応用心理学研究センターの活動概要

「応用心理学研究センターの活動概要」
経営学部に新設した「応用心理学研究センター」では、主に「ビジネス心理学」と「ス
ポーツ健康心理学」の分野に関する研究を行いながら、公開講座や講演会を開くことで情
報発信をしていくと共に、の学生をはじめ地域の人々に対する教育活動を進めて参ります。
Ⅰ.ビジネス心理学
「ビジネス心理学」分野では、主に4つの視点から研究・教育活動を行います。
1 組織のマネジメント・・・・・・・・・・・・・・・・・経営心理学など
2 影響力(対人,対組織)・説得
(セールス,アピール,フレーミング等)・・・・・・・社会心理学など
3 モチベーション・モラール(士気)・リーダーシップ・・組織心理学など
4 メンタルヘルス・企業内カウンセラーの育成・・・・・・カウンセリング教育
具体的には、以下のような研究を行い、講演会や公開講座を通して、情報発信して参りま
す。
● 会社(組織)の士気を高めるには、また、社員(成員)のやる気を引き出すにはどうした
らよいのか、理論と実践の折り合いの中で考える.
● 人の心のメカニズムや深層心理の原則を知って、対人関係の中で相手の心の動きを
読む方法.
● コミュニケーションスキルを身につけて、対人影響力を増す方法や、人に対する効
果的なアピールの方法を学ぶことによって、組織の中で自らの存在感を上げる方法を
学ぶ. ● 「説得的コミュニケーション」を学び、自分の意見を効果的に伝え、プレ
ゼンテーション能力を高める.
● 他者を理解し、信頼関係を効果的に築く方法を知る.
グループのメンバー1人1人のやる気が上がらずに困っているリーダーや、セールスの
テクニックを身につけたいと考える人に対して、実践的な技術が学べるアメリカのビジネ
ススクールのようなかたちを想定しています。
心理学の理論に裏付けされたテクニックを知ることで、すぐに実践できる技術を学ぶこ
とができます。
Ⅱ.スポーツ・健康心理学
「スポーツ・健康心理学」分野では、主に3つの視点から、研究・教育活動を行います。
1 メンタルトレーニング
2 コーチング
3 カウンセリング教育(心理面接室:SSU 応用心理学研究センター付属施設)
具体的には以下のような研究を行い、講演会や公開講座を通して、情報発信して参ります。
● セルフイメージとセルフコンセプトが及ぼす影響を知って、常にベストな状態を作
るためのスキルを習得し、自分自身のパフォーマンスを向上させる。
● 目標を実現するために必要なことを「コーチング」の視点から効果的に学ぶ。
目標達成やパフォーマンスの向上を目指し、対象者のやる気を引き出し、自発的な行
動を促すためのコミュニケーションスキルを学ぶ。
● ストレスの多い時代を生き抜くセルフマネジメント、ストレスマネジメントのスキ
ルを身につける。
● カウンセリングの手法を身につけ、心身の健康管理に役立てる。
● 「心理面接室」を開室し、カウンセリング教育の実践の場を設け、様々な相談業務
を行う。
メンタル面の弱さを克服しようとしているスポーツマンの人に向けて開発された「メン
タルトレーニング」の手法を学び、一般の人でも日常の生活に応用できるように改良して
実践できるようなものにして提供します。また、健康心理学やカウンセリング教育に力を
入れ、人々の心身の健康に貢献できるような研究をして参ります。
以上に挙げた「ビジネス心理学」分野や「スポーツ・健康心理学」分野に関して、学生
とともに「調査チーム」を組みながらプロジェクトを計画し研究を行うことで、チームの
メンバーと共に一つのことに向き合い、何かを成し遂げる過程の中から、学生には社会に
出る前の“プレ社会人”に必要なマインドを身につけて欲しいと願っております。
応用心理学研究センターと心理学応用コースとの関連
1.「経営学部での心理学応用コース」の趣旨
●本年4月に新設された本学経営学部経営学科とスポーツ経営学科の両学科に共通する
「心理学応用コース」は、経営学分野と心理学、スポーツ経営分野と心理学を連携させ
たカリキュラムの開発に取り組んでおります。
「経営と人間心理」
「スポーツと人間心理」を関連させて研究することにより、質の高い
プロの職業人を養成しようとする、我が国で初めて試みられたコースです。
●心理学は、人の行動と心の動きを科学的に研究する学問で、一般的には文学部や教育
学部等に属する学問として知られています。しかし、本学では「経営」と「スポーツ」
の視点から心理学(人間研究)を科学的に学ぶ「新しい教育スタイル」を実践していま
す。
●経営学やスポーツ経営学の対象である「組織」、「集団」には、人間行動が深く関わっ
ており、心理学応用コースでは、
「自己を知り、他者を知り、社会を知る」ことによって、
職業人として21世紀に活躍できる人材の育成を目指しています。
2.心理学応用コース新設科目
上記の通り、経営学科、スポーツ経営学科の両学科に設けらている「心理学応用コース」
では、以下のような科目を来年度から、新たに開講する予定としています。
【新設科目】
「組織心理学(リーダーシップとモチベーション)
」
「経営心理学」
「ビジネス心理学概論」
「グループダイナミックス」
「上司部下関係の心理学」
「消費者心理」
「産業組織心理学」
「働く人のメンタルヘルス(ストレスマネジメント)」
「産業カウンセリング概論・演習」
「キャリア形成論」
「リーダーシップ論」
「健康心理学」
「性格心理学」
「メンタルトレーニング概論」
「心理学研究法」
「心理学基礎実験」
「心理療法概論」
「カウンセリング概論・実習」
「生活の心理学:アロマセラピー概論」
「心身医学」 など
3.資格講座及び公開講座等
①企業内カウンセラーの育成科目等

