3 ビットの摩耗70 3.2.3.1 最適な摩耗パターン70 3.2.3.2 望ましくない摩耗パターン71 3.3 ツールホルダシステム73 3.3.1 機能と構造73 3.3.1.1 溶接ツールホルダシステム74 3.3.1.2 クイックチェンジツールホルダシステム75 3.3.1.3 HT11クイックチェンジツールホルダシステム76 3.3.1.4 HT22クイックチェンジツールホルダシステム78 3.3.2 ツールホルダの摩耗82 3.3.2.1 最適な摩耗パターン82 3.3.2.2 望ましくない摩耗パターン83 3.4 切削ドラム85 3.4.1 機能と構造85 3.4.2 切削ドラムの製造86 3.4.3 切削ドラムの種類88 3.4.3.1 スタンダードミリングドラム90 3.4.3.2 エコカッター91 3.4.3.3 ファインミリングドラムとマイクロファインミリングドラム92 3.4.3.4 特殊ミリングドラム93 3.4.4 さまざまな種類の切削ドラムを使用して路面の性能特性を変更す る方法94 3.4.5 切削ドラムのビットライン間隔96 3.4.6 切削速度が切削パターンに与える影響98 3.4.7 最新型切削ドラムクイックチェンジシステム100 3.4.7.1 FCS切削ドラムクイックチェンジシステムの機能100 3.4.7.2 FCSライト101 3.4.7.3 FCS完全版102 3.4.7.4 FCSモジュールシステム103 60 // 61 3.1 カッティングプロセス 路面切削機の開発および製造において、 カッティング 技術はヴィルトゲンのコアコンピタンスの1つです。 カッ 3.1.1 ティング技術は、切削プロセスの品質、 コスト、性能に 大きな影響を及ぼします。. 「鎌の刃」形切削軌道 カッティングプロセスの間、 回転ビットが装備された回 転切削ドラムは、 ビットが上向きに材料をカッティング するアップミリングモードで動作します。 ビットが材料 の中に入ってから出てくるまでの間、次第に厚くなる切 削軌道、言うなれば「鎌の刃」形の切削軌道が形成さ れます。軌道のサイズは、切削速度や設定されている 切削深さによって異なります。 カッティングプロセスにおける 「鎌の刃」形切削軌道の断面 実際のカッティングプロセスの間は、軌道の厚みが増 すのに比例してビットの負荷が増します。 つまり、多く の材料を分離すればするほど、使用するエネルギーが 多くなります。 ビットが材料の中に入ったとき、材料の 量はまだ最小ですが、 ビットが軌道を通り抜ける直前 に材料の量は最大になります。 その後、 かかる力の量は すぐにゼロにまで減少します。 3.1.2 カッティングプロセスにおける力 カッティングプロセスの間は、大きなせん断力と衝撃 力がビットに作用します。 これらの力は、以下の要因によって決まります。 カッティングする材料の強度 ]アスファルト ] :ビチューメンの品質と割合 ]コンクリート ] :セメントの品質と割合 ]鉱物の品質 ] :強度、耐摩耗性、鉱物の割合と大きさ ]鉱物中の微粒子 ] ]外部温度 ] ]材料の厚さ ] 機械の切削性能 ]ビットのカッティング速度 ] ]切削ドラムの種類 ] (ビット間隔) ]ビット1本あたりの負荷 ] (切削深さ) ]使用するビッ ] トの種類(ビット形状) 3 2 1 1 移動の駆動力 2 機械重量の力 3 切削ドラムの回転力 カッティング力は、左に示す3つの力の結果です。 62 // 63 3.1.3 切削ドラムのビットの位置とカッティング角 切削ドラムのビットの位置は、 3つの座標と2つの空間 角によって決まります。 これらの座標と角が、切削ドラ ムのカッティング円径、 ビット間隔、 およびその他すべ てのビットの均一な配置の決め手となります。 ビットの 位置決めを最適に行うことで、 ビットの摩耗をできる だけ少なくし、 カッティング挙動が最適化されるよう にします。 b 座標が交差する地点の回転角(b) a c 座標が交差する地点の接触角 (a) 座標が交差する地点の傾斜角 (c) 3.2 ビットの機能 3.2.1 ビットの構造と特性 ビットは 、路 面 切 削 機 の 実 際 の カッティング ツ ー ル で す。ビットの 品 質 は 、切 削 性 能 、切 削 結 果 、切 削 コ ストに 大 き な 影 響 を 及 ぼ しま す。ビ ットは 、幅 広 い アプリケ ー ション に 対 応 するよ う 設 計 されているた め 、そ の 設 計 はアプリケ ー ション によって 異 な りま す。ビットの 構 造 は 常 に 同じで す が 、一 般 に 以 下 の 5 つ の 構 成 要 素 か ら成ります。 チップ ろう付け スチールボディ クランピングスリーブ 摩耗プレート (ワッシャ) 最新型ビットの構成要素 64 // 65 3.2.1.1 チップ チップ は 極 めて 強 い 応 力 を 受 けるため 、特 に 耐 摩 耗 性 の ある 超 硬 で 製 造 されています。チップ は 、炭 化 タン グ ス テンとコ バ ルトとを 混 合 して 焼 結 した 材 料 で 構 成 されてい ます( 一 般 に 、タ ン グ ス テ ン 9 4 % 、コ バ ルト 6 % )。こ の 材 料 の 最も重 要な特 性は、その硬 度 、耐 破 損 性と耐 摩 耗 性、電気伝導率と熱伝導率です。 炭 化 タング ステンの 変 化 する 粒 度 は 、摩 耗 に 大 きな 影 響 を与えます。粗 粒 部 分 が 必 要 な 耐 破 損 性と耐 温 度 性 を確 保 するのに対し、細 粒 部 分 は 優 れ た 耐 摩 耗 性 を 確 保します。炭 化 タング ステ ンの 粒 度 が 細 かいほど、外 部 の 物 体 は 表 面 を貫 通しにくくなります。 コバルトは、 バインダとして使用さ れており、強い応力を受けても必要な耐破損性を確保 できるようにしています。焼結プロセスの間に、炭化タ ングステンの粒子間の間隔が完全に埋まります。 この 材料の特性は、混合比を変えることによって、 目的どお りに変えることができるので、将来のアプリケーション 分野にも適合します。 アプリケーションに応じて、 キャッ プ形または円筒形のさまざまな直径の超硬金属チップ を使用します。 1 キャップ形超硬チップ (ソリッド) 2 キャップ形超硬チップ (ロング) 3 キャップ形超硬チップ (フラット) 4 円筒形超硬チップ 1 さまざまな種類の超硬チップ 2 3 4 3.2.1.2 ろう付け ビットの超硬チップは、 スチールボディにしっかりとろ う付けされています。 連続的に高温ろう付けを用いるこ とにより、 カッティングプロセス中に非常に高温になっ たとしても、接合部が正しく機能するようにします。 3.2.1.3 スチールボディ ヘッドとシャフトから成るスチールボディは、高い寸法精度と 表面品質を備えた冷間押し出し工程を用いて形成します。ヘ ッドが大きなせん断力と衝撃力に耐え、特に耐摩耗性を備え ていなければならないのに対し、 シャフトは製品寿命にわたっ て、破損することなくツールホルダにしっかりと固定されてい なければなりません。 このため、 ヘッドとシャフトに対しては、特 別な工程を用いてさまざまな硬度を与えています。硬度と靱性 の関係は、 ビットの製品寿命と有用性を決定する大きな要因 です。 耐熱性を備えたろう付け接合部 耐摩耗性を備えたスチールボディ 66 // 67 3.2.1.4 摩耗プレート (ワッシャ) 摩耗プレートの主な役割は、 ビットの最適な回転挙動 を確実にすることです。摩耗プレートは、厚さ5 mmの 硬化鍛鋼で製造されており、 シャフトに向かって円錐 形に面取りされています。面取りされた箇所は、 ツール ホルダのビットを中心にしてホルダガイドにぴったり 収まり、 ツールホルダボアの摩耗が最小限になるよう にします。 ツールホルダの上部にビットを取り付けやすくするた めに、 クランピングスリーブを摩耗プレートであらかじ め固定します。 これにより、少ない手順で、 いつでも使 用できるようにビットを取り付けることができます。 3.2.1.5 クランピングスリーブ 円筒形のクランピングスリーブは、正確な位置決めが 行えるようにするとともに、 ビットがツールホルダにし っかりと収まるようにします。 ビットのシャフトは、 クラ ンピングスリーブに固定されているため、回転すること ができます。 スリーブの直径と長さは、製造中、非常に 厳しい許容差を用いて点検しています。 これにより、 ビ ットやツールホルダ上での摩耗が大幅に減少するとと もに、 ビットの最適な回転挙動も可能になります。 さら に、 いわゆるツインストップクランピングスリーブが、正 確に定義されている軸の動きを確実にします。 頑丈な摩耗プレート 高強度のクランピングスリーブ 3.2.2 回転原理 カッティングプロセスの間、 ビットは縦軸の周囲を歳差 運動で回転します。 これにより、 回転は、圧力荷重のか かるカッティング段階ではなく、 圧力荷重のかからな い空転段階で主に発生します。 この回転は、 中心で垂 直に完全に動いているのではなく、 クランピングスリー ブ内部の歳差運動の軌道でわずかな 「揺動運動」 を引 き起こしています。 しかも、 ツールホルダ上の振動によ って、 この揺動運動がさらに強くなります。 これが、 「ニ ューテーション運動」 と呼ばれるものです。 . ニューテーション運動により、 ビットは、切削ドラム1回 転につき約10度回転します。 したがって、 ビットが完全 に1回転するには、複数回、切削ドラムが回転する必要 があります。 このため、 ビットの接触面は均一に円錐形 に摩耗します。 これにより、通常の最適な摩耗パターン が発生するだけでなく、 非常に重要なセルフシャープニ ング効果も発生し、高い切削性能が確実に発揮される ようになります。 縦軸を中心としたビットの回転 68 // 69 3.2.3 ビットの摩耗 ビットの貫通と摩耗挙動、 つまり機械の生産性は、以 下のようなさまざまな要因に影響されます。 機種 ]エンジン出力 ] (切削性能または切削速度) ]切削ドラム速度 ] (ビットのカッティング速度) ]設定されている切削深さ ] 3.2.3.1 最適な摩耗パターン キャップ形超硬チップ 最適な摩耗:超硬チップが均一かつ円錐形に摩耗 切削ドラムの種類 ]切削ドラム幅 ] ]カッティング円径 ] ]ビットのビッ ] トライン間隔 ]ビッ ] トの接触角 ]ツールホルダの摩耗状態 ] ビット ]ビッ ] トのカッティングチップ形状 ]ビッ ] トボディの形状 ]ビッ ] トの摩耗状態 カバー特性 ]切削する材料の組成と種類 ] ]切削する材料の強度 ] ]材料の温度 ] 最適な摩耗パターン 3.2.3.2 望ましくない摩耗パターン 超硬部分の破損 原因: スチールボディの侵食 原因: ]切削する材料に含まれていた物体によって ] 生じた機械的過負荷。例えば、切削を開始 する前に、表面下にあることを検出できな かったスチール補強材や大きな岩など。 ]カッティングチッ ] プ内が高温になったことによる 熱過負荷。切削しなければならない特殊な材料 が、高温を発生させることがあります。 このよう な場合は、水をかけることによって温度を下げ ることができます。水流が不十分な場合は、 スプ レーノズルが汚れている可能性があります。 ]軟質アスファルトと硬質アスファルトの両方の ] 材料を切削すると、切削プロセスの間に、 これ らの材料がビットシャフトをこすります。 その結 果、 ビットボディの方に摩耗が多くなります。 機械的過負荷による超硬部分の破損 この摩耗は、大型のキャップ形チップを使用すること で、大幅に減少させることができます。 スチールボディの過度な摩耗 70 // 71 クランピングスリーブの摩耗 原因: ビットの回転が不十分である、 またはビットが回転し ていない 原因: ]軟質材料を切削する場合、 ] ビットの摩耗は標 準的な平均をはるかに上回ります。特に頻繁 に受ける応力により、 クランピングスリーブの 壁面は次第に薄くなり、変形していきます。 こ れにより、 ビットが自然に脱落する程度にま でクランプ力が低下することがあります。 ]回転駆動が不十分 ] (ツールホルダの振動が 不十分) な場合、超硬チップの片側にだけ 過度な摩耗が見られることがあります。 ]さらに、 ] ツールホルダボアの汚れが 回転を妨げることがあります。 変形したクランピングスリーブ 不十分なビット回転による摩耗 3.3 ツールホルダシステム 3.3.1 機能と構造 ツールホルダは、 ビットと切削ドラムとのインターフェ イスです。 ツールホルダは、 ビットを固定し、 ビットの回 転性能が最適になるようにします。 ツールホルダは、溶 接シームによって切削ドラムに完全に接続されている か、 あるいは最新システムの場合は、 ホルダ底部にだ け接続されています。 ]ツールホルダは硬化鍛鋼製です。 ] ]約1,150℃で鍛造されています。 ] ]特殊な熱処理により、 ] 耐摩耗性と靱性を最大化 するとともに、優れた溶接特性を実現します。 ]アスファルト切削ビッ ] ト用ツールホルダ にあるビットの取り付けボアは、世界中 で19.9 mmに標準化されています。 ]ビットのサポート表面はボアに対して直角になって ] おり、外径は38 mmから45 mmとなっています。 エンジン出力のほぼすべてが、 ツールホルダを介してビ ットに伝達されます。低摩耗材料、改良されたビット回 転によって最適設計されたツールホルダシステム、容 易なビット交換によって、 ビットの長寿命を保証し、運 転費を低減します。 交換可能な消耗部品を備えた最新型切削ドラム 72 // 73 3.3.1.1 溶接ツールホルダシステム 溶接ツールホルダシステムを使用して、 ツールホルダ を恒久的に切削ドラムに溶接します。溶接ツールホル ダシステムは広いスペースを必要としないため、直径 の小さい切削ドラムや最小ビットライン間隔のファイ ンミリングドラムに適しています。 どちらのドラムも、切削深さの浅いアプリケーションで あり、 ツールホルダが摩耗したり破損したりするリスク が低いため、通常は交換の頻度が少なくなります。 溶接ツールホルダを装備した小型路面切削機のコンパクトな切削ドラム 3.3.1.2 クイックチェンジツールホルダシステム クイックチェンジツールホルダシステムを使用すると、 摩耗や破損したアッパーホルダを施工現場で直接、簡 単に交換することができます。 クイックチェンジツール ホルダシステムのボトムは、切削ドラムのボディに恒久 的に溶接されています。アッパーホルダはボトムホル ダ上に装着され、 スクリューで固定されます。 交換可能なツールホルダを装備した大型路面切削機の標準的な切削ドラム 74 // 75 3.3.1.3 HT11クイックチェンジツールホルダシステム HT11クイックチェンジツールホルダシステムの特長 は、多様な施工現場で使用することを目的として設計 された低摩耗、操作性、長寿命を組み合わせたシステ ムにあります。HT11システムは特許取得済であり、以 下のメリットをもたらします。 ]施工現場であっても、 ] 個々のツールホ ルダをわずか数分で素早く交換 HT11は素早いアッパーホルダの交換が可能 ]高品質な耐摩耗鋼を使用しているため、 ] 高い硬度と優れた耐摩耗性が実現 ]頑丈なねじ式装着により、 ] 接続強度が持続します。 ]特殊な部品形状により、 ] 交換時に常に アッパーホルダが正しい配置になり、 最適な切削作業を実現します。 D 20 D 22 D 25 HT11クイックチェンジツールホルダシステムの部品 76 // 77 3.3.1.4 HT22クイックチェンジツールホルダシステム ヴィルトゲンの新世代ツールホルダシステムである HT22では、HT11で十分に実証された機能がさらに最 適化されています。 このHT22システムは、2013年から 使用される予定で、 その特長はこれまで以上の耐摩耗 性にあります。 この新型ツールホルダシステムは特に 寿命が長いため、現場における交換間隔が大幅に減 少することにより、 その特長が明らかになります。 アッ パーホルダの取り付けが最適化されていることにより サービス間隔が長期化し、 このことが、切削ドラムの 全体的な寿命を延ばすというもう一つのメリットを生 んでいます。 HT22システムのメリット: ]摩耗部増量 ] ]改良されたビッ ] ト回転挙動 ]シャ ] フトの耐破損性が向上 ]サービス間隔の長期化 ] ]耐破損性が向上 ] ]容易な交換オプション ] (ビットはHT11用から変更なし) 摩耗部が大幅に増量された最新型クイックチェンジツールホルダシステムHT22 D 20 D 22 D 25 HT22クイックチェンジツールホルダシステムの部品 78 // 79 ヘッドの摩耗部増量 部品強度が向上した 最適形状のシャフト アングル 5 mm間隔の摩耗マーカー シャフトの断面積を 約6%拡大し、耐破損 性が大幅に向上 スクリューヘッ ド保護プラグ 最適なスク リュー位置 アッパーホルダでボト ムを完全にカバーする デザインに変更 溶接ジョイントの強度 向上と同時に最適なビ ットの回転性を維持 HT22クイックチェンジツールホルダシステムの大幅に最適化された機能 システム25により、 上部の寿命が倍増 耐摩耗性を備 えたヘッドデ ザイン アッパーホルダの簡単 かつ迅速な着脱を可能 にするアッパーホルダとボ トムの間のシール アッパーホルダとボ トムとの接触面を 67%拡大し、 ボトム を長寿命化 80 // 81 3.3.2 ツールホルダの摩耗 ツールホルダの摩耗は、主に以下の要因に影響されま す。 機種 ]エンジン出力 ] (切削性能または切削速度) ]切削ドラム速度 ] ]設定されている切削深さ ] 切削ドラムの種類 ]切削ドラム幅 ] ]カッティング円径 ] ]ビッ ] トのビットライン間隔 ]ビッ ] トの接触角 3.3.2.1 最適な摩耗パターン 接触面に平行な縦の摩耗 原因: ]切削プロセスの間、 ] 切削廃材の小さな粒子は、 ツー ルホルダのビットとの接触表面と摩耗プレート (ワ ッシャ) の間で破砕されて研磨されます。 この研磨効 果により、 ビットの摩耗プレート (ワッシャ) とツール ホルダ表面の両方が平行かつ均一に摩耗します。 使用ビット ]ビットボディの形状 ] (ビットシャフトと クランピングスリーブの形状) ]ビッ ] トの摩耗状態 カバー特性 ]切削する材料の組成と種類 ] ]切削する材料の強度 ] ]材料の温度 ] 最適な摩耗パターン 3.3.2.2 望ましくない摩耗パターン 切削ドラムチューブ側に向いた 平行ではない縦の摩耗面 接触面の過度な摩耗 原因: 切削ドラムチューブ外に向いた 平行ではない縦の摩耗面 接触面の過度な摩耗 原因: ]例えばファインミリングを使用するなど、 ] 切削深さ を最小にしたために、 その結果として生じる平均 的な力がビット軸と平行に向けられていません。 この結果、切削ドラムの中心に向かう接触圧力が 大きくなり、 ツールホルダの摩耗が増加します。 ]例えば柔らかい材料を最大深さで切削し ] たために、 その結果として生じる平均的な 力がビット軸に伝達されていません。 摩耗が増加するにつれて、 ビットの回転は低下します。 摩耗が増加するにつれて、 ビットの回転は低下します。 切削ドラムチューブ側に向いた好ましくない接触面の摩耗 切削ドラムチューブ外に向いた好ましくない接触面の摩耗 82 // 83 破損または磨滅し、 ビットが脱落したことによるツー ルホルダの摩耗 原因: ]典型的な摩耗斜面は、 ] 切削ドラムチューブ側とは 逆の位置に見られます。 ツールホルダは、 もはや ビットによって保護されていません。 ビットやツー ルホルダが、切削する材料に含まれている異物に ぶつかると、 その結果として生じる過負荷によっ て、 ビットやツールホルダの部品は破損します。 ボアの摩耗 原因: ]変形したスリーブ、 ] またはシャンクのビットを使用 すると、 ツールホルダのボアが楕円形になり、直径 が次第に摩耗することがあります。摩耗の増加は、 クランピングスリーブの保持力を低下させます。 摩耗が増加するにつれて、 ビットの回転は低下します。 