「映画プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち」 ~劇伴音楽からの解析~ 『映画プリキュアオールスターズ NewStage2』は、『フレッシュプリキュア!』から一 貫して梅澤淳稔プロデューサー作品の劇伴音楽を担当してきた高梨康治の、 “プリキュア卒 業作品”となった。 ラストを飾るに相応しい入魂の「キュアメタル」楽曲群のほか、高梨らしい優しいメロ ディを乗せたキャラクターテーマ群、そして過去作品 BGM ストックから懐かしい曲が再使 用され、まさに「謝恩会」の様相を呈している。 本稿では発売されたサウンドトラックをベースに、未収録曲も含めて『映画プリキュア オールスターズ NewStage2』の演出、特に劇場版としての「日常」と「非日常」との使い 分けを、本篇で使用された劇伴音楽からのアプローチで読み解いていく。 1. 妖精学校の朝 妖精学校の朝の風景から登校時間までを描写した牧歌的なアバンシーン。ここでは懐か しい『フレッシュプリキュア!』M-39(夢、希望)が使用されている。藤澤健至のア コースティックギターと、伊藤佳奈子のバイオリンソロを織り交ぜた優しい曲。高梨康 治のプリキュアデビューとなった記念すべき『フレッシュ』第 1 話、トリニティの公演 チケットを手にして目を輝かせるラブのシーンを皮切りに、メニュー指定どおり夢や希 望を描くシーンで使用されてきた経歴を持つ。展開されている光景は全くの「非日常」 ながら、本曲によって「ひとつの日常」として提示することで本作の導入としている。 2. プリキュア~永遠のともだち~(2013 Version)(映画 size) 懐かしい歴代プリキュア少女達の日常風景とともにオープニングシーンは展開する。懐 かしい面々の日常風景とともに、本作のオープニングテーマが流れる。映画サイズの編 集は前作同様、短縮編集したフルサイズに別途コーダ(楽曲の終始となる)を繋ぐ形式 となっている。なお本曲は高梨プリキュア楽曲としては初めて、ドラムが生演奏になっ ている。ドラムス担当は、満園英二。実弟のベース担当・満園庄太郎とともに参加。前 作からの変更点はボーカルとドラムス、ベース、ギターなど一部のパートにとどまるが、 聞き込んでいればすぐにその違いに気付くはずである。こちらはアバンと対照的に、 「い つか見た日常」のラッシュが風のように駆け抜けていく映像を本作のオープニングテー マがさらにスピード感溢れるものに仕立てている。 3. タルトの特別授業 妖精学校で、特別講師タルトによる授業が始まる。前作 NewStage(1)冒頭の場面がスク リーンに映され、生徒達はタルトの問いに対してキュアドリーム、キュアイーグレット を見事に答えてみせる。前説代わりのミラクルライトの説明(投げない、振り回さない、 光を近くで見ない)も、このシーンの中で行われている。ここで選曲されたのは、これ も懐かしい『フレッシュ』の代表的な日常曲・M-24A(日常 A 明るく楽しく) 。『フレ ッシュ』では日常曲の中で最多の使用例(19 回)を誇った楽曲。これもアバン同様、終 始一貫して現実世界とかけ離れた「妖精達の世界」を舞台に物語が展開する本作におけ る「日常」というものを定義する重要な役割を担っている。 *. はちゃめちゃ大騒ぎ(サントラ収録なし) 突然グレルが名乗り出て、自分の席から飛び出してアイテムを吹っ飛ばしたりとやりた い放題。小さな子達は泣き出すし、ミラクルライトをブチ撒けてタルトと先生は転倒。 しまいには教室のスクリーンに怪獣形態のフュージョンが大写しになり、教室は阿鼻叫 喚の渦に。このコミカルなドタバタシーンに選曲されたのは、『ハートキャッチプリキュ ア!』の H15c(日常 はちゃめちゃ大騒ぎ)。 『フレッシュ』M-57 や『スマイル』SM23 と肩を並べる、高梨プリキュア音楽におけるドタバタ系 BGM である。録音直後に『DX2』 で使用されて以来、実に3年ぶりの銀幕登板となった。なお本作サントラには、この曲 は収録されていない。