企業の広告媒体としてスポーツチームの所持・支援が持つ意味

企業の広告媒体としてスポーツチームの所持・支援が持つ意味
平成16年度
卒業研究論文
指導教員:石井
筑波大学
健一
第3学群 社会工学類
社会経済専攻
学籍番号:200100974
木村 陽平
-1-
「企業の広告媒体としてスポーツチームの所持・支援が持つ意味」
目次
第1章
はじめに
1−1.背景…………………………………………………………・・……・・…3
1−2.研究目的・………………………・…………………・・…………・……・4
1−3.スポーツの現状(企業との関連)……………・…………・・………・5
1−4.仮説の設定・・…………………………………………………・・………6
第2章
研究方法
2−1.研究方法・……………………………………………・…………………8
2−2.質問紙の概要・………………………………………・…………………8
2−3.質問紙による調査の詳細・・………………………………・・…………9
第3章
結果・考察
3−1.主な結果の単純集計………………………………・…………………・10
3−1−1.企業の認知度
3−1−2.スポーツチーム所持・支援という事実の認知度
3−1−3.スポーツの観戦頻度と認知の関係
3−1−4.スポーツの認識について
3−2.企業イメージ関する分析・………………………………・……………13
3−2−1.各企業におけるイメージの変化
3−2−2.企業のイメージ変化についての総評
3−2−3.企業イメージとスポーツのイメージとの関係
3−3.総括(仮説の検証)・・………………………・……………・20
第4章
おわりに
4−1.結論・…………………………………………・…………………………・23
4−2.今後のスポーツのあり方・・……………………………・・……………・24
参考文献・謝辞……………………………………・……………………………………25
付録
・単純集計・・…………………・………………………………………………・・26
・質問紙③
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第1章 はじめに
1−1.背景
2004年、日本国内で世間を騒がせた話題の1つとしてプロ野球の再編問題があった。球
団経営が苦しくなった近鉄が球団を手離しオリックスと合併させることを、経営者側が一方的
に発表したことが事件の発端である。この1年で、IT企業による新球団設立の提案や選手会
のストライキ、ファンの抗議等様々な騒動があった。結局この1件は、近鉄とオリックスは合
併し新球団を結成、そして新たに「楽天」が東北に新球団を作るという結果となった。さらに
その後、ダイエーがソフトバンクに買収され、最終的に来期は従来の12球団によるプロ野球
は維持されることになった。
ここで問題視されたのは、各球団のオーナー達が自らの利益のために球団数を減少させプロ
野球を縮小させようとしたことに対し、選手会・マスコミが野球界発展のためにはプロ野球の
拡大はあっても縮小はありえないと主張したことである。すなわち、選手会は裾野を広げ、よ
り多くの人々に野球というスポーツに触れてもらうことが野球界発展の絶対条件であると考
えたのだ。
この経営者側の規模縮小という考え方は何もプロ野球の世界に限ったことではない。日本で
は野球とサッカーを除いては、ほとんどの団体スポーツがアマチュアの企業スポーツとして成
り立っている。現在は落ち着いたものの、ここ数年、プロ野球以外にもプロ・アマ問わず様々
なスポーツでスポンサーからの撤退や企業チームの休廃部が相次いでいた(詳しくは下の表・
グラフ1を参照)。主なものとしては、Jリーグでは共同スポンサーであった佐藤工業・全日
空の横浜フリューゲルスからの撤退、企業スポーツではバレーボールにおいて名門だった日立
の廃部などが挙げられる。
*表・グラフ1
※
企業スポーツ休廃部数(株式会社スポーツデザイン研究所HPより抜粋)
2004年5月時点でのデータ
-3-
企業がスポーツチームを所持・支援する事には様々な理由がある。もちろん、入場料収入や
放映権による収入などによる直接的な利潤の追求も理由の1つであることは間違いない。それ
以外にも企業名や商品の広告・宣伝、所属社員の意気高揚、社会貢献またはその貢献による企
業の社会的評価の向上などの狙いがあると言われる。しかし、多くの企業は経営が圧迫される
とスポンサーからの撤退やリストラの対象としてスポーツチームを休廃部とする。メリットを
考慮に入れても、スポーツチームを所持することが、企業にとってほとんどプラスの効果をも
たらさないと考えられている場合が多数あるのが現状と言える。
1−2.研究目的
本研究の主な目的は、企業がスポーツチームを所持するまたはスポンサーとなり、一般の
人々がその事実を知ることで、その企業に対してのイメージに何か変化があるのかを知ること
である。言い換えれば、スポーツチーム所持・支援から我々一般人(スポーツを見る側・企業
の商品やサービスを買う側)が、どのような印象を受けているのかを具体的に計るということ
である。スポーツチームを持つことはメリットが目に見えにくいため、企業の負担感が大きい
と言われる。実際に企業が得られる利益とは別のところで、目に見えないプラス(あるいはマ
イナス)効果を得ているのだろうか。ならば、その目に見えない(数字に表れない)効果を知
る必要があると考えたのである。
その前提としてここで述べておきたいのは、「スポーツの持つ力」(*これについては文章後
にも記載)というものについてである。スポーツとは人々に勇気や希望を与える力を持つ(ス
ポーツ文化を守る会HPより抜粋)と言われる。スポーツチーム同士の試合が人々へ与える影
響以外にも、それ以上に影響力を持つのがオリンピックである。オリンピックで国として結果
を残すことは、国民に大きな誇りと喜びを与える。去年2004年に行われたアテネオリンピ
ックにおいても、連日長時間にわたって放送され、多くの人が寝不足になりながらも勇気や感
動を手にしたとマスコミから報道された。特にアマチュアスポーツ選手の目指すものはオリン
ピックであり、オリンピックで結果を出すためには日常の所属チームでの活動が大切になって
くる。
現状としては、スポーツチームの廃部やスポンサーからの撤退が相次いでいると書いた。確
かに、企業の経営が圧迫されれば、実益があまり目に見えないこの分野を消滅させる意図は理
解できる。しかし、この状態が続けばスポーツ界は縮小し、先に書いた「スポーツの持つ力」
を我々は失ってしまうことになる。クラブチームにおけるスポーツが文化として根付いている
欧米にますます遅れをとることになる。だが逆に言えば、もしスポーツチームを持つことが企
業イメージに大きなプラスの効果があることが証明できれば、このスポーツ界縮小の流れを止
めることができるのではないだろうか。
例えば、カルロス・ゴーン氏は日産自動車の経営を任された時、スポーツという分野を評価
し、赤字克服のため大規模なリストラなど様々な改革を行ったが、所持していたスポーツチー
ムには廃部どころか出資を増やしたと言う。スポーツに対して欧州人である彼のような考え方
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をする経営者が増えれば、スポーツ界は発展し、我々はより多くの感動を手にすることができ
ると考える。
これからの日本スポーツ界発展に欠かせない企業とスポーツとの関わり、私はこれを計るた
めに本研究を行うこととした。スポーツといってもとても多種あるため、本研究では団体球技
に絞って調査することにする。
*
研究目的のなかで「スポーツの持つ力」という言葉を使った。人々に与える感動というも
のもその一つである。しかしそれだけではなく、スポーツが経済に与える影響力もある。自
由時間デザイン協会の「レジャー白書」によると、2000年時点で、スポーツ部門支出は
民間最終消費支出の1.7%にあたる(上条典夫著
スポーツ経済効果で元気になった街と
国より抜粋)。約5兆円である。さらに、スポーツ経済を広く見ると(健康やイベントとい