企業内カウンセラーは、働く人達が抱える仕事上のストレスや職場の人間関係等の
問題に対し、心理学的手法を用いて解決の手助けをします。具体的には、働く人の
個別カウンセリング、管理・監督者のメンタルヘルス研修、人間関係開発の促進等
を通して、心の健康を保てる職場環境づくりに貢献します。

本学の心理学応用コースでは、社会に生きる人々の心身ともに健康な姿を目指し、
ストレスマネジメント能力を身につける一つの手段として、企業内カウンセラーの
受験資格が可能です。

ストレス過多社会と言われている今の社会では、時代の流れとともに、社会人に求
められている能力やスキルの質等が変化します。したがって、時代の流れを見極め、
その時代に求められる能力やスキルを獲得していかなければなりません。
現代社会は、過度のストレスを抱えて働く人が増えています。企業内カウンセラー
の役目は、働く人の心の負担を軽減し、働きがいや生きがいを感じるような職場づ
くりに貢献することです。

今年4月から開講している「心理学入門」科目では、企業内カウンセラーとして、
実際に企業の中で産業医とともに心理カウンセリング室の効果的な運営を目指し活
躍された講師を招き、その講師の今まで活動してきた経歴やそこに至るまでのキャ
リアプランニングを 講義の中で紹介し、実践的な心理学の知識を修得してきた過
程・方法を学生達にわかりやすく伝えています。

地域の方々への公開講座としても、
「産業カウンセリング概論」や「産業カウンセリ
ング演習」を開講し、企業内カウンセラー受験資格を目指す学生や地域の方々のた
めの特別講座を用意する予定です。