また、このシーンでの使用をもって『ハートキャッチプリキュア!』 BGM は、(現時点で)プリキュアでの役目を全て終えた。 4. 世界でふたりきり いたたまれなくなり教室を飛び出すグレルと、タルトを囲む輪になじめず教室を出て行 くエンエン。湖のほとりでひとりプリキュア教科書を読むエンエンに、グレルが話しか ける。ここで本作の新曲 BGM が初めて登場。ハープの分散和音にバイオリンソロが重な っていく、高梨氏らしい優しい曲。後半部分からは笛(ケルト楽器・ティンホイッスル) の音色が印象的。ケルト音楽もまた、「メタル」と並んで高梨プリキュア音楽の重要な要 素である。フルートを初めとする笛系楽器を担当したのは、高桑英世。佐藤プリキュア 時代からプリキュア劇伴音楽を奏でてきたミュージシャンである。新曲の登場によって、 一気に世界が「誰もが初めて目にする世界=非日常」で満たされる。本曲では「グレル とエンエンのテーマ」のモチーフが提示されている。 5. 影の誘惑 グレルが立ち入り禁止の場所で見つけた影水晶。グレルの影に溶け込み、姿をコピーし てしまった。エンエンを巻き込んで、グレルと影は壮大な悪巧みを始める。本曲も新曲。 『スイートプリキュア♪』、『スマイルプリキュア』で研ぎ澄まされた不安演出曲の到達 点とも言える曲。チェレスタとハープがマイナーコードの分散和音を刻む中、女声コー ラスによる短二度の下降、続く短三度の上昇の畳みかけが不穏な空気を醸し出していく。 本曲で「影のテーマ」のモチーフが提示される。 6. ウキウキ勉強会 みゆきの家に集まって勉強会をしているスマイル組。みゆきとキャンディはぴかりんジ ャンケンに興じているが、彼女の取った数学の点数は 35 点と惨憺たるものだった。ここ で選曲されたのは、 『スマイル』から SM17(楽しい日常 ウキウキと) 、のリズム薄めバ ージョン。違いはドラムの有無のみだが、本作サントラで初収録となった。ここまでの シーンで描かれてきた妖精達の世界を一旦離れ、子供達が最近まで親しんできた前シリ ーズ『スマイル』世界の「日常」を描くのに本曲がリセット役を買っている。 7. プリキュアパーティへ出発! TAKOCAFE、PANPAKA パン、水無月邸庭園の東屋、四つ葉町の公園、植物園、調べの 館。プリキュア少女達のもとにプリキュアパーティーの招待状が届き、次々と妖精の世 界へ向かう。希望ヶ花市の植物園と加音町の調べの館を間違える、ラブの天才的な道の 間違え方がオールドファンをクスリとさせる。また前作の主役級キャラであるキュアエ コー・坂上あゆみがラストシーンでできた友達と一緒に PANPAKA パン(モデルとなっ た地域は、横浜と同じ神奈川県内である)を訪れている描写もさりげなく織り込まれて おり、前作ファンにとっては嬉しい。このシーンでは、これも長年使われてきた日常曲 である『フレッシュ』M-37(喜び 明るくはしゃいで)が登板。前年の『映画スマイル』 でもテント前のシーンで使われており、記憶に新しい曲である。ここでも耳によく馴染 んだ曲を使用することで、徹底して妖精世界と並行して存在する「プリキュア達のいる 人間世界の日常」を印象づけている。 8. ドキドキの出会い マナとみゆきの初顔合わせシーン。みゆきは、招待状の届いていないマナをプリキュア パーティーへと誘う。ここで例外的に『ドキドキ!プリキュア』BGM が使用されている。 本曲は『ドキドキ』第3話サブタイトル直後などで使用実績がある。ここまでの耳慣れ た高梨曲にかわって高木曲を挿入することで、 「妖精」「 (スマイル組までの)プリキュア 達」に対する第三極としての「ドキドキ!プリキュア組」というグループを際立たせて いる。本作のストーリーも、妖精世界内部の人間(?)関係を一括りにして大局的な視 点で捉えた場合、この三つのグループの「出会い」を描くものとなっている。 9. こんなのありえない!? MaxHeart 組が謎の影に襲われ、変身もできないままただひたすら逃げ続けている。そ のうちひかりが転んでしまい、ほのかが咄嗟にかばって、その間になぎさが影をおびき 寄せる。