った観点)、その数倍野規模になると言われる。産業社会の点から見ても、
「スポーツの持つ
力」は大きいと言える。
※ 本研究は、スポーツチームを所持する事、あるいは支援することで企業が得られる潜在的
な効果を計るものである。よって、プロとアマチュアの区別や各スポーツにおける企業と
の関わり方は研究の前段階としては考慮に入れなかった。例えばJリーグでは、確かに「企
業スポーツからの脱却」をテーマに地域密着型のチーム作り・クラブ株主の多様化を推進
している(JリーグHP参照)。だが本研究は、今現在Jリーグチームのメインスポンサー
となることにどれだけの意味があるのかを単純に図るものである、という認識で行ったの
で上記のJリーグの方針は考慮に入れなかった。各スポーツにおける現状については次節
にて記載する。
1−3.スポーツの現状(企業との関連)
本研究で取り上げる各スポーツの現在のあり方、また、企業との関わり方について簡単では
あるが整理しておく。
スポーツ
現状・企業との関わり方
野球
プロ・アマチュア共に存在する。やはり、頂点にあるのは長い歴史を誇る
プロ野球である。プロチームも企業がチームを所持すると言う形である。
フランチャイズ制を貫いてきたが、最近では企業にも限界であり、よりい
っそうの地域密着がうたわれている。日本最高の人気スポーツということ
で、IT企業などがチーム獲得に動いている。
サッカー
プロリーグ・アマチュア共に存在する。Jリーグではホームタウン制を採
用。スポーツとして企業からの脱却を目指し、地域に根ざしたクラブチー
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ム作りを促進。欧米のスポーツ観と似ており、日本では稀有な存在と言え
る。
ラグビー
日本代表がプロ化(代表選手が所属企業からラグビー協会へ出向という形
態)。他は、ほとんどの選手が企業チームに在籍。アマチュアが多いが、
中にはプロとして契約する選手も存在。ただ2003年より全国規模の
「トップリーグ」がスタート。企業スポーツの新しい試みと言える。企業
との関係は根強い。
バレーボール
個人としてプロになることは可能。しかし、ほとんどの選手がアマチュア
として企業チームに存在。ただ、名門企業チームの廃部が続き、クラブと
して法人化されたチームもあり、改革が進む。
バスケットボール
現在はアマチュアとして存在。2004年8月にプロリーグ設立準備室が
発足。2005年11月からプロリーグがスタート予定。
ソフトボール
企業スポーツとして存在。女子には日本リーグが存在する。例によって、
企業スポーツならではの廃部騒動もあった。オリンピックでは大きな注目
を集めるが、日常のリーグ戦への注目度は低いと言わざるを得ない。ただ
市民スポーツとして人気がある事が救いである。
ハンドボール
企業スポーツとして日本リーグが存在。企業とのパートナーシップをはか
ると共に地域密着を試みている。ソフトボールと同様、知名度は低いが、
少年たちへの指導や生涯スポーツとしての確立など地道な活動を行って
いる。
1−4.仮説の設定
目的をふまえ、大きく分けて4つの仮説を立てた。一番求めたいものは、チームの所持・支
援がプラス効果となるのか、具体的にはどのような効果があるのか、である
①
スポーツチームの所持・支援はどのスポーツへの協賛でも企業イメージにプラスの効果が
ある。
②
メジャーなスポーツとマイナーなスポーツでのチーム所持・支援では企業イメージへの具
体的な効果は違う。
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…②−1.メジャーなスポーツでチームを所持・支援することには「積極性」
・
「親しみや
すさ」という分野で大きなプラス効果がある。
・メジャーなスポーツでチームを支えるということは、その事実に普段から触れ
る機会がより多くなる。よって、よく目にする事で「親しみ」や「勢い」とい
う印象を持つ。
…②−2.マイナーなスポーツでチームを所持・支援することには「社会貢献度」
・
「信頼
性」という分野で大きなプラス効果がある。
・普段あまり目にしないスポーツを支援することで、企業の売名抜きに協力して
いるという印象を持つ。よって、「社会貢献」による評価や「信頼性」を得る
ことにつながる。
③
知名度の高い企業と低い企業とではスポーツへの協賛が持つ意味・大きさが異なる。
知名度の低い企業は高い企業より大きなプラス効果を得ることができる。
・知名度の高い企業はすでにイメージが出来上がってしまっているため、スポーツ
チームを支援しても新しいイメージが付きにくい可能性があると考えられる。
④
各々のスポーツに良い印象があるかないかによって、スポーツチームを所持・支援するこ
とが持つ効果の大きさが異なる。あるスポーツに良い印象を持つ人は、そのスポーツのチ
ームを所持・支援している企業のイメージは良い印象を持たない人と比較し大きなプラス
の効果がある。
・好きなスポーツのチームを支援してもらえることで、その企業に対して好印象を
持つ。
仮説①は関しては、この研究の主題であるとも言える。この仮説が立証できれば、企業の廃
部・撤退を防ぎ、スポーツ界の発展につながると考えた。仮説①を具体的に探るため設定した
のが仮説②、仮説③である。これらの結果により、どのような企業がスポーツチーム所持・支
援に適しているのか、どの企業がどのスポーツでチームを所持・支援するべきなのか、などが
見えてくるだろう。また、企業としてこのスポンサー活動に何を求めるのかも違ってくる。ど
のようなイメージが企業に付くのかという点も同時に求めたいと思う。
仮説④では、スポーツチームを持つということはどのような人々に影響を与えているのかを
探るものである。これを知ることで企業側の戦略なども決まってくるだろう。
これらが上の4つの仮説をたてた理由である。
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第2章.研究方法
2−1.研究方法
4種類の質問紙調査を行った。
実際にスポーツチームを所持あるいはスポンサーとなっている企業を様々な種類のスポー
ツ・様々な規模の企業から8つピックアップする。その8つとは、日産自動車(サッカー)・
トヨタ自動車(サッカー・バスケットボール・ハンドボール)・アイシン精機(バスケットボ
ール)・ミキハウス(ソフトボール)・サントリー(バレーボール・ラグビー)・ホンダ(ソフ
トボール)・オリックス(野球)・ワールド(ラグビー)である。
そして、そのスポーツチームに協賛しているという情報を入れて企業イメージを尋ねる質問
紙と、そのような情報を全く入れずに企業イメージを尋ねる質問紙を用意した。その両者の差
から仮説を検証していくことにした。
ピックアップした企業、情報の有無など質問紙は以下の表2の通りである。日産自動車やホ
ンダ等は他スポーツにも協賛しているが、今回の研究では上記のスポーツチームへの協賛を情
報として入れる事にした。4種類にしたのは、1つの質問紙に入れる企業数が多くなると質問
数が多くなりすぎ、充分な回答を得られないと判断したためである。
ピックアップした企業
情報の有無
質問紙①
日産自動車、トヨタ自動車、アイシン精機、ミキハウス
無し
質問紙②
サントリー、ホンダ、オリックス、ワールド
無し
質問紙③
日産自動車、トヨタ自動車、アイシン精機、ミキハウス
有り
質問紙④
サントリー、ホンダ、オリックス、ワールド
有り
表2.各質問紙の振り分け(情報:スポーツチームを所持またはスポンサーであると言う情
報のことを指す)
上の表2でいうと、質問紙①と質問紙③の差、また質問紙②と質問紙④の差を比較し、結論
を導くことを試みた。
※ それぞれの企業が主に扱っている事業について
日産自動車…自動車製造・販売
トヨタ自動車…自動車製造・販売
アイシン精機…自動車部品事業等
ミキハウス…アパレル事業等
サントリー…食料品・飲料水製造・販売
オリックス…金融業
ホンダ…自動車製造・販売
ワールド…繊維製品等
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2−2.質問紙の概要
