非言語アプローチを含めた質的調査法による商品嗜好の

平成 27 年度
筑波大学理工学群社会工学類
卒業研究論文
非言語アプローチを含めた質的調査法による
商品嗜好の多様性の理解
社会経済システム主専攻
学籍番号
201211243
兼松龍之介
指導教員
石井健一
1
准教授
目次
第 1 章 序論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1-1 研究の背景と目的
1-2 先行研究
1-3 本研究のねらい
第2章
調査の手法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第3章
3-1
3-2
3-3
3-4
結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
商品イメージと商品の好み
ラダリング法による消費者の価値観分析
結果のまとめ
考察
第 4 章 まとめと今後の課題・・・・・・・・・・・・・・22
4-1 まとめ
4-2 今後の課題
参考文献
謝辞
付録
2
要約
本研究では ZMET 法を参考にし、絵や写真を利用した非言語アプローチ、ラダリング
法などのインタビュー調査含む質的調査法を行い、被験者の商品に対するイメージや、商
品の好みに関連する価値観などを明らかにするとともに、商品イメージの調査における非
言語アプローチを含む質的調査法について検証した。
今回の調査ではカバンを研究対象の商品とし、商品の好みを理解するために日常使用し
ているカバンついて、被験者に対し絵や写真によって商品イメージを表してもらう非言語
アプローチを含めたインタビュー調査を実施した。そして、カバンの好みに関連するもの
や、商品に対するイメージとして、かなり多種多様な属性があることが分かった。
絵や写真を利用した非言語アプローチを行ったことによって得られた商品イメージと
して、秋、男らしくない、パリジャンヌ、おじいちゃんが使っていそう、機械的、暖かみ、
リラックスしている、メインディッシュではない、探検家、無骨、自由、能天気、中性的、
ロゴマークなどがあった。
潜在意識、深層心理を理解することにおいて、商品を選ぶ際に自分がなれないものへの
憧れや、自分自身とは違うもの、正反対のものに対する尊敬、少し隠れていたいという気
持ちなどが影響している可能性があるということが商品イメージから明らかになった。こ
れらはアンケート調査では得ることが難しい結果であり、非言語アプローチを含む質的調
査法の有効性を示した。
3
第1章
序論
1-1 研究の背景と目的
現代社会では商品が多様化し、さらに通信販売の普及もあり、消費者が様々な商品から
自らの気に入ったものを選ぶことのできる時代となった。さらに、ビッグデータの利用に
より、効果的なネット広告を打つことも一般的となった。そこで、どのような価値観をも
っている消費者がどのような商品を好むのか、また、どのような要因で消費者が商品を好
むのか、さらには、商品やブランドに対して消費者がどのようなイメージを持っているの
かを理解することによって、企業側が消費者に対してアピールしようとしている商品やブ
ランドのイメージが、消費者の持っているイメージとマッチしているのか、また、相違が
あるのかということを効果的に理解することができる。
そして、商品に対して持つイメージは各個人ごとに異なるので、どのような消費者が商
品やブランドに対してどのようなイメージを持つのか、どのような商品やブランドを好む
のかということ理解することにより、どのような価値観をもった人を対象にした商品を売
り出すかを考えることにより、より消費者の欲しいものを実現させることのできる効果的
な商品開発や、より的確な商品イメージを消費者にむけてアピールなどプロモーションを
行うことができるのではないかと考えた。
博報堂は2005年に「ZMET 調査」を活用した調査プログラムの提供を開始しており、
「ZMETは、「人間はイメージ(映像)やメタファー(比喩)によって思考する」とい
う前提に基づき、イメージやメタファーを活用しながら調査対象者の潜在意識や深層心理
を探ろうとするもので、心理学や脳科学をマーケティングに学際的に応用研究することで
生まれました。すでに、欧米の先進企業において積極的に採用され始めています。」と述
べている。そして、「本手法は、顕在意識とともに潜在意識が消費行動に与える影響を明
らかにすることが可能となり、新商品開発やブランディング、広告アイデアづくりのみな
らず、事業戦略の策定やインナーヒアリングなどの領域でも大きな役割を果たします。」
(博報堂,2005)と述べている。このように、消費者の深層心理を理解することによって、
事業戦略など様々なことに活かすことができると考えられる。
また、非言語アプローチを用いることによって、アンケート調査や通常のインタビュー
調査より多種多様な商品に対するイメージを理解することができ、多様性の理解の効果的
であると感じた。さらに、「ZMET 法」を利用した調査についての研究や、商品イメージ
に対して非言語アプローチを用いた研究の数が多くないことから、本研究を行う意義を感
じた。
4
1-2 先行研究
「SEEING THE VOICE OF THE CUSTOMER : METAPHOR-BASED ADVERTISING RESEARCH」Gerald
Zaltman , Robin Higie Couler (1996)では、ZMET 法は広告調査を改善するための有効
な手段であると述べられており、また正式な研究は提供されていないが、コミュニケーシ
ョンの専門家の中の経験則ではコミュニケーションの約80パーセントが非言語的であ
り、口語と非言語的なイメージの組み合わせが、消費者のよりさまざまな内部の表現を研
究者が理解するのに役立つと述べられている。
この論文の中では一例として一人の女性に対して、ある部屋着(肌着)のイメージにつ
いての調査が書かれている。この調査では、被験者に対してその商品のイメージを示すも
のを、写真を撮ること、また画像を雑誌、本、新聞、その他から集めるように指示し、そ
の後2時間マンツーマンのインタビューを行っている。被験者は13のイメージを表すも
の提示した。その中の一例としては、電話と電子レンジのコードがねじり合っているもの
(部屋着がねじれること、暑いこと、不快感を表している)また、細長い首にネックレス
をつけたアフリカのマスクの絵(優雅だが、抑圧される気持ちを表す)などがあり、上品、
従属、拷問、締め付け、ねじれなどに分類されていた。
「流行と日本人」辻(2001)では、
「女子大学生のバック購入の際の重要度は、1位:流
行している、2位:ブランド、3位:価格、4位:デザイン、5位:色、6位:使いやす
さ、7位:素材、8位:耐久性、9位:大きさ、10位:服に合わせやすい
であり、上位に流行、ブランド、価格が回答されこれらの要因が重用視されていることが
わかった」辻(2001)と述べられている。また、「高価なバックを持ちたいときは特別な
場合が多いという結果が得られた。たとえば、結婚式、卒業式、入学式、成人式などの冠
婚葬祭のときには、6大ブランド(エルメス、ルイ・ヴィトン、プラダ、シャネル、フェ
ラガモ、グッチ)のように誰でもが、そのブランドを知っているようなものが良いとされ
た。また、一般的に知らない人がいる状況にもやはり6大ブランドが好まれた。一方、大
学のサークルやクラブ、あるいはデートやショッピング、恋人とのお出かけなどには、身
近な等身大のブランドを持つことに賛成のものが多かった。ここでは、通学ということか
ら、安価で日常品という感覚のものが良いとされた。」辻(2001)と述べられている。
1-3 本研究のねらい
本研究の最終的な狙いは、非言語アプローチを含む質的調査法によって消費者の商品嗜
好の多様性、商品に対するイメージ、好みと価値観との関係を理解することにある。本研
究では、非言語的アプローチを含む質的調査法がどの程度商品の好みの多様性を理解する
ことに有効であるかを示すことを目標として ZMET 法を参考にし、絵や写真を利用した