ツールホルダが減少すると、 ビットシャフトが破損する リスクが高まります。 ビットの消失によるツールホルダの摩耗 ビットの自動調心が低下したことによるボアホールの広がり 3.4 切削ドラム 3.4.1 機能と構造 ビットとツールホルダを装着した上向き回転切削ドラ ムは、路面切削機の心臓部です。切削ドラムは、 アプリ ケーションの要件によって決まるさまざまな基準に従 って製造されており、標準的な切削ドラムから、 エコカ ッターあるいはファインミリングドラムやマイクロファ インミリングドラムなどの特殊な切削ドラムまで、幅広 い種類があります。積み込みコンベアへの切削廃材の 効率的な搬送は、 エジェクタによって行われます。 スパイラル構造: このスパイラル構造により、分離した切削廃材を排出 エリアに搬送します。 さらに、個々のビットの最適化さ れたスパイラル配置は、発生する切削パターン (魚骨 状のパターン) に影響を与えます。 外輪エリア: 外輪エリアは、平坦な直角の切削端を生成する作業を 担っています。外輪エリアは、切削ドラムの外側端であ り、 フィードスパイラルの開始位置となります。 切削ドラムには、以下の3つの主要な機能があります。 ]舗装面を切断し、 ] 小片に分離する ]搬送 ] :切断した廃材小片をエジ ェクタエリアに搬送する ]切断した廃材小片を積み込みコンベアに排出する ] a b c b a 切削ドラムの機能エリア:a) 外輪エリア、b) コンベアスパイラルエリア、 c) 排出エリア 84 // 85 3.4.2 切削ドラムの製造 お客さまのご要望とそれぞれの地域の要件によって、 さまざまなツールホルダ位置を装備した切削ドラムが 必要になります。 ヴィルトゲンの設計および製造部門 では、 この製造プロセスを以下のように実施していま す。 1. 最初に、 ヴィルトゲン独自のコンピュータプログラ ムを使用して、個々のツールホルダの位置決めが 最適に行われた切削ドラムの製造データを作成 します。 2. コンピュータ制御されているツールホルダ設定装 置にこのデータを読み込みます。 3. ツールホルダ設定装置は、 目的とする位置に個々 のツールを配置します。 4. 切削ドラムでのツールホルダの位置決めを徹底的 に確認します。 5. 溶接ロボットによって、切削ドラムを完全に溶接し ます。 6. 品質管理を実施し、各切削ドラムの試験記録を作 成します。 7. 最後の組み立て手順で、 ツールホルダにビットを打 ち込みます。 切削ドラムの製造 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 設計 コンピュータによる位置決め ツールホルダの位置決め 測定 溶接ロボット 最終検査 ビットの挿入 86 // 87 3.4.3 切削ドラムの種類 D施工現場における経済的効率は、特に機械性能の高 さと運転費の削減を両立できるかどうかにかかってい ます。 ヴィルトゲンでは、機械の潜在能力を最大限活 用するために、 ビットライン間隔と実現可能な最大切 削深さの異なるさまざまな種類の切削ドラムを提供し ています。 これらの切削ドラムのうちどれを使用するかは、 アプリ ケーションによって決定します。 エコカッター Sスタンダードミリングドラム ファインミリングドラム マイクロファインミリングドラム さまざまな種類の切削ドラム 切削ドラムの ビットラ 最 大 切 使用オプション 種類 イン間隔 削深さ エコカッター 20 mm ラフ 25 mm 対 応 する 表 面 起 伏 深さ の波長 最大 35 cm 切削容量が多い場合 •コンクリート切削作業 •路面の完全な除去 100 ~ 1.000 mm スタンダード 15 mm 最大 35 cm 多目的に使用できる汎用切削ドラム •表層またはバインダ層の除去 •路面の完全な除去 •コンクリート切削作業 25 ~ 100 mm ファイン 最大 8 cm マクロプロファイルおよびミクロプロファイルに 1 対する要求が高い場合 ~ •表層の除去(より平坦な面の建設を含む) 25 mm •路面プロファイルの修正切削作業 最大 3 cm マクロプロファイルおよびミクロプロファイルに対す る要求が非常に高い場合 •マイクロファインミリングプロセスを使用して路面 に凹凸を付けることによって、路面グリップを向上 させる 0,05 •コンクリート道路の平坦性の向上 ~ •薄層およびその他の薄層舗装の表面処理、常温舗 1 mm 装のための予備切削 •路面やホールの床のコーティングの除去 •路面標示の除去 •路面標示の切削 ミリングドラム 12 mm ミリングドラム 18 mm 8 mm ミリングドラム 10 mm マイクロファ イン 3 mm 5 mm ミリングドラム 6 mm 切削ドラムの種類 88 // 89 3.4.3.1 スタンダードミリングドラム スタンダードミリングドラムは、最も一般的に使用され ている切削ドラムの種類で、幅広いアプリケーション に対応します。 スタンダードミリングドラムは、通常の ビットライン間隔が12 mmから18 mmであり、標準的 な切削パターンとなります。 スタンダードミリングドラ ムは、路面全体の除去や、1つ以上の層の除去に適して います。 ]高品質なグルービングにより、 ] その切削 路面上への舗装を最適化します。 ]スタンダードミリングドラムを使用することによ ] り、最大35 cmの切削深さと、30 cmから4.30 m までの作業幅に対応できるようになります。 代表的なスタンダードミリングドラム ]スパイラルに配置されたビッ ] トおよびツ ールホルダと、耐摩耗性を備えたエジェ クタを併用することにより、最適な廃材排 出と効率的な搬送を確実にします。 代表的なアプリケーション ]6 ]cmまでの表層の除去 ]異なる材料厚の路面層の除去 ] ]幅広いアプリケーション ] 3.4.3.2 エコカッター 深掘り重切削等の最高の切削性能を得るには、 エコカ ッターが理想的な選択であるといえます。 ヴィルトゲン が開発したこのタイプの切削ドラムでは、 ビット数を減 らし、 ビットライン間隔を広げて装備しています。 ]エコカッターの使用は、 ] 摩耗量の多い硬質の路面を 除去する場合に最適な経済性を実現します。 ]ビットライン間隔が広いほど、 ] 表面テクスチャは粗く なります。 ]Iスタンダードミリングドラムと比較すると、 ] エ コカッターではビット数が最大50%減少して います。 これにより、 ビットコストの大幅な削 減と切削性能の拡大を同時に実現します。 ]Dビッ ] ト数を減少させることにより、切削抵抗 が低くなるので、切削速度が向上するため、 エ コカッターの切削性能はスタンダードミリング ドラムの切削性能を最大50%上回ります。 代表的なアプリケーション ]路盤出し ] ]特に堅い材料の切削 ] ]時間とコストの制約が大きい路面の切削 ] 代表的なエコカッターミリングドラム 90 // 91 3.4.3.3 ファインミリングドラムとマイクロファインミリングドラム ファインミリングドラムは、 ビットライン間隔がわずか 数ミリメートルで、最大切削深さ約8 cmのファインテ クスチャの路面を生成します。ビットライン間隔が6 mm未満のマイクロファインミリングドラムを使用する と、 さらに細かい路面構造を実現することができます。 このタイプのドラムでは、切削深さは最大3 cmにまで 浅くなります。 ファインミリングは、特に経済的で資源の節約となる 方法です。 ]切削後の再舗装が不要 ] ]すぐにまた道路を走行できるため、 ] 走行車両への影 響が非常に小さい ]正確な切削により、 ] 日々の生産性が向上 代表的なマイクロファインミリングドラム 代表的なアプリケーション ]路面グリッ ] プの回復 ]道路の凹凸の除去 ] ]道路の薄層被覆アプリケーションの予備切削 ] ]道路の横断勾配の変更 ] ]表面の被覆の除去 ] ]汚染表面の除去 ] 3.4.3.4 特殊ミリングドラム 特殊ミリングドラムは、 特殊な断面プロファイルを作成 します。 ]側溝切削用の樽形/V形ミリングドラム ] 1 カッティングホイール 2 側溝ミリングドラム 3 マイクロファイン ミリングドラム ]作業幅最大1 ] mの路面切削機用の ナローカッティングホイール ]深い切削深さ用のラテラルミリングホイール ] ]膨張目地およびケーブルスロット用のカッテ ] ィングおよびラテラルミリングホイール 6 コンクリート表面の粗 面仕上げ用のマイクロ ファインミリングドラム 7 境界設定作業用 (ランブルストリッ プス) のマイクロファ インミリングドラム 4 マイクロファイン ミリングドラム 1 2 5 端部テーパー加工 のマイクロファイン ミリングドラム 7 4 3 6 5 小型路面切削機用の各種ミリングドラムの例 92 // 93 3.4.4 さまざまな種類の切削ドラムを使用して路面の性能特性を変更する方法 テクスチャ (幾何学的形状) は、粗さ、路面グリップ、排 水性能、転がり抵抗、聴覚特性と視覚特性など、重要 な性能特性に影響を与えます。テクスチャは、波長ス ペクトルによって、 マイクロテクスチャ (< 0.001~0.5 mm) 、 マクロテクスチャ (0.5~50 mm) 、 メガテクスチャ (50~500 mm) に分類されます。 0.5 mから50 mまで の波長は、 凹凸によるものです。 切削は、0.05 mmから1 mまでの波長範囲で、路面の 幾何学的形状の条件、 したがってその性能特性を変更 できるようにします。 ここで最良の結果を得るには、使 用する切削ドラムの選択が決定的な要因となります。 0.05 mmから1 mmまでのテクスチャは、路面の静止 摩擦/粗さを改善するために、 マイクロファインミリング ドラムを使用して処理しますが、 1 mmから25 mmまで のテクスチャでは、 ファインミリングドラムを使用して、 排水性能を最適化することができます。 さらに、路面の 反射特性、転がり抵抗、聴覚的特性にも影響を与える ことができます。 スタンダードミリングドラムを使用すると、道路のグル ービングなど、横断勾配の大きな凹凸を修復すること ができます。 ここでは、排水性能の改善も目的となりま す。 これと同じことが、 さらに広いビットライン間隔を 装備したエコカッターミリングドラムにも当てはまりま す。 ミクロ/マクロ/メガ表面起伏波長、 凹凸エリア、縦プロファイルエリア (左から右) マクロテクスチャ メガテク スチャ 縦プロファイル 50 m 1000 m 10+⁶ 100 m 10+⁵ 凹凸 縦プロファイルl 凹凸 道路排水溝の能力 (横断勾配) 横断勾配プロフ ァイル 運転快適性 (騒音、振動)) 使用する切削ドラムの種類 転がり抵抗/ 燃料消費 タイヤ騒音/路 面騒音 動的路面/車両 荷重 エコカッター タイヤ接触面 色反射(明るさ) スタン ダー ドミリングド ラム 視覚特性 排水能力/散水 ファインミリ ングドラム 静止摩擦 マイクロファ インミリング ドラム 路面グリップ 10+⁴ 10 m 10+³ 100 mm 10 mm 50 mm 0,5 mm 幾何学的デザ マイクロテクスチャ イン 10+² 1m 10 +¹ 500 mm 10-⁰ 1 mm 10-¹ 0,01 mm 0,001 mm テクスチ ャエリア ( 表 面 起 伏 波 長) 10-² 0,1 mm 10-³ 異なる種類の切削ドラムを使用することにより、路面の性能特性に長期的な影響を与えることができます。 cf. Ludwig, S. Oberflacheneigenschaften und Strasenbautechnik. VSVI-Seminar Munster. 94 // 95 3.4.5 切削ドラムのビットライン間隔 ビットが道路を切削した結果生じる路面のプロファイ ルは、 ビットライン間隔、切削ドラム速度、機械切削速 度によって大きく左右されます。 ビットライン間隔とは、1つの切削ビットが通る軌道と 隣り合う切削ビットが通る軌道の間隔です。 ビットライ ン間隔が広くなるほど、切削性能は高くなり、1m3あた りのビット摩耗が少なくなります。反対に、 ビット間隔 が狭くなるほど、切削性能は低くなり、1m3あたりのビ ット摩耗が多くなります。 切削ドラム速度は、 エンジン速度によって決まります。 切削ドラム速度は、必要な切削性能に応じて、常に理 想的なカッティング速度で切削ドラムが動作するよう に調節することができます。 LA 25 LA 10 LA 20 LA 8 LA 18 LA 6 LA 15 LA 5 LA 12 LA 3 代表的な切削ドラムビットライン間隔の路面プロファイル LA 120° x LA = ビットライン x = ベース高さ理論値 間隔(mm) (mm) LA = ビットライン間隔 (mm) x = ベース高さ理論値 (mm) 25 7,21 10 2,88 20 5,77 8 2,31 18 5,19 6 1,73 15 4,33 5 1,44 12 3,46 3 0,87 代表的な切削ドラムビットライン間隔のベース高さ理論値 96 // 97 3.4.6 切削速度が切削パターンに与える影響 ビットライン間隔と切削ドラム速度に加え、切削速度 は表面テクスチャも決定します。 ここでは、以下のよう なことが当てはまります。切削速度が速いほど、切削面 は粗くなります。. 表層の修復に最適な表面テクスチャ したがって、例えば、 まったく同一の切削ドラムで一定 のドラム回転速度であっても、機械走行速度を変える ことによって、異なる切削パターンを持った表面テクス チャを作成することができます。 ダブルカットマイクロファインミリングドラムが表面テクスチャに与える影響 98 // 99 3.4.7 最新型切削ドラムクイックチェンジシステム 3.4.7.1 FCS切削ドラムクイックチェンジシステムの機能 ヴィルトゲン FCS(フレキシブルカッターシステ ム)切 削ドラムクイックチェンジシステムにより、 路 面 切 削 のアプリケーション範 囲 は 大 幅 に広 が ります。このシステムは 、さまざまな 作 業 幅 、ビッ トライン間 隔 、または 切 削プロファイルの 切 削ド ラムに迅 速 かつ 容 易に交 換できるようにします。 これにより、機械の適用範囲を広げたり、 より大きな応 力負荷をシステムにかけたり、特に経済的な方法で動 作したりすることが可能になります。交換はわずか数ス テップで行うことができます。 FCS切削ドラムクイックチェンジシステムによる簡単な切削ドラム交換 3.4.7.2 FCSライト フレキシブルカッターシステムの簡易版であるFCSラ イトは、作業幅は同じでも、 ビットライ ン間隔が異なる切削ドラムの交換を短時間で行えるよ うにします。 FCSライトシステムによる各種切削アプリケーション用の代表的な切削ドラム 100 // 101 3.4.7.3 FCS完全版 完全版では、作業幅も変更することができます。付属の スクレーパーシステムを使用すると、切削廃材の積み 込みも可能になります。 FCS完全版による各種切削幅用の代表的な切削ドラム 3.4.7.4 FCSモジュールシステム 大型路面切削機用 (例えば、W 250用)FCSモジュー ルのエクステンション部品を使用すると、2.20 mから 4.40 mまでの切削幅が可能になります。 このような大 型の 「XXLフォーマット」 は大きな幅での平坦性を発揮 するため、大規模な施工現場でも短時間で処理するこ とができます。 ]切削性能が大幅に向上 ] ]機械や作業員数が削減できる ] ]レーン変え回数が減少するため、 ] 時間の節約が可能 スタンダードミリングドラム 切削幅:2.20 m スタンダードミリングドラム 切削幅:3.50 m スタンダードミリングドラム 切削幅:2.50 m スタンダードミリングドラム 切削幅:3.90 m スタンダードミリングドラム 切削幅:3.10 m スタンダードミリングドラム 切削幅:4.40 m W 250のFCSモジュールシステムによって可能な切削幅 102 // 103 4 コアテクノロジー:レベリング 4.1 最新型レベリングのコンポーネント106 4.1.1 レベリングの役割106 4.1.2 小型路面切削機によるレベリング106 4.1.3 大型路面切削機によるレベリング108 4.1.4 相対基準と絶対基準110 4.2 レベリングプロセス115 4.2.1 機械切削深さインジケータによる手動レベリング115 4.2.2 自動レベリング (相対基準と絶対基準を使用)116 4.3 ヴィルトゲン最新型レベリングコントロール118 4.3.1 システム開発の概要118 4.3.2 ヴィルトゲン レベルプロコントローラ (1および2) 119 4.3.2.1 「MDI」切削深さインジケータ120 4.4 最新型センサー121 4.4.1 ケーブルセンサー121 4.4.2 油圧シリンダセンサー122 4.4.3 超音波センサー123 4.4.4 スロープセンサー124 4.4.5 超音波スキーセンサー125 4.4.6 マルチプレックスシステム126 4.4.7 レーザーセンサー128 4.4.8 3Dセンサー129 4.5 各種レベリング方式に推奨されるアプリケーション130 4.5.1 推奨される使用法の概要130 4.5.2 一般的なレベリング方式のアプリケーション例132 4.5.2.1 サイドプレート - サイドプレートによるレベリング132 4.5.2.2 サイドプレート - スロープセンサーによるレベリング133 4.5.2.3 サイドプレートによるレベリング/油圧シリンダによる切削ドラム 前方のスキャン134 4.5.2.4 マルチプレックスレベリング方式135 4.5.2.5 レーザー信号によるレベリング136 4.5.2.6 3Dポジショニングによるレベリング137 4.5.2.7 サイドプレートによるレベリング/超音波センサーによるスキャン138 4.5.2.8 サイドプレートによるレベリング/超音波スキーセンサーによる丁 張のスキャン139 4.6 レベリングの品質140 4.6.1 最新機械技術を使用した最良のレベリング結果140 4.6.2 切削速度と環境パラメータがレベリングプロセスに与える影響142 104 // 105 4.1 最新型レベリングのコンポーネント 4.1.1 レベリングの役割 レベリングの役割は、基準値に基づいて、切削深さま たは切削勾配をできるだけ正確に自動制御することで す。 レベリングシステムは、正確に指定されている高さ で路面の被覆を確実に除去するために、実際の切削 深さとあらかじめ設定されている目標値を継続的に照 合し、 その値が守られるようにします。 4.1.2 レベリングの1つの目的は、既設の路面を水平にする こと、 またはコピーすることです。 もう一つの目的は、個 々の層を対象とした除去を行い、定義されている路面 プロファイル (例えば、横断勾配) を作成することです。 施工方法と施工現場の条件によって、 さまざまなシス テムとさまざまな基準が用いられます。 小型路面切削機によるレベリング 小型路面切削機は、 そのコンパクトな造りから、非常に 迅速に反応するレベリングシステムを特長としていま す。大型路面切削機とは対照的に、小型路面切削機の 切削ドラムは、中央ではなく後車軸に搭載されていま す。 レベリングシステムのセンサーは、切削ドラム軸に 取り付けられています。 ここでは、 リアクローラーユニッ トのリフティングコラムのストローク調整によって、高 さ調整が行われます。切削プロセスの間、 センサーはサ イドプレートの上下運動を感知し、 リフティングコラム でその変更を実行します。右側端部切削の際に右後の リフティングコラムが折り畳まれている場合、反応(し たがって路面のコピー) はさらに直接的に起こります。 右側にある垂直調節の回転点は、 この場合、切削ドラ ムの前方にあります。 このため、 リフティングコラムの高 さ調整以上に、切削ドラムの高さ変更幅は大きくなり ます。 切削深さは、 レベリングシステムを使用して、手動また は自動で制御することができます。手動式では、切削深 さインジケータが現在の切削深さについての情報を提 供します。高さの検知は、 ホイールブラケットの位置で 行われます。 自動制御は、 あらかじめ設定されている切削深さまた は横断勾配の定数を維持します。 