質問紙作成にあたって、企業の認知度、スポーツチーム所持・支援という事実の認知度、ス
ポーツの観戦頻度、スポーツのイメージ、企業イメージ、を主な質問項目とした。情報を入れ
る入れないに関わらず、ほぼ共通の質問内容とした。しかし、情報を入れない質問紙において
は「スポーツ」というキーワードをいれずに企業イメージを聞く必要があった。そのため、ス
ポーツに関する質問は最後に回すなど質問順序には違いを作った。
また、質問項目のなかで最も重要であった企業イメージに関する質問では、将来性、親しみ
やすさ、信頼性、積極性、企業規模、社会貢献度、広告・宣伝の上手さ、透明性、という8つ
をキーワードに質問内容を設定した。
なお詳しくは質問紙については最後の付録を参照として見ていただきたい。
2−3.質問紙による調査の詳細
調査場所・日時:筑波大学の講義「仏語」
(11月1日)、
「国際マクロ経済学」
(11月11日)
「現代日本語概論」(11月19日)の中で実施させていただいた。
調査対象者:上記の 3 講義の受講生徒
調査方法:質問紙①〜④(表紙は同一)をランダムに並べ替えて配布し、中身が違うこ
とを説明せずに回答してもらった。
回収数:「仏語」…35部、「国際マクロ経済学」…28部、「現代日本語概論」…8
1部の
計144部(男性86部、女性62部)。
回収率:96%(144部/150部)
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第3章 結果・考察
3−1.主な結果の単純集計
3−1−1.企業の認知度
仮説③である企業の知名度によってスポーツへの協賛への意味が異なるという部分を計る
ため、質問紙には単純な企業の知名度を計測する質問をいれた。その結果の単純集計表は以下
のとおりである。
グラフ3−1−1.企業の知名度
※日産・トヨタ・アイシン・ミキハウ
企業知名度
ス:N=75
100%
サントリー・ホンダ・オリックス・
90%
80%
ワ−ルド:N=69
70%
4
60%
3
50%
2
40%
1
20%
2:商品等ある程度は知っている
10%
オ
リ
ッ
ク
ス
ワ
ー
ル
ド
3:企業の名前だけは知っている
ホ
ン
ダ
ト
ヨ
タ
ア
イ
シ
ン
ミ
キ
ハ
ウ
ス
サ
ン
トリ
ー
0%
日
産
選択肢の説明
1:事業内容等詳しく知っている
30%
4:名前も聞いたことがない
上記のグラフの通り、日産自動車・トヨタ自動車・サントリー・ホンダの4社については選
択肢の中で2が大半を占めている。ただ、どの企業においても1と回答した割合は小さく、回
答者が学生であったことから、あまり事業内容までは関心がなかったと言える。よってそれを
踏まえ、先の4社についてはほとんどの人がある程度は知っていると回答してくれたことから、
知名度の高い企業であると考えることにする。ミキハウスに関しては2と3と答えた人が多く、
知名度に関しては高くもなく低くもなくと言ったところである。アイシン精機とワールドの2
社では4と答えた人が多かったことから、知名度は低い企業であると言える。オリックスに関
しては、3と回答した人が84%ととても多く、4と答えた人は少ないことが分かる。すなわ
ちほとんどの人が名前だけは知っているということである。この理由に関しては次の3−1−
2の部分で述べたいと思う。
この単純集計グラフをもとに、本研究では日産自動車・トヨタ自動車・サントリー・ホンダ
を知名度の高い企業、アイシン精機・ワールド・オリックスを知名度の低い企業(オリックス
をここに入れた理由は次節参照)、ミキハウスをどちらとも言えない企業であるという認識で
行うこととした。
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3−1−2.スポーツチーム所持・支援という事実の認知度
仮説とは直接関係ないが、本研究の目的に関わるものとしてスポーツチーム所持・支援と言
う事実をどのくらいの人が認識しているのかを知る必要があると考えた。結果は以下のとおり
である。
表3−1−2A.スポーツチーム所持・支援という事実の認知度(質問紙①と③の結果)
※ 単位:%
N=75
日産自動車
トヨタ自動車
トヨタ自動車
トヨタ自動車
アイシン精機
ミキハウス
(サッカー)
(サッカー)
(バスケ)
(ハンド)
(バスケ)
(ソフト)
知っていた
38.7
37.3
30.7
1.3
12.0
21.3
知らない
61.3
62.7
69.3
98.7
88.0
78.7
表3−1−2B.スポーツチーム所持・支援という事実の認知度(質問紙②と④の結果)
N=69
サントリー
サントリー
(ラグビー) (バレー)
ホンダ
オリックス
ワールド
(ソフト)
(野球)
(ラグビー)
知っていた
42.0
44.9
2.9
100
18.8
知らない
58.0
55.1
97.1
0
81.2
上の2つの表を見てもらええれば分かるように、ほとんどの企業・スポーツにおいて知らな
いと答えた人の方が比較的多くなっている。その中でもトヨタ自動車がハンドボールチームを
所持している事・ホンダがソフトボールチームを所持している事の2つは極端に認知度が低か
った。この理由としては、スポーツ自体の人気というものが理由として挙げられる。また、サ
ントリーに関して、ラグビーでもバレーボールでも知っていたと回答した人の割合が比較的多
かった。この結果は意外であったが、サントリーという企業とスポーツとが深く結びついてい
るというイメージがあるのかもしれないと感じた。ただ全体としては知らないという回答が多
かった。故に実態として各種スポーツにおいてチーム所持・支援という事実はあまり知られて
いないのである。これらのことに関しては、第5章結論の部分で詳しく触れることにする。
ただオリックスについては、野球チームを所持していることを知っていると答えた人が10
0%であった。野球のメディア露出度の高さが理由であろう。3−1−1の結果ではオリック
スは企業の名前だけ知っていると答えた人が大半であった。この3−1−2の結果と合わせて
考えると、人々はオリックスが野球チームを所持していることで、オリックスという企業名を
認知していると考えることが出来るのではないか。よって、スポーツという分野以外でのオリ
ックスの知名度は低いと考え、比較的知名度の低い企業という認識で本研究を行うことにした。
企業名を認知させるという効果では、野球というスポーツは大変な力を持つといえる。
- 11 -
3−1−3.スポーツの観戦頻度と認知の関係
企業イメージとは関係ないが、スポーツの観戦頻度によってスポーツチーム所持・支援とい
う事実の認知度は左右されているのかという疑問が生じていた。ただ、スポーツ観戦頻度の質
問に関しては、野球・サッカー以外のスポーツでは、1年に1〜2回、または、ほとんど見な
い、という選択肢に回答が集まってしまい、その観戦頻度と認知の関係性を計るのは不可能で
あった。また、3−1−2の結果であるように、オリックスにおいてはチーム所持の認知度が
100%であったため、野球に関しても観戦頻度と認知の関係を計るのは不可能である。よっ
てサッカーにおいてのみ、観戦頻度と日産自動車・トヨタ自動車がスポンサーとなっていると
いう認知の関係を分析した。
観戦頻度(TV等含む)を測る質問では選択肢を、1:毎日見る、2:1週間に1,2回、
3:1ヶ月に1,2回、4:半年に1,2回、5:1年に1,2回、6:ほとんど見ない、と
した。クロス表を作成する上で、度数が極端に小さくなってしまうセルがあったため、ここで
は便宜上1から3を選んだ人を観戦頻度の高い人、4から6を選んだ人を観戦頻度の低い人と
し、サッカーの観戦頻度と各企業の支援行為の認知度において2×2のクロス表を作成し、χ
2乗検定を行った。
表3−1−3A.サッカーの観戦頻度と日産がサッカーチームを支援している事の認知度との
関係
サッカー観戦頻度(度数)
認知
度
観戦頻度が高い
観戦頻度が低い
21
8
5
41
知っている
知らない
※
Pearson のχ2乗値:29.746
漸近有意確率:0.000