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非言語アプローチによって、被験者の商品に対するイメージや、商品の好みに関連する価
値観などを明らかにする。
6
第 2 章 調査の手法
研究対象とした商品:
本研究では、商品の好みを理解するためにある程度の商品の買い替え頻度があること、
また一般的に所持者が多いと思われる点から、カバンを研究対象の商品とした。本研究で
は、使用している際の商品に対するイメージについて理解することも期待して、こちらか
ら商品を提示するのではなく、被験者が実際に使用しているカバンを研究対象の商品とし
た。
調査方法:
商品の好みを理解するために、日常使用しているカバン、気に入って使用しているカバ
ンについて、絵や写真によって商品イメージを表してもらう非言語アプローチを含めたイ
ンタビュー調査を実施した。
調査実施日:11月〜12月
対象:筑波大学生
サンプル数:10(男4
女6)
インタビュー方法:
① その商品のイメージを表す絵や写真を事前に10枚程度選んでもらう。(いく
つかの絵や写真の例をこちらから提示し、必要があれば追加でインターネット
などから画像を選んできてもらう。
)今回の調査では、はじめの段階では10
0枚程度提示している。男性、女性、大人、子供、学生、兵士、外国人、着物、
素材、食べ物、動物、植物、風景、道具、建物、橋などできるだけ同じジャン
ルでも様々なものを用意する。
② なぜ、その絵または写真を選んだのか、またその絵や写真から感じるイメージ
を聞いていく。(このステップにより、被験者が商品に対してどのようなイメ
ージを持っているのか、その深層心理を理解するのに役立てる)
③ ②で出たイメージについて、追加でいくつかの質問を繰り返し行う。また、使
用頻度や、購入時期などの基本的質問をする。ラダリング法を用いて、最終的
に、属性、機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、価値観などに分類する。
ラダリング法については、丸岡(2000)を参考にした。
④ インタビュー調査の過程で、①で選んでもらった絵や写真で表しきれないイメ
ージがあると感じた場合は、追加で絵や写真を選んでもらい、②と同様の質問
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を行う。
⑤ その商品と正反対のイメージを表す絵や写真を選んでもらい、②と同様の質問
を行う。(その際も、いくつかの絵や写真の例をこちらから提示し、必要があ
れば追加でインターネットなどから画像を選んでもらう。)
⑥ 最も商品のイメージを表す絵や写真を3枚程度選んでもらい、それらを選んだ
理由を聞いていく。(商品に対して様々なイメージを持っている場合、どのイ
メージが強いのかということを理解することによって被験者の心理をより理
解する狙いがある。)
⑦ 様々な絵や写真を組み合わせて、1 枚の画像で表してもらい、なぜそのような
画像を作ったのか質問する。
⑧ 今現在、欲しいと思うカバンと、絶対に買わないだろうというカバンを選んで
もらう。(この場合インターネット上の通販サイトなどから画像を選択しても
らう)また、どうしてその商品を選んだのかということを質問していく。この
質問を行うことによって、普段使っているカバンに加えて、好みのカバン、好
みでないカバンについて質問を繰り返すことによって、被験者の商品の好みを
より理解する狙いがある。
⑨ 最終的に、商品の好みに関連するいくつかの価値観などに分類する
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第三章 結果と考察
以下ではインタビュー調査の結果について紹介する。まず 3-1 では、被験者のそれぞれ
の好みや商品イメージの結果を示す(詳しい内容、被験者によって選択された絵や写真は
付録)3-2 ではラダリング法による分析結果を、3-3 で結果のまとめを示し、3-4 で考察を
述べる。
3-1 商品イメージと商品の好み
以下では、被験者1から被験者10までの各被験者に対して行った調査について示して
いる。表に書かれている商品イメージについては前述の調査方法の①の手順によって被験
者によって選択された絵や写真をもとに非言語アプローチによる商品イメージとして示
している。また、文章中ではそれらの商品イメージ、また現在欲しいと思っているカバン、
絶対に買わないと思うカバンをもとにインタビュー調査、ラダリング法によって得られた
結果をまとめている。
3-1-1 被験者1
写真1 被験者1の普段使用しているカバン
表1 被験者1の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者1
男
派手すぎない、落ち着いている、毎日使う(大学に持ってい
商品イメージ
く)、静かな場所、秋
商品イメージ分類
見た目、色、使用用途
被験者1は、カバンに対してのイメージとして色に関連する部分が多かった。身につけ
るものとして、普段から服も落ち着いた色が多く、目立ちたくないという気持ちや、服に
合わせやすいなどの理由が大部分を占めていた。また、派手ではない落ち着いた色のカバ
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ンである方がどんな場面でも使うことができ、ひとつのものを様々な場面で使うことがで
きることから愛着を持って使うことができるという要素もあった。
また、主に大学に通学する時に使用することから、A4のクリアファイルが入る大きさ
であることが、実用性の部分で最低限必要な条件であった。また、たくさんある商品の中
から自分の気に入ったものを選びたい、カバンに対してお金をかけるくらいなら、食事な
ど他のものにお金を使いたいという気持ちから、ネット通販によって商品を購入している
ことから、失敗しても安い商品であればすぐに買い替えることができるという気持ちが働
き、できるだけ安くカバンにかかる金額をおさえたいということで、あまり高額ではない
カバンを購入していた。
3-1-2 被験者 2
写真2 被験者2の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 2)
表2 被験者2の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者2
女
男らしくない、もらったもの、紫、同じカバンをもっている人がい
る、カバンのシリーズとしていろいろなものがある、サイズ、シ
商品イメージ
ンプル、レジャー、ものが入る、普段使い
商品イメージ分類
色、対象、入手方法、容量、使用用途、ブランドイメージ
被験者2は商品に対して多様なイメージを表したが、被験者1と同じく色について暗め
の色を好んでいた。しかし、暗い色のカバンを選ぶ理由として最も大きいものは普段から
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明るい色を好んでいるという点にあった。また、現在、普段使用しているカバンについて、
それまで使用していたカバンが壊れかけていたこともあり使用するカバンをかえたが、そ
れまで使用していたものについてもデザインや形を含めて、おなじようなものであった。
自分で購入した訳ではなくもらったものであるが、自分が購入する際も同じような商品を
購入する可能性が高いという結果が得られた。
また普段使いのカバンであるという点から、かわいいなどというデザインの部分よりも
使いやすさなどの実用性を重視。また、年中使うことができるという「商品に対すイメー
ジも見受けられた。また、どのようなカバンが欲しいかという質問に対しては、カジュア
ルなものという点では今まで使用していたものと同じであったが、現在と使用する場面が
同じであってももう少し、お洒落なものや可愛いものが良いという点から商品を選んだ。
その理由としては、現在使用しているカバンについて日常の通学などに使う際には問題は