オペレータプラットフ ォームのディスプレイには、最大3基のセンサーの目標 値と実際値が表示されます。切削作業に使用できるさ まざまなセンサーを、 レベリングシステムに使用するこ とができます。 小型路面切削機に搭載されているレベリングコントロールの代表的なコンポーネント (両側のケーブルセンサー、 レベリングコント ロールディスプレイ、横断勾配センサー) 106 // 107 4.1.3 大型路面切削機によるレベリング 大型路面切削機は重量が重いため、外部からの影響 に対する耐性が強くなります。切削ドラムが機体中央 部に位置していることにより、切削深さと横断勾配が 機械的に安定して制御できます。測定されたレベリン グ値は正確に反映され、最良のレベリング結果を得ま す。 旧世代の大型路面切削機の高さ調整は、常にリアクロ ーラを回転軸とし、切削深さと横断勾配の補正は、 フ ロントクローラーユニットのリフティングコラムにある 高さ調整によって制御されます。 大型路面切削機に搭載されているレベリングコントロールの代表的なコンポーネント (両側のケーブルセンサー、 レベリングコント ロールディスプレイ、横断勾配センサー) 最新世代の大型路面切削機には、 フロントとリアの両 方に高さ調整の回転軸があります。高さ調整は、 フロン トクローラーユニットとリアクローラーユニットの両方 のリフティングコラムによって行います。 すべてのクロ ーラーユニットが油圧で連結されているため、 クロー ラーユニットのうちの1つが起伏のある所を通った場 合でも、他の3つのクローラーユニットによって、生じて いる高さの差が自動的に補正されます。 この4点振子 軸機構の原理によって、機械は常に地面に対して高さ を自動調節するため、安定性が著しく改善します。 これと密接に関係しているのが、 自動レベリング装置 に内蔵されているPTSシステム (「Parallel To Surface」 対地平行車体コントロールシステム) です。PTSシステ ムは、切削プロセスの間、機械が常に路面と平行にな るようにするシステムで、機械を切削レーンに配置する ときにオペレータの助けとなります。内蔵型自動位置 決め機構により、 ボタンを押すと同時に、 すべてのクロ ーラーユニットを望ましい目標値の深さにまで下げる ことができます。 これにより、切削ドラムはより低速で 材料に切り込んでいきます。作業深さを正確に保つた めのリアクローラーユニットの手動調節は不要です。 加えて、機械の操作も大幅に簡素化されています。 自動4脚垂直制御PTSを内蔵した新世代大型路面切削機に搭載されているレベリングコントロールの代表的なコンポーネント ( 油圧シリンダのパスセンサー、 Rapid Slope横断勾配センサー) 108 // 109 4.1.4 相対基準と絶対基準 相対基準線(例:路面) 切削深さで使用される基準は表面(例えば、路面) で、 これは、左右のサイドプレートの長さによって線でスキ ャンされます。 サイドプレートは、路面プロファイルと機 械フレームの固定点の間の距離を測定するセンサー につながっています。 切削プロセスの間、 サイドプレートの上下の動き、 つま り距離の変化はセンサーに直接転送されます。 あらか じめ設定されている切削深さの目標値からの逸脱が 生じると、 自動的に補正が行われます。 サイドプレート よりも小さい縦の起伏は補正されますが、大きな凹凸 は検出されずに、新しい路面プロファイルとして検知さ れます。 サイドプレートによってスキャンしたときの表面上の代表的な基準線(赤線) 相対基準線(例:丁張または縁石) この場合、基準は、例えば丁張や縁石などの外形です。 丁張を設置すれば、機械フレームに固定されている距 離センサーによって連続的なスキャンを行います。 丁張と機械フレームの間の距離の変化は、切削深さを 補正するための寸法です。機械高さが検知情報を逸脱 すると、 コントロールシステムがこの逸脱情報を補正す るよう、機械高さを調整します。 その結果、表面は丁張 の高さと平行になります。 縁石端の高さによるスキャンでも、 これと同じ原理に基 づいて制御されます。 超音波センサーによってスキャンしたときの丁張による代表的な基準線 110 // 111 相対基準(例:光レーザー) 固定回転レーザーは、 ビームによって人工的な水平面 を生成します。 この水平面では、機器に搭載されている 1つのセンサー、 または2つのセンサーが、必要な切削 深さを実現するための基準となります。 水平面の切削深さを実行するためのレーザー基準面(緑色) レーザーセンサーは、機械と生成されたレーザー基準 面との間の距離を継続的に測定します。 センサーの測 定値が、 あらかじめ設定されている目標値から逸脱し ている場合は、対応する信号を自動レベリング機構に 転送し、高さを補正します。回転レーザーシステムによ って、 300 mまで対応可能です。 絶対基準(例:スロープセンサー) 測定は、電子バブル水平面の原理に基づきます。 すな わち、 センサーは、絶対水平線に対する横断勾配を測 定します。基準として重力を使用します。 重力基準からの逸脱は、 センサーによって検出され、 す ぐにマシンコントロールに転送されます。指定されてい る目標値の機械勾配を使用して、機械勾配を自動的に 補正します。 横断勾配を決定するための絶対重力基準 112 // 113 絶対基準(例:デジタル地理データの使用) 測量局が作成した3Dポジショニングデータを使用し て、新しい表面モデルを作成します。 これにより、路面 切削機の3Dコンピュータ、 そしてレベリングシステム に、理想的な切削深さを正確に転送することができま す。作成されたデータモデルの品質は、切削結果の品 質に決定的な影響を与えます。 切削深さの正確な位置を決定するための絶対地理データ基準 基準位置が決まったら、高精度な角度および距離測定 装置(トータルステーション) を使用して現在の機械位 置と切削深さを決定し、 その後の処理のために路面切 削機の3Dコンピュータに転送します。 . 4.2 レベリングプロセス 4.2.1 機械切削深さインジケータによる手動レベリング 小型路面切削機の高さ調整は、 リアクローラーユニッ トのリフティングコラムを昇降させることによって手 動で行います。右側用と左側用にそれぞれ独立した2 基のインジケータが、必要な切削深さ情報をオペレー タに伝達します。切削深さが目標値から逸脱した場合 は、 オペレータがリアのリフティングコラムを使用して 手動で高さを補正します。 実際の施工現場において、 オペレータは常に切削プロ セスとレベリングプロセスを同時に操作する必要があ ります。 このように操作は人的な部分が多く、 自動的に は行われていないため、切削深さにおける逸脱への反 応や、補正の正確さはオペレータの技術によるところ が大きくなります。 切削深さ位置の目視による読み取りと手動高さ調整 114 // 115 4.2.2 自動レベリング (相対基準と絶対基準を使用) 機械のオペレータは、 自動制御レベリングシステムに より、機械の高さ調整作業から解放されます。 自動制 御プロセスの目的は、基準値に基づいて、切削深さま たは切削勾配をできるだけ正確に自動制御することで す。 これは、 さまざまなセンサーの使用を可能にする閉 制御ループです。 切削深さが目標値を逸脱すると、 センサーが検出し、 レ ベリングコントロールが計算します。そして、対応する 機械補正が自動的に開始されます。 基準によって、 さまざまなセンサーを使用し、 さまざま な作業に対応できます。 相対基準に基づくレベリングコントロールによる自動切削深さ調整 相対基準に基づくレベリングコントロールによる自動切削深さ調整 116 // 117 4.3 ヴィルトゲン最新型レベリングコントロール 4.3.1 システム開発の概要 2007年まで 2010 年 DLS1 レベルプロ 2 DLS1切削深さレギュレーターは、操作パネルであると 同時に制御装置でもあります。 ]DLS1は、 ] オペレータプラットフォームで直接 使用することも、左右の切削深さを制御するた めの機械両側の外部ハンドセットとして使用 することも可能です。各制御ループ毎にはレギ ュレーターが1基ずつ必要です (機械側)。 ]サイドプレートセンサーおよび横断勾配センサーの ] アナログまたはCAN測定データ用インターフェイス 新世代のヴィルトゲン大型路面切削機の拡張機能に 対応するために、2010年、 レベルプロを改良し、機械全 体の制御システムに全機能を統合しました。 ]4点振子軸機構の統合 ] ]PTSシステムの統合 ] ]アナログシリンダセンサーの統合 ] ]マルチプレックス用コントロールを標準装備 ] 2007年 レベルプロ レベルプロレベリングシステムは、特にヴィルトゲン路 面切削機用に開発されたもので、モジュールシステム として設計されています。 レベルプロは、 オペレータプラ ットフォームから、機械両側の切削深さを同時に自動 制御できます。 ]オペレータプラット ] フォームまたは機械両側で 使用できるユーザーフレンドリーな操作パネル ]機械両側の切削深さを集中制御するデジタルコント ] ローラで全てのセンサーの計測値を同時管理します ]シンプルで覚えやすい操作コンセプト ] (ユーザー フレンドリーなグラフィカル表示と機能ボタン) ]ZアナログセンサーとCANセンサ ] ーの同時読み取りが可 能 DLS1切削深さコントローラは、 センサー用の操作および制御 装置です。 4.3.2 ヴィルトゲン レベルプロコントローラ (1および2) レベルプロレベリングシステムのセントラルステーショ ンは、機械本体に設置されているデジタルコントロー ラで、 すべての制御ループを統合管理します。 レベルプ ロは、 すべてのセンサーの計測値を同時管理し、操作 パネルと通信し、機械の昇降調節を制御して、常に良 好な切削結果が得られるようにします。 操作パネルは、 オペレータプラットフォームにも機械両 側にも取り付け可能で、直感的に操作することができ ます。 レベルプロ操作ディスプレイでは、 3つのセンサーを同時に表示することができます。制御装置は、機械内部に設置されています。 118 // 119 4.3.2.1 「MDI」切削深さインジケータ 「MDI」切削深さインジケータは、機械に搭載されてい るレベルプロ油圧シリンダセンサーを使用して、 サイド プレートとスクレーパーの間の実際の距離を測定しま す。 これらの値はレベルプロディスプレイに表示されま す。 ただし、MDIは、 自動レベリング機構とリンクしてお らず、機械の制御回路にはアクセスしません。 高精度な切削深さインジケータにより、 あらかじめ設 定されている値と実際値の間のどんな小さなずれ(例 えば、 ビット摩耗によって生じるずれなど) も迅速に検 出して補正することができます。 その他のメリット: ]機械による切削後の実際の切 ] 削深さの再測定は不要 ]誤った切削深さによる作業の可能性を防止 ] ]機械オペレータは、 ] 実際の切削結果を使 用して容易にモニタリングが可能 サイドプレートとスクレーパーとの間の位置差異の値は、 レベリングコントロールディスプレイによって測定し、表示します。 4.4 最新型センサー 4.4.1 ケーブルセンサー ケーブルセンサーは、 サイドプレートに取り付けられて いる垂直センサーです。サイドプレートは基準面を機 械的にスキャンすると同時に、センサーは凹凸または 垂直の差も測定します。 この直接測定の結果、表面が コピーされます。 ケーブルセンサーは頑丈なため、厳し い気象条件でも、信頼性の高いスキャンを確実に行い ます。 ワイヤによりサイドプレートに接続されている機械式ケーブルセンサーは、 サイドプレートと機械シャーシの間の差(切削深さ) を 測定します。 120 // 121 4.4.2 油圧シリンダセンサー 最新世代の大型路面切削機には、両側のサイドプレー トにある両方のリフティングシリンダに変位センサー が内蔵されています。 これらのセンサーは、摩耗せず、 油圧シリンダハウジングによって機械的に保護されて います。切削基準面は、 この柔軟な測定方法によって 確実にコピーされます。 油圧シリンダのパスセンサーが、 サイドプレートと機械シャーシの間の差(切削深さ) を測定します。 4.4.3 超音波センサー 超音波センサーは、接触することなく機能し、 サイドプ レートの高さや、切削ドラムに隣接する基準面または 切削ドラムの前にある基準面の両方をスキャンするこ とができます。超音波センサーは、高周波音波を放出 し、基準面に当たって跳ね返るその音波を再び検出し ます。信号を送受信する間の時間が、表面との距離の 測定となります。 この測定プロセスでは、音速の周囲温度による影響を 考慮する必要があります。例えば、通過車両からの突 風は、測定に一時的に影響を与えることがあります。 環境における一般的な温度変化によって生じた測定 誤差は、装置内の対応するセンサーにより概ね補正さ れます。 . 非接触型超音波センサーは、機械から基準面までの距離を測定します。 122 // 123 4.4.4 スロープセンサー 機械に固定されているスロープセンサーは、相対基準 を使用できない場合の表面作成に使用します。 スロー プセンサーの測定機構は摩耗を伴いません。 あらかじ め定義された横断勾配を用いて表面を作成すること ができます。 レベルセンサーを使用して、重力基準までの絶対差を測定します。 4.4.5 超音波スキーセンサー 超音波スキーセンサーには、丁張の非接触スキャン ( 丁張に対して垂直なセンサーのアライメント) にも、表 面のスキャン (進行方向のセンサーまたはサイドプレー トに平行なセンサーのアライメント) にも使用できる5 台の超音波センサーが内蔵されています。表面をスキ ャンすると、個々の超音波測定値の平均が計算され、 測定値が形成されます。切削しなければならない表面 の凹凸が素早く補正されます。 これら5つの超音波測 定値のうち、平均値の計算に使用されるのは3つだけ です。最大値と最小値は除外されます。 ケーブルスキャンの場合は、 センサーを切り替えて、 そ の切り替えに応じた場所にセンサーを移す必要があり ます。 ここでは、最小の超音波測定値だけが評価され ます。測定は温度や風の影響を受けやすくなっていま す。 このため、 センサーでは、個々の基準測定値を用い て素早く温度補正ができるようになっています。超音 波スキーセンサーは、機械上に縦または横に取り付け られます。 非接触型超音波スキーセンサーは、機械から基準面までの距離を測定します。丁張基準への設定変更も可能です。 124 // 125 4.4.6 マルチプレックスシステム マルチプレックスシステムは、長いスパンで凹凸を測定 し、機械の片側または両側に搭載されている複数のセ ンサー(例えば、 ケーブルセンサー、超音波センサー、 シリンダセンサーなど) を組み合わせて使用します。 接続されているセンサーの平均値を使用して、現在の 切削深さを高精度で計算します。 したがって、縦方向 の起伏の高度な補正が可能になります。 マルチプレッ クスシステムは、特にファインミリング作業に適してい ます。 マルチプレックスレベリングシステムでは、複数のセンサー信号のそれぞれの数値の平均値を算出します。 これにより、凹凸を大幅 に平坦にすることができます。 cm 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 m 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 m cm 6 5 4 3 2 1 0 シンプルなセンサー(上の画像) とマルチプレックスシステム (下の画像) を使用した切削深さの平滑化 126 // 127 4.4.7 レーザーセンサー 機械に搭載されているレーザーセンサーは、 回転によ って空間に水平な基準面を作成する回転レーザービ ームの信号を受信します。摩耗しない、非常に精密な 垂直測定は、特にトンネル、空港、競技場、 ホールの切 削作業に適しています。 . この目標値を実際値の差分を基にレベルプロシステ ムが機械を制御します。 レベルプロと3Dコンピュータ は、CANバスを介して相互に接続されています。精密さ が要求されるため、機械の切削速度を常に調節する必 要があります。 レーザーレベリング方式では、機械に搭載されているレーザーセンサー受光器が、 回転レーザービームの信号を受信します。 4.4.8 4.4.8 4.4.8 3Dセンサー 3D 3Dセンサー センサー トータルステーションまたは トータルステーションまたはGPS GPSシステムに システムに よって、現在の機械位置を検出します。これら よって、現在の機械位置を検出します。これら のデータは、計画されている切削面のこれまで のデータは、計画されている切削面のこれまで に生成されたデジタル地形モデルと同期されま に生成されたデジタル地形モデルと同期されま す。 す。 切削プロセスの間、 切削プロセスの間、 3D 3Dコンピュータが機械 コンピュータが機械 の目標位置と実際位置を継続的に同期します。 の目標位置と実際位置を継続的に同期します。 この目標値を実際値の差分を基にレベルプロシ この目標値を実際値の差分を基にレベルプロシ ステムが機械を制御します。レベルプロと ステムが機械を制御します。レベルプロと3D 3D コンピュータは、 コンピュータは、 CAN CANバスを介して相互に接続 バスを介して相互に接続 されています。精密さが要求されるため、機械 されています。精密さが要求されるため、機械 の切削速度を常に調節する必要があります。 の切削速度を常に調節する必要があります。 トータルステーションは、受信機のプリズムに焦点を合わせ、ここから路面切削機の位置と高さ トータルステーションは、受信機のプリズムに焦点を合わせ、ここから路面切削機の位置と高さ トータルステーションは、受信機のプリズムに焦点を合わせ、 ここから路面切削機の位置と高さを計算し、 データが3Dコンピュー を計算し、データが を計算し、データが3D 3Dコンピュータに転送されます。 コンピュータに転送されます。 タに転送されます。 128 // 129 4.5 各種レベリング方式に推奨されるアプリケーション 4.5.1 推奨される使用法の概要 可能なアプリケーション 展開例 表層の除去 4 cmまでの表層の切削、切削速度20 m/min 表層とバインダ層の除去 16 cmのアスファルト層の切削、切削速度8 m/min 自動車道の完全除去 24 cmのアスファルト層の切削、切削速度5 m/min 主に表面の平坦性を求める修正切削作業 縦方向の起伏がある表面のファインミリング 指定されている勾配を持つアスファルトの除去 2 %の横断勾配により、排水を最適化することを目的と した道路のファインミリング コンクリート切削 コンクリート層切削、切削速度8m/min 丁張によって規定されている表面の除去 新しいエッジングを基準とする、 アスファルト 表層の切削 平 坦 面 の 正 確 な 作 成( 屋 内 施 設 の 床 の 修 復 、ト ホールの床表面の切削、深さ2 cmまで ンネル工事など) 地 形 の デ ジ タル モ デル に 従 った 、新 しい 表 面 外 滑走路の切削、切削深さ4 cmまで 形の確立 上記のアプリケーションについては、少なくともメインセンサーを必ず使用してください。表示されている各メインセンサーは、 いず れの場合においても、両方の高さコントローラで使用したり、推奨されているセカンダリセンサーと併用したりすることもできます。 ドラム前方のスキャン スロープセンサー 超音波センサー 超音波スキーセンサー • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • メインセンサー 推奨されるセカンドセンサー 3Dセンサー マルチプレックスシステム • レーザーセンサー サイドプレートセンサー( ケーブルセンサーまたは 油圧シリンダセンサー) • • • • • • • • 代替のセカンドセンサー 適していない 130 // 131 4.5.2 一般的なレベリング方式のアプリケーション例 4.5.2.1 サイドプレート - サイドプレートによるレベリング サイドプレートのケーブルセンサーを使用して、機械の 左側と右側をスキャンします。 