往年のコンビネーションと初代の貫禄を見せる二人だが、あっという間に影に 捕まってしまう。古くからのプリキュアファンにとっては涙が出るほど嬉しい三人との 再会だが、穏やかではない。ここでは『フレッシュ』から M-69(事件発生!)が使用。 もし佐藤曲であれば『ふたりはプリキュア』M-71(危機 頭から強く)が選曲された場 面であろうか。本曲は『スイート』前期まではモンスター襲来の定番曲であったが、そ の後は『ASNS1』で 1 回、 『スマイル』で 2 回と使用頻度が低くなっており、かつての頻 出曲でありながら「日常」感は薄れている。ゆえに本シーンは、古くからのファンには 「見馴れた三人のいつか見た大ピンチ」を耳慣れた曲が、近年のファンには「見馴れな い三人の大ピンチ」を耳慣れない曲が煽り立てるという面白い構造になっている。 10. もう戻れない スマイル組が到着し、エンエンにスマイルパクトを奪いにいくよう唆すグレルと影。「お 前も俺達と同罪だ」という言葉に代表される抗いがたい同調圧力が、エンエンの判断力 を鈍らせ、彼は言われるがままにスマイルパクトを奪いに出る…が、スッ転んでしまい、 あっさりとみゆき達に見つかってしまう。この一連のシーンに使用されたのは『フレッ シュ』M-51(緊張 A 張りつめて) 。高梨音楽では最初期の曲ながら、近年までサントラ 収録されなかったため『フレッシュ』曲として意識しているファンは多くはない。した がって本曲もファンの層によって受ける印象が全く異なり、ここを「日常の延長」と感 じるか「非日常の入り口」と感じるかは個々人に委ねられる。 11. 忍び寄る影 エンエンに気を取られて無防備なスマイル組に近づく、影。が、れいかがその気配に気 づき「くせものッ!」と一喝するや否や、影はみるみる巨大化し、スマイル組を襲う。 エンエンに、安全な場所に隠れているよう促すみゆき。ここでは『スマイル』から SM32 (蹂躙 なすすべもない敵の襲撃)が選曲された。本曲は TV シリーズのサントラには収 録されず『映画スマイル』サントラのみに収録された。よって本曲の存在をハッキリと 意識しているファンの数も比較的限定され、『スマイル』後期では頻出曲ではあったもの の「日常」感はやや薄れている。 12. プリキュア・スマイルチャージ! 久々となるスマイル組の変身バンク。ここでは通常通り、ロングバージョンの SM03B Ver.1(変身 long バージョン)が使用された。毎回のように流れる変身シーンの BGM。 本来「非日常」としてのプリキュア変身を描写する曲ではあるが、その積み重ねによっ て「プリキュア世界での日常」を形成してきた。いわば、毎回聴くことの出来る「究極 の日常曲」でもある。 13. 激闘!影 vs プリキュア サニーファイヤー、ピースサンダー、マーチシュート。プリキュア教科書に掲載されて いる技は影にとっては全て既知であり、容易に対策されてしまって通じない。ここは『ス イート』から、SU117(戦闘ピンチ系)。『スマイル』では TV シリーズ前期で 4 回、映 画で 1 回使用実績があるが、基本的にスマイル組に対してはあまり使われない曲。この 選曲の中にも、「日常」の中に「非日常」が交錯する。 14. 奪われるスマイルパクト 倒木がエンエンに迫り、間一髪でキュアハッピーが助け出す。だが、その隙をついて影 にスマイルパクトを奪われてしまう。変身が解けてしまうみゆき。そして全員スマイル パクトを奪われ、水晶にされてしまう。ここは『フレッシュ』M-72(危機)が使用され ている。本曲は『フレッシュ』から『スイート』までは危機表現の定番曲であったが、 危機系 BGM が豊富に用意された『スマイル』では TV シリーズ前期でわずかに 2 回使用 例があるのみ。ここでも「非日常」が「日常」の仮面を被って現れている。 15. プリキュアごめんなさい スイート組までの 23 人が水晶化されたショッキングな映像を見せつけられたみゆき達。 プリキュアパーティーが罠であったことを悟るれいか。そして、徐々に水晶化は彼女達 を蝕んでいく。「ごめんなさい!ごめんなさい!」