ないが、少し出かけるときなどにはデザインとして向いていないと考えているため、もう
少し自らがお洒落であると感じるデザインのものであれば、日常の通学などに加えて、友
人と出かけるときなどにも問題なく使うことができ使う幅が広くなるという点にあった。
3-1-3 被験者 3
写真3 被験者3の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 3)
表3 被験者 3 の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者3
男
明るめのブラウン、形、白いライン、大きさ、よく中に入れてい
商品イメージ
るもの、デザイン、パーツ
商品イメージ分類
色、見た目、デザイン、使用用途
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被験者3のイメージとして特徴的なのは、よく中に入れているものがカバンのイメージ
の大きい部分を占めていることである。細かいポケットが多いため携帯端末などが入れや
すいという点がこのカバンの気に入っている点であった。このことは被験者が普段から用
途ごとのこだわりが強く、細かく機能を分担させているため細かい荷物が多いことが理由
にあげられる。また、機能ごとのこだわりが強いという点からカバンについてもいくつか
使用しており、通学など重いものを持ち歩かなければならないときには別のカバンを使用
していることが分かった。
色については、普段から暗い色を好んで着ることが多いことから、カバンについてはそ
の逆で、全体の雰囲気が暗くなりすぎないようにできるだけ明るい色にしたという気持ち
があり、今回についても明るめの茶色という点で商品を選んでいた。
また、ネットを利用して商品を購入する機会が多いことが分かった。身につけるものに
ついては店で同じものを見てイメージを固めてから購入するなど自分が身につけてみて
から、購入を考えるなど自分にとってその商品が合うかどうかということを考慮して購入
している。さらに、ブランドよりも使いやすさを重視することから合理的な考え方である
と言える。
3-1-4 被験者 4
写真4 被験者4の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 4)
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表4 被験者4の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者4
女
パリジャンヌ、デザイン、白とピンク、模様、柄、サイズ、形、パ
商品イメージ
リ(洋風)
商品イメージ分類
雰囲気、デザイン、色、模様
被験者4の特徴としては、成れないものへの憧れやなれないものに対する憧れの感情が
カバンの好みの要因になっているという点である。白とピンクの色合いにはお姫様のよう
な可愛らしい印象、模様(植物の柄)からは脇役のような印象を受け、それぞれになれな
いものへの憧れや、自分とは違うものへの尊敬の感情があった。
また、教科書などを持ち運ぶ必要がある時には、別のカバンを使用している。研究対象
となったカバンについっては使う頻度が多い訳ではないがデザインについては今まで見
たものの中で最も気に入っているため、部屋のインテリアのような形になっている。
3-1-5 被験者 5
写真5 被験者5の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 5)
表5 被験者 5 の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者5
男
おじいちゃんが使っていそう、着飾っていない、濃い茶色、写
真を撮っているイメージ、色、機械的、使いそうな人、デザイ
商品イメージ
ン、使用用途、雰囲気、色
商品イメージ分類
使いそうな人、デザイン、使用用途、雰囲気、色
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被験者5はシンプルなものが格好良いという感情が強かった。身につけるもの(服など)
もシンプルなものが多く地味すぎるという印象を自ら持っているものの、色などいつもと
違うものを身につけることに対して挑戦したいという気持ちはあるが、どの程度挑戦して
いいか分からないということが、黒などの目立たない色を選ぶ要因となっている。
また、カメラを持ち歩くことを主な使用用途としているため、品質がたしかなもの、丈
夫なものを使いたいという気持ちが強い。そのため、今回調査他の被験者に比べてカバン
を購入する際に使っても良いという金額が高めであった。
3-1-6 被験者 6
写真6 被験者6の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 6)
表6 被験者6の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者6
男
色鉛筆に近い色、かわいい、青、自然の中で使用するイメー
商品イメージ
ジ、暖かみ
商品イメージ分類
色、雰囲気(かわいい、暖かい)、使う場所
被験者6は暖かみや、調和を重視している点が特徴的であった。着ている服や、身につ
けているものが相手に与える印象の大きな部分を占めていると考えており、色については、
一色ではなく、二色であることによって暖かい印象を与えることができるため二色のカバ
ンを好んでいた。現在使用しているカバン、また欲しいと考えているカバンはどちらとも
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二色のものであった。そして、暖かい印象を与えることのできる色として、茶色やベージ
ュ、落ち着いた緑などの柔らかい色をあげている。反対に、白や黒に対しては冷たい印象
を持っていた。
また丈夫でかつ手に取りやすい価格(5000円程度)という点から OUTDOOR というブ
ランドの商品を好んだ。また、普段から一つのカバンで済ませることが多いということか
ら、自己主張の強くない落ち着いた色を好んだ。自己主張の強くない色を好む一方、自分
自身は自己主張の強い方の人間であると考えていた。
3-1-7 被験者 7
写真7 被験者7の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 7)
表 7 被験者 7 の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者7
女
リラックスしている、カジュアル、庶民的、外に持っていく、身
商品イメージ
近、紫、行きそうな場所、発色、メインディッシュではない
商品イメージ分類
雰囲気、カジュアルさ、使用場所、色、役割
被験者7の特徴的な点として、カバンはあくまでもメインディッシュではないという点
である。服装を決めてからカバンを選ぶなど着る服によってカバンを変えるものの、あく
までも服装が中心であった。そして、被験者は多数のカバンを持っており、色や、服装の
丈の長さなどと、カバンのバランスから、カバンを選択することが多い。また、その際に
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カバンのサイズと服装とのバランスがうまくいかない際には、カバンを二つ持つなどして
対処している。また、紫のカバンを選んだ理由としては、紫という色を特別好んでいるわ
けではなく、紫が現在持っているアウターなど何色にでも合うという点で選択していた。
また、日常的に使っているものであるという点から庶民的なイメージを現在使っている
カバンに対して持っていることが分かった。
3-1-8 被験者 8
写真8 被験者8の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 8)
表8 被験者 8 の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者8
