- よくわかるフィールドバス - 2008年1月17日 NPO法人日本フィールドバス協会 理事長 森岡義嗣 (横河電機株式会社) 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 目次 なぜフィールドバス? フィールドバスで何が変るの? 私のプラントへの適用性は? 何をすればいいの? 2 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 目次 なぜフィールドバス? フィールドバスで何が変るの? 私のプラントへの適用性は? 何をすればいいの? 3 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation なぜフィールドバス? 生産効率を上げ、 コストを削減し、 グローバルに競争力を高めたい 稼動率・品質 生産効率= 運転コスト 4 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation ユーザの導入理由(ユーザ会発表資料より) トータル設置コストの削減(配線の削減、省スペース、コミッショニングの 短縮)、プラントライフサイクルにわたるコストの削減(機器診断、予知保 全): by Suncor 保守・点検のための広範囲な移動の削減: by BP 導入コストに利、新技術への期待: by クラレ 工事費低減(省配線工事)、省スペース、測定精度向上、 マルチバリアブル・センシング、新技術調査・評価: by 新日石 新技術導入による将来への期待、プラント建設費削減、機器保全・管理 方式の革新、負荷(危険)分散と情報集約の両立: by 帝人 プラントの安定性と信頼性の改善、機器(装置)の利用率改善、 運転費・保守費等の固定費の削減、変動費の削減: by Shell 5 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 目次 なぜフィールドバス? フィールドバスで何が変るの? 私のプラントへの適用性は? 何をすればいいの? 6 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスとは 情報を統合するオープンなトータルアーキテクチャであり、 フィールド機器、 制御監視システムを相互接続する 全ディジタル、シリアル、双方向通信システムである フィールドバス ホスト プロセス P 制御システム L F デバイス 7 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? 1対1配線からマルチドロップ配線へ 1本の配線に複数の機器を接続できる 8 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? マルチドロップ 1本の配線に複数の機器を接 続する トランク配線の削減 マルチコア→シングルペア ダクトの小型化 配線の軽量化 55kg → 7kg (/100m) セグメント設計(同じ配線 に接続する機器を決める こと)が必要 マーシャリングが不要に なる 端子台の機能化 並列配線 機器故障の切り離し 9 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? 情報量の増加・視野の拡大 一台の機器から主プロセス値以外の情報が得られる 機器状態情報、プラント状態情報 運転状況が迅速に、リモートで把握できるようになる 10 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? 情報量の増加 一台の機器から主プロセス値以外の情報が得られる マルチセンシングセンサー(複数のプロセス値を提供する機器) タンク内圧測定用 圧力伝送器 不要 多点温度計 差圧と静圧 マルチバリアブルだと 流量と温度 差圧 静圧 レベル測定 流量・質量流量・温度(コリオリ) 多層レベル(レーダ)など レベル測定用差圧伝送器 配管内圧測定用 圧力伝送器 不要 マルチバリアブルだと 流量測定 差圧 静圧 流量測定用差圧伝送器 11 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? 情報量の増加 一台の機器から主プロセス値以外の情報が得られる 機器の稼動情報 – – – – 機器の稼働時間 機器の周囲温度(トレース温度) バルブの総トラベル量 バルブの静特性 機器診断情報 – – – – 導圧管つまり 配管付着 配管振動 断線 H 12 L 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変わるの? 制御機能分散 制御機能の一部をフィールド機器で実行できる タイトコントロール、プラント・環境保護用ループなど 13 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバスで何が変るの? 設計 設置 運転 保守 運転効率UP、品質向上 配線、中継端子盤の削減 -適切に分類された豊富な情報の取得 -センシングデバイスの高精度化 I/Oモジュールの削減 本安バリアの削減 停止時間低減、保守効率、安全性向上 ディストリビュータ、キャビネットの削減 -診断機能の充実 -相互運用性、マルチバリアブルによる スペア在庫の削減 計器室の削減 機器数の削減 -マルチバリアブル機能 -標準機能ブロック、ソフトウエアダウンロード による容易なアップグレード -機器のリモート調整設定 -フィールド情報のシステマティックな活用 コミッショニング時間の短縮 -ループチェック簡略化 「運転費用の20%を削減」 by ARC 「設置費用の9%を削減」 by ARC 14 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールド作業適正化への期待 現場訪問の63%は巡回と問題無しであった。 これを最小限に減らしたい 15 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 目次 なぜフィールドバス? フィールドバスで何が変るの? 私のプラントへの適用性は? 何をすればいいの? 16 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 私のプラントへの適用性は? どこをフィールドバスにすればいいの? フィールドバスにするところ、できないところ アナログ主体 or 接点(リミットスイッチ、電磁弁等)? 安全計装(ESDシステム、Fire & Gasシステム) 配線は? バス電源ユニット、H1カード、コントローラ、LAS、フィールド機器 危険場所にも使える? 既設ケーブルの使用は? 信頼性は?冗長化できるの? 対応機器の種類 国内防爆(TIIS防爆)の状況と将来 サポート体制は? EPC ベンダー 17 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 私のプラントへの適用性は? フィールドバスの適用範囲 接点関係フィールド機器 緊急遮断回路はFF不可 ガスクロはFF対応製品 無し 多点温度計 が使える 接点関係フィールド機器 接点関係フィールド機器 緊急遮断回路はFF不可 緊急遮断回路はFF不可 出典:IPC-PEJ-22-05Yプロセス計装制御技術協会資料 18 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation フィールドバス協会登録機器 311機種が登録されている 差圧伝送器 圧力伝送器(ゲージ、絶対圧) 電磁流量計 渦流量計 コリオリ流量計 レーダーレベル計 超音波レベル計 レベルゲージ 温度伝送器 多点温度伝送器 バルブポジショナ (2007年8月現在) アクチュエータ 回転弁用アクチュエータ オンオフバルブコントローラ pH/ORP計 導電率計 溶存酸素計 酸素濃度計 連続ガス分析計 フィールドバス/電流変換器 フィールドバス表示器 レコーダー など http://www.fieldbus.org/index.php?option=com_mtree&Itemid=324 