自分達のしたことの重大さに、泣きじ ゃくるエンエン。だが、みゆきは優しく声をかける。「いいよ。だから泣かないで。」そ してエンエンに、マナへの伝言を託す。「ちょっとピンチ。助っ人お願い。」声がしなく なりエンエンが振り返った時、彼女は左目だけでアイコンタクトを送り、そして完全に 水晶化してしまった。一部始終を見ていたキャンディは、ポップに助けを求めに走る。 このショッキングだが美しいシーンを、3 曲目となる本作の新曲が飾る。冒頭のティンパ ニによるショック音から不安を煽る弦アンサンブルが続き、切ないメロディが哀しくも 美しいシーンを盛り上げる。ここを皮切りに一気に「非日常」が顕在化し、ここからは BGM も 7 割が新曲となる。 16. 影の暴走 唐突に学校を壊すと言い出す影。太陽を影で覆い、巨大化した上に学校を襲撃して妖精 達を監禁してしまう。これも本作の新曲。高梨プリキュア音楽の中で比較すると、本曲 の採るスタイルは TV シリーズ後期の「圧倒的な悪側の力」を描写する楽曲の類型に当て はまる。本曲では「影のテーマ」のモチーフが重々しく再現されている。 17. 見えない明日 影から日頃の自分の鬱積を晴らしたのだと言い放たれ、なすすべもなく走り出すグレル。 そしてエンエンはマナと遭遇する。ここで選曲された『フレッシュ』M-81(不安高まる) は、フレッシュ第 24 話、キュアパッションとして覚醒したものの罪の意識に苛まれ苦し む東せつなのシーンでの使用が強く印象に残る。この点で、本作でのこの後の展開を示 唆しているようで興味深い。本曲は『フレッシュ』では頻出曲であったものの、不安曲 を豊富に揃えた『ハートキャッチ』以降は使用頻度が著しく低下。年に数回となってお り、本作以前の使用は一年以上前の『スマイル』3 話が最後になっていた。本作サントラ が初収録となったこともあり、現役の子供達、また『ハートキャッチ』以降のファンに とっては「日常」感は極めて低いと思われる。 18. プリキュア・ラブリンク! 『ドキドキ』の変身 BGM も、本作サントラで晴れて初収録となった。4 つ打ちのリズム に木管と金管、弦の掛け合いが乗っていく、心躍る曲。「鷲キュア」、 「梅キュア」に続く プリキュア第三期、「柴キュア」の到来を鮮明に告げた。本作ストーリーにおいてドキド キ組は、もはや万事休すとなった「妖精世界」と「(スマイル以前の)プリキュア達」を 救う鍵となるエンエン、そしてグレルへ直接のキッカケを与える重要な役割を担う。そ んな彼女たちの出囃子となったのが、本曲である。 19. 小さな勇気 泣き出してしまうエンエンと、つられて泣いてしまうグレル。ハートは優しく問いかけ る。本当はどうしたいのか。グレルは「止めたい」という本心を打ち明ける。泣いてい るエンエンに、優しく話しかけるロゼッタ。 「泣いている自分は好き? 嫌い?」 嫌い、 と答えるエンエン。「では、どんな自分になりたいですか?」「…ボクは、ホクは、キュ アハッピーみたいに笑いたい。」そして、みゆきから託された伝言を、無事にハートに伝 える。ここも新曲が割り当てられている。静かに始まり、終始優しく奏でられる、一見 何気ない曲。だが、この曲が後に本作で最も重要な役割を担うことになる。 *. 「満開*スマイル!(ギターメロ入り Inst)」 ラケルからメップルに電話がかかってきた際の、メップルの着信音。 「究極の非日常」の 中に差し込んだ、束の間の「日常」 。既に放送が終了している『スマイル』後期エンディ ングテーマのインスト音源であり、一見すると何気ないおふざけ選曲にも見えるが、こ れによって本作が上映・発売されるとプリキュアを長年主題歌で支えてきた高取ヒデア キ氏に JASRAC から届く「音楽使用料分配明細書」という形で本作の名前が残ることに なった。言わば、プリキュアと作曲家の「絆」の一つの形である。 20. ドキドキ!力を合わせて 手を合わせるドキドキ組とグレル、そしてエンエン。エンエンは決意とともに、ずっと かぶっていたフードを下ろす。そのエンエンの決意とともに曲調は一転。アップテンポ となる。