女
男の子(白人)が将来使っていそう、自然にマッチする、探検
家、日常的、ハイキング、和風ではない、無骨、カッチリめのカ
商品イメージ
ジュアル、鮮やか、自由、能天気、田舎、中性的
商品イメージ分類
使いそうな人、使用場所、カジュアル、雰囲気
被験者8で印象的だった点は中性的なものを好んでいる点である。今回調査対象として
持ってきてもらったカバンに対しても、中性的なイメージを持っており、男の子が将来使
っているようなイメージなどが表されている。そのような好みの要素として、英語ミュー
ジカルの男役への憧れや、格好いい女の人になりたいという憧れや尊敬の感情が関係して
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いると思われる。また、その背景には育ってきた環境などが関わっていると思われる。
3-1-9 被験者 9
写真 9 被験者 9 の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 9)
表9 被験者9の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者9
女
商品イメージ
茶色、派手な色じゃない、素材、持って歩いていそう
商品イメージ分類
色、素材、使用場所
被験者9は被験者1と同様にイメージに対する色の占める割合が多かった。派手な
色を好まない理由としては、派手な色に惹かれない、目立ちたくないということがあ
げられた。その要因としては、体格が大きいというそれだけで目立つので、服装など
は目立たないようにしてできるだけ隠れたいという気持ちが関係していると思われ
る。そして、できるだけカバー力の高いものが良いという点から、フタの大きなもの
を好んでいる。このことは、被験者本人がものをなくしやすいという自覚があり、で
きるだけものを無くさないように努力していきたいという気持ちが関係していると
思われる。
また、商品を購入する際、必要でないものは買わないという考えを持っており、カ
バンについても使えなくなるまでは新しいものを買わない。
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3-1-10 被験者 10
写真 10 被験者 10 の普段使用しているカバン(撮影者:被験者 10)
表 10 被験者 10 の非言語アプローチによる商品イメージ
被験者10
女
商品イメージ
ロゴマーク、紺と緑、スポーティ、使っていそうな人、ブランド
商品イメージ分類
ブランド、色、スポーティ、使っていそうな人
被験者10は他人の意見を重視して商品を選ぶ傾向にある。調査対象のカバンもブラン
ドのものであり、ブランドに対する信頼感は大きい。他人の意見を重視することと、ブラ
ンドに対する信頼感が大きいことの共通の要素として、商品を購入するときに失敗したく
ないという感情が強い。また、気に入ったデザインのブランドがあれば今後も同じブラン
ドのものを購入する可能性が高いことも分かる。
3-2 ラダリング法による消費者の価値観分析
今回のインタビュー調査で得られた、商品選択の際に関わる属性は次の通りである。価
格が安い、派手すぎず、地味すぎずない、シンプル、ものが入る、暗い色、使いやすい、
生地がしっかりしている、明るめのブラウン、ポケットが多い、大きさ、白とピンク、植
物の柄、濃い茶色、着飾っていない、青、茶(2色であること)、かわいい、庶民的、紫、
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ブランドもの、リュックサック、カジュアル、無骨、カッチリめのカジュアル(ジャケッ
トやシャツなどに合わせるイメージ)、中性的、茶色、皮に近い素材、フタが付いている、
ブランド、紺と緑、スポーティ、ロゴマーク。このようにカバンの好みに関連するものや、
商品に対するイメージとして、かなり多種多様な属性があることが分かる。属性が多数で
あるためすべての属性においてのラダリング法による消費者の価値観分析をのせること
はできないが、その一部を以下に示す。以下の図の属性は中性的という属性は被験者8か
ら得られたものであり、白とピンクは被験者4から得られた属性、ポケットが多いは被験
者3から得られた属性、茶色、紫は被験者1、2、9から得られた属性、ブランドは被験
者10によって得られた属性である。
図1 ラダリング法による消費者の価値観分析
3-3 結果のまとめ
今回の調査で絵や写真を利用した非言語アプローチを行ったことによって得られた商
品イメージとして、秋、男らしくない、パリジャンヌ、おじいちゃんが使っていそう、機
械的、暖かみ、リラックスしている、メインディッシュではない、探検家、無骨、自由、
能天気、中性的、ロゴマークなどがあった。
潜在意識、深層心理を理解することにおいて、商品を選ぶ際に自分がなれないものへの
憧れや、自分自身とは違うもの、正反対のものに対する尊敬、少し隠れていたいという気
持ちなどが影響している可能性があるということが商品イメージから明らかになった。自
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分がなれないものへの憧れや、自分自身とは違うもの、正反対のものに対する尊敬につい
て商品の好みに影響している傾向がある被験者は今回の調査では10人中3人であった。
今回の調査で対象とした10人ではカバンの好みや、選ぶときの基準について色、雰囲
気や実用性(大きさや、使いやすさ)は多数の被験者から共通の要素としてあげられたが、
その他は多種多様であった。カバンを選ぶときに重視することで最も多かったのは大きさ
である。このことは普段使いのカバンにおいてどのような場面で使うのか(たとえば、学
校に通学するのに使用する場合はA4のクリアファイルが入る大きさが求められる)とい
うことでカバンの大きさを決めるという点で当然の結果と言える。このことに関しても、
大きさについては好みというより形(肩掛けカバン、リュックサックなどの違い)は商品
を選ぶ際の大前提条件であると言える。
また、今回の調査ではカバンの大小の差があるので一概に言うことはできないが、商品
を選ぶ際の価格としては、2000円〜3000円程度のものを好む消費者と5000円
以上の商品を好む消費者に分けられる。普段使いのカバンであることから丈夫さを重視し
たいという点から、ある程度お金をかけても良いという考えの被験者が多かった。また、
ネット通販を主に使う被験者では2000円〜3000円程度の商品を好む傾向が強か
った。
さらに、ブランドのものに対して信頼感を持って、そのような商品を好む被験者が何名
か見られたが、ブランドのものを持つことによって優越感を味わいたいという動機はなく、
丈夫なカバンを使いたいという動機や、そのブランドのデザインが気に入っているからと
いう理由であった。
また、色についての好みは様々見受けられたが、暗めの茶色や黒、紫などの暗い色を好
む理由として、目立ちたくない、派手な色を好まないという理由や、普段明るい色の服を
好んで着るためカバンについては、全体として落ち着かせるために暗い色を好む、またそ
の逆で普段の服装が暗い色のものが多いので全体のイメージが暗くならないようにカバ
ンは明るめのものを好むという結果が見られた。また、今回研究対象とした普段使いのカ
バンについては、いくつかのカバンを持って使い分けているという例よりも1週間のうち
4、5日など同じカバンを使用する例が多く、どの服装にでもあうようなものを好む傾向
が見られた。そして、いくつかカバンを持つという例場合と、できるだけ幅広く様々な場
所で同じカバンを使いたいという考えも見られた。また、色の好みについては一色の好み
ではなく、色の組み合わせの好みが見られた。一色ではなく、二色のカバンであることに
よって、暖かい印象を与えられることから二色の組み合わせを好む、白とピンクの組み合
わせが可愛らしい印象であるなど、色が二色組み合わせられていること自体を好んでいる
こと、また色の組み合わせにも好みがあることが分かった。