表3−1−3B.サッカーの観戦頻度とトヨタがサッカーチームを支援している事の認知度と
の関係
サッカー観戦頻度(度数)
認知
度
観戦頻度が高い
観戦頻度が低い
知っている
16
12
知らない
10
37
※ Pearson のχ2乗値:9.966
漸近有意確率:0.002
上の2つの表から分かるように、日産自動車・トヨタ自動車どちらにおいても有意な結果を
得ることができた。特に日産自動車においては有意確率が 0.000 とかなり的確な結果がでた。
サッカーにおいて、観戦頻度の高い人の方が低い人と比較して、日産自動車・トヨタ自動車が
サッカーチームを支援している事を知っている人が多いということが分かる。やはり、サッカ
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ーをより多く観る人ほどスポンサーに触れる機会も多い事が理由であろう。
他のスポーツにおいては分析できなかったが、同じ事が言えるのではないだろうか。やはり、
そのスポーツを観る機会が多い人ほどそのスポーツのチームを支援する企業のことを知って
いると考えられる。
3−1−4.スポーツの認識について
仮説②にメジャーなスポーツとマイナーなスポーツという言葉を入れた。そう言われてある
程度どのスポーツがどちらかと想像できると思うが、本研究の中でどのスポーツをどう位置付
けるかをはっきりとさせる必要がある。よって、質問紙の中にメジャーであるかマイナーであ
るかという各スポーツの認識を問う設問をいれた。
表3−1−4.各スポーツの認識(選択肢の平均値を記載:)
認識度
※
野球
サッカー
ラグビー
バスケ
バレー
ソフト
ハンド
1.42
1.38
3.11
1.95
2.17
3.09
3.46
5段階方式で答えてもらった。1に近い方がメジャーで5に近い方がマイナーとした。
上の表より、比較的1に近かった野球・サッカーをメジャーなスポーツ、5に近くなったラ
グビー・ソフトボール・ハンドボールをマイナーなスポーツ、そしてバレーボール・バスケッ
トボールをそのどちらでもない、という認識で研究を行うこととした。
3−2.企業イメージに関する分析
3−2−1.各企業におけるイメージの変化
ここで書くのは、仮説①〜④まで全てに関係する、各企業においてのスポーツチームを支援
しているという情報を入れた質問紙と入れなかった質問紙とでの企業イメージの差について
の結果である。
質問は前に書いた8項目に対して5段階で答えてもらうような形をとった。例えば将来性の
項目なら、
とても思う
将来性がある
やや思う
1
2
どちらとも
3
やや思う
とても思う
4
5
将来性がない
というような形式をとった。
ただ、上の例では左側にプラスのイメージ、右側にマイナスのイメージをとっているが、質
問紙上では有効な回答を得るため、左右にどちらにプラス・マイナスのイメージを持ってくる
かは8項目でランダムになるようにした(詳しくは付録質問紙を参照)。下に出てくる表の中
で1.将来性から4.宣伝広告の上手さまでは上記例のように左側にプラスのイメージ(選択
肢1という回答が最も良いイメージで5が最も悪いイメージ)を持ってきたが、5.親しみや
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すさから8.透明性までは逆に右側にプラスのイメージを置いた。
結果はそれぞれの企業について以下にまとめた。平均値の欄の○数字は質問紙の番号である。
※
t検定において有意水準は
***:p<0.001
**:p<0.01
*:p<0.05
を表す。
・ 日産自動車(サッカー)
表3−2A.日産自動車のイメージの変化
平均値
1.将来性
(1:よい→5:わるい)
2.積極性(
〃
③ 2.05
1.977
0.052
① 2.74
③ 2.14
2.463
0.016
① 2.89
③ 2.32
3.193
0.002
① 2.63
③ 2.38
1.037
0.303
(5:よい→1:わる
① 3.58
③ 3.76
-1.066
0.290
)
① 3.53
③ 3.92
-1.972
0.052
① 4.03
③ 4.41
-1.701
0.093
① 3.00
③ 3.19
-1.059
0.293
〃
)**
4.宣伝広告の上手さ(
5.親しみやすさ
有意確率
① 2.42
)*
3・社会貢献度(
t値
〃
)
い)
6.信頼性(
〃
7.企業規模(
8.透明性(
〃
〃
)
)
上の表より、平均値をみるとどの項目に関してもスポーツチームを支援しているという情報
を入れたことでプラスの効果があったことが分かる。その中でも積極性・社会貢献度という2
つの項目では有意な結果を得ることが出来た。また、将来性・信頼性の項目においても、若干
有意確率は高くなってしまったものの、そのような傾向があるということは言えるとみていい
だろう。今、日産自動車は社長を含めメディアに登場する機会が多いことから勢いのある企業
であるという印象を受ける。スポーツチームを支援することもその企業の「勢い」の延長線上
にあると考えられ、積極性という項目で大きな効果があったのではないだろうか。
・ トヨタ自動車(サッカー・バスケ・ハンド)
表3−2B.トヨタ自動車のイメージの変化
平均値
1.将来性
(1:よい→5:わるい)
2.積極性(
〃
)*
3・社会貢献度(
〃
)
4.宣伝広告の上手さ(
5.親しみやすさ
6.信頼性(
8.透明性(
)
〃
〃
)*
(5:よい→1:わるい)
〃
7.企業規模(
〃
)
)
t値
有意確率
① 1.68
③ 2.05
-1.410
0.163
① 2.63
③ 2.03
2.285
0.025
① 2.58
③ 2.46
0.475
0.636
① 2.76
③ 2.24
2.211
0.030
① 3.89
③ 3.95
-0.256
0.800
① 4.21
③ 3.92
1.358
0.179
① 4.71
③ 4.78
-0.388
0.699
① 3.11
③ 3.27
-1.034
0.305
- 14 -
積極性・宣伝広告の上手さの2項目では、情報を入れたことでプラスの効果があったという
有意な結果が得ることができた。しかし、将来性・信頼性の2項目では、スポーツチーム所持
がマイナスの効果になるという結果になってしまった。ただ、その他も含めこの2つについて
も有意な結果ではなかった。理由を考えると、トヨタ自動車は「世界のトヨタ」と呼ばれるこ
とからも分かるように、日産自動車以上にイメージが定着していると考えられる。実際、表を
見ると情報を入れた質問紙の結果がよくないというより、情報を入れない質問紙においてもと
ても良いイメージを抱かれている事が分かる。よって、質問紙調査を行う以前にイメージがで
きあがってしまっていて、多少不確定な結果がでてしまったといえる。
・ アイシン精機(バスケ)
表3−2C.アイシン精機のイメージの変化
平均値
有意確率
① 3.18
③ 2.86
2.025
0.047
① 3.18
③ 2.70
2.586
0.012
① 3.00
③ 2.78
1.495
0.137
① 3.45
③ 2.89
3.135
0.002
5.親しみやすさ(5:よい→1:わるい)***
① 2.53
③ 3.46
-4.850
0.000
6.信頼性(
① 2.82
③ 3.11
-1.875
0.065
① 2.63
③ 2.86
-1.345
0.183
① 2.76
③ 3.08
-2.404
0.019
1.将来性
(1:よい→5:わるい)*
t値
2.積極性(
〃
)*
3・社会貢献度(
〃
)
4.宣伝広告の上手さ(
〃
7.企業規模(
8.透明性(
)**
)
〃
〃
〃
)
)*
平均値を見ると、全ての項目でスポーツチームを支援しているという情報をいれたことでプ
ラスの効果があることがわかった。その中でも将来性・積極性・宣伝広告の上手さ・親しみや
すさ・透明性という多くの項目で有意な結果が得られた。宣伝広告の上手さ・親しみやすさの
2項目では大きなプラス効果があったと言える。有意でなかった項目にしても、有意確率は0.