メリット ]非常に精密なレベリング方式 ] ]非常に迅速な測定値の反映 ] ]非常に柔軟かつ汎用的なレベリング方式 ] 注: ]表面の凹凸も、 ] コピーされるため、 あまり平坦化されません。 ]基準線は、 ] サイドプレートの重さを 支持できなければなりません。 4.5.2.2 サイドプレート - スロープセンサーによるレベリング 機械左側をサイドプレートのケーブルセンサーで、機 械右側をスロープセンサーでスキャンします。機械の片 側で高さを測定し、反対側は横断勾配を計測して、一 定の平坦な切削プロファイルを生み出します。 メリット ]非常に精密なレベリング方式 ] ]測定センサーを最適に組み合わせや ] すい (例えば、舗装用クラウン) 132 // 133 4.5.2.3 サイドプレートによるレベリング/油圧シリンダによる切削ドラム前方のスキャン 切削しなければならない車線の隣に適切な基準がな い場合は、切削ドラムの前方で、切削されていない表 面を基準とした垂直スキャンを直接行います。油圧シ リンダを介して垂直に動かすことのできるスキッドが、 路面に押し付けられます。 これで、油圧シリンダのセン サーを介して、垂直位置を読み取ることができます。 メリット ]非常に精密なレベリング方式 ] ]非常に迅速な測定値の反映 ] ]非常に柔軟かつ汎用的なレベリング方式 ] ]耐摩耗性の高い油圧シリンダセンサー ] ]機械の隣にスキャンオプションがないため、 ] 切削ドラム前方の硬い表面をスキャン 注: ]切削ドラム前方をスキャンするときのショートスキッ ] ドは、縦方向の起伏を平坦にすることができません。 4.5.2.4 マルチプレックスレベリング方式 コントローラが、各種センサーの測定値から平均値を 計算します。 アームを動かすことにより、 センサーを望 ましい位置に配置することができます。 この方式を使 用すると、特に、縦方向の起伏を効果的に補正するこ とができます。 メリット ]さまざまなセンサーの組み合わせが可能 ] ]路面の高度な平坦化 ] ]アプリケーションに応じた様々な ] センサーポジショニング ]低コストかつ迅速な設置 ] 134 // 135 4.5.2.5 レーザー信号によるレベリング 機械に搭載されている2台のレーザーセンサーが、固 定回転レーザーにより人工的に作成された水平面と の距離の変化を継続的に測定します。 これらのセンサ ーがこの水平面を離脱した場合は、 自動レベリング機 構が信号を受信し、 高さを補正します。 メリット ]機械的な基準点を設定することなく、 ] 広大かつ平坦なエリアを作成 ]レーザーがオペレータの作業空間の ] 上にあるため、柔軟な測定方式 注: ]切削速度をセンサーの測定原理に調整要 ] ]回転レーザーの到達範囲が限定される ] 4.5.2.6 3Dポジショニングによるレベリング 3Dモデルにおいて、 目標とする機械位置と実際の機械 位置の間の同期を連続的に行っているため、既設面と は独立した目標表面を形成することができます。精度 要件に従い、切削速度を調節する必要があります。 メリット ]デジタル地形モデルによる独立した垂直基準 ] ]次の建設プロセスのために、 ] 最 適な切削面外形を形成 注: ]施工現場の条件が、 ] トータルステーション の使用を許さなければなりません 。 ]デジタル地形モデルは、 ] 切削プロセスの 前に作成しなければなりません。 ]切削面は、 ] 3D測定方式を使用して 確認しなければなりません。 136 // 137 4.5.2.7 サイドプレートによるレベリング/超音波センサーによるスキャン サイドプレートのケーブルセンサーを使用して、機械の 左側と右側をスキャンする代わりに、超音波センサー を使用してスキャンします。超音波センサーは、接触す ることなく機能し、 サイドプレートの高さと、切削ドラム に隣接する基準面または切削ドラムの前にある基準 面の両方をスキャンすることができます。 メリット ]地面が緩んでいても、 ] または硬くてもス キャンができる非接触測定方式 ]非常に迅速な測定値の反映 ] ]非常に汎用的なレベリング方式 ] 注: ]表面の凹凸がコピーされる ] ]風、 ] 熱などに影響を受けやすい 4.5.2.8 サイドプレートによるレベリング/超音波スキーセンサーによる丁張のスキャン 超音波スキーの垂直配置により、丁張などの基準を非 接触でスキャンすることができます。効果的な温度補 正測定により、 ここで求められる測定値は非常に高い 信頼性を有しています。 メリット ]丁張またはグラスファイバーロッド、 ] および凹 凸の大きい表面も非接触でスキャン可能 ]非常に迅速な測定値の反映 ] ]非常に汎用的なレベリング方式 ] 138 // 139 4.6 レベリングの品質 4.6.1 最新機械技術を使用した最良のレベリング結果 最新機械技術を実現するための多くの技術開発は、 良 好なレベリング結果と機械オペレータの大幅な負担軽 減を一貫して確実なものにします。特に、技術プロセス の漸進的な自動化は、 レベリングの最適化に大きく貢 献しています。 機種、構成、環境パラメータによって、各機械のレベリ ングの方法は異なります。 レベルプロレベリングシステ ムは機種毎に最適化されたパラメータを、作業プロセ スの間に呼び出し、機械オペレータが手動でパラメー タを調節しなくても、 自動的に機械のシリーズを検出 し、 パラメータを修正します。 最新機械技術のメリット: ]PTS ] (対地平行車体コントロールシステム) 路面切削機は、切削プロセスの間、 フロントクロー ラーユニットとリアクローラーユニットを同時に下 げるときや、 リアクローラーユニットが切削レーン に進入するとき、 あるいは切削深さを変えたとき には必ず、 PTSによって、縦方向の路面に対して自 動的に平行になります。 この自動機能は、機械オペ レータの負担を大幅に軽減することになります。 最適な切削深さを実現するために、 リアクローラ ーユニットを手動で動かす必要はなくなります。 ]4点振子軸機構 ] PTSは、4点振子軸機構のコンセプトに基づいていま す。 ここでは、 4つすべてのリフティングコラムが油圧 で相互連結されています。 クローラーユニットのうち の1つが地面の凹凸に当たった場合は、他の3つのク ローラーユニットが垂直差を補正します。 4軸振子 軸機構の原理によって、垂直補正がより迅速に実施 されるだけでなく、機械の走行安定性も大幅に向上 します。 ]自動ポジショニング機構 ] 自動ポジショニング機構は、所定の最大切削深さま で機体を下げるときの補助機構です。 レベルプロ自 動機構を作動させると (新世代の大型路面切削機に のみ適用)、切削ドラムが回転しながら全てのクロー ラーユニットが同時に高速で下がります。機械が表 面に到達すると、入力した切削深さの目標値に切削 ドラムが到達するまで、降下速度が連続的に低下し ます。 この自動制御されたポジショニングは、 ビット の摩耗を低減するだけでなく、切削作業を開始した ときにビットが破損するリスクも大幅に低減します。 ]センサーの種類ごとの制御速度の調節 ] レベルプロコントローラは、センサーのデータを評 価し、機械の高さを調節します。常に良好な切削結 果と高品質を実現するために、切削プロセスの間、 各センサーをそれぞれ最適に構成することができ ます。 設定および構成作業は、切削プロセスの間に行うこ とができます。 これらの作業により、効率と利便性の 両方が向上します。 140 // 141 4.6.2 切削速度と環境パラメータがレベリングプロセスに与える影響 レベリングプロセスは、以下のような多数の要因に影 響されます。 ]機械の機種とシリーズ ] ]センサーの種類と数 ] ]環境パラメータ ] ]施工現場の状況 ] このような要因に影響されることなく、機械オペレータ が各状況に適切に対応し、最良の切削結果を得るた めに均一な切削速度で作業することを可能にしなけ ればなりません。 一方で、使用する機械や切削ビットなどの一般条件に はじまり、 データの処理速度(人間/コントローラ)、機 械の走行速度(油圧)に至るまで、切削速度の低下を 招く制限も多々あります。 センサー測定値の取得速度 も、重要な役割を果たしています。 これは特に、選択し たセンサーとその測定原理によって影響されます。例 えば、横断勾配の測定値の取得は、 ケーブルセンサー を使用して高さの測定値を取得するよりも大幅に遅く なります。 原則としては、使用条件に応じて、 センサーと切削速度 の理想的な組み合わせを見つけ出す必要があります。 142 // 143 5 コアテクノロジー:機械制御 5.1 路面切削機の制御プロセス146 5.1.1 手動制御147 5.1.2 WIDRIVE制御148 5.1.3 自動切削性能調節151 5.1.4 油圧式および電子式ディファレンシャルロック152 5.1.5 路面切削機の診断システム154 5.1.6 路面切削機のジョブデータ収集155 144 // 145 5.1 路面切削機の制御プロセス 昨今の路面切削機は非常に効率的な建設機械となっ ております。なかでも高い切削性能は、最も重要な要 素です。 高い切削性能を実現するには複雑な機械操作 が伴います。機械オペレータによる完全手動での機械 制御に加え、現在では、 コンピュータ支援による機械 制御の使用が増加しています。 機械オペレータは、特に最新型の高性能な路面切削 機の操作において、 このようなコンピュータ制御(例え ば、WIDRIVE) によりサポートされます。 大型路面切削機に搭載された最新型の操作および情報ディスプレイ 5.1.1 手動制御 手動制御の場合、 個々の機能は機械オペレータが操作 します。 すべての機械機能は、手動のスイッチまたは制 御バルブによって操作されます。 したがって、 その手順 は、機械オペレータと機械オペレータの実務経験によ ってしか監視されません。 小型路面切削機に搭載されている代表的な手動機械制御 146 // 147 5.1.2 WIDRIVE制御 最新型の路面切削機は、 自動作業プロセスで特に効 果的なインテリジェント機械制御を特長としていま す。 さまざまなセンサー信号がコントロールによって 入力値として処理され、 アクチュエータ (例えば、油圧 制御バルブや電気スイッチ)を介して機械動作や物 理値に変換されます。 このプロセスにおいて、実際値 は常に目標値と比較され、 ずれが修正されます。修正 は、WIDRIVE制御システムを介して自動的に行われま すが、手動で無効にすることもできます。 制御作業: ]出力信号を作成するための入力 ] 信号の論理リンクと評価 ]評価とその後の処理を行うため ] のデータの登録と保管 ]機械機能の制御/調節 ] –適切な順序での時間軸に基づい た制御アクションシーケンス –故障の診断と評価 WIDRIVEのような機械一体型制御コンセプトの開発 は、生産性向上の新たな可能性を開きます。 ヴィルトゲン路面切削機のインテリジェント制御シス テムであるWIDRIVEは、機械の頭脳として機能します。 ディーゼルエンジン、走行および切削ドラム駆動、 コン ベア駆動、散水システム、垂直昇降装置、 ステアリング、 レベリング、切削装置のような最も重要な機能が集中 管理により相互にリンクし、 自動的に制御されます。 ま た、 これと同時に、関係する環境的側面や、 カッティン グ性能の向上、運転費の削減を考慮しながら、路面切 削機の大きな可能性を最適に活用します。 現在の自動制御機能の概要: 走行および切削モードの自動エンジン速度調節 ]切削モードでの自動速度調節 ] –切削プロセスが開始されると、 エンジンは自動 的に作業速度を設定し、切削プロセスが終了す ると、 エンジンは自動的にアイドルモードに入 ります。 これにより、燃料消費が削減されるだけ でなく、発生する騒音も大幅に低減されます。 ]回送モードでの自動速度調節 ] –最高走行速度に到達する場合のみ、エンジンは 最高速度まで加速します。その他の場合は、走行 速度に応じて、できるだけ低速を維持します。 ここでも発生する騒音の低減、燃料消費の 削減が重要な2つのメリットといえます。 エンジンステーション 水システム 切削ドラムアセンブリ 走行駆動 切削廃材の積み込み 高さ調整 さまざまな機械機能をWIDRIVEシステムでリンクすることによって実現する自動機械制御システム 148 // 149 4点振子軸機構および垂直昇降調節システム ]自動アライ ] メントは、機械が常に路面と平行に 動作し、垂直昇降調節を行う必要があるとき は、 そのタイミングを自動的に検出するようにし ます。 これにより、機械の安定性を向上させると ともに、 オペレータの負担を軽減し、 オペレータ が切削作業だけに集中できるようにします。 こ の目的のために、複数のセンサー信号が連携す ることにより、機械コントローラが現在の機械 高さ位置と機械状態を評価し、修正します。 自動散水管理 ]切削ドラムを始動させたとき、 ] 自動で散水システ ムがオンになり、走行を停止させるとオフになりま す。水の消費量を大幅に削減することができます。 ]水ポンプの圧力は、 ] エンジン負荷と 切削速度に応じて増減します。 自動コンベア速度調節 ]ディーゼルエンジンの速度が低下した場合で ] も、 自動コンベアの速度は一定に保たれるた め、安定した排出が確保されます。 また機械 が回送モードで後進する際にはコンベアは自 動でオフになり、廃材の漏出を防ぎます。 WIDRIVEが提供する重要なメリット: 人々のための技術:路面切削機の簡便な操作と実践 重視の最新機能は、機械オペレータが作業をより簡単 に行えるようにするだけでなく、機械オペレータのモチ ベーションも上げます。 したがって、機械オペレータは 切削プロセスに完全に集中できます。 望ましい全体的な環境バランス:最適化されたエンジ ン制御により、排気ガスによって生じる環境への負担 を軽減します。 また、 これと同時に、騒音も大幅に低減 されます。 運転費の削減:操作手順を簡便化することにより、切 削性能の向上に加えて、 ディーゼル燃料の消費量削減 (状況に応じた速度制御) と水の消費量削減(自動接 続および自動切断) も実現します。 5.1.3 自動切削性能調節 自動切削性能調節は、 エンジン負荷に基づいて切削 速度を最適化します。 あらかじめ設定されているエン ジン速度を下回った場合は、 自動的に切削速度を減 速します。 この結果、機械制御によって、最大限の切削性能を発 揮する最適な切削速度の自動設定が制御回路で行わ れるようになります。 エンジン負荷による最大切削速度の自動制御 150 // 151 5.1.4 油圧式および電子式ディファレンシャルロック 油圧式ディファレンシャルロックは、走行クローラーユ ニットに推進力を均等に分配します。 ここでは、 4つの 均等な流量率で油圧流量(オイル量) を駆動ポンプか ら分配し、 いわゆるフローディバイダーによってクロー ラーユニットチェーンの駆動モーターに供給します。 これにより、個々のクローラーユニットチェーンが同期 された速度で動作し、個々のクローラーチェーンのず れを減少させます。 クローラーユニット駆動モーター 油圧オイルフローディバイダー 油圧ポンプドライブ 中央フローディバイダーを介した油圧式ディファレンシャルロックの全体 電子式ディファレンシャルロック (ISC) は、 それぞれの クローラーユニットチェーンの個々の駆動モーターを 介して、 クローラーユニットチェーンの速度を個々に直 接調節します。 また、 これと同時に、 センサーによって各 クローラーユニットチェーンの速度を検出し、 目標値と 比較してISCによりずれを自動的に補正します。 . さらに、ISCは、 カーブを曲がるときの内側クローラー ユニットと外側クローラーユニットの速度差を考慮し ます。 このような電子式ディファレンシャルロックの特 性により、 いつでも最適なトラクションが確保されると ともに、小さいカーブ半径でも旋回しやすくなり、摩耗 も減少します。機械が負荷のかからない回送走行の際 は、ISCは自動的にオフになります。 クローラーユニット駆動モーター 速度測定用センサー 油圧ポンプドライブ 状況に応じてクローラーユニット駆動モーターをコントロールする最新型の自動調節ディファレンシャルロック 152 // 153 5.1.5 路面切削機の診断システム ヴィルトゲン情報診断システムにより、ユーザーは現 在の運転データを迅速かつ包括的に監視することが できます。機械の自動自己診断が、ディーゼルエンジ ン、油圧部品と電気部品を自動的に監視します。 診断システムによる自動監視の例: ]現在のエンジンの状態 ] (速度、 温度、 フィルター状態) ]現在の油圧系統の状態 ] (バルブ位置、 圧力、 フィルター状態、温度) ]現在の電気系統の状態 ] (スイッチ、 ケ ーブルおよびセンサー機能) ]メンテナンス間隔 ] 故障が表示されると同時に、 それに応じたトラブルシ ューティングが即座に開始されます。 最新型の大型路面切削機に搭載されている走行駆動診断用の操作ディスプレイ 5.1.6 路面切削機のジョブデータ収集 機械制御とレベリングシステムをリンクすることによ り、最新型の路面切削機にはさまざまな性能データ を表示することができます。例えば、ジョブデータ収 集を使用すれば、機械制御によって日々の施工量(単 位:m3またはt) を計算し、表示できるようになります。 最も重要なジョブデータの詳細: ]最適なトラック積み込みのためのト ] ラックの積み込み量の表示 ]1日の間に積み込んだトラック数の表示 ] ]1日または機械の全累計切削量の総重量の表示 ] ]1日または機械の全累計切削面の表示 ] 最新型の大型路面切削機に搭載されているジョブデータ収集用の操作ディスプレイ 154 // 155 6 路面切削機の使用 6.1 アスファルト道路の層ごとの除去158 6.1.1 W 50 DC-小型路面切削機による修復切削158 6.1.2 W 100 F-アスファルト層の完全除去159 6.1.3 W 210-表層とバインダ層の層ごとの除去160 6.1.4 W 250-表層のリニューアル161 6.2 コンクリート道路の切削162 6.2.1 W 150-コンクリートの切削162 6.2.2 W 250-コンクリート道路の完全除去163 6.3 その他の材料の層ごとの除去164 6.3.1 W 350 E-土間表面の除去164 6.3.2 W 210-競技場の切削165 6.4 道路の再形成166 6.4.1 W 2000-コンクリート表面のファインミリング166 6.4.2 W 2000-表面作業の予備切削167 6.5 その他の特殊切削168 6.5.1 W 50 DC-ランブルストリップスの切削168 6.5.2 W 50 DC-溝の切削169 6.5.3 W 35 DC-路面標示の除去170 6.5.4 W 350-路面電車の線路周辺の切削171 156 // 157 6.1 アスファルト道路の層ごとの除去 6.1.1 W 50 DC-小型路面切削機による修復切削 切削作業: 閑静な住宅地の傷んでいる路面を再建しなければな りませんでした。路面を再建するために、面積970 m2 の表層を深さ4 cmまで切削してから、切削粒をトラッ クに積み込みました。 注意事項: ロジスティクスに関する理由から、 フロントローディン グ式のコンパクトなW 100 Fを使用することができま せんでした。道幅が狭かったために、狭い空間で効率 的な切削が行える、優れた操縦性と高い性能を備えた 機械が必要でした。 これらの要件を満たしたのがW 50 DCでした。 施工現場の情報 総面積(m2) 970 切削深さ (m) 0,04 除去量(m ) 38,8 3 機械のデータ 機種 W 50 DC 切削幅(m) 0,5 切削速度理論値(m/min) 8,3 実際の切削性能(m3/h) 5,0 実施時間(h) 7,8 6.1.2W 100 F -アスファルト層の完全除去 切削作業: 市街地の端にある道路を幅2.5 m、全長800 mにわた って切削しました。