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また、カバンに関してはメインディッシュではなく服の副菜という考えがあることから、
あくまでも服装に合うようにという考えもあった。
今回の調査では、100枚程度の画像を呈示したが、商品に対するその中からすべ
て選んだのは4名、追加の画像も含めて選んだのが6名となった。
3-4 考察
本研究では、商品に対するイメージとして多種多様なものが得られた。このことから同
じような商品でも消費者によって商品に対するイメージは異なる可能性が考えられる。ま
た、同じような商品を好んでいたとしてもその理由は様々であることが考えられる。
先行研究では、流行やブランド、価格が商品を購入する際に重要視されていると述べら
れていたが、今回の調査では丈夫さ(耐久性)、大きさ、使いやすさなども購入の際に重
要な要素であるという結果が得られた。また、本研究の調査においては、流行しているか
どうかを重視している被験者は見受けられなかった。このような結果が得られた要因とし
て、被験者の中には、一つのものを長く使い続けたいという思いや、普段使いのカバンに
ついては、実用性が最優先であることなどが考えられる。また、つくばという土地が流行
に敏感ではないという可能性も考えられる。しかし、実用性が商品を選択する際に優先さ
れるとは言っても、商品を選択する際には色やデザインを考慮しない被験者は見られなか
ったこと、また、調査の中では大きさなどで商品を絞ってからデザインで選ぶという被験
者が何名かいたため、商品を選ぶ際、実用性→デザインと段階的に商品を選択していると
考えられる。
普段使用するカバンという点から、先行研究と同じように、等身大のものが好まれると
いう結果になった。そのため価格においても5000円程度のものが多数であり、被験者
が日常使うカバンについてできるだけ丈夫なものを使いたいという気持ちが働いても、5
000円程度の金額のものであればある程度丈夫なものを購入することができると考え
ており、それ以上の金額のものを買う必要はないと考えている場合が多かった。このこと
は、今回の調査ではサンプル数が少ないためブランドを気にしている被験者がたまたま現
れなかったという可能性もあるが、普段使いのカバンで等身大のものが好まれていること、
また今回の調査で得られた結果からは、学生にとっての等身大のカバンというのは価格に
すると2000円〜10000円のものであると考えられる。
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第四章 まとめと今後の課題
4-1 まとめ
今回の調査で非言語アプローチを用いることで、被験者が商品に対してどのようなイメ
ージを持っているかを効果的に知ることができたと言える。また、被験者が商品に対して
どのようなイメージを持っているかということをきっかけとして、被験者がどのような商
品を好むのかを理解することが、被験者の価値観や、商品の好みを理解することに役立っ
たと言える。
また、質的調査では調査者側が予想できない項目についてもカバーすることができるた
め、このような調査を数人に対して行い、調査者側が把握できていなかった商品イメージ
や価値観などをアンケート調査の項目に追加して調査することも有効であると考えられ
る。さらに、商品などを選ぶ際に何を重視しているか順序付けが難しい場合でも、被験者
側はアンケート調査ではあらかじめ与えられた尺度、または無理矢理順序付けするしかな
いが、質的調査法では単なる順序付けではない部分を知ることができるので有効であると
言える。(例えば今回の調査では、カバンを選ぶ際に大きさや形などは大前提として、そ
の条件を満たすものの中から、色やデザインなどで商品を選ぶ被験者が多かった。)
4-2 今後の課題
今回の調査では被験者が10人とサンプル数が少なかったため、多種多様な商品の好み
や、商品に対するイメージをグループ化することはできなかったが、より多くのサンプル
を得ることによって、多種多様な商品の好み、商品に対するイメージをグループ化するこ
とで、より明確な結果が出るのではないだろうか。
また、本研究では各被験者が実際に使用している商品に対するイメージや好みの調査を
行ったが、すべての被験者に対して同一の商品のイメージを調査することによって、各被
験者の商品イメージの違いを理解すること、また、ブランドに対するイメージについて調
査することによって、ブランドに対する消費者のイメージ(ブランドイメージ)を理解す
ることができると思われ、意義のある調査であると考えられる。本研究ではカバンを研究
対象の商品として調査をし、多種多様な商品イメージを被験者から導き出すことができ一
定の成果を得ることができたが、本研究ではカバンの色の部分に対するイメージが多く見
られた。色のイメージについてはアンケート調査や、通常のインタビュー調査のほうが有
効である考えられるため、色のイメージに固まり過ぎない工夫が必要である可能性が考え
られる。
さらに、非言語アプローチが消費者の商品イメージを効果的に表していることを示すた
22
めに同一商品、同一被験者に言語アプローチのみによる調査、非言語アプローチによる調
査の差異を示す必要が考えられる。
今回の調査では、100枚の画像を被験者に呈示しインタビュー調査を行い、ジャンル
については十分であったと考えられるが半分以上の被験者が追加で画像を選んできたこ
とから200枚程度呈示する必要性も考えられる。
23
参考文献
Gerald Zaltman , Robin Higie Couler,1996
SEEING THE VOICE OF THE
CUSTOMER:METAPHOR-BASED ADVERTISING RESEARCH
( journal of
ADVERTISING RESEARCH—JULY/AUGUST 1995 p35~p49)
丸岡吉人、2000
社会心理学7
消費者の価値意識
消費行動の社会心理学
辻幸恵、2001 流行と日本人
森谷寛之、2012
博報堂、2005
で独占的に提供
高木修、竹村和久
2章(p27~p37)
2000
シリーズ
21世紀の
北大路書房
白桃書房
コラージュ療法実践の手引き
金剛出版
生活者の深層心理を調査するプログラム「ZMET 調査」を博報堂が日本
http://www.hakuhodo.co.jp/pdf/2005/20050725.pdf
24
謝辞
本論文を作成するにあたり、熱心に指導いてくださった石井健一先生に心よ
り感謝いたします。また、調査の被験者としてご協力くださった皆様にもこの
場を借りて、感謝申し上げます。
25
付録
一人目
男
被験者によって、選択された画像
① 色のイメージ、動物
色のイメージについて、
派手すぎない、落ち着いた色、調和がとれる
どんな場面でも使うことができる
TPO を気にする
普段使うものだから、どんな場面でも使えるもの
ひとつのものを長く使う
鞄に対してそんなにお金を使わない
愛着がわく
② 色のイメージ、雰囲気
雰囲気について
派手じゃない
服に合わせやすい
毎日使う
目立つより、落ち着いていたい
人目を引くのが嫌、目立ちたくない
③ 色
④ 持っていく場所
大学にもって行く
A4 のファイルが入る大きさ
見た目と、実用性を半々に考える
中の物を取り出すのが楽で、使いやすいものがいい
⑤ 色のイメージ
⑥ 持っていきそうな場所
色
雰囲気
26
落ち着いている
わいわいしている場所より、静かな場所
⑦ 色、革
⑧ 合う食べ物
⑨ 色
⑩ 秋っぽい、色、持って行きそうな場所
<かばんについての質問>
7月に購入
大学に行くときに主に使用する
色と値段を重視した
前とおなじようなものを購入しようとして、現在のものを選んだ
2000 円程度
通販で購入した
商品に当たりはずれがあるので、おなじようなカバンの中から最も安いもの
カバンにお金を使うくらいなら、他のものに使う
安ければ、飽きたときにすぐ買い替えることができる
<最も商品のイメージを表すもの>