その他の公開講座の開催及び応用心理学コースの新設科目設置の趣旨は以下の通り
です。
心理学の視点からビジネスを捉え、人間心理を理解することによって、職業人とし
て、21世紀に活躍できる人材の育成を目指すことを目的に、ビジネスに直結する
広告、セールス、企画、人事管理等について研究を行います。
②実習科目の重視
(1)カウンセリング教育重点科目等
●カウンセリング教育重点科目として、「カウンセリング概論」や「カウンセリング実習」
等の科目を開講し、理論だけではなく実習の科目を多く取り入れる予定としております。
SSU 応用心理学研究センター付属施設「心理面接室」を開室し、本学の学生や地域の方々
を対象にカウンセリング業務が行える人材を育成して参ります。
具体的には、心理学の知識をある一定以上修得し、コミュニケーション能力を身につけ、
カウンセリング教育重点科目群を履修した学生が、学生が学生に対する相談業務が行える
よう指導し、
「心理カウンセラーの育成」を目指します。
また、将来は、地域の方々との連携をとる機関として、以下のような活動ができるよう SSU
応用心理学研究センターを中心に活動して参ります。
●カウンセリング教育に関する公開講座を主催し、カウンセリングの技術(手法)を学ぶ
ことによって、日常生活のストレスマネジメントに役立てるよう指導して参ります。
また、子育て(いじめ,不登校,発達障害)等で悩んでいらっしゃる地域の方々の悩みに心理
学的立場から相談業務を行うため、
「親と子の相談室」の開室、さらには、軽度発達障害・
高齢者の健康(認知症を知る)等をテーマに公開講座や講演会の開催を主催して参ります。
(2)認定心理士申請資格を目指すための科目
心理系資格取得を希望する学生が、上記の科目や「心理学基礎実験」、「心理検査実習」
等の実習・演習科目群を履修しながら、認定心理士申請資格を得られるよう指導して参り
ます。
スポーツ経営学科「心理学応用コース」スポーツ健康心理学系統は、
「カウンセリング・
心理面接」「心理検査・査定」「コミュニティー援助」などの分野を学ぶことで、人間心理
と行動のメカニズムを研究します。
(3)実生活にいかす心理学の視点から:応用心理学分野の可能性

スポーツや医療の場でいかされる補完代替医療の中でも今、注目されているアロマセ
ラピー等の分野を中心に「健康心理学」の視点から、実生活にいかす心理学のカリキ
ュラムの開発を目指します。
欧米先進国では、補完代替医療(アロマセラピー)学科が国公立大学及び大学院で開
設され、応用心理学分野として扱われることが普通ですが、日本ではそれらを応用心
理学として捉えられることがなく、進んだ分野とはいえません。

本学では、今年の4月から、既に1年生向けの「心理学入門」科目の中で、オリンピ
ックに出場するトップアスリートやリハビリテーション病院等で実際に、これら応用
心理学の分野を実践されている方を講師として招き、実践的な心理学を科学的に基礎
から学ぶ講義を通して、机の上でも「いきる学問」として学生達が捉えることができ
るよう日々、指導しております。将来的には、これら応用心理学の中でも補完代替医
療心理学の分野に関して実習等の科目を取り入れ、地域の方々にも公開講座の開催を
して参りたいと考えております。
4.心理学応用コースの現状(主な設置科目)と方針

1年生向けの科目の紹介:
「心理学入門」
「心理学入門」は、ビジネスとスポーツ・健康に関する心理学です。
1年生を対象に,本学経営学科・スポーツ経営学科両学科に新設された「心理学応用
コース」で学ぶ「心理学」について(応用心理学分野について)の紹介の一面をもつ
科目でもあります。
【講義の目標とテーマ】
人々が組織で働くような社会では、組織の中で自分の能力を発揮していくために、人と
うまく付き合っていく必要があります。自分自身の能力を発揮していくためにも「組織は
どういうものなのか」、
「人間とはどういうものなのか」について知る必要があります。こ
れらの分野を研究している、組織心理学・リーダーシップ論・グループダイナミックス等
の心理学の分野を紹介します。
また、我々は日々多くのストレスにさらされて生活しています。こうしたストレスを、
次々に処理していく能力がないと、今の世の中では、ストレスに押しつぶされてしまいま
す。心理学は、
「ストレス処理能力」とも直接関わってくる学問です。心理学をマスターす
ることはストレスの多い現代社会を生き抜くための武器を一つ手に入れることになるでし
ょう。
【講義の内容と進め方】
第一週
ガイダンス-心理学概論-
第二週
リーダーシップとモチベーション
第三週
子どものやる気を引き出す方法
第四週
不登校・ひきこもり・発達障害等について
第五週
心理カウンセリングとその応用
第六週
代替医療・補完医療(アロマセラピー等)のスポーツ・健康への応用
第七週
職場の中のコミュニケーション
第八週
働く人のメンタルヘルス
第九週
メンタルトレーニングとパフォーマンス
第十週
環境が心に与える影響
第十一週
人を説得する技術
第十二週
プロファイリングと印象操作
第十三週
性格分析・交流分析
第十四週
スピリチュアルな世界-トランスパーソナル心理学へ-
第十五週
期末試験