使用したW 100 Fは、表面修復の ために特別に設計されたもので、 アスファルト層を完 全に除去します。路面切削機の大型フロントローディ ングコンベアによって、切削廃材をトラックに積み込 みました。 注意事項: 道路のこの部分には、 マンホール、 バルブカバー、水路 など、 多数の設備があり、 このような設備の周辺を切削 しなければなりませんでした。 施工現場の情報 総面積(m2) 2.000 切削深さ (m) 0,24 除去量(m ) 480 3 機械のデータ 機種 W 100 F 切削幅(m) 1,0 切削速度理論値(m/min) 4,0 実際の切削性能(m3/h) 25,9 実施時間(h) 18,5 158 // 159 W 210 – 表層とバインダ層の層ごとの除去 6.1.3 切削作業: 面積6,000 m2の田園道路の表層とバインダ層の両方 を層ごとに除去しなければなりませんでした。表層は 深さ4 cmまで除去していたのに対し、表層の下のバイ ンダ層は8 cmまで切削しました。 この切削作業は、幅 広い性能と燃費の良いディーゼル駆動設計(デュアル エンジンコンセプト) を特長とするコンパクトなW 210 大型路面切削機を使用して実施しました。 注意事項: 交通障害を最小限に抑えるために、交通量の多い道 路の片側だけを閉鎖しました。道路のもう一方の側で は、走行車両を誘導して施工現場を通過させました。 施工現場の情報 総面積(m2) 2 x 6.000 = 12.000 切削深さ (m) 0,04 / 0,08 除去量(m ) 240 + 480 = 720 3 機械のデータ 機種 W 210 切削幅(m) 2,0 切削速度理論値(m/min) 26,0 / 18,0 実際の切削性能(m3/h) 66,0 / 95,0 実施時間(h) 3,6 + 5,1 = 8,7 W 250 – 表層のリニューアル 6.1.4 切削作業: 交通量の多い幹線道路の表層全体を面積30,000 m2 にわたって完全にリニューアルしました。強力な動力化 と高い運搬能力を特長とする高性能なW 250路面切 削機を使用しました。表層は深さ4 cmまで切削しまし た。除去効率を最適化するために、除去幅7.6 mに対し て作業幅3,800 mmの切削ドラムを選択しました。 注意事項: 交通荷重が大きいため、短期間でこの建設工事を完 了させるには大きなプレッシャーがかかりました。 W 250が広大な面積に対応する高性能切削機だったた め、非常に短期間で切削作業を完了することができ ました。 施工現場の情報 総面積(m2) 30.000 切削深さ (m) 0,04 除去量(m ) 1.200 3 機械のデータ 機種 W 250 切削幅(m) 3,8 切削速度理論値(m/min) 23,3 実際の切削性能(m3/h) 127,0 実施時間(h) 9,4 160 // 161 6.2 コンクリート道路の切削 W 150 – コンクリートの切削 6.2.1 切削作業: 企業構内の損傷の激しいコンクリート面8,700 m2を 深さ10 cmまで切削しなければなりませんでした。 コン パクトなW 150大型路面切削機は優れた除去性能を 特長とし、 コンクリート面であっても、迅速な作業を可 能にします。 注意事項: 特に高い切削性能を発揮するために、 ビットライン間 隔25のエコカッターを使用しました。 施工現場の情報 総面積(m2) 8.700 切削深さ (m) 0,10 除去量(m ) 870 3 機械のデータ 機種 W 150 切削幅(m) 1,5 切削速度理論値(m/min) 4,9 実際の切削性能(m3/h) 19,0 実施時間(h) 46 W 250 – コンクリート道路の完全除去 6.2.2 切削作業: A 5(ドイツ高速道路) のコンクリート道路の完全修復 のため、2層(10 cmと20 cm) の総面積25,000 m2を 完全に除去しなければなりませんでした。W1/17ビッ トを装備したエコカッターを使用して、 コンクリートを 切削しました。 . 注意事項: 最初の切削パスの間に、鋼鉄製のピンが露出しまし た。2回目の切削パスで、残っているコンクリートを切 削し、鋼鉄製のピンを破壊しました。 施工現場の情報 総面積(m2) 2 x 25.000 = 50.000 切削深さ (m) 0,10 + 0,20 除去量(m ) 2.500 + 5.000 3 機械のデータ 機種 W 250 切削幅(m) 2,2 切削速度理論値(m/min) 7,6 + 4,0 実際の切削性能(m3/h) 47,0 + 55,0 実施時間(h) 53 + 91 162 // 163 6.3 その他の材料の層ごとの除去 W 350 E – 土間表面の除去 6.3.1 切削作業: 教会での修復作業の間、面積46 m2の土間表層を切 削深さ6 cmまで除去しなければなりませんでした。 コンパクトな電動式W 350 Eを使用することで、有害 な排気ガスを排出することなく切削することができま した。 注意事項: 教会の内部をできるだけ汚さないようにするために、 切削の結果として生じる粉塵を即座に抽出しなければ なりませんでした。W 350 Eは、抽出システムのアタッチ メントとして独立した抽出接続を備えています。 施工現場の情報 総面積(m2) 46 切削深さ (m) 0,06 除去量(m ) 2,8 3 機械のデータ 機種 W 350 E 切削幅(m) 0,35 切削速度理論値(m/min) 2,2 実際の切削性能(m3/h) 1,0 実施時間(h) 2,7 W 210 – 競技場の切削 6.3.2 切削作業: スポーツクラブのグレーグラウンドの表面全体(7,200 を深さ8 cmまで切削しました。使用したのは強力 m2) なW 210大型路面切削機で、 この切削機は、 その経済 的な駆動コンセプトにより、 さまざまな使用において最 適な切削性能を発揮します。表面の切削には、1エンジ ンの使用で十分でした。 注意事項: 革新的なオペレータコンフォートシステムにより、 W 210は運転の快適性と利便性に基準を確立していま す。油圧式旋回運転室は、機械オペレータが最良の視 界を確保できるようにします。 また、 この運転室には、 高品質な室内が装備されています。 施工現場の情報 総面積(m2) 7.200 切削深さ (m) 0,08 除去量(m ) 576 3 機械のデータ 機種 W 210 切削幅(m) 2,0 切削速度理論値(m/min) 40,0 実際の切削性能(m3/h) 115,2 実施時間(h) 5 164 // 165 6.4 道路の再形成 W 2000 – コンクリート表面のファインミリング 6.4.1 切削作業: コンクリート表面5,000 m2の水平面をファインミリン グによって修復しなければなりませんでした。 ビットラ イン間隔6x2のファインミリングドラムを装備したW 2000路面切削機を使用しました。 注意事項: ファインミリングにより、路面の変形をなくし、平坦で 水平な表面を作成します。 施工現場の情報 総面積(m2) 5.000 切削深さ (m) 0,008 除去量(m ) 40 3 機械のデータ 機種 W 2000 切削幅(m) 2,0 切削速度理論値(m/min) 12,0 実際の切削性能(m3/h) 5,2 実施時間(h) 7,7 W 2000 – 表面作業の予備切削 6.4.2 切削作業: 薄層の表面被覆の敷設に備えて、 アスファルト表面 45,000 m2をビットライン間隔6x2のファインミリング ドラムによって平均深さ1.5 cmまで切削しなければな りませんでした。 注意事項: 薄層舗装の予備測定に加えて、切削では水平性を改 善する必要もあります。 マルチプレックスレベリングシ ステムを搭載したW 2000路面切削機を使用すること によって、要求される以上の水平度を実現することが できました。最適な粗度が与えられた非常に水平な表 面は、新しい薄層の舗装に最適です。 施工現場の情報 総面積(m2) 45.000 切削深さ (m) 0,015 除去量(m ) 675 3 機械のデータ 機種 W 2000 切削幅(m) 2,0 切削速度理論値(m/min) 18,0 実際の切削性能(m3/h) 17,5 実施時間(h) 38,6 166 // 167 6.5 その他の特殊切削 6.5.1 W 50 DC – ランブルストリップスの切削 切削作業: 道路の端にあるランブルストリップスは、 ドライバーが 道路から逸れかかっているときに、疲れたドライバーの 注意を喚起し、 目が覚めるようにします。 W 50 DCを使 用し、48 kmにわたる道路に沿って、 アスファルトに断 続マークを切削しました。 注意事項: 切削作業は、 ランブルストリップスアタッチメントパッ ケージを使用し、 W 50 DC切削機の簡単な改造を行う ことによって実施しました。 施工現場の情報 全長 (km) 48 機械のデータ 機種 W 50 DC 切削速度理論値(m/min) 22,0 実施時間(h) 49 W 50 DC – 溝の切削 6.5.2 切削作業: 交通ガイダンスシステムのケーブルを敷設できるよう にするために、幅8 cmの溝を深さ30 cmまで切削しな ければなりませんでした。強力なW 50 DC小型路面切 削機では、 ナローカッティングリングやサイドミリング ホイールを装備して、 スリットを切削することができま す。 注意事項: 狭い半径でも、低摩耗で正確な切削を行うことがで きます。 施工現場の情報 総面積(m2) 1.230 切削深さ (m) 0,30 除去量(m ) 29,5 3 機械のデータ 機種 W 50 DC 切削幅(m) 0,08 切削速度理論値(m/min) 3,3 実際の切削性能(m3/h) 2,4 実施時間(h) 12,4 168 // 169 6.5.3 W 35 DC – 路面標示の除去 切削作業: 5.6 kmにわたって路面標示を除去しなければなりませ んでした。汎用性を備えたW 35 DC小型路面切削機に より、塗料または熱可塑性物質による標示を完全に除 去することができます。 注意事項: 施工されていない表面から切削したストリップへ緩や かに移行するように、両側にテーパーエッジの付いた、 ビットライン間隔の狭い特殊ミリングドラムを使用し ました。 施工現場の情報 全長 (km) 5,6 機械のデータ 機種 W 35 DC 切削幅(m) 0,15 切削速度理論値(m/min) 12,0 実施時間(h) 10 6.5.4 W 350 – 路面電車の線路周辺の切削 切削作業: 路面電車の線路沿い520 mにわたって、膨張目地を切 削しなければなりませんでした。 この目的のために、汎 用性を備えたW 350小型路面切削機に特別設計のレ ール切削キットを装備しました。 このキットを使用する ことで、設定切削深さをロックし、 レール左右の表面を シングルパスで切削することができました。 施工現場の情報 全長(m) 520 機械のデータ 機種 W 350 切削速度理論値(m/min) 4,1 実施時間(h) 5 170 // 171 7 切削性能の計算 7.1 切削性能に影響を与えるパラメータ174 7.2 切削性能の計算例176 7.2.1 性能値を求める際の基本的なガイドライン176 7.2.2 W 35 DCの計算例178 7.2.3 W 50 DCの計算例179 7.2.4 W 130 Fの計算例180 7.2.5 W 210の計算例181 7.2.6W 250の計算例182 172 // 173 7.1 切削性能に影響を与えるパラメータ 機械の切削性能は、施工現場での切削速度によって 求めることができます。実際の日常的な切削性能を求 めるには、切削速度以外の多くの要因を考慮する必要 があります。 このような要因には、実際の切削作業に加 えて、切削ドラムの種類、 ビットの摩耗/交換時期のよ うなさまざまな機械パラメータ、 アスファルト組成のよ うな材料パラメータ、 また廃材搬送を含む施工現場条 件があります。 影響パラメータ 切削ドラムの種類 切削ドラム速度 ビットの種類 注:ここに示す値は参考値です。 その結果、実際の日常的な切削性能で最大限可能な 許容係数は、25%から70%の間で変動する可能性が あります。簡単な想定では、小型路面切削機での許容 係数は70%、大型路面切削機での許容係数は50%に なると思われます。 . 可変例パラメータ 切削性能全体の変化 ビットライン間隔25 mm、 エコカッター 20% ビットライン間隔15 mm、 スタンダードミリングドラム 0% ビットライン間隔8 mm -35% ビットライン間隔6 mm x 2ビット -60% 高速 -20% 中速 0% 低速 10% W4ビット -5% W5ビット 0% W6ビット 5% W7ビット 3% W8ビット -3% 影響パラメータ 可変例パラメータ 切削性能全体の変化 軟質アスファルト 25% 中質アスファルト 0% 硬質アスファルト -30% 軟質コンクリート -10% 中質コンクリート -35% 硬質コンクリート -60% 摂氏-10~0℃ -25% 層 の 温 度( 主 にアスファ 摂氏0~15℃ ルトに影響) 摂氏15~30℃ -10% 摂氏30℃以上 20% 封鎖された道路、完全除去 20% トラックの出入りが制限される狭い施工現場条 件、完全除去 10% トラックの出入りが制限されていない、表層の切 削作業 0% 切削する層の特性 施工現場の状況 輸送ロジスティクス オペレータ 0% 多数の障害物がある部分的な小規模切削面 -25% 多くの障害物がある切削面 -60% 材料積み込みなし 15% 路面切削には十分なトラック、待ち時間なし 0% トラック不足、待ち時間25% -30% トラック不足、待ち時間50% -60% 高度な経験とモチベーション 15% 平均的な経験 0% 経験不足 -15% 174 // 175 7.2 切削性能の計算例 7.2.1 性能値を求める際の基本的なガイドライン 凡例 略語 単位(略語) 説明 FB メートル (m) 機械切削幅 FT メートル (m) 切削深さ Fg メートル/分(m/min) A 平方メートル (m ) 切削表面積 Ap 平方メートル/時(m2/h) 1時間あたりの実際の切削面積 係数a パーセント (%) 許容係数 V 立方メートル (m ) 切削した材料の体積 G トン (t) 切削速度 2 3 切削した材料の重量 P トン/立方メートル (t/m ) 材料の密度 Z 時間(h) 作業時間の合計 M 個 実際のビット消費量の合計 3 性能値を求めるための式 1時間あたりの実際の面積性能Ap Ap(m2/h)= 切削速度Fg(m/min)x 60 min/h x 機械切削幅FB(m)x (1-係数a) 実際に切削した材料の体積V (m3) 3 2 V(m )= 切削表面積A(m )x 切削深さFT (m) 実際に切削した材料の重量G(t) G(t)= 切削した材料の体積V(m3)x 材料の密度(t/m3) 実際に必要な作業時間Z (時間) Z(h)= 切削表面積A (m2)/ 切削表面積性能Ap (m2/h) 施工現場で実際に必要なビット数M(個) M (個)= ビット消費量(個/m3)x 実際に切削した材料の体積V(m3) 材料の密度 材料グループ アスファルト コンクリート 建設材料 堆積岩 体積密度(圧縮) 切 削 粒 のかさ密 度 (未圧縮) アスファルト路盤:0/32 mm 2,45 t /m³ 1,9 t /m³ アスファルトバインダ層:0/22 mm 2,47 t /m³ 1,95 t /m³ アスファルトコンクリート:0/16 mm 2,45 t /m³ 2,05 t /m³ コンクリート:B25 2,45 t /m³ 2,2 t /m³ 砂礫:0~32 mm 2,05 t /m³ 1,72 t /m³ 鉱物路盤:0~56 mm 2,15 t /m³ 1,80 t /m³ 破砕石灰石:32~45 mm 1,75 t /m³ 1,52 t /m³ ライン川の砂:0~2 mm 1,85 t /m³ 1,56 t /m³ マイン川の砂:0~2 mm 1,90 t /m³ 1,60 t /m³ 粉砂 2,15 t /m³ 1,80 t /m³ 砂岩 2 - 2,7 t /m³ 1,2 - 1,6 t /m³ 鉄鉱石 3,8 - 5,3 t /m³ 3,2 - 4,5 t /m³ ボーキサイト 2,3 - 3,5 t /m³ 1,7 - 2,6 t /m³ 石灰石/泥灰土 1,7 - 2,9 t /m³ 1,0 - 1,8 t /m³ 石膏 2,0 - 2,3 t /m³ 1,3 - 1,5 t /m³ 岩塩 1,6 - 3,0 t /m³ 1,2 - 2,4 t /m³ 無煙炭 1,2 - 2,5 t /m³ 0,9 - 2,1 t /m³ 褐炭 1,0 - 1,2 t /m³ 0,8 - 1,0 t /m³ 材料 参照:MFA、2000年版、14~15ページ 176 // 177 7.2.2W 35 DC の計算例 施工現場のデータ: 性能計算: 作業:ドイツにおいて、損傷した駐車場の表層を切削 し、切削廃材をホイールローダーのバケットに積み込 みます。 1時間あたりの実際の切削面積Ap 8 m/min x 60 min/h x 0.35 m x (1-65%) = 58.8 m2/h 機械切削幅:FB = 0,35 m 切削深さ:FT = 0,03 m 切削表面積の合計: A = 7 m x 45 m = 315 m² 表面:軟質アスファルトマスチック 実際に切削した材料の体積V (m3) 315 m2 x 0.03 m = 9.45 m3 表の仕様: ]切削速度 ] :Fg = 8 m/min (36ページの表を参照) ]許容係数 ] :係数a = 65% (174/175ページの表を参照) ]アスファルト材料の密度 ] :P = 2.4 t/m3 (177ページの表を参照) ]ビッ ] ト消費量:0.7個/m3 (37ページの表を参照) 実際に切削した材料の重量G (t) 9.45 m3 x 2.4 t /m3 = 22.7 t 実際に必要な作業時間Z(時間) 315 m2 / 58.8 m2/h = 5.4 h 施工現場で実際に必要なビット数M(個) 0.7個/m3 x 9.45 m3 = 7個 7.2.3W 50 DCの計算例 施工現場のデータ: 性能計算: 作業:ドイツにおいて、都心部にある横道のアスファル ト層を完全に切削し、3軸トラックに切削廃材を積み 込みます。 1時間あたりの実際の切削面積Ap 6 m/min x 60 min/h x 0.3 m x (1-60%) = 72 m2/h 機械切削幅:FB = 0.5 m 切削深さ:FT = 0.10 m 切削表面積の合計: A = 80 m x 3.8 m = 304 m2 表面:中質アスファルト 実際に切削した材料の体積V(m3) 304 m2 x 0.10 m = 30.4 m3 表の仕様: ]切削速度 ] :Fg = 6 m/min (36ページの表を参照) ]許容係数 ] :係数a = 60% (174/175ページの表を参照) ]アスファルト材料の密度 ] :P = 2.35 t/m3 (177ページの表を参照) 実際に切削した材料の重量G (t) 30.4 m3 x 2.35 t /m3 = 71.5 t 実際に必要な作業時間Z(時間) 304 m2 / 72 m2/h = 4.2 h 施工現場で実際に必要なビット数M(個) 0.35個/m3 x 42.6 m3 = 15個 ]ビッ ] ト消費量:0.35個/m3 (37ページの表を参照) 178 // 179 7.2.4W 130 Fの計算例 施工現場のデータ: 性能計算: 作業:ベルギーにおいて、封鎖した街路のアスファルト 表層を切削し、4軸トラックに切削廃材を積み込みま す。 