1前後であり全体として強いプラスの傾向が見られた。
企業の知名度が低い分、元々のこの企業に対する潜在的なイメージがないため、このような
大きな効果があったのではないかと考ええられる。簡単に言えば今まで名前を聞いたことのな
い企業がスポーツチームを支援していると知れば、そのことについて悪く思う人はいないので
はないかということである。
・ ミキハウス(ソフト)
表3−2D.ミキハウスのイメージの変化
平均値
1.将来性
2.積極性(
(1:よい→5:わるい)
〃
)*
t値
有意確率
① 2.89
③ 2.62
1.592
0.116
① 3.08
③ 2.57
2.531
0.014
- 15 -
3・社会貢献度(
〃
)
4.宣伝広告の上手さ(
5.親しみやすさ
6.信頼性(
8.透明性(
)
(5:よい→1:わるい)
〃
7.企業規模(
〃
)
〃
〃
)
)
① 2.87
③ 2.73
0.836
0.406
① 2.63
③ 2.70
-0.350
0.727
① 3.89
③ 3.54
1.876
0.065
① 3.58
③ 3.46
0.753
0.454
① 3.74
③ 3.59
0.773
0.442
① 2.97
③ 3.08
-0.894
0.374
ミキハウスでは平均値を見ると、宣伝広告の上手さ・親しみやすさ・信頼性・企業規模の4
項目で、スポーツチーム所持が企業イメージに対してマイナスの効果があった、という結果と
なってしまった。ただ、これらの結果は有意な値ではなかった。
唯一、積極性の項目ではプラスの効果があるという有意な結果が得られた。
このように、あまり有効な結果が得られなかった要因としては、ソフトボールという比較的
マイナーなスポーツのチーム所持であったことから、回答者がその事実に対する具体的なイメ
ージを抱くことができなかったと言える。
・ サントリー(バレー・ラグビー)
表3−2E.サントリーのイメージの変化
平均値
1.将来性
(1:よい→5:わるい)
2.積極性(
〃
)
3・社会貢献度(
〃
)
4.宣伝広告の上手さ(
5.親しみやすさ
6.信頼性(
8.透明性(
)
〃
〃
)
(5:よい→1:わるい)
〃
7.企業規模(
〃
)
)
t値
有意確率
② 2.33
④ 2.28
0.341
0.734
② 2.67
④ 2.31
1.380
0.172
② 2.70
④ 2.47
0.940
0.351
② 2.45
④ 2.31
0.553
0.582
② 4.00
④ 4.03
-0.135
0.893
② 3.88
④ 3.81
0.379
0.706
② 4.52
④ 4.17
1.722
0.090
② 3.03
④ 3.22
-1.167
0.247
サントリーではどの項目においても有意な結果を得ることが出来なかった。平均値をみると
信頼性・企業規模を除いた6項目では情報を入れた質問紙の方が良いイメージとはなっている。
ただ、どの項目も強い傾向は見られなかった。
サントリーは飲料水を主に扱っており、生活する上で、普段から頻繁に目にする企業である。
そのためトヨタ自動車と同様(スポーツ協賛などと言う前に)イメージが完成されてしまって
いると言えるのではないか。実際に親しみやすさの項目においては、他企業と比較し、平均値
が最も高くなっている。ただ、3−1−2の結果よりサントリーがスポーツチームを支援して
いることは比較的知られていると言える。とても親しみやすい企業というイメージを作り上げ
る1つの要因としてスポーツ支援も挙げられるということではないだろうか。
- 16 -
・ ホンダ(ソフトボール)
表3−2F.ホンダのイメージの変化
平均値
(1:よい→5:わるい)
1.将来性
2.積極性(
〃
)
3・社会貢献度(
〃
)
4.宣伝広告の上手さ(
〃
7.企業規模(
8.透明性(
)
(5:よい→1:わるい)
5.親しみやすさ
6.信頼性(
〃
)
〃
〃
)
)
t値
有意確率
② 1.70
④ 2.14
-2.183
0.033
② 2.45
④ 2.19
0.977
0.332
② 2.45
④ 2.39
0.248
0.805
② 2.67
④ 2.53
0.502
0.617
② 3.85
④ 3.97
-0.625
0.534
② 3.88
④ 3.81
0.420
0.676
② 4.52
④ 4.22
1.746
0.085
② 3.18
④ 3.25
-0.377
0.707
結果にばらつきがあり、判断しにくくなってしまった。有意な結果を得ることが出来た将来
性の項目も、情報を入れたほうが結果が悪くなってしまっている。
ホンダも有名企業であるが故に、すでに確立されたイメージがあり、スポーツチーム所持と
いう情報を入れたところでイメージが良くなるわけではないと言える。日産自動車やトヨタ自
動車がサッカー等人気あるスポーツのチームを支援していることに対し、ホンダはソフトボー
ルというとてもマイナーと言えるスポーツでチームを所持するという情報をいれたことも要
因の1つであろう。今回は団体球技に絞ったと言うことでホンダはソフトボールチームの支援
という情報をいれて分析を行った。しかし、もしメディア露出度・人気共に高い F1のチーム
を持つという情報を入れていたとしたら、もっと有意なプラス効果が見られたのかもしれない。
・ オリックス(野球)
表3−2G.オリックスのイメージの変化
平均値
1.将来性
(1:よい→5:わるい)**
2.積極性(
〃
)
3・社会貢献度(
〃
)***
4.宣伝広告の上手さ(
5.親しみやすさ
6.信頼性(
8.透明性(
)*
〃
〃
)**
(5:よい→1:わるい)***
〃
7.企業規模(
〃
)*
)
t値
有意確率
② 3.45
④ 2.86
3.536
0.001
② 3.12
④ 3.17
-0.070
0.945
② 3.18
④ 2.47
3.724
0.000
② 3.52
④ 2.89
2.955
0.004
② 2.45
④ 3.75
-5.831
0.000
② 2.97
④ 3.39
-2.459
0.017
② 3.15
④ 3.64
-2.376
0.020
② 2.82
④ 2.81
0.069
0.945
将来性・社会貢献度・宣伝広告の上手さ・親しみやすさ・信頼性・企業規模の6項目で情報
を入れたことでプラス効果があるという有意な結果を得ることができた。中でも社会貢献度・
- 17 -
親しみやすさの項目では平均値に大きな差が合った。最も変化の大きかった企業である。それ
以外の透明性・積極性という項目では、平均値を見ると情報を入れることでマイナス効果が出
てしまったが、有意確率が 1 に近く全く有意な結果ではなかった。
やはり毎日テレビ中継されている野球のチームを持っていることが、理由の一つであろう。
最も大きな変化(プラス効果として)が見ることができた企業である。
・ ワールド(ラグビー)
表3−2H.ワールドのイメージの変化
平均値
1.将来性
(1:よい→5:わるい)
2.積極性(
〃
)
3・社会貢献度(
〃
)**
4.宣伝広告の上手さ(
〃
)
t値
有意確率
② 3.09
④ 3.00
0.576
0.566
② 3.09
④ 2.89
1.009
0.317
② 3.21
④ 2.69
3.054
0.003
② 3.42
④ 3.17
1.275
0.207
5.親しみやすさ
(5:よい→1:わるい)**
② 2.39
④ 3.03
-2.961
0.004
6.信頼性(
)
② 3.03
④ 3.14
-0.734
0.466
② 2.67
④ 3.31
-2.305
0.024
② 2.75
④ 2.83
-0.517
0.607
〃
7.企業規模(
8.透明性(
〃
〃
)*
)
平均値を見るとどの項目も情報をいれることで企業イメージにプラスの効果があったこと
がわかる。その中でも、社会貢献度・親しみやすさ・企業規模の項目では有意な結果を得るこ
とが出来た。
このように、多くのプラス効果を見ることができたのは、アイシン精機と同様、ワールドと
いう企業の知名度が低かったことが一因だろう。
3−2−2.企業のイメージ変化についての総評
各企業においてのイメージ変化を見てきたが、全体としてプラスの効果があったと言える企
業が多かった。中でも日産自動車・アイシン精機・オリックス・ワールドの4社では効果がは
っきりと見え、とても有効な結果を得ることができた。これらの共通点として、メジャーなス