ドキドキ組と影が接触し、壮絶なバトルが始まる。ダイヤモンドとソードに影 を任せ、先を急ぐハートとロゼッタ、そしてエンエンとグレル。だが影は分身を繰り返 し、4体に増殖した。ハートはエンエンとグレルを先に行かせる。滝へと向かう二人だ が、グレルがもろい岩盤を踏み抜いてしまい、崖から宙づりになってしまう。ここも新 曲が活躍している。コンテの進行に合わせて作曲(フィルムスコアリング)された、ま さにこれぞ映画音楽! TV シリーズにはない、映画ならではの醍醐味である。 21. グレルとエンエン 「エンエン、離せよ。」諦めたグレルが静かに言い放つ。「オレは悪いヤツなんだ。もう どうなったっていいんだ。」だが、エンエンが叫ぶ。 「グレルは悪いヤツなんかじゃない! だって、グレルはぼくに話しかけてくれたじゃない。」そして回想とともに曲が始まる。 「ボクはキュアハッピーみたいに笑いたい。グレルがいなくなったら、ボクは笑えない よ…。」そして力尽き、落ちていく二人。だが間一髪でポップが助けに来る。ここで曲調 は大きく変わる。滝へと急行するポップ。グレルは流れに飲まれそうになりながらも、 妖精達、そして変身アイテムを引き揚げる。そしてエンエンとグレルの共同作業によっ て、妖精達とアイテムの封印は解かれるのだった。ここも新曲が飾る。「グレルとエンエ ンのテーマ」のモチーフから始まり、画面の展開に合わせてドラマチックに曲調が変化 していく。 22. 世界をおびやかすもの 落ちてくる太陽。ドキドキ組は増殖し続ける影に苦戦し、劣勢を強いられる。ここでは 『スマイル』から SM31(遅いくる絶望 世界を脅かすもの)が選曲。『スマイル』TV シリーズ第 1 回音楽録りで録音されて以降、3 回連続で映画に使用されている皆勤賞 BGM である。ここでの使用で、全ての『スマイル』BGM が役目を終えた。 23. 影の猛攻撃 影に襲撃されるポップ。そして緊迫した空中戦が始まる。このシーンでは『フレッシュ』 から懐かしい M-76(タイムサスペンス)が選曲。かつて同様シーンの定番だった本曲も 『スマイル』では著しく使用頻度が低下していたが、最後の花道を得た。 24. ミラクルライトで奇跡を ミラクルライトの光が奇跡を起こす。「プリキュアー!!がんばれー!!」解ける妖精達 の拘束、そしてプリキュア達の水晶化。そしてなぎさの左手が、ハートフルコミューン を掴む!「「デュアル・オーロラ・ウェイブ!!」」 荘厳なオルガンのアルペジオから始 まり、ゆっくり盛り上がっていく。高梨プリキュア映画の「ミラクルライト」スタイル。 25. 復活するプリキュア 懐かしい変身 BANK のカットを挟みながら、プリキュア達が次々と変身していく。神々 しく美しいこのシーンを飾ったのは、 『スイートプリキュア♪』の音楽を特徴付けた Remi、 ますだみき両氏による女声コーラス。 26. 新たな伝説の幕開け 初代『ふたりはプリキュア』OP のキュアブラックのカットに端を発し、これまで何度も 再現されてきたプリキュアの伝統芸。ファンの間では「your best! my best! エクスプロ ージョン」として語り継がれている。オールスターズシリーズでも、伝統芸として継承 されてきた。ここで展開されるのは、その最新バージョン。総勢 28 名による「YBMB エ クスプロージョン」。そしてブラックとホワイトがプリキュアオールスターズを代表して、 ミラクルライトの恒例である答辞「みんな、ありがとう」を久々に宣言する。本曲は前 曲「復活するプリキュア」とほぼ連続する形で本篇に使用されている。 27. プリキュアオールスターズ大活躍! プリキュアオールスターズ全員参加による影との大バトル祭と、キュアパッションとキ ュアビートの過去が語られる印象的なシーン。高梨氏いわく、「キュアメタル」の集大成 となる楽曲。尺も 4 分 36 秒と、歴代の高梨プリキュア BGM では『映画スイート』の「心 の歌」インスト版に次いで 2 番目の長さを誇る。2 番目といえども、こちらはエンエン、 グレルとキュアパッションとキュアビートとの印象的な会話までの 3 分半にわたって終 始、「キュアメタル」全開のテンションで突っ走っている。