1時間あたりの実際の切削面積Ap 18 m/min x 60 min/h x 1.3 m x (1-50%) = 1,404 m2/h 機械切削幅:FB = 1.3 m 切削深さ:FT = 0.03 m 切削表面積の合計: A = 760 m x 6 m = 4,560 m2 表面:中質アスファルト 実際に切削した材料の体積V (m3) 4,560 m2 x 0.03 m = 136.8 m3 表の仕様: ]切削速度 ] :Fg = 18 m/min (40ページの表を参照) ]許容係数 ] :係数a = 50% (174/175ページの表を参照) ]アスファルト材料の密度 ] :P = 2.4 t/m3 (177ページの表を参照) ]ビッ ] ト消費量:0.36個/m3 (41ページの表を参照) 実際に切削した材料の重量G (t) 136.8 m3 x 2.4 t /m3 = 328.3 t 実際に必要な作業時間Z(時間) 4,560 m2 / 1,404 m2/h = 3.3 h 施工現場で実際に必要なビット数M(個) 0.36個/m3 x 136.8 m3 = 50個 7.2.5W 210の計算例 施工現場のデータ: 性能計算: 作業:アメリカにおいて、封鎖したバイパス道路のアス ファルト表層を完全に切削し、セミトレーラーに切削 廃材を積み込みます。 1時間あたりの実際の切削面積Ap 21 m/min x 60 min/h x 2.2 m x (1-55%) = 1,247.4 m2/h 機械切削幅:FB = 2.2 m 切削深さ:FT = 0.06 m 切削表面積の合計: A = 450 m x 15.2 m = 6,840 m2 表面:軟質アスファルト 実際に切削した材料の体積V (m3) 6,840 m2 x 0.06 m = 410.4 m3 表の仕様: ]切削速度 ] :Fg = 21 m/min (52ページの表を参照) ]許容係数 ] :係数a = 55% (174/175ページの表を参照) ]アスファルト材料の密度 ] :P = 2.35 t/m3 (177ページの表を参照) 実際に切削した材料の重量G (t) 410.4 m3 x 2.35 t /m3 = 964.5 t 実際に必要な作業時間Z(時間) 6,840 m2 / 1,247.4 m2/h = 5.5 h 施工現場で実際に必要なビット数M(個) 0.25個/m3 x 410.4 m3 = 103個 ]ビッ ] ト消費量:0.25個/m3 (53ページの表を参照) 180 // 181 7.2.6W 250 の計算例 施工現場のデータ: 表の仕様: 作業:封鎖した高速道路の車線の表層、バインダ層、 路盤を個別に完全除去し、 セミトレーラーに切削廃材 を積み込みます。 ]切削速度 ] : 表層Fg = 26 m/min バインダ層Fg = 17.6 m/min 路盤Fg = 15 m/min (56ページの表を参照) 機械切削幅:FB = 2.2 m 切削深さ: 表層FT = 0.04 m、 バインダ層FT = 0.10 m、 路盤FT = 0.12 m 切削表面積の合計: A = 3,600 m x 7.9 m = 28,440 m2 表面:中質アスファルト ]許容係数 ] : 係数a = 48% (174/175ページの表を参照) ]アスファルト材料の密度 ] : P = 2.45 t/m3 (177ページの表を参照) ]ビット消費量 ] : 表層 = 0.25個/m3 路盤 = 0.19個/m3 (57ページの表を参照) 性能計算: 1時間あたりの実際の切削面積Ap 表層 : 26 m/min x 60 min/h x 2.2 m x (1-48%) = 1,785 m2/h バインダ層 : 17.6 m/min x 60 min/h x 2.2 m x (1-48%) = 1,208 m2/h 路盤 : 15 m/min x 60 min/h x 2.2 m x (1-48%) = 1,030 m2/h 実際に切削した材料の体積V (m3) 表層 : 28,440 m2 x 0.04 m = 1,138 m3 バインダ層 : 28,440 m2 x 0.10 m = 2,844 m3 路盤 : 28,440 m2 x 0.12 m = 3,413 m3 合計V = 7,395 m3 実際に切削した材料の重量G (t) 7,395 m3 x 2.45 t /m3 = 18,118 t 実際に必要な作業時間Z(時間) 表層 : 28,440 m2 / 1,785 m2/h = 15.9 h バインダ層 : 28,440 m2 / 1,208 m2/h = 23.5 h 路盤 : 28,440 m2 / 1,030 m2/h = 27.6 h 合計Z = 67 h 施工現場で実際に必要なビット数M(個) 表層 : 0.32個/m3 x 1,138 m3 = 364個 バインダ層 : 0.2個/m3 x 2,844 m3 = 569個 路盤 : 0.19個/m3 x 3,413 m3 = 645個 合計M = 1,578個 182 // 183 8 切削品質 8.1 表面特性の分類186 8.2 切削品質の評価188 8.2.1 切削深さの測定190 8.2.2 切削幅の測定191 8.2.3 ビットライン間隔の点検192 8.2.4 切削速度の測定193 8.2.5 長さ4メートルの長尺アルミレベルによる水平度の測定194 8.2.6 プロフィログラフ/プラノグラフによる水平度の測定195 8.2.7 レーザースキャン法を使用した水平度の測定196 8.2.8 サンドパッチ法を使用した粗さの測定197 8.2.9 SCRIM (SKM)試験を使用した路面グリップの測定198 8.2.10 SRT振子およびウォーターアウトフロー法を使用した路面グリップ の測定200 184 // 185 8.1 表面特性の分類 路面は、物理的特性と機能的特性によって、 タイヤと 道路の間の唯一の接点と指定されています。交通荷重 が大きいこと、天候の影響を受けること、材料に構造的 な欠陥があることなど、 これらすべての要因が摩耗の 原因となるため、表面の品質は時間経過とともに低下 することになります。 その結果、交通安全と運転快適性が損なわれます。切 削により、物理的および機能的な表面特性を変えるこ とができます。 物理的な表面特性 テクスチャ/粗さ 数マイクロメートルから数デシメートルまでの波長範囲における表面の幾何学的形状 (ミクロ/マクロ/メガテクスチャ) 平坦性 変形に対する表層の耐性 ・縦の平坦性 ・横の平坦性(車線の側溝) 以下の要因による表面の反射能力 照 明 に関 する技 術 的 ・表面テクスチャの石粒 特性 ・天候(湿度、雨、乾燥)) cf. Ludwig, S. Oberflacheneigenschaften und Strasenbautechnik. VSVI-Seminar Munster. 機能的な表面特性 交通荷重や天候に左右される車両タイヤと道路の間の力の伝達量 路面グリップ 影響を与えるもの: ・テクスチャ ・道路の材料組成 表面テクスチャの石粒、汚れ、天候に左右される道路の光密度 明るさ 明るい道路のメリット: ・交通安全の向上 ・変形抵抗の改善(日光による加熱が少ない) ・照明費の最小化 路面の材料組成に左右される道路交通騒音の形成 騒音の発生 影響を与えるもの: ・走行騒音 ・タイヤ騒音/路面騒音 ・気流騒音 排水能力 排水 影響を与えるもの: ・道路形状 ・平坦性 ・テクスチャ ・天候 Vgl. Ludwig, S.: Oberflächeneigenschaften und Straßenbautechnik, VSVI-Seminar Münster. 186 // 187 8.2 切削品質の評価 切削面の品質は、現場における今後の建設方法の進 捗状況に決定的な影響を与えます。切削結果が正確 なほど、 その後の建設段階における時間効率と費用効 率が向上し、新しく舗装した路面の性能特性も向上し ます。 切削品質は、施工現場で直接測定することができま す。接触測定方法と非接触測定方法の両方を用いて、 縦方向と横方向の水平度、 および公称高さの試験を 実施します。表面のテクスチャは、路面グリップと騒音 の主な変数であり、 さまざまな測定方法を用いて決定 することができます。. 切削面のプロファイルに準拠したポジショニングについてのガイドライン 横断勾配からのずれ ± 0,4 % 平坦性の測定についてのガイドライン 測定部分4 m以内の縦方向と横方向の限界値 特定の水平面における障害物のない部分のスタンダー ドミリング アスファルト表層の切削:≦6 mm アスファルト路盤、 バインダ層、表層の切削:≦10 mm 制約となる制限的な構造点がある、 またはその他の設 アスファルト表層の切削:≦10 mm 備がある部分のスタンダードミリング 特定の水平面における障害物のない部分のファインミ リング cf. MFA. 2000 edition, page 14-15. 建設クラスSV~IIIの場合:≦4 mm 建設クラスIV~VIの場合:≦6 mm 188 // 189 8.2.1 切削深さの測定 固形物を切削する場合は、 いわゆるビットライン間隔 プロファイルを切削方向に作成します。 このプロファイ ルは、特にビットライン間隔(LA)、チッピング角(α)、 切削速度によって決まります。 このプロファイルから、3 つの異なる切削深さを計算することができます。上部 切削深さと下部切削深さを測定し、次にこれら2つの 切削深さの平均値から中間切削深さを測定すること ができます。 上部切削深さ(FT-O) 中間切削深さ(FT-M) 下部切削深さ(FT-U) 最初の表面の上部端 チッピング 角(α) ビットライン間隔(LA) 8.2.2 切削幅の測定 切削幅は、切削ドラムの作業幅によって決まります。作 業プロセス中に発生する2つの水平な直角の切削端の 間の距離を測定します。 その際、切削ドラム幅の理論 値は必ずしも実際の切削幅と一致しないことを考慮す る必要があります。 切削幅は、 ビットやツールホルダのさまざまな摩耗条 件によって変わることがある一方で、切削ドラムが直角 に配置されない場合は、切削方向において切削幅が 広がることがあります。 190 // 191 8.2.3 ビットライン間隔の点検 ビットライン間隔ルーラーを使用して、正しいビットラ イン間隔を確認します。 これは、個々の金属テンプレ ートを使用して、 すべてのビットライン間隔(3 mmか ら25 mmまで) を示すビットライン間隔パターンマス ターです。 測定を実施するには、施工した実際の切削プロファイ ルのビットライン間隔に該当するテンプレートをあて がいます。即座にパターンからのずれを検出できます。 8.2.4 切削速度の測定 切削速度は、表面のテクスチャと品質に大きな影響を 与えます。切削速度が速いほど、切削面は粗くなりま す。切削速度は、切削中または切削後に測定すること ができます。 切削中、 ある時点の機械位置を始点として、道路にマ ーキングします。切削の1分後、次の道路マーキングを 行い、2つのマーキング間の距離を測定することによ り、切削速度の値(m/min) を求めることができます。 切削作業完了後の測定は、 カッティングラインでのビッ ト貫通間の距離を測定することによって行います。 この 値に切削ドラムの回転速度を掛けます。 その結果が切 削速度(m/min) です。 192 // 193 8.2.5 長さ4メートルの長尺アルミレベルによる水平度の測定 長さ4メートルのアルミニウム製長尺レベルを使用し て、切削エリアの水平度を点検します。 この長尺レベル を道路の上に置き、 その下に、 グリッドの付いた測定ウ エッジを滑り込ませます。 水平度は、表面と長尺レベルの間で測定されるすき間 で決まります。測定ウエッジが長尺レベルの下に入り 込むほど、水平からのずれが大きくなります。 8.2.6 プロフィログラフ/プラノグラフによる水平度の測定 表面の縦および横の水平度を測定する際に世界で最 も広く使用されているシステムが、 プロフィログラフ ( 横の水平度の測定) とプラノグラフ (縦の水平度の測 定) です。 プロフィログラフとプラノグラフは長尺レベル と似ていますが、 これらには、何輪かの固定車輪と、上 下に動かすことのできるもう一つの車輪が中央に装備 されている長いバーがあります。 外側の車輪は、4メートルに亘り装備されています。 ど ちらのシステムも、測定方向に表面を移動します。 中央 の測定車輪が道路の縦方向でくぼみや上り坂を横切 ると、垂直運動が起こります。 この垂直運動は、 グラフ によって、 あるいは現在の基準に従って電子的手段に よって記録され、転送されます。 194 // 195 8.2.7 レーザースキャン法を使用した水平度の測定 レーザースキャナーは、 スキャンした表面の高解像度 なデジタルモデルを提供し、 その状態の広範な分析を 可能にします。道路のレーザースキャンは、 レーザーセ ンサーを使用して、幅4メートルにわたって高速で路面 プロファイルをスキャンできる測定車両を用いて行い ます。移動中、 センサーから路面までのそれぞれの間 隔を測定し、 この間隔から3D座標を計算します。 このグリッドの作成と車両の移動により、個々のポイン ト測定から路面の3次元マップ (ポイントクラウド) を生 成します。 この技術は、高精度な測定と高速な測定を 同時に行えるようにします。 8.2.8 サンドパッチ法を使用した粗さの測定 EN 1766に準拠したサンドパッチ法は、 マクロテクスチ ャを決定する際に使用する体積測定法の1つです。一 定量の砂(DIN 1164に準拠し、通常は標準砂Iを14 g) を清掃した乾いた試験面に注ぎ、 それ以上広げること のできない円形のサンドパッチが作成されるまで、硬 材または硬質ゴムのスタンプで圧力をかけずに円を描 くように動かして広げます。 次に、4つの等距離地点から直径を求めます。体積(砂 の量) と円の面積から表面テクスチャの平均深さが得 られ、路面の粗さに関する結論を導き出すことができ ます。 このサンドパッチ法は、 すぐに実施しやすい方法 といえます。 196 // 197 8.2.9 SCRIM(SKM)試験を使用した路面グリップの測定 SCRIM (Sideways-Force Coefficient Routine Investigation Machine:横すべり抵抗測定装置)測定 システムは、横すべり法(SKM) とも呼ばれているもの で、広い面積の路面グリップを求める際に使用します。 通常、 この装置はトラックに取り付けて、道路の長い区 間を短時間で測定できるようにします。 トラックの後車軸の約1.5 m前に、進行方向とは逆方 向に向かって斜めになる測定車輪を取り付けます。 こ の車輪は、横すべり係数を決定します。 この値は、路面 グリップの特性を表し、車輪荷重200 kgでの測定車輪 の横すべりと測定車輪の垂直抗力の比を説明します。 プロファイルされていない測定車輪は垂直に移動 し、20°という一定の角度で進行方向の路面を移動し ます。車両には、測定トラックを平坦な水膜(0.5 mm) でぬらすためのチャネルフロー装置が装備されていま す。 測定速度は、道路区間の最高許容速度に基づき、40 km/hから80 km/hになります。 20 mごとに測定値が記 録されます。 それぞれの測定値を5つ用いて、 100メート ル区間ごとの平均値を求めます。 位置が斜めだったために生じる横すべり摩擦力FYが測 定されます。 その垂直抗力FZとの比から、横すべり係数 μY = μSCRIM (μSCRIM = FY : FZ) が得られます。 ZEBによる路面グリップの評価(条件記録と評価) 条件変数 ZEB値 40 km / h 60 km / h 80 km / h μSCRIM μSCRIM μSCRIM 0,66 0,61 0,56 0,63 0,58 0,53 2 0,59 0,54 0,49 3 0,52 0,47 0,42 0,49 0,44 0,39 0,45 0,4 0,35 0,42 0,37 0,32 0,38 0,33 0,28 条件値 重要性 1 1,5 3,5 目標値 警告値 4 4,5 5 閾値 参照:M BGriff、 2003年版、15ページ 198 // 199 8.2.10 SRT振子およびウォーターアウトフロー法を使用した路面グリップの測定 SRT振子装置(横すべり抵抗試験装置) は、表面の路 面グリップを決定し、 ミクロ粗さを測定します。路面の マクロ粗さを決定すると同時に、路面グリップと粗さの 測定を行うには、 この方法をアウトフロー測定とともに 実施することが望ましいといえます。 SRT振子は、振子アームとドラッグインジケータに加 え、 コラムを支える3本のアームの付いたベースフレー ム、 スケールプレート、 ベアリングヘッドから成ります。 ゴム製のスライディングシューは、 振子の端にありま す。水平位置から放すと、 スライディングシューの付い た振子は定義されている接触面の上を揺れ動き、 テク スチャが与える影響に応じてブレーキがかかります。 ブ レーキ手順の後に残っている振子のエネルギーは、 ド ラッグインジケータによって記録されます。振子の振り が小さいほど、SRT値は大きくなるため、路面のグリッ プも大きくなるという原則が当てはまります。 道路を測定するには、測定フィールドごとに、 300 mか ら500 mの間隔で5つの測定点を設定します。 それぞ れの測定点で5回の測定を実施した後、 これらの測定 から平均値を計算します。測定フィールドごとの平均 値は、測定フィールドの5つの測定点から計算したこ の平均値から計算します。 この方法は時間がかかるた め、主に狭い面積の測定に向いています。 Mooreアウトフローメーターは、路面のマクロテクスチ ャ (粗さ) を確認するために使用します。 この装置は、測 定目盛りの付いたアクリルガラス製のシリンダ、真鍮製 ウエイトリング、 出口開口部のゴム製シールから成りま す。 測定を行うには、 シリンダを規定量の水で満たし、道 路上に置きます。 水位が上部の赤いマークを越えたら、 すぐにストップウォッチを始動させます。下部の赤いマ ーキングに到達するまでに経過する時間が決定的に 重要です。 なぜなら、 この時間が、測定値とテストポイ ントの結果の両方を提供するからです。路面が相当な マクロ粗さ、 つまり高い排水能力を備えている場合は、 シリンダが空になるまでの間隔が短くなります。 . SRT振子 条件記録と評価の限界値 目標値 ≧60 SRTユニット (例えば、路面グリップを改善する ための測定を行った後)) 警告値 閾値 55 SRTユニット 50 SRTユニット 警告値 閾値 60秒 120秒 アウトフローメーター 条件記録と評価の限界値 目標値 ≦30秒 (例えば、路面グリップを改善 するための測定を行った後) 200 // 201 9 路面切削と環境 9.1 アスファルト粒のリユース204 9.1.1 用語204 9.1.2 研究の歴史的概要と現状206 9.1.3 ドイツにおける法的規制208 9.1.4 再生アスファルト209 9.1.4.1 回収と貯蔵209 9.1.4.2 切削粒の適性と分級210 9.1.4.3 混合アスファルト材料をアスファルトバインダ層に追加するための 例と計算210 9.1.4.4 アスファルト表層とアスファルトバインダ層212 9.1.4.5 アスファルト路盤、 アスファルト路盤の表層、 およびアスファルト路 盤のバインダ層213 9.1.5 定置型加熱ミキシングシステムでのアスファルト粒の利用214 9.1.5.1 バッチおよびドラムミキシングシステム214 9.1.5.2 連続ミキシングシステム218 9.1.6 経済的な代替手段としてのコールドリサイクル220 9.1.6.1 構内でのコールドリサイクル222 9.1.6.2 現場でのコールドリサイクル223 9.1.7 今後の経済的ビジョンとしてのアスファルト粒の使用225 9.2 コールドリサイクルによる環境排出物226 9.2.1 排出ガス基準226 9.2.2 路面切削機の騒音227 9.2.3 粉塵の低減228 9.2.4 振動229 202 // 203 9.1 アスファルト粒のリユース ドイツでは、 その熱可塑性特性から再生アスファルト を重要な原料資源として認識し、1970年代末以降、 リ サイクルを目的とした供給を組織的に行ってきました。 ここでは、路面切削機が決定的に重要な役割を果たし ます。路面切削機は、特に個々の層を選択的に除去す ることによって、 異なる品質と物質から成るアスファル トを管理しながら除去できるようにします。 