⑥
<正反対のイメージ>
日常からかけ離れている
青っぽい
<欲しいと思うカバン>
扱いやすい、取り出しが楽
A4 が入る大きさ
色
<絶対に買わないと思うカバン>
27
利便性が低い
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
この1枚に商品に対するイメージが集約されている
持っていきそうな場所
わいわいしているより静かな場所
色
雰囲気
(画像はインターネット上などから被験者1による提供)
二人目
女
① もらったものがたまたま、男らしくない、年中使うことができる
② もらったもの
年中使うことができる
③ 色、紫
もらったものが紫で、紫なら使うことができると感じた。
→暗い色が良かった。
→明るい色が好きであるため、服が明るい色が多い。(明るい色には活発なイメージを
持っている。
)
→調和をとるためには、かばんは暗い色のほうが良いと思った。
④ 同じカバンを持っている人がいる
⑤ カバンのシリーズとしていろんなものがある
上着が紺が多い→かばんは黒か紫
このかばんは貰ったものであるが、自分で買うことになっても同じものを買ったかもし
れない
⑥ サイズがタヌキくらい
大学に行くくらいの荷物を入れるのにちょうど良い
買い物に行くには小さいと思っているが、より大きいかばんを持ちたいとは思わない
⑦ デザインがシンプル
凝ったデザインである必要がない
普段使うものだから、デザインよりも使いやすさのほうが大事
28
⑧ 買い物でもものが入る
かわいいかばんはものが入らない
買い物をしてものを入れたときに、かわいいかばんだと使用法が間違っている気がする
⑨ 普段使い
普段使うお店の近くの道のイメージ
食べ物
<かばんについての質問>
1年前の冬にもらったもの
週に5回程度使用する
前使っていたのがぼろぼろになったので使い始めた
とんでもないものでなければ使っていたと思う
→普通の服でも変じゃない、ギラギラしたバックではない
前使ってたものも同じようなかんじのもの
容量>使い勝手>デザイン
<最も商品のイメージを表すもの>
①⑤⑥
<正反対のイメージ>
セクシー、ダンディ
→このカバンを使いそうにない
高級感はない、いろいろな人が使うイメージ
ミステリアスではない、一般的
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
年齢関係なく、自分がいくつになっても使うことができる
様々な色がある
<欲しいカバン>
今までのものとデザインが違う
29
デザイン
→横にチャックがあるので横からものがこぼれなさそう
使っているやつよりもかわいい
ちょっと形が変わっていて面白いと思う
カジュアル
→服に合わせやすい
今のやつよりもお洒落
→使う範囲、使える範囲が広がる
生地がしっかりしてそう
→破れない、丈夫
大きくてものがいっぱい入りそう、本がいっぱい入りそう
話のネタになりそう
→話が弾むと楽しい
<買わないと思ったカバン>
使うシーンが一致しない
ものが入らない
サテン生地→普段使うことができない
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 2 による提供)
三人目
男
① 色
ブラウンの中でも多少明るめ
→普段暗い色の服装が多いので、全体の印象として暗くなりすぎないように
明るく派手なものは似合わないと感じている、また目立ちたくないということから、黒
や青といった色に落ち着くことが多い
② 色、形、白いライン
③ 大きさ
クッションくらいの大きさ、ちょうど良い
大きすぎる訳ではないが、お酒の瓶などもいれることができる
学校の教科書など、重いものは強度の関係から別のカバンを使っている。
30
④ よく中に入れているもの
携帯端末などが入れやすい
機能性が良い(中にもポケットが付いているなど)
ガラケーなど普段から細かい荷物が多い
→いらないものを持ち歩いているわけではなく、機能を分担させている
→用途ごとにこだわっている
→こだわりが強い
⑤ 縫い目とチャック
使えると思ってこのデザインのものにした
使ってみて実際に便利だと思う
⑥ ベルトみたいなデザインのパーツが付いている、肩にかけるひも
かざりという印象が強い
<かばんについての質問>
夏頃に買ったもの
学校以外に出かけるときに使う
店で見てネットで購入した、普段からネットでものを買うことが多い
→出向かなくて良い、安い、早く届く、クレジットカードが便利
服やバックなど、身につけるものはイメージを固めるために、実際に身につけてみたり、
実物を見てみたりしてから購入する
ネット通販に付いて、信用できると感じている。
→失敗した経験がない訳ではない(パソコンの周辺機器などは失敗することもある)
→レビューなどを見ながら購入を検討する。
失敗してもある程度は仕方がないと感じている。
リスクは理解しているが、それ以上にメリットが大きいと感じている。
<最も商品のイメージを表すもの>
①④⑤
<正反対のイメージ>
高級感、ブランド
小さい感じがしない
31
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
オレンジは要素としては小さくないが、全体でみたときに大きな存在感があるわけではな
い
<欲しいカバン>
サイズ
ショルダーバックが欲しい
本などが入る
色→茶色
<買わないと思ったカバン>
高い
デザイン
女性が持っていそうなデザイン
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 3 による提供)
四人目
女
① カバンにエッフェル塔の絵
パリジャンヌのイメージ
ピンクと白
② 安いビーズのデザインが付いている
このデザインを気に入って買った
③ パリっぽい女の子
かわいらしいかばん
④ 色が白
単純な色
⑤ 花などの植物
ピンクで花がついている
32
花などの植物が好き
→主役ではなく脇役(ひまわりなどのイメージではない)
自分自身は主役になりやすいタイプ
→なりたいという気持ちよりは、なれないものへの尊敬
⑥ 綿毛の柄
かわいらしい綿毛が付いている
⑦ 小さい手提げカバン
⑧ 色、カバンの全体的なイメージ
パリ、洋風、ピンク
⑨ 色、白とピンク
⑩ カバンに水玉がはいっている
<かばんについての質問>
買ったもの(高校時代)
長く使っている
気に入ったものは長く使う
今まで見た中でもっとも気に入っている
2000 円くらいのもの
友達と遊びにいくときなどに使う、荷物が少ない
荷物が多いときは手提げカバンなど、教科書を持ち運ぶときはリュックサック
→場合によってカバンを使い分ける
現在このカバンは週に1回も使用していない、部屋のインテリアのような状態
パリや洋風のものが好き
→アクセサリーや、マグカップ、ベッドなどその雰囲気に近いものを持っている
→白とピンクが好き
和風が嫌いという訳ではなく、和風には和風の良さがあると思う
白とピンクの組み合わせ
→かわいらしい、洋風のイメージ
→憧れ、近づきたい気持ち
機能性はカバンを買う上で重要なことだと思う
<最も商品のイメージを表すもの>
①⑥⑧
33
<正反対のイメージ>
喪服など黒いイメージとは逆
キリッとしている
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
室内からエッフェル塔を見ている
<欲しいカバン>
柄がないところ
皮の質感
シンプルなものでいい
<買わないと思ったカバン>
柄がしつこい
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 4 による提供)
五人目
男
(最終アクセス 2015.09.28)
① おじいちゃんが使っていそう
カメラ→裕福な印象、旅行などの目的
② 何も着飾っていない
普段から着飾るのが好きじゃない
→どこまでチャレンジしていいのかわからない
→服とかも地味、目立つ方向にはしない
③ 薄い茶色ではなく、濃い茶色、カッコいいイメージ
④ 夜景、カメラで写真を撮っているイメージ
⑤ 合皮、表面が詰まっているイメージ
⑥ 赤い橋、色