ポーツでチームを所持・支援していること、あるいは、元々の企業の知名度が低いこと、のど
ちらかにあてはまっていることが分かった。最も差の大きかったオリックスでは、日本一メデ
ィア露出度の高い野球でチームを持っている、野球以外においての知名度が低い、と両方の条
件を満たしていた。
逆に、その他の企業では、プラスの効果があるというわずかな傾向は見られたものの、有効
な結果ではなかった。これらの企業では上の2つの条件をどちらも満たしておらず(トヨタ自
- 18 -
動車に関してはサッカーを支援しているがバスケやハンドも支援しているという情報をいれ
たため例外とする)、知名度の高い企業ではイメージがすでに確立されてしまっていたことが
原因であるといえる。もっともプラス効果のなかったホンダ・ミキハウスは、知名度も高く、
さらにマイナーなスポーツといえるソフトボールでチームを所持しすることで具体的なイメ
ージが沸いてこなかったことが原因と言えるのではないだろうか。
これらの結果を踏まえ、第4章ではそれぞれの仮説について検証していくことにする。
3−2−3.企業イメージとスポーツのイメージとの関係
仮説④では、スポーツへの印象とそのスポーツにおいてチームを所持・支援する企業のイメ
ージとに関係があると考えた。これを計るために、情報を入れた質問紙には、スポーツのイメ
ージに関する質問をいれた。そして、あるスポーツに良いイメージを持っている人が、そのス
ポーツを支援するという情報をいれた企業のイメージにも良いイメージを抱くのかを測定す
ることにした。
先にも書いたように、企業のイメージを計るため8つの項目において5段階による評価方法
で質問を設定した。スポーツのイメージについてはそれとは別に、そのスポーツをかっこいい
と思うか、伝統があると思うか、親しみやすいか、魅力的であるか、関心があるかという5つ
の項目で、これも5段階による評価方法で質問を設定した。
スポーツに関する質問では5項目とも、選択肢「1」が最も良いイメージであり、選択肢「5」
が最も良くないイメージとなるように設定した。企業イメージでは項目によって選択肢「1」
と選択肢「5」とで良い悪いの並びをランダムに設定したと書いた。しかし、スポーツに関す
る質問に合わせるため、全ての項目で選択肢「1」が最も良いイメージであり、選択肢「5」
が最も良くないイメージとなるように設定しなおした。
企業イメージでは8項目、スポーツのイメージでは5項目の和を取り、その和をそれぞれの
イメージの総評とした。そして、この2つのイメージに相関性は見られるか分析した。
表3−2−3.企業イメージとスポーツの印象との相関
相関係数
有意確率
N
日産自動車とサッカー
0.334
0.043
37
オリックスと野球
-0.151
0.380
36
アイシン精機とバスケットボール
0.011
0.948
37
ミキハウスとソフトボール
0.050
0.768
37
代表的な結果は上の表のとおりである。全ての組み合わせについて分析したが、結果にばら
つきがあり、日産自動車とサッカー以外は全て相関が見られなかったため、それらの結果の記
載は省略した。唯一、相関の見られた日産自動車とサッカーだが、他の知名度の高い企業とメ
ジャーなスポーツとの組み合わせでは相関が見られなかったため、これは偶然と考えていいの
- 19 -
ではないだろうか。
よって、結果としてはスポーツの印象と企業イメージに関連性は見出せなかった。
3−3.総括(仮説の検証)
・ 仮説①の検証
「スポーツチームの所持・支援はどのスポーツへの協賛でも企業イメージにプラスの効果があ
る」
全体的に見ると、どのスポーツへの協賛にしても、マイナスの効果があるという結果は出
ず、プラスの効果があったという結果が多かった。実際、8社それぞれ8項目の計64項目
の設問の内、51項目でプラス効果(有意な結果は19項目)、13項目でマイナス結果(1
項目有意となった)となった。これはサイン検定により、0.1%水準で有意な結果と言え
る。よって、全体として、この仮説は実証されたことになる。
それぞれ詳しく見てみると、第3章より、日産自動車・アイシン精機・オリックス・ワー
ルドの4社についてはプラスの効果があるというような傾向が強く見られ、この仮説を満た
すような結果となった。しかし、その他4社では、そのような小さな傾向はみられたが、有
効な結果とは言い難い。その中で、有効と言えるような差はなかったが小さな傾向は見られ
たトヨタ自動車・サントリーに関しては、所持・支援するスポーツが問題ではなく、日常生
活における企業としての認知度が高く企業イメージが確立されてしまっていたことが要因
と言える。仮説を実証するような結果が特にでなかったその他2社を見てみると、ミキハウ
ス・ホンダは共にソフトボールと表3−1−4よりマイナーであると考えられているスポー
ツでチームを所持・支援しているという情報を入れている。ここから言えることは、ある程
度の知名度を持つ企業がマイナーなスポーツでチームを所持・支援することではプラスの効
果は見えなかったということである。要因としては、企業としてのイメージがある程度でき
ている企業がマイナーなスポーツを支えていると言われても、その実態を想像することが困
難であるからと言えるのではないだろうか。これらのスポーツは企業からの支援を受けるた
めにも、スポーツとしての盛り上がりが必要とされる。
また、メジャーなスポーツとマイナーなスポーツ両方でチームを所持・支援しているとい
う情報をいれたトヨタ自動車においても、あまり有効な結果を得ることはできなかった。多
くのスポーツでチームを持つという情報を入れても、企業規模から考えて、イメージに変化
は出なかったのかもしれない。
・ 仮説②の検証
まず、第3章の2節企業イメージの部分で書いた各企業におけるイメージの変化のうち、
プラス効果があった項目で有意な結果が得られたものを整理する。
- 20 -
日産自動車
… 積極性、社会貢献度
トヨタ自動車 … 積極性、広告・宣伝の上手さ
アイシン精機 … 将来性・積極性・宣伝広告の上手さ・親しみやすさ・透明性
ミキハウス
… 積極性
サントリー
… 該当無し
ホンダ
… 該当無し
オリックス
… 将来性・社会貢献度・宣伝広告の上手さ・親しみやすさ・信頼性・
企業規模
ワールド
… 社会貢献度・親しみやすさ・企業規模
②−1.「メジャーなスポーツでチームを所持・支援することには<積極性>・<親しみや
すさ>という分野で大きなプラス効果がある。」
上に整理したものの中で、3−1−4の結果よりメジャーであると判断した野球・サッ
カーでチームを所持・支援している企業は、日産自動車・トヨタ自動車・オリックスであ
る。そこで得られた有意な結果のうち3社ともに共通する項目は1つもなかった。日産と
トヨタでは<積極性>、日産とオリックスでは<社会貢献度>の項目で有意な結果を得る
ことはできた。しかし、他社でもこの項目が有意な結果となったものはあり、これはメジ
ャーなスポーツであるということが原因ではないと言える。
②−2.「マイナーなスポーツでチームを所持・支援することには<社会貢献度>・<信頼
性>という分野で大きなプラス効果がある。」
仮説①の検証でも書いたとおり、マイナーなスポーツであると判断したものの中でソフ
トボール・ハンドボールでチームを所持するホンダ・ミキハウスではほとんどプラス効
果があるという結果がでなかった。そのため、この仮説を実証することはできなかった。
また、メジャーなスポーツとマイナーなスポーツ両方でチームを所持・支援している
という情報をいれたトヨタ自動車においても、あまり有効な結果を得ることはできなか
った。
・ 仮説③の検証
「知名度の高い企業と低い企業とではスポーツへの協賛が持つ意味・大きさが異なる。」
「知名度の低い企業は高い企業より大きなプラス効果を得ることができる。」
第3章の結果より知名度の低いと判断したオリックスでは6項目、アイシン精機では5項
目、ワールドでは3項目で有意な結果を得ることができた。それに対し、知名度が高いと判
断した日産自動車・トヨタ自動車ではそれぞれ2項目で有意な結果、サントリー・ホンダで
は有意な結果のでた項目がなしという状態にとどまった。よってこれから判断して、知名度
- 21 -
の低い企業は高い企業より大きなプラス効果を得ることができると言えるだろう。
また、具体的な効果としては仮説②の検証を見てもらえれば分かるが、企業によってばら
つきがでてしまった。しかし、知名度が低い企業3社では唯一<親しみやすさ>の項目が共