9.1.1 用語 Wiederverwertung – Wiederverwendung リサイクル/リユース 用語「リサイクル」 と 「リユース」 の一貫性のない使用が きっかけとなり、 ドイツアスファルト協会はこれら2つの 用語の明確な違いを定義しました。 ]リサイ ] クル: 再生アスファルトを新しい材料として材料 循環の中へ再び供給します。 その結果、新し い製品が生まれます (例えば、水硬性バイン ダを使用して路盤の材料混合物を製造する 場合に、 アスファルト粒を追加します)。 ]リユース ] : 再生アスファルトを、 同じ目的のために繰り返し 使用する材料と定義します。 このように、 アスファ ルトを処理してアスファルトにすることは、最高水 準のリサイクルを反映し、 この方法で製造された 製品の技術的および質的な等価を保証します。 このような方法で回収されたアスファルト粒は、 この目 的のために特別に装備されたアスファルトミキシング システムか現場で処理されます。 その建設適性と品質 特性に応じて、材料はアスファルトの路盤、表層、バイ ンダ層にリユースするために供給されます。 ここで説明するアスファルト粒のリユースに関する方 法と法的規制は、 ドイツで実施されている手順に基づ きます。 再生アスファルトの 再利用 アスファルト道路 交換、 リニューアル アスファルトの表層、 バ インダ層、路盤の各層ご との切削により最適に 再利用 輸送 混合アスファルト材 料の製造 アスファルト粒の使用 (輸送) 舗装 アスファルト粒の管理 ・破 砕やふるい分けにより可 能な準備を行う ・ミキシングシステムまたは 中 央 のアスファルト粒 貯 蔵 場所で、個別に貯蔵する ・アスファルト粒 の 特 性を試 験する (ドイツTL AG-StB) 最適なアスファルト粒循環 204 // 205 9.1.2 研究の歴史的概要と現状 1980年代と1990年代において、再生アスファルト粒で 製造した混合材料タイプは、 当初、 アスファルト路盤の 建設にしか使用されませんでした。道路建設活動が新 設からメンテナンスへと移行するにつれて、 アスファル トのバインダ層や表層での再利用が次第に重要にな ってきました。 このような要求が高まった結果、以下の ような技術の向上によって、 アスファルト粒のより厳し い品質基準仕様を満たすことができるようになりまし た。 ]革新的な機械技術による選択的な切削 ] ]アスファルト粒の分離および乾燥貯蔵 ] ]試験後のアスファルト粒のふる ] い分けと選択的な追加 ]追加量を増やすための改良技術 ] ]アスファルトミキシングシステムに ] おける平行ドラムの使用増加 ここ数年の間に、再生アスファルト粒の部分が大幅に 増加しました。現在、 ドイツでは、品質を低下させるこ となく、1,400万メートルトン以上の再生アスファルト のうち約80%(1,140万メートルトン) をリユース用に 供給しています。 したがって、 比率は過去25年間で約2 倍に増加しました。残りの250万メートルトンは、例え ば遮音壁のフィラー材料として、 リサイクル用に供給し ています。 79,3 % 20,7 % 混合アスファルト材料でのリユース その他の利用 2011年のドイツにおけるアスファルト粒の総量と、新しい混合 アスファルト材料にアスファルト粒を追加した平均比率 12000 60 % 10000 50 % 8000 40 % 6000 30 % 4000 20 % 2000 10 % 0 0% Tu r Sw itz er la en ay w nd ed Sw or N ce rla he d N et Fr an an nl Fi an y k m ar er m iu lg en D Be ke y 70 % nd 14000 s 80 % m 新しい混合アス ファルト材料に おける切削アス ファルト粒部分 の平均比率 16000 G 2011年の切削ア スファルト粒の 総量(単位:メー トルトン) アスファルト粒の総量と平均追加量(2011年) 参照:EAPA、数字で見たアスファルト、2011年 この発展は、特に関連する研究活動の成果です。1988 年以降実施されてきた実験室試験と実地試験では、 再生アスファルトを使用して製造した混合材料タイプ の品質をアスファルトの路盤、 バインダ層、表層でのリ ユースに関して試験し、新しい材料だけで構成されて いる混合材料タイプと比較しました。 特に、以下について評価します。 ]新しい混合材料の特性構成に関する均一性 ] ]再生アスファルトの低温挙動と疲労挙動、 ] および アスファルト表層の機械的特性に与える影響 ]低温および加熱アスファルト粒の追加が、 ] その結果として生じる混合材料の均一性と 機械的構成(引張強さ) に与える影響 ]圧縮性と変形抵抗 ] に同等であり、 すべての層に使用できることが確認さ れています。 また、硬質アスファルト粒の追加も、変形 挙動だけでなく、低温挙動および疲労挙動の両方に良 い影響を与えます。 長期にわたる研究の結果、品質基準に十分な注意を 払った場合、追加アスファルト粒を使用した混合材料 は、新しい材料だけで構成されている混合材料と完全 206 // 207 9.1.3 新しい 「ドイツライフサイクル資源管理法」 は、 2012年6 月1日に施行されたものであり、1996年に施行された 「 ドイツライフサイクル資源および廃棄物管理法」に基 づくものです。 この法令において、立法者は天然資源の 保護、廃棄物の材料循環への再投入とリサイクルとい う基本概念を追求しました。 これは、骨材が品質要求を満たし、 アスファルトのバイ ンダ混合物が適切である限り、 アスファルト粒のリユー スによって製造されるアスファルトを使用するほうが 望ましいことを意味しています。 1996年に施行された 「ドイツライフサイクル資源管理 法」は、 「 EU廃棄物枠組み指令」をドイツの法律とし て施行するものです。 アスファルト部門に関する欧州 の一連の基準を対応する国の規則に組み込んだのは 2008年で、以下のような規則にこの基準を組み込みま した。 ]車両交通が使用する舗装地域建設用混 ] 合アスファルト材料についての技術供給 条件(ドイツTLアスファルト-StB 07) ]アスファルト粒についての技術供給 ] 条件(ドイツTL AG-StB 09) ]車両交通が使用するアスファルトを使用した舗 ] 装地域建設についての補足的な技術契約条件と ガイドライン (ドイツZTV アスファルト-StB 07) 技術的な規則は、 アスファルトのリユースについての 2009年版のリーフレット (ドイツM WA) によって補足 されます。 ドイツ道路建設業界は、 すでに 「ドイツライフサイクル 資源管理法」を率先して履行していますが、それでも 道路行政は必要です。 ドイツ道路建設業界は、契約上 および技術上の要件を満たし、再生アスファルトを高 い水準でリユースするようにしなければなりません。 ま た、 これと同時に、依頼主、建設業者、混合材料製造業 者の質的および経済的要件を考慮しなければなりま せん。 9.1.4 再生アスファルト アスファルトは、 ビチューメンのような貴重な原料、 ビ チューメンを含むバインダ、骨材やその他の材料から 成る混合物を技術的に製造したものです。再生アスフ ァルトは、 アスファルトを切削または破砕することによ って回収されたものであり、 アスファルト粒は、切削プ ロセスから回収された破砕再生アスファルトです。 9.1.4.1 その熱可塑性特性により、 ビチューメンは最も重要な 構成要素です。 このような構成的な側面がビチューメ ンにあるために、再生アスファルトを再可塑化し、新し い混合アスファルト材料の製造にリユースすることが できます。 回収と貯蔵 例えば、新しい混合アスファルト材料を製造するため など、高水準な材料リユースのために再生アスファル トを供給するには、再生アスファルトが高品質な要求 を満たさなければなりません。 このような要求には、例 えば、材料の均一な性質が含まれますが、 この要求は、 再生アスファルトを回収するときに、適切な注意が払 われ、モニタリングが実施された場合にしか満たすこ とができないものです。 古いアスファルト層を層ごとに切削することにより、材 料を個別に回収し、個別に分類して貯蔵することがで きます。材料は、 さらに処理を行った後、経済的要求も 質的要求も満たすような方法で、本来の目的のために 供給することができます。 この目的には、以下のような ものが含まれます。 屋外での貯蔵も可能ですが、破砕した材料の水分含 有量を最小限にすることができるため、風雨を避ける ことができる保護された場所での貯蔵のほうがはる かに経済的です。次の原則が当てはまります。切削粒 が湿っているほど、 アスファルト混合物を製造するとき に必要なエネルギーが多くなります。 また、 これと同時 に、保護された場所で貯蔵することにより汚染物質の 流出を防止できるため、地下水が汚染される危険を防 止することができます。 ]混合アスファルト混合物の製造 ] ]バインダを使用しない路盤用建 ] 設材料混合物の製造 ]水硬性バインダを使用した建設材料混合物の製造 ] 208 // 209 9.1.4.2 切削粒の適性と分級 アスファルト粒は、技術的な規則(ドイツTL AsphaltStB 07およびTL AG-StB 09) に規定されている建設 材料の要件を満たす場合、 アスファルトバインダ混合 物への追加に適しています。 これは、適性試験によって 予備調査で検証する必要があります。使用するつもり である層の価値が高いほど、試験および調査費が高く なります。 アスファルトバインダ混合物を製造するときに追加可 能なアスファルト粒の最大量を求めるには、 この試験 結果が決定的に重要なものとなります。 ここでは、材料 の均一性が非常に重要です。対応する計算式に加え、 ノモグラムを使用して、 アスファルト路盤、 バインダ層、 表層に追加可能なアスファルト粒の最大量を求めま す。材料から出る水蒸気は、追加可能な材料の量を制 限します。 9.1.4.3 以下の項目を試験します。 ]環境適合性 ] –タール/ピッチに特有の成分についての試験 ]最大ピースサイズ ] ]以下によって決まる均一性 ] –バインダ含有量 –アスファルト粒に含まれているバイン ダの軟化点 (リングおよびボール) –抽出骨材混合物の粒度クラスの一部 • < 0.063 mm • 0.063~2 mm • > 2 mm ]原料密度 ] ]異物含有量 ] 混合アスファルト材料をアスファルトバインダ層に追加するための例と計算 アスファルト粒の均一性は、 ヒープごとに少なくとも5 つのサンプルについて、右側で言及されているパラメー タの範囲を使用して求めます。 この範囲は、一連の測 定の最大値と最小値の間の差を表しています。 個々のパラメータの範囲を、 ノモグラムの縦座標に記 入します。縦座標に記入したパラメータの最大範囲 は、追加可能なアスファルト粒の最大量を求める際に 決定的に重要なものとなります。右側の例では、 バイン ダ含有量が示されています。 この結果、追加可能な混 合物の最大量の制限値は30 M.-%ということになり ます。 パラメータ A B C D E 軟化点 (リングおよび ボール) [°C] バインダ 含有量t 粒部分 < 0,063 mm 粒部分 > 2 mm サンプル1 サンプル2 サンプル3 サンプル4 サンプル5 範囲 40 A [M.-%] [M.-%] 粒部分 0,063 mm ~ 2 mm [M.-%] 68,6 64,0 64,8 68,0 66,4 5,8 5,8 5,2 4,7 5,1 9,8 11,3 9,2 6,7 12,1 27,7 25,2 19,8 21,5 23,8 62,4 63,5 70,9 71,8 64,1 4,6 1,1 5,4 7,9 9,4 B 20 3,2 3,0 35 C D 2,4 14 2,2 2,0 12 1,8 20 10 1,6 1,4 15 1,2 1,0 10 5 4,6 0,4 0,2 0 8 1,1 6 0,8 0,6 50 50 45 45 40 40 35 35 30 30 25 25 20 20 15 15 16 2,6 25 E 18 2,8 30 [M.-%] 4 2 5,4 10 5 7,9 10 アスファルトバインダ層 9,4 5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 追加されるアスファルト粒の量[M.-%] 50 ノ モ グ ラ ム に よ り 、混 合 ア ス フ ァ ル ト バ イ ン ダ 材 料 に 追 加 可 能 な ア ス フ ァ ル ト 粒 の 最 大 量 を 計 算 す る例「アスファルトバインダ層」 表と図表については、 『Deutscher Asphaltverband e. V. (eds.). Wiederverwenden von Asphalt』 の23ページを参照してください。 210 // 211 9.1.4.4 アスファルト表層とアスファルトバインダ層 ノモグラムを使用して、特性範囲に基づいた最大追加 可能量をグラフによって求めることができます。 40 35 30 25 A B 3,2 3,0 20 2,4 2,2 2,0 1,6 1,4 15 1,2 1,0 10 50 45 45 40 40 35 35 30 30 25 25 20 20 6 15 15 4 10 10 5 0,4 0,2 2 5 5 0 アスファルト表層 アスファルトバインダ層 16 14 12 10 8 0,8 0,6 E 50 1,8 20 D 18 2,8 2,6 C 以下のノモグラムでは、追加特性(0.063 mmから2 mmまでの粒部分) を横座標とともに考慮します。 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 追加されるアスファルト粒の量[M.-%] 50 アスファルト表層およびアスファルトバインダ層用の混合アスファルト材料に追加可能なアスファルト粒の最大量を計算するため のノモグラム 9.1.4.5 アスファルト路盤、アスファルト路盤の表層、およびアスファルト路盤のバイン ダ層 以下のノモグラムを使用して、 5つの特性範囲に基づ いた最大追加可能量をグラフによって再び求めること ができます。 40 A 6,0 5,6 35 5,2 4,8 30 25 20 15 10 4,4 4,0 3,6 3,2 2,8 2,4 2,0 1,6 1,2 5 0,8 0,4 0 B 50 45 C 80 70 40 60 35 30 50 D ここでは、 アスファルト粒の均一性に基づいて追加さ れる最大量が、5つのパラメータに対して決定される値 の最小値でもあります。 . 90 E 80 70 60 アスファルト路盤 アスファルト路盤の表層 アスファルト路盤のバインダ層 50 25 40 40 20 30 15 20 10 5 10 30 20 10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 追加されるアスファルト粒の量[M.-%] アスファルト路盤、 アスファルト路盤の表層、 およびアスファルト路盤のバインダ層用の混合アスファルト材料に追加可能なアスフ ァルト粒の最大量を計算するためのノモグラム 212 // 213 9.1.5 定置型加熱ミキシングシステムでのアスファルト粒の利用 新しい混合アスファルト材料を製造するときのアスフ ァルト粒のリユースには、 さまざまな定置型システム技 術を利用することができます。適切なミキシングシステ ムには、 バッチおよびドラムミキシングシステムと連続 9.1.5.1 ミキシングシステムが含まれています。原則的に、 アス ファルト粒の追加は、 システムによって高温または常温 で行うことができます。 バッチおよびドラムミキシングシステム ドイツの混合アスファルト材料は、主にバッチミキシン グシステムで製造されています。混合アスファルト材料 の構成要素は、事前に決定されており、 アスファルトミ キサーにおいてバッチ単位で混合されます。 この柔軟 な手順により、混合成分の迅速な変更が可能になるだ けでなく、調整混合時間の利用も可能になります。材 料を追加して、常温アスファルト粒を加熱する手順は、 それぞれ異なります。 ]高温骨材による加熱 ] 混合物の変数に従って、骨材、 バインダ、添加剤を 計量します。 中間サイロかバッチスケールを介して、 常温アスファルト粒をミキサーに加えます。新しい、 または未使用の骨材によってアスファルト粒が加 熱されます。骨材は、乾燥ドラムで順に加熱されま す。 さまざまな装置を介して、突然発生する水蒸気 の進路を変えることができます。 このとき初めて新 しいバインダが加えられ、硬化が発生します。 アスフ ァルト粒の最大追加量は混合物の30 M.-%です。 ]あるいは、 ] アスファルト粒がノンストップで追加 される状態での混合プロセスは、乾燥ドラムデ ィスチャージ、 ホットエレベータまたはシーブ バイパスポケットで行われます。 ここではさら に、高温骨材が常温アスファルト粒を加熱しま す。最大追加量は混合物の40 M.-%です。 ホッパー (アスファルト粒) ビチューメンタンク バッチスケール 混合タワー 中間サイロ ローディングサイロ 乾燥ドラム ホッパー(新しい骨材) ミキサーへの常温アスファルト粒の追加は、 中間サイロと骨材スケールまたは独立したバッチスケールを介して行われます。 214 // 215 ]骨材との共同加熱 ] 乾燥ドラム中央へのアスファルト粒の追加、 また はバーナー側端壁を介しての乾燥ドラムへのア スファルト粒の追加は連続的に行われます。 ]ここでは、 ] アスファルト粒と骨材の両 方が加熱されます。推奨される最大追 加量は混合物の40 M.-%です。 ホッパー (アスファルト粒) ビチューメンタンク 混合タワー ホッパー (新しい骨材) 乾燥ドラム ローディングサイロ 常温アスファルト粒を乾燥ドラム中央またはバーナー側に追加します。 バッチスケール ]E独立した装置での加熱 ] アスファルト粒は、 いわゆる平行ドラムで130℃ まで慎重に加熱し、 バッチ単位でミキサーに追 加します。 この手順は、必要とするエネルギー が非常に少ないため、規則に従って混合物の 50 M.-%までの追加量が可能です (理論上は、 機械技術により、混合物の80 M.-%までの追 加量が可能です)。 この手順は、特に高スループ ットに向いています。 アスファルト粒と新しい骨 材との共同混合は乾燥ドラムで行われます。 ]ドイツでは、 ] アスファルトミキシングシステムのわず か20%にしか平行ドラムが装備されていません。 そ の理由は、高いスループットと大幅なエネルギーコ ストの削減により、 すぐに償却してしまう高い投資 コストにあります。 ドイツと比較してオランダでは、 システムの98%に平行ドラムが装備されています。 ホッパー (アスファルト粒) 並行ドラム ビチューメンタンク 中間サイロ 混合タワー ローディングサイロ 乾燥ドラム ホッパー(新しい骨材) 平行ドラムで加熱されたアスファルト粒の追加は、 中間サイロと骨材スケール、 または中間サイロと独立したバッチスケールを介し て行われます。 216 // 217 9.1.5.2 連続ミキシングシステム この混合手順は、 ドラムまたはダウンストリーム連続ミ キサーで連続的に行われます。 さらに、 アスファルト粒 の投入も連続的に行われます。 アスファルト粒と未使 用の骨材は、 ベルトスケールで別々に計量し、 ドラムで 一緒に加熱して、バインダと混合します。 この計量、加 熱、混合はシングルステップで行われます。 ビチューメンタンク さらに、平行ドラムで別々に加熱することも可能です。 その後の追加は、ダウンストリーム連続ミキサーで行 われます。 ドラムミキサー ホッパー (アスファルト粒) バッチスケール ローディングサイロ ホッパー (新しい骨材) 常温アスファルト粒のドラムミキサーへの追加は、常温骨材と同時に行われるか、 またはドラム中央で別々に行われます。 アスファ ルト粒も骨材も別々に計量されます。 