⑦ 機械的、カッチリしている
34
<かばんについての質問>
カメラを買ったときに買った(セット内容として)
気に入っているものではあるが、真っ黒で良いと思っている
2年前に購入した
セット内容として分かっているものなので、周りにそのことを言われる点が不満
カメラにフィットしているわけではない
余裕が出たら買い替えてもいいと思っている
ものを買うときは、見た目→ポケットの数などの機能(見た目は格好悪くなければ、もの
すごいこだわりがあるわけではない)
値段に関しては、安いものでも良いと思っている
頑丈さが欲しいときは高い物
普段から自分が使うものは黒が多い→カメラやパソコンなど
家電はブランドのものや黒のものが良い
カッコいいもののほうが良い
→シンプルなものがカッコいいと思う、着飾ることが格好悪い
→機械的なものがカッコいい
→着る服などもシンプルなものが多い、かばんも黒や茶色
→もう少しチャレンジしてみてもいいかなという気持ちはある
服装はきれいなものを着たい、おかしくないという点が重要
<最も商品のイメージを表すもの>
②④⑦
<正反対のイメージ>
かわいくない、黒ではない
派手、柄、華やか、細長い
和のイメージではない、華やかさはない
身につけるものからかけ離れている、大人の男性
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
プロのカメラマン
35
写真の上手さ
<欲しいカバン>
カメラにフィットする
信頼できるブランド、価格帯
<買わないと思ったカバン>
色が格好にあわない
汚れが目立ちそう
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 5 による提供)
六人目
男
① 色が色鉛筆に近い
outdoor の製品には、様々な色のものがある。
下の部分がブラウンで木に近いイメージがある
柄が付いていて派手より、落ち着いている方が良い
→服に合う、服もカバンもどちらとも落ち着いている方が良い
② かわいい感じ
攻撃的であるという印象がない
自己主張が強くない
→自分自身、自己主張は強い方かもしれない
③ カバンの色が青、都会というより自然の中で使用するイメージ
青は好きな方だが、特に強いこだわりはない
コートが緑であるという点と、人とかぶらないようにしたいというところから、青にし
た
→最も好きなのは、落ち着いた緑
→色合いは気にする方だと思う
④ 木の暖かみ、色鉛筆のイメージ
茶色の部分が暖かみを与えてくれる印象
→茶色やベージュは暖かい印象、反対に白や黒には冷たい印象を感じる
36
⑤ 自然の中、ハイキング、ピクニックのイメージ
<正反対のイメージ>
(最終アクセス 2016.01.21)
やわらかい、やさしいの逆
こわい
肉食系
毒性
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
鉛筆による暖かみ
全体の色合い
かわいい
<欲しいカバン>
2 色あると暖かみ
リュックは便利
<買わないと思ったカバン>
デザインが派手
色合いが派手
オタクっぽい
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 7 による提供)
七人目リラックスしている
→子供がリラックスしていて、機嫌が良いイメージ
普段使っている
① 服装がカジュアル→カジュアルなイメージ
年代が近い
→自分の年にあったものだと思っている
37
② 庶民的、子犬よりかわいくない(かわいくないというわけではない)
身近な印象
③ 外に持っていくイメージ
→遠足ほどではないけど外で使う(林、森)
おそわれるような感じではない
④ 身近な環境、花とか果物のイメージではない
→女性的な主張があるとは思わない
⑤ 色が紫
→黒とか白のアウターが多い(紫なら合う)
服は紫のものはそんなに多く持っている訳ではない
大学でたくさんものを入れるカバンが必要だった。
カバンや靴は長く使いたい、丈夫なものがいい
→ある程度お金をかけても良いと思っている
BEAMS→ブランドに対する信頼
⑥ 行きそうな場所
→リュックを背負って歩くイメージ
学校に行くときに使うことが多い
→A4のファイルが入ることは重要、重いものを持つことを想定
アウターの色や丈の長さに合わせて持ち歩くカバンを決める
→着る服によってカバンをかえる
合うカバンに荷物が入りきらないときは、カバンを二つにするなどして対処する。
⑦ 発色が良い
→発色が良いものが好き、アウターなどは明るい色
⑧ メインディッシュではないイメージ
⑨ 風景が持って歩いていそう
<最も商品のイメージを表すもの>
⑥⑧⑩
<正反対のイメージ>
この場所には持っていかない
自分とは遠い
38
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
<欲しいカバン>
荷物を一つにしたい、大きな鞄
使う機会がおおい
<買わないと思ったカバン>
着る服と合わない
CM をみるたびにいやだと思う
<かばんについての質問>
週に3、4回利用する
カバンは3つか4つ持っている(普段から使うもの)
パソコンが必要なときはパソコン用のカバンを持ち歩く
電車移動が多いので、できればカバンを一つにしたいと思っていり
買い物に一人で行くことはあまりない
自分が気に入ったら買う(見た目)
ぱっと見で決める(主観)
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 8 による提供)
八人目
女
① 将来的に使っていそう
休日のように、せっぱつまっていない感じ。
明るい日曜日のイメージ。
忙しいイメージはリクルートバックやアタッシュケース。
仕事や就活の忙しいイメージ。
② 自然が豊か
自然にマッチする感じ
③ 自然の中にいる、探検家
ベージュ、探検家のイメージ
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④ 日常的な風景
日常的に普段使っているイメージが強い
学校やサークルに行くときに使う、荷物が少ないときはトートバックなどでも良い→普
段使うものはA4が入るかどうかを重視している
とくにものを入れ替えたりすることはしない→めんどうくさい
サイズの同じものをほかにもっていない
⑤ ハイキングでちょっと見に行くイメージ
高尾山に行くイメージに近いかもしれない
⑥ 和風ではないイメージ
建物が洋風、洋服とリュックサックという組み合わせ
普段使いに加えて、東京に行くときなどにも使う
荷物が増えたら追加で別のかばんを持つこともある
⑦ 無骨な感じ
飾りがなくて実用的→リュック、容量>デザイン、色、柄、形
金属に対しては、冷たい、素っ気ないイメージをもっている
今までと違うデザインのものを買いたい気持ちがあり、今のものを買った(上だけが開
くタイプ)
半円に開くタイプの方が使いやすかったと感じているので、次は半円に開くタイプを購
入すると思う。
容量を満たしているものの中で、色や合皮であるところから選んだ
→キャンパス地や、スウェット地よりもカッチリとした印象、合皮であれば雨をしのぐ
ことができる
カッチリしているほうが格好いいと思っている
→普段のファッションも襟付きのシャツや、ジャケットなどが多い、カッチリした方向
であってもキツい印象ではなく親しみやすさを出したい。
→そのような印象は、服装などよりも表情などに影響される部分が大きいと感じている。
⑧ カッチリ目のカジュアル
使える幅が広い
カジュアルな方向、できるだけどこでも使うことができる
いろんなカバンを持っているがA4サイズの入るリュックサックはひとつでいいと感
じている。
⑨ 鮮やか、自由さ、能天気、切羽詰まっていない
自由さ、道を進むこともできれば、原っぱに入ることもできる
40
→好きな方向に行くことができる
⑩ 持っていきそうなイメージ、都会というより、田舎
⑪ 中性的、ジャケット、シャツ→カッチリとしたイメージ
中性的が好き→ジャケットやシャツが多い
名前が男に間違えられやすいが、嫌だと思ったことはない
女子校出身であることが影響している?