通して有意な結果となった。あまりイメージのなかった企業がスポーツチームを所持・支援
しているということを意識することで、人々はその企業に対して親しみを持つようになる、
というなかなか興味深い結果が出た。
・ 仮説④の検証
「各々のスポーツに良い印象があるかないかによって、スポーツへの協賛が持つ効果の大きさ
が異なる。あるスポーツに良い印象を持つ人は、そのスポーツのチームを所持・支援してい
る企業のイメージは良い印象を持たない人と比較し大きなプラスの効果がある。」
3−2−3の結果より、この仮説に関して、スポーツの印象とそのスポーツでチームを所
持・支援する企業との関連は見出せなかった。よって、この仮説を実証することはできなかっ
た。
回答者が、そのスポーツに対する先入観抜きで、各スポーツでチームを所持・支援する企業
のイメージを答えてくれたという考え方も出来る。そういう意味では、仮説①から仮説③まで
をより有意義な結果と考えることが可能になると言える。
- 22 -
第4章
おわりに
4−1.結論
スポーツチームを所持・支援しているという情報を入れたことで、比較的プラスの効果を多
く見ることができた。仮説①が成り立つことを実証することができた。これは収穫であり、本
研究が最も示したかったものである。具体的に8つの項目を挙げて調査したが、その具体的な
効果というところでは、個人個人によって意味合いが違っていたようだ。企業の知名度やスポ
ーツの認知度と言ったところで、メジャーなスポーツに協力すればどの企業も「積極性」にお
いてイメージが上がるというような、共通とした具体的な項目はほとんどなかった。ただマイ
ナスの効果が見られた企業・スポーツはなく、すなわち、スポーツチームを所持・支援するこ
とで、不必要な投資だと言い、その企業に対しマイナスイメージを持つ人はほとんどいないと
いうことであった。特に、知名度の低い企業がスポーツチームを所持・支援すること、メジャ
ーなスポーツ(メディア露出度の高いスポーツ)のチームを所持・支援することには大きな意
味があったと言えよう。
ただ、企業規模・スポーツ自体の認知度によって結果に差が出てしまったのも事実である。
上の2つの条件を満たしてないケースでは大きな差が見られず、チームを所持・支援すること
に意味を見出せなかった。このような事態になってしまった理由としては、回答者がその情報
を聞いても、具体的なイメージを想像することができなかったからだろう。この事から言える
ことは、今現在様々なスポーツで企業にチームを所持・支援してもらうためには、スポーツと
しての盛り上がりが必要とされていることだ。しかし、研究目的では、スポーツとして盛り上
がるために企業の協力が必要だと書いた。矛盾してしまっているのか。そうではない。相互作
用が求められているのだ。つまり、スポーツ界(特にあまりメジャーでないスポーツ)では、
活性化のための何か具体的な策を持たなければならない。その策すらないスポーツには、企業
としても協力することはただの無駄になってしまう。企業とスポーツはお互いにプラス作用を
もたらし合いながら協力することが必要であるし、それが可能なことはこの研究で示せたので
はないだろうか。
表3−2−3よりスポーツに対する印象と企業イメージには相関性が見られなかった。よっ
てスポーツへあまり良い印象を持っていない人でも、スポーツチームを所持・支援する企業に
良い印象を持つ人は少なからずいるということである。スポーツに関心がない人たちに、関心
を持たせ、そのスポーツを良く見てもらうことが今後の課題と言える。実際、第3章の表3−
1−3A・B からわかるように、そのスポーツをよく観戦する人ほど、そのスポーツでどの企
業がチームを所持・支援しているか良く知っている、という結果も出ている。
この研究の集大成として、これらの、今後のスポーツ界が盛り上がるためにはどうすればい
いのか、関心がない人たちを振り向かせるためにはどうすればいいか、日本にスポーツ文化を
根付かせるためにはどうするのか、という問題を次節で考えてみようと思う。
- 23 -
4−2.今後のスポーツのあり方
本論文を通して、スポーツチームに対する関わり方を、チームの「所持」
・
「支援」と「所持」
と「支援」を区別せずまとめて考えてきた。これは先にも書いたが、本研究が、企業が様々な
条件抜きにスポーツチームに関わっていることから生まれる潜在的なイメージを計るための
もの、だからである。
この研究の結論として行き着いたのは、企業の協力でスポーツは盛り上がり、スポーツの活
性化で企業イメージにプラス効果をもたらすという、企業とスポーツとの互いの相乗効果であ
る。だからこそ、企業側にもスポーツを文化として支えていくという強い意志が要求されるこ
とになる。しかし、これまでは一連の廃部騒動・合併騒動からも分かるように、企業は経営上
のメリットがあるからお金を出してきたに過ぎない(二宮清純「勝者の組織改革」より一部抜
粋)。目に見えないところでもある程度メリットがあることはこの論文で書いてきた。しかし、
経営が苦しくなると、この分野が切られてしまうのも分かる。今のほとんどのスポーツで行わ
れている企業スポーツでは、資金提供できなくなると即座にそのチームの存在がなくなってし
まうのだ。「所持」と言う形では、企業とスポーツチームとの結びつきが強すぎるのである。
そこで、今よく耳にするのが、地域密着によるクラブチーム作りである。地域密着型のクラ
ブチームを作り、そこに企業からの「支援」をいただくという形である。各地域でスポーツに
対する意識を高めると同時に、強すぎた企業との結びつきから離れ、地域ごとの文化として新
しいスポーツの形を形成していくのである。ただ、これだと当然、そのチームにおける企業の
権力は弱まり自由が利かなくなる。そこで繰り返しになるが企業に「スポーツを文化として支
えていくという強い意志」が求められるのだ。スポーツ文化が根付き、スポーツが活性化され
ることが、それを支える企業イメージの大幅なアップにつながるのだ。
野球ではクラブチームとはいかないまでも、各チーム(企業)が地域密着をうたいだした。
野球ほどの人気を誇れば、クラブにせずとも地域密着型チームを作ることができれば、その地
域の人々は裏切ることなく、企業のイメージに大きなプラス効果をもたらしつづける。これは
今回の研究での、メジャーなスポーツへの協力は大きな意味をもたらす、という結果が証明し
ている。だが、野球以外のスポーツではそのようにはいかない。まずはスポーツとしての活性
化が必要である。そのためにも、地域密着チーム作成により「某企業のチーム」を「自分達の
チーム」へと意識改革すれば、これまでそのスポーツに興味のなかったその地域の人々を振り
向かせることも可能ではないだろうか。それを、全国各地で行えば、日本中に「自分達のチー
ム」が存在し、文化としてのスポーツが出来上がるのだ。
今このような制度をとっているのはサッカーのJリーグだけである。本研究においてもJリ
ーグでチームを「支援」する日産自動車は、他の競技でチームを「所持」する企業と比べても、
引けを取らない大きなメリットを得ている。すなわち、「所持」が「支援」より大きなプラス
効果を得ると言うわけではないのだ。
私は、この地域密着型のクラブチーム作りという意見に大賛成である。スポーツを文化とし
て発展させるためには企業からの「支援」は間違いなく必要である。ただ、スポーツ文化が根
付き、そのクラブチームが独立法人として企業からの支援抜きで活動することが真の理想と言
- 24 -
えるのかもしれない。
参考文献
・ 「スポーツ経済効果で元気になった街と国」(2002)
・ 「勝者の組織改革」(2004)
第3版」(2003)
・ 「広告効果論」(2001)
仁科貞文著
・ 「社会調査ハンドブック」(1987)
講談社
PHP 新書
二宮清純著
・ 「スポーツ産業論入門
上条典夫著
原田宗彦著
杏林書院
電通
飽戸弘著
日本経済新聞社
http://www.sportsnetwork.co.jp
・
株式会社スポーツデザイン研究所HP
・
JリーグHP
・
「企業スポーツに関する調査研究」文部科学省スポーツ局
http://www.j-league.or.jp/
http://www.douwashoin.jp/04%20Information/details-kigyousports.htm
・ スポーツ文化を守る会HP
http://lovesports.volleyball.ne.jp/
