JNXにおける 回線パフォーマンス管理について 2004年2月 (財)日本自動車研究所 JNXセンター Copyright © 2004 JNX Center 1 パフォーマンス管理の目的 • BtoBネットワークとして、常にネットワーク全体を 渋滞のない状態に維持する。 – 通常時のトラフィックを把握するため、バックボーンお よびアクセス回線について、回線使用率をはじめとす るデータを毎月計測する。 – 各項目を基準値で管理することにより、ネットワークへ の負荷変動を早期に発見。常にある程度の余裕を確 保する。 Copyright © 2004 JNX Center 2 アクセス回線種別 専用線 専用線TP 専用線TP ATM, HSD, DA, MDN, ハウジング CSP CSPCSP--AA ベストエフォート ベストエフォートTP ベストエフォートTP JNXC JNXC ADSL CEPO CEPO ダイアルアップ ダイアルアップTP ダイアルアップTP ISDN AirLock AirLock CSP CSPCSP--BB ゲートウェイ ゲートウェイTP ゲートウェイTP Copyright © 2004 JNX Center インターネット 3 管理項目 • JNXでは、TPアクセス回線パフォーマンス管理に おいて、以下の各項目について基準値(メトリック) を設けています。 – – – – 1)回線使用率 2)パケット伝送遅延 3)パケット喪失率 4)スループット Copyright © 2004 JNX Center 4 1)回線使用率 • TPアクセス回線は以下の基準内で利用していた だくことを強く推奨しています。 – a)ピーク監視 • 8時~18時における30分間の平均使用率が75% を2回以上連続して超えることが10回/月以内と する。 – b)アベレージ監視 • 当該月の各日の8時~18時における平均値が25% を越えることが10日/月以内とする。 – ただし、TPアクセス回線種別により、本メトリックを適 用しないケースを設ける。 Copyright © 2004 JNX Center 5 2)パケット伝送遅延 • TPからCEPOまでのパケット伝送遅延は、以下の 基準内での利用を目安にしています。 – ネットワーク両端間パケット伝送時間はJNX CSPネッ トワークをパケットが流れる片道の伝送時間と定義さ れる。 – JNX CSPネットワーク(端点のルータとTPアクセス回 線およびCEPOアクセス回線を含む)の両端間で測定 した小さな64バイトパケットの伝送時間が80msを超え てはいけない。 – パケット伝送遅延は、最頻時に計測する。 – ただし、TPアクセス回線の種別によって、本メトリック の適用を除外するケースを設ける。 Copyright © 2004 JNX Center 6 3)パケット喪失率 • TPアクセス回線については、以下の内容でパケッ ト喪失率の監視をしています。 – ネットワークの常態を把握するために、JNX CSPはTP 初期導入時やパフォーマンス・障害時にJNXOやJNX 加入TPからの要求やJNX CSP自身の必要に応じて 任意の端点でのテストを実施する能力を確保していな ければならない。 – ただし、TPアクセス回線の種別によって、本メトリック の適用を除外するケースを設ける。 Copyright © 2004 JNX Center 7 4)スループット • TPからCEPOまでのスループットは、以下の基準 で計測をします。 – JNX CSPはTP初期導入時やパフォーマンス・障害時 にJNXOやJNX加入TPからの要求やJNX CSP自身の 必要に応じて任意の端点でのテストを実施し、その値 は測定経路内の最も低速な回線速度の50%以上と する。 – ただし、TPアクセス回線の種別によって、本メトリック の適用を除外するケースを設ける。 Copyright © 2004 JNX Center 8 メトリックのまとめ • TPアクセス回線のパフォーマンス管理に利用し ている基準値は以下のとおり。 項目 回線使用率 伝送遅延 計測箇所 TPアクセスルータ 基準値 ピーク:75%が10回以内 アベレージ:25%が10日 以内 CEPOテストポイント 80ms以内 ~TPアクセスルータ 頻度 常時 常時 パケット喪失率 TPアクセスルータ 常時 - CEPOテストポイント 経路上の低速部分の50% 要求 スループット ~TPテストポイント 以上 時 Copyright © 2004 JNX Center 9 メトリック適用範囲のまとめ ATM, HSD, DA, MDN, ハウジング 専用線 専用線TP 専用線TP JNXC JNXC CSP CSPCSP--AA ベストエフォート ベストエフォートTP ベストエフォートTP ADSL CEPO CEPO ダイアルアップ ダイアルアップTP ダイアルアップTP ISDN AirLock AirLock CSP CSPCSP--BB ゲートウェイ ゲートウェイTP ゲートウェイTP 回線使用率 Copyright © 2004 JNX Center インターネット 遅延、スループット パケット喪失率 ※点線は「適用しないが、CSPは測定能力をもつ」 10 データ評価方法 • 回線使用率、パケット喪失率、パケット遅延の各 データについては、毎月集計し利用状況の把握 をしています。 – 回線使用率とパケット遅延はトラフィック監視 – パケット喪失率は機器故障・回線異常の検知 TP番号 TP-xxxx 会社名 ○○株式会社 Copyright © 2004 JNX Center CSP JNX速度 CSP-xxx 128K 項目 使用率75% 使用率25% 喪失率0.1% 遅延80ms 03/6 0 0 0.000 82 03/7 1 0 0.000 101 03/8 1 1 0.000 144 03/9 10 6 0.000 210 03/10 17 14 0.000 390 03/11 11 7 0.000 302 評価 2 11 実例(あるTPからの問合せ) • TP-A(1.5M)は、TP-B(128K)からCADデータの ダウンロードを行っている。 • 03年2~3月ごろから遅くなりはじめ、4月に入っ て下記の状況。 – 02年4月:107kbps → 03年4月:約1.9kbps • 日中は極端に遅く1MB/hr(約0.3kbps)程度で、 夜間にある程度早くなる。 • このような状況は、明らかにトラフィック上問題で あると思いますがJNXセンターのモニター等では、 問題が出ていないのでしょうか? Copyright © 2004 JNX Center 12 実例(TP-B回線利用状況) 40 回 パフォーマン ス悪化を体感 ms 35 TP-B回線 増速実施 30 350 300 250 25 200 20 150 15 100 10 50 0 0 02 /8 02 / 02 9 /1 02 0 /1 1 02 /1 2 03 /1 03 /2 03 /3 03 /4 03 /5 03 /6 03 /7 03 /8 03 / 03 9 /1 0 03 /1 1 5 使用率75% Copyright © 2004 JNX Center 使用率25% 喪失率0.1% 遅延80ms 13 増速勧告の必要性 • アプリ公開側、アプリ利用側双方のTPにおいて アクセス回線パフォーマンスを適切に管理するこ との重要性が高まってきた – アクセス回線トラフィックの動向 • 過去:各回線にトラフィック分散 • 現在:JNXへの移行によりトラフィック集中 • 今後:新規アプリ立上げに伴うトラフィック増 – 03年6月に、全TP宛に増速勧告制度を通知 Copyright © 2004 JNX Center 14 増速勧告プロセス 1. 2. 3. 4. 5. 6. CSPは回線使用率違反を発見したらTPに報告。 翌月も違反したらTPに特異月か否かのヒアリングを行い、 JNXCにTP意見をつけて報告。 回線使用率違反が3ヶ月続いたら、 JNXCはTPに増速勧告。 あわせて、CSPはTPに増速提案。 TPは1ヶ月以内に増速計画 書をJNXCに提出し、4ヶ月以内に対策を実施しなければなら ない。 JNXCはJNX内HPに使用率違反TP名を公表。 JNX内への周知から5ヶ月間(初回から数えると8ヶ月)違反が 続いたら、JNXCはTPのCertを失効。 Cert失効により当該TPは VPN通信不能になる(Cert失効中はJNXC課金はストップ)。 増速勧告プロセス中、ある月に回線使用率違反が解消された ら増速タイマーをストップ。翌月が再度違反であればタイマー 再開。 2ヶ月連続して解消されたら増速勧告解除。 Copyright © 2004 JNX Center 15 増速勧告プロセス 2ヶ月連続して違反がな ければ増速勧告解除 1ヶ月違反がなければ 増速タイマーはストップ N-1月 N月 N+1月 TP回線 TP CSP N+2月 N+3月 ・・・ N+7月 回線使用率違反 CSPに説明 TPに注意喚起 TPヒアリング 検討開始 増速提案 増速勧告 JNXC JNX内周知 3ヶ月連続使用率違 反で、TP名を公表 使用停止 計画書提出 増速実施 増速勧告から1ヶ 月以内に提出 増速勧告から4ヶ 月以内に実施 Cert停止 周知後、使用率違反 が5ヶ月続いたら メンバー ズサイト Copyright © 2004 JNX Center 16 最近の増速トレンド 対象データ:03年6月~04年2月に実施された16件 増速前 HSD 19% 増速後 D/UP 13% Ether D/UP 0% 13% MDN 43% DA 25% HSD 19% DA 68% Copyright © 2004 JNX Center 17 JNXCからのお願い • 今後もBtoBネットワークとして必要とされる使い 勝手の実現に向けて、JNXネットワークのパフォー マンス管理を推進していきます。 • 04年5月にJNX網バックボーン回線増強を予定 しています。 • TPアクセス回線につきましても増速へのご理解、 ご協力をお願いいたします。 Copyright © 2004 JNX Center 18
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