→女子校では、女子でもカッコいいといわれることがある。
→英語のミュージカルが好きで、男役への憧れはあるが、可愛くなりたいという気持ち
は強くない、可愛いは見ていれば良いという感じ。
男の目より、女の目の方が気になる
→女子の方が厳しい目で見る印象がある
<最も商品のイメージを表すもの>
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
<欲しいカバン>
<買わないと思ったカバン>
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 8 による提供)
九人目
女
① 色、茶色
→派手な色じゃない
→派手な服を着ない
→派手な色に惹かれない、派手な色を好まない
地味目な色が多い(黒や茶色、寒色)→目立ちたくない
② 象の皮の感じと表面が似ている
→素材が良い、雨に濡れても中までしみ込まない
41
③ 色味
茶色
→目立つ色を避ける、パッと目に付くのを避ける
→体格が大きいのでそれだけで目立つ、少し隠れたいという子持ちがあるのかも知れな
い
④ 茶色っぽい
⑤ 皮の感じ
⑥ 持って歩いていそうなイメージ
→普段は通学に使っている
⑦ 材質、質感
<かばんについての質問>
自分で選んで、買ってもらった(8月)
容量と色で選ぶ
→容量>色、ある程度の容量を満たしているものの中から良いと思ったものを選ぶ
基本的には目的をもって買い物に行く
→なかった、必要だなと思ったとき、目的のものがある場合基本的には買ってからかえる
背負うカバンはものを出すのに不便だと感じている
フタができるカバンがいい(雨対策)
→ものをこわしたくない、なくしたくない
→ものをよく無くすタイプだという自覚があるので、ものを無くさないために最前を尽く
したい。
ものは壊れてから(必要になってから買う)
→再起不能になったら(ちょっと剥がれているくらいだったらそのまま使用)、使えなくな
らなければ、十分使うことができると思っている。
このカバンはほとんど持ち歩いている
カバンには守っている感が欲しい
<正反対のイメージ>
出典:
攻撃的ではない、当たり障りない、傷つけない
42
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
常に一緒にいる小さい動物みたいなイメージ
<欲しいカバン>
シンプルで使いやすそう、色味的にどんな時でも使えそう
蓋が閉まるタイプが好きなので形状が良い、色味が好き
<買わないと思ったカバン>
この色と私服が色味的に合わない、容量が足りなさそう
色味はいいが、材質的にすぐ破けたりしそうなので手が伸びない
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 9 による提供)
十人目
① ロゴマーク
他には持ってない→高い
色とサイズが気に入った、高いから買えないと思ってたら買ってもらった
自分で悩んでた(買うか)
他人の意見が重要、賛同が得られなければ買わない
自分が気に入るものは少ない
パッとかうことで失敗したから、本当に気に入ったものしか買わない
通販は絶対にない
機能性重視→内側にポケット(入れるものがだいたい決まっている)、デザインが良く
ても
探してたサイズ
高校のときから目を付けてた
5000 円手が出るギリギリ
丈夫だと思う。
② 色、紺と緑(コートとか)
色は気に入っている
何でも合わせられる
一色しかもたないものは合わせやすい色→親とかの意見
43
目がチカチカしそう。目立ちそう、目を引くのが嫌だ
→あんまり見られたくない、悪目立ち思想、無難な方に行きたい
おしゃれだと自信があれば(今は完全に自分のセンス)
柄なら意外と行けるかな
いろいろもつものなら黄色
オレンジ(小物、マフラー、靴下)
③ ニューバランスが合いそう
スポーティ、カジュアル
デザインより、動きやすさ、のびるやつがいい(見た目は気にしないわけではない)
→活発
スポーツブランドは特に着ない
④ 色、紺と緑と赤
内側が赤いのが割といい
カバン自体にはクリスマス感はない
いつでも使えるもの
⑤
⑤ カバン使ってそう
ドラマ→尾行してる、変装している
⑥ スポーティ
アウトドア系のイメージ
丈夫なイメージ
⑦ チャムス
アウトドア、丈夫、ブランド力ある、高い
ペンギンのロゴ、形とかお洒落、使いやすそう
自分の好みのデザイン
配色が好き
⑧ 深い緑、紺
暗い森、神秘的
南極
ペンギンのイメージが強い
<かばんについての質問>
44
買ってもらった。
3年前くらい
まだまだ使える
もう少し大きくても良かった
持ち物が多い→不安
ティッシュが大きい入らない
大きくていやだとは思わない
パンパンな見た目は嫌だ
持っておいたほうがいいかなと思う
かさばるのも嫌だ
普段は三つくらい使う
肩がいたく奈良らない
カバンは使い分ける
かわいい
自分なりにお洒落だなと思う
一目惚れ
のちのち買いにいく
レビュー
失敗したくない、お金がそんなにない
<正反対のイメージ>
真っ赤な太陽
情熱
あつくない、ちゃかちゃかしている
落ち着いている
<最も商品のイメージを表している3枚>
ぺんぎん、森、2枚目の男の人
ペンギンのイメージが強い
<カバンに対するイメージを1枚の画像で>
45
<欲しいカバン>
少し大きい、丈夫
信頼できる
スヌーピー可愛い
<買わないと思ったカバン>
女の子女の子しない
男女兼用に近いもの、服装
動きやすい
おばさんぽい
服装
キレイめな服装はしない
(出典が明記されていない画像はインターネット上などから被験者 10 による提供)
46