・ 各スポーツの協会HP、各企業のHPはそれぞれ参考とさせていただいた。
謝辞
まず、本論文を書くにあたって、担当となっていただき適切な指導をして下さった石井健一
先生に心より感謝申し上げます。
また、社会調査ということで質問紙調査にご協力してくださった、社会工学類の太田誠先生、
日本語・日本文化学類の沼田善子先生、比較文化学類の小川美登里先生に心より感謝申し上げ
ます。
質問紙に回答してくれた学生、そして友人も含め、多くの方々の協力のおかげでこの論文を
書き上げることができました。ここでお礼申しあげたいと思います。どうもありがとうござい
ました。
- 25 -
付録
単純集計(度数分布)
本文に載せたもの以外の質問に対する単純結果を掲載する。
企業イメージに関する質問
・ 日産自動車 (度数で表示)
情報無(N=38)
情報有(N=37)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
3
24
4
6
1
6
23
8
0
0
積極性
7
7
15
7
2
9
19
5
3
1
社会貢献度
2
8
20
8
0
3
22
9
3
0
宣伝広告の上手さ
6
13
9
9
1
8
12
13
3
1
親しみやすさ
0
3
13
19
3
0
1
11
21
4
信頼性
1
4
12
16
5
0
2
6
22
7
企業規模
3
1
4
14
16
0
1
3
15
18
透明性
3
2
26
6
1
1
3
22
10
1
・ トヨタ自動車 (度数で表示)
情報無(N=38)
情報有(N=37)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
24
10
0
0
4
11
18
5
1
2
積極性
10
7
10
9
2
14
12
7
4
0
社会貢献度
7
12
9
10
0
6
16
10
2
3
宣伝広告の上手さ
5
11
13
6
3
8
15
11
3
0
親しみやすさ
1
3
9
11
14
0
0
7
25
5
信頼性
2
0
4
14
18
1
1
5
23
7
企業規模
2
0
0
3
33
0
0
1
7
29
透明性
1
4
23
10
0
0
3
23
9
2
- 26 -
・ アイシン精機 (度数で表示)
情報無(N=38)
情報有(N=37)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
1
1
28
6
2
1
8
23
5
0
積極性
0
4
24
9
1
2
15
14
4
2
社会貢献度
0
4
30
4
0
0
14
18
4
1
宣伝広告の上手さ
0
1
22
12
3
1
12
14
10
0
親しみやすさ
6
12
14
6
0
0
4
15
17
1
信頼性
3
5
26
4
0
1
2
26
8
0
企業規模
2
13
20
3
0
2
8
20
7
0
透明性
1
7
30
0
0
0
5
25
6
1
・ ミキハウス (度数で表示)
情報無(N=38)
情報有(N=37)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
2
10
16
10
0
0
16
19
2
0
積極性
1
11
10
16
0
2
18
11
6
0
社会貢献度
1
9
22
6
0
1
13
18
5
0
宣伝広告の上手さ
5
13
12
7
1
1
13
19
4
0
親しみやすさ
1
3
4
21
9
0
2
14
20
1
信頼性
0
2
16
16
4
0
1
19
16
1
企業規模
1
0
16
12
9
0
0
18
16
3
透明性
0
5
29
4
0
0
4
26
7
0
・ サントリー (度数で表示)
情報無(N=33)
情報有(N=36)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
2
21
7
3
0
3
20
13
0
0
積極性
4
11
12
4
2
7
19
5
2
3
社会貢献度
4
8
16
4
1
6
13
13
2
2
宣伝広告の上手さ
9
11
4
7
2
7
15
11
2
1
親しみやすさ
1
2
4
15
11
0
0
8
19
9
信頼性
1
2
6
15
9
0
0
10
23
3
企業規模
1
0
1
10
21
0
2
4
16
14
透明性
1
3
24
4
1
1
1
24
9
1
- 27 -
・ ホンダ (度数で表示)
情報無(N=33)
情報有(N=36)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
15
14
3
1
0
9
16
8
3
0
積極性
7
13
6
5
2
9
17
5
4
1
社会貢献度
9
8
10
4
2
7
14
9
6
0
宣伝広告の上手さ
5
14
6
3
5
5
14
11
5
1
親しみやすさ
0
4
6
14
9
0
1
5
24
6
信頼性
0
1
9
16
7
0
1
6
27
2
企業規模
0
0
2
12
19
0
1
4
17
14
透明性
1
4
20
4
4
0
0
29
5
2
・ オリックス(度数で表示)
情報無(N=33)
情報有(N=36)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
0
2
16
13
2
1
8
22
5
0
積極性
0
6
18
8
1
3
15
11
7
0
社会貢献度
0
5
19
7
2
4
14
15
3
0
宣伝広告の上手さ
0
2
14
15
2
5
5
15
11
0
親しみやすさ
6
14
7
4
2
0
2
8
23
3
信頼性
0
8
18
7
0
0
4
15
16
1
企業規模
0
8
15
7
3
0
3
11
18
4
透明性
1
7
22
3
0
3
7
21
4
1
・ ワールド(度数で表示)
情報無(N=33)
情報有(N=36)
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
将来性
0
4
23
5
1
0
6
26
2
2
積極性
0
4
23
5
1
3
10
11
12
0
社会貢献度
0
4
23
6
0
2
9
19
6
0
宣伝広告の上手さ
0
1
21
7
4
1
6
18
8
3
親しみやすさ
5
11
16
1
0
2
8
15
9
2
信頼性
1
3
23
6
0
0
3
26
6
1
企業規模
3
8
19
3
0
1
6
18
10
1
透明性
2
5
25
1
0
2
5
27
1
1
- 28 -
スポーツに関する質問
・サッカー(度数で表示)N=37
・野球
N=36
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
かっこよさ
19
13
2
3
0
3
17
8
7
1
伝統
11
13
7
5
1
15
15
4
2
0
親しみ
16
17
0
4
0
7
19
2
7
1
魅力的か
20
9
3
4
1
5
12
7
4
7
関心度
17
10
4
4
2
6
13
4
6
7
・バスケ(度数で表示)N=37
・バレー
N=36
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
かっこよさ
21
11
4
1
0
8
15
6
5
2
伝統
4
10
13
9
1
5
10
13
7
1
親しみ
4
13
16
4
0
8
20
1
5
2
魅力的か
7
20
6
4
0
6
17
5
6
2
関心度
5
13
10
8
1
6
11
11
5
3
・ハンドボール(度数で表示)N=37
・ラグビー
N=36
選択肢
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
かっこよさ
1
8
18
9
1
5
12
11
6
2
伝統
0
3
16
13
5
2
15
12
6
1
親しみ
0
6
17
11
3
0
2
13
6
5
魅力的か
1
6
17
10
3
3
9
8
11
5
関心度
1
6
11
13
6
1
6
9
10
10
・ソフトボール(度数で表示)N=37
選択肢
1
2
3
4
5
かっこよさ
2
6
18
10
1
伝統
1
6
16
11
3
親しみ
2
18
8
7
2
魅力的か
2
10
15
8
2
関心度
1
6
15
11
4
- 29 -