また本曲は全体にわたってト ラック 19「小さな勇気」のモチーフが再現されている。小さな妖精が振り絞った小さな 勇気と、最強の戦士達・プリキュアオールスターズの勇猛果敢な活躍に同一のテーマモ チーフが引用されている事実はとても興味深い。 28. 燃え上がる闘志 「プリキュアー!! がんばれー!!」妖精達、そして劇場の子供達の声援が響き渡る。 それを受けて活躍するブロッサム&マリン、フレッシュ組、スイート組。ここで選曲さ れたのは『フレッシュ』より M-64A(わき上がる闘志~華麗に戦いへ) 。『フレッシュ』 を代表的する“燃え曲”で『ハートキャッチ』『スイート』にも引き継がれたが、『スマ イル』では第 24 話で一度使用されたのみ。映画での使用も『映画ハートキャッチ』以来、 実に 2 年半ぶりの使用となった。かつての「伝説の日常」が、最高の舞台で「非日常」 へと転身した瞬間である。 *.プリキュア~永遠のともだち~(2013 Version) 「直球勝負、上等!」マーチシュート乱れ打ち、サニーファイヤー零距離射撃と、教科 書通りでない技を次々と繰り出すスマイル組。 「私達を倒す方法など、教科書には載って いません!!」ビューティとダイヤモンドのコンビが影へと向かっていく。続いてソー ドとピース。「…よろしく、先輩。」「よーし! 先輩、頑張っちゃうぞー!」そしてハッ ピーシャワー、マイスイートハート。かくしてスマイル組とドキドキ組のコンビネーシ ョンアタックが決まる。 「ドキドキスマイルミラクルボンバーや!!」 「何ですか? それ」 ここにはオープニングテーマが当てられている。前作ではコーダなしの 1 コーラスのみ と映画 size よりも短い尺だったが、本作ではフルサイズ音源からある程度長い尺が使用 されている。 29. 最後の攻防 影が雲になり、さらに巨大な蜘蛛へと姿を変える。応戦するドキドキ組。だが圧倒的な 力を前に押しきられそうになる。その時、キュアハートの肩に置かれた手があった。キ ュアハッピーである。彼女たち 28 人のプリキュアが駆けつけ、巨大クモに立ち向かう。 前半部分で、みたび「影のテーマ」のモチーフが再現されている。なお本曲の後半部分 が、「キュアメタル」のラストナンバーとなる。 30. 友だちになりたい エンエンと、そして学校のみんなと友達になりたいと素直な思いを打ち明けるグレル。 そして、みんなを苦しめた「影」も、その例外ではなかった。Remi、ますだみき両氏に よる女声コーラスが、未来への希望に満ちた大団円のシーンを歌い上げる。 31. みんなともだち-Instrumentalグレルの勇気を称え、優しく受けいれる生徒達と先生。そして、本当のプリキュアパー ティーが始まる…。本曲は主題歌のカップリング曲、藤澤健至氏による「みんなともだ ち」のアレンジとなっている。藤澤氏は高梨氏と同じ TEAM-MAX 所属の作曲家で、言 わば「直弟子」。スタジオミュージシャンとしてもプリキュア全ての高梨曲において一貫 してギターを担当。そして、思えば高梨プリキュア第一作『フレッシュプリキュア!』 の変身 BGM および前期個人技 BGM は、藤澤氏の作曲によるものだった。そして今、藤 澤氏の BGM で「高梨康治プリキュア」、より正確には「高梨康治 with TEAM-MAX プ リキュア」はその幕を下ろす。 32. この空の向こう(映画 size) 最後はプリキュアオールスターズ 32 人による、『ドキドキ!プリキュア』エンディング テーマのダンス。クレジットを流し切る尺を確保するため、TV サイズと比較するとイン トロがやや延長され、ラストがループを繰り返すよう再ミックスが行われた。 № 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 Tr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 作品 F NS2 F HC NS2 NS2 Sm F DD F F Sm Sm SU F NS2 NS2 F DD NS2 Sm NS2 NS2 Sm F NS2 NS2 NS2 NS2 F NS2 NS2 NS2 NS2 DD 楽曲 M-39 OP M-24A H15c (新曲) (新曲) SM17(Light ver.) M-37 ドキドキBGM M-69 M-51 SM32 SM03B Ver.1 SU117 M-72 (新曲) (新曲) M-81 ドキドキBGM (新曲) 満開*スマイル!(Inst) (新曲) (新曲) SM31 M-76 (新曲) (新曲) (新曲) (新曲) M-64A OPフルサイズ (新曲) (新曲) (新曲) ED NSサントラタイトル 妖精学校の朝 プリキュア~永遠のともだち~(2013 Version)(映画 size) タルトの特別授業 世界でふたりきり 影の誘惑 ウキウキ勉強会 プリキュアパーティへ出発! ドキドキの出会い こんなのありえない!? もう戻れない 忍び寄る影 プリキュア・スマイルチャージ! 激闘!影vsプリキュア 奪われるスマイルパクト プリキュアごめんなさい 影の暴走 見えない明日 プリキュア・ラブリンク! 小さな勇気 ドキドキ!力を合わせて グレルとエンエン 世界をおびやかすもの 影の猛攻撃 ミラクルライトで奇跡を 復活するプリキュア 新たな伝説の幕開け プリキュアオールスターズ大活躍! 燃え上がる闘志 最後の攻防 友だちになりたい みんなともだち-Instrumentalこの空の向こう(映画size) TVシリーズ制作時メニュー指定 夢、希望 日常A 明るく楽しく 日常 はちゃめちゃ大騒ぎ 楽しい日常 ウキウキと 喜び 明るくはしゃいで ? 事件発生! 緊張A 張りつめて 蹂躙 なすすべもない敵の襲撃 変身long バージョン 戦闘ピンチ系 危機 不安高まる ? 遅いくる絶望 世界を脅かすもの タイムサスペンス わき上がる闘志~華麗に戦いへ - 作曲 高梨 高梨 藤澤 高梨 高梨 高梨 高梨 水谷 高木 水谷 水谷 高梨 高梨 高梨 藤澤 高梨 高梨 ? 高木 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 高梨 藤澤 初出 初出時タイトル F2-18 希望あふれる日々 (新曲) F1-15 つながる絆 HC2-10 はちゃめちゃ大騒ぎ (新曲) (新曲) Sm1-04 今日もウルトラハッピー! F1-03 ときめきステップ (初収録) F1-32 事件発生 Su映06 緊迫 Sm映11 平和を塗りつぶす影 Sm1-01 プリキュア・スマイルチャージ! Su2-18 激闘のビート F1-33 苦戦 (新曲) (新曲) (初収録) (初収録) (新曲) (未収録) (新曲) (新曲) Sm1-24 世界をおびやかすもの F2-05 迫り来る敵 (新曲) (新曲) (新曲) (新曲) F2-14 (同タイトル) (新曲) (新曲) (新曲) (新曲) - 備考 ハートキャッチBGM最後の出番 このver.は初収録 スマイルBGM最後の出番 スイートBGM最後の出番 50ヶ月越しの初収録 ギターメロ入りInst フレッシュBGM最後の出番 イントロ延長&コーダ30秒ループ延長 判例 №…劇中での使用順 Tr…サントラでのトラック位置 作品…F:『フレッシュプリキュア!』/HC:『ハートキャッチプリキュア!』/SU:『スイートプリキュア♪』/Sm:『スマイルプリキュア!』/DD:『ドキドキ!プリキュア』/NS2:『映画プリキュアオールスターズNewStage2』 楽曲…曲名または初出作品での楽曲管理番号/本作新曲の場合は「新曲」と表記 NSサントラタイトル…今作サウンドトラック盤におけるトラックタイトル 作曲…高梨:高梨康治/水谷:水谷広実/藤澤:藤澤健至/高木:高木 洋 初出…初出作品サントラ、もしくは初収録サントラにおける収録位置 初出時タイトル…上記収録時のトラックタイトル
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