並行ドラム ホッパー (アスファルト粒) ビチューメンタンク 連続ミキサー ローディングサイロ 乾燥ドラム ホッパー(新しい骨材) 平行ドラムで加熱されたアスファルト粒の追加は、 ダウンストリーム連続ミキサーで行われます。 218 // 219 9.1.6 経済的な代替手段としてのコールドリサイクル コールドリサイクルは、高品質な路盤を作る迅速で経 済的な方法です。 プロセスエネルギーを使用すること なく、利用可能な切削廃材を使用して、損傷した表面 を現場で修復します。 バインダを追加することによっ て、 同質の結合層を作ることができます。利用可能な 建設材料を使用すること、処分費が不要になることか ら、 コールドリサイクルは特に経済的な方法であるとと もに、環境と資源を保護する方法でもあるといえます。 特に構造的な修理を行う場合には(例えば、変形、疲 労クラックなど)、道路構造の表面が損傷していると判 断することが多く、 内部の材料が損傷していることはほ とんどありません。 コールドリサイクル法を使用し、 バイ ンダを追加することによって新しい同質の層を作りま す。 この場合においては、道路構造の構造修理といい ます。 コールドリサイクルは、 その固有の特性のために、 もは や加熱処理にはアスファルト粒を供給できない場合に も最適な方法となります。 これは、例えば、 タールまた はピッチを含む成分が再生アスファルトに豊富に含ま れている場合などです。 ピッチ/タールは、1990年まで、 地面の安定化や表面の処理に加えて、 路盤、 表層、 バイ ンダ層にも使用されていました。 やむを得ない場合、 これらの層の除去は選択的な切削 によって個別に行わなければなりません。 また、除去し た層はリユース用としてしか供給できません。 このトピ ックの詳細については、 『ピッチを含む道路建設材料と ビチューメン結合路盤のアスファルト粒をミキシング システムの常温処理によって利用することについての リーフレット』 、2007年版(Merkblatt fur die Verwertung von pechhaltigen Strasenausbaustoffen und von Asphaltgranulat in bitumengebundenen Tragschichten durch Kaltaufbereitung in Mischanlagen M VB-K, Ausgabe 2007) を参照してください。 コールドリサイクルは、最大100%の再生アスファルト のリユースを可能にします。基盤でリユースする前に、 切削廃材とバインダを混合することによって、追加成 分を含む物質とビチューメン/セメントベースを最初 に結合します。 さらに、層の端部をビチューメンで密閉 し、環境に危険を与えないようにします。 ピッチを含む 層の処分費が不要になるとともに、加熱しないことで 健康リスクの発生を防ぎます。 コールドリサイクル技術は、 ヨーロッパだけでなく世界 中でもますます使用されるようになっており、経済的で 環境に配慮した修復法として高く評価されています。 こ の方法のメリットは、難しい状況に巻き込まれたときに 特に明確になります。 コールドリサイクルのメリット: ]材料を100%リユース ] ]資源を保護し、 ] 新しい材料部分を低減 ]バインダを使用して、 ] タール含む材料の密閉が可能 ]工事期間を短縮し、 ] 交通障害を最小限に抑える ]高い経済性 ] ]CO ] 2排出量を大幅に削減 ]エネルギー消費量を削減 ] ]輸送ルートを短縮 ] 220 // 221 9.1.6.1 構内でのコールドリサイクル 損傷した路面は、路面切削機によって切削し、施工現 場のすぐ近くにある移動式コールドミキシングシステ ムに輸送します。 ヴィルトゲンコールドリサイクルミキ シングシステムはセミトレーラーに搭載されています。 このシステムには独自のエンジンステーションが搭載 されているため、迅速な実施が保証されます。 ここで、切削廃材はホッパーに移送されます。 45 mmを 超える切削土や切削片をシーブによって取り除き、材 料を計量した後、2軸強制ミキサーでセメントとビチュ ーメンとともに混合します。 コールドミックスされた材 料は、 アスファルト舗装機械を使用して適用されるか、 あるいは必要に応じて長期間貯蔵されます。 移動式ヴィルトゲンコールドリサイクラーミキシングユニットKMA 220 9.1.6.2 現場でのコールドリサイクル 切削およびミキシングモーターが搭載された最新型コ ールドリサイクラーは、修復を必要とする被覆層をほぐ し、再生アスファルトを粒状化し、 バインダを添加して 調整し、付属の舗装スクリードを使用して再び適用し ます。 このプロセス全体はシングルマシンパスで行われ ます。結合した層でも、結合していない層の一部でも、 最大100%のリユースが行われます。切削およびミキシ ングプロセスの間、噴射ポンプで水を追加し、次の締 固めに必要な含水量が得られるようにします。 また、 これと同時に、液体バインダ (セメント懸濁液、 ビ チューメン乳剤、 フォームビチューメンなど) を添加し ます。作成される路盤の特性は、使用するバインダによ って著しく異なります。 ]水硬性バインダ ] (例えば、 セメント) ]ビチューメン乳剤 ] (道路建設用ビ チューメンと水の混合物) ]フォームドビチューメン ] (水と空気をホット ビチューメンジェットに追加したもの) リサイクルに使用されている最新型ヴィルトゲンコールドリサイクラーWR 240i 222 // 223 1 水用ホース接続 2 水用噴射バー 3 噴射された水 4 ホットビチューメン用ホース接続 5 フォームドビチューメン用噴射バー 6 フォーミング用エキスパンションチャンバー 7 噴射されたフォームドビチューメン 作業方向 6 4 5 2 7 3 1 噴射したビチューメンフォームを添加しながら切削することによりコールドリサイクルを実行 9.1.7 今後の経済的ビジョンとしてのアスファルト粒の使用 再生アスファルトの枠組みは、 「ドイツライフサイクル 資源管理法」 とこの法律に基づく技術的な規則が施行 されることにより、 立案され、非常に強固なものとなり ました。 ますます原料が不足し、 価格が高騰するにつれ て、特にビチューメンの場合は、必ず混合アスファルト 材料の価格急騰につながります。 ここに、 リユースの割 合を増加させる経済的な意味があります。 層ごとの切削による品質保証 再生アスファルト粒を用いた混合材料は、 すべての層 でリユース可能であり、規定されている品質基準を満 たす限り、 まったく同じ価値があります。 また、再生アス ファルト粒は、 「ドイツライフサイクル資源管理法」 に従 い、新しい原料だけで製造される製品よりも優先され なければならないものでもあります。 ただし、品質は、 再生アスファルトの回収を監視された方法で慎重に行 った場合にしか保証されません。 この要件は、層ごとの 切削によってしか満たすことはできません。 依頼主の側で層ごとの切削を目的とした入札を行って いるため、高品質なリユースをサポートすると同時に、 法的要件も考慮することができます。 ドイツの一部の 州ではまだ実施されているため、制限に対する質的根 拠も法的根拠もありません (例えば、表層でのアスファ ルト粒の排除)。 アスファルト混合物の資源保護製造による省エネル ギー アスファルト業界の優位性も、 エネルギーコストに大き く左右されます。最新の技術と貯蔵方法を使用するこ とで、 エネルギーコストを大幅に削減することができま す。 ]平行ドラムの使用の増加 ] ]アスファルト粒の乾燥貯蔵 ] コールドリサイクルのような代替プロセスの使用の 増加 ]エネルギー消費量の削減 ] ]輸送費の削減 ] ]材料の削減 ] コールドリサイクル技術のトピックに関するさらに詳し い情報は、 『ヴィルトゲンコールドリサイクル技術』 マニ ュアル (www.wirtgen.de/en/) でご覧ください。 224 // 225 9.2 9.2.1 コールドリサイクルによる環境排出物 排出ガス基準 1996年以降、移動式建設機械のディーゼルエンジン から排出される有害物質について、法的拘束力のある 限度値が設定されています。 この限度値は、有害な細 塵(PM) や窒素酸化物(NOx) の削減に特に適用され ます。有害物質に対するこれらの限度値は、 エンジン で技術的手段を講じることによって遵守しています。 ま た、国独自の仕様に従い、 すべてのヴィルトゲン路面切 削機が例外なくこの限度値を遵守しています。 2011年以降、 ヨーロッパとアメリカでは新たな排出基 準(排出ガス基準IIIB、 Tier 4i) が施行されました。 この 基準は、性能クラス130 kWから560 kW(174 HPから 751 HP) 以上のエンジンに適用され、 これまでのとこ ろ最大限度値が含まれています。 最新のエンジン技術:高効率にマシンコントロールにリンク 最新世代のヴィルトゲン路面切削機は、環境排出物が 非常に少ない最先端のエンジン技術を搭載していま す。機種名称「i」 (インテリジェントエミッションコント ロール) により、識別と指定を簡単に行うことができま す。 この機種は、非常に厳しい新排出基準に適合して おり、 ほぼ硫黄を含まないディーゼル燃料で動作しま す。排気ガスの処理には、微粒子の排出を大幅に低減 するDPF (ディーゼル微粒子捕集フィルタ) システムを 使用します。 9.2.2 コールドリサイクルによる環境排出物 新世代の路面切削機は、騒音を低減する以下のよう な最新技術を特長としています。 ]エンジンルームの遮音性 ] ]切削完了時の自動減速 ] ]低騒音エンジン ] ]移動速度によって変化するエンジン速度 ] : – ディーゼルエンジンのそれぞれの負荷 に合わせた前進速度の自動調節 – さまざまなエンジン動作速度の選択 ]新世代大型路面切削機の環境に配慮 ] したデュアルエンジンコンセプト: –作業によって第2エンジンを停止することで、 デ ィーゼル燃料の節約と騒音の低減が可能 エンジンルームの遮音性 革新的なデュアルエンジンコンセプトにより、 ディーゼル燃料の消費量を可能な限り最小化 226 // 227 9.2.3 粉塵の低減 切削プロセスの間、細かい材料の微粒子と水蒸気が 切削装置で発生します。 ヴィルトゲンは、 フロントロ ーダーシステムを装備した路面切削機に抽出システ ムを搭載し、浮遊微粒子の量を大幅に低減していま す。VCS(油圧モーター駆動式ブロワ集塵装置) を使用 して、空気/水蒸気の混合物を切削ドラムハウジングか ら抽出した後、 ホースシステムによって、 この混合物を 切削廃材の流れに乗せて積み込みコンベアに送り込 みます。最後に、凝縮された微粒子をトラックに積み込 み、切削廃材とともに除去します。 ]機械オペレータからの切削端の視界性向上 ] ]夜間の視界を大幅に改善 ] ]エンジンの汚れを一定程度低減 ] (ディ ーゼルフィルタとオイルフィルタ) ]機械の汚れを全体的に低減 ] (クローラ ーユニットのピラーガイドなど) ]作業快適性が向上したことにより、 ] 性能も向上 革新的な油圧モーター駆動式ブロワ集塵装置(VCS) により、作業エリアの粉塵を効果的に低減 9.2.4 振動 切削プロセスの間、機械的振動が発生します。路面切 削機を設計するときのヴィルトゲンの最優先事項の1 つが、以下のような減衰装置です。 ]弾性サスペンションを備えたサイレン ] トブロックに搭載されたエンジン ]振動が緩和されているオペレータプラッ ] トフォーム ]オペレータプラッ ] トフォームにはフットボードが 弾性的に取り付けられており、 アクセスラダー フットボードのゴム製バッファが振動を低減 ]切削ドラムでの最適なカッティングパワー配分 ] 最高の性能を実現する快適な作業環境 228 // 229 10 路面切削の未来 10.1 道路と産業にとっての道路の重要性232 10.2 日々の交通における路面切削機の使用233 230 // 231 10.1 道路と産業にとっての道路の重要性 確立された高品質な道路網は、 インフラにとって基本 的に重要なものであるとともに、国の移動性と成長を 確実なものとする際に不可欠なものです。 しかし、大き な交通荷重、老朽化による摩耗、天候の影響が原因 で、時間とともに道路状態は悪化し、 この結果、事故数 や、速度規制または道路封鎖による交通障害が増える ことになります。輸送にはさらに時間がかかり、配達日 を計算するのが一層難しくなります。 これらは、特に、 ス ムーズで信頼性のある時間どおりのロジスティクスに 依拠しながら商品を取り扱う産業にとって、経済上の 決定的要因です。 修復の周囲に迂回路はありません。 建設プロセスの最 初に適した路面切削機は、高品質かつ効率的で迅速 な作業において重要な役割を果たします。路面切削 機は、商品の輸送にとって極めて重要な道路の品質、 運転快適性、交通の流れの最適化に決定的な影響を 与えます。 水平で正しい位置にある切削面は、均一な厚さのア スファルト層の舗装を可能にします。 これにより、車両 荷重が道路上で最適に分散されるようにすることが できます。 道路の状態は、 トラック運転手の日々の生活に直接的 な影響を与えます。 つまり、道路の品質が高いほど、 バ ックアップや荷重制限による障害が少なくなります。 こ れにより、運転手とその依頼主は輸送オーダーを迅速 に処理することができます。 また、交通の流れがより安 全で堅実なものとなります。 さらに、水平で横すべり対 策の施された路面は事故数と車両の摩耗を減少させ るだけでなく、修理費も減少させます。 都心のアスファルト表層を修復する際に使用されている路面切削機 10.2 日 々 の 交 通 に お け る 路 面 切 削 機 の 使 用 施工現場における時間とコストの制約から、 これまで 以上に強力で経済的な機械が必要になります。路面切 削機も、 このような展開の例外ではありません。 それど ころか、路面切削機は、夜間、 日曜、祝日など、交通量 の少ない期間に使用されることがますます多くなって いるため、品質を低下させることなく、速く、低騒音で 作業できることが重要な基準となっています。 この数 年間、路面切削機は、新しいプロセスと技術の開発に よって効率を大幅に向上させてきました。 同じ理由か ら、路面切削機の使用範囲も大幅に拡大しました。 ヴ ィルトゲンは、 マーケットリーダーとして、 このような開 発の大部分に対して責任を負っています。 ]運転費と環境排出物の削減を実現する低燃 ] 費な運転設計(例えば、騒音や粉塵の低減) ]最良の品質結果を実現する最新の ] マシンコントロールシステム ]柔軟な機械輸送を実現するコンパクトな軽量機械 ] ]最小の交通障害で高効率な工事を実現 ] ]施工現場における良好なサービスアクセシビリティ ] 夜間に幹線道路を修復する際に使用されている路面切削機 232 // 233 11 参考文献一覧 Bodies of rules Hinweise für das Fräsen von Asphaltbefestigungen und Befestigungen mit teer-/pechtypischen Be standteilen (H FA). 2010 edition, Forschungsgesellschaft für Straßen- und Verkehrswesen, Arbeitsgruppe Asphaltstraßen. 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Websites www.schniering.com www.kalibrierstelle-sachsen-anhalt.de www.zehntner.com www.strassenbaudigital.de www.men.niedersachsen.de 236 // 237 用語集/略語 亀甲状クラック: 表面に生じる大きく開いた細かい割れ目。 アスファルト路盤: 道路構造の最下層は、平坦で安定した基盤を上層に提供します。 アスフ ァルト路盤は、舗装された混合アスファルト材料から成る1つまたは複 数の層で構成されています。 アスファルトバインダ層: アスファルト路盤とアスファルト表層の間に位置する層で、 良好な荷 重伝達を可能にし、複数の層の良好な連結を確実にすることを目的とす るものです。 また、 アスファルトバインダ層はアスファルト路盤の凹凸 を減少させるため、均一な厚さと必要な水平度を備えたアスファルト表 層を作成することができます。 アスファルト表層: アスファルト舗装面の最上層で、特に強い応力を受ける層。 アスファル ト表層は、交通や天候の直接的な影響を受け、荷重に耐える役割を果た し、 アスファルトバインダ層を介してこの荷重をアスファルト路盤に分 散します。 アスファルト表層は、路面グリップや騒音低減などの表面特 性を担います。 ブレイクアウト: 表層が除去されたエリア。 この状態が進行した段階では、 「ポットホール」 とも呼ばれます。 破砕アスファルト: 土壌の層パッケージを破砕する/組み込むことによって回収された再生 アスファルト。 平坦性: 交通安全に重大な影響を与えるものです。 以下の2種類の平坦性は区別 されます。 横の平坦性: 縦の平坦性: 道路の十分な排水にとって重要なものです。車線の側溝 は排水を妨げることがあるため、 アクアプレーニングの 原因となることがあります。 運転快適性、道路本体にかかる応力、騒音低減、 走行安 全性に影響を与えます。 粒度クラス: アスファルト粒における石粒の粒度クラスは、 シーブサイズの大小によ って特性化されます。 個々のクラック: 道路の横方向に発生するリフレクションクラックまたは低温度クラック。 修理: 例えば、限られた範囲において、路面の損傷を修理し、 クラックの損傷 を覆った結果として生じるもの。 238 // 239 切削アスファルト: 切削によって回収した再生アスファルトの小片。 再生アスファルト: 切削アスファルトまたは破砕アスファルト。 粗さ: 表面テクスチャと表層の特性によって決まります。 また、交通荷重、天 候、環境によって変わります。 構造維持: 車両交通用の舗装エリアを構造的に維持する方法。 メンテナンス: 車両交通用の舗装エリアを構造的に保存するための小規模な構造的方法 で、最小限の費用で実施できるもの (ポットホールまたは個々のクラッ クの充填、小規模なエリアでの変形の切削、開いている継目のグラウチ ング、個々の損傷したエリアの表面処理)。 修復: 通常、車線の幅と最大4 cmの厚みがある隣接するエリアで実施される表 面特性の構造保存または改良のための構造的方法(表面処理、薄いアス ファルト表層の適用、再舗装、 アスファルト表層の交換)。 . リニューアル: 車両交通用の舗装エリアまたはその一部の完全なリニューアル。 路面グリップ: 粗さ (表面テクスチャ) と材料組成が、 タイヤと道路の間の摩擦抵抗(ト ラクション) に与える影響を特性化します。路面グリップは、混合材料 の組成、鉱物、鈍化に影響されます。 以下の2種類の粗さは区別されます。 ]] ファイン (鋭さ) ]] コース(濡れている場合は、路面グリップに大きく影響します) 摩耗: バインダが消失したことにより、路面からモルタルまたはビチューメン バインダが消失した結果、表面近くの石粒が遊離します。 略語OB: 表面処理 DSK: 既設面への薄層舗装施工 EAD: アスファルト表層のオーバーレイ RF: 再舗装 DSH-V: ホットシールアスファルト薄層施工 AC D: アスファルトコンクリート SMA: 砕石マスチックアスファルト MA: マスチックアスファルト 240 // 241 Wirtgen GmbH Reinhard-Wirtgen-Strasse 2 · 53578 Windhagen · Germany Phone: 0 26 45 / 131-0 · Fax: 0 26 45 / 131-279 Internet: www.wirtgen.com · E-mail: [email protected] Illustrations and texts are non-binding. 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