19 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 配線 フィールドバス用のケーブル:Type A, Type B Type C, Type D 既設配線の利用について ツイストペアケーブルであれば評価対象になる 現場端子台の配線変更もしくは端子台の変更が必要 20 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 冗長化 冗長化できる部品 フィールドバスインターフェースカード 電源、電源コンディショナ トランクケーブルは冗長化できない フィールド機器のフィールドバス端子は1組となっている 擬似的にトランクを冗長化する方法が提案されている 支線での短絡事故をアイソレートする端子台も広く使われている Power Conditioner Controller Terminal Board Interface Interface 事故! 21 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 国内防爆(TIIS防爆)対応 2007年9月現在は耐圧防爆のみ選択可 FF-JのTIIS防爆推奨案を提示、ベンダへ対応を呼びかけた FISCO認可状況:バリア認可済み、フィールド機器は準備中 フィールドバリア計装例 FISCO計装例 22 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation サポート体制 国内EPCの状況 EPCは早くからフィールドバスへの取り組みを開始し、既に海外で多 くの実績があり、体制は万全である 適用できるところはすべてフィールドバス (EPCセミナー2006 千代田化工建設㈱殿発表事例より) 実績が増え、ブラックボックスから脱却し不安感なし (EPCセミナー2006 日揮㈱殿発表事例より) ベンダーの状況 IO点数分布例 海外で多くの実績を積んでいる TIIS防爆対応など国内特有仕様もラインアップ構築 エンジニアリングツール、ソフトウエアなどの使い勝手向上 知識、経験の水平展開 23 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 目次 なぜフィールドバス? フィールドバスで何が変るの? 私のプラントへの適用性は? 何をすればいいの? 24 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation エンジニアリング方法の変革 セグメント基本設計(方針の策定) セグメント割付条件の決定 – – – – – 1セグメント当たりの機器台数(ループの重要度、消費電力、防爆を考慮) 配置要求(P&IDより配置を想定し、極力距離の近いものを配置) 危険分散(冗長化ループは別セグメントに) 制御周期要求(高速制御要求、時定数を考慮、接続機器台数にも影響) 増設(予備)要求(一時的なデバイス追加も考慮) 制御機能分散(制御機能をどこに置くか、LASをどこに置くか) ケーブル長の決定 セグメントリストの作成 計器リスト、制御システム仕様書 検査計画書(機器受け入れ検査、FAT、SAT) 教育 25 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation プラント運転方法の変革 機器からの情報を利用する運転 機器からのアラームを利用する 機器の稼動状態をリモートで確認する プロセスインターフェースの状態情報を利用する 教育 26 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation メインテナンスの変革 機器の情報を利用するメンテナンス 機器の稼動履歴を参照 機器の状態情報を参照 機器の自己診断情報を参照 作業記録の自動化 機側での作業をリモートから 教育 27 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation PAMの運用上の有効性 Plant Asset Management (PAM) Offer Solutions Beyond Maintenance to Operations % Improvement Beyond Maintenance Asset Performance Workforce Efficiency 効率・稼働率の向上 Plant Availability Product Defects コスト・損失の削減 Production Downtime Spare Parts Inventory Costs Unplanned Breakdowns -60 -40 出典:ARC Advisory Group 28 -20 0 20 40 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation EUC-Jとセミナーのご紹介 エンドユーザ委員会:日本(EUC-J)へご参加ください 年3~4回の会合を持ち、活動をしています 委員長:株式会社三鈴エリー 布川 了様 事務局:株式会社山武 笹嶋、小島 会員数:33 アドバイザー:日本フィールドバス協会ベンダー会員 お申込み: http://www.fieldbus.org/index.php?option=com_content&task=view&id=172&Itemid=351&limit =1&limitstart=4 フィールドバス協会公認「フィールドバス技術セミナー」(日本フィールドバス協会主催) フィールドバス協会の公式トレーニングサイトである 早稲田大学理工学術院総合研究所「産業オープンネットワークラボラトリー」で開催 定例セミナー(入門コース・エンジニアリングコース)は年4回の開催 3/3(月)入門コース, 3/4(火)エンジニアリングコース お申込み: http://www.fieldbus.org/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=120&Itemid= 353 日本フィールドバス協会 29 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation 参考資料 日本フィールドバス協会資料(和文) AG-181 システムエンジニアリングガイド http://www.fieldbus.jp のニュース 過去のユーザセミナの資料 http://www.fieldbus.jp のニュース JEMIMAフィールドバス規格JEMIS038-2006 http://www.jemima.or.jp/issue/index.htm フィールドバス協会資料(英文) FD-043 Technical Overview (技術概要) AG-140 Wiring and Installation Application Guide (配線と設置ガイド) AG-163 31.25 kbit/s Intrinsic Safe Systems (本質安全防爆システムガイド) AG-170 Function Block Capabilities in Hybrid/Batch Applications (ハイブリッド/バッチアプリケーションにおけるファンクションブロックの機能) AG-181 System Engineering Guidelines (システムエンジニアリングガイド) 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) http://www.fieldbus.org 長井記念ホール 2008/01/17 30 © 2008 Fieldbus Foundation 31 日本フィールドバス協会 ユーザセミナ in Japan (東京) 長井記念ホール 2008/01/17 © 2008 Fieldbus Foundation
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